JP2005043254A - 導体電流測定方法。 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気イスピーダンス効果を利用して磁界を検出する方法により導体電流に基づく磁界を導体位置の多少のずれやノイズ磁界の影響を排除して高精度で検出し、導体電流の高精度の測定を可能にする。
【解決手段】被検出磁界を磁気インピーダンス効果エレメントを使用して極性判別可能なリニア出力特性で検出する磁界センサにより、導体電流に基づく周回磁界Hを検出してその導体電流を測定する方法であり、導体eを囲む円周上に2n箇の磁気インピーダンス効果エレメントを、円周中心を対称中心とするn組1m,1m’(n=1〜n)の対にて、しかも前記周回路磁界に対し順方向または逆方向に揃えた向きで配設し、n組の対の各対における両磁気インピーダンス効果エレメントの磁界検出信号を加算し、これらn箇の加算出力に基づき前記の導体電流を測定する。
【選択図】図3

Description

本発明は導体電流を磁界検出により測定する方法に関するものである。
アモルファス合金ワイヤとして、自発磁化の方向がワイヤ周方向に対し互いに逆方向の磁区が交互に磁壁で隔てられた構成の外殻部を有する、零磁歪乃至は負磁歪のアモルファス合金ワイヤが開発されている。
かかる零磁歪乃至は負磁歪のアモルファス磁性ワイヤに高周波励磁電流したときに発生するワイヤ両端間出力電圧中のインダクタンス電圧分は、ワイヤの横断面内に生じる円周方向磁束によって上記の円周方向に易磁化性の外殻部が円周方向に磁化されることに起因して発生する。従って、周方向透磁率μθは同外殻部の円周方向の磁化に依存する。
而るに、この通電中のアモルファスワイヤの軸方向に被検出磁界を作用させると、上記通電による円周方向磁束と被検出磁界磁束との合成により、上記円周方向に易磁化性を有する外殻部に作用する磁束の方向が円周方向からずれ、それだけ円周方向への磁化が生じ難くなり、上記周方向透磁率μθが変化し、上記インダクタンス電圧分が変動することになる。
而して、この変動現象が磁気インダクタンス効果と称され、これは上記高周波励磁電流(搬送波)が被検出磁界(変調波)で変調される現象ということができる。
更に、上記通電電流の周波数がMHzオ−ダになると、高周波表皮効果が大きく現れ、表皮深さδ=(2ρ/wμθ1/2(μθは前記した通り、円周方向透磁率、ρは電気抵抗率、wは角周波数をそれぞれ示す)がμθにより変化し、このμθが前記した通り、被検出磁界によって変化するので、ワイヤ両端間出力電圧中の抵抗電圧分も被検出磁界で変動するようになる。
而して、この変動現象が磁気インピーダンス効果と称され、これは上記高周波励磁電流(搬送波)が被検出磁界(変調波)で変調される現象ということができる。
そこで、この磁気インピーダンス効果エレメントを利用した磁界検出法(例えば、特許文献1参照)及び磁気インダクタンス効果を使用した磁界検出方法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
特開平7−181239号公報 特開平6−283344号公報
導体電流Iの測定方法として、周囲空間の磁界強度Hを検出することによりその導体電流Iを測定することが周知である。すなわち、導体を囲む任意の閉曲線cのある点の磁界強度をH、閉曲線のある点での微小長さをΔl、導体電流をIとすると、アンペアの周回路の法則により
∫cHdl=I
が成立し、導体中心を中心とする半径rの閉曲線(円周)に沿っての磁界強さHは
H=I/(2πr)
で与えられ、、磁界強さHを計測すればこの式から導体電流Iを求めることができる。
そこで、この磁界強さHを磁気インピーダンス効果磁界検出法により検出して上記導体電流Iを測定することが提案されている。
しかしながら、磁気インピーダンス効果アモルファスワイヤと導体との間の距離が上記rに対しずれたり、磁気インピーダンス効果アモルファスワイヤの軸方向が上記円周の接線からずれたりして測定誤差が発生し易いという不都合がある。
そこで、導体の周りに環状磁芯からなる導磁路を設け、この導磁路の途中に空隙を設け、この空隙内に磁気インピーダンス効果エレメントを配設することが考えられている。この場合、導体が環状磁芯の中心からずれて環状磁芯に対し磁界分布が変化しても、環状磁芯を通る磁束がその磁芯の強い導磁性のために元の状態に保持されようとし、導体位置が多少ずれても、環状磁芯途中の空隙の磁束、すなわち磁気インピーダンス効果エレメントを通る磁束を充分に一定にでき、磁界強度も充分に一定にできる。従って、導体の位置のずれによる導体電流測定誤差をよく抑えることができる。
しかしながら、環状磁芯にその強い導磁性のために地磁気等のノイズ磁界が通り、ノイズ磁界の影響が避けられない。
本発明の目的は、磁気インピーダンス効果を利用して磁界を検出する方法により導体電流に基づく磁界を導体位置の多少のずれやノイズ磁界の影響を排除して高精度で検出し、導体電流の高精度の測定を可能にすることにある。
請求項1に係る導体電流測定方法は、被検出磁界を磁気インピーダンス効果エレメントを使用して極性判別可能なリニア出力特性で検出する磁界センサにより、導体電流に基づく周回路磁界を検出してその導体電流を測定する方法であり、導体を囲む円周上に2n箇の磁気インピーダンス効果エレメントを円周中心を対称中心とするn組の対をなし、しかも各対の磁気インピーダンス効果エレメントを前記周回路磁界を基準として同極性とするように設け、n組の対の各対における両磁気インピーダンス効果エレメントに基づく磁界検出信号を加算し、これらn箇の加算出力に基づき前記の導体電流を測定することを特徴とする。
請求項2に係る導体電流測定方法は、被検出磁界を磁気インピーダンス効果エレメントを使用して極性判別可能なリニア出力特性で検出する磁界センサにより、導体電流に基づく周回路磁界を検出してその導体電流を測定する方法であり、導体を囲む円周上に2n箇の磁気インピーダンス効果エレメントを円周中心を対称中心とするn組の対をなし、n組の対における一方の磁気インピーダンス効果エレメント群をエレメント出力の和を得るように接続し、同じく他方の磁気インピーダンス効果エレメント群をエレメント出力の和を得るように接続し、しかもそれらの接続を両接続磁気インピーダンス効果エレメント群の極性を前記周回路磁界に対し同極性となすように行い、これら両接続磁気インピーダンス効果エレメント群に基づく磁界検出信号を加算し、この加算出力に基づき前記の導体電流を測定することを特徴とする。
請求項3に係る導体電流測定方法は、被検出磁界を磁気インピーダンス効果エレメントを使用して極性判別可能なリニア出力特性で検出する磁界センサにより、導体電流に基づく周回路磁界を検出してその導体電流を測定する方法であり、導体を囲む円周上に2n箇の磁気インピーダンス効果エレメントを円周中心を対称中心とするn組の対をなし、しかも各対の磁気インピーダンス効果エレメントを前記周回路磁界を基準として逆極性とするように設け、n組の対の各対における両磁気インピーダンス効果エレメントに基づく磁界検出信号を減算し、これらn箇の減算出力に基づき前記の導体電流を測定することを特徴とする。
請求項4に係る導体電流測定方法は、被検出磁界を磁気インピーダンス効果エレメントを使用して極性判別可能なリニア出力特性で検出する磁界センサにより、導体電流に基づく周回路磁界を検出してその導体電流を測定する方法であり、導体を囲む円周上に2n箇の磁気インピーダンス効果エレメントを円周中心を対称中心とするn組の対をなし、n組の対における一方の磁気インピーダンス効果エレメント群をエレメント出力の和を得るように接続し、同じく他方の磁気インピーダンス効果エレメント群をエレメント出力の和を得るように接続し、、しかもそれらの接続を両接続磁気インピーダンス効果エレメント群の極性を前記周回路磁界に対し逆極性となすように行い、これら両接続磁気インピーダンス効果エレメント群に基づく磁界検出信号を減算し、この減算出力に基づき前記の導体電流を測定することを特徴とする。
請求項5に係る導体電流測定方法は、被検出磁界を磁気インピーダンス効果エレメントを使用して極性判別可能なリニア出力特性で検出する磁界センサにより、導体電流に基づく周回路磁界を検出してその導体電流を測定する方法であり、導体を囲む円周上に2n箇の磁気インピーダンス効果エレメントを、円周中心を対称中心とするn組の対をなし、しかも各対の磁気インピーダンス効果エレメントを前記周回路磁界を基準として逆極性とするように設け、n組の対の各対における両磁気インピーダンス効果エレメントに基づく磁界検出信号を差動増幅し、これらn箇の差動増幅出力に基づき前記の導体電流を測定することを特徴とする。
請求項6に係る導体電流測定方法は、被検出磁界を磁気インピーダンス効果エレメントを使用して極性判別可能なリニア出力特性で検出する磁界センサにより、導体電流に基づく周回路磁界を検出してその導体電流を測定する方法であり、導体を囲む円周上に2n箇の磁気インピーダンス効果エレメントを、円周中心を対称中心とするn組の対をなし、n組の対における一方の磁気インピーダンス効果エレメント群をエレメント出力の和を得るように接続し、同じく他方の磁気インピーダンス効果エレメント群をエレメント出力の和を得るように接続し、しかもそれらの接続を両接続磁気インピーダンス効果エレメント群の極性を前記周回路磁界に対し逆極性となすように行い、これら両接続磁気インピーダンス効果エレメント群に基づく磁界検出信号を差動増幅し、この差動増幅出力にもとづき導体電流を測定することを特徴とする。
請求項7に係る導体電流測定方法は、請求項2または4あるいは6の導体電流測定方法において、出力特性をリニア化するための負帰還用コイルを各磁気インピーダンス効果エレメントの近傍に配設し、n組の対における一方の磁気インピーダンス効果エレメントの近傍に配設した負帰還用コイルを直列に接続し、同じく他方の磁気インピーダンス効果エレメントの近傍に配設した負帰還用コイルを直列に接続することを特徴とする。
請求項8係る導体電流測定方法は、被検出磁界を磁気インピーダンス効果エレメントを使用して極性判別可能なリニア出力特性で検出する磁界センサにより、導体電流に基づく周回路磁界を検出してその導体電流を測定する方法であり、導体を囲む円周上に2n箇の磁気インピーダンス効果エレメントを円周中心を対称中心とするN組の対をなすように設け、N組のうちのx組(x<n)の対の磁気インピーダンス効果エレメントについては請求項1または3あるいは5の何れかの方法によりx箇の加算出力またはx箇の減算出力あるいはx箇の差動増幅出力の何れかのx箇の出力を得、同じく(N−x)組の対の磁気インピーダンス効果エレメントについては、同じく他の方法により、他の(N−x)の出力を得、これらのx箇の出力と(N−x)組の出力に基づき前記の導体電流を測定する。
請求項9係る導体電流測定方法は、請求項1〜8何れか記載の導体電流測定方法において、各磁気インピーダンス効果エレメントにC型鉄芯を付設して磁気回路を構成し、該鉄芯に出力特性を極性判別可能とするためのバイアス磁界用コイル、出力特性をリニア化するための負帰還用コイルの少なくとも一方を巻装することを特徴とする請求項1〜8何れか記載の導体電流測定方法。
請求項10係る導体電流測定方法は、請求項1〜8何れか記載の導体電流測定方法において、磁気インピーダンス効果エレメントの近傍に負帰還用兼バイアス磁界用コイルを配設し、該コイルに直流バイアス信号と負帰還信号の重畳信号を入力するための演算回路を負帰還回路に挿入して出力特性の極性判別化とリニア化を行なうことを特徴とする。
請求項11係る導体電流測定方法は、請求項1〜8何れか記載の導体電流測定方法において、各磁気インピーダンス効果エレメントにC型鉄芯を付設して磁気回路を構成し、該鉄芯に負帰還用兼バイアス磁界用コイルを巻装し、該コイルに直流バイアス信号と負帰還信号の重畳信号を入力するための演算回路を負帰還回路に挿入して出力特性の極性判別化とリニア化を行なうことを特徴とする。
磁気インピーダンス効果を利用する磁界検出法により導体電流に基づく磁界を検出して導体電流を測定する場合、導体位置に多少のずれが生じても測定誤差を充分に軽減でき、また地磁気等のノイズ磁界による測定誤差もよく排除できる。
特に差動法では同相成分を検出量から排除できるから、復調回路等の温度変化等に起因するそ測定誤差を低減できる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1はは本発明において使用する磁界検出法における磁気インピーダンス効果エレメントの出力特性を示している。
前述した通り、磁気インピーダンス効果エレメントにおいては励磁電流に基づく円周方向磁束と被検出磁界による軸方向磁束との合成により、円周方向に易磁化性を有する外殻部に作用する磁束の方向が円周方向からずれされるために、周方向透磁率μθが変化し、インダクタンスが変動され、この円周方向透磁率μθの高周波表皮効果の表皮深さの変化でインピーダンスが変動される(磁気インピーダンス効果)。従って、被検出磁界の±により上記合成磁界による周方向ずれφも±φになるが、周方向の磁界の減少倍率cos(±φ)は変わらず、従ってμθの減少度は被検出磁界の方向の正負によっては変化されない。かかるもとでは、被検出磁界−出力特性は、図1の(イ)のように被検出磁界をx軸に、出力をy軸にとるとほぼ左右対称となる。この左右対称性のもとでは、被検出磁界の極性判別を行なうことができない。そこで、被検出磁界の範囲−Hmax〜+Hmaxで極性判別を可能とするために、図1の(ロ)に示すようにバイアス磁界Hbをかけ、更に図1の(ハ)に示すように0点を基準点とするように零点調節して極性判別を可能としている。通常このようにして得られる出力特性は非直線性であり、検出を容易化するために負帰還をかけて図1の(ニ)に示すように、リニア化している。
図2は請求項1〜2に係る導体電流測定方法に使用する加算型磁界検出法を示している。
図2において、1,1’は被検出磁界Hに対し同極性で配設した一対の磁気インピーダンス効果エレメントである。Sは磁気インピーダンス効果エレメントに対する高周波励磁電流源であり、各磁気インピーダンス効果エレメント1,1’の出力端に、被検出磁界Hで高周波励磁電流を変調した被変調波を出力させる。2,2’は復調回路であり、被変調波を復調して被検出磁界を取り出す。3,3’は前記の復調波を増幅する増幅器である。4,4’は磁気インピーダンス効果エレメント1,1’の近傍に配設した負帰還用コイルであり、増幅器出力をこの負帰還用コイルを介して負帰還させて出力特性をリニア化している。5,5’は磁気インピーダンス効果エレメントの近傍に配設したバイアス磁界用コイルであり、磁気インピーダンス効果エレメント1,1’にバイアス磁界をかけて出力特性を極性判別可能にしている。両磁気インピーダンス効果エレメントにかけるバイアス磁界は同極性であれば、印加構造は適宜の構成にできる。Bは両増幅器3,3’の出力を加算する加算回路である。
図2において、磁気インピーダンス効果エレメント1,1’、復調器2,2’、増幅器3,3’等には同一特性のものが使用される。従って、両増幅器3,3’の出力特性は同一であり、その特性は図1の(ニ)に示した通りの極性判別性のリニア特性であって、被検出磁界をHとすると、出力EoutはEout=kHで与えられる。
図2において、両磁気インピーダンス効果エレメント1,1’に同一強度・同方向の同相磁界Hが作用すると、この磁界に対する各増幅器3,3’の出力が同極性・同一値の同相分のみとなり、Eout=kHで与えら、この増幅器出力の加算出力ΣEoutがΣEout=2kHで与えられる。
これに対し、両磁気インピーダンス効果エレメント1,1’に同一強度・逆方向の逆相磁界H’が作用すると、この磁界に対する両増幅器の出力が逆極性・同一値の逆相分のみとなり、すなわち、Eout=±kHで与えられ、この増幅器出力の加算出力ΣEoutがΣEout=0となる。従って、逆相磁界成分は検出されない。
図3は請求項1に係る導体電流測定方の実施例を示す図面である。
図3の(イ)は2nの磁気インピーダンス効果エレメントの配設パターンを示している。eは直線導体であり、この導体電流Iが本発明の測定対象である。cは導体eを囲む円周線、Hは導体電流Iに基づく円周線に沿う周回路磁界であり、円周半径をrとすると、H=I/(2πr)で与えられる。11,…1n,11',…1n'は円周線上に配設した2n箇の磁気インピーダンス効果エレメントであり、円周中心を対称中心とするn組の対をなし、しかも向きを前記周回路磁界に対し一方向(順方向または逆方向)に揃えて配設してある。対は1m,1m’で示してある。
これらの各対の2個の磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’を用い図3の(ロ)に示すように、前記した加算型磁界センサをm=1〜nとしてn組、構成してある。すなわち、図3の(ロ)に示すように、対をなす磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’のそれぞれに復調回路2m,2m’を接続し、これら復調回路2m,2m’のそれぞれに増幅器3m,3m’を接続し、各増幅器3m,3m’の出力を各負帰還用コイル4m,4m’を経て各磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’に負帰還させ、各バイアス磁界用コイル5m,5m’で各各磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’に同極性でバイアス磁界をかけるようにした加算型磁界センサをm=1〜nとしてn組、構成してある。Bmは加算回路である。更に、これらn組の加算型磁界センサの出力を加算または減算して前記前記のHを検出し、H=I/(2πr)に基づき導体電流を測定するための電流測定部Dを設けてある。
上記磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’、復調器2m,2m’、増幅器3m,3m’等には同一特性のものを使用することが好ましい。
図3の(イ)において、磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’(m=1〜n)が配設された円周cの周回路の相当部分が導磁率の高いアモルファス磁性体で占められているので、その周回路の導磁性が充分に高く、導体eの位置ずれにより磁界分布が変化しても、高導磁性周回路を通る磁束が元のままに保持されようとし、その結果導体の位置ずれによる出力の変度をよく抑えることができるため、導体eの位置ずれによる導体電流の測定誤差を充分に軽減でき、導体電流を充分に高精度で測定できる。
上記n組の各加算型磁界センサの磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’(m=1〜n)には周回路磁界Hが作用し、前記した通り導体位置の多少のずれにもかかわらずそのHを一定に保持できるから、各加算型磁界センサの出力ΣEout=2kHは一定であり、これら加算型磁界センサの出力を加算・減算する電流測定部の出力からHを検出して導体電流Iを充分に高い精度で測定できる。
また、図3の(イ)に示すようにノイズ磁界H’が作用する場合、対をなす磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’の軸心を通るノイズ磁界成分Hm,Hm’が図3の(ロ)に示すように磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’の軸方向に対し逆方向であり、しかも磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’の軸心のノイズ磁界H’に対する角度が等しいために、ノイズ磁界H’は磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’に対し逆相で作用し、mが1〜nの何れであっても加算型磁気センサの出力端、すなわち加算回路Bmの出力端には出力されない。従って、ノイズ磁界の影響を排除して導体電流を充分に高い精度で測定できる。
図4は請求項2に係る導体電流測定方の実施例を示す図面である。
図4の(イ)において、1m,1m’は導体eを囲む円周上に配設された磁気インピーダンス効果エレメントの対を示し、前記と同様円周中心を対称中心とし、n組とされ、導体電流Iに基づく周回路磁界Hに対し一方向(順方向または逆方向)の向きに揃えられている。図4の(ロ)に示すように、このn組の対の磁気インピーダンス効果エレメントの、各対の一方の磁気インピーダンス効果エレメント例えば11〜1nを直列に接続し、各対の他方の磁気インピーダンス効果エレメント例えば11’〜1n’を直列に接続してある。このそれぞれの直列接続磁気インピーダンス効果エレメント群の出力端に復調回路2,2’を接続し、各復調回路2,2’に増幅器3,3’を接続してある。前記一方の磁気インピーダンス効果エレメント1m(m=1〜n)の近傍に配設した負帰還用コイル4m(m=1〜n)を直列に接続し,増幅器3の出力をこの直列接続負帰還用コイル4m(m=1〜n)を経て負帰還させ、前記他方の磁気インピーダンス効果エレメント1m’(m=1〜n)の近傍に配設した負帰還用コイル4m’(m=1〜n)を直列に接続し,増幅器3’の出力をこの直列接続負帰還用コイル4m’(m=1〜n)を経て負帰還させてある。また、前記一方の磁気インピーダンス効果エレメント1m(m=1〜n)の近傍に配設したバイパス磁界用コイル5m(m=1〜n)及び前記他方の磁気インピーダンス効果エレメント1m’(m=1〜n)の近傍に配設したバイパス磁界用コイル5m’(m=1〜n)を直列に接続し,両直列接続磁気インピーダンス効果エレメント群に同極性でバイアス磁界をかけている。これら両増幅器3,3’の出力端を加算回路Bに接続してある。
上記の磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’、復調回路2,2’、増幅器3,3’は同一性能のものを使用することが好ましい。
図4の(イ)において、導体位置に多少のずれが生じても、前述したように磁気インピーダンス効果エレメントが配設された円周線cを通る磁界Hは前記した通りこの周回路の高い導磁性のために安定に保持され、各磁気インピーダンス効果エレメントの軸心を通る被検出磁界Hは一定である。而るに、図4の(ロ)において、増幅器3(3’)の出力は、直列接続磁気インピーダンス効果エレメント11,〜1n(11’,〜1n’)の総計長さの単一磁気インピーダンス効果エレメントにその全長に沿い一様に負帰還がかけられ、その全長に沿い一様にバイアス磁界がかけられた場合の増幅器の出力に実質的に等しい。この両直列接続磁気インピーダンス効果エレメントに作用する被検出磁界が全体的に同一方向・同一値の同相分のみであるから、両増幅器の出力が同相でありkHで表わすことができ、加算器の出力が2kHとなり、これよりHを検出し、H/(2πr)により導体電流Iを充分に高い精度で測定できる。
また、対をなす両磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’の軸心に作用するノイズ磁界成分は、同一値、逆方向であり逆相分+H’m,−H’mであり、対が異なるとその逆相分の大きさが異なることになるが、図1の(ニ)に示す出力の極性判別性・リニアのために、その被検出磁界+H’m,−H’mに対する磁界検出信号出力が大きさ同一・反対極性の逆相分のみの+E’m,−E’mとなるから、加算器の総括出力としては出力されず、ノイズ磁界の影響を受けることなく高感度の導体電流測定が可能となる。
上記図3及び図4に示す実施例では、加算器に入力させる磁界信号出力を同相としているが、これを逆相とし、加算器に代え減算器を使用しても上記した導体電流の高精度かつ高感度の測定が可能である。
図5は請求項5〜6に係る導体電流測定法に使用する差動型磁界検出法を示している。
図5において、1m,1m’は被検出磁界に対し互いに逆極性で配設した一対の磁気インピーダンス効果エレメントである。Sは磁気インピーダンス効果エレメントに対する高周波励磁電流源であり、各磁気インピーダンス効果エレメントの出力端に、被検出磁界Hで高周波励磁電流を変調した被変調波を出力させる。2,2’は復調回路であり、被変調波を復調して磁界検出信号を出力させる。30は前記の復調器出力を差動増幅する差動増幅器である。4m,4m’は磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’の近傍に配設した負帰還用コイルであり、差動増幅器出力をこれらの負帰還用コイル経て負帰還させ出力特性をリニア化している。5m,5m’は磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’の近傍に配設したバイパス磁界用コイルであり、磁気インピーダンス効果エレメントにバイアス磁界をかけて出力特性を極性判別可能にしている。両磁気インピーダンス効果エレメントにかけるバイアス磁界は各磁気インピーダンス効果エレメントの極性に応じた極性であればよく、印加は適宜の方式で行なうことができる。
図5において、磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’、復調器2,2’には同一特性のものを使用することが好ましい。両復調器2,2’の出力端の磁界検出信号の特性は図1の(ニ)に示したものと実質的に同じであり極性判別可能なリニア特性である。
図5において、両磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’に同一強度・同方向の同相磁界Hが作用すると、両磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’が互いに逆極性であるから、この磁界に対する各復調器2,2’の出力が逆極性・同一値、すなわち逆相となる。差動増幅器は逆相分に対しては利得が大きく、すなわち差動利得が大きく、差成分だけが利得倍されて出力されから、逆相分の差動増幅出力で負帰還用コイルを経て両磁気インピーダンス効果エレメントに負帰還がかけられてリニアな出力特性とされ、バイアス磁界により極性判別性の出力特性とされる。従って、同一強度・同方向の同相磁界をHとすると、E=kHの出力特性が得られる。
図5において、両磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’に同一強度・逆方向の逆相磁界H’が作用すると、両磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’が互いに逆極性であるから、この磁界に対する各復調器2,2’の出力が同極性・同一値、すなわち同相となる。差動増幅器の同相分に対する利得がほぼ0であるから、差動増幅器に出力されない。
図6は請求項5に係る導体電流測定方法の実施例を示す図面である。
図6の(イ)は、2n箇の磁気インピーダンス効果エレメントの配設パターンを示している。eは直線導体であり、この導体電流Iが本発明の測定対象である。cは導体eを囲む円周線、Hは導体電流Iに基づく円周線に沿う周回路磁界であり、円周半径をrとすると、H=I/(2πr)で与えられる。11,…1n,11',…1n'は円周線上に配設した2n箇の磁気インピーダンス効果エレメントであり、円周中心を対称中心とするn組の対をなしている。
これらの各対の2個の磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’を用い図6の(ロ)に示すように、前記した差動型磁界センサをm=1〜nとしてn組、構成してある。すなわち、図6の(ロ)に示すように、対をなす磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’を被検出磁界に対し互いに逆極性となる逆向きで配設し、この両磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’のそれぞれに復調回路2m,2m’を接続し、これら2個の復調回路2m,2m’の出力端を差動増幅器30mに接続し、差動増幅器30mの出力を各負帰還用コイル4m,4m’を経て各磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’に負帰還させ、各バイパス磁界用コイル5m,5m’で各磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’に磁気インピーダンス効果エレメントの極性に応じた極性でバイアス磁界をかけるようにした差動型磁界センサをm=1〜nとしてn組、構成してある。更に、これらn組の加算型磁界センサの出力を加算または減算して前記のHを検出し、H=I/(2πr)に基づき導体電流を測定するための電流測定部を設けてある。
上記n組の各加算型磁界センサの磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’(m=1〜n)には周回路磁界Hが作用し、導体位置の多少のずれにもかかわらずそのHを一定に保持でき、図6の(ロ)から明らかなように、この周回路磁界Hが対の磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’に逆相で作用し、各差動型増幅器30mの出力がHに比例し、kHで表わすことができ、n箇の差動増幅器(m=1〜n)の出力を加算・減算する電流測定部Dの出力からHを検出して導体電流Iを充分に高い精度で測定できる。
また、ノイズ磁界H’に対し、対をなす磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’の軸心を通るノイズ磁界成分Hm,Hm’が磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’の軸方向に対し逆方向であり、しかも磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’の軸心のノイズ磁界H’に対する角度が等しいために、ノイズ磁界H’が磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’に逆相で作用し、差動増幅器に同相で入力されるから、各差動増幅器には出力されない。従って、ノイズ磁界の影響を排除して導体電流を充分に高い感度で測定できる。
図7は請求項6に係る導体電流測定方の実施例を示す図面である。
図7の(イ)において、11〜1n,11’〜1n’は導体eを囲む円周c上に配設された磁気インピーダンス効果エレメントの対を示し、前記と同様円周中心を対称中心としてn組の対をなし、各対の一方の磁気インピーダンス効果エレメント例えば11〜1nと、各対の他方の磁気インピーダンス効果エレメント例えば11’〜1n’とを互いに逆向きで配設して逆極性としてある。図7の(ロ)に示すように、このn組の対の磁気インピーダンス効果エレメントの、各対の前記一方の磁気インピーダンス効果エレメント例えば11〜1nを直列に接続し、各対の他方の磁気インピーダンス効果エレメント例えば11’〜1n’を直列に接続してある。このそれぞれの直列接続磁気インピーダンス効果エレメント群の出力端に復調回路2,2’を接続し、両復調回路2,2’に差動増幅器3を接続してある。前記一方の磁気インピーダンス効果エレメント1m(m=1〜n)の近傍に配設した負帰還用コイル4m(m=1〜n)及び前記他方の磁気インピーダンス効果エレメント1m’(m=1〜n)の近傍に配設した負帰還用コイル4m’(m=1〜n)を直列に接続し,差動増幅器3の出力をこの直列接続負帰還用コイル4m−負帰還用コイル4m’(m=1〜n)を経て両直列接続磁気インピーダンス効果エレメント群に負帰還させてある。また、前記一方の磁気インピーダンス効果エレメント1m(m=1〜n)の近傍に配設したバイパス磁界用コイル5m(m=1〜n)及び前記他方の磁気インピーダンス効果エレメント1m’(m=1〜n)の近傍に配設したバイパス磁界用コイル5m’(m=1〜n)を直列に接続し,両直列接続磁気インピーダンス効果エレメント11〜1n,11’〜1n’に磁気インピーダンス効果エレメント11〜1n,11’〜1n’の極性に応じた同極でバイアス磁界をかけている。
図7の(イ)において、導体位置に多少のずれが生じても、磁気インピーダンス効果エレメントが配設された円周線cを通る磁界Hは前記した通りこの周回路の高い導磁性のために安定に保持され、各磁気インピーダンス効果エレメントの軸心を通る被検出磁界Hが一定である。而るに、図7の(ロ)において、復調器2,2’の出力については、直列接続磁気インピーダンス効果エレメントの総計長さの単一磁気インピーダンス効果エレメントにその全長に沿い一様に被検出磁界Hがかけられ、その全長に沿い一様に負帰還がかけられ、その全長に沿い一様にバイアス磁界がかけられたときの復調器の出力に実質的に等しい。両直列接続磁気インピーダンス効果エレメント11〜1n,11’〜1n’に作用する被検出磁界が全体的に逆方向・同一値で逆相であるから、復調器の出力が逆相になり、差動増幅器の出力をkHで表わすことができ、これよりHを検出し、H/(2πr)により導体電流Iを充分に高い精度で測定できる。
また、対をなす両磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’の軸心に作用するノイズ磁界成分は、同一値、逆方向であり両磁気インピーダンス効果エレメント1m,1m’が逆極性であるるために、両復調回路に入力される被変調成分が同相となり、両復調回路の復調で生成される磁界検出信号が同相となって差動増幅器に入力されるため、差動増幅器からは出力されずノイズ磁界の影響を受けることなく高感度で導体電流測定を可能できる。
図8は請求項8に係る導体電流測定方法の実施例を示す図面である。
図8の(イ)は2nの磁気インピーダンス効果エレメントの配設パターンを示している。eは直線導体であり、この導体電流Iが本発明の測定対象である。cは導体eを囲む円周線、Hは導体電流Iに基づく円周線に沿う周回路磁界であり、円周半径をrとすると、H=I/(2πr)で与えられる。11,…1n,11',…1n'は円周線上に配設した2n箇の磁気インピーダンス効果エレメントであり、円周中心を対称中心とするn組の対をなし、これらのn組の対のうちx組の各対の2個の磁気インピーダンス効果エレメント1p,1p’を用いて図に示すように、前記した加算型磁界センサをp=1〜xとしてx組、構成し、n組の対のうち残りの(n−x)組の各対の2個の磁気インピーダンス効果エレメント1p,1p’を用いて図に示すように、前記した差動型磁界センサをp=(x+1)〜nとして(n−x)組、構成してある。x組の加算型磁界センサの出力及び(n−x)組の差動型磁界センサの出力を加算・減算回路Dで統括し、この統括出力から前記Hを検出し、前記した式I=H/(2πr)から導体電流を測定している。
請求項8に係る導体電流測定方法は請求項1の加算型磁界センサを使用する導体電流測定方法と請求項3の差動型磁界センサを使用する導体電流測定方法との併用であり、両方の利点を兼ね備えている。
上記図8の実施例に対し、x組の加算型磁界センサに代えx組の減算型磁界センサを使用すること、または(n−x)組の差動型磁界センサに代え(n−x)組の減算型磁界センサを使用することも可能である。
上記の各種実施例では、出力特性のリニア化のために負帰還をかけているが、差動法の場合、図9に示すように一方の磁気インピーダンス効果エレメント1mにかけるバイアス磁界Hbの方向と他方の磁気インピーダンス効果エレメント1’mにかけるバイアス磁界Hbの方向とが逆方向とされ、互いに逆相の復調出力(磁界検出信号)がE+、E-で表わされ、その差がE±で示すように直線に近づくので、負帰還を省略することも可能である。
上記の各実施例では、磁気インピーダンス効果エレメント群をエレメント出力の和を得るように接続するのに、直列接続を使用しているが、これに限定されるものではなく、他の適宜の結線構成、例えば各磁気インピーダンス効果エレメントの出力電流を検出インピーダンスに合流して流し、その検出インピーダンス電圧を取出すようにことも可能である。
本発明において、円周上への磁気インピーダンス効果エレメント片の配設間隔は、前記した導磁環芯による磁界の安定保持のために等間隔とすること、または及び可及的に狭い間隔とすることが有効である。
本発明において、n対の磁気インピーダンス効果エレメントは、導体挿通孔を有する基板上に配設し、導体の出し入れのために孔に切欠き部を設けることが好ましい。高周波励磁電流源、復調回路、増幅器、差動増幅器、加算・減算部は前記の基板上に搭載することができる。導体は基板の面に対し垂直に配置される。
本発明においては、例えば、図10に示すように、磁気インピーダンス効果エレメント1xと負帰還用コイル4xとバイアス磁界用コイル5xとをユニット化し、センサー本体部の小型化を図ることもできる。
図10の(イ)は本発明において使用される磁気インピーダンス効果ユニットを示す側面図、図10の(ロ)は同じく底面図、図10の(ハ)は図10の(ロ)におけるハ−ハ断面図である。
図10において、100は基板であり、例えばセラミックス板を使用できる。101は基板100の面に設けた電極であり、エレメント接続用突部102を備えている。この電極は導電ペースト、例えば、銀ペーストの印刷・焼付けにより設けることができる。1xは電極101、101の突部102,102間にはんだ付けや溶接により接続した磁気インピーダンス効果エレメントであり、前記した零磁歪乃至は負磁歪のアモルファスワイヤ、アモルファスリボン、スパッタ膜等を使用できる。103はC形鉄芯、4xはC型鉄芯103に巻装した負帰還磁界発生用コイル、5xは同じくバイアス磁界用コイル(何れにも、通常、銅線に絶縁塗料を焼き付けてなるエナメル線が使用される)であり、磁気インピーダンス効果エレメント1xと負帰還用コイル形鉄芯103とでループ磁気回路を構成するように、C型鉄芯103の両端を基板100の他面に接着剤等で固定してある。
記鉄芯材料としては、磁性体であればよく、例えば、パーマロイ、フェライト、鉄、アモルファス磁性合金の他、磁性体粉末混合プラスチック等を挙げることができる。
上記において、C型鉄芯の長さをl、断面積をS、透磁率をμとすれば、C型鉄芯の磁気抵抗R
=l/(Sμ
で与えられ、また、磁気回路の構成部分となる磁気インピーダンス効果エレメント部分の長さをl、断面積をS、透磁率をμとすれば、磁気インピーダンス効果エレメント部分の磁気抵抗R
=l/(Sμ
で与えられ、更に、C型鉄芯両端と磁気インピーダンス効果エレメントとの間の磁気抵抗をRとすると、磁気回路の磁気抵抗R
=R+R+R
で与えられ、従って、負帰還磁界発生用コイルの自己インダクタンスLは、そのコイル巻数をNとして
=N /R
で与えられ、バイアス磁界用コイルの自己インダクタンスLは、そのコイル巻数をNとして
=N /R
で与えられる。
而るに、前記基板100の厚みが薄くRを小さくでき、また、C型鉄芯の脚部の高さを巻線の直径よりやや高くする程度にとどめて負帰還用コイル形鉄芯の長さを短くできるから、前記磁気回路の磁気抵抗Rを充分に低くでき、それだけ各コイルの巻数Nを少なくできる結果、コイル自体も小型化できる。
この磁気インピーダンス効果ユニットの基板への搭載にあたっては、磁気インピーダンス効果エレメントの機械的保護のために、ユニットの磁気インピーダンス効果エレメント側を基板に向け、ユニットの基板片を基板に接着剤で固定することが望ましい。
図10における、導体電流磁界Hに対する磁気インピーダンス効果ユニットの磁気抵抗Rwは、負帰還用C型鉄芯の磁気抵抗をR、磁気インピーダンス効果エレメント部分の磁気抵抗をRとして
Rw=R/(R+R
で与えられ、磁気インピーダンス効果エレメント単体の磁気抵抗Rに較べて低くできるから、周回路cの導磁性を更に高くでき、被検出磁界Hの分布状態の一層の安定化による導体電流の測定精度のアップを図ることができる。
本発明において、高周波励磁電流としては例えば連続正弦波、パスル波、三角波等の通常の高周波を使用でき、高周波励磁電流源としては、例えばハートレー発振回路、コルピッツ発振回路、コレクタ同調発振回路、ベース同調発振回路のような通常の発振回路の外、水晶発振器の矩形波出力を直流分カットコンデンサを経て積分回路で積分しこの積分出力の三角波を増幅回路で増幅する三角波発生器、CMOS−ICを発振部として使用した三角波発生器等を使用できる。
本発明において、復調回路としては例えば被変調波を演算増幅回路で半波整流しこの半波整流波を並列R回路またはRローパスフィルターで処理して半波整流波の包絡線出力を得る構成、被変調波をダイオードで半波整流しこの半波整流波を並列R回路またはRローパスフィルターで処理して半波整流波の包絡線出力を得る構成等を使用できる。
上記の実施例では、被変調波の復調によって被検出量を取り出しているが、これに限定されず、磁気インピーダンス効果エレメントに作用する被検出磁界による磁界検出信号から被検出磁界に相当する被検出量を取り出し得るもので適宜の回路構成を使用できる。
上記の実施例では、負帰還用コイルとバイアス磁界用コイルとを使用しているが、図11に示すように、共通のコイル45で負帰還とバイアス磁界とをかけることも可能である。
図11の例では、出力より反転入力端子に負帰還をかけた演算増幅器(負帰還路挿入インピーダンスZ、入力側挿入インピーダンスZ)を使用しており、コイル45に挿入した抵抗をR、コイルの巻数をN、長さをL、復調増幅部23の利得をA、被検出磁界をHex、出力をEoutとすると、
A≫ZRL/(ZN)
のもとで
Eout=RLZHex/(NZ)+VccZR/〔Z(Z+R)〕
が成立し、この出力特性は緒定数(Z,Z,抵抗R,コイル巻数N等)の調整によりx軸の±方向にシフトさせることができ、その調整により極性判別可能な斜め直線部を最大被検出磁界の範囲±Hmax内に位置させることが可能となり、更にy軸方向の0点調整により図に示すような極性判別可能な直線性の出力特性を得ることができる。
磁気インピーダンス効果エレメントの磁界検出感度が高いから微弱磁界の高感度検出による微弱電流の高精度測定が可能となる。
本発明において使用する磁気インピーダンス効果エレメントの出力特性を示す図面である。 本発明において使用する加算型磁界測定法を示す図面である。 請求項1に係る導体電流測定方法の一実施例を示す図面である。 請求項2に係る導体電流測定方法の一実施例を示す図面である。 本発明において使用する差動型磁界測定法を示す図面である。 請求項5に係る導体電流測定方法の一実施例を示す図面である。 請求項6に係る導体電流測定方法の一実施例を示す図面である。 請求項8に係る導体電流測定方法の一実施例を示す図面である。 本発明において使用する差動型磁界測定法の出力特性を示す図面である。 本発明において使用する磁気インピーダンス効果ユニットの一例を示す図面である。 本発明において使用する負帰還・バイアス磁界印加法の別例示す図面である。
符号の説明
1m,1m’ 磁気インピーダンス効果エレメントの対
S 高周波励磁電流源
2,2m,2m’ 復調回路
3、3m,3m’ 増幅器
30、30m 差動増幅器
4m,4m’ 負帰還用コイル
5m,5m’ バイアス磁界用コイル
B 加算回路
D 加算・減算回路
e 導体

Claims (11)

  1. 被検出磁界を磁気インピーダンス効果エレメントを使用して極性判別可能なリニア出力特性で検出する磁界センサにより、導体電流に基づく周回路磁界を検出してその導体電流を測定する方法であり、導体を囲む円周上に2n箇の磁気インピーダンス効果エレメントを円周中心を対称中心とするn組の対をなし、しかも各対の磁気インピーダンス効果エレメントを前記周回路磁界を基準として同極性とするように設け、n組の対の各対における両磁気インピーダンス効果エレメントに基づく磁界検出信号を加算し、これらn箇の加算出力に基づき前記の導体電流を測定することを特徴とする導体電流測定方法。
  2. 被検出磁界を磁気インピーダンス効果エレメントを使用して極性判別可能なリニア出力特性で検出する磁界センサにより、導体電流に基づく周回路磁界を検出してその導体電流を測定する方法であり、導体を囲む円周上に2n箇の磁気インピーダンス効果エレメントを円周中心を対称中心とするn組の対をなし、n組の対における一方の磁気インピーダンス効果エレメント群をエレメント出力の和を得るように接続し、同じく他方の磁気インピーダンス効果エレメント群をエレメント出力の和を得るように接続し、しかもそれらの接続を両接続磁気インピーダンス効果エレメント群の極性を前記周回路磁界に対し同極性となすように行い、これら両接続磁気インピーダンス効果エレメント群に基づく磁界検出信号を加算し、この加算出力に基づき前記の導体電流を測定することを特徴とする導体電流測定方法。
  3. 被検出磁界を磁気インピーダンス効果エレメントを使用して極性判別可能なリニア出力特性で検出する磁界センサにより、導体電流に基づく周回路磁界を検出してその導体電流を測定する方法であり、導体を囲む円周上に2n箇の磁気インピーダンス効果エレメントを円周中心を対称中心とするn組の対をなし、しかも各対の磁気インピーダンス効果エレメントを前記周回路磁界を基準として逆極性とするように設け、n組の対の各対における両磁気インピーダンス効果エレメントに基づく磁界検出信号を減算し、これらn箇の減算出力に基づき前記の導体電流を測定することを特徴とする導体電流測定方法。
  4. 被検出磁界を磁気インピーダンス効果エレメントを使用して極性判別可能なリニア出力特性で検出する磁界センサにより、導体電流に基づく周回路磁界を検出してその導体電流を測定する方法であり、導体を囲む円周上に2n箇の磁気インピーダンス効果エレメントを円周中心を対称中心とするn組の対をなし、n組の対における一方の磁気インピーダンス効果エレメント群をエレメント出力の和を得るように接続し、同じく他方の磁気インピーダンス効果エレメント群をエレメント出力の和を得るように接続し、しかもそれらの接続を両接続磁気インピーダンス効果エレメント群の極性を前記周回路磁界に対し逆極性となすように行い、これら両接続磁気インピーダンス効果エレメント群に基づく磁界検出信号を減算し、この減算出力に基づき前記の導体電流を測定することを特徴とする導体電流測定方法。
  5. 被検出磁界を磁気インピーダンス効果エレメントを使用して極性判別可能なリニア出力特性で検出する磁界センサにより、導体電流に基づく周回路磁界を検出してその導体電流を測定する方法であり、導体を囲む円周上に2n箇の磁気インピーダンス効果エレメントを、円周中心を対称中心とするn組の対をなし、しかも各対の磁気インピーダンス効果エレメントを前記周回路磁界を基準として逆極性とするように設け、n組の対の各対における両磁気インピーダンス効果エレメントに基づく磁界検出信号を差動増幅し、これらn箇の差動増幅出力に基づき前記の導体電流を測定することを特徴とする導体電流測定方法。
  6. 被検出磁界を磁気インピーダンス効果エレメントを使用して極性判別可能なリニア出力特性で検出する磁界センサにより、導体電流に基づく周回路磁界を検出してその導体電流を測定する方法であり、導体を囲む円周上に2n箇の磁気インピーダンス効果エレメントを、円周中心を対称中心とするn組の対をなし、n組の対における一方の磁気インピーダンス効果エレメント群をエレメント出力の和を得るように接続し、同じく他方の磁気インピーダンス効果エレメント群をエレメント出力の和を得るように接続し、しかもそれらの接続を両接続磁気インピーダンス効果エレメント群の極性を前記周回路磁界に対し逆極性となすように行い、これら両接続磁気インピーダンス効果エレメント群に基づく磁界検出信号を差動増幅し、この差動増幅出力にもとづき導体電流を測定することを特徴とする導体電流測定方法。
  7. 出力特性をリニア化するための負帰還用コイルを各磁気インピーダンス効果エレメントの近傍に配設し、n組の対における一方の磁気インピーダンス効果エレメントの近傍に配設した負帰還用コイルを直列に接続し、同じく他方の磁気インピーダンス効果エレメントの近傍に配設した負帰還用コイルを直列に接続することを特徴とする請求項2または4あるいは6記載の導体電流測定方法。
  8. 被検出磁界を磁気インピーダンス効果エレメントを使用して極性判別可能なリニア出力特性で検出する磁界センサにより、導体電流に基づく周回路磁界を検出してその導体電流を測定する方法であり、導体を囲む円周上に2n箇の磁気インピーダンス効果エレメントを円周中心を対称中心とするN組の対をなすように設け、N組のうちのx組(x<n)の対の磁気インピーダンス効果エレメントについては請求項1または3あるいは5の何れかの方法によりx箇の加算出力またはx箇の減算出力あるいはx箇の差動増幅出力の何れかのx箇の出力を得、同じく(N−x)組の対の磁気インピーダンス効果エレメントについては、同じく他の方法により、他の(N−x)の出力を得、これらのx箇の出力と(N−x)組の出力に基づき前記の導体電流を測定することを特徴とする導体電流測定方法。
  9. 各磁気インピーダンス効果エレメントにC型鉄芯を付設して磁気回路を構成し、該鉄芯に出力特性を極性判別可能とするためのバイアス磁界用コイル、出力特性をリニア化するための負帰還用コイルの少なくとも一方を巻装することを特徴とする請求項1〜8何れか記載の導体電流測定方法。
  10. 磁気インピーダンス効果エレメントの近傍に負帰還用兼バイアス磁界用コイルを配設し、該コイルに直流バイアス信号と負帰還信号の重畳信号を入力するための演算回路を負帰還回路に挿入して出力特性の極性判別化とリニア化を行なうことを特徴とする請求項1〜8何れか記載の導体電流測定方法。
  11. 各磁気インピーダンス効果エレメントにC型鉄芯を付設して磁気回路を構成し、該鉄芯に負帰還用兼バイアス磁界用コイルを巻装し、該コイルに直流バイアス信号と負帰還信号の重畳信号を入力するための演算回路を負帰還回路に挿入して出力特性の極性判別化とリニア化を行なうことを特徴とする請求項1〜8何れか記載の導体電流測定方法。
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