JPWO2018092336A1 - 電流センサ - Google Patents

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Abstract

電流センサは、測定対象の電流の大きさに応じた出力電圧を出力する。電流センサは、電流が流れる導体と、電流により発生する磁界の強さを検出し、磁界の強さに応じた出力電圧を電流センサの出力電圧として出力する磁気センサ(120a,120b)と、周囲温度の変動による磁気センサ(120a,120b)の磁電変換利得の変動、及び、周囲温度の変動により導体が変形することによる磁気センサ(120a,120b)の出力電圧の変動を補正する補正部(140a,140b)とを備える。

Description

本発明は、測定対象の電流により発生する磁界の強さを検出することにより、測定対象の電流の大きさを検出する電流センサに関する。
特許文献1は、バスバーに流れる電流に応じて発生する磁界の強さを検出する磁気検出部を備える電流センサを開示する。この電流センサは、さらに、周囲の温度を検出する温度検出部と、温度検出部で検出された温度を基に磁気検出部の温度依存性による誤差を補正する温度補償部とを有する。
特開2007−278938号公報
本発明は、従来と比較して、周囲温度の変動による出力誤差をより低減できる電流センサを提供することを目的とする。
本発明の電流センサは、測定対象の電流の大きさに応じた出力信号を出力する電流センサであって、電流が流れる導体と、電流により発生する磁界の強さを検出し、磁界の強さに応じた電気信号を電流センサの出力信号として出力する磁気素子と、周囲温度の変動による磁気素子の磁電変換利得の変動、及び、周囲温度の変動により導体が変形することによる磁気素子の電気信号の変動を補正する補正部とを備える。
本発明によれば、従来と比較して、周囲温度の変動による出力誤差をより低減できる。
実施形態1に係る電流センサの外観を示す斜視図である。 図1に示す電流センサにおける導体の外観を示す斜視図である。 図1に示す電流センサにおける磁気センサユニットの外観を示す斜視図である。 図3に示す磁気センサユニットの構成を示す分解斜視図である。 図3に示す磁気センサユニットの電気的な構成を示すブロック図である。 図1に示す電流センサをVI−VI線矢印方向から見た断面図である。 磁気センサの磁電変換利得の温度特性を示す図である。 従来の電流センサにおける従来の補正係数の温度特性を示す図である。 磁気センサの磁電変換利得と従来の補正係数との積の温度特性を示す図である。 従来の電流センサの出力電圧の温度特性を示す図である。 電流センサにおける導体の第1流路部及び第2流路部にかかる応力解析のための電流センサのモデルを示す図である。 図8Aに示す電流センサに対する応力解析の解析結果を説明するための図である。 電流通電による導体の温度上昇分の測定結果を示す図である。 図8Cに関連した導体の変位量の経時変化の測定結果を示す図である。 実施形態1の電流センサにおける第1補正係数及び第2補正係数の定性的な温度特性を示す図である。 図9Aに示す第1補正係数における第1素子補正係数及び第1導体補正係数、並びに、第2補正係数における第2素子補正係数及び第2導体補正係数の定性的な温度特性を示す図である。 第1磁気センサの磁電変換利得と実施形態1の第1補正係数との積、及び、第2磁気センサの磁電変換利得と実施形態1の第2補正係数との積の定性的な温度特性を示す図である。 実施形態1の電流センサの出力電圧の定性的な温度特性を示す図である。 変形例1の第1補正係数及び第2補正係数の定性的な温度特性を示す図である。 図10Aに示す第1補正係数における第1素子補正係数及び第1導体補正係数、並びに、第2補正係数における第2素子補正係数及び第2導体補正係数の定性的な温度特性を示す図である。 第1磁気センサの磁電変換利得と変形例1の第1補正係数との積、及び、第2磁気センサの磁電変換利得と変形例1の第2補正係数との積の定性的な温度特性を示す図である。 変形例1の電流センサの出力電圧の定性的な温度特性を示す図である。 変形例2の第1補正係数及び第2補正係数の定性的な温度特性を示す図である。 図11Aに示す第1補正係数における第1素子補正係数及び第1導体補正係数、並びに、第2補正係数における第2素子補正係数及び第2導体補正係数の定性的な温度特性を示す図である。 第1磁気センサの磁電変換利得と変形例2の第1補正係数との積、及び、第2磁気センサの磁電変換利得と変形例2の第2補正係数との積の定性的な温度特性を示す図である。 変形例2の電流センサの出力電圧の定性的な温度特性を示す図である。 変形例3の第1磁気センサ及び第2磁気センサの磁電変換利得の定性的な温度特性を示す図である。 変形例3の第1補正係数及び第2補正係数の定性的な温度特性を示す図である。 図12Bに示す第1補正係数における第1素子補正係数及び第1導体補正係数、並びに、第2補正係数における第2素子補正係数及び第2導体補正係数の定性的な温度特性を示す図である。 第1磁気センサの磁電変換利得と変形例3の第1補正係数との積、及び、第2磁気センサの磁電変換利得と変形例3の第2補正係数との積の定性的な温度特性を示す図である。 変形例3の電流センサの出力電圧の定性的な温度特性を示す図である。 第1補正部による第1補正係数の設定動作、及び、第2補正部による第2補正係数の設定動作の一例を示すフローチャートである。 実施形態2に係る電流センサにおける磁気センサユニットの電気的な構成を示すブロック図である。 実施形態3に係る電流センサにおける磁気センサユニットの電気的な構成を示すブロック図である。 実施形態4に係る電流センサにおける磁気センサユニットの電気的な構成を示すブロック図である。 実施形態5に係る電流センサにおける磁気センサユニットの電気的な構成を示すブロック図である。 実施形態6に係る電流センサにおける磁気センサユニットの電気的な構成を示すブロック図である。 実施形態7に係る電流センサの外観を示す斜視図である。 図19に示す磁気センサ及び電子部品の電気的な構成を示すブロック図である。 図19に示す電流センサをXXI−XXI線矢印方向から見た断面図である。 実施形態7の変形例1に係る電流センサの外観を示す斜視図である。 実施形態7の変形例2に係る電流センサの外観を示す斜視図である。 実施形態7の変形例3に係る電流センサの外観を示す斜視図である。 実施形態8に係る電流センサの外観を示す斜視図である。 図25に示す電流センサにおける導体の外観を示す斜視図である。 図26に示す導体を幅方向(X軸方向)からみた図である。 実施形態9に係る電流センサの外観を示す斜視図である。 図28に示す電流センサにおける導体の外観を示す斜視図である。 図29に示す導体を幅方向(X軸方向)からみた図である。 実施形態10に係る電流センサの外観を示す斜視図である。 図31に示す電流センサをX軸方向から見た図である。 電流センサにおける電子部品のパッケージの一例を示す図である。 電流センサにおける電子部品のパッケージの一例を示す図である。
以下、添付の図面を参照して本発明に係る電流センサの実施形態を説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
(実施形態1)
以下、実施形態1に係る電流センサを図1〜図13を用いて説明する。
1.構成
図1は、実施形態1に係る電流センサの外観を示す斜視図である。図2は、図1に示す電流センサにおける導体の外観を示す斜視図である。図3は、図1に示す電流センサにおける磁気センサユニットの外観を示す斜視図であり、図4は、図3に示す磁気センサユニットの構成を示す分解斜視図である。図5は、図3に示す磁気センサユニットの電気的な構成を示すブロック図である。図1及び図2において、X軸方向は後述する導体110の幅方向であり、Y軸方向は導体110の長さ方向であり、Z軸方向は導体110の厚さ方向である。
図1に示すように、本実施形態1に係る電流センサ100は、導体110と磁気センサユニット190とを備える。
図1及び図2に示すように、導体110は板状の導体から構成される。導体110の長さ方向(Y軸方向)における両端部には、電流センサ100の固定及び電気的接続のための固定用孔110hが形成されている。
導体110は、長さ方向(Y軸方向)における一部分において、第1流路部110aと第2流路部110bとに分岐される。第1流路部110aと第2流路部110bとは、導体110の幅方向(X軸方向)に並んでいる。第1流路部110aと第2流路部110bとの間には、スリット110sが形成されている。スリット110sは、導体110の幅方向(X軸方向)において導体110の略中央に位置している。第1流路部110aは、導体110の一方の面側(+Z方向側)に突出しており、第2流路部110bは、導体110の他方の面側(−Z方向側)に突出している。
図2に示すように、第1流路部110aは、導体110の一方の面に直交するように当該一方の面から突出する第1突出部111a及び第2突出部112aと、導体110の長さ方向(Y軸方向)に延在し、第1突出部111aと第2突出部112aとを繋ぐ第1延在部113aとを有する。同様に、第2流路部110bは、導体110の他方の面に直交するように当該他方の面から突出する第3突出部111b及び第4突出部112bと、導体110の長さ方向(Y軸方向)に延在し、第3突出部111bと第4突出部112bとを繋ぐ第2延在部113bとを有する。これにより、第1流路部110aと第2流路部110bとによって空間が形成される。この空間には磁気センサユニット190が配置される。
導体110の材料としては、銅、銀、アルミニウム若しくは鉄などの金属、又はこれらの金属を含む合金などが用いられてもよい。また、導体110には、表面処理が施されていてもよい。たとえば、ニッケル、錫、銀若しくは銅などの金属、又はこれらの金属を含む合金からなる、少なくとも1層のめっき層が、導体110の表面に設けられていてもよい。また、導体110は、鋳造、切削加工又はプレス加工などにより形成されてもよい。
図3及び図4に示すように、磁気センサユニット190は、筐体180内に、第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120b等の電子部品を搭載した基板170を備える。
筐体180は、略直方体状の外形を有し、下部筐体181と上部筐体182とから構成されている。上部筐体182には、基板170と接続されるワイヤーハーネスの取出し口182pが設けられている。
筐体180は、第1流路部110aの他方の面の少なくとも一部と接している。たとえば、上部筐体182が、第1延在部113aの他方の面の少なくとも一部と接している。さらに、筐体180は、第2流路部110bの一方の面の少なくとも一部と接している。たとえば、下部筐体181が、第2延在部113bの一方の面の少なくとも一部と接している。これにより、第1流路部110aに対する第1磁気センサ120aの位置、及び、第2流路部110bに対する第2磁気センサ120bの位置の設定が容易となる。
筐体180は、電気絶縁性を有する材料からなる。例えば、筐体180は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)などのエンジニアリングプラスチックで形成されている。PPSは、耐熱性が高いため、導体110の発熱を考慮した場合、筐体180の材料として好ましい。
基板170は、筐体180内に固定されている。基板170を筐体180に固定する方法としては、ネジによる締結、樹脂による熱溶着、又は、接着剤による接合などを用いることができる。ネジを用いて基板170と筐体180とを締結する場合には、磁界の乱れが生じないように、非磁性のネジを用いることが好ましい。
基板170は、プリント配線板であり、ガラスエポキシ又はアルミナなどの基材と、基材の表面上に設けられた銅などの金属箔がパターニングされて形成された配線とから構成されている。
基板170には、第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120b、増幅部130、第1補正部140a及び第2補正部140b、第1温度センサ150a及び第2温度センサ150b、第1メモリ160a及び第2メモリ160bといった電子部品が実装されている。これらの電子部品は、樹脂パッケージされていてもよく、又は、シリコーン樹脂若しくはエポキシ樹脂などでポッティングされていてもよい。
第1磁気センサ120aは、幅方向(X軸方向)において第1流路部110a側に位置している。第2磁気センサ120bは、幅方向(X軸方向)において第2流路部110b側に位置している。これにより、第1磁気センサ120aは、第1流路部110aに流れる電流により発生する第1磁界の強さを検出し、第2磁気センサ120bは、第2流路部110bに流れる電流により発生する第2磁界の強さを検出する。すなわち、第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bは、導体110に流れる電流により発生する磁界の強さを検出する。
なお、上記した第1流路部110aと第2流路部110bとの間のスリット110sは、導体110の幅方向(X軸方向)において、第1磁気センサ120aと第2磁気センサ120bとの中間に位置する。スリット110sの幅は、これらの磁気センサに入力される磁界の強さを調整するために適宜調整されてもよい。
また、第1温度センサ150aは、幅方向(X軸方向)において第1流路部110a側に位置している。第2温度センサ150bは、幅方向(X軸方向)において第2流路部110b側に位置している。これにより、第1温度センサ150aは、第1流路部110a及び第1磁気センサ120aの周囲温度を測定し、第2温度センサ150bは、第2流路部110b及び第2磁気センサ120bの周囲温度を測定する。
次に、図5を参照して、各電子部品について説明する。
図5に示すように、本実施形態に係る電流センサ100において、第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bの各々は、4つのAMR(Anisotropic Magneto Resistance)素子などの磁気抵抗素子からなるホイートストンブリッジ型のブリッジ回路を有する。すなわち、第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bの各々において、2つの磁気抵抗素子MR1とMR2の直列回路と、2つの磁気抵抗素子MR3とMR4の直列回路とが並列に接続されている。第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bの各々は、電源電圧Vddで定電圧駆動される。なお、第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bの駆動方法としては、定電流駆動、パルス駆動などが用いられてもよい。
第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bの各々は、2つの磁気抵抗素子からなるハーフブリッジ回路を有していてもよい。また、第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bの各々は、AMR素子に代えて、GMR(Giant Magneto Resistance)、TMR(Tunnel Magneto Resistance)、BMR(Balistic Magneto Resistance)、CMR(Colossal Magneto Resistance)などの磁気抵抗素子を有していてもよい。また、第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bとして、ホール素子を有する磁気センサ、磁気インピーダンス効果を利用するMI(Magneto Impedance)素子を有する磁気センサ又はフラックスゲート型磁気センサなどを用いることができる。
増幅部130は、第1磁気センサ120aの出力電圧と第2磁気センサ120bの出力電圧とを差動増幅して、電流センサ100の出力電圧として出力する。増幅部130は、複数の増幅器130a、130b、130cを備える。
増幅器130aのマイナス入力端子は、第1磁気センサ120aにおける磁気抵抗素子MR3と磁気抵抗素子MR4との間の接続点に接続されており、増幅器130aのプラス入力端子は、第1磁気センサ120aにおける磁気抵抗素子MR1と磁気抵抗素子MR2との間の接続点に接続されている。増幅器130aは、第1磁気センサ120aの出力電圧を増幅する。増幅器130aは利得調整端子を有し、第1補正部140aの制御により増幅利得を変更する。
増幅器130bのマイナス入力端子は、第2磁気センサ120bにおける磁気抵抗素子MR3と磁気抵抗素子MR4との間の接続点に接続されており、増幅器130bのプラス入力端子は、第2磁気センサ120bにおける磁気抵抗素子MR1と磁気抵抗素子MR2との間の接続点に接続されている。増幅器130bは、第2磁気センサ120bの出力電圧を増幅する。増幅器130bは利得調整端子を有し、第2補正部140aの制御により増幅利得を変更する。
増幅器130cのマイナス入力端子は、増幅器130aの出力端子に接続されており、増幅器130cのプラス入力端子は、増幅器130bの出力端子に接続されている。増幅器130cは、増幅器130aの出力電圧と増幅器130bの出力電圧とを差動増幅する。
第1温度センサ150aは、上述したように、第1流路部110a及び第1磁気センサ120aの周囲温度を測定する。第2温度センサ150bは、上述したように、第2流路部110b及び第2磁気センサ120bの周囲温度を測定する。
第1メモリ160a及び第2メモリ160bの各々は、例えばフラッシュメモリで構成される。第1メモリ160aは、後述する第1補正係数に関する参照テーブル161aを記憶する。第2メモリ160bは、後述する第2補正係数に関する参照テーブル161bを記憶する。また、第1メモリ160a及び第2メモリ160bの各々は、第1補正部140a及び第2補正部140bの各種機能を実現するためのプログラムを格納する。
第1補正部140a及び第2補正部140bの各々は、例えばプロセッサユニットで構成される。第1補正部140a及び第2補正部140bの各々は、第1メモリ160a及び第2メモリ160bの各々に格納されたプログラムを実行することで、各種の機能を実現する。第1補正部140a及び第2補正部140bの各々は、専用に設計された電子回路や再構成可能な電子回路などのハードウェア回路(ASIC,FPGA等)で構成されてもよい。第1補正部140a及び第2補正部140bの機能の各々は、ハードウェアとソフトウェアとの協働で実現されてもよいし、ハードウェア(電子回路)のみで実現されてもよい。また、第1補正部140a及び第2補正部140bの各々は、ADC(Analog to Digital Converter)、DAC(Digital to Analog Converter)を備える。
第1補正部140aは、第1メモリ160aに記憶された第1補正係数に関する第1参照テーブル161aを参照して、第1温度センサ150aにより検出した周囲温度に対応した第1補正係数を決定する。第1補正部140aは、決定した第1補正係数に基づいて増幅部130における増幅器130aの増幅利得を補正する。このとき、第1補正部140aは、ADCによって第1温度センサ150aからのアナログ信号をデジタル信号に変換し、デジタル処理を行った後に、DACによって第1補正係数のデジタル信号をアナログ信号に変換する。
第2補正部140bは、第2メモリ160bに記憶された第2補正係数に関する第2参照テーブル161bを参照して、第2温度センサ150bにより検出した周囲温度に対応した第2補正係数を決定する。第2補正部140bは、決定した第2補正係数に基づいて増幅部130における増幅器130bの増幅利得を補正する。このとき、第2補正部140bは、ADCによって第2温度センサ150bからのアナログ信号をデジタル信号に変換し、デジタル処理を行った後に、DACによって第2補正係数のデジタル信号をアナログ信号に変換する。
なお、第1補正部140a、第1温度センサ150a、及び、第1メモリ160aは、プログラマブル・シグナル・コンディショナで構成されてもよい。また、第2補正部140b、第2温度センサ150b、及び、第2メモリ160bは、プログラマブル・シグナル・コンディショナで構成されてもよい。
2.動作
以上のように構成された電流センサ100について、その動作を以下に説明する。
2.1.動作の概要
図6は、実施形態1に係る電流センサの断面図であり、図1のVI−VI線矢印方向から見た図である。図6では、筐体180を省略している。
導体110において長さ方向(Y軸方向)に測定対象の電流が流れると、この電流は、第1流路部110aと第2流路部110bとの分岐部において、これらの2つの流路部に分流される。すなわち、第1流路部110aには測定対象の電流における一部の電流が流れ、第2流路部110bには測定対象の電流における残りの電流が流れる。
図6に示すように、第1流路部110aに流れる電流により、第1流路部110aを周回する第1磁界H1が発生する。また、第2流路部110bに流れる電流により、第2流路部110bを周回する第2磁界H2が発生する。第1磁界H1と第2磁界H2とは、導体110の周囲の空間において重畳して分布する。第1磁気センサ120aは、第2流路部110bよりも第1流路部110a近傍の配置位置から主として、第1磁界H1の強さを検出し、第1磁界H1の強さに応じた電圧を出力する。第2磁気センサ120bは、第1流路部110aよりも第2流路部110b近傍の配置位置から主として、第2磁界H2の強さを検出し、第2磁界H2の強さに応じた電圧を出力する。
次に、図5に示すように、増幅部130は、第1磁気センサ120aの出力電圧と第2磁気センサ120bの出力電圧とを差動増幅する。これにより、電流センサ100は、導体110に流れる電流の大きさに応じた電圧を出力する。
2.2.本開示の課題
次に、図7A〜図7D及び図8A〜図8Dを参照して、本発明が解決しようとする課題について説明する。
図7Aは、磁気センサの磁電変換利得の温度特性を示す図である。図7Aに示すように、磁気センサは、一般に、磁電変換利得Gの温度依存性を有する。具体的には、磁気センサの磁電変換利得Gは、周囲温度が上がるにつれて小さくなる。これにより、磁気センサを備える電流センサは、周囲温度の変動により出力誤差を有する。この点に関し、特許文献1に開示の従来の電流センサは、周囲温度を基に磁気センサの温度依存性による出力誤差を補正する。
図7Bは、従来の電流センサにおける従来の補正係数の温度特性を示す図である。図7Cは、磁気センサの磁電変換利得と従来の補正係数との積の温度特性を示す図である。図7Dは、従来の電流センサの出力電圧の温度特性を示す図である。
従来の電流センサは、図7Bに示すように、磁気センサの磁電変換利得Gの温度変動をキャンセルするような素子補正係数Kdを補正係数として記憶し、周囲温度に対応した補正係数Kdを用いて磁気センサの磁電変換利得Gの温度変動を補正する。これにより、従来の電流センサでは、図7Cに示すように、磁気センサの磁電変換利得Gと補正係数Kdとの積の温度変化を一定にすることができ、その結果、電流センサの出力電圧の温度変化を一定にすることができるとしている。
しかし、本願発明者は、磁気センサの磁電変換利得Gと補正係数Kdとの積の温度変化を一定にしても、図7Dに示すように、電流センサの出力電圧の温度変化(実線)を一定(破線)にすることができず、周囲温度が上がるにつれて電流センサの出力電圧は小さくなるという知見を得た。そして、本願発明者は、その原因を、以下に示すように解析した。
図8Aは、電流センサ100における導体110の第1流路部110a及び第2流路部110bにかかる応力解析のための電流センサのモデルを示す図である。図8Bは、図8Aに示す電流センサに対する応力解析の解析結果を説明するための図であり、導体110の幅方向(X軸方向)から見た図である。
図8A及び図8Bにおいて、導体110の長さ(Y軸方向)は110mmであり、導体110の幅(X軸方向)は15.5mmであり、導体110の厚さ(Z軸方向)は1.2mmである。第1流路部110a及び第2流路部110bの各々の長さ(Y軸方向)は40.0mmであり、第1流路部110a及び第2流路部110bの各々の幅(X軸方向)は5.0mmであり、第1流路部110aと第2流路部110bとの間のスリット110sの幅(X軸方向)は5.5mmである。第1流路部110aは、導体110の厚さ方向(Z軸方向)に6.2mm膨出し、第2流路部110bは、導体110の厚さ方向(Z軸方向)に−6.2mm膨出している。これにより、第1流路部110aと第2流路部110bとにより形成される空間の導体110の厚さ方向(Z軸方向)の高さは10.0mmとなり、この空間の導体110の長さ(Y軸方向)の幅は35.0mmとなる。
なお、図8Aに示す電流センサのモデルでは、図1の電流センサ100の固定用孔110hに代えて固定部110h’を採用した。図8A及び8Bにおいて、屈曲部114aは、電流センサ100(図2)において第1突出部111aと第1延在部113aとの間で屈曲した部分に対応し、屈曲部115aは、第2突出部112aと第1延在部113aとの間で屈曲した部分に対応する。また、屈曲部114bは、第3突出部111bと第2延在部113bとの間で屈曲した部分に対応し、屈曲部115bは、第4突出部112bと第2延在部113bとの間で屈曲した部分に対応する。
この応力解析では、固定部110h’において導体110の両端部を固定したときに、導体110にかかる応力による導体110の変形を解析した。この解析では、周囲温度を25度に維持して、導体110に129Aの電流を連続通電した。導体110の放熱方法は、自然対流による放熱とした。
一般に、屈曲部を有する導体に応力がかかると、その屈曲部で変形することが多い。図8A及び図8Bによれば、屈曲部114aと屈曲部115aとの間の第1流路部110a、及び、屈曲部114bと屈曲部115bとの間の第2流路部110bが変形している。これは、電流の連続通電による導体110の発熱により、導体110が膨張して固定部110h’間に応力が発生したことによる。図8Aに示すモデルを用いた応力解析のシミュレーションによれば、第1流路部110aは、導体110の厚さ方向(Z軸方向)に最大106.301μm変形し、第2流路部110bは、導体110の厚さ方向(Z軸方向)に最大96.352μm変形するという結果が得られた。
また、図8Cは、電流通電による導体の温度の経時変化の測定結果を示す図であり、図8Dは、図8Cに関連した導体の変位量の経時変化の測定結果を示す図である。この測定では、図8A及び図8Bの解析で用いた導体110に128Aの電流を連続通電した。導体の温度の測定には、導体に取り付けた熱電対を用いた。導体の変位量の測定には、レーザ変位計(キーエンス社製LK−G32)を用いた。
図8C及び図8Dから、導体110における第1流路部110a及び第2流路部110bの温度が対数的に上がるにつれて、換言すれば周囲温度が上がるにつれて、第1流路部110a及び第2流路部110bの変位量が大きくなることがわかる。
図8A及び図8Bに反映させた応力解析結果、及び、図8C及び図8Dの測定結果より、第1流路部110aは、周囲温度が上がるにつれて、第1流路部110aと第1磁気センサ120aとの間の距離が大きくなるように変形する。また、第2流路部110bは、周囲温度が上がるにつれて、第2流路部110bと第2磁気センサ120bとの間の距離が大きくなるように変形することがわかる。そのため、第1流路部110aに流れる電流により発生する第1磁界の強さが変わらないにも関わらず、第1磁気センサ120aにおける、第1流路部110aに流れる電流により発生する第1磁界の強さが小さくなり、第1磁気センサ120aの出力電圧が小さくなる。また、第2流路部110bに流れる電流により発生する第2磁界の強さが変わらないにも関わらず、第2磁気センサ120bにおける、第2流路部110bに流れる電流により発生する第2磁界の強さが小さくなり、第2磁気センサ120bの出力電圧が小さくなる。その結果、電流センサ100の出力電圧が小さくなる。
このように、本願発明者は、周囲温度が変動すると、導体110における第1流路部110a及び第2流路部110bの各々が変形し、その結果、第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bの各々における磁界の強さが変動し、第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bの各々の出力電圧が変化することを発見した。これにより、電流センサ100の出力誤差が生じてしまう。
そこで、本開示では、第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bの各々の磁電変換利得Gの温度変動に加え、温度の変動(周囲温度の変動及び通電による発熱)により第1流路部110a及び第2流路部110bの各々が変形することによる第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bの各々の出力電圧の変動をも補正する。
2.3.実施形態1の補正係数
次に、第1メモリ160aに記憶される第1補正係数に関する第1参照テーブル161a、及び、第2メモリ160bに記憶される第2補正係数に関する第2参照テーブル161bを説明する。
図9Aは、実施形態1の電流センサにおける第1補正係数及び第2補正係数の定性的な温度特性を示す図である。図9Bは、図9Aに示す第1補正係数における第1素子補正係数及び第1導体補正係数、並びに、第2補正係数における第2素子補正係数及び第2導体補正係数の定性的な温度特性を示す図である。図9Cは、第1磁気センサの磁電変換利得と実施形態1の第1補正係数との積、及び、第2磁気センサの磁電変換利得と実施形態1の第2補正係数との積の定性的な温度特性を示す図である。図9Dは、実施形態1の電流センサの出力電圧の定性的な温度特性を示す図である。
本実施形態では、第1メモリ160aは、複数の第1補正係数Kを各々の周囲温度と対応付けて第1参照テーブル161aとして記憶する(図9A)。第1補正係数Kは、周囲温度の変動による第1磁気センサ120aの磁電変換利得Gの変動(図7A)を補正するための第1素子補正係数Kd(図9B)と、周囲温度の変動により第1流路部110aが変形することによる第1磁気センサ120aの出力電圧の変動を補正するための第1導体補正係数Km(図9B)とを乗算することにより求められる。ここで、温度が上がるにつれて、第1流路部110aと第1磁気センサ120aとの間の距離が大きくなるように第1流路部110aが変形し、第1磁気センサ120aの出力電圧は小さくなる。これを補正するため、第1導体補正係数Kmは、図9Bに示すように、温度が上がるにつれて大きくなるように設定される。これより、図9Aに示すように、第1補正係数Kは、温度上昇に対して、第1素子補正係数Kd(破線)の増加量よりも大きい増加量を有する。
同様に、第2メモリ160bは、複数の第2補正係数Kを各々の周囲温度と対応付けて第2参照テーブル161bとして記憶する(図9A)。第2補正係数Kは、周囲温度の変動による第2磁気センサ120bの磁電変換利得Gの変動(図7A)を補正するための第2素子補正係数Kd(図9B)と、周囲温度の変動により第2流路部110bが変形することによる第2磁気センサ120bの出力電圧の変動を補正するための第2導体補正係数Km(図9B)とを乗算することにより求められる。ここで、温度が上がるにつれて、第2流路部110bと第2磁気センサ120bとの間の距離が大きくなるように第2流路部110bが変形し、第2磁気センサ120bの出力電圧は小さくなる。これを補正するために、第2導体補正係数Kmは、図9Bに示すように、温度が上がるにつれて大きくなるように設定される。これより、図9Aに示すように、第2補正係数Kは、温度上昇に対して、第2素子補正係数Kd(破線)の増加量よりも大きい増加量を有する。
本実施形態では、第1磁気センサ120aの磁電変換利得Gと第1補正係数K(Kd×Km)との積は、温度が上がるにつれて大きくなるように設定される(図9C)。なお、第1磁気センサ120aの磁電変換利得Gと第1素子補正係数Kdとの積(破線)は、温度上昇に対して一定である。また、第2磁気センサ120bの磁電変換利得Gと第2補正係数K(Kd×Km)との積は、温度が上がるにつれて大きくなるように設定される(図9C)。なお、第2磁気センサ120bの磁電変換利得Gと第2素子補正係数Kdとの積(破線)は、温度上昇に対して一定である。これにより、導体110に電流が流れていないとき、電流センサ100の出力電圧は、温度が上がるにつれて大きくなるように設定される。
以上の構成により、導体110に測定対象である電流が流れたときの電流センサ100の出力電圧の温度変化を一定にすることができる(図9D)。
2.4.実施形態1の補正係数の生成
本実施形態の第1補正係数K(第1素子補正係数Kd×第1導体補正係数Km)及び第2補正係数K(第2素子補正係数Kd×第2導体補正係数Km)の生成について説明する。
例えば恒温槽により周囲温度を変化させながら、ヘルムホルツコイルなどの磁場発生装置により第1磁気センサ120aに磁界を印加し、第1磁気センサ120aの入出力特性を測定して、磁電変換利得Gの温度特性を測定する(図7A)。次に、第1磁気センサ120aの磁電変換利得Gの温度変動をキャンセルする第1素子補正係数Kdを求める(図9B)。なお、第1磁気センサ120aの磁電変換利得Gの温度変動を一定にするように第1素子補正係数Kdを求めてもよいが、第1磁気センサ120aの磁電変換利得Gの温度変動を所定の範囲に収めるように低減する程度の第1素子補正係数Kdを求めてもよい。
同様に、第2磁気センサ120bの磁電変換利得Gの温度特性を測定し、測定した第2磁気センサ120bの磁電変換利得Gの温度変動をキャンセルする第2素子補正係数Kdを求めてもよい。すなわち、第1磁気センサ120aの磁電変換利得Gの温度変動と第2磁気センサ120bの磁電変換利得Gの温度変動とを別々に測定して、第1素子補正係数Kd及び第2素子補正係数Kdを別々に設定してもよい。このように、第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bの各々の特性を個別に測定、把握することで、磁気センサの個別ばらつきを補正係数に反映することができ、より精度の高い電流センサを実現することができる。
なお、第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bのうちの何れか一方のみの磁電変換利得Gの温度変動を測定し、第1素子補正係数Kd及び第2素子補正係数Kdとして同一の素子補正係数を設定してもよい。例えば、第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bが同一ロットで作製され、これらの磁電変換利得Gの温度特性のばらつきが小さい場合には、何れか一方の磁電変換利得の温度特性に基づいて求めた素子補正係数Kdを第1素子補正係数Kd及び第2素子補正係数Kdの両方に適用してもよい。
測定する温度は2点以上であればよい。測定温度数は、磁気センサの温度特性の傾向に合わせて適宜決定される。例えば、温度特性の変化が線形である場合、2点の温度からその他の温度での磁電変換利得を近似的に決定すればよい。一方、温度特性の変化が非線形である場合、測定温度数を増やすことで補正の精度を高めることができる。
測定時の磁気センサの実装状態は限定されない。例えば、磁気センサ単体で測定してもよい。また、磁気センサをプリント基板に実装した状態で測定してもよいし、電流センサとして実装した状態で測定してもよい。このように、実装した状態で磁気センサの特性を測定、把握することで、磁気センサの実装時の特性変化をも補正係数に考慮することができ、より精度の高い電流センサを実現することができる。
また、常温環境において、導体110に電流を流し、導体110における第1流路部110aの発熱による周囲温度の変化と第1流路部110aの変形量とを測定する(図8C、図8D)。第1流路部110aの変形量から、測定対象の電流値での第1磁気センサ120aの位置における第1磁界の強さの変化量を算出し、第1磁気センサ120aの出力電圧を推定する。第1磁気センサ120aの出力電圧の温度変動をキャンセルする第1導体補正係数Kmを求める(図9B)。なお、第1磁気センサ120aの出力電圧の温度変動を一定にするように第1導体補正係数Kmを求めてもよいが、第1磁気センサ120aの出力電圧の温度変動を所定の範囲に収めるように低減する程度の第1導体補正係数Kmを求めてもよい。
なお、常温環境において、導体110に電流を流し、導体110における第1流路部110aの発熱による周囲温度の変化と、導体110における第1流路部110aが変形することによる第1磁気センサ120aの出力電圧の変化とを測定してもよい。
同様に、導体110に電流を流し、第2流路部110bの発熱による周囲温度の変化と第2流路部110bの変形量とを測定して、第2磁気センサ120bの出力電圧を推定し、第2磁気センサ120bの出力電圧の温度変動をキャンセルする第2導体補正係数Kmを求めてもよい。すなわち、第1流路部110aの変形による第1磁気センサ120aの出力電圧の温度変動と、第2流路部110bの変形による第2磁気センサ120bの出力電圧の温度変動とを別々に測定して、第1導体補正係数Km及び第2導体補正係数Kmを別々に設定してもよい。
なお、第1流路部110aの変形による第1磁気センサ120aの出力電圧の温度変動と、第2流路部110bの変形による第2磁気センサ120bの出力電圧の温度変動とのうちの何れか一方のみの出力電圧の温度変動を測定し、第1導体補正係数Km及び第2導体補正係数Kmとして同一の導体補正係数を設定してもよい。例えば、第1流路部110aと第2流路部110bとの加工ばらつきが小さい場合には、何れか一方の磁気センサの出力電圧の温度特性に基づいて求めた導体補正係数Kmを第1素子補正係数Kd及び第2素子補正係数Kdの両方に適用してもよい。
次に、求めた温度ごとに第1素子補正係数Kdと第1導体補正係数Kmとを乗算して、第1補正係数Kを求める(図9A)。また、求めた温度ごとに第2素子補正係数Kdと第2導体補正係数Kmとを乗算して、第2補正係数Kを求める(図9A)。
次に、求めた複数の第1補正係数Kを、対応する周囲温度の各々と対応付けて第1参照テーブル161aとして第1メモリ160aに格納する。また、求めた複数の第2補正係数Kを、対応する周囲温度の各々と対応付けて第2参照テーブル161bとして第2メモリ160bに格納する。
2.5.実施形態1の他の補正係数
本実施形態において、第1補正係数及び第2補正係数は、第1流路部110a及び第2流路部110bの変形の仕方、及び、第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bの各々の磁電変換利得の変動特性により、種々の変形が可能である。
(1)変形例1
上述の実施形態1では、周囲温度が上がるにつれて、第1流路部110aと第1磁気センサ120aとの間の距離が大きくなるように第1流路部110aが変形し、第2流路部110bと第2磁気センサ120bとの間の距離が大きくなるように第2流路部110bが変形するときについて説明した。しかし、第1流路部110a及び第2流路部110bは、その形状により実施形態1とは逆に変形することがある。
変形例1では、周囲温度が上がるにつれて、第1流路部110aと第1磁気センサ120aとの間の距離が小さくなるように第1流路部110aが変形し、第2流路部110bと第2磁気センサ120bとの間の距離が小さくなるように第2流路部110bが変形するときについて説明する。このとき、第1流路部110aに流れる電流により発生する第1磁界の強さが変わらないにも関わらず、第1磁気センサ120aにおける、第1流路部110aに流れる電流により発生する第1磁界の強さが大きくなり、第1磁気センサ120aの出力電圧が大きくなる。また、第2流路部110bに流れる電流により発生する第2磁界の強さが変わらないにも関わらず、第2磁気センサ120bにおける、第2流路部110bに流れる電流により発生する第2磁界の強さが大きくなり、第2磁気センサ120bの出力電圧が大きくなる。その結果、電流センサ100の出力電圧が大きくなる。
図10Aは、変形例1の第1補正係数及び第2補正係数の定性的な温度特性を示す図である。図10Bは、図10Aに示す第1補正係数における第1素子補正係数及び第1導体補正係数、並びに、第2補正係数における第2素子補正係数及び第2導体補正係数の定性的な温度特性を示す図である。図10Cは、第1磁気センサの磁電変換利得と変形例1の第1補正係数との積、及び、第2磁気センサの磁電変換利得と変形例1の第2補正係数との積の定性的な温度特性を示す図である。図10Dは、変形例1の電流センサの出力電圧の定性的な温度特性を示す図である。
変形例1では、第1メモリ160aは、複数の第1補正係数Kを各々の周囲温度と対応付けて第1参照テーブル161aとして記憶する(図10A)。変形例1の第1補正係数Kは、実施形態1と同様の第1素子補正係数Kd(図10B)と、変形例1の第1導体補正係数Km(図10B)とを乗算することにより求められる。ここで、温度が上がるにつれて、第1流路部110aと第1磁気センサ120aとの間の距離が小さくなるように第1流路部110aが変形するとき、第1磁気センサ120aの出力電圧は大きくなる。これを補正するため、変形例1の第1導体補正係数Kmは、図10Bに示すように、温度が上がるにつれて小さくなるように設定される。これより、図10Aに示すように、変形例1の第1補正係数Kは、温度上昇に対して、第1素子補正係数Kd(破線)の増加量よりも小さい増加量を有する。
同様に、第2メモリ160bは、複数の第2補正係数Kを各々の周囲温度と対応付けて第2参照テーブル161bとして記憶する(図10A)。変形例1の第2補正係数Kは、実施形態1と同様の第2素子補正係数Kd(図10B)と、変形例1の第2導体補正係数Km(図10B)とを乗算することにより求められる。ここで、温度が上がるにつれて、第2流路部110bと第2磁気センサ120bとの間の距離が小さくなるように第2流路部110bが変形するとき、第2磁気センサ120bの出力電圧は大きくなる。これを補正するため、変形例1の第2導体補正係数Kmは、図10Bに示すように、温度が上がるにつれて小さくなるように設定される。これより、図10Aに示すように、変形例1の第2補正係数Kは、温度上昇に対して、第2素子補正係数Kd(破線)の増加量よりも小さい増加量を有する。
変形例1では、第1磁気センサ120aの磁電変換利得Gと第1補正係数K(Kd×Km)との積は、温度が上がるにつれて小さくなるように設定される(図10C)。また、第2磁気センサ120bの磁電変換利得Gと第2補正係数K(Kd×Km)との積は、温度が上がるにつれて小さくなるように設定される(図10C)。これにより、導体110に電流が流れていないとき、電流センサ100の出力電圧は、温度が上がるにつれて小さくなるように設定される。
これにより、導体110に測定対象の電流が流れたときの電流センサ100の出力電圧の温度変化を一定にすることができる(図10D)。
(2)変形例2
上述の実施形態1では、温度変動により第1流路部110aが変形することによる第1磁気センサ120aの出力電圧の変化が線形であり、温度変動により第2流路部110bが変形することによる第2磁気センサ120bの出力電圧の変化が線形であるときについて説明した。しかし、第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bの各々の出力電圧の変化は線形でないことがある。
変形例2では、温度変動により第1流路部110aが変形することによる第1磁気センサ120aの出力電圧の変化が非線形であり、温度変動により第2流路部110bが変形することによる第2磁気センサ120bの出力電圧の変化が非線形であるときについて説明する。
図11Aは、変形例2の第1補正係数及び第2補正係数の定性的な温度特性を示す図である。図11Bは、図11Aに示す第1補正係数における第1素子補正係数及び第1導体補正係数、並びに、第2補正係数における第2素子補正係数及び第2導体補正係数の定性的な温度特性を示す図である。図11Cは、第1磁気センサの磁電変換利得と変形例2の第1補正係数との積、及び、第2磁気センサの磁電変換利得と変形例2の第2補正係数との積の定性的な温度特性を示す図である。図11Dは、変形例2の電流センサの出力電圧の定性的な温度特性を示す図である。
変形例1では、第1メモリ160aは、複数の第1補正係数Kを各々の周囲温度と対応付けて第1参照テーブル161aとして記憶する(図11A)。変形例2の第1補正係数Kは、実施形態1と同様の第1素子補正係数Kd(図11B)と、変形例2の第1導体補正係数Km(図11B)とを乗算することにより求められる。ここで、温度が上がるにつれて第1磁気センサ120aの出力電圧が非線形的に小さくなることを低減するために、変形例2の第1導体補正係数Kmは、図11Bに示すように、温度が上がるにつれて非線形的に大きくなるように設定される。これより、図11Aに示すように、変形例2の第1補正係数Kは、温度が上がるにつれて非線形的に大きくなる。
また、第2メモリ160bは、複数の第2補正係数Kを各々の周囲温度と対応付けて第2参照テーブル161bとして記憶する(図11A)。変形例2の第2補正係数Kは、実施形態1と同様の第2素子補正係数Kd(図11B)と、変形例2の第2導体補正係数Km(図11B)とを乗算することにより求められる。ここで、温度が上がるにつれて第2磁気センサ120bの出力電圧が非線形的に小さくなることを低減するために、変形例2の第2導体補正係数Kmは、図11Bに示すように、温度が上がるにつれて非線形的に大きくなるように設定される。これより、図11Aに示すように、変形例2の第2補正係数Kは、温度が上がるにつれて非線形的に大きくなる。
変形例1では、第1磁気センサ120aの磁電変換利得Gと第1補正係数K(Kd×Km)との積は、温度が上がるにつれて非線形的に大きくなるように設定される(図11C)。また、第2磁気センサ120bの磁電変換利得Gと第2補正係数K(Kd×Km)との積は、温度が上がるにつれて非線形的に大きくなるように設定される(図11C)。これにより、導体110に電流が流れていないとき、電流センサ100の出力電圧は、温度が上がるにつれて非線形的に大きくなるように設定される。
これにより、導体110に測定対象の電流が流れたときの電流センサ100の出力電圧の温度変化を一定にすることができる(図11D)。このように、温度に対する補正係数を非線形とすることにより、補正の精度をより高めることができる。
(3)変形例3
上述の実施形態1では、温度変動による第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bの各々の磁電変換利得の変化が線形であるときについて説明した。しかし、第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bの各々の磁電変換利得の変化は線形でないことがある。
変形例3では、温度変動による第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bの各々の磁電変換利得の変化が非線形であるときについて説明する。
図12Aは、変形例3の第1磁気センサ及び第2磁気センサの磁電変換利得の定性的な温度特性を示す図である。図12Bは、変形例3の第1補正係数及び第2補正係数の定性的な温度特性を示す図である。図12Cは、図12Bに示す第1補正係数における第1素子補正係数及び第1導体補正係数、並びに、第2補正係数における第2素子補正係数及び第2導体補正係数の定性的な温度特性を示す図である。図12Dは、第1磁気センサの磁電変換利得と変形例3の第1補正係数との積、及び、第2磁気センサの磁電変換利得と変形例3の第2補正係数との積の定性的な温度特性を示す図である。図12Eは、変形例3の電流センサの出力電圧の定性的な温度特性を示す図である。
変形例3では、第1メモリ160aは、複数の第1補正係数Kを各々の周囲温度と対応付けて第1参照テーブル161aとして記憶する(図12B)。変形例3の第1補正係数Kは、変形例3の第1素子補正係数Kd(図12C)と、実施形態1と同様の第1導体補正係数Km(図12C)とを乗算することにより求められる。ここで、温度が上がるにつれて第1磁気センサ120aの磁電変換利得Gが非線形的に小さくなることを低減するために(図12A)、変形例3の第1素子補正係数Kdは、図12Cに示すように、温度が上がるにつれて非線形的に大きくなるように設定される。これより、図12Bに示すように、変形例3の第1補正係数Kは、温度が上がるにつれて非線形的に大きくなる。
また、第2メモリ160bは、複数の第2補正係数Kを各々の周囲温度と対応付けて第2参照テーブル161bとして記憶する(図12B)。変形例3の第2補正係数Kは、変形例3の第2素子補正係数Kd(図12C)と、実施形態1と同様の第2導体補正係数Km(図12C)とを乗算することにより求められる。ここで、温度が上がるにつれて第2磁気センサ120bの磁電変換利得Gが非線形的に小さくなることを低減するために(図12A)、変形例3の第2素子補正係数Kdは、図12Cに示すように、温度が上がるにつれて非線形的に大きくなるように設定される。これより、図12Bに示すように、変形例3の第2補正係数Kは、温度が上がるにつれて非線形的に大きくなる。
変形例3では、第1磁気センサ120aの磁電変換利得Gと第1補正係数K(Kd×Km)との積は、温度が上がるにつれて大きくなるように設定される(図12D)。また、第2磁気センサ120bの磁電変換利得Gと第2補正係数K(Kd×Km)との積は、温度が上がるにつれて大きくなるように設定される(図12D)。これにより、導体110に電流が流れていないとき、電流センサ100の出力電圧は、温度が上がるにつれて大きくなるように設定される。
これにより、導体110に測定対象の電流が流れたときの電流センサ100の出力電圧の温度変化を一定にすることができる(図12E)。
このように、温度に対する補正係数を非線形とすることにより、補正の精度をより高めることができる。
2.6.補正係数の設定動作
図13は、第1補正部140aによる第1補正係数の設定動作の一例を示すフローチャートである。図13のフローチャートは、第1メモリ160aに、周囲温度と第1補正係数Kとの対応関係(図9A参照)を示す第1参照テーブル160aが格納された状態で実行される。
まず、第1補正部140aは、第1温度センサ150aにより検出された周囲温度を入力する(S1)。次に、第1補正部140aは、第1メモリ160aの第1参照テーブル161aを参照し、第1参照テーブル161aが示す対応関係(図9A)において、入力した周囲温度に対応した第1補正係数Kを取得する(S2)。次に、第1補正部140aは、取得した第1補正係数Kに基づき増幅器130aの増幅利得を設定する(S3)。
なお、第1補正部140aによる第1補正係数の設定動作は上記の一例に限定されない。例えば、第1補正部140aは、連続的に常時、入力した周囲温度に対応する第1補正係数を取得(決定)して、増幅器130aの増幅利得を設定してもよい。
或いは、第1補正部140aは、ステップ的に補正係数を決定して、増幅器の増幅利得を設定してもよい。例えば、第1補正部140aは、入力する周囲温度が前回設定時の温度に対して所定値以上乖離したときに、第1補正係数を更新し、増幅器130aの増幅利得を設定し直してもよい。
以上、第1補正部140aによる第1補正係数の設定動作について説明したが、第2補正部140bについても第1補正部140aと同様にして第2補正係数を設定する。
これにより、図9Dに示すように、周囲温度に依存しないセンサ出力が得られる。
3.まとめ
以上説明したように、本実施形態の電流センサ100は、測定対象の電流が流れる導体110において分岐された第1流路部110aと第2流路部110bであって、測定対象の電流の一部の電流が流れる第1流路部110aと、測定対象の電流の一部以外の電流が流れる第2流路部110bと、第1流路部110aに流れる電流により発生する第1磁界の強さを検出する第1磁気センサ120aと、第2流路部110bに流れる電流により発生する第2磁界の強さを検出する第2磁気センサ120bとを備える。
これにより、本実施形態の電流センサ100は、第1磁気センサ120aの出力電圧と第2磁気センサ120bの出力電圧とを差動増幅することにより、導体を分岐せずに1つの磁気センサを用いる場合と比較して、2倍の出力電圧を得ることができ、検出感度を2倍に高めることができる。また、本実施形態の電流センサ100によれば、差動増幅を採用することにより、隣接して配置された導体に流れる電流により発生する磁界等の外乱磁界によるコモンモードノイズを低減することができる。これより、本実施形態の電流センサ100は、導体110を流れる測定対象の電流に対する感度を高めつつ、外部磁界の影響を低減することができる。
また、本実施形態の電流センサ100によれば、検出感度を上げるために磁界を集磁する磁性体コアを使用する必要がなく、小型化を図ることができる。
また、本実施形態の電流センサ100は、周囲温度の変動による第1磁気センサ120aの磁電変換利得の変動に加えて、周囲温度の変動により第1流路部110aが変形することによる第1磁気センサ120aの出力電圧の変動をも補正する第1補正部140aと、周囲温度の変動による第2磁気センサ120bの磁電変換利得の変動に加えて、周囲温度の変動により第2流路部110bが変形することによる第2磁気センサ120bの出力電圧の変動をも補正する第2補正部140bとを備える。
これにより、本実施形態の電流センサ100は、従来と比較して、周囲温度の変動による電流センサ100の出力誤差をより低減することができ、高精度な電流センサを実現できる。
また、本実施形態では、第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bの温度変動を、それぞれに接続された増幅器130a及び増幅器130bの増幅利得を各々補正することにより補正した後に、補正した各々の出力電圧を差増増幅する。これにより、外乱磁界によるコモンモードノイズをより低減することができ、外部磁界に対する耐性をより向上させることができる。
また、本実施形態では、第1流路部110aの寸法(長さ、幅、厚み、断面積)と、第2流路部110bの寸法(長さ、幅、厚み、断面積)とは略同じであってもよい。これにより、第1流路部110aと第2流路部110bとに分流する電流の大きさが同一となり、第1流路部110a付近に配置された第1磁気センサ120aに印加される磁界と、第2流路部110b付近に配置された第2磁気センサ120bに印加される磁界とを略同一とすることができる。
また、本実施形態では、第1流路部110aと第1磁気センサ120aとの間の距離と、第2流路部110bと第2磁気センサ120bとの間の距離とは略等しくてもよい。これにより、第1流路部110aの変形による第1磁気センサ120aの出力電圧の変化量と、第2流路部110bの変形による第2磁気センサ120bの出力電圧の変化量とを略等しくすることができる。
なお、第1流路部110aの寸法と第2流路部110bの寸法との誤差や、第1流路部110aと第1磁気センサ120aとの間の距離と、第2流路部110bと第2磁気センサ120bとの間の距離との誤差等により、電流センサ100の出力電圧にオフセット電圧が生じることがある。この場合、第1補正部140a及び第2補正部140bが、オフセット電圧の調整機能を有していてもよい。
また、本実施形態では、第1温度センサ150aと第1磁気センサ120aは同一の樹脂パッケージ内に封入されていてもよく、第2温度センサ150bと第2磁気センサ120bは同一の樹脂パッケージ内に封入されていてもよい。これにより、第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bの各々の周囲温度を精度よく測定することができる。その結果、周囲温度の変動による第1磁気センサ120aの磁電変換利得の変動、及び、周囲温度の変動による第2磁気センサ120bの磁電変換利得の変動の補正精度を向上することができる。
また、本実施形態では、第1温度センサ150aは第1流路部110a近傍に配置されてもよく、また、第2温度センサ150bは第2流路部110b近傍に配置されてもよい。これにより、第1流路部110a及び第2流路部110bの各々の周囲温度を精度よく測定することができる。その結果、周囲温度の変動により第1流路部110aが変形することによる第1磁気センサ120aの出力電圧の変動、及び、周囲温度の変動により第2流路部110bが変形することによる第2磁気センサ120bの出力電圧の変動の補正精度を向上することができる。
ところで、本実施形態のように導体を分岐して2つの磁気センサの出力電圧を差動増幅する構成では、従来のように導体を分離せずに1つの磁気センサを用いる構成と比較して、導体の変形による磁気センサの出力誤差が約2倍に大きくなってしまう。そのため、本発明の磁気センサの出力電圧の温度変動の補正は、本実施形態のように導体110を分岐して2つの磁気センサ120a、120bの出力電圧を差動増幅する電流センサ100に好適に適用される。
なお、電流通電による導体の変形を抑制するためには、導体の断面積を大きくして発熱を抑制することが考えられるが、これは電流センサを大型化させてしまう。本実施形態では、第1流路部110a及び第2流路部110bの各々の断面積を大きくせずとも、第1補正部140aにより第1流路部110aの変形による第1磁気センサ120aの出力電圧の変動を補正でき、第2補正部140bにより第2流路部110bの変形による第2磁気センサ120bの出力電圧の変動を補正できる。その結果、小型の電流センサを実現することができる。
(実施形態2)
実施形態1では、2つの補正部140a,140bにより2つの増幅器130a,130bの増幅利得を補正した。実施形態2では、1つの補正部により1つの増幅器の増幅利得を補正するための構成を説明する。すなわち、実施形態2では、第1磁気センサ120aの出力電圧の変動と第2磁気センサ120bの出力電圧の変動とを、1つの増幅器の増幅利得によって纏めて補正する。
図14は、実施形態2に係る電流センサにおける磁気センサユニット190bの電気的な構成を示すブロック図である。図14に示すように、実施形態2の電流センサ100における磁気センサユニット190bは、実施形態1の磁気センサユニット190において第1補正部140a及び第2補正部140bに代えて補正部140cを備える。さらに、本実施形態の磁気センサユニット190bは、実施形態1の第1温度センサ150a及び第2温度センサ150bに代えて温度センサ150cを備え、実施形態1の第1メモリ160a及び第2メモリ160bに代えてメモリ160cを備える。
増幅器130cは利得調整端子を有し、補正部140の制御により増幅利得を変更する。
温度センサ150cは、例えば幅方向(X軸方向)において第1流路部110aと第2流路部110bとの中間に位置し、第1流路部110a及び第1磁気センサ120a、及び、第2流路部110b及び第2磁気センサ120bの周囲温度を測定する。
メモリ160cは、複数の補正係数Kを各々の周囲温度と対応付けて参照テーブル161cとして記憶する。補正係数Kは、周囲温度の変動による第1磁気センサ120aの磁電変換利得の変動を補正するための素子補正係数Kdと、周囲温度の変動による第2磁気センサ120bの磁電変換利得の変動を補正するための素子補正係数Kdと、周囲温度の変動により第1流路部110aが変形することによる第1磁気センサ120aの出力電圧の変動を補正するための導体補正係数Kmと、周囲温度の変動により第2流路部110bが変形することによる第2磁気センサ120bの出力電圧の変動を補正するための導体補正係数Kmとを乗算することにより求められる。
補正部140cは、メモリ160cに記憶された補正係数Kに関する参照テーブル161cを参照して、温度センサ150cにより検出した周囲温度に対応した補正係数Kを決定する。補正部140cは、決定した補正係数Kに基づいて増幅部130における増幅器130cの増幅利得を補正する。
本実施形態の電流センサ100でも、実施形態1と同様の利点を得ることができる。すなわち、本実施形態の電流センサ100によれば、補正部140cが、周囲温度の変動による第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bの磁電変換利得の変動に加えて、周囲温度の変動により第1流路部110a及び第2流路部110bが変形することによる第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bの出力電圧の変動をも補正する。これにより、本実施形態の電流センサ100は、従来と比較して、周囲温度の変動による電流センサ100の出力誤差をより低減することができ、高精度な電流センサを実現できる。
(実施形態3)
実施形態1では、第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bの出力段の増幅部130における増幅器130a、130bの増幅利得を補正した。実施形態3では、第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bの磁電変換利得を補正する。
図15は、実施形態3に係る電流センサにおける磁気センサユニット190cの電気的な構成を示すブロック図である。図15に示すように、実施形態3の電流センサ100における磁気センサユニット190cは、実施形態1の磁気センサユニット190において更に第1変更部145a及び第2変更部145bを備える点で実施形態1と異なる。
第1変更部145aは、第1磁気センサ120aと電源端子Vddとの間に接続される。第1変更部145aは、電源端子Vddから電源電圧が印加され、第1補正部140aの制御により、第1磁気センサ120aに入力する駆動電圧(駆動電流)を変更する。第1変更部145aは、トランジスタ146aとアンプ147aとを備える。トランジスタ146aは例えばFETである。トランジスタ146aのドレイン端子は電源端子Vddに接続され、トランジスタ146aのソース端子は第1磁気センサ120aに接続されている。トランジスタ146aのゲート端子はアンプ147aの出力端子に接続されている。アンプ147aの一方の入力端子は第1補正部140aに接続され、アンプ147aの他方の入力端子はトランジスタ146aのソース端子に接続されている。
第2変更部145bは、第2磁気センサ120bと電源端子Vddとの間に接続される。第2変更部145bは、電源端子Vddから電源電圧が印加され、第2補正部140bの制御により、第2磁気センサ120bに入力する駆動電圧(駆動電流)を変更する。第2変更部145bは、トランジスタ146bとアンプ147bとを備える。トランジスタ146bは例えばFETである。トランジスタ146bのドレイン端子は電源端子Vddに接続され、トランジスタ146bのソース端子は第2磁気センサ120bに接続されている。トランジスタ146bのゲート端子はアンプ147bの出力端子に接続されている。アンプ147bの一方の入力端子は第2補正部140bに接続され、アンプ147bの他方の入力端子はトランジスタ146bのソース端子に接続されている。
なお、本実施形態では、トランジスタ146a,146bとしてFETを例示した。しかし、トランジスタ146a,146bはこれに限定されず、バイポーラトランジスタなどであってもよい。また、トランジスタ146a,146bに代えて可変抵抗素子が用いられてもよい。
第1温度センサ150aは、第1流路部110a及び第1磁気センサ120aの周囲温度を測定する。第2温度センサ150bは、第2流路部110b及び第2磁気センサ120bの周囲温度を測定する。
第1メモリ160aは、複数の補正係数Kを各々の周囲温度と対応付けて参照テーブル161aとして記憶する。補正係数Kは、周囲温度の変動による第1磁気センサ120aの磁電変換利得の変動を補正するための素子補正係数Kdと、周囲温度の変動により第1流路部110aが変形することによる第1磁気センサ120aの出力電圧の変動を補正するための導体補正係数Kmとを乗算することにより求められる。
第2メモリ160bは、複数の補正係数Kを各々の周囲温度と対応付けて参照テーブル161bとして記憶する。補正係数Kは、周囲温度の変動による第2磁気センサ120bの磁電変換利得の変動を補正するための素子補正係数Kdと、周囲温度の変動により第2流路部110bが変形することによる第2磁気センサ120bの出力電圧の変動を補正するための導体補正係数Kmとを乗算することにより求められる。
第1補正部140aは、第1メモリ160aに記憶された補正係数Kに関する参照テーブル161aを参照して、第1温度センサ150aにより検出した周囲温度に対応した補正係数Kを決定する。第1補正部140aは、決定した補正係数Kに基づいて第1変更部145aを制御し、第1磁気センサ120aの駆動電圧(駆動電流)を制御する。これにより、第1補正部140aは、第1磁気センサ120aの磁電変換利得を補正する。
第2補正部140bは、第2メモリ160bに記憶された補正係数Kに関する参照テーブル161bを参照して、第2温度センサ150bにより検出した周囲温度に対応した補正係数Kを決定する。第2補正部140bは、決定した補正係数Kに基づいて第2変更部145bを制御し、第2磁気センサ120bの駆動電圧(駆動電流)を制御する。これにより、第2補正部140bは、第2磁気センサ120bの磁電変換利得を補正する。
本実施形態の電流センサ100によっても、実施形態1と同様の利点を得ることができる。すなわち、本実施形態の電流センサ100によれば、第1補正部140aが、周囲温度の変動による第1磁気センサ120aの磁電変換利得の変動に加えて、周囲温度の変動に応じた第1流路部110aの変形による第1磁気センサ120aの出力電圧の変動をも補正する。同様に、第2補正部140bが、周囲温度の変動による第2磁気センサ120bの磁電変換利得の変動に加えて、第2流路部110bの変形による第2磁気センサ120bの出力電圧の変動をも補正する。これにより、本実施形態の電流センサ100は、従来と比較して、周囲温度の変動による電流センサ100の出力誤差をより低減することができ、高精度な電流センサを実現できる。
(実施形態4)
実施形態1では、補正部140a,140b、温度センサ150a,150b、及び、メモリ160a,160bを用いたデジタル処理によって補正を行った。実施形態4では、温度変動特性を有する回路素子を用いたアナログ処理によって補正を行う。
図16は、実施形態4に係る電流センサにおける磁気センサユニット190dの電気的な構成を示すブロック図である。図16に示すように、実施形態4の電流センサ100における磁気センサユニット190dは、実施形態1の磁気センサユニット190において増幅部130に代えて増幅部230を備える。
この増幅部230は、第1増幅回路230aと、第2増幅回路230bと、増幅器231cとを備える。第1増幅回路230aは、増幅器231aと抵抗素子Ra、Rb、Rcとを備える。第2増幅回路230bは、増幅器231bと抵抗素子Ra、Rb、Rcとを備える。
第1増幅回路230aは第1磁気センサ120aの出力電圧を増幅する。第2増幅回路230bは第2磁気センサ120bの出力電圧を増幅する。増幅器231cは、増幅器230aの出力電圧と増幅器230bの出力電圧とを差動増幅する。
第1増幅回路230aにおいて、抵抗素子Raは、増幅器231aのマイナス入力端子と、第1磁気センサ120aにおける磁気抵抗素子MR3と磁気抵抗素子MR4との間の接続点との間に接続されている。抵抗素子Rbは、増幅器231aのマイナス入力端子と出力端子との間に接続されている。抵抗素子Rcは、増幅器231aの出力端子と増幅器231cのマイナス入力端子との間に接続されている。増幅器231aのプラス入力端子は、第1磁気センサ120aにおける磁気抵抗素子MR1と磁気抵抗素子MR2との間の接続点に接続されている。
第1増幅回路230aの抵抗素子Ra,Rb,Rcは、第1増幅回路230aの増幅利得を設定する素子として機能するが、同様に、第1磁気センサ120aの出力電圧の温度変動を補正する第1補正部240aとしても機能する。抵抗素子Ra,Rb,Rcの抵抗値は、周囲温度の変動により変動する。本実施形態では、周囲温度の変動による第1磁気センサ120aの磁電変換利得の変動、及び、周囲温度の変動により第1流路部110aが変形することによる第1磁気センサ120aの出力電圧の変動をキャンセルするように、各抵抗素子Ra,Rb,Rcの抵抗値が決められる。
同様に、第2増幅回路230bにおいて、抵抗素子Raは、増幅器231bのマイナス入力端子と、第2磁気センサ120bにおける磁気抵抗素子MR3と磁気抵抗素子MR4との間の接続点との間に接続されている。抵抗素子Rbは、増幅器231bのマイナス入力端子と出力端子との間に接続されている。抵抗素子Rcは、増幅器231bの出力端子と増幅器231cのプラス入力端子との間に接続されている。増幅器231bのプラス入力端子は、第2磁気センサ120bにおける磁気抵抗素子MR1と磁気抵抗素子MR2との間の接続点に接続されている。
第2増幅回路230bの抵抗素子Ra,Rb,Rcは、第2増幅回路230bの増幅利得を設定する素子として機能するが、同様に、第2磁気センサ120bの出力電圧の温度変動を補正する第2補正部240bとしても機能する。本実施形態では、周囲温度の変動による第2磁気センサ120bの磁電変換利得の変動、及び、周囲温度の変動により第2流路部110bが変形することによる第2磁気センサ120bの出力電圧の変動をキャンセルするように、各抵抗素子Ra,Rb,Rcの抵抗値が決められる。
なお、本実施形態では、第1補正部240a及び第2補正部240bは抵抗素子Ra,Rb,Rcを備える形態を例示した。しかし、第1補正部240a及び第2補正部240bはこれに限定されず、抵抗素子に代えてサーミスタやダイオード、Pt(白金抵抗体)センサなどを備えてもよい。
本実施形態の電流センサ100によっても、実施形態1と同様の利点を得ることができる。すなわち、本実施形態の電流センサ100によれば、第1補正部240a及び第2補正部240bは、周囲温度の変動により変動する変動特性を有する抵抗素子Ra,Rb,Rcを含む。これにより、第1補正部240aは、周囲温度の変動による第1磁気センサ120aの磁電変換利得の変動に加えて、周囲温度の変動に応じた第1流路部110aの変形による第1磁気センサ120aの出力電圧の変動をも補正する。同様に、第2補正部240bは、周囲温度の変動による第2磁気センサ120bの磁電変換利得の変動に加えて、第2流路部110bの変形による第2磁気センサ120bの出力電圧の変動をも補正する。そのため、本実施形態の電流センサ100は、従来と比較して、周囲温度の変動による電流センサ100の出力誤差をより低減することができ、高精度な電流センサを実現できる。
(実施形態5)
実施形態2では、補正部140c、温度センサ150c、及び、メモリ160cを用いたデジタル処理によって補正を行った。実施形態5では、温度変動特性を有する回路素子を用いたアナログ処理によって補正を行う。
図17は、実施形態5に係る電流センサにおける磁気センサユニット190eの電気的な構成を示すブロック図である。図17に示すように、実施形態5の電流センサ100における磁気センサユニット190eは、実施形態2の磁気センサユニット190bにおいて増幅部130に代えて増幅部230を備える。
増幅部230は、増幅器231aと、増幅器231bと、増幅回路230cとを備える。増幅回路230cは、増幅器231cと抵抗素子Ra、Rb、Rcとを備える。
増幅器231aのマイナス入力端子は、第1磁気センサ120aにおける磁気抵抗素子MR3と磁気抵抗素子MR4との間の接続点に接続されている。増幅器231aのプラス入力端子は、第1磁気センサ120aにおける磁気抵抗素子MR1と磁気抵抗素子MR2との間の接続点に接続されている。増幅器231aは第1磁気センサ120aの出力電圧を増幅する。
増幅器231bのマイナス入力端子は、第2磁気センサ120bにおける磁気抵抗素子MR3と磁気抵抗素子MR4との間の接続点に接続されている。増幅器231bのプラス入力端子は、第2磁気センサ120bにおける磁気抵抗素子MR1と磁気抵抗素子MR2との間の接続点に接続されている。増幅器231bは第2磁気センサ120bの出力電圧を増幅する。
増幅回路230cにおいて、抵抗素子Raは、増幅器231cのマイナス入力端子と増幅器231aの出力端子との間に接続されている。抵抗素子Rbは、増幅器231cのマイナス入力端子と出力端子との間に接続されている。抵抗素子Rcは、増幅器231cの出力端子と後段の回路素子との間に接続されている。増幅器231cのプラス入力端子は、増幅器231bの出力端子に接続されている。増幅器230cは、増幅器231aの出力電圧と増幅器231bの出力電圧とを差動増幅する。
増幅回路230cの抵抗素子Ra,Rb,Rcは、増幅回路230cの増幅利得を設定する素子として機能するが、同様に、第1磁気センサ120aの出力電圧の温度変動を補正する補正部240cとしても機能する。抵抗素子Ra,Rb,Rcの抵抗値は、周囲温度の変動により変動する。本実施形態では、周囲温度の変動による第1磁気センサ120aの磁電変換利得の変動、周囲温度の変動による第2磁気センサ120bの磁電変換利得の変動、周囲温度の変動により第1流路部110aが変形することによる第1磁気センサ120aの出力電圧の変動、及び、周囲温度の変動により第2流路部110bが変形することによる電流センサ100の出力電圧の変動をキャンセルするように、各抵抗素子Ra,Rb,Rcの抵抗値が決められる。
本実施形態の電流センサ100によっても、実施形態1と同様の利点を得ることができる。すなわち、本実施形態の電流センサ100によれば、補正部240cは、周囲温度の変動により変動する変動特性を有する抵抗素子Ra,Rb,Rcを含む。これにより、補正部240cは、周囲温度の変動による第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bの磁電変換利得の変動に加えて、周囲温度の変動に応じた第1流路部110a及び第2流路部110bの変形による第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bの出力電圧の変動をも補正する。そのため、本実施形態の電流センサ100は、従来と比較して、周囲温度の変動による電流センサ100の出力誤差をより低減することができ、高精度な電流センサを実現できる。
(実施形態6)
実施形態3では、補正部140a,140b、温度センサ150a,150b、メモリ160a,160b、及び、変更部145a,145bを用いたデジタル処理によって補正を行った。実施形態6では、温度変動特性を有する回路素子を用いたアナログ処理によって補正を行う。
図18は、実施形態6に係る電流センサにおける磁気センサユニット190fの電気的な構成を示すブロック図である。図18に示すように、実施形態6の電流センサ100における磁気センサユニット190fは、実施形態3の磁気センサユニット190cにおいて増幅部130に代えて増幅部230を備える。さらに、磁気センサユニット190fは、実施形態3の第1補正部140a、第1温度センサ150a、第1メモリ160a及び第1変更部145aに代えて第1補正部340aを備える。また、磁気センサユニット190fは、実施形態3の第2補正部140b、第2温度センサ150b、第2メモリ160b及び第2変更部145bに代えて第2補正部340cを備える。
増幅部230は、増幅器231aと、増幅器231bと、増幅器231cとを備える。
増幅器231aのマイナス入力端子は、第1磁気センサ120aにおける磁気抵抗素子MR3と磁気抵抗素子MR4との間の接続点に接続されている。増幅器231aのプラス入力端子は、第1磁気センサ120aにおける磁気抵抗素子MR1と磁気抵抗素子MR2との間の接続点に接続されている。増幅器231aは第1磁気センサ120aの出力電圧を増幅する。
増幅器231bのマイナス入力端子は、第2磁気センサ120bにおける磁気抵抗素子MR3と磁気抵抗素子MR4との間の接続点に接続されている。増幅器231bのプラス入力端子は、第2磁気センサ120bにおける磁気抵抗素子MR1と磁気抵抗素子MR2との間の接続点に接続されている。増幅器231bは第2磁気センサ120bの出力電圧を増幅する。
増幅器231cのマイナス入力端子は、増幅器231aの出力端子に接続されており、増幅器231cのプラス入力端子は、増幅器231bの出力端子に接続されている。増幅器231cは、増幅器231aの出力電圧と増幅器231bの出力電圧とを差動増幅する。
第1補正部340aは、第1磁気センサ120aと電源端子Vddとの間に接続されている。第1補正部340aは、抵抗素子Rdを備える。
抵抗素子Rdの抵抗値は、周囲温度の変動により変動する。本実施形態では、周囲温度の変動による第1磁気センサ120aの磁電変換利得の変動、及び、周囲温度の変動により第1流路部110aが変形することによる電流センサ100の出力電圧の変動をキャンセルするように、各抵抗素子Ra,Rb,Rcの抵抗値が決められる。これにより、第1補正部240aは、第1磁気センサ120aの駆動電圧(駆動電流)を制御し、第1磁気センサ120aの磁電変換利得を補正する。
第2補正部340bは、第2磁気センサ120bと電源端子Vddとの間に接続されている。第2補正部340bは、抵抗素子Rdを備える。
抵抗素子Rdの抵抗値は、周囲温度の変動により変動する。本実施形態では、周囲温度の変動による第2磁気センサ120bの磁電変換利得の変動、及び、周囲温度の変動により第2流路部110bが変形することによる電流センサ100の出力電圧の変動をキャンセルするように、各抵抗素子Ra,Rb,Rcの抵抗値が決められる。これにより、第2補正部240bは、第2磁気センサ120bの駆動電圧(駆動電流)を制御し、第2磁気センサ120bの磁電変換利得を補正する。
本実施形態の電流センサ100によっても、実施形態3と同様の利点を得ることができる。すなわち、本実施形態の電流センサ100によれば、第1補正部240a及び第2補正部240bは、周囲温度の変動により変動する変動特性を有する抵抗素子Rdを含む。これにより、第1補正部240aは、周囲温度の変動による第1磁気センサ120aの磁電変換利得の変動に加えて、周囲温度の変動に応じた第1流路部110aの変形による第1磁気センサ120aの出力電圧の変動をも補正する。同様に、第2補正部240bは、周囲温度の変動による第2磁気センサ120bの磁電変換利得の変動に加えて、第2流路部110bの変形による第2磁気センサ120bの出力電圧の変動をも補正する。そのため、本実施形態の電流センサ100は、従来と比較して、周囲温度の変動による電流センサ100の出力誤差をより低減することができ、高精度な電流センサを実現できる。
(実施形態7)
実施形態1では、導体110を2つの流路部110a,110bに分岐し、流路部110a,110bのそれぞれを周回する磁界を検出して差動増幅する電流センサにおいて、温度補正を行う形態を説明した。実施形態7では、導体を分岐しない電流センサにおいて、温度補正を行う形態を説明する。
図19は、実施形態7に係る電流センサの外観を示す斜視図である。図20は、図19に示す磁気センサ及び電子部品の電気的な構成を示すブロック図である。
図19に示すように、本実施形態に係る電流センサ200は、導体210と、磁性体コア125と、磁気センサ120と、電子部品240とを備える。
図19に示すように、導体210は、実施形態1の導体110において第1流路部110aと第2流路部110bとに分岐されない構成で導体110と異なる。
磁性体コア125は、略環状形状をなし、導体210を周回するように配置される。磁性体コア125は、導体110を周回する磁界を集磁する。磁性体コア125は、環状形状の一部にギャップを有する。磁性体コア125の材料には、ケイ素鋼やパーマロイなどの磁性体材料が用いられる。磁性体コア125は、例えば積層コアやカットコアである。
磁気センサ120は、磁性体コア125におけるギャップに配置される。磁気センサ120は、導体110に流れる測定対象の電流により発生する磁界の強さを検出する。
電子部品240は、増幅部130と、補正部140と、温度センサ150と、メモリ160とを備える。
次に、図20を参照して、磁気センサ120及び電子部品240について説明する。図20に示すように、磁気センサ120には、上述した第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bと同様の磁気センサが用いられる。
増幅部130は、磁気センサ120からの出力電圧を増幅する。増幅部130は利得調整端子を有し、補正部140の制御により増幅利得を変更する。
温度センサ150は、導体210及び磁気センサ120の周囲温度を測定する。
メモリ160は、複数の補正係数を各々の周囲温度と対応付けて参照テーブル161として記憶する。補正係数は、周囲温度の変動による磁気センサ120の磁電変換利得の変動を補正するための素子補正係数と、周囲温度の変動により導体110が変形することによる磁気センサ120の出力電圧の変動を補正するための導体補正係数とを乗算することにより求められる。また、メモリ160は、補正部140の各種機能を実現するためのプログラムを格納する。
補正部140は、メモリ160に記憶された補正係数に関する参照テーブル161を参照して、温度センサ150により検出した周囲温度に対応した補正係数を決定する。補正部140は、決定した補正係数に基づいて増幅部130の増幅利得を補正する。
図21は、実施形態7に係る電流センサの断面図であり、図19のXXI−XXI線矢印方向から見た図である。
導体210において長さ方向(Y軸方向)に測定対象の電流が流れると、導体210を周回する磁界Hが発生する。磁界Hは、磁性体コア125に集磁され、磁気センサ120に印加する。磁気センサ120は、磁界Hの強さを検出し、磁界Hの強さに応じた電圧を出力する。このように、電流センサ200は、磁性体コア125を用いて集磁するので、検出感度を高めることができる。
図20に示すように、増幅部130は、磁気センサ120の出力電圧を増幅する。このとき、補正部140は、メモリ160に記憶された補正係数に関する参照テーブル161を参照して、温度センサ150により検出した周囲温度に対応した補正係数を決定する。補正部140は、決定した補正係数に基づいて増幅部130の増幅利得を補正する。
本実施形態の電流センサ200でも、実施形態1と同様の利点を得ることができる。すなわち、本実施形態の電流センサ200によれば、補正部140が、周囲温度の変動による磁気センサ120の磁電変換利得の変動に加えて、周囲温度の変動により導体110が変形することによる磁気センサ120の出力電圧の変動をも補正する。これにより、本実施形態の電流センサ200は、従来と比較して、周囲温度の変動による電流センサ200の出力誤差をより低減することができ、高精度な電流センサを実現できる。
(実施形態7の変形例)
実施形態7では、電流センサ200は、直線状に延びる導体110を備えた。本変形例では、電流センサ200は、一部が屈曲した導体の例を説明する。
図22は、実施形態7の変形例1に係る電流センサの外観を示す斜視図である。図23は、実施形態7の変形例2に係る電流センサの外観を示す斜視図である。図24は、実施形態7の変形例3に係る電流センサの外観を示す斜視図である。
図22に示すように、変形例1の電流センサ200は、実施形態7の電流センサ200において導体210に代えて導体210Aを備える構成で実施形態7と異なる。導体210Aは、幅方向(X軸方向)に屈曲する屈曲部214A,215Aを備える。
図23に示すように、変形例2の電流センサ200は、実施形態7の電流センサ200において導体210に代えて導体210Bを備える構成で実施形態7と異なる。導体210Bは、厚み方向(Z軸方向)に屈曲する屈曲部214Bを備える。
図24に示すように、変形例3の電流センサ200は、実施形態7の電流センサ200において導体210に代えて導体210Cを備える構成で実施形態7と異なる。導体210Cは、厚み方向(Z軸方向)に屈曲する屈曲部214C,215C,216C,217Cを備える。なお、変形例3の電流センサ200では、磁気センサ120及び電子部品240が基板170に搭載されている。
このように、屈曲した導体210A,210B,210Cにおいて、周囲温度の変動による導体の変形が発生し易い。よって、屈曲した導体210A,210B,210Cを備える電流センサ200において、周囲温度の変動により導体が変形することによる電流センサの出力電圧の変動が発生し易い。そのため、本発明は、実施形態7の変形例1〜3の電流センサ200に好適に適用される。
(実施形態8)
実施形態8に係る電流センサ300は、第1流路部及び第2流路部の形状が、実施形態1に係る電流センサ100と異なる。
図25は、実施形態8に係る電流センサの外観を示す斜視図である。図26は、図25に示す電流センサにおける導体の外観を示す斜視図である。図27は、図26に示す導体を幅方向(X軸方向)からみた図である。
実施形態8に係る電流センサ300は、測定対象である電流が流れる、板状の導体310を備える。
導体310は、長さ方向(Y軸方向)における一部分において、第1流路部310aと第2流路部310bとに分岐される。第1流路部310aと第2流路部310bとは、導体310の幅方向(X軸方向)に並んでいる。第1流路部310aと第2流路部310bとの間には、スリット310sが形成されている。スリット310sは、導体310の幅方向(X軸方向)において導体310の略中央に位置している。第1流路部310aは、導体310の一方の面側(+Z方向側)に突出しており、第2流路部310bは、導体310の他方の面側(−Z方向側)に突出している。
第1流路部310a及び第2流路部310bの各々は、導体310の幅方向(X軸方向)から見て、半長円状の形状を有している。第1流路部310aは、導体310の一方の面から円弧状に突出する第1突出部311a及び第2突出部312aと、導体310の長さ方向(Y軸方向)に延在し、第1突出部311aと第2突出部312aとを繋ぐ第1延在部313aとを有する。第2流路部310bは、導体310の一方の面から円弧状に突出する第3突出部311b及び第4突出部312bと、導体310の長さ方向(Y軸方向)に延在し、第3突出部311bと第4突出部312bとを繋ぐ第2延在部313bとを有する。これにより、第1流路部310aと第2流路部310bとによって空間が形成される。この空間には磁気センサユニット390が配置される。
なお、第1流路部310a及び第2流路部310bの各々の形状はこれに限られず、たとえば、導体310の幅方向(X軸方向)から見て、C字状又は半円状の形状を有していてもよい。第1流路部110aと第2流路部110bとは、互いに点対称な形状を有する。
磁気センサユニット390は、磁気センサユニット190において筐体の形状が異なるだけであり、内部構成は磁気センサユニット190と同様である。
本実施形態の電流センサ300でも、実施形態1と同様の利点を得ることができる。すなわち、本実施形態の電流センサ300によれば、従来と比較して、周囲温度の変動による電流センサ300の出力誤差をより低減することができ、高精度な電流センサを実現できる。
さらに、本実施形態の電流センサ300によれば、第1流路部310a及び第2流路部310bの各々における屈曲部を湾曲形状とすることにより、周囲温度の変動による第1流路部310a及び第2流路部310bの変形を低減することができる。そのため、第1流路部310aの変形による第1磁気センサ120aの出力電圧の変動、及び、第2流路部310bの変形による第2磁気センサ120bの出力電圧の変動を低減でき、周囲温度の変動による電流センサ300の出力誤差をより低減することができる。
(実施形態9)
実施形態9に係る電流センサ400は、第1流路部及び第2流路部の形状が、実施形態1に係る電流センサ100と異なる。
図28は、実施形態9に係る電流センサの外観を示す斜視図である。図29は、図28に示す電流センサにおける導体の外観を示す斜視図である。図30は、図29に示す導体を幅方向(X軸方向)からみた図である。
実施形態9に係る電流センサ500は、測定対象である電流が流れる、板状の導体410を備える。
導体410は、長さ方向(Y軸方向)における一部分において、第1流路部410aと第2流路部410bとに分岐される。第1流路部410aと第2流路部410bとは、導体410の幅方向(X軸方向)に並んでいる。第1流路部410aと第2流路部410bとの間には、スリット410sが形成されている。スリット410sは、導体410の幅方向(X軸方向)において導体410の略中央に位置している。導体410の一端部と他端部とは、厚さ方向(Z軸方向)において異なる位置に位置し、第1流路部410aは略L字状の段差を有し、第1流路部410aは略逆L字状の段差を有する。
第1流路部410aは、長さ方向(Y軸方向)における一端411aと他端412aとを有する。第2流路部410bは、長さ方向(Y軸方向)における一端411bと他端412bとを有する。第1流路部410aの一端411aと第2流路部410bの一端411bとは、スリット410sを介して幅方向(X軸方向)に並んでいる。第1流路部410aの他端412bと第2流路部410bの他端412bとは、スリット410sを介して幅方向(X軸方向)に並んでいる。
第1流路部410aは、一端411aから長さ方向(Y軸方向)に延在する延在部414aと、延在部414aの長さ方向(Y軸方向)の端部から厚さ方向(Z軸方向)に直線状に延在して他端412aに向かう曲折部413aとを含む。すなわち、第1流路部410aは、段状に形成されている。第2流路部410bは、一端411bから厚さ方向(Z軸方向)に直線状に延在する曲折部413bと、曲折部413bの厚さ方向(Z軸方向)の端部から長さ方向(Y軸方向)に延在して他端412bに向かう延在部414bとを含む。すなわち、第2流路部410bは、段状に形成されている。これにより、第1流路部410aと第2流路部410bとによって空間が形成される。この空間には磁気センサユニット490が配置される。
磁気センサユニット490は、磁気センサユニット190において筐体の形状が異なるだけであり、内部構成は磁気センサユニット190と同様である。
本実施形態の電流センサ400でも、実施形態1と同様の利点を得ることができる。すなわち、本実施形態の電流センサ400によれば、従来と比較して、周囲温度の変動による電流センサ400の出力誤差をより低減することができ、高精度な電流センサを実現できる。
(実施形態10)
上述した実施形態1〜9の電流センサは、例えば車載用インバータのように3相交流電流を測定する用途に好適に適用される。本実施形態では、実施形態1の電流センサ100を、3相交流電流を測定する用途に適用する例を説明する。
図31は、実施形態10に係る電流センサの外観を示す斜視図である。図32は、図31に示す電流センサをX軸方向から見た図である。図31及び図32に示す実施形態10に係る電流センサ500は、複数の電流センサ100を、樹脂部材501により固定しながら、隣接して備える。
上述したように、実施形態1の電流センサ100によれば、従来と比較して、周囲温度の変動による電流センサ100の出力誤差をより低減することができ、高精度な電流センサを実現できる。そのため、複数の電流センサ100を備える電流センサ500は、インバータによりモータを駆動するための電流制御用として適用される場合に、周囲温度の変動に起因するインバータの暴走を防ぐことができる。
このように、例えば電流センサ100が、モータの駆動電流を制御するインバータにおいて駆動電流の検出に使用される場合、第1補正部140a及び第2補正部140bは、インバータの制御装置内に配置された基板上に実装されてもよい。すなわち、第1補正部140a及び第2補正部140bは、磁気センサユニット190内における第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bが実装される基板170上に実装されていなくてもよい。このように、上述した実施形態において、補正部の実装箇所は実施形態10で示した場所に限定されない。
(他の実施形態)
上記の実施形態において、磁気センサ、増幅部、補正部、温度センサ、メモリといった電子部品の各々は、集積された状態で別々のパッケージに実装されていてもよい。或いは、これらの電子部品は、1つ又は複数のICチップに纏めて集積された状態で、1つ又は複数のパッケージ内に実装されていてもよい。
例えば、実施形態1では、第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120b、増幅部130、第1補正部140a及び第2補正部140b、第1温度センサ150a及び第2温度センサ150b、第1メモリ160a及び第2メモリ160bといった電子部品が別々のパッケージに実装された形態を例示した。しかし、これらの電子部品は、同一のICチップに集積されてもよいし、同一のパッケージ内に実装されてもよい。
図33は、電流センサにおける電子部品のパッケージの一例を示す図である。例えば、図33に示す他の実施形態では、第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bが同一のICチップに集積され、第1温度センサ150a及び第2温度センサ150bが同一のICチップに集積され、増幅部130、第1補正部140a及び第2補正部140b、第1メモリ160a及び第2メモリ160bが同一のICチップに集積されている。そして、これらのICチップは、樹脂175により被覆された1つのパッケージ内に実装されている。
この実施形態では、第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bが同一のICチップ上に形成されることにより、互いの特性を近づけることができる。
また、図34は、電流センサにおける電子部品のパッケージの別の例を示す図である。図34に示すように、第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bは、別々のICチップに集積され、樹脂175により被覆された1つのパッケージ内に実装されてもよい。なお、図34では、第1磁気センサ120a及び第2磁気センサ120bは、パッケージにおけるリード176を介して基板170と電気的に接続される。また、第1磁気センサ120aと第2磁気センサ120bとの間の中央が第1流路部110aと第2流路部110bとの間の中央に位置するように、パッケージが配置されている。
本発明は上述した実施の形態に限定されず、各実施形態において適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行ってもよい。また、上記の実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
上述した実施形態は例示であり、本発明は上記の実施形態に限定されない。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。

Claims (10)

  1. 測定対象の電流の大きさに応じた出力信号を出力する電流センサであって、
    前記電流が流れる導体と、
    前記電流により発生する磁界の強さを検出し、前記磁界の強さに応じた電気信号を前記出力信号として出力する磁気素子と、
    周囲温度の変動による前記磁気素子の磁電変換利得の変動、及び、前記周囲温度の変動により前記導体が変形することによる前記磁気素子の電気信号の変動を補正する補正部と、
    を備える電流センサ。
  2. 前記周囲温度を検出する温度検出部と、
    前記周囲温度の変動による前記磁気素子の磁電変換利得の変動、及び、前記周囲温度の変動により前記導体が変形することによる前記磁気素子の電気信号の変動を補正するための複数の補正係数と各々の周囲温度とが対応付けされたテーブルを記憶する記憶部と、を備え、
    前記補正部は、前記テーブルを参照して、前記温度検出部により検出した周囲温度に対応した補正係数を決定し、決定した補正係数に基づいて前記磁気素子の電気信号を補正する、
    請求項1に記載の電流センサ。
  3. 前記補正部は回路素子を含み、
    前記回路素子の素子定数は、前記周囲温度の変動による前記磁気素子の磁電変換利得の変動、及び、前記周囲温度の変動により前記導体が変形することによる前記磁気素子の電気信号の変動を補正するように決められる、
    請求項1に記載の電流センサ。
  4. 前記磁気素子の電気信号を増幅して前記出力信号として出力する増幅部を備え、
    前記補正部は、前記増幅部の増幅利得を変更する、
    請求項2又は3に記載の電流センサ。
  5. 前記補正部は、前記磁気素子の磁電変換利得を補正する、
    請求項2又は3に記載の電流センサ。
  6. 前記補正部は、前記磁気素子に入力される駆動電圧又は駆動電流を変更する、
    請求項5に記載の電流センサ。
  7. 前記補正係数は、前記周囲温度の変動による前記磁気素子の磁電変換利得の変動を補正するための素子補正係数と、前記周囲温度の変動により前記導体が変形することによる前記磁気素子の電気信号の変動を補正するための導体補正係数とから算出される、
    請求項2に記載の電流センサ。
  8. 前記周囲温度が上がるにつれて、前記導体と前記磁気素子との間の距離が大きくなるように前記導体が変形するとき、前記導体補正係数は、前記周囲温度が上がるにつれて大きくなるように設定される、
    請求項7に記載の電流センサ。
  9. 前記周囲温度が上がるにつれて、前記導体と前記磁気素子との間の距離が小さくなるように前記導体が変形するとき、前記導体補正係数は、前記周囲温度が上がるにつれて小さくなるように設定される、
    請求項8に記載の電流センサ。
  10. 前記導体は、分岐されて形成された第1流路部と第2流路部であって、前記測定対象の電流の一部が流れる前記第1流路部と、前記電流の一部以外の電流が流れる前記第2流路部とを備え、
    前記磁気素子は、前記第1流路部に流れる電流により発生する第1磁界の強さを検出する第1磁気素子と、前記第2流路部に流れる電流により発生する第2磁界の強さを検出する第2磁気素子とを備え、
    前記補正部は、前記周囲温度の変動による前記第1磁気素子の磁電変換利得の変動、及び、前記周囲温度の変動により前記第1流路部が変形することによる前記第1磁気素子の電気信号の変動を補正する第1補正部と、前記周囲温度の変動による前記第2磁気素子の磁電変換利得の変動、及び、前記周囲温度の変動により前記第2流路部が変形することによる前記第2磁気素子の電気信号の変動を補正する第2補正部とを備える、
    請求項1に記載の電流センサ。
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