JP5085274B2 - 磁界センサ - Google Patents
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Description
そこで、図5において、6で示す負帰還用コイルで負帰還をかけて図6の(ロ)に示すように特性を直線化している。
更に、図5において、7で示すバイアス磁界用コイルにより、図6の(ロ)の特性を、図6の(ハ)に示すようにバイアス磁界Hbにより矢印方向に移動させて極性判別可能としている。
この磁界センサにおいては、磁気インピーダンス効果自体は高感度、高精度、高分解能の性能を有しているにもかかわらず、携帯電話、スパーク、スイッチのオン・オフ、インバータ等による電磁波ノイズや地磁気、検波回路や増幅回路等での回路素子の温度ドリフトなどによる測定若しくは検出障害を受け易い。
この差動式磁界センサでは、前記の電磁波ノイズ、地磁気ノイズ、回路素子の温度ドリフトノイズ等が差動増幅回路に対し同相で入力するから、それらの影響を良好に排除できる。
しかしながら、磁界強度の勾配を測定若しくは検出するものであり、磁界強度を直接測定若しくは検出することはできない。
請求項2に係る磁気センサは、請求項1の磁界センサにおいて、差動増幅回路の出力端とオフセット調整回路の入力端との間に差動増幅出力をn(n>1)倍してオフセット調整回路に入力する手段を付設したことを特徴とする。
請求項3に係る磁気センサは、請求項1または2の磁界センサにおいて、インピーダンス素子が抵抗から構成されることを特徴とする。
請求項4に係る磁気センサは、請求項1〜3何れかの磁界センサにおいて、インピーダンス素子が抵抗とコイルから構成されることを特徴とする。
請求項5に係る磁気センサは、請求項1〜4何れかの磁界センサにおいて、磁気インピーダンス効果素子にバイアス磁界を加えるための手段及び差動増幅出力を磁気インピーダンス効果素子に負帰還させるための手段を付設したことを特徴とする。
地磁気は、主回路の磁気インピーダンス効果素子が磁気インピーダンス効果のために地磁気を拾うが、これは直流であり、差動増幅回路のオフセット調整回路でこの直流分を打ち消すことができるから、地磁気の影響も排除できる。
また、磁気インピーダンス効果素子を主回路のみに設けてあり、補助回路のインピーダンス素子の感磁性能が磁気インピーダンス効果素子に較べて実質的に零乃至は無視できるるから、磁気インピーダンス効果素子の磁気インピーダンス効果に基づく磁界検出出力が主回路のみに発生され、差動増幅回路から出力される。
従って、GHzオーダの電磁波ノイズや地磁気の影響を排除して磁気インピーダンス効果素子により磁界強度を測定若しくは検出できる。
図1−1は本発明に係る磁気インピーダンス効果型磁界センサの一実施例の回路図を示している。
図1−1において、Aは主回路であり、磁気インピーダンス効果素子1及び検波回路3aを備えている。2は磁気インピーダンス効果素子1に高周波励磁電流を流すための電流電源回路である。Hは磁気インピーダンス効果素子1に加えられる被検出磁界を示し、前記励磁電流により発生する高周波磁界(搬送波)が被検出磁界Hにより変調された変調波が磁気インピーダンス効果素子1の出力端oに現れ、この出力が検波回路3aで復調されて被検出磁界出力が発生される。
Bは補助回路であり、主回路Aに並設されており、主回路Aと異なる点は磁気インピーダンス効果素子1がオーミックなインピーダンス素子1’に置換されている点であって、インピーダンス素子1’のインピーダンスが励磁電流通電下のもとでの磁気インピーダンス効果素子1の出力端oでのインピーダンス値に同等とされており、主回路と同様に検波回路3bを備えている。4は差動増幅回路であり、±の各入力端に各回路A、Bの出力端が接続されている。
前記インピーダンス素子1’には抵抗素子を使用できる。磁気インピーダンス効果素子1の出力端oでのインピーダンス値とは、出力端oとアース間のインピーダンスであり、磁気インピーダンス効果素子が抵抗を介して接地されている場合は、磁気インピーダンス効果素子とその抵抗との直列接続のインピーダンス値である。
携帯電話等のGHzオーダの電磁波ノイズに対し、磁気インピーダンス効果素子は磁気インピーダンス効果を実質上呈さず通常のインピーダンス素子として作用し、主回路のライン及び補助回路のラインに同等の誘導電圧が発生する。而るに、励磁電流に対し主回路の磁気インピーダンス効果素子の出力端及び補助回路のインピーダンス素子の出力端に現れる電圧を同等とするように、インピーダンス素子のインピーダンスを磁気インピーダンス効果素子のインピーダンスに同等値に設定してあり、すなわち、同値・同相の入力に対し、主回路の磁気インピーダンス効果素子の出力端及び補助回路のインピーダンス素子の出力端に現れる電圧が等しくなるようにしてあるから、両回路のGHz電磁波ノイズに基づく電圧も実質上同値・同相となり、差動増幅回路に対するその差動入力が零となるから、GHz電磁波ノイズの影響を排除できる。
また、電磁波ノイズが磁気インピーダンス効果素子の感磁周波数帯域内の場合は、図1−2に示すように、インピーダンス素子を抵抗rとコイルc(コイル単独でインピーダンスを磁気インピーダンス効果素子に同等にできれば、コイルのみとしてもよい)
によって構成することにより、インピーダンス素子によっても電磁波ノイズを検出し、後段の差動増幅回路4によってインピーダンス素子の検出磁界出力と差動増幅することにより電磁波ノイズを打ち消すことも可能となる。
そこで、この差入力に対する差動増幅回路の出力、すなわち、検出しようとする被検出磁界を0としたとき(被検出外部磁界を作用させない状態としたとき)の差動増幅回路の出力(オフセット)を検出し、この検出値と設定基準値Kとの差が+(−)であると−(+)の出力を発生させ、その出力を差動増幅回路の+(−)の入力端子に入力して差動増幅回路のオフセットを基準値とすることを自動的に行わせるオフセット調整回路を図1の符号8で示すように差動増幅回路4の入力端側に付設して地磁気の影響を排除できる。
このオフセット調整回路には、入力信号によってボリウムの可動子の位置が変化するのと同じ作用を呈するIC、所謂電子ボリウムを使用することができる。
図2において、図1と同一の符号は同一の構成要素を示している。
例えば、磁界センサを走行させ、磁性物をその磁性物が発生する磁界の強度を測定することにより検出する場合、磁界センサが磁性物から遠く離れていて磁界センサに磁性物の磁界が感磁されない位置で、オフセット調整を行う。
例えば、磁化された磁性物に対し磁界センサを相対的に移動させて磁性物の位置を測定する場合に使用できる。この場合は、移動を行う前に、オフセット調整が行われる。
オフセット調整は、主回路及び補助回路の電子部品の温度ドリフトの影響の排除にも有効であり、測定中、周囲温度が変化する場合、その変化の都度、オフセット調整のリセットが行われる。例えば、工場のコンベアラインで搬送物品における磁性異物の混入の有無を本磁界センサにより検出する場合、朝、昼、夜にオフセット調整のリセットが行われる。
また、被変調波(周波数fs)に同調させた周波数fsの方形波を被変調波に乗算して信号波をサンプリングする同調検波を使用することができる。
上記の例では、被変調波の復調によって信号磁界(信号波)を取り出しているが、これに限定されず、磁気インピーダンス効果素子に作用する信号磁界(信号波)で変調された高周波励磁電流波(搬送波)から信号磁界を検波し得るものであれば、適宜の検波手段を使用できる。
図4の(イ)は鉄芯コイル付き磁気インピーダンス効果ユニットの一例を示す側面図、図4の(ロ)は同じく底面図、図4の(ハ)は図4の(ロ)におけるハ−ハ断面図である。
図4において、100は基板チップであり、例えばセラミックス板を使用できる。101は基板片の片面に設けた電極であり、磁気インピーダンス効果素子接続用突部102を備えている。この電極は導電ペースト、例えば銀ペーストの印刷・焼付けにより設けることができる。1xは電極101,101の突部102,102間にはんだ付けや溶接により接続した磁気インピーダンス効果素子であり、前記した通り零磁歪乃至負磁歪のアモルファスワイヤ、アモルファスリボン、スパッタ膜等を使用できる。103は鉄やフェライト等からなるC型鉄芯、6xはC型鉄芯に巻装した負帰還用コイルであり、磁気インピーダンス効果素子1xとC型鉄芯103とでループ磁気回路を構成するように、C型鉄芯103の両端を基板片100の他面に接着剤等で固定してある。鉄芯材料としては、残留磁束密度の小さい磁性体であればよく、例えば、パーマロイ、フェライト、鉄、アモルファス磁性合金の他、磁性体粉末混合プラスチック等を挙げることができる。
7xはC型鉄芯に巻装した直流バイアス磁界用コイルである。
1’ インピーダンス素子
2 励磁電流源
3a 検波回路
3b 検波回路
4 差動増幅回路
6 負帰還用コイル
7 バイアス磁界用コイル
8 オフセット調整回路
Claims (5)
- 磁気インピーダンス効果素子に励磁電流を流し、該素子に加わる被検出磁界で励磁電流磁界を変調させ、その変調波を復調して被検出磁界に対する出力を発生させる主回路と、この主回路に対して磁気インピーダンス効果素子を、磁気インピーダンス効果を呈しないもとでの磁気インピーダンス効果素子と出力端インピーダンスが等しいインピーダンス素子で置換した補助回路と、主回路の出力と補助回路の出力とを差動増幅する差動増幅回路を有し、しかも、励磁電流の通電のもとで被検出磁界を零にしたときの差動増幅回路の出力を基準値に近似するように差動増幅の出力を入力信号として補償信号を発生させ、この補償信号を前記差動増幅回路に入力してその差動増幅回路の出力を基準値に設定するオフセット調整回路を付設したことを特徴とする磁界センサ。
- 差動増幅回路の出力端とオフセット調整回路の入力端との間に差動増幅出力をn(n>1)倍してオフセット調整回路に入力する手段を付設したことを特徴とする請求項1記載の磁界センサ。
- インピーダンス素子が抵抗から構成されることを特徴とする請求項1〜2何れか記載の磁界センサ。
- インピーダンス素子が抵抗とコイルから構成されることを特徴とする請求項1〜2何れか記載の磁界センサ。
- 磁気インピーダンス効果素子にバイアス磁界を加えるための手段及び差動増幅出力を磁気インピーダンス効果素子に負帰還させるための手段を付設したことを特徴とする請求項1〜4何れか記載の磁界センサ。
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