JP4300828B2 - 電気脱イオン装置及びその運転方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭酸、炭酸イオン(CO3 2−)及び重炭酸イオン濃度が低い生産水を生産するための電気脱イオン装置及びその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
純水、超純水等を製造する分野などにおいて電気脱イオン装置が用いられている。プレートアンドフレーム型の電気脱イオン装置は、陽極と、陰極と、該陽極、陰極間に濃縮室と脱塩室(希釈室)とを交互に形成するように交互に配置された平膜状の陽イオン交換膜及び陰イオン交換膜を有する。脱塩室にはイオン交換樹脂等のイオン交換体が充填されている。この脱塩室に脱塩処理すべき水が流通され、水中のイオンがイオン交換膜を透過して脱塩室から濃縮室に移動する。
【0003】
特開2002−205069号には、シリカ濃度及びホウ素濃度の低い生産水を生産するために、濃縮水として、生産水の一部を、脱塩室の脱イオン水取り出し口に近い側から該濃縮室内に導入すると共に、該濃縮室のうち脱塩室の原水入口に近い側から流出させることにより、シリカ、ホウ素濃度を極低濃度にまで低減した高水質の生産水を得る方法が記載されている。しかしながら、この方法では、生産水の一部を濃縮水に用いてしまうため、生産水量が少なくなる。
【0004】
特開2001−198578号には、脱塩室に供給される水を脱気処理して無機炭酸濃度を50ppb以下とすることが記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−205069号公報
【特許文献2】
特開2001−198578号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特開2002−205069号公報の方法では、上記の通り、生産水の一部を濃縮水として用いるため、生産水量が少なくなる。
【0007】
特開2001−198578号公報の方法にあっては、脱塩室供給水中の無機炭酸濃度を低下させても、濃縮室から脱塩室側へ炭酸成分が濃度勾配により拡散する。そして、この結果、生産水の比抵抗が低下する。
【0008】
本発明は、濃縮室から脱塩室へのHCO3 −の拡散を十分に抑制し、これにより高比抵抗の生産水を効率良く得ることができる電気脱イオン装置の運転方法と電気脱イオン装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気脱イオン装置の運転方法は、陽極を有する陽極室及び陰極を有する陰極室を有し、これら陽極室と陰極室との間にイオン交換膜によって濃縮室と脱塩室とが区画された電気脱イオン装置の運転方法であって、被処理水を該脱塩室に流通させ、濃縮水を該濃縮室に流通させ、電極水を該陽極室及び該陰極室に流通させる運転方法において、該濃縮水及び該電極水は、被処理水をHCO3 −低減手段で処理した低HCO3 −濃度水である電気脱イオン装置の運転方法であり、該濃縮水を脱塩室出口に近い側から該濃縮室に流入させると共に、脱塩室入口に近い側から流出させるように該濃縮室に流通させるものであり、前記HCO 3 − 低減手段で処理された水のHCO 3 − 濃度が50ppb以下であり、該HCO 3 − 低減手段は、水のpHを4.8以下とするものであることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の電気脱イオン装置は、陽極を有する陽極室及び陰極を有する陰極室を有し、これら陽極室と陰極室との間にイオン交換膜によって濃縮室と脱塩室とが区画され、被処理水が該脱塩室に流通され、濃縮水が該濃縮室に流通され、電極水が該陽極室及び該陰極室に流通される電気脱イオン装置において、被処理水のHCO 3 − 濃度を低下させて低HCO 3 − 濃度水とするHCO 3 − 低減手段と、該HCO 3 − 低減手段からの該低HCO 3 − 濃度水を、該濃縮水として、脱塩室出口に近い側から該濃縮室に流入させると共に脱塩室入口に近い側から流出させるように設けられた濃縮水導入手段及び流出手段と、該HCO 3 − 低減手段からの該低HCO 3 − 濃度水を、該電極水として、該陽極室及び該陰極室に流通させる電極水流通手段と、を備えてなり、前記HCO 3 − 低減手段は、水のHCO 3 − 濃度を50ppb以下とし、水のpHを4.8以下とするものであることを特徴とするものである。
【0011】
かかる本発明によると、濃縮室へ供給する水のHCO3 −濃度が低いため、濃縮室から脱塩室内の処理水中にイオン交換膜を介してHCO3 −が濃度勾配によって拡散することが防止され、比抵抗の高い生産水が生産される。
【0012】
一般に水中の無機炭酸の形態としては、CO2、HCO3 −、CO3 2−がある。これらの成分が濃度勾配により濃縮室から脱塩室に拡散する可能性としては、次の(1)〜(4)が考えられる。
(1) 濃縮室のHCO3 −がアニオン膜を通して濃縮室から脱塩室へ拡散する。
(2) 濃縮室のCO3 2−がアニオン膜を通して濃縮室から脱塩室へ拡散する。
(3) 濃縮室(陽極に近い側)の溶存CO2ガス成分が、カチオン膜を通して濃縮室から脱塩室へ拡散する。
(4) 濃縮室(陰極に近い側)の溶存CO2ガス成分が、アニオン膜を通して濃縮室から脱塩室へ拡散する。
【0013】
このうち、HCO3 −は、電荷が1価であり、CO3 2−よりも電界による拘束が弱く、濃度勾配により濃縮室から脱塩室に拡散し易い。
【0014】
なお、CO2ガス成分は帯電していないため、濃縮室と脱塩室との間でCO2濃度勾配は生じない。そのため、上記(3)、(4)のCO2の拡散は生じない。
【0015】
本発明によると、濃縮室流入水中のHCO3 −濃度を低下させ、これにより濃縮室から脱塩室へのHCO3 −の濃度勾配による拡散を防止し、比抵抗の高い生産水を得ることが可能となる。
【0016】
本発明では、このようにHCO3 −濃度を低下させた濃縮水を脱塩室出口に近い側から該濃縮室に流入させると共に脱塩室入口に近い側から流出させる。これにより、濃縮室の出口近傍においても濃縮室から脱塩室に向うHCO3 −濃度勾配が十分に小さくなり、濃縮室から脱塩室へのHCO3 −の拡散が抑制され、生産水の比抵抗をさらに高くすることができる。
【0017】
本発明では、濃縮室に流入する濃縮水のHCO3 −濃度を50ppb以下とする。これにより、濃縮室から脱塩室へのHCO3 −の濃度勾配による拡散を十分に抑制し、比抵抗が著しく高い生産水を生産することが可能となる。
【0018】
濃縮室に流入する濃縮水中のHCO3 −濃度を低下させるために、pHを強酸性〜中酸性又は強アルカリ性〜中アルカリ性とし、HCO3 −をCO2又はCO3 2−とすればよい。
【0019】
pHによる全炭酸の水中における存在形態の様子を図6に示す。図6から分る通り、pHを酸性側とすると炭酸成分はCO2形態(図6のH2CO3)となるので、脱気により水中から効率良く除去することができる。
【0020】
また、図6に示すように、pHを酸性又はアルカリ性とするだけでも、HCO3 −濃度を低減させることができる。
【0021】
水道水等を活性炭処理、脱炭酸処理及び逆浸透(RO)処理した水では、図6の通り、水のpHが7付近であると、水中の全炭酸のうち約80%がHCO3 −の形態となっている。一方、酸性、例えば、pH4.8ではHCO3 −の割合は約2%と少なくなる。また、pH=4ではほぼ0%となる。
【0022】
濃縮室流入水の全炭酸濃度が450ppb(asC)の時、pHが中性、すなわちpH=7のときのHCO3 −の割合が80%であるので、HCO3 −濃度は、HCO3 −の分子量を61、Cの原子量を12として、450ppb×61(HCO3)/12(C)×0.8=1830ppb(asHCO3 −)となる。この水を酸の添加によりpH=4.8とした場合には、HCO3 −の割合が2%になるので、HCO3−濃度は450×61/12×0.02=46ppbとなる。このように酸を添加するという簡易な方法だけでも、濃縮室流入水中のHCO3 −濃度を50ppb以下とすることができる。
【0023】
本発明では、濃縮室流入水のpHを4.8以下とするため、HCO3 −存在割合が極端に低くなり、好適である。
【0024】
なお、pHを4より低くしても、図6の通り、HCO3 −の割合は0%であり、pH4.8の場合と大差がなく、徒に酸の添加量が多くなるので、濃縮室流入水のpHは4〜4.8とするのが好ましい。添加する酸は特に限定されないが、硫酸・塩酸等の鉱酸を用いることが安価で好適である。
【0025】
図6により、給水をアルカリ性とすることでも、HCO3 −濃度は低減できるという効果はある。このときは、CO3 2−の存在比が高くなるが、2価イオンであるため膜透過性は低く、HCO3 −よりも影響は小さく比抵抗は良くなる。ただし、濃縮室流入水をアルカリ性とすると、電気脱イオン装置濃縮室内で、CaCO3スケールが発生し易くなるので、HCO3 −濃度低減のためには濃縮室流入水を酸性とすることが望ましい。
【0026】
濃縮室に流入する濃縮水中のHCO3 −濃度を低下させるために、脱気膜装置、真空脱気、窒素脱気、脱炭酸塔などの脱気手段を用いてもよい。この脱気処理は、CO2を除去するものであり、HCO3 −を直接に低減するものではないところから、まずpHを酸性としてHCO3 −をCO2とし、次いで脱気処理することが望ましい。
【0027】
本発明では、通常の場合、原水を必要に応じ、活性炭処理、脱炭酸処理及び逆浸透処理してから電気脱イオン装置に供給する。この電気脱イオン装置の給水の一部をHCO3 −低減処理した後、濃縮室、陽極室及び陰極室に流通させ、残部を脱塩室に流通させる。
【0028】
電気脱イオン装置の給水としては、水道水を活性炭処理、脱炭酸処理及び逆浸透処理したもの、工業用水等を凝集加圧浮上・濾過等の除濁後、活性炭処理、脱炭酸処理及び逆浸透処理したもの、電子産業、半導体工場、液晶工場等で回収される回収水、これらを混合したものなどが用いられる。必要に応じて逆浸透処理を多段に行っても良い。
【0029】
これらの前処理により、電気伝導率<10μS/cm、無機炭酸(IC)<500ppb(asC)の給水水質とすることが望ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0031】
図1は本発明の実施の形態を示す電気脱イオン装置の模式的な断面図である。この電気脱イオン装置10は、電極(陽極11、陰極12)の間に複数のアニオン交換膜(A膜)13及びカチオン交換膜(C膜)14を交互に配列して濃縮室15と脱塩室16とを交互に形成したものであり、脱塩室16には、イオン交換樹脂、イオン交換繊維もしくはグラフト交換体等からなるアニオン交換体及びカチオン交換体が混合もしくは複層状に充填されている。
【0032】
また、濃縮室15と、陽極室17及び陰極室18にも、イオン交換体、活性炭又は金属等の電気導電体が充填されてもよい。
【0033】
被処理水は脱塩室16に導入され、脱塩室16からは生産水が取り出される。被処理水の一部はHCO3 −低減手段9に送られ、HCO3 −低減処理される。このHCO3 −低減手段9でHCO3 −濃度が低下した水は、濃縮室15に脱塩室16の通水方向とは逆方向に向流一過式で通水され、濃縮室15の流出水は系外へ排出される。この電気脱イオン装置では、濃縮室15と脱塩室16とが交互に並設され、脱塩室16の生産水取り出し側に濃縮室15の流入口が設けられており、脱塩室16の原水流入側に濃縮室15の流出口が設けられている。これにより、濃縮水は濃縮室15に対し脱塩室出口側(図1の下側)から流入し、脱塩室入口側(図1の上側)から流出する。
【0034】
また、HCO3 −低減手段9から流出した水の一部は陽極室17の入口側に送給され、そして、陽極室17の流出水は、陰極室18の入口側へ送給され、陰極室18の流出水は排水として系外へ排出される。
【0035】
このように、濃縮室15にHCO3 −低減処理水を脱塩室16と向流一過式で通水することにより、生産水取り出し側ほど濃縮室15内の濃縮水のHCO3 −を含めたイオン濃度が低いものとなり、濃度拡散による脱塩室16への影響が小さくなり、強アニオンのみならずHCO3 −の除去率も飛躍的に高めることができる。この電気脱イオン装置によれば、比抵抗が17.5MΩ・cm以上の生産水を生産することが可能である。
【0036】
なお、濃縮室に通水されるHCO3 −低減処理水の導電率が低く、電気脱イオン装置の電気抵抗が高くなるときには、濃縮室にイオン交換体等の導電体を充填する。これにより、濃縮水に食塩等の電解質を添加し電気抵抗を下げることが不要となる。電極室17,18にも、電流確保のために、イオン交換体や活性炭、又は電気導電体である金属等を充填することが好ましい。これにより、超純水等の高水質の水を通水しても必要電流を確保することが可能となる。
【0037】
電極室では、特に陽極室での塩素やオゾン等の酸化剤の発生が起こるため、充填物としては、長期的にはイオン交換樹脂等を用いるよりも、活性炭を用いることが好ましい。
【0038】
図2は、この図1の電気脱イオン装置の脱塩室及び濃縮室への通水系統を簡略化して示したものである。図示の通り、被処理水が脱塩室16に通水されて生産水となる。被処理水の一部がHCO3 −低減処理後、濃縮室15に通水され、濃縮排水として排出される。濃縮室内の水の流れ方向は脱塩室16内の反対(向流)である。
【0039】
このHCO3 −低減手段9により、HCO3 −濃度を50ppb以下好ましくは30ppb以下とすることにより、生産水中のHCO3 −濃度が著しく低くなる。
【0040】
図3〜5に別の実施の形態(図3)及び参考例(図4,5)に係る電気脱イオン装置の通水系統図を示す。
【0041】
図3では、濃縮室に供給する水を、HCO3 −低減手段9で処理後、濃縮室15に対し、脱塩室16の出口に近い側から供給し、脱塩室16の入口に近い側から流出させるとともに、濃縮室流出水の一部をHCO3 −低減手段9の前に戻し、循環利用している。図中Pは循環用ポンプを示している。
【0042】
図4では、濃縮室に供給する水を、HCO3 −低減手段9で処理後、脱塩室16の入口に近い側から供給し、脱塩室16の出口に近い側から一過式で流出させている。
【0043】
図5では、濃縮室に供給する水を、HCO3 −低減手段9で処理後、脱塩室16の入口に近い側から供給し、脱塩室16の出口に近い側から流出させるとともに、濃縮室16の流出水の一部をHCO3 −低減手段9の前に戻し、循環利用している。
【0044】
図3,5の方式によれば、濃縮水の一部を循環利用しているため、電気脱イオン装置の水回収率を高くすることができる。
【0045】
図4,5では、脱塩室出口側の濃縮室HCO3 −濃度が濃縮室入口側よりも高くなる。このため、例えばHCO3 −低減手段として酸添加による低減を行う場合には、濃縮室通過によるpHの上昇分を見込んで、酸添加量を増やし、脱塩室出口側の濃縮室pHを4.8以下とすることによって、HCO3 −の濃度勾配による拡散を防ぐことが望ましい。
【0046】
なお、図3,4,5では、図1に比べて、脱塩室出口側の濃縮室15のシリカ、ホウ素の濃度が高くなる。従って、電気脱イオン装置の処理水のシリカ、ホウ素濃度を低減させるためには、図2の方式が望ましい。
【0047】
本発明では、脱塩室の厚さは2〜7mm、流速はLV=60〜120m/h、SV=100〜200/hが好ましい。濃縮室の厚さは2〜7mm、流速はLV=10〜30m/h、SV=25〜50/hが好ましい。また、脱塩室、濃縮室ともにイオン交換体が充填され、特にアニオンカチオンの混合で充填されており、電流密度300〜700mA/dm2で運転されることが好ましい。また、水回収率を75〜85%で運転することが好ましい。
【0048】
【実施例】
[実施例1]
図1において、脱塩室のセル数を10とし、この脱塩室に特開2001−25647に記載のハニカムを配置し、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂とを混合充填した。アニオン樹脂/カチオン樹脂の混合比率(重量比)は、セル上部で75/25、セル下部で60/40とした。濃縮室には同じ混合樹脂(上記比率75/25)を充填した。なお、イオン交換膜としては、(株)トクヤマ製均質イオン交換膜(アニオン膜:AHA,カチオン膜:CMB)を使用した。
【0049】
脱塩室及び濃縮室の寸法は5mm(厚)×600mm(高さ)×320(幅)とした。
【0050】
脱塩室通水量は1.2m3/h(SV=125h−1,LV=75m/h)、濃縮室通水量は0.3m3/hとした。HCO3 −低減手段としては、硫酸(濃度5%)の薬注設備を用い、pH4.8となるように添加した。運転電流10A(520mA/dm2)、運転電圧38Vにて運転した。通水開始1週間後の生産水の水質を表1に示す。
【0051】
[比較例1]
硫酸添加を行わなかった他は実施例1と同様に通水し、通水1週間後に水質測定を行った。
【0052】
表1の通り、実施例1の生産水比抵抗は、比較例1に比べて著しく高い。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】
以上の通り、本発明の電気脱イオン装置及びその運転方法によるとアニオン濃度特にHCO3 −濃度が著しく低い生産水を確実に生産することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態に係る電気脱イオン装置の模式的な断面図である。
【図2】 図1の電気脱イオン装置の通水系統図である。
【図3】 別の実施の形態に係る電気脱イオンシステムの通水系統図である。
【図4】 参考例に係る電気脱イオンシステムの通水系統図である。
【図5】 異なる参考例に係る電気脱イオンシステムの通水系統図である。
【図6】 pHと炭酸の形態との相関図である。
Claims (3)
- 陽極を有する陽極室及び陰極を有する陰極室を有し、これら陽極室と陰極室との間にイオン交換膜によって濃縮室と脱塩室とが区画された電気脱イオン装置の運転方法であって、
被処理水を該脱塩室に流通させ、濃縮水を該濃縮室に流通させ、電極水を該陽極室及び該陰極室に流通させる運転方法において、
該濃縮水及び該電極水は、被処理水をHCO3 −低減手段で処理した低HCO3 −濃度水である電気脱イオン装置の運転方法であり、
該濃縮水を脱塩室出口に近い側から該濃縮室に流入させると共に、脱塩室入口に近い側から流出させるように該濃縮室に流通させるものであり、
前記HCO 3 − 低減手段で処理された水のHCO 3 − 濃度が50ppb以下であり、
該HCO 3 − 低減手段は、水のpHを4.8以下とするものであることを特徴とする電気脱イオン装置の運転方法。 - 請求項1において、前記HCO3 −低減手段が脱気手段を有することを特徴とする電気脱イオン装置の運転方法。
- 陽極を有する陽極室及び陰極を有する陰極室を有し、これら陽極室と陰極室との間にイオン交換膜によって濃縮室と脱塩室とが区画され、
被処理水が該脱塩室に流通され、濃縮水が該濃縮室に流通され、電極水が該陽極室及び該陰極室に流通される電気脱イオン装置において、
被処理水のHCO 3 − 濃度を低下させて低HCO 3 − 濃度水とするHCO 3 − 低減手段と、
該HCO 3 − 低減手段からの該低HCO 3 − 濃度水を、該濃縮水として、脱塩室出口に近い側から該濃縮室に流入させると共に脱塩室入口に近い側から流出させるように設けられた濃縮水導入手段及び流出手段と、
該HCO 3 − 低減手段からの該低HCO 3 − 濃度水を、該電極水として、該陽極室及び該陰極室に流通させる電極水流通手段と、
を備えてなり、
前記HCO 3 − 低減手段は、水のHCO 3 − 濃度を50ppb以下とし、水のpHを4.8以下とするものであることを特徴とする電気脱イオン装置。
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