JP6958937B2 - 電気透析装置および逆電気透析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電気透析装置および逆電気透析装置に関し、より詳細には、非対称イオン交換膜を使用した電気透析装置および逆電気透析装置に関する。
陰イオン交換膜や陽イオン交換膜といったイオン交換膜は、電気透析や逆電気透析に利用されている。電気透析では、陰イオン交換膜と陽イオン交換膜を交互に配列して脱塩室と濃縮室を構成する。それぞれの室に例えば海水を供給して電流を流すと、脱塩水と濃い塩水とを作り出すことができる。電気透析は、海水からの食塩製造、醤油やオリゴ糖等食品分野における脱塩、最終処分場浸出水の脱塩・濃縮、工程廃液の脱塩・濃縮、アルミサッシ酸洗酸廃液の回収、アルカリ廃液の回収などに利用される技術である。
逆電気透析は、電気透析と同様に陰イオン交換膜と陽イオン交換膜を交互に配列し、希薄室と濃厚室を構成し、希薄室には低濃度電解質溶液を、濃厚室には高濃度電解質溶液を供給することで、濃度差エネルギーをイオン交換膜により電力に変換する技術である。逆電気透析は、例えば河川から採取した淡水と海から採取した海水を用いての発電に利用することができる。また、海水と、蒸留法や逆浸透法による海水淡水化設備から排出される、海水より高濃度の濃縮海水とを利用することもできる。
これまで電気透析や逆電気透析の効率を上げるために様々な改良が試みられてきた。例えば特許文献1では、所定の不織布シートを用い、かかる不織布シートの一方の表面にイオン交換樹脂層を設けた非対称イオン交換膜が開示されている。特許文献1の非対称イオン交換膜は、強度や寸法・形状安定性等に優れている。更に、イオン交換樹脂が不織布シートにしっかり固定されるとともに不織布シート表面のイオン交換樹脂層の厚みが薄く均一になっているので、膜特性にばらつきがなく、膜抵抗の低減化が実現されている。
特開2012−40508号公報
このように特許文献1の非対称イオン交換膜はそれ自体非常に有用なものであるが、かかるイオン交換膜を使って電気透析装置を量産した際に、中には、処理効率(脱塩能力)が設計値を下回る装置が生じるという問題があった。
従って、本発明の目的は、安定して高効率で電気透析または逆電気透析を行うことができる、電気透析装置および逆電気透析装置を提供することである。
本発明者らは、非対称イオン交換膜の特性について鋭意研究を行ったところ、非対称イオン交換膜は、異なる電気伝導度の電解質溶液に挟まれているときに、膜の厚さ方向の向きによって、即ち、イオン交換樹脂層が形成されている方の面が高い電気伝導度の電解質溶液に接しているか、または低い電気伝導度の電解質溶液に接しているかによって電気抵抗に差異があることを発見し、本発明に至った。
本発明によれば、陰極と陽極の間の空間にイオン交換膜が配置され、更に、該イオン交換膜によって脱塩室と濃縮室が形成されている電気透析装置において、前記イオン交換膜は、多孔性基材の一方の表面にイオン交換樹脂層が形成された非対称イオン交換膜であり、前記非対称イオン交換膜が、イオン交換樹脂層が形成されている方の面が脱塩室側となるように設置されていることを特徴とする電気透析装置が提供される。
本発明の電気透析装置においては、
(1)前記多孔性基材が不織布であること、
(2)陰極板と陽極板との間の空間に、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とが交互に配置され、陽極板側の陰イオン交換膜と陰極板側の陽イオン交換膜との間に脱塩室が形成され、陽極板側の陽イオン交換膜と陰極板側の陰イオン交換膜との間には濃縮室が形成されていること、
(3)脱塩室及び濃縮室を形成する全てのイオン交換膜が、非対称イオン交換膜であり、且つ、イオン交換樹脂層が形成されている方の面が脱塩室側となるように設置されていること、
が好ましい。
本発明によれば、前記電気透析装置を用い、脱塩室に電解質溶液を供給し、濃縮室に、脱塩室に供給する電解質溶液より高濃度の電解質溶液を供給することを特徴とする電気透析方法も提供される。本発明の電気透析方法においては、脱塩室に供給する電解質溶液が、0.05〜100mS/cmの電気伝導率(25℃)を有していることが好ましい。
また、本発明によれば、負極と正極の間の空間にイオン交換膜が配置され、更に、該イオン交換膜によって希薄室と濃厚室が形成されている逆電気透析装置において、前記イオン交換膜は、多孔性基材の一方の表面にイオン交換樹脂層が形成された非対称イオン交換膜であり、前記非対称イオン交換膜が、イオン交換樹脂層が形成されている方の面が希薄室側となるように設置していることを特徴とする逆電気透析装置が提供される。
本発明の逆電気透析装置においては、
(1)前記多孔性基材が不織布であること、
(2)負極板と正極板との間の空間に、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜が交互に配置され、正極板側の陰イオン交換膜と負極板側の陽イオン交換膜の間に希薄室が形成され、正極板側の陽イオン交換膜と負極板側の陰イオン交換膜の間には濃厚室が形成されていること、
(3)希薄室及び濃厚室を形成する全てのイオン交換膜が、非対称イオン交換膜であり、且つ、イオン交換樹脂層が形成されている方の面が希薄室側となるように設置されていること、
が好ましい。
本発明によれば、前記逆電気透析装置を用い、希薄室に電解質溶液を供給し、濃厚室に、希薄室に供給する電解質溶液より高濃度の電解質溶液を供給することを特徴とする逆電気透析方法が提供される。本発明の逆電気透析方法においては、希薄室に供給する電解質溶液が、0.005〜1mS/cmの電気伝導率(25℃)を有することが好ましい。
本発明の電気透析装置では、非対称イオン交換膜を、イオン交換樹脂層側が脱塩室に向くように設置している。これにより、本発明の電気透析装置は、一定の電流を流した時の処理効率(脱塩能力)を最大限に且つ安定に発揮することができる。
同様に、本発明の逆電気透析装置でも、非対称イオン交換膜のイオン交換樹脂層側は希薄室に向くように設置されている。これにより、本発明の逆電気透析装置を発電に利用すると、最大限の発電効率(最高出力)を安定的に発揮させることができる。
このように本発明の電気透析装置および逆電気透析装置{以下、(逆)電気透析装置と略称することがある。}の効率が非常に高く、しかも装置ごとのバラつきも有効に抑制されている理由は定かではないが、本発明者等は以下のように推測している。即ち、これまで非対称イオン交換膜の向きは意識されていなく、電気透析の場合、非対称イオン交換膜のイオン交換樹脂層側の面が脱塩室に向いていたり、多孔性基材側の面が脱塩室に向いていたりとバラバラであった。多孔性基材側の面が脱塩室に向いているとき、多孔性基材の間隙に、低濃度の電解質溶液が浸入する。多孔性基材そのものはイオン伝導性を有さないため、かかる低濃度の電解質溶液が浸入した領域は高抵抗領域となる。かくして、低濃度の電解質溶液が多孔性基材内にある状態で電気透析を行うと、均質(対称)イオン交換膜を用いた場合や多孔性基材層が濃縮室を向いている場合に比べて、電気透析装置の電気抵抗が高くなる。しかも、電気透析装置では、通常、複数枚のイオン交換膜を使用して複数の脱塩室・濃縮室を設けるので、多孔性基材側が脱塩室に向いた状態で配置された非対称イオン交換膜の数が多いほど電気抵抗が大きくなり、装置全体の処理効率は低くなる。また、多孔性基材側が脱塩室を向いている非対称イオン交換膜の数が変動すると、装置ごとの処理効率も違って性能のバラツキを生じる。
しかしながら、本発明の電気透析装置においては、イオン交換樹脂層側が脱塩室側となり、多孔性基材側が濃縮室側となるように非対称イオン交換膜を設置するので、イオン交換膜の高電気抵抗化は回避され、装置ごとの処理効率のバラつきも抑制されている。
かかる非対称イオン交換膜の向きと効率の関係は、逆電気透析装置の場合も同様と考えられ、即ち、逆電気透析装置でも、通常、複数枚のイオン交換膜を使用して複数の希薄室・濃厚室を設けるところ、多孔性基材側が希薄室に向いた状態で配置された非対称イオン交換膜の数が多いほど、装置全体の発電効率は低くなる。また、多孔性基材側が希薄室を向いている非対称イオン交換膜の数が違うと、装置ごとの発電効率も違ってくる。しかしながら、本発明の逆電気透析装置においては、イオン交換樹脂層側が希薄室側となり、多孔性基材側が濃厚室側となるように非対称イオン交換膜を設置するので、イオン交換膜の高電気抵抗化は回避され、装置ごとの発電効率のバラつきも抑制されている。なお、かかる効果は逆電気透析装置においてより顕著となる。発電出力を増すために、逆電気透析装置の希薄室の電解質濃度は、電気透析装置の脱塩室の電解質濃度よりも低いのが一般的であるためである。
電気透析の原理を説明するための概略図である。 本発明の電気透析装置の構造を説明するための概略分解図である。 逆電気透析の原理を説明するための概略図である。
本発明は、電気透析装置および逆電気透析装置に関する。本発明の(逆)電気透析装置では、非対称イオン交換膜を使用する。
<非対称イオン交換膜>
非対称イオン交換膜は、多孔性基材の一方の表面にイオン交換樹脂を含浸させることで、多孔性基材の一方の面にイオン交換樹脂層が形成された構造を有する、陰イオン交換膜または陽イオン交換膜である。非対称イオン交換膜の他方の面は、多孔性基材が露出した状態となっている。本発明の(逆)電気透析装置では、公知の非対称イオン交換膜を何ら制限なく使用することができる。
多孔性基材としては、公知の多孔性フィルム、ネット、編物、織布、不織布などを使用することができる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体等の樹脂からなる多孔性フィルム、ネット、編物、織布、不織布を使用することができる。
本発明の効果を最大限に発揮するという観点から、不織布が好適である。不織布では繊維が密に絡まっているので、イオン交換樹脂層を強固に密着させることができ、また、不織布は安価である。さらに、不織布は多孔性が大きいため、不織布への低濃度電解質溶液の浸入量が多くなり、非対称イオン交換膜の配置方向の違いによる不織布の高電気抵抗化の影響が顕著に表れる。
多孔性基材の多孔性は、JISL1913の通気性試験による測定される通気度で計ることができ、1.0〜1000cm/cm・secの範囲であるのが好ましく、特に5.0〜500cm/cm・secの範囲であるのが好ましい。通気度が大きすぎると、得られるイオン交換膜の強度が低下し、小さすぎると、イオン交換膜の抵抗が高くなる。
不織布としては、繊維径1〜30μm、特に3〜20μmの繊維から形成されるものが好ましい。繊維径が大きすぎると、不織布表面の平滑性が損なわれてアンカー効果を十分に発揮できなくなり、イオン交換樹脂層をしっかり保持できない虞がある。繊維径が小さすぎると、不織布の強度が低下する虞がある。
不織布の目付量としては、適量のイオン交換樹脂を不織布に含浸させる観点から、1〜100g/mが好ましく、5〜50g/mが特に好ましい。不織布の厚みは5〜200μmが好ましく、10〜100μmが特に好ましい。
不織布は、単層構造でもよいが、積層構造でもよい。
上述した多孔性基材上に形成されるイオン交換樹脂層は、有機溶媒に溶解し塗布により成形可能なイオン交換樹脂により形成されるものである。例えば、ビニル系、スチレン系、アクリル系等のエチレン系不飽和二重結合を有する単量体を重合して得られるポリマー、または、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルスルホン、ポリベンズイミダゾールなどの主鎖に芳香環を含有するポリマー、さらには、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロック共重合体、ポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−ポリスチレントリブロック共重合体、ポリスチレン−ポリイソプレンブロック共重合体やその水素添加物などのスチレン系エラストマーなどの炭化水素系の樹脂に、イオン交換能を発現させるイオン交換基、具体的には、カチオン交換基或いはアニオン交換基が導入された構造を有するものである。
イオン交換基は、水溶液中で負又は正の電荷となり得る官能基であり、カチオン交換基の場合には、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基等が挙げられ、一般的に、強酸性基であるスルホン酸基が好適である。また、アニオン交換基の場合には、1〜3級アミノ基、4級アンモニウム基、ピリジル基、イミダゾール基、4級ピリジニウム基等が挙げられ、一般的に、強塩基性である4級アンモニウム基や4級ピリジニウム基が好適である。
具体的な陽イオン交換樹脂の例としては、α−ハロゲン化ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸等のスルホン酸系単量体、メタクリル酸、アクリル酸、無水マレイン酸等のカルボン酸系単量体、ビニルリン酸等のホスホン酸系単量体、それらの塩類或いはエステル類等を重合させることにより得られたポリマーが挙げられる。さらには、前述した、主鎖に芳香環を含有するポリマーやスチレン系エラストマーにスルホン酸基などのカチオン交換基を導入したポリマーが挙げられる。カチオン交換基量がコントロールし易く、有機溶剤からの成形性に優れるという観点から、主鎖に芳香環を含有するポリマーにカチオン交換基を導入したポリマーがより好ましい。
具体的な陰イオン交換樹脂の例としては、ビニルベンジルトリメチルアミン、ビニルベンジルトリエチルアミン等のアミン系単量体、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の含窒素複素環系単量体、それらの塩類或いはエステル類を重合させることにより得られたポリマーを挙げることができる。これらは、単量体の重合前後にアミノ化やメチル化して用いることもできる。また、前述した、主鎖に芳香環を含有するポリマーやスチレン系エラストマーに、クロロメチル基やブロモブチル基などのハロゲノアルキル基を導入し、次いで該ハロゲノアルキル基を4級アミノ化してアニオン交換基を導入したポリマーが挙げられる。アニオン交換基量がコントロールし易く、有機溶剤からの成形性に優れるという観点から、主鎖に芳香環を含有するポリマーまたはスチレン系エラストマーにアニオン交換基を導入したポリマーがより好ましい。
これらのイオン交換樹脂は、有機溶媒に溶解した溶液を調製することができる限りにおいて、架橋構造が導入されていてもよく、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルスルホン、ブタジエン、クロロプレン、ジビニルビフェニル、トリビニルベンゼン類、ジビニルナフタリン、ジアリルアミン、ジビニルピリジン等のジビニル化合物に代表される多官能性単量体によって架橋されていてもよい。
他の単量体、例えば、スチレン、アクリロニトリル、メチルスチレン、アクロレイン、メチルビニルケトン、ビニルビフェニル等が共重合されている共重合体であってもよい。
また、多孔性基材上にこれらのイオン交換樹脂層を形成させ、その後、例えば、スルホン酸基同士を熱架橋させるなどの方法で架橋構造を導入することもできる。
上記のようなイオン交換樹脂は、膜抵抗の低減化の観点、電解質溶液への溶解防止の観点および膨潤抑制の観点から、そのイオン交換容量が0.5〜3.0meq/g、特に0.8〜2.0meq/gの範囲にあることが好ましい。従って、このようなイオン交換容量となるように、カチオン交換基或いはアニオン交換基が導入されていることが好ましい。
<非対称イオン交換膜の製造>
非対称イオン交換膜は、前述した多孔性基材表面に塗布法によりイオン交換樹脂層を形成することにより製造される。
塗布法によるイオン交換樹脂層の形成には、前述したイオン交換樹脂の有機溶媒溶液が使用されるが、代わりに、イオン交換樹脂前駆体の有機溶媒溶液を使用することもできる。イオン交換樹脂前駆体は、イオン交換基導入可能な官能基を有するポリマーである。
カチオン交換基導入用官能基を有するポリマーの例としては、スチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、α−ハロゲン化スチレン類等の単量体を重合して得られるものを挙げることができる。また、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロック共重合体、ポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−ポリスチレントリブロック共重合体、ポリスチレン−ポリイソプレンブロック共重合体やその水素添加物などのスチレン系エラストマーも、カチオン交換基を導入可能な官能基を有するポリマーとして挙げられる。
アニオン交換基導入用官能基を有するポリマーの例としては、スチレン、ビニルトルエン、クロロメチルスチレン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン等の単量体を重合して得られるものを挙げることができる。さらには、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンオキシド、ポリエーテルスルホン、ポリベンズイミダゾールなどの主鎖に芳香環を含有するポリマー、さらには、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロック共重合体、ポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−ポリスチレントリブロック共重合体、ポリスチレン−ポリイソプレンブロック共重合体やその水素添加物などのスチレン系エラストマーもアニオン交換基を導入可能な官能基を有するポリマーとして挙げられる。
勿論、これらのイオン交換樹脂前駆体は、有機溶媒に溶解し得る限りにおいて、前述したジビニル化合物等の多官能性単量体を共重合させることによって架橋構造が導入されたものであってもよいし、必要により、他の単量体が共重合されていてもよい。
このようなイオン交換樹脂前駆体の有機溶媒溶液を用いる場合は、かかる溶液に、通常、イオン交換基導入剤を含有させておき、樹脂層の形成と並行してイオン交換基の導入が実施される。イオン交換基導入剤としては、例えば、ポリアルキルベンゼンスルホン酸(例えば、1,3,5−トリメチルベンゼン−2−スルホン酸、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン−3−スルホン酸、1,2,3,4,5−ペンタメチルベンゼン−6−スルホン酸等)、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−オクタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチル−1,6−ヘキサンジアミンなどが挙げられる。あるいは、イオン交換樹脂前駆体の樹脂層を作製した後、上記イオン交換基導入剤で処理してイオン交換基を導入しても良い。
イオン交換樹脂またはイオン交換樹脂前駆体の有機溶媒溶液の調製に用いる有機溶媒としては、上述したポリマーを溶解し得るものであれば特に制限されない。乾燥によって容易に除去できるという観点から、エチレンクロライド、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、メチルアルコール、酢酸ブチル、酢酸エチル、トルエン、メチルエチルケトンなどが1種単独で或いは2種以上を混合した混合状態で好適に使用される。
有機溶媒の使用量は、後述する手段による塗布に適した範囲とすべきであり、例えば、有機溶媒溶液の粘度(25℃)が0.5〜80dPa・s、特に1.0〜60dPa・sの範囲となる量で有機溶媒を使用することが好ましい。粘度が高すぎると、多孔性基材に塗布又は重ね合せた時に浸透が遅く、十分な接着性を得るのに時間がかかる。粘度が低すぎると、樹脂溶液が不織布に過度に浸透しやすく、表面のイオン交換樹脂層が形成できなくなる。
多孔性基材上へのイオン交換樹脂層の形成は、上記のように調製されたイオン交換樹脂またはイオン交換樹脂前駆体の有機溶媒溶液を直接多孔性基材上に塗布することでも形成できるが、非対称構造を安定して得られる点で以下の方法が好ましい。
先ず、剥離フィルムを用意し、この剥離フィルム上に、上記で調製された成膜用有機溶媒溶液を塗布し、該有機溶媒溶液の塗布層を形成する。次いで、この塗布層を、多孔性基材の一方側の表面に転写してイオン交換樹脂層とする。
剥離フィルムは、最終的に形成されるイオン交換樹脂層と接着しないようなものであり、塗布層中の有機溶媒に溶解せず、最後に容易に剥離し得るようなものであれば、その種類や厚みを問わないが、一般的には、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルムが好適に使用される。
剥離フィルム上への有機溶媒溶液の塗布は、公知の手段で行うことができ、例えば、ドクターブレードコート、ナイフコート、ロールコート、バーコートなどにより塗布することができる。
塗布層形成後、完全に乾燥する前に、塗布層表面に多孔性基材を重ね合せて保持する。重ね合わせは、多孔性基材への有機溶媒溶液の浸透を促進させるために、適宜加圧下で行ってもよい。加圧は、ローラプレス等により行うことができ、加圧圧力は、一般に、塗布層が過度に圧縮されない程度の範囲に設定される。
上記のようにして多孔性基材を重ね合わせて、塗布層を多孔性基材に浸透させた後、該塗布層を乾燥して有機溶媒を除去し塗布層を固化する。イオン交換樹脂の有機溶媒溶液を用いた場合、これにより、イオン交換樹脂層が形成される。乾燥は、多孔性基材等が溶融してフィルム化しない程度の温度での加熱乾燥、減圧乾燥、送風乾燥などにより行うことができる。
イオン交換基導入剤を含むイオン交換樹脂前駆体の有機溶媒溶液を用いた場合もまた、上記の加熱乾燥によりイオン交換基の導入は完了する。イオン交換基導入剤を含まないイオン交換樹脂前駆体の有機溶媒溶液を用いて塗布層を形成した場合は、上記の乾燥によって得られる層はイオン交換樹脂前駆体の層であるため、乾燥後にイオン交換基の導入処理を行う必要がある。
イオン交換基の導入は、それ自体公知の方法で行われ、例えば、カチオン交換膜を製造する場合には、スルホン化、ホスホニウム化、加水分解等の処理により行われる。アニオン交換膜を製造する場合には、アミノ化、アルキル化等の処理により行われる。即ち、上記処理を行うための処理剤の溶液を、乾燥により得られたイオン交換樹脂前駆体の塗布層と接触せしめて交換基導入反応を行い、次いで、洗浄及び乾燥を行うことにより、イオン交換樹脂層を形成することができる。
また、上記の方法で多孔性基材上にイオン交換樹脂層やイオン交換樹脂前駆体層を形成させた後、必要により架橋構造を導入することもできる。架橋構造は、それ自体公知の方法で導入することができ、例えば、カチオン交換膜の場合にはスルホン酸基同士の熱架橋によって導入することができる。アニオン交換膜の場合にはクロロメチル基を含有するイオン交換樹脂前駆体層にN,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンなどのジアミン化合物を作用させる方法が例示される。
上記架橋構造の導入は、下出の剥離フィルムの剥離後に行うことも可能である。
以上のようにしてイオン交換樹脂層を形成した後、剥離フィルムを引き剥がし、これにより、目的とする非対称イオン交換膜を得ることができる。
以上のようにして得られる非対称イオン交換膜は、用いる多孔性基材やイオン交換樹脂の性状によっても異なるが、イオン交換容量が、通常、0.1〜2.0meq/g−乾燥膜であり、好ましくは0.2〜1.5meq/g−乾燥膜となるように作成される。
また、輸率は、通常、0.9〜0.99、好ましくは0.93〜0.98であり、膜抵抗は、通常、0.1〜3.0Ω・cm、好ましくは、0.2〜2.0Ω・cmであり、破裂強度は、通常、50〜1000kPa、好ましくは100〜800kPaとなるように作製される。
イオン交換樹脂は不織布等の多孔性基材の内部(空隙部)に食い込んでいる。その厚みを厳密に規定することは難しいが、1〜10μm、特に2〜5μmの範囲で多孔性基材内部に食い込んでいることがイオン交換樹脂層と多孔性基材の接着性の観点から好ましい。また、イオン交換樹脂層の厚み(多孔性基材表面より上に存在している樹脂層の厚み)は、イオン選択性と抵抗のバランスの観点から、1〜50μm、特に2〜10μmの範囲であることが好ましい。
<電気透析>
上述した非対称イオン交換膜が使用された本発明の電気透析装置について説明する。電気透析の原理を、図1を参照しながら説明する。本発明の電気透析装置1では、陰極10と陽極11との間の空間に陽イオン交換膜Cと陰イオン交換膜Aが交互に配置されており、これらのイオン交換膜の間にイオン交換室が形成されている。このイオン交換室は、脱塩室13及び濃縮室15からなる。脱塩室13は、陽イオン交換膜Cと、この陽イオン交換膜Cに対して陽極11側に位置している陰イオン交換膜Aとからなる。濃縮室15は、陰イオン交換膜Aと、この陰イオン交換膜Aに対して陽極11側に位置している陽イオン交換膜Cとからなる。従って、複数の脱塩室13と濃縮室15が交互に配列された構造となっている。
尚、本明細書では、一番端のイオン交換室(脱塩室13、濃縮室15)と電極(陰極10、陽極11)の間に存在し、イオン交換室と電極室を隔離しているイオン交換膜を、電極隔膜17と呼ぶものとする。
このような構造の電気透析装置において、例えば陽極11と陰極10との間に電圧を印加し、脱塩室13にNaCl等の塩を含む処理液19を循環して供給し且つ濃縮室15には電解質溶液21を循環しながら供給し通電せしめると、処理液19中の陽イオン(図1ではNa)は、陽イオン交換膜Cを通って陰極10側に隣接している濃縮室15に移行する。一方、処理液中の陰イオン(図1ではCl)は、陰イオン交換膜Aを通って陽極11側に隣接している濃縮室15に移行する。このようにして、脱塩室13に循環して供給されている処理液中から脱塩が行われ、低濃度の電解質溶液が脱塩生成物として回収され、一方で、濃縮室15に循環して供給されている電解質溶液中の塩濃度は次第に上昇していき、最終的には高濃度の電解質溶液が濃縮生成物として回収されることとなる。
上記のような電気透析を行うための本発明の電気透析装置は、公知の構造を有していればよく、図2に示されているように、ガスケットスペーサー30が多数重ねて配置されており、これらのガスケットスペーサー30の間に陽イオン交換膜Cおよび陰イオン交換膜Aが、図1に示されている構造となるように交互に挟持される。尚、図2において、ガスケットスペーサーのネットは省略している。このような配置の電気透析装置では、各ガスケットスペーサー30内の空間(ガスケット枠31で囲まれた空間)が前述したイオン交換室(脱塩室13または濃縮室15)となっている。
各ガスケットスペーサーのガスケット枠31には、脱塩室13に供給する処理液及び脱塩室13から排出される脱塩生成物(低濃度の電解質溶液)を流すための連通孔33,33と、濃縮室15に供給する電解質溶液及び濃縮室15から排出される濃縮生成物(高濃度の電解質溶液)を流すための連通孔35,35が形成されている。
さらに、脱塩室13となる空間を有するガスケットスペーサーのガスケット枠31には、上記の連通孔33と脱塩室13となる空間を繋ぐ配流部37が形成されている。同様に、濃縮室15となる空間を有するガスケットスペーサーのガスケット枠31には、上記の連通孔35と濃縮室15となる空間を繋ぐ配流部39が形成されている。即ち、これらの連通孔33,35から配流部37,39を介して脱塩室13または濃縮室15に液が供給され、さらに脱塩室13または濃縮室15に供給された液が、配流部37または39を介して連通孔33または35に排出されるような構造となっている。
上述した構造の電気透析装置において、ガスケットスペーサー30の間にイオン交換膜が挟持され、このガスケットスペーサー30によって、隣り合うイオン交換膜同士の接触が有効に防止されている。また、上記の連通孔33,35に液を流すために、ガスケットスペーサー30の間に挟持されるイオン交換膜には、これらに対応して開口33’および35’が形成されている(図2参照)。即ち、連通孔33,35に処理液及び電解質溶液を循環して流しながら通電を行うことにより、脱塩室13で脱塩が行われ、濃縮室15を流れる液の塩濃度が次第に上昇していくこととなる。
既に述べたように、本発明者等が鋭意検討を行った結果、電気透析においては、非対称イオン交換膜である陽イオン交換膜Cと陰イオン交換膜Aの設置方向が処理効率を大きく左右するという新たな知見が得られた。よって、本発明では、図1に示されているように、使用する非対称イオン交換膜をイオン交換樹脂層40が形成されている方の面が脱塩室13側となるように設置することで、処理効率を十分に発揮させている。
本発明の電気透析装置においては、電極隔膜を含めてイオン交換膜を少なくとも4枚以上使用することが好ましく、10枚以上使用することが、以下の理由で特に好ましい。多数のイオン交換膜を用いた大型電気透析装置では処理能力を大きくすることができ、更に、非対称イオン交換膜の向きによる処理効率の変動が顕著にあらわれる。
イオン交換膜としては、非対称イオン交換膜だけを使用してもよいが、非対称イオン交換膜と対称イオン交換膜を併用してもよい。対称イオン交換膜としては公知のものを使用すればよい。脱塩室13および濃縮室15を形成するイオン交換膜のうち50%以上が非対称イオン交換膜であることが好ましく、全てが非対称イオン交換膜であることが、以下の理由で特に好ましい。電気透析装置が、処理効率を最大限に発揮することができ、また、装置を量産したときに装置毎の処理効率のバラツキを有効に抑制できる。
かかる構造を有する本発明の電気透析装置は、ナトリウムやリチウム等のハロゲン化物等を含む電解質溶液を供給して利用する。電解質溶液の溶媒は、一般には水であり、有機溶媒が含まれていてもよい。電解質溶液には脱塩対象である処理液も含まれる。例えば本発明の電気透析装置を製塩に利用する場合であれば、脱塩室と濃縮室に海水を供給すればよい。また、オリゴ糖やしょうゆ等の食品分野における脱塩に利用する場合であれば、脱塩室に処理液を供給し、濃縮室には処理液とは別の電解質溶液を供給すればよい。
本発明の効果が最大限に発揮されるという観点からは、脱塩室に電解質溶液を供給し、濃縮室に、脱塩室に供給する電解質溶液より高濃度の電解質溶液を供給することが好ましい。脱塩室に供給する電解質溶液としては、0.05〜100mS/cmの電気伝導率(25℃)を有するものが好ましく、0.1〜50mS/cmの電気伝導率(25℃)を有するものがより好ましく、0.2〜10mS/cmの電気伝導率(25℃)を有するものが特に好ましい。脱塩室に供給される電解質溶液の濃度が薄い方が本発明の効果が顕著に発揮され、一方で、脱塩室の電解質溶液があまりに薄いと溶液抵抗が極端に高くなり通電が困難となるためである。通常、これらの脱塩室電解質溶液は電気透析により0.1〜10.0mS/cmまで脱塩される。濃縮室に供給する高濃度の電解質溶液としては、1〜1000mS/cmの電気伝導率(25℃)を有するものが好ましく、2〜500mS/cmの電気伝導率(25℃)を有するものが特に好ましい。電気伝導率は、JIS K 0130:2008に準拠した方法により測定される。
電解質溶液の濃度は、電気伝導率が上述の範囲内となるように、適宜決定される。
<逆電気透析>
上述した非対称イオン交換膜を使用した本発明の逆電気透析装置について図3を参照して説明する。本発明の逆電気透析装置50でも、電気透析装置の場合と同様、負極51と正極53の間に陽イオン交換膜Cと陰イオン交換膜Aが交互に配置されている。これにより、本発明の逆電気透析装置50では、希薄室55と濃厚室57が形成されている。具体的には、希薄室55は、陽イオン交換膜Cと、この陽イオン交換膜Cに対して正極側に位置する陰イオン交換膜Aとからなる。濃厚室57は、陰イオン交換膜Aと、この陰イオン交換膜Aに対して正極側に位置する陽イオン交換膜Cとからなる。その結果、複数の希薄室55と濃厚室57が交互に配置されている。
このような構造の本発明の逆電気透析装置においては、希薄室55に低濃度の電解質溶液59(例えば河川水、下水処理水)を供給し、濃厚室57に高濃度の電解質溶液61(例えば海水)を供給し、負極51と正極53を電気機器63を介してつなぐと、希薄室55と濃厚室57の間に膜電位が発生し、この膜電位を駆動力として電流が流れ発電をすることができる。この時、負極51と正極53の間に設けられた濃厚室57の陽イオン(図3ではNa)は陽イオン交換膜Cを通って希薄室55へ移動し、陰イオン(図3ではCl)は陰イオン交換膜Aを通ってもう一方の隣接する希薄室55に移動する。
本発明の逆電気透析装置としては、このような原理による限り、公知の構造を有することができる。例えば、図2に示されたフィルタープレス型の電気透析装置と同じ構造の装置を逆電気透析装置として利用することができる。即ち、脱塩室に相当する室を希薄室とし、濃縮室に相当する室を濃厚室とし、正極(図2では陽極)と負極(図2では陰極)を電気機器等につないで各室に通液をすると発電することができる。
本発明の逆電気透析装置でも、電気透析装置と同様に、使用する非対称イオン交換膜をイオン交換樹脂層が形成されている方の面が希薄室側となるように設置することが大切である。
本発明の逆電気透析装置においては、電極隔膜を含めてイオン交換膜を少なくとも4枚以上使用することが好ましく、10枚以上使用することが、以下の理由で特に好ましい。多数のイオン交換膜を用いた大型逆電気透析装置ではより大きな出力を得ることができ、更に、非対称イオン交換膜の向きによる発電効率の変動が顕著にあらわれる。
イオン交換膜としては、非対称イオン交換膜だけを使用してもよいが、非対称イオン交換膜と対称イオン交換膜を併用してもよい。対称イオン交換膜としては公知のものを使用すればよい。希薄室および濃厚室を形成するイオン交換膜のうち50%以上が非対称イオン交換膜であることが好ましく、全てが非対称イオン交換膜であることが、以下の理由で特に好ましい。最大限の発電効率を実現することができ、また、装置を量産したときに装置毎の発電効率のバラツキを有効に抑制できる。
かかる構造を有する本発明の逆電気透析装置には、所望の電解質溶液を供給し、発電をすればよい。例えば、希薄室55には、河川水、下水処理水等の電解質溶液を供給すればよい。濃厚室57には、海水、濃縮海水等、希薄室に供給する電解質溶液より高濃度の電解質溶液を供給すればよい。好ましくは、希薄室55に電気伝導率が0.005〜1mS/cmの、特に0.01〜0.8mS/cmの電解質溶液を供給する。また、好ましくは、濃厚室57に電気伝導率が0.05〜200mS/cm、特に0.1〜150mS/cmの電解質溶液を供給する。逆電気透析の電圧は希薄室と濃厚室の濃度比に比例して増大するため、希薄室の濃度をより小さくすることが出力を増大させるために有利である。一方で、濃厚室には安価で豊富に存在する、海水、あるいは海水の2〜3倍程度の濃縮海水が供給されるのが一般的である。かかる濃厚室濃度の制限のため、逆電気透析の希薄室濃度は、一般に、電気透析の希釈室濃度よりも低く設定される。
低濃度の電解質溶液は、不織布などの多孔性基材に含浸・滞留したときに多孔性基材の抵抗増大を引き起こしやすいので、低濃度の電解質溶液を使う逆電気透析では本発明の効果が著しく発揮される。
電解質溶液の濃度は、電気伝導率が上述の範囲内となるように、適宜決定される。
本発明の(逆)電気透析装置は、発明の本質を変更しない限り、適宜設計変更してもよい。例えば、一番端のイオン交換室と電極とを隔てる電極隔膜として、強度や融点の観点、および、電極で生成する物質の膜への影響を考慮する観点から、対称イオン交換膜を使用してもよい。電極隔膜としては、非対称あるいは対称イオン交換膜を1枚で使用してもよいし、複数枚を使用してもよい。
以下、本発明の実施の形態について、実施例により具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、実施例の中で説明されている特徴の組み合わせすべてが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
実施例および比較例におけるイオン交換膜の特性は、次のような測定により求めた。
(電気抵抗測定)
白金黒電極板を有する2室セル中に、イオン交換膜を挟み、イオン交換膜の両側に0.5mol/lの塩化ナトリウム水溶液を満たし、交流ブリッジ(周波数1000サイクル/秒)により25℃における電極間の抵抗を測定した。このときの電極間抵抗とイオン交換膜を設置しない場合に測定された電極間抵抗との差を膜抵抗とした。
尚、上記測定に使用するイオン交換膜としては、あらかじめ0.5mol/lの塩化ナトリウム水溶液中で平衡にしたものを用いた。
(輸率測定)
有効通電面積4cmの非対称カチオン交換膜または非対称アニオン交換膜で隔てられた二室型のアクリル製セルの、多孔性基材側に0.5mol/L−塩化カリウム水溶液100mlを、また、非対称イオン交換膜のイオン交換樹脂層側に0.1mol/L−塩化カリウム水溶液を100mlそれぞれ供して、液温25℃で、膜表面近傍に設置した塩橋を介した飽和カロメル電極によって膜電位を測定した。測定した膜電位の値を用い、式1と式2から輸率を計算し求めた。
Figure 0006958937
式中、Vは膜電位、tは陽イオンの輸率、tは陰イオンの輸率、Rは気体定数(8.314J/mol・K)、Tは熱力学温度、Fはファラデー定数、a±1は0.1mol/L−塩化カリウム水溶液の活量、a±2は0.5mol/L−塩化カリウム水溶液の活量である。
(イオン交換容量の測定)
イオン交換膜を1mol/L−HCl水溶液に10時間以上浸漬した。
その後、カチオン交換膜の場合には、1mol/L−NaCl水溶液でイオン交換基の対イオンを水素イオンからナトリウムイオンに置換させ、遊離した水素イオンを水酸化ナトリウム水溶液を用いて電位差滴定装置(COMTITE−900、平沼産業株式会社製)で定量した(Amol)。一方、アニオン交換膜の場合には、1mol/L−NaNO水溶液で対イオンを塩化物イオンから硝酸イオンに置換させ、遊離した塩化物イオンを硝酸銀水溶液を用いて電位差滴定装置(COMTITE−900、平沼産業株式会社製)で定量した(Amol)。次に、同じイオン交換膜を1mol/L−NaCl水溶液に4時間以上浸漬し、その後に60℃で5時間減圧乾燥して乾燥時の重さ(Dg)を測定した。上記測定値に基づいて、イオン交換膜のイオン交換容量を次式により求めた。
イオン交換容量=A×1000/D[meq/g−乾燥質量]
(破裂強度測定)
湿潤状態のイオン交換膜について、Mullen式破裂強度計(東洋精機製作所製)を用いてイオン交換膜の破裂強度を測定した。
(イオン交換膜総厚み、イオン交換樹脂層厚みおよび不織布空隙層厚み測定)
非対称イオン交換膜をミクロトーム(ヱルマ販売(株)製ESM−150S)にて切削し、測定断面を形成させた。次いで、カラー3Dレーザー顕微鏡VK−8700(株式会社キーエンス社製)を用い、50倍の対物レンズで膜サンプル断面を観察し、観察画像からイオン交換樹脂層(不織布上に存在している部分)厚みおよび不織布空隙層(イオン交換樹脂の存在しない部分)厚みを測定した。
また、イオン交換膜の総厚みを、マイクロメーターMED−25PJ(株式会社ミツトヨ社製)を用いて測定した。イオン交換樹脂が不織布に食い込んでいる部分の厚みは次式により計算される。
食い込み厚み=(総厚み)−(イオン交換樹脂層厚み)−(不織布空隙層厚み)
(ポリマー溶液粘度)
回転円筒式粘度計ビスコテスタVT−04F(リオン株式会社製)を用いて、イオン交換樹脂或いはイオン交換樹脂前駆体の有機溶媒溶液(ポリマー溶液)の粘度を測定した。
<非対称カチオン交換膜の製膜>
ポリマー溶液の調製;
ポリフェニレンオキシドをクロロホルムに溶解し、この溶液にクロロスルホン酸を加えて、ポリフェニレンオキシドにクロロスルホン酸を反応させた。次いで、水酸化ナトリウムを加えて中和し、溶媒除去することでイオン交換容量が1.6meq/gであるスルホン化ポリフェニレンオキシド(カチオン交換樹脂)を得た。
次に該スルホン化ポリフェニレンオキシドをN,N−ジメチルホルムアミドに28質量%になるように溶解しスルホン化ポリフェニレンオキシド溶液を調製した。溶液粘度は20dPa・sであった。
不織布シート;
フロイデンベルグ社製Novatexx2442(目付25g/m、厚み0.06mm、通気度180cm/cm・sec)、または阿波製紙(株)製PY120−19(目付14g/m、厚み0.02mm、通気度82cm/cm・sec)を用いた。
イオン交換膜の製造;
上記で調製されたポリマー溶液を、バーコーターを用いてPETフィルムに50μm液厚になるように塗布して、塗布層(キャスト層)を形成した。
上記塗布層を形成したPETフィルムを50℃で5分間乾燥させ、次いで、ここに上記の不織布シートを重ね合わせてローラ加圧により積層することで、不織布シートの片面にイオン交換樹脂塗布層を形成させた。
次いで、60℃で加熱乾燥して塗布層を固化せしめ、この後に、PETフィルムを剥離することで非対称カチオン交換膜を得た。得られたカチオン交換膜の物性は表1に示した。
<非対称アニオン交換膜の製膜>
ポリマー溶液の調製;
ポリスチレンのセグメント(65質量%)とポリイソプレンの水素添加されたセグメント(35質量%)から成る共重合体100gをクロロホルム1000gに溶解し、100gのクロロメチルメチルエーテルと10gの塩化スズを加え、40℃で15時間反応させた。次いで、メタノール中で沈澱、洗浄した後、乾燥させ、クロロメチル化したスチレン系ブロック共重合体を得た。次に、分子量が5000のクロロメチル化ポリスチレンを上記のクロロメチル化したスチレン系ブロック共重合体と混合し、クロロメチル化ポリスチレンの割合が40質量%になるように調製した。このようにして得られたクロロメチル化重合体混合物をテトラヒドロフランに溶解し25質量%の溶液とした後、この溶液にN,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンを8質量%加えて、アニオン交換樹脂前駆体およびアニオン交換基導入剤を含むアニオン交換膜形成用ポリマー溶液を調整した。ポリマー溶液の粘度は5dPa・sであった。
イオン交換膜の製造;
上記で調製されたポリマー溶液を、バーコーターを用いてPETフィルムに50μm液厚になるように塗布して、塗布(キャスト)層を形成した。
上記塗布層を形成したPETフィルムを30℃で0.5分間乾燥させ、次いで、塗布層の上に、非対称カチオン交換膜の製造で用いたのと同じ不織布シートを重ね合わせてローラ加圧して積層することで、不織布シートの片面にイオン交換樹脂塗布層を形成させた。
次いで、40℃で加熱乾燥して塗布層を固化せしめ、この後に、PETフィルムを剥離することで非対称アニオン交換膜を得た。得られた非対称アニオン交換膜の物性を表1に示した。
<電気透析実施例1>
電気透析装置は、1対の陰極(Ti−Ptコート)−陽極(Ti−Ptコート)間に、カチオン交換膜1とアニオン交換膜1(構造や性能は表1参照)とが、交互にそれぞれ11枚、10枚(カチオン交換膜、アニオン交換膜の有効膜面積はいずれも0.55dm/枚)配置されて、濃縮室、脱塩室が形成されたフィルタープレス型電気透析装置アシライザーS3型(株式会社アストム製)を用いた。カチオン交換膜1およびアニオン交換膜1は、全て、イオン交換樹脂層面が脱塩室に向くように設置した。
この電気透析装置の脱塩室タンクに0.5mol/Lの塩化ナトリウム水溶液(電導度46.8mS/cm)500mlを入れ、一方、濃縮室タンクには0.51mol/Lの塩化ナトリウム水溶液(47.6mS/cm)300mlを入れ、それぞれを循環させながら、25℃で定電圧運転(電極間電圧5V)を行った。電極液には、0.5mol/Lの硫酸ナトリウム水溶液を用いた。
両電極間を流れる電流値をモニターしながら、脱塩液の電導度が2mS/cm(0.01mol/L程度)になるまで電気透析を行った。要した処理時間(運転時間)を測定し、これと仕込んだ脱塩液量から処理能力(脱塩能力)を、下記式に従って計算した。なお、有効膜面積は、5.5dm(0.55dm×10対)である。その結果を表3に示した。
Figure 0006958937
<電気透析実施例2>
電気透析装置の脱塩室タンクに0.02mol/Lの塩化ナトリウム水溶液(2.0mS/cm)1000mlを入れ、一方、濃縮室タンクには0.1mol/Lの塩化ナトリウム水溶液(10.7mS/cm)500mlを入れた以外は電気透析実施例1と同様にして電気透析を行った。
脱塩液の電導度が0.3mS/cm(2.0mmol/L程度)になるまでの処理時間を測定し、電気透析実施例1と同様に脱塩能力を計算した。結果を表3に示した。
<電気透析実施例3>
電気透析装置に配置するイオン交換膜をカチオン交換膜2とアニオン交換膜2(構造や性能は表1参照。)に変更した以外は電気透析実施例1と同様にして測定し、その結果を表3に示した。
<電気透析実施例4>
電気透析装置に配置するイオン交換膜をカチオン交換膜2とアニオン交換膜2(構造や性能は表1参照。)に変更した以外は電気透析実施例2と同様にして測定し、その結果を表3に示した。
<電気透析比較例1>
カチオン交換膜1とアニオン交換膜1のイオン交換樹脂層面を濃縮室側に向けて設置した以外は、電気透析実施例1と同様にして測定し、その結果を表3に示した。脱塩能力が20%低下した。
<電気透析比較例2>
カチオン交換膜1とアニオン交換膜1のイオン交換樹脂層面を濃縮室側に向けて設置した以外は、電気透析実施例2と同様にして測定し、その結果を表3に示した。脱塩能力が40%低下した。
<電気透析比較例3>
カチオン交換膜2とアニオン交換膜2のイオン交換樹脂層面を濃縮室側に向けて設置した以外は、電気透析実施例3と同様にして測定し、その結果を表3に示した。脱塩能力が11%低下した。
<電気透析比較例4>
カチオン交換膜2とアニオン交換膜2のイオン交換樹脂層面を濃縮室側に向けて設置した以外は、電気透析実施例4と同様にして測定し、その結果を表2に示した。脱塩能力が36%低下した。
<逆電気透析実施例1>
銀−塩化銀電極よりなる1対の正極−負極間に、カチオン交換膜1とアニオン交換膜1(構造や性能は表1参照)とを、交互にそれぞれ11枚、10枚(カチオン交換膜、アニオン交換膜の有効膜面積はいずれも0.55dm/枚)配置して、濃厚室、希薄室を備えたフィルタープレス型逆電気透析装置(株式会社アストム社製、ガスケット厚み0.2mm)を構築した。カチオン交換膜1およびアニオン交換膜1は、全て、イオン交換樹脂層面が希薄室に向くように設置した。
逆電気透析装置の濃厚室タンクに0.5mol/Lの塩化ナトリウム水溶液(46.8mS/cm)500mlを入れ、膜面線速1.0cm/secで循環させた。一方、希薄室タンクには、0.002mol/Lの塩化ナトリウム水溶液(0.25mS/cm)500mlを入れ、膜面線速1.0cm/secで循環させた。電極液には、3.0mol/Lの塩化ナトリウム水溶液を用いた。装置内蔵のポテンショスタットにて電流―電圧曲線を引いて最高出力を求め、結果を表5に示した。運転中の液温は約25℃に設定した。
<逆電気透析実施例2>
濃厚室に1.0mol/Lの塩化ナトリウム水溶液(85.8mS/cm)を用い、希薄室には0.005mol/Lの塩化ナトリウム水溶液(0.6mS/cm)を用いた以外は逆電気透析実施例1と同様の条件にて測定し、結果を表5に示した。
<逆電気透析実施例3>
逆電気透析装置に配置するイオン交換膜をカチオン交換膜2とアニオン交換膜2(構造や性能は表1参照。)に変更した以外は逆電気透析実施例1と同様にして測定し、その結果を表5に示した。
<逆電気透析実施例4>
逆電気透析装置に配置するイオン交換膜をカチオン交換膜2とアニオン交換膜2(構造や性能は表1参照。)に変更した以外は逆電気透析実施例2と同様にして測定し、その結果を表5に示した。
<逆電気透析比較例1>
カチオン交換膜1とアニオン交換膜1のイオン交換樹脂層面を濃厚室側に向けて設置した以外は、逆電気透析実施例1と同様にして測定し、その結果を表5に示した。最高出力が50%低下した。
<逆電気透析比較例2>
カチオン交換膜1とアニオン交換膜1のイオン交換樹脂層面を濃厚室側に向けて設置した以外は、逆電気透析実施例2と同様にして測定し、その結果を表5に示した。最高出力が40%低下した。
<逆電気透析比較例3>
カチオン交換膜2とアニオン交換膜2のイオン交換樹脂層面を濃厚室側に向けて設置した以外は、逆電気透析実施例3と同様にして測定し、その結果を表5に示した。最高出力が44%低下した。
<逆電気透析比較例4>
カチオン交換膜2とアニオン交換膜2のイオン交換樹脂層面を濃厚室側に向けて設置した以外は、逆電気透析実施例4と同様にして測定し、その結果を表5に示した。最高出力が36%低下した。
Figure 0006958937
Figure 0006958937
Figure 0006958937
Figure 0006958937
Figure 0006958937
1 電気透析装置、
10 陰極、
11 陽極、
13 脱塩室、
15 濃縮室、
17 電極隔膜、
19 低濃度処理液、
21 高濃度電解質溶液、
30 ガスケットスペーサ、
31 ガスケット枠、
33、33’ 処理液用の連通孔、
35、35’ 電解質溶液用の連通孔、
37 処理液用の配流部、
39 電解質溶液用の配流部、
40 イオン交換樹脂層、
50 逆電気透析装置、
51 負極、
53 正極、
55 希薄室、
57 濃厚室、
59 低濃度電解質溶液、
61 高濃度電解質溶液、
63 電気機器

Claims (6)

  1. 負極と正極の間の空間にイオン交換膜が配置され、更に、該イオン交換膜によって希薄室と濃厚室が形成されている逆電気透析装置において、
    前記イオン交換膜は、多孔性基材の一方の表面にイオン交換樹脂層が形成された非対称イオン交換膜であり、
    前記非対称イオン交換膜を、イオン交換樹脂層が形成されている方の面が希薄室側となるように設置していることを特徴とする逆電気透析装置。
  2. 前記多孔性基材が不織布である、請求項に記載の逆電気透析装置。
  3. 負極板と正極板との間の空間に、陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とが交互に配置され、正極板側の陰イオン交換膜と負極板側の陽イオン交換膜との間に希薄室が形成され、正極板側の陽イオン交換膜と負極板側の陰イオン交換膜との間には濃厚室が形成されている、請求項または請求項に記載の逆電気透析装置。
  4. 希薄室及び濃厚室を形成する全てのイオン交換膜が、非対称イオン交換膜であり、且つ、イオン交換樹脂層が形成されている方の面が希薄室側となるように設置されている、請求項に記載の逆電気透析装置。
  5. 請求項の何れかに記載の逆電気透析装置を用い、希薄室に電解質溶液を供給し、濃厚室に、希薄室に供給する電解質溶液より高濃度の電解質溶液を供給することを特徴とする逆電気透析方法。
  6. 希薄室に供給する電解質溶液が、0.005〜1mS/cmの電気伝導率(25℃)を有する、請求項記載の逆電気透析方法。
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