JP3188642B2 - イマザリルのハプテン化合物、抗体及び測定方法 - Google Patents

イマザリルのハプテン化合物、抗体及び測定方法

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茂壽 伊東
昌郎 林
繁幸 渡邊
淳 藤井
内記 面田
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1−(β−アリル
オキシ−2,4−ジクロロフェネチル)イミダゾール
(以下、本明細書中「イマザリル」と言う)のハプテン
化合物、抗原、抗体及びそのフラグメントに関する。
【0002】本発明は、さらに前記抗原、抗体及びその
フラグメントを用いた免疫学的測定方法に関する。
【0003】
【従来の技術】イマザリルは、以下の式(2):
【化3】 で表される構造を有する化合物である。イマザリルは、
農薬の国内登録はないが、うどんこ病、黒点病などの果
実、野菜、鑑賞用植物などの病害に広範囲に効果を示
す。柑橘類、核果類、バナナなどの果実の貯蔵、保存中
の腐敗防止のための殺菌剤あるいは穀類、綿などの種実
の消毒剤としても使用される(「最新農薬の残留分析
法」 第349頁−第351頁、農薬残留分析法研究班
編集 中央法規出版)。
【0004】近年、土壌、水、大気等の環境中での残留
農薬や、最近特に増加してきた輸入農産物のポストハー
ベスト農薬等の残留に大きな社会的関心が寄せられてい
る。イマザリルについても、食品衛生法に基づき残留基
準値が穀類で0.01−0.05ppm、果実で2.0−
5.0ppm、野菜で0.5−2.0ppm、馬鈴薯で
5.0ppm、綿実で0.05ppmと定められている
(「最新農薬の残留分析法」 前出)。環境や食品に関
する安全確保のためには、これらに含有される、イマザ
リルの量を迅速、かつ正確に測定することが必要であ
る。
【0005】従来、イマザリルは、穀類、果実、野菜等
の試料から抽出し、精製した後、高速液体クロマトグラ
フィー(HPLC)により分析されてきた。穀類の場
合、例えば試料をアセトンで抽出して、硫酸に転溶した
後、酢酸エチルに転溶しHPLCで分析する方法が採用
されている。これらの方法は、試料の調製が煩雑で多大
の手間と時間を必要とし、分析に熟練を有すること、並
びに、測定装置や設備等に高額の費用を必要とする等の
問題点がある。イマザリルの測定は、特に輸入農産物等
の残留農薬の分析においては、短時間で膨大な数の試料
の分析結果を出す必要があり、精度面だけでなく、簡便
性、迅速性及び経済性をも具備した新規測定方法が要求
されてきている。
【0006】免疫学的測定方法は、抗体が抗原を特異的
に認識する、抗原抗体反応に基づいて抗原の検出を行う
方法であり、その優れた精度、簡便性、迅速性、経済性
から近年注目を集めてきている。免疫学的測定方法にお
いては検出方法として非常に多種の標識、例えば、酵
素、放射性トレーサー、化学発光あるいは蛍光物質、金
属原子、ゾル、ラテックス及びバクテリオファージが適
用されてきた。
【0007】免疫学的測定方法の中でも、酵素を使用す
る酵素免疫測定法(EIA)は特に優れたものとして広
く使用されるに至っている。酵素免疫測定法についての
優れた論評が、Tijssen P,“Practice and theory of e
nzyme immunoassays" in Laboratory techniques in bi
ochemistry and molecular biology, Elsevier Amsterd
am New York, Oxford ISBN 0-7204-4200-1 (1990) に記
載されている。
【0008】一般に、分子量が大きな分子については、
それ以上修飾することなく動物に接種することにより、
適当な免疫反応を惹起し、抗原を認識する抗体を産生さ
せることができる。しかし、イマザリルのような低分子
化合物は通常動物に接種したとき免疫応答を引き出すこ
とができない。これらの分子は免疫原性を有する高分子
化合物に結合させることによって初めて一団のエピトー
プとして行動し、T細胞受容体の存在下で免疫応答を起
こし、その結果、一群のBリンパ球により抗体が産生さ
れる。このように高分子化合物と結合させて初めて免疫
原性を生じる分子を総称して「ハプテン」と言う。
【0009】しかし、低分子化合物を高分子化合物と結
合させたものを抗原としても、得られた抗体は望む分子
を認識しないか、あるいはごく低い親和性しかもたない
場合がしばしばある。そのため、一般に低分子化合物そ
のものではなく、結合に利用できる官能基と共にスペー
サーアーム(結合手)を導入したものをハプテンとして
使用する必要がある。しかしその場合に、結合手/官能
基の配置、結合手の大きさ等の全ての問題を考慮して導
入が適切に行われたものを使用しないと、好ましい抗体
は得られない。適切な導入は個々の分子に応じて工夫し
なければならない。
【0010】イマザリルについてはその必要性が非常に
高かったにもかかわらず、適切な抗体はもとより、抗体
を作製するためのハプテンも本発明前には得られていな
かった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、イマザリル
に特異的に反応する新規な抗体を作製するための抗原を
構成するハプテン化合物となる、当該化合物の誘導体を
提供することを目的とする。
【0012】本発明は、また、イマザリル誘導体と高分
子化合物との結合体を提供することを目的とする。当該
結合体はイマザリルに特異的に反応する抗体を作製する
ための抗原となる。
【0013】本発明は、さらに、イマザリルに反応する
新規な抗体もしくはそのフラグメント、及びその作製方
法を提供することを目的とする。尚、本明細書において
抗体の「フラグメント」とは、抗原と結合可能な抗体の
一部分、例えばFab断片等を意味する。
【0014】本発明はその一態様において、イマザリル
に反応性を有するモノクローナル抗体を提供する。
【0015】本発明は、さらにまた、前記抗体及びその
フラグメントを産生するハイブリドーマを提供すること
を目的とする。
【0016】本発明は、さらに、前記抗体もしくはその
フラグメント及び/又は前記イマザリル誘導体と高分子
化合物との結合体を使用することを含む、イマザリル化
合物の免疫学的測定方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、イマザリルにスペーサーアーム及び高分
子との結合に利用できる官能基を導入した、イマザリル
の誘導体をハプテンとして使用することにより、前記化
合物に特異的な抗体を得ることに成功し、本発明の完成
に至った。
【0018】本発明の対象となるイマザリルは、以下の
式(2):
【化4】 で表される化合物である。抗体作製のためのハプテンと
して使用される誘導体は、前記イマザリルの
【化5】 の部分を
【化6】 [式中、nは1−10の整数であり、好ましくは3−7
の整数である]に変化させたものである。即ち、本発明
のイマザリル誘導体は、以下の式(1):
【化7】 [式(1)中、nは先に定義した通りである]で表され
る構造を有する化合物である。
【0019】本発明において、化合物の立体異性体は特
に限定されず全ての立体異性体を含む。
【0020】本発明は、イマザリルにスペーサーアーム
及び結合に利用できる官能基を導入した誘導体をハプテ
ンとして適当な高分子化合物と結合させたものを抗原と
して用いることによって、イマザリルに特異的な抗体を
得ることを可能にした。
【0021】本発明は、前記ハプテン化合物、ハプテン
化合物と高分子化合物との結合体、イマザリルに反応す
る抗体及びその作製方法、ならびに該ハプテン化合物ま
たは該抗体を用いるイマザリルの免疫学的測定方法に関
する。
【0022】イマザリルの誘導体の作製 式(1)で表されるイマザリル誘導体は、公知の方法に
従って作製することができる。例えば以下に記載するよ
うな方法がある。
【0023】式(Z1):
【化8】 で表される化合物を、例えば、テトラヒドロフラン、ジ
エチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、1,
2−ジメトキシエタン、またはその18−クラウン−6
−エーテルもしくはベンゾ−18−クラウン−6−エー
テルとの混合物、あるいはジメチルホルムアミド、N−
メチルピロリドン等の溶媒中、水酸化ナトリウム、水酸
化リチウム、ブチルリチウム、ナトリムメトキシド等の
塩基の存在下、以下の式(Z2):
【化9】 [式(Z2)中、Qは、カルボキシル基の保護基であ
り;Xは、ハロゲン原子であり(本明細書中、ハロゲン
原子はCl、BrまたはIを意味する);そしてnは、
先に定義した通りである]で表される化合物と反応さ
せ、式(Z3):
【化10】 [式(Z3)中、Qおよびnは先に定義した通りであ
る]で表される化合物を得る。反応はマイナス80℃か
ら溶媒の沸点の温度、好ましくは0℃−60℃で、5分
−20時間、好ましくは1−15時間行う。
【0024】Qで示される保護基は公知のものでよく、
具体例として、例えば、メチル基、エチル基、tert
−ブチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、ト
リクロロエチル基、トリメチルシリル基、tert−ブ
チルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシ
リル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル
基、トリメチルシリルエトキシメチル基等を挙げること
ができる次に、式(Z3)の化合物からQで表される保
護基を除去することにより、式(1)の化合物を得るこ
とができる。保護基の除去は、酸加水分解、アルカリ加
水分解等の公知の方法で行うことができる。
【0025】例えば、アルカリ加水分解の場合は、式
(Z3)の化合物を、好ましくはメタノール、エタノー
ル、テトラヒドロフラン、エチレングリコール等の有機
溶媒、又はこれらの有機溶媒と水との混合溶媒に水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムまたは炭
酸カリウム等を加えて、0℃から溶媒の沸点の温度、好
ましくは室温から100℃で、30分−2時間撹拌反応
させることにより行うことができる。
【0026】また、該保護基がtert−ブチル基であ
る場合は、式(Z3)の化合物を含む有機溶媒に酸触媒
を加えて、好ましくは撹拌下で反応させることにより行
われる。有機溶媒としては、例えば、ベンゼン等の芳香
族炭化水素類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタ
ン等のハロゲン化炭化水素類、又はこれらの混合溶媒等
を使用できる。酸触媒としては公知のもの、例えばトリ
フルオロ酢酸等のカルボン酸、p−トルエンスルホン酸
等のスルホン酸、塩酸、硝酸等の鉱酸などが使用できる
が、その中でもトリフルオロ酢酸が好ましい。反応温度
は、通常0℃−100℃程度、好ましくは室温がよく、
反応時間は通常0.5−3時間程度とすればよい。
【0027】更に、ベンジル基の除去は水素による接触
還元反応によっても行うことができる。
【0028】また、トリメチルシリル基、tert−ブチル
ジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、
トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリ
メチルシリルエトキシメチル基は、フッ化水素、テトラ
ブチルアンモニウムフルオリド、ピリジニウムフルオリ
ド等のフッ素イオンを発生させる試薬により特異的に除
去することもできる。
【0029】以上の製造法によって得られた化合物を、
必要に応じシリカゲルクロマトグラフィーまたは再結晶
操作等を行うことにより、さらに高純度の精製品とする
ことができる。
【0030】以下、本発明の抗原、抗体の作製、及び免
疫学的測定方法について説明する。尚、これらの調製は
公知の方法、例えば続生化学実験講座、免疫生化学研究
法(日本生化学会編)等に記載の方法に従って行うこと
ができる。
【0031】イマザリル誘導体と高分子化合物との結合
体の作製 上述のように合成されたイマザリル誘導体を適当な高分
子化合物に結合させてから免疫用抗原として使用する。
【0032】好ましい高分子化合物の例としては、スカ
シガイヘモシアニン(以下、「KLH」と言う)、卵白
アルブミン(以下、「OVA」と言う)、ウシ血清アル
ブミン(以下、「BSA」と言う)、ウサギ血清アルブ
ミン(以下、「RSA」と言う)などがある。
【0033】イマザリル誘導体と高分子化合物との結合
は、例えば、活性化エステル法(A.E. KARU et al.:J.
Agric. Food Chem. 42 301-309 (1994))、または、混
合酸無水物法(B.F.Erlanger et al.:J.Biol.Chem. 234
1090-1094 (1954))等の公知の方法によって行うこと
ができる。
【0034】活性化エステル法は、一般に以下のように
行うことができる。まず、ハプテン化合物を有機溶媒に
溶解し、カップリング剤の存在下にてN−ヒドロキシこ
はく酸イミドと反応させ、N−ヒドロキシこはく酸イミ
ドエステルを生成する。
【0035】カップリング剤としては、縮合反応に慣用
されている通常のカップリング剤を使用でき、例えば、
ジシクロヘキシルカルボジイミド、カルボニルジイミダ
ゾール、水溶性カルボジイミド等が含まれる。有機溶媒
としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(以
下、「DMF」という)、ジメチルスルホキシド(DM
SO)、ジオキサン等が使用できる。反応に使用するハ
プテン化合物とN−ヒドロキシこはく酸イミドのモル比
は好ましくは1:10−10:1、より好ましくは、
1:1−1:10、最も好ましくは1:1である。反応
温度は、0℃−100℃、好ましくは5℃−50℃、よ
り好ましくは22℃−27℃で、反応時間は5分−24
時間、好ましくは30分−6時間、より好ましくは1−
4時間である。反応温度は各々の融点以上沸点以下の温
度で行うことができる。
【0036】カップリング反応後反応液を遠心し、上清
液を高分子化合物を溶解した溶液に加え反応させると、
例えば高分子化合物が遊離のアミノ基を有する場合、当
該アミノ基とハプテン化合物のカルボキシル基の間に酸
アミド結合が生成される。反応温度は、0℃−60℃、
好ましくは5℃−40℃、より好ましくは22℃−27
℃で、反応時間は5分−24時間、好ましくは1−16
時間、より好ましくは1−2時間である。反応物を、透
析、脱塩カラム等によって精製して、イマザリル誘導体
と高分子化合物との結合体を得ることができる。
【0037】一方、混合酸無水物法において用いられる
混合酸無水物は、カルボン酸とハロ蟻酸エステルとの反
応により得られ、これを高分子化合物と反応させること
により目的とするハプテン−高分子化合物結合体が製造
される。この反応は塩基性化合物の存在下に行われる。
塩基性化合物としては例えば、N−メチルモルホリン、
トリエチルアミン、トリメチルアミン、ピリジン、N,
N−ジメチルアニリン、DBN、DBU、DABCO等
の有機塩基、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素
カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基等が挙げら
れる。該反応は、通常マイナス20℃−100℃、好ま
しくは0℃−50℃において行われ、反応時間は5分−
10時間、好ましくは5分−2時間である。得られた混
合酸無水物と高分子化合物との反応は、通常マイナス2
0℃−150℃、好ましくは0℃−100℃において行
われ、反応時間は5分−10時間、好ましくは5分−5
時間である。混合酸無水物法は一般に溶媒中で行われ
る。溶媒としては、混合酸無水物法に慣用されているい
ずれの溶媒も使用可能であり、具体的にはジオキサン、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエ
タン等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム、
ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸メチ
ル、酢酸エチル等のエステル類、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸
トリアミド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。
混合酸無水物法において使用されるハロ蟻酸エステルと
しては、例えばクロロ蟻酸イソブチル、クロロ蟻酸メチ
ル、ブロモ蟻酸メチル、クロロ蟻酸エチル、ブロモ蟻酸
エチル等が挙げられる。当該方法におけるハプテンとハ
ロ蟻酸エステルと高分子化合物の使用割合は、広い範囲
から適宜選択され得る。
【0038】また、上記と同様の方法により、酵素等の
標識物質をイマザリル誘導体に結合させたものを、免疫
測定法において使用することができる。標識物質として
は、西洋わさびペルオキシダーゼ(以下、「HRP」と
言う)やアルカリフォスファターゼ等の酵素、フルオレ
セインイソチオシアネートやローダミン等の発色物質、
32P、125I等の放射性物質などがある。
【0039】ポリクローナル抗体の作製 イマザリル誘導体と高分子化合物との結合体を使用し
て、慣用化された方法により本発明のポリクローナル抗
体を作製することができる。例えば、イマザリル誘導体
−KLH結合体をリン酸緩衝液(以下、「PBS」と言
う)に溶解し、フロイント完全アジュバントまたは不完
全アジュバント、あるいはミョウバン等の補助剤と混合
したものを、免疫用抗原として動物に免疫することによ
って行う。免疫される動物としては当該分野で常用され
るものをいずれも使用できるが、例えば、マウス、ラッ
ト、ウサギ、ヤギ、ウマ等を挙げることができる。
【0040】免疫の際の投与法は、皮下注射、腹腔内注
射、静脈内注射、皮内注射、筋肉内注射のいずれでもよ
いが、皮下注射または腹腔内注射が好ましい。投与は1
回または適当な間隔で、好ましくは1週間ないし5週間
の間隔で複数回行うことができる。
【0041】免疫した動物から血液を採取し、そこから
分離した血清を用い、イマザリルと反応するポリクロー
ナル抗体の存在を評価することができる。
【0042】本発明のイマザリル誘導体と高分子化合物
との結合体により免疫感作させたマウスの抗血清は、後
述する間接競合阻害ELISA法において、イマザリル
の量を約1μg/ml以上の範囲で測定できる(実施例
4、図1)。
【0043】モノクローナル抗体の作製 イマザリル誘導体と高分子化合物との結合体を使用し
て、公知の方法により本発明のモノクローナル抗体を作
製することができる。
【0044】モノクローナル抗体の作製にあたっては、
少なくとも下記のような作業工程が必要である。 (a)免疫用抗原として使用するイマザリル誘導体と高
分子化合物との結合体の作製 (b)動物への免疫 (c)血液の採取、アッセイ、及び抗体産生細胞の調製 (d)ミエローマ細胞の調製 (e)抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞融合とハ
イブリドーマの選択的培養 (f)目的とする抗体を産生するハイブリドーマのスク
リーニングと細胞クローニング (g)ハイブリドーマの培養または動物へのハイブリド
ーマの移植によるモノクローナル抗体の調製 (h)調製されたモノクローナル抗体の反応性の測定等
【0045】モノクローナル抗体を産生するハイブリド
ーマを作製するための常法は、例えば、ハイブリドーマ
テクニックス(Hybridoma Techniques),コールド
スプリング ハーバーラボラトリーズ(Cold Spring Ha
rbor Laboratory),1980年版)、細胞組織化学
(山下修二ら、日本組織細胞化学会編;学際企画、19
86年)に記載されている。
【0046】以下、上述の本発明のイマザリルに対する
モノクローナル抗体の作製方法を説明するが、これに制
限されないことは当業者によって明らかであろう。
【0047】(a)−(b)の工程は、ポリクローナル
抗体に関して記述した方法とほぼ同様の方法によって行
うことができる。
【0048】(c)の工程における抗体産生細胞はリン
パ球であり、これは一般には脾臓、胸腺、リンパ節、末
梢血液またはこれらの組み合わせから得ることができる
が脾細胞が最も一般的に用いられる。従って、最終免疫
後、抗体産生が確認されたマウスより抗体産生細胞が存
在する部位、例えば脾臓を摘出し、脾細胞を調製する。
【0049】(d)の工程に用いることができるミエロ
ーマ細胞としては、例えば、Balb/cマウス由来骨
髄腫細胞株のP3/X63−Ag8(X63)(Natur
e,25 6, 495-497 (1975))、P3/X63−Ag8.U
1(P3U1)(Current Topics.in Microbiology and
Immunology, 81 1-7 (1987))、P3/NSI−1−A
g4−1(NS−1)(Eur.J.Immunol., 6, 511-519
(1976))、Sp2/0−Ag14(Sp2/0)(Natu
re 276, 269-270 (1978))、FO(J. Immuno.Meth., 3
5, 1-21 (1980))、MPC−11、X63.653、S
194等の骨髄腫株化細胞、あるいはラット由来の21
0.RCY3.Ag1.2.3.(Y3)(Nature 277, 1
31-133, (1979))等を使用できる。
【0050】上述した株化細胞をウシ胎児血清を含むダ
ルベッコ改変イーグル培地(DMEM)またはイスコフ
改変ダルベッコ培地(IMDM)で継代培養し、融合当
日に1×106以上の細胞数を確保する。
【0051】(e)の工程の細胞融合は公知の方法、例
えばミルシュタイン(Milstein)らの方法(Methods in
Enzymology, 73, 3 (1981))等に準じて行うことがで
きる。現在最も一般的に行われているのは、融合作業も
簡単なポリエチレングリコール(PEG)を用いる方法
である。PEG法については、例えば、細胞組織化学、
山下修二ら(上述)に記載されている。その他の融合方
法としては、電気処理(電気融合)による方法等を適宜
採用することもできる(大河内悦子ら、実験医学 5.
1315−19、1987)。また、細胞の使用比率も
公知の方法と同様でよく、例えばミエローマ細胞に対し
て脾細胞を3−10倍程度用いればよい。脾細胞とミエ
ローマ細胞とが融合し、抗体産生能及び増殖能を獲得し
たハイブリドーマ群の選択は、例えば、ミエローマ細胞
株としてヒポキサンチングアニンホスホリボシルトラン
スフェラーゼ欠損株を使用した場合、例えば上述のDM
EMやIMDMにヒポキサンチン・アミノプテリン・チ
ミジンを添加して調製したHAT培地の使用により行う
ことができる。
【0052】(f)の工程では、選択されたハイブリド
ーマ群を含む培養上清の一部をとり、例えば後述するE
LISA法により、イマザリルに対する抗体活性を測定
する。さらに、測定によりイマザリルに反応する抗体を
産生することが判明したハイブリドーマの細胞クローニ
ングを行う。この細胞クローニング法としては、限界希
釈により1ウェルに1個のハイブリドーマが含まれるよ
うに希釈する方法「限界希釈法」;軟寒天培地上に撒き
コロニーをとる方法;マイクロマニピュレーターによっ
て1個の細胞を取り出す方法;セルソーターによって1
個の細胞を分離する「ソータークローン法」等が挙げら
れる。限界希釈法が簡単でありよく用いられる。
【0053】抗体価の認められたウェルについて、例え
ば限界希釈法により細胞クローニングを1−4回繰り返
して安定して抗体価の得られたものを、抗イマザリルモ
ノクローナル抗体産生ハイブリドーマ株として選択す
る。
【0054】ハイブリドーマを培養する培地としては、
例えば、ウシ胎児血清を含むDMEMまたはIMDM等
が用いられる。ハイブリドーマの培養は、例えば二酸化
炭素濃度5−7%程度及び37℃(100%湿度中の恒
温器中)で培養するのが好ましい。
【0055】(g)の工程で抗体を調製するための大量
培養は、フォローファイバー型の培養装置等によって行
われる。または、同系統のマウス(例えば、上述のBa
lb/c)あるいはNu/Nuマウスの腹腔内でハイブ
リドーマを増殖させ、腹水液より抗体を調製することも
可能である。
【0056】これらにより得られた培養上清液あるいは
腹水液を抗イマザリルモノクローナル抗体として使用す
ることできるが、さらに透析、硫酸アンモニウムによる
塩析、ゲル濾過、凍結乾燥等を行い、抗体画分を集め精
製することにより抗イマザリルモノクローナル抗体を得
ることができる。さらに精製が必要な場合には、イオン
交換カラムクロマトグラフィー、アフィニティークロマ
トグラフィー、オープンカラムクロマトグラフィー、高
速液体クロマトグラフィー(HPLC)などの慣用され
ている方法を使用して抗体画分を集める操作を1回、ま
たは複数回行うことにより実施できる。
【0057】以上のようにして得られた抗イマザリルモ
ノクローナル抗体は、例えば後述するELISA法など
の公知の方法を使用して、サブクラス、抗体価等を決定
することができる。
【0058】抗体によるイマザリルの測定 本発明で使用する抗体によるイマザリルの測定方法とし
ては、放射性同位元素免疫測定方法(RIA法)、EL
ISA法(Engvall,E.,Meth. Ensymol., 70, 419-439
(1980))、蛍光抗体法、プラーク法、スポット法、凝集
法、オクタロニー(Ouchterlony)法等の一
般に抗原の検出に使用されている種々の方法(「ハイブ
リドーマ法とモノクローナル抗体」、株式会社R&Dプ
ラニング発行、第30頁−第53頁、昭和57年3月5
日)が挙げられる。感度、簡便性等の観点からELIS
A法が汎用されている。
【0059】イマザリルの測定は各種ELISA法のう
ち、例えば間接競合阻害ELISA法により、以下のよ
うな手順により行うことができる。(a)まず、抗原で
あるイマザリル誘導体と高分子化合物との結合体を担体
に固相化する。(b)抗原が吸着していない固相表面を
抗原と無関係な、例えばタンパク質によりブロッキング
する。(c)これに各種濃度のイマザリルを含む試料及
び抗体を加え、該抗体を前記固相化抗原及び遊離イマザ
リルに競合的に反応させて、固相化抗原−抗体複合体及
び遊離イマザリル−抗体複合体を生成させる。(d)固
相化抗原−抗体複合体の量を測定することにより、予め
作成した検量線から試料中の遊離イマザリルの量を決定
することができる。
【0060】(a)工程において、抗原を固相化する担
体としては、特別な制限はなく、ELISA法において
常用されるものをいずれも使用することができる。例え
ば、ポリスチレン製の96ウェルのマイクロタイタープ
レートが挙げられる。
【0061】抗原を担体に固相化させるには、例えば、
抗原を含む緩衝液を担体上に載せ、インキュベーション
すればよい。緩衝液としては公知のものが使用でき、例
えばリン酸緩衝液を挙げることができる。緩衝液中の抗
原の濃度は広い範囲から選択できるが、通常0.01−
100μg/ml程度、好ましくは0.05−10μg
/mlが適している。また、担体として96ウェルのマ
イクロタイタープレートを使用する場合には、300μ
l/ウェル以下で50−150μl/ウェル程度が望ま
しい。更に、インキュベーションの条件にも特に制限は
ないが、通常4℃程度で一晩インキュベーションが適し
ている。
【0062】なお、担体に固相化させる抗原としては、
抗体作製に使用したイマザリル誘導体と高分子化合物と
の結合体自体のみならず、式(1)で表される他の誘導
体と高分子化合物との結合体を用いることもできる。さ
らに、式(1)に含まれない他のイマザリル類似化合物
も、固相化抗原として使用することも可能である。
【0063】(b)工程のブロッキングは、抗原との結
合体を固相化した担体において、イマザリル誘導体部分
以外に後で添加する抗体が吸着され得る部分が存在する
場合があり、もっぱらそれを防ぐ目的で行われる。ブロ
ッキング剤として、例えば、BSAやスキムミルク溶液
を使用できる。あるいは、ブロックエース(「Bloc
k Ace」、雪印乳業社製、コードNo.UK−25
B)等のブロッキング剤として市販されているものを使
用することもできる。具体的には、限定されるわけでは
ないが、例えば抗原を固相化した部分に、ブロッキング
剤を含む緩衝液[例えば、1%BSAと60mM Na
Clを添加した85mM ホウ酸緩衝液(pH8.
0)]を適量加え、約4℃で、一晩インキュベーション
した後、緩衝液で洗浄することにより行われる。洗浄液
としては特に制限はないが、例えば、PBSが適してい
る。
【0064】次いで(c)工程において、イマザリルを
含む試料と抗体を固相化抗原と接触させ、抗体を固相化
抗原及び遊離イマザリルと反応させることにより、固相
化抗原−抗体複合体及び遊離イマザリル−抗体複合体が
生成する。
【0065】この際、抗体としては、第一抗体として本
願発明のイマザリルに対する抗体を加え、更に第二抗体
として標識酵素を結合した第一抗体に対する抗体を順次
加えて反応させる。
【0066】第一抗体は緩衝液に溶解して添加する。限
定されるわけではないが、反応は、25℃程度で約1時
間行えばよい。反応終了後、緩衝液で担体を洗浄し、未
反応の第一抗体を除去する。洗浄液としては、例えば、
PBSが好ましい。
【0067】次いで第二抗体を添加する。例えば第一抗
体としてマウスモノクローナル抗体を用いる場合、酵素
(例えば、ペルオキシダーゼまたはアルカリホスファタ
ーゼ等)を結合した抗マウス抗体−ヤギ抗体を用いるの
が適当である。担体に結合した第一抗体に最終吸光度が
4以下で、好ましくは0.5−3.0となるように希釈
した第二抗体を反応させるのが望ましい。希釈には緩衝
液を用いる。限定されるわけではないが、反応は室温で
約1時間行い、反応後、緩衝液で洗浄する。以上の反応
により、第二抗体が第一抗体に結合する。また、標識し
た第一抗体を用いてもよく、その場合、第二抗体は不要
である。
【0068】次いで(d)工程において担体に結合した
第二抗体の酵素と反応する発色基質溶液を加え、吸光度
を測定することによって検量線からイマザリルの量を算
出することができる。
【0069】第二抗体に結合する酵素としてペルオキシ
ダーゼを使用する場合には、例えば基質として過酸化水
素、発色試薬としてオルトフェニレンジアミン(以下、
「OPD」と言う)を使用することができる。限定され
るわけではないが、発色溶液を加え室温で約10分間反
応させた後、1Nの硫酸を加えることにより酵素反応を
停止させる。OPDを使用する場合、490nmの吸光
度を測定する。一方、第二抗体に結合する酵素としてア
ルカリホスファターゼを使用する場合には、例えばp−
ニトロフェニルリン酸を基質として発色させ、2NのN
aOHを加えて酵素反応を止め、415nmでの吸光度
を測定する方法が適している。
【0070】上述した間接競合阻害ELISA法によれ
ば、本発明のモノクローナル抗体9C9−1−1は、イ
マザリルを約0.1−約1000nM、好ましくは1−
100nMの範囲で測定できる。モノクローナル抗体9
C1−1−1は、イマザリルに特異的に反応し、他のア
ゾール系化合物とはほとんど反応しない(実施例6、図
2)。
【0071】あるいは、イマザリルの測定は、例えば以
下に述べるような本発明のモノクローナル抗体を用いた
直接競合阻害ELISA法によって行うこともできる。 (a)まず、本発明のモノクローナル抗体を担体に固相
化する。 (b)抗体が固相化されていない担体表面を抗原と無関
係な、例えばタンパク質によりブロッキングする。 (c)上記工程とは別に、各種濃度のイマザリルを含む
試料に、イマザリル誘導体と酵素を結合させた酵素結合
ハプテンを加えた混合物を調製する。 (d)上記混合物を上記抗体固相化担体と反応させる。 (e)固相化抗体−酵素結合ハプテン複合体の量を測定
することにより、あらかじめ作成した検量線から試料中
のイマザリルの量を決定する。
【0072】(a)工程においてモノクローナル抗体を
固相化する担体としては、特別な制限はなくELISA
法において常用されるものを用いることができ、例えば
96ウェルのマイクロタイタープレートが挙げられる。
モノクローナル抗体の固相化は、例えばモノクローナル
抗体を含む緩衝液を担体上にのせ、インキュベートする
ことによって行える。緩衝液の組成・濃度は前述の間接
競合阻害ELISA法と同様のものを採用できる。ある
いは、アミノ基結合型のマイクロタイタープレートに化
学結合法を用いて抗体を結合させたものを使用すること
もできる。
【0073】(b)工程のブロッキングは、抗体を固相
化した担体において、後に添加する試料中のイマザリル
及び酵素結合ハプテンが抗原抗体反応とは無関係に吸着
される部分が存在する場合があるので、それを防ぐ目的
で行う。ブロッキング剤及びその方法は、前述の間接競
合阻害ELISA法と同様のものを採用できる。
【0074】(c)工程において用いる酵素結合ハプテ
ンの調製は、イマザリル誘導体を酵素に結合する方法で
あれば、特に制限なくいかなる方法で行ってもよい。例
えば、前述した活性化エステル法を採用することができ
る。調製した酵素結合ハプテンは、イマザリルを含む試
料と混合する。
【0075】なお、酵素に結合させるハプテンとして
は、抗体作製に使用したイマザリル誘導体自体のみなら
ず、式(1)で表される他の誘導体を用いることもでき
る。さらに、式(1)に含まれない他のイマザリル類似
化合物も、酵素に結合させるハプテンとして使用するこ
とも可能である。
【0076】(d)工程において当該混合物を抗体固相
化担体に接触させ、混合物中のイマザリルと酵素結合ハ
プテンとの競合阻害反応により、これらと固相化抗体と
の複合体が生成する。イマザリルを含む試料は適当な緩
衝液で希釈して使用する。限定されるわけではないが、
反応は例えば室温でおよそ1時間行う。反応終了後、緩
衝液で担体を洗浄し、未反応の酵素結合ハプテンを除去
する。洗浄液は、例えばPBSを採用することができ
る。
【0077】さらに、(e)工程において酵素結合ハプ
テンの酵素に反応する発色基質溶液を前述の間接競合阻
害ELISA法と同様に加え、吸光度を測定することに
より検量線からイマザリルの量を算出することができ
る。
【0078】本発明のモノクローナル抗体9C9−1−
1は、直接競合阻害ELISA法において約0.01−
1000ng/ml,好ましくは0.1−100ng/
mlの範囲でイマザリルを測定できる(実施例8、図
3)。
【0079】以下、実施例によって本発明を具体的に説
明するが、これらは本発明の技術的範囲を限定するため
のものではない。当業者は本明細書の記載に基づいて容
易に本発明に修飾、変更を加えることができ、それらは
本発明の技術的範囲に含まれる。
【0080】
【実施例】実施例1 イマザリル誘導体の合成
【化11】
【0081】6−[1−(2,4−ジクロロフェニル)
−2−(1−イミダゾリル)エトキシ]へキサン酸エチ
ルエステル(2)の合成 テトラヒドロフラン10mlに60%水素化ナトリウム
0.35g(8.8mmol)を懸濁した。これに、特公
昭50−39666号に記載された方法で合成した1−
(2,4−ジクロロフェニル)−2−(1−イミダゾリ
ル)エタノール(1)2.1g(8mmol)をN,N
−ジメチルホルムアミド3mlに溶解した溶液を50℃
加温下に加えた後、環流下に1時間撹拌した。次に、こ
れに6−ブロモヘキサン酸エチルエステル2.3g(1
0.3mmol)を氷水冷却下、10−15℃で加え、
環流下に4時間撹拌反応させた。この反応混合物を濃縮
後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(n−へキサ
ン:酢酸エチル=4:1)で精製し、1.6g(収率5
0%)の6−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−2
−(1−イミダゾリル)エトキシ]へキサン酸エチルエ
ステル(2)を得た。
【0082】6−[1−(2,4−ジクロロフェニル)
−2−(1−イミダゾリル)エトキシ]ヘキサン酸
(3)の合成 エタノール40mlに6−[1−(2,4−ジクロロフ
ェニル)−2−(1−イミダゾリル)エトキシ]ヘキサ
ン酸エチルエステル(2)1.4g(3.5mmol)
を溶解した。この溶液に水5mlに溶かした水酸化ナト
リウム0.7g(18mmol)を加え、室温下に1時
間撹拌反応させた。反応混合物を濃縮し、残渣に水30
mlを加え、酢酸エチルで分液した。水層を希塩酸でp
H6.5にして、クロロホルムで抽出した。クロロホル
ム層を水洗後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮し、
残渣の結晶をn−ヘキサンで洗い、0.8g(収率62
%)の6−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−
(1−イミダゾリル)エトキシ]ヘキサン酸(3)を得
た。 融点:104−105℃1 H−NMR(DMSO−D6,ppm) 1.23(2H,m) 1.44(4H,m) 2.17(2H,m) 3.25(2H,m) 4.20(2H,m) 4.87(1H,m) 6.85(1H,s) 7.05(1H,s) 7.34(1H,d) 7.46(2H,m) 7.64(1H,d) 12.0 (1H,br)
【0083】実施例2 免疫用抗原の作製 免疫用抗原としてイマザリル誘導体と高分子化合物との
結合体を用いるため、活性化エステル法を利用した結合
体の作製を行った。
【0084】実施例1で作製したイマザリル誘導体を
0.05mmol秤量し、無水DMF0.25mlに溶解
した。次にN−ヒドロキシこはく酸イミド0.05mm
ol、ジシクロヘキシルカルボジイミド0.05mmo
lを加え、室温にて3.5時間撹拌し、反応させた。反
応後、10,000rpmで15分間遠心し、上清と沈
殿とに分離した。一方、BSA25mgをPBS2.5
mlに溶解し、無水DMF0.5mlを加えた溶液を調
製した。当該溶液に前述の上清0.125mlを加え、
4℃にて1晩撹拌し、反応させた。反応後、BSA結合
イマザリル誘導体を蒸留水によって透析し、精製した。
こうして得られたイマザリル誘導体−BSA結合体を免
疫用抗原として用いた。
【0085】また、測定用抗原としてBSAの代わりに
RSAとの結合体を用いるため、上記と同様の方法で作
製を行った。
【0086】実施例3 免疫感作 免疫用抗原100μgを145mM NaCl−0.01
M リン酸緩衝液(pH7.2)(以下「PBS」とい
う)100μlに溶解し、等量のフロイント完全アジュ
バンドと混合して、Balb/cマウスの皮下に接種し
た。さらに、2週間後にフロイント不完全アジュバンド
を用いて前記と同様に調製した免疫用抗原を追加免疫し
た。また、4週間目にPBSに溶解した免疫用抗原をマ
ウスの尾静脈に追加免疫した。
【0087】実施例4 抗血清によるイマザリルの測定 実施例3におけるマウス尾静脈への接種直前、採血した
抗血清を希釈調製してて、以下に詳述する間接競合阻害
ELISA法を用いてイマザリルを測定した。
【0088】測定用抗原であるRSA−イマザリル誘導
体の溶液(0.1μg/ml)を50μl/ウェルの量で
96ウェルプレートにコーティングし、4倍希釈したブ
ロックエース(「B1ock Ace」、雪印乳業社
製)でブロッキングしてアッセイ用プレートを作製し
た。これに抗血清希釈液と、各種濃度のイマザリルを含
む20%メタノール溶液とを等量混合し、その50μl
をウェルに入れ、室温で1時間反応させた。
【0089】PBSにて洗浄した後、10倍希釈のブロ
ックエースを用いて2000倍に希釈したペルオキシダ
ーゼ結合抗マウスIgGヤギ抗体(Tago社製)を5
0μl/ウェルの量で加え、室温で1時間反応させた。
【0090】PBSで洗浄後、2mg/mlのOPD及
び0.02%の過酸化水素を含む0.1M クエン酸−リ
ン酸緩衝液(pH5.0)を50μl/ウェルの量で加
え、室温で10分間反応させて発色きせた。
【0091】次に、1N硫酸を50μl/ウェルの量で
加えて反応を停止し、490nmの吸光度を測定した。
その一例を図1に示す。図1より、マウスの抗血清(ポ
リクローナル抗体)を使用することにより、イマザリル
の量を1μg/ml以上の範囲で測定することができ
た。
【0092】実施例5 ハイブリドーマの作製 実施例3に続いて、血清中のイマザリルに対する抗体活
性が高くなったマウスの脾細胞と、ミエローマ細胞(S
p2/O−Ag14)とを山下修二らの方法(組織細胞
化学:日本組織細胞化学会編:学際企画、1986年)
に従ってポリエチレングリコール法により融合し、HA
T選択培地にて培養した。細胞の増殖が認められた培養
上清液を、実施例4と同様の方法で作製したプレートに
それぞれ50μl/ウェルの量で加え、室温で1時間反
応させた。
【0093】PBSで洗浄の後、10倍稀釈のブロック
エースを用いて2000倍に希釈したペルオキシダーゼ
結合抗マウスIgGヤギ抗体(Tago社製)を50μ
l/ウェルの量で加え、室温で1時間反応させた。
【0094】PBSで洗浄後、2mg/mlのOPD及
び0.02%の過酸化水素を含む0.1Mクエン酸−リン
酸緩衝液(pH5.0)を50μl/ウェルの量で加
え、室温で10分間反応させて発色させた。
【0095】次に、1N硫酸を50μl/ウェルの量で
加えて反応を停止させ、490nmの吸光度を測定し、
陽性を示したウェル中の細胞(ハイブリドーマ)を選抜
した。さらに、選抜したウェルの上清液を用いて実施例
4に記載した間接競合阻害ELISA法を用いてイマザ
リルとの反応を検討し、抗イマザリル抗体を産生してい
たウェル中の細胞について限界希釈法によりクローニン
グを行った。
【0096】その結果、二十数株のハイブリドーマが抗
イマザリル抗体を産生する細胞としてクローン化され、
そのうちの9C9−1−1を平成9年3月13日に、寄
託番号FERM P−16140で、工業技術院生命工
学工業技術研究所(〒305茨城県つくば市東1丁目1
番3号)に寄託した。
【0097】実施例6 モノクローナル抗体の評価:9
C9−1−1抗体の間接競合阻害ELISA法による反
応性 クローン化したハイブリドーマ9C9−1−1に由来す
るモノクローナル抗体9C9−1−1について、各種ア
ゾール系化合物に対する反応性の検討を行った。イマザ
リル以外のアゾール系化合物としてペンコナゾール、ヘ
キサコナゾール、プロピコナゾール及びジクロブトラゾ
ルを用い、実施例4に記載した方法に従って吸光度を測
定した。さらに、得られた各濃度における吸光度から以
下の式:
【化12】 を用いて阻害率を算出し、各アゾール系化合物に対する
反応性を調べた。
【0098】この結果を図2に示す。図2より、9C9
−1−1抗体はイマザリルに対して高い選択性を示すこ
とが確認できた。
【0099】実施例7 イマザリル誘導体とHRPとの
結合体の作製 直接競合阻害ELISA法に必要なプローブ結合イマザ
リル誘導体を作製するため、活性化エステル法を用いて
HRPとイマザリル誘導体との結合を行った。
【0100】イマザリル誘導体を、0.05mmol秤
量し、無水DMF0.25mlに溶解した。次にN−ヒ
ドロキシこはく酸イミド0.05mmol、ジシクロヘ
キシルカルボジイミド0.05mmolを加え、室温に
て3.5時間撹拌し、反応させた。反応後、10000
rpmで15分間遠心し、上清と沈殿とに分離した。
【0101】一方、HRP25mgをPBS2.5ml
に溶解し、無水DMF0.5mlを加えた溶液を調製し
ておき、その溶液に上記の上清0.125mlを加え、
4℃にて1晩撹拌し、反応させた。反応後、HRP結合
イマザリル誘導体をPBSによる透析によって精製し
た。
【0102】実施例8 直接競合阻害ELISA法によ
るイマザリルの測定 実施例5で得られたハイブリドーマ9C9−1−1をマ
ウスの腹腔に移植し、10−15日後に得られた腹水を
採取した。得られた腹水液より硫安分画法を用いてモノ
クローナル抗体を精製し、以下の試験法(直接競合阻害
ELISA法)にてイマザリルの量を測定した。
【0103】モノクローナル抗体溶液(10μg/m
l)を50μl/ウェルの量で96ウェルプレートに入
れ、4℃で一晩静置してコーティングし、さらに4倍希
釈のブロックエースでブロッキングを行い、アッセイ用
のプレートを作製した。
【0104】各濃度のイマザリル及び実施例7で作製し
たHRP結合イマザリル誘導体を含む10%メタノール
−PBS溶液を50μlずつ各ウェルに入れ、25℃で
1時間反応させた。
【0105】反応後、PBSで洗浄した後、2mg/m
lのOPD及び0.02%の過酸化水素を含む0.1Mク
エン酸−リン酸緩衝液(pH5.0)を50μlずつ各
ウェルに入れ、室温で10分間静置して発色反応を行っ
た。
【0106】次に、1N硫酸を50μlずつ各ウェルに
加えて発色反応を停止させ、490nmの吸光度を測定
した。この結果を図3に示す。図3より直接競合阻害E
LISA法において、本発明のモノクーナル抗体9C9
−1−1はイマザリルの量を0.01〜1000ng/
mlの範囲で測定することが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、マウス抗血清を用いた、間接競合阻
害ELISA法によるイマザリルの測定を示す。
【図2】 図2は、本発明のモノクローナル抗体9C9
−1−1のアゾール系化合物に対する感度を間接競合阻
害ELISA法によって調べた結果を示す。
【図3】 図3は、本発明のモノクローナル抗体9C9
−1−1を用いた、直接競合阻害ELISA法によるイ
マザリルの測定の結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 33/53 G01N 33/53 J 33/531 A 33/531 33/563 33/563 33/577 B 33/577 C12N 5/00 B //(C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 藤井 淳 東京都港区浜松町1丁目27番14号 株式 会社環境免疫技術研究所内 (72)発明者 面田 内記 東京都港区浜松町1丁目27番14号 株式 会社環境免疫技術研究所内 (56)参考文献 Acta Phytopatholo gica et Entomologi ca Humgarica,(1996), Vol.31(3−4),pp.293−301 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 C07K 16/00 - 19/00 BIOSIS(DIALOG) JICSTファイル(JOIS) WPI(DIALOG) CAPLUS(STN) REGISTRY(STN)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の式(1) 【化1】 [式(1)中、nは1−10の整数である]で表される
    構造を有する化合物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の化合物と高分子化合物ま
    たは標識物質との結合体であって、請求項1の化合物の
    カルボキシル基部位に高分子化合物又は標識物質が結合
    している、前記結合体
  3. 【請求項3】請求項1に記載の化合物のカルボキシル基
    部位に高分子化合物を結合させることにより抗原を作製
    し、当該抗原を用いることにより、以下の式(2): 【化2】 で表される構造を有する化合物に反応性を示す抗体を製
    造することを特徴とする、式(2)の化合物に反応性を
    示す抗体、あるいは前記抗体のフラグメントであって式
    (2)の化合物に反応性を示す前記フラグメント、の製
    造方法。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の結合体を抗原として用い
    ることにより製造された、式(2)の化合物に反応性を
    示す抗体、あるいは前記抗体のフラグメントであって式
    (2)の化合物に反応性を示す前記フラグメント
  5. 【請求項5】モノクローナル抗体である、請求項4に記
    載の抗体またはそのフラグメント。
  6. 【請求項6】9C9−1−1である、請求項4または5
    に記載の抗体またはそのフラグメント。
  7. 【請求項7】請求項4ないし6のいずれか1項に記載の
    抗体またはそのフラグメントを産生するハイブリドー
    マ。
  8. 【請求項8】寄託番号FERM P−16140で寄託
    されている、請求項7に記載のハイブリドーマ。
  9. 【請求項9】請求項4ないし6のいずれか1項に記載の
    抗体またはそのフラグメントを用いることを特徴とす
    る、式(2)で表される化合物の免疫学的測定方法。
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