JP2003004830A - 磁界検出装置 - Google Patents

磁界検出装置

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JP2003004830A
JP2003004830A JP2001184961A JP2001184961A JP2003004830A JP 2003004830 A JP2003004830 A JP 2003004830A JP 2001184961 A JP2001184961 A JP 2001184961A JP 2001184961 A JP2001184961 A JP 2001184961A JP 2003004830 A JP2003004830 A JP 2003004830A
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magnetic
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sensing element
field detection
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JP2001184961A
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Kaneo Mori
佳年雄 毛利
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Original Assignee
Aichi Micro Intelligent Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】検出感度の向上 【解決手段】感磁素子10は線状の零磁歪アモルファス
磁性体であり、発振器13は矩形波を発振する。微分回
路14にて微分され、パルス電流Iが感磁素子10に供
給される。感磁素子10を内部に配設した検出コイル1
8の出力は、パルス電流に同期してオンするスイッチ1
5を通過し、信号処理回路16に入力する。この信号処
理回路16はピークホールド回路であり、繰り返して検
出されるパルス信号のピークがホールドされる。信号処
理回路16の出力信号は増幅器22に入力し、増幅器2
2の出力信号が磁界の大きさを2値的に判定した信号と
なる。増幅器22の出力信号は、抵抗R8 を介して感磁
素子を内部に配設した帰還コイル12に印加され、帰還
コイル12には電流が流れ、外部磁界に対してその向き
の磁界成分を発生させ、磁界成分を正帰還することにな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気カードリーダ
や接近スイッチ、自動車の車速センサ、磁気エンコーダ
ヘッドなどのスイッチ形の磁界検出装置に関する。特
に、検出レベルが高感度な2値的な磁界検出装置に関す
る。
【従来の技術】
【0002】従来、磁気検出装置として、鉄道交通機関
の自動改札や地下鉄、バスなどの自動検札等では、所謂
駅務磁気センサが用いられ、ATMや自動販売機等で
は、紙幣磁気センサが用いられている。他に、磁気検出
装置として、プリペイドカードの読取磁気センサ、ロー
タリエンコーダ用磁気センサ、自動車用車速センサ、工
場内で使用される接近センサが知られている。これらの
磁気検出装置では、ホール素子、磁気抵抗素子等にコン
パレータを接続して、外部磁界を2値的に検出するスイ
ッチ形の磁界検出装置が多数使用されている。
【0003】これらの磁界検出装置においては、駅務セ
ンサ、バンキングセンサでは、これまでの接触方式の磁
気ヘッドからメインテナンスフリーの非接触方式磁界セ
ンサへの転換が要望されている。又、自動車用車速セン
サでは、アンチスキッドブレーキングシステム(AB
S)の高度化により、より高精度な車速センサが要求さ
れている。このように、従来の磁気検出装置において、
より高感度なスイッチ形磁界検出装置の実現が要望され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ホール素子、磁気抵抗(MR)効果素子、巨大磁気抵抗
(GMR)効果素子等の磁界センサでは、感度が不足し
ているために、これらの要求に答えることが困難であっ
た。尚、従来の高感度磁界センサであるフラックスゲー
トセンサは、地磁気等の一様な磁界に対しては、非常に
高感度であるが、ヘッドの両端が反磁界のため磁気的に
死んだ状態となっているため、着磁信号のような局所磁
界の検出には不適であった。
【0005】そこで、本発明は、これらの課題を解決す
るためになされたものである。即ち、本発明の目的は、
高感度なスイッチ形の磁界検出装置を提供することであ
る。又、他の目的は、非接触でも検出可能なスイッチ形
の磁界検出装置を提供することである。又、他の目的
は、外部磁界を2値的に検出するしきい値を容易に変化
させ得るようにすることである。又、他の目的は、検出
を低消費電力で行うことである。さらに、他の目的は、
構造が簡単で小型化された磁界検出装置とすることであ
る。これらの目的は、本出願において開示されたそれぞ
れの発明が個々に達成する目的であって、本件各発明が
これらの目的の全てを達成するものと理解されるべきで
はない。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の作用効果】請求
項1の発明は、外部磁界の大きさを2値的に検出する磁
界検出装置において、検出すべき外部磁界に応じて電気
的特性が変化する感磁素子と、感磁素子に対して給電す
る給電手段と、感磁素子の変化する電気的特性に応じて
検出信号を出力する検出手段と、検出信号に応じた磁界
を外部磁界に対して正帰還させる正帰還手段とを有する
ことを特徴とする磁界検出装置である。本磁界検出装置
は、外部磁界が所定レベルよりも大きいか小さいかを2
値的に検出するスイッチ形の磁気検出装置である。そし
て、正帰還をかけることにより、検出感度を向上させる
ことができる。又、2値的変化を急峻とすることができ
る。ループ利得が1となる時が2値的に変化する出力の
遷移タイミングである。このループ利得が1となる外部
磁界の値は、正帰還比により調整することができる。よ
って、高感度なスイッチ形の磁界検出装置となる。測定
原理については、後で詳述する。このように、磁界を2
値的に検出できる高感度磁界検出装置が得られることか
ら、マグネットリニアスケール、マグネットロータ等の
磁界変化を高感度で検出して、磁界変化をパルスで出力
することから、インクリメンタル変位検出器としても用
いることが可能となる。当然に、本発明は、高感度が要
求される全ての用途に適応できる。特に、非接触で用い
る場合に有効である。又、本発明は、検出信号に応じて
磁界を正帰還することが特徴であるので、感磁素子に
は、いろいろなものを使用することができる。
【0007】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、感磁素子は、磁気インピーダンス効果を用いた素子
であることを特徴とする。本来、磁気インピーダンス効
果は、高感度であるので、この効果を用いた感磁素子を
使用することで、本磁界検出装置は、高感度なスイッチ
形の検出装置となる。本磁界検出装置は、検出軸方向の
外部磁界が所定レベルよりも大きいか小さいかを検出す
る装置である。磁気インピーダンス効果を用いた感磁素
子は、例えば、図2に示すように、線状の素子であっ
て、パルス電流I又は交流電流Iを流すことで、周回方
向に励磁される素子である。この周回方向の励磁Hr
より内部の磁気モーメントMがパルス電流又は交流電流
に応じて変化することになる。そして、この磁気モーメ
ントMの変化特性が印加される磁界Hx の存在により変
化することになる。即ち、この特性の変化により、感磁
素子の透磁率が磁界により変化することになる。感磁素
子の表皮抵抗成分とインダクタンス成分は共に、透磁率
μの平方根に比例しているので、インピーダンスZは透
磁率の平方根に比例する。この結果、感磁素子のインピ
ーダンスZが、磁界によって変化する。このインピーダ
ンスZの大きさや磁気モーメントMの変化によって生じ
る磁束変化を測定することで、検出軸x方向の磁界Hx
を測定することができる。透磁率や磁気モーメントMの
変化特性の変化は、感磁素子と磁気結合させた検出コイ
ルにより磁界Hx で変調された磁界を検出することで検
出することが可能である。よって、検出コイルを用いて
磁界Hx を検出することも可能となる。よって、本装置
では、感磁素子のインピーダンスの変化をその端子間電
圧の変化で検出するものであっても、感磁素子に対して
非接触で磁気誘導により感磁素子の磁気モーメントMの
時間変動の大きさが磁界Hx によって変調されることを
利用した検出であっても良い。又、検出手段の検出する
物理量は、感磁素子の端子間のインピーダンスに関連し
て変化するものであれば、任意である。例えば、給電手
段から定電流が感磁素子に供給されるならば、検出手段
は、感磁素子の端子間電圧を検出すれば良い。逆に、給
電手段から定電圧が感磁素子に供給されるならば、検出
手段は、感磁素子の端子間を流れる電流を検出すれば良
い。定電流源でも定電圧源でもない場合には、感磁素子
の端子間を流れる電流Iと、端子間の電圧Vとを検出す
ることで、それらの比V/Iから感磁素子のインピーダ
ンスを検出すれば良い。検出コイルを用いて検出する場
合にも、検出コイルの端子間電圧や検出コイルを流れる
電流を検出信号とすることができる。
【0008】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
の発明において、感磁素子は、パルス電流又は高周波電
流により周回方向に励磁され、外部磁界に応じてインピ
ーダンスの変化する素子であることを特徴とする。この
ような特性を有する磁気インピーダンス効果は、高感度
であるので、この効果を用いた感磁素子を使用すること
で、本磁界検出装置は、高感度なスイッチ形の検出装置
となる。尚、パルス電流は高周波成分を含んでいるの
で、一種の高周波電流に含まれる概念でもある。又、パ
ルス電流や高周波電流は、例えば、1周期だけ印加され
るのもや、繰り返して印加される周期信号でも良い。パ
ルスとすることで、高周波成分が含まれることで、検出
感度をより向上させることが可能となる。
【0009】請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3
の何れか1項の発明において、感磁素子は、周回方向に
磁気異方性を有することを特徴とする。周回方向に磁気
異方性を有することで、外部磁界の検出感度を向上させ
ることが可能となる。
【0010】請求項5の発明は、請求項3の発明におい
て、感磁素子は、前記パルス電流又は交流電流に対して
表皮効果を発生する素子であることを特徴とする。表皮
効果を発生することで、電流が表面に拘束される結果、
外部磁界によるパルス電流又は交流電流により磁気イン
ピーダンスの変化をより大きくすることができ、検出感
度を向上させることができる。
【0011】請求項6の発明は、請求項1乃至請求項5
の何れか1項の発明において、感磁素子は、アモルファ
ス磁性体からなることを特徴とする。この構成により、
周回方向の透磁率が軸方向の透磁率よりも大きくなるよ
うな磁気異方性を大きくすることが可能となる。
【0012】請求項7の発明は、請求項1乃至請求項5
の何れか1項の発明において、感磁素子は、アモルファ
ス磁性体からなるワイヤであることを特徴とする。この
構成により、周回方向の透磁率が軸方向の透磁率よりも
大きくなるような磁気異方性を大きくすることが可能と
なる。
【0013】請求項8の発明は、請求項1乃至請求項7
の何れか1項の発明において、正帰還手段は、感磁素子
に対して外部磁界と同一向きの磁界成分を発生させるコ
イルを有することを特徴とする。これにより、微小な外
部磁界が検出されると、この向きの磁界成分が増大し、
さらにこれが検出されて、さらに外部磁界が増大すると
いう磁界の正帰還がかかる。この正帰還のかかる磁界レ
ベルは、後述するように調整可能である。
【0014】請求項9の発明は、請求項8の発明におい
て、正帰還手段は、コイルに供給される電流を制御でき
る制御手段を有することを特徴とする。この構成によ
り、磁界検出感度を調整することが可能となる。
【0015】請求項10の発明は、請求項9の発明にお
いて、制御手段は、可変抵抗であることを特徴とする。
簡単な構造により、磁界検出感度を調整することが可能
となる。
【0016】請求項11の発明は、請求項1乃至請求項
10の何れか1項の発明において、給電手段は、パルス
電流を供給する手段であることを特徴とする。これによ
り、パルスが高周波成分を有していることから、感磁素
子のインダクタンスの変化量を大きくすることができ、
高感度を実現できる。又、パルス給電であることから、
低消費電力化が達成できる。
【0017】請求項12の発明は、請求項11の発明に
おいて、給電手段は、矩形波発振回路と、矩形波発振回
路の出力する矩形波を微分し微分信号を前記パルス電流
とする微分回路とから成ることを特徴とする。この給電
手段は、例えば、CMOSマルチバイプレータで構成で
きる。この構成により、高感度化と低消費電力化を実現
することが可能となる。
【0018】請求項13の発明は、請求項1乃至請求項
12の何れか1項の発明において、検出手段は、感磁素
子の電気的特性の変化を検出する検出コイルを有するこ
とを特徴とする。この構成により、感磁素子のインダク
タンスの変化を検出でき、さらに、高感度の磁界検出装
置とすることが可能となる。
【0019】請求項14の発明は、請求項11又は請求
項12の発明において、検出手段は、パルス電流に同期
して、感磁素子の電気的特性の変化に応じて出力される
第1パルスのみを通過させるスイッチ手段を有すること
を特徴とする。この構成により、パルス電流に同期した
第1パルスを磁界成分の検出値とすることができる。上
記の原理を利用した磁界検出では、検出信号の第1パル
スの波高値が外部磁界に比例している。よって、この構
成をとることで、ノイズの影響を受けることがない精度
の高い検出が可能となる。
【0020】請求項15の発明は、請求項1乃至請求項
14の何れか1項の発明において、検出手段は、入力信
号のピーク値又は繰り返し入力されるピーク値又は交流
信号の振幅に関連する値が形成する信号を出力する信号
処理回路を有することを特徴とする。
【0021】請求項16の発明は、請求項1乃至請求項
15の何れか1項の発明において、検出手段は、ピーク
ホールド回路、又は、積分回路であることを特徴とす
る。感磁素子から検出する信号のピーク値が検出すべき
外部磁界に比例している。よって、このピーク値を、例
えば、ホールドしたり、繰り返してパルス電流を供給す
る場合には、繰り返し出力されるピーク値が形成する信
号(包絡線信号、積分信号、ローパスフィルタをかけた
信号、平滑化された信号等)を磁界の検出値とすること
が可能となる。交流電流を供給する場合には、感磁素子
から検出される信号の振幅に関連して変化する量(包絡
線信号、積分信号、ローパスフィルタをかけた信号、平
滑化された信号等)を求める。外部磁界は、直流磁界で
も交流磁界でも良いが、交流磁界の場合には、パルス電
流の繰り返し周波数よりも十分に低い周波数の交流磁界
が測定対象となる。即ち、交流磁界をマクロ的には時間
的に連続して測定することも可能である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を望ましい実施の形
態に基づいて説明する。実施の形態は、本発明の一例で
あって、本発明は、以下の記載に限定されるものではな
い。又、記載されている特徴部分は分離して認識するこ
とが可能であり、発明が構成されるならば、各特徴部分
を任意に組み合わせることも可能である。
【0023】まず、本発明の原理について説明する。本
発明は、本発明者によって既に発明された高感度のマイ
クロ磁気センサである磁気インピーダンス(MI)効果
形の感磁素子(特開平7−181239)を、感磁素子
の一例として用いている。磁気インピーダンス効果形の
感磁素子を用いることで、極めて高感度の2値的出力の
磁界検出装置とすることが可能である。この感磁素子の
電気的特性に応じて変化する検出信号に応じて、磁界を
外部磁界に対して正帰還させる構成により、高感度のス
イッチ形の磁界検出装置を実現したものである。
【0024】磁気インピーダンス効果形の感磁素子(と
くにアモルファスワイヤを用いた感磁素子) の特徴は、
センサヘッドの寸法を短くしても磁界検出感度がほとん
ど劣化しないことである。これにより、磁気カードリー
ダや紙幣識別センサなど局所磁界の検出に適しており、
さらに本発明による正帰還回路方式により、非接触検出
ができる局所磁界の高感度のスイッチ形の磁界検出装置
を実現させるものである。
【0025】本発明の原理を説明する。図1は、本実施
形態にかかる磁界検出装置の電気的な機能構成を示した
ブロック図である。Hexは検出対象の外部磁界、Fはそ
の外部磁界を電圧に変換する1次変換要素で磁界のHの
関数である。Aは電圧増幅器、Bは検出信号である出力
電圧Eo に比例した磁界Hf を正帰還させる逆変換要
素、磁界HはHexとHf の和である。尚、Aは増幅器の
増幅比、Bは逆変換要素の増幅比(即ち、正帰還量の比
率を決定するもので正帰還比の意味である)としても用
いる。Fは主として感磁素子の磁界・出力特性に応じて
決定される。
【0026】図1の回路構成により、Eo は次式で表わ
される。
【数1】 Eo ={〔F(H)A〕/〔1−F(H)AB〕}Hex …(1) (1)式より、分母が零となる条件、H=H* =F
-1(1/AB)でEo は出力増幅器の電源電圧Vddまで
跳躍し、スイッチ形の磁界センサとして動作する。した
がって、電圧跳躍時の印加磁界Hex*
【数2】 Hex* =F-1〔1/(AB)〕−BVdd …(2) となり、正帰還要素の係数Bを可変抵抗によって変化さ
せることにより調整することができる。
【0027】いま、F(H)=a−bH2 で近似する
と、H* ={〔a−1/(AB)〕/b}1/2 となり、
(2)よりHex* は次式で表わされる。 Hex* ={〔a−1/(AB)〕/b}1/2 −BVdd …(3) したがって、正帰還を増加させるとBが増加し、(3)
より右辺第1項の変化が第2項の変化より大きい場合
は、跳躍限界磁界(しきい値)Hex* は増加する。この
ような原理により、本発明の磁界検出装置は、2値的に
外部磁界を検出することが可能となる。しかも、2値的
に変化するしきい値磁界を正帰還比により変化させるこ
とが可能となる。磁界の正帰還をかけているので、しき
い値は小さくなり、検出感度を向上させることができ
る。
【0028】以下、本発明を実施の形態を説明する。 第1実施形態 磁界検出装置の具体的な構成は、図3のようになる。感
磁素子10は、例えば、線状の零磁歪アモルファス磁性
体で構成される。特に、検出軸方向に線状に伸びた零磁
歪アモルファスワイヤが用いられる。アモルファス磁性
体には、例えば、CoSiB 系、FeCoSiB 系、FeSiB 系これ
らの合金等の磁性体を用いることができる。具体的な寸
法を示せば、長さ2mm、直径30μmである。感磁素
子10の検出軸方向に沿って検出コイル18が配設され
ている。検出コイル18は感磁素子10を貫く検出軸方
向の磁束の変化を検出するものである。発振器13は矩
形波を発振する。発振器13は、より具体的にはC−M
OSマルチバイブレータを用いることができる。この矩
形波は微分回路14にて微分されて、抵抗R4 を介して
感磁素子10に印加される。抵抗R4 は定電流を供給す
るための抵抗である。このような回路によりパルス電流
Iが感磁素子10に供給される。パルス電流は、例え
ば、立ち上がり時間が約10nsである。発振器13と
微分回路14とで、給電手段が構成されている。
【0029】感磁素子10を内部に配設した検出コイル
18の一端は、スイッチ15に接続されている。スイッ
チ15は、より具体的には、一例として、トランジスタ
から成るアナログスイッチを用いることができる。次
に、スイッチ15を通過した信号は、信号処理回路16
に入力する。この信号処理回路16は、一例として、コ
ンデンサC4 と抵抗R5 とから成るピークホールド回路
で構成することができる。この信号処理回路16により
繰り返して検出されるパルス信号のピークがホールドさ
れる。パルス電流を繰り返して供給し、パルス信号を繰
り返して検出する場合には、このようにピークホールド
回路の他、ピークに比例した量が検出されるならば、積
分回路、平滑回路等を用いることが可能である。検出手
段は、検出コイル18、スイッチ15、信号処理回路1
6で構成されている。
【0030】感磁素子10及び感磁素子10に至る配線
には、インダクタンスと浮遊容量が存在し、他の線路に
おいてもインダクタンスと浮遊容量が存在する。従っ
て、感磁素子10の端子間電圧には、パルス電流に応答
した単一パルスだけではなく、それに続く振動波形が含
まれることになる。この場合、第1パルスのピーク値が
検出すべき外部磁界に比例している。このため、検出コ
イル18の端子間電圧において、パルス電流に応答した
成分のみを抽出するために、スイッチ15が設けられて
いる。又、感磁素子10に給電される電流のピークのタ
イミングとスイッチ15が完全にオンとなるタイミング
とで位相同期をとるために、スイッチ15の制御信号に
対して、感磁素子10に供給するパルス電流Iは約10
ns遅延させている。要は、スイッチ15には、パルス
電流に応答し、正確に外部磁界に比例した信号成分のみ
を通過させる期間だけオンとするように制御信号を印加
すれば良い。
【0031】信号処理回路16の出力信号は増幅器22
に入力している。この増幅器22の出力信号が検出すべ
き磁界の大きさを2値的に判定した信号となる。そし
て、増幅器22の出力信号は、抵抗R8 を介して感磁素
子を内部に配設した帰還コイル12に印加される。これ
により、帰還コイル12には検出手段で検出された検出
信号に応じた電流が流れ、外部磁界に対してその向きの
磁界成分を発生させ、磁界成分を正帰還することにな
る。即ち、帰還コイル12を巻数Nf 、長さLで構成す
ると、帰還コイル12で発生する磁界Hf は、Nf Eo
/LRf となる。これにより、感度の高い検出が可能と
なる。尚、正帰還手段は、帰還コイル12と抵抗R8
で構成される。
【0032】そして、可変R8 を可変抵抗で構成するこ
とにより、外部磁界の検出しきい値である検出レベルを
調整することが可能となる。この可変抵抗R8 は制御手
段を構成する。図4は、正帰還抵抗Rf を変化させて測
定した出力電圧Eo と磁界Eexとの関係を示している。
図4(a)に示すように、Rf が大きい(2kΩ以上)
場合はスイッチ特性が表れず、図4(b)に示すよう
に、Rf を1.2kΩに減少させると正帰還効果によ
り、スイッチ特性が現れる。このときスイッチ磁界(し
きい値)H* は約0.2Oeであり、高感度のスイッチ
形の磁界検出装置が実現される。Rf をさらに減少させ
て正帰還を強めて行くと、図4(c)〜(e)に示すよ
うに、しきい値磁界H* は増加していき、Rf =120
Ωでは、図4(f)に示すように、H* は約4Oeに増
大する。
【0033】図5は、外部磁界Hexを正弦波として、周
波数fを10Hz〜2.5kHzの範囲で変化させた場
合の本実施例の磁界検出装置による出力電圧Eo と磁界
Eexとの関係を示している。尚、この時のRf は1.5
kΩで、しきい値磁界H* は0.5Oeである。この周
波数変化の範囲ではH* の大きさの変化はほとんどな
く、実施例1のスイッチ形磁界センサは少なくとも2.
5kHz以上の磁界変化に応答し、磁気カードや磁気切
符の読み取りに要求される速度仕様を満たしていること
が理解される。
【0034】[実施例2]図6は、図3の磁界検出装置
のヘッドである感磁素子10に磁性薄膜を用いた場合の
スイッチ特性である。2μm厚さの斜め磁界中スパッタ
膜を2層にし、上下の膜は互いに磁気異方性を交差さ
せ、膜全体でスパイラル磁気異方性を持たせている。ヘ
ッドの寸法は幅50μm、長さ2mmである。H* の最
小値は約1.0Oeであり、アモルファスワイヤを用い
た磁界検出装置の場合に比べて、感度は約1/5に低下
していることが分かる。この時のRf は1.5kΩであ
る。
【0035】上記の実施例の他、色々な実施例が考えら
れる。感磁素子、検出手段、正帰還手段を2組設けて、
同一の外部磁界に対して各検出手段の出力の極性が反対
となるようにして、その検出信号の差分をとる。そし
て、この差分をそれぞれの感磁素子に対して外部磁界と
同一の向きに磁界を生成するように磁界を正帰還させて
も良い。この場合には、同相ノイズを除去することがで
きると共に、磁界検出信号としては、上記実施例の場合
の2倍の出力が得られることから、よりしきい値磁界H
* を低減させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる磁界検出装置の機能
構成を示したブロック図。
【図2】感磁素子の磁界検出原理を示した説明図。
【図3】実施形態にかかる磁界検出装置の具体的な構成
を示した電気回路図。
【図4】正帰還比に対する検出しきい値磁界の変化を測
定した測定図。
【図5】感磁素子に給電する周波数変化させた場合の検
出信号を示した測定図。
【図6】感磁素子に磁性薄膜を用いた磁界検出装置にお
ける最小しきいち値磁界となる場合の出力特性図。
【符号の説明】
10…感磁素子 12…正帰還コイル 13…発振回路 14…微分回路 16…積分回路 15…スイッチ 18…検出コイル R8 …帰還抵抗

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部磁界の大きさを2値的に検出する磁
    界検出装置において、 検出すべき前記外部磁界に応じて電気的特性が変化する
    感磁素子と、 前記感磁素子に対して給電する給電手段と、 前記感磁素子の変化する電気的特性に応じて検出信号を
    出力する検出手段と、 前記検出信号に応じた磁界を前記外部磁界に対して正帰
    還させる正帰還手段とを有することを特徴とする磁界検
    出装置。
  2. 【請求項2】 前記感磁素子は、磁気インピーダンス効
    果を用いた素子であることを特徴とする請求項1に記載
    の磁界検出装置。
  3. 【請求項3】 前記感磁素子は、パルス電流又は高周波
    電流により周回方向に励磁され、前記外部磁界に応じて
    インピーダンスの変化する素子であることを特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載の磁界検出装置。
  4. 【請求項4】 前記感磁素子は、周回方向に磁気異方性
    を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れ
    か1項に記載の磁界検出装置。
  5. 【請求項5】 前記感磁素子は、前記パルス電流又は交
    流電流に対して表皮効果を発生する素子であることを特
    徴とする請求項3に記載の磁界検出装置。
  6. 【請求項6】 前記感磁素子は、アモルファス磁性体か
    らなることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか
    1項に記載の磁界検出装置。
  7. 【請求項7】 前記感磁素子は、アモルファス磁性体か
    らなるワイヤであることを特徴とする請求項1乃至請求
    項5の何れか1項に記載の磁界検出装置。
  8. 【請求項8】 前記正帰還手段は、前記感磁素子に対し
    て前記外部磁界と同一向きの磁界成分を発生させるコイ
    ルを有することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何
    れか1項に記載の磁界検出装置。
  9. 【請求項9】 前記正帰還手段は、前記コイルに供給さ
    れる電流を制御できる制御手段を有することを特徴とす
    る請求項8に記載の磁界検出装置。
  10. 【請求項10】 前記制御手段は、可変抵抗であること
    を特徴とする請求項9に記載の磁界検出装置。
  11. 【請求項11】 前記給電手段は、パルス電流を供給す
    る手段であることを特徴とする請求項1乃至請求項10
    の何れか1項に記載の磁界検出装置。
  12. 【請求項12】 前記給電手段は、矩形波発振回路と、
    矩形波発振回路の出力する矩形波を微分し微分信号を前
    記パルス電流とする微分回路とから成ることを特徴とす
    る請求項11に記載の磁界検出装置。
  13. 【請求項13】 前記検出手段は、前記感磁素子の前記
    電気的特性の変化を検出する検出コイルを有することを
    特徴とする請求項1乃至請求項12の何れか1項に記載
    の磁界検出装置。
  14. 【請求項14】 前記検出手段は、前記パルス電流に同
    期して、前記感磁素子の前記電気的特性の変化に応じて
    出力される第1パルスのみを通過させるスイッチ手段を
    有することを特徴とする請求項11又は請求項12に記
    載の磁界検出装置。
  15. 【請求項15】 前記検出手段は、入力信号のピーク値
    又は繰り返し入力されるピーク値又は交流信号の振幅に
    関連する値が形成する信号を出力する信号処理回路を有
    することを特徴とする請求項1乃至請求項14の何れか
    1項に記載の磁界検出装置。
  16. 【請求項16】 前記検出手段は、ピークホールド回
    路、又は、積分回路であることを特徴とする請求項1乃
    至請求項15の何れか1項に記載の磁界検出装置。
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