JP3794122B2 - 磁気探知装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁性体にコイルが巻かれてなる磁気センサを備えた磁気探知装置に関し、特に、低コスト化を達成し、高感度化を図った磁気探知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
外部磁界を探知する磁気探知装置は、磁場の検出器や測定器などの計測用から始まり、近年では、磁気式スイッチ、磁気式ロータリ・エンコーダ、地磁気センサなど民生用に広く使用されている。
【0003】
このような磁気探知装置としては、ホール素子を用いた磁気探知装置、フラックスゲートセンサを用いた磁気探知装置、磁気抵抗効果素子を用いた磁気探知装置などがある。
【0004】
ホール素子を用いた磁気探知装置は、図17に示すように、両端に電極101,102を設けたホール素子103のホール効果を応用して外部磁界を検出するものである。すなわち、ホール素子を用いた磁気探知装置では、外部磁界の変化によってホール素子103に発生するホール電圧Vhの変化に基づいて外部磁界を検出する。ここで、ホール素子103の厚さをdとし、ホール素子103を流れる電流をIとし、ホール素子103を通る磁束をBとすると、ホール電圧Vhは、下記式(1−1)のようになる。
【0005】
Vh=Rh・I・B/d ・・・(1−1)
しかし、このようなホール電圧Vhは非常に小さいため、ホール素子を用いた磁気探知装置では、例えば、約0.3ガウス程度の地磁気のような微弱な磁界を検出することは困難である。
【0006】
また、フラックスゲートセンサを用いた磁気探知装置は、図18に示すように、外部磁界によってヒステリシス曲線がシフトする特殊な高透磁率材料からなる環状の磁気コア110に、励磁用コイル111及び検出用コイル112を巻回してなるものである。
【0007】
この磁気探知装置で外部磁界を検出する際には、磁気コア110が過飽和状態にまで励磁されるような高周波電流を励磁用コイル111に流しておく。このとき、外部からの磁界が磁気コア110に作用していなければ、検出用コイル112の左右のコイル112a,112bからの出力は同じ出力波形となる。そして、検出用コイル112の左右のコイル112a,112bは逆相に接続されているので、検出用コイル112の左側のコイル112aからの出力と、検出用コイル112の右側のコイル112bからの出力とが互いに打ち消し合って検出用コイル112全体からは何も出力されないこととなる。
【0008】
一方、例えば、励磁用コイル111によって右回りの磁束Bが磁気コア110内に発生しているときに、図18中のNからSに至る方向より外部磁界Heが加わると、外部磁界Heがバイアス磁界として作用して、磁気コア110の右側が早く飽和し、磁気コア110の左側が逆に遅れて飽和する。そして、検出用コイル112の左右のコイル112a,112bは逆相に接続されているので、検出用コイル112の左側のコイル112aからの出力と、検出用コイル112の右側のコイル112bからの出力との差分が、外部磁界Heの大きさに対応して出力されることとなる。
【0009】
しかし、このような磁気探知装置では、検出用コイル112によって磁気信号を電気信号に変換するため、感度を上げるには検出用コイル112の巻き数を多くしたり、外部磁界Heの集束効果を高めるために磁気コア110の形状を大きくする必要がある。したがって、フラックスゲートセンサを用いた磁気探知装置では、小型化や低価格化が非常に困難であった。
【0010】
また、磁気抵抗効果素子を用いた磁界探知装置は、磁気抵抗効果素子の磁気抵抗効果を利用して外部磁界を検出するものである。ここで、磁気抵抗効果素子とは、Ni合金等からなる強磁性薄膜の磁気抵抗効果を応用した磁電変換素子であり、印加された磁界の強さに応じて、その抵抗値が変化する特性を持っている。そして、図19に示すように、磁気抵抗効果素子120を流れる電流Iの方向と、外部磁界Heによる磁気抵抗効果素子120の磁化Mの方向とのなす角をθとし、電流Iの方向と磁化Mの方向とが同一のときの磁気抵抗効果素子120の抵抗値をRaとし、電流Iの方向と磁化Mの方向とのなす角θが90°のときの磁気抵抗効果素子120の抵抗値をRbとすると、磁気抵抗効果素子120の抵抗値Rは、下記式(1−2)のようになる。
【0011】
R=Rb+(Ra−Rb)・cos2θ ・・・(1−2)
また、上記式(1−2)を図にすると図20のようになる。ここで、縦軸は、磁気抵抗効果素子120の抵抗値Rであり、横軸は、磁気抵抗効果素子120を流れる電流Iの方向と、外部磁界Heによる磁気抵抗効果素子120の磁化Mの方向とのなす角度θである。
【0012】
しかし、このような磁気抵抗効果素子120において、抵抗変化率の最大値は2〜3%程度と非常に小さいため、適当な大きさのバイアス磁界を加えて感度の良いところを使用したとしても、地磁気のような微弱な磁界では0.05%程度しか抵抗変化が得られない。したがって、磁気抵抗効果素子120を用いた磁気探知装置も感度が不十分であり、地磁気のような微弱な磁界の検出には適してない。さらに、磁気抵抗効果素子120の抵抗変化率は、0.3%/℃程度の大きな温度係数を持っているため、磁気抵抗効果素子120を用いた磁気探知装置では、温度ドリフト等の問題もある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来から知られている磁気探知装置では、感度が不十分であったり、小型化や低価格化が難しいという問題があった。
【0014】
そこで本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、小型化や低価格化が容易で、高い感度が得られる磁気探知装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述したような目的を達成するため、本発明は、磁性体にコイルが巻かれてなる磁気センサを備え、前記磁気センサのコイルに発振電圧が供給されたときに前記コイルに流れる発振電流について、外部磁界により変化する発振電流がピーク値になったときの電流を検出し、この電流値の変化によって外部磁界を探知する磁気探知装置において、前記磁気センサに流れる発振電流の方向を反転させる反転手段と、前記磁気センサのコイルの両端部にそれぞれ接続され、交互に駆動される一対のピーク検波手段を備えるようにしたものである。
【0016】
本発明に係る磁気探知装置では、外部磁化の変化をインダクタンスの変化として検出する。すなわち、外部磁界が変化すると、磁気センサの磁性体の磁化量が変化し、その結果、磁気センサのインダクタンスが変化する。このインダクタンスの変化は、コイルに流れる発振電流の変化を引き起こす。その結果、この磁気探知装置では、外部磁界に応じて磁気センサに流れる発振電流のピーク値が変化する。この磁気探知装置において、発振電流がピークとなったときの電流を検出するため、検出された電流値は、外部磁界に応じて変化する。したがって、この磁気探知装置では、電流値の変化を検出することによって外部磁界を探知することができる。
【0017】
また、上記磁気探知装置は、磁気センサと直列に接続された抵抗を備えていてもよい。このように、磁気センサと直列に抵抗を接続したときには、磁気センサのインダクタンスと、磁気センサと直列に接続された抵抗との時定数により、ピーク値の外部磁界に応じた変化の大きさを定めることができる。
【0018】
さらに、上記磁気探知装置において、磁気センサのコイルに流れる発振電流の振幅は、磁気センサのインダクタンスが急峻な変化を示す範囲を包括するように設定されていることが好ましい。このように発振電流の振幅を設定することにより、外部磁界の変化によって磁気センサのインダクタンスが大きく変化するようになるため、磁気探知装置の感度を高めることができる。この磁気探知装置においては、発振電流の振幅をインダクタンスが直線性をもって急峻に変化する部分に設定することになるために、コイルに流れる発振電流のピーク値の変化が直線性を有することになる。
【0019】
そして、本発明に係る磁気探知装置は、磁気センサのコイルに流れる電流の方向を反転させる反転手段を設け、磁気センサのコイルに流れる電流の方向を反転させることにより、ピーク値の変化を検出する際にそれらの差動を取ることができ、電流方向が一定のときに比べて約2倍の出力が得られる。
【0020】
さらにまた、磁気センサのコイルに流れる電流の方向を反転させたときに、外部磁界が零ならば、それぞれの電流方向における応答波形の変化は互いにキャンセルされる。したがって、この場合、磁気探知装置では、外部磁界がない状態である0点を容易に認識できることとなる。
【0021】
さらにまた、コイルに流れる電流の方向を短時間に反転させたときには、磁気センサのインダクタンスに温度ドリフトや時間ドリフト等が生じても、これらの影響は互いにキャンセルされることとなる。したがって、磁界反転手段を備えた磁気探知装置では、磁気センサのインダクタンスの温度ドリフトや時間ドリフト等の影響を受けることなく、高精度に外部磁界を探知することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更が可能であることは言うまでもない。
【0023】
まず、本発明を適用した磁気探知装置に用いられる磁気センサの一例について説明する。
【0024】
この磁気センサは、図1に示すように、リボン状やワイヤー状に形成された細長いアモルファス等からなる磁性体1と、この磁性体1の長手方向に巻回された銅線等からなるコイル2とから構成される。ここで、磁性体1には、数ガウス程度の微弱な磁界で急峻な透磁率変化を示す角形特性に優れた磁性材料を用いる。そして、この磁気センサ3のコイル2からは、2つの端子4,5が導出される。
【0025】
このような磁気センサ3について、図2に示すように、磁気センサ3の端子4,5に交流電流源6を接続して交流の励磁電流を供給すると共に、磁気センサ3の長手方向に外部磁界Heを加える。このとき、磁気センサ3の特性を、図3に示す。この図3は、「磁気センサ3のインダクタンスL」及び「磁気センサ3のインピーダンスZ」と、「磁気センサ3に供給した励磁電流の周波数f」との関係を示している。
【0026】
ここで、図3中の特性1は、外部磁界He=0のときのインダクタンスLの変化を示しており、図3中の特性2は、外部磁界HeがあるときのインダクタンスLの変化を示しており、図3中の特性3は、外部磁界He=0のときのインピーダンスZの変化を示しており、図3中の特性4は、外部磁界HeがあるときのインピーダンスZの変化を示している。
【0027】
この図3の特性1及び特性2に示すように、磁気センサ3のインダクタンスLは、励磁電流周波数fが高くなると小さくなり、また、外部磁界Heが加わると小さくなる。そして、図3の特性3及び特性4に示すように、磁気センサ3のインピーダンスZは、励磁電流周波数fが高くなると大きくなり、また、外部磁界Heが加わると小さくなる。
【0028】
ここで、図3の特性1及び特性2に示したようなインダクタンスLの変化に着目し、外部磁界Heを磁気センサ3の長手方向に加えたときにインダクタンスLの変化量ΔLが大きい励磁電流周波数、すなわち図3中のfLで示すような励磁電流周波数で、この磁気センサ3を動作させる。このとき、インダクタンスLの外部磁界依存性は、図4に示すようになる。ここで、磁気センサ3の磁性体1には、数ガウス程度の微弱な磁界で急峻な透磁率変化を示す角形特性の優れた磁性材料を用いているため、図4に示すように、磁気センサ3のインダクタンスLの変化は急峻なものとなる。
【0029】
つぎに、このような磁気センサ3を用いて外部磁界Heを検出するときの原理について、図5を参照しながら説明する。この図5では、パルス幅T及びパルス電流Vがそれぞれ一定の発振電圧信号Vosを磁気センサ3に供給したときに、磁気センサ3に流れる電流i01と電流i01を反転させた電流i02とが磁気センサ3に流れている状態について、磁気センサ3のインダクタンスLの変化と対応させて示している。
【0030】
このとき、電流i01及び電流i02を直流バイアス成分を含んだ交流電流とすることが好ましい。電流i01及び電流i02に直流バイアス成分を含ませることにより、これら電流i01及び電流i02からは直流バイアス成分を有する交流磁界が発生し、磁性体1がその長手方向に磁化されることになる。ここで、供給される電流i0及び電流i02は、外部磁界Heが加わって交流磁界がシフトしたとしても、交流磁界が、磁気センサ3のインダクタンスLが急峻な変化を示す範囲を包括するように設定する。
【0031】
以下の説明において、先ず、磁気センサ3に電流i01が流れる場合に関して説明し、次に、磁気センサ3に電流i02が流れる場合に関して説明する。
【0032】
ここで、先ず、磁気センサ3に加わる外部磁界Heに関して、外部磁界He=0の場合を考える。この場合、図5に示すように、磁気センサ3のコイル2に流れる電流i01が0からIhまで変化するように設定すると、磁気センサ3のインダクタンスLはLmaxからLminに変化する。すなわち、この場合、電流i01のピーク値はIhであり、そのときのインダクタンスLはLminである。また、このインダクタンスLがLmaxからLminに変化する電流値をIcとすると、発振電圧信号Vosのパルス幅Tとパルス電圧Vとの積は、ファラデーの法則により下記式(2−1)のように表される。
【0033】
V・T=Lmax・Ic+Lmin・(Ih−Ic)・・・(2−1)
そして、次に、磁気センサ3に対して外部磁界Heが加わる場合を考える。この場合、図5に示すように、電流i01が供給された磁気センサ3には、直流バイアス成分が外部磁界He分だけシフトすることとなり、その結果、図5中Ieで示す分だけシフトした電流ie1が流れることになる。そして、電流ie1のピーク値をIe1とすると、発振電圧信号Vosのパルス幅Tとパルス電圧Vとの積は、ファラデーの法則により下記式(2−2)のように表される。
【0034】
したがって、外部磁界Heが加わらない状態から外部磁界Heが加わった状態に変化したときの発振電圧信号Vosのピーク値の変化量をΔI1とすると、変化量ΔI1は、上記式(2−1)及び上記式(2−2)より下記式(2−3)のように表される。
【0035】
上記式(2−3)から分かるように、見かけ上シフトしたこととなる電流Ieとピーク値の変化量ΔI1とは比例関係にある。そして、この関係において、インダクタンスLの変化量が大きいほどピーク値の変化量ΔI1が大きくなる。また、この関係において、インダクタンスLの変化量が一定、すなわち、インダクタンスLが直線的に変化すると、ピーク値の変化量ΔI1が電流Ieに対してリニアリティをもって変化することとなる。
【0036】
次に、磁気センサ3に対して電流i01を反転させた電流i02が供給された場合について説明する。
【0037】
電流i02が供給された場合において、磁気センサ3に加わる外部磁界Heに関して、外部磁界He=0の場合を考える。この場合、図5に示すように、磁気センサ3のコイル2に流れる電流i02が0から−Ihまで変化するように設定すると、磁気センサ3のインダクタンスLはLmaxからLminに変化する。すなわち、この場合、電流i01のピーク値は−Ihであり、そのときのインダクタンスLはLminである。また、このインダクタンスLがLmaxからLminに変化する電流値を−Icとすると、発振電圧信号Vosのパルス幅Tとパルス電圧−Vとの積は、ファラデーの法則により下記式(2−4)のように表される。
【0038】
−V・T=Lmax・−Ic+Lmin・(−Ih+Ic)・・・(2−4)
そして、次に、電流i02が供給された状態において、磁気センサ3に対して外部磁界Heが加わる場合を考える。この場合、図5に示すように、電流i02が供給された磁気センサ3には、直流バイアス成分が外部磁界He分だけシフトすることとなり、その結果、図5中Ieで示す分だけシフトした電流ie2が流れることになる。そして、電流ie2のピーク値をIe2とすると、発振電圧信号Vosのパルス幅Tとパルス電圧Vとの積は、ファラデーの法則により下記式(2−5)のように表される。
【0039】
したがって、外部磁界Heが加わらない状態から外部磁界Heが加わった状態に変化したときの発振電圧信号Vosのピーク値の変化量をΔI2とすると、変化量ΔI2は、上記式(2−4)及び上記式(2−5)より下記式(2−6)のように表される。
【0040】
上記式(2−6)から分かるように、見かけ上シフトしたこととなる電流Ieとピーク値の変化量ΔI2とは比例関係にある。そして、この関係においても、インダクタンスLの変化量が大きいほどピーク値の変化量ΔI2が大きくなる。また、この関係において、インダクタンスLの変化量が一定、すなわち、インダクタンスLが直線的に変化すると、ピーク値の変化量ΔI2が電流Ieに対してリニアリティをもって変化することとなる。また、このピーク値の変化量ΔI2は、上述したピーク値の変化量ΔI1と符号が逆で同じ大きさとなっている。すなわち、ピーク値の変化量ΔI1とピーク値の変化量ΔI2とは、差動の関係にある。
【0041】
そこで、順方向に電流を流したとき、すなわち電流i01を供給したときのピーク値Ie1と、逆方向に電流を流したとき、すなわち電流i02を供給したときのピーク値Ie2とを測定し、これらの差動を取ることにより、外部磁界Heの変化に応じた信号を、一定の方向にだけ電流を流したときに比べて約2倍の出力として取り出すことができる。
【0042】
また、ピーク値Ie1とピーク値Ie2との差動を取ることにより、外部磁界He=0のときには、磁気センサ3に流れるピーク値が互いにキャンセルされるので、外部磁界Heがない状態である0点を容易に認識することができる。
【0043】
さらに、磁気センサ3は温度等によってインダクタンスLの大きさが変化して磁気センサに流れる電流のピーク値に変化が生じるが、磁気センサ3に流れる電流を短時間で反転させることにより、このような温度ドリフトや時間ドリフト等の影響を互いにキャンセルすることができる。したがって、この磁気センサ3では、温度ドリフトや時間ドリフト等の影響を受けることなく、高精度に外部磁界Heを検出することができる。
【0044】
つぎに、以上のような磁気センサを用いた磁気探知装置の一構成例について説明する。
【0045】
この磁気探知装置は、図6に示すように、磁気センサ10を有して複数個のアナログスイッチを備えてなる第1のアナログスイッチ回路11と、この第1のアナログスイッチ回路11に接続された抵抗12と、この第1のアナログスイッチ回路11に発振電圧信号Vosを供給するパルス信号発振器13と、抵抗12と接続された第2のアナログスイッチ回路14と、この第2のアナログスイッチ回路14に接続されたピーク検波器15A及びピーク検波器15Bと、これらピーク検波器15A及びピーク検波器15Bに接続された差動増幅器16と、第1のアナログスイッチ回路11及び第2のアナログスイッチ回路14に接続された周波数分周器17とを備える。
【0046】
ここで、磁気センサ10は、上述したように、リボン状やワイヤー状に形成された細長いアモルファス等からなる磁性体と、この磁性体の長手方向に巻回された銅線等からなるコイルとから構成される。そして、この磁気センサ10は、スイッチSW1、スイッチSW2、スイッチSW3及びスイッチSW4を備えた第1のアナログスイッチ回路11内に配されている。そして、磁気センサ10に流れる電流方向は、これら4つのスイッチをオン/オフ制御することによって反転させることができるようになっている。そして、アナログスイッチ回路11に接続された抵抗12は、磁気センサ10に対して直列となるように接続されており、この抵抗12と磁気センサ10とによって積分回路が構成される。
【0047】
この積分回路は、パルス信号発振器13に接続されており、このパルス信号発振器13から積分回路に発振電圧信号Vosが供給され、これにより、磁気センサ10及び抵抗12に積分電流が流れ、この積分電流N応じて抵抗12には積分電圧Vrが生じる。なお、発振電圧供給源13から供給される発振電圧は、方形波が好ましいが、これに限られるものではなく、例えば、三角波等であってもよい。
【0048】
また、積分電圧Vrは、抵抗12の一端部から導出された配線に接続された第2のアナログスイッチ回路14に供給される。この第2のアナログスイッチ回路14は、スイッチSW5及びスイッチSW6を備え、磁気センサ10に流れる電流の方向に対応して積分電圧Vrをピーク検波器15A又はピーク検波器15Bのいずれか一方に供給する。この第2のアナログスイッチ回路14では、スイッチSW5がオンでスイッチSW6がオフとされることにより、積分電圧Vrが積分電圧Vr1としてピーク検波器15Aに供給される。これに対して、この第2のアナログスイッチ回路14では、スイッチSW5がオフでスイッチSW6がオンとされることによって、積分電圧Vrが積分電圧Vr2としてピーク検波器15Bに供給される。
【0049】
ピーク検波器15Aは、積分電圧Vr1のピーク値を検出することができ、その結果、差動増幅回路16に対して電圧信号Ve1を出力する。同様に、ピーク検波器15Bは、積分電圧Vr2のピーク値を検出することができ、その結果、差動増幅回路16に対して電圧信号Ve2を出力する。
【0050】
そして、差動増幅器16は、電圧信号Ve1及び電圧信号Ve2の差動をとることができ、その結果、電圧信号Veを出力する。このとき、差動増幅器16に対して出力される電圧信号Ve1及び電圧信号Ve2は、外部磁界に応じた大きさを有し、互いに差動の関係にある。このため、差動増幅器16から出力される電圧信号Veは、外部磁界に対応して大きさの異なるものとなる。
【0051】
一方、この磁気探知装置において、周波数分周器17は、第1のアナログスイッチ回路11及び第2のアナログスイッチ回路14におけるスイッチのオン/オフ制御を行うための信号Q,Q´を発生している。このとき、周波数分周器17は、パルス信号発振器13と接続されており、このパルス信号発振器13から発振電圧信号Vosが供給される。そして、このパルス信号発振器13に供給された発振電圧信号Vosは、分周されて信号Q,Q´となる。
【0052】
これら信号Q,Q´は、第1のアナログスイッチ回路11におけるスイッチSW1乃至SW4と第2のアナログスイッチ回路14におけるSW5及びSW6とを同期して切り替えることによって、磁気センサ10に流れる電流の方向と上述したSW5及びSW6のオン/オフ制御を同期させている。
【0053】
このように、この磁気探知装置では、信号Q,Q´により、発振電圧信号Vosと、第1のアナログスイッチ回路11及び第2のアナログスイッチ回路14を構成する複数個のスイッチSW1乃至スイッチSW6の切替えとを同期させている。このため、この磁気探知装置は、より確実な動作をすることとなり、動作安定性が向上したものとなる
このような磁気探知装置の動作について、電圧波形のタイムチャートである図7を参照しながら説明する。
【0054】
先ず、この磁気探知装置では、パルス信号発振器13から、図7(1)で示すように、発振電圧信号Vosが供給される。この発振電圧信号Vosは、周波数分周器に供給されると、図7(2)で示すように、信号Q及び信号Q´となる。この信号Q及び信号Q´は、互いに正反対の位相を有する波形を有する信号となり、第1のアナログスイッチ回路11及び第2のアナログスイッチ回路14にそれぞれ供給される。
【0055】
第1のアナログスイッチ回路11において、信号Qは、スイッチSW1及びスイッチSW2に接続され、信号Q´は、スイッチSW3及びスイッチSW4に接続される。そして、これらのスイッチSW1乃至スイッチSW4は、それぞれに接続された信号Q又は信号Q´の信号レベルが「H」のときオンとなり、信号Q又は信号Q´の信号レベルが「L」のときオフとなる。
【0056】
また、第2のアナログスイッチ回路14では、信号QはスイッチSW5に接続され、信号Q´はスイッチSW6に接続される。そして、これらスイッチSW5及びスイッチSW6は、それぞれに接続された信号Q又は信号Q´の信号レベルが「H」のときオンとなり、信号Q又は信号Q´の信号レベルが「L」のときオフとなる。
【0057】
このため、信号Qが「H」であり信号Q´が「L」であるような場合、スイッチSW1及びスイッチSW2がオンとなり、スイッチSW3及びスイッチSW4がオフとなる。このため、この第1のアナログスイッチ回路11では、図6中矢印Aで示す方向に電流が流れる。
【0058】
そして、信号Qが「H」であり信号Q´が「L」であるような場合、第2のアナログスイッチ回路14では、スイッチSW5がオンとなり、スイッチSW6がオフとなる。このため、第2のアナログスイッチ回路14では、積分電圧Vrが積分電圧Vr1としてピーク検波器15Aに供給される。
【0059】
これに対して、信号Qが「L」であり信号Q´が「H」であるような場合、スイッチSW1及びスイッチSW2がオフとなり、スイッチSW3及びスイッチSW4がオンとなる。このため、この第1のアナログスイッチ回路11では、図6中矢印Bで示す方向に電流が流れる。
【0060】
そして、信号Qが「L」であり信号Q´が「H」であるような場合、第2のアナログスイッチ回路14では、スイッチSW5がオフとなり、スイッチSW6がオンとなる。このため、第2のアナログスイッチ回路14では、積分電圧Vrが積分電圧Vr2としてピーク検波器15Bに供給される。
【0061】
このように、積分電圧Vrは、図7(3)に示すように、磁気センサ11に供給された電流の方向に応じた積分電圧Vr1及び積分電圧Vr2から構成されている。そして、この磁気探知装置では、磁気センサ10に供給される電流の方向とスイッチSW5及びスイッチSW6のオン/オフ制御とが同期して行われる。このように、磁気センサ10に対して図6中矢印Aで示す方向に電流が流れた場合には、積分電圧VrはVr1としてピーク検波器15Aに供給され、このピーク検波器15Aからピーク値Ve1が出力される。また、磁気センサ10に対して図6中矢印Bで示す方向に電流が流れた場合には、積分電圧VrはVr2としてピーク検波器15Bに供給され、このピーク検波器15Bからピーク値Ve2が出力される。
【0062】
ここで、積分電圧Vr1及び積分電圧Vr2は、磁気センサ10に発振電圧信号Vosを供給したときの、電流の方向による応答波形を示している。したがって、これら積分電圧Vr1及び積分電圧Vr2は、外部磁界の大きさに従ったピーク値Ve1及びピーク値Ve2を有することとなる。また、これらピーク値Ve1及びピーク値Ve2は、異なる方向の電流からの応答波形からのピーク値であるために互いに差動の関係を有する。ここで、発振電圧信号Vosは、振幅が磁気センサ10のインダクタンスLのLmaxからLminへの変化を包括するように設定しておく。これにより、磁気探知装置では、外部磁界の大きさの変化に伴うインダクタンスLの変化を積分電圧Vrのピーク値の変化として出力する際、ピーク値の変化量が線形に変化することになる。
【0063】
ところで、本実施の形態に係る磁気探知装置では、第1のアナログスイッチ回路11により磁気センサ10に流れる電流方向を反転させることができる。このため、この磁気探知装置では、磁気センサ10に流れる電流方向を反転させて外部磁界Heを検出することにより、一定の方向にだけ電流を流したときに比べて約2倍の出力が得られ、また、この磁気探知装置は、外部磁界Heがない状態である0点を容易に認識することができ、さらには、温度ドリフトや時間ドリフト等の影響を取り除くことができる。
【0064】
また、本実施の形態に示した磁気探知装置では、応答波形である積分電圧Vrのピーク値Veの変化量を検出しているため、0.3±0.6(G)程度の地磁気を高感度に検出することができる。そして、この磁気探知装置においては、磁気センサ10の構成が比較的簡単であり、且つ、ピーク値Veの変化量を検出する回路に用いる集積回路(IC)の数を削減することができるため、小型化及び低コスト化を達成することができる。
【0065】
ところで、本発明は、上述したような磁気探知装置に限定されるものではなく、図8に示すような磁気探知装置であってもよい。
【0066】
この磁気探知装置は、第1の端子20A及び第2の端子20Bを有する磁気センサ10と、第1の端子20Aと第1の抵抗21Aを介して接続された第1のアンドゲート22Aと、第2の端子20Bと第2の抵抗21Bを介して接続された第2のアンドゲート22Bと、これら第1のアンドゲート22A及び第2のアンドゲート22Bに対して発振電圧Vosを供給するパルス電圧発振器13と、このパルス電圧発振器13から供給された発振電圧を分周して制御信号Q,Q´を発振する周波数分周器17とを備える。また、この磁気探知装置は、第1の端子20Aと接続された第1のピーク検波器23Aと、第2の端子20Bと接続された第2のピーク検波器23Bと、第1のピーク検波器23A及び周波数分周器17に接続された第1のトランジスタ24Aと、第2のピーク検波器23B及び周波数分周器17に接続された第2のトランジスタ24Bとを備える。さらに、この磁気探知装置は、これら一対のピーク検波器23A,23Bから供給された信号の差動をとる差動増幅器25を備える。
【0067】
この磁気探知装置において、第1のピーク検波器23Aは、トランジスタ27及び抵抗28からなる第1のエミッタフォロア回路29と、トランジスタ30及び抵抗31からなる第2のエミッタフォロア回路32と、この第2のエミッタフォロア回路の出力に接続されたコンデンサ33とから構成されている。なお、この磁気探知装置において、第1のピーク検波器23Aと第2のピーク検波器23Bとは、同一の構成を有するために、同一符号を付することにより説明を省略する。
【0068】
また、この磁気探知装置において、差動増幅回路25は、第1のオペアンプ35と、第2のオペアンプ36と、抵抗37、抵抗38、抵抗39及び抵抗40と、コンデンサ41と、基準電源42とから構成されている。この差動増幅器25では、抵抗40とコンデンサ41とからローパスフィルターを構成している。
【0069】
以上のように構成された磁気探知装置の動作原理を、図9に示す各段階における波形図に基づいて説明する。
【0070】
先ず、パルス電圧発振器13では、図9中(1)に示すように、パルス幅T、パルス電流Vの発振電圧Vosが形成される。この発振電圧Vosは、一対のアンドゲート22A,22Bにそれぞれ供給されるとともに周波数分周器17に供給される。周波数分周器17では、供給された発振電圧Vosを基にして、図9中(2)に示すような制御信号Q,Q´が形成される。制御信号Q´は、第1のアンドゲート22Aに供給されるとともに第2のトランジスタ24Bに供給され、制御信号Qは、第2のアンドゲート22Bに供給されるとともに第1のトランジスタ24Aに供給される。
【0071】
このとき、アンドゲート22A及びアンドゲート22Bでは、発振電圧Vosと制御信号Q,Q´の論理積をとる。すなわち、第1のアンドゲート22Aでは、制御信号Q´と発振電圧Vosとの論理積をとるため、図9中(3)のVg1で示す波形の信号を出力する。また、第2のアンドゲート22Bでは、制御信号Qと発振電圧Vosとの論理積をとるため、図9中(3)のVg2で示す波形の信号を出力する。
【0072】
これにより、この磁気探知装置では、磁気センサ10に対して所定のタイミングで信号Vg1及び信号Vg2が出力されることとなる。このとき、磁気センサ10では、信号Vg1が「L」であり、信号Vg2が「H」である場合に、図8中矢印Aで示す方向に電流が流れる。逆に、信号Vg1が「H」であり、信号Vg2が「L」である場合に、図8中矢印Bで示す方向に電流が流れる。なお、図8中矢印Aで示す方向に流れる時間をT1とし、図8中矢印Bで示す方向に流れる時間をT2とする。
【0073】
この磁気探知装置では、図8中矢印A方向に電流が流れる場合、第1の抵抗21Aと磁気センサ10とにより積分回路が構成されることになり、これに対して、図8中矢印B方向に電流が流れる場合、第2の抵抗21Bと磁気センサ10とにより積分回路が構成されることになる。そして、図8中矢印A方向に電流が流れた場合、第1の抵抗21Aと磁気センサ10の一方の端子20Aとには、流れた積分電流に応じて図9(4)のVr1で示す積分電圧が発生する。逆に、図8中矢印B方向に電流が流れた場合、第2の抵抗21Bと磁気センサ10の一方の端子20Bとには、流れた積分電流に応じて図9(4)のVr2で示す積分電圧が発生する。
【0074】
これら積分電圧Vr1,Vr2は、磁気センサ10に発振電圧Vosを供給したときの、電流の方向による応答波形を示している。したがって、これら積分電圧Vr1、Vr2は、外部磁界の大きさに従ったピークを示すこととなる。また、これら積分電圧Vr1,Vr2は、所定の外部磁界が磁気センサ10に印加された際に形成される波形であり、磁気センサ10のコイルに正反対方向に流れた電流によって形成されるために互いに差動の関係にある。
【0075】
そして、積分電圧Vr1は、第1のピーク検波器23Aに供給されるとともに、積分電圧Vr2は、第2のピーク検波器23Bに供給される。そして、これらピーク検波器23A,23Bでは、所定の時間における積分電圧Vr1、Vr2のピークがそれぞれ検出される。
【0076】
先ず、第1のピーク検波器23Aにおいて、積分電圧Vr1のピークを検出する場合を説明する。この第1のピーク検波器23Aは、この第1のトランジスタ24Aによりオン/オフ制御される。そして、第1のピーク検波器23Aは、オンとされることにより、期間T1における積分電圧Vr1のピークを検出する。また、第1のピーク検波器23Aは、オフとされることにより、積分電圧Vr1のピークを検出せずに出力を生じない。
【0077】
第1のトランジスタ24Aは、周波数分周器17と接続されており、周波数分周器17より制御信号Qが供給される。そして、第1のトランジスタ24Aは、供給された制御信号Qが「H」であるときオフとなる。これに対して、第1のトランジスタ24Aは、供給された制御信号Qが「L」であるときオンとなる。
【0078】
このとき、第1のトランジスタ24Aは、第2のエミッタフォロア回路32の入力と接続されており、この第2のエミッタフォロア回路32を駆動させるかどうかを制御している。すなわち、第1のトランジスタ24Aがオンであるときには、第2のエミッタフォロア回路32を駆動させないこととなり、第1のピーク検波器23Aがオフとなる。逆に、第1のトランジスタ24Aがオフであるときには、第2のエミッタフォロア回路32を駆動させることとなり、第1のピーク検波器23Aがオンとなる。
【0079】
このため、この磁気探知装置では、制御信号Qが「H」のとき、第1のトランジスタ24Aにより第1のピーク検波器23Aが駆動して積分電圧Vr1のピークを検出する。そして、このピーク検波器23Aは、制御信号Qが「L」のとき、第1のトランジスタ24Aによりオフとされ、積分電圧Vr1のピークの検出を行わない。
【0080】
この磁気探知装置では、図9に示す波形図におけるT1で示した期間で、制御信号Qが「H」となっている。このため、この磁気探知装置では、期間T1における積分電圧Vr1のピークを第1のピーク検波回路23Aにて検出することができる。
【0081】
ところで、この第1のピーク検波器23Aでは、第2のエミッタフォロア回路32が駆動しているとき、積分電圧Vr1がピークとなるとコンデンサ33に充電され、そのピーク電圧値Ve1が保持される。そして、このピーク電圧値Ve1は、差動増幅器25に対して出力される。また、このとき、第1のピーク検波器23Aでは、積分電圧Vr1がピークでない場合、コンデンサ33に保持された電圧によりトランジスタ30がオフとなる。このため、コンデンサ33の電荷は、抵抗31を通して大きな時定数で放電される。したがって、この第1のピーク検波器23Aでは、期間T1における積分電圧Vr1のピークのみを検出することができる。
【0082】
一方、第2のピーク検波器23Bでは、上述した第1のピーク検波器23Aの場合と同様に、第2のトランジスタ24Bによりオン/オフ制御がなされる。この第2のピーク検波器23Bの場合、第2のトランジスタ24Bに対して制御信号Q´が供給されるため、期間T2における積分電圧Vr2のピーク電圧値Ve2のみを検出することができる。したがって、この第2のピーク検波器23Bからは、差動増幅器25に対してピーク電圧値Ve2が出力される。
【0083】
そして、差動増幅器25では、供給されたピーク電圧値Ve1,Ve2の差動をとり、図9中(5)に示すように、電圧増幅された電圧値Veが出力される。このとき、差動増幅器25に対して出力されるピーク電圧値Ve1及びピーク電圧値Ve2は、外部磁界に応じた大きさを有し、互いに差動の関係にある。この差動増幅器25において、抵抗37及び抵抗40の値をRoとし、抵抗38及び抵抗39の値をRiとし、基準電圧42の値をVrefとすると、外部磁界Heが直流のときには出力である電圧値Veが下記式(3ー1)のように表される。
【0084】
Ve=(Ro/Ri+1)(Ve1−Ve2)+Vref・・・(3ー1)
すなわち、電圧値Veは、図9中(5)に示すように、基準電圧Vrefを基準とした電圧信号として出力される。なお、この差動増幅器25では、外部磁界Heが0のとき、出力されるVeはVrefと同じ値となる。
【0085】
また、この差動増幅器25には、抵抗40とコンデンサ41とによりローパスフィルターが構成されている。このローパスフィルターにおいて、コンデンサ41の値をCoとすると、カットオフ周波数fcは下記式(3−2)のように近似して表すことができる。
【0086】
fc=1/(2π・Co・Ro)・・・(3−2)
この式(3−2)からわかるように、差動増幅器25では、外部磁界Heに乗った交流磁界をローパスフィルターにて除去することができる。このため、この磁気探知装置では、出力を向上させることができ、より高精度に外部磁界を検出することができる。
【0087】
上述したように、図8に示した磁気探知装置では、磁気センサ10に供給される電流を反転させる手段としてアンドゲート22A,22Bを用いている。このため、この磁気探知装置では、容易に小型化することができ、また、コストを低く抑えることができる。
【0088】
つぎに、磁気センサ10に加わった外部磁界Heの変化が、磁気センサ10と直列に接続された抵抗12に生じるピーク値の変化として現れる原理について説明する。
【0089】
磁気センサと抵抗が直列に接続された積分回路に電流が立ち上がるときの状態をモデル化した回路図を図10に示す。この図10に示した回路は、磁気センサ50と抵抗51とが直列に接続され、スイッチ52と直流電源53とが配されなるような構成とされる。このような回路において、スイッチ52をオフからオンにすると、磁気センサ50と抵抗51とからなる積分回路に直流電源53から直流電圧が印加され、磁気センサ50に電流iが流れ出す。ここで、磁気センサ50に流れる電流iは、積分回路に印加される直流電圧をV、磁気センサ50のインダクタンスをL、抵抗51の抵抗値をR、電流iの立ち上がり時間をtとすると、下記式(2−7)で表される。
【0090】
【数1】
【0091】
上述したように、磁気センサ50のインダクタンスLは、電流iが立ち上がっている間に、LmaxからLminへ変化する。ここで、電流iは、インダクタンスLのLmaxからLminへの変化を包括するように設定しておく。
【0092】
そして、磁気センサ50のインダクタンスLがLmaxからLminへと変化するため、積分回路に流れる電流iは、図11に示すように、その電流値が0からIcまでのあいだインダクタンスLがLmaxの状態で立ち上がり、その電流値がIcからIhのあいだインダクタンスLがLminの状態で立ち上がることとなる。なお、図11において、電流iの電流値0から電流値Icまでの立上がり時間をt1とし、電流iの電流値Icから電流値Ihまでの立上がり時間をt2とする。そして、これら立上り時間t1及びt2の合計をTとし、この合計時間Tが一定とすると、上記式(2−7)から下記式(2−8)が導かれる。
【0093】
【数2】
【0094】
ここで、磁気センサ50に加わる外部磁界Heが変化すると、この変化分だけインダクタンスLがLmaxからLminに変化する変化点がシフトすることを考慮する。すなわち、磁気センサ50に加わる外部磁界Heが変化すると、電流値Icの値がシフトする。したがって、上記式(2−8)から分かるように、磁気センサ50に加わる外部磁界Heが変化して電流値Icがシフトすると、立上り時間t1及びt2が変化する。
【0095】
このことから、磁気センサ50に加わる外部磁界Heが変化すると、電流値Ihも変化することが分かる。言い換えると、磁気センサ50に加わる外部磁界Heが変化すると、抵抗51に発生する電流値が変化することとなる。このことを上述した磁気探知装置に当てはめて考えると、磁気センサ10に供給された発振電圧信号Vosは、外部磁界Heが変化すると積分電圧Vrの波形が変化したものとなることがわかる。このため、磁気センサ10に加わる外部磁界Heが変化すると、積分電圧Vrから出力されるピーク値Veが変化することが分かる。
【0096】
ところで、図6又は図8に示したような磁気探知装置において、磁気センサ10と抵抗12,21A,21Bとからなる積分回路に供給された発振電圧信号Vosから生じるピーク値Veは、外部磁界Heと磁気センサ10の磁性体の長手方向に生じる磁界とが成す角度θに依存している。すなわち、外部磁界Heが一定のとき、ピーク値Veは、図12に示すように、外部磁界Heと磁気センサ11の磁性体の長手方向に生じる磁界とが成す角度θに依存して変化する。なお、図12では、外部磁界Heの向きと磁気センサ11の磁性体の長手方向に生じる磁界の向きとが同じときを方位0°としている。
【0097】
図12から分かるように、ピーク値Veは外部磁界Heの方位情報を含んでいる。これは、磁気センサ10の磁性体の磁化量が、磁気センサ11に流れる電流iによる磁化量と外部磁界Heによる磁化量との合計であり、外部磁界Heによる磁化量が、外部磁界Heと磁気センサ10の磁性体の長手方向に生じる磁界とが成す角度θに依存して変化するからである。
【0098】
すなわち、図13に示すように、磁気センサ10のコイル10bに流れる電流iによる磁界Hbは一定であるが、外部磁界Heによって磁気センサ10の磁性体10aに生じる磁界は、外部磁界Heの方向に依存している。したがって、磁気センサ10で検出される磁界Hは、下記式(2−9)で示すように、外部磁界Heのうち、磁性体10aの長手方向成分のみとなる。
【0099】
H=He・cosθ ・・・(2−9)
なお、上記式(2−9)に示すように、磁気センサ10で検出される磁界Hは、外部磁界Heの方位情報を含んでいるので、複数の磁気センサ10を用いることにより、外部磁界Heの方向を知ることができる。
【0100】
具体的には、例えば、図14に示すように、磁気探知装置に2つの磁気センサ10x,10yを組み込むことが考えられる。なお、この一対の磁気センサ10x,10yを有する磁気探知装置において、図6に示した磁気探知装置と同一の部材に関して同一の符号を付することにより、その説明を省略する。
【0101】
この磁気探知装置は、一対の磁気センサ10x,10yを有するセンサ部60と、これら磁気センサ10x,10yを駆動させる第1のアナログスイッチ回路61と、センサ部60からの積分電圧Vrを選択的に出力させる第2のアナログスイッチ回路62とを備える。また、この磁気探知装置は、一対の磁気センサ10x及び磁気センサ10yと直列に接続された抵抗12と、パルス信号発振器13と周波数分周器と、差動増幅回路(図示せず。)とを備える。
【0102】
ここで、図15に示すように、磁気センサ10xは、X軸方向に配置し、磁気センサ10yは、X軸方向に対して直交するY軸方向に配置する。すなわち、磁気センサ10x及び磁気センサ10yは、互いに直交するように配置する。このとき、図15に示すように、外部磁界Heの方向と、X軸方向検出用の磁気センサ10xの磁性体の長手方向とが成す角度をθとすると、X軸方向検出用の磁気センサ10xによって検出される磁界Hxは、下記式(2−10)で表され、Y軸方向検出用の磁気センサ10yによって検出される磁界Hyは、下記式(2−11)で表される。
【0103】
Hx=He・cosθ ・・・(2−10)
Hy=He・sinθ ・・・(2−11)
ここで、X軸方向検出用の磁気センサ10xによって検出される磁界Hxと、Y軸方向検出用の磁気センサ10yによって検出される磁界Hyとの比をとると、下記式(2−12)となる。
【0104】
Hy/Hx=sinθ/cosθ=tanθ ・・・(2−12)
したがって、外部磁界Heの方向と、X軸方向検出用の磁気センサ10xの磁性体の長手方向とが成す角度θは、下記式(2−13)で表される。ただし、下記式(2−13)において、Hy≧0のときは、180°≧θ≧0°であり、0>Hyのときは、360°>θ>180°である。
【0105】
θ=tan-1(Hy/Hx) ・・・(2−13)
このように磁気探知装置に2つの磁気センサを設けることにより、外部磁界Heの2次元での方向を知ることができる。
【0106】
ところで、上述したような一対の磁気センサを有する磁気探知装置は、図14に示したような構成に限定されるものではない。すなわち、一対の磁気センサを有する磁気探知装置としては、図16に示すように、一対のアンドゲート22A,22Bを備える構成のものが挙げられる。この磁気探知装置において、図8に示した磁気探知装置と同様の部材に関して同一の符号を付することにより、その説明を省略する。
【0107】
この磁気探知装置は、一対の磁気センサ10x,10yと、磁気センサ10xに接続された抵抗21A,21B及び磁気センサ10yに接続された抵抗21A,21Bと、これら抵抗21A,21Bを介して磁気センサ10x,10yとそれぞれ接続された一対のアンドゲート22A,22Bとを備える。また、この磁気探知装置は、磁気センサ10x及び抵抗21A,21Bからの積分電圧におけるピークを検出する一対のピーク検出器23A,23Bと、これら一対のピーク検出器23A,23Bからの出力の差動をとる第1の差動増幅器25Aとを備える。さらに、この磁気探知装置は、磁気センサ10y及び抵抗21A,21Bからの積分電圧におけるピークを検出する一対のピーク検出器23A,23Bと、これら一対のピーク検出器23A,23Bからの出力の差動をとる第2の差動増幅器25Bとを備える。
【0108】
このように構成された磁気探知装置では、第1の差動増幅器25Aからの出力により、X軸における外部磁界を検出することができ、第2の差動増幅器25Bからの出力により、Y軸における外部磁界を検出することができる。これにより、この磁気探知装置では、X軸とY軸とからなる平面上における外部磁界を検出することができる。言い換えると、この磁気探知装置によれば、外部磁界の大きさとXY平面における外部磁界の方向とを検出することができる。
【0109】
また、外部磁界の3次元での方向を知りたい場合には、3つの磁気センサを設ければよいことは言うまでもない。すなわち、外部磁界の3次元での方向や大きさ、すなわち立体空間内での外部磁界の方向や大きさまで知りたいときには、互いに直交する3つの磁気センサを用いればよい。なお、従来の磁気探知装置でも、互いに直交する3つの磁気センサを設ければ、立体空間内での回転角度を探知することはできる。しかしながら、従来の磁気探知装置では、上述したように、磁気センサを互いに直交するように配置することは難しかった。
【0110】
これに対して、本発明を係る磁気探知装置に使用される磁気センサは、非常に簡単な構成であるので、それぞれを互いに直交するように配置することは容易である。したがって、本発明を適用することにより、立体空間内での回転角度を探知することができる磁気探知装置を、低価格で提供することが可能となる。
【0111】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明に係る磁気探知装置では、外部磁界の検出に、外部磁界の変化に伴って急峻な変化を示すインダクタンスの変化を、発振電流のピーク値の変化として検出しているため、非常に高い感度で外部磁界を検出することができる。また、本発明に係る磁気探知装置は、磁気センサにおける発振電流のピーク値を検出する回路が非常に簡単な構成であるので、容易に小型化や低価格化を図ることができる。
【0112】
したがって、本発明によれば、小型化や低価格化が容易で、高い感度が得られる磁気探知装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気探知装置に用いられる磁気センサの一例を示す模式図である。
【図2】図1に示した磁気センサに励磁電流を供給する様子を示す模式図である。
【図3】図1に示した磁気センサのインダクタンスL及びインピーダンスZと、励磁電流周波数fとの関係を示す特性図である。
【図4】図1に示した磁気センサのインダクタンスLと、外部磁界の大きさHとの関係を示す特性図である。
【図5】図1に示した磁気センサによる外部磁界検出の原理を説明するための図である。
【図6】本発明を適用した磁気探知装置の一構成例を示す回路図である。
【図7】図6に示した磁気探知装置の各部における電圧波形のタイムチャートを示す特性図である。
【図8】 本発明を適用した磁気探知装置の他の例を示す回路図である。
【図9】図8に示した磁気探知装置の各部における電圧波形のタイムチャートを示す特性図である。
【図10】磁気センサと抵抗からなる積分回路に電流が立ち上がるときの状態をモデル化した回路図である。
【図11】図10に示した積分回路に流れる電流の立ち上がり時の様子を示す図である。
【図12】ピーク値Vrと外部磁界Heの方向との関係を示す特性図である。
【図13】磁気センサの磁性体の磁化の様子を示す模式図である。
【図14】本発明を適用した磁気探知装置の他の構成例を示す回路図である。
【図15】図14に示した磁気探知装置の磁気センサの配置の様子を示す模式図である。
【図16】本発明を適用した磁気探知装置の他の構成例を示す回路図である。
【図17】ホール素子を用いた磁気探知装置の一例を示す模式図である。
【図18】フラックスゲートセンサを用いた磁気探知装置の一例を示す模式図である。
【図19】磁気抵抗効果素子の一例を示す模式図である。
【図20】磁気抵抗効果素子の磁気抵抗効果特性を示す図である。
【符号の説明】
10 磁気センサ、11 第1のアナログスイッチ回路、12 抵抗、13 パルス信号発振器、14 第2のアナログスイッチ回路、15 ピーク検波器、16 差動増幅器
Claims (10)
- 磁性体にコイルが巻かれてなる磁気センサを備え、前記磁気センサのコイルに発振電圧が供給されたときに前記コイルに流れる発振電流について、外部磁界により変化する発振電流がピーク値になったときの電流を検出し、この電流値の変化によって外部磁界を探知する磁気探知装置において、
前記磁気センサに流れる発振電流の方向を反転させる反転手段と、
前記磁気センサのコイルの両端部にそれぞれ接続され、交互に駆動される一対のピーク検波手段を備えることを特徴とする磁気探知装置。 - 前記磁気センサと直列に接続された抵抗を備えることを特徴とする請求項1記載の磁気探知装置。
- 前記磁気センサのコイルに流れる発振電流の振幅が、磁気センサのインダクタンスが急峻な変化を示す範囲を包括するように設定されていることを特徴とする請求項1記載の磁気探知装置。
- 前記磁気センサのコイルに供給される発振電圧は、パルス電圧であることを特徴とする請求項1記載の磁気探知装置。
- 磁気センサのコイルに発振電圧を供給する発振手段と、この発振手段より供給された発振電圧を分周することにより制御信号を出力する分周手段とを備え、
前記反転手段は、この発振手段から供給される発振電圧とこの分周手段から供給される制御信号との論理積をとることを特徴とする請求項1記載の磁気探知装置。 - 前記反転手段は、前記磁気センサのコイルの両端部にそれぞれ接続された一対のアンドゲートであることを特徴とする請求項5記載の磁気探知装置。
- 前記一対のピーク検波手段には、それぞれ分周手段が接続されていることを特徴とする請求項1記載の磁気探知装置。
- 前記一対のピーク検波手段のうちの一方には、他方のピーク検波手段に供給される制御信号と180°位相を異にする制御信号が供給されることを特徴とする請求項1記載の磁気探知装置。
- 前記一対のピーク検波回路からそれぞれ出力された電圧値を信号として、これら信号の差動をとる差動増幅回路を備えることを特徴とする請求項1記載の磁気探知装置。
- 前記差動増幅回路は、ローパスフィルタを有することを特徴とする請求項9記載の磁気探知装置。
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