JP2000019033A - 磁界検出センサ - Google Patents

磁界検出センサ

Info

Publication number
JP2000019033A
JP2000019033A JP10186689A JP18668998A JP2000019033A JP 2000019033 A JP2000019033 A JP 2000019033A JP 10186689 A JP10186689 A JP 10186689A JP 18668998 A JP18668998 A JP 18668998A JP 2000019033 A JP2000019033 A JP 2000019033A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
magnetic
sensor
shaft
detected
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10186689A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Morikawa
健志 森川
Yuji Nishibe
祐司 西部
Hideya Yamadera
秀哉 山寺
Norikazu Ota
則一 太田
Yutaka Nonomura
裕 野々村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP10186689A priority Critical patent/JP2000019033A/ja
Publication of JP2000019033A publication Critical patent/JP2000019033A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)
  • Measuring Magnetic Variables (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁界検出センサにおいて、低コストかつ高感
度であると共に被検出体の磁界空間分布による検出値の
バラツキを低減する。 【解決手段】 磁界検出センサ1は、基板上に形成され
た上下磁性体層2b,2a及びその間に形成され高周波
電源に接続される導電層4を備える磁界検出部2と、磁
界検出部2に直結され、シャフト等の被検出体に向かっ
て幅が拡大し該被検出体から直接又は間接的に漏洩する
磁束を収束させて前記磁界検出部に伝える磁界収束部3
とを備え、磁界検出部2における透磁率の変化として前
記被検出体における磁界の変化を検出する。磁界収束部
3が被検出体から漏洩する磁束を収束させ平均化するた
め、真の磁界変化が精度良く検出可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、磁性体のシャフ
ト、板材等の被検出体に加えられた歪み、電界、磁界等
の外場の変化により変動する構造体の漏洩磁界を検出す
るための磁界検出センサに関する。例えば、シャフトの
捩りトルクを検出する場合において、シャフト構造体の
形状あるいは磁気的な材料特性の分布により漏洩磁界に
分布がある場合に、その影響を受けずに構造体に加わる
外場の値を精度良く検出するためのトルクセンサや、そ
の他物体検知センサ、位置決めセンサに用いられる磁界
検出センサに関する。
【0002】
【従来の技術】磁界検出センサの用途の一つである、例
えばシャフトの捩りトルクの磁気的な検出を行うトルク
センサにおいては、従来より大きく分けて2つの方法が
知られている。
【0003】第一は、磁気ヘッド型トルクセンサ(例え
ば、野々村裕ら、「磁気ひずみ式トルクセンサ」電子情
報通信学会誌、ED87−170,(1988)15)
である。図10は、この磁気ヘッド型トルクセンサを示
している。図10に示すセンサは、強磁性を有する鋼材
シャフト201の周上の一部に1k〜100kHzの電
流で駆動する磁気ヘッド型の励磁コイル202と定電流
源204、そして磁気ヘッド型の検出コイル203と交
流電圧検出器205を設けた構成である。
【0004】動作原理は以下のようである。励磁コイル
202により鋼材シャフト表面の磁気モーメントがシャ
フト軸方向と平行に交流励起される。このときシャフト
に捩りトルクが印加されると、逆磁歪効果によりそのト
ルクの大きさに比例して前記シャフト軸方向から45°
傾いた方向に向って磁気モーメントが傾く。そして、こ
の傾きの投影成分を検出コイル203を用いてファラデ
ーの電磁誘導の法則に基づいて電圧として検出する。
【0005】第二は、全周コイル型トルクセンサ(I.Sa
sada et al.,IEEE Trans.on Magn.,MAG-20(1984)951)で
ある。検出原理は前記磁気ヘッド型トルクセンサと同様
であるが構成が異なっている。図11は、この全周コイ
ル型トルクセンサの概略構成を示している。このセンサ
では、図11に示すように、強磁性を有する鋼材シャフ
ト251の周上の全体に1k〜100kHzの電流で駆
動する励磁ソレノイドコイル253、及び検出ソレノイ
ドコイル254を設置した構成を備える。そして、この
センサでは、検出感度を上げるために、シャフト251
の表面にアモルファス軟磁性リボン252を2枚接着し
たうえで、トルクが零の時のこれらの磁気モーメントの
向きをシャフト軸方向に対してそれぞれ45°と−45
°の初期状態にセットしている。また、2つの検出ソレ
ノイドコイル254を設けて電気的なブリッジ接続を構
成している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】被検出体であるシャフ
ト(例えば、車軸)においては、強度が必要とされてお
り、このシャフト等の磁気特性は、シャフトの円周上で
大きく分布している。このため上記の磁気ヘッド型技術
では、零トルク時の出力が、シャフトの周上での位置に
より異なる。また、捩りトルクに対する感度もシャフト
の周上での位置により異なる。このため、自動車の車軸
のトルクを測定する等、回転するシャフトのトルク測定
が正確に測定できないという問題点があった。
【0007】また軸トルク変動により生じた磁界変化を
高感度に検出するには、検出センサの感度が低いため、
感度向上のためヘッド型励磁コイル202へ200mA
以上の大きな駆動電流を供給する必要がある。このた
め、発熱によるシャフトと検知ヘッドの特性が変化して
しまい、センサの検出特性が悪く、また電源に要するコ
ストが高いという問題もあった。
【0008】また、シャフトの同軸上全周にコイルを巻
くという技術においては、周上変動の悪影響は除去でき
るが、捩りトルクの検出感度が非常に低いという問題点
がある。また、感度を向上させるために投入電力を上げ
れば温度が上昇するうえ、電源にコストがかかる。また
この技術では、大きなコイルがシャフト全体をとりまく
構造のため、一度セッティングをしてしまうとシャフト
を交換することが困難なため、汎用性に乏しいという問
題点もあった。
【0009】本発明の目的は、物体の歪み等の内部情報
をその物体からの漏洩磁界により検出するときに、物体
の磁気特性の分布に起因する零点出力(0レベル)、及
び感度(内部情報による発生漏洩磁界)の位置によるば
らつきの影響を大幅に低減すると共に、駆動電力が小さ
くても漏洩磁界を検出することができ、温度特性に優れ
た高感度、高汎用性、低コストの磁界検出センサを提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、被検出体に非接触で配置され、該被検出体
における磁界の変化を検出する磁界検出センサであっ
て、基板上に形成された磁性体層とその表面の少なくと
も一部が該磁性体層と接するように形成され高周波電源
に接続される導電層とを備える磁界検出部と、前記磁界
検出部に直結され、前記被検出体に向かって幅が拡大し
該被検出体から直接又は間接的に漏洩する磁束を収束さ
せて前記磁界検出部に伝える磁界収束部と、を備え、前
記磁界検出部における透磁率の変化に基づいて前記被検
出体における磁界の変化を検出することを特徴とする。
【0011】被検出体の漏洩磁界の検出手段として以上
のような磁界検出センサを用いることにより、小さな駆
動電力で高感度な磁界検出センサを提供でき、しかも、
磁界収束部と磁界検出部を直結し、同一磁気材料を用い
れば、製造上の工程が省略でき、低コストで実現可能で
ある。また、磁気検出部と直結された磁界収束部が被検
出体からの漏洩する磁束を収束させ平均化するため、漏
洩磁界の位置によるばらつきを低減することが可能な一
体型センサを実現することが可能となる。
【0012】なお、上記磁界検出センサにおいて、磁界
収束部と磁界検出部の磁性体層とが膜面内で一軸磁気異
方性を有し、その磁化容易軸は、共に、磁界検出部の幅
方向に平行又は直交する方向とすることが好ましい。
【0013】また、本発明において、温度上昇の悪影響
を避けるためには、磁界を検出する部分は小さく、かつ
磁界検出部分から離れていることが望ましい。
【0014】また、本発明において、上記被検出体が回
転するシャフトである場合、本発明の磁界検出センサを
該シャフトの周上に非接触で設置することにより、該シ
ャフトに加えられた捩りトルクを高精度に検出するトル
クセンサの実現が可能となる。本発明の磁界検出センサ
をトルクセンサとして用いる場合において、磁界収束部
がシャフトからの漏洩磁界を収束し平均化して磁界検出
部に伝達する。このため、シャフトに捩りトルクが加え
られることによって磁界が変化した場合、磁界収束部で
収束された磁束により磁界検出部における透磁率が、シ
ャフトの漏洩磁界の変化に応じて変化する。そこで、磁
界検出部における透磁率(高周波透磁率)の変化を検出
することでシャフトの捩りトルクを検知することが可能
となる。
【0015】この様な構成により、シャフトが回転しな
がらかつシャフトに捩りトルクが加えられたときに、シ
ャフト等の被検出体上の周上での磁気特性の分布が原因
で、真の捩りトルク値が検出できないという問題を解決
することができる。これは、被検出体であるシャフトに
向かって幅の広がる磁界収束部が、空間分布を有するシ
ャフトの磁界を収束し平均する構造であることに起因す
る。従来のトルクセンサでは、上述のようにシャフトか
らの漏洩磁界を低消費電力かつ高感度で検出し、更に磁
界特性の分布による誤検出を防止するという両方の課題
を達成することができなかったが、磁界収束部を備え、
軟磁性体の透磁率変化を検出原理とする高感度な磁界検
出センサを用いることにより、高性能なトルクセンサを
実現することが可能となる。
【0016】また、被検出体からの漏洩磁界は、本発明
の磁界検出センサによって直接又は間接的に検出される
が、直接検出する場合には、被検出体を予め励磁してお
き、この励磁した被検出体に磁界収束部を向ける。上記
本発明のセンサは高感度であるため、被検出体を励磁す
るための励磁電流を小さくすることができる。
【0017】また、本発明の磁界検出センサによって被
検出体からの漏洩磁界を間接的に検出する場合には、被
検出体に強磁性の磁歪部材を取り付ける。このようにす
れば、被検出体を磁界検出のために最適な材質としなく
てもよく、被検出体にその機能上本来要求される特性を
満たすため最適な材料を用いることができる。被検出体
が車軸などのシャフトの場合には、シャフトの周上に磁
歪部材として磁歪管を取り付け、この磁歪管に上記本発
明の磁界収束部を向けることでシャフトに印加された捩
りトルクにより発生する磁界変化をシャフト周面上で均
一性よく検出することができる。更に、シャフトが被検
出体であり、該シャフトに磁歪管を取り付けて磁歪管か
らの漏洩磁界を検出する場合において、本発明の磁界検
出センサを可撓性基板上に複数個並べて形成し、この可
撓性基板上に磁界検出部と一体的に形成された磁界収束
部の幅広の端部が磁歪管に向くように配置する。この様
に可撓性基板上に複数の磁気検出センサ部を形成すれ
ば、これを磁歪管と対向してシャフト周面に沿って配置
することが容易となり、常時、シャフトの全周面におけ
る磁界変化を平均化して検出することができる。従っ
て、回転するシャフトにおける磁束変化を精度良く検出
することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】[発明の基本構成] (構成例1)図1に本発明の構成例を示す。なお、図1
(a)は、基本構成の概略平面図、図1(b)は、図1
(a)のA−A線に沿った概略断面図である。図1に示
すように、本発明の磁界検出センサ1は、例えば可撓性
を示すポリイミドからなる基板9上に薄膜状に形成さ
れ、磁界検出部2及び磁界収束部3を備えている。磁界
を収束して平均化する略台形状の磁界収束部3は、磁界
検出部2と直結されており、磁界収束部3の端部は幅広
となっており、磁界検出部2との接続部分における幅よ
りもその幅が大きくなっている。
【0019】磁界検出部2のA−A線における断面は、
図1(b)に示すように、Fe−Co−Si−Bからな
る磁性体層2a(下磁性体層)及び2b(上磁性体層)
で、Cuからなる導電層4を囲むように挟み込んだ構造
である。磁界検出部2は磁界収束部3との境界付近から
二股に分かれており、前記導電層4は、該二股の磁界検
出部2の形成領域においてコの字状に折り返すように形
成されている。また、上下磁性体層2b,2a及びこれ
と一体の磁界収束部3を構成する磁性体材料であるFe
−Co−Si−B合金は、膜面内において一軸磁気異方
性を有し、その磁化容易軸は、磁界検出部2と磁界収束
部3のいずれにおいても磁界検出部2の幅方向、すなわ
ち高周波駆動用の導電層4の長さ方向(通電方向)に直
交する方向に設定されている。また、導電層4の引き出
し端部には磁界検出センサ1のインピーダンス成分検出
装置5が接続される。
【0020】センサ1全体の大きさは、例えば、約5m
m×5mmであり、磁性体層(Fe−Co−Si−B)
の厚さは、例えば各々2μm、導電層(Cu)の厚さが
例えば3μmで、総膜厚は例えば7μmである。
【0021】この様な構成の磁界検出センサでは、外部
磁界の大きさに応じて、磁界検出部2の透磁率μが変化
し、以下の(1)式により複素インピーダンスZが変化
する。
【0022】
【数1】 ここで、Rは抵抗成分、Lはインダクタンス成分、RDC
は直流抵抗値、ωは角周波数、tは膜厚、ρは比抵抗、
μは透磁率、kはセンサ形状により決まる係数である。
【0023】図2は、このようなセンサの長さ方向(即
ち、磁界検出部2の幅方向或いは磁化容易軸方向に対
し、直交する方向)に加えられた一様な磁界中での出力
特性を示している。図2において、駆動電流は9.5m
A、周波数が1MHzとした。20Oe(1Oe=79
A/m)の外部磁界変化に対し、インピーダンスの絶対
値|Z|が1.7Ω変化する。従って、本発明の磁界検
出センサでは、磁界感度が0.085Ω/Oeと非常に
大きい。また、インピーダンスではなく、インダクタン
ス、リアクタンス、抵抗を検出しても同様に優れた効果
が得られる。
【0024】図3(b)は、このセンサ1の磁界収束部
3の幅広部の右側にFe−Co−Cr磁石を配し、図3
(a)に示すように、磁石位置をセンサ1の幅方向(磁
化容易軸に平行な方向)に変化させたときのセンサのイ
ンピーダンスの変化を示している。図3において比較例
として示す磁界収束部3のない構成のセンサを用いて磁
界を検出した場合と比べると、本発明の磁界検出センサ
1は、磁石位置による検出感度の変動が小さい。このこ
とから、本発明の磁界検出センサ1によれば、シャフト
周面等、磁気特性の分布をもつ磁気材料に対しても、そ
れに基づく磁界分布の悪影響を低減しながら、高精度に
真の磁界の変化を検出することが容易であることがわか
る。
【0025】なお、以上の構成では磁界収束部及び磁界
検出部の磁化容易軸を互いに一致させているが、磁界収
束部の磁化容易軸を磁界検出部の磁化容易軸と直交させ
た構成としても、上記同様の効果が得られる。
【0026】また、基板9はポリイミドに限らず、ガラ
ス、シリコンなどの単結晶、セラミック等、室温付近で
強磁性を有する材料でなければどの様なものを用いても
実現できる。また、磁性体層2a,2b、12a,12
bとしては、Fe−Co−Si−Bアモルファス合金だ
けでなく、Co−Si−Bや、Co−Nb−Zr等のア
モルファス合金、またFe−Cr−O、Co−Rh−C
r−O、Fe−Al−N等の微結晶軟磁性合金を用いて
も同様な効果が得られる。また、導電層4、14として
CuのかわりにAg等の導電性の高い材料を用いても実
現できる。
【0027】(構成例2)図4(a)、(b)は、本発
明の磁界検出センサの他の基本構成例(構成例2)を示
している。上記構成例1との相違は、磁界検出センサの
磁界収束部及び磁界検出部の構造であり、他の構成につ
いては構成例1と同様であるため同一符号を付して説明
を省略する。
【0028】可撓性基板9上に形成された磁界検出セン
サ11において、磁界検出部12は、図4(a)のB−
B断面を示す図4(b)のように、上下磁性体層12
a,12bと、その間に形成された導電層14を有し、
更に導電層14を取り囲むように絶縁層15が形成され
ている。上下磁性体層12b,12aとしては、例えば
Co−Nb−Zrアモルファス軟磁性合金が用いられ、
導電層14としては例えばAgが用いられ、更に絶縁層
15としては例えばSiO2が用いられている。
【0029】導電層14は、構成例1と同様に、ほぼコ
の字状の折り返された形状である。一方、上下磁性体層
12b,12aは、図1のように導電層14の非形成領
域においても取り除かれておらず、磁界検出部12の形
成領域全面に形成されている。ここで、導電層14が絶
縁層15によって取り囲まれているため、電気的には図
4の構成は、図1の構成と等価である。
【0030】また、本構成例2において、磁界を収束し
て平均化する磁界収束部13は、図1の台形状の磁界収
束部3と異なり、椀型形状(パラボラ形状)を有してい
る。また、磁界収束部13は、磁界検出部12の上下磁
性層12b,12aと直結され(一体的に形成され)、
椀の上縁に相当する端部が被検出体に向けられる端部と
なり、磁界検出部12との接続部分における幅よりもそ
の幅が拡大している。
【0031】また、上下磁性体層12b,12a及び磁
界収束部13を構成する磁性体材料であるCo−Nb−
Zr合金は、面内に一軸磁気異方性を有し、その磁化容
易軸は、磁界検出部12と磁界収束部13のいずれにお
いても磁界検出部12の幅方向、すなわち高周波電流の
印加方向に直交する方向である。
【0032】本構成例2においても、導電層14の端部
に接続されたインピーダンス成分検出器5により、外部
磁界の大きさに応じて、磁界検出部12の透磁率μが変
化することでインピーダンス|Z|の変化が検出され
る。なお、センサ11全体の大きさは、構成例1と同
様、例えば約5mm×5mmであり、総膜厚は7μmで
ある。
【0033】図5は、このような本構成例2において、
センサ11の長さ方向(即ち、磁界検出部12の幅方向
或いは磁化容易軸方向に対し、直交する方向)に加えら
れた一様な磁界中での出力特性を示している。駆動電流
は9.5mA、周波数が10MHzである。本構成例2
においては、20Oeの外部磁界変化に対し、インピー
ダンス値が4.0Ω変化する。従って、磁界感度は0.
20Ω/Oeと構成例1に比較しても非常に大きくなっ
ている。これは、導体層を絶縁層で取り囲む構造である
ことによる。
【0034】なお、本構成例2においても、磁界収束部
及び磁界検出部の磁化容易軸を互いに一致させている
が、磁界収束部の磁化容易軸を磁界検出部の磁化容易軸
と直交させた構成としても、上記同様の効果が得られ
る。
【0035】また、本構成例2において、基板は構成例
1と同様ガラス、室温付近で強磁性を有する材料でなけ
れば、シリコンなどの単結晶、セラミック等、その他ど
の様なものを用いても実現できる。また、磁性体材料と
しては、Co−Nb−Zrアモルファス合金の代わりに
Co−Si−B、Fe−Co−Si−B等のアモルファ
ス合金、また、Fe−Cr−O、Co−Rh−Cr−
O、Fe−Al−N等の微結晶軟磁性合金を用いても同
様な効果が得られる。また、導電材料としては、Agの
かわりにCu等の導電性の高い材料を用いても実現でき
る。
【0036】[実施形態1]本実施形態1では上記構成
例1の磁界検出センサ1をトルクセンサとして用いてい
る。図6は、シャフトを被検出体とする本実施形態1に
かかるトルクセンサの構成例を示す。
【0037】本実施形態1において、被検出体であるシ
ャフト106上には、磁歪部材として磁歪管107を配
し、この磁歪管107の周上端部と平行となるようにシ
ャフト106の周面上に磁界検出センサ100を非接触
で配置している。
【0038】磁界検出センサ100は、可撓性を示す例
えばポリイミド基板109上にスパッタリングにより作
製した図1と同じ構成の磁界検出センサ素子101を複
数並列して構成され、各センサ素子101の磁界収束部
103の幅広端部が、磁歪管107の周上端部に向くよ
うに配置されている。複数の磁界検出センサ素子101
は、それぞれから引き出された各導電層104がそれぞ
れ隣接するセンサ素子101の導電層104と接続され
ている。更に、該導電層104の一対の端部がインピー
ダンス成分検出装置105に接続され、各センサ素子1
01が、インピーダンス成分検出装置105に対して並
列接続されている。
【0039】上述のように、本実施形態1において、磁
界検出センサ100の基板109とシャフト106は非
接触、つまり分離されており、シャフト106が回転し
たときでも磁界検出センサ100は回転しない構造とな
っている。
【0040】このような構成において、シャフト106
に捩りトルクが印加されると、磁歪管107の端部に磁
極が発生し、捩りトルク非印加時にはシャフト106の
円周方向に向く磁歪管107の磁化モーメントが変化
し、漏れ磁界は、磁歪管107の幅方向成分を多く含む
こととなる。ところが、この洩れ磁界は、磁歪管107
の磁化モーメントの不均一性や、シャフト106への磁
歪管107の取り付け時応力の不均一性によって、周上
で変動している。しかし、本実施形態1の磁界検出セン
サ100によれば周上の磁界を複数のセンサ素子101
によって、そして、各センサ素子101の磁界収束部1
03によって、磁界変化を平均化して検出でき、洩れ磁
界の周上変動の影響を受け難い。よって、シャフト10
6が回転していても捩りトルク値を正確に検出すること
ができる。
【0041】図7は、シャフト106を回転させ、シャ
フト106に印加する捩りトルクを0Nm、50Nmと
した場合における本実施形態1のセンサ100による検
出インピーダンスを示している。図7に示されているよ
うに、捩りトルクが0、50Nmのいずれの場合も、検
出されるインピーダンスは、シャフトの周上0゜〜36
0゜のいずれの位置においてほぼ一定であり、本実施形
態1のようなセンサ100とすることにより、周上での
出力変動が大幅に低減されていることが理解できる。
【0042】また、本実施形態1では、駆動電力が小さ
な高感度の磁界検出センサを回転するシャフト周上に配
し、しかも磁界検出部よりも幅の広い磁界収束部103
が存在していることから磁界検出センサ素子101の数
を大幅に低減できるため、センサ部の発熱を低く抑える
ことができる。更に、周上磁界変動の補正を信号処理等
により行う必要がないため、安価に捩りトルク検出セン
サを構築することができる。
【0043】また、本構造は磁界検出センサが回転しな
いので、磁界検出センサ100へ接続する電気系統のた
めにスリップリングを設ける必要もなく、またセンサ1
00とシャフト106が非接触であるから、シャフト1
06の交換も容易で、汎用性の高い構造である。
【0044】なお、本実施形態1において、センサ10
0を構成する各磁界検出センサ素子101は、上記構成
例1のセンサ1に限らず、磁界収束部を椀型形状(パラ
ボラ形状)とした構成例2のセンサ11を用いてもよ
い。各センサ素子101として構成例2のセンサ11を
用いれば、検出感度の一層の向上を図ることが可能とな
る。
【0045】また、本実施形態1において、インピーダ
ンスではなくインダクタンス、リアクタンス、抵抗を検
出しても同様な効果が得られる。基板109はポリイミ
ドに限らず、ガラス、シリコンなどの単結晶、セラミッ
ク等、室温付近で強磁性を有する材料でなければどの様
なものを用いても実現できる。但し、本実施形態1の場
合には、シャフト106と非接触でその周面上に基板1
09を配置する必要があるため、非可撓性基板を用いる
場合には、基板をシャフトにはめ込み可能なリング状に
整形するか、又は個々のセンサ素子101を個別の非可
撓性基板上に形成し、これらの素子101を互いに回転
可能に連結してシャフト106の周面上に配置する必要
がある。
【0046】また、上述の構成例1と同様、磁性体材料
として、Fe−Co−Si−Bアモルファス合金だけで
なく、Co−Si−B、Co−Nb−Zr等のアモルフ
ァス合金、或いはFe−Cr−O、Co−Rh−Cr−
O、Fe−Al−N等の微結晶軟磁性合金を用いること
ができ、導電性材料としては、CuのかわりにAg等の
導電性の高い材料を用いても実現できる。
【0047】[実施形態2]図8は、実施形態2にかか
る磁界検出センサの構成を示し、図9はこのセンサの使
用例を示している。
【0048】本実施形態2における磁界検出センサ12
0は、ガラス基板129上に薄膜状に形成される。この
磁界検出センサ120は磁界検出部122と、2つの磁
界収束部123(123a,123b)を有する。磁界
検出部122は、図8(a)のC−C断面である図8
(b)に示すように、上下磁性体層122b,122a
とその間に挟み込まれた導電層124を備え、上下磁性
体層122b,122aは、例えば、比抵抗ρが350
μΩcmと大きなFe−Rh−Cr−Oグラニュラー軟
磁性合金が用いられ、導電層124は、例えばCuが用
いられている。2つの磁界収束部123は、磁界検出部
122の上下磁性体層122b,122aと一体の磁性
体材料により形成されて構成されて、磁気回路的に、磁
界検出部122と磁界収束部123とは直結している。
また、磁界収束部123はその検出側の端部に行くにつ
れて幅の拡大する略台形形状であり、端部における幅は
磁界検出部122との接続部における幅よりも大きくな
っている。なお、上述の構成例2に示すように磁界収束
部123の形状を椀型としてもよい。
【0049】また、本実施形態2において、磁界検出部
122及び磁界収束部123の磁性体材料であるFe−
Rh−Cr−Oは、膜面内に一軸磁気異方性を有し、そ
の磁化容易軸は、磁界検出部122と磁界収束部123
のいずれにおいても磁界検出部122の幅方向(高周波
電流の印加方向)に設定されている。
【0050】導電層124の引き出し部にはセンサの透
磁率検出器125が接続され、外部磁界の大きさに応じ
て、磁界検出部の透磁率μが変化するとこれが検出器1
25で検出される。センサ120全体の大きさは、約1
0mm(図8の横)×5mm(図8の縦)であり、総膜
厚は7μmである。
【0051】本実施形態2にかかる磁界検出センサ12
0は、磁界検出センサ自身を磁路として磁気回路が構成
され、二つの磁界収束部123における磁極がSとNで
異なる場合に、被検出体の磁界を高感度に検出するのに
優れている。例えば、図9に示すように、被検出体がシ
ャフト126である場合に、シャフト126の周面上で
あって、シャフト126の回転軸に平行に2つの磁界収
束部123が並ぶように配置すれば、シャフト126が
捩られることにより生じる表面の磁気モーメントの変化
を感度よく検出できる。このとき、シャフト表面を予め
励磁する励磁電流は、例えば従来全周コイル型トルクセ
ンサの場合に必要な励磁電流よりも一桁小さくしたとし
ても、高い感度でシャフトの捩りトルクが検出できる。
【0052】なお、本実施形態2において、基板、磁性
体材料、導電材料は、上述の構成例及び実施形態1と同
様、例示した材料には限られない。
【0053】また、以上の構成例及び実施形態において
磁界検出センサは、その磁界検出部が導電層を上下磁性
体層で取り囲むように挟んだ構成である。しかし、この
構成に限らず、上下磁性体層の一方のみを形成して導電
層の上面又は下面の一方のみが磁性体層と接する構成
や、導電層の側面のみが磁性体層と接する構成、つま
り、導電層の表面(上下面、側面)の少なくとも一部が
磁性体層と接する構成であれば、同様の効果が得られる
(但し、導電層の上下面及び側面が磁性体層で取り囲ま
れる構成とした方が、センサ特性は高い)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成例1にかかる磁界検出センサの
構成を示す平面及び断面図である。
【図2】 本発明の構成例1の磁界検出センサに印加さ
れる外部磁界とセンサのインピーダンス変化との関係を
示す図である。
【図3】 本発明の構成例1の磁界検出センサの磁界収
束部に磁石を対向配置させた時のその位置とセンサのイ
ンピーダンスの変化との関係を示す図である。
【図4】 本発明の構成例2にかかる磁界検出センサの
構成を示す平面及び断面図である。
【図5】 本発明の構成例2の磁界検出センサに印加さ
れる外部磁界とセンサのインピーダンス変化との関係を
示す図である。
【図6】 本発明の実施形態1にかかるトルクセンサと
しての構成を示すzである。
【図7】 実施形態1にかかるトルクセンサの出力特性
を示す図である。
【図8】 本発明の実施形態2にかかる磁界検出センサ
の構成を示す平面及び断面図である。
【図9】 実施形態2のセンサのトルクセンサとしての
構成を示す図である。
【図10】 従来の磁気ヘッド型トルクセンサの構成を
示す概念図である。
【図11】 従来の全周コイル型トルクセンサの構成を
示す概念図である。
【符号の説明】
1,11,100,120 磁界検出センサ、2,1
2,122 磁界検出部、3,13,103,123
磁界収束部、2a,12a,122a 下磁性体層、2
b,12b,121b 上磁性体層、4,14,124
導電層、5,105 インピーダンス成分検出装置、
9,109,129 基板、15 絶縁層、101 磁
界検出センサ素子、106,126 シャフト、125
透磁率測定装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山寺 秀哉 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 太田 則一 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 野々村 裕 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 2F077 AA49 JJ06 JJ15 2G017 AA01 AA04 AA08 AB05 AC04 AC06 AD03 AD43 BA03 BA05

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検出体に非接触で配置され、該被検出
    体における磁界の変化を検出する磁界検出センサであっ
    て、 基板上に形成された磁性体層とその表面の少なくとも一
    部が該磁性体層に接するように形成され高周波電源に接
    続される導電層とを備える磁界検出部と、 前記磁界検出部に直結され、前記被検出体に向かって幅
    が拡大し該被検出体から直接又は間接的に漏洩する磁束
    を収束させて前記磁界検出部に伝える磁界収束部と、を
    備え、 前記磁界検出部における透磁率の変化に基づいて前記被
    検出体における磁界の変化を検出することを特徴とする
    磁界検出センサ。
JP10186689A 1998-07-01 1998-07-01 磁界検出センサ Pending JP2000019033A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10186689A JP2000019033A (ja) 1998-07-01 1998-07-01 磁界検出センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10186689A JP2000019033A (ja) 1998-07-01 1998-07-01 磁界検出センサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000019033A true JP2000019033A (ja) 2000-01-21

Family

ID=16192923

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10186689A Pending JP2000019033A (ja) 1998-07-01 1998-07-01 磁界検出センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000019033A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1744182A2 (en) * 2005-07-13 2007-01-17 Kabushi Kaisha Toshiba Magnetic material detecting apparatus
US7483243B2 (en) 2004-10-15 2009-01-27 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Magnetic head with recessed portion, and magnetic recording and reproduction apparatus comprising the same
CN109565941A (zh) * 2016-08-10 2019-04-02 株式会社村田制作所 陶瓷电子部件
WO2019204937A1 (en) * 2018-04-26 2019-10-31 Intelligent Wellhead Systems Inc. Sensor, method and system for detecting one or more properties of a magnetic field

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7483243B2 (en) 2004-10-15 2009-01-27 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Magnetic head with recessed portion, and magnetic recording and reproduction apparatus comprising the same
EP1744182A2 (en) * 2005-07-13 2007-01-17 Kabushi Kaisha Toshiba Magnetic material detecting apparatus
EP1744182A3 (en) * 2005-07-13 2007-04-04 Kabushi Kaisha Toshiba Magnetic material detecting apparatus
CN109565941A (zh) * 2016-08-10 2019-04-02 株式会社村田制作所 陶瓷电子部件
CN109565941B (zh) * 2016-08-10 2021-07-20 株式会社村田制作所 陶瓷电子部件
WO2019204937A1 (en) * 2018-04-26 2019-10-31 Intelligent Wellhead Systems Inc. Sensor, method and system for detecting one or more properties of a magnetic field
US11340314B2 (en) 2018-04-26 2022-05-24 Intelligent Wellhead Systems Inc. Sensor, method and system for detecting one or more properties of a magnetic field

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3839697B2 (ja) 回転角度センサ
EP2260278B1 (en) Magnetoelastic torque sensor with ambient field rejection
JP2002357489A (ja) 応力センサー
EP3229035B1 (en) Magnetic field sensor with permanent magnet biasing
JP3414292B2 (ja) 磁界検出装置及び磁界検出素子
JP2006105693A (ja) 電流センサ
JP2007101253A (ja) 電流センサ
US6650112B2 (en) Magnetics impedance element having a thin film magnetics core
EP3236276B1 (en) Magnetic field sensor with multiple axis sense capability
CN110068318A (zh) 一种基于蛇形通电线圈的隧道磁阻微陀螺装置
JP3494018B2 (ja) 磁界検出センサ
JP2000284030A (ja) 磁気センサ素子
JP4285695B2 (ja) 薄膜磁気センサ及び回転センサ
JP2000019033A (ja) 磁界検出センサ
US7279891B1 (en) Permalloy bridge with selectable wafer-anistropy using multiple layers
CN115856725B (zh) 磁传感器
JP3731288B2 (ja) 積層型磁界検出素子
JPS62184323A (ja) 磁歪方式トルクセンサ
JP2001116773A (ja) 電流センサー及び電流検出装置
JP2004340953A (ja) 磁界検出素子、その製造方法およびこれを利用した装置
JPS59192930A (ja) トルク検出方式
JP2001217484A (ja) 巨大磁気抵抗センサ製造方法
WO2012042336A1 (ja) 電力計測装置および電力計測方法
JP2004288666A (ja) 磁電変換素子
JP2001305163A (ja) 電流センサ

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees