JP2006250922A - 電流センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】機器や設備の表面に流れる電流を検出する当該機器や設備の表面に近接して使用されるセンサであり、2箇の磁気インピーダンス効果素子1ma,1mb(m=1〜n)を並列配置で感磁方向を逆とし各磁気インピーダンス効果素子の出力を復調回路3ma,3mb(m=1〜n)で検波しその検波出力を演算差動増幅回路40m(m=1〜n)で差動増幅するセンサユニットCm(m=1〜n)の出力端を加算器50で一括してある。差動増幅に対し同相入力となる内部ノイズ(励磁電源回路や各復調回路のダイオード等の回路素子の温度変化等に起因して発生するノイズ)を打消し得、地磁気成分等の外部ノイズは場所による変化が殆どなく、本件電流センサの位置を変えても実質的に変化しないから容易に排除できる。
【選択図】図4−2
Description
これらは、碍子が健全なときは充電電流値や表面電位分布が正常であるが、碍子が劣化するとその充電電流値や表面電位分布が異常となることを利用しており、次の方法が公知である(非特許文献1)。
新宮 行太,碍子とブッシング,オーム社昭和32年,p252〜258
(2)火花間隙を隔てた両電極を碍子の両端にコンデンサを介して接続し、火花間隙の間隙調整によりその間隙に火花放電を発生させて碍子が分担している電圧の大小を測定する。劣化碍子では分担電圧が異常に小さくなるので、その測定結果から碍子の劣化を検知できる。
(3)碍子をコンデンサとみなし、碍子に適当なインダクタンスを分路することにより振動回路を構成し、インダクタンスの一端と碍子との接離により振動波を発生させこの振動波を測定する。この振動波は碍子の分担電圧と密接な関係があり、劣化碍子では、その分担電圧が異常に小さくなるので、その測定結果から碍子の劣化を検知できる。
特に、(1)の方法では、木柱や腕木に取付けられた碍子に適用できても、鉄塔上に取付けられた碍子には適用できない不具合もある。
すなわち、図8の(イ)において、aを導体、sを導体から距離rを隔てた位置に配設した磁気センサとし、導体電流をI、磁気センサが感磁計測する磁界をHとすると、2πrH=Iが成立し、計測磁界Hから導体電流を求めることができる。
近来、高感度・高精度の磁界センサとして、磁気インピーダンス効果素子を用いた磁気インピーダンス効果型磁気センサが開発され、磁気センサに磁気インピーダンス効果型磁気センサを使用して電流を測定することも提案されている(例えば、特許文献1〜3)。
導体電流を測定するのに、2個の極性判別可能・線形の磁気インピーダンス効果型磁気センサを使用して電流を測定することも提案されている(例えば、特許文献1、2)。
図8の(ロ)において、aは導体を示している。s,s’は導体から等距離rで、かつ相互間の角度が2θの位置に配設した極性判別可能な磁気インピーダンス効果素子を示し、導体を中心とする放射方向に対し角度θの方向を感磁方向とするように配向してある。
図8の(ロ)において、各磁気インピーダンス効果型磁気センサが感磁する磁界Hyは絶対値が等しく、極性が逆であり、
│Hy│=Isinθ/2πr
で与えられる。
従って、両磁気センサの出力を差動増幅すれば、2│Hy│の検出出力が得られ、この検出値から導体電流Iを計測できる。
前記した電流測定法は、電流路と磁気インピーダンス効果型磁気センサとの相対的位置関係が既知であることを前提としており、受電碍子等の表面に流れる漏洩電流の検出・測定には適合しない。
請求項2に係る電流センサは、並列配置で感磁方向が逆の2個の各磁気インピーダンス効果素子を基板上に複数組有し、この複数組の各組の一方の磁気インピーダンス効果素子群及び他方の磁気インピーダンス効果素子群のそれぞれの総括出力を検波しその検波出力を差動増幅する検波・増幅回路を基板上に有することを特徴とする。
請求項3に係る電流センサは、請求項1または2の電流センサにおいて、磁気インピーダンス効果素子と検波・増幅回路を別の基板上に設けたことを特徴とする。
請求項4に係る電流センサは、請求項1〜3何れかの電流センサにおいて、並列配置で感磁方向が逆の2個の各磁気インピーダンス効果素子の向きを配置ごとに異ならせたことを特徴とする。
請求項5に係る電流センサは、請求項1〜4何れかの電流センサにおいて、磁気インピーダンス効果素子に代え、ホール素子または磁気抵抗素子を用いたことを特徴とする。
請求項6に係る電流センサは、請求項1〜5何れかの電流センサにおいて、差動増幅器の出力のオフセットを入力信号としてそのオフセットを打ち消すための補償用信号を発生させこの補償用信号を前記増幅器に前記オフセットを消去するための入力として加える補正回路を設けたことを特徴とする。
請求項7に係る電流センサは、請求項1〜5何れかの電流センサにおいて、差動増幅器の両入力端子間に、差動増幅器出力のオフセットを入力信号としてそのオフセットを打ち消すための補償用信号を発生させこの補償用信号を前記増幅器の両入力端子間に前記オフセットを消去するための入力として加える補正回路を設けたことを特徴とする。
請求項8に係る電流センサは、請求項6〜7何れかの電流センサにおいて、補正回路に、増幅器または差動増幅器出力のオフセットが所定値に達したときに補償用出力を発生する手段を付設したことを特徴とする。
請求項9に係る電流センサは、請求項8の電流センサにおいて、増幅器または差動増幅器出力のオフセットをn倍(n>1)して補正回路に入力する手段を付設したことを特徴とする。
更に、並列配置で感磁方向が逆方向の磁気インピーダンス効果素子の軸方向を配置ごとに異ならせることにより被検出電流の方向に電流センサの向きを整合させなくても電流を測定できる。
従って、受電のままで本発明に係る電流センサを碍子に接触させることにより碍子の充電電流や表面電流(漏れ電流)を容易に高精度で測定できる。
図1において、1は磁気インピーダンス効果素子であり、自発磁化の方向がワイヤ周方向に対し互いに逆方向の磁区が交互に磁壁で隔てられた構成の外殻部を有する、零磁歪乃至は負磁歪のアモルファス合金ワイヤが使用される。かかる零磁歪乃至は負磁歪のアモルファス磁性ワイヤに高周波励磁電流を流したときに発生するワイヤ両端間出力電圧中のインダクタンス電圧分は、ワイヤの横断面内に生じる円周方向磁束によって上記の円周方向に易磁化性の外殻部が円周方向に磁化されることに起因して発生する。従って、周方向透磁率μθは同外殻部の円周方向の磁化に依存する。而るに、この通電中のアモルファス磁性ワイヤの軸方向に被検出磁界を作用させると、上記通電による円周方向磁束と被検出磁界磁束との合成により、上記円周方向に易磁化性を有する外殻部に作用する磁束の方向が円周方向からずれ、それだけ円周方向への磁化が生じ難くなり、上記周方向透磁率μθが変化し、上記インダクタンス電圧分が変動することになる。この変動現象は磁気インダクタンス効果と称され、これは上記高周波励磁電流(搬送波)が被検出波(信号波)で変調される現象ということができる。更に、上記通電電流の周波数がMHzオ−ダになると、高周波表皮効果が大きく現れ、表皮深さδ=(2ρ/wμθ)1/2(μθは前記した通り円周方向透磁率、ρは電気抵抗率、wは角周波数をそれぞれ示す)がμθにより変化し、このμθが前記した通り、被検出磁界によって変化するので、ワイヤ両端間出力電圧中の抵抗電圧分も被検出磁界で変動するようになる。この変動現象は磁気インピーダンス効果と称され、これは上記高周波励磁電流(搬送波)が被検出波(信号波)で変調される現象ということができる。
図2の(ニ)から理解できる通り、磁気インピーダンス効果素子の感磁方向が逆になれば、出力が逆極性になる。
また、被変調波(周波数fs)に同調させた周波数fsの方形波を被変調波に乗算して信号波をサンプリングする同調検波を使用することができる。
上記の実施例では、被変調波の復調によって被検出磁界を取り出しているが、これに限定されず、磁気インピーダンス効果素子に作用する被検出磁界(信号波)で変調された高周波励磁電流波(搬送波)から被検出磁界を検波し得るもので適宜の検波手段を使用できる。
図3において、100は基板チップであり、例えばセラミックス板を使用できる。101は基板片の片面に設けた電極であり、磁気インピーダンス効果素子接続用突部102を備えている。この電極は導電ペースト、例えば銀ペーストの印刷・焼付けにより設けることができる。1xは電極101,101の突部102,102間にはんだ付けや溶接により接続した磁気インピーダンス効果素子であり、前記した通り零磁歪乃至負磁歪のアモルファスワイヤ、アモルファスリボン、スパッタ膜等を使用できる。103はC型鉄芯、6xはC型鉄芯に巻装した負帰還用コイル、7xは同じくバイアス磁界用コイルであり、磁気インピーダンス効果素子1xとC型鉄芯103とでループ磁気回路を構成するように、C型鉄芯103の両端を基板片100の他面に接着剤等で固定してある。鉄芯材料としては、残留磁束密度の小さい磁性体であればよく、例えば、パーマロイ、フェライト、鉄、アモルファス磁性合金の他、磁性体粉末混合プラスチック等を挙げることができる。
図4−1において、1ma,1mb(m=1〜n)は互いに並列配置の磁気インピーダンス効果素子の組であり、感磁方向を互いに逆方向とし、配置ごとに磁気インピーダンス効果素子の軸方向の向きを異ならしめてある。
図4−1に示す例では、磁気インピーダンス効果素子の組数を4組(m=1〜4)とし、m=1の組を基準として他の組の磁気インピーダンス効果素子の向きを+45°、90°、135°の向きとしてある。
図4−2において、Cm(m=1〜n)は一組の磁気インピーダンス効果素子に対するセンサユニットを示し、各磁気インピーダンス効果素子1ma,1mb(m=1〜n)の出力端に復調回路3ma,3mb(m=1〜n)を接続し、これら復調回路の出力端を演算差動増幅回路40mに接続し、この増幅回路40m(m=1〜n)の出力を各磁気インピーダンス効果素子1ma,1mb(m=1〜n)に各負帰還用コイル6ma,6mb(m=1〜n)を経て負帰還させ、各磁気インピーダンス効果素子1ma,1mb(m=1〜n)にその感磁方向に応じ+Vccによりバイアス磁界用コイル7ma,7mb(m=1〜n)を介してバイアス磁界をかけている。
図4−2に示す実施例では、n箇のセンサユニットCm(m=1〜n)の差動増幅回路40m(m=1〜n)の出力端を加算器50等により総括して検出端とし、全センサユニット(m=1〜n)に共通の励磁用電源回路2を接続している。
Em=2kH
で与えられる。
すなわち、磁気インピーダンス効果素子1ma,1mbと他の磁気インピーダンス効果素子1xa,1xb(x≠m)との間の角度をxとすると、磁気インピーダンス効果素子1xa,1xb(x≠m)の軸方向成分(感磁方向成分)Hx(x≠m)は、Hx=Hmcosxで与えられ、このHxにより検出出力Ex=2kHmcosxが発生する。
従って、総括検出出力Etは
Et=2kHm+Σ2kHmcosx
で与えられ、cosxが負になる向きの磁気インピーダンス効果素子は総括検出出力Etを減じるようになる。
しかしながら、並列配置で感磁方向が逆の磁気インピーダンス効果素子の組数nや磁気インピーダンス効果素子の組の配置ごとの向きxの調整により、前記総括検出出力Etを充分に大きくでき、被検出電流の方向が未知でも充分にその電流を検出できる。
また、地磁気成分等の外部ノイズは場所による変化が殆どないから、本電流センサを碍子から充分に離隔して実質的に碍子電流に基づく磁界Hmが実質的に0の位置で前記の総括出力Eoutを測定すれば、その測定値が実質的に外部ノイズによる出力となり、外部ノイズの影響も排除できる(外部ノイズによる出力のもとで、図2の(ニ)の零点調整を行う)。
また、複数組の並列配置で感磁方向が逆方向の磁気インピーダンス効果素子群を搭載する基板と、復調回路、演算差動増幅回路、励磁電流源回路、演算差動増幅回路や励磁電流源回路やバイアス磁界用コイルに対する+Vcc電源を搭載する基板とを別体とし、両基板間を可撓性電線で連結することもできる。
特に、受電中の碍子に流れる電流を検出する場合は、後者の構成とし、複数組の並列配置で感磁方向が逆方向の磁気インピーダンス効果素子群を搭載した基板を絶縁竿の先端に取付け、磁気インピーダンス効果素子群による碍子表面のスキャンニングを絶縁竿を取手として行うことが安全である。
図6−1a及び図6−1bは請求項6に係る電流センサを示し、図4−2及び図5に示した電流センサに対し、差動増幅器の出力のオフセット変動を抑制して検出出力の安定化を図っている。
図6−1a及び図6−1bにおいて、400は出力補正回路を示し、他の構成は図4−2及び図5に示した電流センサに同じである。出力補正回路400は、演算作動増幅器4の出力のオフセットを入力信号としてそのオフセットを打ち消すための補償用信号を発生させこの補償用信号を前記作動増幅器に前記オフセットを消去するための入力として作動増幅器4のオフセット調整端子に加え、前記オフセットを消去するものである。
演算差動増幅器の出力のオフセットを所定の範囲、例えば−1v〜+1vの範囲に納めるようにしてもよく、この場合、増幅器出力のオフセットが−1vまたは+1vを越えると、電子ボリュームが操作される。
更に、ゲインが1以上、例えば2倍のバッファを制御ICに組み込んで±0.5vを越えると電子ボリュームが操作されるようにして演算差動増幅器の出力のオフセットを−0.5v〜+0.5vの範囲に納めるようにすることもできる。
前記と同様に演算差動増幅器の出力のオフセットを所定の範囲、例えば−1v〜+1vの範囲に納めるようにしてもよく、この場合は、増幅器出力のオフセットが−1vまたは+1vを越えると、電子ボリュームが操作される。この場合、ゲインが1以上、例えば2倍のバッファを制御ICに組み込んで±0.5vを越えると電子ボリュームが操作されるようにして演算差動増幅器の出力のオフセットを−0.5v〜+0.5vの範囲に納めるようにすることもできる。
また、地中埋設金属の電食原因となる電気鉄道の迷走電流の測定にも利用できる。
更に、金属パイプに流した電流の密度分布が金属パイプ内面に発生した亀裂、減肉のために変化し、その電流に基づく磁界の分布に変化を生じることから、その磁界分布の変化を測定して金属パイプ内面の亀裂、減肉の程度を判定するのにも利用できる。
1mb(m=1〜n) 磁気インピーダンス効果素子
2 高周波励磁電流源
3ma(m=1〜n) 復調回路
3mb(m=1〜n) 復調回路
4 演算差動増幅回路
4m(m=1〜n) 演算差動増幅回路
400
出力補正回路
Cm(m=1〜n) センサユニット
Claims (9)
- 機器や設備の表面に流れる電流を検出する当該機器や設備の表面に当接して使用されるセンサであり、2箇の磁気インピーダンス効果素子を並列配置で感磁方向を逆として各磁気インピーダンス効果素子の出力を検波しその検波出力を差動増幅器で増幅するセンサユニットの複数箇を基板上に設けたことを特徴とする電流センサ。
- 並列配置で感磁方向が逆の2個の各磁気インピーダンス効果素子を基板上に複数組有し、この複数組の各組の一方の磁気インピーダンス効果素子群及び他方の磁気インピーダンス効果素子群のそれぞれの総括出力を検波しその検波出力を差動増幅器で増幅する検波・増幅回路を基板上に有することを特徴とする電流センサ。
- 磁気インピーダンス効果素子と検波・増幅回路を別の基板上に設けたことを特徴とする請求項1または2記載の電流センサ。
- 並列配置で感磁方向が逆の2個の各磁気インピーダンス効果素子の向きを配置ごとに異ならせたことを特徴とする請求項1〜3何れか記載の電流センサ。
- 磁気インピーダンス効果素子に代え、ホール素子または磁気抵抗素子を用いたことを特徴とする請求項1〜4何れか記載の電流センサ。
- 差動増幅器の出力のオフセットを入力信号としてそのオフセットを打ち消すための補償用信号を発生させこの補償用信号を前記増幅器に前記オフセットを消去するための入力として加える補正回路を設けたことを特徴とする請求項1〜5何れか記載の電流センサ。
- 差動増幅器の両入力端子間に、差動増幅器出力のオフセットを入力信号としてそのオフセットを打ち消すための補償用信号を発生させこの補償用信号を前記増幅器の両入力端子間に前記オフセットを消去するための入力として加える補正回路を設けたことを特徴とする請求項1〜5何れか記載の電流センサ。
- 補正回路に、増幅器または差動増幅器出力のオフセットが所定値に達したときに補償用出力を発生する手段を付設したことを特徴とする請求項6〜7何れか記載の電流センサ。
- 増幅器または差動増幅器出力のオフセットをn倍(n>1)して補正回路に入力する手段を付設したことを特徴とする請求項8記載の電流センサ。
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