JP2021025820A - 磁界検出センサ - Google Patents

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【課題】磁性材料から構成されるブリッジ回路の出力の温度に応じた変動を抑制した磁界検出センサを提供する。【解決手段】フルブリッジ回路21は、磁気インピーダンス効果が生じる、互いに直列接続された第1、第2磁性薄膜121a、121bを有する。バイアスコイル23は、第1、第2磁性薄膜121a、121bに対してバイアス磁界を印加する。発振回路24は、第1、第2磁性薄膜121a、121bに高周波電流を供給する。増幅回路25は、バイアスコイル23に交流バイアス電流を供給する。ブリッジ回路21は、第1、第2磁性薄膜121a、121bに高周波電流及びバイアス磁界を印加することにより、外部磁界に応じた出力となり、第1、第2磁性薄膜121a、121bの抵抗値の比が1を除いた値に設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、磁気インピーダンス効果を利用する磁界検出センサに関する。
磁気インピーダンス効果が生じる磁性材料を用いた磁界検出センサとして特許文献1、2に記載された磁界検出センサが提案されている。例えば、アモルファス合金ワイヤなどの高透磁率合金磁性体においては、表皮効果の影響により、外部磁界に応じてインピーダンスが俊敏に変化する。これが磁気インピーダンス効果である。
上記特許文献1、2に記載された磁界検出センサは、直列接続された磁性材料及び固定抵抗からブリッジ回路を構成し、磁性材料に高周波電流及びバイアス磁界を印加して、ブリッジ回路から外部磁界に応じた信号を出力している。
特開2018−81057号公報 特開2019−91643号公報
上述した従来の磁界検出センサは、磁性材料及び固定抵抗を直列接続してブリッジ回路を構成している。しかしながら、磁性材料と固定抵抗とは温度特性が異なる。このため、ブリッジ回路から出力される信号が温度に応じて変動してしまう、という問題があった。そこで、後段のマイコンにより、ブリッジ回路からの信号を温度補正して外部磁界を求めることも考えられるが、マイコンの処理負荷が増大してしまう。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、磁性材料から構成されるブリッジ回路の出力の温度に応じた変動を抑制した磁界検出センサを提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る磁界検出センサは、下記[1]〜[3]を特徴としている。
[1]
磁気インピーダンス効果が生じる、互いに直列接続された第1、第2磁性材料を有するブリッジ回路と、
前記第1、第2磁性材料に対してバイアス磁界を印加するバイアスコイルと、
前記第1、第2磁性材料に高周波電流を供給する高周波発振回路と、
前記バイアスコイルに交流バイアス電流を供給する交流バイアス回路と、を備え、
前記ブリッジ回路は、前記第1、第2磁性材料に前記高周波電流及び前記バイアス磁界を印加することにより、外部磁界に応じた出力となり、
前記第1、第2磁性材料の抵抗値の比が1を除いた値に設けられている、
磁界検出センサであること。
[2]
[1]に記載の磁界検出センサであって、
前記ブリッジ回路は、互いに直列接続された第1、第2固定抵抗を有し、
前記第1、第2固定抵抗が、前記第1、第2磁性材料に並列に接続されている、
磁界検出センサであること。
[3]
[1]又は[2]に記載の磁界検出センサであって、
非磁性基板をさらに備え、
前記第1、第2磁性材料は、同一の前記非磁性基板上に連なって設けられている、
磁界検出センサであること。
上記[1]及び[2]の構成の磁界検出センサによれば、第1、第2磁性材料を直列接続してブリッジ回路を構成している。第1、第2磁性材料は温度特性が同じであるため、ブリッジ回路の出力の温度に応じた変動を抑制することができる。
上記[3]の構成の磁界検出センサによれば、同一の非磁性基板上に第1、第2磁性材料を設ける。これにより、簡単に第1、第2磁性材料を直列接続したブリッジ回路を設けることができる。
本発明によれば、磁性材料から構成されるブリッジ回路の出力の温度に応じた変動を抑制した磁界検出センサを提供することができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、図1は、本発明の実施形態における磁界検出センサの構成例を示すブロック図である。 図2は、交流バイアスが印加される磁気インピーダンス素子における入力磁界と出力信号との相関関係の例を示すグラフである。 図3(a)および図3(b)は、2種類の磁気インピーダンス素子の各々の例を示す斜視図である。 図4は、図3(a)および図3(b)に示す非磁性基板の表面又は裏面拡大図である。 図5は、磁気インピーダンス素子の磁気検出特性の具体例を示すグラフである。 図6は、磁気インピーダンス素子の温度特性の具体例を示すグラフである。 図7は、第1、第2磁性薄膜の磁気検出特性を示すグラフである。 図8は、第1、第2磁性薄膜の抵抗値の比と感度との関係を示すグラフである。 図9は、各温度におけるフルブリッジ回路の出力特性を示すグラフである。 図10は、従来品及び本発明品の各々における検出誤差の温度特性の具体例を示すグラフである。
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
本発明の実施形態における磁界検出センサ200の構成例を図1に示す。図1に示した磁界検出センサ200は、駆動ユニット20および検出ユニット30により構成されている。上記駆動ユニット20は、磁気インピーダンス効果が生じる磁性薄膜12から構成されるフルブリッジ回路21(ブリッジ回路)を有し、外部磁界に応じた信号SG1を出力する。フルブリッジ回路21は、磁性薄膜12に高周波電流及びバイアス磁界を印加することにより、外部磁界に応じた出力となる。検出ユニット30は、フルブリッジ回路21の出力から得た信号SG1に基づいて外部磁界を求める。
次に、上記駆動ユニット20の構成について説明する。図1に示した駆動ユニット20は、磁性薄膜12を有するフルブリッジ回路21と、フルブリッジ回路21の出力を取り出して外部磁界に応じた信号SG1を出力する差動アンプ22と、磁性薄膜12に対してバイアス磁界を印加するバイアスコイル23と、を備えている。また、駆動ユニット20は、磁性薄膜12に高周波電流を供給する発振回路24(高周波発振回路)と、バイアスコイル23に交流バイアス電流を供給する増幅器(交流バイアス回路)25と、を備えている。
フルブリッジ回路21は、磁気インピーダンス素子10と、2個の抵抗器R1、R2(第1、第2固定抵抗)とで構成されている。磁気インピーダンス素子10は、磁気インピーダンス効果が生じる磁性薄膜12を有して構成されている。磁気インピーダンス効果とは、例えば高周波電流を通電したときに、透磁率が外部磁界の印加により大幅に変化することに起因して表皮深さが変化することにより、インピーダンスが変化する現象である。本実施形態で採用している磁気インピーダンス素子10は、図5に示すように、外部磁界が印加されていない状態でインピーダンスが最大になる特性を有している。
上記2個の抵抗器R1、R2は、互いに直列接続され、上記磁気インピーダンス素子10に並列接続されている。上記磁気インピーダンス素子10と各抵抗器R1、R2との間の接続点が各々、フルブリッジ回路21の入力側の端子21a、21bとなる。また、2つの抵抗器R1,R2間の接続点、磁気インピーダンス素子10の中間点が、フルブリッジ回路21の出力側の端子21c、21dとなる。上記2個の抵抗器R1、R2は、磁気インピーダンス素子10のインピーダンスが最大になった状態でフルブリッジ回路21が平衡状態になるように、抵抗値が選定してある。
フルブリッジ回路21の入力側の端子21a、21bは、それぞれ発振回路24の出力およびアースと接続してある。フルブリッジ回路21の出力側の端子21c、21dは、それぞれ差動アンプ22の入力と接続されている。差動アンプ22は、端子21c、21dの電位差を増幅して、外部磁界に応じた信号SG1として出力する。
バイアスコイル23は、磁気インピーダンス素子10に巻き回されるコイルである。なお、バイアスコイル23は、磁気インピーダンス素子10にバイアス磁界を印加できれば、磁気インピーダンス素子10をコアとして巻き回されていなくともよい。
発振回路24は、例えば数十[MHz]程度の周波数の高周波電圧を信号としてフルブリッジ回路21に供給する。信号の波形は矩形波、正弦波、三角波のいずれかから成る。
増幅器25は、後述するマイコン(マイクロコンピュータ)35から出力される交流バイアス信号SG2を増幅して、バイアスコイル23に交流バイアス電流を供給する。
検出ユニット30は、信号SG1を増幅する増幅回路31と、振幅検出回路32と、位相差検出回路33と、を備えている。振幅検出回路32は、信号SG1の電圧の変化の方向が切り替わる各頂点のタイミングにおける振幅を検出する回路である。位相差検出回路33は、信号SG1の電圧の変化の方向が切り替わる各頂点のタイミングにおける位相差を検出する回路である。また、検出ユニット30は、増幅された信号SG1の入力を振幅検出回路32及び位相差検出回路33の間で切り替えるスイッチ回路34と、検出された振幅差、位相差に基づいて外部磁界の大きさ、向きを求めるマイコン35を備えている。
次に、マイコン35が実行する磁気インピーダンス素子10を用いた外部磁界の大きさ、向きの検出原理について簡単に説明する。図2に示すように、インピーダンス特性41の基準点41rを中心として動作するように、バイアスコイル23に流れる電流によって交流磁界バイアス42が磁性薄膜12に印加される。図2に示す例では振幅Vpの大きさで波形が三角波の交流バイアス磁界42を印加する場合を想定している。したがって、基準点41rを中心としてプラス方向およびマイナス方向に、Vpの振幅で交流バイアス磁界42の方向が交互に変化する。
そして、この交流バイアス磁界42の他に、検出対象の外部磁界が磁性薄膜12に印加される。したがって、図2に示すように外部磁界と交流バイアス磁界の和42P、42N、42N2等が磁性薄膜12に印加される。つまり、外部磁界がプラス方向の場合には交流バイアス磁界42の波形を外部磁界の大きさだけプラス方向にシフトした波形が外部磁界と交流バイアス磁界の和42Pとして磁性薄膜12に印加される。外部磁界がマイナス方向の場合には交流バイアス磁界42の波形を外部磁界の大きさだけマイナス方向にシフトした波形が外部磁界と交流バイアス磁界の和42N、42N2として磁性薄膜12に印加される。
そして、磁性薄膜12に印加される磁界、すなわち交流バイアス磁界42、外部磁界と交流バイアス磁界の和42P、42N、42N2と、インピーダンス特性41とに従い、インピーダンスZが変化する。このインピーダンスZの変化を、例えば図1に示したフルブリッジ回路21を用いて、センサ出力信号43、43P、43N、43N2(=信号SG1)として取り出すことができる。
図2において、センサ出力信号43、43P、43Nおよび43N2は、それぞれ交流バイアス磁界42、外部磁界と交流バイアス磁界の和42P、42Nおよび42N2に対応する。つまり、交流バイアス磁界42の変化と外部磁界とに応じて、センサ出力信号43、43P、43N、43N2の状態が定まる。また、図2に示したセンサ出力信号43、43P、43N、43N2において、縦方向は信号の電位および振幅を表し、横方向は時間tの変化を表している。
外部磁界がゼロの場合には、センサ出力信号43が出力される。つまり、基準点41rの抵抗値に対応する電位Vrと、この点から振幅Vpに対応する電位差だけずれた電位V1までの間で交流バイアス磁界42の変化に伴って変化するようなセンサ出力信号43が得られる。
また、プラス方向の外部磁界が印加された場合には、基準点41rの電位Vrから外部磁界の大きさだけシフトした電位VrPを中心として、振幅Vpに対応する電位差だけ上下にずれた電位までの間で、交流バイアス磁界42の変化に伴って変化するようなセンサ出力信号43Pが得られる。また、マイナス方向の外部磁場が印加された場合には、基準点41rの電位Vrから外部磁場の大きさだけシフトした電位VrNを中心として、振幅Vpに対応する電位差だけ上下にずれた電位までの間で、交流バイアス磁界42の変化に伴って変化するようなセンサ出力信号43Nが得られる。
図2に示すように、センサ出力信号43、43P、43Nの振幅には、外部磁場の大きさおよび方向の違いに応じた変化が現れる。したがって、マイコン35は、振幅検出回路32により検出された信号SG1の振幅に基づいて外部磁場の大きさおよび方向を特定することが可能である。
また、外部磁場の大きさが交流バイアス磁界42の振幅Vpよりも小さい場合には、外部磁界と交流バイアス磁界の和42N2の変化に対して、センサ出力信号43N2が得られる。この場合、上記和42N2が基準点(磁界がゼロ)41rを通過するタイミングで、センサ出力信号43N2の電圧の変化の方向が切り替わる頂点Px1、Px2が現れる。これらの頂点Px1、Px2のタイミングは、外部磁界の大きさに応じて変化する。したがって、マイコン35は、位相差検出回路33により例えば頂点Px1、Px2の位相差を計測することにより、外部磁界の大きさを算出可能である。
上述したマイコン35の外部磁界の検出動作は一例であって、これに限定されるものではない。例えば、特開2018−81057号公報、特開2018−91643号公報など、周知の技術を用いて外部磁界を求めてもよい。
次に、上述した磁気インピーダンス素子10の構成について図3(a)および図3(b)を参照して説明する。図3(a)に示すように、磁気インピーダンス素子10は、非磁性基板11と、磁性薄膜(磁性膜)12と、電極13a、13b、13cと、により構成されている。
非磁性基板11は、非磁性体から構成される基板であって、プリント基板100に搭載されている。非磁性基板11は、チタン酸カルシウム、酸化物ガラス、チタニア、アルミナ等によって構成されており、本実施形態では略直方体に構成されている。
磁性薄膜12は、高透磁率金属磁性膜によって構成されており、図3(a)に示すように、非磁性基板11の表面のうち、プリント基板100が設けられている面の反対面に形成されている。磁性薄膜12は、図4に示すように、ミアンダ形状(つづら折れ形状)に形成された薄膜本体121と、薄膜本体121の長手方向中央を除いた接続位置に一端が接続された接続部122と、を有している。より詳細に、略直方体をなす非磁性基板11の長手方向に沿って延びた薄膜本体121が、短手方向に複数間隔をあけて並べて形成されている。薄膜本体121の端部を電極Eにより接続することにより薄膜本体121は、矩形波形状における立ち上がり及び立ち下り方向が、略直方体をなす非磁性基板11の長手方向に延びるミアンダ形状に形成される。ミアンダ形状の薄膜本体121の両端は、非磁性基板11の長手方向一端部に設けられている。接続部122は、ミアンダ形状の薄膜本体121の中央を除いた接続位置から非磁性基板11の長手方向一端部まで延在され、その他端部が非磁性基板11の長手方向一端部に設けられている。
また、磁性薄膜12は、その磁化容易軸方向が膜面内で磁性薄膜12の長手方向と同方向となるように磁気異方性がつけられており、全体として非磁性基板11の長手方向と磁化容易軸方向とが同方向となるようにされている。
電極13a、13b、13cは、非磁性基板11の表面、且つ、薄膜本体121の両端及び接続部122の他端に設けられており、プリント基板100上の電極100a、100b、100cとボンディングワイヤにて接続されるものである。このプリント基板100上の電極100a、100b、100cが、それぞれ図1に示したフルブリッジ回路21の端子21a、21c、21bに接続される。即ち、薄膜本体121において、両端のうち一方と接続部122の接続位置との間が第1磁性薄膜(第1磁性材料)121aとなり、両端のうち他方と接続部122の接続位置との間が第2磁性薄膜(第2磁性材料)121bとなる。
第1磁性薄膜121a及び第2磁性薄膜121bは、図1に示すように、直列接続され、2つの抵抗器R1、R2に並列接続されてフルブリッジ回路21を構成する。第1磁性薄膜121a及び第2磁性薄膜121bの接続点に接続された端子21cと、2つの抵抗器R1、R2の接続点に接続された端子21dと、の電位差が、フルブリッジ回路21の出力となる。なお、接続位置は、中央を除いているため、第1磁性薄膜121aと第2磁性薄膜121bとの抵抗値の比は1を除いた値に設けられている。
さらに、図3(a)に示すように、プリント基板100は、磁気インピーダンス素子10の幅方向の両側に、磁気インピーダンス素子10と間隔を開けて切欠き部100dを備えている。切欠き部100dは、プリント基板100の一端からプリント基板100の中央付近まで伸びている。
また、バイアスコイル23は、プリント基板100の切欠き部100dを介して、磁気インピーダンス素子10の周囲に巻き回されている。このため、バイアスコイル23のコイル軸方向は、非磁性基板11の長手方向と同方向となり、当該磁気インピーダンス素子10の長手方向が磁界の検出方向とされる。さらに、上述したように、非磁性基板11の長手方向と磁化容易軸方向とが同方向となるようにされていることから、磁性薄膜12の磁化容易軸は磁界の検出方向と同方向となるように磁気異方性がつけられていることとなる。
また、図3(b)に示すように、磁性薄膜12は、非磁性基板11の裏面、すなわちプリント基板100が設けられている側の面に形成されてもよい。この場合、電極13a、13b、13cは、非磁性基板11の裏面、に設けられることとなる。また、プリント基板100上の電極100a、100b、100cについても、非磁性基板11の裏面側に設けられ、電極13a〜13c、100a〜100c同士が重ねられて直接、接続される。図1に示した磁界検出センサ200の磁気インピーダンス素子10の構成としては、図3(a)、図3(b)のいずれの構成を採用してもよい。
次に、磁気インピーダンス素子10の磁気検出特性について説明する。磁気インピーダンス素子10の磁界検出特性の具体例を図5に示す。図5において、横軸は外部磁界の大きさ方向H[Oe]を表し、縦軸は磁性薄膜12の長手方向の両端の間のインピーダンス[Ω]を表す。
図5に示すように、磁気インピーダンス素子10のインピーダンスは、外部磁界の大きさが0近傍でピークとなり、正方向または逆方向の外部磁界が印加されると外部磁界の大きさに比例するようにインピーダンスが減少する。この磁気インピーダンス素子10のインピーダンスは、温度によって変動する。磁気インピーダンス素子10の温度特性の具体例を図6に示す。図6において、横軸は温度[℃]を表し、縦軸は磁性薄膜12の長手方向の両端の間のインピーダンス[Ω]を表す。図6に示すように、磁気インピーダンス素子10のインピーダンスは、温度が高くなるに従って減少する負の温度特性を有する。その温度係数は、−25ppm/℃である。
従来は、フルブリッジ回路21を構成する4つの抵抗のうち、1つを磁気インピーダンス素子10の磁性薄膜12、3つの抵抗器とし、磁気インピーダンス素子10に抵抗器を直列接続している。磁気インピーダンス素子10は、上述したように温度が高くなるとインピーダンスが下がる。一方、抵抗器は、温度が高くなると抵抗値が上がる。このように、磁気インピーダンス素子10と、抵抗器とでは、温度特性が異なるため、フルブリッジ回路21の出力が温度に依存して大きく変動してしまう。
そこで、本実施形態では、磁気インピーダンス素子10の温度特性を補正するために、図1に示すように、フルブリッジ回路21を構成する4つの抵抗のうち2つを磁気インピーダンス素子10の第1磁性薄膜121a、第2磁性薄膜121b、2つを2つの抵抗器R1、R2としている。即ち、第1磁性薄膜121aと第2磁性薄膜121bとを直列接続してフルブリッジ回路21を構成している。また、第1磁性薄膜121aと第2磁性薄膜121bとのインピーダンスが同じであると、磁界が検出できなくなるため、電極13cに接続される接続位置を中央よりずらして、第1磁性薄膜121aと第2磁性薄膜121bとの抵抗値の比が1を除いた値になるようにしている。第1磁性薄膜121aと第2磁性薄膜121bとの温度特性は同じなので、フルブリッジ回路21の出力の温度による変動を低減することができる。
次に、図7に第1磁性薄膜121aと第2磁性薄膜121bの磁気検出特性を示す。図7において、Rmi1は、第1磁性薄膜121aのインピーダンスを示し、Rmi2は、第2磁性薄膜121bのインピーダンスを示す。また、図7において、横軸は外部磁界の大きさ方向H[Oe]を表し、縦軸は第1、第2磁性薄膜121a、121bの長手方向の両端間のインピーダンス特性を示す。第1磁性薄膜121a、第2磁性薄膜121bの抵抗値Rmi1/Rmi2の比を、1を除いた値としているので、図7に示すように、第1、第2磁性薄膜121a、121bの外部磁界に対する磁気検出特性は異なり、重ならない。本実施形態では、外部磁界の増加に伴うインピーダンスの低下量は、第1磁性薄膜121aに比べて第2磁性薄膜121bの方が大きい。
図8に、第1、第2磁性薄膜121a、121bの抵抗値の比Rmi1/Rmi2と感度との関係を示す。図8において横軸は第1、第2磁性薄膜121a、121bの抵抗値の比Rmi1/Rmi2を表し、縦軸は感度を示す。同図に示すように、抵抗値の比Rmi1/Rmi2を大きくすることで感度を向上させることができる。
次に、本発明者らは、図1に示す本発明品において、温度を−40℃、25℃、−85℃としたときの外部磁界に対するフルブリッジ回路21の出力から得た信号SG1を測定して、効果を確認した。結果を図9に示す。図9において、縦軸は、フルブリッジ回路21の出力である信号SG1の大きさであり、横軸は外部磁界の大きさ方向H[Oe]を表す。同図からも明らかなように、温度が−40℃、25℃、−85℃と変動しても、信号SG1の変動をほぼなくすことができる。
次に、本発明者らは、図1に示す本発明品、従来品において、温度を変動させたときの磁界検出の誤差[%]を求めた結果を図10に示す。なお、従来品は、フルブリッジ回路21を構成する4つの抵抗値のうち、1つを磁気インピーダンス素子10の磁性薄膜12、3つの抵抗器とし、磁気インピーダンス素子10の抵抗器を直列接続したものである。同図からも明らかなように、従来品は、±10%の誤差が発生するのに対して、本発明品では、誤差が±0.0003%内となり大幅に誤差を低減させることができる。
上述した実施形態によれば、第1、第2磁性薄膜121a、121bを直列接続してブリッジ回路21を構成している。第1、第2磁性薄膜121a、121bは温度特性が同じであるため、ブリッジ回路21の出力の温度に応じた変動を抑制することができる。
上述した実施形態によれば、同一の非磁性基板11上に第1、第2磁性薄膜121a、121bを設ける。これにより、簡単に第1、第2磁性薄膜121a、121bを直列接続したブリッジ回路21を設けることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
上述した実施形態によれば、フリッジ回路としては4つの抵抗から構成されるフルブリッジ回路21を採用していたが、これに限ったものではない。例えば、ブリッジ回路21としては、特開2015−92144号公報に記載されたように、第1、第2磁性薄膜121a、121bのみからなるハーフブリッジを採用してもよい。
また、上述した実施形態によれば、第1、第2磁性薄膜121a、121bは、同一の非磁性基板11上に設けられていたが、これに限ったものではない。第1、第2磁性薄膜121a、121bは別々の非磁性基板に設けてもよい。
ここで、上述した本発明に係る磁界検出センサの実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]〜[3]に簡潔に纏めて列記する。
[1]
磁気インピーダンス効果が生じる、互いに直列接続された第1、第2磁性材料(121a、121b)を有するブリッジ回路(21)と、
前記第1、第2磁性材料(121a、121b)に対してバイアス磁界を印加するバイアスコイル(23)と、
前記第1、第2磁性材料(121a、121b)に高周波電流を供給する高周波発振回路(24)と、
前記バイアスコイル(23)に交流バイアス電流を供給する交流バイアス回路(25)と、を備え、
前記ブリッジ回路(21)は、前記第1、第2磁性材料(121a、121b)に前記高周波電流及び前記バイアス磁界を印加することにより、外部磁界に応じた出力となり、
前記第1、第2磁性材料(121a、121b)の抵抗値の比が1を除いた値に設けられている、
磁界検出センサ(200)。
[2]
[1]に記載の磁界検出センサ(200)であって、
前記ブリッジ回路(21)は、互いに直列接続された第1、第2固定抵抗(R1、R2)を有し、
前記第1、第2固定抵抗(R1、R2)が、前記第1、第2磁性材料(121a、121b)に並列に接続されている、
磁界検出センサ(200)。
[3]
[1]又は[2]に記載の磁界検出センサ(200)であって、
非磁性基板(11)をさらに備え、
前記第1、第2磁性材料(121a、121b)は、同一の前記非磁性基板(11)上に連なって設けられている、
磁界検出センサ(200)。
11 非磁性基板
21 フルブリッジ回路(ブリッジ回路)
23 バイアスコイル
24 発振回路(高周波発振回路)
25 増幅器(交流バイアス回路)
121a 第1磁性薄膜(第1磁性材料)
121b 第2磁性薄膜(第2磁性材料)
200 磁界検出センサ
R1 第1固定抵抗
R2 第2固定抵抗

Claims (3)

  1. 磁気インピーダンス効果が生じる、互いに直列接続された第1、第2磁性材料を有するブリッジ回路と、
    前記第1、第2磁性材料に対してバイアス磁界を印加するバイアスコイルと、
    前記第1、第2磁性材料に高周波電流を供給する高周波発振回路と、
    前記バイアスコイルに交流バイアス電流を供給する交流バイアス回路と、を備え、
    前記ブリッジ回路は、前記第1、第2磁性材料に前記高周波電流及び前記バイアス磁界を印加することにより、外部磁界に応じた出力となり、
    前記第1、第2磁性材料の抵抗値の比が1を除いた値に設けられている、
    磁界検出センサ。
  2. 請求項1に記載の磁界検出センサであって、
    前記ブリッジ回路は、互いに直列接続された第1、第2固定抵抗を有し、
    前記第1、第2固定抵抗が、前記第1、第2磁性材料に並列に接続されている、
    磁界検出センサ。
  3. 請求項1又は2に記載の磁界検出センサであって、
    非磁性基板をさらに備え、
    前記第1、第2磁性材料は、同一の前記非磁性基板上に連なって設けられている、
    磁界検出センサ。
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