JP4476746B2 - 鉄系壁裏面の腐食・減肉検査方法 - Google Patents

鉄系壁裏面の腐食・減肉検査方法 Download PDF

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Description

本発明は鉄系壁裏面の腐食や減肉を壁表面から検査する方法に関し、例えば送電線の鉄塔として使用されているパイプ状構造物や鉄系輸送管の内面の腐食・減肉検査に有用である。
例えば、送電線の鉄塔等に使用されているようなパイプ状構造物は鉄系であることから、パイプ内面が腐食したり減肉したりすることがある。このような内面の腐食・減肉に対しては目視検査を行い得ず、非破壊的に検査する場合は、例えばフアイバースコープを用いる方法がある。
また、配管等の内面腐食を検査するのに、超音波探傷器の探傷子を管表面に沿い走査させてエコー波を測定し、そのエコー波の波形解析から管内面の腐食を判定することも知られている(特許文献1)。
特開2000−258402号公報
しかしながら、フアイバースコープによる検査方法では、先端に取り付けた対物レンズがパイプ内面の錆び等で汚れ易く、更にパイプ内面が錆化のために凹凸化されているためにフアイバースコープのスムーズなパイプ内への挿入が困難である等、精度や作業性に問題がある。
また、超音波探傷法では、探傷子の接触圧力に起因するバラツキが大きく精度に問題がある。
本発明の目的は、鉄系壁内面の腐食や減肉を壁の外面から充分な精度で容易に検査できる鉄系壁裏面の腐食・減肉検査方法を提供することにある。
請求項1に係る鉄系壁裏面の腐食・減肉検査方法は、磁気インピーダンス効果素子にバイアス磁界用コイルを付設し、バイアス磁界をかけつつ磁気インピーダンス効果素子に励磁電流を通電し、該励磁電流に基づく前記磁気インピーダンス効果素子断面の周方向磁界を同磁気インピーダンス効果素子の軸方向を通る被検出磁界で変調させて発生させた同磁気インピーダンス効果素子の端子電圧を復調してセンサ出力を得る磁気インピーダンス効果センサを鉄系壁表面に沿って移動させ、その移動中、バイアス磁界用コイルに加えられる起磁力により磁気インピーダンス効果素子と鉄系壁とのループ磁界回路に発生するループ磁界以外に磁気インピーダンス効果素子と鉄系壁とのループ磁界回路に交流磁界または直流磁界の前記とは別のループ磁界を印加し、両ループ磁界を被検出磁界とし、この被検出磁界の変化に応じて生じる前記センサ出力の変化から鉄系壁裏面の腐食・減肉の判定を行うことを特徴とする。
請求項2に係る鉄系壁裏面の腐食・減肉検査方法は、請求項1の鉄系壁裏面の腐食・減肉検査方法において、2個または2組の磁気インピーダンス効果素子の両素子または両組の素子の検波出力を差動増幅する差動式磁気センサを使用することを特徴とする。
請求項3に係る鉄系壁裏面の腐食・減肉検査方法は、請求項1〜2何れかの鉄系壁裏面の腐食・減肉検査方法において、鉄系壁が鉄系の管壁であることを特徴とする。
(1)磁気インピーダンス効果素子としてのアモルファスワイヤにおいては、円周方向に易磁化性の外殻郭を有し、励磁電流による円周方向磁界が円周方向からずらされると、周方向透磁率μθが変化し、インダクタンス及びは表皮効果に基づく抵抗の変化によりインピーダンスが変化し、磁気インピーダンス効果素子の出力が変化する。而るに、鉄系壁の裏面の腐食によりFe(赤錆)やFe(黒錆)が発生し、または擦損のために減肉され、その部分の透磁性が変化し、壁表面に移動されつつある磁気インピーダンス効果素子の励磁電流による円周方向磁界が前記壁裏面の腐食・減肉による磁気インピーダンス効果素子近傍電磁場の透磁性の変化によりその円周方向からずらされて磁気インピーダンス効果素子の出力が変化される。従って、その出力変化を腐食・減肉情報として壁裏面の腐食・減肉程度を判定できる。
(2)バイアス磁界用コイルが発生するバイアス磁界に対し、鉄系壁もその磁界の回路の一部となり、バイアス磁界の強さが壁裏面の腐食・減肉の程度に応じて変化する。このバイアス磁界が磁気インピーダンス効果素子としてのアモルファスワイヤ内を軸方向に通過するから、励磁電流による円周方向磁界が円周方向からずらされ、そのずれの程度が壁裏面の腐食・減肉の程度に応じて変化される。従って、磁気インピーダンス効果素子の出力変化が壁裏面の腐食・減肉の程度に相関し、その出力変化から壁裏面の腐食・減肉の程度を判定できる。
(3)負帰還をかけることにより出力を安定化できる。
(4)磁気インピーダンス効果素子と鉄系壁とをループに含む磁気回路に交流磁界をかけると、磁気インピーダンス効果素子内の軸方向にこの交流磁界が通過し、壁裏面の腐食による透磁率の変化や壁厚の変化に基づく壁の磁気抵抗の変化でその通過交流磁界の強度がその腐食・減肉の程度に応じて変化されるから、磁気インピーダンス効果素子の励磁電流による円周方向磁界が壁裏面の腐食・減肉の程度に応じて円周方向からずらされる。従って、磁気インピーダンス効果素子の出力変化から壁裏面の腐食・減肉程度を判定できる。
(5)磁気インピーダンス効果素子内を軸方向に通過する地磁気成分等の外部ノイズは壁裏面の腐食・減肉によって変化することはない。また、検波回路のダイオード等の回路素子の温度変化等に起因して発生する内部ノイズは差動増幅型磁気センサを使用することすることにより打ち消すことができる。
これら(1)〜(5)により、壁裏面を腐食・減肉に対し壁表面側から容易に、しかもノイズの影響を受けることなく良好な精度で検査できる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1−1の(イ)は本発明において使用する磁気センサの一例の回路図を示し、図1−1の(ロ)は図1−1の(イ)の点線枠内を説明するための図面を示している。
図1−1において、1は磁気インピーダンス効果素子ワイヤであり、自発磁化の方向がワイヤ周方向に対し互いに逆方向の磁区が交互に磁壁で隔てられた構成の外殻部を有する、零磁歪乃至は負磁歪のアモルファス合金ワイヤが使用される。
2は磁気インピーダンス効果素子に励磁電流を通電するための高周波電源であり、磁気インピーダンス効果素子としてのアモルファスワイヤに高周波励磁電流を流したときに発生するワイヤ両端間出力電圧中のインダクタンス電圧分は、ワイヤの横断面内に生じる円周方向磁束によって上記の円周方向に易磁化性の外殻部が円周方向に磁化されることに起因して発生する。従って、周方向透磁率μθは同外殻部の円周方向の磁化に依存する。
3は磁気インピーダンス効果素子1にバイアス磁界をかけるためのバイアス磁界用コイル、wは鉄系壁であり、バイアス磁界用コイル3に加えられる起磁力により磁気インピーダンス効果素子1及び鉄系壁wを磁界回路のループの一部としてバイアス磁界が発生される。この場合、磁気インピーダンス効果素子1の磁気抵抗をRa、壁wの磁気抵抗をRb、バイアス磁界用コイル3のコアの磁気抵抗をRc、バイアス磁界用コイル3に加えられる起磁力をNIとすると、磁気インピーダンス効果素子1を通るバイアス磁界Hoは、
Ho=NI/〔(Ra・Rc/Rb)+Rc+Ra〕
で与えられる。
図1−1において、磁気インピーダンス効果素子としてのアモルファスワイヤ1に加えられる磁界は、励磁電流の通電による円周方向磁界と軸方向バイアス磁界Hoとの合成で与えられ、前記円周方向に易磁化性を有する外殻部に作用する磁束の方向が軸方向バイアス磁界のために円周方向からずらされ、それだけ円周方向への磁化が生じ難くなり、前記周方向透磁率μθが変化し、磁気インピーダンス効果素子の出力のインダクタンス電圧分が変動することになる。更に、上記通電電流の周波数がMHzオ−ダになると、高周波表皮効果が大きく現れ、表皮深さδ=(2ρ/wμθ1/2(μθは前記した通り円周方向透磁率、ρは電気抵抗率、wは角周波数をそれぞれ示す)がμθにより変化し、このμθが前記した通り、バイアス磁界Hoによって変化するので、ワイヤ両端間出力(ワイヤ端出力)電圧中の抵抗電圧分も変動するようになる。これは高周波励磁電流(搬送波)がバイアス磁界Ho(信号波)で変調されることに外ならず、磁気インピーダンス効果素子1の出力端に現れる出力は被変調波に相当する。
図1−1において、4は磁気インピーダンス効果素子の出力(被変調波)を復調するための復調回路、5は復調して得た信号波を増幅する演算増幅回路、6はセンサ出力端、70は負帰還回路でありセンサ出力を負帰還用コイル7を経て信号入力端である磁気インピーダンス効果素子1に負帰還させている。
Aは絶縁基板を示し、磁気インピーダンス効果素子1、励磁用電源2、負帰還用コイル7、バイアス磁界用コイル3、復調回路4、演算増幅回路5等が搭載されている。
図1に示す磁気センサを使用して鉄系壁wの裏面の腐食・減肉を検査するには、壁表面を該センサで走査していく。
この場合、鉄系壁裏面に腐食・減肉が生じていると、その腐食・減肉が一様でなく場所によって異なっているために、磁気センサの移動に伴い、透磁率の変化や壁厚の変化に基づき壁wの磁気抵抗Rbが変化し、磁気インピーダンス効果素子1を軸方向に通る前記のバイアス磁界Hoが変化し、前記励磁電流に基づく搬送波が壁裏面の腐食・減肉に基づく情報(信号波)で変調された被変調波が磁気インピーダンス効果素子1の出力端に出力される。この被変調波が復調回路4で復調され、更に演算増幅回路5で増幅されてセンサ出力が得られる。
このセンサ出力を信号入力端である磁気インピーダンス効果素子に負帰還させているから、センサ出力を安定化できる。
このセンサ出力は、鉄系壁裏面の腐食・減肉に基づく壁の磁気抵抗の変化に対応した腐食・減肉情報となるから、センサ出力から壁裏面の腐食・減肉程度を評価できる。
なお、上記バイアス磁界Hoには直流磁界の外、交流ないしは高周波磁界も使用できる。
磁気インピーダンス効果素子としてのアモルファスワイヤに励磁電流を流したときに発生する磁界は、電磁場の透磁率や誘電率に応じて変わり、磁界発生源である磁気インピーダンス効果素子近傍の電磁場の透磁性が局所的に変化すると、その箇所での磁界の変化が磁界の連続性のために磁気インピーダンス効果素子内部の磁界にまで波及し、磁気インピーダンス効果素子内の磁界も変歪される。従って、図1において、バイアス磁界用コイル3を省略しても、励磁電流を流すことにより発生する磁気インピーダンス効果素子1内の円周方向磁界が、磁気インピーダンス効果素子に近接の壁裏面の腐食・減肉に基づく近傍電磁場の透磁性の変化で歪変され、励磁電流に基づく磁気インピーダンス効果素子内の円周方向磁界が壁裏面の腐食・減肉に応じ円周方向からずらされる結果、励磁電流に基づく搬送波が壁裏面の腐食・減肉に応じた情報(信号)で変調されることになる。
而して、請求項2の鉄系壁裏面の腐食・減肉検査方法によれば、前記バイアス磁界用コイルを省略し、またはバイアス磁界をかけることなく、磁気インピーダンス効果素子に励磁電流を通電し、該素子端出力の検波分をセンサ出力とする磁気センサを鉄系壁表面に沿って移動させ、この移動中の磁気センサの出力変化から壁裏面の腐食・減肉の判定を行うことができる。
図1−1に示す実施形態で使用した磁気センサでは、磁気インピーダンス効果素子及びバイアス磁界用コイルを壁表面に平行とするように配設してあるが、図1−2に示すように、この磁気インピーダンス効果素子1及びバイアス磁界用コイル3を壁wの表面に垂直とするように配設しても、バイアス磁界用コイル3→鉄系壁w→磁気インピーダンス効果素子1を含むループ磁気回路が形成され、鉄系壁wの内面腐食や減肉によりそのループ磁気回路の磁気抵抗が変化されるから、移動中の磁気センサの出力が鉄系壁裏面の腐食・減肉に基づく壁の磁気抵抗の変化に対応した腐食・減肉情報を提供し、センサ出力から壁裏面の腐食・減肉程度を評価できる。
バイアス磁界をかけない場合、またはバイアス磁界用コイル3を省略する場合も、励磁電流を流すことにより発生する磁気インピーダンス効果素子1内の円周方向磁界が、磁気インピーダンス効果素子に近接の壁裏面の腐食・減肉に基づく近傍電磁場の透磁性の変化で歪変され、励磁電流に基づく磁気インピーダンス効果素子内の円周方向磁界が壁裏面の腐食・減肉に応じ円周方向からずらされる結果、励磁電流に基づく搬送波が壁裏面の腐食・減肉に応じた情報(信号)で変調され、磁気センサの出力変化から壁裏面の腐食・減肉程度を評価できる。
図2−1の(イ)は請求項1の鉄系壁裏面の腐食・減肉検査方法に使用する磁気センサの一例を示す回路図、図2−1の(ロ)は図2−1の(イ)の点線枠内を説明するための図面である。
図2−1において、図1と同一の符号は同一の構成要素を示し、1は磁気インピーダンス効果素子としてのアモルファスワイヤ、2は高周波励磁用電源、3はバイアス磁界用コイル、70は負帰還回路、7は負帰還用コイル、4は復調回路、5は演算増幅回路、wは鉄系壁、Aは絶縁基板である。
8は交流磁界用コイル、80は交流電源であり、磁気インピーダンス効果素子1及び鉄系壁wをループに含む磁気回路に交流磁界を発生させるために設けられている。交流電源80に代え直流電源を使用し、直流磁界を使用することもできる。
図2−1において、磁気インピーダンス効果素子1においては、励磁電流に基づく円周方向磁界と交流または直流磁界用コイル8に基づく軸方向磁界Hacとの合成により、円周方向に易磁化性を有する外殻部に作用する磁束の方向が円周方向からずれされるために、周方向透磁率μθが変化し、インダクタンスが変動され、この円周方向透磁率μθの高周波表皮効果の表皮深さの変化でインピーダンスが変動される。従って、軸方向磁界Hacの±により上記合成磁界による周方向ずれ角φも±φになるが、周方向の磁界の減少倍率cos(±φ)は変わらず、従ってμθの減少度は磁界Hacの正負によっては変化されない。従って、磁界Hac−出力特性は、図3の(イ)のように磁界Hacをx軸に、センサ出力Eoutをy軸にとると、y軸に対してほぼ左右対称となる。この磁界Hac−センサ出力特性は非線形である。非線形特性では、高感度の測定が困難である。そこで、負帰還用コイル7で負帰還をかけて図3の(ロ)に示すように特性を直線化している。図3の(ロ)において、Δwは、負帰還無しのときの利得Aが非常に大きく帰還率βのみにより利得が定まるリニア範囲である。しかし、この出力特性では、磁界Hacの正負により出力ゲインが異なるので、バイアス磁界用コイル3でバイアス磁界をかけ、図3の(ハ)に示すように出力/交流のゲインを同じにしている。すなわち、図3の(ロ)の特性を、バイアス磁界によりx軸のマイナス方向に移動させ、磁界Hacの最大範囲−Hmax〜+Hmaxを単一勾配の斜め線領域の範囲内に納めている。
図3の(ニ)は図3の(ハ)に対し、0点調整により原点を通る直線特性としたものである。
図2−1に示す磁気センサを使用して鉄系壁裏面の腐食を検査するには、壁表面を該センサで走査していく。
この場合、鉄系壁裏面に腐食・減肉が生じていると、その腐食・減肉が一様でなく場所によつて異なるために、磁気センサの移動に伴い、透磁率の変化や壁厚の変化に基づき壁の磁気抵抗が変化し、磁気インピーダンス効果素子1を軸方向に通る前記の交流磁界Hacが図4のHxに示すように変化され、図4のExで示す信号出力がセンサ出力端に出力される。このセンサ出力は、鉄系壁裏面の腐食・減肉に基づく壁の磁気抵抗の変化に対応した腐食・減肉情報であるから、センサ出力から壁裏面の腐食程度を評価できる。
図2−1に示す実施形態で使用した磁気センサでは、磁気インピーダンス効果素子1及び交流または直流磁界印加用コイル8を壁表面に平行とするように配設してあるが、図2−2に示すように、磁気インピーダンス効果素子1及び交流または直流磁界印加用コイル8を壁wの表面に垂直とするように配設することもできる。
図2−1に示した実施形態では、磁気センサを鉄系壁に交流または直流磁界を印加しつつ鉄系壁表面に沿い移動させて鉄系壁内面の腐食・減肉情報を得ているが、磁気センサの移動中、交流または直流磁界の印加・停止を繰返し、各停止直後に磁気センサ出力を測定・記録するようにしてもよい。この場合、交流または直流磁界の印加を停止した際の鉄系壁の保持力に基づく残留磁気による磁気インピーダンス効果素子の軸方向磁界が鉄系壁裏面の腐食・減肉に基づく壁の磁気抵抗に応じ変化され、この変化により腐食・減肉情報が得られる。
上記磁気インピーダンス効果素子としては、遷移金属と非金属の合金で非金属が10〜30原子%組成のもの、特に遷移金属と非金属との合金で非金属量が10〜30原子%を占め、遷移金属がFeとCoで非金属がBとSiであるかまたは遷移金属がFeで非金属がBとSiである組成のものを使用することができ、通常、組成がCo70.515Si10Fe4.5、長さが2000μm〜6000μm、外径φが30μm〜50μmのものが使用される。
上記において、高周波励磁電流には、例えば連続正弦波、パスル波、三角波等の通常の高周波を使用でき、高周波励磁電流源としては、例えばハートレー発振回路、コルピッツ発振回路、コレクタ同調発振回路、ベース同調発振回路のような通常の発振回路の外、水晶発振器やCOMS−ICによる発振器等を使用でき、また、水晶発振器の矩形波出力を直流分カットコンデンサを経て積分回路で積分しこの積分出力の三角波を増幅回路で増幅する三角波発生器、COMS−ICを発振部として使用した三角波発生器等を使用できる。
検波せずに、励磁信号に同期させたサンプリングを行う方法も使用できる。
上記の復調回路としては、例えば被変調波を演算増幅回路で半波整流しこの半波整流波を並列RC回路またはRCローパスフィルターで処理して半波整流波の包絡線出力を得る構成、被変調波をダイオードで半波整流しこの半波整流波を並列RC回路またはRCローパスフィルターで処理して半波整流波の包絡線出力を得る構成等を使用できる。
上記の実施例では、被変調波の復調によって壁裏面腐食情報(信号)を取り出しているが、これに限定されず、磁気インピーダンス効果素子の出力から壁裏面腐食情報を検波し得るもので適宜の検波手段を使用できる。
前記負帰還用コイル及びバイアス磁界用コイルは磁気インピーダンス効果素子に巻き付けることができる。また、図5に示すように磁気インピーダンス効果素子とループ磁気回路を構成する鉄芯に負帰還用コイル及びバイアス磁界用コイルを巻き付けることもできる。 図5の(イ)は鉄芯付き磁気インピーダンス効果ユニットの一例を示す側面図、図5の(ロ)は同じく底面図、図5の(ハ)は図5の(ロ)におけるハ−ハ断面図である。
図5において、100は基板チツプであり、例えばセラミックス板を使用できる。101は基板片の片面に設けた電極であり、磁気インピーダンス効果素子接続用突部102を備えている。この電極は導電ペースト、例えば銀ペーストの印刷・焼付けにより設けることができる。1xは電極101,101の突部102,102間にはんだ付けや溶接により接続した磁気インピーダンス効果素子であり、前記した通り零磁歪乃至負磁歪のアモルファスワイヤ、アモルファスリボン、スパッタ膜等を使用できる。103はC型鉄芯、7xはC型鉄芯に巻装した負帰還用コイル、3xは同じくバイアス磁界用コイルであり、磁気インピーダンス効果素子1xとC型鉄芯103とでループ磁気回路を構成するように、C型鉄芯103の両端を基板片100の他面に接着剤等で固定してある。鉄芯材料としては、残留磁束密度の小さい磁性体であればよく、例えば、パーマロイ、フェライト、鉄、アモルファス磁性合金の他、磁性体粉末混合プラスチック等を挙げることができる。
図2−1に示すセンサにおいて、負帰還用コイル7及びバイアス磁界用コイル3並びに交流磁界用コイル8をC型鉄芯に巻き付けることができる。
本発明に係る鉄系壁裏面の腐食・減肉検査方法によれば、地磁気等の外部ノイズはセンサ出力として現れず外部ノイズの影響を排除できる。
また、復調回路の回路素子、例えばダイオードの温度変化に基づく内部ノイズも差動式磁気センサの使用により排除できる。
図6は差動式磁気センサの一例を示し、位置的にずらせた2個の磁気インピーダンス効果素子1a,1bの各磁気インピーダンス効果素子1a,1bの出力端に復調回路4a,4bを接続し、両復調回路の出力端を演算差動増幅回路50に接続し、演算差動増幅回路50の出力を両磁気インピーダンス効果素子1a,1bに各負帰還用コイル7a,7bを経て負帰還させ、各磁気インピーダンス効果素子1a,1bに電源+Vccでバイアス磁界用コイル3a,3bよりバイアス磁界をかけている。
図6において、例えば、両復調回路4a,4bに内部ノイズが発生しても、同相であるために差動増幅回路で打ち消されてしまい、センサ出力端には現れない。
なお、各磁気インピーダンス効果素子端の出力から検波される壁内面腐食情報値をH及びH’とすれば、差動増幅による出力はk〔H−H’〕(kは増幅ゲイン)となり、H、H’はずれた箇所での異なる腐食情報値であるから、〔H−H’〕は0でなく、増幅ゲインkのために充分なセンサ出力を得ることができる。
従って、図に示す差動式磁気センサを使用して請求項1の壁内面の腐食を検査すれば、N/S比を小さくでき高精度の検査が可能である。
本発明に係る壁内面腐食の検査方法は、送電線の鉄塔用パイプ状構造材や鉄系輸送管の内面腐食の検査に好適に使用でき、この場合、磁気センサとしては、図7の(イ)に示すようにパイプ受入スロットSを有する絶縁基板Aに、複数箇の磁気インピーダンス効果素子11,12,…をパイプ外周に近接させ、かつ周方向にほぼ等間隔とし得るように配設し、図7の(ロ)に示すようにこれらの磁気インピーダンス効果素子11,12,…を直列に接続し、この直列接続磁気インピーダンス効果素子の出力端に復調回路4を接続し、この復調回路4の出力端に演算増幅回路5を接続し、増幅出力を直列接続の負帰還用コイル71,72,…を経て各磁気イ
ンピーダンス効果素子11,12,…に負帰還させ、直列接続のバイアス磁界用コイル31,32,…により+Vcc電源で各磁気インピーダンス効果素子11,12,…にバイアス磁界をかけるものを用いることができる。図7において、2は高周波励磁電源である。
また、図8に示すように、複数箇の磁気インピーダンス効果素子11,12,…を2群に分け、各群の磁気インピーダンス効果素子を直列に接続し、各直列接続磁気インピーダンス効果素子の出力端に復調回路4a,4bを接続し、両復調回路の出力端を演算差動増幅回路50に接続し、演算差動増幅回路50の出力を直列接続磁気インピーダンス効果素子群に負帰還用コイル71,72,…を経て負帰還させ、各直列接続磁気インピーダンス効果素子群に電源+Vccでバイアス磁界用コイル31,32,…によりバイアス磁界をかけるものも使用できる。
何れの磁気センサでも、パイプに対し回転させつつ移動させることが好ましい。
本発明において使用する磁気センサの一例を示す図面である。 本発明において使用する磁気センサの別例を示す図面である。 本発明において使用する磁気センサの上記とは別の例を示す図面である。 本発明において使用する磁気センサの上記とは別の例を示す図面である。 鉄系壁裏面の腐食・減肉検査方法の一実施例を示す図面である。 図2−1または図2−2に示す磁気センサの出力特性を示す図面である。 本発明におけるセンサ出力を示す図面である。 本発明において使用される磁気センサの磁気インピーダンス効果素子ユニットを示す図面である。 本発明において使用される差動型磁気センサを示す図面である。 本発明において使用されるパイプ内面腐食・減肉検査用磁気センサの一例を示す図面である。 本発明において使用されるパイプ内面腐食・減肉検査用磁気センサの別例の回路構成を示す図面である。
1 磁気インピーダンス効果素子
1a 磁気インピーダンス効果素子
1b 磁気インピーダンス効果素子
11 磁気インピーダンス効果素子
12 磁気インピーダンス効果素子
13 磁気インピーダンス効果素子
14 磁気インピーダンス効果素子
w 鉄系壁
3 バイアス磁界用コイル
3a バイアス磁界用コイル
3b バイアス磁界用コイル
31 バイアス磁界用コイル
32 バイアス磁界用コイル
33 バイアス磁界用コイル
34 バイアス磁界用コイル
4 検波回路
4a 検波回路
4b 検波回路
8 交流磁界用コイル

Claims (3)

  1. 磁気インピーダンス効果素子にバイアス磁界用コイルを付設し、バイアス磁界をかけつつ磁気インピーダンス効果素子に励磁電流を通電し、該励磁電流に基づく前記磁気インピーダンス効果素子断面の周方向磁界を同磁気インピーダンス効果素子の軸方向を通る被検出磁界で変調させて発生させた同磁気インピーダンス効果素子の端子電圧を復調してセンサ出力を得る磁気インピーダンス効果センサを鉄系壁表面に沿って移動させ、その移動中、バイアス磁界用コイルに加えられる起磁力により磁気インピーダンス効果素子と鉄系壁とのループ磁界回路に発生するループ磁界以外に磁気インピーダンス効果素子と鉄系壁とのループ磁界回路に交流磁界または直流磁界の前記とは別のループ磁界を印加し、両ループ磁界を被検出磁界とし、この被検出磁界の変化に応じて生じる前記センサ出力の変化から鉄系壁裏面の腐食・減肉の判定を行うことを特徴とする鉄系壁裏面の腐食・減肉検査方法。
  2. 磁気インピーダンス効果センサとして、2個または2組のインピーダンス効果素子の両素子または両組の素子の検出出力を差動増幅する差動式磁気インピーダンス効果センサを使用することを特徴とする請求項1何れか記載の鉄系壁裏面の腐食・減肉検査方法。
  3. 鉄系壁が鉄系の管壁であることを特徴とする請求項1〜2何れか記載の鉄系壁裏面の腐食・減肉検査方法。
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