JP2002198582A - 磁場検出装置 - Google Patents

磁場検出装置

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JP2002198582A
JP2002198582A JP2000391920A JP2000391920A JP2002198582A JP 2002198582 A JP2002198582 A JP 2002198582A JP 2000391920 A JP2000391920 A JP 2000391920A JP 2000391920 A JP2000391920 A JP 2000391920A JP 2002198582 A JP2002198582 A JP 2002198582A
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magneto
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impedance
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Kaneo Mori
佳年雄 毛利
Masaki Mori
正樹 森
Kazumasa Washimi
和正 鷲見
Yoshinobu Motokura
義信 本蔵
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Japan Science and Technology Agency
Aichi Steel Corp
Original Assignee
Aichi Steel Corp
Japan Science and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】小型化された高感度・高精度磁場検出装置を提
供する。 【解決手段】外部磁場に応じてインピーダンスが変化す
るMI素子を用いた磁場検出装置である。MI素子とし
てアモルファス磁性体10を用いる。発振器13により
MI素子にパルス電流を供給し、信号処理回路100で
MI素子にかかる電圧を検出する。即ち、外部磁場に応
じたインピーダンスを電圧で検出する。この時、増幅率
が調整可能な増幅器120、増幅率を制御する制御回路
130、制御量を記憶するメモリ装置140を備える。
この装置の製造時には、調整入力端子145から数値を
入力し、増幅率を調整する。即ち、MI素子の感度のバ
ラツキを製造時になくす。又、MI素子以外を集積回路
で構成し、MI素子とその集積回路を1体にモールドし
てモールドICチップとする。これにより、小型化され
た高感度・高精度磁場検出装置が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁場が所定レベル
を超えるタイミングを高感度に検出する高感度磁場検出
装置に関する。特に、その感度が容易に校正され、その
磁気感度特性にバラツキのない磁場検出装置に関する。
又、感磁素子と集積回路を一体にモールドすることでI
C化した小型の高精度磁場検出装置に関する。具体的な
応用例としては、自動車用ABSの回転センサや、磁気
スケールに応用することができる。本発明は、微小磁場
が存在することの検出や、交流的に変動する微小磁場の
極値を高精度で検出できる検出装置に用いることができ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、磁場を検出するセンサとし
て、ホール素子、MR(磁気抵抗)素子、磁気ピックア
ップ素子等が知られている。しかし、これらのセンサは
感度が低いため、検出可能磁場は、1.4×104 A/
m程度に過ぎない。又、それらの感度にはバラツキがあ
る。例えば、MR素子を生産した場合、データシートに
よればその感度のバラツキは図25に示すような磁界感
度ヒストグラムで表される(日本電気MRMS系データ
シート)。又、ホール素子には図26に示すヒステリシ
スがある(旭化成電子EW系データシート)。即ち、磁
束密度の変化方向によって、磁界の有無を検出する動作
点が異なる。即ち、磁束密度Brp点と磁束密度Bop
で異なる(図26)。同一の磁束密度に対して、異なる
出力(’H’、’L’)をすることになる。即ち、原理
的に誤差を有する素子である。又、低温においては、例
えば室温が20℃から25℃に変化した場合、センサ感
度が70%変化する素子である。
【0003】このような状況の中、より小型でより高感
度なセンサ実現のため、本件出願の発明者の一人は、径
50μm程度のアモルファスワイヤに、200KHz以
上の高周波電流を流す時、このワイヤに平行な外部磁場
成分に応じて、このワイヤのインピーダンスが大きく変
化する現象を発見した。そして、この原理を用いた外部
磁場の大きさそのものを検出する検出素子を提案した
(特開平7−181239号)。
【0004】さらに、同一発明者は、インピーダンス変
化による端子間電圧が、外部磁場の0〜400A/mの
範囲で、同一の端子間電圧に対して2つの異なる外部磁
場を取ることを見い出した。そして、このことが、0〜
400A/m付近の磁場を端子間電圧から一意的に決定
できないことにから、直流バイアス磁場を印加して、0
点をオフセットさせたセンサを提案した(特開平7−2
48365号)。このようにいわゆる磁気インピーダン
ス素子と呼ばれる高感度な磁場検出センサが提案されて
いるが、さらに、この磁気インピーダンス素子を用い
た、各種の用途に応用できる小型で、磁気特性にバラツ
キのない高感度な磁場検出装置の開発が要請されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した問
題点を解決するためになされたものであり、その目的は
磁気インピーダンス効果を用いた磁気センサに増幅率の
制御可能な増幅器を備えて、検出感度にバラツキのない
レベルセンサ、即ち磁気レベルを2値的に検出する新た
な磁場検出装置を提供することである。又、他の目的
は、上記装置を磁場検出しきい値の低い、高感度な装置
とすることである。又、他の目的は、上記装置を小型化
し利便性を向上させることである。又、他の目的は、上
記磁場検出装置を温度依存性の少ない安定した装置とす
ることである。又、他の目的は、検出を低消費電力で行
うことである。又、他の目的は、検出磁場方向を容易に
判別させることである。尚、これらの目的は、本出願に
おいて開示されたそれぞれの発明が個々に達成する目的
であって、本件各発明がこれらの目的の全てを達成する
ものと理解されるべきではない。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の作用効果】請求
項1の発明は、外部磁場に応じてインピーダンスが変化
する磁気インピーダンス効果を用い、そのインピーダン
ス変化に基づいて前記外部磁場の大きさを検出する磁場
検出装置であって、パルス電流又は高周波電流により周
回方向に励磁される感磁素子と、感磁素子にパルス電流
又は前記高周波電流を供給する発振手段と、その感磁素
子の端子間のインピーダンスに関連する物理量を検出す
る検出手段と、検出手段の出力信号を増幅する増幅器
と、その増幅器の出力と所定レベルとを比較しその比較
結果を2値信号として出力する比較手段と、増幅器の増
幅率及び/又は比較手段への所定レベルを制御する制御
手段と、その制御手段に所定の数値を与えるメモリ手段
とを有することを特徴とする。
【0007】感磁素子は、例えば、図2に示すように線
状の素子であり、外部磁場に応じてインピーダンスが変
化する磁気インピーダンス素子である。この素子は、高
透磁率磁性体であり、パルス電流I又は交流電流Iを流
せば周回方向に励磁される素子である。この周回方向の
励磁Hr により内部の磁気モーメントMがパルス電流又
は交流電流に応じて変化する。そして、この磁気モーメ
ントMの変化特性が印加される磁場Hx の存在により変
化する。換言すれば、外部磁場により、この感磁素子の
透磁率が変化する。感磁素子の表皮抵抗成分とインダク
タンス成分は共に、透磁率μの平方根に比例しているの
で、インピーダンスZは透磁率の平方根に比例する。こ
の結果、感磁素子のインピーダンスZが、磁場によって
変化する。
【0008】このような磁気インピーダンス効果を有す
る感磁素子の印加される磁場Hx に対するインピーダン
スZ(絶対値)の変化特性、即ち磁気インピーダンス特
性の1例を図3に示す。図から分かるように、磁気イン
ピーダンスは磁場Hx の向きには依存しないことから、
+検出軸方向(+x)と−検出軸方向(−x)とで、イ
ンピーダンスZの変化特性は対称となる。磁場Hx の絶
対値が増大するに連れて、インピーダンスZは増加し、
最大値A、Bを超えると、減少する。磁気インピーダン
ス特性上において、本件発明が使用する領域は、例えば
最大値Aと最大値Bを与える磁場の間の領域W0であ
る。検出すべき検出軸方向の外部磁場±ΔHx が印加さ
れると、感磁素子のインピーダンスZは、Z0 +ΔZ1
となる。外部磁場ΔHx が存在しない時のインピーダン
スZがZ0 であるから、インピーダンスの変位ΔZ1
測定することで、対応する外部磁場ΔHx の測定が可能
となる。即ち、上記△Z1 の大きさを測定すれば、検出
軸x方向の磁場△Hx を測定することができる。本発明
は、このような原理に基づくものである。尚、上記感磁
素子は、望ましくは、周回方向に容易に磁化される磁気
異方性を有するのが良い。このことにより、外部磁場に
よる磁気インピーダンスの変化が大きく、検出感度を向
上させることが可能となる。このような材料にアモルフ
ァス磁性体がある。望ましくは、線状の磁性体が良い。
【0009】上記原理に基づいて、発振手段が感磁素子
にパルス電流又は高周波電流を供給する。この時、発振
手段は定電流源でも定電圧源でも良いし、そうでなくと
も良い。上記のように、感磁素子は外部磁場に応じてイ
ンピーダンスが変化する。そして、検出手段がそのイン
ピーダンス変化に関連する物理量を検出する。物理量
は、感磁素子の端子間のインピーダンスに関連して変化
するものであれば、任意である。例えば、発振手段から
定電流が感磁素子に供給されるならば、検出手段は、感
磁素子の端子間電圧を検出すれば良い。逆に、発振手段
から定電圧が感磁素子に供給されるならば、検出手段
は、感磁素子の端子間を流れる電流を検出すれば良い。
定電流源でも定電圧源でもない場合には、感磁素子の端
子間を流れる電流Iと、端子間の電圧Vとを検出するこ
とで、それらの比V/Iから感磁素子のインピーダンス
を検出すれば良い。又、上記パルス電流は高周波成分を
含んでいるので、一種の高周波電流に含まれる概念であ
る。又、パルス電流や高周波電流は、例えば、1周期だ
け印加されるのもや、繰り返して印加される周期信号で
も良い。供給する電流の周波数は、例えば図3のような
磁気インピーダンス特性が得られれば、任意である。
【0010】そして増幅器が、その検出手段の出力信号
を増幅する。最後に、比較手段がその増幅器の出力と所
定レベルとを比較し、その比較結果を2値信号として出
力する。この時、増幅器の出力が小さい場合、逆に大き
過ぎる場合がある。この場合は、制御手段によって増幅
器の増幅率を制御する。例えば、所謂電子ボリュームで
増幅器の抵抗を選択する。又、その選択は、メモリ手段
内に抵抗値に対応して格納された所定の数値によって行
われる。例えば、増幅器の出力が小さい場合には、例え
ばアップ・ダウンカウンタを有するメモリ手段に数値を
入力し、その数値を制御手段に与える。そして、制御手
段がその数値に対応した抵抗値を選択する。これによ
り、増幅器の増幅率が調整される。尚、メモリ手段は例
えば不揮発性メモリであり、入力された数値は保存され
る。そして、電源投入時には常時、この数値が提示さ
れ、それに対応した抵抗が選択される。
【0011】このように増幅器の出力が制御手段で制御
できるように構成されているので、感磁素子にバラツキ
があってもそれを補正することができる。即ち、バラツ
キのない磁場検出装置を提供することができる。又、外
部磁場の検出レベル、即ち判定レベルを変更する場合が
ある。この場合は、制御手段が比較手段の所定レベル、
例えば参照電圧を制御する。これにより、判定レベルを
容易に変更することができる。
【0012】請求項2の発明は、外部磁場に応じてイン
ピーダンスが変化する磁気インピーダンス効果を用い、
そのインピーダンス変化に基づいて外部磁場の大きさを
検出する磁場検出装置であって、パルス電流又は高周波
電流により周回方向に励磁される1対の感磁素子と、そ
の1対の感磁素子にパルス電流又は高周波電流を供給す
る発振手段と、1対の感磁素子のそれぞれ端子間のイン
ピーダンスに関連する物理量を検出する1対の検出手段
と、その1対の検出手段の出力信号の差を出力する差出
力手段と、差出力手段の出力信号を増幅する増幅器と、
その増幅器の出力信号を所定レベルと比較し、比較結果
を2値信号として出力する比較手段と、増幅器の増幅率
及び/又は比較手段の所定レベルを制御する制御手段
と、その制御手段に所定の数値を与えるメモリ手段とを
有することを特徴とする。
【0013】本発明は、請求項1の発明に対して、感磁
素子、検出手段を1対にし、1対の検出手段の出力信号
差に基づいて最終的な2値信号を得るものである。本発
明に用いる感磁素子は、バイアス磁場を印加しない場合
には、磁場の向きを検出することができない。そのた
め、周期的に変動する磁場を検出する場合には、例えば
磁場周期に対して90度の位相差を有した磁場が1対の
感磁素子を貫くように構成する。このように構成する
と、1対の感磁素子の出力は共に、外部磁場の変化の周
期の2倍の周期で変化するとともに、それぞれの感磁素
子の出力は180度の位相差が生じる。
【0014】そして、1対の検出手段がそれらの磁場を
検出する。即ち、発振手段が1対の感磁素子にパルス電
流又は高周波電流を供給し、1対の検出手段が1対の感
磁素子のそれぞれの端子間のインピーダンスに関連する
物理量を検出する。そして、差出力手段が1対の検出手
段の出力信号の差を出力する。更にその出力信号を後段
の増幅器が増幅する。この時、その増幅器の増幅率が制
御手段によって制御される。その制御量は、メモリ手段
によって設定されたそれぞれの数値に従って設定され
る。即ち、メモリ手段と制御手段が増幅器を制御し、上
記差出力を増幅することになる。最後に、比較手段がそ
の増幅器の出力信号と所定レベルとを比較して、その結
果を2値信号として出力する。即ち、外部磁場のレベル
判定をする。 尚、外部磁場の検出レベル、即ち判定レ
ベルを変更する必要があれば制御手段が比較手段の所定
レベル、例えば参照電圧を制御する。これにより、判定
レベルを容易に変更することができる。即ち、磁場検出
レベルを変更することができる。
【0015】上記構成では、位相が180度異なる1対
の感磁素子の出力の差を演算していることから、同相ノ
イズが除去される。又、温度に対しては、図3の磁気イ
ンピーダンス特性は、インピーダンスの大きさを平行移
動させた特性となるので、上記の差動構成とすること
で、温度補償を行なうことが可能となる。又、ドリフト
補償を行うことができる。よって、感度調整が可能であ
るとともにより精度のよい磁場検出装置とすることがで
きる。尚、発振手段は1対の感磁素子に対して共通にパ
ルス電流又は交流電流を供給するものであっても、独立
して別々に供給するものであっても良い。共通化すれ
ば、製造コストが安価となり、装置を小型化することが
可能となる。
【0016】請求項3の発明は、磁場検出は外部磁場の
増大に応じて感磁素子のインピーダンスが減少するイン
ピーダンス減少領域、又は外部磁場の増大に応じてその
インピーダンスが増大するインピーダンス増大領域を用
いて行うことを特徴とする。感磁素子の外部磁場に対す
るインピーダンス特性は、図3又は図4に示される。図
4の特性は、例えば張力が印加された場合の感磁素子の
特性である。図3の特性においては、外部磁場の増大に
応じてそのインピーダンスが増大するW0で示す領域を
使用する。図4においては、外部磁場の増大に応じて感
磁素子のインピーダンスが減少するW4に示す領域を使
用する。両領域の線形部分を使用すれば、インピーダン
スを測定することにより外部磁場の大きさを精度よく検
出できる。尚、非線形部分を使用する場合は、例えばイ
ンピーダンスとその外部磁場の対応表を予め求めて置け
ばよい。その対応表から即座に外部磁場の大きさを示す
ことができる。これにより、より正確に外部磁場を判定
できる。又、本発明において、所定インピーダンスに対
して、インピーダンスが大きいか否かを判定する場合
は、特には、測定の非直線性は問題とはならない。即
ち、レベルセンサとして用いる場合にはその非線形性は
問題とはならない。
【0017】請求項4の発明は、インピーダンスの減少
領域は交流電流の周波数を所定周波数以下とするか、又
は感磁素子に張力を印加することで得ることを特徴とす
る。これにより、容易に所望の磁気インピーダンス特性
を得ることができる。
【0018】請求項5の発明は、検出手段が感磁素子に
バイアス磁場を印加するバイアス手段を有することを特
徴とする。バイアス磁場を感磁素子に印加することで、
磁場の向きを検出することが可能となる。本発明は、例
えば図5に示す磁気インピーダンス特性の領域W1、領
域W2において用いられる。この領域を使用領域とする
ために、感磁素子にはバイアス磁場H0 又は−H0 が印
加されている。
【0019】簡単のために、領域W1だけを考える。こ
の状態で、検出すべき検出軸方向の外部磁場ΔHx が印
加されると、感磁素子の検出軸方向の磁場成分はH0
ΔH x となり、検出すべき検出軸方向の外部磁場−ΔH
x が印加されると、感磁素子の検出軸方向の磁場成分は
0 −ΔHx となる。磁場成分H0 +ΔHx に対してイ
ンピーダンスZ0 +ΔZ2 が検出され、磁場成分H0
ΔHx に対してインピーダンスZ0 −ΔZ1 が検出され
る。バイアス磁場H0 に対応するインピーダンスZ0
対するインピーダンスの変位ΔZを測定することで、対
応する外部磁場ΔHx の大きさと向きの測定が可能とな
る。即ち、バイアス磁場を印加することで、磁場の向き
を高感度で検出することが可能となる。又、このバイア
ス磁場はバイアス磁場を発生させるコイルに流す電流の
大きさを調整することで、可変させることができる。
【0020】尚、上記磁気インピーダンス特性におい
て、非線形性により、|ΔZ1 |≠|ΔZ2 |であって
も、本発明でも、所定インピーダンスに対して、インピ
ーダンスが大きいか否かを判定しているので、測定の非
直線性は、特には、問題とはならない。
【0021】請求項6の発明は、外部磁場の大きさが増
加するとき、1対の感磁素子の内部磁場が、一方は増大
し、他方は減少する関係となるように、1対の感磁素子
にバイアス磁場を印加するバイアス手段を有することを
特徴とする。本発明は、請求項5の発明に対して、感磁
素子を1対設けたものである。1対の感磁素子を貫く検
出すべき外部磁場が電流の正方向を基準にして同一向き
である場合には、図5における領域W1で動作する感磁
素子と、領域W2で動作する感磁素子とを1対設けたも
のである。即ち、一方の感磁素子の内部磁場がH0 +Δ
x (図5のC点)であるとき、他方の感磁素子の内部
磁場が−H0 +ΔHx(図5のD点)となるようにバイ
アス磁場を印加する。共通の検出すべき磁場ΔHx の向
きに対して、バイアス磁場の向きが互いに反対となる向
きに印加する。
【0022】このようにすることで、一方の検出手段
は、Z0 +ΔZ2 のインピーダンス(C点)を検出し、
他方の検出手段は、Z0 −ΔZ1 のインピーダンス(D
点)を検出する。差出力手段は、この1対の検出手段の
出力信号の差を演算することになり、その出力であるΔ
1 +ΔZ2 から、検出すべき磁場ΔHx の大きさ及び
向きが測定されることになる。このようにすることで、
同相ノイズが除去されることになる。又、温度に対して
は、図5の磁気インピーダンス特性は、インピーダンス
の大きさを平行移動させた特性となるので、上記の差動
構成とすることで、温度補償を行なうことが可能とな
る。又、ドリフト補償が行われる。
【0023】又、1対の感磁素子を貫く検出すべき磁場
の向きが、電流の正方向を基準にして、互いに反対とな
る場合、即ち、一方の感磁素子には磁場ΔHx が貫き、
他方の感磁素子には磁場−ΔHx が貫く構成とした場合
には、バイアス磁場は1対の感磁素子において同一向き
に与えることになる。即ち、一方の感磁素子の内部磁場
が、図5の領域W1において、H0 +ΔHx (C点)と
なるとき、他方の感磁素子の内部磁場が、図5の領域W
1において、H0 −ΔHx (E点)となるように構成す
る。この場合も、上記と同様にして、一方の検出手段
が、Z0 +ΔZ2のインピーダンス(C点)を検出し、
他方の検出手段は、Z0 −ΔZ1 のインピーダンス(E
点)を検出する。そして、差出力手段がこのインピーダ
ンス変化に関連する信号の差を演算する。即ち、その出
力であるΔZ1 +ΔZ2 から、検出すべき磁場ΔHx
測定されることになる。このようにすることで、同相ノ
イズが除去され、ドリフト対策や温度補償を行なうこと
ができる。尚、差出力手段の後段の増幅器は、更にその
出力信号を調整する作用をする。例えば差出力手段から
の信号振幅が所定レベルでない場合は、制御回路からそ
の増幅率を調整する。
【0024】本請求項の発明では、比較手段への入力信
号には、バイアス磁場H0 に相当する信号が含まれてい
ない。よって、比較手段における所定レベルの設定は、
検出すべき外部磁場の範囲(−ΔHx の最小値〜ΔHx
の最大値)の範囲に設定すれば良いので、レベル設定が
簡単となる。所定レベルを零とすれば、磁場の向きが変
化するタイミングを検出でき、−ΔHx の最小値、又
は、ΔHx の最大値に対応するレベルに設定すれば、磁
場の最小値又は最大値(磁極の極値)付近を検出するこ
とができる。特に、制御手段で上記レベルを設定すれ
ば、容易に磁場方向転換時、磁場の最大値又は最小値付
近のタイミングを検出することができる。尚、発振手段
は1対の感磁素子に対して共通にパルス電流又は交流電
流を供給するものであっても、独立して別々に供給する
ものであっても良い。共通化すれば、製造コストが安価
となり、装置を小型化することが可能となる。
【0025】請求項7の発明は、バイアス手段は、コイ
ルに直流電流を通電する電磁石、又は、永久磁石である
ことを特徴とする。バイアス手段を電磁石とすること
で、感度の変更を容易に行なうことができる。永久磁石
は、その磁力の大きさを適正に設定することで、感度を
測定環境に応じた適正な値にすることが可能となる。
又、永久磁石を用いることで低消費電力化が図れる。
【0026】請求項8の発明は、比較手段は、入力信号
を第1所定レベルと比較する第1比較手段と、入力信号
を第2所定レベルと比較する第2比較手段とを有し、第
1比較手段及び第2比較手段の出力信号は、外部磁場の
向きの情報を含むことを特徴とする。請求項8の発明に
おいて、請求項5の発明の構成によれば、上述したよう
に、検出すべき磁場+ΔHx に対して、インピーダンス
0 +ΔZ2 に応じた値が検出され、検出すべき磁場−
ΔHx に対して、インピーダンスZ0 −ΔZ1に応じた
値が検出される。よって、制御手段によって2つの所定
レベルを設ければ、磁場の最小値と最大値、即ち、磁極
のピーク付近の検出が可能となる。これにより、磁場の
向き、磁極を検出することが可能となる。又、請求項8
の発明において、請求項6の発明の構成によれば、上述
したように、検出すべき磁場+ΔHx に対して、インピ
ーダンスΔZ1 +ΔZ2 に応じた値が検出され、検出す
べき磁場−ΔHx に対して、−ΔZ1 −ΔZ2 に応じた
値が検出される。よって、制御手段によって2つの所定
レベルを設ければ、磁場の最小値と最大値、即ち、磁極
のピーク付近の検出が可能となる。これにより、磁場の
向き、磁極を検出することが可能となる。
【0027】請求項9の発明は、発振手段は、パルス電
流を前記感磁素子に供給し、感磁素子と検出手段との間
に設けられ、パルス電流に同期して、感磁素子に現れる
第1パルスのみを通過させるスイッチを有することを特
徴とする。この構成により、パルス電流に同期した第1
パルスを磁場成分の検出値とすることができる。上記の
原理を利用した磁場検出では、検出信号の第1パルスの
波高値が外部磁場に比例している。よって、この構成を
とることで、ノイズの影響を受けることがない精度の高
い検出が可能となる。
【0028】請求項10の発明は、物理量は感磁素子の
両端にかかる電圧であり、検出手段は入力信号のピーク
値又は繰り返し入力されるピーク値又は高周波信号の振
幅に関連する値が形成する信号を出力する信号処理回路
であることを特徴とする。感磁素子から検出する信号の
ピーク値は検出すべき外部磁場に比例している。よっ
て、このピーク値を、例えば、ホールドしたり、繰り返
してパルス電流を供給する場合には、繰り返し出力され
るピーク値が形成する信号(包絡線信号、積分信号、ロ
ーパスフィルタをかけた信号、平滑化された信号等)を
磁場の検出値とすることが可能となる。交流電流を供給
する場合には、感磁素子から検出される信号の振幅に関
連して変化する量(包絡線信号、積分信号、ローパスフ
ィルタをかけた信号、平滑化された信号等)を求める。
外部磁場は、直流磁場でも交流磁場でも良いが、交流磁
場の場合には、パルス電流の繰り返し周波数よりも十分
に低い周波数の交流磁場が測定対象となる。即ち、交流
磁場をマクロ的には時間的に連続して測定することも可
能である。
【0029】請求項11の発明は、信号処理回路は、検
波回路、ピークホールド回路、又は、積分回路であるこ
とを特徴とする。この構成により、高周波雑音成分が除
去されるので、感磁素子に印加されるパルス電流又は交
流電流の周波数よりも低い周波数で変化する磁場変化を
精度良く検出することができる。
【0030】請求項12の発明は、感磁素子の周回方向
に巻回され、検出手段の出力信号に応じて、検出軸方向
の成分である外部磁場を相殺する磁場を生成する負帰還
励磁コイルとその負帰還励磁コイルに電流供給する負帰
還回路を有することを特徴とする。この構成により、磁
気インピーダンス特性曲線上のバイアス磁場が印加され
た点、又は、バイアス磁場が零の点を、常に、動作点と
して動作させることができる。これにより、直線性良
く、且つ、安定して外部磁場を検出することが可能とな
る。
【0031】請求項13の発明は、バイアス磁場を印加
する構成の発明において、負帰還励磁コイルが、バイア
ス手段を兼ねることを特徴とする。これにより構造を複
雑にすることなく、直線性の良い精度の高い磁場検出が
可能となる。請求項14の発明は、発振手段が矩形波発
振回路と矩形波発振回路の出力する矩形波を微分し微分
信号を前記パルス電流とする微分回路とから成ることを
特徴とする。この構成により、高感度化と低消費電力化
を実現することが可能となる。
【0032】請求項15の発明は、感磁素子は、周回方
向に磁気異方性を有することを特徴とする。周回方向に
磁気異方性を有することで、外部磁場の検出感度を向上
させることが可能となる。
【0033】請求項16の発明は、感磁素子は、パルス
電流又は交流電流に対して表皮効果を発生する素子であ
ることを特徴とする。表皮効果を発生することで、電流
が表面に拘束される結果、外部磁場によるパルス電流又
は交流電流により磁気インピーダンスの変化をより大き
くすることができ、検出感度を向上させることができ
る。
【0034】請求項17の発明は、感磁素子はアモルフ
ァス磁性体からなることを特徴とする。この構成によ
り、周回方向の透磁率が軸方向の透磁率よりも大きくな
るような磁気異方性を大きくすることが可能となる。
【0035】請求項18の発明は、感磁素子は、アモル
ファス磁性体からなるワイヤであることを特徴とする。
この構成により、周回方向の透磁率が軸方向の透磁率よ
りも大きくなるような磁気異方性を大きくすることが可
能となる。
【0036】請求項19の発明は、感磁素子は基板上に
形成された電極で両端が支持通電されていることを特徴
とする。尚、この状態で、基板と感磁素子との間、及び
/又は感磁素子の周囲をゲル状物質により覆っても良
い。そのようにした場合には、ゲル状物質により感磁素
子を外部からの歪みが加わらないようにすることができ
る。特に、アモルファス磁性体の場合には、歪みによる
検出精度の低下が問題となるが、この様にゲル状物質で
回りを覆うことで、歪みが感磁素子に係ることが防止さ
れる。特に、樹脂モールドした場合には、樹脂の冷却過
程で発生する応力が感磁素子にかかることになるが、ゲ
ル状物質はこの歪みを吸収するので、感磁素子に応力が
係るのを防止することができる。ゲル状物質はゾルがジ
ェリー状に固化したものを意味する。例えば、シリコー
ンゲル、シリカゲル、エラストマ、ゼラチン等、一般的
には、ヒドロゲル、リオゲル、弾性ゲル等のゲルを使用
することができる。要は、弾性を吸収するような物質で
あれば良い。又、感磁素子は、ゲル状物質に代えて、接
着材、例えば、エポキシ系接着材で固定されていても良
い。接着材で感磁素子を固定するのは、超音波ボンディ
ング時の機械的応力に耐えるように、強固に固定する必
要があるからである。
【0037】請求項20の発明は、感磁素子を、両端で
支持通電する電極に置いて、感磁素子の上からアルミニ
ウム又はアルミニウム合金を被せて、超音波ボンディン
グすることで、感磁素子と電極とを接合することを特徴
とする。感磁素子がアモルファス磁性体の場合には、加
熱すると結晶化が起こるので、加熱接合はできないし、
歪みに弱い。よって、感磁素子を超音波ボンディングに
より電極へ接合することが望ましい。超音波ボンディン
グする場合には、感磁素子の上にアルミニウム又はアル
ミニウム合金を置いて、超音波ツールによって加圧する
ことで、このアルミニウム又はアルミニウム合金が緩衝
作用をして、感磁素子に歪みが印加されるのが防止され
る。又、感磁素子の表面に形成された酸化膜が超音波に
より剥離されて、アルミニウム又はアルミニウム合金に
取り込まれる。この結果、アルミニウム又はアルミニウ
ム合金と感磁素子との機械的接合及び電気的接合が良好
に行われる。
【0038】請求項21の発明は、電極は、ニッケル、
アルミニウム、金、銅、銀、錫、亜鉛、白金、マグネシ
ウム、ロジウム、又は、これらの少なくとも1種を含む
合金から成ることを特徴とする。電極をこれらの材料と
することで、感磁素子との超音波ボンディングによる強
固な接合が可能となる。
【0039】請求項22の発明は、電極は、表面層とし
て、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる層を有
することを特徴とする。この構成により、感磁素子の上
に置かれるアルミニウム又はアルミニウム合金との接合
性が良く、感磁素子を電極に強固に接合することが可能
となる。
【0040】請求項23の発明は、検出手段が温度を補
正する温度補正回路を有することを特徴とする。これに
より、温度変化による検出レベル変動を抑制することが
できる。即ち、温度変化があっても正確な判定をする磁
場検出装置となる。又、請求項24の発明は、発振手
段、検出手段、増幅回路、制御手段、メモリ手段、比較
手段が集積回路で構成され、その集積回路と感磁素子が
樹脂モールドで同一にパッケージされていることを特徴
とする。これにより、磁場検出装置を小型化することが
できる。よって、利便性の高い磁場検出装置となる。
【0041】又、請求項25の発明は、パッケージを形
成する複数の面において、磁場検出方向の面が他の面と
異なる形状であることを特徴とする。例えば、磁場検出
方向の面に突起を形成する。これにより、容易に検出磁
場方向に本発明の磁場検出装置を合わせることができ
る。勿論、その突起内に感磁素子を埋設してもよい。こ
れにより、取り付けミスをなくし磁場検出値を最大にす
ることができる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態に基づ
いて説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定
されるものではない。 第1実施形態 図1に本発明の磁場検出装置の1例を示す。図は、ブロ
ック構成図である。本実施形態の1例の磁場検出装置
は、磁気インピーダンス効果を有する感磁素子10、感
磁素子10にバイアス磁場を与える永久磁石である薄膜
磁石20、発振手段である発振器13、感磁素子10の
両端にかかる電圧を検出する検出手段である信号処理回
路100、増幅器120、制御手段である制御回路13
0、130’、メモリ手段であるメモリ装置140、比
較手段である比較回路17から構成される。
【0043】感磁素子10は、例えば、線状の零磁歪ア
モルファス磁性体である。特に、検出軸方向に線状に伸
びたアモルファスワイヤが用いられる。アモルファス磁
性体には、例えば、CoSiB 系、FeCoSiB 系、FeSiB 系こ
れらの合金等の磁性体を用いることができる。具体的な
寸法を示せば、長さ3mm、直径30μmである。この
素子は磁気インピーダンス効果素子であり、外部磁場H
0 が変化するとインピーダンスが変化する素子である。
この効果は、周回方向の磁気異方性と表皮効果に依存す
るものである。アモルファス磁性体は、この周回方向の
磁気異方性と表皮効果が大きい。本実施例は、この磁気
インピーダンス効果を有効に使用するものである。例え
ば、図5の磁気インピーダンス特性においては、W1の
領域を用いれば外部磁場増大に応じてインピーダンスが
大きく増大する。
【0044】発振器13は、例えば後述するC−MOS
マルチバイブレータである。これにより矩形波を発振
し、上記感磁素子10に印加する。感磁素子10は、外
部磁場ΔHX によって磁化されそのインピーダンスは変
化されている。よって、感磁素子10の端子間電圧が変
化する。即ち、感磁素子10の端子間に現れる高周波信
号の波高値が変化する。この波高値変化が信号処理回路
100によって検出される。この信号処理回路100
は、例えば高周波信号を検波する検波回路である。これ
により、ノイズが除去され平滑された信号振幅が検出さ
れる。これは、又後述するピーク・ホールド回路でもよ
い。
【0045】そして、増幅器120がその信号処理回路
100の出力信号(平滑信号)を増幅する。この時、こ
の増幅回路120は制御回路130によってその増幅率
が制御される。これは、感磁素子10の感度にバラツキ
があるためである。感磁素子10の長さ、成分比、張
力、種類によってその感度は変動する。よって、それを
補正するため、例えばメモリ装置140の調整入力端子
145から数値を入力し、それにより抵抗が選択される
いわゆる電子ボリューム等を制御回路130、130’
として採用する。例えば、これを増幅器120の帰還抵
抗Rfとする(図6)。
【0046】制御回路130,130’の1例である電
子ボリュームは、図6に示すように、例えばラダー抵抗
131とアナログスイッチ132からなる。データ入力
により各アナログスイッチ132をオン・オフさせるこ
とで、抵抗値が選択される。データ入力は、例えばアッ
プ・ダウンカウンタ142を有するメモリ装置140か
ら入力する(図7)。このデータ入力により、抵抗値が
選択され増幅器120の増幅率が調整される。即ち、感
磁素子10にバラツキがあってもそれを、このメモリ装
置140と制御回路130によって調整することができ
る。尚、このメモリ装置140は、例えば不揮発性メモ
リ141を有する。これにより、入力されたデータは維
持される。よって、増幅率の調整後は、調整されたその
感度が維持される。
【0047】そして、最後に、比較手段である比較回路
17がその調整された増幅器120の出力と参照電圧
(ref)とを比較し、その比較結果を2値信号として
出力する(図1)。この参照電圧は、例えば可変抵抗R
0 を分圧することで得られる。本実施例の磁場検出装置
はこの様に形成されているので、感磁素子10にバラツ
キがあっても、その感度をほぼ一定とすることができ
る。尚、磁場検出装置は、外部磁場の検出レベル、即ち
判定レベルの変更が必要な場合がある。この場合は、図
1で示されているように、制御回路130’が比較回路
17の参照電圧を制御する。この時は、例えば制御回路
130’に、メモリ装置140に応じて分割電圧を発生
する抵抗分割、又は、データをアナログ電圧に変換する
D/A変換とすれば良い。これにより、判定レベルを容
易に変更することができる。よって、より利便性の高い
磁場検出装置とすることができる。
【0048】次に、検出原理とその検出回路について詳
細に説明する。磁場検出回路の詳細を図8に示す。ここ
では、上記制御回路130、130’、メモリ装置14
0は簡略して示してある。尚、バイアス手段を持たない
実施形態は、バイアス手段を有する実施形態において、
バイアス磁場H0 を零としたもので説明できる。よっ
て、バイアス手段を有する実施形態を先に説明する。感
磁素子10にはバイアス手段である薄膜磁石20によ
り、バイアス磁場が印加されている。この薄膜磁石20
により、図5に示す磁気インピーダンス特性曲線上にお
けるバイアス磁場H0 が得られている。発振器13は、
C−MOSマルチバイブレータであり、矩形波を発振す
る。より具体的には、この矩形波は微分回路14にて微
分されて、抵抗R4 を介して感磁素子10に印加され
る。抵抗R 4 は定電流を供給するための抵抗である。こ
のような回路によりパルス電流Iが感磁素子10に供給
される。パルス電流は、例えば、立ち上がり時間が約5
nsである。発振器13と微分回路14とで、発振手段
が構成されている。
【0049】感磁素子10の一端は、スイッチ15に接
続されている。スイッチ15は、より具体的には、一例
として、トランジスタから成るアナログスイッチを用い
ることができる。次に、スイッチ15を通過した信号
は、検出手段である信号処理回路16に入力する。この
信号処理回路16は、一例として、コンデンサC4 と抵
抗R5 とから成るピークホールド回路で構成することが
できる。この信号処理回路16により繰り返して検出さ
れるパルス信号のピークがホールドされる。パルス電流
を繰り返して供給し、パルス信号を繰り返して検出する
場合には、このようにピークホールド回路の他、ピーク
に比例した量が検出されるならば、積分回路、平滑回路
でもよい。又、ダイオード41を用いた検波回路等を用
いることが可能である(図9)。
【0050】感磁素子10及び感磁素子10に至る配線
には、インダクタンスと浮遊容量が存在し、他の線路に
おいてもインダクタンスと浮遊容量が存在する。従っ
て、感磁素子10の端子間電圧には、パルス電流に応答
した単一パルスだけではなく、それに続く振動波形が含
まれることになる。このため、パルス電流に応答した成
分のみを抽出するために、スイッチ15が設けられてい
る。又、感磁素子10の端子間電圧のピークのタイミン
グとスイッチ15が完全にオンとなるタイミングとで位
相同期をとるために、スイッチ15の制御信号に対し
て、感磁素子10に供給するパルス電流Iは約10ns
遅延させている。要は、スイッチ15には、パルス電流
に応答し、正確に外部磁場に比例した信号成分のみを通
過させる期間だけオンとするように制御信号を印加すれ
ば良い。スイッチ15、信号出力回路16で検出手段が
構成されている。
【0051】信号処理回路16の出力信号は比較手段で
ある比較回路17に入力している。信号処理回路16の
信号端子がコンパレータ171の非反転入力端子に接続
され、コンパレータ171の反転入力端子には、制御回
路130’による制御電圧が参照定レベルとして印加さ
れている。そして、コンパレータ171の出力信号は、
2値信号として出力される。この出力信号が検出すべき
磁場の大きさを2値的に判定した信号となる。
【0052】上記の構成により、感磁素子10の端子間
インピーダンスは、感磁素子10の端子間電圧として検
出される。信号処理回路16の出力する信号が感磁素子
の端子間インピーダンスに関連した値となり、この値が
コンパレータ171により所定レベルと比較される。こ
れにより、検出すべき磁場が所定レベルよりも大きいか
否かが検出されることになる。このように、本実施例で
は、図5に示す磁気インピーダンス特性曲線において、
磁場が増加するに連れてインピーダンスが増加する領域
W1で動作するようにバイアス磁場H0 が設定されてい
る。この結果、バイアス磁場を変化させることで、感度
を使用環境に応じて変化させることができる。又、バイ
アス磁場を適正に選択することで、使用環境に最適な感
度とすることができる。
【0053】又、コンパレータ171の反転入力端子へ
入力する電圧は、外部磁場のレベル判定の基準となる所
定レベルを与えている。この所定レベルは、図5におけ
るH 0 −ΔHx の最小値から、H0 +ΔHx の最大値の
範囲内の任意のレベルに設定すれば良い。特に、外部磁
場ΔHx が零で、バイアス磁場H0 だけが検出されてい
る時に、コンパレータ171の2入力端子間の電圧が零
となるように、所定レベルを設定すれば、外部磁場ΔH
x の向きを判定することができる。さらに、信号処理回
路16の出力に対してレベル判定をするコンパレータを
2つ設けて、一方のコンパレータの所定レベルは、H0
からH0 +ΔHx の最大値の範囲の任意レベルに設定
し、他方のコンパレータの所定レベルは、H0 −ΔH x
の最小値からH0 の範囲の任意レベルに設定すること
で、磁場のピーク付近を検出することが可能となる。即
ち、N極、S極のピーク付近を検出することが可能とな
る。
【0054】第2実施形態 本実施形態は、第1実施形態においてバイアス磁場を印
加しないものである。バイアス磁場H0 を印加しない場
合の実施形態の構成は、図1及び図8の構成において、
薄膜磁石20を削除した構成となる。又、磁気インピー
ダンス特性は、図3に示すものとなり、使用領域は、イ
ンピーダンスの最大値Aに対応する磁場は、最大値Bに
対応する磁場との間の領域W0である。この場合には、
外部磁場ΔHx が零の場合に感磁素子10のインピーダ
ンスZはZ0 となり、外部磁場がΔHx 、−ΔHx
時、共に、感磁素子10のインピーダンスZはZ0 +Δ
Zとなる。従って、この場合には、外部磁場の絶対値に
対するレベル判定が行なわれることになる。即ち、図8
のコンパレータ171の反転入力端子に設定される電圧
が意味する磁場の所定レベルよりも外部磁場の絶対値が
大きい時に、コンパレータ171の出力は正となる。こ
れにより、外部磁場の絶対値のレベル判定が可能とな
る。例えば、S極、N極の磁極のピーク付近を検出する
ことが可能となる。
【0055】第3実施形態 図10に第3実施形態の磁場検出装置を示す。図は、構
成ブロック図である。本実施形態の磁場検出装置は、発
信器18、バッファ回路19a、19b、感磁素子10
a、10b、薄膜磁石20a、20b、信号処理回路1
6a、16b、差動増幅器である増幅器21、増幅率が
外部から調整可能な増幅器120、その増幅器120を
制御する制御回路130、メモリ装置140、比較回路
17から構成される。尚、第1、第2実施形態で説明し
た同じ構成要素は同じ番号が付されており、その機能も
同じである。異なる所は、感磁素子10a、10bと検
出手段である薄膜磁石20a、20b及び信号処理回路
16a,16bを1対用いて、それらの信号を増幅器2
1で差出力を演算したことである。これにより、同相雑
音等が除去され、より検出精度を向上させることができ
る。本実施形態も、バイアス手段を有するものを先に説
明し、バイアス手段を有さないものを後で説明する。
【0056】図11の詳細回路図を用いてその動作を説
明する。図に示すように、一対の感磁素子10aと10
bの接続点dはグランドに接続されており、それぞれの
他端e,fからパルス電流が供給される。前実施例と同
様に、バイアス手段である薄膜磁石20a、20bによ
り、それぞれの感磁素子10a、10bには図5に示す
バイアス磁場+H0 と−H0 が、それぞれ、与えられて
いる。即ち、感磁素子10aは、図5の領域W1で動作
し、感磁素子10bは、図5の領域W2で動作するよう
にバイアス磁場が印加されている。検出すべき磁場ΔH
x は、1対の感磁素子10aと10bとを電流の正の向
きを基準にして、同方向に貫くが、バイアス磁場は、こ
の基準に対して、相互に、逆向きとなっている。
【0057】そして、感磁素子10aの活線側の端子e
には、スイッチ15aが接続され、感磁素子10bの活
線側の端子fには、スイッチ15bが接続されている。
又、スイッチ15aには、ピークホールド回路から成る
信号処理回路16aが接続され、スイッチ15bには、
同様な信号処理回路16bが接続されている。
【0058】差動増幅器21の反転入力端子には信号処
理回路16aの出力信号Ga1 が入力し、差動増幅器2
1の非反転入力端子には信号処理回路16bの出力信号
Gb 1 が入力している。よって、この差動増幅器21
は、Gb1 −Ga1 =Eb1 −Ea1 が入力している。
但し、Ea1 は感磁素子10aの活線側の端子eのアー
スに対する電圧であり、Eb1 は感磁素子10bの活線
側の端子fのアースに対する電圧である。電圧Ea
1 は、インピーダンスZ0 +ΔZ2 に比例し、電圧Eb
1 はインピーダンスZ0 −ΔZ1 に比例する。よって、
差動増幅器21の出力電圧は、検出すべき磁場ΔHx
比例したインピーダンス−ΔZ1 −ΔZ2 に比例してい
る。従って、この出力電圧から外部磁場ΔHx を検出す
ることができる。ΔZ1 とΔZ2 が等しいとすれば、第
1、第2実施形態に比べると、2倍の感度が得られるこ
とになる。
【0059】次に、この差動増幅器21の信号は、第
1、第2実施形態と同様に、増幅率が調整可能な増幅器
120に入力される。そして、感度調整の為、同様にメ
モリ装置140の調整入力端子から入力された数値によ
り増幅率が調整される。最後に、この出力電圧がコンパ
レータ171に入力されて、所定レベルに対して、検出
すべき磁場ΔHx が大きいか否かが判定できる。
【0060】図11の回路構成においては、差動増幅器
21の出力信号には、薄膜磁石20a、bによるバイア
ス磁場H0 の信号を含んでいない。よって、コンパレー
タ171の反転入力端子に印加する電圧が磁場レベル判
定のための所定レベルとなる。この所定レベルは、図5
における−ΔHx の最小値から、+ΔHx の最大値の範
囲内の任意のレベルに設定すれば良い。特に、所定レベ
ルを零とすれば、外部磁場ΔHx の向きを判定すること
ができる。尚、図10の構成に対し、増幅器120の出
力に対してレベル判定をするコンパレータを2つ設けて
図12の様に構成することもできる。この構成におい
て、一方のコンパレータの所定レベルを、0から+ΔH
x の最大値の範囲の任意レベル(+Vr)に設定し、他
方のコンパレータの所定レベルを、−ΔHx の最小値か
ら零の範囲の任意レベル(−Vr)に設定する。このよ
うにすれば、磁場のピーク付近を検出することが可能と
なる。即ち、N極、S極のピーク付近を検出することが
可能となる。このように本実施形態では、磁場の大きさ
の判定のための所定レベルには、バイアス磁場に対応す
る成分を含んでいない。よって、所定レベルはバイアス
磁場と無関係に設定できるので、所定レベルの設定が容
易となる。
【0061】この図12の構成の磁場検出装置は、図1
3に示す磁気スケールの磁極の反転タイミングを検出す
る装置とすることができる。感磁素子10aと感磁素子
10bとは、磁場位相にして180度の位相差の間隔で
設けられている。よって、感磁素子10aと感磁素子1
0bとを貫く磁場ΔHx の向きは、電流の正の向きを基
準にして、それぞれ、反対である。そして、バイアス磁
場H0 は、感磁素子10a、10bにおいて、電流の正
の向きに対して、それぞれ同一向きに印加されている。
図5の磁気インピーダンス特性曲線上の領域W1で2つ
の感磁素子を動作させるものである。よって、各感磁素
子10a、10bの端子電圧Ea 、Ebは、それぞれ、
図13の(b)、(c)のように、変化する。即ち、位
相が180度異なっている。それらの差電圧は図13
(d)に示すように変化し、図12に示す、2つのコン
パレータ171a、171bを用いることで、それぞれ
の出力から、N極、S極のピーク付近が通過するタイミ
ングを検出することができる。
【0062】第4実施形態 次に、第3実施形態において、バイアス手段のないもの
について説明する。その回路は、図11においてバイア
ス手段である薄膜磁石20a、20bを取り除いた回路
と完全に同一である。この場合に、1対の感磁素子10
a、10bに、同一大きさの磁場が貫通すると、図3に
示す磁気インピーダンス特性の対称性から、磁場の向き
に係わらず、1対の感磁素子10a、10bの端子電圧
は同一となる。よって、差動増幅器21の出力は零とな
る。そこで、バイアス磁場を印加しない場合には、図1
4に示すような使用の仕方をする。
【0063】例えば、図14に示すような磁気スケール
の磁極の反転タイミングを検出する装置に使用する。感
磁素子10aと感磁素子10bとは、磁場位相にして9
0度の位相差の間隔で設けられている。よって、感磁素
子10aと感磁素子10bとを貫く磁場ΔHx は、一方
が絶対値が最大となるとき、他方は絶対値が最小、即
ち、零となる関係となる。よって、各感磁素子10a、
10bの端子電圧Ea 、Eb は、それぞれ、図14の
(b)、(c)のように変化する。即ち、感磁素子の電
圧は磁場周期の2倍で変化するために、感磁素子10a
の端子電圧Ea と、感磁素子10bの端子電圧Eb の位
相差は180度となる。したがって、それらの差電圧は
図14(d)に示すように、外部磁場の周期の2倍で変
化する波形となる。この差電圧を最終的にコンパレータ
171で、所定レベルと比較することで、外部磁場の全
体値の最大付近を検出することが可能となる。即ち、N
極、S極のピーク付近が通過するタイミングを検出する
ことができる。
【0064】第5実施形態 次に、感磁素子10の内部磁場を、常に、バイアス磁場
0 とするように負帰還制御して、磁場を検出する実施
例について説明する。尚、第1実施形態乃至第4実施形
態で説明した増幅率が調整可能な増幅器、及びその制御
回路、メモリ装置は同一動作であるので省略する。制御
回路130と増幅器22との関係、制御回路130’と
コンパレータ171との関係、制御回路130、13
0’とメモリ装置140との関係は、図8に示した関係
と同一であるので、図15では省略されている。図15
は、その装置の構成を示している。図8に示す第1実施
形態と異なる点は、感磁素子10に負帰還磁場を印加す
る負帰還励磁コイル12が設けられていることである。
又、本実施例では負帰還励磁コイル12はバイアス手段
も構成している。即ち、前述の実施形態で用いた薄膜磁
石20は用いておらず、負帰還励磁コイル12でバイア
ス磁場を印加している。又、比較回路17は、負帰還回
路も兼ねている。
【0065】本実施形態では、信号処理回路16の出力
を差動増幅器22で増幅して、その出力信号を負帰還励
磁コイル12に印加している。外部磁場ΔHX が零の場
合には、バイアス磁場H0 だけが、感磁素子10に印加
されるように負帰還励磁コイル12に電流が流れるよう
に、差動増幅器22の非反転入力端子の電圧が抵抗によ
り調整されている。例えば、外部磁場ΔHX が零の場合
には、差動増幅器22の出力から電流が負帰還励磁コイ
ル12のアースに向けて電流が供給されて、バイアス磁
場H0 が発生されているとする。次に、外部磁場ΔHX
が正方向に増加すると、感磁素子10の端子間インピー
ダンスは増加し、この結果、端子間電圧も増加する。す
ると、差動増幅器22の反転入力端子の電圧が増加し
て、負帰還励磁コイル12に流れる電流が減少する。こ
れにより、バイアス磁場H0 が減少することになり、こ
の減少分が外部磁場ΔHX の増加を補償して、感磁素子
10の内部磁場が一定のバイアス磁場H0 になるように
負帰還制御されている。
【0066】同様に、外部磁場−ΔHx が負方向に増加
すると、感磁素子10の端子間インピーダンスが低下
し、端子間電圧も低下する。よって、差動増幅器22の
反転入力端子の電圧が低下し、負帰還励磁コイル12を
アース方向に流れる電流が増加する。これにより、バイ
アス磁場が増加し、この増加分が外部磁場の減少分を補
償するように構成されている。この様に、差動増幅器2
2の2入力電圧差が零となるように負帰還がかかってい
るので、検出すべき外部磁場がどのように変動しても、
感磁素子10の内部磁場は、一定のバイアス磁場H0
制御される。この結果、図5の磁気インピーダンス特性
曲線上の動作点が常にバイアス磁場となるために、直線
性の良い磁場の検出が可能となる。差動増幅器22の出
力レベルをコンパレータ171で判定することで、検出
磁場の大きさや向きの判定が可能となる。コンパレータ
171における所定レベルの設定方法や、比較結果につ
いては、図8に示した第1実施形態と同様である。
【0067】又、本実施例形態の場合には、差動増幅器
22の非反転入力端子の電圧レベルを調整することで、
バイアス磁場H0 を調整できるため、これにより感度調
整が可能となる。又、この調整は、第1実施形態乃至第
4実施形態で説明したように、制御回路(図示しない)
から参照電圧として調整してもよい。尚、この実施例で
は、負帰還励磁コイル12でバイアス手段を兼用してい
るが、負帰還励磁コイルと、別に、永久磁石や電磁石な
どのバイアス手段を用いても良い。
【0068】第6実施形態 本実施形態は、第5実施形態において、バイアス磁場H
0 を零とした場合である。図3の磁気インピーダンス特
性の領域W0で使用される。構成は、図15と同一であ
る。差動増幅器22の非反転入力端子の電圧をインピー
ダンスZ0 に対応した電圧とする。このようにすれば、
差動増幅器22は2入力の差を零とするように増幅し
て、負帰還電流を流すから、感磁素子10の内部磁場
は、外部磁場ΔHx の大きさ、向きに係わらず、零とな
る。これにより、第5実施形態と同一の効果を奏する。
但し、第5実施形態と異なり磁場の向きを検出すること
はできない。
【0069】第7実施形態 図16は、1対の感磁素子を用いた例である。図11に
示す第3実施形態に対応するものである。尚、本実施形
態においても調整可能な増幅器、及びその制御回路、メ
モリ装置は同一動作であるので省略してある。即ち、制
御回路130と増幅器22との関係、制御回路130’
とコンパレータ171との関係、制御回路130、13
0’とメモリ装置140との関係は、図8に示した関係
と同一であるので、図15では省略されている。この場
合も、一対の負帰還励磁コイル12a、12bに負帰還
電流を流すことで、外部磁場を相殺して、一対の感磁素
子10a、10bの内部磁場は、常に、バイアス磁場H
0 とすることが可能となる。抵抗R10と抵抗R11との分
割により、バイアス磁場H0 に相当した所定レベルを差
動増幅器21の出力に印加している。検出すべき外部磁
場ΔHx が零の場合には、差動増幅器21の出力は零で
ある。
【0070】−x軸方向の外部磁場−ΔHx が感磁素子
10a、10bに印加されると、差動増幅器21の出力
が正となる。差動増幅器21の出力が正となると、負帰
還励磁コイル21a、21bへの通電電流が増加する。
これにより、バイアス磁場が増加することになり、外部
磁場−ΔHx による磁場の減少を補償する。逆に、+x
軸方向の外部磁場ΔHx が感磁素子10a、10bに印
加されると、差動増幅器21の出力が負となる。差動増
幅器21の出力が負となると、負帰還励磁コイル21
a、21bへの通電電流が減少する。これにより、バイ
アス磁場が減少することになり、外部磁場ΔHx による
磁場の増加を補償する。このようにして、結局は、差動
増幅器21の2つの入力差が零となるように、負帰還励
磁コイル21a、21bに電流が流れることになるの
で、感磁素子10a、10bの内部磁場は、検出すべき
外部磁場ΔHx の向き及び大きさに係わらず、常に、バ
イアス磁場H0 となる。このようにすることで、動作点
を固定した状態で磁場のレベル判定が可能となる。尚、
コンパレータ171における所定レベルの設定及び、2
つのコンパレータを用いて、N極、S極の磁場ピーク付
近を検出できるようにする構成は、前述の第3実施形態
と同一である。
【0071】第8実施形態 第7実施形態において、バイアス磁場H0 を零としたも
のである。構成は、図16と同一であるが、バイアス磁
場H0 を零とする関係上、抵抗R10と抵抗R11とによる
電圧印加は不要である。又、この実施形態は、図14に
示す第4実施形態と同様な使用の仕方をする。この場合
には、2つの感磁素子10a、10bの内部磁場は、零
にはならず、両者の内部磁場が同一となり、交流的に変
動するように負帰還制御されることになる。磁場の向き
を判定することはできないが、磁場レベルの判定に関し
ては、第7実施形態と同一である。
【0072】他の実施形態 以下に、本実施形態の変形例である他の実施形態を示
す。例えば、上記の実施形態では、感磁素子に印加され
るパルス電流に同期して、端子間に発生する電圧の第1
パルスをスイッチで同期検出して、ピークホールドして
いた。しかし、いずれの場合においても図9に示すよう
に、ダイオード41の整流による平滑又は積分を用いた
検波回路で、外部磁場を検出するようにしても良い。
又、上記実施例では、パルス電流を印加したが、交流電
流を感磁素子に供給するようにしても良い。
【0073】又、上記実施形態では、感磁素子10の磁
気インピーダンス効果が外部磁場が増大するにつれてイ
ンピーダンスも増大するインピーダンス増大領域を使用
したが、図4における特性において、逆にインピーダン
スが減少するインピーダンス減少領域を用いてもよい。
この特性は、後述する感磁素子の機構において、その感
磁素子10の固定時に所定の張力を与えることで得られ
る。又は、発振器13、18の発振周波数を所定以下に
設定することで得られる。このような、特性を使用して
も磁場を感度良く正確に検出することができる。又、図
3の特性における図示した領域W3を測定領域とするよ
うにバイアス磁場を印加しても良い。
【0074】又、図17は、本発明をマグネットロータ
の磁極変動を検出するのに応用した装置の例である。こ
れにより、マグネットロータの回転に同期して、パルス
がシリアルに出力されることになり、このシリアルパル
スを計数することで回転角を測定することができる。
又、図17では、出力パルスをFM変調器により発信し
て、受信装置でこのパルスを計数することで回転角が検
出可能となる。勿論、送信側でパルスを計数しておい
て、この計数値をFM変調器により発信しても良い。こ
のように、本発明は、マグネットシリアルスケール、マ
グネットロータの磁場変動を検出して、単位移動量毎に
パルスを出力するインクリメンタルエンコーダとして用
いることが可能である。この実施形態では、検出手段と
して抵抗とコンデンサによる積分回路を用いる。
【0075】図18は、使用環境にノイズ磁場が多い場
合に、感磁素子の周囲をパーマロイ40等で磁気シール
ドした例を示している。これにより、ノイズに影響され
ずに、検出すべき磁場を高精度で検出することが可能と
なる。
【0076】図19は、ダイオード42により感磁素子
10の温度特性を補償する回路である。この回路は、上
記全ての実施形態に適用できる。即ち、発振回路13の
出力又はバッファ回路13Aの出力直後にこのダイオー
ド42を挿入する。そして、その温度特性を感磁素子1
0のそれと同等にする。例えば温度変化率を同じにす
る。発振回路13又はバッファ回路13Aから出力され
る信号電圧は、ダイオード42と感磁素子10のインピ
ーダンス比で分圧されるので、温度変化率を同じにすれ
ば感磁素子10の温度による変化分が相殺される。即
ち、常に、同一の分圧が得られる。即ち、温度変化によ
る影響のない磁場検出装置となる。 尚、バッファ回路
13Aは、定電流を供給する為の例えばアンプである。
【0077】又、温度対策として差動増幅器21を用い
る実施形態に対しては、図20に示す構成とすることも
できる。即ち、差動増幅器21の一方の入力端子側にイ
ンピーダンスZ0 で同一の温度特性を有する抵抗11を
図のように配置する。この配置により、互いのインピー
ダンスZ0 と温度変化によるインピーダンスZ0 の変化
分△Z0Tが差動増幅器21によって相殺される。即ち、
外部磁場による変化分△Hxに関連する例えばインピー
ダンス変化△Z1 のみが差動増幅器21から出力され
る。このように、構成してもよい。
【0078】感磁素子の機構 次に、磁場検出装置の機構的な構成について説明する。
図21に示すように、感磁素子10は基板30の上に配
置されている。基板30の上には、電極31、32が配
設されており、その上に感磁素子10が両端を支持通電
されるようにして配設されている。この感磁素子10は
電極31、32に対してアルミニウム33、34を用い
て、超音波ボンディングで接合されている。又、基板3
0の裏面にはバイアス手段である薄膜磁石20が形成さ
れている。
【0079】以下、図21に示すような個片素子100
を形成する方法について詳述する。先ず、平板状のセラ
ミックス、PCB樹脂、シリコン等のいずれかから成る
基板の表面に銅を蒸着する。基板は絶縁性が望ましく、
少なくとも電極形成部は絶縁されている必要がある。そ
して、フォトリフグラフィ工程を経て、電極31、32
を残すようにエッチングを行う。このようにして、多数
の感磁素子10が配置可能な基板が得られる。次に、感
磁素子10を基板上の電極31、32上に配置して、図
22に示すように、その上からアルミニウム又はアルミ
ニウム合金から成るプレート33を配置して、上からボ
ンディングツール90で加圧して、超音波振動を発生さ
せて接合させる。この時、プレート33、感磁素子1
0、電極31のそれぞれが相互に接続される。その後、
プレート33を切断することで、1つの電極に対する感
磁素子10の接合が完了する。このように、1枚の基板
上において、多数の感磁素子を、順次、配置して超音波
接合を行う。次に、この基板を図21に示すような短冊
形状に分離する。
【0080】電極31の材料は感磁素子10と超音波接
合が可能な材料で導電性が有ればなんでも良い。例え
ば、ニッケル、アルミニウム、金、銅、銀、錫、亜鉛、
白金、マグネシウム、ロジウム、又は、これらの少なく
とも1種を含む合金が望ましい。又、図22に示すよう
に、電極31の表面にはアルミニウム又はアルミニウム
合金から成る層311が形成されていても良い。この層
の形成は、アルミニウム又はアルミニウム合金プレート
を電極31の上に置き、その上に感磁素子10を置い
て、さらにアルミニウム又はアルミニウム合金から成る
プレート33を置いて、超音波ボンディングを行うこと
で形成することができる。即ち、感磁素子10を上下か
ら挟む材料がアルミニウム又はアルミニウム合金とする
ことで、機械的接合及び電気的接触を完全なものとする
ことができる。さらに、電極31の上にアルミニウム又
はアルミニウム合金を蒸着又はメッキしてから、接合さ
せるようにしても良い。尚、電極31、32は、図示し
ない配線膜やリードピンと電気接続するためのワイヤボ
ンディングのランドとなる。
【0081】超音波ボンディングを用いる理由は、感磁
素子として、アモルファス磁性体、特に、アモルファス
ワイヤを用いているために、加熱によるハンダ接合は、
結晶化が起こるために使用できないためである。又、ア
モルファス磁性体は表面が酸化されており、ハンダ接合
ができない。超音波ボンディングのろうとして、アルミ
ニウム又はアルミニウム合金を用いると、機械的接合が
強固となり電気的接触が良好となることが本発明者によ
り初めて発見された。アモルファスワイヤの表面酸化膜
が超音波振動により剥離され、還元元素であるアルミニ
ウムと結合して、容易にアルミニウムプレートに取り込
まれる。この機構により電気的接触と機械的接合が良好
となると考えられる。又、アルミニウム又はその合金か
らなるプレート33をアモルファスワイヤから成る感磁
素子10の上に設けることで、ボンディングツール90
の接触時の衝撃力が感磁素子10に直接伝達することが
阻止される。即ち、プレート33は緩衝作用をし、超音
波ボンディング時に感磁素子10aに応力歪みを発生さ
せることが防止される。この時、感磁素子10は接着
材、例えば、エポキシ系の接着材で基板30に固定され
ており、超音波ボンディング時の応力に感磁素子10が
耐え得るようになっている。尚、ゲル状物質で基板30
と感磁素子10との間、及び、感磁素子10の周囲を覆
っても良い。感磁素子10に歪みが印加されるのを防止
するためである。特に、樹脂モールドの時の収縮応力が
感磁素子10に印加されるのを防止するのに有効であ
る。感磁素子10に係る応力が緩和されることで、検出
精度を向上させることができる。
【0082】パッケージング 次に、本発明の磁場検出装置のパッケージングについて
説明する。上記実施形態において、感磁素子10を除く
全ての要素は集積回路で構成することができる。なぜな
ら、薄膜回路20を除く他の要素は全て電気回路であ
り、半導体製造工程で集積化が可能であり、さらに薄膜
磁石20も半導体製造工程におけるスパッタリング等の
技術と磁化工程により形成することができるからであ
る。よって、本発明の磁場検出装置は、図23に示すよ
うにICパッケージ化することができる。
【0083】その製造工程は、以下の通りである。例え
ば、樹脂成形にてリードフレーム52が図のように配置
された樹脂板50を樹脂成型等で形成する。そして、樹
脂板50上の凹部53に上述した集積回路チップ51と
上記個片素子100を固定する。その後、超音波ボンデ
ィングによって必要な個所を接続する。例えば、個片素
子100の電極と集積回路チップ51の電極、各リード
フレーム52と集積回路チップ51の該当する電極を接
続する。又、緩衝材としてゲル35が必要な場合は、個
片素子100の周囲にそれを充填する。そして、それ全
体を図示しない型に挿入して成形し、図24(a)、
(b)に示す樹脂モールドIC54とする。又、この
時、成型時には使用者に磁気検出方向を明示する例えば
突起部55を形成する。これにより、小型で検出方向が
容易に判別できる磁場検出装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁場検出装置の基本構成図。
【図2】本発明の原理を説明する説明図。
【図3】本発明の原理を説明する感磁素子の1例の磁気
インピーダンス特性図。
【図4】本発明の磁場検出装置の感磁素子に係る1例の
磁気インピーダンス特性図。
【図5】本発明の磁場検出装置の感磁素子に係る1例の
磁気インピーダンス特性図。
【図6】本発明の磁場検出装置に係る制御回路の1例の
回路図。
【図7】本発明の磁場検出装置に係るメモリ装置の1例
の構成図。
【図8】本発明の第1、第2実施形態に係る磁場検出装
置の回路図。
【図9】本発明の磁場検出装置における信号処理回路の
変形回路図。
【図10】本発明の第3、第4実施形態を示した補償型
の磁場検出装置の構成ブロック図。
【図11】本発明の第3、第4実施形態を示した補償型
の磁場検出装置の回路図。
【図12】本発明の第3実施形態の他の例を示した補償
型の磁場検出装置の構成ブロック図。
【図13】本発明の第3実施形態に係る磁場検出装置の
動作特性を示したタイミングチャート。
【図14】本発明の第4実施形態に係る磁場検出装置の
動作特性を示したタイミングチャート。
【図15】本発明の第5、第6実施形態を示した負帰還
型の磁場検出装置の回路図。
【図16】本発明の第7、第8実施形態を示した負帰還
型の磁場検出装置の回路図。
【図17】応用例に係る磁場検出装置の回路図。
【図18】変形例に係る磁場検出装置の感磁素子の構成
を示した説明図。
【図19】ダイオードによって温度補償を行う磁場検出
装置のブロック構成図。
【図20】抵抗によって温度補償を行う磁場検出装置の
ブロック構成図。
【図21】感磁素子を搭載した個片素子の構造を示した
構造図。
【図22】感磁素子と電極との接合部分を示した断面
図。
【図23】ICチップ化した本発明の磁場検出装置の上
面透視図。
【図24】ICチップ化した本発明の磁場検出装置の外
観図。
【図25】従来例に係る磁気抵抗素子の磁界感度のバラ
ツキを示すヒストグラム。
【図26】従来例に係るホール素子のヒステリシス特性
図。
【符号の説明】
10…感磁素子 10a,10b…感磁素子 12…帰還励磁コイル 13…発振器 14…微分回路 15…スイッチ 16…信号処理回路 17…比較回路 18…発振器 30…基板 31,32…電極 33,34…プレート 20…薄膜磁石 20a、20b…薄膜磁石 21…増幅器 100…信号処理回路 120…増幅器 130,130’…制御回路 140…メモリ装置
フロントページの続き (72)発明者 森 正樹 愛知県東海市荒尾町ワノ割1番地 愛知製 鋼株式会社内 (72)発明者 鷲見 和正 愛知県東海市荒尾町ワノ割1番地 愛知製 鋼株式会社内 (72)発明者 本蔵 義信 愛知県東海市荒尾町ワノ割1番地 愛知製 鋼株式会社内 Fターム(参考) 2G017 AA01 AB05 AB07 AC01 AC06 AC09 AD51 BA03 BA05 BA10 5D091 DD03 HH20

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外部磁場に応じてインピーダンスが変化す
    る磁気インピーダンス効果を用い、そのインピーダンス
    変化に基づいて前記外部磁場の大きさを検出する磁場検
    出装置であって、 パルス電流又は高周波電流により周回方向に励磁される
    感磁素子と、 前記感磁素子に前記パルス電流又は前記高周波電流を供
    給する発振手段と、 前記感磁素子の端子間のインピーダンスに関連する物理
    量を検出する検出手段と、 前記検出手段の出力信号を増幅する増幅器と、 前記増幅器の出力と所定レベルとを比較し、その比較結
    果を2値信号として出力する比較手段と、 前記増幅器の増幅率及び/又は前記比較手段の前記所定
    レベルを制御する制御手段と、 前記制御手段に所定の数値を与えるメモリ手段とを有す
    ることを特徴とする磁場検出装置。
  2. 【請求項2】外部磁場に応じてインピーダンスが変化す
    る磁気インピーダンス効果を用い、そのインピーダンス
    変化に基づいて前記外部磁場の大きさを検出する磁場検
    出装置であって、 パルス電流又は高周波電流により周回方向に励磁される
    1対の感磁素子と、 前記1対の感磁素子に前記パルス電流又は前記高周波電
    流を供給する発振手段と、 前記1対の感磁素子のそれぞれ端子間のインピーダンス
    に関連する物理量を検出する1対の検出手段と、 前記1対の検出手段の出力信号の差を出力する差出力手
    段と、 前記差出力手段の出力信号を増幅する増幅器と、 前記増幅器の出力信号を所定レベルと比較し、比較結果
    を2値信号として出力する比較手段と、 前記増幅器の増幅率及び/又は前記比較手段の前記所定
    レベルを制御する制御手段と、 前記制御手段に所定の数値を与えるメモリ手段とを有す
    ることを特徴とする磁場検出装置。
  3. 【請求項3】前記磁場検出は、前記外部磁場の増大に応
    じて前記インピーダンスが減少するインピーダンス減少
    領域、又は前記外部磁場の増大に応じて前記インピーダ
    ンスが増大するインピーダンス増大領域を用いて行うこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の磁場検出
    装置。
  4. 【請求項4】前記インピーダンスの減少領域は、前記交
    流電流の周波数を所定周波数以下とするか、前記感磁素
    子に張力を印加することで得ることを特徴とする請求項
    3に記載の磁場検出装置。
  5. 【請求項5】前記検出手段は、前記感磁素子にバイアス
    磁場を印加するバイアス手段を有することを特徴とする
    請求項1に記載の磁場検出装置。
  6. 【請求項6】前記外部磁場の大きさが増加するとき、前
    記1対の感磁素子の内部磁場が一方は増大し他方は減少
    する関係となるように、前記1対の感磁素子にバイアス
    磁場を印加するバイアス手段を有することを特徴とする
    請求項2に記載の磁場検出装置。
  7. 【請求項7】前記バイアス手段は、コイルに直流電流を
    通電する電磁石、又は、永久磁石であることを特徴とす
    る請求項5又は請求項6に記載の磁場検出装置。
  8. 【請求項8】前記比較手段は、入力信号を第1所定レベ
    ルと比較する第1比較手段と、入力信号を第2所定レベ
    ルと比較する第2比較手段とを有し、第1比較手段及び
    第2比較手段の出力信号は、外部磁場の向きの情報を含
    むことを特徴とする請求項5乃至請求項7の何れか1項
    に記載の磁場検出装置。
  9. 【請求項9】前記発振手段はパルス電流を前記感磁素子
    に供給し、前記感磁素子と前記検出手段との間に設けら
    れ、前記パルス電流に同期して、前記感磁素子に現れる
    第1パルスのみを通過させるスイッチを有することを特
    徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の磁
    場検出装置。
  10. 【請求項10】前記物理量は前記感磁素子の両端にかか
    る電圧であり、前記検出手段は、入力信号のピーク値又
    は繰り返し入力されるピーク値又は高周波信号の振幅に
    関連する値が形成する信号を出力する信号処理回路であ
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか1項
    に記載の磁場検出装置。
  11. 【請求項11】前記信号処理回路は、検波回路又はピー
    ク・ホールド回路又は積分回路の何れかであることを特
    徴とする請求項10に記載の磁場検出装置。
  12. 【請求項12】前記検出手段は、前記感磁素子の周回方
    向に巻回され、前記検出軸方向の成分である前記外部磁
    場を相殺する磁場を生成する負帰還励磁コイルと該負帰
    還励磁コイルに電流供給する負帰還回路を有することを
    特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載
    の磁場検出装置。
  13. 【請求項13】前記感磁素子の周回方向に巻回され、前
    記検出手段の出力信号に応じて、前記検出軸方向の成分
    である前記外部磁場を相殺する磁場を生成する負帰還励
    磁コイルを有し、 前記バイアス手段は、前記負帰還励磁コイルが兼ねるこ
    とを特徴とする請求項5乃至請求項12の何れか1項に
    記載の磁場検出装置。
  14. 【請求項14】前記発振手段は、矩形波発振回路と、該
    矩形波発振回路の出力する矩形波を微分し微分信号を前
    記パルス電流とする微分回路とから成ることを特徴とす
    る請求項1乃至請求項13の何れか1項に記載の磁場検
    出装置。
  15. 【請求項15】前記感磁素子は、周回方向に磁気異方性
    を有することを特徴とする請求項1乃至請求項14の何
    れか1項に記載の磁場検出装置。
  16. 【請求項16】前記感磁素子は、前記パルス電流又は交
    流電流に対して表皮効果を発生する素子であることを特
    徴とする請求項1乃至請求項15の何れか1項に記載の
    磁場検出装置。
  17. 【請求項17】前記感磁素子は、アモルファス磁性体か
    らなることを特徴とする請求項1乃至請求項16の何れ
    か1項に記載の磁場検出装置。
  18. 【請求項18】前記感磁素子は、アモルファス磁性体か
    らなるワイヤであることを特徴とする請求項1乃至請求
    項17の何れか1項に記載の磁場検出装置。
  19. 【請求項19】前記感磁素子は基板上に形成された電極
    で両端が支持通電されることを特徴とする請求項1乃至
    請求項18の何れか1項に記載の磁場検出装置。
  20. 【請求項20】前記感磁素子を両端で支持通電する電極
    に置いて、感磁素子の上からアルミニウム又はアルミニ
    ウム合金を被せて、超音波ボンディングすることで、前
    記感磁素子と前記電極とを接合することを特徴とする請
    求項1乃至請求項19の何れか1項に記載の磁場検出装
    置。
  21. 【請求項21】前記電極は、ニッケル、アルミニウム、
    金、銅、銀、錫、亜鉛、白金、マグネシウム、ロジウ
    ム、又は、これらの少なくとも1種を含む合金から成る
    ことを特徴とする請求項20に記載の磁場検出装置。
  22. 【請求項22】前記電極は、表面層として、アルミニウ
    ム又はアルミニウム合金からなる層を有することを特徴
    とする請求項21に記載の磁場検出装置。
  23. 【請求項23】前記検出手段は、温度を補正する温度補
    正回路を有することを特徴とする請求項1乃至請求項2
    2の何れか1項に記載の磁場検出装置。
  24. 【請求項24】前記発振手段、前記検出手段、前記増幅
    回路、前記制御手段、前記メモリ手段、前記比較手段は
    集積回路で構成され、該集積回路と前記感磁素子は、樹
    脂モールドで同一にパッケージされていることを特徴と
    する請求項1乃至請求項23の何れか1項に記載の磁場
    検出装置。
  25. 【請求項25】前記パッケージは、該パッケージを形成
    する複数の面において、磁場検出方向の面が他の面と異
    なる形状であることを特徴とする請求項24に記載の磁
    場検出装置。
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