JP2007322125A - 磁気インピーダンス効果センサ及び外部磁界の検出方法 - Google Patents

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一実 豊田
Kazuyuki Izawa
和幸 井澤
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佐加枝 高木
Satoru Nakayama
哲 中山
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Abstract

【課題】磁気インピーダンス効果センサにより外部磁界を外部ノイズやオフセット変化の影響をよく排除して正確に検出することを可能にする磁気インピーダンス効果センサ及び磁気インピーダンス効果センサによる外部磁界の検出方法を提供する。
【解決手段】外部磁界作用下での磁気インピーダンス効果素子1の端子電圧を検波器3で復調する。その検波出力を演算増幅器4で増幅する。5は出力端である。 6は負帰還コイル、7は制御コイルである。 70は演算増回路4の出力から特定周波数成分を取り出して、制御コイル7にフィードバックさせるフィルタであり、特定の周波数の外部磁界成分を打ち消す磁界を作用させ、かかる打消しのもとでの検波出力を検出出力とする。
【選択図】図1−1

Description

本発明は磁気インピ−ダンス効果センサ及び磁気インピ−ダンス効果センサによる外部磁界の測定方法に関するものである。
アモルファス合金ワイヤとして、自発磁化の方向がワイヤ周方向に対し互いに逆方向の磁区が交互に磁壁で隔てられた構成の外殻部を有する、零磁歪乃至は負磁歪のアモルファス合金ワイヤが開発されている。
かかる零磁歪乃至は負磁歪のアモルファス磁性ワイヤに高周波電流を流したときに発生するワイヤ両端間出力電圧中のインダクタンス電圧分は、ワイヤの横断面内に生じる円周方向磁束によって上記の円周方向に易磁化性の外殻部が円周方向に磁化されることに起因して発生する。従って、周方向透磁率μθは同外殻部の円周方向の磁化に依存する。
而るに、この通電中のアモルファスワイヤに外部磁界を作用させると、上記通電による円周方向磁束と外部磁束との合成により、上記円周方向に易磁化性を有する外殻部に作用する磁束の方向が円周方向からずれ、それだけ円周方向への磁化が生じ難くなり、上記周方向透磁率μθが変化し、上記インダクタンス電圧分が変動することになる。
而して、この変動現象が磁気インダクタンス効果と称され、この効果を奏するアモルファスワイヤ等が磁気インダクタンス効果素子と称されている。
更に、上記通電電流の周波数がMHzオ−ダになると、高周波表皮効果が大きく現れ、表皮深さδ=(2ρ/wμθ1/2(μθは前記した通り、円周方向透磁率、ρは電気抵抗率、wは角周波数をそれぞれ示す)がμθにより変化し、このμθが前記した通り、外部磁界によって変化するので、ワイヤ両端間出力電圧中の抵抗電圧分も外部磁界で変動するようになる。
而して、この変動現象が磁気インピーダンス効果と称され、この効果を奏するアモルファスワイヤ等が磁気インピーダンス効果素子と称されている。
そこで、この磁気インピーダンス効果素子を利用した外部磁界検出法(例えば、特許文献1参照)及び磁気インダクタンス効果を使用した外部磁界検出方法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
上記において、外部磁界の正負により上記磁界の周方向ずれφにも正負が生じるが、周方向の磁界の減少倍率cos(±φ)は変わらず、従ってμθの減少度は外部磁界の方向の正負によっては変化されない。従って、外部磁界−出力特性は磁界をx軸に、出力をy軸にとると、図2の(イ)に示すように、y軸に対してほぼ左右対称となる。また、図2の(イ)に示すように、非線形になる。
この磁気インピーダンス効果素子を使用した磁界検出回路は、基本的には、図6に示すように(1)磁気インピーダンス効果素子1’に高周波励磁電流を加えるための高周波電源2’と、(2)磁気インピーダンス効果素子1’と、(3)磁気インピーダンス効果素子に加わる外部磁界Hexで前記高周波励磁電流(搬送波)を変調させた変調波を復調する検波回路3’と、(4)復調波を増幅する増幅器4’と、(5)検出出力端5’等から構成されている。
図7の(イ)は磁気インピーダンス効果素子に加えられる被検出磁界Hexを、(ロ)は磁気インピーダンス効果素子に流される高周波励磁電流波(搬送波)Icを、(ハ)は磁気インピーダンス効果素子端の出力としての変調波を、(ニ)は変調波の整流波を、(ホ)は整流波の包絡線波をそれぞれ示し、(ニ)と(ホ)とで復調・検波が行われている。
被検出磁界の振幅Hexと出力Eoutの振幅との関係を図示すると前記の左右対称性及び非線形性から図2の(イ)のように表わすことができる。
そこで、図6の回路において、6’で示す負帰還用コイルで負帰還をかけて図2の(ロ)に示すように特性を直線化することが行われている。
更に、図2の(ハ)に示すように、図2の(ロ)の特性をバイアス磁界により矢印方向に移動させ、被検出磁界の最大範囲−Hmax〜+Hmaxを単斜線領域Δwの範囲内に納めて極性判別を可能とすることも行われている。
しかしながら、前記した従来の技術では、被検出磁界が+Hmaxまたは−Hmax(通常、約200A/m)を越えると、検出出力が反転して正常な外部磁界の検出が不可となる。
そこで、磁気インピーダンス効果素子に制御コイルを付設し、検出出力を制御コイルにフィードバックして外部磁界を打ち消すようにそのフィードバック電流Iを調整し、その電流値Iから外部磁界を評価することが知られている(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。
すなわち、外部磁界が実質的に0のときの検出出力をΔE0とし、この検出出力により制御コイルに流れる電流をIとすると、この電流による制御コイルの発生磁界で外部磁界を打ち消すように、即ち磁気インピーダンス効果素子の軸方向に作用する外部磁界をほぼ打ち消し検出出力をΔE0とするように前記電流Iを制御し、その制御された電流値から外部磁界を求めることが知られている(以下、外部磁界打消法という)。
特開平7−181239号公報 特開平6−283344号公報 特開平11−326474号公報 特開平11−64473号公報
送電線の鉄塔、送電線自体、トランス等の機器を磁気インピーダンス効果センサを使用して磁気的に診断する場合、商用周波数の磁界ノイズのために、検出出力が反転したり、磁気飽和して診断が困難になることが往々にしてある。
しかしながら、前記の外部磁界打消法では、反転や飽和を防止し得ても、検出出力から商用周波数の磁界ノイズの影響を排除し得ず、適確な診断が期待できない。更に、地磁気等のノイズやオペアンプの温度等によるパラメータ変動に起因するオフセット変化の影響も除去できない。
本発明の目的は、磁気インピーダンス効果センサにより外部磁界を外部ノイズやオフセット変化の影響をよく排除して正確に検出することを可能にする磁気インピーダンス効果センサ及び磁気インピーダンス効果センサによる外部磁界の検出方法を提供することにある。
請求項1に係る外部磁界の検出方法は、外部磁界を特定周波数の外部磁界成分を実質的に除去して磁気インピーダンス効果センサにより検出する方法であり、外部磁界作用下での磁気インピーダンス効果素子の端子電圧を検波し、その検波出力から特定周波数の検波出力分を取り出し、その取り出した出力に基づく負帰還制御電流で前記磁気インピーダンス効果素子に前記特定の周波数の外部磁界成分を打ち消す磁界を作用させ、かかる打消しのもとでの検波出力を検出出力とすることを特徴とする。
請求項2に係る外部磁界の検出方法は、請求項1の外部磁界の検出方法において、特定周波数の外部磁界成分が商用周波数の外部磁界成分であることを特徴とする。
請求項3に係る外部磁界の検出方法は、請求項1の外部磁界の検出方法において、特定周波数の外部磁界成分が直流の外部磁界成分であることを特徴とする。
請求項4に係る磁気インピーダンス効果センサは、制御コイルを付設した磁気インピーダンス効果素子と、磁気インピーダンス効果素子に励磁電流を通電する励磁電流源と、磁気インピーダンス効果素子の端子出力を検波する検波回路と、検波出力を増幅する演算増幅回路と、該増幅回路の出力に対する検出端と、増幅回路の出力から特定周波数の成分を取り出すフィルターとを備え、磁気インピーダンス効果素子に加わる外部磁界中の特定周波数の外部磁界成分を打ち消す打消磁界を制御するための手段を前記フィルターの出力端と前記制御コイルとの間に設けたことを特徴とする。
請求項5に係る磁気インピーダンス効果センサは、請求項4記載の磁気インピーダンス効果センサにおいて、磁気インピーダンス効果素子に加わる外部磁界に対するバイアス磁界を設定する手段を前記フィルターの出力端と前記制御コイルとの間に付設したことを特徴とする。
請求項6に係る磁気インピーダンス効果センサは、請求項4または5の磁気インピーダンス効果センサにおいて、磁気インピーダンス効果素子に負帰還用コイルを付設し、演算増幅回路の出力を負帰還用コイルに負帰還させる負帰還回路を付加したことを特徴とする。
請求項7に係る外部磁界の検出方法は、請求項4〜5何れかの磁気インピーダンス効果センサを使用して外部磁界を検出する方法であり、フィルターの通過特定周波数を変え、各特定周波数において外部磁界の打消を行っている状況でのフィルター出力を測定し、各特定周波数における前記測定値から外部磁界の周波数スペクトラムを得ることを特徴とする。
(1)商用周波数の磁界ノイズのために外部磁界Hexが図2の(ハ)に示す磁気インピーダンス効果特性において最大検出磁界±Hmaxを越える場合でも、請求項1、2によれば商用周波数を特定周波数とすることにより、その商用周波数の磁界ノイズを充分に除去し外部磁界を±Hmaxの範囲内に納めて検出出力の反転や飽和の発生なく外部磁界を検出できる。
(2)地磁気等の磁界ノイズのために外部磁界Hexが図2の(ハ)に示す磁気インピーダンス効果特性において最大検出磁界±Hmaxを越える場合でも、請求項1、3によれば直流を特定周波数成分とすることにより、地磁気等の直流磁界ノイズを充分に除去して外部磁界を±Hmaxの範囲内に納めて検出出力の反転や飽和の発生なく外部磁界を検出できる。
(3)請求項4〜6の磁気インピーダンス効果よれば、直流外部磁界についての磁気インピーダンス効果特性における直流外部磁界が充分に小さい値ΔHdcでの磁気インピーダンス効果出力をΔEdcとすると、検出出力中の直流分をΔEdcとするようにフィードバックをかけることができるから、地磁気等の磁界ノイズの実質的な除去にとどまらず、演算増幅回路等の温度によるパラメータ変化に起因するオフセット変化の影響も排除できる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1−1は本発明において使用される磁気インピーダンス効果センサの一実施例の回路図を示している。
図1−1において、1は磁気インピーダンス効果素子であり、自発磁化の方向がワイヤ周方向に対し互いに逆方向の磁区が交互に磁壁で隔てられた構成の外殻部を有する、零磁歪乃至は負磁歪のアモルファス合金ワイヤが使用される。かかる零磁歪乃至は負磁歪のアモルファス磁性ワイヤに高周波励磁電流を流したときに発生するワイヤ両端間出力電圧中のインダクタンス電圧分は、ワイヤの横断面内に生じる円周方向磁束によって上記の円周方向に易磁化性の外殻部が円周方向に磁化されることに起因して発生する。従って、周方向透磁率μθは同外殻部の円周方向の磁化に依存する。而るに、この通電中のアモルファスワイヤの軸方向に信号磁界を作用させると、上記通電による円周方向磁束と信号磁界磁束との合成により、上記円周方向に易磁化性を有する外殻部に作用する磁束の方向が円周方向からずれ、それだけ円周方向への磁化が生じ難くなり、上記周方向透磁率μθが変化し、上記インダクタンス電圧分が変動することになる。この変動現象は磁気インダクタンス効果と称され、これは上記高周波励磁電流(搬送波)が信号磁界(信号波)で変調される現象ということができる。更に、上記通電電流の周波数がMHzオ−ダになると、高周波表皮効果が大きく現れ、表皮深さδ=(2ρ/wμθ1/2(μθは前記した通り円周方向透磁率、ρは電気抵抗率、wは角周波数をそれぞれ示す)がμθにより変化し、このμθが前記した通り、信号磁界によって変化するので、ワイヤ両端間出力電圧中の抵抗電圧分も信号磁界で変動するようになる。この変動現象は磁気インピーダンス効果と称され、これは上記高周波励磁電流(搬送波)が信号磁界(信号波)で変調される現象ということができる。
図1−1において、2は磁気インピーダンス効果素子1に高周波励磁電流を加えるための励磁電流源である。3は磁気インピーダンス効果素子1の軸方向に作用する外部磁界(信号波)Hexで前記高周波励磁電流(搬送波)を変調させた磁気インピーダンス効果素子出力端変調波を復調する検波回路であり、例えば、変調波が整流されてその整流波が包絡線形に出力される。4は復調波を増幅する演算増幅回路、5は出力端、6は磁気インピーダンス効果素子1に付設した負帰還用コイル、60は増幅回路出力を負帰還用コイル6にかけて検出特性を直線化するための負帰還回路である。
負帰還用コイル6及び負帰還回路60を省略し、検出特性を図2の(イ)に示す原特性のままとすることも可能である。
7は磁気インピーダンス効果素子1に付設した制御コイルである。70は増幅回路出力中の特定周波数成分を取り出して制御コイル7に所定の比率でフィードバックさせるフィルター、71はそのフィードバック比率を調整するための可変抵抗、+Vccはバイアス磁界用直流電源、73はバイアス磁界調整用可変抵抗である。700は出力より反転入力端子に負帰還をかけた演算増幅回路であり、反転入力端子に+Vccとフィルター出力側を接続し、出力端子を制御コイル7に接続してある。
前記フィルター7の出力を0としたときの検出端の出力特性は、図2の(ハ)に示す通りであり、図2の(ロ)のHex=HaとHex=0との間のほぼ中央値を基準点とするように、可変抵抗73の調整により所定値の直流バイアス磁界をかけてある。
図1−2に示すように、磁気インピーダンス効果素子に前記制御コイルの外にバイアス専用コイル70を付設し、このバイアス専用コイル70に+Vccを電源として前記所定値の前記直流バイアス磁界をかけるようにしてもよい。
今、検出しようとする外部磁界に商用周波数の外部磁界ノイズH60が含まれているとする。
図3は商用周波数の外部磁界に対する磁気インピーダンス効果特性を示し、商用周波数外部磁界が充分に小でノイズとして実質的に作用しないΔH60のときの出力がΔE60で示されている。
前記商用周波数の外部磁界成分H60を打ち消しによりにΔH60にするのに必要な制御コイル7の通電電流をI60とすると、制御コイル7の巻数をn、コイル長さをL、長岡係数をKとして、
60−ΔH60=K・n・I60/L
で与えられる。
商用周波数の外部磁界に対する外部磁界ΔH60のときの磁気インピーダンス効果出力はΔE60であり、このΔE60を電圧源として負帰還で制御コイル7へフィードバックさせて前記の商用周波数の外部磁界成分H60−ΔH60を打ち消すには、フィードバック回路の抵抗をR、フィードバック比率をXとして、ΔE60・X/R=L(H60−ΔH60)/(n・K)、すなわち、フィードバック比率Xを
X=R・L(H60−ΔH60)/(ΔE60・n・K)に設定すればよい。
図3において、ΔE60=ΔH60/k‘として、
X=R・LH60(1−k‘ΔH60/H60)/(ΔE60・n・K)
に設定すればよい。
而るに、請求項1〜2の外部磁界の検出方法によれば、外部磁界作用下での磁気インピーダンス効果素子の端子電圧を検波し、その検波出力から商用周波数の検波出力を取り出し、その取り出した出力に基づく負帰還制御電流で前記磁気インピーダンス効果素子に前記商用周波数の外部磁界を打ち消す磁界を作用させ、前記取り出した商用周波数の検波出力をΔE60とするように前記制御電流を制御し、この制御のもとでの検波出力を検出出力とすることができるから、外部磁界から商用周波数の外部磁界成分を実質的に除いてその外部磁界を検出できる。
従って、商用周波数の外部磁界ノイズを除去して外部磁界を検出でき、更に商用周波数の外部磁界ノイズが原因で外部磁界が磁気インピーダンス効果出力特性の極性判別限界磁界を越える場合でも、外部磁界を商用周波数の外部磁界ノイズの除去により極性判別限界磁界内に納めて良好に検出できる。
なお、前記した式からも明らかなように、前記取り出した商用周波数の検波出力ΔE60を0するように前記制御電流を制御することは、Xが∞となって不安定であり、発振すよようになる。
前記において、フィードバックさせないときのフィルター出力は、検出出力中の特定周波数成分の値となる。
従って、フィルターの通過特定周波数を変え、フィルターの出力を測定すれば、各特定周波数における前記測定値から外部磁界の周波数スペクトラムを得ることができる。
前記特定周波数の外部磁界成分が直流磁界の場合、図1の磁気インピーダンス効果センサにおけるフィルター70には、周波数0の近傍を通過域とする超低域通過フィルターが使用される。
図4は直流外部磁界に対する磁気インピーダンス効果特性を示し、直流外部磁界が充分に小でノイズとして実質的に作用しないΔHdcのときの出力がΔEdcで示されている。
前記直流外部磁界成分Hdcを打ち消しによりにΔHdcにするのに必要な制御コイル7の通電電流をIdcとすると、制御コイル7の巻数をn、コイル長さをL、長岡係数をKとして、
dc−ΔHdc=K・n・Idc/L
で与えられる。
直流外部磁界に対する外部磁界ΔHdcのときの磁気インピーダンス効果出力はΔEdcであり、このΔEdcを電圧源として負帰還で制御コイル7へフィードバックさせて前記の直流の外部磁界成分Hdc−ΔHdcを打ち消すには、フィードバック回路の抵抗をR、フィードバック比率をX‘、図4において、ΔEdc=ΔHdc/k“として、
X‘=R・LHdc(1−k“ΔHdc/Hdc)/(ΔEdc・n・K)
に設定すればよい。
而るに、請求項1.3の外部磁界の検出方法によれば、外部磁界作用下での磁気インピーダンス効果素子の端子電圧を検波し、その検波出力から直流の検波出力分を取り出し、その取り出した出力に基づく負帰還制御電流で前記磁気インピーダンス効果素子に前記直流の外部磁界を打ち消す磁界を作用させ、前記取り出した直流の検波出力分をΔEdcとするように前記制御電流を制御し、この制御のもとでの検波出力を検出出力とすることができるから、外部磁界から直流の外部磁界成分を除いてその外部磁界を検出できる。
従って、地磁気や鉄系構造物の残留磁気等による外部直流磁界ノイズを除去して外部磁界を検出でき、更に直流の外部磁界ノイズが原因で外部磁界が磁気インピーダンス効果出力特性の極性判別限界磁界を越える場合でも、外部磁界を直流の外部磁界ノイズの除去により極性判別限界磁界内に納めて良好に検出できる。
また、検波回路や演算増幅回路のパラメータが温度等により変化して検出出力がオフセット変化しても、この変化は実質的に直流分の変化であり、この変化が前記フイードバックによる負帰還で減じられるから、オフセットの自動打消の効果も得られる。
本発明に係る磁気インピーダンス効果センサにおいて、磁気インピーダンス効果素子1には、零磁歪乃至は負磁歪のアモルファスワイヤの外、アモルファスリボン、アモルファススパッタ膜等も使用できる。
本発明に係る磁気インピーダンス効果センサにおいて、磁気インピーダンス効果素子1には、遷移金属と非金属の合金で非金属が10〜30原子%組成のもの、特に遷移金属と非金属との合金で非金属量が10〜30原子%を占め、遷移金属がFeとCoで非金属がBとSiであるかまたは遷移金属がFeで非金属がBとSiである組成のものを使用することができ、例えば、組成Co70.515Si10Fe4.5、長さ2000μm〜6000μm、外径30μm〜50μmφのものを使用できる。
高周波励磁電流には、例えば連続正弦波、パルス波、三角波等の通常の高周波を使用でき、高周波励磁電流源としては、例えばハートレー発振回路、コルピッツ発振回路、コレクタ同調発振回路、ベース同調発振回路のような通常の発振回路の外、水晶発振器の矩形波出力を直流分カットコンデンサを経て積分回路で積分しこの積分出力の三角波を増幅回路で増幅する三角波発生器、CMOS−ICを発振部として使用した三角波発生器等を使用できる。
検波回路3としては、例えば変調波を演算増幅回路で半波整流しこの半波整流波を並列RC回路またはRCローパスフィルターで処理して半波整流波の包絡線出力を得る構成、変調波をダイオードで半波整流しこの半波整流波を並列RC回路またはRCローパスフィルターで処理して半波整流波の包絡線出力を得る構成等を使用できる。
また、被変調波(周波数fs)に同調させた周波数fsの方形波を被変調波に乗算して信号波をサンプリングする同調検波を使用することができる。
上記の実施例では、被変調波の復調によって信号磁界(信号波)を取り出しているが、これに限定されず、磁気インピーダンス効果素子に作用する信号磁界(信号波)で変調された高周波励磁電流波(搬送波)から信号磁界を検波し得るものであれば、適宜の検波手段を使用できる。
負帰還用コイル及び制御コイルは磁気インピーダンス効果素子に巻き付けることができる。また、図7に示すように磁気インピーダンス効果素子とループ磁気回路を構成する鉄芯に負帰還用コイル及び制御コイルを巻き付けることもできる。
図5の(イ)は鉄芯コイル付き磁気インピーダンス効果ユニットの一例を示す側面図、図5の(ロ)は同じく底面図、図5の(ハ)は図5の(ロ)におけるハ−ハ断面図である。
図5において、100は基板チップであり、例えばセラミックス板を使用できる。101は基板片の片面に設けた電極であり、磁気インピーダンス効果素子接続用突部102を備えている。この電極は導電ペースト、例えば銀ペーストの印刷・焼付けにより設けることができる。1xは電極101,101の突部102,102間にはんだ付けや溶接により接続した磁気インピーダンス効果素子であり、前記した通り零磁歪乃至負磁歪のアモルファスワイヤ、アモルファスリボン、スパッタ膜等を使用できる。103は鉄やフェライト等からなるC型鉄芯、6xはC型鉄芯に巻装した負帰還用コイル、7xは同じく制御コイルであり、磁気インピーダンス効果素子1xとC型鉄芯103とでループ磁気回路を構成するように、C型鉄芯103の両端を基板片100の他面に接着剤等で固定してある。鉄芯材料としては、残留磁束密度の小さい磁性体であればよく、例えば、パーマロイ、フェライト、鉄、アモルファス磁性合金の他、磁性体粉末混合プラスチック等を挙げることができる。
本発明に係る磁気インピーダンス効果センサにおいて、負帰還動作は出力特性の直線化や動作の安定化に有効である。この負帰還は省略することも可能である。
本発明に係る磁気インピーダンス効果センサの一実施例を示す回路図である。 本発明に係る磁気インピーダンス効果センサの一実施例を示す回路図である。 磁気インピーダンス効果特性を示す図面である。 商用周波数磁界を外部磁界とする磁気インピーダンス効果特性を示す図面である。 直流磁界を外部磁界とする磁気インピーダンス効果特性を示す図面である。 本発明に係る磁気インピーダンス効果センサにおいて使用される磁気インピーダンス効果ユニットを示す図面である。 従来の磁気インピーダンス効果センサを示す図面である。 図6の磁気インピーダンス効果センサにおける各所での入・出力波形を示す図面である。
符号の説明
1 磁気インピーダンス効果素子
2 励磁電流源
3 検波回路
4 演算増幅回路
5 検出出力端
6 負帰還磁界用コイル
60 負帰還回路
7 制御コイル
70 フィルター
71 可変抵抗

Claims (7)

  1. 外部磁界を特定周波数の外部磁界成分を実質的に除去して磁気インピーダンス効果センサにより検出する方法であり、外部磁界作用下での磁気インピーダンス効果素子の端子電圧を検波し、その検波出力から特定周波数の検波出力分を取り出し、その取り出した出力に基づく負帰還制御電流で前記磁気インピーダンス効果素子に前記特定の周波数の外部磁界成分を打ち消す磁界を作用させ、かかる打消しのもとでの検波出力を検出出力とすることを特徴とする外部磁界の検出方法。
  2. 特定周波数の外部磁界成分が商用周波数の外部磁界成分であることを特徴とする請求項1記載の外部磁界の検出方法。
  3. 特定周波数の外部磁界成分が直流の外部磁界成分であることを特徴とする請求項1記載の外部磁界の検出方法。
  4. 制御コイルを付設した磁気インピーダンス効果素子と、磁気インピーダンス効果素子に励磁電流を通電する励磁電流源と、磁気インピーダンス効果素子の端子出力を検波する検波回路と、検波出力を増幅する演算増幅回路と、該増幅回路の出力に対する検出端と、増幅回路の出力から特定周波数の成分を取り出すフィルターとを備え、磁気インピーダンス効果素子に加わる外部磁界中の特定周波数の外部磁界成分を打ち消す打消磁界を制御するための手段を前記フィルターの出力端と前記制御コイルとの間に設けたことを特徴とする磁気インピーダンス効果センサ。
  5. 磁気インピーダンス効果素子に加わる外部磁界に対するバイアス磁界を設定する手段を前記フィルターの出力端と前記制御コイルとの間に付設したことを特徴とする請求項4記載の磁気インピーダンス効果センサ。
  6. 磁気インピーダンス効果素子に負帰還用コイルを付設し、演算増幅回路の出力を負帰還用コイルに負帰還させる負帰還回路を付加したことを特徴とする請求項4または5記載の磁気インピーダンス効果センサ。
  7. 請求項4〜5何れか記載の磁気インピーダンス効果センサを使用して外部磁界を検出する方法であり、フィルターの通過特定周波数を変え、各特定周波数において外部磁界の打消を行っている状況でのフィルター出力を測定し、各特定周波数における前記測定値から外部磁界の周波数スペクトラムを得ることを特徴とする外部磁界の検出方法。
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