JP2000212306A - 陰イオン交換膜 - Google Patents

陰イオン交換膜

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JP2000212306A
JP2000212306A JP11013228A JP1322899A JP2000212306A JP 2000212306 A JP2000212306 A JP 2000212306A JP 11013228 A JP11013228 A JP 11013228A JP 1322899 A JP1322899 A JP 1322899A JP 2000212306 A JP2000212306 A JP 2000212306A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、化学的安定性、耐酸化性に優れ、高
温時や酸化性雰囲気中、高濃度溶液中においても陰イオ
ン交換機能を維持することができ、さらに樹脂からの溶
出が少なく、反応速度に優れ、補強剤の含有率が低く、
可とう性を有する工業的に非常に有利に使用可能なイオ
ン交換膜を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1)及び/又は一般式
(2) 【化1】 【化2】 (一般式(1)及び/又は一般式(2)中、Aは炭素数
3から8の直鎖状、分岐状アルキレン基、又は炭素数4
から8のアルコキシメチレン基を表わし、R1 、R2
3 は水素原子、又は炭素数6以下のアルキル基、アル
カノール基を表す)で表される繰り返し単位を構成成分
として含有する重合体からなることを特徴とする陰イオ
ン交換膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陰イオン交換膜に
関する。詳しくは陰イオン交換基とスチレン残基との間
に化学的に安定なスペーサー基を導入した新規な陰イオ
ン交換膜に関するものである。本発明の陰イオン交換膜
は、例えば、海水濃縮製塩、カン水の製造、ホエー・タ
ンパク質の脱塩、減塩醤油の製造、糖液の精製、通電醗
酵、アミノ酸類からの無機酸類、無機塩類の除去、金属
イオンの濃縮・除去、放射性イオン/物質の除去、酸・
アルカリの製造、電解質の複分解反応、電着塗装浴の浴
管理、電気脱イオン用装置用膜、排煙(ガス)脱硫用
膜、パーベーパレーション用陰イオン交換膜、電池用隔
膜、イオン交換濾過材、合成用陰イオン交換触媒陰イオ
ン交換膜、消臭抗菌用陰イオン交換膜、触媒担持用陰イ
オン交換膜等に有効に用いられるものである。
【0002】
【従来技術】陰イオン交換膜と呼ばれている重合体は、
クロロメチル基を有するスチレン‐ジビニルベンゼン共
重合体に1級から3級のアミンを導入した弱塩基性陰イ
オン交換膜、及びアンモニウム基を導入した強塩基性陰
イオン交換膜が知られている。その他、ビニル(アルキ
ル)ビリジンの架橋共重合体(ブタジエンが含まれる膜
も知られている)である弱塩基性陰イオン交換膜及び、
ビニル(アルキル)ピリジン残基をアルキル化した強塩
基性陰イオン交換膜が知られている。他に、脂肪族アミ
ン、芳香族アミン誘導体とアルデヒド/ケトン誘導体と
の縮重合体の均質膜、エチレンイミン(ポリエチレンイ
ミン)−エピクロルヒドリン系膜(強塩基性膜も含
む)、ビニルピリジン−エポキシ化合物との架橋重合
体、(メタ)アクリルエステル系陰イオン交換膜、その
他無機イオン交換膜等も知られている。その他、陰イオ
ン交換繊維や陰イオン交換樹脂を樹脂層に埋め込んだ陰
イオン交換膜等も知られている。
【0003】工業的に使用されている陰イオン交換膜
は、化学的安定性、強度及び製造価格、品質の観点か
ら、重合型均質膜であるスチレン−ジビニルベンゼン、
ビニルピリジン−ジビニルベンゼン等のビニル単量体を
何らかの方法で膜状の共重合体とし、これらに陰イオン
交換基を導入したものである。イオン交換膜の化学的安
定性は、重要な必要条件の一つである。ビニルピリジン
系陰イオン交換膜やスチレン系陰イオン交換膜は、濃厚
のアルカリ溶液や酸性溶液中、酸化性雰囲気条件下、例
えば、溶存酸素、過酸化水素、塩素などにより徐々に分
解される。
【0004】また、スチレン系陰イオン交換膜やビニル
ピリジン系陰イオン交換膜では、結晶性が高く、膜が剛
直であるため、膜が亀裂破壊しやすく、これを避けるた
め補強材を添加している。この結果、補強剤の添加によ
り交換容量の低下につながり、交換容量が充分でなかっ
た。スチレン系陰イオン交換膜やビニルピリジン系陰イ
オン交換膜は、陰イオン交換基の耐熱性に劣るため、長
期間使用すると陰イオン交換基の交換容量が低下する。
このため、陰イオン交換膜のライフが短いという問題点
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みてなされたものであり、その目的は、耐熱性に優れ、
重合体からの溶出が少なく、アミン臭が少なく、反応速
度に優れ、交換容量が高い等の問題点が解決された陰イ
オン交換膜を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本出願人は、ベンゼン環
と陰イオン交換基との間に、置換基A(スペーサー基)
を導入した強塩基性陰イオン交換体は、耐熱性に優れて
いることを報告している(特開平4−334491号、
特開平7−289921号)。さらに本発明者らは、上
記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、この特定
の構造を有する重合体は、耐熱性に優れるばかりでな
く、イオン交換基の化学的安定性に優れること、アミン
の塩基度が高くなること、反応速度にも優れること、可
とう性に優れるため柔軟性を有することに知見し、この
重合体をイオン交換膜として用いることにより上記課題
を克服することができることを見い出し本発明に到達し
た。即ち、本発明の要旨は、(1)下記一般式(1)及
び/又は一般式(2)
【0007】
【化5】
【0008】
【化6】
【0009】(一般式(1)及び/又は一般式(2)
中、Aは炭素数3から8の直鎖状、分岐状アルキレン
基、又は炭素数4から8のアルコキシメチレン基を表わ
し、R1 、R2 、R3 は水素原子、又は炭素数6以下の
アルキル基、アルカノール基を表す)で表される繰り返
し単位を構成成分として含有する重合体からなることを
特徴とする陰イオン交換膜、
【0010】(2)少なくとも一般式(1)及び/又は
一般式(2)で表される繰り返し単位を構成成分として
含有する重合体からなる陰イオン交換膜と陽イオン交換
膜が積層されてなることを特徴とする陰イオン交換膜、
(3)一つの膜内に、陽イオン交換体からなる連続相
と、一般式(1)及び/又は一般式(2)で表される繰
り返し単位を構成成分として含有する陰イオン交換体か
らなる連続相を含有することを特徴とする陰イオン交換
膜、
【0011】(4)一つの膜内に、多孔性担体材料から
なる連続相と、少なくとも一般式(1)及び/又は一般
式(2)で表される繰り返し単位を構成成分として含有
する陰イオン交換膜からなる連続相を含有することを特
徴とする陰イオン交換膜、(5)一般式(1)で表され
る繰り返し単位を構成成分として含有する重合体からな
る陰イオン交換膜と、一般式(2)で表される繰り返し
単位を構成成分として含有する重合体からなる陰イオン
交換膜が積層されてなることを特徴とする陰イオン交換
膜、(6)下記一般式(3)で表される架橋性陰イオン
交換体であって、一般式(3)中、
【0012】
【化7】
【0013】(一般式(3)中、Aは炭素数3から8の
直鎖状アルキレン基、又は炭素数4から8のアルコキシ
メチレン基を表し、R1 、R2 、R3 はそれぞれ水素原
子、又は炭素数6以下のアルキル基、アルカノール基か
ら選ばれる基を表す。)、構成単位Pは全陰イオン交換
体中5〜99モル%、構成単位Qは0.1〜50モル%
であることを特徴とする陰イオン交換膜、(7)少なく
とも一般式(4)
【0014】
【化8】
【0015】(一般式(4)中、Aは炭素数3から8の
直鎖状、分岐状アルキレン基、又は炭素数4から8のア
ルコキシメチレン基を表し、Zは塩素、臭素、ヨウ素、
水酸基、トシル基、1級〜3級アミン又はアンモニウム
基−NR1 2 3 基を表す。ここでR1 、R2 、R3
はそれぞれ水素原子、又は炭素数6以下のアルキル基、
アルカノール基から選ばれる基を表す。)で表される単
量体を含有する溶液を、重合開始剤の存在下、膜状に重
合させた後、必要に応じて陰イオン交換基に変換するこ
とを特徴とする陰イオン交換膜の製造方法、
【0016】(8)両端の電極間に、上記のいずれかに
記載の陰イオン交換膜と陽イオン交換膜が少なくとも1
組以上挿入され、電場の存在下、イオン性物質、イオン
電荷微粒子、着色物質、放射性物質、高分子電解質、ア
ミノ酸、タンパク質を含有する水溶液、有機溶媒、又は
その水溶液を接触させることを特徴とする脱塩、処理、
濾過、イオン交換、濃縮、分離、反応又は精製方法、
【0017】(9)陽イオン交換膜、及び一般式(1)
及び/又は一般式(2)で表される繰り返し単位を構成
成分として含有する陰イオン交換膜を、脱塩室および塩
濃縮室を積層的に形成した電気透析装置本体と、前記各
脱塩室に被処理水を流入し,処理水を排出する第1の液
としての被処理水・処理水の流路と、前記塩濃縮室に第
2の水液を流入・排出する第2の水液の流路と、前記電
気透析装置本体の積層方向に対向して両端側に配置され
た陽極および陰極と、前記陽極および陰極へ印加して脱
塩室に流入された被処理水中の溶存イオンを塩濃縮室に
移動させる電界を与える電圧印加手段とを具備すること
を特徴とする電気透析方法、
【0018】(10)陽イオン交換膜、及び一般式
(1)及び/又は一般式(2)で表される繰り返し単位
を構成成分として含有する陰イオン交換膜を交互に対向
して配置し、脱塩室および塩濃縮室を積層的に形成した
電気透析装置本体と、前記各脱塩室に被処理水を流入
し,処理水を排出する第1の液としての被処理水・処理
水の流路と、前記塩濃縮室に第2の水液を流入・排出す
る第2の水液の流路と、前記電気透析装置本体の積層方
向に対向して両端側に配置された陽極および陰極と、前
記陽極および陰極へ印加して脱塩室に流入された被処理
水中の溶存イオンを塩濃縮室に移動させる電界を与える
電圧印加手段とを具備することを特徴とする電気透析装
置、
【0019】(11)脱塩室内に、陽イオン交換体と陰
イオン交換体の混合体を充填したことを特徴とする電気
脱イオン装置、(12)脱塩室内に、陽イオン交換体と
陰イオン交換体の混合体を充填したことを特徴とする電
気脱イオン方法、
【0020】(13)上記(1)及び(2)に記載の陰
イオン交換膜を用い、陽極と陰極の間にユニットセルを
複数個含む構成の電気透析スタックであって、該ユニッ
トセルは陰イオン交換膜側を陽極に向け陽イオン交換膜
側を陰極に向けたバイポーラ膜と陰イオン交換膜と2枚
の陽イオン交換膜から成り、4つの流路を構成するもの
であり、第1の陽イオン交換膜は(2)に記載の陰イオ
ン交換膜側に一定間隔でおかれ、第2の陽イオン交換膜
は(2)に記載の陰イオン交換膜側に一定の間隔でおか
れ、それぞれ第1、第2の流路を形成し、陰イオン交換
膜は第2の陽イオン交換膜と一定の間隔でおかれ、第3
の流路を形成し、隣接のユニットセルの第1の陽イオン
交換膜は陰イオン交換膜と一定の間隔でおかれ第4の流
路を形成することを特徴とする電気透析装置、
【0021】(14)上記(1)及び(2)に記載の陰
イオン交換膜を用い、電極間に多数の流路を有するユニ
ットセルと陰極と陽極から構成されている電気透析槽を
使用し、第1の陽イオン交換膜と(2)に記載の陰イオ
ン交換膜側の間に構成される第1の流路に塩基性溶液を
存在させ、第2の陽イオン交換膜と陰イオン交換体側の
間に構成される第2の流路にバッファー溶液を存在さ
せ、陰イオン交換膜と第2の陽イオン交換膜の間に構成
される第3の流路に酸溶液を存在させ、隣接のユニット
セルの第1の陽イオン交換膜と陰イオン交換膜の間に構
成される第4の流路に塩溶液を存在させ、陰極と陽極の
間に直流電流を通電することを特徴とする電気透析法、
【0022】及び、(15)NOx、SOx、HXを含
有するガスを水溶液と接触させ、溶解性の亜硫酸塩、重
亜硫酸塩、硫酸鉛、ハロゲン化水素塩、硝酸塩、亜硝酸
塩の水溶液を形成させ、陽イオン交換膜、及び一般式
(1)及び/又は一般式(2)で表される繰り返し単位
を構成単位として含有する該陰イオン交換膜からなる電
気透析装置で酸及び/又はアルカリを回収することを特
徴とする排ガスの処理方法、に存する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における陰イオン交換膜が種々の機能性を発現す
るためには、上記一般式(1)及び(2)の置換基Aは
炭素数3から8の直鎖状、又は分岐状アルキレン基、又
は炭素数4から8のアルコキシメチレン基で、特に、置
換基基Aは炭素数3から8の直鎖状アルキレン基又は炭
素数4から8のアルコキシメチレン基であることが好ま
しい。
【0024】置換基Aがメチレン鎖やエチレン鎖の場
合、正電荷を有するアンモニウム基はそのアルキレン鎖
を通じてベンゼン環の影響を受けやすく、強塩基性陰イ
オン交換基の耐熱性が劣ることは知られている。同様
に、アルキレン鎖が短い場合、陰イオン交換基のアミン
の塩基度は、ベンゼン環の影響を受けるため、本来のア
ミンの塩基度にならない。これはアニリンより脂肪族ア
ミンの方が塩基度が高いことからも予想される。従っ
て、本発明の陰イオン交換膜は、現在使用されているベ
ンジル型陰イオン交換基の塩基度より高いことが予想さ
れる。
【0025】一方、置換基Aの炭素数が請求の範囲を越
えた場合、架橋共重合体の構成単位の分子量が大きくな
るため、重量あたりの交換容量は低くなり、その結果陰
イオン交換膜の電気抵抗が大きくなる。具体的な置換基
Aとしては、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン
基、オクチレン基、ブトキシメチレン基、ヘキソキシメ
チレン基等が挙げられる。
【0026】ベンジルアンモニウム型イオン交換膜は、
可とう性に劣るため、ポリエチレンやポリプロピレン等
の補強剤を添加しなければならない。しかしながら、本
発明のポリマーは、置換基A(スペーサー基)を有する
ため、ポリマー自身可とう性を有することを見い出し
た。このポリマーの特性を活かし、補強剤の添加量が少
なくても膜に成型加工できることがわかった。この結
果、イオン交換膜としての抵抗が小さくなる特徴が現れ
る。
【0027】多くの場合、置換基Aは、製造上、スチレ
ン残基のm位又はp位に導入されることが望ましい。o
位に導入された場合でも、ベンゼン環とポリエチレン基
による立体的な影響は少ないことが考えられるが、架橋
剤との共重合の際の立体障害を考慮するとm位、又はp
位であることが好ましい。一般式(1)のベンゼン環
は、イオン交換基を有するアルコキシアルキレン基以外
に、アルキル基或いはハロゲン原子で置換されていても
よい。アルキル基としては、メチル基、エチル基等が挙
げられ、ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、沃素
等が挙げられる。
【0028】陰イオン交換膜は、交換基の分布や膜の構
造により、いくつかに分類される。まずは、交換基によ
り均質型と不均質型に分けられる。これは交換基が均一
であるか、局在化しているかにより分類される。更に工
業的によく採用されている均質型でも、ゲル型イオン交
換膜や、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を接合した構
造のバイポーラ膜、多孔性を有する多孔性アニオン膜も
知られている。本発明の陰イオン交換膜の製造方法、及
び一般物性は、膜の種類により大きく異なるが、具体的
には例えば以下の方法が挙げられる。
【0029】ロール成型法:例えば、特開平4−334
491号公報、特開平7−289921号公報に記載さ
れている陰イオン交換樹脂、又は陰イオン交換繊維(C
l形)の乾燥球状体、又はその粉砕品を、例えば、ポリ
エチレンと混合し混合ロールで均一に混合した後、シー
トとして成形し、0.2mm程度の陰イオン交換膜を製
造する方法。
【0030】塗布法:例えば、特開平4−334491
号公報、特開平7−289921号公報に記載されてい
る陰イオン交換樹脂の乾燥球状体、あるいは陰イオン交
換繊維(Cl形)、又はその粉砕品を、ポリ塩化ビニル
粉、及び可塑剤として、フタル酸ジアルキル(例えば、
DOP)を加え混和しペースト状にする。このペースト
状混合物を綿布に塗布し、120℃で加熱処理し、更に
有機溶媒で可塑剤を抽出する。 含浸膜の後処理法:一般式(4)で表されるモノマーと
架橋剤(ジビニルベンゼン)の溶液に、重合開始剤の存
在下、薄手の塩化ビニルフィルムに含浸させ、両面をセ
ロハン紙(ポリエステルフィルム)で覆い、両面よりガ
ラス板で圧しながらラジカル重合させる。重合完了後、
種々のアミンを反応させ、弱塩基性又は強塩基性の陰イ
オン交換基を導入し、陰イオン交換膜を製造する方法。
【0031】
【化9】
【0032】(一般式(4)中、官能基Zは塩素、臭
素、ヨウ素、水酸基、トシル基、1級〜3級アミン又は
アンモニウム基−NR1 2 3 基を表す) インターポリマー膜:一般式(1)及び/又は一般式
(2)で表される高分子ポリマーとポリビニルアルコー
ルを熱水に溶解し、製膜後、高温で乾燥する。後に硫酸
とホルムアルデヒドの処理液で架橋反応し不溶化する。 重合系ポリマーを母体とする陰イオン交換膜:一般式
(1)及び/又は一般式(2)で表される重合体をメタ
ノールに溶解し、この溶液にエピクロロヒドリン又は
1,ω−ジハロゲノアルカン、1,ω−アルカンチジチ
オール等を加え、溶液をガラス板上に流延し、架橋重合
する。重合後、薄膜を引き離し陰イオン交換膜を得る。
【0033】重合膜法: (1)ハロゲノアルキルスチレンモノマーと架橋性重合
単量体(ジビニルベンゼン)の混合溶液に、ラジカル重
合開始剤を添加し、窒素ガスで置換した。この中にブタ
ジエン−アクリロニトリル共重合体ゴム(ゼットポー
ル)/スチレン−ブタジエン共重合体(日本合成ゴム
製)/塩化ビニル微粉末を添加してもよい。また可塑剤
として、フタル酸ジアルキル類(ジオクチルフタル酸、
ジブチルフタル酸、リン酸トリブチル類、酸化スチレン
類等の可塑剤を、単量体を希釈するため適宜添加しても
よい)この溶液をスペーサーを入れたガラス板間(この
中に、補強材を添加してもよい。)に挟み、溶液を流し
込み、高温で重合し、高分子状膜を得る。次にこの高分
子膜にトリメチルアミン水溶液の有機溶媒溶液中で、5
0℃で8時間反応させ、陰イオン交換膜を製造する。
【0034】(2)トリメチルビニルフェニルアルキル
アンモニウムクロライドのメタノール水溶液と架橋性重
合単量体(ジビニルベンゼン)を混合し、重合開始剤の
存在下、モノマー溶液をガラス板間に流し込み、高温で
重合し、陰イオン交換膜を製造する。 (3)(2)のトリメチルビニルフェニルアルキルアン
モニウムクロライドの代わりに、N,N−ジメチルアミ
ノアルキルスチレンを用いて、弱塩基性陰イオン交換膜
を得ることもできる。また、更にメチル化剤(ヨウ化メ
チル、硫酸ジメチル)で、ジメチルアミノ基をアミノ化
し、強塩基性陰イオン交換膜を得ることも可能である。
【0035】バイポーラ膜の製法:陽イオン交換膜と陰
イオン交換膜を接合/積層した構造の膜も知られてい
る。陽イオン交換膜に上記の方法で製造した陰イオン交
換膜を圧延ローラーで接着する方法、イオン交換性接着
剤で両膜を接着する方法、重合開始剤の存在下、一般式
(4)で表されるモノマーと架橋性重合単量体(ジビニ
ルベンゼン)の溶液をガラス板上にキャストし、その上
に陽イオン交換膜を載せ重合接着し、必要に応じアミン
を作用させ製膜する方法等が挙げられる。この場合、陽
イオン交換膜と陰イオン交換膜との間に、電気的に中性
な(多孔性)基材(織布)を挿入してもよい。接合する
方法としては、熱融着、圧力による融着が簡便で接合強
度も大きい。融着温度は膜素材、補強材強度、イオン交
換基の種類によるが、通常、50〜250℃、5Kg〜
500Kg/cm2 の圧力で均一にプレスするのが好ま
しい。陽イオン交換膜、陰イオン交換膜とも、膜厚は、
通常、0.5μm〜500μmの範囲、更に好ましく
は、1μm〜300μmである。両膜厚比は1:1であ
ってもよいが、片方の膜厚が極端に薄いイオン交換膜で
あってもよい。例えば、陰イオン交換膜層が数μmの膜
厚のバイポーラ膜であってもよい。陽イオン交換膜とし
ては、炭化水素系陽イオン交換膜、フッ素系の陽イオン
交換膜いずれでも使用することができる。
【0036】多孔性膜:一般式(4)で表される重合性
単量体−架橋性単量体(例えばジビニルベンゼン)の溶
液中に、NaCl等の無機塩、又はトルエン等の沈殿
剤、ポリスチレン等を添加した溶液をキャストし重合す
る。その後、多孔化剤を抜き出し、必要に応じアミンを
反応させ、多孔構造を有する多孔性陰イオン交換膜を製
造することができる。その細孔構造は、最頻度半径が通
常、100Å〜1mm、更に好ましくは、1000Å〜
1mmである。また、ポリエチレンにNaCl等の塩を
添加し、加熱ロールし膜状とした後、塩を溶解し、そこ
に、重合開始剤の存在下、一般式(4)で表されるモノ
マーと架橋性単量体(例えばジビニルベンゼン)の溶液
を含浸させ重合し、必要に応じアミンを反応させ、連続
相を有する多孔製膜を製造することができる。また、予
め多孔性構造を有するシート/膜に、モノマー溶液を含
浸し、架橋重合し交換基を導入する方法もある。
【0037】ここで一般式(4)としては、以下のもの
が挙げられる。ハロゲノアルキルスチレン誘導体として
は、3−ブロモプロピルスチレン、4−ブロモブチルス
チレン、6−ブロモヘキシルスチレン、8−ブロモオク
チルスチレン、3−クロロプロピルスチレン、4−クロ
ロブチルスチレン、4−ヨードブチルスチレン、6−ヒ
ドロキシヘキシルスチレン等、アミノアルキルスチレン
誘導体としては、N,N−ジメチルアミノブチルスチレ
ン、アミノブチルスチレン、N,N−ジメチルアミノヘ
キシルスチレン、ハロゲノアルコキシメチルスチレン誘
導体としては、ブロモプロピルオキシメチルスチレン、
ブロモヘキシルオキシメチルスチレン、クロロブトキシ
メチルスチレン、アンモニウム塩スチレン誘導体として
は、トリメチルビニルフェニルブチルアンモニウムクロ
ライド、トリメチルビニルフェニルブチルアンモニウム
ブロマイド、トリメチルビニルフェニルヘキシルアンモ
ニウムクロライド、トリメチルビニルベンジルオキシブ
チルアンモニウムブロマイド等が挙げられる。
【0038】これらの前駆体となる一般式(4)で表さ
れる単量体は、いくつかの方法で合成することができ
る。例えば、置換基Aがアルキレン基の場合クロロメチ
ルスチレン(m及びp体の混合物であってもよい)、ハ
ロゲノスチレン(例えば、クロロスチレン、ブロモスチ
レン)、又はビニルフェネチルクロライドと金属マグネ
シウムとの反応によって生成したグリニャール試薬を、
1、ω−ジハロゲノアルカン(例えば、1、ω−ジブロ
モアルカン)に反応させ重合体単量体を得る方法が挙げ
られる。例えば、特開平4−349941号公報や特開
平9−208625号公報の中で製造方法が記載されて
いる。アルコキシメチレン基の場合は、置換基Aがビニ
ルベンジルアルコールと1、ω−ジハロゲノアルカンと
の反応により、ハロゲノアルコキシメチルスチレン誘導
体を得ることができる。
【0039】末端官能基がハロゲンを有する単量体はア
ミンでアミノ化、末端官能基がアミンである単量体の場
合にはハロゲン化アルキルでアルキル化し、3級アミン
又は相当するアンモニウム塩単量体を合成することがで
きる。例えば、特開平7−291882号公報や特開平
7−289921号公報の中で、その製造方法が記載さ
れている。
【0040】水不溶性の陰イオン交換膜を得るために
は、架橋構造は必須成分である。重合型均質イオン交換
膜の場合、不飽和性炭化水素含有架橋性単量体(架橋
剤)を添加し、重合するため、架橋剤の添加量は陰イオ
ン交換膜の特性を決める重要な要素である。不飽和性炭
化水素含有架橋性単量体としては、例えば、ジビニルベ
ンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリエチレンビス(メタ)アクリルアミド等が挙げられ
る。単量体を製造する際、副生するビスビニルビフェニ
ル、1,ω−ジビニルフェニルアルカン、1,ω−ジビ
ニルベンジルオキシアルカン等も該架橋剤として使用で
きる。
【0041】ポリエチレン性架橋性単量体の含有率が低
い場合には、得られる陰イオン交換膜は高膨潤性重合体
となり、膜の機械的強度、寸法安定性が悪く、体積あた
りの交換容量も低下する。一方、含有率が高い場合に
は、一般式(1)及び/又は一般式(2)で表される構
成成分の含有率が低くなりイオン交換容量が低下した
り、膜が破損しやすくなる。従って、本発明の陰イオン
交換膜を製造する際のポリエチレン性架橋性単量体の含
有率は、重合性単量体に対して、通常、0.1%〜50
モル%、好ましくは0.2%〜25モル%の含有率で用
いられる。
【0042】本発明の陰イオン交換膜の機能を低減させ
ない範囲において、第3の不飽和炭化水素含有単量体を
添加することができる。その重合性単量体としては、ス
チレン、アルキルスチレン、クロロメチルスチレン、ポ
リアルキルスチレ、(メタ)アクリル酸エステル、(メ
タ)アクリル酸、アクリロニトリル、ビニリピリジン類
等が挙げられる。その添加量は、重合性単量体に対して
通常、0%〜80モル%、好ましくは0%〜50モル%
で用いられる。上記の単量体の共重合によって得られる
陰イオン交換膜はゲル型樹脂、ポーラス型樹脂であって
もよい。これらの重合反応において、必要に応じて、上
記の各単量体成分に溶解する溶媒を添加していてもよ
い。
【0043】この際の溶媒としては、一般式(4)で表
わされる重合性単量体成分の含有率によっても異なる
が、この単量体に対して貧溶媒であるトルエン、2−エ
チルヘキサノール、オクタノール等の有機溶媒を添加し
共重合を行った場合には、多孔性構造を有する陰イオン
交換膜が得られる。一方、テトラヒドロフラン、1,4
−ジオキサン等の良溶媒を添加した場合には、膨潤性の
陰イオン交換膜が得られる。
【0044】これら溶媒の種類、添加量等により生成す
る多孔性担体の物理構造が異なり、これらの溶媒を制御
することにより多孔性陰イオン交換膜を得ることができ
る。その他、例えば、溶媒として、水、メタノール、エ
タノール、アセトン等の溶媒、又はこれらの溶媒の混合
溶液が使用される。その添加量は、全単量体成分に対し
て、通常、0%〜200重量%の範囲である。
【0045】本発明において、一般式(1)及び/又は
一般式(2)の単位を構成する重合性単量体は、全単量
体に対して、通常、5%〜99モル%の範囲である。イ
オン交換容量をできる限り大きくするためには、一般式
(1)及び/又は一般式(2)の含有率はできる限り高
いことが好ましい。陰イオン交換膜の有する重量当たり
の交換容量は、通常、0.1meq/g〜5.0meq
/gの範囲である。meq/gとは乾燥樹脂重量当たり
のミリ当量を表わす。更に好ましくは、0.2meq/
g〜4.5meq/g、更には0.5meq/g〜3.
8meq/gの範囲である。
【0046】重合性単量体を重合するためのラジカル重
合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル(BP
O)、過酸化ラウロイル、t−ブチルハイドロパーオキ
サイド等の過酸化物系重合開始剤、アゾイソブチロニト
リル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメ
チル゛バレロニトリル)(商品名;V−65(和光純
薬))、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンア
ミジン)・二塩酸塩(商品名;V−50;和光純薬、水
溶性重合開始剤)等が使用される。重合の際には、製膜
しやすくするため、有機溶媒中、水溶液中、又は有機溶
媒の水溶液中を添加してもよい。重合開始剤で、高分子
膜を製膜する以外に、電離性放射線重合、例えば、ガン
マ線(60Co)、電子線を用いて高分子膜を製造する
ことも可能である。この場合、ガラス板等を通じて、重
合製膜することも可能である。
【0047】末端官能基としてハロゲンを有するブロモ
アルキルスチレン、クロロアルキルスチレン誘導体、ブ
ロモアルコキシメチルスチレン誘導体は、通常の溶液ラ
ジカル重合で高分子化が可能である。一方、末端官能基
として最初から陰イオン交換基を有するモノマー、例え
ば、N,N−ジメチルアミノブチルスチレン、トリメチ
ルビニルフェニルブチルアンモニウムハライドやトリメ
チルビニルベンジルオキシアルキルアンモニウムハライ
ド等の線状ポリマーを得る場合には、相当するモノマー
を水、又は水を含む有機溶媒中又は必要に応じて酸性塩
として水溶液にして、水溶性重合開始剤又は極性溶媒に
溶解する重合開始剤の存在下で重合を行うことが好まし
い。
【0048】重合開始剤の添加率は、全単量体に対し
て、通常0.1%〜5重量%である。重合温度は、重合
開始剤の半減期温度、含有率、単量体の重合性等により
異なるが、通常は、40℃〜150℃、好ましくは50
℃〜100℃で使用される。重合時間は1時間〜18時
間、更に好ましくは、2時間〜10時間である。陰イオ
ン交換膜の膜厚は、所望の電気抵抗、機械的強度、輸
率、耐久性等にもよるが、一般に1〜800μm、更に
は、1〜500μm、更に好ましくは1〜300μmで
ある。
【0049】膜の大きさは、装置により異なるが、通常
一辺が0.2cm〜4mの範囲である。更に好ましく
は、1cm〜1.5mの範囲である。膜の補強材となる
基材は、例えば、(高密度)ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ブタジエン、ガラス繊維製の織布、不織布、網、
フィルム、多孔性フィルムシートのポリ塩化ビニル製/
ポリエチレン(網)/ポリプロピレンの布(網)/フィ
ラメントを添加してもよい。基材の厚さは、通常、0.
5μm〜800μm、更には2〜500μm、更には5
〜300μmの範囲である。重合性組成物への基材への
付着方法は、例えば、塗布、含浸、或いは浸せき等の公
知の方法が使用でき、基材、形状、重合体組成物の性
状、製造法により適宜選択すればよい。一般式(4)で
示される前駆単量体あるいはこれを架橋剤と共重合して
得られる架橋共重合体中、及び一般式(5)中で表され
る官能基Zのアンモニウム基への変換は、公知の技術で
行うことができる。
【0050】
【化10】
【0051】例えば、末端官能基Zが、ハロゲン原子の
場合、アンモニア(水)、メチルアミン、ジメチルアミ
ン(水溶液)、エチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、1、3−ジアミノプロパン、1、6−ヘキサメチレ
ンジアミン、ポリアルキレンポリアミン、種々の分子量
のポリエチレンイミンを反応させる方法がある。上記の
陰イオン交換基を導入する際、樹脂を膨潤させるため溶
媒を添加するのが一般的である。用いられる溶媒として
は、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノー
ル等のアルコール類、トルエン等の炭化水素類、ジクロ
ロメタン、1,2−ジクロロエタン等の塩素系炭化水素
類、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン等のエーテル類、その他ジメチルホルムアミド、アセ
トニトリル等の溶媒が単独、又は混合溶液として用いら
れる。反応温度は、反応様式、官能基の種類、溶媒の等
により異なるが、通常は、20℃〜130℃であること
が好ましい。末端官能基ZがCl原子である場合には、
官能基の脱離性に劣るため、比較的高い温度であること
が望ましい。上記のアミンを用いて、アミノ化反応を行
う場合、一般的に、アミン分子が嵩高いほど(分子量が
大きい程)イオン交換容量が低くなる。
【0052】イオン交換基を構成するアルキル基は、炭
素数1から4のアルキル基、或いはヒドロキシエチル基
等のアルカノール基である。置換基R1 〜R3 は同じで
あってもよい。この場合も、単位重量当たりの交換容量
の低下をできる限り少なくするため、及び耐熱性を維持
するため、置換基R1 〜R3 はメチル基であることが好
ましい。
【0053】本発明のイオン交換膜は公知の装置、例え
ば、水槽型電気透析槽や締付(フィルタープレス)型電
気透析槽で使用することができる。陰イオン交換膜の使
用方法は、陰イオン交換膜の種類により大きく異なる。
電気透析の場合には、電極間に陽イオン交換膜と陰イオ
ン交換膜を交互に組み、電場の存在下、電解質を通液し
電解質の濃縮・除去、電解質と非電解質の分離が可能と
なる。同様にAX+BY→AY+BXの電解質の複分解
反応も電気透析と電極反応を組み合わせ可能となる。
【0054】また、ここ10年来イオン交換膜を用い、
一種の電気透析法の原理を応用した電気脱イオン法によ
る脱塩水の製造も知られている。この電気脱イオン装置
にも、本発明の陰イオン交換膜を使用することができ
る。(図−1及び図−2を参考。)図−3で示された該
陰イオン交換膜や該バイポーラ膜を用いて、中性塩電解
質から水の電気分解により酸とアルカリを製造すること
が可能である。また排ガス中に含まれるSO2 等を、バ
イポーラ膜を含む電気透析装置で電気透析することによ
り、NaCl等の電解質を電気分解し、酸とアルカリを
製造することが可能である。
【0055】本発明は、例えば、以下の用途に使用する
ことが可能である。例えば、海水濃縮製塩、カン水の製
造、低塩素イオン苛性ソーダ溶液の製造、繊維工業・パ
ルプ工業のボウ硝、ボウ硝−硫酸亜鉛、亜硫酸ソーダの
濃縮、ホエー・タンパク質の脱塩、減塩醤油の製造、糖
液(例えば、グルコース、蔗糖)の精製、通電醗酵、ア
ミノ酸類からの無機酸類、無機塩類の除去、金属イオン
の濃縮・除去、放射性イオン(廃液)の除去、酸・アル
カリの製造、複分解反応(例えば、KCl+Na2 CO
3 )、電着塗装浴の浴管理、電気脱イオン用陰イオン交
換膜、排煙(ガス)脱硫用膜、パーベーパレーション用
陰イオン交換膜、電池用隔膜、(V系)レドックスフロ
ー用電池の隔膜、燃料電池用イオン交換膜、イオン交換
濾過材、合成用触媒、消臭抗菌膜等が挙げられる。
【0056】具体的な用途や使用方法に関しては、イオ
ン交換膜(小坂勇次郎、清水博著、共立出版(株))の
中で記述されている。本発明の陰イオン交換膜は単独で
使用される場合もあるが、強酸性陽イオン交換膜の他、
弱塩基性陰イオン交換膜、弱酸性陽イオン交換性、電荷
的中性膜、(金属を吸着するための)キレート膜、その
他、活性炭膜等の組み合わせて使用することも可能であ
る。
【0057】本発明の陰イオン交換膜は耐熱性に優れた
強塩基性陰イオン交換膜であるため、広い用途が考えら
れる。例えば、一般の水処理の他、糖液の精製、弱酸性
物質の分離・精製、純水製造用が挙げられる。本発明の
陰イオン交換膜は耐熱性に優れているため、高温で陰イ
オン交換膜を使用する場合にも有利である。更に、本発
明の陰イオン交換膜は、後述の実施例から明らかなよう
に、陰イオン交換膜の欠点である樹脂からの溶出が小さ
く、アミン臭もないという利点があり、高温時のみなら
ず、常温においても利用価値が高い。
【0058】
【実施例】以下に実施例により本発明の態様を更に具体
的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以
下の実施例によって限定されるものではない。なお、以
下の実施例において、中性塩分解容量は、ダイヤイオン
マニュアル(三菱化学)に従って測定した。該交換容量
は、対イオンがCl形で測定したものである。陰イオン
交換膜の電気抵抗(単位;Ω・cm2 )は、25℃にお
ける0.5モルNaCl中で測定した。
【0059】製造例1 4−(4−ブロモブチル)スチレンの合成 窒素ガス導入管、ジムロー冷却管、枝管付き等圧滴下ロ
ート、攪拌羽根を備えた1000mlの分液ロート型4
ツ口フラスコに金属マグネシウム52.5g(2.16
グラム原子)、テトラヒドロフラン(THF)360m
lを入れ、溶液を30℃に設定した。このフラスコに滴
下ロートを用いてp−クロロスチレン251g(1.8
1モル)のTHF溶液350mlを内温が40℃以上に
ならないように、2時間かけて滴下し、p−クロロスチ
レンのグリニャール試薬を得た。
【0060】上記の反応器の下に、窒素ガス導入管、ジ
ムロー冷却管、枝管付き等圧滴下ロート、攪拌羽根を備
えた2000mlの4ツ口フラスコを連結した。この中
へ、1,4−ジブロモブタン1060g(4.91モ
ル、2.71当量/クロロスチレン)、THF600m
l、触媒Li2CuCl47.5g(0.034モル、
1.9モル%/クロロスチレン)を加え溶液を調製し
た。このフラスコの溶液中に、上記で調製したp−クロ
ロスチレンのグリニャール試薬を、室温で1時間で滴下
した。終了後、溶液を水にあけ、分液し、水相を除去し
た。有機溶媒を減圧下で留去し、その後大過剰に使用し
た1,4−ジブロモブタン(b.p.52℃/0.5m
mHg)を留去し、最後に目的物である4−(4−ブロ
モブチル)スチレン(淡黄色透明溶液,bp.115℃
/0.2mmHg)を得た。
【0061】製造例2 4−(6−ブロモヘキシル)スチレンの合成 製造例1において、1,4−ジブロモブタンの代わり
に、1,6−ジブロモヘキサンを使用した以外は、先と
同様にモノマーを合成した。真空蒸留で4−(6−ブロ
モヘキシル)スチレン(淡黄色透明溶液,bp.128
℃/0.3mmHg)を単離した。
【0062】製造例3 4−(4−ブロモブトキシメチル)スチレンの合成 300mlの4ツ口フラスコに水酸化ナトリウム20g
(0.5モル)、水20mlを加え、溶液を撹拌し均一
溶液とした。溶液を室温に戻した後、4−ヒドロキシメ
チルスチレン(m体,及びp体の混合物)13.42g
(0.1モル)、1,4−ジブロモブタン32.4g
(0.15モル)、n−テトラブチルアンモニウムブロ
マイド3.22g(0.01モル)をトルエン100m
lに溶解し、4ツ口フラスコに入れた。この混合溶液を
激しく撹拌しながら、50℃で6時間反応させた。反応
後、有機相と水相を分離し、有機相を水洗した。この有
機相に硫酸マグネシウムを加え乾燥した後、トルエンを
減圧下で留去して得た溶液をDPPH(ジフェニルピク
リル−2−ヒドラジル;重合禁止剤)存在下で真空蒸留
(沸点112〜117℃/0.6mmHg)して、無色
透明溶液を得た。4−(4−ブロモブトキシメチル)ス
チレンの収量は15.0g、収率は56%であった。
【0063】製造例4 4−(N,N−ジメチルアミノブチル)スチレンの合成 製造例1で得られた4−(4−ブロモブチル)スチレン
に大過剰の50%ジメチルアミン水溶液のメタノール溶
液を加え、30℃で5時間反応した。この反応では、生
成するモノマーの重合を禁止するため、水溶性重合禁止
剤である4−ヒドロキシ−TEMPOをモノマーに対し
て500ppm添加した。減圧下で過剰のジメチルアミ
ンを除去し、残留したジメチルアミンは塩酸で中和し、
トルエンを加え、生成したアンモニウム塩モノマー
(N,N−ジメチル−N,N−ビスビニルフェニルブチ
ルアンモニウムブロマイド)を水相から抽出した。トル
エン溶液を回収し、薄膜蒸留装置で4−(N,N−ジメ
チルアミノブチル)スチレンモノマー(沸点110℃/
0.4mmHg)を精製した。淡オレンジ色透明溶液
(空気中で酸化されやすく、着色しやすいモノマーであ
った。)
【0064】製造例5 トリメチルビニルフェニルブチルアンモニウムクロライ
ドの合成 ジムロー冷却管、攪拌羽根を備えた1Lの4ツ口フラス
コに、エタノール500ml、4−(4−ブロモブチ
ル)スチレン40g(0.167モル)、30%トリメ
チルアミン80g(0.406モル)を溶解し、30℃
で5時間反応した。終了後、減圧下でエタノールを留去
すると、白色の結晶を得た。この白色の結晶に、メタノ
ールとエタノールの混合溶媒を用いて再結晶するとトリ
メチルビニルフェニルブチルアンモニウムブロマイドの
無色鱗片状晶35gを得た。この結晶を脱塩水50ml
に溶解し、完全再生したダイヤイオンPA308 30
0mlにSV1で通液し、更に100mlの脱塩水で押
し出した。このトリメチルビニルフェニルブチルアンモ
ニウム塩の水酸化物の水溶液を、20%塩酸で中和し、
塩化物塩とした。この水溶液を減圧下で脱水し白色結晶
を得た。この結晶をEtOH−IPA(1:2)混合溶
媒を用いて晶析し、無色針状晶18gを得た。
【0065】実施例1 300mlのナスフラスコに、4−ブロモブチルスチレ
ン70g、ジビニルベンゼン(ジビニルベンゼン含有率
80%)20g、フタル酸ジオクチル10g、重合開始
剤として過酸化ベンゾイル1.0gの溶液を調製した。
この溶液を窒素ガスでバブリングして、溶存酸素を除去
した。次いで、高密度ポリエチレン製の200メッシュ
のネット上にこの溶液を塗布し、ポリエステルフィルム
を剥離剤として被覆した後、80℃で8時間重合した。
【0066】得られた高分子膜を、30%トリメチルア
ミン水溶液100gのメタノール溶液300gに浸し、
40℃で5時間反応させて、厚さ150μmの陰イオン
交換膜を得た。 中性塩分解容量(meq/g) 3.1 水分含有率(%) 26 電気抵抗Ωcm2 (0.5mol−NaCl) 3.8 輸率(電位差法) 0.96
【0067】比較例1 実施例1において、4−ブロモブチルスチレンの代わり
に、クロロメチルスチレンを用いて重合した以外は、実
施例1と同様に、高分子膜を合成した。次いで、同様に
アミノ化を行い、陰イオン交換膜を合成した。
【0068】実施例2 300mlのナスフラスコに、4−ブロモブチルスチレ
ン80g(このモノマー中には、1,4−ジビニルフェ
ニルブタンが12g含まれている)、ジビニルベンゼン
(ジビニルベンゼン含有率90%)5g、重合開始剤と
してAIBN0.7gの溶液を調製した。この溶液を窒
素ガスでバブリングして、溶存酸素を除去した。次い
で、高密度ポリエチレン製の200メッシュのネット上
にこの溶液を塗布し、ポリエステルフィルムを剥離剤と
して被覆した後、70℃で8時間重合した。
【0069】得られた高分子膜を、30%トリメチルア
ミン120gのメタノール溶液250gに浸し、40℃
で5時間反応させて、厚さ200μmの陰イオン交換膜
を得た。 中性塩分解容量(meq/g) 3.3 水分含有率(%) 34 電気抵抗Ωcm2 (0.5mol−NaCl) 4.6 輸率(電位差法) 0.97
【0070】実施例3 300mlのナスフラスコに、4−ブロモブトキシメチ
ルスチレン80g、ジビニルベンゼン(ジビニルベンゼ
ン含有率80%)22g、重合開始剤としてV−65
(和光純薬製)0.7gの溶液を調製した。この溶液を
窒素ガスでバブリングして、溶存酸素を除去した。次い
で、ポリエチレン−ポリプロピレンの100メッシュの
ネット上にこの溶液を塗布し、ポリエステルフィルムを
剥離剤として被覆した後、65℃で10時間重合した。
【0071】得られた高分子膜を、30%トリメチルア
ミン100gのメタノール溶液200gに浸し、40℃
で5時間反応させて、厚さ170μmの陰イオン交換膜
を得た。 中性塩分解容量(meq/g) 2.9 水分含有率(%) 35 電気抵抗Ωcm2 (0.5mol−NaCl) 5.5 輸率(電位差法) 0.95
【0072】実施例4 300mlのナスフラスコに、6−ブロモヘキシルスチ
レン90g、ジビニルベンゼン(ジビニルベンゼン含有
率80%)19g、NBR(Zetpol2010L
日本ゼオン製) 10g、重合開始剤として過酸化ベン
ゾイル0.6gの溶液を調製した。この溶液を窒素ガス
でバブリングして、溶存酸素を除去した。次いで、ポリ
エチレン−ポリプロピレン混合体の不織布上にこの溶液
を塗布し、ポリエステルフィルムを剥離剤として被覆し
た後、80℃で8時間重合した。得られた高分子膜を、
30%トリメチルアミン100gのメタノール溶液20
0gに浸し、50℃で5時間反応させて、厚さ150μ
mの陰イオン交換膜を得た。 中性塩分解容量(meq/g) 2.6 水分含有率(%) 25 電気抵抗Ωcm2 (0.5mol−NaCl) 6.1 輸率(電位差法) 0.95
【0073】実施例5 実施例1で得られた高分子膜を、30%トリメチルアミ
ン水溶液の代わりに、50%ジメチルアミン水溶液16
0gのジオキサン溶液300gを用いてアミノ化した以
外は、実施例1と同様に行った。厚さ200μmの陰イ
オン交換膜を得た。 中性塩分解容量(meq/g) 3.3 水分含有率(%) 21
【0074】実施例6 300mlのナスフラスコに、製造例5で得られたトリ
メチルビニルフェニルブチルアンモニウムクロライド9
0g、ジビニルベンゼン(ジビニルベンゼン含有率80
%)20g、メタノール25g、重合開始剤として2,
2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)・二
塩酸塩(商品名;V−50;和光純薬)0.6gの溶液
を調製した。この溶液を窒素ガスでバブリングして、溶
存酸素を除去した。次いで、高密度ポリエチレン製の2
00メッシュのネット上に、この溶液を塗布し、ポリエ
ステルフィルムを剥離剤として被覆した後、70℃で1
0時間重合した。得られた陰イオン交換膜は、厚さ25
0μmの陰イオン交換膜を得た。 中性塩分解容量(meq/g) 3.0 水分含有率(%) 35 電気抵抗Ωcm2 (0.5mol−NaCl) 4.7 輸率(電位差法) 0.97
【0075】実施例7 ポリエチレン−ポリプロピレン製多孔性シート(空隙率
90% 厚さ0.25mm)に、実施例4で使用したモ
ノマーの混合溶液を含浸させ、ガラス板に挟み込んだ。
このガラス板を85℃−10時間重合し、高分子膜を得
た。更に、30%トリメチルアミン水溶液のメタノール
溶液で、末端ブロム基をアミノ化し、陰イオン交換基を
導入した。 中性塩分解容量(meq/g) 2.3 水分含有率(%) 22 電気抵抗Ωcm2 (0.5mol−NaCl) 6.5 輸率(電位差法) 0.94
【0076】実施例8 実施例4で得られた陰イオン交換膜を用いて、更にその
上に弱塩基性陰イオン交換膜を積層した。製造例4で得
られたモノマーを用いて、実施例1のブロモブチルスチ
レンの代わりに、4−(N,N−ジメチルアミノブチ
ル)スチレンを用いた以外は同様に高分子膜を得た。陰
イオン交換膜の膜厚は50μmであった。この弱塩基性
陰イオン交換膜と実施例4で得られた強塩基性陰イオン
交換膜を、170℃−100Kg/cm2の条件でロー
ルプレスし積層した陰イオン交換膜を製造した。
【0077】実施例9 スチレン−ジビニルベンゼン共重合体よりなり、ポリプ
ロピレン不織布にて補強した高分子膜を、硫酸でスルホ
ン化した陽イオン交換膜(イオン形はNa形、交換容量
3.1meq/g、膜厚150μm)と4−ブロモブチ
ルスチレン−ジビニルベンゼン共重合体をトリメチルア
ミンでアミノ化した陰イオン交換膜(イオン形はCl
形、交換容量3.2meq/g、膜厚110μm)をよ
く水洗し、乾燥した。この両膜を170℃−100Kg
/cm2 でロールプレスしバイポーラ膜を製造した。バ
イポーラ膜は0.5モルNaCl中に浸せきし、電気透
析槽で評価した。
【0078】図−3で示された電気透析槽において、両
極室、中性室に15%Na2SO4水溶液を供給し、ア
ルカリ生成室には生成されるNaOHの濃度が20%と
なるように脱塩水の流量を調節して供給するとともに、
酸生成室には生成される硫酸水溶液の濃度が10%とな
るように供給するイオン交換水の量を調整した。60℃
にて電流密度10A/dm2 の電気透析を行ったとこ
ろ、バイポーラ膜による電圧降下は、1.7V、水の解
離効率は95%であった。この性能は、半年以上経過し
た後も変化は見られなかった。
【0079】実施例10 スチレン−ジビニルベンゼン共重合体よりなり、ポリプ
ロピレン不織布にて補強した高分子膜を、硫酸でスルホ
ン化した陽イオン交換膜(イオン形はNa形、交換容量
3.1meq/g、膜厚150μm)を用いて、バイポ
ーラ膜を製造した。ガラス板の上に、上記の陽イオン交
換膜、高密度ポリエチレン製の150メッシュのネット
上に実施例4で示されたモノマー溶液をキャストし、ポ
リエステルフィルムを剥離剤として被覆した後ガラス板
で挟み、80℃で10時間重合した。得られた高分子膜
を、30%トリメチルアミンのメタノール溶液に浸し、
50℃で5時間反応させて、厚さ270μmのバイポー
ラ膜を得た。更に、170℃−100Kg/cm2 でロ
ールプレスしバイポーラ膜を製造した。60℃にて電流
密度10A/dm2の電気透析を行ったところ、バイポ
ーラ膜による電圧降下は、1.5V、水の解離効率は9
5%であった。この性能は、半年以上経過した後も変化
は見られなかった。
【0080】実施例11 装置としては、図−2に示す構造であって、脱イオン室
3室、濃縮室2室よりなるものを使用した。脱イオン室
は縦580mm、横180mm、厚さ1mmで、ここ
に、強酸性陽イオン交換樹脂であるダイヤイオンR S
K1B(再生形)と、強塩基性陰イオン交換樹脂である
特開平4−349941に記載された実施例1の強塩基
性アニオン交換樹脂(再生形)を、交換容量で同容量と
なるよう両イオン交換樹脂を混合し、充填した。濃縮室
は縦580mm、横180mm、厚さ2mmで、ここに
は何も充填していない。陰イオン交換膜は、実施例1で
示された陰イオン交換膜、と実施例−8で示された陽イ
オン交換膜を用い、その寸法は縦580mm、横180
mmであった。脱塩される被処理水としては、純水にN
aCl20重量%、炭酸水素ナトリウム80重量%の割
合からなる混合物を炭酸カルシウム換算で20ppmに
相当する量を溶解した電解質溶液を用い、これを40L
/hrで、脱イオン室並びに両電極に通水した。濃縮室
にも同じ組成の溶液を通水した。上記通水と同時に、両
電極室に電極板に直流電流が500mAとなるように印
加し、脱イオン室より流出する処理水の比抵抗を測定し
た。これを3か月間連続運転を行い、試験開始直後と3
か月間経過した処理水質、及び強塩基性陰イオン交換樹
脂の中性塩分解容量を分析した。この結果を表−1に示
した。
【0081】
【表1】
【0082】実施例12 陰イオン交換膜の化学的安定
性試験 Cl形で乾燥した陰イオン交換膜10.0gを200m
lの25%−NaOH水溶液又は35%−HCl水溶液
中に入れ、30℃で2週間静置した。この溶液の試験前
後における陰イオン交換膜の化学的安定性をΔTOC
(島津製作所TOC−5000で)で評価した。
【0083】
【表2】
【0084】実施例13 陰イオン交換膜の耐熱性試験 上記の実施例で製造した陰イオン交換膜(Cl形)20
gに対して、2N−水酸化ナトリウム水溶液を1L通液
しOH形に再生した。再生した陰イオン交換膜をガラス
製オートクレーブ管に入れ、OH形の樹脂の体積の15
0mlの脱塩水を加えた。管内の溶存酸素を除去するた
め、50℃に加温した状態で窒素ガスを0.5時間通じ
た。
【0085】このオートクレーブ管をオイルバスに浸
し、120℃で1ヶ月間静置した。耐熱試験後、4%塩
化ナトリウム水溶液を500ml通液し、対イオンをC
l形に変換した。試験前後における全交換容量を測定
し、交換基の残存率とし、これを陰イオン交換膜の耐熱
性の尺度とした。結果を表−3に示した。表−1より、
本発明の陰イオン交換膜は、長期間安定して脱塩水を製
造することが可能である。表−2より、本発明の陰イオ
ン交換膜は、濃厚な酸性、塩基性条件下でも化学的安定
性に安定であり、濃厚溶液中でも安定して機能を発現す
ることが可能である。表−3より、本発明の陰イオン交
換膜は、耐熱性にも優れていることがわかる。この結
果、高温で使用する環境下でも、長期間使用することが
できる。
【0086】
【表3】
【0087】
【発明の効果】本発明の陰イオン交換膜は、耐熱性に優
れているため、高温におけるの使用、製造工程中の高過
程でも使用可能で、長期間その機能が維持される。また
化学的安定性、耐酸化性にも優れるため、酸化性雰囲気
や、高濃度溶液中でも陰イオン交換膜の機能を維持する
ことができる。さらに本発明のイオン交換膜は、樹脂か
らの溶出が少なく、反応速度に優れ、補強剤の含有率が
低い上、可とう性を有するので工業的に非常に有利に使
用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の陰イオン交換膜を用いた電気透析装
置の模式図である。
【図2】 本発明の陰イオン交換膜を用いた電位脱イ
オン装置の模式図である。
【図3】 本発明の陰イオン交換膜を用いた電位脱イ
オン装置の模式図である。
【図4】 本発明の陰イオン交換膜を用いた電気透析装
置の模式図である。
【符号の説明】
01 電気脱イオン槽本体 02 濃縮室 03 脱イオン室 11 陽イオン交換膜 12 陰イオン交換膜 20 イオン交換体(混床) 21 陽イオン交換体 22 陰イオン交換体 33、34 濃縮液 35 被処理水 36 脱イオン水 41 陽極 42 陽極室 43 陰極 44 陰極室 51 Naイオン 52 Caイオン 53 Hイオン 61 Clイオン 62 SO4 イオン 63 OHイオン 101 電気透析装置本体 102 バイポーラ膜 103、107、111、112 陽イオン交換膜 104、108 陰イオン交換膜 105 アルカリ生成室 106 酸生成室 113 陽極室 114 陰極室 115 陽極 116 陰極 121 処理水 201 電気透析装置本体 202 電解質溶液 203 脱塩水 211 陽イオン交換膜 212 陰イオン交換膜 233 濃縮液 241 陽極 242 陽極室 243 陰極 244 陰極室 246 塩素 247 水素 251 陽極液 252 陰極液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/469 C02F 1/46 103 C08F 12/28 (72)発明者 高崎 直子 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 渡辺 純哉 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 4D002 AA02 AA12 AA17 BA02 CA06 DA35 DA70 EA05 EA13 EA14 FA08 FA09 FA10 HA02 4D061 DA10 DB18 EA09 EB13 FA09 4F071 AA22C AA37C AF11C AF45C AF53C FA01 FA03 FB02 FB04 FC02 FC06 FD03 4J100 AB07P AB08P AB09P AB16Q BA02P BA03P BA29P BA31P BA32P BB01P BB03P BB05P CA01 CA04 CA31 HA31 HB43 HC43 HC44 HC46 HC63 JA16

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)及び/又は一般式
    (2) 【化1】 【化2】 (一般式(1)及び/又は一般式(2)中、Aは炭素数
    3から8の直鎖状、分岐状アルキレン基、又は炭素数4
    から8のアルコキシメチレン基を表わし、R1 、R2
    3 は水素原子、又は炭素数6以下のアルキル基、アル
    カノール基を表す)で表される繰り返し単位を構成成分
    として含有する重合体からなることを特徴とする陰イオ
    ン交換膜。
  2. 【請求項2】 少なくとも一般式(1)及び/又は一般
    式(2)で表される繰り返し単位を構成成分として含有
    する重合体からなる陰イオン交換膜と陽イオン交換膜が
    積層されてなることを特徴とする陰イオン交換膜。
  3. 【請求項3】 一つの膜内に、陽イオン交換体からなる
    連続相と、一般式(1)及び/又は一般式(2)で表さ
    れる繰り返し単位を構成成分として含有する陰イオン交
    換体からなる連続相を含有することを特徴とする陰イオ
    ン交換膜。
  4. 【請求項4】 一つの膜内に、多孔性担体材料からなる
    連続相と、少なくとも一般式(1)及び/又は一般式
    (2)で表される繰り返し単位を構成成分として含有す
    る陰イオン交換膜からなる連続相を含有することを特徴
    とする陰イオン交換膜。
  5. 【請求項5】 一般式(1)で表される繰り返し単位を
    構成成分として含有する重合体からなる陰イオン交換膜
    と、一般式(2)で表される繰り返し単位を構成成分と
    して含有する重合体からなる陰イオン交換膜が積層され
    てなることを特徴とする陰イオン交換膜。
  6. 【請求項6】 下記一般式(3)で表される架橋性陰イ
    オン交換体であって、一般式(3)中、 【化3】 (一般式(3)中、Aは炭素数3から8の直鎖状アルキ
    レン基、又は炭素数4から8のアルコキシメチレン基を
    表し、R1 、R2 、R3 はそれぞれ水素原子、又は炭素
    数6以下のアルキル基、アルカノール基から選ばれる基
    を表す。)、構成単位Pは全陰イオン交換体中5〜99
    モル%、構成単位Qは0.1〜50モル%であることを
    特徴とする陰イオン交換膜。
  7. 【請求項7】 一般式(1)及び/又は一般式(2)で
    表される繰り返し単位中、Aが炭素数3から8の直鎖状
    アルキレン基である請求項1〜5のいずれかに記載の陰
    イオン交換膜。
  8. 【請求項8】 陰イオン交換膜の膜厚が、1〜300μ
    mである請求項1〜7のいずれかに記載の陰イオン交換
    膜。
  9. 【請求項9】 少なくとも一般式(4) 【化4】 (一般式(4)中、Aは炭素数3から8の直鎖状、分岐
    状アルキレン基、又は炭素数4から8のアルコキシメチ
    レン基を表し、Zは塩素、臭素、ヨウ素、水酸基、トシ
    ル基、1級〜3級アミン又はアンモニウム基−NR1
    2 3 基を表す。ここでR1 、R2 、R3 はそれぞれ水
    素原子、又は炭素数6以下のアルキル基、アルカノール
    基から選ばれる基を表す。)で表される単量体を含有す
    る溶液を、重合開始剤の存在下、膜状に重合させた後、
    必要に応じて陰イオン交換基に変換することを特徴とす
    る陰イオン交換膜の製造方法。
  10. 【請求項10】 両端の電極間に、請求項1〜5のいず
    れかに記載の陰イオン交換膜と陽イオン交換膜が少なく
    とも1組以上挿入され、電場の存在下、イオン性物質、
    イオン電荷微粒子、着色物質、放射性物質、高分子電解
    質、アミノ酸、タンパク質を含有する水溶液、有機溶
    媒、又はその水溶液を接触させることを特徴とする脱
    塩、処理、濾過、イオン交換、濃縮、分離、反応又は精
    製方法。
  11. 【請求項11】 陽イオン交換膜、及び一般式(1)及
    び/又は一般式(2)で表される繰り返し単位を構成成
    分として含有する陰イオン交換膜を、脱塩室および塩濃
    縮室を積層的に形成した電気透析装置本体と、前記各脱
    塩室に被処理水を流入し,処理水を排出する第1の液と
    しての被処理水・処理水の流路と、前記塩濃縮室に第2
    の水液を流入・排出する第2の水液の流路と、前記電気
    透析装置本体の積層方向に対向して両端側に配置された
    陽極および陰極と、前記陽極および陰極へ印加して脱塩
    室に流入された被処理水中の溶存イオンを塩濃縮室に移
    動させる電界を与える電圧印加手段とを具備することを
    特徴とする電気透析方法。
  12. 【請求項12】陽イオン交換膜、及び一般式(1)及び
    /又は一般式(2)で表される繰り返し単位を構成成分
    として含有する陰イオン交換膜を交互に対向して配置
    し、脱塩室および塩濃縮室を積層的に形成した電気透析
    装置本体と、前記各脱塩室に被処理水を流入し,処理水
    を排出する第1の液としての被処理水・処理水の流路
    と、前記塩濃縮室に第2の水液を流入・排出する第2の
    水液の流路と、前記電気透析装置本体の積層方向に対向
    して両端側に配置された陽極および陰極と、前記陽極お
    よび陰極へ印加して脱塩室に流入された被処理水中の溶
    存イオンを塩濃縮室に移動させる電界を与える電圧印加
    手段とを具備することを特徴とする電気透析装置。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載の脱塩室内に、陽イ
    オン交換体と陰イオン交換体の混合体を充填したことを
    特徴とする電気脱イオン装置。
  14. 【請求項14】 請求項12に記載の脱塩室内に、陽イ
    オン交換体と陰イオン交換体の混合体を充填したことを
    特徴とする電気脱イオン方法。
  15. 【請求項15】 請求項1及び請求項2に記載の陰イオ
    ン交換膜を用い、陽極と陰極の間にユニットセルを複数
    個含む構成の電気透析スタックであって、該ユニットセ
    ルは陰イオン交換膜側を陽極に向け陽イオン交換膜側を
    陰極に向けたバイポーラ膜と陰イオン交換膜と2枚の陽
    イオン交換膜から成り、4つの流路を構成するものであ
    り、第1の陽イオン交換膜は請求項2に記載の陰イオン
    交換膜側に一定間隔でおかれ、第2の陽イオン交換膜は
    請求項2に記載の陰イオン交換膜側に一定の間隔でおか
    れ、それぞれ第1、第2の流路を形成し、陰イオン交換
    膜は第2の陽イオン交換膜と一定の間隔でおかれ、第3
    の流路を形成し、隣接のユニットセルの第1の陽イオン
    交換膜は陰イオン交換膜と一定の間隔でおかれ第4の流
    路を形成することを特徴とする電気透析装置。
  16. 【請求項16】 請求項1及び請求項2に記載の陰イオ
    ン交換膜を用い、電極間に多数の流路を有するユニット
    セルと陰極と陽極から構成されている電気透析槽を使用
    し、第1の陽イオン交換膜と請求項2に記載の陰イオン
    交換膜側の間に構成される第1の流路に塩基性溶液を存
    在させ、第2の陽イオン交換膜と陰イオン交換体側の間
    に構成される第2の流路にバッファー溶液を存在させ、
    陰イオン交換膜と第2の陽イオン交換膜の間に構成され
    る第3の流路に酸溶液を存在させ、隣接のユニットセル
    の第1の陽イオン交換膜と陰イオン交換膜の間に構成さ
    れる第4の流路に塩溶液を存在させ、陰極と陽極の間に
    直流電流を通電することを特徴とする電気透析法。
  17. 【請求項17】 NOx、SOx,HXを含有するガス
    を水溶液と接触させ、溶解性の亜硫酸塩、重亜硫酸塩、
    硫酸鉛、ハロゲン化水素塩、硝酸塩、亜硝酸塩の水溶液
    を形成させ、陽イオン交換膜、及び一般式(1)及び/
    又は一般式(2)で表される繰り返し単位を構成単位と
    して含有する該陰イオン交換膜からなる電気透析装置で
    酸及び/又はアルカリを回収することを特徴とする排ガ
    スの処理方法。
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