JP2000191698A - イミダクロプリドのハプテン化合物、抗体及び測定方法 - Google Patents
イミダクロプリドのハプテン化合物、抗体及び測定方法Info
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Abstract
物、抗体及び測定方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明のハプテン化合物は、イミダクロ
プリド又はその部分にスペーサーアーム及び結合のため
の官能基を共有結合させた構造を有する。
Description
−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン−
2−イリデンアミン(以下、本明細書中「イミダクロプ
リド」と言う)およびその類似化合物のハプテン化合
物、抗原、抗体及びそのフラグメントに関する。
フラグメントを用いた免疫学的測定方法に関する。
である。速攻的な殺虫活性を示す。より詳しくは、イミ
ダクロプリドはシナプス後膜のニコチン性アセチルコリ
ン受容体に作用し、神経伝達を遮断すると考えられてい
る。本剤に曝露された害虫は従来の有機リン剤やカーバ
メート剤の異常興奮とは異なり、麻痺、弛緩症状を起こ
して死に至る。致死濃度以下でも害虫の摂食、交尾、産
卵、飛翔、歩行などの活動を抑える(農薬ハンドブック
第116頁−第118頁及び第538頁、1994年
版、日本植物防疫協会;「最新農薬の残留分析法」 第
355頁−第357頁、農薬残留分析法研究班編集 中
央法規出版)。
農薬や、最近特に増加してきた輸入農産物のポストハー
ベスト農薬等の残留に大きな社会的関心が寄せられてい
る。イミダクロプリドについては、環境庁長官個別設定
の農薬登録保留基準値が、例えば、米(0.2pp
m)、果実(1ppm)、野菜、いも類(0.5pp
m)、茶(5ppm)、ピーマン(5ppm)と定めら
れている(「最新農薬の残留分析法」 同上)。よっ
て、環境や食品に関する安全確保のためには、農作物、
特に米に含有される、イミダクロプリドの量を迅速かつ
正確に測定することが必要である。
は、米、果実、野菜、いも類等から抽出し、精製した
後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分
析されてきた。即ち、試料をアセトニトリルで抽出し、
多孔性ケイソウ土カラムクロマトグラフィー、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーで精製後、HPLCで測定
する方法が採用されている。この方法は、試料の調製が
煩雑で多大の手順と時間を必要とし、分析に熟練を要す
ること、並びに、測定装置や設備等に高額の費用を必要
とする等の問題点がある。イミダクロプリドの測定は短
時間で膨大な数の試料の分析結果を出す必要があり、精
度面だけでなく、簡便性、迅速性及び経済性をも具備し
た新規測定方法が要求されてきている。
に認識する抗原抗体反応に基づいて抗原や抗体の検出を
行う方法であり、その優れた精度、簡便性、迅速性、経
済性から近年注目を集めてきている。免疫学的測定方法
においては検出方法として非常に多種の標識、例えば、
酵素、放射性トレーサー、化学発光あるいは蛍光物質、
金属原子、ゾル、ラテックス及びバクテリオファージが
適用されてきた。
る酵素免疫測定法(EIA)は経済性・利便性から特に
優れたものとして広く使用されるに至っている。酵素免
疫測定法についての優れた論評が、Tijssen
P,“Practice and theory of
enzyme immunoassays” inL
aboratory techniques in b
iochemistry and molecular
biology, Elsevier Amster
dam New York, Oxford ISBN
0−7204−4200−1 (1990) に記載
されている。
それ以上修飾することなく動物に接種することにより、
適当な免疫反応を惹起し、抗原を認識する抗体を産生さ
せることができる。しかし、イミダクロプリドのような
低分子化合物は通常動物に接種したとき免疫応答を引き
出すことができない。これらの分子は免疫原性を有する
高分子化合物に結合させることによって初めて一団のエ
ピトープとして行動し、T細胞受容体の存在下で免疫応
答を起こし、その結果、一群のBリンパ球により抗体が
産生される。このように高分子化合物と結合させて初め
て免疫原性を生じる分子を総称して「ハプテン」と言
う。
合させたものを抗原としても、得られた抗体は望む分子
を認識しないか、あるいはごく低い親和性しかもたない
場合がしばしばある。そのため、一般に低分子化合物そ
のものではなく、結合に利用できる官能基と共にスペー
サーアーム(結合手)を導入したものをハプテンとして
使用する必要がある。しかしその場合に、結合手/官能
基の配置、結合手の大きさ等の全ての問題を考慮して導
入が適切に行われたものを使用しないと、好ましい抗体
は得られない。適切な導入は個々の分子に応じて工夫し
なければならない。
は、その必要性が非常に高かったにもかかわらず、抗体
のみならず、抗体を得るために必要なハプテンも本発明
前には得られていなかった。
プリドに反応する新規な抗体もしくはそのフラグメン
ト、及びその作製方法を提供することを目的とする。
尚、本明細書において抗体の「フラグメント」とは、抗
原と結合可能な抗体の一部分、例えばFab断片等を意味
する。
プリドに反応性を有するモノクローナル抗体を提供す
る。
性を有する新規な抗体を作製するための抗原を構成する
ハプテン化合物を提供することを目的とする。
テンと高分子化合物との結合体を提供することを目的と
する。
フラグメントを産生するハイブリドーマを提供すること
を目的とする。
フラグメント及び/又は前記イミダクロプリドハプテン
と高分子化合物との結合体を使用することを含む、イミ
ダクロプリドの免疫学的測定方法を提供することを目的
とする。
を重ねた結果、イミダクロプリド又はその部分にスペー
サーアーム及び高分子化合物との結合に利用できる官能
基を導入した、イミダクロプリドの誘導体をハプテンと
して使用することにより、前記化合物に反応性を有する
抗体を得ることに成功し、本発明の完成に至った。
以下の式(3):
クロプリドにおいて、塩素原子が他のハロゲン原子で置
換されているイミダクロプリド類似化合物を認識するも
のも含む。即ち、本発明の抗体は、以下の式(2):
グループから選択されるハロゲン原子である]で表され
る構造を有する化合物に反応性を示す抗体である。本明
細書において、「イミダクロプリド」は、文脈により、
式(3)で表されるイミダクロプリドおよび/または式
(2)で表されるイミダクロプリド類似化合物を意味す
る。
ドの部分にスペーサーアーム及び結合に利用できる官能
基を導入した誘導体をハプテンとして適当な高分子化合
物と結合させたものを抗原として用いることによって得
ることができる。例えば、以下の式(1):
るグループから選択される基であり、;そしてnは、1
ないし10の整数である]で表される構造を有する化合
物を、抗体作製のためのハプテンとして使用する。
化合物と高分子化合物との結合体、イミダクロプリドに
反応する抗体及びその作製方法、ならびに該ハプテン化
合物又は該抗体を用いるイミダクロプリドの免疫学的測
定方法に関する。
の方法に従って製造することができる。限定するわけで
はないが、例えば以下のような方法を用いることができ
る。
グループから選択されるハロゲン原子である]で表され
る構造を有する化合物に、有機溶媒中、塩基の存在下、
以下の式(X2):
り;そしてAおよびnは先に定義した通りである]で表
される構造を有する化合物を反応させて、以下の式(X
3):
ある]で表される構造を有する化合物を得る。
知のものでよく、具体例として、例えばメチル基、エチ
ル基、tert−ブチル基、ベンジル基、p−メトキシ
ベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、トリクロ
ロエチル基、トリメチルシリル基、tert−ブチルジ
メチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル
基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、
トリメチルシリルエチル基等を挙げることができる。
しくは10℃から100℃で、5分から10時間、好ま
しくは30分から2時間行う。
しては、例えば、メタノール、エタノール、ベンゼン、
トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、
四塩化炭素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニ
トリル、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド及び水等を用いることができる。塩基とし
ては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウ
ムエチラート等が挙げられる。
により、以下の式(X4):
である]で表される構造を有する化合物を得る。
ができる。例えば、メタノール、エタノール、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチ
ル、酢酸及び水等の溶媒中、水素化ホウ素ナトリウム、
水素化リチウムアルミニウム等の還元剤を用いて行う。
反応は、マイナス80℃から溶媒の沸点の温度、好まし
くは0℃から50℃で、5分から10時間、好ましくは
30分から5時間撹拌して行う。
ム、ジクロロメタン等の有機溶媒中、または、ハロゲン
化剤を溶媒としても使用し、塩化チオニル等のハロゲン
化剤と反応させて、以下の式(X5):
るグループから選択されるハロゲン原子であり;そして
A、Pおよびnは、先に定義した通りである]で表され
る構造を有する化合物を得る。
しくは室温から100℃で、5分から10時間、好まし
くは30分から3時間行う。
中、塩基の存在下、以下の式(X6):
ンを反応させて、以下の式(X7):
である]で表される構造を有する化合物を得る。
しくは室温から100℃で、5分から10時間、好まし
くは30分から3時間行う。
よび塩基は、式(X3)の化合物の合成に用いることが
できるものと、同様のものを用いることができる。
れるカルボキシル基の保護基を除去することにより、式
(1)の化合物を得ることができる。カルボキシル基の
保護基の除去は、アルカリ加水分解、酸加水分解等の公
知の方法で行うことができる。
7)の化合物を、好ましくは酢酸、蟻酸、ベンゼン、ジ
クロロメタン、1,2−ジクロロエタン等の有機溶媒に
溶解し、次いで塩酸、硫酸、三フッ化ホウ素ジエチルエ
ーテル錯体、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンス
ルホン酸、p−トルエンスルホン酸等を加えて、0℃か
ら溶媒の沸点の温度、好ましくは0℃から50℃で、5
分から10時間、好ましくは1時間から5時間撹拌反応
させることにより式(1)の化合物を得ることができ
る。
7)の化合物を、好ましくはメタノール、エタノール、
テトラヒドロフラン、エチレングリコール等の有機溶媒
に溶解し、次いで炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム
又は水酸化カリウム水溶液等を加えて、0℃から溶媒の
沸点の温度、好ましくは0℃から室温で、5分から10
時間、好ましくは1時間から2時間撹拌反応させること
により式(1)の化合物を得ることができる。
による加水素分解によっても行うことができる。
合、脱保護はテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリ
ド、ピリジニウムフルオリド等のフッ素アニオンを発生
させる試薬によっても行うことができる。
化合物を、必要に応じシリカゲルクロマトグラフィー又
は再結晶操作等を行うことにより、さらに高純度の精製
品とすることができる。
疫化学的測定法について説明する。尚、これらの調製は
公知の方法、例えば続生化学実験講座、免疫生化学研究
法(日本生化学会編)等に記載の方法に従って行うこと
ができる。
との結合体の作製 上述のように合成されたイミダクロプリドハプテンを適
当な高分子化合物に結合させてから免疫用抗原として使
用する。
シガイへモシアニン(以下、「KLH」と言う)、卵白
アルブミン(以下、「OVA」と言う)、ウシ血清アル
ブミン(以下、「BSA」と言う)、ウサギ血清アルブ
ミン(以下、「RSA」と言う)などがある。
との結合は、例えば、活性化エステル法(A.E.KA
RU et al.:J.Agric.Food Che
m.42 301−309(1994))、又は混合酸無水物法
(B.F.Erlangeret al.:J.Bio
l.Chem.234 1090‐1094(1954))等の公知の方
法によって行うことができる。
行うことができる。まず、ハプテン化合物を有機溶媒に
溶解し、カップリング剤の存在下にてN−ヒドロキシこ
はく酸イミドと反応させ、N−ヒドロキシこはく酸イミ
ド活性化エステルを生成させる。
されている通常のカップリング剤を使用でき、例えば、
ジシクロヘキシルカルボジイミド、カルボニルジイミダ
ゾール、水溶性カルボジイミド等が含まれる。有機溶媒
としては、例えば、ジメチルスルホキシド(以下、「D
MSO」と言う)、N,N−ジメチルホルムアミド(D
MF)、ジオキサン等が使用できる。反応に使用するハ
プテン化合物とN−ヒドロキシこはく酸イミドのモル比
は好ましくは1:10から10:1、より好ましくは
1:1から1:10、最も好ましくは1:1である。反
応温度は、0℃から100℃、好ましくは5℃から50
℃、より好ましくは22℃から27℃で、反応時間は5
分から24時間、好ましくは30分から6時間、より好
ましくは1時間から4時間である。反応温度は各々の融
点以上沸点以下の温度で行うことができる。
物を溶解した溶液に加え反応させると、例えば高分子化
合物が遊離のアミノ基を有する場合、当該アミノ基とハ
プテン化合物のカルボキシル基の間に酸アミド結合が生
成される。反応温度は、0℃から60℃、好ましくは5
℃から40℃、より好ましくは22℃から27℃で、反
応時間は5分から24時間、好ましくは1時間から16
時間、より好ましくは1時間から2時間である。反応物
を、透析、脱塩カラム等によって精製して、イミダクロ
プリドハプテンと高分子化合物との結合体を得ることが
できる。
混合酸無水物は、カルボン酸とハロゲン蟻酸エステルと
の反応により得られ、これを高分子化合物と反応させる
ことにより目的とするハプテン−高分子化合物結合体が
製造される。この反応は塩基性化合物の存在下に行われ
る。塩基性化合物としては、例えば、トリブチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、N−メチル
ホルマリン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、D
BN、DBU、DABCO等の有機塩基、炭酸カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナト
リウム等の無機塩基等が挙げられる。該反応は、通常マ
イナス20℃から100℃、好ましくは0℃から50℃
において行われ、反応時間は5分から10時間、好まし
くは5分から2時間である。得られた混合酸無水物と高
分子化合物との反応は、通常マイナス20℃から150
℃、好ましくは0℃から100℃において行われ、反応
時間は5分から10時間、好ましくは5分から5時間で
ある。混合酸無水物法は一般に溶媒中で行われる。溶媒
としては、混合酸無水物法に慣用されているいずれの溶
媒も使用可能であり、具体的にはジオキサン、ジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等の
エーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロ
エタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸メチル、酢酸
エチル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリア
ミド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。混合酸
無水物法において使用されるハロ蟻酸エステルとして
は、例えばクロロ蟻酸メチル、ブロモ蟻酸メチル、クロ
ロ蟻酸エチル、ブロモ蟻酸エチル、クロロ蟻酸イソブチ
ル等が挙げられる。当該方法におけるハプテンとハロ蟻
酸エステルと高分子化合物の使用割合は、広い範囲から
適宜選択され得る。
標識物質をイミダクロプリドハプテンに結合させたもの
を、免疫学的測定方法において使用することができる。
標識物質としては、西洋わさびペルオキシダーゼ(以下
「HRP」と言う)、アルカリフォスファターゼ等の酵
素、フルオレセインイソシアネート、ローダミン等の蛍
光物質、32P、125I等の放射性物質、化学発光物質な
どがある。
使用して、慣用化された方法により本発明のポリクロー
ナル抗体を作製することができる。例えば、イミダクロ
プリドハプテン−BSA結合体をリン酸ナトリウム緩衝
液(以下、「PBS」と言う)に溶解し、フロイント完
全アジュバント又は不完全アジュバント、あるいはミョ
ウバン等の補助剤と混合したものを、免疫用抗原として
動物に免疫することによって得ることができる。免疫さ
れる動物としては当該分野で常用されるものをいずれも
使用できるが、例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヤ
ギ、ウマ等を挙げることができる。
射、静脈内注射、皮内注射、筋肉内注射のいずれでもよ
いが、皮下注射又は腹腔内注射が好ましい。免疫は1回
又は適当な間隔で、好ましくは1週間ないし5週間の問
隔で複数回行うことができる。
分離した血清を用い、イミダクロプリドと反応するポリ
クローナル抗体の存在を評価することができる。
と高分子化合物との結合体を免疫用抗原として得られた
抗血清は、後述する間接競合阻害ELISA法におい
て、少なくとも約10ng/mlの濃度でイミダクロプ
リドと反応できる(実施例4、表1)。
使用して、公知の方法により本発明のモノクローナル抗
体を作製することができる。
少なくとも下記のような作業工程が必要である。
ロプリドハプテンと高分子化合物との結合体の作製 (b)動物への免疫 (c)血液の採取、アッセイ、及び抗体産生細胞の調製 (d)ミエローマ細胞の調製 (e)抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞融合とハ
イブリドーマの選択的培養 (f)目的とする抗体を産生するハイブリドーマのスク
リーニングと細胞クローニング (g)ハイブリドーマの培養又は動物へのハイブリドー
マの移植によるモノクローナル抗体の調製 (h)調製されたモノクローナル抗体の反応性の測定等
ーマを作製するための常法は、例えば、ハイブリドーマ
テクニックス(Hybridoma Techniq
ues),コールド スプリング ハーバー ラボラト
リーズ(Cold Spring Harbor Lab
oratory,1980年版)、細胞組織化学(山下修二
ら、日本組織細胞化学会編;学際企画、1986年)に記載
されている。
モノクローナル抗体の作製方法を説明するが、これに制
限されないことは当業者によって明らかであろう。
抗体に関して記述した方法とほぼ同様の方法によって行
うことができる。
パ球であり、これは一般には脾臓、胸腺、リンパ節、末
梢血液又はこれらの組み合わせから得ることができるが
脾細胞が最も一般的に用いられる。従って、最終免疫
後、抗体産生が確認されたマウスより抗体産生細胞が存
在する部位、例えば脾臓を摘出し、脾細胞を調製する。
ーマ細胞としては、例えば、Balb/cマウス由来骨
髄腫細胞株のP3/X63−Ag8(X63)(Nat
ure,256,495−497(1975))、P3
/X63−Ag8.U1(P3U1)(Current
Topics.in Microbiology an
d Immunology,81, 1−7(198
7))、P3/NSI−1−Ag 4−1(NS−1)
(Eur.J.Immunol.,6,511−519
(1976))、Sp2/0−Ag14(Sp2/0)
(Nature, 276,269−270(197
8))、FO(J.Immuno.Meth.,35,
1−21(1980))、MPC−11、X63.65
3、S194等の骨髄腫株化細胞、あるいはラット由来
の210.RCY3.Ag 1.2.3.(Y3)(N
ature, 277,131−133,(1979))
等を使用できる。
含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)又はイス
コフ改変ダルベッコ培地(IMDM)で継代培養し、融
合当日に約1×106以上の細胞数を確保する。
えばミルスタイン(Milstein)らの方法(Met
hods in Enzymology,73,3(19
81))等に準じて行うことができる。現在最も一般的
に行われているのはポリエチレングリコール(PEG)
を用いる方法である。PEG法については、例えば、細
胞組織化学、山下修二ら(上述)に記載されている。別
の融合方法としては、電気処理(電気融合)による方法
を採用することもできる(大河内悦子ら、実験医学
5.1315−19、1987)。その他の方法を適宜
採用することもできる。また、細胞の使用比率も公知の
方法と同様でよく、例えばミエローマ細胞に対して脾細
胞を3倍から10倍程度用いればよい。
分泌能及び増殖能を獲得したハイブリドーマ群の選択
は、例えば、ミエローマ細胞株としてヒポキサンチング
アニンホスホリボシルトランスフェラーゼ欠損株を使用
した場合、例えば上述のDMEMやIMDMにヒポキサ
ンチン・アミノプテリン・チミジンを添加して調製した
HAT培地の使用により行うことができる。
ーマ群を含む培養上清の一部をとり、例えば後述するE
LISA法により、イミダクロプリドに対する抗体活性
を測定する。
応する抗体を産生することが判明したハイブリドーマの
細胞クローニングを行う。この細胞クローニング法とし
ては、限界希釈により1ウェルに1個のハイブリドーマ
が含まれるように希釈する方法「限界希釈法」;軟寒天
培地上に撒きコロニーをとる方法;マイクロマニピュレ
ーターによって1個の細胞を取り出す方法;セルソータ
ーによって1個の細胞を分離する「ソータークローン
法」等が挙げられる。限界希釈法が簡単であり、よく用
いられる。
ば限界希釈法によりクローニングを1−4回繰り返して
安定して抗体価の得られたものを、抗イミダクロプリド
モノクローナル抗体産生ハイブリドーマ株として選択す
る。ハイブリドーマを培養する培地としては、例えば、
ウシ胎児血清(FCS)を含むDMEM又はIMDM等
が用いられる。ハイブリドーマの培養は、例えば二酸化
炭素濃度5−7%程度及び37℃(100%湿度の恒温
器中)で培養するのが好ましい。
培養は、フォローファイバー型の培養装置等によって行
われる。又は、同系統のマウス(例えば、上述のBal
b/c)あるいはNu/Nuマウスの腹腔内でハイブリ
ドーマを増殖させ、腹水液より抗体を調製することも可
能である。
腹水液を抗イミダクロプリドモノクローナル抗体として
使用することできるが、さらに透析、硫酸アンモニウム
による塩析、ゲル濾過、凍結乾燥等を行い、抗体画分を
集め精製することにより抗イミダクロプリドモノクロー
ナル抗体を得ることができる。さらに、精製が必要な場
合には、イオン交換カラムクロマトグラフィー、アフィ
ニティークロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフ
ィー(HPLC)などの慣用されている方法を組合わせ
ることにより実施できる。
リドモノクローナル抗体は、例えば後述するELISA
法などの公知の方法を使用して、サブクラス、抗体価等
を決定することができる。
としては、放射性同位元素免疫測定法(RIA法)、E
LISA法(Engvall,E.,Methods
in Enzymol.,70,419−439(19
80))、蛍光抗体法、プラーク法、スポット法、凝集
法、オクタロニー(Ouchterlony)等の一般
に抗原の検出に使用されている種々の方法(「ハイブリ
ドーマ法とモノクローナル抗体」、株式会社R&Dプラ
ニング発行、第30頁−第53頁、昭和57年3月5
日)が挙げられる。感度、簡便性等の観点からELIS
A法が汎用されている。
A法のうち例えば間接競合阻害ELISA法により、以
下のような手順により行うことができる。
ハプテンと高分子化合物との結合体を担体に固相化す
る。
原と無関係な、例えばタンパク質によりブロッキングす
る。
を含む試料及び抗体を加え、該抗体を前記固相化抗原及
びイミダクロプリドに競合的に反応させて、固相化抗原
−抗体複合体及び、イミダクロプリド−抗体複合体を生
成させる。
することにより、予め作成した検量線から試料中のイミ
ダクロプリドの量を決定することができる。
体としては、特別な制限はなく、ELISA法において
常用されるものをいずれも使用することができる。例え
ば、ポリスチレン製の96ウェルのマイクロタイタープ
レートが挙げられる。
抗原を含む緩衝液を担体上に載せ、インキュベーション
すればよい。緩衝液としては公知のものが使用でき、例
えば、リン酸緩衝液を挙げることができる。緩衝液中の
抗原の濃度は広い範囲から選択できるが、通常0.01
μg/mlから100μg/ml程度、好ましくは0.
05μg/mlから10μg/mlが適している。ま
た、担体として96ウェルのマイクロタイタープレート
を使用する場合には、300μl/ウェル以下で50μ
l/ウェルから150μl/ウェル程度が望ましい。更
に、インキュベーションの条件にも特に制限はないが、
通常4℃程度で一晩インキュベーションが適している。
抗体を作製したイミダクロプリドハプテンと高分子化合
物との結合体自体のみならず、式(1)で表される他の
ハプテンと高分子化合物との結合体を用いることもでき
る。例えば、式(1)で表されている化合物でAまたは
nが抗体作製用と相違する抗原を固相化用として用いる
こともできる。さらに、式(1)に含まれない他のイミ
ダクロプリド類似化合物も、固相化抗原として使用する
ことも可能である。
ダクロプリドハプテンと高分子化合物との結合体)を固
相化した担体において、イミダクロプリドハプテン部分
以外に後で添加する抗体が吸着され得る部分が存在する
場合があり、もっぱらそれを防ぐ目的で行われる。ブロ
ッキング剤として、例えば、BSAやスキムミルク溶液
を使用できる。あるいは、ブロックエース(「Bloc
k‐Ace」、大日本製薬社製、コードNo.UK−25
B)等のブロッキング剤として市販されているものを使
用することもできる。具体的には、限定されるわけでは
ないが、例えば抗原を固相化した部分に、ブロッキング
剤を含む緩衝液[例えば、1%BSAと60mM Na
Clを添加した85mM ホウ酸緩衝液(pH8.
0)]を適量加え、約4℃、室温で、1時間から5時間
インキュベーションした後、洗浄液で洗浄することによ
り行われる。洗浄液としては特に制限はないが、例え
ば、PBSを用いることができる。
リドを含む試料と抗体を固相化抗原と接触させ、抗体を
固相化抗原及びイミダクロプリドと反応させることによ
り、固相化抗原−抗体複合体及びイミダクロプリド−抗
体複合体が生成する。
願発明のイミダクロプリドに対する抗体を加え、更に第
二抗体として標識酵素を結合した第一抗体に対する抗体
を順次加えて反応させる。
定されるわけではないが、反応は、25℃程度で約1時
間行えばよい。反応終了後、緩衝液で担体を洗浄し、固
相化抗原に結合しなかった第一抗体を除去する。洗浄液
としては、例えば、PBSを用いることができる。
体としてマウスモノクローナル抗体を用いる場合、酵素
(例えば、ペルオキシダーゼ又はアルカリホスファター
ゼ等)を結合した抗マウス−ヤギ抗体を用いるのが適当
である。担体に結合した第一抗体に好ましくは最終吸光
度が4以下、より好ましくは0.5−3.0となるよう
に希釈した第二抗体を反応させるのが望ましい。希釈に
は緩衝液を用いる。限定されるわけではないが、反応は
室温で約1時間行い、反応後、緩衝液で洗浄する。以上
の反応により、第二抗体が第一抗体に結合する。また、
標識した第一抗体を用いてもよく、その場合、第二抗体
は不要である。
第二抗体の標識物質と反応する発色基質溶液を加え、吸
光度を測定することによって検量線からイミダクロプリ
ドの量を算出することができる。
ダーゼを使用する場合には、例えば、過酸化水素、並び
に3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン又はο
−フェニレンジアミン(以下、「OPD」と言う)を含
む発色基質溶液を使用することができる。限定されるわ
けではないが、発色基質溶液を加え室温で約10分間反
応させた後、1Nの硫酸を加えることにより酵素反応を
停止させる。3,3’,5,5’−テトラメチルベンジ
ジンを使用する場合、450nmの吸光度を測定する。
OPDを使用する場合、492nmの吸光度を測定す
る。一方、第二抗体に結合する酵素としてアルカリホス
ファターゼを使用する場合には、例えばp−ニトロフェ
ニルリン酸を基質として発色させ、2NのNaOHを加
えて酵素反応を止め、415nmでの吸光度を測定する
方法が適している。
吸光度に対して、それらを添加して抗体と反応させた溶
液の吸光度の減少率を阻害率として計算する。既知の濃
度のイミダクロプリドを添加した反応液の阻害率により
予め作成しておいた検量線を用いて、試料中のイミダク
ロプリドの濃度を算出できる。
ば以下に述べるような本発明のモノクローナル抗体を用
いた直接競合阻害ELISA法によって行うこともでき
る。
を、担体に固相化する。
を抗原と無関係な、例えばタンパク質により、ブロッキ
ングする。
ダクロプリドを含む試料に、イミダクロプリドハプテン
と酵素を結合させた酵素結合ハプテンを加えた混合物を
調製する。
反応させる。
体の量を測定することにより、あらかじめ作成した、検
量線から試料中のイミダクロプリドの量を決定する。
固相化する担体としては、特別な制限はなくELISA
法において常用されるものを用いることができ、例えば
96ウェルのマイクロタイタープレートが挙げられる。
モノクローナル抗体の固相化は、例えばモノクローナル
抗体を含む緩衝液を担体上にのせ、インキュベートする
ことによって行える。緩衝液の組成・濃度は前述の間接
競合阻害ELISA法と同様のものを採用できる。
化した担体において、後に添加する試料中のイミダクロ
プリド並びに酵素結合ハプテンが、抗原抗体反応とは無
関係に吸着される部分が存在する場合があるので、それ
を防ぐ目的で行う。ブロッキング剤及びその方法は、前
述の間接競合阻害ELISA法と同様のものを使用でき
る。
ンの調製は、イミダクロプリドハプテンを酵素に結合す
る方法であれば特に制限なく、いかなる方法で行っても
よい。例えば、前述した活性化エステル法を採用するこ
とができる。調製した酵素結合ハプテンは、イミダクロ
プリドを含む試料と混合する。
テンとしては、間接競合阻害ELISA法における固相
化抗原の場合と同様に、抗体作製に使用したイミダクロ
プリドハプテン自体のみならず、式(1)で表される他
のハプテンを用いることもできる。例えば、式(1)で
表される化合物でAまたはnが抗体作製用と相違する化
合物を標識競合用として用いることもできる。さらに、
式(1)に含まれない他のイミダクロプリド類似化合物
も、酵素に結合させるハプテンとして使用可能である。
む試料及び酵素結合ハプテンを抗体固相化担体に接触さ
せ、イミダクロプリドと酵素結合ハプテンとの競合阻害
反応により、これらと固相化担体との複合体が生成す
る。イミダクロプリドを含む試料は適当な緩衝液で希釈
して使用する。限定されるわけではないが、反応は例え
ば、室温でおよそ1時間行う。反応終了後、緩衝液で担
体を洗浄し、固相化抗体と結合しなかった酵素結合ハプ
テンを除去する。洗浄液は、例えばPBSを使用するこ
とができる。
テンの酵素に反応する発色基質溶液を前述の間接競合阻
害ELISA法と同様に加え、吸光度を測定することに
より検量線からイミダクロプリドの量を算出することが
できる。
−1は、直接競合阻害ELISA法において約0.3n
g/mlないし50ng/ml、好ましくは0.4ng
/mlないし10ng/mlの範囲でイミダクロプリド
を測定できる(実施例7、図1)。
LISA法により、本発明のモノクローナル抗体の交差
反応性を調べることができる。
競合ELISA法においてイミダクロプリドに高い特異
性を示し、類縁化合物にはほとんど反応性を示さない
(実施例6、表2)。
明するが、これらは本発明の技術的範囲を限定するため
のものではない。当業者は本明細書の記載に基づいて容
易に本発明に修飾、変更を加えることができ、それらは
本発明の技術的範囲に含まれる。
プロピオン酸エチル(1)の合成 エタノール20mlに2−クロロ−5−ホルミルピリジ
ン1.4g(10mmol)、チオグリコール酸エチル
1.5g(11mmol)および炭酸カリウム1.6g
(11.5mmol)を入れ、この混合物を環流下に1
時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣に30mlの
水を加え、70mlの酢酸エチルで2回抽出した。酢酸
エチル層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃
縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘ
キサン:酢酸エチル=2:1)で精製し1.7g(収率
71%)の(1)を得た。
ルチオ)プロピオン酸エチル(2)の合成 3−(5−ホルミル−2−ピリジルチオ)プロピオン酸
エチル2.0g(8.4mmol)を1、4−ジオキサ
ン20mlに溶解した溶液に、水3mlに溶かした水素
化ホウ素ナトリウム0.32g(8.4mmol)の溶
液を10−15℃で加え、室温で30分間撹拌した。反
応混合物を濃縮し、残渣に水40mlを加え、70ml
の酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を水洗後、
無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリ
カゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル
=2:1、次いで酢酸エチル:メタノール 1:1)で
精製し、1.4g(収率70%)の(2)を得た。
オ)プロピオン酸エチル(3)の合成 3−(5−ヒドロキシメチル−2−ピリジルチオ)プロ
ピオン酸エチル(2)2.2g(9.0mmol)をクロ
ロホルム5mlに溶解し、この溶液に、塩化チオニル
1.3g(11mmol)を10−15℃で加え、室温
で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣に5%炭
酸水素ナトリウム水溶液25mlを加え、70mlの酢
酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を水洗後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲ
ルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=
2:1)で精製し2.3g(収率64%)の(3)を得
た。
ジン−1−イルメチル)−2−ピリジルチオ]プロピオ
ン酸エチル(4)の合成 アセトニトリル10mlに2−ニトロイミノイミダゾリ
ジン0.8g(6.2mmol)、3−(5−クロロメチ
ル−2−ピリジルチオ)プロピオン酸エチル(3)1.
6g(6.2mmol)および炭酸カリウム0.94g
(6.8mmol)を入れ、この混合物を環流下に2時
間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣に30mlの水
を加え、70mlの酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エ
チル層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮
した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー( 酢酸エ
チル)で精製し1.5g(収率68%)の(4)を得
た。
ジン−1−イルメチル)−2−ピリジルチオ]プロピオ
ン酸(5)の合成 エタノール40ml中に3−[5−(2−ニトロイミノ
イミダゾリン−1−イルメチル)−2−ピリジルチオ]
プロピオン酸エチル(4)1.3g(3.7mmol)を
含む懸濁液に、水30mlに溶解した水酸化ナトリウム
0.44g(11mmol)を加え、室温で1時間撹拌
した。減圧下にエタノールを留去し、残渣に水20ml
とエーテル30mlを加え、分配後、水層を希塩酸でp
H5にし、酢酸エチル70mlで2回抽出した。酢酸エ
チル層を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮
した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー( 酢酸エ
チル:メタノール=1:1)で精製し0.6g(収率5
0%)の(5)を得た。
H−NMRによる物性データ(ケミカルシフトδ)を以
下に示す。1 H−NMR (DMSO−D6 , 400 MHz) δ 2.62(2H,m,CH2), 3.29(2H,m,CH2), 3.47(2H,m,2H2), 3.62(2H,m,CH2), 4.42(2H,s,CH2), 7.31(1H,m,Pyr:H), 7.58(1H,m,Pyr:H ),8.43(1H,m,Pyr:H), 8.95(1H,s,NH ), 12(1H,br,COOH )
グ用抗原の作製 免疫原およびスクリーニング用抗原としてイミダクロプ
リドハプテンとBSAとの結合体を活性化エステル法を
用いて作製した。
テン0.2mmolをDMSO1.0mLに溶解し、N−
ヒドロキシこはく酸イミド0.3mmol及び1−エチ
ル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
0.3mmolを加え、室温で3.5時間撹拌した。反応
後、10000rpmで15分間遠心し、上清と沈殿に
分離した。
Cl−0.01Mリン酸緩衝液(pH7.2:以下「PB
S」と言う)5.0mLに溶解し、DMSO 1.05mL
を加えた溶液を調製しておき、この溶液に上記の上清
0.25mLを加え、室温にて16時間反応させた。反
応後、蒸留水にて4℃で透析し、イミダクロプリドハプ
テンとBSAとの結合体(以下、「イミダクロプリドハ
プテン−BSA結合体」と言う)を調製し、以降免疫用
抗原として使用した。
リドハプテンとRSAとの結合体(以下、「イミダクロ
プリドハプテン−RSA結合体」と言う)、および、イ
ミダクロプリドハプテンとHRPとの結合体(以下、
「イミダクロプリドハプテン−HRP結合体」と言う)
も作製した。
したイミダクロプリドハプテン−BSA結合体100μ
gをPBS 50μLに溶解し、等量のフロイント完全
アジュバンドと混合して、Balb/cマウスの皮下に
接種した。さらに、4週間後にフロイント不完全アジュ
バンドを用いて前記と同様に調製した免疫用抗原を追加
免疫した。また、6週間目に180μLのPBSに溶解
した免疫用抗原30μgをマウス尾静脈より追加免疫し
た。
の反応性 実施例3におけるマウス尾静脈への接種直前、採血した
抗血清を希釈調製して、以下に詳述するように間接競合
阻害ELISA法にてイミダクロプリドを測定し、抗血
清を評価した。
テン−RSA結合体溶液(0.5μg/mL)を50μL
/ウェルの量で96ウェルマイクロプレートにコーティ
ングし(25ng /50μl/ウェル)、4倍希釈したブ
ロックエース (「BlockAce」、雪印乳業社製、
コードNo.UK−25B)でブロッキングしてアッセイ
用プレートを作製した。これに抗血清10000倍希釈
液と、各種濃度のイミダクロプリドを含む20%メタノ
ール溶液とを等量混合し、その50μLを各ウェルに入
れ、室温で1時間反応させた。
ブロックエースを用いて2000倍に希釈したペルオキ
シダーゼ結合ヤギ抗マウスIgG抗体 (Tago社製)
を50μL/ウェルの量で加え、室温にて1時間反応さ
せた。PBSで5回洗浄した後に、2mg/mLのOP
D及び0.02%の過酸化水素を含む0.1Mクエン酸−
リン酸緩衝液(pH5.0)を50μL/ウェルの量で加
え、室温にて10分間反応させて発色させた。
加えて反応を停止し、490nmの吸光度を測定した。
結果の一例を表1に示す。
Lにおいて阻害反応が認められたことから、用いた抗血
清はイミダクロプリドに対して反応性があることが確認
された。
性が高くなったマウスの脾細胞と、ミエローマ細胞(S
p2/0−Ag14)とを山下修二らの方法(組織細胞化
学:日本組織細胞化学会編:学際企画.1986年)に
従ってポリエチレングリコール法により融合し、培養し
た。実施例4と同様の方法でコーティング及びブロッキ
ングしたプレートに細胞の増殖が認められた培養上清液
をそれぞれ50μL/ウェルの量で加え、室温にて1時
間反応させた。
ロックエースを用いて2000倍に希釈したペルオキシ
ダーゼ結合抗マウスIgGヤギ抗体(Tago社製)を5
0μL/ウェルの量で加え、室温にて1時間反応させ
た。PBSで5回洗浄した後に、2mg/mLのOPD
及び0.02%の過酸化水素を含む0.1M クエン酸−
リン酸緩衝液(pH5.0)を50μL/ウェルの量で加
え、室温にて10分間発色させた。
加えて、反応を停止し、490nmの吸光度を測定し、
反応性を示す細胞(ハイブリドーマ)を選抜した。次に、
各ウェルのイミダクロプリドとの反応性を実施例4に記
載した間接競合阻害ELISA法で調べ、目的の抗体を
産生している細胞について限界希釈法によりクローニン
グを行った。その結果、数株のハイブリドーマが抗イミ
ダクロプリド抗体を産生する細胞としてクローン化され
た。そのうちの33C3−1−1を平成10年12月1
7日に、寄託番号FERM P−17094で、工業技
術院生命工学工業技術研究所(〒305−0046 茨
城県つくば市1丁目1番3号)に寄託した。
性の評価 実施例5で得られたハイブリドーマ細胞33C3−1−
1が産生するモノクローナル抗体を精製し、抗イミダク
ロプリド抗体33C3−1−1を得た。(以降、モノク
ローナル抗体は、これを産生するハイブリドーマと同一
の名称を用いる。)
いて、実施例4に記載した間接競合阻害ELISA法を
用いて、2種類のイミダクロプリド類縁化合物に対する
反応性を検討した。この結果を表2に示す。
ダクロプリド等の化合物を添加しない反応溶液の吸光度
に対して吸光度を50%減少させる反応溶液中の対象化
合物の濃度を示す。また、交差反応率(%)は、(イミ
ダクロプリドのIC50/対象化合物のIC50)×100
で定義される。イミダクロプリドと類縁化合物の交差反
応率の数値が乖離している程、イミダクロプリドと特異
的に反応する抗体であることを示す。
33C3−1−1はイミダクロプリドに対しては高い反
応性を示したが、類縁化合物に対しては、ほとんど反応
性を示さなかった。従って、モノクローナル抗体33C
−1−1は、イミダクロプリドに対して特異的に反応す
る抗体である。
るイミダクロプリドの測定 実施例5で得られたハイブリドーマ33C3−1−1を
マウスの腹腔に移植し、10日ないし15日後に得られ
た腹水を採取し、アフィニティークロマトグラフィーに
よりモノクローナル抗体33C3−1−1を精製した。
この33C3−1−1抗体を用いて直接競合阻害ELI
SA法により、イミダクロプリドの量を測定した。
g/mL)を50μL/ウェルの量で96ウェルマイク
ロプレートに入れ、4℃で一晩静置してコーティング
し、さらに4倍希釈のブロックエース(雪印乳業社製)で
ブロッキングを行い、アッセイ用のプレートを作製し
た。各濃度のイミダクロプリドを含む20%メタノール
溶液及び実施例2で作製したイミダクロプリドハプテン
−HRP結合体を含むPBS溶液の等量混合液を50μ
Lずつ各ウェルに入れ、25℃で1.5時間反応させ
た。
/mLのOPD及び0.02%の過酸化水素を含むクエン
酸−リン酸緩衝液(pH5.0)を50μLずつ各ウェル
に入れ、室温で10分間静置して発色反応を行った。
加えて発色反応を停止させ、490nmの吸光度を測定
した。この結果を図1に示した。この直接競合阻害EL
ISA法を用いると、本発明のモノクローナル抗体33
C3−1−1は、イミダクロプリドを0.3ng/mL
ないし50ng/mLの範囲で測定することができた。
−1−1の直接競合阻害ELISA法によるイミダクロ
プリドの測定を示す。
Claims (11)
- 【請求項1】以下の式(1): 【化1】 [式(1)中、 Aは、S、O、CH2およびNHからなるグループから
選択される基であり、;そしてnは、1ないし10の整
数である]で表される構造を有する化合物。 - 【請求項2】AがSであり、そして、nが2である、請
求項1に記載の化合物。 - 【請求項3】請求項1又は2に記載された化合物と高分
子化合物又は標識物質との結合体。 - 【請求項4】請求項1又は2に記載の化合物と高分子化
合物を結合させることにより抗原を作製し、当該抗原を
用いることにより、以下の式(2): 【化2】 [式(2)中、L1は、Cl、Br、およびIからなる
グループから選択されるハロゲン原子である]で表され
る構造を有する化合物に反応性を示す抗体を製造するこ
とを特徴とする、式(2)で表される構造を有する化合
物に反応性を示す抗体又はそのフラグメントの製造方
法。 - 【請求項5】請求項3に記載の結合体を抗原として用い
ることにより製造された、式(2)の化合物に反応性を
示す抗体又はそのフラグメント。 - 【請求項6】モノクローナル抗体である、請求項5に記
載の抗体又はフラグメント。 - 【請求項7】モノクローナル抗体33C3−1−1であ
る、請求項5又は6に記載の抗体又はフラグメント。 - 【請求項8】請求項5ないし7のいずれか1項に記載の
抗体又はフラグメントを産生するハイブリドーマ。 - 【請求項9】寄託番号FERM P−17094で寄託
されている、請求項8に記載のハイブリドーマ。 - 【請求項10】請求項5ないし7のいずれか1項に記載
の抗体又はフラグメントを用いることを特徴とする、式
(2)で表される化合物の免疫学的測定方法。 - 【請求項11】さらに、請求項1もしくは2に記載の化
合物又は請求項3に記載の結合体を用いることを含む、
請求項10に記載の免疫学的測定方法。
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