JP3643222B2 - 磁気抵抗効果素子及び磁気リニア測定装置 - Google Patents

磁気抵抗効果素子及び磁気リニア測定装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動する検知磁石からの磁界により磁気抵抗効果を奏する磁気抵抗効果素子(以下、「MR素子」という)及びそのMR素子の出力に基づいて磁石の変位を測定する磁気リニア測定装置に関し、とくに広範囲にわたってリニアな出力を得ることができるMR素子及びその出力に基づいて検知磁石の変位を測定する磁気リニア測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からシリンダなど直線運動を出力する機器の出力変位を測定するのに、MR素子を利用した磁気リニア測定装置が使用されている。
そこで、そのような測定装置に使用されるMR素子の一例を示せば、実公平7―4486号公報に開示されたものを第1従来例として挙げることができる。図9は、当該公報に開示されたMR素子を示した図である。
このMR素子101は、つづら折り状に形成された抵抗パターンR21と抵抗パターンR22とが直列に接続され、基板102上に直角の位相差をもって形成されている。そして、その抵抗パターンR21,R22の両端には端子103,104が、その中間には端子105が形成されている。
【0003】
このようなMR素子101は、処理回路が組まれた回路基板とともに、図10に示すようシリンダ111側面に測定装置112として取り付けられている。一方、シリンダ111内のピストン円周上には検知磁石が装着されている。
そこで、この測定装置112では、ピストンがシリンダ111内を移動すると、図9に示す矢印X方向に検知信号がMR素子101を非接触状態で横切ることとなり、そのピストンの円周上の検知磁石から発生される磁界によって図11に示すような出力が得られる。
【0004】
しかし、このようなMR素子101を利用し検知磁石との組み合わせによる測定装置は広く一般に使用されているが、検知磁石の変位量に対して出力がリニアに変化する比例出力領域(例えば、図11の略P―Q間)が狭いため、用途がオン・オフに限られて広範囲にわたって変位を測定できるものではない。
そのため一方では、変位量をカバーするだけの比例出力信号が得られる測定装置も考案されており、それには特開昭63―212803号公報に開示されたものを第2従来例として挙げることができる。図12(a)は、当該測定装置のMR素子を示した図であり、図12(b)は、その出力特性を示した図である。
【0005】
このMR素子121は、2個の抵抗パターンR31,R32とが同一列上(図面の矢印X上)に配置され直列に接続して形成され、その両端には端子122,123が、中間には端子124が形成されたものであり、MR素子121に感応する検知磁石の磁界の成分が、矢印X方向に狭い幅で作用するような関係にて、MR素子121及び検知磁石が配設されたものである。即ち、図13に示すように検知磁石125,126の隙間が磁界の成分として、そのMR素子121に対して作用するよう構成されたものである。
そこで、このようなMR素子121では、検知磁石125,126が一体となってY方向へ移動すれば、磁界発生部分と移動方向のなす角度θを調整することで任意の大きさの変位が測定できるとしたものである。図12(b)は、その変位の出力特性を示したものであり、比例出力領域が2個の抵抗パターンR31,R32全体に広がり、検知磁石の測定範囲を広くとれるようになったことを示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来のMR素子は、例えば第1従来例のもののように抵抗パターンR21,R22を配置方向を直交させたものでは、前述したように比例出力領域が狭いため、広範囲にわたって出力を測定しようとするものには不適切であった。
一方、第2従来例で示した当該公報に開示されたMR素子121は、検知磁石125,126間の狭い幅よりも広い幅にわたって変位方向(X方向)に関し線形の感度分布を持つものとされているが、その比例出力を広範囲にわたって得るためには、検知磁石125,126間の磁界発生部分に感度勾配θが影響することとなる。
そのため、前述したようにシリンダの出力を測定する場合に、そのピストンに検知磁石を装着させるためのスペースが狭かったりしたのでは、感度勾配θが制限され十分な範囲で比例出力が得られない場合がある。また、比例出力の範囲を感度勾配θの設定によって行ったのでは、その取扱いが非常に不便である。
【0007】
そこで本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、比例出力領域を広範囲に得ることができる簡易な構成のMR素子及び磁気リニア測定装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁気抵抗効果素子は、強磁性体金属の蒸着薄膜によって基板上に形成した磁気抵抗効果を奏する一対の抵抗パターンを直列に接続し、その抵抗パターンを同一列上に配置して形成したものであって、前記同一列方向に検知磁石が移動した場合に前記各抵抗パターンの最も低い抵抗値を示す該抵抗パターン上の基準位置同士の距離が、前記検知磁石幅の0.5倍乃至3.0倍であることを特徴とする。
よって、移動する検知磁石の磁界により各抵抗パターンに抵抗変化が生じるが、そこから取り出された電圧変化による出力は、広範囲にわたってリニアに変化する比例出力領域を得ることができる。
【0009】
また、本発明の磁気抵抗効果素子は、前記抵抗パターンが、前記同一列方向に粗密の変化をもって形成されたものであることを特徴とする。
よって、各抵抗パターンの外側を密にすることによって変化する抵抗の下限値、即ち出力ピーク間の距離が大きくなるため、検知磁石の変位方向において磁気抵抗効果素子の設置寸法に制限が設けられている場合にも、磁気抵抗効果素子自身の寸法を短くしながらも比例出力領域を広くすることができる。
【0010】
本発明の磁気リニア測定装置は、直線的に移動する被測定物に装着された検知磁石と、前記検知磁石の移動上に配設された磁気抵抗効果素子と、前記検知磁石に伴う磁気抵抗効果素子の出力を処理する処理回路とを有し、前記磁気抵抗効果素子が、強磁性体金属の蒸着薄膜によって基板上に形成した磁気抵抗効果を奏する一対の抵抗パターンを直列に接続し、その抵抗パターンを同一列上に配置して形成したものであって、前記同一列方向に検知磁石が移動した場合に前記各抵抗パターンの最も低い抵抗値を示す該抵抗パターン上の基準位置同士の距離が、前記検知磁石幅の0.5倍乃至3.0倍であることを特徴とする。
よって、移動する検知磁石の磁界により各抵抗パターンに抵抗変化が生じるが、そこから取り出された電圧変化による出力は、広範囲にわたってリニアに変化する比例出力領域を得ることができ、その出力を受けた処理回路によって検知磁石の変位が広範囲にわたって測定できる。
【0011】
また、本発明の磁気リニア測定装置は、前記抵抗パターンが、前記同一列方向に粗密の変化をもって形成されたものであることを特徴とする。
よって、各抵抗パターンの外側を密にすることによって変化する抵抗の下限値、即ち出力ピーク間の距離が大きくなるため、検知磁石の変位方向において磁気リニア測定装置の設置寸法に制限が設けられている場合にも、磁気抵抗効果素子の寸法を短くすることで磁気リニア測定装置自身を小形化でき、狭い範囲への取り付けが可能となる。
【0012】
また、本発明の磁気リニア測定装置は、磁気抵抗効果素子を前記検知磁石に対して縦置きにしたことを特徴とする。
よって、磁気抵抗効果素子の感度が良くなって、その変化電圧を取り出す出力値を大きくすることができる。
また、本発明の磁気リニア測定装置は、移動する前記検知磁石の変位に従って出力される前記磁気抵抗効果素子の最小出力値から最大出力値の範囲内で、前記検知磁石の変位を測定するものであることを特徴とする。
よって、前記磁気抵抗効果素子の最小出力値から最大出力値にわたってリニアに変化する比例出力領域を得ることができ、その出力を受けた処理回路によって検知磁石の変位が広範囲にわたって測定できる。
【0013】
また、本発明の磁気リニア測定装置は、前記磁気抵抗効果素子の出力値がゼロとなる前記検知磁石の位置を中心に、前記磁気抵抗効果素子の最小出力値から最大出力値の範囲内で前記検知磁石の変位を測定するものであることを特徴とする。
よって、例えば測定対象物の移動範囲の中間位置に出力値ゼロを示す点を合わせるよう磁気抵抗効果素子を設置すれば、その測定対象物の変位の測定処理が容易になる。
また、本発明の磁気リニア測定装置は、前記磁気抵抗効果素子の最小出力値又は最大出力値をまたぐ範囲で、前記検知磁石の変位を測定するものであることを特徴とする。
よって、前記磁気抵抗効果素子の最小出力値又は最大出力値付近に基準電圧を設定し、その出力電圧を動作信号として利用するなどできる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明にかかるMR素子及びそのMR素子を使用した磁気リニア測定装置を図面を参照して説明する。図1は、第1実施の形態のMR素子を示した概略構成図である。そして、このMR素子1をもった磁気リニア測定装置は、前記従来例と同様、例えばシリンダに設置するものであってピストンに装着された検知磁石の変位を測定するものとする。また、そのMR素子1は、感度を良くするため検知磁石Mに対して縦置きにされている。
MR素子1は、基板5上に強磁性体金属の蒸着薄膜によって形成した強磁性体磁気抵抗素子(以下、抵抗パターンという)を磁電変換素子として構成したものであり、つづら折れ状に蒸着された抵抗パターンR1,R2によって形成されている。
【0015】
ところで、このMR素子1を構成する抵抗パターンR1,R2は温度依存性が大きく、常温に対して温度が高くなると磁気抵抗変化率が低下し、温度が低くなると磁気抵抗変化率が大きくなる。
そこで、抵抗パターンR1と抵抗パターンR2の2個が直列に接続して形成されている。2個の抵抗パターンを用いることで分圧回路が構成され、それぞれが互いに差動的に作用することで抵抗パターン単体の温度変化を打ち消しあうからである。
【0016】
また、特に本実施の形態のMR素子1では、つづら折り形状からなる抵抗パターンR1,R2が図示するよう同一列上に設けられ、その抵抗パターンR1,R2間の距離T1が検知磁石Mの幅Wとの関係で設定されている。この同一列とは、検知磁石Mの変位方向に重なり、図示する矢印X上である。
抵抗パターンR1,R2を形成する磁気抵抗体6は、矢印X方向に等間隔でつづら折りされている。そのため、本実施の形態のMR素子1は、各抵抗パターンR1,R2の矢印X方向の中央に基準位置r1,r2をとり、その基準位置r1,r2の距離を抵抗パターンR1,R2間の距離T1とする。各抵抗パターンR1,R2の中央に基準位置r1,r2をとったのは、矢印X方向に移動する検知磁石Mがその基準位置r1,r2上にある場合に、抵抗パターンR1,R2の抵抗値が最も減少するためだからである。
【0017】
そして、抵抗パターンR1,R2間の距離T1は、検知磁石Mの幅Wの0.5倍〜3.0倍の間の値で設定される。この間の具体的な値は、ピストンのストロークや、磁気抵抗素子1の寸法、更に被測定物に装着した検知磁石Mの幅Wと抵抗パターンR1,R2の寸法との関係など、各諸要因が考慮されて決定される。抵抗パターンR1,R2が直列に接続されたMR素子1は、その両端部に端子2,3が、また抵抗パターンR1,R2の中点に端子4が設けられている。
更に、このようなMR素子1には処理回路11が接続されて磁気リニア測定装置が構成されている。図2は、磁気リニア測定装置の構成を示したブロック図である。
MR素子1は、端子2が接地され、端子3には電源Vccが接続されて一定電圧がかけられ、そして抵抗パターンR1,R2間の端子4には、その出力電圧を電気的に処理する処理回路11が接続されている。また、その処理回路11には、検知磁石Mの変位、即ちシリンダの出力を表示する表示装置12が接続されている。
【0018】
そこで、このようなMR素子1を含む磁気リニア測定装置によって検知磁石Mの変位を測定する。
先ず、検知磁石Mを備えたピストンがシリンダ内を移動すると、MR素子1に対して検知磁石Mが変位することとなる。そのため、検知磁石Mが抵抗パターンR1から抵抗パターンR2へかけて、図1のようにつづら折り状の抵抗パターンを横切るように矢印X方向へ移動する。この場合、抵抗パターンR1,R2に対して検知磁石Mの磁界がX方向に働いて抵抗値が減少する。
そのため、検知磁石Mが抵抗パターンR1側を移動中には、MR素子1には直接変位測定に寄与する磁力線(主磁力線)は抵抗パターンR1にのみ印加され、抵抗パターンR2には変位測定に直接寄与しない磁力線(余磁力線)が印加される。また、検知磁石Mが抵抗パターンR2側を移動中には、主磁力線が抵抗パターンR2にのみ印加され、抵抗パターンR1には余磁力線が印加される。
【0019】
そのため、検知磁石Mの移動に伴って変化する抵抗値によってMR素子1から変化電圧が出力され、それが図3に示すような出力特性が得られる。そのようなMR素子1からの出力は処理回路11によって信号処理され表示手段12によって検知磁石Mの変位が表示される。検知磁石Mの変位とは、例えば基準位置r1を永久磁石Mの始動位置と一致させてゼロ点とし、そこからの距離を表示させたものである。
ここで、図3はMR素子1の出力特性を示した図であり、抵抗パターンR1,R2間の距離T1を3段階に変化させたMR素子1の出力が示めされている。各MR素子1は、抵抗パターンR1を検知磁石Mの移動位置に対して固定し、距離T1が検知磁石Mの幅Wの1.5倍(A)、2.0倍(B)、2.5倍(C)となるよう抵抗パターンR2の位置がずらされている。なお、図3は、検知磁石mの幅Wを4mm、抵抗パターンR1,R2の変位方向長さを6mmとして実験を行った結果である。
【0020】
そこで、検知磁石Mが矢印Xの方向に移動すれば、その検知磁石Mが抵抗パターンR1を移動中には主磁力線が抵抗パターンR1にのみ印加され、特に基準位置r1上で最も出力が大きくなり図4に示すようピークが示される。
また、そのまま検知磁石Mが矢印の方向に移動して抵抗パターンR2を移動中には、主磁力線が抵抗パターンR2にのみ印加され、特に基準位置r2上で最も出力が大きくなり、やはり図4に示すようピークを示す。
そして、このようなMR素子1の出力は処理回路11によって演算処理され、一方を負の出力とみなした出力の合成がとられ、図4の破線で示すような出力特性となる。
【0021】
従って、本実施の形態のMR素子1は、基準位置r1の下限値から基準位置r2の上限値にかけて比例出力が得られる。そのため、基準位置r1,r2の距離、即ち抵抗パターンR1,R2間の距離T1が伸びれば、それだけピーク間の距離が伸びるため、図3A〜Cに示すように比例出力領域がL1,L2,L3と広がることとなる。
しかしながら、その距離T1を無制限に伸ばすことができるわけではない。MR素子1の出力をとると、図4に示すように各抵抗パターンR1,R2の出力が重なり合う部分Sが生じるが、基準位置r1,r2の距離が遠すぎると、図5に示すように両出力が分離れてしまい、合成した場合に破線で示すように出力がリニア性を失ってしまうからである。
【0022】
以上、本実施の形態のMR素子1では、その抵抗パターンR1,R2間の距離T1を、検知磁石Mの幅Wの0.5〜3.0倍の間で設定するという簡易な構成によって、図3に示すような広範囲にわたって確実に比例出力領域を得ることができるようになった。
そのため、MR素子1を使用した磁気リニア測定装置は、リニアに出力が変化する比例出力領域L1,L2,L3において、検知磁石Mの変位を正確に測定することが可能となった。
【0023】
次に、本発明にかかるMR素子の第2実施の形態について説明する。本実施の形態のMR素子21は、図6に示すように磁気抵抗パターンR11,R12に粗密をつけたものである。
このMR素子21も、基板25上に強磁性体金属の蒸着薄膜によって形成した抵抗パターンが磁電変換素子として構成されたものであり、つづら折り状に蒸着されたその抵抗パターンR11,R12が、直列に接続されて形成されている。そして、本実施の形態のMR素子21においても、つづら折り形状からなる抵抗パターンR11,R12が図示するよう同一列上(矢印X上)に設けられ、その抵抗パターンR11,R12間の距離T2が検知磁石Mの幅Wとの関係で決定される。
【0024】
抵抗パターンR11,R12が直列に接続されたMR素子21は、その両端部に端子22,23が、また抵抗パターンR11,R12の中点に端子24が設けられている。
一方、MR素子21を構成する抵抗パターンR11,R12は、磁気抵抗体26が矢印X方向にかけて粗密をつけてつづら折りされている。特に、抵抗パターンR11と抵抗パターンR12は、対称的に外側(端子22,23側)が密で中央側(端子24側)にかけて粗となるようにそれぞれ形成されている。
【0025】
ところで、前記第1実施の形態では、抵抗パターンR11,R12が同一幅のパターンであったため、図4に示すようにその出力特性は、ほぼ中央の基準位置r1,r2を対称とした形状となるが、本実施の形態のMR素子21では、抵抗パターンR11,R12に粗密をつけたため、矢印X方向に変位する検知磁石Mにより抵抗パターンR11,R12の抵抗値が最も小さくなる位置が外側にずれることとなる。
従って、その最も抵抗値が低下する抵抗パターンR11,R12の位置を基準位置r11,r12とする。そして、本実施の形態のMR素子21は、その基準位置r11,r12の距離を抵抗パターンR11,R12間の距離T2とする。
【0026】
そこで、MR素子21の抵抗パターンR11,R12間の距離T2は、検知磁石Mの幅Wの0.5倍〜3.0倍の間の値で決定される。この場合には、ピストンのストロークや、磁気抵抗素子1の寸法、更に被測定物に装着した検知磁石Mの幅Wと抵抗パターンR1,R2の寸法との関係など、各諸要因が考慮されて決定される。
更に、このようなMR素子21は、前記第1実施の形態のものと同様に処理回路11が接続されて磁気リニア測定装置が構成されている(図2参照)MR素子21は、端子22が接地され、端子23には電源Vccが接続されて一定電圧がかけられ、そして抵抗パターンR11,R12間の端子24には、その出力電圧を電気的に処理する処理回路11が接続されている。また、その処理回路11には、検知磁石Mの変位、即ちシリンダの出力を表示する表示装置12が接続されている。
【0027】
そして、このようなMR素子21を含む磁気リニア測定装置によって検知磁石Mの変位が測定される。
検知磁石Mを備えたピストンがシリンダ内を移動すると、MR素子21に対して検知磁石Mが変位することとなる。そのため、検知磁石Mが抵抗パターンR1から抵抗パターンR2へかけて、図6のようにつづら折り状の抵抗パターンを横切るように矢印X方向へ移動する。この場合、抵抗パターンR11,R12に対して検知磁石Mの磁界がX方向に働いて抵抗値が変化する。
【0028】
検知磁石Mの移動に従って変化する抵抗値によってMR素子21から変化電圧が出力され、ほぼ図3に示すような出力特性が得られる。
即ち、検知磁石Mが矢印の方向に移動すれば、その検知磁石Mが抵抗パターンR11を移動中には主磁力線が抵抗パターンR11にのみ印加され、特に基準位置r11上で最も出力が大きくなる。そして、検知磁石Mが矢印Xの方向に移動して抵抗パターンR12を移動中には、主磁力線が抵抗パターンR2にのみ印加され、特に基準位置r12上で最も出力が大きくなる。そして、そのようなMR素子21からの出力は、処理回路11によって信号処理され表示手段12によって検知磁石Mの変位が表示される。
また、本実施の形態のものでも、前記第1実施の形態のものと同様に抵抗パターンR11,R12間の距離T2を伸ばすことによって、より広い範囲で比例出力領域(図3のL1,L2,L3参照)を得ることができる。
【0029】
また、本実施の形態では、MR素子21を構成する抵抗パターンR11,R12を粗密をつけて形成したことで、基準位置r11,r12の位置がMR素子21の外側に位置するようになった。そのため、MR素子21の距離T2を前記第1実施の形態のMR素子1の距離T1とした場合にもMR素子自体の全長は短くすることができる。
そのため、抵抗パターンR11,R12の位置を前記第1実施の形態のものと変えることなく距離T2を広くとること、即ち比例出力領域L11を広くとることができるので、検知磁石Mの変位方向(矢印X方向)に対してMR素子の寸法を小さくすることができた。MR素子の設置スペースが限られている場合に有効である。
【0030】
次に、MR素子1を構成する抵抗パターンR1,R2は温度依存性が大きく、常温に対して温度が高くなると抵抗変化率が低下し、温度が低くなると抵抗変化率が大きくなる。
そこで、温度を低温を―14.7℃(E)、常温を25.0℃(F)そして高温を75.0℃(G)とした場合、図7に示すような出力結果が得られた。この場合、図7にも表されているように各温度の場合にもa点でゼロ出力ラインを通り、その1点でクロスすることになる。
温度が変化した場合にも比例出力領域L11は変化しないため、その範囲で検知磁石の変位を測定することがでる。温度変化によって出力値と変位との関係が異なるが、磁気リニア測定装置では、図2に示す処理回路11が例えば温度データに基づき、或いは出力の変化率に基づいて演算処理を行い、その温度に対応した出力に従った変位が表示手段12に表示される。
よって、温度変化に影響を受けやすいMR素子であっても、正確な変位測定が可能となる。
【0031】
なお、本発明は、前記実施の形態にものに限定されるわけではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、前記各実施の形態では変位を測定する範囲としては、図8に示すA範囲、即ち上下のピーク値を出力するb点からc点までの比例出力領域を利用したが、ゼロ出力を通過する位置a点を中心に対称的にとったB範囲を利用してもよい。更に、C範囲、D範囲として示すように上下のピーク値を出力するb点又はc点をまたぐようにした測定範囲を利用してもよい。
B範囲を利用した場合には、例えば測定対象となるピストンの移動位置の中間位置にa点を合わせればよく、その取扱いが容易になる。
また、C範囲及びD範囲を利用した場合には、ピーク値付近に基準電圧を設定し、その出力電圧を動作信号として利用するなどしてもよい。
【0032】
【発明の効果】
本発明は、強磁性体金属の蒸着薄膜によって基板上に形成した磁気抵抗効果を奏する一対の抵抗パターンを直列に接続し、その抵抗パターンを同一列上に配置して形成したものであって、同一列方向に検知磁石が移動した場合に各抵抗パターンの最も低い抵抗値を示す該抵抗パターン上の基準位置同士の距離を検知磁石幅の0.5倍乃至3.0倍としたので、簡易な構成により広範囲にわたってリニアに変化する比例出力領域を得ることができる磁気抵抗効果素子を提供することが可能となった。
【0033】
また、本発明たは、直線的に移動する被測定物に装着された検知磁石と、検知磁石の移動上に配設された磁気抵抗効果素子と、検知磁石に伴う磁気抵抗効果素子の出力を処理する処理回路とを有し、磁気抵抗効果素子が、強磁性体金属の蒸着薄膜によって基板上に形成した磁気抵抗効果を奏する一対の抵抗パターンを直列に接続し、その抵抗パターンを同一列上に配置して形成したものであって、同一列方向に検知磁石が移動した場合に各抵抗パターンの最も低い抵抗値を示す該抵抗パターン上の基準位置同士の距離を検知磁石幅の0.5倍乃至3.0倍としたので、簡易な構成により広範囲にわたってリニアに変化する比例出力領域を得ることができ、その出力を受けた処理回路によって検知磁石の変位が広範囲にわたって測定できる磁気リニア測定装置を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる第1実施の形態のMR素子を示した概念図である。
【図2】本発明にかかる磁気リニア測定装置を示したブロック図である。
【図3】抵抗パターンR1,R2間の距離T変化した場合のMR素子1の出力特性を示した図である。
【図4】MR素子1の適正な出力特性を得るための波形の合成を示した概念図である。
【図5】MR素子1の不適正な出力特性を得るための波形の合成を示した概念図である。
【図6】本発明にかかる第2実施の形態のMR素子を示した概念図である。
【図7】温度が変化した場合のMR素子の出力特性を示した図である。
【図8】MR素子の出力特性における変位の測定範囲の関係を示した図である。
【図9】MR素子の第1従来例を示した図である。
【図10】MR素子の設置例を示した図である。
【図11】第1従来例のMR素子による出力特性を示した図である。
【図12】第2従来例のMR素子及びその出力特性を示した図である。
【図13】第2従来例のMR素子を利用した実施例を示した図である。
【符号の説明】
1 MR素子
2,3,4 端子
5 基板
6 抵抗体
R1,R2 抵抗パターン
r1,r2 基準位置
M 検知磁石
T 抵抗パターンR1,R2間の距離
W 検知磁石の幅

Claims (8)

  1. 強磁性体金属の蒸着薄膜によって基板上に形成した磁気抵抗効果を奏する一対の抵抗パターンを直列に接続し、その抵抗パターンを同一列上に配置して形成した磁気抵抗効果素子において、
    前記同一列方向に検知磁石が移動した場合に前記各抵抗パターンの最も低い抵抗値を示す該抵抗パターン上の基準位置同士の距離が、前記検知磁石幅の0.5倍乃至3.0倍であることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 請求項1に記載の磁気抵抗効果素子において、
    前記抵抗パターンが、前記同一列方向に粗密の変化をもって形成されたものであることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  3. 直線的に移動する被測定物に装着された検知磁石と、前記検知磁石の移動上に配設された磁気抵抗効果素子と、前記検知磁石に伴う磁気抵抗効果素子の出力を処理する処理回路とを有する磁気リニア測定装置において、
    前記磁気抵抗効果素子は、強磁性体金属の蒸着薄膜によって基板上に形成した磁気抵抗効果を奏する一対の抵抗パターンを直列に接続し、その抵抗パターンを同一列上に配置して形成したものであって、前記同一列方向に検知磁石が移動した場合に前記各抵抗パターンの最も低い抵抗値を示す該抵抗パターン上の基準位置同士の距離が、前記検知磁石幅の0.5倍乃至3.0倍であることを特徴とする磁気リニア測定装置。
  4. 請求項3に記載の磁気リニア測定装置において、
    前記抵抗パターンが、前記同一列方向に粗密の変化をもって形成されたものであることを特徴とする磁気リニア測定装置。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の磁気リニア測定装置において、
    磁気抵抗効果素子を前記検知磁石に対して縦置きにしたことを特徴とする磁気リニア測定装置。
  6. 請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の磁気リニア測定装置において、
    移動する前記検知磁石の変位に従って出力される前記磁気抵抗効果素子の最小出力値から最大出力値の範囲内で、前記検知磁石の変位を測定するものであることを特徴とする磁気リニア測定装置。
  7. 請求項5に記載の磁気リニア測定装置において、
    前記磁気抵抗効果素子の出力値がゼロとなる前記検知磁石の位置を中心に、前記磁気抵抗効果素子の最小出力値から最大出力値の範囲内で前記検知磁石の変位を測定するものであることを特徴とする磁気リニア測定装置。
  8. 請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の磁気リニア測定装置において、
    前記磁気抵抗効果素子の最小出力値又は最大出力値をまたぐ範囲で、前記検知磁石の変位を測定するものであることを特徴とする磁気リニア測定装置。
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