JP2000193728A - 磁界検出素子 - Google Patents

磁界検出素子

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JP2000193728A JP10371498A JP37149898A JP2000193728A JP 2000193728 A JP2000193728 A JP 2000193728A JP 10371498 A JP10371498 A JP 10371498A JP 37149898 A JP37149898 A JP 37149898A JP 2000193728 A JP2000193728 A JP 2000193728A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気インピーダンス素子の温度特性・経時変
化の影響をなくす。 【解決手段】 基板111の一面側に、磁気異方性を与
えられた磁性層211と、該磁性層211に表面の少な
くとも一部が覆われるように形成された中間層(導電体
層)212を備えた磁界検出部を形成する。磁界発生手
段として、基板11の裏側などには第2導電体層113
を形成し、自己特性校正部410が、該導電体層113
によって磁界検出部に印加される基準磁界に対し、検出
される最大・最小素子インピーダンス値Zmax、Zm
inと、該基準磁界の最大・最小磁界Hmax、Hmi
nを用い磁界感度Sens、オフセット値Offを算出
し、更に素子出力を補正する。通常動作時には、第2導
電体層113に所定直流電流を流しセンサ動作点を最適
領域にシフトさせるためのバイアス磁界を発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性体のインピー
ダンス変化を検出原理として利用し、外部から加わる磁
界を電気信号に変換する積層型の磁界検出素子に関し、
例えば、低磁界を高感度に検出するのに適し、磁気の絶
対量をアナログ検出する磁界センサ、位置センサ、距離
センサ及び、ディジタル的な回転センサ、磁気ヘッド等
における磁気量検出に利用される磁界検出素子の構成に
関する。
【0002】
【従来の技術】FeCoSiB、CoSiB、CoNb
Zr等のアモルファス軟磁性薄膜を基板上に単層形成
し、これを磁界検出素子として用いることが従来提案さ
れている。このような磁界検出素子としており、素子両
端に10MHzから100MHzまでの正弦波電流を交
流電源から印加して磁性薄膜幅方向へ交流磁界を印加す
ると、センサ素子に加えられた被検出磁界に応じて磁性
薄膜の透磁率μが変化するため、それに伴って素子のイ
ンピーダンスが変化するという原理を利用している。こ
の単層膜素子では駆動周波数が数十MHz以上であるこ
とと磁界に対するインピーダンス変化率が数十%であ
り、実用面を考えると駆動周波数を低下させることとよ
り一層のインピーダンス変化率の向上が望まれている。
【0003】最近では、図15に示すように、アモルフ
ァス磁性膜単層素子ではなく、非磁性導電体層の周りを
磁性層が覆う積層構造素子が提案されている。この素子
では、図16に示すように外部からの磁界に対して素子
両端のインピーダンス変化率が100%以上と単層膜素
子(インピーダンス変化率:数十%)と比較して一桁大
きく、また駆動周波数も1MHzから10MHzと単層
膜素子(駆動周波数:10MHzから100MHz)と
比較して一桁小さくすることができる。検出原理はアモ
ルファス磁性単層薄膜素子と同じで、被検出磁界による
磁性薄膜の透磁率μ変化をインピーダンス変化として検
出するものであるが、積層構造とすることによりこの効
果をより効率的に引き出すことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】自動車、工作機械等の
応用を考えた場合、温度特性に優れ、SNに優れ、直線
性が良好でヒステリシスのない特性、さらには装着の融
通性、簡便性が重要となる。特に、自動車への応用を考
えた場合、雰囲気温度は100℃くらいまで上昇するの
でセンサの温度特性、センサの取り付けスペースが限ら
れているのでセンサ装着の融通性、簡便性が重要とな
る。
【0005】従来技術まで提案されているアモルファス
軟磁性膜単層素子、あるいは積層型素子では、直線性、
高SN比、温度特性の点で不十分であり、検出磁界の正
負が判別できないという問題もあった。さらに自動車応
用などセンサ取り付け環境が良くない場合には素子特性
の経時変化も問題となった。したがって、自動車、工作
機械用途で高精度を要する磁界を利用した位置、距離、
回転位置または速度等を検出するセンサ、あるいは地磁
気を利用した方位センサ等を実現するには、ヒステリシ
スのない直線性特性、SN比、温度特性の改善、素子特
性の経時変化の解消等を図る必要がある。
【0006】本発明はこれらの課題を解決し応用範囲の
広いセンサを実現することを目的とし、例えば、SNに
優れ高い検出分解能を有し、直線性が良好でかつ温度特
性に優れ、経時変化の影響を受けない磁界検出素子を実
現する。
【0007】
【課題を解決するための手段】(i)上記課題を解決する
ために本発明にかかる磁界検出素子は、基板上に形成さ
れ、所定方向に磁気異方性が与えられた磁性体層と、表
面の少なくとも一部が該磁性体層に接するように形成さ
れ、高周波電源に接続される導電体層とを備える磁界検
出部を有し、更に、自己特性校正のための特性測定時に
基準磁界を発生して、又は該基準磁界及びセンサ動作点
を最適領域にシフトさせるためのバイアス磁界の両方を
選択的に発生して、前記磁界検出部に加える磁界発生手
段を備えることを特徴とする。
【0008】これらの磁界を磁界検出部に印加すること
は、以下のような意義がある。
【0009】・自己特性校正用の磁界を印加することの
意義 自動車のエンジン、あるいは変速機内等、センサ取り付
けの環境が良くない場合には、温度上昇・低下による熱
サイクルにより素子特性の経時変化が生じる。この場合
には、例えば図14に示す素子作製後1日後と60日後
との比較から明らかなように、素子特性プロファイルが
変動してしまい、センサとして動作しなくなる。そこ
で、磁界発生部としての例えば第2導電体層等に規定電
流を通電して素子に基準磁界を加え、印加基準磁界の変
動に対する素子インピーダンス値の変化を検出し、この
インピーダンス変化量から磁界に対する素子特性をチェ
ックする。もし、経時変化により磁界に対する特性が変
化しているならば、このような自己特性演算によって得
られた磁界感度、及び検出磁界ゼロ時の素子インピーダ
ンス値(オフセット値)を本素子の磁界感度、オフセッ
ト値として用いて補正演算をすれば、経時変化による素
子特性変動の影響を受けることなく外部からの磁界を検
出できるようになる。
【0010】・バイアス磁界を印加することの意義 外部磁界に対する素子のインピーダンスは、上記図16
に示すように磁性膜幅方向に付与された磁気異方性(異
方性磁界)に対応する磁界値でピークを持つプロファイ
ルを有する。ここで注目すべきことは、ピークの右側の
プロファイルとピークの左側のプロファイルとで、プロ
ファイル形状、及び温度に対する安定性の点で大きく異
なる点である。図12を見ると、左側のプロファイルで
は直線性が悪く、ヒステリシスが発生するが、右側のプ
ロファイルでは直線性は良好でヒステリシスも発生しな
い。また、右側特性プロファイルと左側特性プロファイ
ルとで安定性(SN比、再現性)の点についても大きく
異なり、右側特性プロファイルが左側特性プロファイル
と比較して優れていることが分かった。
【0011】図13には各温度(雰囲気温度)に対する
インピーダンス特性を示す。この結果を見ると、温度変
化に対する特性変動についても、右側プロファイルのほ
うが左側プロファイルと比較して変動幅が小さいことが
分かる。
【0012】つまり、ヒステリシスのない安定した特性
を実現するためには、インピーダンス特性プロファイル
において右側プロファイルを利用すればよいことが分か
る。そこで、右側特性プロファイルが利用できるよう
に、磁界発生手段として例えば第2導電体層に電流を通
電することで異方性磁界以上の磁界をバイアス磁界とし
て印加することが有効である。これにより、素子動作点
を右側特性プロファイルにシフトさせることができ、S
N比に優れ高い検出分解能を有するセンサが実現でき
る。さらに、図15のような従来の薄膜積層型の磁界検
出素子をそのまま利用した場合には、検出する磁界の正
負を判別することはできない。しかし、磁界をバイアス
して動作点を図12、図13に示すように右側特性の中
間位置にシフトさせれば、検出磁界の正負を判別するこ
ともできるようになる。
【0013】以上のように、高感度で安定性に優れた特
性を得るためには、経時変化による影響を克服する必要
がある。そのために、基準磁界の最大及び最小時の素子
インピーダンスを検出して磁界に対するインピーダンス
変化などを検出し、素子出力の補正を行うすることが好
適である。また、通常駆動時には、素子に磁界バイアス
を印加して動作点をシフトさせることで、より性能のよ
い素子を得ることができる。そして、これらの磁界を磁
界発生手段が必要に応じて発生し磁界検出部に印加する
構成とすれば、素子の特性向上を簡単な構成によって実
現できる。
【0014】経時変化も含めて素子特性の向上を図るた
めには磁界発生手段を有することが必須であるが、この
磁界発生手段としてはコイルや磁石を用いることも可能
である。しかし、磁界発生手段として、基板の裏面や磁
界検出部の近くに第2導電体層を形成し、この第2導電
体層に電流を通電させることにより磁界を発生すること
が好適である。第2導電体層に電流を流せば、第2導電
体層の回りに周回磁界が発生するため、磁界検出部に簡
単な構成で、基準磁界やバイアス磁界を加えることがで
きる。この第2導電体層は、磁界検出部の導電体層(第
1導電体層)などと同様な手法によって、同一の基板
上、例えば基板の裏面側などの磁界検出部の近くに容易
に形成することができる。もし、磁界発生手段として素
子付近に剛性の高いコイル、あるいは磁石など配置をし
た場合には、フレキシブル基板を用いた時に、基板が可
撓性であることによるメリット、つまり素子を取り付け
る位置に応じて変形自在というメリットが損なわれてし
まう。しかし、第2導体性層を利用すれば、基板として
柔軟性(フレキシビリティ)を有するフレキシブル(例
えば、ポリイミドフィルム)基板などを用いることも可
能であり、磁界検出素子としての形状の自由度を向上さ
せることができる。また、コイルや磁石を用いた場合と
異なり、素子の小型化・軽量化にも非常に有利となる。
【0015】(ii)本発明の更に別の特徴は、上記磁界検
出素子において、更に、自己特性校正手段を備え、該自
己特性校正手段は、前記磁界発生手段に周期的にレベル
の変化する基準磁界を発生させた際に、該基準磁界の最
大印加時での素子インピーダンスと、該基準磁界の最小
印加時での素子インピーダンスとに基づいて、素子の磁
界感度及び検出磁界ゼロ時での素子出力値を算出し、算
出した前記磁界感度、前記検出磁界ゼロ時での素子出力
値に基づいて素子出力結果に対する補正演算を行うこと
である。
【0016】自己特性校正とは、雰囲気温度変化、ある
いは経時変化により素子特性が変化する場合に有用とな
る自己キャリブレーション機能である。センサ出力特性
を決定する要因として磁界感度(単位印加磁界当りの出
力変化)とゼロ点(印加磁界ゼロ時の素子出力値)があ
る。したがって、素子特性が変化することは、磁界感度
とゼロ点が変化することを意味する。本発明では、上述
のような自己特性校正部が磁界感度、およびゼロ点の変
動を検出し、変化したデータを勘案して素子からの出力
に補正演算を施する。
【0017】この自己特性校正処理は、例えば以下のよ
うな動作を含み、定期的又は不定期的に、あるいは必要
に応じて実行される。まず、素子に正負の基準磁界を各
々印加し、正磁界印加時の素子出力を検出し自己特性校
正手段内に設けたメモリにストアする。同様に負磁界印
加時の素子出力を検出し自己特性校正手段内のメモリに
ストアする。微少磁界検出の場合には、印加磁界に対す
る素子特性は線形と見なすことができる。そこで、正磁
界印加時の素子出力と負磁界印加時の素子出力との差分
をとり、この差分を印加磁界変化分で除算すると磁界感
度を算出する。ここで、印加磁界変化分とは、例えば印
加した正磁界と負磁界との差分である。一方、ゼロ点
は、例えば正磁界印加時の素子出力と負磁界印加時の素
子出力の中点、つまり正磁界印加時の素子出力と負磁界
印加時の素子出力との和の1/2をとることにより算出
される。算出した磁界感度、ゼロ点を自己特性校正手段
内のメモリにストアし、以後素子の特性値として設定し
直す。そして、素子からの検出出力に対して、新たに設
定した磁界感度及びゼロ点をメモリより読み出して補正
演算すれば、雰囲気温度変化、あるいは経時変化により
素子特性が変化しても、常に正確に磁界を検出すること
が可能となる。
【0018】(iii)本発明の別の特徴は、前記磁界発生
手段の表面の少なくとも一部を被うように、または前記
磁界検出部の近くに、前記磁界発生手段から前記磁界検
出部に加えられる磁界の漏洩を小さくするための集磁機
能を有する磁性層が形成されていることである。
【0019】磁界発生手段として、例えば素子裏面に設
けられた導電体層を利用し、この導電体層に通電された
電流により発生する磁界を効率よく磁界検出素子に加え
るために、磁界検出部の近くや、あるいは磁界発生手段
として導電体層を用いた場合にその上層に上記磁性層を
形成することで実現できる。この様な磁性層は、外部に
漏洩しようとする磁界を集中させる磁気レンズの機能を
有している。従って、この磁性層の存在により、磁界発
生手段の周囲に発生する周回磁界が外部空間に漏洩する
ことが防止され、効率よく磁界検出素子に加えられるこ
ととなる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いてこの発明の好
適な実施の形態(以下実施形態という)について説明す
る。
【0021】本発明に係る磁界検出素子(以下、磁気イ
ンピーダンス素子という)の代表的な構成を図1に示
す。図2は、図1の素子のA−A´線に沿った断面構成
を示している。
【0022】本発明の磁気インピーダンス素子におい
て、その磁気検出部(MI部)は、中間層212をその
表面の少なくとも一部が外層211で覆われた構造であ
り、図1及び図2の場合には、中間層212の上下面及
び側面が上下の外層211によって覆われている。外層
211は、磁性体層であり、FeCoSiB、CoSi
B等のアモルファス軟磁性体により形成されている。一
方、中間層212は、第1導電体層であり、Cu、Al
など、外層211に比べて導電率が一桁以上高い導電体
が用いられている。なお、外層211としては、上記F
eCoSiB、CoSiBなどの他に、NiFe、Co
NbZrなど、保磁力が1 Oe(1 Oe≒79 A/
m)以下の軟磁性材料で置き換えてもかまわない。ま
た、中間層212はCu等の導電体以外に、Al、F
e、Co等の導電体でもかまわない。
【0023】これら各層211、212は、真空蒸着
法、スパッタリング法等の薄膜作成技術により作成され
る。また外層211は、素子の幅方向に直流磁場を印加
した状態で作製されるため、素子の幅方向(中間層21
2の幅方向)が外層211の容易磁化方向となり、この
方向に磁気異方性が与えられている。
【0024】ポリイミドなどが用いられたフレキシブル
な基板111上、具体的には基板111と外層211と
の間には、絶縁層112が形成されている。絶縁層11
2の材質としては、例えばSiO2 、SiAlN等が適
用される。この絶縁層112の役割は、作製時に素子と
フレキシブル基板111との界面で発生する応力を低減
することにある。なお、磁気特性の微細構造制御を行う
という目的のためには絶縁層112をCr、Ti等の導
電性層に置き換えてもよい。本発明の磁気インピーダン
ス素子は基板111上にパターニングされており、パタ
ーンニング形状は、図1及び図2のような一直線状に限
らず、後述の実施形態1に示すようなつづらおり状が代
表例として挙げられる。
【0025】本発明の積層薄膜型の磁気インピーダンス
素子では、素子の基板面に平行に被検出磁界Hextが
印加されると、素子の軟磁性層(外層)の磁化状態が変
化する。これにより、素子の幅方向(中間層の幅方向)
の透磁率μが変化し、これに応じて素子両端で数百%以
上のインピーダンスZの変化が発生する。インピーダン
スZは被検出磁界(外部磁界)Hextと対応している
ので、インピーダンス検出器312を設けてインピーダ
ンスZの変化量を読みとることで、被検出磁界Hext
の大きさを検出している。
【0026】また、本発明では、以上のような磁気検出
部に加え、磁気検出部に自己特性校正用の基準磁界と、
センサ動作点を最適領域にシフトさせるためのバイアス
磁界を加えるため磁界発生手段が設けられている。この
磁界発生手段は、例えば、素子下部に形成された第2導
電体層113によって構成されている。第2導電体層1
13の代表的な構造としては、図1及び図2に示すよう
に、基板111の裏面(磁気検出部が形成されている基
板の第1面と反対側の第2面)に形成したものがあげら
れる。なお、その他、絶縁層112とフレキシブル基板
111との間に、この第2導電体層113を形成した構
成でもよい。第2導電体層113を構成する材料として
は、抵抗率が小さなCu、Al等が挙げられる。第2導
電体層113に電流が通電されると、この電流により図
1に示すような周回磁界が発生し、これが磁界検出部に
バイアス磁界あるいは自己特性校正用の基準磁界として
加わることとなる。
【0027】磁界検出部に加わる磁界をより一層強める
ためには、磁気レンズ(集磁)の作用をする磁性層11
4(特に軟磁性層)を設けることが好適である。通常、
第2導電体層113を通電する電流により発生する磁界
の一部は素子に加わることなく外部空間に漏洩してしま
う。したがって、外部空間に漏洩しようとする磁界が磁
界検出部に効率よく加わるように集磁する磁気レンズ機
能を持たせるのである。磁気レンズの構成の代表的なも
のとしては、図1及び図2に示すように基板111の裏
面上に形成された第2導電体層113のさらに下部、つ
まり第2導電体層113の表面を覆うように磁性層11
4を設けた構成である。その他の構成としては、図3に
示すように、基板111の磁気検出部と同一面上であっ
て、該磁気検出部の前後に磁性層115a及び115b
をそれぞれ設けた構成が適用可能である。なお、図3
(a)は平面構成、図3(b)は(a)のA−A’線に
沿った断面構成を表している。図1及び2と、図3のど
ちらの場合においても磁性層は、第2導電体層の周囲に
発生する周回磁束を外部空間に漏洩させることなく効率
よく素子に加えることを可能としており、外部に漏洩し
ようとする磁界を集中させる磁気レンズの機能を有して
いることが分かる。従って、以上のような磁性層11
4、115a、115bを用いることにより、外部空間
に磁界が漏洩することが防がれ、効率よく磁界検出部に
磁界を加えることができるようになる。
【0028】素子の両端は高周波電源311に接続され
高周波駆動されている。また、インピーダンス検出器3
12が素子の両端に接続されており、外部磁界によるイ
ンピーダンス変化を検出している。
【0029】素子の第2導電体層113には、スイッチ
1及び2を介して2つの電源411、412が並列して
結線されている。
【0030】通常動作時には、スイッチ1が閉じて直流
のバイアス磁界用電源411が第2導電体層113に接
続され、スイッチ2が開いて基準磁界用電源412が切
り離される。この場合には、第2導電体層113に、バ
イアス磁界用電源411から所望の直流電流が供給さ
れ、それに伴って素子の動作点が上述した図12の右側
に位置するように所望の大きさのバイアス磁界が発生す
る。従って、本発明の磁気インピーダンス素子は、特性
の良い図12の右側の位置で動作することとなる。
【0031】一方、自己特性校正を行う時には、スイッ
チ1が開いてバイアス磁界用電源411が切り離され、
スイッチ2が閉じて基準磁界用電源412が第2導電体
層113に接続される。この場合には、第2導電体層1
13には、図4の下部に示すように正負対称な周期電流
が、所定直流電流に重畳されて作成された電流が流れ
る。これにより磁界検出部には、自己特性校正用の基準
磁界[直流磁界(=バイアス磁界)+周期的に変化する
正負対称磁界]が発生する。そして、自己特性校正部4
10は、基準磁界及びそれに応じた素子インピーダンス
値に基づいて以下のような自己特性校正動作を実行す
る。
【0032】本発明の自己特性校正部410は、自己特
性演算部413とセンサ信号補正演算部414を備え、
自己特性演算部413が基準磁界と検出された素子イン
ピーダンスに基づいて自己特性(磁界検出値、オフセッ
ト値)を算出・記憶し、センサ信号補正演算部414
が、その算出された自己特性に基づいて通常動作時に得
られる素子検出出力(素子インピーダンス値)を補正し
磁界検出値を出力する。
【0033】以下、図5を参照して自己特性校正動作を
説明する。なお、この自己特性校正動作は、センサの起
動時や、周期的に自動的にスタートさせる。但し、外部
から命令があったときにスタートしてもよい。
【0034】スイッチ1を開き、スイッチ2を閉じるこ
とで、磁界検出部の中間層212に電源412を接続す
ることで、素子には、バイアス磁界を中心として周期的
にレベルが正負反転する図4の下部に示すような基準磁
界が印加される(S1)。インピーダンス検出器312
は、基準磁界印加時の素子インピーダンスを検出し、そ
の検出データは自己特性校正部410の自己特性演算部
413に供給される。自己特性演算部413は、正磁
界、つまり最大磁界Hmaxが印加された時の素子イン
ピーダンス値Zmaxを内部のメモリ415に記憶し、
また負磁界、つまり最小磁界Hminが印加された時の
素子インピーダンス値Zminをメモリ415に記憶す
る(S2)。
【0035】微小磁界検出において素子インピーダンス
変化は線形であり、最大磁界の値Hmaxと最小磁界H
minの値は基準磁界用電源412から供給されるデー
タにより既知であるため、(1)式に従い、最大磁界印
加時の素子出力と最小磁界印加時の素子出力との差分を
とり、この差分を印加磁界変化分で除算すると、磁界感
度Sensを算出することができる。なお、印加磁界変
化分とは印加した最大磁界と最小磁界との差分である。
一方、(2)式に従い、正磁界印加時の素子出力と負磁
界印加時の素子出力の中点、つまり最大磁界印加時の素
子出力と最小磁界印加時の素子出力との和の1/2をと
ることにより、オフセット値Off(ゼロ点)が算出さ
れる(S3)。
【0036】
【数1】
【数2】 このような演算によって得られた磁界感度Sens及び
オフセット値Offは、少なくとも、次回の自己特性演
算が行われて新たな算出値が得られるまでメモリ415
に記憶しておく(S4)。
【0037】センサ信号補正演算部414は、以後の通
常動作時において、算出された磁界感度、及びオフセッ
ト値データを随時メモリ415より読み出し(S5)、
インピーダンス検出器312から得られた通常時の素子
インピーダンス値に対して補正演算を行い(S6)、補
正済みの磁界検出値を後段の図示しない処理回路に出力
する(S7)。
【0038】以上のように、基準磁界を印加して算出し
た磁界感度とオフセット値を、以後素子の特性値として
設定し直し、素子からの検出出力に対して、新たに設定
した磁界感度及びオフセット値を用いて補正演算すれ
ば、雰囲気温度変化、あるいは経時変化により素子特性
が変化しても、その影響がキャンセルされ、自己キャリ
ブレーション機能が実現される。
【0039】[実施形態1]次に、本発明の磁気インピ
ーダンス素子のより具体的な実施形態1について説明す
る。図6は実施形態1に係る磁気インピーダンス素子の
構成を示している。
【0040】ポリイミドフィルム基板111上には、図
6に示すようにつづらおり状に素子がパターンニングさ
れている。図7(a)は、図6の磁気インピーダンス素
子のA−A´断面、図7(b)は、図6の磁気インピー
ダンス素子のB−B´断面を示す図である。
【0041】ポリイミドフィルム基板111上に、絶縁
層112としてのSiO2 バッファ層を介し、外層21
1、中間層212よりなる磁気インピーダンス素子が形
成されている。中間層212はCu、Al等の導電体で
あり、膜厚は3μmである。外層211には、磁化容易
軸がその線幅方向に付与されている。外層211は、F
eCoSiB、CoSiBよりなり、膜厚は2μmであ
る。素子に発生する応力緩和を狙った絶縁層112が基
板111上に形成されている。この絶縁層112は、ガ
ラス、SiO2 、あるいはSiAINよりなり、膜厚は
数μmである。
【0042】本実施形態1の素子は、各層がフォトリソ
グラフィー技術によりポリイミドフィルム基板111上
に形成される。ポリイミドフィルム基板111の裏面に
は、第2導電体層113が形成されている。さらに第2
導電体層113の下面には軟磁性層114が形成されて
いる。第2導電体層113には直流電流が通電され、導
体層の回りに発生する周回磁界が基準磁界又はバイアス
磁界として素子に印加されることになる。磁性層114
は第2導電体層113により発生する磁界を外部に漏洩
することを抑えて素子に効率よく印加されることを可能
とする磁気レンズの役割を果している。第2導電体層1
13はCu、Al等の導電体であり、磁性層114はF
eCoSiB、CoSiB、CoNbZr等の軟磁性体
である。
【0043】また、この素子は、ポリイミドフィルム基
板上に磁界検出部の各層を作製した後、磁場中で熱処理
を実施した。熱処理温度280℃、印加磁界2 kO
e、熱処理時間30minである。この磁場中熱処理に
より、磁性層の磁気特性の熱ダメージに対する安定化、
素子出力の温度特性の向上を図ることができる。上記熱
処理を行った後、ポリイミドフィルム基板裏面に第2導
電体層113、及び磁性層114を作製している。
【0044】素子の両端は高周波電源311に接続され
高周波駆動されている。また、素子の両端にはインピー
ダンス検出器312が接続され、磁界によるインピーダ
ンス変化を検出している。素子の第2導電体層113に
は2つの電源、バイアス磁界用電源411及び基準磁界
用電源412が並列して結線されている。上述のよう
に、通常動作時にはバイアス磁界用電源411が中間層
212に接続され、基準磁界用電源412は切り離され
る。よって、第2導電体層113には、バイアス用の直
流電流が流れ、それに伴ってバイアス磁界が発生する。
【0045】自己特性校正を行う時には、基準磁界用電
源412からの電流、つまり直流電流に正負対称な周期
的な方形波電流が重畳された電流が、中間層212に流
れ、自己特性校正用の基準磁界が発生する。これに伴っ
て自己特性校正部410が動作する。
【0046】自己特性校正は、図5を参照して説明した
動作と同じであるが、ここでは、自己特性補正の動作を
センサの起動時に実施する。そして、まず、周期的に変
化する基準磁界において最大磁界が印加された時の素子
インピーダンス値と最小磁界が印加された時の素子イン
ピーダンス値を自己特性演算部413内のメモリ415
に記憶する。次に、既知である最大磁界の値と最小磁界
の値と、記憶した素子インピーダンスに基づいて、自己
特性演算部413が、上式(1)に従って単位磁界変化
幅に対する素子インピーダンス変化、即ち、磁界感度S
ensを算出し、上記(2)に従ってオフセット値Of
fを算出し、算出値をメモリ415に新たに記憶する。
以後、センサ信号補正演算部414は、算出された磁界
感度、及びオフセット値データをメモリ415より呼び
出して素子インピーダンス値の補正演算を行う。こうし
た演算により、磁界に対する素子インピーダンス特性が
経時変化しても影響を受けることなく磁界検出が可能と
なる。
【0047】図8には本実施形態1に係る磁気インピー
ダンス素子の出力特性を示す。図8(a)には図6の磁
界検出部と同じ構成で自己特性校正しない素子の出力特
性の温度依存性、図8(b)には、本実施形態1の素子
の出力特性の温度依存性を示す。この結果を見ると、自
己特性の校正を行わない場合には、室温と100℃の時
とで、センサ出力に大きな差が発生するが、本実施形態
1の素子のように随時自己特性校正を行うことで、室温
と100℃の時とでセンサ出力に殆ど差が発生しておら
ず、素子の温度依存性を克服できることが分かる。
【0048】また、本実施形態1では、磁界検出部のパ
ターンをつづら折り(ミアンダ)状とすることで、素子
インピーダンスを大きくすることが可能となり、磁界検
出感度を高めることが可能となっている。
【0049】[実施形態2]次に、本発明の実施形態2
の磁気インピーダンス素子について説明する。図9は実
施形態2に係る素子の構成を示している。また、図10
(a)は、図9の素子のA−A´断面、図10(b)
は、B−B´断面をそれぞれ示す。
【0050】素子の磁界検出部は、ポリイミドフィルム
基板111上に形成された絶縁層112の上に、実施形
態1と同様、つづらおり(ミアンダ)状に形成されてい
る。ポリイミドフィルム基板111の裏面であって、素
子のつづらおり状領域に相当する位置を覆うように、基
準磁界用又はバイアス磁界用の第2導電体層113が、
幅広ストレイトライン状にパターンニングされ、磁界発
生手段を構成している。
【0051】ポリイミドフィルム基板111上には、第
一層として絶縁層112が形成され、その後、第二層と
して軟磁性層211、第三層として導電体層212、第
四層として軟磁性層211が形成される。絶縁層112
はSiO2 層、軟磁性層211はCoSiB層、導電体
層212はCu層より各々形成される。また、ポリイミ
ドフィルム基板裏面に形成されている第2導電体層11
3はCu層である。
【0052】また、つづらおり状パターンの素子の前後
には、磁気レンズ機能を有する磁性層115a及び11
5bが、中間層212のパターンの幅方向に一直線状に
延びるようにパターンニングされている。これらの磁性
層115a、115bは、共にCoNbZrの軟磁性体
からなる。
【0053】本実施形態2の素子は、実施形態1におい
て示した素子とは異なり、導電体層212の周囲(特
に、側面)を軟磁性層211が覆う断面構造とはなって
いない。導体層212の上下を軟磁性層211が挟む単
なるサンドイッチ構造であり図10(b)に示されてい
るように導電体層212の側面は全領域で露出してい
る。また、高周波電源311などに接続されるリード線
パッド部のみで、第4層目の軟磁性層211が形成され
ておらず、導電体層212の上側表面が露出している。
【0054】なお、リード線パッド部のみで導電体層2
12が露出しているのは、磁性層の場合、リード線との
ハンダ付けが難しいが、導電体層の場合、リード線との
ハンダ付けは容易であるためである。
【0055】本素子部の作製手順は、以下の通りであ
る。基板111上に第一層211、第二層212、第三
層、第四層と順次磁場中で成膜していく。各層の成膜は
真空真空蒸着、あるいはスパッタリングにより行う。パ
ターンニングは第四層までの成膜が終わった段階で、レ
ーザートリミング装置を用いて、レーザー描画によるパ
ターンニングを行う。この作製方法はフォトリソグラフ
ィ技術による作製と比較してより簡便な手法であり、量
産化を考えた場合有効である。素子部作製が終わった
後、磁性層114、磁性層115さらにはポリイミドフ
ィルム基板裏面の第2導電体層113が成膜される。こ
のように、第1層〜第4層まで形成した後に一括してパ
ターニングすれば、各層を個別にエッチングする必要が
ないため、各層毎で互いの位置ずれがなくなり、また工
程数が減少するため素子の製造コストを低減することが
可能となる。
【0056】素子(導電体層212)の両端には、上述
の実施形態などと同様、高周波電源311に接続され高
周波駆動されている。また、素子の両端に接続されたイ
ンピーダンス検出器312により、外部磁界によるイン
ピーダンス変化を検出している。更に素子の第2導電体
層113には2つの電源411、412が並列して結線
されている。
【0057】通常動作時には、上述のように、バイアス
磁界用電源411が第2導電体層113に接続され、第
2導電体層113にバイアス磁界用の直流電流が流れ、
それに伴ってバイアス磁界が発生する。
【0058】自己特性校正を行う時には、基準磁界用電
源412が第2導電体層113に接続され、第2導電体
層113には直流電流に正負対称な正弦波電流が重畳さ
れた電流が流れ、自己特性校正用の基準磁界が発生し磁
界検出部に印加される。そして、印加された基準磁界
(Hmax、Hmin)と、対応して検出される素子イ
ンピーダンス値(Zmax、Zmin)に基づいて、自
己特性校正部410が動作して磁界感度Sens、オフ
セット値Offが演算され、素子特性の校正が行われ
る。なお、自己特性校正動作は、上述の図5の説明及び
実施形態1と同様であり詳細な説明は省略するが、本実
施形態2では、自己特性校正動作を周期的にある時間間
隔で実施する構成をとっている。
【0059】こうした自己特性校正を行うことで、本実
施形態2においても、磁界に対する素子インピーダンス
特性が経時変化しても影響を受けることなく磁界検出が
可能となる。
【0060】図11(a)は、図9の磁界検出部と同様
な構成で自己特性校正機能を有しない磁気インピーダン
ス素子の出力特性の日々の再現性を示す。また、図11
(b)は、本実施形態2の磁気インピーダンス素子の出
力特性の日々の再現性を示す。図11(a)の結果で
は、1日目と10日目ではセンサ出力に大きな差が発生
しているが、図11(b)に示すように実施形態2に係
る素子では、1日目と10日目でセンサ出力に有意な差
は認められず、素子の経時変化を克服できることが分か
る。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように本発明の磁界検出素
子では、基準磁界を発生する手段を備えることで、素子
の特性が温度依存性を備えていたり、経時変化したりす
る場合にも、自己特性を校正することが可能となる。従
って、素子出力の温度依存性や経時変化をなくし、長期
間正確な磁界検出を行うことが可能となる。
【0062】また、上記基準磁界だけでなく、センサ動
作点を最適領域にシフトさせるためのバイアス磁界を発
生して、勾配が大きく直線性が良好な領域にセンサ動作
点をシフトさせることにより、特性の良い領域で磁界検
出を行うことが可能となる。
【0063】また、この様な基準磁界やバイアス磁界を
発生するには、例えば素子と同一の基板上に導電体層を
形成し、この導電体層に所望の電流を印加することによ
り容易に発生することができる。従って、このような導
電体層を磁界発生手段とすれば、基板として例えば可撓
性基板を用いた場合でもその可撓性を活用でき、またよ
り小型の磁界検出素子を実現することが容易である。
【0064】また、本発明のように素子が自己特校正手
段を備え、これが、基準磁界の最大、最小印加時での各
素子インピーダンスにより、磁界感度、検出磁界ゼロ時
での素子出力値を算出し、これら基づいて素子検出結果
に対する補正演算を行うことにより、雰囲気温度変化、
あるいは経時変化により素子特性が変化しても、常に正
確に磁界を検出することが可能となる。そして、自己キ
ャリブレーション機能を内蔵した磁気検出素子を実現す
ることができる。
【0065】更に、磁界発生手段の発する磁界の漏洩を
小さくするための集磁機能を有する磁性層を設けること
で、より効果的に基準磁界やバイアス磁界を磁界検出部
に加えることができる。従って、磁性層が設けられてい
ない場合と比較するとより少ない通電電流で所望の磁界
を発生させることができ、導体層での消費電力を低減で
き、発熱の問題もクリアされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る磁気インピーダンス素子の概略
構成の一例を示す図である。
【図2】 図1の磁気インピーダンス素子の断面構成を
示す図である。
【図3】 本発明に係る磁気インピーダンス素子の磁性
層の集磁機能の一例を説明する図である。
【図4】 本発明に係る磁気インピーダンス素子の自己
特性校正を説明する図である。
【図5】 本発明に係る磁気インピーダンス素子の自己
特性校正手順を示す図である。
【図6】 実施形態1に係る磁気インピーダンス素子の
構成を示す図である。
【図7】 図6の磁気インピーダンス素子の断面を示す
図である。
【図8】 従来及び実施形態1の素子出力の温度依存性
を示す図である。
【図9】 実施形態2に係る磁気インピーダンス素子の
構成を示す図である。
【図10】 図9の磁気インピーダンス素子の断面を示
す図である。
【図11】 従来及び実施形態2に係るセンサ出力の経
時変化を示す図である。
【図12】 磁気インピーダンス素子の特性を示す図で
ある。
【図13】 磁気インピーダンス素子の特性の温度依存
性を示す図である。
【図14】 磁気インピーダンス素子の特性の経時変化
を示す図である。
【図15】 従来の磁気インピーダンス素子の構成を示
す図である。
【図16】 従来の磁気インピーダンス素子の特性を示
す図である。
【符号の説明】
111 フレキシブル基板(ポリイミドフィルム基
板)、112 絶縁層、113 導体層、114 磁性
層(軟磁性層)、211 磁性層(軟磁性層、外層)、
212 導電体層(中間層)、311 高周波電源、3
12 インピーダンス検出器、410 自己特性校正
部、411 バイアス磁界用電源、、412基準磁界用
電源、413 自己特性演算部、414 センサ信号補
正演算部、415 メモリ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山寺 秀哉 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 野々村 裕 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 2G017 AA03 AB05 AB09 AC09 AD51 AD63 AD65 BA11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成され、所定方向に磁気異方
    性が与えられた磁性体層と、表面の少なくとも一部が該
    磁性体層に接するように形成され、高周波電源に接続さ
    れる導電体層とを備える磁界検出部を有し、 更に、自己特性校正のための特性測定時に基準磁界を発
    生して、又は該基準磁界及びセンサ動作点を最適領域に
    シフトさせるためのバイアス磁界の両方を選択的に発生
    して、前記磁界検出部に加える磁界発生手段を備えるこ
    とを特徴とする磁界検出素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の磁界検出素子におい
    て、 更に、自己特性校正手段を備え、 該自己特性校正手段は、 前記磁界発生手段に周期的にレベルの変化する基準磁界
    を発生させた際、該基準磁界の最大印加時での素子イン
    ピーダンスと、該基準磁界の最小印加時での素子インピ
    ーダンスとに基づいて、素子の磁界感度及び検出磁界ゼ
    ロ時での素子出力値を算出し、 算出した前記磁界感度、前記検出磁界ゼロ時での素子出
    力値に基づいて素子出力結果に対する補正演算を行うこ
    とを特徴とする磁界検出素子。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の磁界検出
    素子において、 更に、前記磁界発生手段の表面の少なくとも一部を被う
    ように、または前記磁界検出部の近くに、前記磁界発生
    手段から前記磁界検出部に加えられる磁界の漏洩を小さ
    くするための集磁機能を有する磁性層が形成されている
    ことを特徴とする磁界検出素子。
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