JPH1132762A - ダミノジッドのハプテン化合物、抗体及び測定方法 - Google Patents

ダミノジッドのハプテン化合物、抗体及び測定方法

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JPH1132762A
JPH1132762A JP19017997A JP19017997A JPH1132762A JP H1132762 A JPH1132762 A JP H1132762A JP 19017997 A JP19017997 A JP 19017997A JP 19017997 A JP19017997 A JP 19017997A JP H1132762 A JPH1132762 A JP H1132762A
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JP
Japan
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antibody
compound
daminozide
formula
reaction
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Withdrawn
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JP19017997A
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English (en)
Inventor
Michiyasu Kawada
充康 川田
Kosuke Morimune
孝介 森宗
Masao Hayashi
昌郎 林
Atsushi Fujii
淳 藤井
Naiki Omoda
内記 面田
Shigeyuki Watanabe
繁幸 渡邊
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KANKYO MENEKI GIJUTSU KENKYUSH
Kankyo Meneki Gijutsu Kenkyusho KK
Original Assignee
KANKYO MENEKI GIJUTSU KENKYUSH
Kankyo Meneki Gijutsu Kenkyusho KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ダミノジッドのハプテン化合物、
抗体および測定方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明のハプテン化合物は、ダミノジッ
ドまたはその部分にスペーサーアームおよび結合のため
の官能基を共有結合させた構造を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、N−ジメチルアミ
ノスクシンアミド酸(以下、本明細書中「ダミノジッ
ド」と言う)のハプテン化合物、抗原、抗体及びそのフ
ラグメントに関する。
【0002】本発明は、さらに前記抗原、抗体及びその
フラグメントを用いた免疫学的測定方法に関する。
【0003】
【従来の技術】ダミノジッドは、以下の式(4):
【化3】 で表される構造を有する化合物である。ダミノジッドは
植物成長調節剤で、植物の成長を抑制する作用があり、
耐寒性、耐早性、耐病性を与えたり、葉色や果色を良く
する作用などもある。ダミノジッド剤処理により生育が
抑制されても花の大きさや数は影響を受けない特徴があ
る。残効は長く、小菊などでは通常2回以上行う摘芯
が、本剤処理により1回ですむという労力節約の効果も
ある。日本では、主に花類の抑制栽培、ぶどうの着粒増
加、果実の着色増進および熟期促進などに使用されてき
た。(「最新農薬の残留分析法」 第179頁−第18
3頁、農薬残留分析法研究班編集 中央法規出版;農薬
ハンドブック 第467頁、1994年版、日本植物防
疫協会)。
【0004】近年、土壌、水、大気等の環境中での残留
農薬や、最近特に増加してきた輸入農産物のポストハー
ベスト農薬等の残留に大きな社会的関心が寄せられてい
る。ダミノジッドについても、食品衛生法に基づき残留
基準値が穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶、ホップ
等で不検出であることが要求される(「最新農薬の残留
分析法」 前出)。環境や食品に関する安全確保のため
には、これらに含有される、ダミノジッドの量を迅速、
かつ正確に測定することが必要である。
【0005】従来、ダミノジッドは、穀類、豆類、野
菜、果実等から水を用いて抽出した後、酸加水分解によ
り1,1−ジメチルヒドラジンを生成させ、これを水蒸
気蒸留により精製し、発色試薬を添加して分光光度計で
測定する方法(分光光度法)が採用されてきた。近年
は、水蒸気蒸留後、1,1−ジメチルヒドラジンを芳香
族アルデヒドと反応させ、生成するヒドラゾンをガスク
ロマトグラフィー(GC)等によって測定する方法(誘
導化GC法)も行われている。これらの方法は、試料の
調製が煩雑で多大の手間と時間を必要とし、分析に熟練
を有すること、並びに、測定装置や設備等に高額の費用
を必要とする等の問題点がある。ダミノジッドの測定
は、特に輸入農産物等の残留農薬の分析においては、短
時間で膨大な数の試料の分析結果を出す必要があり、精
度面だけでなく、簡便性、迅速性及び経済性をも具備し
た新規測定方法が要求されてきている。
【0006】免疫学的測定方法は、抗体が抗原を特異的
に認識する、抗原抗体反応に基づいて抗原の検出を行う
方法であり、その優れた精度、簡便性、迅速性、経済性
から近年注目を集めてきている。免疫学的測定方法にお
いては検出方法として非常に多種の標識、例えば、酵
素、放射性トレーサー、化学発光あるいは蛍光物質、金
属原子、ゾル、ラテックス及びバクテリオファージが適
用されてきた。
【0007】免疫学的測定方法の中でも、酵素を使用す
る酵素免疫測定法(EIA)は経済性・利便性から特に
優れたものとして広く使用されるに至っている。酵素免
疫測定法についての優れた論評が、Tijssen P,“Practi
ce and theory of enzyme immunoassays" in Laborator
y techniques in biochemistry and molecular biolog
y, Elsevier Amsterdam New York, Oxford ISBN 0-7204
-4200-1 (1990) に記載されている。
【0008】一般に、分子量が大きな分子については、
それ以上修飾することなく動物に接種することにより、
適当な免疫反応を惹起し、抗原を認識する抗体を産生さ
せることができる。しかし、ダミノジッドのような低分
子化合物は通常動物に接種したとき免疫応答を引き出す
ことができない。これらの分子は免疫原性を有する高分
子化合物に結合させることによって初めて一団のエピト
ープとして行動し、T細胞受容体の存在下で免疫応答を
起こし、その結果、一群のBリンパ球により抗体が産生
される。このように高分子化合物と結合させて初めて免
疫原性を生じる分子を総称して「ハプテン」と言う。
【0009】しかし、低分子化合物を高分子化合物と結
合させたものを抗原としても、得られた抗体は望む分子
を認識しないか、あるいはごく低い親和性しかもたない
場合がしばしばある。そのため、一般に低分子化合物そ
のものではなく、結合に利用できる官能基と共にスペー
サーアーム(結合手)を導入したものをハプテンとして
使用する必要がある。しかしその場合に、結合手/官能
基の配置、結合手の大きさ等の全ての問題を考慮して導
入が適切に行われたものを使用しないと、好ましい抗体
は得られない。適切な導入は個々の分子に応じて工夫し
なければならない。
【0010】ダミノジッドについてはその必要性が非常
に高かったにもかかわらず、適切な抗体はもとより、抗
体を作製するためのハプテンも本発明前には得られてい
なかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ダミノジッ
ドに反応する新規な抗体もしくはそのフラグメント、及
びその作製方法を提供することを目的とする。尚、本明
細書において抗体の「フラグメント」とは、抗原と結合
可能な抗体の一部分、例えばFab断片等を意味する。
【0012】本発明はその一態様において、ダミノジッ
ドに反応性を有するモノクローナル抗体を提供する。
【0013】本発明は、また、ダミノジッドに反応性を
有する新規な抗体を作製するための抗原を構成するハプ
テン化合物となる、当該化合物の誘導体を提供すること
を目的とする。
【0014】本発明は、さらに、ダミノジッド誘導体と
高分子化合物との結合体を提供することを目的とする。
当該結合体はダミノジッドに反応性を有する抗体を作製
するための抗原となる。
【0015】本発明は、さらにまた、前記抗体及びその
フラグメントを産生するハイブリドーマを提供すること
を目的とする。
【0016】本発明は、さらに、前記抗体もしくはその
フラグメント及び/又は前記ダミノジッド誘導体と高分
子化合物との結合体を使用することを含む、ダミノジッ
ドの免疫学的測定方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、ダミノジッドにスペーサーアーム及び高
分子化合物との結合に利用できる官能基を導入した、ダ
ミノジッドの誘導体をハプテンとして使用することによ
り、前記化合物に反応性を有する抗体を得ることに成功
し、本発明の完成に至った。
【0018】本発明の対象となるダミノジッドは、以下
の式(4):
【化4】 で表される化合物である。
【0019】本発明の抗体は、例えば、ダミノジッドに
スペーサーアーム及び結合に利用できる官能基を導入し
た誘導体をハプテンとして適当な高分子化合物と結合さ
せたものを抗原として用いることによって得ることがで
きる。例えば、限定するわけではないが、以下の式
(1)−(3):
【化5】 [式(1)および(2)中、nは1−10の整数であ
る]のいずれかで表される構造を有する化合物を、抗体
作製のためのハプテンとして使用する。本発明におい
て、化合物の立体異性体は特に限定されず全ての立体異
性体を含む。
【0020】本発明は、前記ハプテン化合物、ハプテン
化合物と高分子化合物との結合体、ダミノジッドに反応
する抗体及びその作製方法、ならびに該ハプテン化合物
または該抗体を用いるダミノジッドの免疫学的測定方法
に関する。
【0021】ダミノジッドの誘導体の作製 式(1)ないし(3)で表されるダミノジッド誘導体
は、公知の方法に従って作製することができる。例え
ば、限定されるわけではないが、以下に記載するような
方法がある。
【0022】I.式(1)の化合物の製造方法例 a.先ず、以下の式(X1):
【化6】 [式(X1)中、Lはハロゲン原子であり(本明細書
中、ハロゲン原子はF、Cl、BrまたはIを意味す
る);Zは水酸基または脱離基であり;そしてnは1−
10の整数、好ましくは3−6の整数である]で表され
るハロゲン化合物に保護基を共有結合させて、以下の式
(X2):
【化7】 [式(X2)中、Pはカルボキシル基の保護基でありL
およびnは先に定義した通りである]で表される化合物
を合成する。
【0023】Pで示されるカルボキシル基の保護基は公
知のものでよく、具体例として、例えばメチル基、エチ
ル基、tert−ブチル基、ベンジル基、p−メトキシ
ベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、トリクロ
ロエチル基、トリメチルシリル基、tert−ブチルジ
メチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル
基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、
トリメチルシリルエトキシメチル基等を挙げることがで
きる。
【0024】Zで示される脱離基は公知のものでよく、
例えば、フッ素、塩素、臭素等が挙げられる。
【0025】カルボキシル基の保護基として、例えばp
−メトキシベンジル基を有する上記式(X2)の化合物
は、Zが水酸基である式(X1)を用いる場合には、ト
リフェニルホスフィンとアゾジカルボン酸ジエチル等ま
たは光延反応で常用される他の試薬の共存下で、p−メ
トキシベンジルアルコールと反応させることによって合
成できる。また、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド、N,N−ジイソプロピルカルボジイミド、1−
(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジ
イミド等のカルボジイミド系縮合剤、2,2'−ジピリジ
ルジスルフィドとトリフェニルホスフィン等の向山試
薬、またBOP試薬、DPPA等の他の縮合剤を用いて
もよい。あるいはクロロ蟻酸イソブチル等のハロ蟻酸エ
ステルを用いる混合酸無水物法を用いても合成すること
ができる。
【0026】反応は0℃から溶媒の沸点の温度、好まし
くは20℃−40℃で、1時間−40時間、好ましくは
10時間−20時間行う。溶媒としては、例えば、ジク
ロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶
媒、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶媒、N,N−ジ
メチルホルムアミド、ジエチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、ジブチルエーテル、ジオキサン、1,2−ジメ
トキシエタン等を用いることができる。
【0027】あるいは、カルボキシル保護基としてt−
ブチル基を有する上記式(X2)の化合物は、式(X
1)の化合物をイソブテンと反応させることにより合成
できる。反応はマイナス50℃から溶媒の沸点の温度、
好ましくはマイナス20℃−20℃で、1時間−50時
間、好ましくは5時間−30時間行う。溶媒としては、
例えばジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等を用いることができる。
触媒としては、例えば、濃硫酸、リン酸、三フッ化ホウ
素ジエチルエーテル錯体等を用いることができる。
【0028】式(X1)の化合物でZが脱離基の場合
は、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン等の有機溶媒
中でトリエチルアミン、ピリジン等の適当な塩基存在
下、p−メトキシベンジル基と反応させることによって
目的物を合成できる。
【0029】b.次に、上記式(X2)の化合物を式
(4)のダミノジッドと、炭酸カリウム、炭酸ナトリウ
ム、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチ
ウム、ブチルリチウム、ナトリムメトキシド等の塩基、
好ましくは炭酸ナトリウムの存在下で反応させることに
より以下の式(X3):
【化8】 [式(X3)中、P、Lおよびnは先に定義した通りで
ある]で表される化合物を合成する。反応は0℃から溶
媒の沸点の温度、好ましくは20℃−30℃で、5時間
−50時間、好ましくは10時間−30時間行う。溶媒
としては、例えば、ヘキサメチルリン酸トリアミド(H
MPA)、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド等を用いることができる。このとき18−ク
ラウン−6等のクラウンエーテルや他の相間移動触媒を
共存させてもよい。
【0030】c.更に、式(X3)の化合物からPで表
される保護基を除去することにより、式(1)の化合物
を得ることができる。保護基の除去は、酸加水分解、ア
ルカリ加水分解等の公知の方法で行うことができる。
【0031】例えば、アルカリ加水分解の場合は、式
(X3)の化合物を、好ましくはメタノール、エタノー
ル、テトラヒドロフラン、エチレングリコール等の有機
溶媒、又はこれらの有機溶媒と水との混合溶媒に水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムまたは炭
酸カリウム等を加えて、0℃から溶媒の沸点の温度、好
ましくは0℃から20℃で、30分−2時間撹拌反応さ
せることにより行うことができる。
【0032】また、該保護基がtert−ブチル基であ
る場合は、式(X3)の化合物を含む有機溶媒に酸触媒
を加えて、好ましくは撹拌下で反応させることにより行
われる。有機溶媒としては、例えば、ベンゼン等の芳香
族炭化水素類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタ
ン等のハロゲン化炭化水素類、又はこれらの混合溶媒等
を使用できる。酸触媒としては公知のもの、例えばトリ
フルオロ酢酸等のカルボン酸、p−トルエンスルホン酸
等のスルホン酸、塩酸、硝酸等の鉱酸などが使用できる
が、その中でもトリフルオロ酢酸が好ましい。反応温度
は、通常0℃−100℃程度、好ましくは室温がよく、
反応時間は通常0.5−3時間程度とすればよい。
【0033】更に、ベンジル基の除去は加水素分解によ
っても行うことができる。
【0034】また、トリメチルシリル基、tert−ブチル
ジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、
トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリ
メチルシリルエトキシメチル基は、フッ化水素、テトラ
ブチルアンモニウムフルオリド、ピリジニウムフルオリ
ド等のフッ素イオンを発生させる試薬により選択的に除
去することもできる。
【0035】II.式(2)の化合物の製造方法例 a.先ず、式(1)の化合物の合成と同様に、式(X
1)の化合物のカルボキシル基に保護基を結合させて、
式(X2)の化合物を合成する。
【0036】b.式(X2)の化合物を、適当な溶媒に
溶解させる。これにメチルヒドラジン含有溶液を加えて
反応させ、式(X4):
【化9】 [式(X4)中、Pおよびnは先に定義した通りであ
る]で表される化合物を合成する。反応はマイナス10
℃から溶媒の沸点の温度、好ましくは30℃−60℃
で、1時間−20時間、好ましくは3−10時間行う。
溶媒としては、例えば、エタノール、N,N−ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル
等を用いることができる。
【0037】c.次に、式(X4)の化合物をコハク酸
無水物と反応させて、式(X5):
【化10】 [式(X5)中、Pおよびnは先に定義した通りであ
る]で表される化合物を合成する。反応は0℃から溶媒
の沸点の温度、好ましくは0℃−25℃で、1時間−1
0時間、好ましくは1時間−3時間行う。溶媒として
は、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタ
ン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等を用いるこ
とができる。
【0038】d.次に、式(X5)の化合物を、以下の
式(X6):
【化11】 で表される化合物と反応させて、式(X7):
【化12】 [式(X7)中、Pおよびnは先に定義した通りであ
る]で表される化合物を合成する。反応は0℃から溶媒
の沸点の温度、好ましくは10℃−30℃で、10分−
10時間、好ましくは30分−3時間行う。溶媒として
は、例えば、トルエンとメタノールとの混合溶液等を用
いることができる。
【0039】e.最後に、式(1)の化合物の合成と同
様に、式(X7)の化合物からPのカルボキシル基の保
護基を除去することにより、式(2)の化合物を得るこ
とができる。
【0040】III.式(3)の化合物の製造方法例 a.先ず、式(X8):
【化13】 [式(X8)中、PおよびZは、先に定義した通りであ
る]で表される化合物2分子をヒドラジンを用いて縮合
させて、以下の式(X9):
【化14】 [式(X9)中、Pは先に定義した通りである]で表さ
れる化合物を合成する。
【0041】b.最後に、式(1)の化合物の合成と同
様に、式(X9)の化合物からPのカルボキシル基の保
護基を除去することにより、式(3)の化合物を得るこ
とができる。
【0042】以上の製造法によって得られた化合物を、
必要に応じシリカゲルクロマトグラフィーまたは再結晶
操作等を行うことにより、さらに高純度の精製品とする
ことができる。
【0043】以下、本発明の抗原、抗体の作製、及び免
疫学的測定方法について説明する。尚、これらの調製は
公知の方法、例えば続生化学実験講座、免疫生化学研究
法(日本生化学会編)等に記載の方法に従って行うこと
ができる。
【0044】ダミノジッド誘導体と高分子化合物との結
合体の作製 上述のように合成されたダミノジッド誘導体を適当な高
分子化合物に結合させてから免疫用抗原として使用す
る。
【0045】好ましい高分子化合物の例としては、スカ
シガイヘモシアニン(以下、「KLH」と言う)、卵白
アルブミン(以下、「OVA」と言う)、ウシ血清アル
ブミン(以下、「BSA」と言う)、ウサギ血清アルブ
ミン(以下、「RSA」と言う)などがある。
【0046】ダミノジッド誘導体と高分子化合物との結
合は、例えば、活性化エステル法(A.E. KARU et al.:
J. Agric. Food Chem. 42 301-309 (1994))、または、
混合酸無水物法(B.F.Erlanger et al.:J.Biol.Chem. 2
34 1090-1094 (1954))等の公知の方法によって行うこ
とができる。
【0047】活性化エステル法は、一般に以下のように
行うことができる。まず、ハプテン化合物を有機溶媒に
溶解し、カップリング剤の存在下にてN−ヒドロキシこ
はく酸イミドと反応させ、N−ヒドロキシこはく酸イミ
ドエステルを生成する。
【0048】カップリング剤としては、縮合反応に慣用
されている通常のカップリング剤を使用でき、例えば、
ジシクロヘキシルカルボジイミド、カルボニルジイミダ
ゾール、水溶性カルボジイミド等が含まれる。有機溶媒
としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(以
下、「DMF」という)、ジメチルスルホキシド(DM
SO)、ジオキサン等が使用できる。反応に使用するハ
プテン化合物とN−ヒドロキシこはく酸イミドのモル比
は好ましくは1:10−10:1、より好ましくは、
1:1−1:10、最も好ましくは1:1である。反応
温度は、0℃−100℃、好ましくは5℃−50℃、よ
り好ましくは22℃−27℃で、反応時間は5分−24
時間、好ましくは30分−6時間、より好ましくは1−
4時間である。反応温度は各々の融点以上沸点以下の温
度で行うことができる。
【0049】カップリング反応後反応液を遠心し、上清
液を高分子化合物を溶解した溶液に加え反応させると、
例えば高分子化合物が遊離のアミノ基を有する場合、当
該アミノ基とハプテン化合物のカルボキシル基の間にア
ミド結合が生成される。反応温度は、0℃−60℃、好
ましくは5℃−40℃、より好ましくは22℃−27℃
で、反応時間は5分−24時間、好ましくは1−16時
間である。反応物を、透析、脱塩カラム等によって精製
して、ダミノジッド誘導体と高分子化合物との結合体を
得ることができる。
【0050】一方、混合酸無水物法において用いられる
混合酸無水物は、カルボン酸とハロ蟻酸エステルとの反
応により得られ、これを高分子化合物と反応させること
により目的とするハプテン−高分子化合物結合体が製造
される。この反応は塩基性化合物の存在下に行われる。
塩基性化合物としては例えば、N−メチルモルホリン、
トリエチルアミン、トリメチルアミン、ピリジン、N,
N−ジメチルアニリン、DBN、DBU、DABCO等
の有機塩基、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素
カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基等が挙げら
れる。該反応は、通常マイナス20℃−100℃、好ま
しくは0℃−50℃において行われ、反応時間は5分−
10時間、好ましくは5分−2時間である。得られた混
合酸無水物と高分子化合物との反応は、通常マイナス2
0℃−150℃、好ましくは0℃−100℃において行
われ、反応時間は5分−10時間、好ましくは5分−5
時間である。混合酸無水物法は一般に溶媒中で行われ
る。溶媒としては、混合酸無水物法に慣用されているい
ずれの溶媒も使用可能であり、具体的にはジオキサン、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエ
タン等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム、
ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸メチ
ル、酢酸エチル等のエステル類、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸
トリアミド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。
混合酸無水物法において使用されるハロ蟻酸エステルと
しては、例えばクロロ蟻酸イソブチル、クロロ蟻酸メチ
ル、ブロモ蟻酸メチル、クロロ蟻酸エチル、ブロモ蟻酸
エチル等が挙げられる。当該方法におけるハプテンとハ
ロ蟻酸エステルと高分子化合物の使用割合は、広い範囲
から適宜選択され得る。
【0051】また、上記と同様の方法により、酵素等の
標識物質をダミノジッド誘導体に結合させたものを、免
疫測定法において使用することができる。標識物質とし
ては、西洋わさびペルオキシダーゼ(以下、「HRP」
と言う)やアルカリフォスファターゼ等の酵素、フルオ
レセインイソチオシアネートやローダミン等の発色物
質、32P、125I等の放射性物質などがある。
【0052】ポリクローナル抗体の作製 ダミノジッド誘導体と高分子化合物との結合体を使用し
て、慣用化された方法により本発明のポリクローナル抗
体を作製することができる。例えば、ダミノジッド誘導
体−BSA結合体をリン酸緩衝液(以下、「PBS」と
言う)に溶解し、フロイント完全アジュバントまたは不
完全アジュバント、あるいはミョウバン等の補助剤と混
合したものを、免疫用抗原として動物に免疫することに
よって行う。免疫される動物としては当該分野で常用さ
れるものをいずれも使用できるが、例えば、マウス、ラ
ット、ウサギ、ヤギ、ウマ等を挙げることができる。
【0053】免疫の際の投与法は、皮下注射、腹腔内注
射、静脈内注射、皮内注射、筋肉内注射のいずれでもよ
いが、皮下注射または腹腔内注射が好ましい。投与は1
回または適当な間隔で、好ましくは1週間ないし5週間
の間隔で複数回行うことができる。
【0054】免疫した動物から血液を採取し、そこから
分離した血清を用い、ダミノジッドと反応するポリクロ
ーナル抗体の存在を評価することができる。
【0055】本発明のダミノジッド誘導体と高分子化合
物との結合体により免疫感作させたマウスの抗血清は、
後述する間接競合阻害ELISA法において、ダミノジ
ッドの量を約100μg/ml以上の範囲で測定できる
(実施例9)。
【0056】モノクローナル抗体の作製 ダミノジッド誘導体と高分子化合物との結合体を使用し
て、公知の方法により本発明のモノクローナル抗体を作
製することができる。
【0057】モノクローナル抗体の作製にあたっては、
少なくとも下記のような作業工程が必要である。 (a)免疫用抗原として使用するダミノジッド誘導体と
高分子化合物との結合体の作製 (b)動物への免疫 (c)血液の採取、アッセイ、及び抗体産生細胞の調製 (d)ミエローマ細胞の調製 (e)抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞融合とハ
イブリドーマの選択的培養 (f)目的とする抗体を産生するハイブリドーマのスク
リーニングと細胞クローニング (g)ハイブリドーマの培養または動物へのハイブリド
ーマの移植によるモノクローナル抗体の調製 (h)調製されたモノクローナル抗体の反応性の測定等
【0058】モノクローナル抗体を産生するハイブリド
ーマを作製するための常法は、例えば、ハイブリドーマ
テクニックス(Hybridoma Techniques),コールド
スプリング ハーバーラボラトリー(Cold Spring Harb
or Laboratory),1980年版)、細胞組織化学(山
下修二ら、日本組織細胞化学会編;学際企画、1986
年)に記載されている。
【0059】以下、上述の本発明のダミノジッドに対す
るモノクローナル抗体の作製方法を説明するが、これに
制限されないことは当業者によって明らかであろう。
【0060】(a)−(b)の工程は、ポリクローナル
抗体に関して記述した方法とほぼ同様の方法によって行
うことができる。
【0061】(c)の工程における抗体産生細胞はリン
パ球であり、これは一般には脾臓、胸腺、リンパ節、末
梢血液またはこれらの組み合わせから得ることができる
が脾細胞が最も一般的に用いられる。従って、最終免疫
後、抗体産生が確認されたマウスより抗体産生細胞が存
在する部位、例えば脾臓を摘出し、脾細胞を調製する。
【0062】(d)の工程に用いることができるミエロ
ーマ細胞としては、例えば、Balb/cマウス由来骨
髄腫細胞株のP3/X63−Ag8(X63)(Natur
e,25 6, 495-497 (1975))、P3/X63−Ag8.U
1(P3U1)(Current Topics.in Microbiology and
Immunology, 81 1-7 (1987))、P3/NSI−1−A
g4−1(NS−1)(Eur.J.Immunol., 6, 511-519
(1976))、Sp2/0−Ag14(Sp2/0)(Natu
re 276, 269-270 (1978))、FO(J. Immuno.Meth., 3
5, 1-21 (1980))、MPC−11、X63.653、S
194等の骨髄腫株化細胞、あるいはラット由来の21
0.RCY3.Ag1.2.3.(Y3)(Nature 277, 1
31-133, (1979))等を使用できる。
【0063】上述した株化細胞をウシ胎児血清を含むダ
ルベッコ改変イーグル培地(DMEM)またはイスコフ
改変ダルベッコ培地(IMDM)で継代培養し、融合当
日に1×106以上の細胞数を確保する。
【0064】(e)の工程の細胞融合は公知の方法、例
えばミルシュタイン(Milstein)らの方法(Methods in
Enzymology, 73, 3 (1981))等に準じて行うことがで
きる。現在最も一般的に行われているのは、融合作業も
簡単なポリエチレングリコール(PEG)を用いる方法
である。PEG法については、例えば、細胞組織化学、
山下修二ら(上述)に記載されている。その他の融合方
法としては、電気処理(電気融合)による方法等を適宜
採用することもできる(大河内悦子ら、実験医学 5.
1315−19、1987)。また、細胞の使用比率も
公知の方法と同様でよく、例えばミエローマ細胞に対し
て脾細胞を3−10倍程度用いればよい。脾細胞とミエ
ローマ細胞とが融合し、抗体産生能及び増殖能を獲得し
たハイブリドーマ群の選択は、例えば、ミエローマ細胞
株としてヒポキサンチングアニンホスホリボシルトラン
スフェラーゼ欠損株を使用した場合、例えば上述のDM
EMやIMDMにヒポキサンチン・アミノプテリン・チ
ミジンを添加して調製したHAT培地の使用により行う
ことができる。
【0065】(f)の工程では、選択されたハイブリド
ーマ群を含む培養上清の一部をとり、例えば後述するE
LISA法により、ダミノジッドに対する抗体活性を測
定する。さらに、測定によりダミノジッドに反応する抗
体を産生することが判明したハイブリドーマの細胞クロ
ーニングを行う。この細胞クローニング法としては、限
界希釈により1ウェルに1個のハイブリドーマが含まれ
るように希釈する方法「限界希釈法」;軟寒天培地上に
撒きコロニーをとる方法;マイクロマニピュレーターに
よって1個の細胞を取り出す方法;セルソーターによっ
て1個の細胞を分離する「ソータークローン法」等が挙
げられる。限界希釈法が簡単でありよく用いられる。
【0066】抗体価の認められたウェルについて、例え
ば限界希釈法により細胞クローニングを1−4回繰り返
して安定して抗体価の得られたものを、抗ダミノジッド
モノクローナル抗体産生ハイブリドーマ株として選択す
る。
【0067】ハイブリドーマを培養する培地としては、
例えば、ウシ胎児血清を含むDMEMまたはIMDM等
が用いられる。ハイブリドーマの培養は、例えば二酸化
炭素濃度5−7%程度及び37℃(100%湿度中の恒
温器中)で培養するのが好ましい。
【0068】(g)の工程で抗体を調製するための大量
培養は、フォローファイバー型の培養装置等によって行
われる。または、同系統のマウス(例えば、上述のBa
lb/c)あるいはNu/Nuマウスの腹腔内でハイブ
リドーマを増殖させ、腹水液より抗体を調製することも
可能である。
【0069】これらにより得られた培養上清液あるいは
腹水液を抗ダミノジッドモノクローナル抗体として使用
することできるが、さらに透析、硫酸アンモニウムによ
る塩析、ゲル濾過、凍結乾燥等を行い、抗体画分を集め
精製することにより抗ダミノジッドモノクローナル抗体
を得ることができる。さらに精製が必要な場合には、イ
オン交換カラムクロマトグラフィー、アフィニティーク
ロマトグラフィー、オープンカラムクロマトグラフィ
ー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などの慣
用されている方法を使用して抗体画分を集める操作を1
回、または複数回行うことにより実施できる。
【0070】以上のようにして得られた抗ダミノジッド
モノクローナル抗体は、例えば後述するELISA法な
どの公知の方法を使用して、サブクラス、抗体価等を決
定することができる。
【0071】抗体によるダミノジッドの測定 本発明で使用する抗体によるダミノジッドの測定方法と
しては、放射性同位元素免疫測定方法(RIA法)、E
LISA法(Engvall,E.,Meth. Ensymol., 70,419-439
(1980))、蛍光抗体法、プラーク法、スポット法、凝集
法、オクタロニー(Ouchterlony)法等の一
般に抗原の検出に使用されている種々の方法(「ハイブ
リドーマ法とモノクローナル抗体」、株式会社R&Dプ
ラニング発行、第30頁−第53頁、昭和57年3月5
日)が挙げられる。感度、簡便性等の観点からELIS
A法が汎用されている。
【0072】ダミノジッドの測定は各種ELISA法の
うち、例えば間接競合阻害ELISA法により、以下の
ような手順により行うことができる。(a)まず、抗原
であるダミノジッド誘導体と高分子化合物との結合体を
担体に固相化する。(b)抗原が吸着していない固相表
面を抗原と無関係な、例えばタンパク質によりブロッキ
ングする。(c)これに各種濃度のダミノジッドを含む
試料及び抗体を加え、該抗体を前記固相化抗原及び遊離
ダミノジッドに競合的に反応させて、固相化抗原−抗体
複合体及び遊離ダミノジッド−抗体複合体を生成させ
る。(d)固相化抗原−抗体複合体の量を測定すること
により、予め作成した検量線から試料中の遊離ダミノジ
ッドの量を決定することができる。
【0073】(a)工程において、抗原を固相化する担
体としては、特別な制限はなく、ELISA法において
常用されるものをいずれも使用することができる。例え
ば、ポリスチレン製の96ウェルのマイクロタイタープ
レートが挙げられる。
【0074】抗原を担体に固相化させるには、例えば、
抗原を含む緩衝液を担体上に載せ、インキュベーション
すればよい。緩衝液としては公知のものが使用でき、例
えばリン酸緩衝液を挙げることができる。緩衝液中の抗
原の濃度は広い範囲から選択できるが、通常0.01−
100μg/ml程度、好ましくは0.05−10μg
/mlが適している。また、担体として96ウェルのマ
イクロタイタープレートを使用する場合には、300μ
l/ウェル以下で50−150μl/ウェル程度が望ま
しい。更に、インキュベーションの条件にも特に制限は
ないが、通常4℃程度で一晩インキュベーションが適し
ている。
【0075】なお、担体に固相化させる抗原としては、
抗体作製に使用したダミノジッド誘導体と高分子化合物
との結合体自体のみならず、式(1)−(3)のいずれ
かで表される他の誘導体と高分子化合物との結合体を用
いることもできる。さらに、式(1)に含まれない他の
ダミノジッド類似化合物も、固相化抗原として使用する
ことも可能である。
【0076】(b)工程のブロッキングは、抗原との結
合体を固相化した担体において、ダミノジッド誘導体部
分以外に後で添加する抗体が吸着され得る部分が存在す
る場合があり、もっぱらそれを防ぐ目的で行われる。ブ
ロッキング剤として、例えば、BSAやスキムミルク溶
液を使用できる。あるいは、ブロックエース(「Blo
ck Ace」、雪印乳業社製、コードNo.UK−2
5B)等のブロッキング剤として市販されているものを
使用することもできる。具体的には、限定されるわけで
はないが、例えば抗原を固相化した部分に、PBSで4
倍希釈したブロックエースを適量加え、約4℃で、一晩
インキュベーションした後、緩衝液で洗浄することによ
り行われる。洗浄液としては特に制限はないが、例え
ば、PBSが適している。
【0077】次いで(c)工程において、ダミノジッド
を含む試料と抗体を固相化抗原と接触させ、抗体を固相
化抗原及び遊離ダミノジッドと反応させることにより、
固相化抗原−抗体複合体及び遊離ダミノジッド−抗体複
合体が生成する。
【0078】この際、抗体としては、第一抗体として本
願発明のダミノジッドに対する抗体を加え、更に第二抗
体として標識酵素を結合した第一抗体に対する抗体を順
次加えて反応させる。
【0079】第一抗体は緩衝液に溶解して添加する。限
定されるわけではないが、反応は、25℃程度で約1時
間行えばよい。反応終了後、緩衝液で担体を洗浄し、未
反応の第一抗体を除去する。洗浄液としては、例えば、
PBSが好ましい。
【0080】次いで第二抗体を添加する。例えば第一抗
体としてマウスモノクローナル抗体を用いる場合、酵素
(例えば、ペルオキシダーゼまたはアルカリホスファタ
ーゼ等)を結合した抗マウス抗体−ヤギ抗体を用いるの
が適当である。担体に結合した第一抗体に最終吸光度が
4以下で、好ましくは0.3−3.0となるように希釈
した第二抗体を反応させるのが望ましい。希釈には緩衝
液を用いる。限定されるわけではないが、反応は室温で
約1時間行い、反応後、緩衝液で洗浄する。以上の反応
により、第二抗体が第一抗体に結合する。また、標識し
た第一抗体を用いてもよく、その場合、第二抗体は不要
である。
【0081】次いで(d)工程において担体に結合した
第二抗体の酵素と反応する発色基質溶液を加え、吸光度
を測定することによって検量線からダミノジッドの量を
算出することができる。
【0082】第二抗体に結合する酵素としてペルオキシ
ダーゼを使用する場合には、例えば基質として過酸化水
素、発色試薬としてオルトフェニレンジアミン(以下、
「OPD」と言う)を使用することができる。限定され
るわけではないが、発色溶液を加え室温で約10分間反
応させた後、1Nの硫酸を加えることにより酵素反応を
停止させる。OPDを使用する場合、490nmの吸光
度を測定する。一方、第二抗体に結合する酵素としてア
ルカリホスファターゼを使用する場合には、例えばp−
ニトロフェニルリン酸を基質として発色させ、2NのN
aOHを加えて酵素反応を止め、415nmでの吸光度
を測定する方法が適している。
【0083】あるいは、ダミノジッドの測定は、例えば
以下に述べるような本発明のモノクローナル抗体を用い
た直接競合阻害ELISA法によって行うこともでき
る。 (a)まず、本発明のモノクローナル抗体を担体に固相
化する。 (b)抗体が固相化されていない担体表面を抗原と無関
係な、例えばタンパク質によりブロッキングする。 (c)上記工程とは別に、各種濃度のダミノジッドを含
む試料に、ダミノジッド誘導体と酵素を結合させた酵素
結合ハプテンを加えた混合物を調製する。 (d)上記混合物を上記抗体固相化担体と反応させる。 (e)固相化抗体−酵素結合ハプテン複合体の量を測定
することにより、あらかじめ作成した検量線から試料中
のダミノジッドの量を決定する。
【0084】(a)工程においてモノクローナル抗体を
固相化する担体としては、特別な制限はなくELISA
法において常用されるものを用いることができ、例えば
96ウェルのマイクロタイタープレートが挙げられる。
モノクローナル抗体の固相化は、例えばモノクローナル
抗体を含む緩衝液を担体上にのせ、インキュベートする
ことによって行える。緩衝液の組成・濃度は前述の間接
競合阻害ELISA法と同様のものを採用できる。ある
いは、アミノ基結合型のマイクロタイタープレートに化
学結合法を用いて抗体を結合させたものを使用すること
もできる。
【0085】(b)工程のブロッキングは、抗体を固相
化した担体において、後に添加する試料中のダミノジッ
ド及び酵素結合ハプテンが抗原抗体反応とは無関係に吸
着される部分が存在する場合があるので、それを防ぐ目
的で行う。ブロッキング剤及びその方法は、前述の間接
競合阻害ELISA法と同様のものを採用できる。
【0086】(c)工程において用いる酵素結合ハプテ
ンの調製は、ダミノジッド誘導体を酵素に結合する方法
であれば、特に制限なくいかなる方法で行ってもよい。
例えば、前述した活性化エステル法を採用することがで
きる。調製した酵素結合ハプテンは、ダミノジッドを含
む試料と混合する。
【0087】なお、酵素に結合させるハプテンとして
は、抗体作製に使用したダミノジッド誘導体自体のみな
らず、式(1)−(3)のいずれかで表される他の誘導
体を用いることもできる。さらに、式(1)−(3)に
含まれない他のダミノジッド類似化合物も、酵素に結合
させるハプテンとして使用することも可能である。例え
ば、式(1)の化合物と高分子化合物との結合体を抗原
として抗体を作製した場合、式(2)または(3)の化
合物を標識競合化合物として用いることもできる、ま
た、式(1)または(2)においてnの数が相違する化
合物を各々抗体作製用と標識競合化合物として用いるこ
ともできる。
【0088】(d)工程において当該混合物を抗体固相
化担体に接触させ、混合物中のダミノジッドと酵素結合
ハプテンとの競合阻害反応により、これらと固相化抗体
との複合体が生成する。ダミノジッドを含む試料は適当
な緩衝液で希釈して使用する。限定されるわけではない
が、反応は例えば室温でおよそ1時間行う。反応終了
後、緩衝液で担体を洗浄し、未反応の酵素結合ハプテン
を除去する。洗浄液は、例えばPBSを採用することが
できる。
【0089】さらに、(e)工程において酵素結合ハプ
テンの酵素に反応する発色基質溶液を前述の間接競合阻
害ELISA法と同様に加え、吸光度を測定することに
より検量線からダミノジッドの量を算出することができ
る。
【0090】本発明のモノクローナル抗体4J8−14
−1は、直接競合阻害ELISA法において約0.01
−100μg/ml,好ましくは0.1−10μg/m
lの範囲でダミノジッドを測定できる(実施例10およ
び11、図1および図2)。
【0091】以下、実施例によって本発明を具体的に説
明するが、これらは本発明の技術的範囲を限定するため
のものではない。当業者は本明細書の記載に基づいて容
易に本発明に修飾、変更を加えることができ、それらは
本発明の技術的範囲に含まれる。
【0092】
【実施例】実施例1 ダミノジッド誘導体−1の合成
【化15】
【0093】(2)の合成 8.4g(50mmol)の4−ブロモ酪酸(1)とア
ゾジカルボン酸ジエチル8.7g(50mmol)のジ
エチルエーテル溶液100mlに、室温で4−メトキシ
ベンジルアルコール10.4g(75mmol)とトリ
フェニルホスフィン13.1g(50mmol)のジエ
チルエーテル溶液50mlをゆっくりと滴下した。その
まま室温で一晩撹拌後、濾過、濃縮した濾液をシリカゲ
ルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル=19:
1→9:1)で精製すると、透明液体として(2)を
8.8g(収率61%)得た。
【0094】(3)の合成 4.0g(25mmol)のダミノジッドと7.3g
(25mmol)の(2)を30mlのヘキサメチルリ
ン酸トリアミド(HMPA)に溶解後、炭酸カリウム1
0g(75mmol)を添加して室温で1日撹拌した。
反応混合物をジエチルエーテル−水で分配(100ml
×3回)して、集めたエーテル溶液を脱水(無水硫酸マ
グネシウム)、濾過、濃縮してシリカゲルクロマトグラ
フィー(酢酸エチル)で精製すると、透明液体として
2.7g(収率29%)の(3)を得た。
【0095】(4)の合成 2.7g(7.4mmol)のエステル化合物(3)を
100mlのジクロロメタンに溶解し、トリフルオロ酢
酸10mlを加えて室温で3時間撹拌した。反応溶液を
そのまま減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー
(クロロホルム−メタノール=9:1)で精製すると、
透明液体として1.2g(収率67%)の(4)を得
た。1 H−NMR(CDCl3) 1.82〜2.16(m,2H),2.23〜2.92
(overlap,12H),4.02〜4.12(t,2H)
【0096】実施例2 ダミノジッド誘導体−2の合成
【化16】
【0097】(2)の合成 5.9g(30mmol)の6−ブロモカプロン酸
(1)とアゾジカルボン酸ジエチル5.3g(30mm
ol)のジエチルエーテル溶液100mlに、室温で4
−メトキシベンジルアルコール6.2g(45mmo
l)とトリフェニルホスフィン7.9g(30mmo
l)のジエチルエーテル溶液50mlをゆっくりと滴下
した。そのまま室温で一晩撹拌後、濾過、濃縮した濾液
をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチ
ル=9:1)で精製すると、透明液体として(2)を
8.0g(収率84%)得た。
【0098】(3)の合成 4.7g(29mmol)のダミノジッドと9.2g
(29mmol)の(2)を30mlのヘキサメチルリ
ン酸トリアミド(HMPA)に溶解後、炭酸カリウム
7.0g(51mmol)を添加して室温で1日撹拌し
た。反応混合物をジエチルエーテル−水で分配(100
ml×3回)して、集めたエーテル溶液を脱水(無水硫
酸マグネシウム)、濾過、濃縮してシリカゲルクロマト
グラフィー(酢エチル)で精製すると、透明液体として
5.4g(収率47%)の(3)を得た。
【0099】(4)の合成 7.0g(17.8mmol)のエステル化合物(3)
を150mlのジクロロメタンに溶解し、トリフルオロ
酢酸10mlを加えて室温で3時間撹拌した。反応溶液
をそのまま減圧濃縮して、シリカゲルクロマトグラフィ
ー(酢酸エチル→クロロホルム−メタノール=9:1)
で精製すると、透明液体として3.5g(収率72%)
の(4)を得た。1 H−NMR(CDCl3) 1.25〜1.80(m,6H),2.20〜3.25
(overlap,12H),4.00〜4.11(t,2
H),10.80(br,1H)
【0100】実施例3 ダミノジッド誘導体−3の合成
【化17】
【0101】(2)の合成 6.1g(50mmol)の4−クロロ酪酸(1)をジ
クロロメタン100mlに溶解して、塩−氷で冷却し
た。イソブテン5.0gをバブリングして、リン酸0.
4g(0.24mmol)、三フッ化ホウ素ジエチルエ
ーテル錯体0.5g(0.43mmol)を滴下した。
そのまま一晩撹拌後に濃縮し、シリカゲルクロマトグラ
フィー(ヘキサン−酢酸エチル=4:1)で精製する
と、透明液体として(2)を6.3g(収率71%)得
た。
【0102】(3)の合成 5.4g(36mmol)の(2)と9.0g(60m
mol)のヨウ化ナトリウムを150mlのアセトンに
溶解して窒素気流下、60℃で1日還流した。反応混合
物を濾過、濃縮してシリカゲルクロマトグラフィー(ヘ
キサン→ヘキサン−酢酸エチル=49:1→19:1)
で粗精製した。この粗精製物のエタノール50mlにメ
チルヒドラジン2.5g(54mmol)のエタノール
溶液10mlを滴下して、60℃で一晩撹拌した。反応
溶液をそのまま濃縮して、シリカゲルクロマトグラフィ
ー(クロロホルム−メタノール=40:1)で精製する
と、(3)を1.8g(収率32%)得た。
【0103】(4)の合成 1.8g(9.5mmol)の(3)を30mlのジク
ロロメタンに溶解し、1.0g(10mmol)のコハ
ク酸無水物を加えて室温で一日撹拌した。反応溶液をそ
のまま減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘ
キサン→ヘキサン−酢酸エチル=4:1→1:1→酢酸
エチル)で精製すると、1.0g(収率36%)の
(4)を得た。
【0104】(5)の合成 1.0g(3.5mmol)の(4)をトルエン−メタ
ノール(4:1)溶液35mlに溶解し、トリメチルシ
リルジアゾメタンの10%ヘキサン溶液4.3gを加え
て室温で3時間撹拌した。反応溶液をそのまま減圧濃縮
し、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精
製すると、0.9g(収率86%)の(5)を得た。
【0105】(6)の合成 1.0g(3.3mmol)のエステル化合物(5)を
50mlのジクロロメタンに溶解し、トリフルオロ酢酸
10mlを加えて室温で3時間撹拌した。反応溶液をそ
のまま減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(酢
酸エチル)で精製すると、0.81g(収率100%)
の(6)を得た。1 H−NMR(CDCl3) 1.70〜2.02(m,2H),2.26〜2.89
(overlap,11H),3.65(s,3H)
【0106】実施例4 ダミノジッド誘導体−4の合成
【化18】
【0107】(2)の合成 21g(108mmol)の6−ブロモカプロン酸
(1)をジクロロメタン250mlに溶解して、塩−氷
で冷却した。イソブテン10gをバブリングして、濃硫
酸1mlを滴下後、更にイソブテン10gを加え、その
まま氷冷下で1時間、そして室温で1日撹拌した。反応
液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン
→ヘキサン−酢酸エチル=19:1)で精製すると、透
明液体として(2)を10.7g(収率40%)得た。
【0108】(3)の合成 (2)5.0g(20mmol)のエタノール溶液10
0mlにメチルヒドラジン2.3g(50mmol)の
エタノール溶液10mlを滴下して、60℃で3時間撹
拌した。更に70℃で1時間撹拌後、反応溶液を濃縮し
て、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル→クロ
ロホルム−メタノール=20:1)で精製すると、
(3)を2.2g(収率51%)得た。
【0109】(4)の合成 2.2g(10mmol)の(3)を30mlのジクロ
ロメタンに溶解し、1.1g(11mmol)のコハク
酸無水物を加えて室温で1日撹拌した。反応溶液をその
まま減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキ
サン→ヘキサン−酢酸エチル=4:1→1:1→酢酸エ
チル)で精製すると、1.8g(収率56%)の(4)
を得た。
【0110】(5)の合成 1.8g(5.7mmol)の(4)をトルエン−メタ
ノール(4:1)溶液50mlに溶解し、7gのトリメ
チルシリルジアゾメタンの10%ヘキサン溶液を加えて
室温で2時間撹拌した。反応溶液をそのまま減圧濃縮
し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エ
チル=1:1→酢酸エチル)で精製すると、1.75g
(収率93%)の(5)を得た。
【0111】(6)の合成 1.75g(5.3mmol)のエステル化合物(5)
を100mlのジクロロメタンに溶解し、トリフルオロ
酢酸10mlを加えて室温で3時間撹拌した。反応溶液
をそのまま減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー
(クロロホルム−メタノール=20:1)で精製する
と、0.81g(収率56%)の(6)を得た。1 H−NMR(CDCl3) 1.30〜1.80(overlap,6H),2.22〜2.
93(overlap,11H),3.70(s,3H)
【0112】実施例5 ダミノジッド誘導体−5の合成
【化19】
【0113】(2)の合成 13.3g(50mmol)の11−ウンデカン酸
(1)をジクロロメタン200mlに溶解して、塩−氷
で冷却した。イソブテン10gをバブリングして、濃硫
酸0.5mlを滴下し、そのまま氷冷下で2時間、そし
て室温で3時間撹拌した。反応液を濃縮し、シリカゲル
クロマトグラフィー(ヘキサン→ヘキサン−酢酸エチル
=19:1)で精製すると、透明液体として(2)を1
0.8g(収率67%)得た。
【0114】(3)の合成 (2)9.6g(30mmol)のエタノール溶液10
0mlにメチルヒドラジン2.0g(44mmol)の
エタノール溶液10mlを氷冷下で滴下した。滴下終了
後に室温に戻して3時間撹拌した。更に60℃で3時間
撹拌後、反応溶液を濃縮して、シリカゲルクロマトグラ
フィー(クロロホルム−メタノール=40:1)で精製
すると、(3)を1.8g(収率21%)得た。
【0115】(4)の合成 1.8g(6.3mmol)の(3)を50mlのジク
ロロメタンに溶解し、0.9g(9mmol)のコハク
酸無水物を加えて室温で1日撹拌した。反応溶液をその
まま減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキ
サン→ヘキサン−酢酸エチル=4:1→1:1→酢酸エ
チル−クロロホルム−メタノール=9:1)で精製する
と、0.52g(収率21%)の(4)を得た。
【0116】(5)の合成 0.2g(0.52mmol)の(4)をトルエン−メ
タノール(4:1)溶液5mlに溶解し、1gのトリメ
チルシリルジアゾメタンの10%ヘキサン溶液を加えて
室温で1時間撹拌した。反応溶液をそのまま減圧濃縮
し、シリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精
製すると、0.21g(収率100%)の(5)を得
た。
【0117】(6)の合成 0.48g(1.2mmol)のエステル化合物(5)
を30mlのジクロロメタンに溶解し、トリフルオロ酢
酸5mlを加えて室温で3時間撹拌した。反応溶液をそ
のまま減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(酢
酸エチル→クロロホルム−メタノール=9:1)で精製
すると、0.3g(収率73%)の(6)を得た。1 H−NMR(CDCl3) 1.30〜1.80(overlap,16H),2.20〜
2.90(overlap,11H),3.64(s,3H)
【0118】実施例6 ダミノジッドの誘導体−6の合
【化20】
【0119】(2)の合成 10g(60mmol)のモノエチルコハク酸クロリド
(1)のジクロロメタン200ml溶液に、10mlの
ヒドラジン1.0g(31mmol)のジクロロメタン
溶液、次いで10mlのトリエチルアミン6.0g(6
0mmol)のジクロロメタン溶液を氷冷下で滴下し
た。そのまま氷冷下で2.5時間撹拌して、水洗した。
集めたジクロロメタン層を無水硫酸マグネシウムで脱
水、濾過、濃縮した。濃縮液にヘキサンを添加すると、
(2)が析出し、7.1g(収率41%)得た。
【0120】(3)の合成 7.1g(25mmol)の(3)を50mlのメタノ
ールに溶解し、2.5g(63mmol)の水酸化ナト
リウムを加えて室温で2時間撹拌した。反応溶液を減圧
濃縮し、白色残渣を水に溶かし、濃塩酸でpHを2〜3
に調製した。酢酸エチルで洗って、再び水層を濃縮する
と、白色結晶が析出してきたので、これを濾別してメタ
ノールで洗浄した。3.9g(収率68%)。1 H−NMR(CDCl3) 2.21〜2.82(m,8H),9.78(s,2
H)
【0121】実施例7 ダミノジッド誘導体と高分子化
合物もしくは標識物質との結合体の作製 免疫原およびスクリーニング用抗原としてダミノジッド
誘導体−1とBSAとの結合体を活性化エステル法を用
いて作製した。
【0122】実施例1で作製したダミノジッド誘導体−
1の0.05mmolをDMF0.25mlに溶解し、
N−ヒドロキシこはく酸イミド0.05mmol及びジ
シクロヘキシルカルボジイミド0.05mmolを加
え、室温で3.5時間撹拌した。反応後、10000r
pmで15分間遠心し、上清と沈殿に分離した。
【0123】一方、BSA25mgを145mM Na
Cl−0.01Mリン酸緩衝液(pH7.2:以下「P
BS」という)2.5mlに溶解し、DMF0.5ml
を加えた溶液を調製しておき、この溶液に上記の上清
0.125mlを加え、室温にて16時間反応させた。
反応後、蒸留水にて4℃で透析したダミノジッド誘導体
1−BSA結合体を免疫用抗原として用いた。
【0124】さらに、同様の方法を用いてダミノジッド
誘導体1−RSAとの結合体、ダミノジッド誘導体1−
HRP結合体、およびダミノジッド誘導体2−HRP結
合体も作製した。
【0125】実施例8 免疫感作 免疫用抗原100μgをPBS100μlに溶解し、等
量のフロイント完全アジュバンドと混合して、Balb
/cマウスの皮下に接種した。さらに、2.4週間後に
それぞれフロイント不完全アジュバンドを用いて前記と
同様に調製した免疫用抗原を追加免疫した。また、6週
間目にPBSに溶解した免疫用抗原をマウスの腹腔に追
加免疫した。
【0126】実施例9 抗血清によるダミノジッドの反
応性 実施例8におけるマウス腹腔への接種直前、採血した抗
血清を希釈調製して、以下に詳述する間接競合阻害EL
ISAにてダミノジッドを測定し、抗血清を評価した。
【0127】免疫用抗原と同様に調製したダミノジッド
誘導体1−RSA結合体の溶液(0.1μg/ml)を
50μl/ウェルの量で96穴プレートにコーティング
し、4倍希釈したブロックエース(「Block Ac
e」、雪印乳業社製、コードNo.UK−25B)でブ
ロッキングしてアッセイ用プレートを作製した。これに
抗血清5000倍希釈液と、各種濃度のダミノジッドを
含む20%メタノール溶液とを等量混合し、その50μ
lをウェルに入れ、室温で1時間反応させた。
【0128】PBSで5回洗浄した後に、10倍希釈の
ブロックエースを用いて2000倍希釈したペルオキシ
ダーゼ結合抗マウスIgGヤギ抗体(Tago社製)を
50μl/ウェルの量で加え、室温で1時間反応させ
た。
【0129】PBSで5回洗浄後、2mg/mlのOP
D及び0.02%の過酸化水素を含む0.1Mクエン酸
−リン酸緩衝液(pH5.0)を50μl/ウェルの量
で加え、室温で10分間反応させて発色させた。
【0130】次に、1N硫酸を50μl/ウェルの量で
加えて反応を停止し、490nmの吸光度を測定した。
結果の一例を以下の表1に示す。
【0131】
【表1】 マウス抗血清を用いたダミノジッドの反応性 ダミノジッド濃度 吸光度(490nm) 吸光度の差 0μg/ml 0.365 1μg/ml 0.365 0.000 10μg/ml 0.335 0.030 100μg/ml 0.246 0.119 表1より、マウスの抗血清を使用することにより、10
0μg/mlのダミノジッドの吸光度をコントロールの
吸光度との差で確認することができ、ダミノジッドを測
定することができた。
【0132】実施例10 ハイブリドーマの作製 実施例8に続いて、血清中の抗ダミノジッド抗体活性が
高くなったマウスの脾細胞と、ミエローマ細胞(Sp2
/O−Ag14)とを山下修二らの方法(組織細胞化
学:日本組織細胞化学会編:学際企画.1986年)に
従ってポリエチレングリコール法により融合し、培養し
た。細胞の増殖が認められた培養上清液は、実施例3と
同様の方法でコーティング及びブロッキングしたプレー
トにそれぞれ50μl/ウェルの量で加え、室温で1時
間反応させた。
【0133】PBSで5回洗浄後、10倍希釈のブロッ
クエースを用いて2000倍に希釈したペルオキシダー
ゼ結合抗マウスIgGヤギ抗体(Tago社製)を50
μl/ウェルの量で加え、室温で1時間反応させた。
【0134】PBSで5回洗浄後、2mg/mlのOP
D及び0.02%の過酸化水素を含む0.1Mクエン酸
−リン酸緩衝液(pH5.0)を50μl/ウェルの量
で加え、室温で10分間反応させて発色させた。
【0135】次に、1N硫酸を50μl/ウェルの量で
加え、反応を停止し、490nmの吸光度を測定し、反
応性を示す細胞(ハイブリドーマ)を選抜した。次に、
各ウェルのダミノジッドとの反応性を実施例9に記載し
た間接競合阻害ELISA法で調べ、目的の抗体を産生
している細胞について限界希釈法によりクローニングを
行った。
【0136】その結果、数株のハイブリドーマが抗ダミ
ノジッド抗体を産生する細胞としてクローン化された。
これらのうち、4J8−14−1を平成9年6月27日
に、寄託番号FERM P−16289で、工業技術院
生命工学工業技術研究所(〒305 茨城県つくば市東
1丁目1番3号)に寄託した。
【0137】実施例11 直接競合阻害ELISAによ
るダミノジッドの測定(1) 実施例10で得られたハイブリドーマ4J8−14−1
をマウスの腹腔に移植し、10−15日後に得られた腹
水を採取し、アフィニティークロマトグラフィーの原理
を用いたMab TrapG(ファルマシア社製)カラ
ムによりモノクローナル抗体を精製し、以下の試験法
(直接競合阻害ELISA)にてダミノジッドの量を測
定した。
【0138】上に記載のモノクローナル抗体溶液(5μ
g/ml)を100μl/ウェルの量で96穴ウェルプ
レートに入れ、4℃で一晩静置してコーティングし、さ
らに4倍希釈のブロックエース(雪印乳業社製)でブロ
ッキングを行い、アッセイ用のプレートを作製した。各
濃度のダミノジッド及び実施例1で作製したダミノジッ
ド誘導体1−HRP結合体を含むPBS溶液を100μ
lずつ各ウェルに入れ、25℃で1時間反応させた。
【0139】反応後、PBSで5回洗浄した後、2mg
/mlのOPD及び0.02%の過酸化水素を含むクエ
ン酸−リン酸緩衝液(pH5.0)を100μlずつ各
ウェルに入れ、室温で10分間静置して発色反応を行っ
た。
【0140】次に、1N硫酸を100μlずつ各ウェル
に加えて発色反応を停止させ、490nmの吸光度を測
定した。この結果を図1に示した。図1より直接競合阻
害ELISAにおいて、本発明のモノクローナル抗体4
J8−14−1はダミノジッドの量を0.01〜100
μg/mlの範囲で測定することが確認できた。
【0141】実施例12 直接競合阻害ELISAによ
るダミノジッドの測定(2) 実施例11で作製したプレートを用い、ダミノジッド誘
導体1−HRP結合体をダミノジッド誘導体2−HRP
結合体に代えて実施例11と同様にダミノジッドの測定
を行った。この結果を図2に示す。図2より、本発明の
モノクローナル抗体4J8−14−1は免疫原とは異な
るダミノジッド誘導体2−HRP結合体を用いた場合に
も、ダミノジッドの量を実施例11と同様に0.01〜
100μg/mlの範囲で測定することが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のモノクローナル抗体4J8−
14−1の直接競合阻害ELISA法によるダミノジッ
ドとの反応性を示す。
【図2】図2は、本発明のモノクローナル抗体4J8−
14−1の直接競合阻害ELISA法において、標識競
合化合物を変えた場合のダミノジッドとの反応性を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C12P 21/08 C12P 21/08 (72)発明者 藤井 淳 東京都港区浜松町1丁目27番14号 株式会 社環境免疫技術研究所内 (72)発明者 面田 内記 東京都港区浜松町1丁目27番14号 株式会 社環境免疫技術研究所内 (72)発明者 渡邊 繁幸 東京都港区浜松町1丁目27番14号 株式会 社環境免疫技術研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の式(1)−(3): 【化1】 [式(1)および(2)中、nは1−10の整数であ
    る]のいずれかで表される構造を有する化合物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の化合物と高分子化合物ま
    たは標識物質との結合体。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の化合物に高分子化合物を
    結合させることにより抗原を作製し、当該抗原を用いる
    ことにより、以下の式(4): 【化2】 で表される構造を有する化合物に反応性を示す抗体を製
    造することを特徴とする、式(4)の化合物と反応性を
    示す抗体またはそのフラグメントの製造方法。
  4. 【請求項4】式(4)の化合物と反応性を示す抗体また
    はそのフラグメント。
  5. 【請求項5】請求項2に記載の結合体を抗原として用い
    ることにより製造された、請求項4に記載の抗体または
    そのフラグメント。
  6. 【請求項6】モノクローナル抗体である、請求項4また
    は5に記載の抗体またはそのフラグメント。
  7. 【請求項7】4J8−14−1である、請求項4ないし
    6のいずれか1項に記載の抗体またはそのフラグメン
    ト。
  8. 【請求項8】請求項4ないし7のいずれか1項に記載の
    抗体またはそのフラグメントを産生するハイブリドー
    マ。
  9. 【請求項9】寄託番号FERM P−16289で寄託
    されている、請求項8に記載のハイブリドーマ。
  10. 【請求項10】請求項4ないし7のいずれか1項に記載
    の抗体またはそのフラグメントを用いることを特徴とす
    る、式(4)で表される化合物の免疫学的測定方法。
  11. 【請求項11】さらに、式(1)−(3)のいずれかで
    表される化合物と、高分子化合物または標識物質との結
    合体を使用することを含む、請求項10に記載の免疫学
    的測定方法。
  12. 【請求項12】式(1)−(3)のいずれかで表される
    化合物が、請求項4ないし6のいずれか1項に記載の抗
    体又はそのフラグメントを作製するために用いた化合物
    とは異なるものである、請求項11に記載の免疫学的測
    定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103044282A (zh) * 2012-12-03 2013-04-17 西安航洁化工科技有限责任公司 一种降低udmh残余量的比久生产方法

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