JP2006337040A - 金属体の欠陥検出方法及びスキャニング式磁気検出器 - Google Patents

金属体の欠陥検出方法及びスキャニング式磁気検出器 Download PDF

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一実 豊田
Yosuke Muranaga
陽介 村永
Kazuyuki Izawa
和幸 井澤
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Abstract

【課題】磁性金属体の欠陥を漏洩磁束探傷試験方法により磁気インピーダンス効果型センサを用いて良好に検出できるようにする。
【解決手段】金属体に直交の2磁界を加えるコイルと金属体の欠陥箇所での漏洩磁束の法線成分を検出する磁気インピーダンス効果型センサを有する磁気検出器で金属体の表面を前記コイルにより2以上の方向に磁界を加えつつスキャニングする。直交する二磁界を印加しているから、ある傷の向きが一方の磁界では充分な漏洩磁束を発生し得ない方向であっても、他方の磁界では充分な漏洩磁束を発生させ得て傷を向きの影響をよく排除して確実に検出できる。
【選択図】なし

Description

本発明は金属体の欠陥検出方法及びその方法に使用するスキャニング式磁気検出器に関するものである。
磁性金属体に傷等の欠陥が存在すると、その欠陥箇所のリラクタンスが増し、金属体に磁束を通過させるとその欠陥箇所において磁束が漏洩する。
そこで、磁性金属体の欠陥を検出するのに、金属体を磁化し、金属体の表面を磁気センサでスキャニングし、磁束漏洩箇所を検出して欠陥位置を検知することが、所謂、漏洩磁束探傷試験方法として知られている。
従来の漏洩磁束探傷試験方法では、磁気センサに、ホールセンサ、磁気抵抗素子、フラックスゲートセンサ等を使用しており、感度や空間分解能の面から、軽度の欠陥や表面から深い位置に存在する欠陥を検出することは困難である。
近来、ホールセンサ、磁気抵抗素子、フラックスゲートセンサ等に較べて高感度、高空間分解能、高速応答の磁気センサとして磁気インピーダンス効果を利用したセンサが開発され、そのセンサを使用した磁気検出方法も提案されている(特許文献1)。
特開平7−181239号公報
また、磁気インピーダンス効果型センサを使用して漏洩磁束探傷試験方法により、鋼板内部の欠陥を検出することも報告されている(非特許文献1)。
藤本 幸二、毛利 佳年雄,MAG−98−86,p39〜43
周知の通り、傷箇所に発生する漏洩磁束は、傷の方向が磁界方向に対し直交する場合に最も強くなり、傷の方向と磁界方向とが一致する場合に最も弱くなる。
而るに、非特許文献1記載の漏洩磁束探傷試験方法では、一方向の磁界を印加しており、この磁界方向に近い方向の傷の検出が困難である。
また、非特許文献1記載の漏洩磁束探傷試験方法では、磁気インピーダンス効果素子を被検出体である鋼板の表面に対し平行に配設し、傷箇所の漏洩磁束の接線成分を検出している。
而るに、磁気インピーダンス効果素子の感磁方向は素子の軸方向であり、漏洩磁束の接線成分の方向と磁気インピーダンス効果素子の軸方向とが平行から外れるにつれて検出感度が低下していく。この場合、漏洩磁束の接線成分の方向と磁気インピーダンス効果素子の軸方向とを平行に近付けるように印加磁界の方向を調整すると、磁界方向と傷の方向とを整合させ難くなり、結局、充分な検出感度を得ることは困難である。
本発明の目的は、磁性金属体の欠陥を漏洩磁束探傷試験方法により磁気インピーダンス効果型センサを用いて良好に検出できるようにすることにある。
請求項1に係る金属体の欠陥検出方法は、金属体に磁界を加えるコイルと金属体の欠陥箇所での漏洩磁束の法線成分を検出する磁気インピーダンス効果型センサを有する磁気検出器で金属体の表面を前記コイルにより磁界を加えつつスキャニングすることを特徴とする。ここで、欠陥とは傷のほか、減肉、錆、亀裂、劣化等も含んでいる(以下、同じ)
請求項2に係る金属体の欠陥検出方法は、金属体に2以上の方向に磁界を加えるコイルと金属体の欠陥箇所での漏洩磁束の法線成分を検出する磁気インピーダンス効果型センサを有する磁気検出器で金属体の表面を前記コイルにより2以上の方向に磁界を加えつつスキャニングすることを特徴とする。
請求項3に係る金属体の欠陥検出方法は、請求項1〜2何れかの金属体の欠陥検出方法において、磁界を所定周波数の交流磁界とし、所定の周波数を通過域に含み直流の通過を阻止するフィルターを通してセンサ出力を検出することを特徴とする。
請求項4に係るスキャニング式磁気検出器は、請求項1〜3何れかの金属体の欠陥検出方法に使用する磁気検出器であり、金属体に磁界を加えるコイルと欠陥箇所での漏洩磁束を検出する磁気インピーダンス効果型センサを有し、前記センサの磁気インピーダンス効果素子をスキャニング方向に対し所定の距離を隔てた2個とし、検出部をこれら両素子の差動出力を検出する差動式としたことを特徴とする。
(1)欠陥箇所の漏洩磁束の法線成分を法線方向に配設した磁気インピーダンス効果素子により検出しており、検出磁界成分の方向と磁気インピーダンス効果素子の感磁方向の一致により、磁気インピーダンス効果に基づく本来の高感度で金属体の欠陥箇所を検出できる。
(2)金属体の欠陥箇所に二方向以上の磁界、特に互いに直交する方向の二磁界を印加しているから、ある傷の向きが一方の磁界では充分な漏洩磁束を発生し得ない方向であっても、他方の磁界では充分な漏洩磁束を発生させ得て傷を向きの影響をよく排除して確実に検出できる。
(3)磁気インピーダンス効果型センサと磁化用コイルとの相対的位置関係を固定としているから、磁気インピーダンス効果型センサの移動中の位置に関係なしに磁気インピーダンス効果素子直下の磁界強度・方向を一定にでき、従って、磁気インピーダンス効果素子が通過する欠陥箇所での磁束漏洩が一定の磁界のもとで発生され、同じ基準で欠陥の重軽傷度を適切に評価できる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は磁気インピーダンス効果素子を使用した磁気センサの一例の回路構成を示している。
図1において、1は磁気インピーダンス効果素子であり、自発磁化の方向がワイヤ周方向に対し互いに逆方向の磁区が交互に磁壁で隔てられた構成の外殻部を有する、零磁歪乃至は負磁歪のアモルファス合金ワイヤが使用される。かかる零磁歪乃至は負磁歪のアモルファス磁性ワイヤに高周波励磁電流を流したときに発生するワイヤ両端間出力電圧中のインダクタンス電圧分は、ワイヤの横断面内に生じる円周方向磁束によって上記の円周方向に易磁化性の外殻部が円周方向に磁化されることに起因して発生する。従って、周方向透磁率μθは同外殻部の円周方向の磁化に依存する。而るに、この通電中のアモルファスワイヤの軸方向に被検出磁界を作用させると、上記通電による円周方向磁束と被検出磁界磁束との合成により、上記円周方向に易磁化性を有する外殻部に作用する磁束の方向が円周方向からずれ、それだけ円周方向への磁化が生じ難くなり、上記周方向透磁率μθが変化し、上記インダクタンス電圧分が変動することになる。この変動現象は磁気インダクタンス効果と称され、これは上記高周波励磁電流(搬送波)が被検出波(信号波)で変調される現象ということができる。更に、上記通電電流の周波数がMHzオ−ダになると、高周波表皮効果が大きく現れ、表皮深さδ=(2ρ/wμθ1/2(μθは前記した通り円周方向透磁率、ρは電気抵抗率、wは角周波数をそれぞれ示す)がμθにより変化し、このμθが前記した通り、被検出磁界によって変化するので、ワイヤ両端間出力電圧中の抵抗電圧分も被検出磁界で変動するようになる。この変動現象は磁気インピーダンス効果と称され、これは上記高周波励磁電流(搬送波)が被検出波(信号波)で変調される現象ということができる。
図1において、2は磁気インピーダンス効果素子に高周波励磁電流を加えるための高周波電源回路、3は磁気インピーダンス効果素子の軸方向に作用する被検出磁界(信号波)で前記高周波励磁電流(搬送波)を変調させた被変調波を復調する検波回路、4は復調波を増幅する増幅回路、5は出力端、6は負帰還用コイル、7はバイアス磁界用コイルである。
磁気インピーダンス効果素子1には、零磁歪乃至は負磁歪のアモルファスワイヤの外、アモルファスリボン、アモルファススパッタ膜等も使用できる。
磁気インピーダンス効果素子1においては、前記した通り励磁電流に基づく円周方向磁束と被検出磁界による軸方向磁束との合成により、円周方向に易磁化性を有する外殻部に作用する磁束の方向が円周方向からずらされるために、周方向透磁率μθが変化し、インダクタンスが変動され、この円周方向透磁率μθの高周波表皮効果の表皮深さの変化でインピーダンスが変動される。従って、被検出磁界の±により上記合成磁界による周方向ずれφも±φになるが、周方向の磁界の減少倍率cos(±φ)は変わらず、従ってμθの減少度は被検出磁界の方向の正負によっては変化されない。従って、被検出磁界−出力特性は、図2の(イ)のように被検出磁界をx軸に、出力をy軸にとると、y軸に対してほぼ左右対称となる。この被検出磁界−出力特性は非線形である。非線形特性では、高感度の測定が困難である。そこで、負帰還用コイルで負帰還をかけて図2の(ロ)に示すように出力特性を直線化している。図2の(ロ)において、Δwは、負帰還無しのときの利得Aが非常に大きく帰還率βのみにより利得が定まるリニア範囲である。しかし、この出力特性では、被検出磁界の極性判別を行ない得ないので、バイアス用コイル7でバイアス磁界をかけ、図2の(ハ)に示すように極性判別可能としている。すなわち、図2の(ロ)の特性を、バイアス磁界によりx軸のマイナス方向に移動させ、被検出磁界の最大範囲を単斜め線領域の範囲内−Hmax〜+Hmaxに納めている。更に、図2の(ニ)に示すように0点調整により原点を通る直線特性(勾配係数kは変わらない)としている。従って、図2の(ニ)において被検出磁界を+Heとすると出力が+Eoとなり、被検出磁界を−Heとすると出力が−Eoとなって被検出磁界を極性判別のもとで正確に測定できる。
図3は磁気インピーダンス効果素子を使用した上記とは別の磁気センサの回路構成を示している。
図3において、1a,1bは実質的に同一特性の磁気インピーダンス効果素子、2は両磁気インピーダンス効果素子に励磁電流を流す高周波電源回路、3a,3bは各磁気インピーダンス効果素子1a,1bの軸方向に作用する被検出磁界(信号波)で高周波励磁電流(搬送波)を変調させた被変調波を復調する検波回路、40は両検波回路の復調波出力を差動増幅する差動増幅回路、5は出力端、6a,6bは差動増幅回路40の出力を各磁気インピーダンス効果素子1a,1bに負帰還させる負帰還用コイル、7a,7bは各磁気インピーダンス効果素子1a,1bのバイアス磁界用コイルである。
図3において、各磁気インピーダンス効果素子1a,1bの軸方向に作用する磁界をHexa及びHexbとすると、差動出力Eoutは、Eout=k(Hexa−Hexb)で与えられる。
上記磁気インピーダンス効果素子としては、遷移金属と非金属の合金で非金属が10〜30原子%組成のもの、特に遷移金属と非金属との合金で非金属量が10〜30原子%を占め、遷移金属がFeとCoで非金属がBとSiであるかまたは遷移金属がFeで非金属がBとSiである組成のものを使用することができ、例えば、組成Co70.515Si10Fe4.5、長さ2000μm〜6000μm、外径30μm〜50μmφのものを使用できる。
図2の(ニ)の磁界検出限界−Hmax〜+Hmaxは、通常+2.5Gauss〜−2.5Gaussとされる。
上記において、高周波励磁電流には、例えば連続正弦波、パスル波、三角波等の通常の高周波を使用でき、高周波励磁電流源としては、例えばハートレー発振回路、コルピッツ発振回路、コレクタ同調発振回路、ベース同調発振回路のような通常の発振回路の外、水晶発振器の矩形波出力を直流分カットコンデンサを経て積分回路で積分しこの積分出力の三角波を増幅回路で増幅する三角波発生器、COMS−ICを発振部として使用した三角波発生器等を使用できる。
上記の検波回路としては、例えば被変調波を演算増幅回路で半波整流しこの半波整流波を並列RC回路またはRCローパスフィルターで処理して半波整流波の包絡線出力を得る構成、被変調波をダイオードで半波整流しこの半波整流波を並列RC回路またはRCローパスフィルターで処理して半波整流波の包絡線出力を得る構成等を使用できる。
また、被変調波(周波数fs)に同調させた周波数fsの方形波を被変調波に乗算して信号波をサンプリングする同調検波を使用することができる。
上記の実施例では、被変調波の復調によって被検出磁界を取り出しているが、これに限定されず、磁気インピーダンス効果素子に作用する被検出磁界(信号波)で変調された高周波励磁電流波(搬送波)から被検出磁界を検波し得るものであれば、適宜の検波手段を使用できる。
前記負帰還用コイル及びバイアス磁界用コイルは磁気インピーダンス効果素子に巻き付けることができる。また、図4に示すように磁気インピーダンス効果素子とループ磁気回路を構成する鉄芯に負帰還用コイル及びバイアス磁界用コイルを巻き付けることもできる。 図4の(イ)は鉄芯コイル付き磁気インピーダンス効果ユニットの一例を示す側面図、図4の(ロ)は同じく底面図、図4の(ハ)は図4の(ロ)におけるハ−ハ断面図である。
図4において、100は基板チップであり、例えばセラミックス板を使用できる。101は基板片の片面に設けた電極であり、磁気インピーダンス効果素子接続用突部102を備えている。この電極は導電ペースト、例えば銀ペーストの印刷・焼付けにより設けることができる。1xは電極101,101の突部102,102間にはんだ付けや溶接により接続した磁気インピーダンス効果素子であり、前記した通り零磁歪乃至負磁歪のアモルファスワイヤ、アモルファスリボン、スパッタ膜等を使用できる。103は鉄やフェライト等からなるC型鉄芯、6xはC型鉄芯に巻装した負帰還用コイル、7xは同じくバイアス磁界用コイルであり、磁気インピーダンス効果素子1xとC型鉄芯103とでループ磁気回路を構成するように、C型鉄芯103の両端を基板片100の他面に接着剤等で固定してある。鉄芯材料としては、残留磁束密度の小さい磁性体であればよく、例えば、パーマロイ、フェライト、鉄、アモルファス磁性合金の他、磁性体粉末混合プラスチック等を挙げることができる。
図5は本発明において使用する磁気検出器8の一例を示し、図5の(イ)は正面図を、図5の(ロ)は側面図を、図5の(ハ)は図5の(イ)におけるハ−ハ断面図をそれぞれ示している。
図5において、81はフレームであり、2枚のプレート811,811をスペーサ812で締結してある。Aは磁気インピーダンス効果型センサであり、図3に示した差動式に属し、図5の(ハ)のように基板片100に2箇の磁気インピーダンス効果素子1a,1bを配設し、各磁気インピーダンス効果素子1a,1bに図4で示したように鉄芯を設け、各鉄芯に各磁気インピーダンス効果素子に対する負帰還用磁界コイル及びバイアス用磁界コイルを巻付けた鉄芯コイル付き磁気インピーダンス効果ユニットBを備え、図5の(ハ)のように各磁気インピーダンス効果素子1a,1bに対する検波回路及び差動増幅回路並びに高周波励磁電流発生回路からなる駆動回路bや差動増幅回路並びに高周波励磁電流発生回路の電源としてのバッテリーcを搭載した主回路板Cに前記鉄芯コイル付き磁気インピーダンス効果ユニットBを導体バーeにより接続してあり、主回路板Cをフレーム81内に収容してホルダー813でフレーム81に固定してある。
82a,82bは2箇の磁化用U字型コイルであり、U字型鉄芯にコイルを巻き付けてあり、図6に示すように互いに直交する磁界を両磁気インピーダンス効果素子1a,1bに作用させるようにフレーム81の外側に装着してある。U字型鉄芯には、パーマロイ、フェライト、鉄、アモルファス磁性合金の他、磁性体粉末混合プラスチック等を使用できる。
図5において、Eは被検出体としての金属体の表面を示し、磁気検出器8はこの表面Eに磁気インピーダンス効果素子1a,1bを法線方向に向け、かつ各素子1a,1bの先端を表面Eに近接させると共に各U字型コイル82a,82bの鉄芯端820a,820a及び820b,820bを表面Eに近接させるようにして移動される。
本発明により金属体の欠陥を検出するには、金属体の表面Eに前記の磁気検出器8を磁気インピーダンス効果素子1a,1bをその表面Eに法線方向で近接させるように配置し、コイル82a,82bを通電して金属体を直流磁界で磁化しつつ金属体表面Eを磁界検出器8で図7に示すように所定の方向XまたはY方向で走査していく。走査はロボットで行うことができる。
傷が存在する金属体に磁界を通すと、傷箇所のリラクタンスが高いために、図8の(イ)(ロ)に示すように傷箇所で磁束が漏洩し、その漏洩磁束の法線成分は図8の(ハ)に示すようになる。
磁気インピーダンス効果素子においては、被検出磁界の方向と磁気インピーダンス効果素子の軸方向との角度をβとすれば、検出感度がcosβに比例するが、本発明では漏洩磁束の法線成分を法線方向配設の磁気インピーダンス効果素子で検出しているから、β=0が成立し、印加磁界の方向に影響されない。
図8の(ハ)に示すように、傷の巾を2a、傷の深さをdとし、この傷に直交して磁界が作用する場合、磁気双極子による欠陥モデルによれば、磁気双極子の磁気強度をσとすると、漏洩磁束の法線成分ΔBzは
Figure 2006337040
で与えられる。
而して、図8の(ハ)に示すようにピークが傷の巾両端で生じる。磁界検出器8を速度vで磁界方向に走行させると、センサAの出力は図9の(イ)のようになり、ピーク間の間隔ΔTは、傷の巾をwとすれば、
Δt=w/v
で与えられる。
磁気インピーダンス効果素子1a,1b間の間隔をDとすれば、前方の磁気インピーダンス効果素子の検出出力と後方の磁気インピーダンス効果素子の検出出力とが時間D/v=ΔTの間隔で離隔され、傷の巾wに較べて磁気インピーダンス効果素子間の間隔Dが充分に広いと、両出力は重ならない。磁気インピーダンス効果素子間の間隔Dに対し傷の巾wが広くなって両出力が重なっても、差動のために図9の(ロ)に示すように重畳部分では検出波高値が加算により大きくされる。傷の巾w(2a)が広くなると、前記の数式からも明らかなように、漏洩磁束密度が小さくなり検出値がそれだけ減少されるが、前記の重なりによる検出波高値の増加のために、巾の広い傷でも充分に検出可能である。
また、差動検出のために地磁気等の外部ノイズや回路素子の温度変化等で生じる検波回路等での内部ノイズも差動検出のために検出されない。
従って、漏洩磁束密度が小となる巾の広い傷や金属体表面から深い位置に存在する欠陥でも、充分に検出できる。
前記漏洩磁束の強度は、磁界に対する傷の方向により異なり、直交の場合が最大となり、その相対角度が狭まっていくに伴い減少していき、両者の方向が一致する場合に最小となる。
図10において、Sは傷方向と磁化方向とが直交する場合の漏洩磁束の法線成分の分布を、Wは傷方向と磁化方向とが一致する場合の漏洩磁束の法線成分の分布をそれぞれ示し、傷方向と磁化方向との間の角度が90°→0°に近づくにつれて点線Mで示すようにピーク箇所間の間隔が増すと共にピーク値が減少して漏洩磁束の法線成分の分布が平坦化し、検出感度が低下していく。
本発明では、金属体の傷に互いに直交する二方向の磁界を作用させて漏洩磁束を発生させ、この漏洩磁束の法線成分を検出しており、例えば一方の磁界の方向と傷の方向とが平行であってその漏洩磁束の法線成分が図10の(イ)のWで示す弱磁束であっても、他方の磁界の方向と傷の方向とが直交であってその漏洩磁束の法線成分が図10の(イ)のSで示す強磁束となるから、傷の方向性の影響をよく排除して傷を確実に検出できる。
前記の実施形態では、金属体を直流磁界で磁化しているが、交流磁界で磁化することもできる。
金属体を磁化するまえに、局部的に磁気的に変歪されて残留磁気を帯有し局部的に漏洩磁束ノイズが発生していても、この漏洩磁束ノイズには交流成分が含まれていない。従って、コイルで交流磁界を発生させ、この交流磁界で金属体の欠陥箇所に漏洩磁界を発生させ、その交流の周波数を通過域に含み直流の通過を阻止する高域通過型フィルター若しくは帯域通過型フィルターを通して検出すれば漏洩磁束ノイズを阻止できる。
また、前記外部ノイズや内部ノイズの周波数帯域をも阻止できる高域通過型フィルター若しくは帯域通過型フィルターを通して検出すれば、地磁気等の外部ノイズや回路素子特性の温度変動等により生じる内部ノイズも排除でき、図1に示した単一磁気インピーダンス効果素子使用の磁気インピーダンス効果型センサを用いることもできる。
また、広い周波数帯で外部磁界を印加することにより、印加磁界周波数に応じた傷深さの情報を検出することもできる。
なお、図6に示す交差磁場において、一対の磁気インピーダンス効果1a,1bを位置させる2箇所は、交差する両磁界の強度差が±10%以内の領域にあり、2ヵ所での磁界強度の差が±10%以内であることが好ましい。
本発明で使用する磁気インピーダンス効果型センサの一例の回路を示す図面である。 本発明で使用する磁気インピーダンス効果型センサの出力特性を示す図面である。 本発明で使用する磁気インピーダンス効果型センサの別例の回路を示す図面である。 本発明で使用する磁気インピーダンス効果型センサにおける鉄芯コイル付き磁気インピーダンス効果素子を示す図面である。 本発明で使用する磁気検出器を示す図面である。 図5の磁気検出器における印加磁界と磁気インピーダンス効果素子との位置関係を示す図面である。 本発明における磁気検出器のスキャニング軌跡を示す図面である。 傷箇所の漏洩磁束を示す図面である。 本発明による傷に対する検出波形を示す図面である。 傷箇所の漏洩磁束分布の磁界による変化状態を示す図面である。
符号の説明
1 磁気インピーダンス効果素子
1a 磁気インピーダンス効果素子
1b 磁気インピーダンス効果素子
8 磁気検出器
81 フレーム
82a U字型コイル
82b U字型コイル

Claims (4)

  1. 金属体に磁界を加えるコイルと金属体の欠陥箇所での漏洩磁束の法線成分を検出する磁気インピーダンス効果型センサを有する磁気検出器で金属体の表面を前記コイルにより磁界を加えつつスキャニングすることを特徴とする金属体の欠陥検出方法。
  2. 金属体に2以上の方向に磁界を加えるコイルと金属体の欠陥箇所での漏洩磁束の法線成分を検出する磁気インピーダンス効果型センサを有する磁気検出器で金属体の表面を前記コイルにより2以上の方向に磁界を加えつつスキャニングすることを特徴とする金属体の欠陥検出方法。
  3. 磁界を所定周波数の交流磁界とし、所定の周波数を通過域に含み直流の通過を阻止するフィルターを通してセンサ出力を検出することを特徴とする請求項1〜2記載の金属体の欠陥検出方法。
  4. 請求項1〜3何れかの金属体の欠陥検出方法に使用する磁気検出器であり、金属体に磁界を加えるコイルと欠陥箇所での漏洩磁束を検出する磁気インピーダンス効果型センサを有し、前記センサの磁気インピーダンス効果素子をスキャニング方向に対し所定の距離を隔てた2個とし、検出部をこれら両素子の差動出力を検出する差動式としたことを特徴とするスキャニング式磁気検出器。
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