JP2015020093A - 一体型セル対、その製造方法および電気透析スタック - Google Patents

一体型セル対、その製造方法および電気透析スタック Download PDF

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Abstract

【課題】アニオン性またはカチオン性ビニルアルコール系重合体からなるイオン交換膜を具備した、外部漏れおよび内部漏れのない一体型セル対の提供。【解決手段】第1のイオン交換膜および第2のイオン交換膜と、前記第1のイオン交換膜と前記第2のイオン交換膜とを互いに対面するように配置、固定して一体化するためのガスケットと、を具備したセル対であって、前記第1のイオン交換膜および/または第2のイオン交換膜は、アニオン性またはカチオン性ビニルアルコール系共重合体からなり、前記ガスケットは、開口部と支持枠とから構成され、前記支持枠は50μm以上から1000μm未満の厚みを有しており、前記第1のイオン交換膜と第2のイオン交換膜は、前記ガスケットの支持枠に接着固定されていることを特徴とする一体型セル対。【選択図】図3

Description

本発明は、第1のイオン交換膜および第2のイオン交換膜と、前記第1のイオン交換膜と前記第2のイオン交換膜とを互いに対面するように配置、固定して一体化するためのガスケットと、を備えた、電気透析スタックの構成単位である一体型セル対に関する。特に、本発明は、前記イオン交換膜が、アニオン性またはカチオン性ビニルアルコール系共重合体から構成され、外部漏れおよび内部漏れのない一体型セル対に関する。
電気透析による電解質溶液の脱塩技術は、かん水の脱塩を目的として1950年代に最初に開発された技術であり、その後、食塩の製造を目的とする海水濃縮、醤油やホエーの脱塩、各種化学製造プロセスの合理化、廃水処理、ワイン中の不純物の分離など、さまざまな電解質溶液からの脱塩に利用されている。
電気透析装置は、一対の電極の間に、多数の室枠が重ねて配置されており、互いに隣り合う室枠の間には、アニオン交換膜或いはカチオン交換膜が挟持され、全体としてアニオン交換膜とカチオン交換膜とが、交互に位置するように配置され、各室枠にアニオン交換膜とカチオン交換膜とによって区画されたイオン交換室(通電部)が形成されている。このようなイオン交換室は、負極側にカチオン交換膜が位置し且つ正極側にアニオン交換膜が位置している室が脱塩室となり、負極側にアニオン交換膜が位置し且つ正極側にカチオン交換膜が位置している室が濃縮室となり、脱塩室と濃縮室とが交互に配置された構造となっている。即ち、脱塩室に処理液(電解質液)を循環供給しながら通電を行うと、脱塩室に供給された処理液中のカチオンはカチオン交換膜を通って隣の負極側の濃縮室に移行し、該処理液中のアニオンはアニオン交換膜を通って隣の正極側の濃縮室に移行することとなる。このようにして、脱塩室に処理液を循環供給すると同時に濃縮室に塩水溶液を循環すると、処理液の脱塩が行われると同時に、塩濃度が増大した濃縮液を得ることができる。
上記の説明から理解されるように、各室枠には、それぞれ、処理液及び濃縮液を流す流路となる連通孔と、該連通孔と脱塩室或いは濃縮室とを繋ぐ配流部とが形成されており、脱塩室或いは濃縮室に液を供給するための液供給部及び脱塩室或いは濃縮室から液を排出するための液排出部は、何れも、このような連通孔と配流部から形成されており、これにより、脱塩室での処理液の循環と濃縮室での濃縮液の循環とが行われるようになっている。
ところで、上記のような構造を有する電気透析装置においては、室枠と室枠の間にイオン交換膜(カチオン交換膜或いはアニオン交換膜)が挟持されているため、配流部でのアニオン交換膜とカチオン交換膜との接触を確実に防止し、配流部での通液路を安定に確保するため、配流部の内部に樹脂製のネットが配置されているが、イオン交換膜が室枠に被せられているため、配流部分からの液漏れを生じ易いという問題がある。即ち、配流部分において、イオン交換膜と室枠との間から液洩れを生じ、例えば脱塩室に供給する液の一部が液漏れによって濃縮室に流れ込んでしまうという問題を生じることがある。
特許文献1では、互いに対面するように配置された2枚のプラスチックフィルムの間の空間が流体流路となっており、該流体流路には、網目状に形成されたプラスチック線条体が配置され、該プラスチック線条体は、該流体流路を遮断しないように、前記2枚のプラスチックフィルムに接着されていることを特徴とする通流積層シートが開示されている。
特許文献2では、少なくとも、ガスケットの通液部分の一部とその周辺の締め付け部分の一部とを覆う如く、補強シートが配置されたことを特徴とする、透析用スタックが開示されている。
特許文献3では、2つの側を有する半透膜部分と、それと一体的な少なくとも1つのフレーム部分とを含む一体的モノリシックフレーム−膜であって、前記フレーム部分はその中に少なくとも1つのキャビティを含み、前記キャビティは前記膜部分の一方の側と並置され且つその中の流体流れに適応されており、該フレーム部分は少なくとも1つの流体入口マニホルド開口、少なくとも1つの流体出口マニホルド開口、該入口マニホルド開口と連通するマニホルド端及び該キャビティと連通するキャビティ端を有する少なくとも1つの流体入口導管、該出口マニホルド開口と連通するマニホルド端を有する少なくとも1つの流体出口導管、及び該キャビティと連通するキャビティ端も含むことからなる一体的モノリシックフレーム−膜が開示されている。
特開2011−93240号公報 特開2001−224930号公報 特表平11−502764号公報
本発明者らは、アニオン性またはカチオン性ビニルアルコール系共重合体からなるイオン交換膜がイオン選択的透過性に優れるとともに耐有機汚染性に優れていることに着目して、前記ビニルアルコール系共重合体からなるイオン交換膜の開発を進めているが、前記先行技術に基づいて、前記ビニルアルコール系共重合体からなるイオン交換膜をガスケットの支持枠に取り付けたセル対において、液供給・排出孔部分からの液漏れが起こりやすいことを認め、この液漏れを防ぐことを解決すべき技術的課題とした。
本発明者等は、この技術的課題について鋭意検討の結果、ビニルアルコール系共重合体からなるイオン交換膜を電気透析装置に装着して長期の使用に耐えるためには、ビニルアルコール系共重合体からなる膜を支持枠に取付け固定を行うにあたり、該膜を支持枠に接着固定することが液漏れ対策に有効であることを認め、本発明に到達した。
本発明第1の構成は、第1のイオン交換膜および第2のイオン交換膜と、前記第1のイオン交換膜と前記第2のイオン交換膜とを互いに対面するように配置、固定して一体化するためのガスケットと、を具備したセル対であって、
前記第1のイオン交換膜および/または第2のイオン交換膜は、アニオン性またはカチオン性ビニルアルコール系共重合体からなり、
前記ガスケットは、開口部と支持枠とから構成され、前記支持枠は50μm以上から1000μm未満の厚みを有しており、
前記第1のイオン交換膜と第2のイオン交換膜は、前記ガスケットの支持枠に接着固定されていることを特徴とする一体型セル対である。
前記ビニルアルコール系共重合体が、ビニルアルコール重合体ブロックと、アニオン性基を有するアニオン性重合体ブロックまたはカチオン性基を有するカチオン性重合体ブロックと、を有するブロック共重合体であることが好ましい。
前記ビニルアルコール系共重合体が、ビニルアルコール重合体ブロックと、アニオン性基を有するアニオン性重合体ブロックまたはカチオン性重合体ブロックと、を有するグラフト共重合体であることが好ましい。
前記第1のイオン交換膜および/または第2のイオン交換膜の前記カチオン性またはアニオン性ビニルアルコール系共重合体には、ジアルデヒド化合物との反応による架橋結合が導入されていることが好ましい。
前記第1のイオン交換膜および第2のイオン交換膜のイオン交換容量が、それぞれ0.30meq/g以上であることが好ましい。
前記第1のイオン交換膜および第2のイオン交換膜の膜抵抗が、それぞれ100Ωcm以下であることが好ましい。
前記支持枠は、前記第1のイオン交換膜と前記第2のイオン交換膜との間の空間が流体経路になるように、前記第1のイオン交換膜と第2のイオン交換膜とを、所定の間隔を設けて配置、固定するように構成されていることが好ましい。
前記ガスケットの開口部を被うように、プラスチック線条体を前記支持枠に取り付けていることが好ましい。
前記流体流路を構成する前記プラスチック線条体の厚みが、50〜1000μmであることが好ましい。
前記第1のイオン交換膜と前記第2のイオン交換膜は、いずれか一方がアニオン交換膜であり、他方がカチオン交換膜であることが好ましい。
本発明第2の構成は、第1のイオン交換膜および第2のイオン交換膜と、
前記第1のイオン交換膜と前記第2のイオン交換膜とを互いに対面するように配置、固定して一体化するためのガスケットと、を具備しており、
前記第1のイオン交換膜および/または第2のイオン交換膜は、アニオン性またはカチオン性ビニルアルコール系共重合体からなり、
前記ガスケットは、開口部と支持枠とから構成されている、前記支持枠は50μm以上から1000μm未満の厚みを有しているセル対を製造する方法において、
前記第1のイオン交換膜と前記第2のイオン交換膜を、前記ガスケットに互いに対面するように配置した後に、前記第1のイオン交換膜と第2のイオン交換膜を、前記ガスケットの支持枠にそれぞれ接着固定することを特徴とする一体型セル対の製造方法である。
前記アニオン性またはカチオン性ビニルアルコール系共重合体の膜を前記支持枠に取り付けた後、前記ビニルアルコール系共重合体の膜に化学的架橋処理を行うことが好ましい。
前記化学的架橋処理は、前記カチオン性またはアニオン性ビニルアルコール系共重合体の膜にジアルデヒド化合物を反応させることにより行うことが好ましい。
本発明第3の構成は、前記セル対が複数組積層されてなる、電気透析スタックである。
本発明第1の構成によれば、アニオン性またはカチオン性ビニルアルコール系共重合体からなるイオン交換膜をガスケットに固定した一体型セル対において、前記イオン交換膜がガスケット支持枠に強固に接着固定されることにより、液の外部漏れや内部漏れを防ぐと共に、イオン交換膜が親水性の高いアニオン性またはカチオン性ビニルアルコール系共重合体により構成されているため、長期にわたる電気透析が可能で、かつ、耐有機汚染性に優れた、一体型セル対を得ることができる。
本発明第2の構成によれば、アニオン性またはカチオン性ビニルアルコール系共重合体からなるイオン交換膜をガスケットに取り付けるセル対の製造方法において、アニオン性またはカチオン性ビニルアルコール系共重合体イオン交換膜をガスケットの支持枠に強固に接着固定することにより、液の外部漏れや内部漏れのない一体型セル対を得ることができる。
本発明第3の構成によれば、アニオン性またはカチオン性ビニルアルコール系共重合体からなるイオン交換膜をガスケットに取り付けた一体型セル対を積層して得られる電気透析スタックは、液の外部漏れや内部漏れがなく、長期にわたる電気透析が可能な電気透析装置を得ることができる。
本発明に係る一体型セル対に取り付けられるイオン交換膜の一例を示す説明図である。 本発明に係る一体型セル対に取り付けられる線条体、ホットメルトフィルム、ガスケットの一例を示す説明図である。 本発明に係る一体型セル対を構成するイオン交換膜とガスケットとの積層の一例を示す説明図である。 本発明に係る一体型セル対(脱塩室)にガスケット(濃縮室)を取り付けたモジュールの態様の一例を示す説明図である。 比較例1において用いられた、セル対(脱塩室)にガスケット(濃縮室)を取り付けたモジュールの態様を示す説明図である。 本発明に係る一体型セル対(脱塩室)にガスケット(濃縮室)を取付けたモジュールの態様と、脱塩液および濃縮液の流れを示す説明図である。 本発明のイオン交換膜の膜抵抗の測定に用いることができる装置の模式図である。
本発明においては、図1に示すイオン交換膜(1、2)及び図2に示す線条体(3)、ホットメルトフィルム(4)、ガスケットシート(5)を用いて、図3に示すように、このイオン交換膜(1,2)を、ガスケット(5)(好ましくは線条体(3)を取り付けた)の支持枠にホットメルトフィルム(4)を介して強固に接着固定して、外部漏れや内部漏れのない一体型セル対を構成している。この一体型セル対を構成するにあたり、本発明においては、イオン交換膜として、アニオン性またはカチオン性ビニルアルコール系共重合体を用いる点に特徴を有する。本発明で用いられるアニオン性またはカチオン性ビニルアルコール系共重合体(以下、イオン性重合体と称することがある。)について、以下に説明をする。
(イオン性重合体)
本発明で用いられるイオン性重合体は、カチオン交換基またはアニオン交換基のイオン交換基を有するイオン性ポリビニルアルコール重合体であって、ビニルアルコール系単量体(A−1)を重合してなる重合体成分(a−1)及びイオン交換性単量体(A−2)を重合してなる重合体成分(a−2)から形成される共重合体から構成される。イオン交換性単量体としては、アニオン交換基を含む単量体とカチオン交換基を含む単量体とがある。共重合体は、ランダム、ブロック、グラフトの任意の形態であればよいが、ブロック共重合体であるのが好ましい。
(アニオン交換基を有するイオン性重合体)
本発明で用いるアニオン交換基を有するイオン交換性重合体(カチオン性重合体と称することがある)(ビニルアルコール系単量体との共重合体およびブロック共重合体を構成するカチオン性重合体を含む)は、分子中にアニオン交換基(カチオン基と称することがある)を含有する単量体であれば、カチオン基が、主鎖、側鎖、末端のいずれに含有されていても構わない。カチオン基としては、アンモニウム基、イミニウム基、スルホニウム基、ホスホニウム基などが例示される。また、アミノ基やイミノ基のように、水中においてその一部が、アンモニウム基やイミニウム基に変換し得る官能基を含有する重合体も、本発明のカチオン基を持つ重合体に含まれる。この中で工業的に入手しやすい観点から、アンモニウム基が好ましい。アンモニウム基としては、1級アンモニウム基(アンモニウム塩)、2級アンモニウム基(アンモニウム塩)、3級アンモニウム基(塩)、4級アンモニウム基(トリアルキルアンモニウム基等)のいずれを用いることができるが、4級アンモニウム基(トリアルキルアンモニウム基)がより好ましい。カチオン性重合体は、1種類のみのカチオン基を含有しても良いし、複数種のカチオン基を含有しても良い。また、カチオン基の対アニオンは特に限定されず、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、リン酸イオン、カルボン酸イオンなどが例示される。この中で、入手の容易性の点から、ハロゲン化物イオンが好ましく、塩化物イオンがより好ましい。カチオン性重合体は、1種類のみの対アニオンを含有しても良いし、複数種の対アニオンを含有しても良い。
カチオン性重合体としては、以下の一般式(1)〜(8)の構造単位を有するものが例示される。
Figure 2015020093
[式中、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。R、R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキル基、アリール基若しくはアラルキル基を表わす。R、R、Rは、相互に連結して飽和若しくは不飽和環状構造を形成していてもよい。Zは−O−、−NH−、または−N(CH)−を表し、Yは酸素、窒素、硫黄またはリン原子を含んでもよい総炭素数1〜8の二価の連結基を表す。Xはアニオンを表す。]
一般式(1)中の対アニオンXとしては、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、リン酸イオン、カルボン酸イオンなどが例示される。一般式(1)で表わされる構造単位を含有するカチオン性重合体しては、3−(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、3−(メタ)アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピルトリメチルアンモニウムクロライドなど3−(メタ)アクリルアミド−アルキルトリアルキルアンモニウム塩の単独重合体または共重合体などが例示される。
Figure 2015020093
[式中、Rは水素原子またはメチル基を表わす。R、R、R、およびXは一般式(1)と同義である。]
一般式(2)で表わされる構造単位を含有するカチオン性重合体としては、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドなどビニルベンジルトリアルキルアンモニウム塩の単独重合体または共重合体などが例示される。
Figure 2015020093
[式中、R、R、およびXは一般式(1)と同義である。]
Figure 2015020093
[式中、R、R、およびXは一般式(1)と同義である。]
一般式(3)および一般式(4)で表わされる構造単位を含有するカチオン性重合体としては、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドなどジアリルジアルキルアンモニウム塩が環化重合して得られる単独重合体または共重合体が例示される。
Figure 2015020093
[式中、nは0または1を表わす。RおよびRは一般式(1)と同義である。]
一般式(5)で表わされる構造単位を含有するカチオン性重合体としては、アリルアミンの単独重合体または共重合体が例示される。
Figure 2015020093
[式中、nは0または1を表わす。R、R、R、およびXは一般式(1)と同義である。]
一般式(6)で表わされる構造単位を含有するカチオン性重合体としては、アリルアミン塩酸塩などアリルアンモニウム塩の単独重合体または共重合体が例示される。
Figure 2015020093
[式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Aは−CH(OH)CH−、−CHCH(OH)−、−C(CH)(OH)CH−、−CHC(CH)(OH)−、−CH(OH)CHCH−、または−CHCHCH(OH)−を表す。Eは−N(Rまたは−N(R・Xを表し、Rは水素原子またはメチル基を表す。Xはアニオンを表す。]
一般式(7)で表わされる構造単位を含有するカチオン性重合体として、N−(3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミンまたはその4級アンモニウム塩の単独重合体または共重合体、N−(4−アリルオキシ−3−ヒドロキシブチル)ジエチルアミンまたはその4級アンモニウム塩の単独重合体または共重合体が例示される。
Figure 2015020093
[式中、Rは水素原子またはメチル基、Rは水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基またはi−プロピル基、Rは水素原子、メチル基、およびエチル基をそれぞれ表わす。]
一般式(8)で表わされる構造単位を含有するカチオン性重合体として、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等が例示される。
本発明で用いられるカチオン交換基を有するイオン交換性重合体(アニオン性重合体と称することがある)は、分子中にカチオン交換基(アニオン基と称することがある)を含有する重合体である。当該アニオン基は、主鎖、側鎖、末端のいずれに含有されていても構わない。アニオン基としては、スルホネート基、カルボキシレート基、ホスホネート基などが例示される。また、スルホン酸基、カルボキシル基、ホスホン酸基のように、水中において少なくともその一部が、スルホネート基、カルボキシレート基、ホスホネート基に変換し得る官能基も、アニオン基に含まれる。この中で、イオン解離定数が大きい点から、スルホネート基が好ましい。アニオン性重合体は、1種類のみのアニオン基を含有していてもよいし、複数種のアニオン基を含有していてもよい。また、アニオン基の対カチオンは特に限定されず、水素イオン、アルカリ金属イオン、などが例示される。この中で、設備の腐蝕問題が少ない点から、アルカリ金属イオンが好ましい。アニオン性重合体は、1種類のみの対カチオンを含有していてもよいし、複数種の対カチオンを含有していてもよい。
本発明で用いられるアニオン性重合体は、上記アニオン基を含有する構造単位のみからなる重合体であってもよいし、上記アニオン基を含有しない構造単位をさらに含む重合体であってもよい。また、これらの重合体は架橋性を有するものであることが好ましい。アニオン性重合体は、1種類のみの重合体からなるものであってもよいし、複数種のアニオン性重合体を含むものであってもよい。また、これらアニオン性重合体と別の重合体との混合物であっても構わない。ここでアニオン性重合体以外の重合体はカチオン性重合体でないことが望ましい。
アニオン性重合体としては、以下の一般式(9)および(10)の構造単位を有するものが例示される。
Figure 2015020093
[式中、Rは水素原子またはメチル基を表す。Gは−SOH、−SO 、−POH、−PO 、−COHまたは−CO を表す。Mはアンモニウムイオンまたはアルカリ金属イオンを表す。]
一般式(9)で表わされる構造単位を含有するアニオン性重合体としては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の単独重合体または共重合体などが例示される。
Figure 2015020093
[式中、Rは水素原子またはメチル基を表わし、Tは水素原子がメチル基で置換されていてもよいフェニレン基またはナフチレン基を表わす。Gは一般式(9)と同義である。]
一般式(10)で表わされる構造単位を含有するアニオン性重合体としては、p−スチレンスルホン酸ナトリウムなどp−スチレンスルホン酸塩の単独重合体または共重合体などが例示される。
また、アニオン性重合体としては、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸などのスルホン酸またはその塩の単独重合体または共重合体、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等のジカルボン酸、その誘導体またはその塩の単独重合体または共重合体なども例示される。
一般式(9)または(10)において、Gは、より高い荷電密度を与えるスルホネート基、スルホン酸基、ホスホネート基、またはホスホン酸基であることが好ましい。また一般式(9)および一般式(10)中、Mで表わされるアルカリ金属イオンとしてはナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン等が挙げられる。
(ビニルアルコール系単量体との共重合体)
本発明においては、上記のカチオン交換基またはアニオン交換基を有する重合体は、ビニルアルコール系単量体との共重合体構造を有する。ビニルアルコール系単量体との共重合構造を取ることが、イオン交換膜の強度、柔軟性、および、物理的または化学的架橋性の点から好ましい。
(カチオン基を有する単量体とビニルアルコール系単量体との共重合体)
カチオン基を有するビニルアルコール系共重合体としては、入手容易である点からメタクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウム塩とビニルアルコール成分との共重合体、ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム塩とビニルアルコール成分との共重合体、ジアリルジアルキルアンモニウム塩とビニルアルコール成分との共重合体が特に好ましい。カチオン基を含有するビニルアルコール系重合体、またはカチオン基を含有するビニルアルコール系重合体とカチオン基を含有しないビニルアルコール系重合体との混合物においては、カチオン性重合体中の単量体単位の総数に対するビニルアルコール単位の数の割合が、50モル%以上であることが好ましく、55モル%以上であることがより好ましい。ここでカチオン性重合体以外の重合体(カチオン基を含有しないビニルアルコール系重合体)はアニオン性重合体でないことが望ましい。
(アニオン基を有する単量体とビニルアルコール系単量体との共重合体)
アニオン基を有するビニルアルコール系共重合体としては、入手容易である点から、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩成分とビニルアルコール成分との共重合体、p−スチレンスルホン酸塩成分とビニルアルコール成分との共重合体が特に好ましい。アニオン基を含有するビニルアルコール系重合体、またはアニオン基を含有するビニルアルコール系重合体とアニオン基を含有しないビニルアルコール系重合体との混合物においては、アニオン性重合体中の単量体単位の総数に対するビニルアルコール単位の数の割合が、50モル%以上であることが好ましく、55モル%以上であることがより好ましい。ここでアニオン性重合体以外の重合体(アニオン基を含有しないビニルアルコール系重合体)はカチオン性重合体でないことが望ましい。
(ビニルアルコール系重合体とイオン交換性重合体との比率)
本発明において、ビニルアルコール系単量体(A−1)とイオン交換性単量体(A−2)との比率は、ビニルアルコール系単量体(A−1)が99〜50mol%,イオン交換性単量体(A−2)が1〜50mol%[単量体(A−1)と単量体(A−2)との合計量を100mol%とする]の範囲内にあることが好ましい。より好ましくは、ビニルアルコール系単量体(A−1)が97〜60mol%、イオン交換性単量体(A−2)が3〜40mol%の範囲内にあることが好ましい。
イオン交換性重合体の比率が1mol%未満では、イオン交換膜中の有効荷電密度が低下し、膜の対イオン選択性が低下するおそれがある。また、イオン交換性重合体の比率が50mol%を超えると、イオン交換膜の膨潤度が高くなり、機械的強度が低下するおそれがある。
(ブロック共重合体)
本発明において、イオン性ポリビニルアルコール系重合体は、カチオン基またはアニオン基を有する単量体単位とビニルアルコール系単量体単位とを含む共重合体から構成されている。中でも、ビニルアルコール系重合体成分(a―1)と、カチオン基またはアニオン基を有する単量体単位を重合してなる重合体成分(a−2)とを含有するブロック共重合体が好適に用いられる。こうすることにより、イオン性重合体がミクロ相分離して、膜の膨潤度の抑制、および形状保持についての機能を担うビニルアルコール重合体成分と、カチオンまたはアニオンを透過させる機能を担うイオン交換ユニットを重合してなる重合体成分とが役割分担でき、イオン交換膜の膨潤度と寸法安定性とを両立させることができる。カチオン基またはアニオン基を有する単量体単位としては、前記一般式(1)〜(10)で表わされるものなどが例示される。この中で、入手容易である点から、カチオン性重合体としては、メタクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウム塩を重合してなる重合体成分とビニルアルコール系重合体成分とを含有するブロック共重合体、ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム塩を重合してなる重合体成分とビニルアルコール系重合体成分とを含有するブロック共重合体、またはジアリルジアルキルアンモニウム塩を重合してなる重合体成分とビニルアルコール系重合体成分とを含有するブロック共重合体が好ましく用いられる。また、アニオン性重合体としては、p−スチレンスルホン酸塩を重合してなる重合体成分とビニルアルコール系重合体成分とを含有するブロック共重合体、または2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩を重合してなる重合体成分とビニルアルコール系重合体成分とを含有するブロック共重合体が好ましく用いられる。
(イオン交換容量)
本発明に係るイオン交換膜として使用するのに十分なイオン交換容量を発現するために、共重合体のイオン交換容量は、0.30meq/g以上であることが好ましく、0.50meq/g以上であることがより好ましい。イオン交換容量の上限については、イオン交換容量が大きくなりすぎると、親水性が高まり、膨潤度の抑制が困難となるので、3.0meq/g以下であることが好ましい。
(膜抵抗)
本発明において、イオン交換膜の膜抵抗は、100Ωcm以下であることが好ましく、50Ωcm以下であることがより好ましい。この観点から、イオン交換膜の膜厚は、1〜1000μm程度であることが好ましい。膜厚が1000μmを超える場合には、膜抵抗が大きくなり、充分なイオン交換性が発現しないため、電気透析効率が低くなりやすい。
(ランダム共重合体の製造)
本発明のイオン交換膜に用いられる、カチオン交換基またはアニオン交換基を有する重合体を含むイオン性ポリビニルアルコール系重合体は、カチオン性単量体またはアニオン性単量体とビニルエステル系単量体を共重合し、これを常法によりけん化して得られる。ビニルエステル系単量体は、ラジカル重合可能なものであれば使用できる。例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニルおよびパーサティック酸ビニル等があげられる。この中でも酢酸ビニルが好ましい。
カチオン性単量体またはアニオン性単量体とビニルエステル系単量体とを共重合させる方法としては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などの公知の方法があげられる。それらの方法の中でも、無溶媒で行う塊状重合法、またはアルコールなどの溶媒を用いて行う溶液重合が通常採用される。溶液重合を採用して共重合反応を行う際に、溶媒として使用されるアルコールには、メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコールがあげられる。共重合反応に使用される開始剤としては、2,2’―アゾビス(2、4−ジメチル−バレロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2、2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)などのアゾ系開始剤、過酸化ベンゾイル、n−プロピルパーオキシカーボネートなどの過酸化物系開始剤などの公知の開始剤があげられる。共重合反応を行う際の重合温度については、特に制限はないが、5〜180℃の範囲が適当である。
カチオン性単量体またはアニオン性単量体とビニルエステル系単量体とを共重合させることによって得られたビニルエステル系重合体は、次いで、公知の方法にしたがって溶媒中でけん化することで、カチオン基またはアニオン基を含有するビニルアルコール系重合体を得ることができる。
ビニルエステル系重合体のけん化反応の触媒としては通常アルカリ性物質が用いられ、その例として、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、およびナトリウムメトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドがあげられる。けん化触媒は、けん化反応の初期に一括して添加しても良いし、あるいはけん化反応の初期に一部を添加し、残りをけん化反応の途中で追加して添加しても良い。けん化反応に用いられる溶媒としては、メタノール、酢酸メチル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどがあげられる。この中でもメタノールが好ましい。けん化反応は、バッチ法および連続法のいずれの方式でも実施可能である。けん化反応の終了後に、必要に応じて、残存するけん化触媒を中和しても良く、使用可能な中和剤として、酢酸、乳酸などの有機酸、および酢酸メチルなどのエステル化合物などがあげられる。
イオン基を含有するビニルアルコール系重合体のけん化度は特に限定されないが、40〜99.9モル%であることが好ましい。けん化度が40モル%未満では、結晶性が低下し、イオン交換体の耐久性が不足するおそれがある。けん化度が60モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることが更に好ましい。通常、けん化度は99.9モル%以下である。このとき、前記ビニルアルコール系重合体が複数種のビニルアルコール系重合体の混合物である場合のけん化度は、JIS K6726に準じて測定した値である。本発明で用いるイオン基を含有しないビニルアルコール系重合体のけん化度も、上記範囲であることが好ましい。
イオン基を含有するビニルアルコール系重合体の粘度平均重合度(以下単に重合度と言うことがある)は特に限定されないが、50〜10000であることが好ましい。重合度が50未満では、実用上でイオン交換体が充分な耐久性を保持できないおそれがある。重合度が100以上であることがより好ましい。重合度が10000を超えると、水溶液にした際に粘度が高すぎて取り扱いが不便であるおそれがある。重合度が8000以下であることがより好ましい。このとき、前記ビニルアルコール系重合体が複数種のビニルアルコール系重合体の混合物である場合の重合度は、混合物全体としての平均の重合度をいう。なお、前記ビニルアルコール系重合体の粘度平均重合度は、JIS K6726に準じて測定した値である。本発明で用いられるイオン基を含有しないビニルアルコール系重合体の重合度も、上記範囲であることが好ましい。
(ブロック共重合体の製造)
本発明で用いられる、カチオン交換性単量体、またはアニオン交換性単量体を重合してなる重合体成分とビニルアルコール系重合体成分がブロック共重合を形成する重合体の製造方法は主に次の2つの方法に大別される。すなわち、(1)所望のブロック共重合体を製造した後、特定のブロックにカチオン基またはアニオン基を結合させる方法、および(2)少なくとも1種類のカチオン性単量体またはアニオン性単量体を重合させて所望のブロック共重合体を得る方法である。このうち、(1)については、末端にメルカプト基を有するビニルアルコール系重合体の存在下、1種類または複数種の単量体をブロック共重合させ、次いでブロック共重合体中の1種類または複数種の重合体成分にカチオン基またはアニオン基を導入する方法、(2)については、末端にメルカプト基を有するビニルアルコール系重合体の存在下、少なくとも1種類のカチオン性単量体またはアニオン性単量体をラジカル重合させることによりブロック共重合体を製造する方法が工業的な容易さから好ましい。特に、ブロック共重合体中の各成分の種類や量を容易に制御できることから、末端にメルカプト基を有するビニルアルコール系重合体の存在下、少なくとも1種類以上のカチオン性単量体またはアニオン性単量体をラジカル重合させてブロック共重合体を製造する方法が好ましい。
これらのブロック共重合体の製造に用いられる、末端にメルカプト基を有するビニルアルコール系重合体は、例えば、特開昭59−187003号などに記載されている方法により得ることができる。すなわち、チオール酸の存在下にビニルエステル系単量体、例えば酢酸ビニルをラジカル重合して得られるビニルエステル系重合体をけん化する方法があげられる。また、末端にメルカプト基を有するビニルアルコール系重合体とイオン性単量体とを用いてブロック共重合体を得る方法としては、例えば、特開昭59−189113号などに記載された方法が挙げられる。すなわち、末端にメルカプト基を有するビニルアルコール系重合体の存在下にイオン性単量体をラジカル重合させることによりブロック共重合体を得ることができる。このラジカル重合は公知の方法、例えば塊状重合、溶液重合、パール重合、乳化重合などによって行うことができるが、末端にメルカプト基を含有するビニルアルコール系重合体を溶解し得る溶剤、例えば水やジメチルスルホキシドを主体とする媒体中で行うのが好ましい。また、重合プロセスとしては、回分法、半回分法、連続法のいずれをも採用することができる。
本発明のイオン交換膜は、ビニルアルコール系単量体(A−1)を重合してなる重合体成分(a−1)及びイオン交換性単量体(A−2)を重合してなる重合体成分(a−2)から形成される共重合体を主要な構成要素としており、必要に応じて、このイオン性ポリビニルアルコール系重合体を構成する共重合体中に、ノニオン系界面活性剤を含んでいてもよい。
(イオン交換膜の製造)
本発明のイオン交換膜は、イオン性ポリビニルアルコール重合体溶液を、(a)支持面上に塗布・乾燥・剥離して、イオン性ポリビニルアルコールフィルムを形成することにより、(b)支持面上に塗布し、塗布層に多孔性支持体を重ね合わせ、多孔性支持体にイオン性ポリビニルアルコール重合体を含浸させることにより、または(c)多孔性支持体(ポリビニルアルコール系繊維紙)上に、静電紡糸によりポリビニルアルコール系ナノファイバー層を形成し、このナノファイバー上にイオン性ポリビニルアルコールを塗布することにより形成することができる。
(イオン交換膜形成後の熱処理)
本発明において、イオン交換膜を形成した後に、熱処理を施すことが好ましい。熱処理を施すことによって、ビニルアルコール系重合体(A−1)の結晶化度が高くなるので、物理的な架橋点が増加し、得られるイオン交換膜の機械的強度が増大する。また、非晶部にカチオン基またはアニオン基が濃縮され、イオン交換パスの形成が促進されるため、荷電密度が増加し、対イオン選択性が向上する。熱処理の方法は特に限定されず、熱風乾燥機などが一般に用いられる。熱処理の温度は、特に限定されないが、50〜250℃であることが好ましい。熱処理の温度が50℃未満であると、得られるイオン交換膜の機械的強度の増大効果が充分でないおそれがある。該温度が80℃以上であることがより好ましく、100℃以上であることがさらに好ましい。熱処理の温度が250℃を超えると、ビニルアルコール系重合体が融解するおそれがある。該温度が230℃以下であることがより好ましく、200℃以下であることがさらに好ましい。熱処理の時間は、通常、1分〜10時間程度である。熱処理は不活性ガス(例えば窒素ガス、アルゴンガスなど)雰囲気下で行うことが望ましい。
(ガスケット)
本発明においては、上記のビニルアルコール系共重合体からなるアニオン性またはカチオン性イオン交換膜を用いて、これと同じビニルアルコール系共重合体からなるカチオン性またはアニオン性交換膜または他の素材のカチオン性またはアニオン性交換膜と組み合わせて、ガスケットの支持枠に取り付けて一体型セル対を構成する。
ガスケットは、開口部と支持枠とから構成され、支持枠は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、天然ゴム、合成ゴムなどから所望の形状に成形して用いられる。ガスケットは、2つのイオン交換膜間に流体経路を形成する。ガスケットの支持枠の厚みは、50μm以上から1000μm未満であることが必要であり、80μm以上から900μm以下が好ましく、100μm以上から800μm以下がさらに好ましい。ガスケット厚みが50μm未満の場合は一体型セル対内での異物詰まりが発生しやすくなると共に、圧力損失が大きくなる。一方、ガスケット厚みが1000μm以上であれば一体型セルを脱塩室に用いた際のセル抵抗が高くなる。ガスケットの製造方法としては、上記の素材シートを打ち抜いてガスケットの支持枠を形成するか、素材シートより帯状物を作り、帯状物の端面を接着剤で接合して所定形状の支持枠を形成してもよい。
(接着固定)
イオン交換膜をガスケットの支持枠(プラスチック製)に接着固定するにあたり、接着固定方法としては、(a)支持枠とイオン交換膜の支持枠に接する箇所に(a)熱可塑性樹脂バインダー溶液またはラテックスを塗布・圧着・乾燥する方法、(b)粉末状のホットメルト樹脂接着剤を介在させて、熱圧着する方法、または(c)ホットメルトフィルムを介在させて熱圧着させる方法などが挙げられるが、なかでも、ホットメルトフィルムを介在させて熱プレスにより接合させることにより行うのが好ましい。ホットメルトフィルムとしては、エチレン−酢酸ビニル樹脂(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステルなどのホットメルトフィルムを用いることができる。
(線条体)
本発明において、ガスケットの開口部をプラスチック製線条体(網目状のネット)にて被うことが好ましい。ガスケットは、二つのイオン交換膜の間に流体経路を構成するが、さらに線条体を開口部に組み込むことにより、流体の流れが線条体の面全体に対して均一化できる。その結果、流体の滞留により発生する水の電気分解が引き起こす膜の劣化を防ぐ効果がある。
図3に示されているように、線条体(3)はガスケット(5)の開口部を被うように存在する。線条体(3)を形成するプラスチック素材としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ナイロン6、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などの熱可塑性樹脂などが挙げられる。
(ガスケットへの取付け)
イオン交換膜のガスケットへの取付けは、製膜後、または製膜・熱処理(物理的架橋形成)後のいずれでもよいが、熱処理後に行うことが好ましい。取付けは、イオン交換膜をガスケット支持枠に、ホットメルトフィルムを介して載置して、熱プレスを行うことなどにより、強固に取り付けることが可能である。
(化学的架橋)
本発明においては、イオン交換膜をガスケットに取り付けた後に、ビニルアルコール系共重合体に化学的架橋を導入することがイオン交換膜の長期使用の点で好ましい。ビニルアルコール系共重合体からなるイオン交換膜の支持枠への取付けは、上記のようにホットメルトフィルムなどを介して熱圧着で行われるので、支持枠への取付けの前に化学的架橋処理を行うと、イオン交換膜の乾燥が必要となるが、このような乾燥は膜性能の悪化をもたらすことがある。したがって、乾燥状態のイオン交換膜をガスケット支持枠に強固に取付けた後、ビニルアルコール系共重合体に化学的架橋を導入し、湿潤状態を保持して、電気透析スタックの組み立てを行うのが好ましい。このことにより、イオン交換膜が支持枠に強固に取り付けられて、外部漏れ・内部漏れがなくなるとともに、長期間にわたる電気透析を可能にする。
化学的架橋処理の方法は、重合体の分子鎖同士を化学結合によって結合できる方法であればよく、特に限定されない。通常、イオン交換層を、架橋処理剤を含む溶液(水溶液など)に浸漬する方法などが用いられる。該架橋処理剤としては、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、グリオキサールなどのアルデヒド化合物が例示され、好ましくは、ジアルデヒド化合物である。該架橋処理剤の濃度は、通常、溶液に対する架橋処理剤の体積濃度が0.001〜10体積%の範囲であることが好ましい。ビニルアルコール系重合体と架橋処理剤との反応は通常、酸性の条件下で行われる。
(電気透析)
化学的架橋処理により得られた本発明の一体型セル対において、2枚のイオン交換膜間の空間は脱塩室を構成し、該一体型セル対の片面にガスケットを取り付けて、濃縮室のための空間を形成してモジュールを構成するのが好ましい。このモジュールを複数組積層することにより、電気透析装置(膜スタック)を作製することができる。図6は、一体型セル対(6)(脱塩室)と線条体(7)が取り付けられたガスケット(8)(濃縮室)とからなるモジュールの態様と脱塩液と濃縮液の流れを示している。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。尚、以下の実施例および比較例中、特に断りのない限り「%」および「部」は質量基準である。実施例および比較例における分析および評価は下記の方法に従って行った。
1)膜抵抗の測定
膜抵抗は、図7に示される白金黒電極板を有する2室セル中にイオン交換膜を挟み、膜の両側に0.5mol/L−NaCl溶液を満たし、交流ブリッジ(周波数1000サイクル/秒)により25℃における電極間の抵抗を測定し、該電極間抵抗とイオン交換膜を設置しない場合の電極間抵抗との差により求めた。上記測定に使用する膜は、あらかじめ0.5mol/L−NaCl溶液中で平衡にしたものを用いた。
2)陽イオン交換容量の測定
陽イオン交換膜を1mol/lのHCl水溶液に10時間以上浸漬する。その後、1mol/lのNaNO水溶液で水素イオン型をナトリウムイオン型に置換させ、遊離した水素イオンを酸-塩基滴定により定量した(A mol)。
次に、イオン交換膜に含まれるイオン交換樹脂の乾燥重さ(Wg)は塗布量換算より算出した。イオン交換容量は次式により算出した。
・イオン交換容量=A×1000/W[mmol/g−乾燥膜]
3)陰イオン交換容量の測定
陰イオン交換膜を1mol/lのHCl水溶液に10時間以上浸漬する。その後、1mol/lのNaNO水溶液で塩素イオン型を硝酸イオン型に置換させ、遊離した塩素イオンをイオンクロマトグラフィICS−5000(DIONEX社製)により定量した(A mol)。
次に、イオン交換膜に含まれるイオン交換樹脂の乾燥重さ(Wg)は塗布量換算より算出した。イオン交換容量は次式により算出した。
・イオン交換容量=A×1000/W[mmol/g−乾燥膜]
(カチオン性重合体P−1の合成)
攪拌機、温度センサー、滴下漏斗および還流冷却管を備え付けた6Lのセパラブルフラスコに、酢酸ビニル2450g、メタノール1030g、およびメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドを20質量%含有するメタノール溶液69gを仕込み、攪拌下に系内を窒素置換した後、内温を60℃まで上げた。かかる混合液中に2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を0.8g含有するメタノール20gを添加し、重合反応を開始した。重合開始時点よりメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドを20質量%含有するメタノール溶液183gを反応液に添加しながら、4時間重合反応を行った後、重合反応を停止した。重合反応を停止した時点における系内の固形分濃度、すなわち、反応液全体に対する不揮発分の含有率は17.8質量%であった。ついで、系内にメタノール蒸気を導入することにより、未反応の酢酸ビニル単量体を追い出し、ビニルエステル共重合体を55質量%含有するメタノール溶液を得た。
このビニルエステル共重合体を55質量%含有するメタノール溶液に、該ビニルエステル共重合体中の酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比が0.02、ビニルエステル共重合体の固形分濃度が30質量%となるように、メタノールおよび水酸化ナトリウムを10質量%含有するメタノール溶液をこの順序で撹拌下に加え、40℃でけん化反応を開始した。
けん化反応の進行に伴ってゲル化物が生成した直後に、これを反応系から取り出して粉砕し、ついで、ゲル化物が生成してから1時間が経過した時点で、この粉砕物に酢酸メチルを添加することにより中和を行い、膨潤状態の固形分を得た。この膨潤したカチオン性重合体に対して質量基準で6倍量(浴比6倍)のメタノールを加え、還流下に1時間洗浄したのち、濾過によって回収した固形分を65℃で16時間乾燥し、ビニルアルコールとメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドのランダム共重合体であるカチオン性重合体を得た。該カチオン性重合体を重水に溶解し、400MHzでの1H−NMR測定を行ったところ、該カチオン性重合体中のカチオン性単量体単位の含有量、すなわち、該カチオン性重合体中の単量体単位の総数に対するメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド単量体単位の数の割合は2モル%であった。また、重合度は1700、けん化度は98.5モル%であった。
(アニオン性重合体P−2の合成)
酢酸ビニルの初期仕込み量、メタノール(MeOH)の初期仕込み量、イオン性単量体の種類と初期仕込み量、重合開始剤(AIBN)の使用量、イオン性単量体の逐次添加量などの重合条件、けん化反応条件を表1に示すように変化させた以外はカチオン性重合体P−1と同様の方法により、アニオン性重合体P−2を得た。該アニオン性重合体P−2の物性を表1に示す。
(末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコール(PVA−1)の合成)
特開昭59−187003号公報に記載された方法によって、末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコール(PVA−1)を合成した。得られたポリビニルアルコールの重合度は1550、けん化度は98.5%であった。
Figure 2015020093
(カチオン性重合体P−3の合成)
還流冷却管、攪拌翼を備え付けた5Lの四つ口セパラブルフラスコに、水1900g、末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコールとしてPVA−1を344g仕込み、攪拌下95℃まで加熱して該ポリビニルアルコールを溶解した後、室温まで冷却した。該水溶液に0.5規定の硫酸を添加してpHを3.0に調整した。別に、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド179gを水300gに溶解し、これを先に調製したpH3.0の水溶液に攪拌下で添加した後、該水溶液中に窒素をバブリングしつつ70℃まで加温し、さらに70℃で30分間窒素のバブリングを続けることで、窒素置換した。窒素置換後、上記水溶液に過硫酸カリウム(KPS)の2.5%水溶液121mLを1.5時間かけて逐次的に添加してブロック共重合を開始させ、進行させた後、系内温度を75℃に1時間維持して重合をさらに進行させ、ついで冷却して、固形分濃度18%のポリビニルアルコール−ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドのブロック共重合体であるカチオン性重合体P−3の水溶液を得た。得られた水溶液の一部を乾燥した後、重水に溶解し、400MHzでの1H−NMR測定を行ったところ、該ブロック共重合体中のカチオン性単量体単位の含有量、すなわち、該重合体中の単量体単位の総数に対するビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド単量体単位の数の割合は10モル%であった。該カチオン性重合体P−3の物性を表2に示す。
(カチオン性重合体P−4、P−5の合成)
末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコールの種類と仕込み量、カチオン性単量体の種類と仕込み量、水の量、重合開始剤(過硫酸カリウム)の量などの重合条件を表2に示すように変えた以外は、カチオン性重合体P−3と同様の方法によってブロック共重合体であるカチオン性重合体P−4、P−5を合成した。該カチオン性重合体P−4、P−5の物性を表2に示す。
Figure 2015020093
(アニオン性重合体P−6の合成)
還流冷却管、攪拌翼を備え付けた5Lの四つ口セパラブルフラスコに、水1900g、末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコールとしてPVA−1を344g仕込み、攪拌下95℃まで加熱して該ポリビニルアルコールを溶解した後、室温まで冷却した。該水溶液に0.5規定の硫酸を添加してpHを3.0に調整した。別に、p−スチレンスルホン酸ナトリウム172gを水300gに溶解し、これを先に調製したpH3.0の水溶液に攪拌下添加した後、該水溶液中に窒素をバブリングしつつ70℃まで加温し、さらに70℃で30分間窒素のバブリングを続けることで、窒素置換した。窒素置換後、上記水溶液に過硫酸カリウム(KPS)の2.5%水溶液121mLを1.5時間かけて逐次的に添加してブロック共重合を開始させ、進行させた後、系内温度を75℃に1時間維持して重合をさらに進行させ、ついで冷却して、固形分濃度18%のポリビニルアルコール−ポリ(p−スチレンスルホン酸ナトリウム)のブロック共重合体であるアニオン性重合体P−6の水溶液を得た。得られた水溶液の一部を乾燥した後、重水に溶解し、400MHzでの1H−NMR測定を行ったところ、該ブロック共重合体中のアニオン性単量体単位の含有量、すなわち、該重合体中の単量体単位の総数に対するp−スチレンスルホン酸ナトリウム単量体単位の数の割合は10モル%であった。該アニオン性重合体P−6の物性を表3に示す。
(アニオン性重合体P−7、P−8の合成)
末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコールの種類と仕込み量、アニオン性単量体の種類と仕込み量、水の量、重合開始剤(過硫酸カリウム)の量などの重合条件を表3に示すように変えた以外は、アニオン性重合体P−6と同様の方法によってブロック共重合体であるアニオン性重合体P−7、P−8を合成した。該アニオン性重合体P−7、P−8の物性を表3に示す。
Figure 2015020093
(基材−1の作製)
PVA124(株式会社クラレ製;重合度2400、ケン化度98.5モル%)を10質量%となるように水に投入後、90℃で攪拌溶解し、完全溶解したものを常温まで冷却して紡糸原液を得た。得られた紡糸原液を用い、ナノファイバーエレクトロスピニングユニット(カトーテック株式会社)にて、ビニロン紙BFN No.3(株式会社クラレ製、坪量:36g/m、厚み:120μm)上に、ニードル内径:0.9mm、極間距離:8cm、コンベア速度:0.1m/分、印加電圧:20kVの条件で静電紡糸を行って、ビニロン紙の片面上にナノファイバー層を設けた基材を作製した。得られた基材において、ナノファイバー層の厚みは3.7μmであり、平均繊維径は300nmであった。
(陰イオン交換膜:AEM−1の作製)
200mLの三角フラスコに、90mLの脱イオン水を入れ、カチオン性重合体P−1を22.5g加えてから、95℃のウォーターバスの中で加熱撹拌し、該重合体P−1を溶解させた。その後、脱イオン水を加えて濃度12%のカチオン性重合体水溶液を調整した。粘度は780mPa・s(20℃)であった。この水溶液をマイヤーバーにて基材−1のナノファイバー層面上に塗布し、熱風乾燥機DKM400(YAMATO製)にて80℃、15分間乾燥し、乾燥塗布量10g/mのカチオン性PVA塗布膜(陰イオン交換膜:AEM−1)を得た。次いで、160℃で30分間熱処理し、物理的な架橋を生じさせた。陰イオン交換膜(1)を図1に示す形状に切り出した。図1において、孔は、液供給または排出のための孔である。
(陰イオン交換膜:AEM−2、4〜5の作製)
カチオン性重合体溶液を表4に示した内容に変更した以外はAEM−1と同様にしてカチオン性PVA塗布膜(陰イオン交換膜)を作製した。
(陰イオン交換膜:AEM−3の作製)
濃度12%のカチオン性重合体P−3の水溶液を調整した。粘度は800mPa・s(20℃)であった。このポリマー水溶液を、バーコーターを用いてPETフィルムに800μm液厚になるように塗布して塗布層(キャスト層)を形成した。次いで、このキャスト層を形成したPETフィルムのキャスト層面に、ビニロン紙(坪量:36g/m2、厚み:90μm、空隙率:67%)を重ね合わせてP−3水溶液をビニロン紙中に含浸させた。その後、熱風乾燥機DKM400(YAMATO製)にて温度80℃、30分間乾燥した後、PETフィルムを剥離して含浸塗布皮膜を作製した。この時、PVAの塗布量は90g/mであった。こうして得られた皮膜を、160℃で30分間熱処理し、物理的な架橋を生じさせた。得られたPVA塗布膜(陰イオン交換膜)(1)を図1に示す形状に切り出した。
Figure 2015020093
(陰イオン交換膜:AEM−6の作製)
濃度12%のカチオン性重合体P−3の水溶液を調整した。粘度は800mPa・s(20℃)であった。この水溶液をマイヤーバーにて基材−1のナノファイバー層面上に塗布し、熱風乾燥機DKM400(YAMATO製)にて80℃、15分間乾燥し、乾燥塗布量10g/mのカチオン性PVA塗布膜を得た。さらに、160℃で30分間熱処理し、物理的な架橋を生じさせた。ついで、当該カチオン性PVA塗布膜を2mol/Lの硫酸ナトリウムの電解質水溶液に24時間浸漬させた。該水溶液にそのpHが1になるように濃硫酸を加えた後、1.0体積%グルタルアルデヒド水溶液に該膜を浸漬し、25℃で24時間スターラーを用いて撹拌し、架橋処理を行った。ここで、グルタルアルデヒド水溶液としては、石津製薬株式会社製「グルタルアルデヒド」(25体積%)を水で希釈したものを用いた。化学的架橋処理の後、該膜を脱イオン水に浸漬し、途中数回脱イオン水を交換しながら、該膜が膨潤平衡に達するまで浸漬させ、陰イオン交換膜AEM−6を得た。得られたPVA塗布膜(1)を図1に示す形状に切り出した。
(陰イオン交換膜:AEM−7の作製)
濃度12%のカチオン性重合体P−3の水溶液を調整した。粘度は800mPa・s(20℃)であった。このポリマー水溶液を、バーコーターを用いてPETフィルムに800μm液厚になるように塗布して塗布層(キャスト層)を形成した。次いで、このキャスト層を形成したPETフィルムのキャスト層面に、ビニロン紙(坪量:36g/m、厚み:90μm、空隙率:67%)を重ね合わせてP−3水溶液をビニロン紙中に含浸させた。その後、熱風乾燥機DKM400(YAMATO製)にて温度80℃、30分間乾燥した後、PETフィルムを剥離して含浸塗布皮膜を作製した。この時、PVAの塗布量は90g/mであった。こうして得られた皮膜を、160℃で30分間熱処理し、物理的な架橋を生じさせた。ついで、当該カチオン性PVA塗布膜を2mol/Lの硫酸ナトリウムの電解質水溶液に24時間浸漬させた。該水溶液にそのpHが1になるように濃硫酸を加えた後、1.0体積%グルタルアルデヒド水溶液に該膜を浸漬し、25℃で24時間スターラーを用いて撹拌し、化学的架橋処理を行った。ここで、グルタルアルデヒド水溶液としては、石津製薬株式会社製「グルタルアルデヒド」(25体積%)を水で希釈したものを用いた。化学的架橋処理の後、該膜を脱イオン水に浸漬し、途中数回脱イオン水を交換しながら、該膜が膨潤平衡に達するまで浸漬させ、陰イオン交換膜AEM−7を得た。得られた陰イオン交換膜(1)を図1に示す形状に切り出した。
(陽イオン交換膜:CEM−1の作製)
200mLの三角フラスコに、90mLの脱イオン水を入れ、アニオン性重合体P−2を22.5g加えてから、95℃のウォーターバスの中で加熱撹拌し、該重合体P−2を溶解させた。その後、脱イオン水を加えて濃度11%のアニオン性重合体水溶液を調整した。粘度は1200mPa・s(20℃)であった。この水溶液をマイヤーバーにて基材−1のナノファイバー層面上に塗布し、熱風乾燥機DKM400(YAMATO製)にて80℃、15分間乾燥し、乾燥塗布量10g/mのカチオン性PVA塗布膜(陽イオン交換膜:CEM−1)を得た。次いで、160℃で30分間熱処理し、物理的な架橋を生じさせた。得られた陽イオン交換膜(2)を図1に示す形状に切り出した。陽イオン交換膜(2)の厚みは127μmであった。
(陽イオン交換膜:CEM−2、4〜5の作製)
アニオン性重合体溶液を表5に示した内容に変更した以外はCEM−1と同様にしてアニオン性PVA塗布膜(陽イオン交換膜)を作製した。
(陽イオン交換膜:CEM−3の作製)
濃度11%のカチオン性重合体P−6の水溶液を調整した。粘度は1500mPa・s(20℃)であった。このポリマー水溶液を、バーコーターを用いてPETフィルムに800μm液厚になるように塗布して塗布層(キャスト層)を形成した。次いで、このキャスト層を形成したPETフィルムのキャスト層面に、ビニロン紙(坪量:36g/m、厚み:90μm、空隙率:67%)を重ね合わせてP−6水溶液をビニロン紙中に含浸させた。その後、熱風乾燥機DKM400(YAMATO製)にて温度80℃、30分間乾燥した後、PETフィルムを剥離して含浸塗布皮膜を作製した。この時、PVAの塗布量は90g/mであった。こうして得られた皮膜を、160℃で30分間熱処理し、物理的な架橋を生じさせた。得られたPVA塗布膜(陽イオン交換膜)(2)を図1に示す形状に切り出した。陽イオン交換膜(2)の厚みは127μmであった。
Figure 2015020093
(陽イオン交換膜:CEM−6の作製)
カチオン性重合体溶液P−3をアニオン性重合体溶液P−6に変更した以外はAEM−6と同様にして陽イオン交換膜を作製した。
(陽イオン交換膜:CEM−7の作製)
カチオン性重合体溶液P−3をアニオン性重合体溶液P−6に変更した以外はAEM−7と同様にして陽イオン交換膜を作製した。
(一体型セル対:CELL−1の作製)
図2に示す形状に型抜きしたEVA製ホットメルトフィルム(銘柄:エルファンOH501、厚み:50μm、日本マタイ株式会社製)、PP製ガスケットシート(銘柄:PT−56−N 厚み:650μm、積水成型工業株式会社製)、PP製線条体(三昌製)を用いて、図1に示す形状に型抜きしたAEM−1(1)とCEM−1(2)のPVA塗布面に対向する裏面をEVA製ホットメルトフィルム(4)に向けて、図3に示す状態で重ね合わせた後、熱プレス機にて100度、30kgf/cm2、120秒間熱圧着させて一体型セル対を作製した。ついで、当該一体型セル対を2mol/Lの硫酸ナトリウムの電解質水溶液に24時間浸漬させた。該水溶液にそのpHが1になるように濃硫酸を加えた後、1.0体積%グルタルアルデヒド水溶液に該膜を浸漬し、25℃で24時間スターラーを用いて撹拌し、化学的架橋処理を行った。ここで、グルタルアルデヒド水溶液としては、石津製薬株式会社製「グルタルアルデヒド」(25体積%)を水で希釈したものを用いた。化学的架橋処理の後、該膜を脱イオン水に浸漬し、途中数回脱イオン水を交換しながら、該膜が膨潤平衡に達するまで浸漬させ、一体型セル対CELL−1を得た。得られた一体型セル対CELL−1の配流部のAEM−1およびCEM−1の皺状態を下述の基準で3段階評価を行った。さらに、一体型セル対の配流部からAEM−1およびCEM−1を切り出して膜抵抗およびイオン交換容量を測定した。以上の製造方法および評価結果について表6に示す。
(膜面の皺状態の評価)
1:膜の全面に皺が観察されない。
2:膜の一部に皺が観察される。
3:膜の前面に皺が観察される。
(一体型セル対:CELL−2〜6の作製)
陰イオン交換膜、陽イオン交換膜、ガスケット、ホットメルトフィルムを表6に示した内容に変更した以外はCELL−1と同様にして一体型セル対を作製した。得られた一体型セル対の膜面の皺状態、膜抵抗およびイオン交換容量の評価結果を表6に示す。
(一体型セル対:CELL−7の作製)
一体型セル対に用いるガスケット(5)の厚みを40μmに変更した以外は、CELL−2と同様にして一体型セル対を作製した。得られた一体型セル対の膜面の皺状態、膜抵抗およびイオン交換容量の評価結果を表6に示す。
(一体型セル対:CELL−8の作製)
一体型セル対に用いるガスケット(5)の厚みを3000μmに変更した以外は、CELL−2と同様にして一体型セル対を作製した。得られた一体型セル対の膜面の皺状態、膜抵抗およびイオン交換容量の評価結果を表6に示す。
Figure 2015020093
<実施例1>
(スタック内部漏れ試験)
小型電気透析装置マイクロアシライザーS3(株式会社アストム製)を用いてスタック内部漏れ試験を実施した。その際、一体型セル対CELL−1(6)の内室が脱塩室となるように、図4に示す様な状態で一体型セル対CELL−1(6)と線条体(7)付きガスケット(厚み:750μm)(8)を陰極と陽極の両電極間に交互に10組配列して締め付けて膜スタックを作製した。次いで、電気透析装置へ水を通液し、濃縮室の入口圧を0.05MPa、脱塩室の入り口圧を0.1MPaに調整し、脱塩室側から濃縮室側への水の移動量を測定した。
(電気透析試験)
上記で配列した膜スタックを用いて、25℃で電流密度1〜2A/dmにてマイクロアシライザーS3にて脱塩試験を実施した。この時、塩化ナトリウム3000ppmおよびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム100ppmを含む水溶液を濃縮槽、希釈槽それぞれに各3Lを循環供給し1時間電気透析をした。その際、電気透析開始から5分後のスタック抵抗と脱塩率を測定した。また、電気透析開始から30分後の有機汚染度(開始から5分後から30分間運転後のスタック抵抗の上昇率)を測定した。結果を表7に示す。
<実施例2〜6>
脱塩室に用いる一体型セル対を表7に示した内容に変更した以外は実施例1と同様にして膜モジュールの特性を測定した。得られた測定結果を表7に示す。
<比較例1>
(スタック内部漏れ試験)
小型電気透析装置マイクロアシライザーS3(株式会社アストム製)を用いてスタック内部漏れ試験を実施した。その際、脱塩室セル対としてはAEM−6(9)およびCEM−6(10)のPVA塗布面に対向する裏面を、線条体付きガスケット(厚み:650μm)(5)に向け、かつ濃縮室セルには線条体(7)付きガスケット(厚み:750μm)(8)を用いて図5に示す様な態様で陰極と陽極の両電極間に交互に10組配列して、ホットメルトフィルムを介することなく締め付けて膜スタックを作製した。次いで、電気透析装置へ水を通液し、濃縮室の入口圧を0.05MPa、脱塩室の入り口圧を0.1MPaに調整し、脱塩室側から濃縮室側への水の移動量を測定したが、セルの外部漏洩が激しく試験ができなかった。
(電気透析試験)
上記で配列した膜スタックを用いて、25℃で電流密度1〜2A/dmにてマイクロアシライザーS3にて脱塩試験を実施した。この時、塩化ナトリウム3000ppmおよびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム100ppmを含む水溶液を濃縮槽、希釈槽それぞれに各3Lを循環供給し1時間電気透析をしたが、セルの外部漏洩が激しく試験ができなかった。
<比較例2>
(スタック内部漏れ試験)
小型電気透析装置マイクロアシライザーS3(株式会社アストム製)を用いてスタック内部漏れ試験を実施した。その際、脱塩室セル対としてはAEM−7(9)およびCEM−7(10)、線条体付きガスケット(厚み:650μm)(5)を用い、図5に示すような態様で重ね合わせて、濃縮室セルには線条体(7)付きガスケット(厚み:750μm)(8)を用いて陰極と陽極の両電極間に交互に10対配列して、ホットメルトフィルムを介することなく、締め付けて膜スタック(電気透析装置)を作製した。次いで、電気透析装置へ水を通液し、濃縮室の入口圧を0.05MPa、脱塩室の入り口圧を0.1MPaに調整し、脱塩室側から濃縮室側への水の移動量を測定した。
(電気透析試験)
上記で配列した膜スタックを用いて、25℃で電流密度1〜2A/dmにてマイクロアシライザーS3にて脱塩試験を実施した。この時、塩化ナトリウム3000ppmおよびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム100ppmを含む水溶液を濃縮槽、希釈槽それぞれに各3Lを循環供給し1時間電気透析をした。その際、電気透析開始から5分後のスタック抵抗と脱塩率を測定した。また、電気透析開始から30分後の有機汚染度(開始から5分後から30分間運転後のスタック抵抗の上昇率)を測定した。結果を表7に示す。
<比較例3〜4>
表7に示す一体型セル対に変更した以外は、実施例1と同様にして膜スタックの特性を測定した。得られた測定結果を表7に示す。
<比較例5>
AEM−7に変えてAMX(アストム株式会社製)、CEM−7に変えてCMX(アストム株式会社製)に変更した以外は比較例2と同様にして膜モジュールの特性を測定した。得られた測定結果を表7に示す。
Figure 2015020093
(1)本発明に係るセル対を含む膜モジュール(実施例1〜3および5〜6)では、外部漏れおよび内部漏れ(水の移動量)がなく、脱塩率に優れ、かつ、耐有機汚染性に優れた結果が得られている。
(2)実施例4においては、膜面に若干しわが発生したことにより、水の移動量が他の実施例1〜3および5〜6に比べて若干多いが、比較例に比べると許容できる範囲である。
(3)比較例1においては、支持枠に取り付ける前に化学架橋処理が行われたイオン交換膜を湿潤状態で支持枠に重ね合わせて接着することなく締付けることによりセル対が形成されたため、イオン交換膜とガスケットの支持枠との接合が不十分で外部漏れが発生した。
(4)比較例2においては、上記と同様にイオン交換膜を湿潤状態で支持枠に重ね合わせて接着することなく締付けを行った。この場合には、外部漏れはなかったが水の移動量が大きく、内部漏れが発生しており、イオン交換膜と支持枠との接合が不十分であることを示している。比較例1と比較例2とで漏れの状態が異なるのは、比較例1のイオン交換膜は、イオン交換性重合体溶液を基材上に塗布して形成した膜であり、比較例2は、イオン交換性重合体溶液を紙に含浸して形成していることによる差異に起因するものと推定される。
(5)比較例3においては、ガスケット厚みが40μmと薄くセルの圧力損失が高い為、処理液が循環できなく、試験ができなかった。
(6)比較例4においては、ガスケット厚みが3000μmと厚い為、セル抵抗が高く、脱塩率が劣っていた。
(7)比較例5においては、市販のイオン交換膜を用いて比較例2と同様の方法でセル対を形成したために、イオン交換膜と支持枠との接合が充分でなく内部漏れが認められるとともに、スタック抵抗上昇率が高く、膜汚れが発生しており、耐有機汚染性に劣ることが示されている。
本発明に係る、アニオン性またはカチオン性ビニルアルコール系共重合体から構成されるイオン交換膜を具備する、外部漏れおよび内部漏れのないセル対は、電気透析装置の構成単位として有用であるであるので、産業上の利用可能性がある。
以上、本発明の好ましい実施態様を例示的に説明したが、当業者であれば、特許請求の範囲に開示した本発明の範囲および精神から逸脱することなく多様な修正、付加および置換ができることが理解可能であろう。
1: アニオン交換膜
2: カチオン交換膜
3: PP製線条体
4: ホットメルトフィルム
5: PP製ガスケットシート
6: 一体型セル対
7: PP製線条体
8: PP製ガスケットシート
9: アニオン交換膜
10: カチオン交換膜
11: 白金電極
12: NaCl水溶液
13: 水浴
14: LCRメーター
K: イオン交換膜

Claims (14)

  1. 第1のイオン交換膜および第2のイオン交換膜と、
    前記第1のイオン交換膜と前記第2のイオン交換膜とを互いに対面するように配置、固定して一体化するためのガスケットと、を具備したセル対であって、
    前記第1のイオン交換膜および/または第2のイオン交換膜は、アニオン性またはカチオン性ビニルアルコール系共重合体からなり、
    前記ガスケットは、開口部と支持枠とから構成され、前記支持枠は50μm以上から1000μm未満の厚みを有しており、
    前記第1のイオン交換膜と第2のイオン交換膜は、前記ガスケットの支持枠に接着固定されていることを特徴とする一体型セル対。
  2. 前記ビニルアルコール系共重合体が、ビニルアルコール重合体ブロックと、アニオン性基を有するアニオン性重合体ブロックまたはカチオン性基を有するカチオン性重合体ブロックと、を有するブロック共重合体である請求項1に記載の一体型セル対。
  3. 前記ビニルアルコール系共重合体が、ビニルアルコール重合体ブロックと、アニオン性基を有するアニオン性重合体ブロックまたはカチオン性重合体ブロックと、を有するグラフト共重合体である請求項1項に記載の一体型セル対。
  4. 前記第1のイオン交換膜および/または第2のイオン交換膜の前記カチオン性またはアニオン性ビニルアルコール系共重合体には、ジアルデヒド化合物との反応による架橋結合が導入されている請求項1に記載の一体型セル対。
  5. 前記第1のイオン交換膜および第2のイオン交換膜のイオン交換容量が、それぞれ0.30meq/g以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の一体型セル対。
  6. 前記第1のイオン交換膜および第2のイオン交換膜の膜抵抗が、それぞれ100Ωcm以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の一体型セル対。
  7. 前記支持枠は、前記第1のイオン交換膜と前記第2のイオン交換膜との間の空間が流体経路になるように、前記第1のイオン交換膜と第2のイオン交換膜とを、所定の間隔を設けて配置、固定するように構成されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の一体型セル対。
  8. 前記ガスケットの開口部を被うように、プラスチック線条体を前記支持枠に取り付けている、請求項7に記載の一体型セル対。
  9. 前記流体流路を構成する前記プラスチック線条体の厚みが、50〜1000μmである請求項8に記載の一体型セル対。
  10. 前記第1のイオン交換膜と前記第2のイオン交換膜は、いずれか一方がアニオン交換膜であり、他方がカチオン交換膜である、請求項1〜9項のいずれか一項に記載の一体型セル対。
  11. 第1のイオン交換膜および第2のイオン交換膜と、
    前記第1のイオン交換膜と前記第2のイオン交換膜とを互いに対面するように配置、固定して一体化するためのガスケットと、を具備しており、
    前記第1のイオン交換膜および/または第2のイオン交換膜は、アニオン性またはカチオン性ビニルアルコール系共重合体からなり、
    前記ガスケットは、開口部と支持枠とから構成されている、前記支持枠は50μm以上から1000μm未満の厚みを有しているセル対を製造する方法において、
    前記第1のイオン交換膜と前記第2のイオン交換膜を、前記ガスケットに互いに対面するように配置した後に、前記第1のイオン交換膜と第2のイオン交換膜を、前記ガスケットの支持枠にそれぞれ接着固定することを特徴とする一体型セル対の製造方法。
  12. 前記アニオン性またはカチオン性ビニルアルコール系共重合体の膜を前記支持枠に接着固定した後に、前記ビニルアルコール系共重合体の膜に化学的架橋処理を行う、請求項11に記載の一体型セル対の製造方法。
  13. 前記化学的架橋処理は、前記カチオン性またはアニオン性ビニルアルコール系共重合体の膜にジアルデヒド化合物を反応させることにより行う請求項11に記載の一体型セル対の製造方法。
  14. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の前記セル対が複数組積層されてなる、電気透析スタック。
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