JP4917812B2 - 鉄系構造物の劣化診断方法 - Google Patents

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Description

本発明は鉄系構造物の劣化診断方法及びその方法に使用する劣化診断装置に関し、例えば柱上トランスのケースや鋼管の内壁面の劣化診断に使用するものであり、また、コンクリート構造物の鉄筋(鋼線や鋼棒)の劣化診断にも適用できる。
鉄系構造物、例えば、柱上トランスのケース外面の腐食等は目視で検査できるが、内面は目視で検査できない。
そこで打音診断が試みられているが、診断者間でのバラツキが大きく信頼性に乏しい。 漏洩磁束探傷試験方法も試みられているが、磁界を印加して欠陥箇所に漏洩磁束を発生させる必要があり、診断装置の大型化や作業の多工数化が避けられず高所での作業には不適切である。
また、旧式の柱上トランスの場合、木板上に設置され、目視で底面の検査ができない場合もある。
近来、磁気センサとして磁気インピーダンス効果を利用したセンサが開発されている。 この磁気インピーダンス効果を利用したセンサは、ホールセンサ、磁気抵抗素子、フラックスゲートセンサ等に較べて小型、高感度、高空間分解能、高速応答性であり、このセンサを利用した磁気検出方法が提案されている
また、磁気インピーダンス効果型センサを使用して漏洩磁束探傷試験方法により鋼板内部の欠陥を検出することも報告されている(非特許文献1)。
藤本 幸二、毛利 佳年雄,MAG−98−86,p39〜43
この検査方法は、磁気インピーダンス効果型センサの高感度磁界検出性能を利用するものであり、被検査体に磁界を印加することが必要であり、高所での作業には不適切である。
ところで、本発明者等の鋭意検討結果によれば、鉄系の被検査体を磁化することなく磁気インピーダンス効果型センサでスキャニングするだけでも、被検査体の欠陥を充分な精度で検出できることが確認された。
このように漏洩磁束探傷試験方法とは異なり、磁化することなく欠陥を検出できることは、磁気インピーダンス効果素子に印加するバイアス磁界が磁性体である鉄系被検査体にバイパスし、被検査体の欠陥に応じた被検査体のリラクタンス変化によりそのバイアス磁界が変化してセンサ出力が変化されることが関与している。
本発明の目的は、鉄系構造物の壁内面の腐食等の欠陥を壁の外面から充分な精度で容易に検査できる鉄系構造物の劣化診断方法及び劣化診断装置を提供することにあり、例えば、柱上トランスのケース、鋼管の内壁面、あるいはコンクリート構造物内部の鉄筋の劣化診断に適用できる。
請求項1に係る鉄系構造物の劣化診断方法は、磁気インピーダンス効果素子にバイアス磁界用コイルを付設し、その素子の出力を検波回路に通し更に増幅器で増幅して検出出力を得る検出チャンネルを複数チャンネル備え、前記磁気インピーダンス効果素子を並列配置とした欠陥検出装置を磁気インピーダンス効果素子に励磁電流を通電すると共にバイアス磁界を印加しつつ鉄系構造物の被検査面に磁気インピーダンス効果素子をその被検査面に近接させてスキャニングさせ、このスキャニング中、バイアス磁界を鉄系構造物にバイパスさせ鉄系構造物の欠陥に基づきバイアス磁界を変化させて前記検出出力を変化させ、この変化から鉄系構造物の欠陥を検知することを特徴とする
請求項1に係る鉄系構造物の劣化診断方法は、磁気インピーダンス効果素子にバイアス磁界用コイルを付設し、その素子の出力を検波回路に通し更に増幅器で増幅して検出を得る検出チャンネルを複数チャンネル備え、前記磁気インピーダンス効果素子を並列配置とした欠陥検出装置を磁気インピーダンス効果素子に励磁電流を通電すると共に直流に交流を重畳させたバイアス磁界を印加しつつ鉄系構造物の被検査面に磁気インピーダンス効果素子をその被検査面に近接させてスキャニングさせ、このスキャニング中、バイアス磁界を鉄系構造物にバイパスさせ鉄系構造物の欠陥に基づきバイアス磁界を変化させて前記検出出力を変化させ、この変化から鉄系構造物の欠陥を検知することを特徴とする
請求項3に係る鉄系構造物の劣化診断方法は、請求項1または2記載の鉄系構造物の劣化診断方法において、増幅器の出力のオフセットを入力信号としてそのオフセットを打ち消すための補償用信号を発生させ、この補償用信号を前記増幅器に前記オフセットを消去するための入力として加える補正回路を欠陥検出装置に設けたことを特徴とする。
請求項4に係る鉄系構造物の劣化診断方法は、請求項1または2記載の鉄系構造物の劣化診断方法において、1チャンネルに対する磁気インピーダンス効果素子を二個とし、その両素子の出力の差を差動増幅器で増幅して検出することを特徴とする。
請求項5に係る鉄系構造物の劣化診断方法は、請求項4記載の鉄系構造物の劣化診断方法において、差動増幅器の出力のオフセットを入力信号としてそのオフセットを打ち消すための補償用信号を発生させこの補償用信号を前記増幅器に前記オフセットを消去するための入力として加える補正回路を設けたことを特徴とする。
請求項6に係る鉄系構造物の劣化診断方法は、請求項4記載の鉄系構造物の劣化診断方法において、差動増幅器の両入力端子間に、差動増幅器出力のオフセットを入力信号としてそのオフセットを打ち消すための補償用信号を発生させこの補償用信号を前記増幅器に前記オフセットを消去するための入力として加える補正回路を設けたことを特徴とする。
請求項7に係る鉄系構造物の劣化診断方法は、請求項3または5〜6何れか記載の鉄系構造物の劣化診断方法において、補正回路に、増幅器または差動増幅器出力のオフセットが所定値に達したときに補償用出力を発生する手段を付設したことを特徴とする。
請求項8に係る鉄系構造物の劣化診断方法は、請求項7記載の鉄系構造物の劣化診断方法において、増幅器または差動増幅器出力のオフセットをn倍(n>1)して補正回路に入力する手段を付設したことを特徴とする。
請求項9に係る鉄系構造物の劣化診断方法は、請求項1〜8何れか記載の鉄系構造物の劣化診断方法において、前記並列配置の各磁気インピーダンス効果素子を被検査面に法線方向で近接させるよことを特徴とする。
請求項10に係る鉄系構造物の劣化診断方法は、請求項1〜8何れか記載の鉄系構造物の劣化診断方法において、前記並列配置の各磁気インピーダンス効果素子を被検査面に平行に近接させるようにしたことを特徴とする。
請求項11に係る鉄系構造物の劣化診断方法は、請求項1〜10何れか記載鉄系構造物の劣化診断方法において、各チャンネルの検出信号を空間的に離れた場所に無線で送信する送信手段を付設したことを特徴とする。
請求項12に係る鉄系構造物の劣化診断方法は、請求項1〜11何れか記載の鉄系構造物の劣化診断方法において、各磁気インピーダンス効果素子と被検出体壁とをループに含む磁気回路に磁界を印加する磁化手段を付設したことを特徴とする。
(1)磁気インピーダンス効果素子としてのアモルファスワイヤにおいては、円周方向に易磁化性の外殻郭を有し、励磁電流による円周方向磁界が円周方向からずらされると、周方向透磁率μθが変化し、インダクタンス及び表皮効果に基づく抵抗の変化によりインピーダンスが変化し、磁気インピーダンス効果素子の出力が変化する。而るに、鉄系壁の裏面の腐食によりFe(赤錆)やFe(黒錆)が発生し、または擦損のために減肉され、その部分の透磁性が変化し、壁表面に移動されつつある磁気インピーダンス効果素子の励磁電流による円周方向磁界が前記壁裏面の腐食・減肉による磁気インピーダンス効果素子近傍電磁場の透磁性の変化によりその円周方向からずらされて磁気インピーダンス効果素子の出力が変化される。従って、その出力変化を腐食・減肉情報として壁裏面の腐食・減肉程度を判定できる。
(2)バイアス磁界用コイルが発生するバイアス磁界に対し、鉄系壁もその磁界の回路の一部となり、バイアス磁界の強さが壁裏面の腐食・減肉の程度に応じて変化する。このバイアス磁界が磁気インピーダンス効果素子としてのアモルファスワイヤ内を軸方向に通過するから、励磁電流による円周方向磁界が円周方向からずらされ、そのずれの程度が壁裏面の腐食・減肉の程度に応じて変化される。従って、磁気インピーダンス効果素子の出力変化が壁裏面の腐食・減肉の程度に相関し、その出力変化から壁裏面の腐食・減肉の程度を判定できる。
(3) 増幅器の出力がオフセットしようとしても、調整回路によりそのオフセットが自動的に消去される。従って、磁気インピーダンス効果センサの走行・スキャニング中、温度条件や浮遊キャパシタンスが変化しても、実際上、出力変化として現れないから、鉄系構造物の欠陥を適確に検出・測定できる。
(4)磁気インピーダンス効果素子の複数箇を並列に配設しており、その配設方向と直交方向に劣化診断装置をスキャニングするにあたりスキャニング回数を少なくできるから、作業工数を減少できる。
(5)多チャンネル化しており、鉄系構造物が高所に存在する場合でも、各チャンネルの検出信号を無線方式でコンピュータに送信して鉄系構造物の劣化状態を容易に検出できる。
これら(1)〜(5)により、鉄系構造物の壁裏面の腐食等の欠陥を壁表面側から容易に、高精度で検査できる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る劣化診断装置の一チャンネル分の検出回路を示している。
図1において、1は磁気インピーダンス効果素子であり、自発磁化の方向がワイヤ周方向に対し互いに逆方向の磁区が交互に磁壁で隔てられた構成の外殻部を有する、零磁歪乃至は負磁歪のアモルファス合金ワイヤが使用される。かかる零磁歪乃至は負磁歪のアモルファス磁性ワイヤに高周波励磁電流を流したときに発生するワイヤ両端間出力電圧中のインダクタンス電圧分は、ワイヤの横断面内に生じる円周方向磁束によって上記の円周方向に易磁化性の外殻部が円周方向に磁化されることに起因して発生する。従って、周方向透磁率μθは同外殻部の円周方向の磁化に依存する。而るに、この通電中のアモルファスワイヤの軸方向に信号磁界を作用させると、上記通電による円周方向磁束と信号磁界磁束との合成により、上記円周方向に易磁化性を有する外殻部に作用する磁束の方向が円周方向からずれ、それだけ円周方向への磁化が生じ難くなり、上記周方向透磁率μθが変化し、上記インダクタンス電圧分が変動することになる。この変動現象は磁気インダクタンス効果と称され、これは上記高周波励磁電流(搬送波)が信号磁界(信号波)で変調される現象ということができる。更に、上記通電電流の周波数がMHzオ−ダになると、高周波表皮効果が大きく現れ、表皮深さδ=(2ρ/wμθ1/2(μθは前記した通り円周方向透磁率、ρは電気抵抗率、wは角周波数をそれぞれ示す)がμθにより変化し、このμθが前記した通り、信号磁界によって変化するので、ワイヤ両端間出力電圧中の抵抗電圧分も信号磁界で変動するようになる。この変動現象は磁気インピーダンス効果と称され、これは上記高周波励磁電流(搬送波)が信号磁界(信号波)で変調される現象ということができる。
図1において、2は磁気インピーダンス効果素子に高周波励磁電流を加えるための高周波電流源回路、3は磁気インピーダンス効果素子の軸方向に作用する信号磁界(信号波)で前記高周波励磁電流(搬送波)を変調させた被変調波を復調する検波回路、4は復調波を増幅する増幅回路、5は出力端、6は負帰還用コイル、7はバイアス磁界用コイルである。
磁気インピーダンス効果素子1においては、前記した通り励磁電流に基づく円周方向磁束と信号磁界による軸方向磁束との合成により、円周方向に易磁化性を有する外殻部に作用する磁束の方向が円周方向からずらされるために、周方向透磁率μθが変化し、インダクタンスが変動され、この円周方向透磁率μθの高周波表皮効果の表皮深さの変化でインピーダンスが変動される。従って、信号磁界の±により上記合成磁界による周方向ずれφも±φになるが、周方向の磁界の減少倍率cos(±φ)は変わらず、従ってμθの減少度は信号磁界の方向の正負によっては変化されない。従って、信号磁界−出力特性は、図2の(イ)のように信号磁界をx軸に、出力をy軸にとると、y軸に対してほぼ左右対称となる。この信号磁界−出力特性は非線形である。非線形特性では、不安定であり、高感度の測定も困難である。そこで、負帰還用コイルで負帰還をかけて図2の(ロ)に示すように出力特性を直線化している。図2の(ロ)において、Δwは、負帰還無しのときの利得が非常に大きく帰還率βのみにより利得が定まるリニア範囲である。しかし、この出力特性では、信号磁界の極性判別を行ない得ないので、バイアス用コイル7でバイアス磁界をかけ、図2の(ハ)に示すように極性判別可能としている。すなわち、図2の(ロ)の特性を、図2の(ハ)に示すようにバイアス磁界−Hbによりx軸のマイナス方向に移動させ、信号磁界の最大検出範囲を単斜め線領域の範囲内−Hmax〜+Hmaxに納めている。
図2の(ハ)から、バイアス磁界の変化ΔHbによって信号磁界Hexが0のときの出力が変化することが理解できる。
図1において、81は検出信号をディジタル化しディジタル化した信号で所定周波数の搬送波を変調するA/D変換・変調器、82は無線方式で送信する送信部、83は受信部である。利用できる無線の方式としては、SS無線、ブルーテゥース、無線LAN、赤外線等を挙げることができ、特に、無線LANの使用が好ましい。
上記磁気インピーダンス効果素子1としては、遷移金属と非金属の合金で非金属が10〜30原子%組成のもの、特に遷移金属と非金属との合金で非金属量が10〜30原子%を占め、遷移金属がFeとCoで非金属がBとSiであるかまたは遷移金属がFeで非金属がBとSiである組成のものを使用することができ、例えば、組成Co70.515Si10Fe4.5、長さ2000μm〜6000μm、外径30μm〜50μmφのものを使用できる。 磁気インピーダンス効果素子1には、零磁歪乃至は負磁歪のアモルファスワイヤの外、アモルファスリボン、アモルファススパッタ膜等も使用できる。
上記において、高周波励磁電流には、例えば連続正弦波、パルス波、三角波等の通常の高周波を使用でき、高周波励磁電流源としては、例えばハートレー発振回路、コルピッツ発振回路、コレクタ同調発振回路、ベース同調発振回路のような通常の発振回路の外、水晶発振器の矩形波出力を直流分カットコンデンサを経て積分回路で積分しこの積分出力の三角波を増幅回路で増幅する三角波発生器、CMOS−ICを発振部として使用した三角波発生器等を使用できる。
上記の検波回路としては、例えば被変調波を演算増幅回路で半波整流しこの半波整流波を並列RC回路またはRCローパスフィルターで処理して半波整流波の包絡線出力を得る構成、被変調波をダイオードで半波整流しこの半波整流波を並列RC回路またはRCローパスフィルターで処理して半波整流波の包絡線出力を得る構成等を使用できる。
また、被変調波(周波数fs)に同調させた周波数fsの方形波を被変調波に乗算して信号波をサンプリングする同調検波を使用することができる。
上記の実施例では、被変調波の復調によって被検出磁界を取り出しているが、これに限定されず、磁気インピーダンス効果素子に作用する信号磁界(信号波)で変調された高周波励磁電流波(搬送波)から信号磁界を検波し得るものであれば、適宜の検波手段を使用できる。
前記負帰還用コイル及びバイアス磁界用コイルは磁気インピーダンス効果素子に巻き付けることができる。また、図3に示すように磁気インピーダンス効果素子とループ磁気回路を構成する鉄芯に負帰還用コイル及びバイアス磁界用コイルを巻き付けることもできる。 図3の(イ)は鉄芯コイル付き磁気インピーダンス効果ユニットの一例を示す側面図、図3の(ロ)は同じく底面図、図3の(ハ)は図3の(ロ)におけるハ−ハ断面図である。
図3において、100は基板チップであり、例えばセラミックス板を使用できる。101は基板片の片面に設けた電極であり、磁気インピーダンス効果素子接続用突部102を備えている。この電極は導電ペースト、例えば銀ペーストの印刷・焼付けにより設けることができる。1xは電極101,101の突部102,102間にはんだ付けや溶接により接続した磁気インピーダンス効果素子であり、前記した通り零磁歪乃至負磁歪のアモルファスワイヤ、アモルファスリボン、スパッタ膜等を使用できる。103は鉄やフェライト等からなるC型鉄芯、6xはC型鉄芯に巻装した負帰還用コイル、7xは同じくバイアス磁界用コイルであり、磁気インピーダンス効果素子1xとC型鉄芯103とでループ磁気回路を構成するように、C型鉄芯103の両端を基板片100の他面に接着剤等で固定してある。鉄芯材料としては、残留磁束密度の小さい磁性体であればよく、例えば、パーマロイ、フェライト、鉄、アモルファス磁性合金の他、磁性体粉末混合プラスチック等を挙げることができる。
図4−1は本発明に係る劣化診断装置の回路図を、図4−2は同劣化診断装置の外観図をそれぞれ示している。
図4−1において、C〜Cは図1により説明したチャンネル検出系であり、1〜1は磁気インピーダンス効果素子を、7〜7は各磁気インピーダンス効果素子に対するバイアス磁界用コイルを、3〜3は各磁気インピーダンス効果素子に対する検波回路を、4〜4は増幅回路を、6〜6は負帰還用コイルをそれぞれ示している。
81〜81は各チャンネルの検出信号をディジタル化し各ディジタル信号で各チャンネルの周波数の搬送波を変調する多チャンネルA/D変換・変調器、82は変調信号波を無線方式で送信する多チャンネル送信器、83は受信器、84は受信波を復調してディジタル信号を取出したうえで解析するコンピュータである。
図4−2において、Pは基板である。1u1〜1unは図3に示した鉄芯コイル付の磁気インピーダンス効果ユニットであり、チャンネル数分の本数を基板Pの縁端部に縦方向の向きで並列に配設してある。Bは励磁電流源回路や全チャンネルの検波回路及び増幅回路を集積したIC回路、Eは励磁電流源回路に対する+Vcc電源やバイアス磁界用コイルの+Vcc電源や増幅回路の+Vcc電源としてのバッテリーである。810は各チャンネルの検出信号をディジタル化する多チャンネルA/D変換器、820は各ディジタル信号で各チャンネルの周波数の搬送波を変調して無線方式で送信する多チャンネル送信器、834は変調波を受信し復調してディジタル信号を取出し解析するコンピュータである。
本発明により鉄系構造物、例えば柱上トランスのケース底壁の劣化診断を行うには、図4−1及び図4−2に示した劣化診断装置でそのケース底壁を、各磁気インピーダンス効果素子をケース底壁に対し法線方向に向けてスキャニングしていく。
図4−2において、劣化診断装置の磁気インピーダンス効果素子群の並列配置巾をaとすれば、検査面の巾bに対しb/a回スキャニングすればよく、a≒bとして一回のスキャニングで済ませることが好ましい。
図5はスキャニング中でのバイアス磁界の作用状態を示している。
(1)図5において、1xは図3に示した鉄芯コイル付き磁気インピーダンス効果ユニットの磁気インピーダンス効果素子を、103は鉄芯を、7xはバイアス磁界用コイルを、Gは鉄系被検査壁をそれぞれ示しており、被検査壁Gが磁性体であるから、バイアス磁界が被検査壁Gをバイパスし、被検査壁内面の劣化に基づく磁気的変化、すなわちリラクタンスの変化のためにバイアス磁界の強度が変化される。
而して、図2の(ハ)において、一点鎖線で示すように、バイアス磁界の変化ΔHbに応じ出力特性がシフトされるために外部磁界Hexが0でも検出出力が変化する。
(2)前述した通り、磁気インピーダンス効果素子としてのアモルファスワイヤに励磁電流を流したときに発生する磁界は、電磁場の透磁率に応じて変わり、磁界発生源である磁気インピーダンス効果素子近傍の電磁場の透磁性が局所的に変化すると、その箇所での磁界の変化が磁界の連続性のために磁気インピーダンス効果素子内部の磁界にまで波及し、磁気インピーダンス効果素子内の磁界も変歪される。
従って、励磁電流を流すことにより発生する磁気インピーダンス効果素子1x内の円周方向磁界が、磁気インピーダンス効果素子に近接の壁裏面の劣化に基づく近傍電磁場の透磁性の変化で変歪され、励磁電流に基づく磁気インピーダンス効果素子内の円周方向磁界が壁裏面の腐食・減肉に応じ円周方向からずらされる結果、励磁電流に基づく搬送波が壁裏面の劣化に応じた情報で変調されることになる。
このように磁気インピーダンス効果素子にバイアス磁界を印加し、磁気インピーダンス効果素子に励磁電流を通電し、該素子端出力の検波分をセンサ出力とする磁気インピーダンス効果型センサを鉄系壁表面に沿って移動させることにより、壁裏面の劣化に応じた信号を発生させることができる。
図6の曲線(イ)は裏面に錆が発生している古い鉄板表面に縦配設の磁気インピーダンス効果素子を速度10cm/秒で移動させたときの出力を、図6の曲線(ロ)は錆が殆ど発生していない新しい鉄板表面に縦配設の磁気インピーダンス効果素子を速度10cm/秒で移動させたときの出力をそれぞれ示し、本発明によれば充分な精度で錆の発生の有無や位置を検出できることを確認できた。
本発明ではチャンネルに対応した周波数の搬送波をこの各チャンネルの検出信号で変調して無線方式でコンピュータに送信し、各チャンネルの変調波を復調して各チャンネルの信号をコンピュータで解析しており、劣化の程度や劣化場所を把握することができる。
本発明に係る劣化診断装置においては、並列配置の磁気インピーダンス効果素子の向きを被検査面に対し平行にすることもできる。
上記の実施例では、1チャンネルに対して一個の磁気インピーダンス効果素子を使用しているが、スキャンニング方向に対して所定の距離を隔てて配置した二箇の磁気インピーダンス効果素子を1チャンネルにつき用い、両磁気インピーダンス効果素子の出力を差動増幅するようにすることもできる。図4−2において、磁気インピーダンス効果素子の方向を縦方向とすれば、例えば、縦方向の二個並設、横方向の二個並設、横方向の二個従属とすることができる。このようにすれば、外部磁界ノイズや内部ノイズを差動のために打ち消すことができる。
また、図7に示すように被検査体Gに対し磁界Hを印加し、傷等の欠陥箇所に漏洩磁束を発生させ、その漏洩磁束を磁気インピーダンス効果素子1xで検出するために磁化用コイル9を付設することもできる。この場合、各磁気インピーダンス効果素子に作用する磁界を可及的に同一強度・同一方向とするために、図7の(イ)及び(ロ)〔図7の(イ)のロ−ロ断面図〕に示すように断面U字状の帯鉄芯91に導線を巻き付け、巾を磁気インピーダンス効果素子1〜1の配置巾aよりも広くしたコイル9を磁気インピーダンス効果素子1〜1を内包するように装着することができる。このようにすれば、各磁気インピーダンス効果素子の傷等に対する検出を同一基準で行うことができ、傷等を適確に評価できる。
前記トランスのケース底壁の劣化診断については、支脚にパレット(非磁性)を載せ、このパレット上にトランスを載置し、パレット裏面を劣化検出装置でスキャニングすることにより行うこともできる。
また、磁気インピーダンス効果素子及びバイアス磁界用コイルと検波回路とを別体の基板に搭載し、それらの間をフレキシブル基板や可撓性電線で接続し、磁気インピーダンス効果素子及びバイアス磁界用コイルを搭載した基板で被検査面をスキャニングしてもよい。
本発明に係る鉄系構造物の劣化診断方法は、前記トランスのケースに限定されるものではなく、壁を有しその壁裏面の腐食等による劣化を診断する場合に広く適用できる。例えば、送電線の鉄塔における鉄系パイプ内面の腐食・減肉等も検出できる。
更に、コンクリートに埋設された鉄系配管の位置や腐食・減肉等の検出、鉄筋コンクリートの鉄筋位置や鉄筋の腐食・減肉等の検出にも使用できる。
また、複数チャンネルの磁気インピーダンス効果素子を設ける基板は、平面形状に限定されず、被検査物の形状に合わせて適宜選択できる。
本発明に係る鉄系構造物の劣化診断方法において、バイアス磁界には、直流の外、直流に交流を重畳したものも使用できる。
図8−1において、直線Pは図2の(ロ)で説明した磁気インピーダンス効果素子の出力特性を示し、磁界Hbは直流磁界に交流磁界を重畳させたバイアス磁界を、Eはこのバイアス磁界のもとでの外部磁界Hex=0のときの出力をそれぞれ示している。
センサの走行またはスキャニングにおいて、鉄系構造物例えば鉄パイプに傷、減肉、錆び等の欠陥が存在すると、バイアス磁界がその欠陥を通る磁気回路のリラクタンスが変化するために、その箇所を磁気インピーダンス効果センサが通過するときにバイアス磁界Hbが変化し、出力が変化する。
従って、出力の変化から欠陥の存在を検知することができる。
上記バイアス磁界の振幅は図2の(ロ)のリニア範囲に納まるように設定される。
バイアス磁界の直流分に重畳する交流分の周波数は励磁電流の周波数よりも低く設定される。
この条件のもとで交流分の周波数を低く設定すれば、深部の欠陥もよく検出できる。欠陥が浅い位置にのみ存在する場合や鉄系構造物が薄い場合は、交流分の周波数を可及的に高くすることが検出感度上有利である。
図8−2は、鉄系構造物の欠陥上をセンサが通過するときのバイアス磁界の変化を示している。直流バイアス磁界の変化は△で示し、交流バイアス磁界の変化は波高値の差で現れている。
通常、スキャニングルートに沿い不均一に残留磁気が存在し、残留磁気による直流磁界が外部磁界としてセンサに作用する。
而るに、検出出力からコンデンサ等で直流分をカットすれば、図8−2のE、E’で示すように、交流出力変化分のみが現れる。 従って、残留磁気の影響を受けることなく鉄系構造物の欠陥を検出できる。
また、検出出力の直流分が大きくなって検出計が振り切れるといった不都合も排除できる。
スキャニングルートの如何によっては、ルートに沿い温度条件が大きく変化したり、浮遊キャパシタンスが大きく変化して増幅器のオフセット値が変化し、検出に支障を来す畏れがある。
図9−1に示す劣化診断装置では、図4−1に示した劣化診断装置における各チャンネルの増幅器4〜4nの出力のオフセット変化を自動的に補償できるようにしてある。
図9−1において、40は出力補正回路を示し、他の構成は図4−1に同じである。出力補正回路40は、演算増幅器の出力のオフセットを入力信号としてそのオフセットを打ち消すための補償用信号を発生させこの補償用信号を前記増幅器に前記オフセットを消去するための入力として加えるものである。
図9−2は出力補正回路の一例を示し、演算増幅器の出力と入力とを比較してオフセットを検出し、オフセットが正(負)であると、電子ボリュームのスイッチSW−1、SW−2、……(SW+1、SW+2、……)が制御ICで順次にオン・オフされて負(正)の出力電圧が演算増幅器のオフセット調整端子に送入されて増幅器出力のオフセットが減じられ、そのオフセットが0になると、その時のスイッチ状態が保持される。
演算増幅器の出力のオフセットを所定の範囲、例えば−1v〜+1vの範囲に納めるようにしてもよく、この場合、増幅器出力のオフセットが1vを越えると、電子ボリュームが操作される。
更に、ゲインが1以上、例えば2倍のバッファを制御ICに組み込んで増幅器出力のオフセットが±0.5vを越えると電子ボリュームが操作されるようにして演算増幅器の出力のオフセットを−0.5v〜+0.5vの範囲に納めるようにすることもできる。
前記した各チャンネルの検出系には、図1に示したストレート方式に代え差動方式を使用することもでき、図10は増幅器出力のオフセット変化を自動的に補償できるようにした差動方式の検出回路の一例を示している。
図10おいて、1a,1bは一対の磁気インピーダンス効果素子であり、それぞれ負帰還用コイル6a,6b及びバイアス磁界用コイル7a,7bを備えている。前記と同様にバイアス磁界には直流に交流を重畳したものも使用でき、その振幅は図2の(ロ)のリニア範囲に納まるように設定されている。
2は磁気インピーダンス効果素子に高周波励磁電流を加えるための高周波電流源回路、3a,3bは各磁気インピーダンス効果素子1a,1bの軸方向に作用する信号磁界Hex(信号波)で前記高周波励磁電流(搬送波)を変調させた被変調波を復調する検波回路、4は両検波出力を差動増幅して検出出力を得るための演算差動増幅器である。60は差動増幅器4の出力を各負帰還用コイル6a,6bに対し負帰還させるための負帰還回路である。5は検出出力端である。
40は出力補正回路であり、演算差動増幅器4のオフセットを入力信号としてそのオフセットを打ち消すための補償用信号を発生させこの補償用信号を前記増幅器に前記オフセットを消去するための入力として加えるものである。
この出力補正回路には前記と同様図9−2に示すものを使用でき、演算差動増幅器の出力と入力とを比較してオフセットを検出し、オフセットが正(負)であると、電子ボリュームのスイッチSW−1、SW−2、……(SW+1、SW+2、……)が制御ICで順次にオン・オフされて負(正)の出力信号が演算差動増幅器のオフセット調整端子に送入されて差動増幅器出力のオフセットが減じられ、そのオフセットが0になると、その時のスイッチ状態が保持される。
演算差動増幅器の出力のオフセットを所定の範囲、例えば−1v〜+1vの範囲に納めるようにしてもよく、この場合、差動増幅器出力のオフセットが1vを越えると、電子ボリュームが操作される。
更に、ゲインが1以上、例えば2倍のバッファを制御ICに組み込んで差動増幅器出力のオフセットが±0.5vを越えると電子ボリュームが操作されるようにして演算差動増幅器の出力のオフセットを−0.5v〜+0.5vの範囲に納めるようにすることもできる。
図11−1は差動式検出回路の別例の回路図を示している。
図11−1において、1a,1bは一対の磁気インピーダンス効果素子であり、それぞれ負帰還用コイル6a,6b及びバイアス磁界用コイル7a,7bを備えている。前記と同様にバイアス磁界には直流に交流を重畳したものも使用でき、その振幅は図7の(ロ)のリニア範囲に納まるように設定されている。
2は磁気インピーダンス効果素子に高周波励磁電流を加えるための高周波電流源回路、3a,3bは各磁気インピーダンス効果素子1a,1bの軸方向に作用する信号磁界Hex(信号波)で前記高周波励磁電流(搬送波)を変調させた被変調波を復調する検波回路、4は両検波出力を差動増幅して検出出力を得るための演算差動増幅器である。60は差動増幅器4の出力を各負帰還用コイル6a,6bに対し負帰還させるための負帰還回路である。5は検出出力端である。
40は演算差動増幅器4の両入力端子間に接続した出力補正回路であり、差動増幅器出力のオフセットを入力信号としてそのオフセットを打ち消すための補償用信号を発生させこの補償用信号を前記増幅器に前記オフセットを消去するための入力として加えるものである。
図11−2の(イ)はその出力補正回路の一例を示し、差動増幅器の出力と差動増幅器の差出力とを比較して差動増幅器の出力のオフセットを検出し、そのオフセットを図11−2の(ロ)に示すボリューム操作により0にすることを、オフセットを入力信号として制御ICで電子ボリュームのスイッチSW、SW−1、SW−2、……、SW、SW+1、SW+2、……を操作させることにより行うものである。
前記と同様に演算差動増幅器の出力のオフセットを所定の範囲、例えば−1v〜+1vの範囲に納めるようにしてもよく、この場合は、演算差動増幅器の出力のオフセットが−1vまたは+1vを越えると、電子ボリュームが操作される。この場合、ゲインが1以上、例えば2倍のバッファを制御ICに組み込んで±0.5vを越えると電子ボリュームが操作されるようにして演算差動増幅器の出力のオフセットを−0.5v〜+0.5vの範囲に納めるようにすることもできる。
本発明に係る鉄系構造物の劣化診断装置の1チャンネル検出系を示す回路図である。 磁気インピーダンス効果素子の検出特性を示す図面である。 本発明に係る劣化診断装置において使用される鉄芯コイル付き磁気インピーダンス効果ユニットを示す図面である。 本発明に係る鉄系構造物の劣化診断装置の回路図を示す図面である。 本発明に係る鉄系構造物の劣化診断装置の外観を示す図面である。 本発明に係る鉄系構造物の劣化診断方法を示す図面である。 磁気インピーダンス効果素子による鉄板の錆の検出結果を示す図面である。 請求項13の鉄系構造物の劣化診断装置を示す図面である。 本発明に係る鉄系構造物の劣化診断方法において、バイアス磁界に直流に交流を重畳した磁界を使用した場合のバイアス磁界−検出出力特性を示す図面である。 本発明に係る鉄系構造物の劣化診断方法において、バイアス磁界に直流に交流を重畳した磁界を使用した場合の欠陥箇所通過時のバイアス磁界−検出出力特性を示す図面である。 本発明に係る鉄系構造物の劣化診断装置の別実施例の回路図を示す図面である。 図9−1における検出出力補正回路40の一例を示す図面である。 本発明に係る鉄系構造物の劣化診断装置において使用する差動増幅検出方式の一例を示す回路面である。 本発明に係る鉄系構造物の劣化診断装置において使用する差動増幅検出方式の別例を示す回路面である。 図11−1における検出出力補正回路40の一例を示す図面である。
符号の説明
〜C 一チャンネル分の検出回路
〜1 磁気インピーダンス効果素子
4 増幅器
〜4 増幅器
40
検出出力補正回路
〜7 バイアス磁界用コイル
81〜81 A/D変換・変調器
82 無線式送信器
83 受信器
84 コンピュータ

Claims (12)

  1. 磁気インピーダンス効果素子にバイアス磁界用コイルを付設し、その素子の出力を検波回路に通し更に増幅器で増幅して検出出力を得る検出チャンネルを複数チャンネル備え、前記磁気インピーダンス効果素子を並列配置とした欠陥検出装置を磁気インピーダンス効果素子に励磁電流を通電すると共にバイアス磁界を印加しつつ鉄系構造物の被検査面に磁気インピーダンス効果素子をその被検査面に近接させてスキャニングさせ、このスキャニング中、バイアス磁界を鉄系構造物にバイパスさせ鉄系構造物の欠陥に基づきバイアス磁界を変化させて前記検出出力を変化させ、この変化から鉄系構造物の欠陥を検知することを特徴とする鉄系構造物の劣化診断方法
  2. 磁気インピーダンス効果素子にバイアス磁界用コイルを付設し、その素子の出力を検波回路に通し更に増幅器で増幅して検出を得る検出チャンネルを複数チャンネル備え、前記磁気インピーダンス効果素子を並列配置とした欠陥検出装置を磁気インピーダンス効果素子に励磁電流を通電すると共に直流に交流を重畳させたバイアス磁界を印加しつつ鉄系構造物の被検査面に磁気インピーダンス効果素子をその被検査面に近接させてスキャニングさせ、このスキャニング中、バイアス磁界を鉄系構造物にバイパスさせ鉄系構造物の欠陥に基づきバイアス磁界を変化させて前記検出を変化させ、この変化から鉄系構造物の欠陥を検知することを特徴とする鉄系構造物の劣化診断方法
  3. 請求項1または2記載の鉄系構造物の劣化診断方法において、増幅器の出力のオフセットを入力信号としてそのオフセットを打ち消すための補償用信号を発生させ、この補償用信号を前記増幅器に前記オフセットを消去するための入力として加える補正回路を欠陥検出装置に設けたことを特徴とする鉄系構造物の劣化診断方法
  4. 請求項1または2記載の鉄系構造物の劣化診断方法において、1チャンネルに対する磁気インピーダンス効果素子を二個とし、その両素子の出力の差を差動増幅器で増幅して検出することを特徴とする鉄系構造物の劣化診断方法
  5. 請求項4記載の鉄系構造物の劣化診断方法において、差動増幅器の出力のオフセットを入力信号としてそのオフセットを打ち消すための補償用信号を発生させこの補償用信号を前記増幅器に前記オフセットを消去するための入力として加える補正回路を設けたことを特徴とする鉄系構造物の劣化診断方法
  6. 請求項4記載の鉄系構造物の劣化診断方法において、差動増幅器の両入力端子間に、差動増幅器出力のオフセットを入力信号としてそのオフセットを打ち消すための補償用信号を発生させこの補償用信号を前記増幅器に前記オフセットを消去するための入力として加える補正回路を設けたことを特徴とする鉄系構造物の劣化診断方法
  7. 請求項3または5〜6何れか記載の鉄系構造物の劣化診断方法において、補正回路に、増幅器または差動増幅器出力のオフセットが所定値に達したときに補償用出力を発生する手段を付設したことを特徴とする鉄系構造物の劣化診断方法
  8. 請求項7記載の鉄系構造物の劣化診断方法において、増幅器または差動増幅器出力のオフセットをn倍(n>1)して補正回路に入力する手段を付設したことを特徴とする鉄系構造物の劣化診断方法
  9. 請求項1〜8何れか記載の鉄系構造物の劣化診断方法において、前記並列配置の各磁気インピーダンス効果素子を被検査面に法線方向で近接させるよことを特徴とする鉄系構造物の劣化診断方法
  10. 請求項1〜8何れか記載の鉄系構造物の劣化診断方法において、前記並列配置の各磁気インピーダンス効果素子を被検査面に平行に近接させるようにしたことを特徴とする鉄系構造物の劣化診断方法
  11. 請求項1〜10何れか記載鉄系構造物の劣化診断方法において、各チャンネルの検出信号を空間的に離れた場所に無線で送信する送信手段を付設したことを特徴とする鉄系構造物の劣化診断方法
  12. 請求項1〜11何れか記載の鉄系構造物の劣化診断方法において、各磁気インピーダンス効果素子と被検出体壁とをループに含む磁気回路に磁界を印加する磁化手段を付設したことを特徴とする鉄系構造物の劣化診断方法
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