JP3695338B2 - 脱イオン水の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気再生式脱イオン法(以下EDI法と称する)により、脱イオン水を製造する方法に関する。詳しくは、医薬品製造工業、半導体製造工業、食料品工業等の各種製造業、或いはボイラー水や研究施設などで用いられる純水もしくは超純水等といわれる高度に脱イオン化した脱イオン水を効率的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、脱イオン水の製造方法としてはイオン交換樹脂の充填床に被処理水を流し、不純物イオンをイオン交換樹脂に吸着させて除去することにより脱イオン水を得る方法が一般的である。ところが、この方法では、交換・吸着能力の低下したイオン交換樹脂は再生することが必要であり、その再生は、通常酸やアルカリを用いて行われる。その結果、この方法では、面倒な再生操作と共にそれら酸やアルカリに起因する廃液が排出されるという問題がある。
【0003】
このため再生の必要のない脱イオン水製造方法が望まれており、近年、薬液による再生操作の必要のないEDI法が開発され、実用化されてきている。この方法は、陰イオン交換膜と陽イオン交換膜とを交互に配置した電気透析槽の脱塩室に陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂の混合物を入れ、該脱塩室に被処理水を流すとともに、脱塩室と交互に形成、配置された濃縮室に濃縮水を流しながら電圧を印加して電気透析を行うものであり、それにより脱イオン水を製造すると共にイオン交換樹脂の再生をも同時に行うものであって、別途イオン交換樹脂の再生を行う必要のない方法である。
【0004】
すなわち、従来のEDI法においては、陽極を備える陽極室と陰極を備える陰極室との間に陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を交互に配列させ陽極側がアニオン交換膜で区画され陰極側がカチオン交換膜で区画された脱塩室と陽極側がカチオン交換膜で区画され陰極側がアニオン交換膜で区画された濃縮室とを形成させた電気透析槽の脱塩室に陰イオン交換樹脂及び陽イオン交換樹脂を収容してなる脱イオン水製造装置を使用し、電圧を印加しながら脱塩室に被処理水を流入させると共に、濃縮室に被処理水又は処理水の一部を濃縮水として流入させることにより、被処理水中の不純物イオンを除去するものである。
【0005】
そして、この方法によれば、前記したとおり同時にイオン交換樹脂が連続的に再生されるため、酸やアルカリ等の薬液による再生工程とその再生に使用した廃液処理が不要であるという利点を有するものではあるが、その際、EDI装置は被処理水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオン等の硬度成分により電気抵抗が上昇し印加電圧の上昇または電流の低下を招き、更には脱塩性能の低下により生産される処理水の比抵抗が低下する問題があった。
【0006】
そのため、かかる問題を克服する方法は、既に数多く提案されており、それには、例えばEDI装置に供給する被処理水を予め逆浸透膜処理を2段行い可及的に硬度成分を除去した後EDI法の被処理水として供給する方法(特開平2−40220号)や、別途用意した酸性水生成電解槽で水を電気分解し陽極室で生成する酸性水をEDI法の濃縮室へ通水する方法(特開平10−128338号)がある。このような方法の採用によりEDI法の長期性能の安定は図れるが、投資コストの増大を招き、その結果、他の脱イオン方法との比較においてEDIシステムの利点が少なくなるという別の問題が生ずることになる。
【0007】
また、アルカリ金属の塩酸塩あるいは硫酸塩水溶液を添加し電導度を100〜800μS/cmとした液をEDI装置の濃縮室へ供給することにより、流れる電流を安定化し高純度の処理水を得る方法(特開平9−24374号)も提案されているが、その性能の長期安定性については明らかにされてない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のEDI法による脱イオン水製造システムの長期安定化方法及びその後提案された前記改善脱イオン水製造方法等が有する前記した問題を解決する方法に関し、特にはEDI法において供給する被処理水の硬度成分等の不純物による性能低下の防止及び解消する方法であり、しかも簡便かつ安価な手法を提供することを発明の解決課題、すなわち目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するための脱イオン水製造方法であり、それは陽極を備える陽極室と陰極を備える陰極室との間に陽イオン交換膜と陰イオン交換膜を交互に配列させ、陽極側がアニオン交換膜で区画され陰極側がカチオン交換膜で区画された脱塩室と陽極側がカチオン交換膜で区画され陰極側がアニオン交換膜で区画された濃縮室とを形成させた電気透析槽の脱塩室にイオン交換体を収容してなる脱イオン水製造装置を使用し、電圧を印加しながら脱塩室に被処理水を供給し、濃縮室には電解質溶液からなる濃縮液を供給して、被処理水中の不純物イオンを濃縮水に移動させて除去する電気再生式脱イオン水製造方法において、濃縮室出口における濃縮水の下記式1で定義されるS値を7以上に制御し、かつ該濃縮水のpHが2.5以上であることにより達成することができるものである。
すなわち、本発明では、濃縮室出口における濃縮水のS値を7以上とすることにより、濃縮室側の陰イオン交換膜の近傍でMgイオン等の硬度成分がOHイオンや炭酸イオンと結合して難溶性の塩を形成するのを抑制できる。
【0010】
【化2】
【0011】
本発明において、濃縮室出口における濃縮水(以下「出口濃縮水」という)で前記したS値を7以上とするには、大別して2つの手法がある。 第1の方法は、前記したS値を7以上、好ましくは10以上とした被処理水を前記脱イオン水製造装置の脱塩室に供給する方法である。また、第2の方法は、被処理水のS値が7未満の場合に、特に前処理することなく脱イオン水製造装置にそのまま供給する手法であり、その場合には、被処理水はそのまま供給し濃縮液に一価陽イオン型電解質を添加せしめる、又は集まるMgイオンをキレート樹脂等により選択的に除去することにより出口濃縮水における前記S値を7以上、好ましくは10以上とするものである。
【0012】
また、本発明では、上記2つの手法のいずれかを採用又は併用することにより、予め被処理水の硬度成分を可及的に除去しなくとも電気再生式脱イオン水製造装置の性能を長期間安定化することができる。特にシリカ、炭酸ガス等のイオン化しにくい不純物を含有する被処理水の場合にも該製造装置を電流密度を高めて運転できるので、それら不純物を効率よく除去できる。また高い濃縮室電導度により低い印加電圧で運転できるので、電力原単位を低減させることができる。
【0013】
そして、第1の方法をより具体的に説明すると、脱イオン水の原料水となる河川水、湖沼水、地下水あるいは水道水等のS値は通常1以下であり、第1の方法では、このS値を7以上とした後に脱イオン水製造装置供給用の被処理水とすることになるが、そのためには、Mgイオン以外の電解質を添加し電導度を高める方法と、被処理水中のMgイオンを選択的に除去あるいはMgイオン以外のイオンとイオン交換する方法がある。
【0014】
前者の方法では、被処理水中の電解質濃度が高まる結果、EDI装置で除去しなければならないイオン量の増加を招き、処理速度が低下する等の問題がある。他方、後者の方法には、キレート樹脂等によりMgイオンを選択的に除去あるいはMgイオン以外のイオン、特には1価陽イオンとイオン交換する所謂ソフナーをEDI装置の前処理に使用する方法があり、それらは、本発明の好ましい実施形態の一つであるが、イオン交換の貫流点を過ぎると急激に高濃度のMgイオンが漏洩するため、メンテナンスが煩雑になりやすい。
【0015】
本発明者は、前記した問題点について、鋭意検討した結果、EDI装置の前処理装置としては特定の特性を有する逆浸透膜が好ましいことを見出した。すなわち、脱イオン水製造装置の前処理装置として、逆浸透膜の基礎物性値であるNaCl除去率とMgCl2除去率とを用いた下記式2で定義されるT値が10以上である逆浸透膜を備える逆浸透装置を採用し、これで前処理した被処理水を前記脱イオン水製造装置に供給することにより前記課題をも達成することができることを見出したものである。
[式2] T値=(100−NaCl除去率)/(100−MgCl2除去率)
[ここで、NaCl除去率およびMgCl2除去率は、それぞれ濃度0.1質量%の水溶液を用いて圧力0.8MPa、温度25℃にて測定した値である。]
【0016】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の脱イオン水製造方法に関し、図1に図示する電気再生式脱イオン水製造装置を使用した1態様を説明するが、本発明は、この態様に限定されるものではなく特許請求の範囲の記載によって特定されるものであることはいうまでもない。
【0017】
本発明の脱イオン水製造方法において使用する脱イオン水製造装置は、アニオン交換膜A及びカチオン交換膜Kが電気透析槽1中に脱塩室枠D1、D2、D3・・・Dn及び濃縮室枠C1、C2、C3・・・Cnを介して所定間隔を置いて配置され、これにより陽極室2、濃縮室S1、S2・・・Sn、脱塩室R1、R2・・・Rn及び陰極室3が構成される。また、脱塩室R1、R2・・・Rnには陰イオン交換体及び陽イオン交換体が収容・充填され、濃縮室にはメッシュ状等の構造体すなわちスペーサーN1、N2・・・Nnが挿入配置される。
【0018】
そして、陽極室2及び陰極室3には、それぞれ陽極4及び陰極5が設置されており、脱イオン水製造中は両極間に電圧がかけられる。これにより導管6から脱塩室R1、R2・・・Rnへ導入される被処理水中の陰イオン成分はアニオン交換膜Aを通して陽極側の濃縮室へ透過移行し、被処理水中の陽イオン成分はカチオン交換膜Kを通して陰極側の濃縮室へ透過移行する。その結果被処理水自体は脱イオン化され、脱塩室通過後は導管7を通して取り出される。
【0019】
他方、濃縮室へ供給する濃縮水は、一価陽イオン型電解質を添加し、前記した[式1]のS値の出口濃縮水における値が7以上になるように制御した後、導入管8を通して各濃縮室S1、S2・・・Snへ導入され、ここに上記のように透過移行した陰イオンおよび陽イオンが集められ濃縮水として導管9から排出される。なお、図1には被処理水流の方向と濃縮水流の方向とが逆方向(向流)の場合を示しているが、両者を並流としてもよいことは勿論である。
【0020】
その電気透析槽1において、各脱塩室R1、R2・・・Rn内の陽イオン交換体に捕捉された被処理水中の陽イオンは、電場により駆動力が与えられ、捕捉した陽イオン交換体に接触している隣接する陽イオン交換体を順次経由してカチオン交換膜に達し、さらに膜を透過して各濃縮室S1、S2・・・Snに移動する。同様に、陰イオン交換体に捕捉された被処理水中の陰イオンは、隣接する陰イオン交換体を順次経由してアニオン交換膜に達し、更に膜を透過して各濃縮室S1、S2・・・Snに移動する。
【0021】
本発明で使用する図1に図示された電気再生式脱イオン水製造装置においては、被処理水のS値が7以下の場合を例示するものである。濃縮室に供給する濃縮水は、別途設置されたタンク10との間でポンプP1、P2及び濃縮水循環用導管11によって循環再利用されるようになっていると共に被処理水又は処理水の一部が循環系のタンク10内に添加され補給されるようになっている。
【0022】
その補給は、導管6及び7からそれぞれ分岐する弁15a及び16aを具備する分岐管15及び16によって行われるようになっている。また、その際の被処理水又は処理水の補給量については、特に制限はないが実用的には全被処理水に対して好ましくは0.001〜10%(以下、特にことわらない限り質量%を意味する)の範囲がよい。
【0023】
そして、その循環系のタンク10内の濃縮水には、式1で定義されるS値が7以上を維持するために1価陽イオン型電解質が添加されるものであり、このことが本発明の最大の特徴の一態様である。その際のS値は、濃縮液として排出される導管9とタンク10の間に設置した電導度計14により測定して調節されるが、出口濃縮水のS値と濃縮室に供給されるS値が近似している場合は、タンク10内の濃縮水の電導度を電導度計14で測定することによって調節することもできる。その調節は、図1の装置では、電導度を測定しそれを所定の値に維持するように1価陽イオン型電解質添加装置13からの添加量を調節することで行うようになっている。
【0024】
すなわち、pHが7で、濃縮水のMgイオン濃度が200ppbでは1400μS/cm、Mgイオン濃度が2000ppbでは14000μS/cm以上に維持するように1価陽イオン型電解質添加装置13からの添加量を調節することで行うようになっている。その際に添加する電解質については、添加量が微量になることから水溶液にして使用することが好ましく、その濃度は5〜36%がよく、好ましくは10〜20%がよい。
【0025】
本発明の図1に図示した装置では、前記S値が7未満の被処理水を使用する脱イオン水製造において、濃縮水に1価陽イオン型電解質を添加しそのS値を所定の範囲に維持するものであり、そのために同装置では、濃縮水を循環使用しており、それが好ましい態様ではあるが、本発明はそれに限定されるわけではない。
【0026】
したがって、濃縮水は循環使用しなくてもよく、その際には1価陽イオン型電解質の添加は濃縮室に供給する濃縮水に直接添加すればよい。また、添加する1価陽イオン型電解質については、添加量が微量になり、微調整することが困難であることから、前記したとおり水溶液にして使用することが必要であり、その濃度は5〜36%がよく、好ましくは10〜20%がよい。
【0027】
本発明では、1価陽イオン型電解質を添加した濃縮室について、濃縮室出口ではそのS値を7以上とするものであり、そのS値の上限は、脱塩室に供給する被処理水の不純物組成や電気透析槽のイオン交換膜に流れる電流密度により異なるが、30以下、好ましくは13〜15とする。その理由はS値が増加することにより濃縮室への供給水電導度が過度に高くなると、濃縮室と脱塩室を区画するイオン交換膜を通して電導度成分が濃縮室から脱塩室へ拡散漏洩し処理水の品質を低下させ、その対策に電気透析槽に流す電流を高めたり、更に分離性能の良いイオン交換膜が必要となる等、不都合な点が顕在する。また、その下限を7としたのは、7未満では安定性が劣るためである。
【0028】
そして、その際のS値の調節は、濃縮水の電導度を電導度計14により測定し、それを所定の値を維持するように1価陽イオン型電解質添加装置13からの添加量を調節することにより主として行うものであるが、濃縮水を循環使用する場合には循環水の循環量あるいは循環水に添加される被処理水又は処理水の補給量を調節することによって、副次的に行うこともできる。また、濃縮水の循環を行う場合には、タンクを介在させることが好ましいが、特に介在させることを不可欠とするものではなく、タンクなしに循環することも可能であり、その際には循環パイプの中途で1価陽イオン型電解質の添加及び被処理水又は処理水の補給を行えばよい。
【0029】
濃縮水に添加する1価陽イオン型電解質については、1価陽イオンと、1価又は多価の陰イオンとが結合した電解質で、溶解して速やかに1価陽イオンを提供することができるものであれば、特に制限されることなく使用できる、その際の1価陽イオンとしては、水素イオン、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン及び4級アルキルアンモニウムイオン等が好ましい。
【0030】
また、陰イオンとしてはフッ素イオン、塩素イオン及び硝酸イオン等の1価イオンと共に硫酸イオン及び炭酸イオン等の多価イオンが好ましい。前記した電解質は、これらのイオンから選ばれる陰陽両イオンが結合した化合物であれば好ましいものであり、その中でも、塩酸、塩化ナトリウム及び塩化カリウムが効果の点や入手の容易さで特に好ましい。
【0031】
それらの1価陽イオン型電解質は、1種単独でも2種以上混合しても使用できるが、なかでもNaCl又はKClと、塩酸とを組合せ、かつ濃縮室出口における濃縮水のpHを2.5〜6、好ましくは2.6〜5とすることで、NaCl又はKClの添加量を少量に抑制してもS値が達成できるので好ましい。その理由は、このようにすることにより、特に脱塩室に供給する被処理水の脱炭酸、すなわち含有炭酸ガスの分離除去が不十分な場合でも、それに伴って発生する恐れのある炭酸カルシウムの析出が防止できる利点があるからである。
【0032】
本発明のEDI法において、脱塩室に供給する被処理水については、S値が7以上が望ましく、上水、地下水あるいは河川水等の各種の原水は、本発明の式2のT値が10以上、好ましくは25以上、特には50以上の特性を有する逆浸透膜を具備する逆浸透装置で前処理し、S値が7以上で、かつ電導度が200μS/cm以下にするのが好ましい。
【0033】
前記したとおりではあるが、被処理水のS値が7未満の場合には、出口濃縮水のS値を7以上とすることにより対応できる。この場合は、本発明の目的および効果の点からすると、被処理水は電導度が1〜200μS/cmで、Mgイオン濃度が1〜200ppbのものが好ましく使用できる。かかる被処理水を使用した場合、後記する実施例に記載するように、本発明では長期性能安定が達成される。
【0034】
本発明においては、このような被処理水を使用して脱イオン水を製造すること、すなわち、脱塩室には、電導度1〜200μS/cm、Mgイオン濃度が1〜200ppbの被処理水を供給し、濃縮室には、1価陽イオン型電解質を添加し、出口濃縮水のS値を7以上となるように濃縮水を供給しつつ、電気透析槽に電圧を印加し、脱イオンせしめことになるが、その際の電流量、すなわちイオンが透過する膜面積当たりの電流量については、被処理水中のイオン量、即ち電導度と被処理水の供給量の増加に従い適時増加するのが好ましく、0.1〜2A/dm2、特には0.2〜1A/dm2の電流密度が使用される。
【0035】
また、その際に被処理水にシリカや炭酸ガスが含まれる場合には、本発明では、電流量を増加し、発生するOHイオンによりシリカや炭酸ガスをイオン化せしめることで被処理水中から脱イオン化することができるが、本発明を使用しない場合は、時間の経過に従いアニオン交換膜面上にスケールが発生し、イオン選択透過性が低下するために処理水の比抵抗が低下する。本発明により性能の長期安定がはかれる利点がある。
【0036】
本発明において使用する陽イオン交換膜、陰イオン交換膜、電導度計、タンク及びポンプ等については、各種既知のものが特に制限されることなく使用でき、また電気透析槽の構造についても各種既知のものが特に制限されることなく使用できる。そして、イオン交換体については、その形状は、粒状、繊維状、板状等の各種のものが使用可能である。またイオン交換体の備える官能基の種類及び交換性能については、陰イオン交換基及び陽イオン交換基を有するイオン交換体、すなわち陰イオン交換樹脂及び陽イオン交換樹脂を混合使用するのがよく、その交換能は強弱いずれでも使用可能であるが、好ましくは強酸性及び強塩基性ものがよい。
【0037】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって特定されるものであることは勿論である。使用装置としては図1に示すような電気再生式脱イオン水製造装置を使用したが、被処理水と濃縮水については、図示する装置とは異なり上方向の並流として使用した。
【0038】
この実施例で使用した脱イオン水製造装置における電気透析槽の具体的構造は以下のとおりである。強酸性陽イオン交換膜(厚み600μm、イオン交換容量2.7ミリ当量/グラム乾燥膜)及び強塩基性陰イオン交換膜(厚み600μm、イオン交換容量2.1ミリ当量/グラム乾燥膜)を脱塩室枠(ポリプロピレン製)及び濃縮室枠(ポリプロピレン製)を介して配列して締め付けフィルタープレス型透析槽(濃縮室にはポリプロピレン製ネットを挿入)からなる有効面積507cm2〔横(=室枠幅)13cm、縦(=脱塩長)39cm〕×3対の電気透析槽を構成した。
【0039】
そして、その脱塩室には、カチオン交換樹脂、アニオン交換樹脂及びバインダーを混合して板状に成型加工したものを乾燥状態で充填し、濃縮室には流路を確保するための合成樹脂製のスペーサーを充填した。その際上記両イオン交換樹脂には、粒径が400〜600μm、イオン交換容量が4.5ミリ当量/g乾燥樹脂のスルホン酸酸型(H型)陽イオン交換樹脂(三菱化学社製、商品名:ダイヤイオンSKー1B)及び粒径が400〜600μm、イオン交換容量が3.5ミリ当量/g乾燥樹脂の4級アンモニウム塩型(OH型)陰イオン交換樹脂(三菱化学社製、商品名:ダイヤイオンSAー10A)を用い、イオン交換容量比は50/50となるようにした。
【0040】
[実施例1、2及び比較例1、2]
前記したEDI装置を用いて、工業用水を砂ろ過後、NaCIの除去率が99%、MgCl2の除去率が99%のT値が1である逆浸透膜を具備する逆浸透膜装置で1段処理した表1に示す被処理水を前記脱イオン水製造装置の脱塩室へ供給し、実施例1、2及び比較例1、2の試験を行った。
【0041】
【表1】
【0042】
その際の濃縮室供給水としては、実施例1、2及び比較例1では、被処理水に塩化ナトリウムを添加し、出口濃縮水のS値及び電導度を表2に示すように調整したものを供給し循環使用した。また、比較例2は、濃縮室供給水に電解質を添加しないで、利用率90%で循環使用する場合であり、その際のS値及び電導度は表2に示すとおりである。
【0043】
【表2】
【0044】
その際の脱塩室及び濃縮室への供給水量、濃縮水の電導度、硬度及びMg濃度、並びにEDI装置の電流密度は、表2に記載した。
実施例1、2及び比較例1、2においては、表2に示す条件で連続1000時間運転し、電圧、処理水の比抵抗及び同シリカ除去率の安定性をしらべた。また運転終了後、使用した電気透析槽を解体し、濃縮室側のスケール発生状況を確認した。表3にこれらの結果を示している。
【0045】
【表3】
この表3の結果より、実施例では、比抵抗及びシリカ除去率ともに運転初期と1000時間経過後とで差違がなく、また解体調査でも濃縮室側にスケール発生がなく、長期間安定していることがわかる。それに対し、比較例では、比抵抗及びシリカ除去率ともに1000時間経過後は運転初期より大分低下しており、特に比抵抗は1/5〜1/8程度と極端に低下している。また解体調査では濃縮室側にスケールが発生していることがわかる。
【0046】
これらの結果より濃縮室側に供給する濃縮水に1価陽イオン型電解質を添加し所定のS値にすることにより長期間安定していることが実証できた。さらに、電流密度が高いほどシリカ除去率が高く、かつ1価陽イオン型電解質の添加によりシリカ除去性能の低下が防止できることもわかる。
【0047】
[実施例3]
この実施例3では、脱塩室に電導度13μS/cm、シリカ 600ppb、硬度成分 300ppb(as CaCO3)、Mg30ppb、CO21ppmを含むpH6.0の被処理水を供給し、濃縮室には濃縮水循環タンクに塩化ナトリウムと塩酸を添加し出口濃縮水の電導度1800μS/cm 、pH3.5になるように濃縮水を供給した以外、実施例1と同様の条件で試験した。出口濃縮水のS値は7.4、Mgイオン濃度は290ppb、1000時間後の処理水比抵抗は16MΩ・cm以上であった。解体後の調査では、濃縮室にスケール発生はなかった。
【0048】
[実施例4]
この実施例4では、脱塩室に、シリカ 600ppb、硬度成分 500ppb(as CaCO3)、Mg50ppb、CO22ppmを含む電導度15μS/cm、pH6.0の被処理水を供給し、濃縮室には濃縮水循環タンクに塩酸および塩化ナトリウムを添加し、出口濃縮水の電導度が2500μS/cm 、pH3になるように調整した濃縮水を供給した以外、実施例1と同様の条件で試験した。その結果は、出口濃縮水のS値が9.9、Mgイオン濃度が500ppb、1000時間後の処理水比抵抗が16MΩ・cm以上であり、解体後の調査では、濃縮室にスケール発生はなかった。
【0049】
[実施例5]
実施例1の逆浸透装置の替わりにNaCl除去率65%、MgCl2除去率99.4%で、T値が58.8である逆浸透膜(東レ社製、SU200S)を具備する逆浸透膜装置により前処理した電気電導度70μS/cm、Mgイオン濃度7ppb、pH6.0の被処理水を処理水回収率90%、電流密度0.8A/dm2で試験した。出口濃縮水のpHは6.0、S値は10、Mgイオン濃度は70ppb、電導度は700μS/cmであり、初期比抵抗は12MΩ・cm、1000時間後の比抵抗も12MΩ・cmであって変化がなく、解体後の調査ではスケールの発生はなかった。
【0050】
[実施例6]
この実施例6では、脱塩室に、シリカ 1000ppb、硬度成分 1000ppb(as CaCO3)、Mgイオン濃度が100ppb、CO22ppmを含む電導度20μS/cm、pH6.0の被処理水を供給し、濃縮室には濃縮水循環タンクに塩化ナトリウムを添加し、出口濃縮水の電導度12000μS/cm 、pH6.0となるように濃縮水を供給した以外、実施例1と同様の条件で試験した。その結果は、出口濃縮水のS値12、Mgイオン濃度は1000ppbで、1000時間後の処理水比抵抗が16MΩ・cm以上でった。電解槽解体後の調査では、濃縮室にスケール発生はなかった。
【0051】
【発明の効果】
本発明では、濃縮室への供給水に1価陽イオン型電解質を添加し電導度を特定範囲にコントロールすることによって、予め被処理水の硬度成分を可及的に除去しなくても電気再生式脱イオン水製造装置の性能を長期間に安定化することができた。特にシリカ、炭酸ガス等のイオン化しにくい不純物を含有する被処理水を電流密度を高めて運転できるので、それら不純物を効率よく除去できた。また、高い濃縮室電導度により低い印加電圧で運転できるので、電力原単位を低減させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の脱イオン水製造方法に使用できる電気再生式脱イオン製造装置の1例を模式的に示す図。
【符号の説明】
A アニオン交換膜
K カチオン交換膜
1 電気透析槽
2 陽極室
3 陰極室
4 陽極
5 陰極
6 被処理水導入管
7 脱イオン水導管
8 濃縮水導入管
9 濃縮水導出管
S1、・・・Sn 濃縮室
R1、・・・Rn 脱塩室
D1、・・・Dn 脱塩室枠
C1、・・・Cn 濃縮室枠
10 タンク
11 濃縮水循環用導管
13 1価陽イオン型電解質添加装置
14 電導度計
P1、P2 ポンプ
Claims (6)
- 陽極を備える陽極室と陰極を備える陰極室との間にカチオン交換膜とアニオン交換膜を交互に配列させ、陽極側がアニオン交換膜で区画され陰極側がカチオン交換膜で区画された脱塩室と陽極側がカチオン交換膜で区画され陰極側がアニオン交換膜で区画された濃縮室とを形成させた電気透析槽の脱塩室にイオン交換体を収容してなる脱イオン水製造装置を使用し、電圧を印加しながら脱塩室に被処理水を供給し、濃縮室には電解質溶液からなる濃縮液を供給して、被処理水中の不純物イオンを濃縮水に移動させて除去する電気再生式脱イオン水製造方法において、濃縮室出口における濃縮水の下記式1で定義されるS値を7以上に制御し、かつ該濃縮水のpHが2.5以上であることを特徴とする電気再生式脱イオン法による脱イオン水製造方法。
- 前記したS値を7以上とした被処理水を前記脱イオン水製造装置の脱塩室に供給することを特徴とする請求項1記載の電気再生式脱イオン法による脱イオン水製造方法。
- 逆浸透膜の基礎物性値であるNaCl除去率とMgCl2除去率とを用いた下記式2で定義されるT値が10以上である逆浸透膜を備える逆浸透装置で前処理した被処理水を前記脱イオン水製造装置の脱塩室に供給することを特徴とする請求項1又は2記載の電気再生式脱イオン法による脱イオン水製造方法。
[式2] T値=(100−NaCl除去率)/(100−MgCl2除去率) - 前記したS値が7未満である被処理水を前記脱イオン水製造装置の脱塩室に供給し、濃縮液に一価陽イオン型電解質を添加せしめ、濃縮室出口における濃縮液の前記S値を7以上とすることを特徴とする請求項1又は3記載の電気再生式脱イオン法による脱イオン水製造方法。
- 濃縮液に添加する一価陽イオン型電解質が、塩酸、塩化ナトリウム及び塩化カリウムからなる群から選択されることを特徴とする請求項4記載の電気再生式脱イオン法による脱イオン水製造方法。
- 脱イオン水製造装置に電圧を印加し流れる電流をイオン交換膜の有効面積当たり0.1〜2A/dm2とせしめることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電気再生式脱イオン法による脱イオン水製造方法。
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