JP4748318B2 - 電気脱イオン装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電気脱イオン装置に関し、特に濃縮室及び脱塩室におけるスケール障害を防止し得る電気脱イオン装置に関する。
従来、半導体製造工場、液晶製造工場、製薬工業、食品工業、電力工業等の各種の産業又は民生用ないし研究施設等において使用される脱イオン水の製造には、図4に示すように、電極(陽極11,陰極12,陽極室17,陰極室18)の間に複数のアニオン交換膜(A膜)13及びカチオン交換膜(C膜)14を交互に配列して濃縮室15と脱塩室16とを交互に形成し、脱塩室16にイオン交換樹脂、イオン交換繊維又はグラフト交換体等からなるアニオン交換体及びカチオン交換体を混合又は複層状に充填した電気脱イオン装置1が多用されている(特許文献1〜3参照)。
この電気脱イオン装置1は、水解離によってHイオンとOHイオンとを生成させ、脱塩室16内に充填されているイオン交換体を連続して再生することによって、効率的な脱塩処理が可能であり、従来から広く用いられてきたイオン交換装置のような薬品を用いた再生処理を必要とせず、完全な連続採水が可能で、高純度の水が得られるという優れた効果を有するものである。
しかしながら、浄水場等で河川水、地下水等を除濁、脱塩素、軟化処理した水道水を電気脱イオン装置1の被処理水として直接用いた場合や被処理水のカルシウム濃度が高い場合には、(1)濃縮室15内でのスケールの発生、(2)CO負荷増大による処理水導電率の悪化が起こることから、従来、これらの水を直接電気脱イオン装置1の被処理水として通水することはなかった。
かかる問題点のうち、(2)CO負荷の増大については、比較的安価な脱炭酸装置を電気脱イオン装置1の前処理装置として用いることにより解決することができる。また、(1)濃縮室15内でのスケールの発生を防止するためには、電気脱イオン装置1の前段に軟化装置等を設置して被処理水中の硬度成分を完全に除去する方法があるが、軟化装置を用いた場合には、その再生が必要となり、再生不要の電気脱イオン装置を用いることによる利点が失われてしまう。
このような問題点を解決するために、従来、電気脱イオン装置の前処理装置として、硬度成分及びCO濃度を低減させるために、逆浸透膜装置(RO膜装置)を設置する方法が知られており、特に被処理水中の硬度成分濃度が高い場合には、RO膜装置を直列に2段設置する方法が一般的に用いられている。
また、図5に示すように、電気脱イオン装置1の濃縮室15に、アニオン交換層面20Aが陰極12側に位置し、カチオン交換層面20Bが陽極11側に位置するようにバイポーラ膜20を配置して、濃縮室15内でスケール成分となるカルシウムイオン(Ca2+)と炭酸イオン(CO 2−)との会合を防止することで、電気脱イオン装置1の前処理装置として必要とされていたRO膜装置を省略することができ、設備コスト、処理コストの低減を図る方法が提案されている(特許文献4,5参照)。
特許第1782943号公報 特許第2751090号公報 特許第2699256号公報 特開2001−198577号公報 特開2002−186973号公報
しかしながら、特許文献4,5に記載の方法で1段RO膜処理水を電気脱イオン装置に導入する場合に、原水に含まれる硬度成分濃度が変動したり、硬度成分濃度が非常に高かったりすると、電気脱イオン装置の脱塩室内部の比較的pHの高いアニオン交換体比率が大きい箇所において、水酸化物スケールが発生してしまうことがあった。例えば、水酸化マグネシウムのような不溶解成分が析出し、安定的に運転することができなくなるという問題があった。
また、原水中の硬度成分濃度が高いと、電気脱イオン装置の前段にRO膜装置を2段設置する必要があり、その場合、装置コストが高くなる上、RO膜装置を駆動するための高圧ポンプの消費電力量が大きい等の問題があった。
そのため、被処理水の硬度成分濃度が非常に高い条件であっても、1段のRO膜装置の前処理だけで安定的に運転することのできる電気脱イオン装置が望まれていた。
さらに、特許文献4,5に記載の電気脱イオン装置では、濃縮室をバイポーラ膜で区画しているので、この脱塩室に隣接している区画された濃縮室は、原水中のカチオン成分が濃縮される側と、アニオン成分が濃縮される側とになる。このため、濃縮室のカチオン成分が濃縮される側では、水相がアルカリ性になりカチオン交換樹脂が再生されにくく、逆にアニオン成分が濃縮される側では、水相が酸性になりアニオン交換樹脂が再生されにくくなる。したがって、経時とともにイオン交換樹脂の吸着再生が行われにくくなる結果、濃縮室内部でのイオン移動が制限され、電気脱イオン装置の消費電力が高くなるという課題があった。
さらに、濃縮室内部でのイオン移動が制限されると、脱塩室でのイオンの移動にも影響を及ぼすため、最終的には、脱塩室でもスケール化傾向が増加するおそれがあった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、濃縮室及び脱塩室にてスケールの発生を防止し、長期間安定的に運転することのできる電気脱イオン装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第一に本発明は、陰極と陽極との間に、複数のアニオン交換膜とカチオン交換膜とを交互に配列して濃縮室と脱塩室とを交互に形成してなり、当該濃縮室にバイポーラ膜を設けて当該濃縮室内を陰極側と陽極側とに区画してなる電気脱イオン装置であって、前記脱塩室に、アニオン交換樹脂、カチオン交換樹脂、又はこれらの混合樹脂であるイオン交換樹脂を充填し、前記イオン交換樹脂の全部又は一部が、交換基がナトリウム型又は塩素型で、湿潤時の平均粒径が500μm以下であることを特徴とする電気脱イオン装置を提供する(請求項1)。
被処理水中のマグネシウム等の成分が多い場合、脱塩室内部のpHが高くなると、水酸化マグネシウム等の不溶解性の水酸化物スケール等が発生し、脱塩室の差圧上昇、ひいては閉塞を引き起こす。これを避けるためにスケールの原因となるカチオン(カルシウムイオン、マグネシウムイオン)を、脱塩室から速やかに濃縮室に移動させる必要がある。そこで、上記発明(請求項1)によれば、脱塩室に小粒径のイオン交換樹脂を充填しているので、イオン交換樹脂同士の接触面積と、流通水に対するイオン交換樹脂の表面積が増加し、これにより、脱塩室内部でのカチオンの移動速度が上昇する一方、流通水との接触面積が増えることで、脱塩室からの除去が速やかに行われることになる。
上記発明(請求項1)においては、前記脱塩室に充填されるイオン交換樹脂が、カチオン交換樹脂、又はアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との混合樹脂であり、前記カチオン交換樹脂の全部又は一部が、交換基がナトリウム型で、湿潤時の平均粒径が500μm以下であることが好ましい(請求項2)。
上記発明(請求項2)によれば、脱塩室に小粒径のカチオン交換樹脂を充填しているので、カチオン交換樹脂同士の接触面積と、流通水に対するカチオン交換樹脂の表面積が増加し、これにより、脱塩室内部でのカチオンの移動速度が上昇する一方、流通水との接触面積が増えることで、脱塩室からの除去が速やかに行われることになる。
上記発明(請求項1,2)においては、前記濃縮室にイオン交換樹脂としてアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との混合樹脂を充填し、前記混合樹脂のアニオン交換樹脂の全部又は一部が、弱塩基性交換基又はII型の交換基を有するアニオン交換樹脂であることが好ましい(請求項3)。
弱塩基性交換基又はII型の交換基を有するアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との混合樹脂は、I型アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との混合樹脂よりも水解離を起こしやすく、この水解離の結果、生成したHイオン、OHイオンがイオン交換樹脂を再生することにより、イオン交換樹脂の再生と、再生したイオン交換樹脂によるイオンの吸着とのサイクルが円滑化されるため、上記発明(請求項3)によれば、濃縮室内部でのイオン移動を促進することができる。また、水解離により生成するイオン量が増えれば、その分、濃縮室内部を移動するイオン量が増加するので、電流が流れやすくなり、その結果、消費電力も低減できるという効果も奏する。
本発明によれば、濃縮室及び脱塩室にてスケール等の発生を防止し、長期間安定的に運転することのできる電気脱イオン装置を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る電気脱イオン装置を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る電気脱イオン装置を示す概略構成図であり、図2は、同実施形態に係る電気脱イオン装置の脱塩室及び濃縮室の脱塩室に隣接する部分を示す拡大断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る電気脱イオン装置1は、陽極11と、陰極12と、陽極室17と、陰極室18と、陽極11及び陰極12の間にカチオン交換膜14及びアニオン交換膜13を交互に配列し、交互に形成された脱塩室16及び濃縮室15とを有する。
濃縮室15には、バイポーラ膜20が配列されており、かかるバイポーラ膜20により濃縮室15が陽極側区画室15Aと陰極側区画室15Bとに区画されている。
バイポーラ膜20は、そのアニオン交換層面20Aが陰極12側に位置し、カチオン交換層面20Bが陽極11側に位置するようにして配置される。これにより、アニオン交換膜13側の脱塩室16から透過してきた炭酸水素イオン(HCO )と、カチオン交換膜14側の脱塩室16から透過してきたカルシウムイオン(Ca2+)とは、それぞれバイポーラ膜20のカチオン交換層面20Bとアニオン交換層面20Aとにより遮断されるため、これらが会合することによる濃縮室15内での炭酸カルシウムスケール等の発生を防止することができる。
本実施形態において、濃縮室15に設けられるバイポーラ膜20としては、アニオン交換層20Aとカチオン交換層20Bとを有しており、水電解効率の高いものであれば、特に限定されるものではない。
図2に示すように、脱塩室16には、イオン交換樹脂30としてアニオン交換樹脂30A及びカチオン交換樹脂30Bが充填されている。一方、濃縮室15には、イオン交換樹脂31としてアニオン交換樹脂31A及びカチオン交換樹脂31Bが充填されている。脱塩室16及び濃縮室15にアニオン交換樹脂30A,31A及びカチオン交換樹脂30B,31Bを充填することで、得られる脱イオン水の水質を向上させることができる。
脱塩室16に充填されるアニオン交換樹脂30Aは塩素型であり、カチオン交換樹脂30Bはナトリウム型である。これらのイオン交換樹脂30(30A,30B)は、それぞれ小粒径である。具体的には、湿潤時の平均粒径が500μm以下であり、300〜450μmであるのが好ましい。
これは、以下のような理由による。
すなわち、脱塩室16内のpHが高くなると水酸化マグネシウム等の不溶解性の水酸化物スケールが発生し、脱塩室16での差圧上昇、長期的には閉塞を引き起こし、電気脱イオン装置が運転できなくなる。これを避けるためには、スケールの原因となるカチオン(カルシウムイオン、マグネシウムイオン)を、脱塩室16から速やかに濃縮室15に移動させる必要がある。
そこで、本実施形態のように、脱塩室16内に小粒径のイオン交換樹脂30(アニオン交換樹脂30A及びカチオン交換樹脂30B)を充填することにより、イオン交換樹脂30同士の接触面積と、流通水に対するイオン交換樹脂30の表面積が増加する。
これに伴い、イオン交換樹脂30の接触面積が増加するので、脱塩室16内のイオンがこのイオン交換樹脂30を伝って脱塩室16から濃縮室15へと移動する際のイオンの移動速度が増加する。また流通水との接触面積が増えることで、脱塩室16からの除去が速やかに行われる。
一般に、電気脱イオン装置においては、600μm程度の粒径のイオン交換樹脂30が充填されることが多いが、仮に粒径を60%に小さくした場合、単位体積あたりの樹脂表面積は67%増加するので、上述した効果が非常に顕著に発揮されることになる。
ただし、粒径を小さくしすぎると電気脱イオン装置1の通水差圧が大きくなりすぎて現実的ではないため、イオン交換樹脂30としては300〜450μmの平均粒径のものを用いるのが好ましい。
なお、スケール防止の観点からは、カチオン交換樹脂30Bの粒径のみを小さくすればよいが、本実施形態のようにアニオン交換樹脂30Aを同程度の粒子径にすることでイオン交換樹脂30を均一に充填することができる等の面で有効である。
上記脱塩室16に充填されるイオン交換樹脂30におけるアニオン交換樹脂30Aとカチオン交換樹脂30Bとの混合比率は、カチオン交換樹脂30Bの体積比率が、50〜80体積%以下であることが好ましい。このようにカチオン交換樹脂30Bの体積比率を多くすることで、脱塩室16に供給された被処理水中の硬度成分(Ca2+,Mg2+等の2価の陽イオン)を選択的に、かつ効率的に除去することができ、これにより炭酸カルシウムや水酸化マグネシウム等によるスケール等の発生を防止することができる。
なお、脱塩室16を上下に複数の層(例えば、3層構造)として、各層ごとにイオン交換樹脂30の組成を変更してもよい。例えば、第1層及び第3層に充填されるイオン交換樹脂30におけるカチオン交換樹脂30Bの体積比率を多くする一方、第2層に充填されているイオン交換樹脂30においては、アニオン交換樹脂30Aの体積比率を多くするようにしてもよい。また、脱塩室16の第1層及び/又は第3層に充填されるイオン交換樹脂30は、その全量がカチオン交換樹脂30Bであってもよい。
また、濃縮室15に充填されるイオン交換樹脂31(アニオン交換樹脂31A及びカチオン交換樹脂31B)においては、アニオン交換樹脂31Aとしては弱塩基性交換基又はII型の交換基を有するものを用いる。
II型アニオン交換樹脂は、ジメチルエタノールアミンを官能基とする強塩基性陰イオン交換樹脂である。このII型のアニオン交換樹脂又は弱塩基性アニオン交換樹脂は、イオン交換樹脂31を構成するアニオン交換樹脂31Aの全部である必要はなく、少なくとも一部、例えば10%以上でよい。
II型アニオン交換樹脂又は弱塩基性アニオン交換樹脂は、再生されやすく、水解離を生じやすいという性状を有する。このようにイオン交換樹脂31として、弱塩基性交換基又はII型の交換基のアニオン交換樹脂31Aとカチオン交換樹脂31Bとの混合樹脂を用いることにより、水解離が起こりやすく、水解離の結果生成したHイオン、OHイオンがイオン交換樹脂31を再生する。その結果、濃縮室15内でのイオン移動が促進される。
また水解離により生成するイオン量が増えれば、その分、濃縮室内部を移動するイオン量が増加するので、電流が流れやすくなり、その結果、消費電力も低減できる、という効果も奏する。
脱塩室16に充填されるイオン交換樹脂31におけるアニオン交換樹脂31Aとカチオン交換樹脂31Bとの混合比率は、アニオン交換樹脂31A:カチオン交換樹脂31B=90:10〜10:90であることが好ましく、アニオン交換樹脂31A:カチオン交換樹脂31B=70:30〜30:70であることが特に好ましい。
図3に示すように、本実施形態に係る電気脱イオン装置1は、脱塩室16の流出側と濃縮室15及び電極室10(陽極室17,陰極室18)の流入側とを接続する脱イオン水供給管を備えている。これにより、脱塩室16から流出した脱イオン水の一部が濃縮室15及び電極室10に供給され、水道水のようにカルシウム濃度の高い水を処理する場合であっても、脱イオン水の一部を濃縮室15に導入することで、濃縮室15の循環水を脱イオン水で希釈してカルシウム濃度を低減することができ、濃縮室15内におけるスケール等の発生を一層防止することができる。
以上説明したような本実施形態に係る電気脱イオン装置1において、脱塩室16及び濃縮室15に充填されるイオン交換樹脂30,31は、湿潤時のカサ体積が100%以上、特に110〜120%となるように充填されているのが好ましい。
このように、脱塩室16及び濃縮室15の空間容積以上にイオン交換樹脂30,31を充填することで、イオン交換樹脂30,31が球形を保てなくなり、その結果、イオン交換樹脂30,31同士の接触面積が増加する。
イオンはイオン交換樹脂を伝って脱塩室16から濃縮室15へと移動するため、イオン交換樹脂30,31同士の接触面積が増加すると、移動速度が増加する。
また、脱塩室16においては、流通水との接触面積が増えることで、脱塩室からのイオンの除去が速やかに行われる。さらに、上述したように消費電力の低減にも効果がある。
また、本実施形態に係る電気脱イオン装置1の脱塩室16には、予めpHを調整した被処理水を供給することが好ましい。具体的には、予めpHを6.5以下に調整した被処理水を供給することが好ましく、特にpHを5.8以下に調整した被処理水を供給することが好ましい。被処理水のpHが6.5を超えると、脱塩室16内に水酸化マグネシウム等の不溶性の水酸化物スケールが発生してしまうおそれがあり、それにより、脱塩室16の差圧の上昇を引き起こしてしまい、ひいては脱塩室16の閉塞を引き起こしてしまうおそれがある。
被処理水のpHを調整する方法としては、一般的なpH調整方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、被処理水中にpH調整剤を添加することにより被処理水のpHを調整してもよいし、前処理工程として脱炭酸装置を備える場合には、当該脱炭酸装置における脱炭酸量を調整することにより被処理水のpHを調整してもよい。
以上説明したような本実施形態に係る電気脱イオン装置1は、被処理水の全硬度成分濃度が、炭酸カルシウム換算濃度で0.5mg/L以上であっても、当該被処理水を脱塩室16に供給し、処理することができ、そのような被処理水を処理したとしても、脱塩室16及び濃縮室15にスケールが発生することもない。したがって、水質が悪化した被処理水を処理するような場合であっても、電気脱イオン装置1の前処理装置として2段のRO膜装置を設ける必要がなく、装置コストを低減することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、比較例及び実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の各比較例及び各実施例で用いた試験装置は、活性炭装置、下記の電気脱イオン装置の順で直列に配置したものである。
電気脱イオン装置:栗田工業社製「クリテノンSH型」
処理水量:420L/hr
また、試験用の被処理水(市水)として下記のものを用意した。
被処理水:給水Ca濃度;28ppm(CaCO換算)
給水CO濃度;29ppm(CaCO換算)
〔比較例1〕
電気脱イオン装置のイオン交換膜、及び脱塩室と濃縮室とに充填するイオン交換樹脂として下記のものを用い、上記被処理水を1段RO膜処理した水を電気脱イオン装置の被処理水として、表1に示す条件で通水を行い、得られた処理水の比抵抗値及び濃縮室流量、並びに10L/hrで通水したときの脱塩室と濃縮室との差圧の経時変化を測定した。
なお、濃縮室循環水の補給水及び電極室水としては、被処理水を用いた。
結果を表1に示す。
アニオン交換膜:旭化成工業社製,「アシプレックスA501SB」
カチオン交換膜:旭化成工業社製,「アシプレックスK501SB」
イオン交換樹脂:アニオン交換樹脂(三菱化学社製,「SA10A」)とカチオン交換樹脂(三菱化学社製,「SK1B」)とを6:4の体積混合比率で混合したもの
〔比較例2〕
比較例1で用いた電気脱イオン装置の濃縮室にバイポーラ膜を設け、図4に示す電気脱イオン装置を組み立て、さらに被処理水の代わりに脱塩室から得られた脱イオン水の一部(15%)を濃縮室循環水の補給水及び電極室水として送給した。また、脱塩室に充填するイオン交換樹脂を三層に分割し、第一層に体積比でアニオン交換樹脂/カチオン交換樹脂(以下「A/C」という)=3/7となるようにイオン交換樹脂を充填し、第二層に体積比でA/C=7/3となるようにイオン交換樹脂を充填し、第三層に体積比でA/C=3/7となるようにイオン交換樹脂を充填した。これら以外は同様にして、表1に示す通水条件で試験を行った。
結果を表1に示す。
イオン交換樹脂としては、比較例1に記載のアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との混合樹脂を用いた。また、濃縮室を区画するバイポーラ膜は下記のものを使用した。
スルホン酸基をイオン交換基とするカチオン交換膜(徳山曹達社製、商品名:ネオセプタCMB)を予めサンドペーパーにより処理して一方の表面に凹凸を設けた後、2質量%の塩化第一鉄(FeCl)水溶液に25℃で1時間浸漬した後、イオン交換水で十分に洗浄して室温で風乾した。
また、ポリスルホンをクロルメチル化し、次いでトリメチルアミンにより4級塩基化したアミノ化ポリスルホン(4級塩基の交換容量:0.92meq/g)を、メタノール−クロロホルム(容量比=1:1)の混合溶媒に溶解して15質量%のアミノ化ポリスルホン溶液を調製した。
次いで、上記のようにして処理したカチオン交換膜の粗面化した表面に、アミノ化ポリスルホン溶液を塗布して乾燥し、アミノ化ポリスルホンの厚みが90μmであるバイポーラ膜を製造した。
〔実施例1〕
比較例2で用いた電気脱イオン装置において、脱塩室に充填するイオン交換樹脂をふるいにより分級することにより平均粒径を500μmに調整し、さらに濃縮室に充填するイオン交換樹脂を下記の混合樹脂に変更したこと以外は同様にして、表1に示す通水条件で試験を行った。
結果を表1に示す。
濃縮室:アニオン交換樹脂(三菱化学社製,「SA20A」,II型アニオン交換樹脂)とカチオン交換樹脂(三菱化学社製,「SK1B」)とを6:4の体積混合比率で混合したもの
〔実施例2〕
実施例1において、電気脱イオン装置の脱塩室に充填するイオン交換樹脂をふるいにより分級することにより平均粒径を400μmに調整した以外は同様にして表1に示す通水条件で試験を行った。
結果を表1に示す。
Figure 0004748318
表1に示すように、比較例1の電気脱イオン装置では、1週間で脱塩室及び濃縮室側の差圧が上昇してしまい運転不能となったが、実施例1,2及び比較例2の電気脱イオン装置では、3ヶ月間安定して運転することができた。しかし、比較例2の電気脱イオン装置は、5ヶ月経過時点で脱塩室差圧に若干の上昇が見られ、給水条件が悪化すれば安定運転に支障をきたすおそれがあることが分かった。一方、脱塩室に充填するイオン交換樹脂の平均粒径を400μmに調整した実施例2の電気脱イオン装置は、最も処理水質が良いうえ、消費電力を低減することができた。
本発明の一実施形態に係る電気脱イオン装置を示す概略構成図である。 同実施形態に係る電気脱イオン装置の脱塩室及び濃縮室の一部を示す拡大断面図である。 同実施形態に係る電気脱イオン装置における被処理水の流れを示す系統図である。 従来の電気脱イオン装置を示す概略構成図である。 従来の他の電気脱イオン装置を示す概略構成図である。
符号の説明
1…電気脱イオン装置
11…陽極
12…陰極
13…アニオン交換膜
14…カチオン交換膜
15…濃縮室
16…脱塩室
17…陽極室
18…陰極室
20…バイポーラ膜
20A…アニオン交換層面
20B…カチオン交換層面
30…イオン交換樹脂
30A…アニオン交換樹脂
30B…カチオン交換樹脂
31…イオン交換樹脂
31A…アニオン交換樹脂
31B…カチオン交換樹脂

Claims (3)

  1. 陰極と陽極との間に、複数のアニオン交換膜とカチオン交換膜とを交互に配列して濃縮室と脱塩室とを交互に形成してなり、当該濃縮室にバイポーラ膜を設けて当該濃縮室内を陰極側と陽極側とに区画してなる電気脱イオン装置であって、
    前記脱塩室に、アニオン交換樹脂、カチオン交換樹脂、又はこれらの混合樹脂であるイオン交換樹脂を充填し、
    前記イオン交換樹脂の全部又は一部が、交換基がナトリウム型又は塩素型で、湿潤時の平均粒径が500μm以下であることを特徴とする電気脱イオン装置。
  2. 前記脱塩室に充填されるイオン交換樹脂が、カチオン交換樹脂、又はアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との混合樹脂であり、
    前記カチオン交換樹脂の全部又は一部が、交換基がナトリウム型で、湿潤時の平均粒径が500μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電気脱イオン装置。
  3. 前記濃縮室にイオン交換樹脂としてアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂との混合樹脂を充填し、
    前記混合樹脂のアニオン交換樹脂の全部又は一部が、弱塩基性交換基又はII型の交換基を有するアニオン交換樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気脱イオン装置。
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