JP2015020093A - 一体型セル対、その製造方法および電気透析スタック - Google Patents
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Abstract
Description
前記第1のイオン交換膜および/または第2のイオン交換膜は、アニオン性またはカチオン性ビニルアルコール系共重合体からなり、
前記ガスケットは、開口部と支持枠とから構成され、前記支持枠は50μm以上から1000μm未満の厚みを有しており、
前記第1のイオン交換膜と第2のイオン交換膜は、前記ガスケットの支持枠に接着固定されていることを特徴とする一体型セル対である。
前記第1のイオン交換膜と前記第2のイオン交換膜とを互いに対面するように配置、固定して一体化するためのガスケットと、を具備しており、
前記第1のイオン交換膜および/または第2のイオン交換膜は、アニオン性またはカチオン性ビニルアルコール系共重合体からなり、
前記ガスケットは、開口部と支持枠とから構成されている、前記支持枠は50μm以上から1000μm未満の厚みを有しているセル対を製造する方法において、
前記第1のイオン交換膜と前記第2のイオン交換膜を、前記ガスケットに互いに対面するように配置した後に、前記第1のイオン交換膜と第2のイオン交換膜を、前記ガスケットの支持枠にそれぞれ接着固定することを特徴とする一体型セル対の製造方法である。
本発明で用いられるイオン性重合体は、カチオン交換基またはアニオン交換基のイオン交換基を有するイオン性ポリビニルアルコール重合体であって、ビニルアルコール系単量体(A−1)を重合してなる重合体成分(a−1)及びイオン交換性単量体(A−2)を重合してなる重合体成分(a−2)から形成される共重合体から構成される。イオン交換性単量体としては、アニオン交換基を含む単量体とカチオン交換基を含む単量体とがある。共重合体は、ランダム、ブロック、グラフトの任意の形態であればよいが、ブロック共重合体であるのが好ましい。
本発明で用いるアニオン交換基を有するイオン交換性重合体(カチオン性重合体と称することがある)(ビニルアルコール系単量体との共重合体およびブロック共重合体を構成するカチオン性重合体を含む)は、分子中にアニオン交換基(カチオン基と称することがある)を含有する単量体であれば、カチオン基が、主鎖、側鎖、末端のいずれに含有されていても構わない。カチオン基としては、アンモニウム基、イミニウム基、スルホニウム基、ホスホニウム基などが例示される。また、アミノ基やイミノ基のように、水中においてその一部が、アンモニウム基やイミニウム基に変換し得る官能基を含有する重合体も、本発明のカチオン基を持つ重合体に含まれる。この中で工業的に入手しやすい観点から、アンモニウム基が好ましい。アンモニウム基としては、1級アンモニウム基(アンモニウム塩)、2級アンモニウム基(アンモニウム塩)、3級アンモニウム基(塩)、4級アンモニウム基(トリアルキルアンモニウム基等)のいずれを用いることができるが、4級アンモニウム基(トリアルキルアンモニウム基)がより好ましい。カチオン性重合体は、1種類のみのカチオン基を含有しても良いし、複数種のカチオン基を含有しても良い。また、カチオン基の対アニオンは特に限定されず、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、リン酸イオン、カルボン酸イオンなどが例示される。この中で、入手の容易性の点から、ハロゲン化物イオンが好ましく、塩化物イオンがより好ましい。カチオン性重合体は、1種類のみの対アニオンを含有しても良いし、複数種の対アニオンを含有しても良い。
本発明においては、上記のカチオン交換基またはアニオン交換基を有する重合体は、ビニルアルコール系単量体との共重合体構造を有する。ビニルアルコール系単量体との共重合構造を取ることが、イオン交換膜の強度、柔軟性、および、物理的または化学的架橋性の点から好ましい。
カチオン基を有するビニルアルコール系共重合体としては、入手容易である点からメタクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウム塩とビニルアルコール成分との共重合体、ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム塩とビニルアルコール成分との共重合体、ジアリルジアルキルアンモニウム塩とビニルアルコール成分との共重合体が特に好ましい。カチオン基を含有するビニルアルコール系重合体、またはカチオン基を含有するビニルアルコール系重合体とカチオン基を含有しないビニルアルコール系重合体との混合物においては、カチオン性重合体中の単量体単位の総数に対するビニルアルコール単位の数の割合が、50モル%以上であることが好ましく、55モル%以上であることがより好ましい。ここでカチオン性重合体以外の重合体(カチオン基を含有しないビニルアルコール系重合体)はアニオン性重合体でないことが望ましい。
アニオン基を有するビニルアルコール系共重合体としては、入手容易である点から、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩成分とビニルアルコール成分との共重合体、p−スチレンスルホン酸塩成分とビニルアルコール成分との共重合体が特に好ましい。アニオン基を含有するビニルアルコール系重合体、またはアニオン基を含有するビニルアルコール系重合体とアニオン基を含有しないビニルアルコール系重合体との混合物においては、アニオン性重合体中の単量体単位の総数に対するビニルアルコール単位の数の割合が、50モル%以上であることが好ましく、55モル%以上であることがより好ましい。ここでアニオン性重合体以外の重合体(アニオン基を含有しないビニルアルコール系重合体)はカチオン性重合体でないことが望ましい。
本発明において、ビニルアルコール系単量体(A−1)とイオン交換性単量体(A−2)との比率は、ビニルアルコール系単量体(A−1)が99〜50mol%,イオン交換性単量体(A−2)が1〜50mol%[単量体(A−1)と単量体(A−2)との合計量を100mol%とする]の範囲内にあることが好ましい。より好ましくは、ビニルアルコール系単量体(A−1)が97〜60mol%、イオン交換性単量体(A−2)が3〜40mol%の範囲内にあることが好ましい。
本発明において、イオン性ポリビニルアルコール系重合体は、カチオン基またはアニオン基を有する単量体単位とビニルアルコール系単量体単位とを含む共重合体から構成されている。中でも、ビニルアルコール系重合体成分(a―1)と、カチオン基またはアニオン基を有する単量体単位を重合してなる重合体成分(a−2)とを含有するブロック共重合体が好適に用いられる。こうすることにより、イオン性重合体がミクロ相分離して、膜の膨潤度の抑制、および形状保持についての機能を担うビニルアルコール重合体成分と、カチオンまたはアニオンを透過させる機能を担うイオン交換ユニットを重合してなる重合体成分とが役割分担でき、イオン交換膜の膨潤度と寸法安定性とを両立させることができる。カチオン基またはアニオン基を有する単量体単位としては、前記一般式(1)〜(10)で表わされるものなどが例示される。この中で、入手容易である点から、カチオン性重合体としては、メタクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウム塩を重合してなる重合体成分とビニルアルコール系重合体成分とを含有するブロック共重合体、ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム塩を重合してなる重合体成分とビニルアルコール系重合体成分とを含有するブロック共重合体、またはジアリルジアルキルアンモニウム塩を重合してなる重合体成分とビニルアルコール系重合体成分とを含有するブロック共重合体が好ましく用いられる。また、アニオン性重合体としては、p−スチレンスルホン酸塩を重合してなる重合体成分とビニルアルコール系重合体成分とを含有するブロック共重合体、または2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩を重合してなる重合体成分とビニルアルコール系重合体成分とを含有するブロック共重合体が好ましく用いられる。
本発明に係るイオン交換膜として使用するのに十分なイオン交換容量を発現するために、共重合体のイオン交換容量は、0.30meq/g以上であることが好ましく、0.50meq/g以上であることがより好ましい。イオン交換容量の上限については、イオン交換容量が大きくなりすぎると、親水性が高まり、膨潤度の抑制が困難となるので、3.0meq/g以下であることが好ましい。
本発明において、イオン交換膜の膜抵抗は、100Ωcm2以下であることが好ましく、50Ωcm2以下であることがより好ましい。この観点から、イオン交換膜の膜厚は、1〜1000μm程度であることが好ましい。膜厚が1000μmを超える場合には、膜抵抗が大きくなり、充分なイオン交換性が発現しないため、電気透析効率が低くなりやすい。
本発明のイオン交換膜に用いられる、カチオン交換基またはアニオン交換基を有する重合体を含むイオン性ポリビニルアルコール系重合体は、カチオン性単量体またはアニオン性単量体とビニルエステル系単量体を共重合し、これを常法によりけん化して得られる。ビニルエステル系単量体は、ラジカル重合可能なものであれば使用できる。例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニルおよびパーサティック酸ビニル等があげられる。この中でも酢酸ビニルが好ましい。
本発明で用いられる、カチオン交換性単量体、またはアニオン交換性単量体を重合してなる重合体成分とビニルアルコール系重合体成分がブロック共重合を形成する重合体の製造方法は主に次の2つの方法に大別される。すなわち、(1)所望のブロック共重合体を製造した後、特定のブロックにカチオン基またはアニオン基を結合させる方法、および(2)少なくとも1種類のカチオン性単量体またはアニオン性単量体を重合させて所望のブロック共重合体を得る方法である。このうち、(1)については、末端にメルカプト基を有するビニルアルコール系重合体の存在下、1種類または複数種の単量体をブロック共重合させ、次いでブロック共重合体中の1種類または複数種の重合体成分にカチオン基またはアニオン基を導入する方法、(2)については、末端にメルカプト基を有するビニルアルコール系重合体の存在下、少なくとも1種類のカチオン性単量体またはアニオン性単量体をラジカル重合させることによりブロック共重合体を製造する方法が工業的な容易さから好ましい。特に、ブロック共重合体中の各成分の種類や量を容易に制御できることから、末端にメルカプト基を有するビニルアルコール系重合体の存在下、少なくとも1種類以上のカチオン性単量体またはアニオン性単量体をラジカル重合させてブロック共重合体を製造する方法が好ましい。
本発明のイオン交換膜は、イオン性ポリビニルアルコール重合体溶液を、(a)支持面上に塗布・乾燥・剥離して、イオン性ポリビニルアルコールフィルムを形成することにより、(b)支持面上に塗布し、塗布層に多孔性支持体を重ね合わせ、多孔性支持体にイオン性ポリビニルアルコール重合体を含浸させることにより、または(c)多孔性支持体(ポリビニルアルコール系繊維紙)上に、静電紡糸によりポリビニルアルコール系ナノファイバー層を形成し、このナノファイバー上にイオン性ポリビニルアルコールを塗布することにより形成することができる。
本発明において、イオン交換膜を形成した後に、熱処理を施すことが好ましい。熱処理を施すことによって、ビニルアルコール系重合体(A−1)の結晶化度が高くなるので、物理的な架橋点が増加し、得られるイオン交換膜の機械的強度が増大する。また、非晶部にカチオン基またはアニオン基が濃縮され、イオン交換パスの形成が促進されるため、荷電密度が増加し、対イオン選択性が向上する。熱処理の方法は特に限定されず、熱風乾燥機などが一般に用いられる。熱処理の温度は、特に限定されないが、50〜250℃であることが好ましい。熱処理の温度が50℃未満であると、得られるイオン交換膜の機械的強度の増大効果が充分でないおそれがある。該温度が80℃以上であることがより好ましく、100℃以上であることがさらに好ましい。熱処理の温度が250℃を超えると、ビニルアルコール系重合体が融解するおそれがある。該温度が230℃以下であることがより好ましく、200℃以下であることがさらに好ましい。熱処理の時間は、通常、1分〜10時間程度である。熱処理は不活性ガス(例えば窒素ガス、アルゴンガスなど)雰囲気下で行うことが望ましい。
本発明においては、上記のビニルアルコール系共重合体からなるアニオン性またはカチオン性イオン交換膜を用いて、これと同じビニルアルコール系共重合体からなるカチオン性またはアニオン性交換膜または他の素材のカチオン性またはアニオン性交換膜と組み合わせて、ガスケットの支持枠に取り付けて一体型セル対を構成する。
ガスケットは、開口部と支持枠とから構成され、支持枠は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、天然ゴム、合成ゴムなどから所望の形状に成形して用いられる。ガスケットは、2つのイオン交換膜間に流体経路を形成する。ガスケットの支持枠の厚みは、50μm以上から1000μm未満であることが必要であり、80μm以上から900μm以下が好ましく、100μm以上から800μm以下がさらに好ましい。ガスケット厚みが50μm未満の場合は一体型セル対内での異物詰まりが発生しやすくなると共に、圧力損失が大きくなる。一方、ガスケット厚みが1000μm以上であれば一体型セルを脱塩室に用いた際のセル抵抗が高くなる。ガスケットの製造方法としては、上記の素材シートを打ち抜いてガスケットの支持枠を形成するか、素材シートより帯状物を作り、帯状物の端面を接着剤で接合して所定形状の支持枠を形成してもよい。
イオン交換膜をガスケットの支持枠(プラスチック製)に接着固定するにあたり、接着固定方法としては、(a)支持枠とイオン交換膜の支持枠に接する箇所に(a)熱可塑性樹脂バインダー溶液またはラテックスを塗布・圧着・乾燥する方法、(b)粉末状のホットメルト樹脂接着剤を介在させて、熱圧着する方法、または(c)ホットメルトフィルムを介在させて熱圧着させる方法などが挙げられるが、なかでも、ホットメルトフィルムを介在させて熱プレスにより接合させることにより行うのが好ましい。ホットメルトフィルムとしては、エチレン−酢酸ビニル樹脂(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステルなどのホットメルトフィルムを用いることができる。
本発明において、ガスケットの開口部をプラスチック製線条体(網目状のネット)にて被うことが好ましい。ガスケットは、二つのイオン交換膜の間に流体経路を構成するが、さらに線条体を開口部に組み込むことにより、流体の流れが線条体の面全体に対して均一化できる。その結果、流体の滞留により発生する水の電気分解が引き起こす膜の劣化を防ぐ効果がある。
図3に示されているように、線条体(3)はガスケット(5)の開口部を被うように存在する。線条体(3)を形成するプラスチック素材としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ナイロン6、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などの熱可塑性樹脂などが挙げられる。
イオン交換膜のガスケットへの取付けは、製膜後、または製膜・熱処理(物理的架橋形成)後のいずれでもよいが、熱処理後に行うことが好ましい。取付けは、イオン交換膜をガスケット支持枠に、ホットメルトフィルムを介して載置して、熱プレスを行うことなどにより、強固に取り付けることが可能である。
本発明においては、イオン交換膜をガスケットに取り付けた後に、ビニルアルコール系共重合体に化学的架橋を導入することがイオン交換膜の長期使用の点で好ましい。ビニルアルコール系共重合体からなるイオン交換膜の支持枠への取付けは、上記のようにホットメルトフィルムなどを介して熱圧着で行われるので、支持枠への取付けの前に化学的架橋処理を行うと、イオン交換膜の乾燥が必要となるが、このような乾燥は膜性能の悪化をもたらすことがある。したがって、乾燥状態のイオン交換膜をガスケット支持枠に強固に取付けた後、ビニルアルコール系共重合体に化学的架橋を導入し、湿潤状態を保持して、電気透析スタックの組み立てを行うのが好ましい。このことにより、イオン交換膜が支持枠に強固に取り付けられて、外部漏れ・内部漏れがなくなるとともに、長期間にわたる電気透析を可能にする。
化学的架橋処理により得られた本発明の一体型セル対において、2枚のイオン交換膜間の空間は脱塩室を構成し、該一体型セル対の片面にガスケットを取り付けて、濃縮室のための空間を形成してモジュールを構成するのが好ましい。このモジュールを複数組積層することにより、電気透析装置(膜スタック)を作製することができる。図6は、一体型セル対(6)(脱塩室)と線条体(7)が取り付けられたガスケット(8)(濃縮室)とからなるモジュールの態様と脱塩液と濃縮液の流れを示している。
膜抵抗は、図7に示される白金黒電極板を有する2室セル中にイオン交換膜を挟み、膜の両側に0.5mol/L−NaCl溶液を満たし、交流ブリッジ(周波数1000サイクル/秒)により25℃における電極間の抵抗を測定し、該電極間抵抗とイオン交換膜を設置しない場合の電極間抵抗との差により求めた。上記測定に使用する膜は、あらかじめ0.5mol/L−NaCl溶液中で平衡にしたものを用いた。
陽イオン交換膜を1mol/lのHCl水溶液に10時間以上浸漬する。その後、1mol/lのNaNO3水溶液で水素イオン型をナトリウムイオン型に置換させ、遊離した水素イオンを酸-塩基滴定により定量した(A1 mol)。
・イオン交換容量=A1×1000/W1[mmol/g−乾燥膜]
陰イオン交換膜を1mol/lのHCl水溶液に10時間以上浸漬する。その後、1mol/lのNaNO3水溶液で塩素イオン型を硝酸イオン型に置換させ、遊離した塩素イオンをイオンクロマトグラフィICS−5000(DIONEX社製)により定量した(A2 mol)。
・イオン交換容量=A2×1000/W2[mmol/g−乾燥膜]
攪拌機、温度センサー、滴下漏斗および還流冷却管を備え付けた6Lのセパラブルフラスコに、酢酸ビニル2450g、メタノール1030g、およびメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドを20質量%含有するメタノール溶液69gを仕込み、攪拌下に系内を窒素置換した後、内温を60℃まで上げた。かかる混合液中に2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.8g含有するメタノール20gを添加し、重合反応を開始した。重合開始時点よりメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドを20質量%含有するメタノール溶液183gを反応液に添加しながら、4時間重合反応を行った後、重合反応を停止した。重合反応を停止した時点における系内の固形分濃度、すなわち、反応液全体に対する不揮発分の含有率は17.8質量%であった。ついで、系内にメタノール蒸気を導入することにより、未反応の酢酸ビニル単量体を追い出し、ビニルエステル共重合体を55質量%含有するメタノール溶液を得た。
酢酸ビニルの初期仕込み量、メタノール(MeOH)の初期仕込み量、イオン性単量体の種類と初期仕込み量、重合開始剤(AIBN)の使用量、イオン性単量体の逐次添加量などの重合条件、けん化反応条件を表1に示すように変化させた以外はカチオン性重合体P−1と同様の方法により、アニオン性重合体P−2を得た。該アニオン性重合体P−2の物性を表1に示す。
特開昭59−187003号公報に記載された方法によって、末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコール(PVA−1)を合成した。得られたポリビニルアルコールの重合度は1550、けん化度は98.5%であった。
還流冷却管、攪拌翼を備え付けた5Lの四つ口セパラブルフラスコに、水1900g、末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコールとしてPVA−1を344g仕込み、攪拌下95℃まで加熱して該ポリビニルアルコールを溶解した後、室温まで冷却した。該水溶液に0.5規定の硫酸を添加してpHを3.0に調整した。別に、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド179gを水300gに溶解し、これを先に調製したpH3.0の水溶液に攪拌下で添加した後、該水溶液中に窒素をバブリングしつつ70℃まで加温し、さらに70℃で30分間窒素のバブリングを続けることで、窒素置換した。窒素置換後、上記水溶液に過硫酸カリウム(KPS)の2.5%水溶液121mLを1.5時間かけて逐次的に添加してブロック共重合を開始させ、進行させた後、系内温度を75℃に1時間維持して重合をさらに進行させ、ついで冷却して、固形分濃度18%のポリビニルアルコール−ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドのブロック共重合体であるカチオン性重合体P−3の水溶液を得た。得られた水溶液の一部を乾燥した後、重水に溶解し、400MHzでの1H−NMR測定を行ったところ、該ブロック共重合体中のカチオン性単量体単位の含有量、すなわち、該重合体中の単量体単位の総数に対するビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド単量体単位の数の割合は10モル%であった。該カチオン性重合体P−3の物性を表2に示す。
末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコールの種類と仕込み量、カチオン性単量体の種類と仕込み量、水の量、重合開始剤(過硫酸カリウム)の量などの重合条件を表2に示すように変えた以外は、カチオン性重合体P−3と同様の方法によってブロック共重合体であるカチオン性重合体P−4、P−5を合成した。該カチオン性重合体P−4、P−5の物性を表2に示す。
還流冷却管、攪拌翼を備え付けた5Lの四つ口セパラブルフラスコに、水1900g、末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコールとしてPVA−1を344g仕込み、攪拌下95℃まで加熱して該ポリビニルアルコールを溶解した後、室温まで冷却した。該水溶液に0.5規定の硫酸を添加してpHを3.0に調整した。別に、p−スチレンスルホン酸ナトリウム172gを水300gに溶解し、これを先に調製したpH3.0の水溶液に攪拌下添加した後、該水溶液中に窒素をバブリングしつつ70℃まで加温し、さらに70℃で30分間窒素のバブリングを続けることで、窒素置換した。窒素置換後、上記水溶液に過硫酸カリウム(KPS)の2.5%水溶液121mLを1.5時間かけて逐次的に添加してブロック共重合を開始させ、進行させた後、系内温度を75℃に1時間維持して重合をさらに進行させ、ついで冷却して、固形分濃度18%のポリビニルアルコール−ポリ(p−スチレンスルホン酸ナトリウム)のブロック共重合体であるアニオン性重合体P−6の水溶液を得た。得られた水溶液の一部を乾燥した後、重水に溶解し、400MHzでの1H−NMR測定を行ったところ、該ブロック共重合体中のアニオン性単量体単位の含有量、すなわち、該重合体中の単量体単位の総数に対するp−スチレンスルホン酸ナトリウム単量体単位の数の割合は10モル%であった。該アニオン性重合体P−6の物性を表3に示す。
末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコールの種類と仕込み量、アニオン性単量体の種類と仕込み量、水の量、重合開始剤(過硫酸カリウム)の量などの重合条件を表3に示すように変えた以外は、アニオン性重合体P−6と同様の方法によってブロック共重合体であるアニオン性重合体P−7、P−8を合成した。該アニオン性重合体P−7、P−8の物性を表3に示す。
PVA124(株式会社クラレ製;重合度2400、ケン化度98.5モル%)を10質量%となるように水に投入後、90℃で攪拌溶解し、完全溶解したものを常温まで冷却して紡糸原液を得た。得られた紡糸原液を用い、ナノファイバーエレクトロスピニングユニット(カトーテック株式会社)にて、ビニロン紙BFN No.3(株式会社クラレ製、坪量:36g/m2、厚み:120μm)上に、ニードル内径:0.9mm、極間距離:8cm、コンベア速度:0.1m/分、印加電圧:20kVの条件で静電紡糸を行って、ビニロン紙の片面上にナノファイバー層を設けた基材を作製した。得られた基材において、ナノファイバー層の厚みは3.7μmであり、平均繊維径は300nmであった。
200mLの三角フラスコに、90mLの脱イオン水を入れ、カチオン性重合体P−1を22.5g加えてから、95℃のウォーターバスの中で加熱撹拌し、該重合体P−1を溶解させた。その後、脱イオン水を加えて濃度12%のカチオン性重合体水溶液を調整した。粘度は780mPa・s(20℃)であった。この水溶液をマイヤーバーにて基材−1のナノファイバー層面上に塗布し、熱風乾燥機DKM400(YAMATO製)にて80℃、15分間乾燥し、乾燥塗布量10g/m2のカチオン性PVA塗布膜(陰イオン交換膜:AEM−1)を得た。次いで、160℃で30分間熱処理し、物理的な架橋を生じさせた。陰イオン交換膜(1)を図1に示す形状に切り出した。図1において、孔は、液供給または排出のための孔である。
カチオン性重合体溶液を表4に示した内容に変更した以外はAEM−1と同様にしてカチオン性PVA塗布膜(陰イオン交換膜)を作製した。
濃度12%のカチオン性重合体P−3の水溶液を調整した。粘度は800mPa・s(20℃)であった。このポリマー水溶液を、バーコーターを用いてPETフィルムに800μm液厚になるように塗布して塗布層(キャスト層)を形成した。次いで、このキャスト層を形成したPETフィルムのキャスト層面に、ビニロン紙(坪量:36g/m2、厚み:90μm、空隙率:67%)を重ね合わせてP−3水溶液をビニロン紙中に含浸させた。その後、熱風乾燥機DKM400(YAMATO製)にて温度80℃、30分間乾燥した後、PETフィルムを剥離して含浸塗布皮膜を作製した。この時、PVAの塗布量は90g/m2であった。こうして得られた皮膜を、160℃で30分間熱処理し、物理的な架橋を生じさせた。得られたPVA塗布膜(陰イオン交換膜)(1)を図1に示す形状に切り出した。
濃度12%のカチオン性重合体P−3の水溶液を調整した。粘度は800mPa・s(20℃)であった。この水溶液をマイヤーバーにて基材−1のナノファイバー層面上に塗布し、熱風乾燥機DKM400(YAMATO製)にて80℃、15分間乾燥し、乾燥塗布量10g/m2のカチオン性PVA塗布膜を得た。さらに、160℃で30分間熱処理し、物理的な架橋を生じさせた。ついで、当該カチオン性PVA塗布膜を2mol/Lの硫酸ナトリウムの電解質水溶液に24時間浸漬させた。該水溶液にそのpHが1になるように濃硫酸を加えた後、1.0体積%グルタルアルデヒド水溶液に該膜を浸漬し、25℃で24時間スターラーを用いて撹拌し、架橋処理を行った。ここで、グルタルアルデヒド水溶液としては、石津製薬株式会社製「グルタルアルデヒド」(25体積%)を水で希釈したものを用いた。化学的架橋処理の後、該膜を脱イオン水に浸漬し、途中数回脱イオン水を交換しながら、該膜が膨潤平衡に達するまで浸漬させ、陰イオン交換膜AEM−6を得た。得られたPVA塗布膜(1)を図1に示す形状に切り出した。
濃度12%のカチオン性重合体P−3の水溶液を調整した。粘度は800mPa・s(20℃)であった。このポリマー水溶液を、バーコーターを用いてPETフィルムに800μm液厚になるように塗布して塗布層(キャスト層)を形成した。次いで、このキャスト層を形成したPETフィルムのキャスト層面に、ビニロン紙(坪量:36g/m2、厚み:90μm、空隙率:67%)を重ね合わせてP−3水溶液をビニロン紙中に含浸させた。その後、熱風乾燥機DKM400(YAMATO製)にて温度80℃、30分間乾燥した後、PETフィルムを剥離して含浸塗布皮膜を作製した。この時、PVAの塗布量は90g/m2であった。こうして得られた皮膜を、160℃で30分間熱処理し、物理的な架橋を生じさせた。ついで、当該カチオン性PVA塗布膜を2mol/Lの硫酸ナトリウムの電解質水溶液に24時間浸漬させた。該水溶液にそのpHが1になるように濃硫酸を加えた後、1.0体積%グルタルアルデヒド水溶液に該膜を浸漬し、25℃で24時間スターラーを用いて撹拌し、化学的架橋処理を行った。ここで、グルタルアルデヒド水溶液としては、石津製薬株式会社製「グルタルアルデヒド」(25体積%)を水で希釈したものを用いた。化学的架橋処理の後、該膜を脱イオン水に浸漬し、途中数回脱イオン水を交換しながら、該膜が膨潤平衡に達するまで浸漬させ、陰イオン交換膜AEM−7を得た。得られた陰イオン交換膜(1)を図1に示す形状に切り出した。
200mLの三角フラスコに、90mLの脱イオン水を入れ、アニオン性重合体P−2を22.5g加えてから、95℃のウォーターバスの中で加熱撹拌し、該重合体P−2を溶解させた。その後、脱イオン水を加えて濃度11%のアニオン性重合体水溶液を調整した。粘度は1200mPa・s(20℃)であった。この水溶液をマイヤーバーにて基材−1のナノファイバー層面上に塗布し、熱風乾燥機DKM400(YAMATO製)にて80℃、15分間乾燥し、乾燥塗布量10g/m2のカチオン性PVA塗布膜(陽イオン交換膜:CEM−1)を得た。次いで、160℃で30分間熱処理し、物理的な架橋を生じさせた。得られた陽イオン交換膜(2)を図1に示す形状に切り出した。陽イオン交換膜(2)の厚みは127μmであった。
アニオン性重合体溶液を表5に示した内容に変更した以外はCEM−1と同様にしてアニオン性PVA塗布膜(陽イオン交換膜)を作製した。
濃度11%のカチオン性重合体P−6の水溶液を調整した。粘度は1500mPa・s(20℃)であった。このポリマー水溶液を、バーコーターを用いてPETフィルムに800μm液厚になるように塗布して塗布層(キャスト層)を形成した。次いで、このキャスト層を形成したPETフィルムのキャスト層面に、ビニロン紙(坪量:36g/m2、厚み:90μm、空隙率:67%)を重ね合わせてP−6水溶液をビニロン紙中に含浸させた。その後、熱風乾燥機DKM400(YAMATO製)にて温度80℃、30分間乾燥した後、PETフィルムを剥離して含浸塗布皮膜を作製した。この時、PVAの塗布量は90g/m2であった。こうして得られた皮膜を、160℃で30分間熱処理し、物理的な架橋を生じさせた。得られたPVA塗布膜(陽イオン交換膜)(2)を図1に示す形状に切り出した。陽イオン交換膜(2)の厚みは127μmであった。
カチオン性重合体溶液P−3をアニオン性重合体溶液P−6に変更した以外はAEM−6と同様にして陽イオン交換膜を作製した。
カチオン性重合体溶液P−3をアニオン性重合体溶液P−6に変更した以外はAEM−7と同様にして陽イオン交換膜を作製した。
図2に示す形状に型抜きしたEVA製ホットメルトフィルム(銘柄:エルファンOH501、厚み:50μm、日本マタイ株式会社製)、PP製ガスケットシート(銘柄:PT−56−N 厚み:650μm、積水成型工業株式会社製)、PP製線条体(三昌製)を用いて、図1に示す形状に型抜きしたAEM−1(1)とCEM−1(2)のPVA塗布面に対向する裏面をEVA製ホットメルトフィルム(4)に向けて、図3に示す状態で重ね合わせた後、熱プレス機にて100度、30kgf/cm2、120秒間熱圧着させて一体型セル対を作製した。ついで、当該一体型セル対を2mol/Lの硫酸ナトリウムの電解質水溶液に24時間浸漬させた。該水溶液にそのpHが1になるように濃硫酸を加えた後、1.0体積%グルタルアルデヒド水溶液に該膜を浸漬し、25℃で24時間スターラーを用いて撹拌し、化学的架橋処理を行った。ここで、グルタルアルデヒド水溶液としては、石津製薬株式会社製「グルタルアルデヒド」(25体積%)を水で希釈したものを用いた。化学的架橋処理の後、該膜を脱イオン水に浸漬し、途中数回脱イオン水を交換しながら、該膜が膨潤平衡に達するまで浸漬させ、一体型セル対CELL−1を得た。得られた一体型セル対CELL−1の配流部のAEM−1およびCEM−1の皺状態を下述の基準で3段階評価を行った。さらに、一体型セル対の配流部からAEM−1およびCEM−1を切り出して膜抵抗およびイオン交換容量を測定した。以上の製造方法および評価結果について表6に示す。
1:膜の全面に皺が観察されない。
2:膜の一部に皺が観察される。
3:膜の前面に皺が観察される。
陰イオン交換膜、陽イオン交換膜、ガスケット、ホットメルトフィルムを表6に示した内容に変更した以外はCELL−1と同様にして一体型セル対を作製した。得られた一体型セル対の膜面の皺状態、膜抵抗およびイオン交換容量の評価結果を表6に示す。
一体型セル対に用いるガスケット(5)の厚みを40μmに変更した以外は、CELL−2と同様にして一体型セル対を作製した。得られた一体型セル対の膜面の皺状態、膜抵抗およびイオン交換容量の評価結果を表6に示す。
一体型セル対に用いるガスケット(5)の厚みを3000μmに変更した以外は、CELL−2と同様にして一体型セル対を作製した。得られた一体型セル対の膜面の皺状態、膜抵抗およびイオン交換容量の評価結果を表6に示す。
(スタック内部漏れ試験)
小型電気透析装置マイクロアシライザーS3(株式会社アストム製)を用いてスタック内部漏れ試験を実施した。その際、一体型セル対CELL−1(6)の内室が脱塩室となるように、図4に示す様な状態で一体型セル対CELL−1(6)と線条体(7)付きガスケット(厚み:750μm)(8)を陰極と陽極の両電極間に交互に10組配列して締め付けて膜スタックを作製した。次いで、電気透析装置へ水を通液し、濃縮室の入口圧を0.05MPa、脱塩室の入り口圧を0.1MPaに調整し、脱塩室側から濃縮室側への水の移動量を測定した。
上記で配列した膜スタックを用いて、25℃で電流密度1〜2A/dm2にてマイクロアシライザーS3にて脱塩試験を実施した。この時、塩化ナトリウム3000ppmおよびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム100ppmを含む水溶液を濃縮槽、希釈槽それぞれに各3Lを循環供給し1時間電気透析をした。その際、電気透析開始から5分後のスタック抵抗と脱塩率を測定した。また、電気透析開始から30分後の有機汚染度(開始から5分後から30分間運転後のスタック抵抗の上昇率)を測定した。結果を表7に示す。
脱塩室に用いる一体型セル対を表7に示した内容に変更した以外は実施例1と同様にして膜モジュールの特性を測定した。得られた測定結果を表7に示す。
(スタック内部漏れ試験)
小型電気透析装置マイクロアシライザーS3(株式会社アストム製)を用いてスタック内部漏れ試験を実施した。その際、脱塩室セル対としてはAEM−6(9)およびCEM−6(10)のPVA塗布面に対向する裏面を、線条体付きガスケット(厚み:650μm)(5)に向け、かつ濃縮室セルには線条体(7)付きガスケット(厚み:750μm)(8)を用いて図5に示す様な態様で陰極と陽極の両電極間に交互に10組配列して、ホットメルトフィルムを介することなく締め付けて膜スタックを作製した。次いで、電気透析装置へ水を通液し、濃縮室の入口圧を0.05MPa、脱塩室の入り口圧を0.1MPaに調整し、脱塩室側から濃縮室側への水の移動量を測定したが、セルの外部漏洩が激しく試験ができなかった。
上記で配列した膜スタックを用いて、25℃で電流密度1〜2A/dm2にてマイクロアシライザーS3にて脱塩試験を実施した。この時、塩化ナトリウム3000ppmおよびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム100ppmを含む水溶液を濃縮槽、希釈槽それぞれに各3Lを循環供給し1時間電気透析をしたが、セルの外部漏洩が激しく試験ができなかった。
(スタック内部漏れ試験)
小型電気透析装置マイクロアシライザーS3(株式会社アストム製)を用いてスタック内部漏れ試験を実施した。その際、脱塩室セル対としてはAEM−7(9)およびCEM−7(10)、線条体付きガスケット(厚み:650μm)(5)を用い、図5に示すような態様で重ね合わせて、濃縮室セルには線条体(7)付きガスケット(厚み:750μm)(8)を用いて陰極と陽極の両電極間に交互に10対配列して、ホットメルトフィルムを介することなく、締め付けて膜スタック(電気透析装置)を作製した。次いで、電気透析装置へ水を通液し、濃縮室の入口圧を0.05MPa、脱塩室の入り口圧を0.1MPaに調整し、脱塩室側から濃縮室側への水の移動量を測定した。
上記で配列した膜スタックを用いて、25℃で電流密度1〜2A/dm2にてマイクロアシライザーS3にて脱塩試験を実施した。この時、塩化ナトリウム3000ppmおよびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム100ppmを含む水溶液を濃縮槽、希釈槽それぞれに各3Lを循環供給し1時間電気透析をした。その際、電気透析開始から5分後のスタック抵抗と脱塩率を測定した。また、電気透析開始から30分後の有機汚染度(開始から5分後から30分間運転後のスタック抵抗の上昇率)を測定した。結果を表7に示す。
表7に示す一体型セル対に変更した以外は、実施例1と同様にして膜スタックの特性を測定した。得られた測定結果を表7に示す。
AEM−7に変えてAMX(アストム株式会社製)、CEM−7に変えてCMX(アストム株式会社製)に変更した以外は比較例2と同様にして膜モジュールの特性を測定した。得られた測定結果を表7に示す。
(2)実施例4においては、膜面に若干しわが発生したことにより、水の移動量が他の実施例1〜3および5〜6に比べて若干多いが、比較例に比べると許容できる範囲である。
(3)比較例1においては、支持枠に取り付ける前に化学架橋処理が行われたイオン交換膜を湿潤状態で支持枠に重ね合わせて接着することなく締付けることによりセル対が形成されたため、イオン交換膜とガスケットの支持枠との接合が不十分で外部漏れが発生した。
(4)比較例2においては、上記と同様にイオン交換膜を湿潤状態で支持枠に重ね合わせて接着することなく締付けを行った。この場合には、外部漏れはなかったが水の移動量が大きく、内部漏れが発生しており、イオン交換膜と支持枠との接合が不十分であることを示している。比較例1と比較例2とで漏れの状態が異なるのは、比較例1のイオン交換膜は、イオン交換性重合体溶液を基材上に塗布して形成した膜であり、比較例2は、イオン交換性重合体溶液を紙に含浸して形成していることによる差異に起因するものと推定される。
(5)比較例3においては、ガスケット厚みが40μmと薄くセルの圧力損失が高い為、処理液が循環できなく、試験ができなかった。
(6)比較例4においては、ガスケット厚みが3000μmと厚い為、セル抵抗が高く、脱塩率が劣っていた。
(7)比較例5においては、市販のイオン交換膜を用いて比較例2と同様の方法でセル対を形成したために、イオン交換膜と支持枠との接合が充分でなく内部漏れが認められるとともに、スタック抵抗上昇率が高く、膜汚れが発生しており、耐有機汚染性に劣ることが示されている。
2: カチオン交換膜
3: PP製線条体
4: ホットメルトフィルム
5: PP製ガスケットシート
6: 一体型セル対
7: PP製線条体
8: PP製ガスケットシート
9: アニオン交換膜
10: カチオン交換膜
11: 白金電極
12: NaCl水溶液
13: 水浴
14: LCRメーター
K: イオン交換膜
Claims (14)
- 第1のイオン交換膜および第2のイオン交換膜と、
前記第1のイオン交換膜と前記第2のイオン交換膜とを互いに対面するように配置、固定して一体化するためのガスケットと、を具備したセル対であって、
前記第1のイオン交換膜および/または第2のイオン交換膜は、アニオン性またはカチオン性ビニルアルコール系共重合体からなり、
前記ガスケットは、開口部と支持枠とから構成され、前記支持枠は50μm以上から1000μm未満の厚みを有しており、
前記第1のイオン交換膜と第2のイオン交換膜は、前記ガスケットの支持枠に接着固定されていることを特徴とする一体型セル対。 - 前記ビニルアルコール系共重合体が、ビニルアルコール重合体ブロックと、アニオン性基を有するアニオン性重合体ブロックまたはカチオン性基を有するカチオン性重合体ブロックと、を有するブロック共重合体である請求項1に記載の一体型セル対。
- 前記ビニルアルコール系共重合体が、ビニルアルコール重合体ブロックと、アニオン性基を有するアニオン性重合体ブロックまたはカチオン性重合体ブロックと、を有するグラフト共重合体である請求項1項に記載の一体型セル対。
- 前記第1のイオン交換膜および/または第2のイオン交換膜の前記カチオン性またはアニオン性ビニルアルコール系共重合体には、ジアルデヒド化合物との反応による架橋結合が導入されている請求項1に記載の一体型セル対。
- 前記第1のイオン交換膜および第2のイオン交換膜のイオン交換容量が、それぞれ0.30meq/g以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の一体型セル対。
- 前記第1のイオン交換膜および第2のイオン交換膜の膜抵抗が、それぞれ100Ωcm2以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の一体型セル対。
- 前記支持枠は、前記第1のイオン交換膜と前記第2のイオン交換膜との間の空間が流体経路になるように、前記第1のイオン交換膜と第2のイオン交換膜とを、所定の間隔を設けて配置、固定するように構成されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の一体型セル対。
- 前記ガスケットの開口部を被うように、プラスチック線条体を前記支持枠に取り付けている、請求項7に記載の一体型セル対。
- 前記流体流路を構成する前記プラスチック線条体の厚みが、50〜1000μmである請求項8に記載の一体型セル対。
- 前記第1のイオン交換膜と前記第2のイオン交換膜は、いずれか一方がアニオン交換膜であり、他方がカチオン交換膜である、請求項1〜9項のいずれか一項に記載の一体型セル対。
- 第1のイオン交換膜および第2のイオン交換膜と、
前記第1のイオン交換膜と前記第2のイオン交換膜とを互いに対面するように配置、固定して一体化するためのガスケットと、を具備しており、
前記第1のイオン交換膜および/または第2のイオン交換膜は、アニオン性またはカチオン性ビニルアルコール系共重合体からなり、
前記ガスケットは、開口部と支持枠とから構成されている、前記支持枠は50μm以上から1000μm未満の厚みを有しているセル対を製造する方法において、
前記第1のイオン交換膜と前記第2のイオン交換膜を、前記ガスケットに互いに対面するように配置した後に、前記第1のイオン交換膜と第2のイオン交換膜を、前記ガスケットの支持枠にそれぞれ接着固定することを特徴とする一体型セル対の製造方法。 - 前記アニオン性またはカチオン性ビニルアルコール系共重合体の膜を前記支持枠に接着固定した後に、前記ビニルアルコール系共重合体の膜に化学的架橋処理を行う、請求項11に記載の一体型セル対の製造方法。
- 前記化学的架橋処理は、前記カチオン性またはアニオン性ビニルアルコール系共重合体の膜にジアルデヒド化合物を反応させることにより行う請求項11に記載の一体型セル対の製造方法。
- 請求項1〜10のいずれか一項に記載の前記セル対が複数組積層されてなる、電気透析スタック。
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Citations (3)
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JPH07265865A (ja) * | 1994-03-29 | 1995-10-17 | Japan Organo Co Ltd | 電気式脱イオン水製造装置 |
WO2010110333A1 (ja) * | 2009-03-25 | 2010-09-30 | 株式会社クラレ | 陰イオン交換膜及びその製造方法 |
WO2010119858A1 (ja) * | 2009-04-13 | 2010-10-21 | 国立大学法人山口大学 | イオン交換膜およびその製造方法 |
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2013
- 2013-07-17 JP JP2013148590A patent/JP2015020093A/ja active Pending
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