JP2000252809A - レベルシフト回路 - Google Patents
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Abstract
OSFET1,2に夫々、パルスのオン信号25,オフ
信号26を与え、この時の負荷抵抗3,4の電圧降下に
よりRSラッチ15をセット/リセットし、エミッタ電
位が変動するPWMインバータブリッジ回路の上側アー
ムのIGBT17をオン/オフ駆動するレベルシフト回
路で、交流出力端子OUT電位の上昇dV/dtによ
り、高耐圧MOSFET1,2のソース・ドレイン間容
量が充電され、この充電電流による抵抗3,4の電圧降
下でRSラッチ15が誤動作することを、時間遅れの少
ない回路で防ぐ。 【解決手段】NOT回路8,11とNOR回路13は正
規のオン信号を、NOT回路9,12とNOR回路14
は正規のオフ信号を伝える。NOT回路8,9のしきい
値は7,10のしきい値より低く、抵抗3,4に同時に
電圧降下が生じた時、NOT回路7,10の出力パルス
が8,9の出力パルスをマスクする。
Description
ンバータ、スイッチング電源等における、電力逆変換用
ブリッジ回路の上側アームの半導体スイッチング素子の
ような、入力する制御駆動信号の電位基準となる電極
(エミッタ、ソース等)の電位がグランドなどの共通電
位に対して変動する可制御半導体素子の制御電極へ、共
通電位に接続された回路から、電位絶縁を行わずにオン
/オフ信号を伝達する場合などに使用されるレベルシフ
ト回路、さらに望ましくはHVIC(高耐圧IC)の形
で利用できるレベルシフト回路に関する。
もしくは相当部分を示す。
→交流変換)用ブリッジ回路の上側アームを構成する半
導体スイッチング素子をオン/オフ駆動する回路として
は、最近はコスト低減のため、トランスやフォトカプラ
等による電位絶縁を行わない、いわゆるレベルシフト回
路が使用されている。
の構成例を示す。同図において、17と18は、例えば
400Vの高圧の主直流電源Vdc(正極側)と、この
電源の負極側である共通電位COMとの間に、直列に接
続されてPWMインバータの電力逆変換用ブリッジ回路
の例えば一相分を形成する出力用IGBTである。そし
てOUTは、ブリッジ回路の上側アームのIGBT17
のエミッタと、同じく下側アームのIGBT18のコレ
クタとの接続点であり、IGBT17と18の交互のオ
ン/オフによって生成される交流電力の出力端子であ
る。
た、例えば15Vの補助直流電源(ドライバ電源ともい
う)、20は下側アームのIGBT18をオン/オフ駆
動するためのドライバで、この補助直流電源E2のもと
で動作する。その他の回路部分はブリッジ回路の上側ア
ームのIGBT17を駆動するためのレベルシフト回路
であり、1は図外の回路で作られたパルスのオン信号2
5を入力して導通し、これによる負荷抵抗3の電圧降下
を信号としてIGBT17をオンさせる高耐圧MOSF
ET、2は同じく図外の回路で作られたパルスのオフ信
号26を入力して導通し、これによる負荷抵抗4の電圧
降下を信号としてIGBT17をオフさせる高耐圧MO
SFETである。
負荷抵抗3と4は通常、それぞれ互いに等しく構成され
ている。なお、負荷抵抗3,4にそれぞれ並列接続され
た定電圧ダイオード5,6は、負荷抵抗3,4の過大な
電圧降下を制限し、以下で述べるNOT回路8,9等を
保護する役割を持つ。レベルシフト回路のうち、2つの
MOSFET1と2は静止した共通電位COMを基準と
した信号を入力する回路部分となる。一方、破線で囲ま
れた回路部分は出力IGBT17,18のオン/オフに
より共通電位COMと、高圧の主直流電源の電位Vdcと
に交互に追従する交流出力端子OUTの電位を基準とし
て動作する、電位変動する回路部分となる。
極がラインVcc1 に接続され、負極が交流出力端子OU
Tに接続された例えば15Vの補助直流電源(ドライバ
電源ともいう)であり、NOT回路8,9及びその後段
の回路〔ローパスフィルタ回路(LPFとも略記する)
30,31、RSフリップフロップ(RSラッチ、RS
−FFとも略記する)15、ドライバ16等からなる〕
は補助直流電源E1を電源として動作する。
電源E1の正極ラインVcc1 に接続されている高耐圧M
OSFET1と2の負荷抵抗回路の電源電圧は、出力端
子OUTの電位が共通電位COMと直流電源電位Vdcと
の間で変化することから、最高は(E1+Vdc)、最
低はE1の間で変化することになる。(但し実際は、I
GBT17,18にそれぞれ並列に、図外の還流ダイオ
ードがカソードをコレクタ側として接続されている。こ
れにより還流ダイオードの還流モードにおいて、出力端
子OUTの電位が共通電位COMに対し数V程度の負の
値となる場合がある。) 次に、このレベルシフト回路の動作を述べる。MOSF
ET1のゲートに印加されたオン信号25によりMOS
FET1に電流が流れ、負荷抵抗3に電圧降下が発生
し、負荷抵抗3の下端の電位がNOT回路8のしきい値
以下になると、NOT回路8の出力はHiとなる。
RSラッチ15のセット端子Sに加わり、RSラッチ1
5の出力QはHiとなり、出力IGBT17はドライバ
16を介してオンされる。同時に(厳密にはアーム間短
絡防止のため、このオン時点の僅か前の時点に)IGB
T18はドライバ20を含む図外の回路を介してオフさ
れる。
26が印加されてMOSFET2に電流が流れ、負荷抵
抗4に電圧降下が発生し、負荷抵抗4の下端の電位がN
OT回路9のしきい値以下になると、NOT回路9の出
力はHiとなる。このHiのレベルはLPF31を介し
て、RSラッチ15のリセット端子Rに加わり、RSラ
ッチ15の出力QはLoとなり、出力IGBT17はド
ライバ16を介してオフされる。同時に(厳密にはアー
ム間短絡防止のため、このオフ時点の僅か後の時点に)
IGBT18はドライバ20を含む図外の回路を介して
オンされる。
いはIGBT17のオンの際には、このスイッチングを
起因として、出力端子OUTに生ずる急峻な電位の上昇
dV/dtにより、MOSFET1と2のソース・ドレ
イン間容量が充電される。この時の充電電流により、負
荷抵抗3と4に真のオン信号やオフ信号と異なる電圧降
下が発生し、RSラッチ15を誤動作させ、IGBT1
7を誤ってオンし、ブリッジ回路のアーム間短絡を惹起
したり、あるいはIGBT17を不必要にオフしたりす
るおそれがある。
IGBT17,18のスイッチング以外に外来ノイズに
よっても発生する可能性がある。ローパスフィルタ回路
(LPF)30と31は、このようなRSラッチ15の
誤動作を防止するために挿入されており、スイッチング
や外来ノイズに基づくパルス幅の小さい(高い周波数
の)入力信号を異常信号として取り除く役割を持ってい
る。
パルス信号25,26を用いて出力IGBT17をオン
/オフ駆動する理由は以下の通りである。即ち、PWM
インバータ等の交流出力中の高調波成分を低コストで低
減するには出力用スイッチング素子をオン/オフするキ
ャリア周波数を高めること、従ってレベルシフト回路を
高速で動かすことが望ましい。
ためには、レベルシフト回路用高耐圧MOSFET1,
2に比較的大きな電流を流す必要がある。特に図7の破
線部分のような電位変動する回路部分が高い電位にある
場合、この電流による損失が増大する。例えば高耐圧M
OSFETに電流を10mA流すとして、主直流電源V
dcの電圧を400Vとし、仮に高耐圧MOSFETをオ
ンする信号をパルスでない状態信号とした場合(この
時、MOSFETは1個のみ使用することになる)、高
耐圧MOSFETのオン/オフのデューティサイクルが
平均50%であるとすると、コレクタ電位が高い状態で
の高耐圧MOSFETの平均損失は約2Wと大きな値に
なる。
を、それぞれ出力IGBTをオンするパルスとオフする
パルスとに分解し(この時、MOSFETはオン用とオ
フ用とで2個使用することになる)、且つこのパルスを
できるだけ短くすることにより高耐圧MOSFETの平
均損失を小さくしているのである。なお、 RSラッチ1
5の、もう1 つのリセット入力(リセット端子21が接
続されている)Rは、初期状態でのRSラッチ15のリ
セット、あるいは異常時にIGBT17をオフするため
などに使用される。
フト回路では交流出力端子OUTのdV/dtなどによ
る誤動作の原因となる信号の周波数成分が高い場合に
は、ローパスフィルタ30,31で除去することが可能
であるが、 周波数成分が低い場合には除去することが困
難になってくる。
は、交流出力端子OUTが主直流電源の電圧Vdcに到達
する時間が短くて誤動作しないが、 逆にdV/dtが小
さい場合にはこの到達時間が長くなり誤動作が発生する
などの問題があった。これを防止するためにローパスフ
ィルタのカットオフ周波数を下げることも可能である
が、 その場合、レベルシフト回路での時間遅れが大きく
なるとか、オン/オフパルスのパルス幅を大きくする必
要が生じてレベルシフト回路での損失が増加する等の問
題があった。
用の高耐圧MOSFET1,2の定電流性が良くないた
めオン/オフパルスにより流れる電流値を大きくする必
要があるという問題があった。これを以下に説明する。
図8はレベルシフト回路用高耐圧MOSFET1,2の
ソース・ドレイン間電圧VDS(横軸)とドレイン電流I
D (縦軸)の特性(VDS−ID 特性という)を示したも
ので、高耐圧MOSFETではドリフト領域の抵抗によ
り図に示すように一般的に定電流性が良くない(ID が
増加して定電流IH を示すようになるまでのVDSの値が
大きい)。
い場合、即ち交流出力端子OUTの電位が共通電位CO
Mに近い場合〔本図は端子OUTの電位が共通電位CO
Mに等しい場合を示し、MOSFET1,2の負荷抵抗
回路の電源電圧(つまり負荷抵抗3,4が接続された電
源ラインVcc1 の電圧)を補助直流電源E1の電圧E1
としている〕には、負荷抵抗3または4の負荷直線32
で決定されるドレイン電流IL が流れる。
降下によってNOT回路8または9の出力が十分反転す
るような値に設定されている。一方、 電位変動する回路
部分の電位が高い場合、即ち交流出力端子OUTの電位
が主電源電圧Vdcに近い場合〔本図は端子OUTの電位
が主電源電圧Vdcに等しい場合を示し、電源ラインVcc
1 の電圧を(Vdc+E1)としている〕には、負荷抵抗
3または4の負荷直線33で決定されるドレイン電流I
H が流れる。
きい値となり、レベルシフト回路での損失を増加させる
原因となっていた。そこで本発明の目的は、インバータ
ブリッジ回路の半導体スイッチング素子のスイッチング
や外来ノイズ等による交流出力端子OUTのdV/dt
の大小に無関係に、またレベルシフト回路での時間遅れ
やオン/オフパルスのパルス幅を大きくすることなく、
レベルシフト回路の誤動作を防ぐ第1の課題と、高耐圧
MOSFETの定電流性が良くないために生ずるレベル
シフト回路の損失の増加を防ぐ第2の課題とを解決でき
るレベルシフト回路を提供することにある。
めに、電位の基準となる電極(ソース)が共通電位(C
OM)に接続され、この電位基準電極と制御電極(ゲー
ト)との間に導通用信号を入力する期間、電位基準電極
と主電極(ドレイン)との間が導通状態となる第1,第
2の2つの可制御半導体素子(MOSFET1,2)
と、一極(負極)が共通電位と所定の高電位(主直流電
源の電位Vdc)との間で変動する外部回路の所定の部位
(交流出力端子OUT)に接続され、この二電位間の電
圧より低い電圧を持つ直流電源(補助直流電源E1)
と、この直流電源の他極(正極のラインVcc1 )に一端
を接続され、他端をそれぞれ第1,第2の可制御半導体
素子の主電極に接続された第1,第2の2つの負荷抵抗
(3,4)と、前記直流電源のもとで作動するロジック
回路(RSラッチ15など)とを備え、第1,第2の可
制御半導体素子の制御電極のそれぞれにタイミングを異
にしてパルス状の導通用信号(オン信号25,オフ信号
26)を入力し、このときの可制御半導体素子の前記導
通によって前記第1,第2の負荷抵抗に生ずるパルス状
の電圧降下を信号として前記ロジック回路に伝えるレベ
ルシフト回路において、請求項1のレベルシフト回路
は、第1,第2の負荷抵抗に同時にパルス状の電圧降下
が生じたときは、この電圧降下の信号を前記ロジック回
路へ伝えることを防止する信号無効化手段を備えるよう
にする。
項1に記載のレベルシフト回路において、前記信号無効
化手段が、前記ロジック回路へ伝える第1の負荷抵抗の
電圧降下の信号を、第2の負荷抵抗の電圧降下に基づき
生成したマスク用信号によってマスクし、同じく前記ロ
ジック回路へ伝える第2の負荷抵抗の電圧降下の信号
を、第1の負荷抵抗の電圧降下に基づき生成したマスク
用信号によってマスクするものであるようにする。
項2に記載のレベルシフト回路において、前記信号無効
化手段が、前記負荷抵抗の電圧降下を検出してパルスを
生成する際のしきい値を、ロジック回路へ伝える信号の
パルスを(NOT回路8,9を介して)生成する際のし
きい値と、マスク用信号のパルスを(NOT回路7,1
0を介して)生成する際のしきい値とで異なるように
し、ロジック回路へ伝える信号(NOT回路8の出力を
NOT回路11で反転した信号、及びNOT回路9の出
力をNOT回路12で反転した信号)のパルス幅をマス
ク用信号(NOT回路7の出力、及びNOT回路10の
出力)のパルス幅が(NOR回路13,14を介し)完
全に覆うようにして前記のマスクを行うようにする。
項2に記載のレベルシフト回路において、前記信号無効
化手段が、前記負荷抵抗の電圧降下を(NOT回路8,
9を介して)検出して生成した原パルス信号の前縁を
(フロントエッジ遅延回路51,52を介し)遅延して
前記ロジック回路へ伝える信号とし、この原パルス信号
の後縁を(リヤエッジ遅延回路53,54を介し)遅延
してマスク用信号として前記のマスクを行うようにす
る。
項3又は4に記載のレベルシフト回路において、前記信
号無効化手段が、前記ロジック回路へ伝える信号とマス
ク用信号との生成の差異をなくして前記のマスクを行う
ようにし、さらにマスクしきれずに残った信号をローパ
スフイルタを介して取り除くようにする。また、請求項
6のレベルシフト回路は、請求項1ないし5の発明の前
提における可制御半導体素子と負荷抵抗との組を1又は
複数組として、この各可制御半導体素子の制御電極にそ
れぞれパルス状の導通用信号を入力するようにしたレベ
ルシフト回路において、各可制御半導体素子の電位基準
電極と共通電位との間にそれぞれ電流負帰還用の抵抗
(40,41など)を挿入し、各可制御半導体素子の導
通時における制御電極と共通電位との間の電圧を前記直
流電源の電圧より小さい所定値とする。
項6に記載のレベルシフト回路において、各可制御半導
体素子の制御電極と共通電位との間の電圧をそれぞれ前
記所定値に制限する定電圧ダイオード(42,43な
ど)を備えたものとする。また、請求項8のレベルシフ
ト回路は、請求項1ないし5のいずれかに記載のレベル
シフト回路において、外部回路の半導体スイッチング素
子をオン/オフ駆動するものであるようにする。
課題に対する発明(第1発明という、請求項1〜5,8
に関連)では、交流出力端子OUTのdV/dt等に基
づき、高耐圧MOSFET1,2の負荷抵抗3,4の同
時の電圧降下により、レベルシフト回路のロジック回路
(RSラッチ15等からなる)へ入力する信号は、正規
のオンパルスあるいはオフパルスとは判断せず、ノイズ
信号として無効とする回路を挿入する。
降下に基づき、2つの負荷抵抗それぞれに2つずつの信
号(正規の信号になり得る信号とマスク用信号)を作
り、一方の負荷抵抗側のマスク用信号で他方の負荷抵抗
側の正規の信号になり得る信号をマスクし、逆に、一方
の負荷抵抗側の正規の信号になり得る信号が他方の負荷
抵抗側のマスク用信号でマスクされるようにする。
という、請求項6,7に関連)では、レベルシフト回路
用高電圧MOSFET1,2(又はバイポーラトランジ
スタ)のソース(又はエミツタ)に電流負帰還抵抗を挿
入する、いわゆるソースフォロア(又はエミツタフォロ
ア)の接続として、ドレイン(又はコレクタ)電流の定
電流性を高めると共に、この電流を制限し、且つこの電
流に基づく負荷抵抗3,4の電圧降下信号が充分得られ
るように、この高電圧トランジスタのゲート(又はベー
ス)と共通電位間に印加する電圧を、高電圧トランジス
タの負荷抵抗回路の電源電圧の最低値を与える補助電源
電圧E1より低い値に設定する。
明の第1の実施例としての構成を示す回路図である。同
図において図7と異なるのは、NOT回路8,9に追加
してNOT回路7,10,11,12及びNOR回路1
3,14が接続されており、ローパスフィルタが無い点
である。
回路13の組と、NOT回路9,10,12及びNOR
回路14の組とは、MOSFET1(左側)とMOSF
ET2(右側)に対して左右対称の関係に構成されてい
る。ここで、 NOT回路8,9のしきい値はNOT回路
7,10のしきい値より低い値に設定されている。
各点の信号のタイミングおよび波形を示している。次に
図2の波形図により図1の回路の動作を説明する。MO
SFET1のゲート(A点)に入力されるオン信号25
−1により、MOSFET1に電流が流れ、負荷抵抗3
の下端(C点)の電位は補助直流電源E1の正極ライン
Vcc1 に対して下降するが、このC点の信号波形はA点
の波形を反転し、なまらせたような波形になっている。
これはNOT回路8の入力容量などによる波形のなまり
である。
のゲート(B点)へのオフ信号は入力されていないの
で、負荷抵抗4の下端(D点)には信号が入っていな
い。このためNOT回路7の出力(E点)はLoに固定
されており、C点の信号(Lo)はNOT回路8からそ
のしきい値で決まるパルス幅で、F点に示すHiの波形
で出力され、NOT回路11を経てNOR回路13の出
力(G点)にHiとして伝送され、RSラッチ15のセ
ット信号となる。
点)はHiにセットされ、出力IGBT17はオンす
る。MOSFET2のゲート(B点)へのオフ信号26
−1も、オン信号25−1の場合と同様に、D点の信号
(Lo)に変わり、この信号はNOT回路9からそのし
きい値で決まるパルス幅で、I点に示すHiの波形で出
力され、NOT回路12を経てNOR回路14の出力
(J点)に伝送され、RSラッチ15のリセット信号と
なる。
点)はLoにリセットされ、出力IGBT17はオフす
る。今、IGBT18がオンしIGBT17がオフして
いた状態から、IGBT18がオフしIGBT17がオ
ンした場合を考える。交流出力端子OUTには、このI
GBT17のスイッチングにより正のdV/dtが印加
される。このdV/dtにより高耐圧MOSFET1及
び2のソース・ ドレイン間容量を充電する電流が負荷抵
抗3及び4に流れる。
同じ大きさの素子を使用することが一般的であるため、
MOSFET1と2のソース・ ドレイン間容量を充電す
る電流はほぼ等しく、 図2におけるC点及びD点に現れ
る波形は、ノイズ信号27及び28として示すように、
タイミングも大きさもほぼ等しい。従って、 このタイミ
ングではNOT回路7〜10の出力にはそれぞれの入力
しきい値に応じたパルス幅の信号が出力される。
OT回路8の入力しきい値よりも高いため、 NOT回路
8の出力パルス(F点波形)はNOT回路7の出力パル
ス(E点波形)の幅の範囲にすべて含まれる。従って、
NOR回路13を介し、NOT回路8の反転出力(NO
T回路11の出力)をNOT回路7の出力でマスクする
ことにより、RSラッチ15のセット入力(G点)にノ
イズ信号27が伝送されることを防ぐことができる。
NOT回路9の入力しきい値よりも高いため、 NOR回
路14を介し、NOT回路9の出力(I点波形)の反転
出力(NOT回路12の出力)をNOT回路10の出力
(H点波形)でマスクすることにより、RSラッチ15
のリセット入力(J点)にノイズ信号28が伝送される
ことを防ぐことができる。
のように、MOSFET1と2の負荷抵抗3と4に同時
に出現するパルス信号をノイズとして無効化することに
より、RSラッチ15、従って出力IGBT17の誤動
作を防止することができる。なお、図1の23は、レベ
ルシフト回路などの遅れ時間によりIGBT17のスイ
ッチングのタイミングが遅れることを、IGBT18側
で補正するために設けられたディレイ回路で、図外の回
路からIGBT18をオン/オフ駆動するためにドライ
バ20へ入力しようとする信号を遅延させる。
来のレベルシフト回路に比べて、レベルシフト回路の遅
れ時間を短縮することが可能となり、 ディレイ回路23
に使用される容量を少なくすることが可能となり、IC
チップの面積を小さくすることが可能となる。 (実施例2)図3は第1発明の第2の実施例としての要
部の構成を示し、図4は図3内の各部A〜D、F,M,
G,I,N,J,Lのタイミングと波形を示す。
0を省略して、同じしきい値を持つNOT回路8,9の
みをそれぞれ負荷抵抗3,4の下端C点,D点に接続す
ると共に、新設したフロントエッジの遅延回路(DL1
とも略記する)51及び52をNOT回路8と11との
間、及び9と12との間にそれぞれ挿入し、さらに同じ
く新設したリヤエッジの遅延回路(DL2とも略記す
る)53及び54をNOT回路8の出力とNOR回路1
4の空いた入力との間、及びNOT回路9の出力とNO
R回路13の空いた入力との間に挿入したものである。
れたノイズ信号27,28により、NOT回路8,9は
それぞれの出力点F,Iに同波形のHiのパルスを出力
する。F点の波形は一方ではフロントエッジ遅延回路5
1により、前縁が削られてM点に示す波形となり、NO
T回路11を経て反転され、NOR回路13の一方の入
力となる。しかし、NOR回路13へはI点の波形の後
縁をリヤエッジ遅延回路54により延ばした、N点に示
す波形がもう一方の入力となる。
M点の反転波形LoはN点の波形Hiにマスクされ、R
Sラッチ15のセット入力(G点)には現れない。図示
してないが同様に、I点からフロントエッジ遅延回路5
2及びNOT回路12を経てNOR回路14に入力する
信号も、F点からリヤエッジ遅延回路53を経てNOR
回路14に入力する信号にマスクされ、RSラッチ15
のリセット入力(J点)には現れない。
号をマスクする方法としては、以上の実施例の他にも、
図1のNOT回路7,10と8,9をそれぞれ異なる参
照電位を持つコンパレータに置き換えるとか、 NOT回
路7,8,9,10のしきい値を同一とし、7と8の出
力同士、及び9と10の出力同士でそれぞれ互いをマス
クし、マスクしきれない短いパルスをカットオフ周波数
の十分高いローパスフィルタにより除去するとか、さら
には図3の遅延回路51〜54を省略してこの遅延回路
部分を短絡した結線とし、NOR回路13,14からマ
スクしきれずに出力される短いパルスをカットオフ周波
数の十分高いローパスフィルタにより除去するなど、種
々の方法が考えられる。 〔実施の形態2〕図5は第2の課題を解決するための第
2発明の一実施例としての構成を示す回路図である。図
5と従来回路の図7との相違は、高耐圧MOSFET
1,2のソースと共通電位COM間に電流負帰還用の抵
抗40,41がそれぞれ接続されて、いわゆるソースフ
ォロア接続になっている点と、高耐圧MOSFET1,
2のゲートに定電圧ダイオード42,43、抵抗44,
45、同じく抵抗46,47がそれぞれ接続されている
点である。
は15V、定電圧ダイオード42,43のツェナー電圧
は5〜7V程度とする。また、高耐圧MOSFET1,
2のゲートを駆動するオン信号25,オフ信号26を生
成する回路の電源には、共通電位COMを負極とする補
助直流電源E2(15V)を共用しており、オン信号2
5,オフ信号26の入力端子(抵抗44,45の上端)
には約15Vのパルス信号が入力されるものとする。
で、48は高耐圧MOSFET1,2の単独でのVDS−
ID 特性を示し、49は帰還抵抗40,41を挿入した
場合のVDS−ID 特性を示している。48のVDS−ID
特性は、図8に示した従来のVDS−ID 特性34に比較
し、ドレイン電流ID の絶対値は大きく設計されている
が定電流を示すVDSの領域は図8とほぼ同じである。こ
れは高耐圧MOSFET1,2のチャネル長を大きくす
ることで実現できる。
ソースと共通電位COMとの間にそれぞれ帰還抵抗4
0,41を挿入し、且つ高耐圧MOSFET1,2のゲ
ート電圧をそれぞれ定電圧ダイオード42,43でクラ
ンプすると、MOSFET1,2がそれぞれ抵抗44,
45へのオン信号25,オフ信号26の入力によって導
通したとき、帰還抵抗40,41のドレイン電流ID に
よる電圧降下により高耐圧MOSFET1,2のゲート
・ソース間電圧が減少するため、帰還抵抗40,41の
電圧降下はそれぞれゲート電圧(即ち定電圧ダイオード
42,43のツェナー電圧)から高耐圧MOSFET
1,2のゲートしきい値(0.5〜2V程度)を差し引
いた値を越えることはできず、ドレイン電流ID には負
帰還がかかり、図6の49に示すような定電流領域が広
い特性となり、従来のレベルシフト回路で問題となった
交流出力端子OUTの電位の高,低の違いによるドレイ
ン電流IH ,IL の差を小さくすることができ、 過剰な
電流を流す必要がなくなる。
ト電圧を定電圧ダイオード42,43でクランプしてい
るが、 この定電圧ダイオードを省略し、代わりに高耐圧
MOSFET1,2のゲート駆動電源をドライバ電源E
2とは別の、より電圧の低い5〜7V程度の電源として
もよい。図5の実施例では高耐圧MOSFETとその負
荷抵抗からなる組が2組の場合を示したが、この第2発
明はインバータブリッジ回路の出力IGBTに限らず、
対グランド電位の変動する他の各種の回路への信号伝達
にも適用することができ、高耐圧MOSFETと負荷抵
抗の組は1ないし任意の複数組であってよい。
変動する、PWMインバータブリッジ回路の上側アーム
を構成するIGBTなどの半導体スイッチング素子を、
共通電位COM側で作られた駆動用信号の電位絶縁なし
の伝達によってオン/オフ駆動するために、この半導体
スイッチング素子の電位変動するエミッタ(交流出力端
子OUT)に接続された補助直流電源(ドライブ電源)
E1のもとで動作し、半導体スイッチング素子を直接駆
動する信号を作るためのRSラッチ15などのロジック
回路へ、この補助直流電源E1の正極に一端が接続され
た抵抗3,4を負荷とし、ソース(又はエミッタ)を共
通電位COMに接続された高耐圧トランジスタ1,2か
ら、その導通による負荷抵抗3,4の電圧降下の信号と
して、それぞれパルスのオン信号25,オフ信号26を
送るレベルシフト回路において、第1発明によれば、交
流出力端子OUTのdV/dt等に基づき2つの負荷抵
抗3,4から高耐圧トランジスタ1,2のソース・ドレ
イン間容量に流れる充電電流により、負荷抵抗3,4に
同時に発生する電圧降下の信号を、この2つの抵抗3,
4それぞれに作った2つの信号(正規の信号になり得る
信号とマスク用信号)のうちのマスク用信号で、互いに
相手側抵抗の正規の信号になり得る信号をマスクするこ
とにより、ノイズとして無効とし、ロジック回路へ伝わ
ることを防ぐようにしたので、ノイズパルスの時間幅の
長短に関係なく、ロジック回路の誤動作を防止できると
共に、従来用いたローパスフィルタが不要となるため、
レベルシフト回路での遅れ時間を短縮することができ、
さらに高耐圧トランジスタが入力するオン/オフ信号の
パルス幅を長くしてノイズ信号と区別し易くする必要が
ないので消費電流を少なくすることができる。
路用高耐圧トランジスタのソース(又はエミツタ)に電
流負帰還抵抗を挿入して、ソースフォロア(又はエミツ
タフォロア)接続とすると共に、この高耐圧トランジス
タのゲート(又はベース)と共通電位COM間に印加す
る電圧を、高耐圧トランジスタの負荷抵抗側電源電圧の
最低値を与える補助電源電圧E1より低い値に設定する
ようにしたので、高耐圧トランジスタの定電流性を改善
すると共に、ソース(又はエミツタ)に接続された電流
負帰還抵抗での電圧降下を小さく抑えることができるの
で、高耐圧トランジスタのドレイン・ソース(又はコレ
クタ・エミッタ)間電圧に無関係に、小さく且つ差の少
ないドレイン(又はコレクタ)電流を流すことが可能と
なり、 電位変動する回路部分の電位の高低に関わらず、
負荷抵抗の電圧降下を適切に保って、安定な信号の伝達
を行うことができ。また、 レベルシフト回路の消費電力
を削減することができる。
回路の要部の構成を示す回路図
回路の要部の構成を示す回路図
の要部の構成を示す回路図
めの特性図
Sラッチ) 16 ドライバ 17,18 出力IGBT 20 ドライバ 21 リセット端子 23 ディレイ回路 25(25−1,25−2) オン信号 26(26−1,26−2) オフ信号 27,28 ノイズ信号 32,33 負荷抵抗3,4の負荷直線 40,41 電流負帰還抵抗 42,43 定電圧ダイオード 44〜47 抵抗 48 第2発明における高耐圧MOSFETのVDS−I
D 特性 49 第2発明における高耐圧MOSFETの電流負帰
還時のVDS−ID 特性 51,52 フロントエッジ遅延回路(DL1) 53,54 リヤエッジ遅延回路(DL2) COM 共通電位 Vdc 主直流電源 OUT 交流出力端子 E1,E2 補助直流電源(ドライバ電源) Vcc1 補助直流電源E1の正極ライン Vcc2 補助直流電源E2の正極ライン
Claims (8)
- 【請求項1】電位の基準となる電極が共通電位に接続さ
れ、この電位基準電極と制御電極との間に導通用信号を
入力する期間、電位基準電極と主電極との間が導通状態
となる第1,第2の2つの可制御半導体素子と、 一極が共通電位と所定の高電位との間で変動する外部回
路の所定の部位に接続され、この二電位間の電圧より低
い電圧を持つ直流電源と、 この直流電源の他極に一端を接続され、他端をそれぞれ
第1,第2の可制御半導体素子の主電極に接続された第
1,第2の2つの負荷抵抗と、 前記直流電源のもとで作動するロジック回路とを備え、 第1,第2の可制御半導体素子の制御電極のそれぞれに
タイミングを異にしてパルス状の導通用信号を入力し、
このときの可制御半導体素子の前記導通によって前記第
1,第2の負荷抵抗に生ずるパルス状の電圧降下を信号
として前記ロジック回路に伝えるレベルシフト回路にお
いて、 第1,第2の負荷抵抗に同時にパルス状の電圧降下が生
じたときは、この電圧降下の信号を前記ロジック回路へ
伝えることを防止する信号無効化手段を備えたことを特
徴とするレベルシフト回路。 - 【請求項2】請求項1に記載のレベルシフト回路におい
て、 前記信号無効化手段が、前記ロジック回路へ伝える第1
の負荷抵抗の電圧降下の信号を、第2の負荷抵抗の電圧
降下に基づき生成したマスク用信号によってマスクし、
同じく前記ロジック回路へ伝える第2の負荷抵抗の電圧
降下の信号を、第1の負荷抵抗の電圧降下に基づき生成
したマスク用信号によってマスクするものであることを
特徴とするレベルシフト回路。 - 【請求項3】請求項2に記載のレベルシフト回路におい
て、 前記信号無効化手段が、前記負荷抵抗の電圧降下を検出
してパルスを生成する際のしきい値を、ロジック回路へ
伝える信号のパルスを生成する際のしきい値と、マスク
用信号のパルスを生成する際のしきい値とで異なるよう
にし、ロジック回路へ伝える信号のパルス幅をマスク用
信号のパルス幅が完全に覆うようにして前記のマスクを
行うようにしたことを特徴とするレベルシフト回路。 - 【請求項4】請求項2に記載のレベルシフト回路におい
て、 前記信号無効化手段が、前記負荷抵抗の電圧降下を検出
して生成した原パルス信号の前縁を遅延して前記ロジッ
ク回路へ伝える信号とし、この原パルス信号の後縁を遅
延してマスク用信号として前記のマスクを行うようにし
たことを特徴とするレベルシフト回路。 - 【請求項5】請求項3又は4に記載のレベルシフト回路
において、 前記信号無効化手段が、前記ロジック回路へ伝える信号
とマスク用信号との生成の差異をなくして前記のマスク
を行うようにし、さらにマスクしきれずに残った信号を
ローパスフイルタを介して取り除くようにしたことを特
徴とするレベルシフト回路。 - 【請求項6】電位の基準となる電極が共通電位に接続さ
れ、この電位基準電極と制御電極との間に導通用信号を
入力する期間、電位基準電極と主電極との間が導通状態
となる1または複数の可制御半導体素子と、 一極が共通電位と所定の高電位との間で変動する外部回
路の所定の部位に接続され、この二電位間の電圧より低
い電圧を持つ直流電源と、 この直流電源の他極に一端を接続され、他端を1対1で
前記可制御半導体素子の主電極に接続された1または複
数の負荷抵抗と、 前記直流電源のもとで作動するロジック回路とを備え、 前記の各可制御半導体素子の制御電極にそれぞれパルス
状の導通用信号を入力し、このときの各当該の可制御半
導体素子の前記導通によってこの可制御半導体素子に対
応する前記負荷抵抗に生ずるパルス状の電圧降下を信号
として前記ロジック回路に伝えるレベルシフト回路にお
いて、 各可制御半導体素子の電位基準電極と共通電位との間に
それぞれ電流負帰還用の抵抗を挿入し、各可制御半導体
素子の導通時における制御電極と共通電位との間の電圧
を前記直流電源の電圧より小さい所定値とするようにし
たことを特徴とするレベルシフト回路。 - 【請求項7】請求項6に記載のレベルシフト回路におい
て、 各可制御半導体素子の制御電極と共通電位との間の電圧
をそれぞれ前記所定値に制限する定電圧ダイオードを備
えたことを特徴とするレベルシフト回路。 - 【請求項8】請求項1ないし5のいずれかに記載のレベ
ルシフト回路において、外部回路の半導体スイッチング
素子をオン/オフ駆動するものであることを特徴とする
レベルシフト回路。
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