JP2015123405A - 電極及びその製造方法並びにそれを有する通液型コンデンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】通液型コンデンサ用の電極として好適に用いられる、電極抵抗が小さく、耐久性に優れる電極を提供する。【解決手段】集電体層上に、多孔質電極層とイオン交換層がこの順に積層されており、前記イオン交換層は、イオン交換体(A)を含有し、かつ前記多孔質電極層への浸透深さが0.8μm以上であることを特徴とする電極を用いることで、課題は解決できる。【選択図】なし

Description

本発明は、集電体層、多孔質電極層及びイオン交換層を有する電極及びその製造方法に関する。また、そのような電極を有する通液型コンデンサに関する。更に、そのような通液型コンデンサを有する脱塩装置及びそれを用いた脱塩方法に関する。
通液型コンデンサ(通液型電気二重層コンデンサ)は、ガス中、液(水溶液や非水溶液)中に含まれる物質の除去や、組成の変更に用いられる。通常、通液型コンデンサは、高表面積の電極層を有する電極と、該電極間に設置される流路とを有する。物質の除去や組成の変更には、当該電極を用いた静電気的な吸着、電気化学的な反応、触媒的な分解などが利用される。
これまでに、電極によるイオンの静電気的な吸着を利用したイオン性物質を含む水の脱塩に用いられる通液型コンデンサはいくつか報告されている。
通常、通液型コンデンサによる脱塩は、通液型コンデンサの電極間に直流電圧を印加することにより、電極間に供給された水中のイオンを各電極間に吸着させた後、イオン性物質が除去された水を回収する脱塩工程(イオン吸着工程)と、直流電源を逆に接続するか、電極を短絡することにより各電極に吸着しているイオンを脱着させて電極を再生させる電極洗浄工程(イオン脱着工程)とを繰り返すことにより行われる。しかしながら、従来の通液型コンデンサでは、脱塩工程において、電極に吸着されている副イオン(電極の電荷と同符号の電荷を有するイオン)が、本来吸着されるべき対イオン(電極の電荷と反対符号の電荷を有するイオン)の吸着を阻害するという問題や、副イオンが脱着されて電極外に放出され、脱塩されている水中に混入することによる電流効率が低下するという問題があった。また、電極洗浄工程において、直流電源の接続を反転させることによって電極から脱着されたイオンが、当該イオンの電極とは反対符号の電荷を有する電極に再吸着され、電極が汚染されてしまう問題もあった。
これに対して、電極層の表面にイオン交換膜が設置された電極を使用した通液型コンデンサがいくつか報告されている。このような通液型コンデンサを用いて脱塩を行う場合は、脱塩工程では、イオン交換膜の固定電荷と同符号の荷電を電極に与え、電極洗浄工程では、イオン交換膜の固定電荷と反対符号の荷電を電極に与える。脱塩工程では、電極から脱着された副イオンの電極外への放出が前記イオン交換膜によって遮蔽されることにより電流効率が高まる。また、電極洗浄工程では、上述した、電極による脱着されたイオンの電極への再吸着が、前記イオン交換膜により防止される。
特許文献1には、多孔質電極にイオン交換膜が隣接している電極を用いた通液型コンデンサが報告されている。そして、前記イオン交換膜として用いられるイオン性基を有する重合体が多数例示されている。特許文献2には、多孔質材料を含み、電極の電荷とは反対符号の電荷を有するイオンを吸着するように構成された電極と、その電極と接触しているイオン交換材料を含む電極アセンブリが記載されている。特許文献2には、前記イオン交換材料として、イオン伝導性ポリマーが記載されている。しかしながら、特許文献1及び2に記載された通液型コンデンサは、多孔質電極とイオン交換膜の密着性が悪く電流効率が不十分であった。
非特許文献1には、カーボン電極表面にカチオン交換樹脂が塗布されてなる電極を有する通液型コンデンサが記載されている。電極表面のカチオン交換樹脂には、ポリビニルアルコールを電極表面に塗布した後、該ポリビニルアルコールをスルホコハク酸で処理することにより、架橋とスルホン酸基導入を行うことができる。多孔質電極表面にポリビニルアルコールを塗布し、その後架橋とスルホン酸基を導入することで多孔質電極とイオン交換膜の密着性は改善したが、界面での接着性が充分でなくイオン交換層の膨潤によりイオン交換層が多孔質電極から剥離する耐久性の問題があった。
米国特許第6709560号公報 特表2010−513018号公報
J.Membr.Sci.,Vol.355,p.85(2010)
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、電極抵抗が小さく、耐久性に優れ、電流効率が高い通液型コンデンサ用の電極として好適に用いられる電極及びその製造法を提供することを目的とするものである。また、本発明は、イオン性物質の除去(脱塩)や、イオン性物質と非イオン性物質の分離等において、優れた電流効率を有する通液型コンデンサを提供することを目的とするものである。更に、本発明では、そのような通液型コンデンサを用いた脱塩装置及び当該脱塩装置を用いた脱塩方法を提供することを目的としている。
本発明者は、前記課題について種々検討した結果、集電体層上に、多孔質電極層とイオン交換層がこの順に積層された電極において、前記イオン交換層がイオン交換体(A)を含み、かつ隣接する多孔質電極層に特定の状態で浸透した構造体を形成することにより、電極の耐久性や電流効率が大きく改善することを見出し、本発明に到達した。
本発明第1の構成は、集電体層上に、多孔質電極層とイオン交換層がこの順に積層されており、前記イオン交換層がイオン交換体(A)を含有し、かつ前記多孔質電極層への浸透深さが0.8μm以上であることを特徴とする電極である。
前記多孔質電極層が炭素材料を含有する電極であることが好ましい。
前記イオン交換体(A)がビニルアルコール系単量体(A−1)及びイオン交換性単量体(A−2)からなる共重合体であることが好ましい。
前記イオン交換体(A)のビニルアルコール系単量体(A-1)とイオン交換性単量体(A-2)のモル比が99.5:0.5〜50:50の範囲であることが好ましい。
前記イオン交換体(A)がビニルアルコール系重合体(a−1)とイオン交換性基を有する重合体(a−2)から形成されるブロック共重合体であることが好ましい。
前記イオン交換体(A)がビニルアルコール系重合体(a−1)とイオン交換性基を有する重合体(a−2)から形成されるグラフト共重合体であることが好ましい。
前記多孔質電極層上に形成される前記イオン交換層の厚みが1〜70μmの範囲であり、前記多孔質電極層の厚みが50〜1000μmの範囲であることが好ましい。
本発明第2の構成は、集電体層上に、多孔質電極層とイオン交換層がこの順に積層されており、前記イオン交換層がイオン交換体(A)を含有し、かつ前記多孔質電極層への浸透深さが0.8μm以上であることを特徴とする電極を含む通液型コンデンサ用電極である。
本発明第3の構成は、集電体層の表面に、多孔質材料を含有するスラリーとイオン交換体(A)を含有する溶液とを塗布した後、塗膜を乾燥させ、架橋させることにより、前記多孔質電極層と前記イオン交換層を形成することを特徴とする電極の製造方法である。
前記電極の製造方法において、前記集電体層の表面に、前記多孔質材料を含有するスラリーと前記イオン交換体(A)を含有する溶液を同時に塗布することが好ましい。
前記集電体層上に、前記多孔質材料を含有するスラリーを塗布した後に、該スラリーの表面に前記イオン交換体(A)を含有する溶液を塗布することが好ましい。
前記電極の製造方法において、塗膜を乾燥させた後に、熱処理及び/または架橋処理を行うことが好ましい。
本発明第4の構成は、前記電極を対向して配置して、前記電極間に流路部を形成し、一方の電極中の前記イオン交換体(A)がカチオン交換層であり、他方の電極中のイオン交換体(A)がアニオン交換層であり、アニオン交換層とカチオン交換層とが流路部を介して対向するように配置されてなることを特徴とする通液型コンデンサである。
本発明第5の構成は、前記通液型コンデンサ、それを収容する容器及び直流電源を有し、前記直流電源が、正極と負極を交換可能に各電極に接続され、前記容器が、通液型コンデンサによる脱塩に供されるイオン性物質を含有する液体の供給口と、脱塩された液体の排出口とを有することを特徴とする脱塩装置である。
本発明第6の構成は、脱塩装置を用いたイオン性物質を含有する液体の脱塩方法であって、アニオン交換層を有する電極を正極、カチオン交換層を有する電極を負極として、直流電源により各電極に電圧を印加し、電圧が印加された電極間の流路部にイオン性物質を含有する液体を供給して、該液体中のイオンを多孔質電極層に吸着させた後、該液体を排出して回収する第1工程と、流路部に液体を供給してアニオン交換層を有する電極を負極、カチオン交換層を有する電極を正極として、直流電源により各電極を印加することにより、第一工程で多孔質電極層に吸着されたイオンを脱着させ、脱着させたイオンを含む液体を排出する第2工程を有することを特徴とする脱塩方法である。
本発明の電極は、水中に浸漬させた状態で長期にわたり良質な外観を保持できる電極であり、電極抵抗が低く、イオンの吸着および脱着を効率よく行うことができる電極である。したがって、前記電極を用いた通液型コンデンサは、長時間にわたり、効率よく安定的に脱塩やイオン性物質と非イオン性物質の分離を行うことができる。また、本発明による製造方法によれば、電極界面の親和性が良く、より均質性の高い電極を得ることができる。
本発明の電極を用いた通液型コンデンサがイオンを吸着する様子の一例を示す模式図である。 本発明の電極を用いた通液型コンデンサがイオンを脱着する様子の一例を示す模式図である。 本発明の通液型コンデンサを有する脱塩装置の一例を示す模式図である。 本発明の脱塩装置中の通液型コンデンサの分解斜視図である。 実施例における、電極抵抗の測定方法を示す模式図である。 実施例15における電極−18の、多孔質電極層およびビニルアルコール系重合体層の断面の電子顕微鏡写真である。 比較例5における電極−31の、多孔質電極層およびビニルアルコール系重合体層の断面の電子顕微鏡写真である。
本発明の電極は、集電体層上に、多孔質電極層とイオン交換層がこの順に積層されており、前記イオン交換層がイオン交換体(A)を含有し、かつ前記イオン交換層の多孔質電極層への浸透深さが0.8μm以上であることを特徴とする電極である。積層とは集電体層の表面に多孔質電極層が直接形成され、さらに多孔質電極層の表面にイオン交換層が直接形成された構造である。
本発明の電極は、多孔質電極層とイオン交換層の接着性が高く耐久性にすぐれ、イオンの吸着及び脱着を効率良く行うことができる。本発明の電極によるイオンの吸着及び脱着は、多孔質電極層において行われる。イオンの吸着及び脱着には、電極の電圧を印加して多孔質電極層に電荷を与えることにより生じる、当該多孔質電極層とイオンとの間の静電力が利用される。
前記多孔質電極層の一面は、集電体層と対向してもよく、多孔質電極層と集電体層は電気的に接続される。前記電極と外部電源の接続は、通常、集電体層の一部と外部電源とを電気的に接続することにより行われる。このように前記電極を外部電源に接続することにより、多孔質電極層に電荷を与えることができる。
前記多孔質電極層の他面は、イオン交換層と対向してもよい。本発明の電極を用いてイオンの吸着や脱着を行う場合、多孔質電極層と電極外部の間のイオンの移動が、概ね当該イオン交換層を介して行われる。当該イオン交換層はイオン交換性重合体に由来する固定電荷を有するために、当該イオン性基の電荷と反対符号の電荷を有するイオンを選択的に透過させる。このようなイオン選択性を有するイオン交換層を介してイオンの移動が行われることにより、イオンの吸着と脱着を繰り返し行った場合における、吸着及び脱着効率の低下が抑制できる。
本発明の電極は、多孔質電極層に対して配置されるイオン交換層として、イオン交換体(A)を含有するイオン交換層を用いる。当該イオン交換層は、イオン交換体(A)にビニルアルコール系重合体を用いた場合は、膜抵抗が小さい上に、イオンが透過しやすく、イオン選択性に優れる。更に、当該イオン交換層は優れた強度と耐有機汚染性を有する。このようなイオン交換層を用いることにより、本発明の電極は、効率良く、かつ長期間にわたり安定的に、イオンの吸着及び脱着を行うことができる。
(浸透深さ)
イオン交換体(A)を含有する塗工液は、多孔質電極層の活性炭粒子内部の空孔へは浸透しにくく、主に活性炭粒子で形成される粒子間空隙に浸透する。即ち、多孔性電極層とイオン交換層の界面が形成する稜線の局所部分では、一つの峰から隣の次の峰までの間の粒子間空隙にイオン交換層が浸透する。ここで、イオン交換層の多孔質電極層への浸透深さは、前述の峰のいずれか高い方の頂点から、前述の浸透しているイオン交換層の先端部分までの標高差をいう。本発明では、この浸透深さは0.8μm以上であることが必須であり、1.0μm以上であるとがより好ましく、1.2μm以上であることが更に好ましい。前記イオン交換層が多孔質電極層の粒子間空隙に0.8μm以上浸透することで両層間の界面接着力が高くなり、イオン交換層の膨潤による剥離をおさえることができる。一方、前記イオン交換層の多孔質電極層の粒子間空隙への浸透深さが0.8μm未満の場合は、両層間の界面接着力が不足するため、膨潤による界面剥離が発生するおそれがある。ここで、浸透深さは、後述する実施例に記載された方法により測定された値を示す。
前記浸透深さの調整法は特に限定され無いが、例えば、イオン交換層を多孔質電極層の表面に塗布により形成する際に予め多孔質電極層中に一定の水を存在させることで塗布液の多孔質電極層表面への濡れ性が向上し浸透深さを調整することができる。または、多孔質電極層とイオン交換層を形成する塗布液を二層同時に塗工することで両界面で混ざり合いの程度を調整することでも浸透深さを調整できる。
(イオン交換体)
本発明のイオン交換層が含有するイオン交換体(A)は、カチオン性重合体またはアニオン性重合体を少なくともいずれか1つを含む。
(カチオン性重合体)
本発明で用いられるカチオン性重合体(アニオン交換性重合体と称することがある)(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体の少なくともいずれか1つを構成するカチオン性重合体を含む)は、分子中にカチオン基(アニオン交換基と称することがある)を含有する単量体であれば、カチオン基が、主鎖、側鎖、末端のいずれに含有されていても構わない。カチオン基としては、アンモニウム基、イミニウム基、スルホニウム基、ホスホニウム基などが例示される。また、アミノ基やイミノ基のように、水中においてその一部が、アンモニウム基やイミニウム基に変換し得る官能基を含有する重合体も、本発明のカチオン基を持つ重合体に含まれる。この中で工業的に入手しやすい観点から、アンモニウム基が好ましい。アンモニウム基としては、1級アンモニウム基(アンモニウム塩)、2級アンモニウム基(アンモニウム塩)、3級アンモニウム基(塩)、4級アンモニウム基(トリアルキルアンモニウム基等)のいずれを用いることができるが、4級アンモニウム基(トリアルキルアンモニウム基)がより好ましい。カチオン性重合体は、1種類のみのカチオン基を含有しても良いし、複数種のカチオン基を含有しても良い。また、カチオン基の対アニオンは特に限定されず、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、リン酸イオン、カルボン酸イオンなどが例示される。この中で、入手の容易性の点から、ハロゲン化物イオンが好ましく、塩化物イオンがより好ましい。カチオン性重合体は、1種類のみの対アニオンを含有しても良いし、複数種の対アニオンを含有しても良い。
カチオン性重合体としては、以下の一般式(1)〜(8)の構造単位を有するものが例示される。
Figure 2015123405

[式中、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。R、R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキル基、アリール基若しくはアラルキル基を表わす。R、R、Rは、相互に連結して飽和若しくは不飽和環状構造を形成していてもよい。Zは−O−、−NH−、または−N(CH)−を表し、Yは酸素、窒素、硫黄またはリン原子を含んでもよい総炭素数1〜8の二価の連結基を表す。Xはアニオンを表す。]
一般式(1)中の対アニオンXとしては、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、リン酸イオン、カルボン酸イオンなどが例示される。一般式(1)で表わされる構造単位を含有するカチオン性重合体しては、3−(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、3−(メタ)アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピルトリメチルアンモニウムクロライドなど3−(メタ)アクリルアミド−アルキルトリアルキルアンモニウム塩の単独重合体または共重合体などが例示される。
Figure 2015123405

[式中、Rは水素原子またはメチル基を表わす。R、R、R、およびXは一般式(1)と同義である。]
一般式(2)で表わされる構造単位を含有するカチオン性重合体としては、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドなどビニルベンジルトリアルキルアンモニウム塩の単独重合体または共重合体などが例示される。
Figure 2015123405

[式中、R、R、およびXは一般式(1)と同義である。]
Figure 2015123405

[式中、R、R、およびXは一般式(1)と同義である。]
一般式(3)および一般式(4)で表わされる構造単位を含有するカチオン性重合体としては、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドなどジアリルジアルキルアンモニウム塩が環化重合して得られる単独重合体または共重合体が例示される。
Figure 2015123405

[式中、nは0または1を表わす。RおよびRは一般式(1)と同義である。]
一般式(5)で表わされる構造単位を含有するカチオン性重合体としては、アリルアミンの単独重合体または共重合体が例示される。
Figure 2015123405

[式中、nは0または1を表わす。R、R、R、およびXは一般式(1)と同義である。]
一般式(6)で表わされる構造単位を含有するカチオン性重合体としては、アリルアミン塩酸塩などアリルアンモニウム塩の単独重合体または共重合体が例示される。
Figure 2015123405

[式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Aは−CH(OH)CH−、−CHCH(OH)−、−C(CH)(OH)CH−、−CHC(CH)(OH)−、−CH(OH)CHCH−、または−CHCHCH(OH)−を表す。Eは−N(Rまたは−N(R・Xを表し、Rは水素原子またはメチル基を表す。Xはアニオンを表す。)
一般式(7)で表わされる構造単位を含有するカチオン性重合体として、N−(3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミンまたはその4級アンモニウム塩の単独重合体または共重合体、N−(4−アリルオキシ−3−ヒドロキシブチル)ジエチルアミンまたはその4級アンモニウム塩の単独重合体または共重合体が例示される。
Figure 2015123405

[式中、Rは水素原子またはメチル基、Rは水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基またはi−プロピル基、Rは水素原子、メチル基、またはエチル基をそれぞれ表わす。]
一般式(8)で表わされる構造単位を含有するカチオン性重合体として、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等が例示される。
(アニオン性重合体)
本発明で用いられるアニオン性重合体(カチオン交換性重合体と称することがある)(ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体の少なくともいずれか1つを構成するアニオン性重合体を含む)は、分子中にアニオン基(カチオン交換基と称することがある)を含有する重合体である。当該アニオン基は、主鎖、側鎖、末端のいずれに含有されていても構わない。アニオン基としては、スルホネート基、カルボキシレート基、ホスホネート基などが例示される。また、スルホン酸基、カルボキシル基、ホスホン酸基のように、水中において少なくともその一部が、スルホネート基、カルボキシレート基、ホスホネート基に変換し得る官能基も、アニオン基に含まれる。この中で、イオン解離定数が大きい点から、スルホネート基が好ましい。アニオン性重合体は、1種類のみのアニオン基を含有していてもよいし、複数種のアニオン基を含有していてもよい。また、アニオン基の対カチオンは特に限定されず、水素イオン、アルカリ金属イオン、などが例示される。この中で、設備の腐蝕問題が少ない点から、アルカリ金属イオンが好ましい。アニオン性重合体は、1種類のみの対カチオンを含有していてもよいし、複数種の対カチオンを含有していてもよい。
本発明で用いられるアニオン性重合体は、上記アニオン基を含有する構造単位のみからなる重合体であってもよいし、上記アニオン基を含有しない構造単位をさらに含む重合体であってもよい。また、これらの重合体は架橋性を有するものであることが好ましい。アニオン性重合体は、1種類のみの重合体からなるものであってもよいし、複数種のアニオン性重合体を含むものであってもよい。また、これらアニオン性重合体と別の重合体との混合物であっても構わない。ここでアニオン性重合体以外の重合体はカチオン性重合体でないことが望ましい。
アニオン性重合体としては、以下の一般式(9)および(10)の構造単位を有するものが例示される。
Figure 2015123405

[式中、Rは水素原子またはメチル基を表す。Gは−SOH、−SO 、−POH、−PO 、−COHまたは−CO を表す。Mはアンモニウムイオンまたはアルカリ金属イオンを表す。]
一般式(9)で表わされる構造単位を含有するアニオン性重合体としては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の単独重合体または共重合体などが例示される。
Figure 2015123405

[式中、Rは水素原子またはメチル基を表わし、Tは水素原子がメチル基で置換されていてもよいフェニレン基またはナフチレン基を表わす。Gは一般式(9)と同義である。]
一般式(10)で表わされる構造単位を含有するアニオン性重合体としては、p−スチレンスルホン酸ナトリウムなどp−スチレンスルホン酸塩の単独重合体または共重合体などが例示される。
また、アニオン性重合体としては、ビニルスルホン酸、(メタ)アクリルスルホン酸などのスルホン酸またはその塩の単独重合体または共重合体、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等のジカルボン酸、その誘導体またはその塩の単独重合体または共重合体なども例示される。
一般式(9)または(10)において、Gは、より高い荷電密度を与えるスルホネート基、スルホン酸基、ホスホネート基、またはホスホン酸基であることが好ましい。また一般式(9)および一般式(10)中、Mで表わされるアルカリ金属イオンとしてはナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン等が挙げられる。
イオン交換体(A)がイオン性基を含有する単量体とイオン性基を含有しない単量体の共重合体である場合の、イオン性基を含有しない成分としては、特に限定されないが、ビニルアルコール成分、スチレン成分、アクリルアミド成分、アクリル成分、メタアクリル成分等が挙げられる。特に、多孔質電極層に対して高い親和性を保有するため、両層間での密着性が高く、かつ耐有機汚染性に優れる観点から、ビニルアルコール成分であることが好ましい。これら、イオン性重合体の重合方法としては特に限定されないが、熱分解ラジカル開始剤を用いた熱重合法、光分解ラジカル開始剤を用いた光重合法、電離放射線を用いた放射線重合法などの公知の方法があげられる。イオン交換体(A)がイオン性基を含有する重合体とイオン性基を含有しない重合体との混合物である場合、イオン性基を含有しない重合体としてはイオン性基を含有する重合体と親和性の高いものが好適用いられ、ポリビニルアルコール及びポリアクリルアミドが好適である。その中で、架橋性の高さからポリビニルアルコールがより好ましい。
さらには、イオン交換体(A)は主鎖に芳香環を含有するポリマーなどの炭化水素系の樹脂に、イオン交換能を発現させるイオン交換基を導入することにより得ることができる。例えば、ポリスチレンージビニルベンゼン共重合体、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリベンズイミダゾールなどのイオン交換基導入可能な官能基を有する前駆体ポリマーにイオン交換基を導入することにより得ることができる。
(ポリビニルアルコール系ランダム共重合体の製造)
本発明において、イオン交換体(A)は、ビニルアルコール系単量体単位(A-1)とカチオン基またはアニオン基を有する単量体単位(A−2)とを含む共重合体から構成されていることが好ましい。イオン交換体(A)に用いられるポリビニルアルコール系ランダム共重合体は、カチオン性単量体またはアニオン性単量体とビニルエステル系単量体を共重合し、これを常法によりけん化して得られる。ビニルエステル系単量体は、ラジカル重合可能なものであれば使用できる。例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニルおよびパーサティック酸ビニル等があげられる。この中でも酢酸ビニルが好ましい。カチオン基またはアニオン基を有する単量体単位としては、前記一般式(1)〜(10)で表わされるものなどが例示される。
カチオン性単量体またはアニオン性単量体とビニルエステル系単量体とを共重合させる方法としては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などの公知の方法があげられる。それらの方法の中でも、無溶媒で行う塊状重合法、またはアルコールなどの溶媒を用いて行う溶液重合が通常採用される。溶液重合を採用して共重合反応を行う際に、溶媒として使用されるアルコールには、メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコールがあげられる。共重合反応に使用される開始剤としては、2,2’―アゾビス(2、4−ジメチル−バレロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2、2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)などのアゾ系開始剤、過酸化ベンゾイル、n−プロピルパーオキシカーボネートなどの過酸化物系開始剤などの公知の開始剤があげられる。共重合反応を行う際の重合温度については、特に制限はないが、5〜180℃の範囲が適当である。
カチオン性単量体またはアニオン性単量体とビニルエステル系単量体とを共重合させることによって得られたビニルエステル系重合体は、次いで、公知の方法にしたがって溶媒中でけん化することで、カチオン基またはアニオン基を含有するビニルアルコール系重合体を得ることができる。
(ビニルアルコール系ブロックおよびグラフト共重合体)
本発明において、イオン交換体(A)は、ビニルアルコール系重合体(a―1)とカチオン基またはアニオン基を有する単量体単位を含む重合体(a−2)とを含有するポリビニルアルコール系のブロックおよび/またはグラフト共重合体がより好適に用いられる。こうすることにより、イオン性重合体がミクロ相分離して、膜の膨潤度の抑制、および形状保持についての機能を担うビニルアルコール重合体成分と、カチオンまたはアニオンを透過させる機能を担うイオン交換ユニットを重合してなる重合体成分とが役割分担でき、イオン交換膜の膨潤度と寸法安定性とを両立させることができる。カチオン基またはアニオン基を有する単量体単位としては、前記一般式(1)〜(10)で表わされるものなどが例示される。この中で、入手容易である点から、カチオン性重合体としては、メタクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウム塩を重合してなる重合体成分とビニルアルコール系重合体成分とを含有するブロック共重合体、ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム塩を重合してなる重合体成分とビニルアルコール系重合体成分とを含有するブロック共重合体、またはジアリルジアルキルアンモニウム塩を重合してなる重合体成分とビニルアルコール系重合体成分とを含有するブロック共重合体が好ましく用いられる。また、アニオン性重合体としては、p−スチレンスルホン酸塩を重合してなる重合体成分とビニルアルコール系重合体成分とを含有するブロック共重合体、または2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩を重合してなる重合体成分とビニルアルコール系重合体成分とを含有するブロック共重合体が好ましく用いられる。
(ビニルアルコール系ブロック共重合体の製造)
本発明に用いられるイオン交換体(A)に好ましく用いられる、ビニルアルコール系重合体成分(a−1)とカチオン交換性単量体、またはアニオン交換性単量体を重合してなる重合体成分(a−2)がブロック共重合を形成する重合体の製造方法は主に次の2つの方法に大別される。すなわち、(1)所望のブロック共重合体を製造した後、特定のブロックにカチオン基またはアニオン基を結合させる方法、および(2)少なくとも1種類のカチオン性単量体またはアニオン性単量体を重合させて所望のブロック共重合体を得る方法である。このうち、(1)については、末端にメルカプト基を有するビニルアルコール系重合体の存在下、1種類または複数種の単量体をブロック共重合させ、次いでブロック共重合体中の1種類または複数種の重合体成分にカチオン基またはアニオン基を導入する方法、(2)については、末端にメルカプト基を有するビニルアルコール系重合体の存在下、少なくとも1種類のカチオン性単量体またはアニオン性単量体をラジカル重合させることによりブロック共重合体を製造する方法が工業的な容易さから好ましい。特に、ブロック共重合体中の各成分の種類や量を容易に制御できることから、末端にメルカプト基を有するビニルアルコール系重合体の存在下、少なくとも1種類以上のカチオン性単量体またはアニオン性単量体をラジカル重合させてブロック共重合体を製造する方法が好ましい。
これらのブロック共重合体の製造に用いられる、末端にメルカプト基を有するビニルアルコール系重合体は、例えば、特開昭59−187003号公報などに記載されている方法により得ることができる。すなわち、チオール酸の存在下にビニルエステル系単量体、例えば酢酸ビニルをラジカル重合して得られるビニルエステル系重合体をけん化する方法があげられる。また、末端にメルカプト基を有するビニルアルコール系重合体とイオン性単量体とを用いてブロック共重合体を得る方法としては、例えば、特開昭59−189113号公報などに記載された方法が挙げられる。すなわち、末端にメルカプト基を有するビニルアルコール系重合体の存在下にイオン性単量体をラジカル重合させることによりブロック共重合体を得ることができる。このラジカル重合は公知の方法、例えば塊状重合、溶液重合、パール重合、乳化重合などによって行うことができるが、末端にメルカプト基を含有するビニルアルコール系重合体を溶解し得る溶剤、例えば水やジメチルスルホキシドを主体とする媒体中で行うのが好ましい。また、重合プロセスとしては、回分法、半回分法、連続法のいずれをも採用することができる。
(ポリビニルアルコール系グラフト共重合体の製造)
本発明に用いられるイオン交換体(A)としては、ビニルアルコール系重合体成分(a−1)とカチオン交換性単量体、またはアニオン交換性単量体を重合してなる重合体成分(a−2)がグラフト共重合体を形成する重合体が好ましい。イオン交換体(A)に用いられるポリビニルアルコール系グラフト共重合体は公知の方法で得られるが、例えば、側鎖にメルカプト基を含有する単量体とビニルエステル系単量体を共重合して、これを常法によりけん化して得られる。ビニルエステル系単量体は、ラジカル重合可能なものであれば使用できる。例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニルおよびパーサティック酸ビニル等があげられる。この中でも酢酸ビニルが好ましい。
次いで、得られた側鎖にメルカプト基を含有するビニルエステル系重合体を、前記のけん化方法で、側鎖にメルカプト基を含有するビニルアルコール系重合体を得て、次いで、前述のブロック共重合体の項目で述べたような方法で、カチオン交換基またはアニオン交換基を導入させて、最終的に側鎖にイオン交換基を導入したビニルアルコール系重合体を得ることができる。
(共重合体中におけるビニルアルコール系単量体とイオン交換性単量体との比率:変性量)
本発明において、ビニルアルコール系単量体(A−1)とイオン交換性単量体(A−2)との比率は、ビニルアルコール系単量体(A−1)が99.5〜50mol%,イオン交換性単量体(A−2)が0.5〜50mol%[単量体(A−1)と単量体(A−2)との合計量を100mol%とする]の範囲内にあることが好ましい。より好ましくは、ビニルアルコール系単量体(A−1)が99〜60mol%、イオン交換性単量体(A−2)が1〜40mol%の範囲内にあることが好ましい。更に好ましくは、ビニルアルコール系単量体(A−1)が97〜70mol%、イオン交換性単量体(A−2)が3〜30mol%の範囲内にあることが好ましい。
イオン交換性単量体の比率が0.5mol%未満では、イオン交換層の有効荷電密度が低下し、膜の対イオン選択性が低下するおそれがある。また、イオン交換性単量体の比率が50mol%を超えると、イオン交換層の膨潤度が高くなり、機械的強度が低下するおそれがある。
ビニルエステル系重合体のけん化反応の触媒としては通常アルカリ性物質が用いられ、その例として、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、およびナトリウムメトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドがあげられる。けん化触媒は、けん化反応の初期に一括して添加しても良いし、あるいはけん化反応の初期に一部を添加し、残りをけん化反応の途中で追加して添加しても良い。けん化反応に用いられる溶媒としては、メタノール、酢酸メチル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどがあげられる。この中でもメタノールが好ましい。けん化反応は、バッチ法および連続法のいずれの方式でも実施可能である。けん化反応の終了後に、必要に応じて、残存するけん化触媒を中和しても良く、使用可能な中和剤として、酢酸、乳酸などの有機酸、および酢酸メチルなどのエステル化合物などがあげられる。
イオン性基を含有するビニルアルコール系重合体のけん化度は特に限定されないが、40〜99.9モル%であることが好ましい。けん化度が40モル%未満では、結晶性が低下し、イオン交換体の耐久性が不足するおそれがある。けん化度が60モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることが更に好ましい。通常、けん化度は99.9モル%以下である。このとき、前記ビニルアルコール系重合体が複数種のビニルアルコール系重合体の混合物である場合のけん化度は、JIS K6726に準じて測定した値である。本発明で用いるイオン基を含有しないビニルアルコール系重合体のけん化度も、上記範囲であることが好ましい。
イオン性基を含有するビニルアルコール系重合体の粘度平均重合度(以下単に重合度と言うことがある)は特に限定されないが、50〜10000であることが好ましい。重合度が50未満では、実用上でイオン交換体が充分な耐久性を保持できないおそれがある。重合度が100以上であることがより好ましい。重合度が10000を超えると、水溶液にした際に粘度が高すぎて取り扱いが不便であるおそれがある。重合度が8000以下であることがより好ましい。このとき、前記ビニルアルコール系重合体が複数種のビニルアルコール系重合体の混合物である場合の重合度は、混合物全体としての平均の重合度をいう。なお、前記ビニルアルコール系重合体の粘度平均重合度は、JIS K6726に準じて測定した値である。本発明で用いられるイオン基を含有しないビニルアルコール系重合体の重合度も、上記範囲であることが好ましい。
(多孔質電極層)
多孔質電極層に含有される炭素材料としては、活性炭、カーボンブラックなどが用いられ、特に、活性炭が好んで用いられる。活性炭の形状は任意で選択でき、粉末状、粒子状、繊維状等があげられる。活性炭の中でもイオンの吸着量が多い点から、高比表面積活性炭が好んで用いられる。高比表面積活性炭のBET比表面積は、700m/g以上が好ましく、1000m/g以上がより好ましく、1500m/g以上が更に好ましい。
多孔質電極層中の炭素材料の含有量は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。炭素材料の含有量が70質量%未満の場合は、イオンの吸着量が不十分になるおそれがある。
本発明の効果を阻害しない範囲であれば、多孔質電極層は、各種添加剤を含有しても良い。添加剤としては、バインダー、導電剤、分散剤、増粘剤などがあげられる。多孔質電極層に含まれる前記添加剤の含有量は、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
多孔質電極層の電気伝導性は、電極の用途により、適宜調整すれば良く、前記炭素材料として、電気伝導性を有する炭素材料を用いることや、導電剤を含有させることにより調整できる。
(集電体層)
本発明の電極に用いられる集電体層は、電気伝導性及び耐腐食性が高いものであれば特に限定されず、黒鉛シートやチタン、金、白金またはこれらの複合材料等の金属箔等があげられる。なかでも、耐腐食性と導電性のバランスに優れる点から黒鉛シートが好ましい。集電体層の厚みは特に限定はされないが、5〜5000μmが好ましく、10〜3000μmがより好ましい。
本発明の電極において、集電体層と多孔質電極層の間で電荷の授受が効率的に行われて、多孔質電極層と電極外部の間のイオンの移動が概ねイオン交換層を介して行われ、かつ多孔質電極層が所定量のイオンを吸着できる表面積を有していれば、各層の大きさは特に限定されず、電極の用途によって適宜調整して対応すれば良い。また、本発明の電極は、本発明の効果を阻害しない範囲で、集電体層、多孔質電極層およびイオン交換層以外の層を有していても構わない。
(添加物)
本発明の電極で使用するイオン交換層は、本発明の目的を損なわない範囲で、消泡剤、無機フィラーなど種々の添加剤を含んでいてもよい。
(電極の製造方法)
本発明の電極の製造方法は特に限定されないが、集電体層の表面に、多孔質材料を含有した多孔質電極用スラリーとイオン交換体(A)を含有したイオン交換層用溶液を塗布した後、塗膜を乾燥させることにより、多孔質電極層とイオン交換層の層を形成する方法が好ましい。このような方法により、集電体層、多孔質電極層及びイオン交換層が一体化された電極を得ることができる。前記製造方法では、塗布された前記スラリーと前記溶液とを同時に乾燥させるため、形成されるイオン交換層の欠陥が少ないうえに、多孔質電極層とイオン交換層との接着性が更に向上する。さらには、イオン交換体(A)を含有したイオン交換層用溶液を塗布により多孔質電極層の表面に形成する際に予め多孔質電極層中に存在させる水の量を調整することでイオン交換層の多孔質電極層への浸透深さを調整できる。
前記スラリーにおける分散媒は、多孔質材料等の多孔質電極層の原料を分散させることができれば特に限定はなく、水、有機溶媒又はそれらの混合物などがあげられる。分散質の組成は、形成される多孔質電極層の組成に合わせて適宜調整すれば良い。前記スラリー中の分散質の含有量は特に限定されないが、通常10〜60質量%である。
前記製造方法で用いられるイオン交換体(A)を含有したイオン交換層用溶液の溶媒は、該重合体が溶解できるものであれば特に限定されず、水、有機溶媒又はそれらの混合物などがあげられる。溶質の組成は、形成される多孔質電極層の組成に合わせて適宜調整すれば良い。前記溶液中の溶質の含有量は特に限定されないが、通常5〜30質量%である。
(塗工)
前記スラリーとイオン交換体(A)を含有したイオン交換層用溶液を塗工する場合に用いられる塗布装置は特に限定はされず、公知の塗布装置を用いることができる。例えば、カーテン型塗布装置、エクストルージョン型塗布装置、スライド型塗布装置があげられる。前記、スラリーと溶液を同時塗布する場合、一度の塗布操作によって前記スラリーと前記溶液が塗布されればよく、前記スラリーと前記溶液と予め混ざった後で、集電体層の表面に塗布されても良い。また、べつべつに前記スラリーと前記溶液を塗布させる場合は、同じ塗布方法で行ってもよいし、異なる塗布方法で塗布してもよい。塗布方法は具体的なものとして、ロールコーター、コンマコータ、キスコータ、グラビアコータ、スライドビードコータがあげられる。
通液型コンデンサ用の電極として用いた場合に必要なイオンの吸着量、塗膜強度、その他の性能や、ハンドリング性等を確保する観点から、本発明の電極における、炭素材料を含有する多孔質電極層の厚みは50〜1000μmであることが好ましい。多孔質電極層の厚みが50μm未満である場合は、イオンの吸着容量が不十分でなるおそれがある。逆に多孔質電極層の厚みが1000μmを超える場合は、多孔質電極層が脆くなり、ひび割れ等の欠陥が発生しやすくなるおそれがある。多孔質電極層の厚みは、より好ましくは100〜800μmであり、更に好ましくは150〜500μmである。なお、多孔質電極層の厚みは、乾燥した多孔質電極層の厚みのことを示す。
通液型コンデンサ用の電極として用いた場合に必要な、イオン透過性、その他の性能や表面被覆性等を確保する観点から、本発明の電極のイオン交換層の厚みは、1〜70μmであることが好ましい。イオン交換層の厚みが1μm未満の場合は、イオン交換層に欠陥が生じやすくなる。イオン交換層の厚みは、より好ましくは2μm以上であり、更に好ましくは3μm以上である。一方、厚みが70μmより超える場合は、イオン透過抵抗が大きくなるおそれがある。イオン交換層の厚みは、より好ましくは50μm以下であり、更に好ましくは30μmである。なお、イオン交換層の厚みは、乾燥したイオン交換層の厚みである。
(熱処理)
前記製造方法において、イオン交換体(A)にイオン交換基を導入したビニルアルコール系重合体を用いた場合は、塗膜を乾燥させた後で、更に熱処理することが好ましい。塗膜を熱処理することにより、イオン交換基を導入したビニルアルコール系重合体の物理架橋が促進され、イオン交換層の機械強度が更に増大する。熱処理の方法は特に限定されず、熱風乾燥機などが一般に用いられる。熱処理の温度は、特に限定されないが、100〜250℃であることが好ましい。熱処理温度が100℃未満の場合は、イオン交換基を導入したビニルアルコール系重合体の物理架橋は促進されず、機械強度を向上させる効果が得られないおそれがある。逆に250℃以上で処理した場合は、イオン交換基を導入したビニルアルコール系重合体が融解、分解するおそれがある。更に好ましくは、120℃以上200℃以下で熱処理することが更に好ましい。
(架橋処理)
前記製造方法において、塗膜を乾燥させた後に、更に架橋処理を施すことが好ましい。架橋処理の方法は、重合体の分子鎖同士を化学結合によって結合できる方法であればよく、特に限定されない。イオン交換体(A)にイオン交換基を導入したビニルアルコール系重合体を用いた場足は、通常、イオン交換体(A)を、架橋処理剤を含む溶液に浸漬する方法などが用いられる。該架橋処理剤としては、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、グリオキザールなどが例示される。特に好ましいのは架橋構造の安定性からグルタルアルデヒドを用いるのが良い。該架橋処理剤の濃度は、通常、溶液に対する架橋処理剤の体積濃度が0.001〜10体積%である。
前記製造方法においては、熱処理を行うことなく架橋処理を行ってもよいが、熱処理を施した後に、架橋処理を施すことが好ましい。熱処理を施すことにより物理架橋部位が生じ、その後、架橋処理を行うことで化学架橋が導入され膜強度が高くなるからである。熱処理、架橋処理の順番で行うことが、得られるイオン交換層の機械的強度の面から特に好ましい。また、イオン交換体(A)が水溶性重合体である場合には、上記熱処理後に、架橋処理を行うことにより、溶出するのを防止することもできる。
上述のように本発明の電極は、イオンの吸着と脱着とを長時間にわたり、効率よくかつ安定定期に行うことができる。従って、当該電極は通液型コンデンサ用の電極等として好適に使用できる。
以下、本発明の電極の好適な実施態様である当該電極を用いた通液型コンデンサを例にとって、当該電極によるイオンの吸着及び脱着について説明する。図1は、本発明の電極2および電極3を用いた通液型コンデンサ1がイオンを吸着する様子の一例を示す模式図である。
電極2は、イオン交換層として、カチオン交換基を導入したビニルアルコール系重合体を含有するアニオン交換層4を有し、集電体層6、多孔質電極層5及びアニオン交換層4がこの順に配置されてなる。電極3は、イオン交換層として、アニオン交換基を導入したビニルアルコール系重合体を含有するカチオン交換層7を有し、集電体層9、多孔質電極層8及びカチオン交換層7がこの順に配置されてなる。通液型コンデンサ1は、電極2及び電極3の間に流路部10が配置され、アニオン交換層4とカチオン交換層7とが流路部10を介して対向するように配置されてなる。
通液型コンデンサ1において、流路部10は、アニオン交換層4とカチオン交換層7の間にセパレータ層を配置する方法などにより形成できる。流路部10の形成に用いられるセパレータ層の材料は、電気絶縁性であり、なおかつ液体の通過が容易であるものであれば特に限定されず、紙、織布、不織布などの繊維シート、樹脂発泡シート、樹脂ネットなどがあげられる。流路部10の厚みによって設定される電極間距離は、通常50〜1000μmである。
通液型コンデンサ1において、アニオン交換層4とカチオン交換層7とが流路部10を介して対向しているため、多孔質電極層5と流路部10の間のアニオン11の移動は、概ねアニオン交換層4を介して行われ、多孔質電極層8と流路部10の間のカチオン12の移動は概ねカチオン交換層7を介して行われる。
流路部10内に供給された液体中のイオンの吸着を行う場合には、各電極中のイオン交換層の固定電荷と多孔質電極層に与えられる電荷とが同符号となるように、電極2及び電極3の間に電圧を印加する。すなわち、多孔質電極層5には正電荷を、多孔質電極層8には負電荷をそれぞれ与える。流路部10内のアニオン11は、アニオン交換層4を透過して、電極2内に移動し、正電荷を有する多孔質電極層5に吸着される。一方、流路部10内のカチオン12は、カチオン交換層7を透過して、電極3内に移動して、負電荷を有する多孔質電極層8に吸着される。
イオンの吸着を行う際に、電極2の多孔質電極層5内にカチオン13が存在していたとしても、当該カチオン13は、アニオン交換層4を透過することが困難であるために、流路部10に漏れ出すことがほとんどない。また、電極3の多孔質電極層8内にアニオン14が存在していたとしても、当該アニオン14は、カチオン交換層7を透過することが困難であるため、流路部10に漏れ出すことがほとんど無い。従って、電極2および電極3の内部のイオンが流路部10内に漏れ出すことによる、流路部10内の供給された液体を汚染することがほとんど無い。
図2は、本発明の電極2および電極3を用いた通液型コンデンサ1がイオンを脱着する様子の一例を示す模式図である。多孔質電極層5および多孔質電極層8に吸着されたイオンの脱着は、吸着の場合とは反対符号の電荷を多孔質電極層5および多孔質電極層8に与えることにより行うことができる。このとき、多孔質電極層5が脱着したアニオン11は、アニオン交換層4を透過して流路部10に移動するが、カチオン交換層7が配置された電極3に移動して多孔質電極層8に再吸着されることはほとんどない。また、多孔質電極層8が脱着したカチオン12は、カチオン交換層7を透過して流路部10に移動するが、アニオン交換層4が配置された電極2内に移動して多孔質電極層5に再吸着されることはほとんどない。したかって、次回、イオンの吸着を行う際にも、再吸着されたイオンによる吸着効率の低下はほとんど無い。
本発明の通液型コンデンサ1は、アニオン交換層4を有する電極2とカチオン交換層7を有する電極3の間に流路部10が配置されてなるコンデンサユニットが積層されたものであってもよい。前記コンデンサユニットを積層させる場合、イオン交換層の固定電荷が同符号である電極の集電体層同士を対向させて積層することが好ましい。また、複数の前記コンデンサユニットが積層してなる通液型コンデンサは、上述した多孔質電極層とイオン交換層が集電体層の両側にそれぞれ配置されてなる電極を、流路部を介して積層することによっても製造できる。
上述のように、本発明の電極は、イオンの吸着と脱着とを長期間にわたって、効率よくかつ安定的に行うことができる。したがって、前記電極を用いた通液型コンデンサによれば、長期間にわたって効率よくかつ安定に、脱塩やイオン性物質と非イオン性物質の分離等を行うことができる。
図3は、本発明の通液型コンデンサ1を有する脱塩装置15の一例の模式図であり、図4は、脱塩装置15中の通液型コンデンサ1の分解斜視図である。脱塩装置15は、通液型コンデンサ1、それを収容する容器16及び直流電源17を有して、前記直流電源17が、正極と負極を交換可能に、電極2と電極3にそれぞれ接続されて、前記容器16が通液型コンデンサ1による脱塩に供されるイオン性物質を含有する液体の供給口18と、脱塩された液体の排出口19とを有するものである。
脱塩装置15中の通液型コンデンサ1は、アニオン交換層4を有する電極2とカチオン交換層7を有する電極3の間に流路部10が配置されてなるコンデンサユニット20が積層されてなる。このとき、電極2の集電体層5同士が対向して、電極3の集電体層8同士が対向するように積層することが好ましい。
通液型コンデンサ1において、供給口18側の末端の電極以外の電極及び流路部10の中央付近には、貫通孔21が形成され、排出口19側の貫通孔21が排出口19に接続されている。供給口18から容器16内に供給された液体は、流路部10の周縁から流路部10内に導入されて、流路部10内において脱塩された後、貫通孔21を通過して、排出口19から排出される。図3及び図4中の矢印は液体の流れを示す。図3に示す脱塩装置15においては、供給された液体は流路部10を一度通過した後に排出されるが、複数の流路部10を通過した後に排出されるように、脱塩装置15を形成することもできる。
脱塩装置15を用いた脱塩方法について説明する。脱塩装置15を用いて脱塩を行う場合、アニオン交換層4を有する電極2を正極、カチオン交換層7を有する電極3を負極として、直流電源17により各電極に電圧を印加して、電圧が印加された電極2及び電極3間の流路部10にイオン性物質を含有する液体を供給して、該液体中のイオンを多孔質電極層5及び多孔質電極層8に吸着させた後、該液体を排出して回収する第1工程と、流路部10に液体を供給し、アニオン交換層4を含有する電極2を負極、カチオン交換層7を含有する電極3を正極として、直流電源17により電極2及び電極3に電圧を印加することにより、第1工程で多孔質電極層5及び多孔質電極層8に吸着されたイオンを脱着させ、脱着されたイオンを含む液体を排出する第2工程を有する方法により行うことが好ましい。
第1工程においては、イオン性物質を含有する液体の脱塩と、脱塩された液体の回収を行う。電極2を直流電源17の正極に接続し、電極3を直流電源17の負極に接続する。脱塩に供されるイオン性物質を含有する液体は、供給口18に供給する。供給した後、当該液体は流路部10に導入され、電圧が印加された電極2および電極3中の多孔質電極層5および多孔質電極8に当該液体中のイオン性物質に由来するイオンが吸着される。このときの吸着時間は、目標とするイオン性物質の濃度などによって適宜調整する。電極2および電極3間に印加する電圧は、特に限定されないが、0.5〜3Vが好ましい。脱塩された液体は排出口19から回収する。
第2工程においては、第1工程において多孔質電極層5および多孔質電極層8に吸着されたイオンの脱着を行うことにより、電極2および電極3の洗浄を行う。流路部10に洗浄液を供給し、直流電源17の負極に電極2を接続し、正極に電極3を接続することにより、吸着されたイオンの脱着を行う。電極2および電極3間に印加する電圧および脱着時間は特に限定はされない。電極2および電極3間に印加する電圧は、通常0.5〜3Vである。脱着されたイオンは、流路部10の液体中に移動する。脱着されたイオンを含む洗浄液は排出口19から排出される。こうして電極2および電極3が洗浄された脱塩装置15は、再び、脱塩(第1工程)に用いることができる。長期間にわたり脱塩を行うこと等により、電極が汚染された場合は、アルカリ性の洗浄液などを用いて電極の洗浄を行っても構わない。本発明の電極は、アルカリ耐性に優れるため、このような洗浄方法を行っても電極への悪影響がほとんど無い。
(用途)
本発明の電極並びにそれを有する通液型コンデンサは、種々の用途に用いることができる。本発明の電極は多孔質層とイオン交換層での界面接着に優れ、水中に浸漬させた状態で長期にわたり良質な外観を保持できる電極であり、電極抵抗が低く抑制できた電極である。したがって、前記電極を用いた通液型コンデンサは、長時間にわたり、効率よく安定的に脱塩やイオン性物質と非イオン性物質の分離を行うことができるので、地下水からの有害イオン(硝酸性窒素、フッ素、砒素など)の除去、海水やかん水の脱塩、水道水の脱塩、軟水化などに適している。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例中、特に断りのない限り「%」および「部」は質量基準である。実施例および比較例における分析および評価は、下記の方法にしたがって行った。
1)イオン交換体(A)に含まれるイオン交換ユニット割合(変性量)の評価方法
イオン交換体(A)を、所望の重溶媒で溶解(濃度5wt%)させ、以下のNMR装置、条件で測定した。イオン交換基を持つユニットのピーク強度とイオン交換基を持たないユニットのピーク強度より、重合して得られたポリマー中に含まれるイオン交換ユニットの割合(変性量)を算出した。
装置名 : 日本電子製 超伝導核磁気共鳴装置Lambda 500
観測周波数 : 500MHz(1H)
ポリマー濃度 : 5wt%(H−NMR)
測定温度 : 80℃(H−NMR)
積算回数 : 256回(H−NMR)
パルス繰り返し時間 : 4秒(H−NMR)
サンプル回転速度 : 10〜12Hz
作製した電極の評価は、以下の方法により測定した。
2)厚み測定(多孔質電極層とイオン交換層)
作製した電極を熱風乾燥機「DKM400」(ヤマト科学(株)製)にて温度90℃で1時間乾燥し、さらに真空乾燥機「DP32」(ヤマト科学(株)製)にて、温度50℃、60時間真空乾燥した。次いで、株式会社ミツトヨ製のデジマチックマイクロメーターで集電体層/多孔質電極層/イオン交換層を合わせた電極全体の厚みを測定した。電極表面に形成されたイオン交換層の厚みは、走査型電子顕微鏡「S−3000」(日立製作所製)で観察して厚みを評価した。その際、イオン交換層の最表面から多孔性電極層の最表面までの標高差をイオン交換層の厚みとした。また、集電体は事前に厚みをデジマチックマイクロメーターで測定して、イオン交換層の厚みを差し引いて、残りの多孔質電極層の厚みを算出した。なお、ここで得られた厚みの値は、乾燥時における値である。
3)イオン交換層の多孔質電極層への浸透深さ測定
本発明の電極を熱風乾燥機「DKM400」(ヤマト科学(株)製)にて温度90℃で1時間乾燥し、さらに真空乾燥機「DP32」(ヤマト科学(株)製)にて、温度50℃、60時間真空乾燥した。次いで、液体窒素中に10分間浸漬後、割ることで断面を露出させた。この電極のイオン交換層の多孔質電極への深さ方法への浸透深さを走査型電子顕微鏡「S−3000」(日立製作所)で観察し測定した。この際、多孔性電極層とイオン交換層の界面が形成する稜線の局所部分について、多孔性電極の一つの峰から隣の次の峰までの間の粒子間空隙に浸透しているイオン交換層先端部分から前述の峰のいずれか高い方の頂点までの標高差を浸透深さとした。具体的には、図6に示すように多孔性電極層とイオン交換層の任意に選んだ局所界面の断面写真から、任意に10箇所多孔性電極層の峰を選び、各峰から隣接する峰まで粒子間空隙に浸透したイオン交換層の最先端部分までの距離Lを測定した。この操作を五枚の断面写真について実施し、その平均値を浸透深さとして算出した。
4)電極抵抗の測定
図5は、実施例における、電極抵抗の測定方法を示す模式図である。図5に示すように、直径20mm、高さ10mmの円柱状のチタン電極22間に直径12mmの円形にカットした電極23、直径16mmの円形にカットしたセパレータ24(日本特殊織物株式会社製「LS60」、厚み90μm)、直径12mmの円形にカットした電極23の順に配置した。このとき2枚の電極は何れも集電体層がチタン電極22を1〜2kg/cmの圧力にて押さえつけた状態でBioLogic社製ポテンシャルスタット/カルバノスタットVSPを用いて周波数8mHz〜1MHzの範囲で交流インピーダンスを測定し、周波数1Hzにおける実部抵抗をインピーダンス抵抗として、当該インピーダンス抵抗を電極抵抗とした。
5)水浸漬試験による電極の耐久性評価
作製した電極を23℃の水中に2週間浸漬させた後、電極の表面を目視観察することで耐久性の評価を行った。電極の耐久性の評価は下述の判定方法にて行った。
A:イオン交換層に変化は無く、外観は良好な状態であった。
B:多孔質層とイオン交換層との界面の一部に界面剥離による表面凹凸が発生した(電極表面の1/10未満の面積で凹凸が確認)。
C:多孔質層とイオン交換層との界面剥離による表面凹凸が激しかった(電極表面の1/10〜1/3の面積で凹凸が確認)。
D:多孔質層とイオン交換層との界面剥離が顕著に発生した(電極表面の1/3超の面積で凹凸が確認)。
6)電流効率の算出方法
図3に記載の脱塩装置に、本発明の電極を組み込み、水溶液の脱塩試験を実施した。回収した水溶液のイオン濃度を測定して電極に吸着したイオンの量を算出した。更に、以下の式により電流効率を算出した。
効率(%)=吸着塩物質量(mol)×100/(吸着工程の電流平均値(A)×吸着時間(秒)/ファラデー定数(C/mol))
(PVA−1の合成)
特開昭59−187003号公報に記載された方法(末端にメルカプト基を有するビニルアルコール系重合体およびその方法)によって、末端にメルカプト基を有するビニルアルコール系重合体PVA−1を合成した。得られたPVA−1の重合度は500、けん化度は99.5モル%であった。
(PVA−2の合成)
特開昭59−187003号公報に記載された方法(末端にメルカプト基を有するビニルアルコール系重合体およびその方法)によって、末端にメルカプト基を有するビニルアルコール系重合体PVA−2を合成した。得られたPVA−2の重合度は1500、けん化度は99.5モル%であった。
(カチオン性重合体P−1の合成)
特開昭59−189113号公報に記載された方法によってカチオン性重合体P−1の合成を行った。還流冷却管、攪拌翼を備え付けた1Lの四つ口セパラブルフラスコに、水630g、末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコールとしてPVA−1を110g仕込み、攪拌下95℃まで加熱して該ビニルアルコール系重合体を溶解した後、室温まで冷却した。該水溶液に1/2規定の硫酸を添加してpHを3.0に調製した。別に、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(MAPTAC)5.5gを溶解し、これを先に調製した水溶液に攪拌下添加した後、該水溶液中に窒素をバブリングしつつ70℃まで加温し、さらに70℃で30分間窒素のバブリングを続けることで、窒素置換した。窒素置換後、上記水溶液に過硫酸カリウム(KPS)の2.5%水溶液90mLを1.5時間かけて逐次的に添加してブロック共重合を開始させ、進行させた後、系内温度を75℃に1時間維持して重合をさらに進行させ、ついで冷却して、固形分濃度15%のビニルアルコール系重合体−メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(MAPTAC)のブロック共重合体であるカチオン性重合体P−1の水溶液を得た。得られた水溶液の一部を乾燥した後、重水に溶解し、H−NMR測定を行ったところ、該ブロック共重合体中のカチオン性単量体含有量、すなわち、該重合体中の単量体単位の総数に対するメタクリルアミドプロピルメチルアンモニウムクロライドユニット単量体単位の数の割合は1モル%であった。
(カチオン性重合体P−2〜P−6の合成)
上記のP−1の重合条件を表1のように変更した以外は、カチオン性重合体P−1と同様の方法でブロック共重合体であるカチオン性重合体P−2〜P−6を合成した。得られたカチオン性重合体のイオン交換ユニットの割合(変性量)を表1に示す。
(PVA−3の合成)
攪拌機、温度センサー、滴下漏斗および還流冷却管を備え付けた反応器に、酢酸ビニル1100質量部、コモノマーとしてチオエステル系単量体(化11)、0.47質量部、及びメタノール478質量部を仕込み、窒素バブリングをしながら30分間系内を窒素置換した。これとは別に、コモノマーの逐次添加溶液としてチオエステル系単量体のメタノール溶液(濃度5質量%)を調製し、30分間窒素をバブリングした。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.28質量部を添加し重合を開始した。重合反応の進行中は、調製した逐次添加溶液を系内に滴下することで、重合溶液におけるモノマー組成(酢酸ビニルとチオエステル系単量体のモル比率)が一定となるようにした。60℃で240分間重合した後、冷却して重合を停止した。重合停止時の重合率は40%であった。次に、30℃の減圧下でメタノールを追加しながら未反応の酢酸ビニルモノマーを留去し、チオエステル系単量体が導入された変性ポリビニルアセテートのメタノール溶液を得た。
コモノマーとして以下に示すチオエステル系単量体を使用した。
Figure 2015123405
上記で得られたチオエステル系単量体が導入されたポリ酢酸ビニルのメタノール溶液にメタノールを加え、さらに水酸化ナトリウムメタノール溶液(濃度14.1%)を添加して、40℃でけん化を行った(けん化溶液のチオエステル系単量体が導入されたポリ酢酸ビニル濃度30%、チオエステル系単量体が導入されたポリ酢酸ビニル中の酢酸ビニルユニットに対する水酸化ナトリウムのモル比0.050)。水酸化ナトリウムメタノール溶液を添加後約2分でゲル化物が生成したので、これを粉砕機にて粉砕し、さらに40℃で50分間放置してけん化を進行させた。これに酢酸メチルを加えて残存するアルカリを中和した後、メタノールでよく洗浄し、真空乾燥機中40℃で12時間乾燥することにより、側鎖メルカプト基含有PVA(PVA−3)を得た。1H−NMR測定により求めたチオエステル系単量体由来の構成単位の変性量は0.3mоl%であった。また、JIS K6726に準拠して測定した粘度平均重合度は1500、けん化度は98.5モル%であった。
(カチオン性重合体P−7の合成)
組成を表1に示す内容に変更した以外は、カチオン性重合体P−1と同様の重合条件でグラフト共重合体であるカチオン性重合体P−7を合成した。得られたカチオン性重合体のイオン交換ユニットの割合は3モル%であった。
Figure 2015123405
(カチオン性重合体P−8の合成)
攪拌機、温度センサー、滴下漏斗および還流冷却管を備え付けた6Lのセパラブルフラスコに、酢酸ビニル1120g、メタノール1680g、およびメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドを20質量%含有するメタノール溶液を31.6g仕込み、攪拌下に系内を窒素置換した後で、内温を60℃まで上げた。この系に2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.4g含有するメタノール20gを添加して、重合反応を開始した。重合開始時点よりメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドを20質量%含有するメタノール溶液200gを系内に添加しながら、4時間反応を行い、重合反応を停止した。重合反応を停止した時点における系内の固形分濃度、すなわち、重合反応スラリー全体に対する固形分の含有率は23.9質量%であった。ついで、系内にメタノール蒸気を導入することにより、未反応の酢酸ビニル単量体を追い出し、ビニルエステル共重合体を55質量%含有するメタノール溶液を得た。
このビニルエステル共重合体を55質量%含有するメタノール溶液に、該共重合体中の酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比が0.025、ビニルエステル共重合体の固形分濃度が45質量%となるように、メタノール、および水酸化ナトリウムを10質量%含有するメタノール溶液を攪拌下に加えて、40℃でけん化反応を開始した。
けん化反応の進行に伴い、ゲル化物が生成した場合は反応系から取り出し粉砕し、ついで、ゲル化物が生成してから1時間が経過した時点で、この粉砕物に酢酸メチルを添加することにより中和を行い、膨潤状態のビニルアルコール系重合体であるカチオン性重合体P−5を得た。この膨潤したカチオン性重合体に対して質量基準で6倍量(浴比6倍)のメタノールを加え、還流下に1時間洗浄し、その後のろ過によって得られた固形物として、該カチオン性重合体として回収した。得られた重合体を乾燥した後、重水に溶解し、H−NMR測定を行ったところ、該共重合体中のカチオン性単量体含有量、すなわち、該重合体中の単量体単位の総数に対するメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド単量体単位の数の割合は2モル%であった。また、重合度は500、けん化度は98.5モル%であった。
(アニオン性重合体P−11〜16の合成)
組成を表2のように変更した以外は、カチオン性重合体P−1と同様の方法によって、ブロック共重合体であるアニオン性重合体P−11〜16を合成した。得られたアニオン性重合体のイオン交換ユニットの割合を表2に示す。
(アニオン性重合体P−17の合成)
組成を表2のように変更した以外はカチオン性重合体P−7と同様の方法によって、グラフト共重合体であるアニオン性重合体P−17を合成した。得られたアニオン性重合体P−15のイオン交換ユニットの割合は3モル%であった。また、重合度は1500、けん化度は98.5モル%であった。
Figure 2015123405
(アニオン性重合体P−18の合成)
組成を表3のように変えた以外は上記のカチオン性重合体P−8と同様の方法によって、ランダム共重合体であるアニオン性重合体P−18を合成した。得られたアニオン性重合体P−18のイオン交換ユニットの割合は2モル%であった。また、重合度は500、けん化度は98.5モル%であった。
Figure 2015123405
実施例1
(電極−1の作製)
(カチオン性重合体水溶液の調製)
200mLの三角フラスコに、3.8mLの脱イオン水を入れ、カチオン性重合体P−3を22.5g加えてから、95℃のウォーターバスの中で加熱撹拌し、該重合体P−3を均一に溶解させた。脱イオン水を加えて濃度12%のカチオン性重合体水溶液を調製した。粘度は1000mPa・s(20℃)であった。
(炭素材料を含有するスラリーの調製)
キャパシタ用活性炭(クラレケミカル(株)製、BET比表面積:1800m/g)、導電性カーボンブラック、カルボキシメチルセルロース、水を100:5:1:140の重量比で混合した後で混練した。得られた塊状混練物100質量部に対して20重量部の水と15質量部の水系SBRエマルジョンバインダー(固形分率40質量%)を添加し、混練することで固形分率36%の活性炭スラリーを得た。得られたスラリーの温度25℃での粘度をB型粘度計(株式会社トキメック製)で測定したところ、3000mPa・sであった。
(アニオン交換電極の作製)
黒鉛シート(東洋炭素(株)製、厚み:250μm)を集電体層として使用して、その上にアプリケーターバー(塗布幅:10cm)を用いて、炭素材料を含有する多孔質電極用スラリーを塗布した。その後、熱風乾燥機「DKM400」(YAMATO製)にて温度90℃、10分間乾燥した。次いで、乾燥工程を経た前記多孔質電極層を水浴に10秒間浸漬後、ろ紙で表面の水を除去することで、多孔質電極層内部に水を含ませた。その後、上述で得られたカチオン性重合体P−3の水溶液(濃度12wt%)を水溶液で120μmの厚みで塗工した。その後、熱風乾燥機で温度90℃、10分間乾燥を行い電極−1を得た。得られたそれぞれの層の厚みは、アニオン交換の層は厚み9μmであり、多孔質電極層の厚みは300μmであった。
得られた電極を、160℃で30分間熱処理して、ビニルアルコール系重合体の物理的な架橋を行った。ついで、積層体を2mol/Lの硫酸ナトリウムの水溶液に24時間浸漬させた。該水溶液にそのpHが2.0になるように濃硫酸を加えた後、0.5体積%グルタルアルデヒド水溶液に前記の電極を浸漬させ、50℃で1時間スターラーで攪拌し、架橋処理を行った。ここで、グルタルアルデヒド水溶液としては、石津製薬株式会社製「グルタルアルデヒド」(25体積%)を水で希釈したものを用いた。架橋処理の後、前記の電極を脱イオン水に浸漬して、数回脱イオン水を交換しながら、電極―1を作製した。作製した電極―1の表面は良質な外観であった。
(アニオン交換電極の評価)
このようにして作製したアニオン交換電極−1を所望の大きさに裁断し、前記方法にしたがって、イオン交換層の浸透深さ、電極の耐久性、電極抵抗試験を行った。得られた結果を表5に示す。
実施例2
(電極−2の作製)
実施例1で使用した黒鉛シートを集電体層として使用して(厚み:250μm)、その上にコーティングテスター株式会社製二連式マイクロフィルムアプリケーター(塗布幅:9cm)を用いて、実施例1と同様の炭素材料を含有するスラリーを下層側に、前述のP−2の水溶液(濃度12wt%)を上層側にセットして、当該スラリーと当該水溶液を同時塗布した。その後、実施例1と同じ条件で乾燥してアニオン交換一体型電極を得た。得られたそれぞれの層の厚みは、アニオン交換の層は厚み8μmであり、多孔質電極層の厚みは300μmであった。
得られたアニオン交換電極を、実施例1と同じ方法で熱処理を行い、表4に示すような条件で架橋処理、水洗を行い電極−2を得た。次いで、前記方法にしたがって、イオン交換層の浸透深さ、電極の耐久性、電極抵抗試験を行った。得られた結果を表4に示す。
実施例3〜11
表4に記載するように条件を変更した以外は、前述の電極−1と同じ作製方法で、電極−3〜11を作製、評価を行った。それぞれの電極の評価結果を表4に示す。
実施例12
(電極−12の作製)
(カチオン性樹脂:P−9溶液の調製)
ポリスルホン(BASF製)をクロルメチル化し、次いでトリメチルアミンにより4 級塩基化してアニオン交換樹脂であるアミノ化ポリスルホン(4級塩基の変性量:5モル%) を調製した。このアミノ化ポリスルホンを、メタノール− クロロホルム( 容量比1:1)の混合溶媒に溶解して濃度12%のカチオン性重合体溶液を調製した。粘度は530mPa・s(20℃)であった。
(炭素材料を含有するスラリーの調製)
キャパシタ用活性炭(クラレケミカル(株)製、BET比表面積:1800m/g)、導電性カーボンブラック、カルボキシメチルセルロース、水を100:5:1:140の重量比で混合した後で混練した。得られた塊状混練物100質量部に対して20重量部の水と15質量部の水系SBRエマルジョンバインダー(固形分率40質量%)を添加し、混練することで固形分率36%の活性炭スラリーを得た。得られたスラリーの温度25℃での粘度をB型粘度計(株式会社トキメック製)で測定したところ、3000mPa・sであった。
(アニオン交換電極の作製)
黒鉛シート(東洋炭素(株)製、厚み:250μm)を集電体層として使用して、その上にアプリケーターバー(塗布幅:10cm)を用いて、炭素材料を含有する多孔質電極用スラリーを塗布した。その後、熱風乾燥機「DKM400」(YAMATO製)にて温度90℃、10分間乾燥した。次いで、乾燥工程を経た前記多孔質電極層を水浴に10秒間浸漬後、ろ紙で表面の水を除去することで、多孔質電極層内部に水を含ませた。その後、上述で得られたカチオン性重合体P−19の溶液(濃度12wt%)を水溶液で120μmの厚みで塗工した。その後、熱風式ハンドドライヤーで乾燥を行い電極−12を得た。得られたそれぞれの層の厚みは、アニオン交換の層は厚み9μmであり、多孔質電極層の厚みは300μmであった。
実施例13
(電極−13の作製)
(カチオン性重合体:P−10溶液の調製)
ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(Kohjin Chemicals)を1wt%、架橋剤:アミン変性ビスフェノールーAエポシキアクリレート(UCB Chemicals、分子量850)を98wt%、光重合開始剤:Irugacure500(Chiba)を1wt%混合し硬化性組成物を調整した(4級塩基の変性量:5モル%)。粘度は280mPa・s(20℃)であった。
(炭素材料を含有するスラリーの調製)
キャパシタ用活性炭(クラレケミカル(株)製、BET比表面積:1800m/g)、導電性カーボンブラック、カルボキシメチルセルロース、水を100:5:1:140の重量比で混合した後で混練した。得られた塊状混練物100質量部に対して20重量部の水と15質量部の水系SBRエマルジョンバインダー(固形分率40質量%)を添加し、混練することで固形分率36%の活性炭スラリーを得た。得られたスラリーの温度25℃での粘度をB型粘度計(株式会社トキメック製)で測定したところ、3000mPa・sであった。
(アニオン交換電極の作製)
黒鉛シート(東洋炭素(株)製、厚み:250μm)を集電体層として使用して、その上にアプリケーターバー(塗布幅:10cm)を用いて、炭素材料を含有する多孔質電極用スラリーを塗布した。その後、熱風乾燥機「DKM400」(YAMATO製)にて温度90℃、10分間乾燥した。次いで、乾燥工程を経た前記多孔質電極層を水浴に10秒間浸漬後、ろ紙で表面の水を除去することで、多孔質電極層内部に水を含浸した。その後、上述で得られたカチオン性重合体P−13の溶液を120μmの厚みで塗工した。その後、熱風式ハンドドライヤーで乾燥を行い電極−13を得た。得られたそれぞれの層の厚みは、アニオン交換の層は厚み9μmであり、多孔質電極層の厚みは300μmであった。
比較例1
用いるポリマー種をP−2からPVA−1に変更した以外は、実施例2と同じ条件で電極−14を作製、評価を行った。電極の評価結果を表4に示す。
比較例2
(電極−15の作製)
(カチオン性重合体:P−1溶液の調製)
200mLの三角フラスコに、3.8mLの脱イオン水を入れ、カチオン性重合体P−1を22.5g加えてから、95℃のウォーターバスの中で加熱撹拌し、該重合体P−1を均一に溶解させた。脱イオン水を加えて濃度12%のカチオン性重合体水溶液を調製した。粘度は230mPa・s(20℃)であった。
(炭素材料を含有するスラリーの調製)
キャパシタ用活性炭(クラレケミカル(株)製、BET比表面積:1800m/g)、導電性カーボンブラック、カルボキシメチルセルロース、水を100:5:1:140の重量比で混合した後で混練した。得られた塊状混練物100質量部に対して20重量部の水と15質量部の水系SBRエマルジョンバインダー(固形分率40質量%)を添加し、混練することで固形分率36%の活性炭スラリーを得た。得られたスラリーの温度25℃での粘度をB型粘度計(株式会社トキメック製)で測定したところ、3000mPa・sであった。
(アニオン交換電極の作製)
黒鉛シート(東洋炭素(株)製、厚み:250μm)の上に、アプリケーターバー(塗布幅:10cm)を用いて、上述の炭素材料を含有するスラリーを塗布した。その後、熱風乾燥機「DKM400」(YAMATO製)にて温度90℃、10分間乾燥した。次いで、乾燥工程を経た前記スラリー層の上に、上述で得られたカチオン性重合体P−1の水溶液(濃度12wt%)を水溶液で120μmの厚みで塗工した。その後、熱風乾燥機で温度90℃、10分間乾燥を行い電極を得た。得られたそれぞれの層の厚みは、アニオン交換の層は厚み10μmであり、多孔質電極層の厚みは300μmであった。
得られたアニオン交換電極を、熱処理および架橋処理を行わないで水洗を行い電極−16を得た。次いで、前記方法にしたがって、イオン交換層の浸透深さ、電極の耐久性、電極抵抗試験を行ったが、アニオン交換層の溶出が激しく電極抵抗の測定はできなかった。得られた結果を表4に示す。
比較例3
(電極−16の作製)
(カチオン性重合体:P−3溶液の調製)
200mLの三角フラスコに、3.8mLの脱イオン水を入れ、カチオン性重合体P−3を22.5g加えてから、95℃のウォーターバスの中で加熱撹拌し、該重合体P−3を均一に溶解させた。脱イオン水を加えて濃度12%のカチオン性重合体水溶液を調製した。粘度は1000mPa・s(20℃)であった。
(炭素材料を含有するスラリーの調製)
キャパシタ用活性炭(クラレケミカル(株)製、BET比表面積:1800m/g)、導電性カーボンブラック、カルボキシメチルセルロース、水を100:5:1:140の重量比で混合した後で混練した。得られた塊状混練物100質量部に対して20重量部の水と15質量部の水系SBRエマルジョンバインダー(固形分率40質量%)を添加し、混練することで固形分率36%の活性炭スラリーを得た。得られたスラリーの温度25℃での粘度をB型粘度計(株式会社トキメック製)で測定したところ、3000mPa・sであった。
(アニオン交換電極の作製)
黒鉛シート(東洋炭素(株)製、厚み:250μm)の上に、アプリケーターバー(塗布幅:10cm)を用いて、上述の炭素材料を含有するスラリーを塗布した。その後、熱風乾燥機「DKM400」(YAMATO製)にて温度90℃、10分間乾燥した。次いで、乾燥工程を経た前記スラリー層の上に、上述で得られたカチオン性重合体P−3の水溶液(濃度12wt%)を水溶液で120μmの厚みで塗工した。その後、熱風乾燥機で温度90℃、10分間乾燥を行い電極を得た。得られたそれぞれの層の厚みは、アニオン交換の層は厚み10μmであり、多孔質電極層の厚みは300μmであった。
得られたアニオン交換電極を、実施例1と同様に熱処理および架橋処理を行なって電極−16を得た。次いで、前記方法にしたがって、イオン交換層の浸透深さ、電極の耐久性、電極抵抗試験を行った。得られた結果を表4に示す。
Figure 2015123405
実施例14、16〜24
表5に記載する組成や作製条件に変更した以外は、前述の実施例−1と同じ作製方法で電極−17、電極−19〜27を作製、評価を行った。それぞれの電極の評価結果を表5に示す。
実施例15
表6に記載するように組成や作製条件を変更した以外は、前述の実施例−2と同じ作製方法で、電極−18を作製し評価を行った。電極の評価結果を表5に示す。
実施例25
(電極−28の作製)
(アニオン性重合体:P−19溶液の調製)
変性ポリフェニレンエーテル(旭化成製)をクロロホルムに溶解し、ポリフェニレンオキシドにクロロスルホン酸を反応させ、水酸化ナトリウムで中和し、溶媒除去することでスルホン化ポリフェニレンオキシド(スルホン酸基の変性量:5モル%)を得た。次に該スルホン化ポリフェニレンオキシドをN , N − ジメチルホルムアミドに溶解し、濃度12%のアニオン性重合体溶液を調製した。粘度は650mPa・s(20℃)であった。
(炭素材料を含有するスラリーの調製)
キャパシタ用活性炭(クラレケミカル(株)製、BET比表面積:1800m/g)、導電性カーボンブラック、カルボキシメチルセルロース、水を100:5:1:140の重量比で混合した後で混練した。得られた塊状混練物100質量部に対して20重量部の水と15質量部の水系SBRエマルジョンバインダー(固形分率40質量%)を添加し、混練することで固形分率36%の活性炭スラリーを得た。得られたスラリーの温度25℃での粘度をB型粘度計(株式会社トキメック製)で測定したところ、3000mPa・sであった。
(アニオン交換電極の作製)
黒鉛シート(東洋炭素(株)製、厚み:250μm)の上に、アプリケーターバー(塗布幅:10cm)を用いて、炭素材料を含有する多孔質電極用スラリーを塗布した。その後、熱風乾燥機「DKM400」(YAMATO製)にて温度90℃、10分間乾燥した。次いで、乾燥工程を経た前記多孔質電極層を水浴に10秒間浸漬後、ろ紙で表面の水分を除去することで、多孔質電極層内部に水を含ませた。その後、上述で得られたアニオン性重合体P−19の溶液(濃度12wt%)を水溶液で120μmの厚みで塗工した。その後、ハンドドライヤーで乾燥を行い良質な一体型電極を得た。得られたそれぞれの層の厚みは、カチオン交換の層は厚み9μmであり、多孔質電極層の厚みは300μmであった。
実施例26
(電極−29の作製)
(アニオン性重合体:P−20溶液の調製)
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を1.3wt%、架橋剤:アミン変性ビスフェノールーAエポシキアクリレート(UCB Chemicals、分子量850)を97.7wt%、光重合開始剤:Irugacure500(Chiba)を1wt%混合し硬化性組成物を調整した(スルホン酸基の変性量:5モル%)。粘度は240mPa・s(20℃)であった。
(炭素材料を含有するスラリーの調製)
キャパシタ用活性炭(クラレケミカル(株)製、BET比表面積:1800m/g)、導電性カーボンブラック、カルボキシメチルセルロース、水を100:5:1:140の重量比で混合した後で混練した。得られた塊状混練物100質量部に対して20重量部の水と15質量部の水系SBRエマルジョンバインダー(固形分率40質量%)を添加し、混練することで固形分率36%の活性炭スラリーを得た。得られたスラリーの温度25℃での粘度をB型粘度計(株式会社トキメック製)で測定したところ、3000mPa・sであった。
(カチオン交換電極の作製)
黒鉛シート(東洋炭素(株)製、厚み:250μm)の上に、アプリケーターバー(塗布幅:10cm)を用いて、炭素材料を含有する多孔質電極用スラリーを塗布した。その後、熱風乾燥機「DKM400」(YAMATO製)にて温度90℃、10分間乾燥した。次いで、乾燥工程を経た前記多孔質電極層を水浴に10秒間後、ろ紙で表面の水を除去することで、多孔質電極層内部に水を含ませた。その後、上述で得られたカチオン性重合体P−20の溶液を120μmの厚みで塗工した。その後、ハンドドライヤーで乾燥を行い良質な一体型電極を得た。得られたそれぞれの層の厚みは、アニオン交換の層は厚み9μmであり、多孔質電極層の厚みは300μmであった。
比較例4
表5に記載するように組成や作製条件を変更した以外は、前述の比較例−2と同じ作製方法で、電極−30を作製、評価を行った。それぞれの電極の評価結果を表5に示す。
比較例5
表5に記載するように組成や作製条件を変更し以外は、前述の比較例−3と同じ作製方法で、電極−31を作製、評価を行った。それぞれの電極の評価結果を表5に示す。
Figure 2015123405
実施例27
(通液型コンデンサを組み込んだ装置による脱塩)
アニオン交換層4を有する電極2として前述のアニオン交換電極−1を用いて、カチオン交換層7を有する電極3として前述のカチオン交換電極−17を用いて、図1に示すコンデンサユニットを組んだ。ここで、アニオン交換電極−1とカチオン交換電極−7の間にセパレータ(日本特殊織物株式会社製「LS60」、厚み90μm)を介装することで流路部10を設置した。このコンデンサユニットを10組重ね合わせて通液型コンデンサを作製した。ここで、イオン交換層の固定電荷が同符号である電極の集電体層同士が対向するようにコンデンサユニットを重ね合わせた。電極の有効寸法は6cm×6cmである。得られた通液型コンデンサを用いたこと以外は、図3に示す脱塩装置15と同様の構成である脱塩装置を作製した。定電圧(1.5V)DC電極の正極をアニオン交換電極−1に、負極をカチオン交換電極−17に接続して電極間に電圧を印加した。脱イオン水にNaClを溶解させてイオン濃度が500ppmである水溶液を脱塩装置に供給した。180秒間前述の水溶液でイオンの吸着を行った後、当該液体を回収した。
(電流効率の評価)
回収した液体のイオン濃度を測定して電極に吸着したイオンの量を算出した。更に、前記した電流効率の算出式にもとづき、電流効率を算出した(電流効率は84%)。
実施例28〜39、比較例6〜8
アニオン交換層を有する電極とカチオン交換層を有する電極を表6に示す組み合わせに変えた以外は、実施例27と同様にして脱塩装置を作製し、その電流効率を測定した。得られた測定結果を表6に示す。
Figure 2015123405
表4と表5の結果より、炭素材料を含有する多孔質電極層とアニオン交換の層もしくはカチオン交換の層を積層させた電極において、イオン交換層の多孔質電極層への浸透深さが0.8μm以上であると、電極界面の剥離もなく、均質で良質な電極が得られることが分かる。また、電極抵抗も低く、電極として優れた性能を発現することが分かる(実施例1〜13、実施例14〜26)。特に、イオン交換体(A)としてイオン交換ユニットの割合が3〜30モル%のビニルアルコール系共重合体を用いた場合(実施例2〜5、実施例7、実施例10、実施例15〜18、実施例20、実施例23)は電極抵抗が特に低いことが分かる。一方、イオン交換ユニットを導入していないポリビニルアルコールを電極に用いると、得られる電極抵抗値は大きくなる(比較例1)。更に、架橋処理を実施しないか、もしくは適切な条件で架橋処理を実施していないと、イオン交換層が溶解して一体型電極としての評価ができない(比較例2,4)、もしくは膨潤が顕著で水浸漬後の電極表面の状態が悪化する(比較例3,5)。
表6の結果より、本発明の電極を通液型コンデンサに用いると、優れた電流効率を発現することが分かる(実施例27〜実施例39)。特に、イオン交換体(A)としてイオン交換ユニットの割合が3〜30モル%のビニルアルコール系共重合体を用いた場合(実施例28〜31、実施例33)は電流効率が特に優れる結果であった。イオン交換ユニットを導入していないポリビニルアルコールの電極の場合では、電流効率が悪化することが分かる(比較例6)。更に、最表層に形成されるイオン交換層の架橋処理を適切に実施していないと、イオン交換層の膨潤が顕著になり、安定した高電流密度を発現しない(比較例7,8)。
本発明に係る電極を用いた通液型コンデンサは、長時間にわたり効率よく安定的に脱塩やイオン性物質と非イオン性物質の分離を行うことができるので、産業上の利用可能性がある。
以上、本発明の好ましい実施態様を説明したが、当業者であれば、特許請求の範囲に開示した本発明の範囲および精神から逸脱することなく多様な修正、付加および置換ができることが理解可能であろう。
1 通液型コンデンサ
2、3、23 電極
4 アニオン交換層
5、8、25 多孔質電極層
6、9 集電体層
7 カチオン交換層
10 流路部
11、14 アニオン
12、13 カチオン
15 脱塩装置
16 容器
17 直流電源
18 供給口
19 排出口
20 コンデンサユニット
21 貫通口
22 チタン電極
24 セパレータ
26 カチオンユニットを導入したビニルアルコール系重合体層

Claims (15)

  1. 集電体層上に、多孔質電極層とイオン交換層がこの順に積層されており、前記イオン交換層がイオン交換体(A)を含有し、かつ前記多孔質電極層への浸透深さが0.8μm以上であることを特徴とする電極。
  2. 前記多孔質電極層が炭素材料を含有することを特徴とする請求項1記載の電極。
  3. 前記イオン交換体(A)がビニルアルコール系単量体(A-1)及びイオン交換性単量体(A-2)からなる共重合体を含むことを特徴とする請求項1または2記載の電極。
  4. 前記イオン交換体(A)のビニルアルコール系単量体(A−1)とイオン交換性単量体(A−2)のモル比が99.5:0.5〜50:50の範囲であることを特徴とする請求項3記載の電極。
  5. 前記イオン交換体(A)がビニルアルコール系重合体(a−1)とイオン交換性基を有する重合体(a−2)から形成されるブロック共重合体であることを特徴とする請求項3または4記載の電極。
  6. 前記イオン交換体(A)がビニルアルコール系重合体(a−1)とイオン交換性基を有する重合体(a−2)から形成されるグラフト共重合体であることを特徴とする請求項3または4記載の電極。
  7. 前記多孔質電極層上に形成される前記イオン交換層の厚みが1〜70μmの範囲であり、前記多孔質電極層の厚みが50〜1000μmの範囲であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電極。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の電極からなる通液型コンデンサ用電極。
  9. 前記集電体層の表面に、前記多孔質材料を含有するスラリーと前記イオン交換体(A)を含有する溶液とを塗布した後、塗膜を乾燥させ、架橋させることにより、前記多孔質電極層と前記イオン交換層を形成することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の電極の製造方法。
  10. 前記集電体層の表面に、前記多孔質材料を含有するスラリーと前記イオン交換体(A)を含有する溶液を同時に塗布する、請求項9記載の電極の製造方法。
  11. 前記集電体層上に、前記多孔質材料を含有するスラリーを塗布した後に、該スラリーの表面に前記イオン交換体(A)を含有する溶液を塗布する請求項9記載の電極の製造方法。
  12. 塗膜を乾燥させた後に、更に熱処理及び/又は架橋処理する請求項9〜11のいずれか一項に記載の電極の製造方法。
  13. 請求項8記載の電極を対向して配置して、前記電極間に流路部を形成し、一方の電極中の前記イオン交換体(A)が、アニオン性基を有するカチオン交換層であり、他方の電極中のイオン交換体(A)がカチオン性基を有するアニオン交換層であり、アニオン交換層とカチオン交換層とが流路部を介して対向するように配置されてなることを特徴とする通液型コンデンサ。
  14. 請求項13に記載の通液型コンデンサ、それを収容する容器及び直流電源を有し、前記直流電源が、正極と負極を交換可能に各電極に接続され、前記容器が、通液型コンデンサによる脱塩に供されるイオン性物質を含有する液体の供給口と、脱塩された液体の排出口とを有することを特徴とする脱塩装置。
  15. 請求項14に記載の脱塩装置を用いたイオン性物質を含有する液体の脱塩方法であって、アニオン交換層を有する電極を正極、カチオン交換層を有する電極を負極として、直流電源により各電極に電圧を印加し、電圧が印加された電極間の流路部にイオン性物質を含有する液体を供給して、該液体中のイオンを多孔質電極層に吸着させた後、該液体を排出して回収する第1工程と、流路部に液体を供給してアニオン交換層を有する電極を負極、カチオン交換層を有する電極を正極として、直流電源により各電極を印加することにより、第一工程で多孔質電極層に吸着されたイオンを脱着させ、脱着させたイオンを含む液体を排出する第2工程を有することを特徴とする脱塩方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2017038220A1 (ja) * 2015-09-04 2017-03-09 株式会社クラレ 通液型キャパシタを用いた脱塩処理方法
CN113856503A (zh) * 2021-10-18 2021-12-31 大连理工大学 一种用于逆电渗析技术的磺酸型阳离子交换膜、制备方法及其应用

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