JP4044148B2 - 電気化学を利用するイオン交換 - Google Patents
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Description
本発明はイオン交換の分野に関し、特に電気化学セルにおけるイオン交換膜の使用に関する。
発明の背景
イオン交換材は、例えば脱イオンによる高純度水の製造、廃水処理(工業廃流からの銅イオンの抽出)、及び溶液中のイオンの選択置換(例えば、カルシウムイオンのような“硬質”二価イオンを“軟質”のナトリウムイオンまたはカリウムイオンで置換する水の軟質化工程)におけるように、溶液からイオンを除去するかあるいは溶液中のイオンを置換するために用いられる。イオン交換材は一般に2つのタイプ、すなわち陽イオン交換型及び陰イオン交換型に分けられ、いずれのタイプも一般に、置換可能なイオンを含むかあるいは特定のイオンと化学反応してイオン交換材として作用する、固体またはゲルである。イオン交換材は架橋または未架橋型の有機高分子材であるか、あるいはゼオライトのような無機構造体である。陽イオン交換材は、−COOM,−SO3M,−PO3M2,及び−C6H4OMのような酸性基を含む。ここでMは前記材料の永久的な構造変化をともなわずに陽イオンと交換される陽イオン(例えば、水素、ナトリウム、カルシウム、または銅のイオン)である。陽イオン交換材は通常、前記イオン交換基の酸度すなわち電離指数pKaを指す術語である、“強酸”型及び“弱酸”型に細分される。−SO3M基を含むような強酸型は溶液酸度の実質的に全範囲(例えばpH=0〜15)にわたって作用する。−COOM基を含むような弱酸型は、pHが前記酸基のpKa近傍またはそれより大きい範囲でしかイオン交換材として働かない。陽イオン交換材にはまた、静電的結合すなわちイオン結合ではなく配位により陽イオンと結合する中性基すなわち配位子を含むものもある。例えば、ある高分子体に付加されたピリジン基は、Cu+2イオンと配位結合を形成して溶液からCu+2イオンを取り除く。その他の陽イオン交換材には、キレート錯体をつくる基(例えばリン酸アミン、カルボン酸アミン、及びヒドロキサム酸から誘導される基)を含む高分子材がある。
陰イオン交換材は前記材料の永久的な構造変化をともなわずに陰イオンを交換し、−NR3A,−NR2HA,−PR3A,−SR2A,または−C5H5NHA(ピリジニウム)のような塩基性基を含む。ここでRは一般に脂肪族または芳香族炭化水素基であり、Aは陰イオン(例えば水酸イオン、重炭酸イオンまたは硫酸イオン)である。陰イオン交換材は“強塩基”型及び“弱塩基”型に細分される。−NR2HA及び−C5H5NHAのような弱塩基性樹脂は溶液のpHが前記塩基性基のpKa近傍あるいはそれより小さい範囲でしか陰イオンを交換しないが、一方−NR3Aのような強塩基性樹脂はかなり広い溶液pH値範囲にわたって機能する。
イオン交換材は種々の、例えば大小の球すなわちビーズ、ビーズの微粉砕によりつくられる粉末、及び膜の形態で用いられる。最も簡単なイオン交換膜は、前記2種のタイプのイオン交換材の内、実質的に陽イオンあるいは陰イオン交換材のいずれか1つのみを含む単極膜である。もう1つのタイプの膜は、双極、二重、あるいは積層膜としても知られる、水分解膜である。水分解膜は、2つの電極への電圧印加によりつくられる電界が十分強く、水が非可逆的に成分イオン、H+及びOH-に解離すなわち“分解”するように結合された、強酸型(スルホン酸基;−SO3M)陽イオン交換面または層及び強塩基型(第四級アンモニウム基;−NR3A)陰イオン交換面または層を含む構造体である。水分解膜における水の前記解離は、陽イオン交換層と陰イオン交換層の間の境界で最も効率よくおこり、発生したH+及びOH-イオンは逆極性を有する電極に向かいイオン交換層を通って移動する(例えばH+は負電極に向かって移動する)。
従来のイオン交換は一般に、カラムにつめられたイオン交換樹脂ビーズを用いるバッチ処理である。処理されるべき溶液(原溶液)のただ1つの流れがカラムすなわちチャンネルに通される。前記溶液内のイオンはイオン交換材により除去されるかまたは置換され、製品溶液または水は前記カラムの流出口から出てくる。前記イオン交換材が原溶液から獲得したイオンで飽和すると(例えばイオン交換材の容量が使い尽くされるすなわち“消耗する”と)、前記ビードは適当な溶液で再生される。通常陽イオン交換樹脂は酸性溶液を用いて再生され、陰イオン交換樹脂は塩基性溶液を用いて再生される。注目すべき例外は、軟水化カラムを再生するためには塩化ナトリウムまたは塩化カリウム溶液を使用することである。再生中はイオン交換器を製品溶液または水の生成に使用することができない。再生は取り残された再生溶液を除去する水洗工程をもって終了する。このようなバッチ処理は、再生工程を必要としない膜を用いる連続処理と対比して著しい相違がある。
溶液処理に対するバッチ型イオン交換処理によれば、連続処理に比べていくつかの重要な利点が生じる。第1に、イオン交換材の選択性が高く、中性基はほとんどまったく無視して、溶液中のイオンを排他的に除去するかまたは置換する。またバッチ処理では1つのイオンをその他のイオンの中から除去するか置換する上での選択性が非常に高い。例えば軟水化処理において、スルホン酸基を含む陽イオン交換材は1価イオン(例えばナトリウム)濃度には影響を与えずにカルシウム及びマグネシウムのような多価イオンを溶液から選択的に抽出する。前記スルホン酸基が多価イオンに対して1価イオンに比べて10倍大きい親和性(選択性)を有するために、軟水化がおこる。あるいは、イミノ二酢酸のようなキレート錯体形成イオン交換基は銅イオンをその他のイオンを含む溶液から選択的に抽出するのに特に適している。イミノ二酢酸イオン交換基は、ナトリウムイオンに比べて8桁大きい親和性を銅イオンに対して有する。バッチ型イオン交換処理の第2の利点は、増殖生物(例えば藻類)あるいは無機物スケールのいずれの沈着に対しても耐性が非常に大きいことである。強酸及び強塩基は陽イオン交換材及び陰イオン交換材の再生にそれぞれ最もよく用いられ、生物体が生き残ることのできない環境をつくりだす。無機物スケールは中性または塩基性(pH>7)環境において多価陽イオンの存在より生じる。スケールは一般にカルシウム及びマグネシウムの炭酸塩、水酸化物及びスルホン酸塩を含む。連続水処理装置の表面またはチャンネルへのスケール沈着は、イオン除去効率に劇的で有害な影響を与える。バッチ型イオン交換装置におけるスケール形成は、スケールを急速に溶解する強酸による(多価陽イオンが濃縮されている)陽イオン交換材の頻繁な再生のために、深刻な問題となることはほとんどない。第3の利点は(それまでの溶液処理工程において除去されたイオンを含む)高濃度再生廃流生成の潜在能力である。このことは、イオン交換材により除去されるイオンが重要な化学物質であり、前記イオン(例えば細胞培養から除去されたアミノ酸またはタンパク質)を単離したい場合に重要である。高濃度再生廃流を生成する前記能力により、廃棄物処理プラントにおける水消費量が減り、負荷が軽くなるというさらに重要な利点が得られる。
バッチ型イオン交換処理は重要な利点を有するが、再生化学薬品を必要とするため、前記処理に費用がかかり、環境に優しくはない。有毒または腐食性の使用済再生化学薬品、例えば硫酸、塩酸及びカセイソーダの購入、貯蔵、取扱い、及び処理にともなう環境コストのため、多くの用途においてバッチ型イオン交換処理の使用が差し止められる。軟水化においてさえ、塩化ナトリウムまたは塩化カリウムはかなり危険性の少ない再生剤であるとはいえ、数週おきに自宅の軟水器に補充するために雑貨店から家まで塩の50ポンド袋を運搬する必要があることは、消費者にとってあまり有り難くないことである。さらに、軟水器から下水道に洗い流される塩分に富んだ再生廃液は地方自治体の廃棄物処理施設では処理が困難である。化学的再生による環境へのもう1つのマイナスの影響は、再生されたイオン交換カラムを水洗し次の処理作業への準備をするために大量の水が必要であることから生じる。水は世界の多くの地域で希少であるだけでなく、前記結果として生じた大量の希釈洗浄廃水もまた処分の前に処理(例えば中和)されなければならない。
イオン交換材の電気化学的再生により再生化学薬品を回避する連続処理は、例えば米国特許第3,645,884号(ジリランド(Gilliland))、米国特許第4,032,452号(デービス(Davis))及び米国特許第4,465,573号(オヘア(O’Hare))に開示されている。これらの特許は全て参照として本明細書に含まれる。これらの電気透析装置においては、最も多くはビーズ形態のイオン交換材が、多数の単極陽イオン及び陰イオン交換膜によって2つの電極から隔てられ、よって前記ビーズ形イオン交換材は電気透析処理により連続的に再生される。前記電気透析処理においては、イオンは不適合単極膜障壁によりそれ以上の移動が妨げられるまで、電界に従って溶液、ビーズ、及び適合単極膜を通って(すなわち、陽イオンは単極陽イオン交換膜を通過し、陰イオンは単極陰イオン交換膜を通過する)移動する。一方の極性のイオンは通過させるが逆極性のイオンは通過は阻止するという単極イオン交換膜の特性は、選択透過性と称される。
連続電気透析水処理プロセスは、いくつかの欠点に悩まされている。第1に、化学平衡ではなく質量輸送速度により支配されるイオン除去過程のイオン選択性がかなり小さいことである。電気透析装置は電気的効率を高め質量輸送速度を大きくするために高導電性膜を使用する必要があるので、選択特性について膜を最適化するための許容度がほとんどない。第2の欠点は、電気透析装置は液体の流れ及びイオンの移動を妨げ、あるいは電極の有効性を損ない、ついには装置を詰まらせてしまう無機物スケールが沈着しやすいことである。
イオン結合電極(IBE)とよばれる装置は、米国特許第5,019,235号(ニーバーグ(Nyberg))、米国特許第4,888,098号(ニーバーグ)及び米国特許第5,007,989号(ニーバーグ)に開示されているように、通常のバッチ型イオン交換処理の利点を電気化学的再生の利点と組み合せる。これらの特許は全て参照として本明細書に含まれる。IBEは一般に、単極イオン交換膜に囲まれ前記イオン交換膜に固く保持された導電性高分子電極を含む。IBEはバッチ−モードで動作し、良好なイオン交換選択性が得られる。例えば高濃度の1価イオンを含む溶液から多価イオンを抽出できる(例えば軟水化または銅イオン抽出処理)。
多様な塩溶液から酸及び塩基を製造するための水分解イオン交換膜を含む電気化学セルが、例えば米国特許第2,829,095号(オダ(Oda))、米国特許第4,024,043号(ディジェ(Dege))、及び米国特許第4,107,015号(クランダ(Chlanda))に開示されている。これらの特許は全て参照として本明細書に含まれる。前記電気化学セルは連続動作を行い、必然的に2つの溶液流、この場合は一方が酸溶液でもう一方が塩基溶液の2つの製品流を含む。動作のためには、これらのセルは前記2つの溶液流を分離するための単極イオン交換膜を含まなければならない。
溶液流からのイオンの連続除去のための水分解膜を含む電気化学セルの別の構成及び用途が、本明細書に参照として含まれる、米国特許第3,654,125号(ライツ(Leitz))で説明されている。これは前記連続電気透析セルの変型であり、一方はイオンが除去された製品流でもう一方はイオンが濃縮された廃流の2つの分離された溶液流を生成するために、単極イオン交換膜ではなく水分解膜を用いている。前記セル内では水分解膜の陰イオン交換層または面が互いに向き合うように配され、陽イオン交換層の面も同様である。前記配置によってのみ、連続電気透析分離プロセスに関する水分解膜の特殊なNaCl透過選択特性を活用し得る。ライツのセル及びプロセスは、イオン選択性に劣り、無機物スケールまたは増殖生物の沈着に弱く、またかなりの量の廃水を生じることを含む、電気透析プロセスについて前述した欠点を同じく有している。さらにライツのセル及びプロセスはNaCl溶液の処理にほとんど限定されている。
また従来技術の前記水分解膜セルは、酸−塩基生産セル及びライツのイオン除去セルのいずれにおいても連続動作であることから、水分解膜が他のイオン交換材を使用せず、強酸スルホン酸イオン交換層と強塩基第四級アンモニウムイオン交換層の組合せを含むという性質を共有している。この特別な組合せで、特に低い電気抵抗及び高い透過選択性を有する膜が得られる。
従って、高いイオン選択性、無機物スケール沈着に対する耐性、及び高濃度再生廃溶液を含むバッチ型イオン交換処理の利点が得られるイオン交換装置及び方法を得ることが望まれる。さらに、再生のために化学薬品を入れるのではなく電力を利用する、イオン交換材再生のための装置及び方法を得ることが望まれる。前記電力利用により、再生用化学薬品にともなう不便さ及び環境災害を排除でき、洗浄水量を低減できる。また電気的再生により、化学薬品による再生廃溶液汚染を避けることもできる。過剰な量のガスの発生を避け、装置のコスト及び大きさを低減するため、多数の電極を必要としない装置及び方法を提供することも有益である。
発明の要約
本発明は、溶液流及びイオン交換材内のイオンを除去あるいは置換するための新規な電気化学的装置及び方法を提供する。本発明はバッチ型イオン交換処理の利点を電気的再生の効率及び環境安全性と組み合せる。さらに本発明はイオン除去または置換のための使用水量を少なくし、装置構成を簡便にする。
【図面の簡単な説明】
本発明の上記及びその他の特徴、態様、並びに利点は、本発明の例を示す、以下の図面、説明及び添付請求の範囲により、いっそう良く理解されるであろう。
図1は、本発明の電気化学セルの実施の形態の垂直断面図である。
図2は、陰イオン及び陽イオン交換面を示す水分解イオン交換膜の断面図である。
図3は、多重陽イオン及び陰イオン交換面を含む水分解イオン交換膜の別の実施の形態の断面図である。
図4は、複数の水分解膜を有する本発明の電気化学セルの別の実施の形態の垂直断面図である。
図5は、図4のセルの別の実施の形態である。
図6は、ただ1つの廃溶液を与える多数の溶液チャンネルを通る並行溶液流を有する電気化学セルの実施の形態の垂直断面図である。
図7aは、ただ1つの連続する溶液チャンネルを有する螺旋巻きセルを示す本発明の電気化学セルの別の実施の形態の水平断面図である。
図7bは、図7aの螺旋巻きセルの垂直断面図である。
図8は、ただ1つの廃溶液を与える3本の並行チャンネルが得られるように並行配置で巻かれている3枚の水分解膜を示す、螺旋巻きセルの別の実施の形態の水平断面図である。
図9は、2つの電気化学セルを含む、溶液流から多価イオンを除去するためのイオン交換装置の一部断面図である。
図10は、第3の電気化学セルを含む、溶液流から多価イオンを除去するためのイオン交換装置の一部断面図である。
発明の詳細な説明
本発明は、溶液中に存在するイオンを除去し、イオン交換材内のイオンを置換するための電気化学セル集成装置及び方法を提供する。
図1は本発明の電気化学セル集成装置20の一実施の形態を示す。本集成装置20は、前記セルへの流入溶液流を取り入れるための少なくとも1つの流入口30及びただ1つの流出溶液を与える1つの流出口35を有するハウジング25を含む。セル内の対向する第1及び第2の電極40,45は、前記電極間にかかる電圧を供給する電極電圧源50により電力が与えられる。少なくとも1枚の水分解膜100が前記ハウジング25内の電極40と45の間におかれる。それぞれの水分解膜100は、隣り合い接触している(一般に陽イオン交換基を有する陽イオン交換層を含む)陽イオン交換面105及び(一般に陰イオン交換基を有する陰イオン交換層を含む)陰イオン交換面110の組合せを少なくとも1つ含む。前記水分解膜100は、膜の陽イオン交換面が第1の電極40に対面し、膜の陰イオン交換面が第2の電極45に対面するように、ハウジング25内に配置される。
溶液流路(矢印121で表わされる)は、水分解膜100、電極40,45、及びセルの側壁により定められる。溶液流路121は(i)(流入用液流を溶液流路に取り入れるために用いられる)前記流入口30から伸び、(ii)流入溶液流が1つまたはそれ以上の処理済溶液流をつくるために水分解膜の少なくとも1つの面を流れ過ぎることができるチャンネルを少なくとも1本含み、(iii)ただ1つの流出溶液を形成するために前記処理済溶液流を合流させるただ1つの流出口35で終端する。前記溶液流路121は前記セル内を途切れることなく伸びるただ1本の直行流チャンネルを含んでもよいし、ただ1つの流出口35に接続され終端する複数本の並行流チャンネルを含んでいてもよい。図1の実施の形態において水分解膜100は、水分解膜の陽イオン及び陰イオン交換面の双方を流れ過ぎる単一で連続する溶液チャンネル122を有する溶液流路121が得られるように配置されている。前記チャンネル122は、前記流入口から流出口まで連続して伸び、また水分解膜の陰イオン及び陽イオン交換面を流れ過ぎる途切れることのない順路で端から端まで接続されることが望ましい。すなわち、前記単一で連続するチャンネルの周界はセル内にある水分解膜の陽イオン及び陰イオン交換層の全表面の少なくとも一部を含む。
前記ハウジング25は一般に、金属またはプラスチックでつくられた板枠構造を含み、セル内に溶液を取り入れるための1つまたはそれ以上の流入口30及びセルから流出溶液を取り出すための1つまたはそれ以上の流出口35を含む。1つまたはそれ以上の流出口を備えることができるが、セルからの流出溶液は流出口の後または前で(例えば別々の溶液流を合流させる排出マニホールド内で)形成されるただ1つの流出溶液流を含むことが望ましい。水分解膜100は、水分解膜のいずれかの縁におかれたガスケット115を用いてハウジング25に保持される。例えば流量制御器と組み合わされた蠕動ポンプあるいは圧水ポンプのようなポンプ120が、溶液を溶液源125から前記チャンネル122を通して処理済溶液槽130に流すために用いられる。本実施の形態においては、ポンプ120はただ1つの溶液流をセルを通して流すための手段として働く。電極電圧源50は、一般に電気化学セル20の外部にあり、抵抗器140と直列接続された直流電圧源135を含む。電気接点145,150は、電圧源50を第1及び第2の電極40,45に電気的に接続するために用いられる。DC電源の代わりに、前記電圧源を整流交流源、例えば半波または全波整流交流源としてもよい。
陽電極及び陰電極40,45は、前記セル20の動作中の電極の正及び負分極時に形成される低あるいは高pH化学環境内で耐腐食性であることが望ましい金属等の、導電性材料でつくられる。適当な電極は、銅、アルミニウム、または鋼鉄の心材を白金、チタン、またはニオブのような耐腐食性材料で被覆してつくることができる。電極40,45の形状は電気化学セル20の構成及びセルを通して流れる溶液の導電度に依存する。電極40,45は、前記水分解膜100の表面内で一様な電圧を供給するべきであり、セル20の適当な電極形状は水分解膜の面積とほぼ同じ大きさの寸法を有する平板であり、セル20の頂部及び底部におかれ、電極面をハウジング内部に有している。第1及び第2の電極は、平面水分解膜100の互いに隣り合っておかれた面のいずれの側に関しても平面構造を有することが望ましい。別の電極形状には、編目スクリーン、エキスパンデッドメッシュ、あるいは特殊な形状、例えば蛇行形状のワイヤのような分散型構造がある。原溶液がセル20に出入りするためには、例えば図1の実施の形態におけるように、2つの電極40及び45に開口を切り開き、溶液が開口を通り抜けてチャンネル122に入り、またチャンネル122から出られるようにする必要がある。
電極40,45は、導電度と耐腐食性の所望の組合せを得るために2つまたはそれ以上の層から構成されることが望ましい。適当な構成は、水分解膜100の面内で実質的に一様な電圧を与えるために十分低い電気抵抗を有する導電性内部層;前記導電層の腐食を防止するための耐腐食性層;及び動作電圧を下げ、電極寿命を延ばし、また所要電力を最小限に抑えるための、電極表面への触媒被覆を含む。望ましい電極構造はチタンまたはニオブのような耐蝕金属で覆われた銅導体を含み、耐蝕金属被覆後に白金のような貴金属触媒層で被覆される。
セル20の前記水分解膜100を分離し、セルの側壁155,160を形成するガスケット115は多重機能を有する。第1の機能において、ガスケット115はセル20の側壁155,160からの溶液漏れを防止する。別の機能において、ガスケット115は電気絶縁材料でつくられ、セル20の側壁155,160による電流路短絡または分岐を防止する。すなわち、電極40,45間の電界は水分解膜100の面を実質的に垂直に貫通し、イオン除去または置換効率をさらに高める。溶液チャンネル122内には、スペーサ132、例えばセルの側壁をなす浮游プラスチック網材層がおかれることが望ましい。スペーサ132はいくつかの機能を果たす。スペーサ132は水分解膜100を隔て、より一様な流れを与え、また溶液流路内に乱流をつくりだしてイオン輸送速度をさらに高める。2枚ないしそれ以上の水分解膜が直接接触しているとすると、前記直接接触により形成される低電気抵抗路を通して過剰な電流が流れ、前記膜を過熱し前記溶液をバイパスさせる(よってセル性能が低下する)。前記スペーサは、平均細孔寸法すなわち開口の直径が10μmより大きければどのような構成であってもよい。前記セル内の溶液チャンネル122は、イオン交換材の粒子または繊維を、例えばビーズ、顆粒、ファイバ、緩い編物構造、あるいはその他、チャンネル122にある溶液が前記チャンネルの周界の一部をなす水分解膜の陽イオン及び陰イオン交換層表面の双方に接触できるどのような構造のものでも含んでいてよい。チャンネル122に存在するどのようなイオン交換材も、セル20内にやはりただ1つの連続する溶液流を与える。チャンネル122にある前記イオン交換材は陽イオン交換材、陰イオン交換材、あるいはこれらの混合材を含むことができる。しかし、チャンネル122にあるイオン交換材はセル内で2つまたはそれ以上の溶液流を分離する単極イオン交換膜の形態であってはならない。すなわち、前記セルは隣り合う水分解膜の間に単極イオン交換膜を実質的に全く含まないことが望ましい。
水分解膜100は、電極40,45への電圧印加により生成される十分高い電界の下で、前記膜中で水がその成分イオンのH+及びOH-に解離されるように組み合わされた陽イオン交換面105及び陰イオン交換面110を含む、あらゆる構造体である。前記解離は膜の陽イオンと陰イオン交換面または層の間の境界、あるいはこれらの間の体容内で最も効率よくおこり、生じたH+及びOH-イオンは逆極性を有する電極の方向にイオン交換層を通って移動する。例えば、H+は負電極(陰極)に向かって移動し、OH-は正電極(陽極)に向かって移動する。水分解膜は、単一の積層構造を有する水分解膜100が得られるように、互いに固く保持しあう、すなわち結合された隣接する陽イオン及び陰イオン交換層105,110を含むことが望ましい。陽イオン及び陰イオン交換層105,110は、これらを互いに結合する接着剤を用いない物理的接触状態にあるか、水分解膜100は非イオン性中間層、例えば水膨潤高分子層、多孔質層、または溶液含有層を含むことができる。
隣接する陽イオン及び陰イオン交換面または層を含む水分解膜100の実施の形態の拡大断面図を図2に示す。適当な陽イオン交換膜105は、−COOM,−SO3M,−PO3M2,および−C6H4OMのような陽イオンを交換できる酸性官能基を1つまたはそれ以上含むことができる。ここでMは陽イオン(例えば水素、ナトリウム、カルシウム、または銅のイオン)である。陽イオン交換材にはまた、静電的すなわちイオン結合ではなく配位を介して陽イオンと結合する中性基すなわち配位子(例えばピリジン、ホスフィン及びスルフィド基)、及びキレート錯体形成基(例えばリン酸アミン、カルボン酸アミン、及びヒドロキサム酸から誘導されたキレート錯体形成基)を含む陽イオン交換材が含まれる。陽イオン交換官能基の選択はセル20の用途に依存する。非選択性イオン除去が必要な水の脱イオンにおいては、広いpH範囲にわたって、良好な膜膨潤、高質量輸送速度、及び低電気抵抗を得ることができるので、−SO3M基が望ましい。その他のイオン、例えばナトリウムイオンも含む液体からの銅イオンの選択的除去に対しては、−COOMまたはカルボン酸アミン等のキレート錯体形成基のようなイオン交換基が望ましい。これらの弱酸性基は、−COOHを形成しM+nを排出する、−(COO)nMのH+との極めて好ましい反応による特に効率の良い再生ができるという、さらなる利点を提供する。
水分解膜100の適当な陰イオン交換層110には、−NR3A,−NR2HA,−PR3A,−SR2A,あるいは−C5H5NHA(ピリジン)のような陰イオンを交換できる塩基性官能基を1つまたはそれ以上含む。ここでRはアルキル、アリール、またはその他の有機基であり、Aは陰イオン(例えば水酸イオン、重炭酸イオン、塩素イオン、または硫酸イオン)である。陰イオン交換官能基の選択も用途に依存する。水の脱イオンにおいては、−NR3Aが広いpH範囲にわたって、良好な膜膨潤を与え、よって低電気抵抗及び高質量輸送速度を与えるので望ましい。弱塩基性基は特に効率の良い再生が必要な場合に望ましい。例えば、−NR2HAは−NR2,H2Oを形成し、A-を排出するという非常に好ましい反応で、OH-と反応する。
水分解イオン交換膜はまた、陰イオン及び陽イオン交換層を2つより多く含むこともできる。図3の水分解膜101は、4つのイオン交換層:2つの陽イオン交換層106及び107並びに2つの陰イオン交換層111及び112、を含む実施の形態である。前記2つの陽イオン交換層または2つの陰イオン交換層はイオン交換容量あるいはイオン交換官能基が同じでなくともよい。例えば、水分解膜101の内部陽イオン交換層106が実質的に−SO3基を含み、外部層107が−COOH基を含んでいてもよく、また内部陰イオン交換層が−NR3基を含み、外部層112が−NR2H基を含んでいてもよい。あるいは、陽イオン交換層106または107あるいは陰イオン交換層111または112は、溶液を保持するために多孔質であってもよい。多孔質層は、例えば発泡剤または浸出技法により作成された連続気泡フォーム、イオン交換顆粒を含んだ織または不織ファイバ複合材、あるいはその他、水分解イオン交換膜厚の少なくとも一部を通る高速溶液輸送が得られ、よって溶液の多孔質層内に含有されるイオン交換材との接触率を高め、セルを通して流れる溶液の速度を上げるような、いかなる構造であってもよい。前記多孔質層の平均細孔直径は少なくとも1μmであることが望ましく、10μmより大きいことがさらに望ましい。また細孔の体積は多孔質層の体積の少なくとも10%であることが望ましく、少なくとも20%であることがさらに望ましい。
水分解イオン交換膜は、例えば同質あるいは異質イオン交換膜が得られるような、いかなる方法によっても作成できる。同質膜は、適切なモノマーを重合し続いて1つまたはそれ以上の化学工程で前記イオン交換基を取り入れることにより形成される。一般に不溶性イオン交換材を得るために、得られるポリマーを架橋させるモノマーが含まれる。重合は溶剤が存在するかまたは存在しない状態でおこり、溶剤の選択に依存してさらに(溶剤なしで作成される)ゲル、(モノマー及びポリマーがよく溶ける溶剤による)等孔性、あるいは(モノマーはよく溶けるがポリマーは溶けにくい溶剤による)大孔性として特徴づけられるイオン交換材が得られる。同質膜作成の代表的方法は、ガラス板の間に混合モノマーを流し込み、モノマーまたは溶剤の蒸発に注意しながら加熱硬化することである。続く化学的機能化は他のイオン交換材(例えばビーズ)についてと同様である。水分解膜は、硬化層の上に第2の混合モノマーを流し込み続いて2つの層の化学的機能化を段階的に行うことを含むいくつかの関連方法によるか、あるいはただ1つの流延層の2つの面に異なる機能化化学反応及び/または薬品を用いる化学的機能化により作成することができる。
異質水分解イオン交換膜は、同質イオン交換材の粒子と緊密に混合されたホストポリマーを含む。前記イオン交換粒子は、膜の構造的強固性を与えるホストポリマーより実質的に水を多く吸収する。イオン交換粒子の断面は一般に1ミクロンより大きいので、異質水分解膜はミクロンスケールの同質構造を有する。異質膜を作成する望ましい方法は、例えば顆粒形態のイオン交換材料と熱可塑性ポリマー、例えばポリエチレン、ポリエチレン共重合体、または弗化ポリビニリデンの溶融混合による方法である。ホストポリマーの溶融混合に適したあらゆるプロセス、例えば練りロール機あるいは混練押出機を用いる方法が採用できる。それぞれのイオン交換材の薄いシートが、例えば圧縮成形または押出成形により形成され、水分解膜が2枚ないしそれ以上の層から同じ方法により形成できる。
異質水分解膜に使用するイオン交換材は、平均粒度が200ミクロンより小さいことが望ましく、100ミクロンより小さいことがさらに望ましい。小粒子は小ビーズの直接合成、例えば乳化重合によるか、あるいは所望の化学的及び物理的特性を有するより大径のイオン交換ビーズを顆粒化することにより得られる。本明細書で説明される実施例に用いられた異質膜の作成については、グレイバー・ケミカル社(Graver Chemical Company)から顆粒化イオン交換樹脂:PCH強酸性陽イオン交換樹脂(H+形態)及びPAO強塩基性陰イオン交換樹脂(OH-形態)を入手した。異質水分解膜の陽イオン及び陰イオン交換層のイオン交換材の体積分率は、少なくとも30%であることが望ましく、少なくとも35%であることがさらに望ましく、少なくとも40%であることが最も望ましい。
異質膜に使用するホストポリマーの選択は、得られる水分解膜に対する必要条件及びイオン交換材に許容される最高処理温度に依存する。例えば、剛性が高く非圧縮性の膜が、図1に示されるような、板枠構造セルのために必要であれば、高密度ポリエチレン(HDPE)のようなホストポリマーを選ぶことができる。対照的に、螺旋巻き構成セルでは柔軟な水分解膜が必要となり、エチレン−プロピレン熱可塑性ポリマーのようなエラストマーが望ましい。あるいは、ホストポリマーは水膨潤性材料、例えばポリ(酸化エチレン)またはポリビニルアルコールとすることもできる。水膨潤性材料は水分解膜のイオン交換層を通るイオン輸送をより速くできる。水膨潤性ポリマーの溶解を避けるために、ホストポリマー−イオン交換材複合材料を架橋させて、不溶性の架橋構造を得ることが有利である。架橋は、前記複合剤を最終形状(例えばシート)に成形した後に、化学薬品を用いるかあるいは(例えばUV、電子またはガンマ線)照射により達成できる。架橋はまた、非水膨潤性ホストポリマー複合材に有利な機械的特性、例えば向上した引裂抵抗を与えることができる。
前記水分解膜の陽イオン及び陰イオン交換層は、イオン交換容量が少なくとも約0.1mg当量/ccであることが望ましく、少なくとも0.2mg当量/ccであることがさらに望ましく、少なくとも0.5mg当量/ccであることが最も望ましい。イオン交換容量が大きいほど、溶液内での膜膨潤が大きくなり電気抵抗が低くなる。またイオン交換容量が大きいほど、ある与えられた体積の水分解膜材料に対する必要再生頻度が少ない装置が得られる。再生工程頻度低減の別の手法は、イオン交換容量を大きくするためにより厚い水分解膜を使用することである。水分解膜は、溶液飽和厚が少なくとも約200ミクロン(μm)であることが望ましく、少なくとも400μmであることがさらに望ましく、少なくとも600μmであることが最も望ましい。
本発明の電気化学セル20の別の形態を図4に示す。本形態において、電気化学セル20は複数の水分解膜100a〜gを含む。それぞれの水分解膜は、陽イオン交換面105及び陰イオン交換面110を含む。水分解膜100a〜gはガスケット115で分離され、各水分解膜100a〜gの一端の近くにある1つまたはそれ以上の開口部195を有するインターディジタル構成を形成するように、順次積み重ねられる。膜100a〜gは、インターディジタル段積み構造を与えるるように、互い違いの縁でセル20の側壁に取り付けられる。この構成により、チャンネル122内に流入口30から入る溶液が水分解膜100a〜gの実質的に全平面を流れ過ぎて最後に流出口35から出て行くことができる溶液流路121が定められる。水分解膜100a〜gは、前記溶液流が単一で連続する溶液チャンネル122を通過するように前記ハウジング25内に配置される。第1の水分解膜100aは第1の電極40に直接対面する陽イオン交換面105aを含み、最終の水分解膜100gは第2の電極45に直接対面する陰イオン交換面110gを含む。また水分解膜のセグメント190が、チャンネル122内の溶液流にさらされる水分解膜表面積を増加させるために前記開口195に隣接しておかれる。前記第1及び第2の電極は、水分解膜100a〜gの平表面に対して実質的に垂直な方向に流れる電流を与えるように、ハウジング25に取り付けられる。本セル構成により、溶液流と接触する水分解膜の総表面積がより大きくなるため、図1のセルよりイオン除去または置換速度が高くなる一方で、同時にイオン交換容量がより大きくなるためより大量の溶液を処理できる。水分解膜の総表面積は、所要流量における除去または置換作業の間、所望の交換イオン濃度が得られるように選ばれる。
電気化学セル20のまた別の実施の形態を図5に示す。本例において、溶液流路121は初め流入口30を通過し、第1の電極40と水分解膜100aの間の第1溶液チャンネル区画175に入り、次いで流出口31を通過する。その後溶液流路121は第2の電極45と水分解膜100bの間にある第2の溶液チャンネル区画180に流入口32を介して入り、流出口33で外に出る。溶液流路121は次いで流入口34を通って対をなす水分解膜100a〜iの間にある第3のチャンネル区画185に導かれる。最後に処理済溶液は流出口35で外に出る。前記チャンネル区画175,180,次いで185の本組合せは、図1及び4のセルと同様の連続チャンネルを形成する。本発明のこの実施の形態はセルの外に出るときに電極のいずれの1つにも接触しない製品溶液を与え、よって両電極における水の電気分解で生成される水素イオンあるいは水酸イオンを含まない溶液が得られる。このことは、前記単一で連続するチャンネル122が初めに溶液流に両電極を流れ過ぎさせ(すなわち、チャンネル区画175及び180を通し)、その後溶液流をセルの中央部分にある水分解膜の残りの表面を流れ過ぎさせる(すなわちチャンネル区画185を通す)ためにおこる。すなわち本実施の形態は、流出口35で外に出る流出溶液が電極における水電解生成物(イオン)で汚染されていないので、水の脱イオン器としての動作に特に有用である。前記生成イオンは流出溶液の電気伝導度を高めるだけでなく、流出溶液を(中性pH溶液ではなく)酸性または塩基性にする。
複数の並行する水分解膜100a〜gを含む、電気化学セル20の別の実施の形態を図6に示す。本セルにおいて、水分解膜100a〜gはハウジング25内で電極40及び45の間におかれて、前記膜で分離される複数のチャンネル122a〜hを含む溶液流路121を与える。流入口30から入る溶液は分割すなわち分岐化されて前記並行する溶液チャンネル122a〜hを通過する。水分解膜の本配置により、チャンネル122b〜gのそれぞれを流れる溶液流は交互する水分解膜の陰イオン及び陽イオン交換面に同時にさらされる。セルのそれぞれの側端のチャンネル122a及び122hを通って流れる溶液流は、電極40,45の1つ及び陰イオン交換面105aまたは陽イオン交換面110gにさらされる。本セル構成ではセル内にただ1本の単一で連続する溶液チャンネルは与えられていないが、チャンネルのそれぞれからの流出溶液は合流してただ1つの流出溶液が得られる。セル内の溶液流は各チャンネル区画において(セルの総イオン除去効率には最小の影響しか与えない第1及び最後の区画を除き)実質的に陰イオン及び陽イオン交換面の双方を流れ過ぎて連続溶液流を形成するので、チャンネル122a〜hを通過する溶液は水処理工程(例えば脱イオン)の結果に悪影響を及ぼすことなく、例えば流出口35で合流してただ1つの流出溶液を与える。すなわち、各チャンネル内の溶液は同じ操作(例えば脱イオンまたは再生)を受けている。チャンネル122b〜gのそれぞれを流れる溶液流は水分解膜100a〜gの陽イオン及び陰イオン交換層面に同時にさらされ、2本の外側チャンネル122a及び122h内の溶液流は水分解膜の少なくとも一方の面にさらされるので、チャンネル122a〜hは実質的に等価である。対照的に従来技術の電気透析プロセスでは、2つの溶液流を混合して溶液流がセルを出た後で1つの流出溶液流を形成することは、製品流と廃流を混合して、流入する溶液源と実質的に同じ組成を有する溶液をつくることになるので、行わない。従来技術では混合の結果、正味のイオン除去または再生がまったく行われていないことになってしまう。対照的に、本システムでは溶液流を混合してバッチ型イオン交換プロセスの特徴であるただ1つの大量流出溶液が得られる。これによりバッチ型イオン交換の利点である、イオン選択性、耐沈着性、及び高濃度再生溶液を得ることができる。
螺旋巻き形態の電気化学セルの本発明の実施の形態を図7a及び7b(セルの上面及び側面図)に示す。本形態において、少なくとも1つの水分解膜100が隣り合うスペーサ132とともに螺旋に巻かれて、上面から見て(図7a)環状になる。螺旋巻き型集成装置は少なくとも完全に2巻きされた水分解膜(図7aに示されたセルは完全に5巻きされている)を含むことが望ましい。螺旋巻き型集成装置をきちんと定められた直径に保持し外側電極40から隔てておくために、螺旋巻き型集成装置はプラスチックの網目円筒管137内におかれることが望ましい。外側電極40は円筒形であり直径は(用いられていれば網目円筒管も含み)螺旋巻きされた水分解膜及びスペーサの直径より大きい。内側電極45は前記螺旋巻きの中央部、望ましくは中心におかれる。内側電極45は、水分解膜の内面と物理的に接触しない限りいかなる形状であってもよい。内側電極は例えば円柱すなわち棒、円筒、網目円筒、あるいは非円筒形(例えば断面が正方形)の形状をとることができる。外側電極は電気化学セルの第1または第2の電極である。水分解膜100の陽イオン交換面105が第1の電極40に対面するから、本例では外側電極が第1の電極である。あるいは、外側電極が第2の電極45であってもよい。この場合は水分解膜100の陰イオン交換層110が外側電極に対面することになる。図7bの側面図からわかるように、流入口30がハウジング25の外壁に設けられ、流出口35がセルの頂部に設けられる。溶液は流入口30を通ってチャンネル区画200に流入し、螺旋巻き集成装置の開口190を通って螺旋巻き水分解膜100の間にあるチャンネル区画205に流入する。チャンネル区画205内で、溶液流は水分解膜100の陽イオン及び陰イオン交換層105及び110の双方と同時に接触する。次いで溶液はチャンネル区画210に入り、流出口35で外に出る。あるいは、溶液は逆方向に流れてもよい。この構成の水分解膜でもセル20を通る単一で連続する溶液流が得られる。
本発明の螺旋巻き型電気化学セル20の別の例を図8に示す。本螺旋巻き型セル20は3枚の水分解膜100a〜cを含み、前記3枚の水分解膜はそれぞれの間に挟み込まれ一緒に螺旋巻きされる3枚のスペーサ132a〜cで互いに隔てられている。本螺旋巻き型集成装置も、集成装置の直径をきちんと定めて収納し外側電極40と隔てるようにしてプラスチック網目円筒の内側におかれる。ハウジング25,電極40及び45,並びに流入口30及び流出口35は、水分解膜をただ1つ含む螺旋巻き型セルと同様に配置される。螺旋巻きにする前に、前記3枚の水分解膜及び3枚のスペーサは陽イオン交換層がおなじ方向を向くように(上向きまたは下向きに)して交互に重ねられる。この平坦重合わせ配置では、水分解膜−スペーサ対の端は螺旋巻きされたときに螺旋巻き集成装置の3つの開口190a〜cが螺旋巻きの外周に沿って平等に配分されるように(図8に示されるようにほぼ120°間隔になるように)ずらされる。溶液は流入口30からハウジング25に入り、続いてチャンネル200に入り、チャンネル250a〜cを通過する3つの並行溶液流に分割されて螺旋巻き集成装置の間隙190a〜cを通過する。溶液流はそれぞれ、螺旋を内側に進みながら水分解膜100の陽イオン及び陰イオン交換面105及び110の双方に同時に接触し、3つの溶液流は全て螺旋巻きの中心でただ1つのチャンネル210に合流し、流出口35でセルから外に出るただ1つの流出溶液となる。
本明細書で例として示された本発明の電気化学セルの実施例の全てにおいて、水分解膜はある与えられた時間同じ処理操作(例えば脱イオンまたは再生)を受けながらセルを通過する全ての溶液流からセルを出て行くただ1つの流出溶液を与えるように配置される。このただ1つの溶液流は1つの流入口から取り入れられ1つの流出口から出て行く。本発明の電気化学セルから出て行く水は、装置またはプロセスの有効性を損なうことなく合流させられているか、あるいは合流させることができる。このことは、単極イオン交換膜または水分解膜を用いて構成され、分離された廃溶液流及び製品溶液流を有する従来技術の電気透析装置またはプロセスと明確な対照をなしている。連続作動電気透析システムは、2つの分離した溶液流、すなわちイオンが除去された製品流及びイオンが集積された廃流を維持することに依存している。前記2つの溶液流の分離は、最も一般的には単極イオン交換膜により与えられる。電気透析セルを出て行くときに前記2つの溶液を混合すると、流入する原溶液と同等の溶液が得られ、よって正味のイオン除去または置換は全く得られない。対照的に、本発明のセルはバッチ−モード動作の結果としてセルから出て行くただ1つの溶液流をつくりだす。従って本発明のセルは、連続動作でありよって少なくとも2つの流出溶液流を用いるプロセスでは実現されない利点である、高イオン選択性、耐沈着性及び高濃度再生溶液が得られる装置を提供する。
本発明の電気化学セルにはさらに、隣り合う水分解膜の間に配置される単一で分離固定された単極イオン交換膜をもたないという特徴がある。本発明のバッチ−モード動作は溶液流を分ける単極イオン交換膜の必要性を排除する。また本セルにおいては、水分解膜は陽イオン交換層が第1の電極に対面し陰イオン交換膜が第2の電極に対面するように配置される。このことは、生産モード(例えば脱イオン)または再生モードのいずれにおいても全ての水分解膜を動作させるために必要である。いくつかの水分解膜を陽イオンまたは陰イオン交換層が互いに対面するように配置することは生産工程及び引き続く再生工程のいずれにおいても効率を低下させる。水分解膜の全ての陽イオン及び陰イオン交換層がそれぞれ第1及び第2の電極の方向に向いているので、前記2つの電極への電圧印加により与えられる電界は実質的に水分解膜の面を垂直に貫通する。このことにより、水分解反応により生成されるイオンの(最短の膜通過路を与えてイオン交換除去の効率を高めるために)前記膜の表面に垂直な方向に向かう(移動による)質量輸送を補助するか、あるいは逆に、溶液からイオンを引き出して水分解膜中に表面に垂直に引き入れるという利点が得られる。すなわち、イオン交換材の大部分を迂回するかもしれない電界すなわち電流束の発散が防止されるから、イオン交換材を完全に利用できることになる。前記膜を垂直に通過する一様な電界すなわち電流束により、水分解膜を通過する最も一様な電流分布及びイオン流パターンが得られる。
本発明のセル構成のある例において、水分解膜はさらに単一の連続する溶液チャンネルが得られるように配置される。この配列により、連続溶液流が得られ、また周界がセル内の水分解膜の陽イオン及び陰イオン層の全表面の少なくとも一部を含むチャンネルが得られる。あるいは本明細書の別の例で示されるように、水分解膜は多数の溶液チャンネル、セルを通る並行溶液流を与える配置、ただ1つの流出溶液を与えるようにセルのただ1つの流出口で合流させられる複数の流出溶液流が与えられるように配置される。上記配置では電気透析プロセスで必要な分離された廃流と製品溶液流が得られないので、電気透析セルを本配置に構成することはできない。
本発明の電気化学セルが複数の水分解膜を含む場合には、隣り合う水分解膜は溶液流が水分解膜の陽イオン及び陰イオン交換面の双方に同時にさらされる溶液チャンネルがセル内に少なくとも1本得られるように配置される。従来技術の電気透析セルは連続処理であるから、電気透析セルの全てのチャンネルにある溶液は少なくとも1つの単極イオン交換膜、あるいはライツセルでは水分解膜の2つの陽イオン交換層または2つの陰イオン交換層(のいずれかのみ)にさらされる。
本発明の電気化学セルの動作方法を、塩化ナトリウム溶液処理及び硫酸銅溶液処理について説明する。本発明を前記選ばれた2例について説明するが、本発明が他の多くの用途に用い得ることは当然であり、本明細書で与えられる例に限定されるべきではない。第1の例においては、塩化ナトリウムが溶液から除去されて濃縮される。電気化学セルはスルホン酸陽イオン交換層及び第四級アンモニウム陰イオン交換層を有する水分解膜を含む。イオン除去プロセスの第1段階において、陽イオン交換層に面している第1の電極が正に荷電され(陽極)、第2の電極が負に荷電される(陰極)。水分解膜の陽イオン及び陰イオン交換層の界面において前記溶液流中の水が成分イオンH+及びOH-に分離して、OH-は陽イオン交換面を通って第1の(正の)電極に向かって移動し、一方H+は陰イオン交換面を通って第2の(負の)電極に向かって移動する。本段階において、Na+は陽イオン交換面を通って負電極に向かい拡散し移動する。陽イオン交換層でおこっている反応は:
(1) P−SO3H+Na+=P−SO3Na+H+
(2) H++OH-=H2O
であり、ここで“P”はイオン交換基が負荷されているポリマーまたは固体支持材を表わす。水分離反応により生成され、陽イオン交換面を通って移動しているOH-はH+と反応して水になる。H+の消耗は、溶液からのNa+除去速度を高める電位及び濃度勾配を維持する。
陰イオン交換層内では、Cl-が陰イオン交換層を通って正電極に向かい拡散し移動する。陰イオン交換層でおこっている反応は:
(3) P−NR3OH+Cl-=P−NR3Cl+OH-
(4) H++OH-=H2O
である。陽イオン交換層における状況と類似して、水分解反応で生成したH+はOH-と反応し、溶液からのCl-除去速度を高める。
イオン除去段階は電圧(すなわち電流)がなくとも行うことができるが、上述した移動及び化学的中和効果がないことによりイオン除去速度は実質的に小さくなる。電圧がかけられていないと非可逆的水分解反応が生じず、よって中和反応(2)及び(4)はおこらない。従ってイオン除去速度は、陽イオン及び陰イオン交換層を通るNa+,H+,Cl-及びOH-の拡散速度によってのみ支配される。
水分解膜の陽イオン及び陰イオン交換層内のイオン交換基がそれぞれNa+及びCl-イオンで完全に占有されると、水分解イオン交換膜を反応(1)〜(4)の前の初期の化学的状態に戻すために再生処理が必要である。本段階においては溶液流、例えば第1段階で処理される塩化ナトリウム溶液と同じ溶液がセルに取り入れられ、電極の極性が逆転されて今度は第1の電極が負電極に、また第2の電極が正電極となる。本段階においては、水分解反応により生成されたH+は負電極に向かい陽イオン交換層を通って移動し、反応(5)を生じる:
(5) P−SO3Na+H+=P−SO3H+Na+
同様に、水分解反応で生成されたOH-は負電極に向かい陰イオン交換層を通って移動し、反応(6)をおこさせる:
(6) P−NR3Cl+OH-=P−NR3OH+Cl-
陽イオン及び陰イオン交換層でH+及びOH-と置換されたNa+及びCl-は、化合して廃液流中のNaClとなる。本再生段階中の溶液流量を制御することにより、イオン除去段階中の流入溶液流に存在したNaCl濃度より実質的に高いNaCl濃度をつくることができる。反応(1)〜(4)におけるイオン除去が溶液流の脱イオンを目的とするのであれば、反応(5)及び(6)の間につくられるNaClは捨てられる。本装置におけるNaCl除去の目的がこの塩の単離であれば、さらに処理するために濃縮NaCl溶液は取っておかれる。
本例のセルの動作を、溶液からのCuSO4除去及び引き続く濃縮に関して説明する。水分解膜の陽イオン及び陰イオン交換層にはいずれかの適当なイオン交換材を用いることができる。例えば陽イオン交換層はP−COOH基を含むことができ、陰イオン交換層はP−NR2H基を含むことができる。イオン除去の間、水分解反応で生成されたOH-はやはり正電極に向かい陽イオン交換層を通って移動し、反応(7)及び(8)が陽イオン交換層内でおこる:
(7) P−COOH+OH-:P−COO-+H2O
(8) 2P−COO-+Cu+2=(P−COO)2Cu
熱力学的に不利であるために、Cu+2をP−COOHのH+と直接置換することはできず、よって反応(7)でP−COOHからH+を除去してCu+2と容易に反応するP−COO-を形成する必要がある。
陰イオン交換層にいては、水分解反応で生成されたH+が負電極に向かい陰イオン交換層を通って移動し、反応(9)及び(10)を生じさせる:
(9) P−NR2+H+=P−NR2H+
(10)2P−NR2H++SO44-2=(P−NR2H)2SO4
反応(9)は中性P−NR2からイオン基を生じさせ、引き続く反応(10)におけるSO4 -2との反応をおこさせる。
イオン除去が完了すると、陽イオン及び陰イオン交換層は、セルを通してイオン除去時と同じかあるいは別の溶液を流し、電極の極性を逆転することにより、イオン除去前の状態に戻される。水分解反応により生成されたH+は今度は陽イオン交換層を通って移動し、反応(11)を生じる:
(11)(P−COO)2Cu+2H+=2P−COOH+Cu+2
また水分解反応で生成されたOH-は陰イオン交換層を通って移動し、反応(12)を生じる:
(12)(P−NR2H)2SO4+2OH-=2P−NR2+2H2O+SO4 -2
反応(11)及び(12)はともに熱力学的に有利であり、溶液流中にCuSO4を濃縮させる。引き続く工程において銅及び/または硫酸は溶液から回収されるか、または捨てられる。
前記2つの例で示されたイオン交換材におけるイオン置換方法は、概括的には以下のように説明される。水分解膜は、1つが陽イオン交換層であり、もう1つが陰イオン交換層である、イオン交換層A及びBを含み、これらの層はそれぞれイオンI1A及びI1Bを含む。イオン含有溶液が電極及び水分解膜を電気的に接続し、2つの電極に十分な電圧を印加すると、水がイオン交換層A及びBの間の界面領域で成分イオンH+及びOH-に“分離”される。この現象は“水分離反応”と称され、水の成分イオンH+及びOH-への自然解離(解離は電界の有無に関わらずおこる)を含み、続いて電界の影響の下でこれらのイオンがイオン交換層A及びB内に移動する。H+は陰電極に向かって移動し、OH-は陽電極に向かって移動する。H+及びOH-が層A及びB内に移動するにつれて、より多くの水が前記界面領域に拡散し、水分解反応サイクルを続けさせる。H+及びOH-はイオン交換層A及びBを通って移動しながら、イオンI1A及びI1Bのそれぞれ溶液からのイオンI2A及びI2Bによる置換を生じさせる。イオン交換層A及びB内での前記イオン置換は、例えばP−SO3 -イオン交換基におけるNa+に対するH+のような直接置換であってもよいし、例えばOH-が第1段階でP−COOHと反応してP−COO-を形成し、次いでCu+2と反応して結合する場合におこるような間接置換であってもよい。
セルを通るただ1つの溶液流におけるイオン除去または置換のための前記電気化学セル及び方法は、バッチ型イオン交換及と電気化学的再生のそれぞれの利点を結びつける能力において独特である。すなわち前記セルにより、従来のイオン交換の代表的利点である、高イオン選択性、耐無機物スケール沈着性、及び高濃度再生廃溶液が得られる。再生に電気を用いることにより、前記セルは化学薬品を避けまた洗浄水量を低減することができ、よって環境災害を実質的に減少させる。電気的再生はまた、再生廃溶液の化学薬品による汚染を排除し、製品溶液の回収あるいは廃液の廃棄を容易にする。また利点の上記結合は、IBE装置のような多数の電極を必要とせずに達成される。
図9を参照して、溶液から多価イオンを選択的に除去するための電気化学セル集成装置を説明する。本集成装置は、第1及び第2の電極40a及び45aを前記第1及び第2の電極の間におかれた少なくとも1つの水分解膜100aとともに含む、第1の電気化学セル20aを含む。陽イオン交換面105aは第1の電極40aに対面し、陰イオン交換面は110aは第2の電極45aに対面しており、電極は電圧源50aにより電力が与えられている。本集成装置はさらに、第1及び第2の電極40b及び45bを前記第1及び第2の電極の間におかれた少なくとも1つの水分解膜100bとともに含む、第2の電気化学セル20bを含む。陽イオン交換面105bは第1の電極40bに対面し、陰イオン交換面は110bは第2の電極45bに対面している。本集成装置はさらに、溶液流を前記第1及び第2のセルに分配し、第1のセル20aには第1の流量で、また第2のセル20bには第2の流量で前記溶液流を流すための流量制御器37を含む。溶液は流入口30aを通って第1のセル20aに流入し第1の流出流として流出口35aから外に出る。同様に、溶液は流入口30bを通って第2のセル20bに流入し第2の流出流として流出口35bから外に出る。第1及び第2の流量は、2つのセルからの第1及び第2の流出溶液が合流してセル集成装置流出口36から出て行く流出溶液のイオン濃度が所望の値になるように選ばれる。本集成装置はさらに、(i)前記第1及び第2の流出流のイオン濃度測定、(ii)測定されたイオン濃度に比例する出力信号発生、及び(iii)流量制御器37への前記信号送出のためのイオンメータ38a及び38bを含む。次いで、流量制御器37はセンサ38a及び38bからの出力信号に応答して第1及び第2のセル20a及び20bへの溶液流を配分し、2つのセルのただ1つの流出口36を通過する合流した流出溶液のイオン濃度を制御する。
本形態において、第1のセル20aのイオン除去効率は第2のセル20bより高く保たれている。すなわち第2の流出流中の溶解1価イオンの平均濃度は、水処理サイクルの全過程にわたって、第1の流出流中の溶解1価イオンの平均濃度より高い。第1のセル20aは動作サイクルの開始時に実質的に完全に再生され、第1のセルの水分解膜の陽イオン及び陰イオン交換膜は、それぞれ実質的にH+及びOH-を含む。第1のセル20aは再生されたセルであることが望ましい。すなわち第1のセル20aは溶液流から1価及び多価イオンをともに除去する水の脱イオン器として機能する。対照的に、第2のセル20bのイオン交換容量は劣化しており、H+及びOH-以外に1価及び多価イオンを含む。第2のセル20bは前動作サイクルにおいては第1のセル20aとして用いられ、よってイオン交換容量が少なくとも部分的に消耗していることが望ましい。イオン交換容量はセルが溶液からさらに1価イオンを吸収する能力を意味する。第2のセルの1価イオンに対するイオン交換容量は前に使用されていることにより実質的に消耗していることが望ましい。よって溶液が第2のセル20bを通過するとともに、溶液中の多価イオンが水分解膜中の1価イオンを置換する。すなわち第2のセル20bは軟水器として機能する。塩溶液による再生後、従来の軟水器のイオン交換樹脂ビーズは1価イオン(ナトリウムが最も多い)を含む。望ましい(スルホン酸基を有する)イオン交換材料はほぼ10倍の親和性を多価イオンに対してもつことにより、溶液流から吸収される多価イオンで前記1価イオンが置換される。
図10に示すように、前記集成装置はまた第1及び第2の電極40c及び45c、前記電極の間の少なくとも1枚の水分解膜、及び電極に電力を供給する電圧源50cを含む第3のセル20cも含む。分離された溶液流がセル20a及び20bを通して流れている間に、溶液流を流入口30cを通して流すための手段37も含まれる。極性切換手段52が第3のセルの電極40c及び45cの極性を逆転するために備えられる。逆極性機能で動作している第3のセルは、第1及び第2のセルの動作中に第3のセル自体を再生するように働く。廃水流41とセル20cの外に出てくる製品流36とを分離するための分離手段36も備えられる。図9及び10の多セル集成装置は、手段37及び39の一部として、溶液流のセル20a,20b及び20cの出入りの向きを切り換えるための切換能力をさらに含むことができる。例えば第2のセル20bの多価イオン除去容量が消耗した後に自動的にセル20bの再生を開始するか、あるいは再生されたセル20cを第1のセル20aとしての使用に対して用意するために、センサーフィードバック手段38a,38b及び38cからの信号に応答して、流れ及び電圧極性切換動作をおこすことができる。
第1及び第2のセル20a及び20b、並びに随意に第3のセルをもつ前記集成装置の動作を、図9に示したような少なくとも2つの電気化学セルを含む集成装置を用いる、溶液からの多価イオン除去方法に関して説明する。本方法を、硫酸カルシウム及び塩化ナトリウムを混合して含有する溶液の処理について説明する。本例のセルのいずれに対しても、水分解膜の陽イオン及び陰イオン交換層はそれぞれ、スルホン酸基及び第四級アンモニウム基を含み、陽イオン交換層が正電極(第1の電極が正)に向かって面している。あるいは水分解膜は、他のイオン交換基、例えば弱酸性、弱塩基性、またはキレート錯体形成イオン交換基を含むこともできる。溶液流は、本集成装置の第1及び第2のセルの間でそれぞれ第1及び第2の流量をもって分配される。第1のセルにおいては、陽イオン交換材内で反応(13)〜(15)がおこる:
(13)P−SO3H+Na+=P−SO3Na+H+
(14)2P−SO3H+Ca+2=(P−SO3)2Ca+2H+
(15)2P−SO3Na+Ca+2=(P−SO3)2Ca+2Na+
反応(15)で放出されたナトリウムイオンは反応(13)で消費されることもある。陰イオン交換材内では反応(16)〜(18)がおこる:
(16)P−NR3OH+Cl-=P−NR3Cl+OH-
(17)2P−NR3OH+SO4 -2=(P−NR3)2SO4+2OH-
(18)2P−NR3Cl+SO4 -2=(P−NR3)2SO4+2Cl-
反応(18)で放出された塩素イオンは反応(16)で消費されることもある。反応(13)〜(18)を介した、溶液内のナトリウムイオン、カルシウムイオン、塩素イオン及び硫酸イオンによる水分解膜内での水素イオン及び水酸イオンの置換は、前記第1の流出溶液の等価イオン濃度を実質的に減少させる。等価イオン濃度は、溶液内の電荷についてのモル/リットルである。例えば硫酸カルシウム1モル/リットル及び塩化ナトリウム2モル/リットルは、それぞれ2電荷モル/リットル(これが等価イオン濃度である)を有する。第1のセルを通過する溶液に対するカルシウムイオン濃度の減少率は少なくとも60%であることが望ましく、少なくとも70%であることがさらに望ましく、少なくとも80%であることが最も望ましい。反応(15)及び(18)は、スルホン酸及び第四級アンモニウムイオン交換基が1価のナトリウム及び塩素イオンに対するより強い親和性を2価のカルシウム及び硫酸イオンに対して有する結果としておこる。従ってカルシウム及び硫酸イオンは第1のセル20aの流入口近くにおいて濃度が高く、ナトリウム及び塩素イオンは第1のセルの流出口により近い下流側でイオン交換基を占有する。水処理サイクルは、第1の流出溶液の等価イオン濃度が前もって定められたレベルに到達したときに完了する。次いで第1のセル20aは次のサイクルで第2のセル20bとしての使用に対して用意される。
第1の溶液が第1の流量をもって反応(13)から(18)により処理されている間に、前記流入溶液の残余部分は並行して第2のセルを第2の流量で通過している。第2のセル20bは前サイクルで第1のセル20aとして働いたので、その水分解膜は流入口近くでカルシウム及び硫酸イオンを含み、流出口近くでナトリウム及び塩素イオンを含む。よって第2のセルでは反応(19)及び(20)が支配的である:
(19)2P−SO3Na+Ca+2=(P−SO3)2Ca+2Na+
(20)2P−NR3Cl+SO4 -2=(P−NR3)2SO4+2Cl-
第2のセルにおけるカルシウムイオン濃度の減少率は少なくとも50%であることが望ましく、少なくとも60%であることがさらに望ましく、少なくとも70%であることが最も望ましい。反応(19)によるイオン交換材内におけるナトリウムのカルシウムによる置換は、通常の軟水化反応である。本発明の方法はさらに溶液からの2価の陰イオンを除去する(反応20)が、これは通常の軟水化ではおこらない。本集成装置から外に出る溶液流は第1及び第2の流出溶液の混合液であり、従って(1)2価のカルシウム及び硫酸イオンが実質的に存在せず、また(2)等価イオン濃度が減少している。対照的に、通常の軟水化はカルシウムイオンのそれぞれに対する2個のナトリウムイオン置換からなり、2価の陰イオンまたは等価イオン濃度は減少しない。
第2のセル20bでもサイクル開始時点においては、まだイオン交換基のいくらかはH+及びOH-を含んでいる(第2のセルとして使用する前の段階で第1のセルのイオン交換容量は完全には消耗されていない)ので、脱イオン反応(13),(14),(16)及び(17)もおこる。これら残余H+及びOH-は第2の流出溶液内の等価イオン濃度を低下させるが、低減の程度は第1のセル20aよりも小さい。前記サイクルが進み、H+及びOH-が置換されるにつれて、第2の流出溶液の等価イオン濃度は増加し、前記流入溶液流の等価イオン濃度に近づく。本集成装置流出溶液に一定で前もって定められた等価イオン濃度を溶液処理サイクルを通してもたせるために、図9に示したように、第1及び第2の流出溶液のイオン濃度をモニタするためのセンサ並びに第1及び第2の流量(脱イオン効率は流量の関数である)を変えるための流量制御器を含むフィードバックシステムを含めることができる。
前記水処理サイクルの完了した時点で、消耗した第2のセル20bは次のサイクルにおける第1のセル20aとしての使用のための用意をするために再生される。このオフライン動作では、陽イオン交換層が負電極に向かって面するように第2のセル20bの電極極性を逆転し、別の溶液流を取り入れる必要がある。陽イオン交換層においては反応(21)及び(22)がおこる:
(21)(P−SO3)2Ca+2H+=2P−SO3H+Ca+2
(22)P−SO3Na+H+=P−SO3H+Na+
陰イオン交換層においては反応(23)及び(24)がおこる:
(23)(P−NR3)2SO4+2OH-=2P−NR3OH+SO4 -2
(24)2P−NR3Cl+OH-=P−NR3OH+Cl-
再生中に、陽イオン交換層内のナトリウムイオン及びカルシウムイオンは実質的に水素イオンで置換され、陰イオン交換層内の塩素及び硫酸イオンは実質的に水酸イオンで置換される。再生流出溶液には全サイクルで除去されたカルシウムイオン、ナトリウムイオン、硫酸イオン及び塩素イオンのみが含まれる。化学的再生の間に取り込まれるようなその他のイオンは含まれない。
概括的にいえば、溶液流から多価イオンを除去するための本方法は電流に第1及び第2のセル20a,20bを通過させることを含む。第1の電気化学セル20aは、セルを通る単一の連続する溶液流が得られるように、第1及び第2の電極40a,45a並びに前記電極の間の少なくとも1枚の水分解イオン交換膜100aを含む。前記水分解膜100aは、1つは陽イオン交換層でありもう1つは陰イオン交換層である、2つのイオン交換層A及びBを含み、前記層はそれぞれイオンI4A及びI4Bを含む。イオンI4A及びI4Bは実質的にH+及びOH-である。イオン含有溶液が第1の流量をもって第1のセル20aを通して流れ、前記電極と水分解膜とを電気的に接続する。第2の電気化学セル20bは、セルを通る単一の連続する溶液流が得られるように、第1及び第2の電極40b,45b並びに前記電極の間に配された少なくとも1枚の水分解イオン交換膜100bを含む。前記水分解膜は、1つは陽イオン交換層でありもう1つは陰イオン交換層である、2つのイオン交換層A及びBを含み、前記層はそれぞれイオンI5A及びI5Bを含み、イオンI5A及びI5BはH+及びOH-以外の1価のイオン(例えばナトリウムイオン)を含む。イオン含有溶液が第2の流量をもって第2のセル20aを通して流れ、前記電極と水分解膜とを電気的に接続する。
前記第1及び第2のセル20a,20bの2つの電極に十分な電圧を印加すると、第1のセル20aにあるイオンI4A及びI4Bはそれぞれ流入溶液からのイオンI2A及びI2Bで置換される。同様に、第2のセル20b内のイオンI5A及びI5BはそれぞれイオンI2A及びI2Bで置換される。第1のセル20aからの第1の流出溶液は、第1のセルが原溶液から1価及び多価イオンをともに除去するので実質的に脱イオンされる。第2のセル20bにおいては多価イオンは効率的に除去されるが、第2のセルはサイクル開始時点で実質的に1価のイオンを含んでいるため、除去される1価イオンはかなり少なくなる。第1及び第2の流出溶液は本セル集成装置の流出口で合流し、前記流入溶液流より実質的に低い多価及び等価イオン濃度を有する溶液流になる。溶液流から多価イオンを除去する本方法はさらに、前もって定められたイオン濃度をもつ第1及び第2の流出流を得るために、第1及び第2のセル20a,20bを通る溶液の流量を制御する段階を含む。また本方法は第1及び第2の流出流の組成をモニタし、第1及び第2の流出流の前記組成に関連して第1及び第2のセルを通る溶液流量を調節する段階を含むこともできる。
多価イオンに対する第2のセル20bの容量が許容レベル以下まで低下すると、第2のセル20bは、第2のセル20bの電極の極性を逆転し、別の溶液流を取り入れることにより、第1のセル20aとしての使用のための用意をするために再生される。本再生は、イオンI2A及びI2BをそれぞれイオンI4A及びI4Bにより置換する(イオンI4A及びI4Bは実質的にH+及びOH-である)。再生が完了すると、前回の第1のセルが第2のセルとなり、再生された第2のセルが第1のセルとなる。水処理工程を中断させる必要なしに使い尽くされた第2のセルの再生ができるように、第3のセル20cを本方法に採用することができる。第3の電気化学セル20cは、単一の連続する溶液流が得られるように、第1及び第2の電極40c,45c並びに前記電極の間に配された少なくとも1枚の水分解イオン交換膜100cを含む。前記水分解膜100cは、1つは陽イオン交換層でありもう1つは陰イオン交換層である、2つのイオン交換層A及びBを含み、前記層はそれぞれイオンI2A及びI2Bを含む。第1及び第2のセル20a,20bに流入する溶液とは分離されている溶液が、第2のセル20cの電極と水分解膜とを電気的に接続する。第3のセル20cの極性は第1及び第2のセルの極性に対して逆転され、第3のセル内でイオンI2A及びI2BがそれぞれイオンI4A及びI4Bに置換される。本再生段階の完了時点において、第3のセル20cは第1のセル20aとしての使用に対する用意ができている。多価イオンに対する第2のセルの容量が許容レベル以下まで低下すると、前記新しく再生された第3のセルが第1のセルにとって代わり、消耗した第1のセルが第2のセルとなり、第2のセルが第3のセルになる。
多価イオン除去のための本電気化学セル集成装置及び方法は、実質的に多価イオンの存在しない水(例えば軟化水)を与える一方で溶液の等価イオン濃度を低下させる能力をもつことから新規である。本装置及び方法はさらに、塩化ナトリウム塩または塩化カリウム塩を用いる頻繁な再生の必要がない電気的再生という重要な利点も提供する。例えば住宅用の軟水化に対しては、多価イオンを除去しながら等価イオン濃度を低下させるという本発明の集成装置及び方法の能力により通常の軟水器で生成されるより1価の塩が少ない水が得られる。前記低められた総塩濃度によりさらに味のよい水が得られるだけでなく、塩化ナトリウム摂取量を抑える必要がある個人に対して健康上の利点が与えられる。さらに電気的再生の使用により、消費者が数週おきに彼等の通常の軟水器に補充するために彼らが住む地域の雑貨店で50ポンド入りの塩の袋を購入し、家まで運ぶ必要がなくなる。電気的再生により、下流の地方自治体廃棄物処理プラントの正常操業を妨害し得る、塩に富んだ再生溶液の下水道への廃棄を防止するという、さらなる利点が得られる。電気的再生によれば、前回の水処理サイクルにおいて除去されたイオンのみが下水道に瞬間的に流される。
実施例1
水で膨潤した、14cm×7cmで膨潤したときの厚さが約2mmの水分解イオン交換膜7枚、連続シートDSA電極(有標触媒付チタン基板触媒;エレクトロード社(Electrode Corporation))2枚及び2mm厚ブナN(加硫ゴム)ガスケット8個で、図1で説明したような板枠セルを組立てた。ハウジングは17cm×10cm、厚さ2.5cmの硬質プラスチック板からなり、板の縁を貫通する12本の金属ボルトで均一に締め付けた。電気的接続は、前記電極と前記プラスチック板の外側に金属バネで取り付けたワッシャとの間で行った。
前記水分解膜は異質タイプのものであり、2つのイオン交換膜層で作成されている。陰イオン交換材は、塩素形態に転換された(重量で)66%真空乾燥PAO(PAOは水酸形態の顆粒化された第四級アンモニウムイオン交換樹脂である;グレイバー社(Graver Corporation))及び34%マーレックス(Marlex)6003(高密度ポリエチレン;フィリップス社(Phillips Corporation))から作成した。陽イオン交換材は、ナトリウム形態に転換された60%真空乾燥PCH(PCHは酸形態の顆粒化されたスルホン化陽イオン交換材である;グレイバー社)及び40%マーレックス6003で作成した。前記イオン交換樹脂は、シグマブレード(容量50cc)を取り付けたブラベンダー(Brabender)混合機を用いて前記ポリエチレンと185℃で7分間混合し、190℃で15cm×15cm,厚さ0.75mmのスラブに圧縮成形して膜を作成した。次いで陽イオン交換層を陰イオン交換層に積層して、乾燥状態で厚さ1.5cmmのシートを形成することにより、水分解イオン交換膜を作成した。この膜は水で膨潤して、厚さが約2mmになる。セルに使用するための水分解膜を、水膨潤膜から14cm×7cmの大きさに切り出した。
最大電流が60または120mAで、最高電圧が127Vの電源を使用した。前の実験で溶液から吸収されたイオンを排出するため、陽イオン交換層に面している第1電極を負極性として、60または120mA(約40V)で60ないし120分間、前記セルを再生した。導電度1000μS/cmの水溶液を流量5ミリリットル/分でセルを通過させた。本溶液はCaCl2を1.83ミリモル、MgSO4を0.82ミリモル、NaHCO3を2.40ミリモル含有していた。再生中に収集された脱イオン水の流出流のイオン導電度を記録した。
電極の極性を逆転して同じ溶液1.89リットルを脱イオンした。脱イオンを通して電圧は127Vに保ち、この間電流は23mAから53mAまで変化した。処理済溶液のイオン導電度を記録した。測定した脱イオン効率に対する再生電流及び時間の影響を、%イオン除去率で表1に示す。再生中は、再生済で収集された溶液のイオン導電度が流入溶液のイオン導電度より高いことは明らかであり、再生中にイオンが水分解膜から排出され、流出溶液に濃縮されることを示している。高脱イオン効率(98%に達するイオン除去率)が本装置を用いて得られることもわかる。さらに、再生中に消費される水の量も少なく、300から600ミリリットル(製品水量の16%から32%)にすぎない。
実施例2
実施例1のセルを用いて、脱イオン電圧の影響を調べた。再生を120mAで120分間行い、次いで1.89リットルを脱イオンした。再生及び脱イオンのいずれに対しても、水の導電度は1000μS/cmで流量は5ミリリットル/分であった。脱イオンの間に電圧を0V(無電力)から127Vまで変化させたときの結果を表2に示す。水からイオンを除去するのに電力は必要ないが、脱イオン効率は低電圧(例えば40V)の場合でさえ実質的に改善される。
実施例3
溶液流から多価イオンを除去する装置及び方法を、並列動作する2つのセルを用いて説明した。各セル(第1及び第2のセル)を図8で説明したような構成の3枚螺旋巻きカートリッジとし、溶液流に対して直列に接続した。いずれのカートリッジの水分解膜も幅7cm,長さ77cm,厚さ1mmであり、硬質の高密度ポリエチレンではなく柔軟なエチレン共重合体バインダーを用いたことを除き、前述の実施例と同じ組成とした。スペーサには、幅7cm,長さ85cmの、1mm厚ポリプロピレン網(XN1678;コンウェッド・プラスチック(Conwed Plastic)社)を用いた。各螺旋巻き構造は、直径8.5cm(高さ7cm)で、陽イオン交換層を外側面とした。頂部及び底部をエルバックス(Elvax)4310接着剤(デュポン(DuPont)社)及びポリエチレン製キャップで封止し、内側面及び外側面に3つの均等に隔てられた(ほぼ120°離れた)開口を有するカートリッジを作成した。各カートリッジのキャップの1つに直径1cmの穴を開け、螺旋巻きされた水分解膜の中心部を点検できるようにした。
各カートリッジを、内径が4.00インチ(肉厚0.25インチ)で長さが8cmの円筒プレキシガラスハウジング内に設置した。各プレキシガラスチューブの一端を、厚さ0.25インチ、直径4.5インチのプレキシガラス板で封止した。1/8インチの管用ねじ付孔を前記第1のプレキシガラスと同じ寸法の第2のプレキシガラス板の中心に設け、次いでカートリッジ用穴開きエンドキャップをエンドキャップの穴とプレキシガラス板の孔の位置合わせに注意しながらプレキシガラスのふたにエルバックス4310を用いて接着した。プレキシガラス板の前記ねじ付孔に中央電極(有標触媒付2mmチタン;エレクトロード社)及び溶液流用開口を有するポリプロピレン製継手を取り付けた。1/8インチの管用ねじ付孔をカートリッジの第2の開口として前記ハウジングの壁に設けた。ハウジングの内壁にエキスパンデッドメッシュ電極(有標触媒付チタン;エレクトロード社)を張り付けた。いずれのセルに対しても、溶液を初めの2つのカートリッジでは外側面から内側面に流し、第3のカートリッジでは内側面から外側面に流した。2つのセルの前記3つのカートリッジのそれぞれについて、127Vで電力を与えた。
0.90ミリモルのCaCl2及び5.0ミリモルのNaClからなる溶液流を、ポンプを用いて第1及び第2のセルに30ミリリットル/分(総流量60ミリリットル/分)で流した。第1のセルは新しく再生したばかりであり、第2のセルは前回の実験で第1のセルとして用いたものである。ナトリウム及びカルシウムイオン濃度を時間に対して測定した。第1及び第2のセルについての結果を2つのセルからの流出溶液を1つにまとめたものの組成とあわせて表3にまとめてある。装置の250分動作を通して、合体流出溶液は最大でも流入溶液に存在するカルシウムイオンの12%しか含んでいなかった(総計して15リットルの処理水から91%のカルシウムが除去された)。同時に、前記サイクルを通して少なくとも48%のナトリウムイオンが溶液から除去された(総計して、75%のナトリウムが15リットルの処理溶液から除去された)。すなわち15リットルの処理に対して等価イオン濃度は80%低下した(初期溶液は6.8ミリファラデー,最終溶液は1.3ミリファラデー)。
本発明をその特定の望ましい実施の形態を参照してかなり詳細に説明したが、その他の形態もありうる。従って添付請求の範囲の精神及び範囲は本明細書に含まれる前記望ましい形態に限定されるべきではない。
Claims (35)
- 溶液流からイオンを除去することができる電気化学セルにおいて、前記セルが:
(a)第1及び第2の電極を有するハウジング;
(b)前記電極間に配置され、(i)前記第1の電極に面している陽イオン交換面、及び(ii)前記第2の電極に面している陰イオン交換面を含む少なくとも1枚の水分解イオン交換膜;
(c)前記水分解膜により定められ、(i)流入溶液流のための流入口、(ii)1つまたはそれ以上の処理済溶液流を形成するために前記流入溶液流が前記水分解膜の少なくとも1つの面を流れ過ぎることができるようにする少なくとも1本のチャンネル、及び(iii)ただ1つの流出溶液を形成するために前記処理済溶液を合流させるただ1つの流出口を有する溶液流路;
を含むことを特徴とする電気化学セル。 - 前記溶液流路が前記水分解膜の前記陽イオン及び陰イオン交換面の双方を流れ過ぎる単一で連続する溶液チャンネルを含むことを特徴とする請求の範囲第1項記載の電気化学セル。
- 前記溶液流路が前記溶液チャンネルの全体を通して途切れのない順路で連結され、前記流入口から前記流出口まで実質的に連続して伸びていることを特徴とする請求の範囲第2項記載の電気化学セル。
- 単極イオン交換膜を実質的に含まないことを特徴とする請求の範囲第1項記載の電気化学セル。
- 複数の水分解膜を含み、前記溶液流路が(i)前記電極、及び(ii)前記複数の水分解膜のそれぞれの前記陽イオン及び陰イオン交換面の双方を流れ過ぎる単一で連続する溶液チャンネルを含むことを特徴とする請求の範囲第1項記載の電気化学セル。
- 複数の水分解膜を含み、前記溶液流路が複数のチャンネルを含み、前記複数のチャンネルのそれぞれは前記流入溶液が隣り合う水分解膜の前記陽イオン及び陰イオン交換面を流れ過ぎることができるようになっていることを特徴とする請求の範囲第1項記載の電気化学セル。
- インターディジタル構成に配置された、前記ハウジングに互い違いに取り付けられる縁を有する複数の水分解膜を有することを特徴とする請求の範囲第1項記載の電気化学セル。
- (i)前記水分解膜が円筒形をなすように螺旋巻き構成に巻かれ、(ii)前記第1または第2の電極が前記水分解膜の前記螺旋巻き構成を取り囲んでいる円筒を含むことを特徴とする請求の範囲第1項記載の電気化学セル。
- 前記水分解膜が下記(a)から(e)の特徴の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求の範囲第1項記載の電気化学セル:
(a)−SO3M,−COOM,−PO3M2,−C6H4OM,脂肪族アミン,芳香族アミン,脂肪族ホスフィン,芳香族ホスフィン,脂肪族スルフィド,芳香族スルフィド,リン酸アミン,カルボン酸アミン,ヒドロキサム酸,及びこれらの混合物からなる群から選ばれる化学基を含む陽イオン交換面、ここでMは陽イオンである;
(b)脂肪族アミン,芳香族アミン,脂肪族ホスフィン,芳香族ホスフィン、脂肪族スルフィド,芳香族スルフィド,及びこれらの混合物からなる群から選ばれる化学基を含む陰イオン交換面;
(c)前記水分解膜のそれぞれの少なくとも1つの交換面は平均寸法が少なくとも1ミクロンの細孔を含む;
(d)前記水分解膜のそれぞれの少なくとも1つの交換面は少なくとも総体積が10体積%の細孔を含む;
(e)前記膜は異質膜であり、架橋した水膨潤可能な高分子ホスト材料を含む。 - 前記水分解膜の前記陽イオン交換面が少なくとも2つの陽イオン交換層を含み、前記少なくとも2つの陽イオン交換層はそれぞれ相異なる陰イオン化学基を含むことを特徴とする請求の範囲第1項記載の電気化学セル。
- 前記水分解膜の前記陰イオン交換面が少なくとも2つの陰イオン交換層を含み、前記少なくとも2つの陰イオン交換層がそれぞれ相異なる陽イオン化学基を含むことを特徴とする請求の範囲第1項記載の電気化学セル。
- 電気化学的イオン交換装置において:
(a)請求の範囲第1項記載の電気化学セル;
(b)前記第1及び第2の電極に電圧を供給するための電圧源;
(c)前記セルを通して流入溶液流を流すための手段;
を含むことを特徴とする電気化学的イオン交換装置。 - 溶液流からイオンを除去することができる電気化学セルにおいて、前記セルが:
(a)第1及び第2の電極を有するハウジング;
(b)前記電極間に配置され、(i)前記第1の電極に面している陽イオン交換面、及び(ii)前記第2の電極に面している陰イオン交換面を含む少なくとも1枚の水分解イオン交換膜;
(C)流入溶液流が(i)前記電極、及び(ii)前記水分解膜の前記陽イオン及び陰イオン交換面の双方を流れ過ぎることができるようにする単一で連続する溶液チャンネル;
を含むことを特徴とする電気化学セル。 - 前記単一で連続する溶液チャンネルが該溶液チャンネルの全体を通して途切れのない順路で連結され、前記ハウジングの流入口から流出口まで実質的に連続して伸びていることを特徴とする請求の範囲第13項記載の電気化学セル。
- 単極イオン交換膜を実質的に含まないことを特徴とする請求の範囲第13項記載の電気化学セル。
- 複数の水分解膜を含むことを特徴とする請求の範囲第13項記載の電気化学セル。
- 前記複数の水分解膜が、前記ハウジングに互い違いの縁で取り付けられるインターディジタル構成に配置されていることを特徴とする請求の範囲第13項記載の電気化学セル。
- (i)前記水分解膜が円筒形をなすように螺旋巻き構成に巻かれ、(ii)前記第1または第2の電極が前記水分解膜の前記螺旋巻き構成を取り囲んでいる円筒を含むことを特徴とする請求の範囲第13項記載の電気化学セル。
- 前記水分解膜が下記(a)から(e)の特徴の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求の範囲第13項記載の電気化学セル:
(a)−SO3M,−COOM,−PO3M2,−C6H4OM,脂肪族アミン,芳香族アミン,脂肪族ホスフィン,芳香族ホスフィン,脂肪族スルフィド,芳香族スルフィド,リン酸アミン,カルボン酸アミン,ヒドロキサム酸,及びこれらの混合物からなる群から選ばれる化学基を含む陽イオン交換面、ここでMは陽イオンである;
(b)脂肪族アミン,芳香族アミン,脂肪族ホスフイン,芳香族ホスフィン、脂肪族スルフィド,芳香族スルフィド,及びこれらの混合物からなる群から選ばれる化学基を含む陰イオン交換面;
(c)前記水分解膜のそれぞれの少なくとも1つの交換面は平均寸法が少なくとも1ミクロンの細孔を含む;
(d)前記水分解膜のそれぞれの少なくとも1つの交換面は少なくとも体積が10体積%の細孔を含む;
(e)前記膜は異性膜であり、架橋した水膨潤可能な高分子ホスト材料を含む。 - 電気化学的イオン交換装置において:
(a)請求の範囲第13項記載の電気化学セル;
(b)前記第1及び第2の電極に電圧を供給するための電圧源;
(c)前記セルを通して流入溶液流を流すための手段;
を含むことを特徴とする電気化学的イオン交換装置。 - 溶液から多価イオンを選択的に除去するための電気化学セル集成装置において、前記集成装置が:
(a)第1の電気化学セル、ここで前記第1の電気化学セルは:
(1)2つの電極;
(2)前記電極の間にあって、第1の電極に面している陽イオン交換面及び第2の電極に面している陰イオン交換面を含む少なくとも1枚の水分解イオン交換膜;
(3)(i)流入溶液流のための流入口、(ii)流入溶液流が1つまたはそれ以上の処理済溶液流を形成するために前記水分解膜の少なくとも1つの面を流れ過ぎることができるようにする少なくとも1本のチャンネル、及び(iii)第1の流出溶液を形成するために前記処理済溶液流を合流させるただ1つの流出口を有する第1の溶液流路;
を含む;
(b)少なくとも1つの第2の電気化学セル、ここで前記少なくとも1つの第2の電気化学セルは:
(1)2つの電極;
(2)前記電極の間にあって、第1の電極に面している陽イオン交換面及び第2の電極に面している陰イオン交換面を含む少なくとも1枚の水分解イオン交換膜;
(3)(i)流入溶液流のための流入口、(ii)流入溶液流が1つまたはそれ以上の処理済溶液流を形成するために前記水分解膜の少なくとも1つの面を流れ過ぎることができるようにする少なくとも1本のチャンネル、及び(iii)第2の流出溶液を形成するために前記処理済溶液流を合流させるただ1つの流出口を有する第2の溶液流路;
を含む;
(c)前記第1及び第2のセルの前記電極に電圧を供給するための手段;
(d)溶液流が前記第1のセルに第1の流量で流入し、前記第2のセルに第2の流量で流入するように前記溶液流を前記第1のセルと前記第2のセルに分配するための流量制御器、ここで前記第1及び第2の流量は前記第1及び第2の流出溶液を合流させた合流流出溶液で所望の多価イオン濃度が得られるように選ばれる;
を含むことを特徴とする集成装置。 - 前記第1及び第2のセルが単極イオン交換膜を実質的に含まないことを特徴とする請求の範囲第21項記載の集成装置。
- 前記セルのいずれにおいても、前記セルのそれぞれの内にある前記溶液流路が前記それぞれのセル内で前記陽イオン及び陰イオン交換面の双方を流れ過ぎることができるように前記水分解膜が配置されていることを特徴とする請求の範囲第21項記載の集成装置。
- 前記それぞれのセルにおける前記溶液流路の少なくとも一部が陽イオン及び陰イオン交換面に同時にさらされることを特徴とする請求の範囲第21項記載の集成装置。
- 前記第2の流出溶液の等価イオン濃度が前記第1の流出溶液の等価イオン濃度の少なくとも2倍であることを特徴とする請求の範囲第21項記載の集成装置。
- 前記第1のセルが前記流入溶液流から1価及び多価イオンを除去し、前記第2のセルが前記流入溶液流から多価イオンを優先的に除去することを特徴とする請求の範囲第21項記載の集成装置。
- 前記第1及び第2のセルを通して分配される前記流入溶液流の流量が前記合流流出溶液で前もって定められたイオン組成が得られるように選ばれることを特徴とする請求の範囲第21項記載の集成装置。
- 電気化学セルに電圧を印加することによりイオン交換材内でイオンを置換する方法において、前記電気化学セルが:
(a)第1及び第2の電極;
(b)前記電極の間にあり、一方が前記第1の電極に面している陽イオン交換層でありもう一方が前記第2の電極に面している陰イオン交換層である、イオン交換層A及びBを含み、前記層A及びBがそれぞれイオンI1A及びI1Bを含む少なくとも1枚の水分解膜;
ここで単一で連続する溶液チャンネルが前記膜の前記陽イオン及び陰イオン交換層表面によって定められ、前記溶液チャンネルはいずれの電極とも接し前記ハウジングの前記流入口から前記流出口まで連続して伸びている;
(c)前記電極と前記水分解膜を電気的に接続するイオン含有溶液;
を含み;
前記電気化学セル内でイオンI1A及びI1BがそれぞれイオンI2A及びI2Bに置換されることを特徴とする方法。 - 前記セルが単極イオン交換膜を実質的に含まないことを特徴とする請求の範囲第28項記載の方法。
- 溶液流が前記水分解膜の前記陽イオン及び陰イオン交換層表面の双方を流れ過ぎることができるようにする連続チャンネルを与えるように前記水分解膜が配置されていることを特徴とする請求の範囲第28項記載の方法。
- 前記セルの少なくとも1本のチャンネル内の前記溶液が前記水分解膜の前記陽イオン及び陰イオン交換層表面に同時にさらされることを特徴とする請求の範囲第28項記載の方法。
- H+及びOH-が前記水分解膜内で生成され、それぞれ前記イオン交換層A及びBを通過してイオンI1A及びI1BをそれぞれイオンI2A及びI2Bで置換することを特徴とする請求の範囲第28項記載の方法。
- 前記電極の極性を極性を逆転させてイオンI2A及びI2BをそれぞれイオンI3A及びI3Bで置換する工程をさらに含むことを特徴とする請求の範囲第28項記載の方法。
- 溶液から多価イオンを除去する方法において、前記方法が第1及び第2の電気化学セルを含む集成装置に電圧を印加することを含み、:
(a)前記第1の電気化学セルが:
(i)第1及び第2の電極;
(ii)前記電極の間にあって、一方が前記第1の電極に面している陽イオン交換層でありもう一方が前記第2の電極に面している陰イオン交換層である、イオン交換層A及びBを含み、前記層A及びBはそれぞれイオンI4A及びI4Bを含み、イオンI4A及びI4Bは実質的にH+及びOH-をそれぞれ含む、少なくとも1枚の水分解膜、ここで前記第1のセル内には単一で連続する溶液チャンネルが存在する;
(iii)前記電極と前記水分解膜を電気的に接続するイオンI2A及びI2Bを含む溶液;
を含み、前記第1のセルにおいてイオンI4A及びI4BがそれぞれイオンI2A及びI2Bによって置換される;
(b)前記第2の電気化学セルが:
(i)第1及び第2の電極;
(ii)前記電極の間に配置され、陽イオン交換層A及び陰イオン交換層Bを含み、前記層A及びBはそれぞれイオンI5A及びI5Bを含み、イオンI5A及びI5BはH+及びOH-以外の1価イオンをそれぞれ含む、少なくとも1枚の水分解膜、ここで前記陽イオン交換層は前記第1の電極に面し、前記陰イオン交換電極は前記第2の電極に面し、前記第2のセル内には単一で連続する溶液チャンネルが存在する;
(iii)前記電極と前記水分解膜を電気的に接続するイオンI2A及びI2Bを含む溶液;
を含み、前記第2のセルにおいてイオンI5A及びI5BがそれぞれイオンI2A及びI2Bによって置換される;
ことを特徴とする方法。 - 前記セルのそれぞれが単極イオン交換膜を実質的に含まないことを特徴とする請求の範囲第34項記載の方法。
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