JPH08197062A - 電気透析型脱イオン水製造装置 - Google Patents

電気透析型脱イオン水製造装置

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JPH08197062A
JPH08197062A JP756295A JP756295A JPH08197062A JP H08197062 A JPH08197062 A JP H08197062A JP 756295 A JP756295 A JP 756295A JP 756295 A JP756295 A JP 756295A JP H08197062 A JPH08197062 A JP H08197062A
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JP
Japan
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ion exchanger
deionized water
cation exchange
surface layer
anion
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JP756295A
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Ichiro Terada
一郎 寺田
Sei Saito
生 斉藤
Haruhisa Miyake
晴久 三宅
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高純度の脱イオン水を長期間安定して製造す
る。 【構成】電気透析装置の脱塩室にイオン交換体を収容し
てなる脱イオン水製造装置において、該イオン交換体の
陰イオン交換膜と接触する部分に陽イオン交換基を含み
陰イオン交換基を含まない表面層が存在し、該イオン交
換体の陽イオン交換膜と接触する部分に陰イオン交換基
を含み陽イオン交換基を含まない表面層が存在する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気透析により脱イオ
ン水を製造する装置に関するものであり、特に、イオン
交換体とイオン交換膜を組み合せて脱イオン水を製造す
る自己再生型電気透析脱イオン水製造装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】脱イオン水の製造方法としては、イオン
交換樹脂の充填床に被処理水を流し、不純物イオンをイ
オン交換樹脂に吸着させて除去し脱イオン水を得、吸着
能力の低下したイオン交換樹脂は酸やアルカリを用いて
再生する方法が広く使用されている。しかしながら、こ
の方法においては再生に使用した酸やアルカリの廃液が
排出される問題があり、そのため再生の必要のない脱イ
オン水製造方法が望まれている。
【0003】このような観点から、近年イオン交換樹脂
とイオン交換膜を組み合せた自己再生型電気透析脱イオ
ン水製造方法が注目されている。この方法は、陰イオン
交換膜と陽イオン交換膜とを交互に配置した電気透析装
置の脱塩室に陰イオン交換体と陽イオン交換体の混合物
を入れ、この脱塩室に被処理水を流しながら電圧を印加
して電気透析を行うことにより脱イオン水を製造する方
法である。
【0004】この方法に関して、脱塩室の幅と厚さを限
定する方法(特開昭61−107906号公報)や脱塩
室に充填するイオン交換樹脂の径を均一にしたものを使
用する方法(特開平3−207487号公報)、被処理
水が最初に通過する部分に充填するイオン交換樹脂をア
ニオン交換樹脂にする方法(特開平4−71624号公
報)、脱塩室に充填するイオン交換体をイオン交換樹脂
とイオン交換繊維の混合物とする方法(特開平5−27
7344号公報)などが検討されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法では、水解
離によって生成する酸、アルカリによるイオン交換体の
再生が、必ずしも十分に行われていないという問題点が
あった。本発明は、電気透析型脱イオン水製造装置にお
いて、使用するイオン交換体の再生をより効果的に行
い、高純度の脱イオン水を長期間にわたって安定して製
造することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、陰極と陽極の
間に陽イオン交換膜と陰イオン交換膜とを交互に配列さ
せた電気透析装置の脱塩室にイオン交換体を収容してな
る脱イオン水製造装置において、該イオン交換体の陽イ
オン交換膜と接触する部分に、厚さ0.1〜1000μ
mの陰イオン交換基を含み陽イオン交換基を含まない表
面層が存在するシート状のイオン交換体を使用する電気
透析型脱イオン水製造装置を提供するものである。
【0007】本発明はまた、陰極と陽極の間に陽イオン
交換膜と陰イオン交換膜とを交互に配列させた電気透析
装置の脱塩室にイオン交換体を収容してなる脱イオン水
製造装置において、該イオン交換体の陰イオン交換膜と
接触する部分に、厚さ0.1〜1000μmの陽イオン
交換基を含み陰イオン交換基を含まない表面層が存在す
るシート状のイオン交換体を使用する電気透析型脱イオ
ン水製造装置を提供するものである。
【0008】本発明では、電気透析型脱イオン水製造装
置の脱塩室に入れるイオン交換体において、イオン交換
体の陽イオン交換膜と接触する部分または陽イオン交換
膜と接触する部分に、それぞれ接触する膜が有する交換
基の逆の電荷を有する交換基を含み、膜の交換基と同じ
電荷を有する交換基を含まない表面層(以下、単に表面
層という)を有する。この表面層は、イオン交換膜との
接触面で水の解離を促進する機能を有する。
【0009】表面層は、イオン交換体の陰イオン交換膜
側または陽イオン交換膜側のいずれか一方に設けること
で本発明の効果を発現することができるが、両方の側に
設ける場合は、特に水の解離が良好で、純度の高い脱イ
オン水が得られるので好ましい。上記シート状のイオン
交換体として、脱塩室の厚さに比べて薄いものを、陽イ
オン交換膜側または陰イオン交換膜側のいずれかまたは
両方の近傍付近にのみ設けて、残部にたとえば陰イオン
交換樹脂粒子と陽イオン交換樹脂粒子の混合物を充填し
てもよい。一方の面に、陽イオン交換基を含み陰イオン
交換基を含まない表面層を有し、他の面に陰イオン交換
基を含み陽イオン交換基を含まない表面層を有するシー
ト状の一体型のイオン交換体を使用する場合は、取り扱
いが良好であるので好ましい。
【0010】表面層の厚さは0.1〜1000μmであ
ることが必要である。表面層の厚さが0.1μm未満の
場合は、接触面での水解離を促進する効果が十分向上し
ない。表面層の厚さが1000μmを超える場合は、イ
オン交換体に吸着したイオンの脱塩が妨げられ抵抗が高
くなるので不適当である。表面層の厚さが0.5〜50
μmである場合は、さらに好ましい。
【0011】表面層は、連続相であると脱塩の効率が低
下するため、多孔層であることが好ましく、その空隙率
は20〜95%が好ましい。空隙率が20%より低いと
水が流れ難くなり水解離の効率が低下し、95%より高
いと陽イオン交換膜との接触面積が小さくなり同様に水
解離の効率が低下するため好ましくない。空隙率が30
〜90%であると処理水純度の高いものが得られ、更に
性能安定性にも優れており好ましい。
【0012】表面層のイオン交換容量は、0.5〜5ミ
リ当量/g乾燥樹脂のものが好ましく用いられる。イオ
ン交換容量が0.5ミリ当量/g乾燥樹脂より小さいと
電気抵抗が高くなり、イオン交換容量が5ミリ当量/g
より大きいと表面層の強度が著しく低下し、使用中に破
砕するおそれがあるので好ましくない。
【0013】表面層として陰イオン交換層を設ける場
合、イオン交換基としては、イオン交換基の化学的安定
性および水解離促進の観点から1〜3級アミノ基、4級
アンモニウム塩基、ピリジン基、4級ピリジニウム塩基
のいずれかであることが好ましい。
【0014】表面層として陰イオン交換層を設ける方法
としては次のような方法が挙げられる。脱塩室に収容す
るイオン交換体としてイオン交換樹脂を使用する場合に
は、1)陰イオン交換樹脂を接着剤ポリマーで固めて多
孔質シート状にしたものを陽イオン交換膜側に収容し残
りの空間を陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂を混合
したものを充填する方法、2)陰イオン交換樹脂を並べ
たものの上に陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂を混
合したものを並べ接着剤ポリマーで固めて多孔質シート
状にしたものを使用する方法、3)陽イオン交換樹脂と
陰イオン交換樹脂を混合したものを並べ接着剤ポリマー
で固めて多孔質シート状にしたものに陰イオン交換ポリ
マー液をコートする方法、4)陽イオン交換樹脂と陰イ
オン交換樹脂を混合したものを並べ接着剤ポリマーで固
めて多孔質シート状にする際に接着剤ポリマーとして陰
イオン交換ポリマーを使用する方法などが挙げられる。
この場合、イオン交換樹脂は粒状物あるいはそれを粉砕
したものを用いるのが好ましい。
【0015】また脱塩室に収容するイオン交換体として
イオン交換繊維またはイオン交換繊維よりなる布を使用
する場合には、1)陰イオン交換繊維よりなる布を陽イ
オン交換膜側に収容し残りの空間を陽イオン交換繊維と
陰イオン交換繊維を混合したものまたは混合して成形し
た布を収容する方法、2)陰イオン交換繊維よりなる布
と陽イオン交換繊維よりなる布を陽イオン交換膜側から
交互に収容する方法、3)陽イオン交換繊維と陰イオン
交換繊維を混合して布を成形する際に陰イオン交換繊維
のみを分散した上に陽イオン交換繊維と陰イオン交換繊
維を混合したものを分散し布を成形する方法、4)陽イ
オン交換繊維と陰イオン交換繊維を混合したものを分散
し布を成形した後陰イオン交換ポリマー液または陰イオ
ン交換体分散ポリマー液をコートする方法などが挙げら
れる。
【0016】表面層として陽イオン交換層を設ける場
合、イオン交換基としては、電気抵抗およびイオン交換
基の化学的安定性の観点からスルホン酸またはその塩で
あることが好ましい。
【0017】表面層として陽イオン交換層を設ける方法
としては次のような方法が挙げられる。脱塩室に収容す
るイオン交換体としてイオン交換樹脂を使用する場合に
は、1)陽イオン交換樹脂を接着剤ポリマーで固めて多
孔質シート状にしたものを陰イオン交換膜側に収容し残
りの空間を陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂を混合
したものを充填する方法、2)陽イオン交換樹脂を並べ
たものの上に陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂を混
合したものを並べ接着剤ポリマーで固めて多孔質シート
状にしたものを使用する方法、3)陽イオン交換樹脂と
陰イオン交換樹脂を混合したものを並べ接着剤ポリマー
で固めて多孔質シート状にしたものに陽イオン交換ポリ
マー液をコートする方法、4)陽イオン交換樹脂と陰イ
オン交換樹脂を混合したものを並べ接着剤ポリマーで固
めて多孔質シート状にする際に接着剤ポリマーとして陽
イオン交換樹脂を使用する方法などが挙げられる。この
場合、イオン交換樹脂は粒状物あるいはそれを粉砕した
ものを用いるのが好ましい。
【0018】また脱塩室に収容するイオン交換体として
イオン交換繊維またはイオン交換繊維よりなる布を使用
する場合には、1)陽イオン交換繊維よりなる布を陰イ
オン交換膜側に収容し残りの空間を陽イオン交換繊維と
陰イオン交換繊維を混合したものまたは混合して成形し
た布を収容する方法、2)陽イオン交換繊維よりなる布
と陰イオン交換繊維よりなる布を陰イオン交換膜側から
交互に収容する方法、3)陽イオン交換繊維と陰イオン
交換繊維を混合して布を成形する際に陽イオン交換繊維
のみを分散した上に陽イオン交換繊維と陰イオン交換繊
維を混合したものを分散し布を成形する方法、4)陽イ
オン交換繊維と陰イオン交換繊維を混合したものを分散
し布を成形した後陽イオン交換ポリマー液または陽イオ
ン交換体分散ポリマー液をコートする方法などが挙げら
れる。
【0019】
【作用】本発明においては、表面層とイオン交換膜と
は、それぞれ異なる電荷のイオン交換基を有しているの
で、その界面の部分でで水の解離が促進され、イオン交
換体の効率的な再生が行われるので高純度の脱イオン水
を長期にわたり連続的に得ることが可能となるものと考
えられる。
【0020】
【実施例】
実施例1 粒径が400〜550μm、イオン交換容量が4.2ミ
リ当量/g乾燥樹脂のスルホン酸型陽イオン交換樹脂
(ロームアンドハース社製、商品名アンバーライト20
1CT)および粒径が400〜530μm、イオン交換
容量が3.7ミリ当量/g乾燥樹脂の4級アンモニウム
塩型陰イオン交換樹脂(ロームアンドハース社製、商品
名アンバーライトIRA400)を、陽イオン交換樹脂
/陰イオン交換樹脂=35/65(湿潤状態での容量
比)で混合し、イオン交換容量比が45/55の混合物
とした。
【0021】上記陰イオン交換樹脂を粉砕したものを1
00メッシュのポリエステル布上に薄く並べ、更にその
上に上記イオン交換樹脂混合物を並べ、接着剤ポリマー
溶液として0.2%のブロックイソシアネート(武田薬
品株式会社製、商品名プロミネートXC)を含有する5
%ポリビニリアルコール水溶液を塗布した後50℃で3
0分乾燥することを3回繰り返し、150℃で10分熱
処理した。この結果、表面に約500μmの陰イオン交
換樹脂のみからなる表面層を有する、厚さ3mmの多孔
質シート状イオン交換体を得た。
【0022】この多孔質シート状イオン交換体を脱塩室
に入れ、陰イオン交換膜(旭硝子株式会社製、商品名セ
レミオンAMP)と陽イオン交換膜(旭硝子株式会社
製、商品名セレミンCMT)を使用し、多孔質シート状
イオン交換体の陰イオン交換樹脂のみからなる表面層が
陽イオン交換膜側になるようにして、電気透析槽(有効
膜面積500cm2 ×5対)に組んで水処理試験を行っ
た。原水として電導度5μS/cmの水を用い、ユニッ
トセル当り4Vの電圧を印加して脱塩を行ったところ、
電導度が0.07μS/cmの処理水が得られた。この
性能は1カ月間安定していた。
【0023】比較のため、上記のイオン交換樹脂を接着
剤ポリマーで結合することなく、単に混合したものを
後、同じ電気透析槽の脱塩室に収容して、水処理試験を
行った。原水として電導度5μS/cmの水を用い、ユ
ニットセル当り4Vの電圧を印加して脱塩を行ったとこ
ろ、電導度が1μS/cmの処理水しか得られなかっ
た。
【0024】実施例2 多孔度90%、厚さ200μmのポリエチレン/ポリプ
ロピレン混合体不織布を15%クロロスルホン酸の1,
1,2,2−テトラクロロエタン溶液に25℃、16時
間浸漬し、クロロスルホン化を行った。メタノール洗
浄、水洗後、1Nの水酸化ナトリウム水溶液に60℃で
16時間浸漬、更に1Nの塩酸に60℃で16時間浸漬
し、スルホン酸型のカチオン交換不織布を得た。得られ
たカチオン交換体のイオン交換容量は1.5ミリ当量/
gであった。
【0025】一方、多孔度90%、厚さ200μmのポ
リエチレン/ポリプロピレン混合体不織布にγ線を20
0kGy照射した後、該不織布を窒素雰囲気下で10%
クロロメチルスチレンのt−ブタノール液に60℃で2
4時間浸漬し、グラフト重合を行った。得られたグラフ
ト重合体を1Nトリメチルアミンのメタノール溶液に3
0℃で24時間浸漬しアミノ化反応を行って、イオン交
換容量が1.0ミリ当量/g乾燥樹脂の陰イオン交換不
織布を得た。
【0026】上記陰イオン交換不織布と陽イオン交換不
織布5枚ずつを、交互に重ねた後、圧縮してシート状の
イオン交換体を得た。このイオン交換体の陰イオン交換
不織布が表面になっている面が陽イオン交換膜側になる
ようにして、実施例1と同じ電気透析槽の脱塩室(厚さ
1mm)に入れ、水処理試験を行った。原水として電導
度5μS/cmの水を用い、ユニットセル当り4Vの電
圧を印加して脱塩を行ったところ、電導度0.1μS/
cmの処理水が安定して得られた。
【0027】比較のため、上記の陰イオン交換不織布と
陽イオン交換不織布5枚ずつを圧縮したものの陰イオン
交換不織布が表面になっている面が陰イオン交換膜側に
なるようにして、同じ電気透析槽の脱塩室(厚さ1m
m)に入れ、水処理試験を行った。原水として電導度5
μS/cmの水を用い、ユニットセル当り4Vの電圧を
印加して脱塩を行ったところ、電導度が0.8μS/c
mの処理水しか得られなかった。
【0028】実施例3 アゾビスイソブチロニトリルを開始剤としてテトラフル
オロエチレン0.2モルとCF2 =CFOCF2 CF
(CF3 )O(CF22 SO2 F0.045モルとを
重合温度70℃および重合時間5時間の重合条件下で共
重合し、イオン交換容量1.1ミリ当量/gの共重合体
を得た。これを20%KOH水溶液中で90℃で16時
間かけて加水分解した後、1Nの塩酸に室温で16時間
浸漬して酸型に変換し、エタノールに溶解することによ
り濃度8%のパーフルオロスルホン酸ポリマー溶液を得
た。
【0029】実施例1と同じ陽イオン交換樹脂を粉砕し
たものを100メッシュのポリエステル布上に薄く並
べ、更にその上に実施例1と同じイオン交換樹脂混合物
を並べ、接着剤ポリマー溶液として8%パーフルオロス
ルホン酸ポリマー溶液を塗布した後50℃で30分乾燥
することを3回繰り返した。この結果、表面に約50μ
mの陽イオン交換樹脂のみからなる表面層を有する、厚
さ3mmの多孔質シート状イオン交換体を得た。
【0030】この多孔質シート状イオン交換体を脱塩室
に入れ、陽イオン交換樹脂のみからなる表面層が陰イオ
ン交換膜側になるようにして、実施例1と同様の電気透
析槽に組んで水処理試験を行った。原水として電導度5
μS/cmの水を用い、ユニットセル当り4Vの電圧を
印加して脱塩を行ったところ、電導度が0.07μS/
cmの処理水が得られた。この性能は1カ月間安定して
いた。
【0031】実施例4 10リットルのフラスコに1,1,2−トリクロロエタ
ンを4リットル、トリエチルホスフェートを562g入
れた。氷冷した後、60重量%SO3 の発煙硫酸を82
4g徐々に滴下し、トリエチルホスフェート/SO3
体を調製した。ポリスチレン繊維を上記錯体溶液に25
℃、16時間浸漬し、スルホン化を行った。メタノール
洗浄後、水洗し、スルホン酸型のカチオン交換繊維を得
た。得られたカチオン交換繊維のイオン交換容量は2.
5ミリ当量/gであった。
【0032】一方ポリスチレン繊維を1,1,2,2−
テトラクロロエタン/オクタン/クロロメチルメチルエ
ーテル/塩化第2スズ=50/50/25/0.1(重
量部)溶液中に30℃、16時間浸漬し、クロロメチル
化を行った。メタノール洗浄後、1Nトリメチルアミン
のメタノール溶液に60℃で16時間浸漬し、4級アン
モニウム塩基を導入してアニオン交換繊維を得た。得ら
れたアニオン交換繊維のイオン交換容量は2.0ミリ当
量/gであった。
【0033】これらのイオン交換繊維を約1cmにカッ
トし、カチオン交換繊維/アニオン交換繊維/未反応繊
維=45/55/30の比率で混合後、180℃で熱ロ
ールプレスを行って、総イオン交換容量が1.7ミリ当
量/g乾燥樹脂、空隙率75%、厚さ320μm、目付
け量96g/m2 の不織布を作製した。得られたイオン
交換体不織布に実施例3で使用したパーフルオロスルホ
ン酸ポリマー溶液をスプレーコートし、表面に約5μm
の陽イオン交換層を形成した。
【0034】このイオン交換体不織布を陽イオン交換層
が陰イオン交換膜側になるようにして脱塩室に入れ、実
施例1と同様の電気透析槽に組んで水処理試験を行っ
た。原水として電導度5μS/cmの水を用い、ユニッ
トセル当り4Vの電圧を印加して脱塩を行ったところ、
電導度が0.08μS/cmの処理水が安定して得られ
た。
【0035】
【発明の効果】本発明の電気透析型脱イオン水製造装置
は、脱塩室に入れるイオン交換体として、陰極側に少な
くとも0.1〜1000μmの陰イオン交換層が存在す
るイオン交換体を電気透析型脱イオン水製造装置に使用
することにより、陰極側の陽イオン交換膜との接触面で
水の解離が促進され、イオン交換体の効率的な再生が行
われるので高純度の脱イオン水を長期にわたり連続的に
得ることが可能となるものと考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 1/42 A 1/44 H

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陰極と陽極の間に陽イオン交換膜と陰イオ
    ン交換膜とを交互に配列させた電気透析装置の脱塩室に
    イオン交換体を収容してなる脱イオン水製造装置におい
    て、該イオン交換体の陽イオン交換膜と接触する部分
    に、厚さ0.1〜1000μmの陰イオン交換基を含み
    陽イオン交換基を含まない表面層が存在するシート状の
    イオン交換体を使用する電気透析型脱イオン水製造装
    置。
  2. 【請求項2】陰極と陽極の間に陽イオン交換膜と陰イオ
    ン交換膜とを交互に配列させた電気透析装置の脱塩室に
    イオン交換体を収容してなる脱イオン水製造装置におい
    て、該イオン交換体の陰イオン交換膜と接触する部分
    に、厚さ0.1〜1000μmの陽イオン交換基を含み
    陰イオン交換基を含まない表面層が存在するシート状の
    イオン交換体を使用する電気透析型脱イオン水製造装
    置。
  3. 【請求項3】陰極と陽極の間に陽イオン交換膜と陰イオ
    ン交換膜とを交互に配列させた電気透析装置の脱塩室に
    イオン交換体を収容してなる脱イオン水製造装置におい
    て、該イオン交換体の陰イオン交換膜と接触する部分
    に、厚さ0.1〜1000μmの陽イオン交換基を含み
    陰イオン交換基を含まない表面層が存在するシート状の
    イオン交換体を使用し、かつ、該イオン交換体の陽イオ
    ン交換膜と接触する部分に、厚さ0.1〜1000μm
    の陰イオン交換基を含み陽イオン交換基を含まない表面
    層が存在するシート状のイオン交換体を使用する電気透
    析型脱イオン水製造装置。
  4. 【請求項4】一方の面に、陽イオン交換基を含み陰イオ
    ン交換基を含まない表面層を有し、他の面に陰イオン交
    換基を含み陽イオン交換基を含まない表面層を有するシ
    ート状の一体型のイオン交換体を使用する請求項3の電
    気透析型脱イオン水製造装置。
  5. 【請求項5】表面層が多孔性であり、空隙率が20〜9
    5%である請求項1〜4いずれか1の電気透析型脱イオ
    ン水製造装置。
  6. 【請求項6】表面層のイオン交換容量が0.5〜5ミリ
    当量/g乾燥樹脂であることを特徴とする請求項1〜5
    いずれか1の電気透析型脱イオン水製造装置。
JP756295A 1995-01-20 1995-01-20 電気透析型脱イオン水製造装置 Pending JPH08197062A (ja)

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