JP2016160471A - 電極及びその製造方法、並びにそれを有する通液型コンデンサ - Google Patents

電極及びその製造方法、並びにそれを有する通液型コンデンサ Download PDF

Info

Publication number
JP2016160471A
JP2016160471A JP2015039074A JP2015039074A JP2016160471A JP 2016160471 A JP2016160471 A JP 2016160471A JP 2015039074 A JP2015039074 A JP 2015039074A JP 2015039074 A JP2015039074 A JP 2015039074A JP 2016160471 A JP2016160471 A JP 2016160471A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
layer
copolymer
exchange layer
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015039074A
Other languages
English (en)
Inventor
泰輔 鎌田
Yasusuke Kamata
泰輔 鎌田
孝 涌井
Takashi Wakui
孝 涌井
藤原 直樹
Naoki Fujiwara
直樹 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP2015039074A priority Critical patent/JP2016160471A/ja
Publication of JP2016160471A publication Critical patent/JP2016160471A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)
  • Electrodes For Compound Or Non-Metal Manufacture (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、電極抵抗が小さく、高い耐久性を有し、通液型コンデンサ用の電極として長期間にわたって安定して使用可能な電極及びその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、イオン性物質の除去(脱塩)や、イオン性物質と非イオン性物質の分離等において優れた電流効率を有する通液型コンデンサ、及びそのような通液型コンデンサを用いた脱塩装置及び当該脱塩装置を用いた脱塩方法を提供することも目的とする。【解決手段】集電体層、多孔質電極層、及びイオン交換層がこの順番に配置される電極であって、前記イオン交換層が、ビニルアルコール系重合体成分(A)、ビニレン系重合体成分(B)及びイオン性基を有する重合体成分(C)を構成成分とする共重合体(P)を含有し、前記多孔質電極層が炭素材料を含有する、電極。【選択図】なし

Description

本発明は、集電体層、多孔質電極層及びイオン交換層を有する電極及びその製造方法に関する。また、そのような電極を有する通液型コンデンサに関する。さらに、そのような通液型コンデンサを有する脱塩装置及びそれを用いた脱塩方法に関する。
通液型コンデンサ(通液型電気二重層コンデンサ)は、ガス中、液(水溶液や非水溶液)中に含まれる物質の除去や、組成の変更に用いられる。通常、通液型コンデンサは、高表面積の電極層を有する電極と、当該電極間に設置される流路とを有する。物質の除去や組成の変更には、当該電極を用いた、静電気的な吸着、電気化学的な反応、触媒的な分解などが利用される。
これまでに、電極によるイオンの静電気的な吸着を利用したイオン性物質を含む水の脱塩に用いられる通液型コンデンサがいくつか報告されている。
通常、通液型コンデンサによる脱塩は、通液型コンデンサの電極間に直流電圧を印加することにより、電極間に供給された水中のイオンを各電極に吸着させた後、イオン性物質が除去された水を回収する脱塩工程(イオン吸着工程)と、直流電源を逆に接続するか、電極を短絡することにより各電極に吸着しているイオンを脱着させて電極を再生させる電極洗浄工程(イオン脱着工程)とを繰り返すことにより行われる。
特許文献1及び2には、液体の精製を目的とする定電荷クロマトグラフ用カラムに用いられる通液型コンデンサが記載されている。当該通液型コンデンサには、第1の導電性支持層、第1の高表面積導電性層、第1の非導電性多孔質のスペーサ層、第2の導電性支持層、第2の高表面積導電性層、第2の非導電性多孔質のスペーサ層を含む隣接層群が用いられている。そして、前記通液型コンデンサは、複数の前記隣接層群がスパイラル状に捲回されてなる。前記通液型コンデンサは、塩化ナトリウム等のイオン性物質を含む水の精製等に用いることができると記載されている。特許文献2には、上述した捲回型の通液型コンデンサのほか、導電性支持ワッシャ、高表面積導電性ワッシャ及び非導電性スペーサワッシャを積層してなるワッシャ型の電極を積層した通液型コンデンサも記載されている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載された通液型コンデンサには、脱塩工程において、電極に吸着されている副イオン(電極の電荷と同符号の電荷を有するイオン)が、本来吸着されるべき対イオン(電極の電荷と反対符号の電荷を有するイオン)の吸着を阻害するという問題や、副イオンが脱着されて電極外に放出され、脱塩されている水中に混入したりすることにより電流効率が低下するという問題があった。また、電極洗浄工程において、直流電源の接続を反転させることによって電極から脱着されたイオンが、当該イオンの電荷とは反対符号の電荷を有する電極に再吸着され、電極が汚染されてしまうという問題もあった。
これに対して、電極層の表面にイオン交換膜が設置された電極を使用した通液型コンデンサがいくつか報告されている。このような通液型コンデンサを用いて脱塩を行う場合、脱塩工程では、イオン交換膜の固定電荷と同符号の荷電を電極に与え、電極洗浄工程では、イオン交換膜の固定電荷と反対符号の荷電を電極に与える。脱塩工程では、電極から脱着された副イオンの電極外への放出が前記イオン交換膜によって遮蔽されることにより電流効率が高まる。また、電極洗浄工程では、上述した、電極による脱着されたイオンの再吸着が、前記イオン交換膜により防止される。
例えば、特許文献3には、多孔質電極にイオン交換膜が隣接してなる電極を用いた通液型コンデンサが記載され、前記イオン交換膜としては、イオン性基を有する重合体が多数例示されている。また、特許文献4には、多孔質材料を含み、電極の電荷とは、反対符号の電荷を有するイオンを吸着するように構成された電極と、その電極と接触しているイオン交換材料を含む電極アセンブリが記載され、またこのイオン交換材料としては、イオン電導性ポリマー等が記載されている。
さらにイオン交換膜として、最近、ポリビニルアルコール系イオン交換膜が報告されている(特許文献5及び6)。このポリビニルアルコール系イオン交換膜は、イオン選択透過性に優れ、かつ高い耐有機汚染性を有するとともに加工性が高く、非常に着目されている。
米国特許第5192432号公報 特開平5−258992号公報 米国特許第6709560号公報 特表2010−513018号公報 特許第4776683号明細書 国際公開第2010/110333号
しかしながら、特許文献3及び4に記載された通液型コンデンサは、電流効率がなお不十分であった。また、上記の特許文献5及び6に記載されるようなポリビニルアルコール系共重合体を用いるイオン交換膜は、親水性のポリビニルアルコールを基材に用いることから、通常、グルタルアルデヒドのような二官能性の水酸基架橋剤やホルムアルデヒドのような水酸基変性剤による不溶化処理が不可欠であり、不溶化処理後も含水率が高く寸法安定性に乏しい場合があり、耐久性が十分でなく、長期的に安定して脱塩を行うことが困難な場合がある。
そこで本発明は、電極抵抗が小さく、高い耐久性を有し、通液型コンデンサ用の電極として長期間にわたって安定して使用可能な電極及びその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、イオン性物質の除去(脱塩)や、イオン性物質と非イオン性物質の分離等において優れた電流効率を有する通液型コンデンサを提供することを目的とし、さらに本発明は、そのような通液型コンデンサを用いた脱塩装置及び当該脱塩装置を用いた脱塩方法を提供することも目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために電極抵抗が小さく、高い耐久性を有し、通液型コンデンサ用の電極に好適に用いられるイオン交換層について詳細に検討を重ね、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の好適な実施態様を包含する。
〔1〕集電体層、多孔質電極層、及びイオン交換層がこの順番に配置される電極であって、
前記イオン交換層が、ビニルアルコール系重合体成分(A)、ビニレン系重合体成分(B)及びイオン性基を有する重合体成分(C)を構成成分とする共重合体(P)を含有し、
前記多孔質電極層が炭素材料を含有する、電極。
〔2〕前記共重合体(P)は、共重合体(P)の全構成単位を100モル%として、0.05〜89.1モル%のビニルアルコール系重合体成分(A)、5〜98.901モル%のビニレン系重合体成分(B)及び1〜50モル%のイオン性基を有する重合体成分(C)を含む、〔1〕に記載の電極。
〔3〕前記共重合体(P)は下記一般式(1):
Figure 2016160471
[式中、0.5000≦(o+p)/(n+o+p)≦0.9999であり、0.100≦p/(n+o+p)≦0.999であり、0.01≦m/(m+n+o+p)≦0.50であり、Mはイオン性基を有する単量体M’に由来する構成単位である。]
で示される共重合体(P1)である、〔1〕又は〔2〕に記載の電極。
〔4〕前記共重合体(P)は下記一般式(2):
Figure 2016160471
[式中、0.5000≦(o+p)/(n+o+p)≦0.9999であり、0.100≦p/(n+o+p)≦0.999であり、0.001≦q/(n+o+p+q)≦0.050であり、0.01≦q/(q+n+o+p)≦0.50であり、Rは、水素原子又はカルボキシル基であり、Rは、水素原子、メチル基、カルボキシル基又はカルボキシメチル基であり、Lは、窒素原子及び/又は酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基であり、Rがカルボキシル基の場合やRがカルボキシル基又はカルボキシメチル基の場合は、隣接する水酸基と環を形成していてもよい。Mはイオン性基を有する単量体M’に由来する構成単位である。]
で示される共重合体(P2)である、〔1〕又は〔2〕に記載の電極。
〔5〕前記イオン交換層は、前記イオン性基がアニオン性基である共重合体(P)を含有するカチオン交換層である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の電極。
〔6〕前記イオン交換層は、前記イオン性基がカチオン性基である共重合体(P)を含有するアニオン交換層である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の電極。
〔7〕前記イオン交換層の厚みが1〜100μmであり、かつ前記多孔質電極層の厚みが50〜1000μmである、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の電極。
〔8〕前記共重合体(P)に架橋結合が導入されている、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の電極。
〔9〕前記共重合体(P)を含有するイオン交換層は補強材料を含む、〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の電極。
〔10〕前記補強材料は、多孔膜、メッシュ又は不織布からなる、連続した支持体である、〔9〕に記載の電極。
〔11〕前記不織布はポリビニルアルコール系短繊維の湿式不織布である、〔10〕に記載の電極。
〔12〕〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載の電極からなる通液型コンデンサ用電極。
〔13〕集電体層の表面に、炭素材料を含有するスラリーと、ビニルアルコール系重合体成分(A’)及びイオン性基を有する重合体成分(C)を構成成分とする共重合体(P’)を含有する溶液とを塗布した後、塗膜を乾燥及び熱処理することにより、多孔質電極層と、共重合体(P)を含有するイオン交換層とを形成する、〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載の電極を製造する方法。
〔14〕集電体層の表面に、炭素材料を含有するスラリーと、ビニルアルコール系重合体成分(A’)及びイオン性基を有する重合体成分(C)を構成成分とする共重合体(P’)を含有する溶液とを同時に塗布する、〔13〕に記載の方法。
〔15〕集電体層の表面に、炭素材料を含有するスラリーを塗布した後に、該スラリーの表面に、ビニルアルコール系重合体成分(A’)及びイオン性基を有する重合体成分(C)を構成成分とする共重合体(P’)を含有する溶液を塗布する、〔13〕に記載の方法。
〔16〕電極間に流路部が配置された通液型コンデンサであって、
一方の電極はカチオン交換層を有し、他方の電極はアニオン交換層を有し、該カチオン交換層と該アニオン交換層とが該流路部を介して対向するように配置され、
少なくとも一方の電極は〔12〕に記載の電極である、通液型コンデンサ。
〔17〕〔16〕に記載の通液型コンデンサ、それを収容する容器及び直流電源を有し、
前記直流電源が、正極と負極を交換可能に、各電極に接続され、
前記容器が、通液型コンデンサによる脱塩に供されるイオン性物質を含有する液体の供給口と、脱塩された液体の排出口とを有する、脱塩装置。
〔18〕〔17〕に記載の脱塩装置を用いたイオン性物質を含有する液体の脱塩方法であって、
アニオン交換層を有する電極を正極、カチオン交換層を有する電極を負極として、直流電源により各電極に電圧を印加し、電圧が印加された電極間の流路部にイオン性物質を含有する液体を供給して、該液体中のイオンを多孔質電極層に吸着させた後、該液体を排出して回収する第1工程と、
流路部に液体を供給し、アニオン交換層を有する電極を負極、カチオン交換層を有する電極を正極として、直流電源により各電極に電圧を印加することにより、第1工程で多孔質電極層に吸着されたイオンを脱着させ、脱着されたイオンを含む液体を排出する第2工程を有する、脱塩方法。
本発明の電極は、電気抵抗が小さく、また当該電極中のイオン交換層は、優れたイオン選択透過性及び耐久性を有する。したがって、前記電極を用いた通液型コンデンサは、効率良くかつ、長期間にわたって安定に、脱塩やイオン性物質と非イオン性物質の分離などを行うことができる。また、本発明の製造方法によれば、発泡による欠陥が少ないイオン交換層が形成された電極が得られる。
本発明の電極を用いた通液型コンデンサがイオンを吸着する様子の一例を示す模式図である。 本発明の電極を用いた通液型コンデンサがイオンを脱着する様子の一例を示す模式図である。 本発明の通液型コンデンサを有する脱塩装置の一例を示す模式図である。 本発明の脱塩装置中の通液型コンデンサの分解斜視図である。 実施例における、電極抵抗の測定方法を示す模式図である。
本発明の電極は、集電体層、多孔質電極層、及びイオン交換層がこの順番に配置され、前記イオン交換層が、ビニルアルコール系重合体成分(A)、ビニレン系重合体成分(B)及びイオン性基を有する重合体成分(C)を構成成分とする共重合体(P)を含有し、前記多孔質電極層が炭素材料を含有するものである。
本発明の電極は、イオンの吸着及び脱着を効率良く行うことができる。本発明の電極によるイオンの吸着及び脱着は、多孔質電極層において行われる。イオンの吸着及び脱着には、電極に電圧を印加して多孔質電極層に電荷を与えることにより生じる、当該多孔質電極層とイオンとの間の静電力が利用される。
前記多孔質電極層の一面は、集電体層と対向し、多孔質電極層と集電体層は電気的に接続される。前記電極と外部電源の接続は、通常、集電体層の一部と外部電源とを電気的に接続することにより行われる。このように前記電極を外部電源に接続することにより、多孔質電極層に電荷を与えることができる。
前記多孔質電極層の他面は、イオン交換層と対向する。本発明の電極を用いてイオンの吸着や脱着を行う場合、多孔質電極層と電極外部の間のイオンの移動が、概ね当該イオン交換層を介して行われる。当該イオン交換層は共重合体(P)のイオン性基に由来する固定電荷を有するため、当該イオン性基の電荷とは反対符号の電荷を有するイオンを選択的に透過させる。このようなイオン選択透過性を有するイオン交換層を介してイオンの移動が行われることにより、イオンの吸着と脱着を繰り返し行った場合における、吸着及び脱着効率の低下が抑制される。
本発明の電極は、多孔質電極層に対して配置されるイオン交換層として、ビニルアルコール系重合体成分(A)、ビニレン系重合体成分(B)及びイオン性基を有する重合体成分(C)を構成成分とする共重合体(P)を含有するイオン交換層を用いる。当該イオン交換層は、イオンが透過し易く、イオン選択透過性にも優れる。さらに、当該イオン交換層は優れた耐水性を有する。このようなイオン交換層を用いることにより、本発明の電極は、効率良く、かつ長期間に渡って安定に、イオンの吸着及び脱着を行うことができる。
〔イオン交換層〕
本発明におけるイオン交換層は、ビニルアルコール系重合体成分(A)、ビニレン系重合体成分(B)及びイオン性基を有する重合体成分(C)を構成成分とする共重合体(P)を含有する。
ビニルアルコール系重合体成分(A)としては、例えばポリ酢酸ビニル成分を含むポリビニルアルコール成分が挙げられる。ビニレン系重合体成分(B)としては、炭素―炭素1重結合と炭素―炭素2重結合と交互に連結したオリゴエン成分又はポリエン成分が挙げられる。重合体成分(C)に含まれるイオン性基は、アニオン性基又はカチオン性基である。このような重合体成分(C)としては、例えばポリ(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸)やポリ(パラスチレンスルホン酸ナトリウム)やポリ(ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド)が挙げられる。
本発明におけるイオン交換層は、イオン交換層の総量に基づいて、分離性能及び強度の観点から、共重合体(P)を5質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらにより好ましくは30質量%以上含有し、例えば本発明におけるイオン交換層は共重合体(P)のみからなるものと、共重合体(P)と補強材料を含むものがある。
本発明におけるイオン交換層が、イオン性基を有する重合体成分(C)におけるイオン性基としてアニオン性基を有する場合、該イオン交換層をカチオン交換層として使用することができる。本発明におけるイオン交換層が、イオン性基を有する重合体成分(C)におけるイオン性基としてカチオン性基を有する場合、該イオン交換層をアニオン交換層として使用することができる。
本発明において、共重合体(P)は、共重合体(P)の全構成単位を100モル%として好ましくは0.05〜89.1モル%、より好ましくは0.7〜72.75モル%、さらに好ましくは3.75〜47.5モル%のビニルアルコール系重合体成分(A)を含む。ビニルアルコール系重合体成分(A)の量が上記の上限以下であると、耐水性が良好であり好ましい。ビニルアルコール系重合体成分(A)の量が上記の下限以上であると、層の靭性が良好であるため好ましい。
本発明において、共重合体(P)は、共重合体(P)の全構成単位を100モル%として好ましくは5〜98.901モル%、より好ましくは17.5〜96.03モル%、さらに好ましくは37.5〜90.25モル%のビニレン系重合体成分(B)を含む。ビニレン系重合体成分(B)の量が上記の上限以下であると、層の靭性が良好であるため好ましい。ビニレン系重合体成分(B)の量が上記の下限以上であると、耐水性が良好であり好ましい。
本発明において、共重合体(P)は、共重合体(P)の全構成単位を100モル%として好ましくは1〜50モル%、より好ましくは3〜30モル%、さらに好ましくは5〜25モル%のイオン性基を有する重合体成分(C)を含む。イオン性基を有する重合体成分(C)の量が上記の上限以下であると、膨潤を良好に抑制できるため好ましい。イオン性基を有する重合体成分(C)の量が上記の下限以上であると、イオン伝導性が良好でありイオン交換性能に優れるため好ましい。
本発明の好ましい一態様において、前記共重合体(P)は、下記一般式(1):
Figure 2016160471
[式中、0.5000≦(o+p)/(n+o+p)≦0.9999であり、0.100≦p/(n+o+p)≦0.999であり、0.01≦m/(m+n+o+p)≦0.50であり、Mはイオン性基を有する単量体M’に由来する構成単位である。]
で示されるブロック共重合体(以下において「共重合体(P1)」とも称する)である。
本発明の別の好ましい一態様において、前記共重合体(P)は、下記一般式(2):
Figure 2016160471
[式中、0.5000≦(o+p)/(n+o+p)≦0.9999であり、0.1≦p/(n+o+p)≦0.999であり、0.001≦q/(n+o+p+q)≦0.050であり、0.01≦q/(q+n+o+p)≦0.50であり、Rは、水素原子又はカルボキシル基であり、Rは、水素原子、メチル基、カルボキシル基又はカルボキシメチル基であり、Lは、窒素原子及び/又は酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基であり、Rがカルボキシル基の場合やRがカルボキシル基又はカルボキシメチル基の場合は、隣接する水酸基と環を形成していてもよい。Mはイオン性基を有する単量体M’に由来する構成単位である。]
で示されるグラフト共重合体(以下において「共重合体(P2)」とも称する)である。
前記一般式(1)及び(2)中の記号について説明する。
一般式(1)における(o+p)/(n+o+p)は、ビニルアルコール系重合体成分(A)及びビニレン系重合体成分(B)中に含まれる酢酸ビニル単位以外の比率を示す。(o+p)/(n+o+p)の下限は、好ましくは0.5000以上であり、より好ましくは0.7000以上であり、さらに好ましくは0.8000以上である。(o+p)/(n+o+p)の上限は、好ましくは0.9999以下であり、より好ましくは0.999以下であり、さらに好ましくは0.995以下である。(o+p)/(n+o+p)が上記の範囲内であることが製造上の観点から好ましい。
一般式(1)におけるp/(n+o+p)は、ビニルアルコール系重合体成分(A)及びビニレン系重合体成分(B)中に含まれるビニレン系重合体成分(B)の比率を示す。本明細書において、この値を「ポリエン化率」と称する。ポリエン化率の下限は、好ましくは0.100以上であり、より好ましくは0.250以上であり、さらに好ましくは0.500以上である。ポリエン化率の上限は、好ましくは0.999以下であり、より好ましくは0.99以下であり、さらに好ましくは0.95以下である。ポリエン化率が上記の上限以下であると、層の靱性が良好であるため好ましく、上記の下限以上であると耐水性が良好であるため好ましい。
一般式(1)におけるm/(m+n+o+p)は、ビニルアルコール系重合体成分(A)、ビニレン系重合体成分(B)及びイオン性基を有する重合体成分(C)中に含まれるイオン性基を有する重合体成分(C)の比率を示す。m/(m+n+o+p)の下限は、好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.03以上であり、さらに好ましくは0.05以上である。m/(m+n+o+p)の上限は、好ましくは0.50以下であり、より好ましくは0.30以下であり、さらに好ましくは0.25以下である。m/(m+n+o+p)が上記の上限以下であると、膨潤を良好に抑制できるため好ましく、上記の下限以上であると、イオン伝導性が良好でありイオン交換性能に優れるため好ましい。
一般式(2)における(o+p)/(n+o+p)は、ビニルアルコール系重合体成分(A)及びビニレン系重合体成分(B)中に含まれる酢酸ビニル単位以外の比率を示す。(o+p)/(n+o+p)の下限は、好ましくは0.5000以上であり、より好ましくは0.7000以上であり、さらに好ましくは0.8000以上である。(o+p)/(n+o+p)の上限は、好ましくは0.9999以下であり、より好ましくは0.999以下であり、さらに好ましくは0.995以下である。(o+p)/(n+o+p)が上記の範囲内であることが製造上の観点から好ましい。
一般式(2)におけるp/(n+o+p)は、ビニルアルコール系重合体成分(A)及びビニレン系重合体成分(B)中に含まれるビニレン系重合体成分(B)の比率を示す。本明細書において、この値もまた「ポリエン化率」と称する。ポリエン化率の下限は、好ましくは0.100以上であり、より好ましくは0.250以上であり、さらに好ましくは0.500以上である。ポリエン化率の上限は、好ましくは0.999以下であり、より好ましくは0.99以下であり、さらに好ましくは0.95以下である。ポリエン化率が上記の上限以下であると、層の靭性が良好であるため好ましく、上記の下限以上であると耐水性が良好であるため好ましい。
一般式(2)におけるq/(n+o+p+q)は、一般式(2)で示される化合物に含まれる枝分かれ構造を有する構成単位の比率を示す。q/(n+o+p+q)の下限は、好ましくは0.001以上であり、より好ましくは0.002以上であり、さらに好ましくは0.003以上である。q/(n+o+p+q)の上限は、好ましくは0.050以下であり、より好ましくは0.02以下であり、さらに好ましくは0.01以下である。q/(n+o+p+q)が上記の範囲内であることが共重合反応を制御しやすい観点から好ましい。
一般式(2)におけるq/(q+n+o+p)は、ビニルアルコール系重合体成分(A)、ビニレン系重合体成分(B)及びイオン性基を有する重合体成分(C)中に含まれるイオン性基を有する重合体成分(C)の比率を示す。q/(q+n+o+p)の下限は、好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.03以上であり、さらに好ましくは0.05以上である。q/(q+n+o+p)の上限は、好ましくは0.50以下であり、より好ましくは0.30以下であり、さらに好ましくは0.25以下である。q/(q+n+o+p)が上記の上限以下であると、膨潤を良好に抑制できるため好ましく、上記の下限以上であると、イオン伝導性が良好でありイオン交換性能に優れるため好ましい。
一般式(1)及び(2)における、n、o、p、n、o、p及びqは、各繰返し単位の数を表し、それぞれ互いに独立して、好ましくは1〜10000、より好ましくは5〜9000、さらに好ましくは10〜8000であり得る。前記一般式(1)及び(2)は、括弧内の繰返し単位が表示されたとおりに配置されていることを意味するのではなく、単に各繰り返し単位が存在することを表している。繰返し単位は、通常は互いにランダムに配置されているが、同一の繰返し単位が連続して配置されてもよい。
一般式(2)におけるRは、水素原子又はカルボキシル基であり、Rは、水素原子、メチル基、カルボキシル基又はカルボキシメチル基である。R及びRは、各出現において互いに独立して選択される。
一般式(2)におけるLは、窒素原子及び/又は酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基である。Lが含む窒素原子及び/又は酸素原子の数は特に限定されない。前記脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、好ましくは直鎖又は分岐状である。前記脂肪族炭化水素基が分岐状であると、脂肪族炭化水素基の主鎖(硫黄原子と窒素原子との間で原子が連続する鎖)から分岐した部位の炭素数は、1〜5であることが好ましい。Lが窒素原子及び/又は酸素原子を含む場合の例としては、例えば、前記脂肪族炭化水素基が、窒素原子及び/又は酸素原子を、前記脂肪族炭化水素基に挿入された、カルボニル結合(−CO−)、エーテル結合(−O−)、アミノ結合〔−NR−(Rは水素原子又はNと結合する炭素を含む基)〕、アミド結合(−CONH−)等として含む場合や、前記脂肪族炭化水素基が、窒素原子及び/又は酸素原子を、前記脂肪族炭化水素基を置換する、カルボキシル基(−COOH)、水酸基(−OH)等として含む場合がある。原料入手性、合成上の容易さから、Lは、合計炭素数が1〜20の、カルボキシル基を有していてもよい直鎖状又は分岐状のアルキレン基であることが好ましく、合計炭素数が2〜15の、カルボキシル基を有していてもよい直鎖状又は分岐状のアルキレン基であることがより好ましく、合計炭素数が2〜10の、カルボキシル基を有していてもよい直鎖状又は分岐状のアルキレン基であることがさらに好ましい。
一般式(1)及び(2)におけるMは、イオン性基を有する単量体(以下において「単量体M’」とも称する)に由来する構成単位である。単量体M’としては、少なくとも1つのイオン性基と少なくとも1つのエチレン性不飽和単量体とから構成される単量体が挙げられる。
イオン性基としては、アニオン性基又はカチオン性基が挙げられる。イオン性基がアニオン性基である場合、イオン交換層は、カチオンを選択的に透過するカチオン交換層である。イオン性基がカチオン性基である場合、イオン交換層は、アニオンを選択的に透過するアニオン交換層である。
単量体M’におけるアニオン性基としては、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基、ボロン酸基、スルホニルイミド基等が挙げられる。カウンターのカチオンとしては特に限定されないが、アルカリ金属イオン、H、4級アンモニウムイオン等の1価のカチオンが好ましい。
単量体M’におけるカチオン性基としては、無置換アミノ基、N−アルキルアミノ基、N−ジアルキルアミノ基等のアミノ基、ピリジル基、イミダゾリル基等の含窒素複素環や、N−トリアルキルアンモニウム基、N-アルキルピリジニウム基、N-アルキルイミダゾリウム基、チオウロニウム基、イソチオウロニウム基等の四級アンモニウム基が挙げられる。四級アンモニウム基のカウンターのアニオンとしては特に限定されないが、PF 、SbF 、AsF 等の5B族元素のハロゲン化アニオン、BF 等の3B族元素のハロゲン化アニオン、I(I )、Br、Cl等のハロゲンアニオン、ClO 等のハロゲン酸アニオン、AlCl 、FeCl 、SnCl 等の金属ハロゲン化物アニオン、NO で示される硝酸アニオン、p−トルエンスルホン酸アニオン、ナフタレンスルホン酸アニオン、CHSO 、CFSO 等の有機スルホン酸アニオン、CFCOO、CCOO等のカルボン酸アニオン、OH等の1価のアニオンが好ましい。
単量体M’におけるエチレン性不飽和単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブチレン等のα−オレフィン類;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル等のアクリル酸又はそのエステル類;メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル等のメタクリル酸又はそのエステル類;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド類;メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロピルジメチルアミン等のメタクリルアミド類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n―プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル、2,3−ジアセトキシ−1−ビニルオキシプロパン等のビニルエーテル類;酢酸アリル、2,3−ジアセトキシ−1−アリルオキシプロパン、塩化アリル等のアリル化合物;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸又はそのエステル類等が挙げられる。
アニオン性基とエチレン性不飽和単量体とから構成される単量体M’の例としては、例えば、次の一般式(3)〜(9)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2016160471
[式中、Rは水素原子又はアルカリ金属原子である。]
Figure 2016160471
[式中、Rは前記と同義である。]
Figure 2016160471
[式中、Rは前記と同義である。]
Figure 2016160471
[式中、Rは前記と同義である。]
Figure 2016160471
[式中、Rは前記と同義である。]
Figure 2016160471
[式中、Rは前記と同義であり、Rは水素原子又はメチル基である。]
Figure 2016160471
[式中、RとRは前記と同義である。]
カチオン性基とエチレン性不飽和単量体とから構成される単量体M’の例としては、例えば、次の一般式(10)〜(19)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2016160471
[式中、Xは、PF 、SbF 、AsF 等の5B族元素のハロゲン化アニオン、BF 等の3B族元素のハロゲン化アニオン、I(I )、Br、Cl等のハロゲンアニオン、ClO 等のハロゲン酸アニオン、AlCl 、FeCl 、SnCl 等の金属ハロゲン化物アニオン、NO で示される硝酸アニオン、p−トルエンスルホン酸アニオン、ナフタレンスルホン酸アニオン、CHSO 、CFSO 等の有機スルホン酸アニオン、CFCOO、CCOO等のカルボン酸アニオン、OH等の1価のアニオンであり、Rは前記と同義である。]
Figure 2016160471
[式中、Xは前記と同義である。]
Figure 2016160471
[式中、Xは前記と同義である。]
Figure 2016160471
[式中、Xは前記と同義である。]
Figure 2016160471
[式中、Xは前記と同義である。]
Figure 2016160471
[式中、Rは前記と同義であり、相互に同一であっても異なっていてもよい。]
Figure 2016160471
[式中、Rは前記と同義である。]
Figure 2016160471
Figure 2016160471
Figure 2016160471
〔イオン交換層の製造〕
本発明におけるイオン交換層は、共重合体(P)を含有する。共重合体(P)を含有するイオン交換層の製造は、通常、ビニルアルコール系重合体成分(A’)及びイオン性基を有する重合体成分(C)を構成成分とする共重合体(P’)を含有する中間体(前駆体)を調製する工程Iと、該中間体に所望の形態を付与し層状成形体を作製する工程IIと、脱水ポリエン化反応により共重合体(P)を含有するイオン交換層を作製する工程IIIとを含む製造方法により製造することができる。
工程Iは、中間体を調製する工程である。工程Iは、次の方法(Ia)又は(Ib)のいずれかである。
(Ia)ビニルアルコール系重合体を製造した後、該ビニルアルコール系重合体にイオン性基を結合させて、共重合体(P’)を含有する中間体を製造する方法、又は
(Ib)ビニルアルコール系重合体と、イオン性基を有する少なくとも1つの単量体とを重合させて共重合体(P’)を含有する中間体を製造する方法。
(Ia)の方法としては、ビニルアルコール系重合体の存在下、1つ以上の水酸基変性剤(例えばブチルアルデヒドスルホン酸又はそのアルカリ金属塩、ベンズアルデヒドスルホン酸又はそのアルカリ金属塩、カチオン性アンモニウムアルデヒドなど)を反応させて、ビニルアルコール系重合体にイオン性基を導入し共重合体(P’)を含有する中間体を製造することが、工業的な容易さから好ましい。(Ib)の方法としては、メルカプト基を含有するビニルアルコール系重合体の存在下、イオン性基を含有する少なくとも1つの単量体をラジカル重合させることにより共重合体(P’)を含有する中間体を製造することが、工業的な容易さから好ましい。各成分の種類や量を容易に制御できることから、(Ib)の方法がより好ましい。
共重合体(P’)の好ましい構造としては、一般式(20);
Figure 2016160471
[式中、0.5000≦o/(n+o)≦0.9999であり、0.01≦m/(m+n+o)≦0.50であり、Mは前記と同義である。]
で示されるブロック共重合体(以下において「共重合体(P1’)」とも称する)、又は一般式(21):
Figure 2016160471
[式中、0.5000≦o/(n+o)≦0.9999であり、0.001≦q/(n+o+q)≦0.05であり、0.01≦q/(q+n+o)≦0.50であり、R、R、L及びMは前記と同義である。]
で示されるグラフト共重合体(以下において「共重合体(P2’)」とも称する)が挙げられる。
前記一般式(20)及び(21)中の記号について説明する。
一般式(20)におけるo/(n+o)は、ビニルアルコール系重合体成分(A’)に含まれる酢酸ビニル単位以外の比率を示す。o/(n+o)の下限は、好ましくは0.5000以上であり、より好ましくは0.7000以上であり、さらに好ましくは0.8000以上である。o/(n+o)の上限は、好ましくは0.9999以下であり、より好ましくは0.999以下であり、さらに好ましくは0.995以下である。o/(n+o)が上記の範囲内であると、製造上の観点から好ましい。
一般式(20)におけるm/(m+n+o)は、ビニルアルコール系重合体成分(A’)及びイオン性基を有する重合体成分(C)中に含まれるイオン性基を有する重合体成分(C)の比率を示す。m/(m+n+o)の下限は、好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.03以上であり、さらに好ましくは0.05以上である。m/(m+n+o)の上限は、好ましくは0.50以下であり、より好ましくは0.30以下であり、さらに好ましくは0.25以下である。m/(m+n+o)が上記の上限以下であると、膨潤を良好に抑制できるため好ましく、上記の下限以上であると、イオン伝導性が良好でありイオン交換性能に優れるため好ましい。
一般式(20)で示される化合物を脱水ポリエン化することにより、ビニルアルコール系重合体成分(A’)がビニルアルコール系重合体成分(A)及びビニレン系重合体成分(B)に変換される。そのため、一般式(20)で示されるブロック共重合体(P1’)を中間体として用いた場合、前記一般式(20)におけるo/(n+o)は、前記一般式(1)における(o+p)/(n+o+p)と同等である。また、前記一般式(20)におけるm/(m+n+o)は、前記一般式(1)におけるm/(m+n+o+p)と同等である。
一般式(21)におけるo/(n+o)は、ビニルアルコール系重合体成分(A’)に含まれる酢酸ビニル単位以外の比率を示す。o/(n+o)の下限は、好ましくは0.5000以上であり、より好ましくは0.7000以上であり、さらに好ましくは0.8000以上である。o/(n+o)の上限は、好ましくは0.9999以下であり、より好ましくは0.999以下であり、さらに好ましくは0.995以下である。o/(n+o)が上記の範囲内であると、製造上の観点から好ましい。
一般式(21)におけるq/(n+o+q)は、一般式(21)で示される化合物に含まれる枝分かれ構造を有する構成単位の比率を示す。q/(n+o+q)の下限は、好ましくは0.001以上であり、より好ましくは0.002以上であり、さらに好ましくは0.003以上である。q/(n+o+q)の上限は、好ましくは0.05以下であり、より好ましくは0.02以下であり、さらに好ましくは0.01以下である。q/(n+o+q)が上記の範囲内であることが共重合反応を制御しやすい観点から好ましい。
一般式(21)におけるq/(q+o+n)は、ビニルアルコール系重合体成分(A’)及びイオン性基を有する重合体成分(C)に含まれるイオン性基を有する重合体成分(C)の比率を示す。q/(q+o+n)の下限は、好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.03以上であり、さらに好ましくは0.05以上である。q/(q+o+n)の上限は、好ましくは0.50以下であり、より好ましくは0.30以下であり、さらに好ましくは0.25以下である。q/(q+o+n)が上記の上限以下であると、膨潤を良好に抑制できるため好ましく、上記の下限以上であると、イオン伝導性に優れイオン交換性能に優れるため好ましい。
一般式(21)で示される化合物を脱水ポリエン化することにより、ビニルアルコール系重合体成分(A’)がビニルアルコール系重合体成分(A)及びビニレン系重合体成分(B)に変換される。そのため、一般式(21)で示されるブロック共重合体(P2’)を中間体として用いた場合、前記一般式(21)におけるo/(n+o)は前記一般式(2)における(o+p)/(n+o+p)と同等である。前記一般式(21)におけるq/(n+o+q)は前記一般式(2)におけるq/(n+o+p+q)と同等である。また、前記一般式(21)におけるq/(q+o+n)は前記一般式(2)におけるq/(q+n+o+p)と同等である。
一般式(20)及び(21)における、n、n、o、o及びqは、各繰返し単位の数を表し、それぞれ互いに独立して、好ましくは1〜10000、より好ましくは5〜9000、さらに好ましくは10〜8000であり得る。前記一般式(20)及び(21)は、括弧内の繰り返し単位が表示されたとおりに配置されていることを意味するのではなく、単に各繰り返し単位が存在することを表している。繰返し単位は、通常は互いにランダムに配置されているが、同一の繰返し単位が連続して配置されてもよい。
共重合体(P1’)は、例えば、末端メルカプト基含有ビニルアルコール系重合体と、イオン性基有する単量体(M)とを用いて、例えば前記特許文献5や前記特許文献6等に記載された重合方法で製造することができる。
上述の末端メルカプト基含有ビニルアルコール系重合体におけるビニルアルコール単位の含有率(すなわち、末端メルカプト基含有ビニルアルコール系重合体のけん化度)は特に限定されないが、重合体中の全構成単位を100モル%として、好ましくは50モル%以上であり、より好ましくは70モル%以上であり、さらに好ましくは80モル%以上である。ビニルアルコール単位の含有率の上限は、重合体中の全構成単位を100モル%として、好ましくは99.99モル%以下であり、より好ましくは99.9モル%以下であり、さらに好ましくは99.5モル%以下である。
上述の末端メルカプト基含有ビニルアルコール系重合体のJIS K6726に準拠して測定した粘度平均重合度は特に限定されず、好ましくは100〜5,000であり、より好ましくは200〜4,000である。粘度平均重合度が上記の下限以上であることが、誘導される共重合体の機械的強度の観点から好ましい。粘度平均重合度が上記の上限以下であることが、ビニルアルコール系重合体を工業的に製造しやすいため好ましい。
共重合体(P2’)は、例えば、一般式(22):
Figure 2016160471
[式中、R、R及びLは前記と同義である。]
で示される構成単位及びビニルアルコール系構成単位から構成される、一般式(23):
Figure 2016160471
[式中、n、o、q、L、R及びRは前記と同義である。]
で示される側鎖メルカプト基含有ビニルアルコール系重合体と、イオン性基を有する単量体(M)とを用いて、例えば前記特許文献5や前記特許文献6等に記載された重合方法で製造することができる。
一般式(22)で示される構成単位は、該構成単位に変換可能な不飽和単量体より誘導することができ、好ましくは一般式(24):
Figure 2016160471
[式中、R1a及びR1bは、水素原子又はカルボキシル基であり、但しR1a及びR1bの少なくとも一方は水素原子であり、Rはメチル基であるか、Lに含まれる特定の炭素原子と共有結合して環状構造を形成し、R及びLは前記と同義である。]
で示される不飽和二重結合を有するチオエステル系単量体から誘導することができる。
一般式(24)で示される不飽和二重結合を有するチオエステル系単量体は、公知の方法に準じて製造することができる。
一般式(24)で示される不飽和二重結合を有するチオエステル系単量体の好ましい具体例としては、例えば、チオ酢酸S−(3−メチル−3−ブテン−1−イル)エステル、チオ酢酸S−17−オクタデセン−1−イルエステル、チオ酢酸S−15−ヘキサデセン−1−イルエステル、チオ酢酸S−14−ペンタデセン−1−イルエステル、チオ酢酸S−13−テトラデセン−1−イルエステル、チオ酢酸S−12−トリデセン−1−イルエステル、チオ酢酸S−11−ドデセン−1−イルエステル、チオ酢酸S−10−ウンデセン−1−イルエステル、チオ酢酸S−9−デセン−1−イルエステル、チオ酢酸S−8−ノネン−1−イルエステル、チオ酢酸S−7−オクテン−1−イルエステル、チオ酢酸S−6−ヘプテン−1−イルエステル、チオ酢酸S−5−ヘキセン−1−イルエステル、チオ酢酸S−4−ペンテン−1−イルエステル、チオ酢酸S−3−ブテン−1−イルエステル、チオ酢酸S−2−プロペン−1−イルエステル、チオ酢酸S−[1−(2−プロペン−1−イル)ヘキシル]エステル、チオ酢酸S−(2,3−ジメチル−3−ブテン−1−イル)エステル、チオ酢酸S−(1−エテニルブチル)エステル、チオ酢酸S−(2−ヒドロキシ−5−ヘキセン−1−イル)エステル、チオ酢酸S−(2−ヒドロキシ−3−ブテン−1−イル)エステル、チオ酢酸S−(1,1−ジメチル−2−プロペン−1−イル)エステル、2−[(アセチルチオ)メチル]−4−ペンテン酸、チオ酢酸S−(2−メチル−2−プロペン−1−イル)エステル等、ならびに下記化学式(a−1)〜(a−30)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2016160471
Figure 2016160471
Figure 2016160471
Figure 2016160471
Figure 2016160471
上記化合物群の中でも、原料入手性、合成上の容易さの観点から、チオ酢酸S−7−オクテン−1−イルエステル、化学式(a−6)、(a−7)、(a−9)、(a−10)、(a−11)、(a−12)、(a−14)、(a−15)、(a−16)、(a−17)、(a−19)、(a−20)、(a−21)、(a−22)、(a−24)、(a−25)、(a−26)、(a−27)、(a−29)、(a−30)で示される化合物が好ましい。
一般式(23)で示される側鎖メルカプト基含有ビニルアルコール系重合体における、一般式(22)で示される構成単位の含有率は特に限定されないが、重合体中の全構成単位を100モル%として、好ましくは0.1〜5モル%であり、より好ましくは0.2〜2モル%であり、さらに好ましくは0.3〜1モル%である。
一般式(23)で示される側鎖メルカプト基含有ビニルアルコール系重合体は、式(22)で示される構成単位を1種又は2種以上有することができる。2種以上の当該構成単位を有する場合、これら2種以上の構成単位の含有率の合計が上記範囲にあることが好ましい。
一般式(23)で示される側鎖メルカプト基含有ビニルアルコール系重合体におけるビニルアルコール単位の含有率(すなわち、側鎖メルカプト基含有ビニルアルコール系重合体のけん化度)は特に限定されないが、重合体中の全構成単位を100モル%として、好ましくは50モル%以上であり、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上である。ビニルアルコール単位の含有率の上限は、重合体中の全構成単位を100モル%として、好ましくは99.99モル%以下であり、より好ましくは99.9モル%以下であり、さらに好ましくは99.5モル%以下である。
一般式(23)で示される側鎖メルカプト基含有ビニルアルコール系重合体におけるビニルアルコール単位は、加水分解や加アルコール分解等によってビニルエステル単位から誘導することができる。ビニルアルコール単位へと変換されるビニルエステル単位のビニルエステルとしては特に限定されないが、酢酸ビニルが工業的観点から好ましい。
一般式(23)で示される側鎖メルカプト基含有ビニルアルコール系重合体は、本発明の効果が得られる限り、式(22)で示される構成単位、ビニルアルコール単位及びビニルエステル単位以外の構成単位をさらに有することができる。当該構成単位は、例えば、ビニルエステルと共重合可能でありかつ式(22)で示される構成単位に変換可能な不飽和単量体及びビニルエステルと共重合可能なエチレン性不飽和単量体に由来する構成単位である。エチレン性不飽和単量体は、単量体M’について記載した前記エチレン性不飽和単量体と同義である。
一般式(23)で示される側鎖メルカプト基含有ビニルアルコール系重合体における式(22)で示される構成単位、ビニルアルコール単位、及びその他の任意の構成単位の配列順序は特に限定されず、ランダム、ブロック、交互等のいずれであってもよい。
一般式(23)で示される側鎖メルカプト基含有ビニルアルコール系重合体のJIS K6726に準拠して測定した粘度平均重合度は特に限定されず、好ましくは100〜5,000であり、より好ましくは200〜4,000である。粘度平均重合度が上記の下限以上であることが、誘導される共重合体の機械的強度の観点から好ましい。粘度平均重合度が上記の上限以下であることが、ビニルアルコール系重合体を工業的に製造しやすいため好ましい。
一般式(23)で示される側鎖メルカプト基含有ビニルアルコール系重合体の製造方法は、目的とする側鎖メルカプト基含有ビニルアルコール系重合体が製造できる限り特に限定されない。例えば、そのような製造方法としては、ビニルエステルと、該ビニルエステルと共重合可能であり、かつ一般式(22)で示される構成単位に変換可能な不飽和単量体とを共重合する共重合工程と、得られた共重合体のビニルエステル単位を加溶媒分解によりビニルアルコール単位に変換し、一方で一般式(22)で示される構成単位に変換可能な不飽和単量体に由来する構成単位を一般式(22)で示される構成単位に変換する変換工程とを含む方法が挙げられる。
特に、ビニルエステルと一般式(24)で示される不飽和二重結合を有するチオエステル系単量体(以下において「チオエステル系単量体(24)」と称する)とを共重合し、得られた共重合体のビニルエステル単位のエステル結合、及び、チオエステル系単量体(24)由来の構成単位のチオエステル結合を、加水分解又は加アルコール分解して、それぞれビニルアルコール単位及び一般式(22)で示される構成単位に変換する方法が簡便であり好ましく用いられる。
一般式(23)で示される重合体の上記の好ましい製造方法において、ビニルエステルとチオエステル系単量体(24)との共重合は、ビニルエステルを単独重合する際の公知の方法及び条件を採用して行うことができる。共重合の際、ビニルエステル及びチオエステル系単量体(24)と共重合可能な単量体をさらに共重合させてもよい。当該共重合可能な単量体は、単量体M’について記載した前記エチレン性不飽和単量体と同様である。
得られた共重合体のビニルエステル単位のエステル結合、及び、チオエステル系単量体(24)由来の構成単位のチオエステル結合は、ほぼ同じ条件で加水分解又は加アルコール分解することができる。したがって、得られた共重合体のビニルエステル単位のエステル結合及びチオエステル系単量体(24)由来の構成単位のチオエステル結合の加水分解又は加アルコール分解を、ビニルエステルの単独重合体をけん化する際の公知の方法及び条件を採用して行うことができる。
工程IIは、前記工程Iで得た共重合体(P’)を含有する中間体に所望の形態を付与し、層状成形体を作製する工程である。
層状成形体を作製する際の中間体の形態としては特に限定されないが、多孔質電極層を含む集電体層とイオン交換層とが一体化された電極を得やすい観点から、共重合体(P’)を含有する中間体の溶液を用いて層状成形体を作製することが好ましい。溶媒としては特に限定されず、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシド、メチルエチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等の極性溶媒、又はこれらの混合溶媒が挙げられる。共重合体(P’)の溶解性の観点から、溶媒として水を使用することが好ましい。溶液の濃度は特に限定されないが、上記の溶媒100質量部に対する共重合体(P’)の量が、0.1〜50質量部であることが好ましく、5〜30質量部であることがより好ましい。
共重合体(P’)を含有する中間体の溶液中には、共重合体(P’)及び溶媒の他に、必要に応じて任意の添加剤を添加してよく、添加順序も任意に選択することができる。添加剤としては、公知の添加剤等の中から適宜選択することができ、例えば、金属微粒子、無機微粒子、無機塩、紫外線吸収剤、酸化防止剤、劣化防止剤、分散剤、界面活性剤、重合禁止剤、増粘剤、導電補助剤、表面改質剤、防腐剤、防カビ剤、抗菌剤、消泡剤、可塑剤等が挙げられる。これらの1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
共重合体(P’)を含有する中間体の溶液中には、共重合体(P’)及び溶媒の他に、共重合体成形物の強度向上を目的として、適宜ポリビニルアルコールを添加してもよい。該ポリビニルアルコールの粘度平均重合度は特に限定されず、JIS K6726に準拠して測定して、好ましくは500〜8,000であり、より好ましくは1000〜7,000である。
中間体の溶液のpHは、続く工程IIIにおけるビニレン系重合体成分の導入を容易にする観点から、3.0未満であることが好ましく、2.0未満であることがより好ましい。中間体の溶液のpHの調整方法は特に限定されず、例えば、該pHを、硫酸、塩酸、酢酸、塩化アンモニウム等の酸性化合物や水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、酢酸ナトリウム等の塩基性化合物を中間体の溶液中に添加して調整してもよいし、アニオン交換樹脂やカチオン交換樹脂等のイオン交換樹脂を用いて調整してもよいし、電気透析法により調整してもよい。
前記中間体に所望の形態を付与しポリビニルアルコール系の層状成形体を製造する方法としては、特に限定されないが、例えばポリビニルアルコール系重合体を加熱することにより当該重合体を可塑化させて成形する溶融成形法(例えば押出成形法、射出成形法、インフレ成形法、プレス成形法、ブロー成形法)や、溶液を層状にキャストした後に、乾燥により溶媒を除去することにより、層状に成形する溶媒キャスト法などが挙げられる。
溶融成形法を用いる場合、中間体の溶液に必要に応じて任意の熱可塑性樹脂を添加してもよく、その添加する順序も任意に選択することができる。熱可塑性樹脂としては、特に限定されることなく、一般の熱可塑性樹脂を用いることができる。
溶媒キャスト法を用いる場合、エクストルージョン型塗布装置、ロールコータ、コンマコータ、キスコータ、グラビアコータ、スライドビードコータ等を用いて、溶液を塗布することができるが、特にそれらに限定されるものではない。層状成形体は多層構造を有してもよい。また、層状成形体を、多孔性フィルム、メッシュ、不織布、多孔性セラミックス、ゼオライト等の多孔性材料に複合化させてもよい。
上記工程IIにおいて、下記好ましい範囲の厚みを有する層状成形体を形成することが好ましい。
工程IIにおいて、上記記載の製法と併せて、無機材ないし有機材又は有機無機ハイブリッド材からなる補強材料を添加することにより、層状成形体を補強することもできる。補強材料は繊維状物でもよいし、粒子状物質でもよいし、薄片状物質でもよい。また、多孔膜、メッシュ及び不織布などの連続した支持体でもよい。補強材料を添加することにより、最終的に得られるイオン交換層の力学強度及び寸法安定性をさらに向上させることができる。特に繊維状物又は上述の連続した支持体を補強材料に用いることが、最終的に得られるイオン交換層の力学強度及び寸法安定性を向上しやすいため、好ましい。また、補強しない層と上記補強層した層とを任意の方法で多層状に積層したものも好ましい。
補強材料を層状成形体に加工する際に、補強材料を共重合体(P’)を含有する中間体の溶液に添加、混合して使用してもよいし、補強材料に共重合体(P’)を含有する中間体の溶液を含浸させてもよい。
補強材料として用いる材料としては、補強効果のあるものであれば特に限定されず、例えばガラス繊維、炭素繊維、セルロース繊維、カオリンクレー、カオリナイト、ハロイサイト、パイロフィライト、タルク、モンモリロナイト、セリサイト、マイカ、アメサイト、ベントナイト、アスベスト、ゼオライト、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ藻土、ケイ砂、鉄フェライト、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブ、及びカーボンナノホーン等の無機材や、例えばポリビニルアルコール、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリチオエーテルスルホン、ポリチオエーテルエーテルスルホン、ポリチオエーテルケトン、ポリチオエーテルエーテルケトン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾオキサジノン、ポリキシリレン、ポリフェニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセン、ポリシアノゲン、ポリナフチリジン、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン樹脂、ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリエステル、ポリアリレート、液晶ポリエステル、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ビニロン繊維、メタクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、セルロース、ポリケトン、ポリアセタール、ポリプロピレン及びポリエチレン等の有機材や、例えば、POSS(Polyhedral Oligomeric Silsesquioxanes)やシリコーンゴム等のシルセスキオキサン構造やシロキサン構造を有した有機ケイ素高分子化合物等の有機無機ハイブリッド材が挙げられる。
工程IIIは、前記工程IIで得たビニルアルコール系重合体成分(A’)及びイオン性基を有する重合体成分(C)を構成成分とする共重合体(P’)を含有する層状成形体に脱水ポリエン化反応を施し、ビニルアルコール系重合体成分(A)、ビニレン系重合体成分(B)及びイオン性基を有する重合体成分(C)を構成成分とする共重合体(P)を含有するイオン交換層を作製する工程である。
脱水ポリエン化反応を行う方法としては、層状成形体を熱処理することが挙げられる。熱処理の方法は、層状成形体の種類や形態によって適宜選択してよく、一般に公知の方法を用いることができる。熱処理を、例えば熱風乾燥機、ホットプレス、ホットプレート、赤外線ヒーター、ローラーヒーター等を用いて行うことができる。大面積の熱処理を行う場合、面状加熱手段が好ましく、ホットプレス、ホットプレート、赤外線ヒーター、ローラーヒーター等がより好ましい。熱処理の条件としては特に限定されず、大気下、窒素などの不活性ガス雰囲気下又は減圧下で、好ましくは100〜250℃、より好ましくは140〜200℃の加熱処理温度で、好ましくは5秒〜4時間、より好ましくは1分〜2時間の加熱時間で熱処理を行ってよい。熱処理を、複数回に分けて行ってもよい。
本発明におけるイオン交換層に、必要に応じて架橋処理を施してもよい。架橋処理を施すことにより架橋結合を導入することが、電気透析性能をさらに向上させやすく、イオン交換層の機械的強度をより高めやすいため好ましい。架橋処理の方法は、重合体の分子鎖同士を化学結合によって結合できる方法であればよく、特に限定されない。通常、架橋処理剤を含む溶液にイオン交換層を浸漬する方法などが用いられる。該架橋処理剤としては、例えばホルムアルデヒド、或いはグリオキザールやグルタルアルデヒドなどのジアルデヒド化合物が挙げられる。
架橋処理を施す方法としては、上記架橋剤を予め混合した中間体の溶液を用いて工程IIにおいて層状成形体を製造し、工程IIIにおいてポリエン化と同時に架橋処理を行う方法、及び、工程IIIにおいて熱処理によるポリエン化を行った後に、得られたイオン交換層を、酸性条件下で、水、アルコール又はそれらの混合溶媒にジアルデヒド化合物を溶解させた溶液に浸漬させることにより、架橋処理を行う方法が挙げられる。工程通過性を考慮すると、後者の方法で架橋処理を行うことが好ましい。後者の方法で架橋処理を行う場合、通常、溶液に対する架橋処理剤の体積濃度が0.001〜10体積%である溶液が用いられる。
好ましくは、上記工程II及びIIIを、多孔質電極層表面において行ってよいし、または多孔質電極層の形成と同時に行ってもよい。これにより、多孔質電極層を含む集電体層とイオン交換層とが一体化された電極を得ることができる。
〔多孔質電極層〕
多孔質電極層に含有される炭素材料としては、活性炭、カーボンブラックなどが用いられ、特に、活性炭が好んで用いられる。活性炭の形状は、任意の形状を選択でき、粉末状、粒状、繊維状等が挙げられる。活性炭の中でもイオンの吸着量が多い点からは、高比表面積活性炭が好んで用いられる。前記高比表面積活性炭のBET比表面積は、700m/g以上が好ましく、1000m/g以上がより好ましく、1500m/g以上がさらに好ましい。
多孔質電極層中の炭素材料の含有量は、70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。炭素材料の含有量が70質量%未満の場合には、イオンの吸着量が不十分になるおそれがある。
本発明の効果を阻害しない範囲であれば、多孔質電極層は、各種添加剤を含有してもよい。このような添加剤としては、バインダー、導電剤、分散剤、増粘剤などが挙げられる。多孔質電極層中の前記添加剤の含有量は、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
多孔質電極層の電気伝導性は、電極の用途により、適宜調整すればよく、前記炭素材料として、電気伝導性を有する炭素材料を用いることや、導電剤を含有させること等により調整できる。
多孔質電極層は、炭素材料を含有するスラリーを、集電体層の表面に塗布した後、塗膜を乾燥することにより形成することができる。前記スラリーにおける分散媒は、炭素材料等の多孔質電極層の原料を分散させることができるものであれば特に限定されず、水、有機溶媒又はそれらの混合物などが挙げられる。分散質の組成は、形成される多孔質電極層の組成に合わせて適宜調整すればよい。前記スラリー中の分散質の含有量は特に限定されないが、通常、10〜60質量%である。
〔集電体層〕
本発明の電極に用いられる集電体層は、電気伝導性及び耐腐食性が高いものであれば特に限定されず、黒鉛シートや、チタン、金、白金又はこれらの複合材料等の金属箔等が挙げられる。なかでも、耐腐食性と導電性のバランスに優れる点から黒鉛シートが好ましい。集電体層の厚みは特に限定されないが、5〜5000μmが好ましく、10〜3000μmがより好ましい。
〔電極、コンデンサ〕
本発明の電極において、集電体層、多孔質電極層及びイオン交換層がこの順番に配置される。ここで、多孔質電極層とイオン交換層とが、集電体層の片側にのみ配置されていてもよいし、両側にそれぞれ配置されていてもよい。多孔質電極層とイオン交換層とが、集電体層の両側にそれぞれ配置された電極において、両側のイオン交換層は同符号の固定電荷を有するものであってもよいし、異符号の固定電荷を有するものであってもよいが、前者が好ましい。
集電体層と多孔質電極層との間で電荷の授受が効率良く行われ、多孔質電極層と電極外部との間のイオンの移動が概ねイオン交換層を介して行われ、かつ多孔質電極層が、所定量のイオンを吸着できる表面積を有していれば、各層の大きさは特に限定されず、電極の用途によって適宜調整すればよい。また、本発明の電極は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、集電体層、多孔質電極層及びイオン交換層以外の層を有していても構わない。
本発明の電極は、集電体層の表面に直接多孔質電極層が形成され、多孔質電極層の表面に直接イオン交換層が形成されたものであることが好ましい。共重合体(P)は多孔質電極層に対して高い親和性を有するため、イオン交換層と多孔質電極層とは、高い密着性を有する。したがって、イオン交換層と多孔質電極層との間の界面抵抗が低下するうえに、イオン交換層が剥離しにくい。
脱塩効率に優れる観点からは、本発明の電極において、表面にイオン交換層が配置されていることが好ましい。
本発明の電極の製造方法は特に限定されないが、集電体層の表面に、炭素材料を含有するスラリーと共重合体(P’)を含有する溶液とを塗布した後、塗膜を乾燥及び熱処理することにより、多孔質電極層と、共重合体(P)を含有するイオン交換層とを形成する方法が好ましい。このような方法により、集電体層、多孔質電極層及びイオン交換層が一体化された電極が得られる。前記製造方法では、塗布された前記スラリーと前記溶液とを同時に乾燥させるため、形成されるイオン交換層の欠陥が少ないうえに、多孔質電極層とイオン交換層との接着性がさらに向上する。
前記製造方法における前記スラリーと前記溶液とを塗布する順番に関しては、集電体層の表面に、炭素材料を含有するスラリーと共重合体(P’)を含有する溶液とを同時に塗布するか、集電体層の表面に、炭素材料を含有するスラリーを塗布した後に、該スラリーの表面に共重合体(P’)を含有する溶液を塗布するのが好ましく、得られるイオン交換層中の欠陥がより低減する観点から、後者がより好ましい。なお、炭素材料を含有するスラリーを塗布した後に塗膜を乾燥させ、その後、共重合体(P’)を含有する溶液を塗布し、塗膜を乾燥及び熱処理してもよい。
前記スラリーと前記溶液を同時塗布する場合に用いられる塗布装置は特に限定されず、公知の塗布装置を用いることができる。例えば、カーテン型塗布装置、エクストルージョン型塗布装置、スライド型塗布装置が挙げられる。前記スラリーと前記溶液を同時塗布する場合、一度の塗布操作によって前記スラリーと前記溶液が塗布されればよく、前記スラリーと前記溶液が予め合わさった後に、集電体層の表面に塗布されてもよい。また、前記スラリーが集電体層の表面に塗布された直後に、塗布されたスラリーの表面に前記溶液が塗布されてもよいが、前記スラリーと前記溶液を逐次塗布することが好ましい。前記スラリーを塗布した後に、前記溶液を塗布する場合に用いられる塗布装置は特に限定されず、公知の塗布装置を用いることができる。例えば、エクストルージョン型塗布装置、ロールコータ、コンマコータ、キスコータ、グラビアコータ、スライドビードコータが挙げられる。
通液型コンデンサ用の電極として用いた場合に必要なイオンの吸着量、塗膜強度、その他の性能や、ハンドリング性等を確保する観点から、本発明の電極における、炭素素材を含有する多孔質電極層の厚みは、50〜1000μmであることが好ましい。多孔質電極層の厚みが50μm以上であると、イオンの吸着容量に優れるため望ましい。多孔質電極層の厚みが1000μm以下であると、多孔質電極層の靱性が高く、ひび割れ等の欠陥が発生しにくいため望ましい。多孔質電極層の厚みは、より好ましくは100〜800μmであり、さらに好ましくは150〜500μmである。なお、多孔質電極層の厚みは、乾燥した多孔質電極層の厚みである。
通液型コンデンサ用の電極として用いた場合に必要な、イオン透過性、その他の性能や、表面被覆性等を確保する観点から、本発明の電極のイオン交換層の厚みは、1〜100μmであることが好ましい。厚みが1μm以上であると、イオン交換層による多孔質電極層表面の被覆が十分である。厚みが100μm以下であると、イオン透過抵抗に優れる。イオン交換層の厚みはより好ましくは3〜80μmであり、更に好ましくは5〜50μmである。なお、イオン交換層の厚みは、乾燥したイオン交換層の厚みである。なお、厚みは、マイクロメーターによって測定することができる。
上述のように本発明の電極は、イオンの吸着と脱着とを、長期間にわたって、効率良くかつ安定に行うことができる。したがって、当該電極は、通液型コンデンサ用の電極等として好適に用いられる。
本発明の通液型コンデンサは、電極間に流路部が配置されており、一方の電極はカチオン交換層を有し、他方の電極はアニオン交換層を有し、該カチオン交換層と該アニオン交換層とが該流路部を介して対向するように配置される。ここで、少なくとも一方の電極は本発明の電極であり、両方の電極が本発明の電極であってよい。
以下、本発明の電極の好適な実施態様である、当該電極を用いた通液型コンデンサを例にとって、当該電極によるイオンの吸着及び脱着について説明する。図1は、電極2及び電極3を用いた通液型コンデンサ1がイオンを吸着する様子の一例を示す模式図である。本発明において、電極2及び3のうち少なくとも一方の電極が本発明の電極である。以下は、電極2及び3の両方が本発明の電極である実施態様である。
電極2は、イオン交換層として、前記イオン性基がカチオン性基である共重合体(P)を含有するアニオン交換層4を有し、集電体層6、多孔質電極層5及びアニオン交換層4がこの順に配置されてなる。電極3は、イオン交換層として、前記イオン性基がアニオン性基である共重合体(P)を含有するカチオン交換層7を有し、集電体層9、多孔質電極層8及びカチオン交換層7がこの順に配置されてなる。通液型コンデンサ1は、電極2及び電極3の間に流路部10が配置され、アニオン交換層4とカチオン交換層7とが流路部10を介して対向するように配置されてなる。
通液型コンデンサ1において、流路部10は、アニオン交換層4とカチオン交換層7の間にセパレータ層を配置する方法などにより形成できる。流路部10の形成に用いられるセパレータ層の材料は、電気絶縁性であり、なおかつ液体の通過が容易であるものであれば特に限定されず、紙、織布、不織布などの繊維シート、樹脂発泡シート、樹脂ネットなどが挙げられる。流路部10の厚みによって設定される電極間距離は、通常、50〜1000μmである。
通液型コンデンサ1において、アニオン交換層4とカチオン交換層7とが流路部10を介して対向しているため、多孔質電極層5と流路部10の間のアニオン11の移動は、概ねアニオン交換層4を介して行われ、多孔質電極層8と流路部10の間のカチオン12の移動は、概ねカチオン交換層7を介して行われる。
流路部10内に供給された液体中のイオンの吸着を行う場合には、各電極中のイオン交換層の固定電荷と多孔質電極層に与えられる電荷とが同符号となるように、電極2及び電極3の間に電圧を印加する。すなわち、多孔質電極層5には正電荷を、多孔質電極層8には負電荷をそれぞれ与える。流路部10内のアニオン11は、アニオン交換層4を透過して、電極2内に移動し、正電荷を有する多孔質電極層5に吸着される。一方、流路部10内のカチオン12は、カチオン交換層7を透過して、電極3内に移動し、負電荷を有する多孔質電極層8に吸着される。
イオンの吸着を行う際に、電極2の多孔質電極層5内にカチオン13が存在していたとしても、当該カチオン13は、アニオン交換層4を透過することが困難であるため、流路部10に漏れ出すことがほとんどない。また、電極3の多孔質電極層8内にアニオン14が存在していたとしても、当該アニオン14は、カチオン交換層7を透過することが困難であるため、流路部10に漏れ出すことがほとんどない。したがって、電極2及び電極3の内部のイオンが流路部10内に漏れ出すことにより、電流効率が低下することがほとんどない。
図2は、本発明の電極2及び電極3を用いた通液型コンデンサ1がイオンを脱着する様子の一例を示す模式図である。多孔質電極層5及び多孔質電極層8に吸着されたイオンの脱着は、吸着の場合とは反対符号の電荷を多孔質電極層5及び多孔質電極層8に与えることにより行うことができる。このとき、多孔質電極層5が脱着したアニオン11は、アニオン交換層4を透過して流路部10に移動するが、カチオン交換層7が配置された電極3に移動して多孔質電極層8に再吸着されることはほとんどない。また、多孔質電極層8が脱着したカチオン12は、カチオン交換層7を透過して流路部10に移動するが、アニオン交換層4が配置された電極2内に移動して多孔質電極層5に再吸着されることはほとんどない。したがって、次回、イオンの吸着を行う際にも、再吸着されたイオンによる吸着効率の低下がほとんど生じない。
本発明の通液型コンデンサ1は、アニオン交換層4を有する電極2とカチオン交換層7を有する電極3の間に流路部10が配置されてなるコンデンサユニットを複数有していてもよい。すなわち、本発明の通液型コンデンサは、複数の前記コンデンサユニットが積層されたものであってもよい。前記コンデンサユニットを積層させる場合、イオン交換層の固定電荷が同符号である電極の集電体層同士を対向させて積層することが好ましい。また、複数の前記コンデンサユニットが積層されてなる通液型コンデンサは、上述した、多孔質電極層とイオン交換層が集電体層の両側にそれぞれ配置されてなる電極を流路部を介して積層することによっても製造できる。
上述のように、本発明の電極は、イオンの吸着と脱着とを、長期間にわたって、効率良くかつ安定に行うことができる。したがって、前記電極を用いた通液型コンデンサによれば、長期間にわたって、効率良くかつ安定に、脱塩やイオン性物質と非イオン性物質の分離などを行うことができる。
図3は、本発明の通液型コンデンサ1を有する脱塩装置15の一例の模式図であり、図4は、脱塩装置15中の通液型コンデンサ1の分解斜視図である。脱塩装置15は、通液型コンデンサ1、それを収容する容器16及び直流電源17を有し、前記直流電源17が、正極と負極を交換可能に、電極2及び電極3にそれぞれ接続され、前記容器16が、通液型コンデンサ1による脱塩に供されるイオン性物質を含有する液体の供給口18と、脱塩された液体の排出口19とを有するものである。
脱塩装置15中の通液型コンデンサ1は、アニオン交換層4を有する電極2とカチオン交換層7を有する電極3の間に流路部10が配置されてなるコンデンサユニット20が積層されてなる。このとき、電極2の集電体層5同士が対向し、電極3の集電体層8同士が対向するように積層することが好ましい。
通液型コンデンサ1において、供給口18側の末端の電極以外の電極及び流路部10の中央付近には、貫通孔21が形成され、最も排出口19側の貫通孔21が排出口19に接続されている。供給口18から容器16内に供給された液体は、流路部10の周縁から流路部10内に導入され、流路部10内において脱塩された後、貫通孔21を通過して、排出口19から排出される。図3及び4中の矢印は、液体の流れ方向を示す。図3に示す脱塩装置15においては、供給された液体は、流路部10を一度通過した後に排出されるが、複数の流路部10を通過した後に排出されるように、脱塩装置15を形成することもできる。
各電極と直流電源17との接続は、集電体層の一部にリードを設置することなどにより行うことができる。直流電源17の接続方向は、正極と負極とが交換可能である必要がある。図3に示す脱塩装置15においては、直流電源17の正極を電極2に接続し、負極を電極3に接続した場合を示している。
脱塩装置15を用いた脱塩方法について説明する。脱塩装置15を用いて脱塩を行う場合、アニオン交換層4を有する電極2を正極、カチオン交換層7を有する電極3を負極として、直流電源17により各電極に電圧を印加し、電圧が印加された電極2及び電極3間の流路部10にイオン性物質を含有する液体を供給して、該液体中のイオンを多孔質電極層5及び多孔質電極層8に吸着させた後、該液体を排出して回収する第1工程と、流路部10に液体を供給し、アニオン交換層4を有する電極2を負極、カチオン交換層7を有する電極3を正極として、直流電源17により電極2及び電極3に電圧を印加することにより、第1工程で多孔質電極層5及び多孔質電極層8に吸着されたイオンを脱着させ、脱着されたイオンを含む液体を排出する第2工程を有する方法により行うことが好ましい。
第1工程においては、イオン性物質を含有する液体の脱塩と、脱塩された液体の回収を行う。電極2を直流電源17の正極に接続し、電極3を直流電源17の負極に接続する。脱塩に供されるイオン性物質を含有する液体は、供給口18に供給する。供給した後、当該液体は、流路部10に導入され、電圧が印加された電極2及び電極3中の多孔質電極層5及び多孔質電極層8に当該液体中のイオン性物質に由来するイオンが吸着される。このときの吸着時間は、目標とするイオン性物質の濃度などにより適宜調整する。電極2及び電極3間に印加する電圧は、特に限定されないが、0.5〜3Vが好ましい。脱塩された液体は、排出口19から回収する。
第2工程においては、第1工程において多孔質電極層5及び多孔質電極層8に吸着されたイオンの脱着を行うことにより、電極2及び電極3の洗浄を行う。流路部10に洗浄液を供給し、直流電源17の負極に電極2を接続し、正極に電極3を接続することにより、吸着されたイオンの脱着を行う。電極2及び電極3間に印加する電圧及び脱着時間は特に限定されない。電極2及び電極3間に印加する電圧は、通常、0.5〜3Vである。脱着されたイオンは、流路部10の液体中に移動する。脱着されたイオンを含む洗浄液は排出口19から排出される。こうして電極2及び電極3が洗浄された脱塩装置15は、再び、脱塩(第1工程)に用いられる。長期間に渡り脱塩を行うこと等により、電極が汚れた場合には、アルカリ性の洗浄液などを用いて、電極の洗浄を行っても構わない。本発明の電極中のイオン交換層は、アルカリ耐性に優れるため、このような洗浄を行っても電極への悪影響がほとんどない。このような脱塩装置15を用いた脱塩方法によれば、脱塩された液体を容易に回収できる。
以下、本発明を更に詳細に説明するため実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)イオン交換層のポリエン化率の測定
集電体層の表面に、炭素材料を含有するスラリーを塗布し、熱風乾燥機を用いて80℃で30分乾燥させた重量を[基材重量]、熱風乾燥機を用いて80℃で30分乾燥させた後の重量を[ポリエン化前重量]とし、その後高温熱処理機を用いて熱処理を行った後の重量を[ポリエン化後重量]とし、上記の重量減少([ポリエン化前重量]−[ポリエン化後重量])全てが、共重合体中([ポリエン化前重量]−[基材重量])に含まれるビニルアルコール系重合体成分(44.05g/mol)が、熱処理により脱水されてビニレン系重合体成分(26.04g/mol)に変換されたことによる重量減少によるものとして、その変換率をポリエン化率と規定した。
作製した電極の特性は、以下の方法により測定した。
(2)電極抵抗の測定
図5は、実施例における、電極抵抗の測定方法を示す模式図である。図5に示すように、直径20mm、高さ10mmの円柱状のチタン電極22間に直径12mmの円形にカットした電極23、直径16mmの円形にカットしたセパレータ24(日本特殊織物株式会社製「LS60」、厚み90μm)、直径12mmの円形にカットした電極23の順に配置した。このとき2枚の電極は何れも集電体層がチタン電極22側に、イオン交換層がセパレータ24側に向くように配置した。上下の円柱状のチタン電極22を1〜2kg/cmの圧力にて押えつけた状態でBioLogic社製ポテンショスタット/ガルバノスタットVSPを用いて周波数8mHz〜1MHzの範囲で交流インピーダンスを測定し、周波数1Hzにおける実部抵抗をインピーダンス抵抗とし、当該インピーダンス抵抗を電極抵抗とした。
(3)イオン交換層と多孔質電極層との間の界面接着性試験
電極の表面に付着している水をろ紙でふき取った後、イオン交換層の表面に、ニチバン株式会社製セロハンテープ(No.405、24mm幅)を貼り、指でイオン交換層とテープの間の空気を抜いた。次いで、前記セロハンテープの端部をつまみ、イオン交換層の表面に対して垂直方向に急速に引き上げて剥離した。下述の判定方法にて界面接着性の評価を行った。
A:セロハンテープが貼られていた部分のイオン交換層の剥離が生じなかった。
B:セロハンテープが貼られていた部分のイオン交換層の一部が剥離した。
C:セロハンテープが貼られていた部分のイオン交換層の大部分が剥離した。
(4)耐アルカリ性試験
電極を濃度5%の水酸化ナトリウム水溶液に180時間浸漬(温度25℃)した後、イオン交換水で十分置換した。次いで、上述の方法で、電極抵抗を測定した。
以下の式により、電極抵抗の増加率を算出した。
合成例1:末端メルカプト基含有ポリビニルアルコールの合成
特開昭59−187003号公報に記載された方法(末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコール系重合体及びその方法)によって、末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコール(PVA−1,−2,−3)を合成した。得られたPVA−1のJIS K6726に準拠して測定した粘度平均重合度は1500、けん化度は99.9モル%であった。得られたPVA−2のJIS K6726に準拠して測定した粘度平均重合度は1500、けん化度は97.4モル%であった。得られたPVA−3のJIS K6726に準拠して測定した粘度平均重合度は500、けん化度は99.8モル%であった。
合成例2:チオエステル系単量体変性ポリビニルアセテートの合成(側鎖メルカプト基含有ポリビニルアルコール合成の前段階)
攪拌機、還流冷却管、アルゴン導入管、コモノマー添加口及び重合開始剤の添加口を備えた反応器に、酢酸ビニル450質量部、コモノマーとして前記化学式(a−11)で示されるチオエステル系単量体、0.64質量部、及びメタノール330質量部を仕込み、アルゴンバブリングをしながら30分間系内をアルゴン置換した。これとは別に、コモノマーの逐次添加溶液(以降ディレー溶液と表記する)としてチオエステル系単量体(a−11)のメタノール溶液(濃度4質量%)を調製し、30分間アルゴンをバブリングした。反応器の昇温を開始し、内温が60℃となったところで、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部を添加し重合を開始した。重合反応の進行中は、調製したディレー溶液を系内に滴下することで、重合溶液におけるモノマー組成(酢酸ビニルとチオエステル系単量体(a−11)のモル比率)が一定となるようにした。60℃で210分間重合した後、冷却して重合を停止した。重合停止時の重合率は40%であった。次に、30℃の減圧下でメタノールを追加しながら未反応の酢酸ビニルモノマーを留去し、チオエステル系単量体(a−11)が導入された変性ポリビニルアセテートのメタノール溶液を得た。
合成例3:側鎖メルカプト基含有ポリビニルアルコールの合成
合成例2で得られたチオエステル系単量体(a−11)が導入されたポリ酢酸ビニルのメタノール溶液にメタノールを加え、さらに水酸化ナトリウムメタノール溶液(濃度12.8%)を添加して、40℃でけん化を行った(けん化溶液のチオエステル系単量体(a−11)が導入されたポリ酢酸ビニル濃度30%、チオエステル系単量体(a−11)が導入されたポリ酢酸ビニル中の酢酸ビニルユニットに対する水酸化ナトリウムのモル比0.040)。水酸化ナトリウムメタノール溶液を添加後約8分でゲル化物が生成したので、これを粉砕機にて粉砕し、さらに40℃で52分間放置してけん化を進行させた。これに酢酸メチルを加えて残存するアルカリを中和した後、メタノールでよく洗浄し、真空乾燥機中40℃で12時間乾燥することにより、側鎖メルカプト基含有PVA(PVA−4)を得た。また、H−NMR測定により得られた化学シフト値を以下に示す。H−NMR測定により求めた式(I):
Figure 2016160471
で表される構成単位の含有量(変性量)は1.0モル%であった。また、JIS K6726に準拠して測定した粘度平均重合度は1000、けん化度は97.9モル%であった。
H−NMR(270MHz,DO(DSS含有),60℃) δ(ppm):1.3−1.9(−CHCH(OH)−)、2.0−2.2(−CHCH(OCOCH)−)、2.5−2.6(CONHCHCHSH)、3.5−4.2(−CHCH(OH)−,−CH(COOH)CH−,CONHCHCHSH)
合成例4:水溶液P−1(ブロック共重合体PVA−b−AMPSの水溶液)
還流冷却管、攪拌翼を備え付けた500mLの四つ口セパラブルフラスコに、水115g、末端メルカプト基含有ポリビニルアルコール(PVA−1)を25.0gと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS,純度97%:和光純薬工業製)を6.2g仕込み、攪拌下90℃まで加熱して窒素をバブリングしつつ溶解した。窒素置換後、上記水溶液に2,2'-アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−2−プロピオンアミド]の2.0%水溶液5.6mLを1.5時間かけて逐次的に添加して重合を開始させ、進行させた後、系内温度を90℃に4時間維持して重合をさらに進行させ、ついで冷却して、ポリビニルアルコールと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のブロック共重合体PVA−b−AMPSの水溶液P−1を作製した。該水溶液のpHは0.9であった。水溶液P−1の一部を乾燥した後、重水に溶解し、500MHzでのH−NMR測定に付した結果、AMPS単位の変性量は5モル%であった。
合成例5:水溶液P−2(ブロック共重合体PVA−b−AMPSの水溶液)
還流冷却管、攪拌翼を備え付けた500mLの四つ口セパラブルフラスコに、水136g、末端メルカプト基含有ポリビニルアルコール(PVA−1)を25.0gと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS,純度97%:和光純薬工業製)を13.1g仕込み、攪拌下90℃まで加熱して窒素をバブリングしつつ溶解した。窒素置換後、上記水溶液に2,2'-アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−2−プロピオンアミド]の2.0%水溶液11.9mLを1.5時間かけて逐次的に添加して重合を開始させ、進行させた後、系内温度を90℃に4時間維持して重合をさらに進行させ、ついで冷却して、ポリビニルアルコールと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のブロック共重合体PVA−b−AMPSの水溶液P−2を作製した。該水溶液のpHは0.9であった。水溶液P−2の一部を乾燥した後、重水に溶解し、500MHzでのH−NMR測定に付した結果、AMPS単位の変性量は10モル%であった。
合成例6:水溶液P−3(ブロック共重合体PVA−b−AMPSの水溶液)
還流冷却管、攪拌翼を備え付けた500mLの四つ口セパラブルフラスコに、水154g、末端メルカプト基含有ポリビニルアルコール(PVA−1)を25.0gと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS,純度97%:和光純薬工業製)を19.2g仕込み、攪拌下90℃まで加熱して窒素をバブリングしつつ溶解した。窒素置換後、上記水溶液に2,2'-アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−2−プロピオンアミド]の2.0%水溶液17.4mLを1.5時間かけて逐次的に添加して重合を開始させ、進行させた後、系内温度を90℃に4時間維持して重合をさらに進行させ、ついで冷却して、ポリビニルアルコールと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のブロック共重合体PVA−b−AMPSの水溶液P−3を作製した。該水溶液のpHは0.9であった。水溶液P−3の一部を乾燥した後、重水に溶解し、500MHzでのH−NMR測定に付した結果、AMPS単位の変性量は14モル%であった。
合成例7:水溶液P−4(ブロック共重合体PVA−b−AMPSの水溶液)
還流冷却管、攪拌翼を備え付けた500mLの四つ口セパラブルフラスコに、水185g、末端メルカプト基含有ポリビニルアルコール(PVA−1)を25.0gと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS,純度97%:和光純薬工業製)を29.4g仕込み、攪拌下90℃まで加熱して窒素をバブリングしつつ溶解した。窒素置換後、上記水溶液に2,2'-アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−2−プロピオンアミド]の2.0%水溶液26.8mLを1.5時間かけて逐次的に添加して重合を開始させ、進行させた後、系内温度を90℃に4時間維持して重合をさらに進行させ、ついで冷却して、ポリビニルアルコールと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のブロック共重合体PVA−b−AMPSの水溶液P−4を作製した。該水溶液のpHは0.8であった。水溶液P−4の一部を乾燥した後、重水に溶解し、500MHzでのH−NMR測定に付した結果、AMPS単位の変性量は20モル%であった。
合成例8:水溶液P−5(ブロック共重合体PVA−b−AMPSの水溶液)
還流冷却管、攪拌翼を備え付けた500mLの四つ口セパラブルフラスコに、水247g、末端メルカプト基含有ポリビニルアルコール(PVA−1)を25.0gと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS,純度97%:和光純薬工業製)を50.5g仕込み、攪拌下90℃まで加熱して窒素をバブリングしつつ溶解した。窒素置換後、上記水溶液に2,2'-アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−2−プロピオンアミド]の2.0%水溶液45.9mLを1.5時間かけて逐次的に添加して重合を開始させ、進行させた後、系内温度を90℃に4時間維持して重合をさらに進行させ、ついで冷却して、ポリビニルアルコールと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のブロック共重合体PVA−b−AMPSの水溶液P−5を作製した。該水溶液のpHは0.8であった。水溶液P−5の一部を乾燥した後、重水に溶解し、500MHzでのH−NMR測定に付した結果、AMPS単位の変性量は30モル%であった。
合成例9:水溶液P−6(ブロック共重合体PVA−b−AMPSの水溶液)
合成例3の末端メルカプト基含有ポリビニルアルコール(PVA−1)の代りに末端メルカプト基含有ポリビニルアルコール(PVA−2)を用いた以外は同様の操作を行い、ブロック共重合体PVA−b−AMPSの水溶液P−6を作製した。該水溶液のpHは0.9であった。水溶液P−6の一部を乾燥した後、重水に溶解し、500MHzでのH−NMR測定に付した結果、AMPS単位の変性量は14モル%であった。
合成例10:水溶液P−7(ブロック共重合体PVA−b−AMPSの水溶液)
合成例3の末端メルカプト基含有ポリビニルアルコール(PVA−1)の代りに末端メルカプト基含有ポリビニルアルコール(PVA−3)を用いた以外は同様の操作を行い、ブロック共重合体PVA−b−AMPSの水溶液P−7を作製した。該水溶液のpHは0.9であった。水溶液P−7の一部を乾燥した後、重水に溶解し、500MHzでのH−NMR測定に付した結果、AMPS単位の変性量は14モル%であった。
合成例11:水溶液P−8(グラフト共重合体PVA−g−AMPSの水溶液)
合成例1の末端メルカプト基含有ポリビニルアルコール(PVA−1)の代りに側鎖メルカプト基含有ポリビニルアルコール(PVA−4)を用いた以外は同様の操作を行い、グラフト共重合体PVA−g−AMPSの水溶液P−8を作製した。該水溶液のpHは0.9であった。水溶液P−8の一部を乾燥した後、重水に溶解し、500MHzでのH−NMR測定に付した結果、AMPS単位の変性量は14モル%であった。
合成例12:水溶液P−9(ブロック共重合体PVA−b−VSAの水溶液)
還流冷却管、攪拌翼を備え付けた500mLの四つ口セパラブルフラスコに、水117g、末端メルカプト基含有ポリビニルアルコール(PVA−1)を25.0gとビニルスルホン酸(VSA,純度95%:旭化成ファインケム製)を7.0g仕込み、攪拌下90℃まで加熱して窒素をバブリングしつつ溶解した。窒素置換後、上記水溶液に2,2'-アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−2−プロピオンアミド]の2.0%水溶液6.2mLを1.5時間かけて逐次的に添加して重合を開始させ、進行させた後、系内温度を90℃に24時間維持して重合をさらに進行させ、ついで冷却して、ポリビニルアルコールとビニルスルホン酸のブロック共重合体PVA−b−VSAの水溶液P−9を作製した。該水溶液のpHは0.9であった。水溶液P−9の一部を乾燥した後、重水に溶解し、500MHzでのH−NMR測定に付した結果、VSA単位の変性量は10モル%であった。
合成例13:水溶液P−10(ブロック共重合体PVA−b−PSSの水溶液)
還流冷却管、攪拌翼を備え付けた300mLの四つ口セパラブルフラスコに、水136g、末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコールとしてPVA−1を25.0gとパラスチレンスルホン酸ナトリウム(純度90%:東ソー有機化学製)を14.0g仕込み、攪拌下90℃まで加熱して窒素をバブリングしつつ溶解した。窒素置換後、上記水溶液に2,2'-アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−2−プロピオンアミド]の2.0%水溶液11.8mLを1.5時間かけて逐次的に添加して重合を開始させ、進行させた後、系内温度を90℃に4時間維持して重合をさらに進行させ、ついで冷却して、ポリビニルアルコールとパラスチレンスルホン酸ナトリウムのブロック共重合体PVA−b−PSSの水溶液P−10を作製した。該水溶液のpHは7.0であった。水溶液P−10の一部を乾燥した後、重水に溶解し、500MHzでのH−NMR測定に付した結果、PSS単位の変性量は10モル%であった。
合成例14:水溶液P−11(ブロック共重合体PVA−b−MAPTACの水溶液)
還流冷却管、攪拌翼を備え付けた300mLの四つ口セパラブルフラスコに、水138g、末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコールとしてPVA−1を25.0gと(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC,純度96%:東京化成製)を14.1g仕込み、攪拌下90℃まで加熱して窒素をバブリングしつつ溶解した。窒素置換後、上記水溶液に2,2'-アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−2−プロピオンアミド]の2.0%水溶液12.7mLを1.5時間かけて逐次的に添加して重合を開始させ、進行させた後、系内温度を90℃に4時間維持して重合をさらに進行させ、ついで冷却して、ポリビニルアルコールと(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリドのブロック共重合体PVA−b−MAPTACの水溶液P−11を作製した。該水溶液のpHは9.3であった。水溶液P−11の一部を乾燥した後、重水に溶解し、500MHzでのH−NMR測定に付した結果、MAPTAC単位の変性量は10モル%であった。
合成例15:水溶液P−12(ブロック共重合体PVA−b−DAPMAの水溶液)
還流冷却管、攪拌翼を備え付けた300mLの四つ口セパラブルフラスコに、水138g、末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコールとしてPVA−1を25.0gとN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド(DAPMA,純度97%:和光純薬工業製)を10.7g仕込み、攪拌下90℃まで加熱して窒素をバブリングしつつ溶解した。窒素置換後、上記水溶液に2,2'-アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−2−プロピオンアミド]の2.0%水溶液9.8mLを1.5時間かけて逐次的に添加して重合を開始させ、進行させた後、系内温度を90℃に4時間維持して重合をさらに進行させ、ついで冷却して、ポリビニルアルコールとN−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドのブロック共重合体PVA−b−DAPMAの水溶液P−12を作製した。該水溶液のpHは10.3であった。水溶液P−12の一部を乾燥した後、重水に溶解し、500MHzでのH−NMR測定に付した結果、DAPMA単位の変性量は10モル%であった。
合成例16:水溶液P−13(ブロック共重合体PVA−b−VBTACの水溶液)
還流冷却管、攪拌翼を備え付けた500mLの四つ口セパラブルフラスコに、水137g、末端メルカプト基含有ポリビニルアルコール(PVA−1)を25.0gとビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド(VBTAC,純度97%:AGCセイミケミカル製)を13.4g仕込み、攪拌下90℃まで加熱して窒素をバブリングしつつ溶解した。窒素置換後、上記水溶液に2,2'-アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−2−プロピオンアミド]の2.0%水溶液12.2mLを1.5時間かけて逐次的に添加して重合を開始させ、進行させた後、系内温度を90℃に24時間維持して重合をさらに進行させ、ついで冷却して、ポリビニルアルコールとビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドのブロック共重合体PVA−b−VBTACの水溶液P−13を作製した。該水溶液のpHは8.0であった。水溶液P−13の一部を乾燥した後、重水に溶解し、500MHzでのH−NMR測定に付した結果、VBTAC単位の変性量は10モル%であった。
合成例17:水溶液P−14(ブロック共重合体PVA−b−VBTACの水溶液)
還流冷却管、攪拌翼を備え付けた500mLの四つ口セパラブルフラスコに、水155g、末端メルカプト基含有ポリビニルアルコール(PVA−1)を25.0gとビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド(VBTAC,純度97%:AGCセイミケミカル製)を19.6g仕込み、攪拌下90℃まで加熱して窒素をバブリングしつつ溶解した。窒素置換後、上記水溶液に2,2'-アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−2−プロピオンアミド]の2.0%水溶液17.8mLを1.5時間かけて逐次的に添加して重合を開始させ、進行させた後、系内温度を90℃に24時間維持して重合をさらに進行させ、ついで冷却して、ポリビニルアルコールとビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドのブロック共重合体PVA−b−VBTACの水溶液P−14を作製した。該水溶液のpHは8.8であった。水溶液P−14の一部を乾燥した後、重水に溶解し、500MHzでのH−NMR測定に付した結果、VBTAC単位の変性量は14モル%であった。
実施例1:電極−1の作製
(炭素材料を含有するスラリーの調整)
活性炭(BET吸着面積:1800m/g)、導電性カーボンブラック、カルボキシメチルセルロース、水を100:5:1.5:140の重量比で混合した後に混練した。得られた塊状混練物100重量部に対して20重量部の水と15重量部の水系SBRエマルジョンバインダー(固形分率40重量%)を添加し、混練することで固形分率36%の活性炭スラリーを得た。得られたスラリーの温度25度での粘度をB型粘度計(株式会社トキメック製)で測定したところ、3000mPa・sであった。
(イオン交換層一体型電極の作製)
黒鉛シート(厚み:250μm、SGLカーボン社製HPグレード)の上に、アプリケーターバー(塗布幅:10cm)を用いて、炭素材料を含有するスラリーを塗布した。その後、熱風乾燥機「DKM400」(YAMATO製)にて温度80℃、30分間乾燥し、黒鉛シート及び炭素材料からなる電極の重量を測定した。次いで、前述乾燥工程を経た電極上に上述で得られたP−1水溶液(濃度12wt%)を、pHを調整せずに、120μmの厚みで塗工した。P−1(カチオン交換層)水溶液を塗工後、熱風乾燥機「DKM400」(YAMATO製)にて温度80℃、30分間乾燥して、黒鉛シートと炭素材料とP−1とを含む層が一体になった電極を得、重量を測定した。その後、高温熱処理機を用いて160℃30分間の条件で熱処理を行い、ポリエン化された重合体成分を含むイオン交換層(カチオン交換層)を含む電極−1を得、重量を測定した。得られた電極のイオン交換層のポリエン化率を測定した。さらに、得られた積層体の断面を走査型電子顕微鏡「S−3000」(日立製作所製)にて観察した結果、炭素材料を含有する多孔質電極層の厚みは250μm、イオン交換層の厚みは7μmであった。なお、結果を表1に示す。
(イオン交換層一体型電極の評価)
このようにして作製した電極−1を、所望の大きさに裁断し、測定試料を作製した。得られた測定試料を用い、上述の方法にしたがって、電極抵抗の測定、界面接着性試験、及び耐アルカリ性試験を行った。得られた結果を表1に示す。
実施例2〜9:電極−2〜電極−9の作製
水溶液P−1に代えて、合成例5〜12で得た水溶液P−2〜P−9を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電極−2〜電極−9を得た。その結果を表1に示す。
実施例10〜14:電極−10〜電極−14の作製
水溶液P−1に代えて、合成例13〜17で得た水溶液P−10〜P−14を用いこと、及び濃度10%に調整した水溶液P−10〜P−14のpHを、濃硫酸を用いて、1.0に調整したこと以外は、実施例1と同様にして、電極−10〜電極−14を得た。その結果を表1に示す。
Figure 2016160471
比較例1:電極−C1の作製
濃度10%に調整した水溶液P−10〜P−14のpHを、1.0M水酸化ナトリウムを用いて、7.0に調整したこと以外は、実施例1と同様にして、電極−C1を得た。その結果を表2に示す。
比較例2〜9:電極−C2〜電極−C9の作製
水溶液P−1に代えて、合成例5〜12で得た水溶液P−2〜P−9を用いたこと以外は、比較例1と同様にして、電極−C2〜電極−C9を得た。その結果を表2に示す。
比較例10〜14:電極−C10〜電極−C14の作製
水溶液P−1に代えて、合成例13〜17で得た水溶液P−10〜P−14を用いたこと、及び濃度10%に調整した水溶液P−10〜P−14のpHを調整しなかったこと以外は、比較例1と同様にして、電極−C10〜電極−C14を得た。その結果を表2に示す。
Figure 2016160471
実施例15
アニオン交換層4を有する電極2として電極−14、カチオン交換層7を有する電極3として電極−3を用いて、図1に示すコンデンサユニットを組んだ。ここで、電極−14と電極−3の間にセパレータ(日本特殊織物株式会社製「LS60」、厚み90μm)を介装することにより流路部10を設置した。このコンデンサユニットを10組重ね合わせ通液型コンデンサを作製した。ここで、イオン交換層の固定電荷が同符号である電極の集電体層同士が対向するようにコンデンサユニットを重ね合わせた。電極の有効寸法は6cm×6cmである。得られた通液型コンデンサを用いたこと以外は、図3に示す脱塩装置15と同様の構成である脱塩装置を作製した。定電圧(1.5V)DC電源の正極に電極−14に、負極に電極−3を接続して電極間に電圧を印加した。脱イオン水にNaClを溶解させて調整したイオン濃度が500ppmである水溶液を脱塩装置に供給した。吸着工程において、180秒間前記水溶液中のイオンの吸着を行った後、当該液体を回収した。
回収した液体のイオン濃度を測定して電極に吸着したイオンの量を求めた。さらに、以下の式により電流効率を算出した。
Figure 2016160471
この時の電流効率は90%であった。
イオンの吸着に使用した電極の洗浄を以下のとおり行った。脱塩装置にNaCl水溶液(イオン濃度500ppm)を供給した。定電圧(1.5V)DC電源の負極を電極−14に、正極を電極−3に接続して電極間に電圧を印加した。60秒間イオンの脱着を行った後、脱着されたイオン性物質を含有する水溶液を排出した。こうして電極を洗浄した後、脱塩装置を再度イオンの吸着に用いた。イオンの吸着と脱着とを10サイクル繰り返しても電流効率に有意な変化は見られなかった。
実施例16
アニオン交換層を有する電極とカチオン交換層を有する電極を表3に示す組み合わせに変更した以外は、実施例15と同様にして脱塩装置を作製し、その電流効率を測定した。得られた測定結果を表3に示す。実施例15と同様にして、イオンの吸着と脱着とを10サイクル繰り返した。全ての例において、1サイクル目と10サイクル目における電流効率の有意な差は見られなかった。
比較例21
アニオン交換層を有する電極とカチオン交換層を有する電極を表3に示す組み合わせに変更した以外は、実施例15と同様にして脱塩装置を作製し、その電流効率を測定した。得られた測定結果を表3に示す。
Figure 2016160471
表1の結果から、本発明のカチオン性基を有する共重合体(P)を含有するアニオン交換層を有するアニオン交換層一体型電極は、電極抵抗が低く、かつイオン交換層と多孔質電極層との界面接着性に優れることが分かる(実施例11〜14)
また、本発明のアニオン性基を有する共重合体(P)を含有するカチオン交換層を有するカチオン交換層一体型電極は、電極の抵抗が低く、バラツキもなく、また耐アルカリ性に優れ、かつイオン交換層と多孔質電極層との界面接着性に優れることが分かる(実施例1〜10)。
さらに、得られた本発明のイオン交換層一体型電極の表面を目視観察したところ、いずれにも発泡による欠陥は観察されなかった。
表3の結果から、カチオン性基を有する共重合体(P)を含有するアニオン交換層を有するアニオン交換層一体型電極とアニオン性基を有する共重合体(P)を含有するカチオン交換層を有するカチオン交換層一体型電極を用いた本発明の通液型コンデンサは、電流効率が高く、バラツキもないことがわかる(実施例15及び16)。これにより、本発明の通液型コンデンサは、効率良くかつ、長期間にわたって安定に、脱塩やイオン性物質と非イオン性物質の分離などを行うことができる。
本発明の電極を用いた通液型コンデンサは、効率良くかつ、長期間にわたって安定に、脱塩やイオン性物質と非イオン性物質の分離などを行うことができ、また、本発明の製造方法によれば、発泡による欠陥が少ないイオン交換層が形成された電極を得ることができる。
1 通液型コンデンサ
2、3、23 電極
4 アニオン交換層
5、8 多孔質電極層
6、9 集電体層
7 カチオン交換層
10 流路部
11、14 アニオン
12、13 カチオン
15 脱塩装置
16 容器
17 直流電源
18 供給口
19 排出口
20 コンデンサユニット
21 貫通孔
22 チタン電極
24 セパレータ

Claims (18)

  1. 集電体層、多孔質電極層、及びイオン交換層がこの順番に配置される電極であって、
    前記イオン交換層が、ビニルアルコール系重合体成分(A)、ビニレン系重合体成分(B)及びイオン性基を有する重合体成分(C)を構成成分とする共重合体(P)を含有し、
    前記多孔質電極層が炭素材料を含有する、電極。
  2. 前記共重合体(P)は、共重合体(P)の全構成単位を100モル%として、0.05〜89.1モル%のビニルアルコール系重合体成分(A)、5〜98.901モル%のビニレン系重合体成分(B)及び1〜50モル%のイオン性基を有する重合体成分(C)を含む、請求項1に記載の電極。
  3. 前記共重合体(P)は下記一般式(1):
    Figure 2016160471
    [式中、0.5000≦(o+p)/(n+o+p)≦0.9999であり、0.100≦p/(n+o+p)≦0.999であり、0.01≦m/(m+n+o+p)≦0.50であり、Mはイオン性基を有する単量体M’に由来する構成単位である。]
    で示される共重合体(P1)である、請求項1又は2に記載の電極。
  4. 前記共重合体(P)は下記一般式(2):
    Figure 2016160471
    [式中、0.5000≦(o+p)/(n+o+p)≦0.9999であり、0.100≦p/(n+o+p)≦0.999であり、0.001≦q/(n+o+p+q)≦0.050であり、0.01≦q/(q+n+o+p)≦0.50であり、Rは、水素原子又はカルボキシル基であり、Rは、水素原子、メチル基、カルボキシル基又はカルボキシメチル基であり、Lは、窒素原子及び/又は酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜20の2価の脂肪族炭化水素基であり、Rがカルボキシル基の場合やRがカルボキシル基又はカルボキシメチル基の場合は、隣接する水酸基と環を形成していてもよい。Mはイオン性基を有する単量体M’に由来する構成単位である。]
    で示される共重合体(P2)である、請求項1又は2に記載の電極。
  5. 前記イオン交換層は、前記イオン性基がアニオン性基である共重合体(P)を含有するカチオン交換層である、請求項1〜4のいずれかに記載の電極。
  6. 前記イオン交換層は、前記イオン性基がカチオン性基である共重合体(P)を含有するアニオン交換層である、請求項1〜4のいずれかに記載の電極。
  7. 前記イオン交換層の厚みが1〜100μmであり、かつ前記多孔質電極層の厚みが50〜1000μmである、請求項1〜6のいずれかに記載の電極。
  8. 前記共重合体(P)に架橋結合が導入されている、請求項1〜7のいずれかに記載の電極。
  9. 前記共重合体(P)を含有するイオン交換層は補強材料を含む、請求項1〜8のいずれかに記載の電極。
  10. 前記補強材料は、多孔膜、メッシュ又は不織布からなる、連続した支持体である、請求項9に記載の電極。
  11. 前記不織布はポリビニルアルコール系短繊維の湿式不織布である、請求項10に記載の電極。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の電極からなる通液型コンデンサ用電極。
  13. 集電体層の表面に、炭素材料を含有するスラリーと、ビニルアルコール系重合体成分(A’)及びイオン性基を有する重合体成分(C)を構成成分とする共重合体(P’)を含有する溶液とを塗布した後、塗膜を乾燥及び熱処理することにより、多孔質電極層と、共重合体(P)を含有するイオン交換層とを形成する、請求項1〜11のいずれかに記載の電極を製造する方法。
  14. 集電体層の表面に、炭素材料を含有するスラリーと、ビニルアルコール系重合体成分(A’)及びイオン性基を有する重合体成分(C)を構成成分とする共重合体(P’)を含有する溶液とを同時に塗布する、請求項13に記載の方法。
  15. 集電体層の表面に、炭素材料を含有するスラリーを塗布した後に、該スラリーの表面に、ビニルアルコール系重合体成分(A’)及びイオン性基を有する重合体成分(C)を構成成分とする共重合体(P’)を含有する溶液を塗布する、請求項13に記載の方法。
  16. 電極間に流路部が配置された通液型コンデンサであって、
    一方の電極はカチオン交換層を有し、他方の電極はアニオン交換層を有し、該カチオン交換層と該アニオン交換層とが該流路部を介して対向するように配置され、
    少なくとも一方の電極は請求項12に記載の電極である、通液型コンデンサ。
  17. 請求項16に記載の通液型コンデンサ、それを収容する容器及び直流電源を有し、
    前記直流電源が、正極と負極を交換可能に、各電極に接続され、
    前記容器が、通液型コンデンサによる脱塩に供されるイオン性物質を含有する液体の供給口と、脱塩された液体の排出口とを有する、脱塩装置。
  18. 請求項17に記載の脱塩装置を用いたイオン性物質を含有する液体の脱塩方法であって、
    アニオン交換層を有する電極を正極、カチオン交換層を有する電極を負極として、直流電源により各電極に電圧を印加し、電圧が印加された電極間の流路部にイオン性物質を含有する液体を供給して、該液体中のイオンを多孔質電極層に吸着させた後、該液体を排出して回収する第1工程と、
    流路部に液体を供給し、アニオン交換層を有する電極を負極、カチオン交換層を有する電極を正極として、直流電源により各電極に電圧を印加することにより、第1工程で多孔質電極層に吸着されたイオンを脱着させ、脱着されたイオンを含む液体を排出する第2工程を有する、脱塩方法。
JP2015039074A 2015-02-27 2015-02-27 電極及びその製造方法、並びにそれを有する通液型コンデンサ Pending JP2016160471A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015039074A JP2016160471A (ja) 2015-02-27 2015-02-27 電極及びその製造方法、並びにそれを有する通液型コンデンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015039074A JP2016160471A (ja) 2015-02-27 2015-02-27 電極及びその製造方法、並びにそれを有する通液型コンデンサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016160471A true JP2016160471A (ja) 2016-09-05

Family

ID=56844437

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015039074A Pending JP2016160471A (ja) 2015-02-27 2015-02-27 電極及びその製造方法、並びにそれを有する通液型コンデンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016160471A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110582869B (zh) 电池隔膜和使用该电池隔膜的电池
JP6150232B2 (ja) 通液型コンデンサ、その製造方法、及びそれを有する脱塩装置
KR101538683B1 (ko) 바이폴라 이온교환시트 및 이의 제조방법
WO2015030084A1 (ja) 新規なビニルアルコール系共重合体、その製造方法およびイオン交換膜
KR20150099549A (ko) 이온 교환막 및 그 제조 방법 그리고 전기 투석 장치
JP2022550498A (ja) フッ素化脂肪族炭化水素系安定性アニオン交換膜及びその製造方法
WO2015005250A1 (ja) 電極及びその製造方法並びにそれを用いる通液型コンデンサ
JP6026920B2 (ja) 電極及びその製造方法並びにそれを有する通液型コンデンサ
WO2015098957A1 (ja) 電極及びその製造方法並びにそれを有する通液型コンデンサ
JP2016155107A (ja) 有機性廃水の処理方法
WO2018038049A1 (ja) 表面修飾ナノファイバー、電解質膜、電解質膜の製造方法、膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池
JP2015123405A (ja) 電極及びその製造方法並びにそれを有する通液型コンデンサ
JP2016155109A (ja) フッ素イオンの除去方法
JP2016160471A (ja) 電極及びその製造方法、並びにそれを有する通液型コンデンサ
Xu et al. Poly (arylene alkylene)-based ion-exchange polymers for enhancing capacitive desalination capacity and electrode stability
WO2016133170A1 (ja) イオン交換膜
JP2016073897A (ja) 電気透析装置
JP2015123404A (ja) 電極及びその製造方法並びにそれを有する通液型コンデンサ
JP2016155106A (ja) 硝酸イオンの分離方法
JP2016154503A (ja) 減塩醤油の製造方法
JP2016155110A (ja) 酸の回収方法
JP2016154504A (ja) 梅漬調味液の脱塩方法
JP2016155723A (ja) 塩の製造方法
JP2016155724A (ja) リチウム塩の回収方法
JP2016155108A (ja) 埋立地浸出液の処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170419