JP2677506B2 - 磁気リニアスケール - Google Patents

磁気リニアスケール

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JP2677506B2
JP2677506B2 JP5184453A JP18445393A JP2677506B2 JP 2677506 B2 JP2677506 B2 JP 2677506B2 JP 5184453 A JP5184453 A JP 5184453A JP 18445393 A JP18445393 A JP 18445393A JP 2677506 B2 JP2677506 B2 JP 2677506B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強磁性体金属の薄膜に
より形成される磁気抵抗素子の磁気抵抗効果を利用し
て、移動する永久磁石の位置をリニアに検出する磁気リ
ニアスケールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気センサは、近接スイッチ、位
置検出器、電子ロック装置、キーボード、薄膜磁気ヘッ
ド、圧力スイッチングセンサ、パターン認識センサ等と
して広く使用されている。そして、磁界の強さを計測す
るための磁気センサには、磁気抵抗効果を有する磁気抵
抗素子が広く使用されている。ここで、磁気抵抗効果と
は、強磁性体金属薄膜等の素子を磁界内に置くとき、導
体中の内部電気抵抗が変化する現象をいう。磁気抵抗効
果を利用する磁気抵抗素子としては、インジウムアンチ
モン、ガリウム砒素等の化合物半導体を利用したもの
と、Ni、Ni−Co、パーマロイ等の強磁性体金属で
形成される磁気感応薄膜を利用したものの2種類が使用
されている。
【0003】そして、一般に、半導体磁気抵抗素子では
磁界をかけるとその内部抵抗が増加する。すなわち、半
導体磁気抵抗素子は正の磁気特性をもっている。これに
対して強磁性体磁気抵抗素子では、磁界をかけるとその
内部抵抗が減少する。すなわち、強磁性体磁気抵抗素子
は負の磁気特性をもっている。一方、従来、強磁性体金
属で形成される磁気感応薄膜は、真空蒸着法やスパッタ
法を利用して、ガラス基板等の上にパーマロイ等の強磁
性体金属を、厚さ約1000オングストロームの薄膜状
に付着させることにより形成されている。強磁性体金属
薄膜で形成される磁気抵抗素子は、半導体磁気抵抗素子
よりも周波数特性が優れているため広く使用されてい
る。磁気抵抗素子は、上記磁気感応薄膜をエッチング加
工により、つづら折れ状のパターンとすることで形成さ
れる。
【0004】磁気抵抗素子パターンにより形成される磁
気センサをリニアスケールとして使用することが、実公
昭57−6962号公報に記載されている。図12に従
来の磁気リニアスケールを示す。磁気抵抗素子51およ
び温度補償素子52は、一定の線幅を有するパターンと
して形成されている。磁気抵抗素子51および温度補償
素子52のパターンは直角の位相差をもつように形成さ
れている。そして、磁気抵抗素子51および温度補償素
子52は、パターンの線の長手方向に対して直角に磁界
を受けた場合に、内部抵抗値が減少する性質を有してお
り、パターンの線の長手方向に磁界を受けた場合には、
内部抵抗値が変化しない。そのため、図12に示すよう
に、永久磁石57が矢印Bの方向に移動する場合、磁気
抵抗素子51の内部抵抗値は変化するが、温度補償素子
52の内部抵抗値は変化しない。。従って、この磁気抵
抗素子51の内部抵抗の変化を計測することにより、永
久磁石の位置を検出することができる。
【0005】一方、強磁性体金属薄膜のパターンで形成
される磁気抵抗素子では温度依存性が大きく、このまま
では実用上問題がある。強磁性体金属は一般的に温度に
より内部抵抗が変化する性質があり、また磁気抵抗素子
では薄膜状のパターンであるため温度変化の影響を受け
やすい。従って、磁気抵抗素子の内部抵抗が磁界の強さ
のみでなく、周囲温度によっても変化してしまう。この
問題を解決する手段として、図12に示すように、磁気
抵抗素子51と同一形状で方向の異なる温度補償回路5
2を同一基板上に設け、差動的に温度補償を行うことが
行われていた。すなわち、磁気抵抗素子51のパターン
線の長手方向に平行に磁石57が移動された場合、磁気
抵抗素子51の内部抵抗値は減少するが、温度補償素子
52の内部抵抗値は磁界によっては変化しない。よっ
て、温度補償素子52の内部抵抗値の変化は、温度変化
のみを直接表わすこととなる。それに対して、磁気抵抗
素子51の内部抵抗値は磁界の強さ及び周囲温度の両方
により変化している。従って、磁気抵抗素子51の内部
抵抗値の変化を温度補償素子52の内部抵抗値の変化に
より温度補償することが可能である。
【0006】しかしながら、上記磁気リニアスケールに
は、次のような問題があった。従来の磁気リニアスケー
ルが検出可能な範囲は、最大10mm程度であり長い距
離のリニアスケールとして使用することができなかっ
た。また、長い距離を計測するために従来の磁気リニア
スケールを大きくした場合、大きすぎて取付に制約を受
ける問題があった。その問題を解決する手段として、本
出願人は、実開平4−21812号公報において、図1
3に示すように、磁気抵抗素子51のつづら折れの長さ
を順次変化させることにより磁気リニアスケールの感度
をリニアに変化させ、長い距離に渡って計測可能な磁気
リニアスケールを提案した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
磁気リニアスケールには、以下のような問題があった。 (1)図13に示す磁気リニアスケールでは、磁気抵抗
素子51のつづら折れの長さを変化させているため、磁
気リニアスケールの幅が大きくなっていた。特に、磁気
リニアスケールは、狭い場所で簡単に使用できることに
利点があるため、幅が大きくなることは問題であった。
また、磁気リニアスケールが幅方向に変化しているた
め、永久磁石の位置が幅方向にずれた場合に、磁気リニ
アスケールの出力が大きく変動してしまっていた。その
ため、永久磁石に対して磁気リニアスケールを高い精度
で取り付ける必要があり、使い勝手が悪いという問題が
あった。
【0008】(2)従来のように磁気抵抗素子51およ
び温度補償素子52を利用して差動的に温度補償を行わ
せるためには、磁気抵抗素子51および温度補償素子5
2の寸法を精度よく管理することが必要であった。磁気
抵抗素子51の温度変化による内部抵抗値の変化を温度
補償するのに、磁気抵抗素子51および温度補償素子5
2の寸法精度が悪いと複雑な演算や定数を決定するため
の余分な実験等が必要になるためである。ここで、磁気
抵抗素子51および温度補償素子52の寸法等は、蒸着
により膜厚が決まり、エッチング加工によりパターンの
線幅が決まる。このうち、ウエットエッチング加工は、
エッチング液の濃度や液温度等により大きく変動するも
のであり、パターンの線幅を所定の幅に精度よく加工す
るのは難しかった。従って、磁気抵抗素子51および温
度補償素子52の加工精度を良くすることは困難であ
り、また、そのために余分なコストが発生していた。こ
のことは特に、磁気センサを周囲温度が数十度の幅で変
化する環境で使用するような場合に問題となっていた。
【0009】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、幅が狭く、また周囲温度が変化
しても十分な温度補償を行って、永久磁石の位置を正確
に測定可能な磁気リニアスケールを容易かつ低コストで
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、 (1)本発明の磁気リニアスケールは、基板上に強磁性
体金属の蒸着薄膜により形成され、磁気抵抗効果を奏す
る磁気抵抗素子と、基板に対して一定間隔を保ちながら
平行移動する永久磁石を有する磁気リニアスケールであ
って、磁気抵抗素子が、永久磁石が移動する方向と直交
する方向において一定幅で形成され、永久磁石が移動す
る方向において密度がリニアに変化する。 (2)上記(1)の構成を有する磁気リニアスケールに
おいて、磁気抵抗素子のパターンを構成する線よりも狭
い幅のパターンより構成される温度補償回路を有するこ
とを特徴とする。 (3)上記(2)の構成を有する磁気リニアスケールに
おいて、温度補償回路のパターンの線幅を6μ以下とし
たことを特徴とする。
【0011】(4)上記(1)及至(3)の構成を有す
る磁気リニアスケールにおいて、磁気抵抗素子が同一線
幅を有し、永久磁石が移動する方向に密度を順次変化さ
せたことを特徴とする。 (5)上記(1)及至(3)の構成を有する磁気リニア
スケールにおいて、磁気抵抗素子が、永久磁石が移動す
る方向に線幅を順次変化させたことを特徴とする。
(6)上記(1)及至(3)の構成を有する磁気リニア
スケールにおいて、磁気抵抗素子が、永久磁石が移動す
る方向に広い線幅を有するパターンの密度を順次変化さ
せたことを特徴とする。 (7)上記(1)及至(3)の構成を有する磁気リニア
スケールにおいて、磁気抵抗素子が、永久磁石が移動す
る方向に線幅および密度を順次変化させたことを特徴と
する。
【0012】
【作用】上記の構成よりなる本発明の磁気リニアスケー
ルは、永久磁石が該磁気リニアスケールと一定間隔を保
ちながら平行に移動するときに、永久磁石が発生する磁
界の強さに応じて電気的な抵抗値が減少する。このと
き、磁気リニアスケールが永久磁石の移動方向において
密度がリニアに変化しているので、永久磁石の位置と電
気的な抵抗値の減少値とが1対1で対応する。従って、
この抵抗値の変化を測定することにより永久磁石の位置
を計測することができる。ここで、周囲温度が変化した
場合、磁気抵抗素子の内部抵抗値も周囲温度に応じて変
化する。一方、温度補償回路は、磁気抵抗素子を構成す
るパターンの線幅よりも小さい線幅のパターンで構成さ
れているので、温度補償回路は、磁気抵抗素子と比べて
磁界の強さの変化の影響を受けることが少ないため、正
確に磁気抵抗素子の温度補償を行うことができる。さら
に、温度補償回路のパターンの線幅を6μ以下で形成す
れば、温度補償回路の内部抵抗値が磁界の強さの影響を
ほとんど受けなくなり、周囲温度のみによって変化する
ことになるので、この温度補償回路を使用して容易に磁
気抵抗素子の温度補償を行うことができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例である磁
気リニアスケールについて図面を参照して説明する。本
発明を実施した磁気リニアスケールの概略構成を4種類
示す。図1は、磁気抵抗素子R1の線幅W1が一定で密
度を順次変化させた第一実施例を示している。図2は、
磁気抵抗素子R1の密度は一定で線幅を順次変化させた
第二実施例を示している。図3は、磁気抵抗素子R1の
密度は一定で広い線幅を有するパターンの密度を順次変
化させた第三の実施例を示している。図4は、第一実施
例と第二実施例とを組み合わせた第四実施例を示してい
る。いずれの実施例も、磁気抵抗素子R1は、永久磁石
57が移動する方向Bと直交する方向に一定幅WBで形
成され、永久磁石57が移動する方向Bにおいて密度が
リニアに変化している。
【0014】図5に磁気抵抗素子R1を利用した磁気リ
ニアスケール11の第一の実施例の構成を示す。磁気リ
ニアスケール11上には、磁気抵抗素子R1と温度補償
回路R2との2つのつづら折れ状のパターンが、各々直
角の位相差をもつように形成されている。ここで、磁気
抵抗素子R1は、図6の(a)に部分拡大図で示すよう
に、線幅W1=20μと一定でつづら折れパターンとし
て形成されている。磁気抵抗素子R1のつづら折れの間
隔WAは、左端部におけるWA1=1.085mmか
ら、右端部におけるWA77=0.325mmまで、つ
づら折れの間隔WAを0.01mmづつ減少させながら
39往復させている。これにより、磁気抵抗素子R1の
密度は3倍以上に変化している。本実施例の磁気リニア
スケール11は、幅3mm、長さ約60mmである。本
実施例の磁気リニアスケール11によれば、磁気抵抗素
子R1のつづら折れパターンの幅を一定にしたままで、
密度を変化させているので、磁気リニアスケール11の
幅を3mmと小さくすることができている。
【0015】また、温度補償回路R2は、図6の(b)
に部分拡大図で示すように、線幅W2=4μで4往復の
つづら折れパターンとして形成されている。本実施例で
は、磁気抵抗素子R1および温度補償回路R2の素材で
ある強磁性体金属として、共にパーマロイ(Ni−F
e,83:17)を使用している。磁気抵抗素子R1
は、パターンの線の長手方向に対して直角に磁界を受け
た場合に、抵抗値が減少する性質を有しており、パター
ンの線の長手方向に磁界を受けた場合には、抵抗値が変
化しない。磁気抵抗素子R1の両端に端子部12,13
が配設され、温度補償回路R2の両端に端子部13,1
4が配設されている。
【0016】次に磁気センサ1の検出回路について説明
する。図9に磁気リニアスケール11の検出回路を示
す。端子12,14の間に直流電圧Vccがかけられて
いる。ここで、端子部13,15の間の直流電圧がオペ
アンプ21を介して出力Sとして出力され検出される。
【0017】次に、周囲温度が変化する場合について説
明する。温度補償回路R2について説明する。本発明者
が実験したデータを図10に示す。横軸は、パターンを
構成する線幅をミクロン単位で示し、縦軸は、そのパタ
ーンを磁気抵抗素子R1として使用した場合の磁気抵抗
変化率を示している。磁界の強さを100ガウスで実験
したデータを点線38で示し、磁界の強さを50ガウス
で実験したデータを一点鎖線39で示し、磁界の強さを
25ガウスで実験したデータを実線40で示す。
【0018】このデータによれば、パターン幅が減少す
ると、磁気抵抗素子の磁気抵抗変化率が減少しているこ
とがわかる。従って、温度補償回路R2として、磁気抵
抗素子R1のパターン幅よりも小さい線幅のパターンを
使用すれば、温度補償回路R2の磁界の強さによる影響
が少ないので、従来の同一幅のパターンを使用していた
温度補償回路52よりも正確に温度補償を行うことが可
能である。すなわち、線幅の大きいパターンを使用する
温度補償回路の場合と比較して、線幅の小さいパターン
を使用する温度補償回路の方が磁界の強さの影響を受け
る量が少ない分だけ、線幅の製作精度に誤差があった場
合でも、正確な温度補償を行うことができる。
【0019】さらに、このデータより、磁気抵抗素子の
パターンを構成する線の線幅を4μ以下とすると磁気抵
抗変化率はほぼゼロとなることがわかる。すなわち、温
度補償回路のパターンの線幅を4μm以下とすれば、磁
界の強度が25ガウスでは、磁気抵抗変化率はほぼゼロ
となり、また、50ガウスでは、磁気抵抗変化率が0.
15%と実用上ほぼゼロとなる。一方、100ガウスで
は、磁気抵抗変化率は約1%である。一般に、近接スイ
ッチや位置検出器として使用される磁気センサでは、磁
界の強度は50ガウス以下の場合がほとんどである。実
用的には、本実施の形態にベストモードとして開示した
ように、温度補償回路の線幅を4μm以下とすれば、磁
気抵抗変化率がほぼゼロとなり、問題でなくなる。従っ
て、パターン幅を4μ以下とすれば、磁気抵抗素子と同
じ素材である強磁性体金属薄膜を使用しても磁界の強さ
によって薄膜の内部抵抗値が変化しないことがわかる。
一方、周囲の温度変化による内部抵抗値の変化は、パタ
ーン幅によって影響を受けないため、強磁性体金属薄膜
をパターン幅4μm以下で形成すれば、温度補償回路と
して優れた性質を持つことがわかる。すなわち、温度補
償回路R2が磁気抵抗素子R1と同じ材質の強磁性体金
属薄膜で構成され、かつパターン幅が4μm以下で形成
されているので、製造工程におけるエッチング工程等の
ばらつきによって温度補償回路R2がほとんど影響を受
けないため、常に正確な温度補償を行うことができる。
また、温度補償回路R2の形状を磁気抵抗素子R1の形
状と無関係に決定することが可能となり、温度補償回路
R2を図5に示すように小型化することができる。
【0020】図11に第一実施例の磁気リニアスケール
11の実験データを示す。横軸に永久磁石57の位置を
移動距離として示し、縦軸に出力Sを示す。永久磁石5
7は、シリンダピストンに付設される円筒状で厚さが3
mmである。永久磁石57と磁気リニアスケール11と
の間隔を2mmとった状態で永久磁石を磁気リニアスケ
ール11の長手方向に平行移動させる実験のデータであ
る。永久磁石57が磁気リニアスケール11の左端部か
ら右端部に移動するに伴って、磁気リニアスケール11
の密度が高くなるため、磁気抵抗素子R1の内部抵抗が
減少するため、出力Sは磁気抵抗素子R1の内部抵抗の
減少に比例して減少している。従って、図11より永久
磁石57の移動距離が40mm以内であれば、出力Sに
より永久磁石57の位置を検出できることがわかる。本
実施例の磁気リニアスケール11によれば、40mmに
渡って永久磁石57の位置を正確に検出することができ
る。
【0021】次に、本発明の第二の実施例について説明
する。図7に磁気抵抗素子R1を利用した磁気リニアス
ケール11の第二実施例の構成を示す。磁気リニアスケ
ール11上には、磁気抵抗素子R1と温度補償回路R2
との2つのつづら折れ状のパターンが、各々直角の位相
差をもつように形成されている。ここで、磁気抵抗素子
R1は、図8の(a)および(c)に部分拡大図で示す
ように、線幅W1は左端部で4μから、右端部で42.
5μまで0.5μづつ線幅を拡大しながら、39往復し
てつづら折れパターンを形成している。ここで、つづら
折れの間隔WAは0.705mmで一定である。これに
より、磁気抵抗素子R1の密度は左端部と右端部とで約
10倍に変化している。
【0022】また、温度補償回路R2は、図8の(b)
に部分拡大図で示すように、線幅W2=4μで4往復の
つづら折れパターンとして形成されている。本実施例で
は、磁気抵抗素子R1および温度補償回路R2の素材で
ある強磁性体金属として、共にパーマロイ(Ni−F
e,83:17)を使用している。磁気抵抗素子R1
は、パターンの線の長手方向に対して直角に磁界を受け
た場合に、抵抗値が減少する性質を有しており、パター
ンの線の長手方向に磁界を受けた場合には、抵抗値が変
化しない。磁気抵抗素子R1の両端に端子部12,13
が配設され、温度補償回路R2の両端に端子部13,1
4が配設されている。第二の実施例の場合でも、検出回
路および温度補償回路は第一実施例と同じであるので、
説明を省略する。第二実施例によれば、磁気抵抗素子R
1の密度を第一実施例の3倍以上にできるため、永久磁
石の検出感度を高めることができる。
【0023】次に、第三の実施例は図3に示すように、
左端部では4本のつづら折れのうちの1本が広い線幅を
有し、次の4本のつづら折れでは2本が広い幅を有し、
次の4本のつづら折れでは3本が広い幅を有し、次の4
本のつづら折れでは4本が広い幅を有している。このよ
うに、広い幅を有する線の密度を順次変化させることに
より、一定幅WBを有しながら密度をリニアに変化させ
ている。次に、第四実施例によれば、第一実施例と第二
実施例とを組み合わせているので、磁気リニアスケール
11の左端部と右端部とで磁気抵抗素子R1の密度を3
0倍変化させることができるため、永久磁石57の検出
感度をさらに高くすることができる。
【0024】以上詳細に説明したように、本発明の磁気
リニアスケールによれば、磁気抵抗素子11が永久磁石
が移動する方向と直交する方向において一定幅で形成さ
れ、永久磁石が移動する方向において密度がリニアに変
化しているので、永久磁石の位置を長い範囲に渡ってリ
ニアかつ正確に検出できる。また、磁気リニアスケール
11の幅が3mmと狭く製作できるため、スペースをと
らずコンパクトである。また、幅方向において磁気リニ
アスケール11は均一性を有しているので、磁気リニア
スケール11が永久磁石に対して横ずれしても出力の変
化が少なく、磁気リニアスケール11の取付が容易にな
る。
【0025】本発明は上記実施例に限定されることな
く、色々な応用が可能である。例えば、本実施例では、
強磁性体金属材料としてパーマロイ(Ni−Fe,8
3:17)を使用しているが、合金の成分比率が変わっ
たばあいでも同様である。また、材料としてNiやNi
−Coを使用した場合でも同様である。また、本実施例
ではバイアス用磁石を使用していないが、磁気抵抗素子
にバイアス用磁石を使用したばあいでも同様の効果が発
揮される。また、本実施例では、密度や線幅等をリニア
に変化させているが、二次関数的に変化させて、出力を
演算処理することにより永久磁石の位置を算出すること
もできる。また、本実施例では、温度補償回路R2を磁
気抵抗素子R1の一部に平行に配置したが、温度補償回
路R2を磁気抵抗素子R1の直列的に配置しても良い。
【0026】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明の磁気リニアスケールによれば、磁気抵抗素子が、
永久磁石が移動する方向と直交する方向において一定幅
で形成され、永久磁石が移動する方向において密度がリ
ニアに変化しているので、永久磁石の位置を長い範囲に
渡ってリニアかつ正確に検出できる。また、磁気リニア
スケールの幅を狭く製作できるため、スペースをとらず
コンパクトな磁気リニアスケールを実現できる。また、
幅方向において磁気リニアスケールは均一性を有してい
るので、磁気リニアスケールが永久磁石に対して横ずれ
しても出力の変化が少ないため、磁気リニアスケールの
取付が容易になる。
【0027】また、本発明の磁気リニアスケールによれ
ば、磁気抵抗素子のパターンを構成する線よりも狭い幅
のパターンより構成される温度補償回路を有しているの
で、温度補償を正確に行うことができるため、永久磁石
の位置を長い範囲に渡ってリニアかつ正確に検出でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例の磁気リニアスケールの構
成を示す概念図である。
【図2】本発明の第二実施例の磁気リニアスケールの構
成を示す概念図である。
【図3】本発明の第三実施例の磁気リニアスケールの構
成を示す概念図である。
【図4】本発明の第四実施例の磁気リニアスケールの構
成を示す概念図である。
【図5】第一実施例の磁気リニアスケールの構成を示す
平面図である。
【図6】第一実施例の磁気リニアスケールの構成の詳細
を示す部分拡大図である。
【図7】第二実施例の磁気リニアスケールの構成を示す
平面図である。
【図8】第二実施例の磁気リニアスケールの構成の詳細
を示す部分拡大図である。
【図9】磁気リニアスケールの検出回路図である。
【図10】磁気抵抗素子の磁気抵抗変化率を示すデータ
図である。
【図11】第一実施例の磁気リニアスケールの実験デー
タを示す図である。
【図12】従来の磁気リニアスケールの構成を示す平面
図である。
【図13】従来の別の磁気リニアスケールの構成を示す
平面図である。
【符号の説明】
11 磁気リニアスケール 57 永久磁石 R1 磁気抵抗素子 R2 温度補償回路 B 永久磁石の移動方向

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に強磁性体金属の蒸着薄膜により
    形成され、磁気抵抗効果を奏する磁気抵抗素子と、基板
    に対して一定間隔を保ちながら平行移動する永久磁石を
    有する磁気リニアスケールにおいて、 前記磁気抵抗素子が、前記永久磁石が移動する方向と直
    交する方向において一定幅で形成され、前記永久磁石が
    移動する方向において密度がリニアに変化すると共に、前記永久磁石から前記磁気抵抗素子が検出する検出磁界
    強度が25ガウス以上50ガウス以下であって、 前記磁気抵抗素子を構成する線よりも狭いμm以下の
    線幅としたパターンより構成される温度補償回路を有す
    ることを特徴とする磁気リニアスケール。
  2. 【請求項2】 基板上に強磁性体金属の蒸着薄膜により
    形成され、磁気抵抗効果を奏する磁気抵抗素子と、基板
    に対して一定間隔を保ちながら平行移動する永久磁石を
    有する磁気リニアスケールにおいて、 前記磁気抵抗素子が、前記永久磁石が移動する方向と直
    交する方向において一定幅で形成され、前記永久磁石が
    移動する方向に線幅を順次変化させたことを特徴とする
    磁気リニアスケール。
  3. 【請求項3】 基板上に強磁性体金属の蒸着薄膜により
    形成され、磁気抵抗効果を奏する磁気抵抗素子と、基板
    に対して一定間隔を保ちながら平行移動する永久磁石を
    有する磁気リニアスケールにおいて、 前記磁気抵抗素子が、前記永久磁石が移動する方向にお
    いて、広い線幅と狭い線幅とで構成され、前記広い線幅
    の割合を順次変化させたことを特徴とする磁気リニアス
    ケール。
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