JP4267123B2 - マラチオンのハプテン化合物、抗体及び測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、S−1,2−ビス(エトキシカルボニル)エチル O,O−ジメチルホスホロジチオアート(以下、本明細書中「マラチオン」と言う)のハプテン化合物、抗原、抗体及び抗原と結合可能なそのフラグメントに関する。
【0002】
本発明はさらに、前記抗原、抗体及び抗原と結合可能なそのフラグメントを用いた免疫学的測定方法に関する。
【0003】
【従来の技術】
マラチオンは、以下の式(2):
【0004】
【化3】
【0005】
で表される構造を有する、ジチオ型の低毒性有機リン系殺虫剤である。ウンカ・ヨコバイ類、アブラムシ、スリップス、アザミウマなどの吸汁性害虫に効力を示す。本剤の殺虫機構の主体はパラチオン剤、EPN剤などと同様にコリンエステラーゼの阻害にある。殺虫力はそれらよりも一般に弱いが、虫の種類によっては強く、選択的であり、速効的である。浸透移行性はかなりあるが、植物体組織中で分解されやすく、また、植物体表面からの揮散や分解によっても失われるので残効期間は短いと考えられる。そのため果樹や野菜に対して収穫の数日前まで使用できるが、発生期間の長い害虫や世代の短い害虫には反覆して使用しないと効果が少ない。土壌害虫や潜食性害虫にも効果は少ない。薬害としては、特にウリ類、トマト類の苗はマラチオン剤に対して感受性が高いので注意する必要がある(農薬ハンドブック 第28頁−第32頁及び第514頁、1994年版、日本植物防疫協会;「最新農薬の残留分析法」 第384頁−第386頁、農薬残留分析法研究班編集 中央法規出版)。
【0006】
近年、土壌、水、大気等の環境中での残留農薬や、最近特に増加してきた輸入農産物のポストハーベスト農薬等の残留に大きな社会的関心が寄せられている。マラチオンについては、食品衛生法に基づき残留基準値が、米(0.1ppm)、穀類(2−8ppm)、豆類、果実、野菜(0.5−8ppm)、小麦粉(1.2ppm)、オイルシード(0.1−8ppm)、ナッツ類(8ppm)、ホップ(1ppm)等定められている(「最新農薬の残留分析法」 同上)。さらに、水質に関しても、水質汚濁に係る登録保留基準値が0.1mg/lと定められている(改訂3版 農薬登録保留基準ハンドブック 第874頁−第876頁 1998年9月25日 化学工業日報社)。よって、環境や食品に関する安全確保のためには、これらに含有される、マラチオンの量を迅速かつ正確に測定することが必要である。
【0007】
従来、例えば農作物中のマラチオンは、穀類、豆類、種実類、ホップ、果実、野菜等の試料から抽出し、精製した後、ガスクロマトグラフィー(GC)により分析されてきた。即ち、例えば試料をアセトンで抽出し、ヘキサンに転溶し、必要によりヘキサン−アセトニトリル分配し、フロリジルカラムクロマトグラフィーで精製後、GCで測定する方法等が採用されている。これらの方法は、試料の調製が煩雑で多大の手順と時間を必要とし、分析に熟練を要すること、並びに、測定装置や設備等に高額の費用を必要とする等の問題点がある。マラチオンの測定は短時間で膨大な数の試料の分析結果を出す必要があり、精度面だけでなく、簡便性、迅速性及び経済性をも具備した新規測定方法が要求されてきている。
【0008】
免疫学的測定方法は、抗体が抗原を特異的に認識する抗原抗体反応に基づいて抗原や抗体の検出を行う方法であり、その優れた精度、簡便性、迅速性、経済性から近年注目を集めてきている。免疫学的測定方法においては検出方法として非常に多種の標識、例えば、酵素、放射性トレーサー、化学発光あるいは蛍光物質、金属原子、ゾル、ラテックス及びバクテリオファージが適用されてきた。
【0009】
免疫学的測定方法の中でも、酵素を使用する酵素免疫測定法(EIA)は経済性・利便性から特に優れたものとして広く使用されるに至っている。酵素免疫測定法についての優れた論評が、Tijssen P,“Practice and theory of enzyme immunoassays” in Laboratory techniques in biochemistry and molecular biology, Elsevier Amsterdam New York, Oxford ISBN 0−7204−4200−1 (1990) に記載されている。
【0010】
一般に、分子量が大きな分子については、それ以上修飾することなく動物に接種することにより、適当な免疫反応を惹起し、抗原を認識する抗体を産生させることができる。しかし、マラチオンのような低分子化合物は通常動物に接種したとき免疫応答を引き出すことができない。これらの分子は免疫原性を有する高分子化合物に結合させることによって初めて一団のエピトープとして行動し、T細胞受容体の存在下で免疫応答を起こし、その結果、一群のBリンパ球により抗体が産生される。このように高分子化合物と結合させて初めて免疫原性を生じる分子を総称して「ハプテン」と言う。
【0011】
しかし、低分子化合物を高分子化合物と結合させたものを抗原としても、得られた抗体は望む分子を認識しないか、あるいはごく低い親和性しかもたない場合がしばしばある。そのため、一般に低分子化合物そのものではなく、結合に利用できる官能基と共にスペーサーアーム(結合手)を導入したものをハプテンとして使用する必要がある。しかしその場合に、結合手/官能基の配置、結合手の大きさ等の全ての問題を考慮して導入が適切に行われたものを使用しないと、好ましい抗体は得られない。適切な導入は個々の分子に応じて工夫しなければならない。
【0012】
このように、マラチオンについては、その必要性が非常に高かったにもかかわらず、適切な抗体はもとより、そのような抗体を作製するためのハプテンも本発明前には得られていなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、マラチオンに反応する新規な抗体もしくは抗原と結合可能なそのフラグメント、及びその作製方法を提供することを目的とする。尚、本明細書において抗体の「フラグメント」とは、抗原と結合可能な抗体の一部分、例えばFab断片等を意味する。
【0014】
本発明はその一態様において、マラチオンに反応性を有するモノクローナル抗体を提供する。
【0015】
本発明は、また、マラチオンに反応性を有する新規な抗体を作製するための抗原を構成するハプテン化合物を提供することを目的とする。
【0016】
本発明は、さらに、マラチオンハプテンと高分子化合物との結合体を提供することを目的とする。
【0017】
本発明は、さらにまた、前記抗体を産生するハイブリドーマを提供することを目的とする。
【0018】
本発明は、さらに、前記抗体もしくは抗原と結合可能なそのフラグメント及び/又は前記マラチオンハプテンと高分子化合物との結合体を使用することを含む、マラチオンの免疫学的測定方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、マラチオン又はその部分にスペーサーアーム及び高分子化合物との結合に利用できる官能基を導入したマラチオンハプテンを使用することにより、前記化合物に反応性を有する抗体を得ることに成功し、本発明の完成に至った。
【0020】
本発明の対象となるマラチオンは、以下の式(2):
【0021】
【化4】
【0022】
で表される化合物である。
本発明において、化合物の立体異性体は特に限定されず、全ての立体異性体を含む。
【0023】
本発明の抗体は、例えば、マラチオンにスペーサーアーム及び結合に利用できる官能基を導入した化合物をハプテンとして適当な高分子化合物と結合させたものを抗原として用いることによって得ることができる。例えば、以下の式(1):
【0024】
【化5】
【0025】
[式(1)中、
Xは、NH又はSであり;
Zは、NH又はOであり;
kは0又は1であり;
mは0ないし2の整数であり;そして
nは1ないし20の整数である]
で表される構造を有する化合物を、抗体作製のためのハプテンとして使用する。
【0026】
好ましくは、kは0である。好ましくは、mが2である。好ましくは、nが5ないし10の整数である。
【0027】
より好ましくは、XがNHであり、kが0であり、mが2であり、そしてnが5である。
【0028】
本発明は、前記ハプテン化合物、ハプテン化合物と高分子化合物との結合体、マラチオンに反応する抗体及びその作製方法、並びに該ハプテン化合物又は該抗体を用いるマラチオンの免疫学的測定方法に関する。
マラチオンハプテンの作製
式(1)で表されるマラチオンハプテンは、公知の方法に従って製造することができる。限定するわけではないが、例えば以下のような方法を用いることができる。
I.X=Sの場合
i)k=0かつZ=NHの場合
先ず、五硫化二リンに有機溶媒中、メタノールを反応させる。反応は、0℃から溶媒の沸点、好ましくは40℃から70℃で、1時間から24時間、好ましくは2時間から5時間、撹拌しながら行う。
【0029】
有機溶媒としては、例えば、トルエン、アセトニトリル、アセトン、ヘキサン、ペンタン、ベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、酢酸エチル、ジグリム、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等、又はこれらの混合溶媒を用いることができる。
【0030】
次いで、塩基を加え、さらに、以下の式(Y1):
【0031】
【化6】
【0032】
[式(Y1)中、LはF、Cl、Br又はIから選択されるハロゲン原子である]
で表される構造を有するエステル化合物を反応させて、以下の式(Y2):
【0033】
【化7】
【0034】
で表される構造を有する化合物を得る。
塩基としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、リチウムジイソプロピルアミド等を用いることができる。
【0035】
反応は、0℃から溶媒の沸点、好ましくは40℃から70℃で、1時間から24時間、好ましくは1時間から3時間行う。
【0036】
次いで、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムジイソプロピルアミド等の存在下、有機溶媒中、式(Y2)の化合物を以下の式(Y3):
【0037】
【化8】
【0038】
[式(Y3)中、
Pはカルボキシル基の保護基であり;そして
L及びmは、先に定義した通りである]
で表される構造を有するエステル化合物を反応させて、以下の式(Y4):
【0039】
【化9】
【0040】
[式(Y4)中、P及びmは先に定義した通りである]
で表される構造式を有する化合物を得る。
【0041】
有機溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン等を用いることができる。
【0042】
Pで表されるカルボキシル基の保護基は公知のものでよく、具体例として例えばメチル基、エチル基、tert−ブチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、トリクロロエチル基、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリメチルシリルエトキシメチル基等が挙げられる。但し、後述する加水分解による除去工程においてエチル基よりもカルボキシル基から遊離しやすいものがよく、例えば、t−ブチル基、p−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基等が好ましい。
【0043】
反応は、マイナス100℃から溶媒の沸点、好ましくはマイナス80℃から30℃で、1時間から20時間、好ましくは1時間から3時間行う。
【0044】
次いで、式(Y4)の化合物からPで表されるカルボキシル基の保護基を除去することにより、以下の式(Y5):
【0045】
【化10】
【0046】
[式(Y5)中、mは先に定義した通りである]
で表される構造を有する化合物を得る。
【0047】
保護基の除去は、アルカリ加水分解、酸加水分解等の公知の方法で行うことができる。
【0048】
すなわち、酸加水分解の場合は、式(Y4)の化合物を、好ましくは酢酸、蟻酸、ベンゼン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等の有機溶媒に溶解し、次いで塩酸、硫酸、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等を加えて、0℃から溶媒の沸点、好ましくは0℃から50℃で、5分から10時間、好ましくは1時間から5時間撹拌反応させることにより式(Y5)の化合物を得ることができる。
【0049】
また、アルカリ加水分解の場合は、式(Y4)の化合物を、好ましくはメタノール、エタノール、THF、エチレングリコール等の有機溶媒に溶解し、次いで炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム水溶液等を加えて、0℃から溶媒の沸点、好ましくは0℃から室温で、5分から10時間、好ましくは1時間から2時間撹拌反応させることにより式(Y5)の化合物を得ることができる。
【0050】
更に、Pがベンジル基の場合、除去は水素による加水素分解によっても行うことができる。
【0051】
更にまた、Pがシリル基の場合、脱保護はテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド、ピリジニウムフルオリド等のフッ素アニオンを発生させる試薬によっても行うことができる。
【0052】
次に、好ましくはTHF、メタノール、エタノール、エチレングリコール等の有機溶媒中、式(Y5)の化合物を以下の式(Y6):
【0053】
【化11】
【0054】
[式(Y6)中、P及びnは先に定義した通りである]
で表される構造を有する化合物を反応させることにより、以下の式(Y7):
【0055】
【化12】
【0056】
[式(Y7)中、P、m及びnは先に定義した通りである]
で表される構造を有する化合物を得る。
【0057】
反応は、マイナス20℃から溶媒の沸点、好ましくはマイナス15℃から30℃で、30分から20時間、好ましくは1時間から2時間行う。
【0058】
反応溶液中には、N−メチルモルホリン等の塩基、及びイソブチルクロロ蟻酸等のハロ蟻酸エステルを存在させることが望ましい。
【0059】
さらに、(Y7)の化合物よりPで表されるカルボキシル基の保護基を除去することにより、式(1)の化合物(X=S、Z=NHかつk=0)を得ることができる。カルボキシル基の保護基の除去は、式(Y5)の化合物の合成において上述したのと同様の方法によって行うことができる。
【0060】
ii)k=0かつZ=Oの場合
i)において上述した式(Y2)の化合物に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムジイソプロピルアミド等の存在下、有機溶媒中、以下の式(Y8):
【0061】
【化13】
【0062】
[式(Y8)において、L、P、m及びnは先に定義した通りである]
で表される構造を有する化合物を反応させて、以下の式(Y9):
【0063】
【化14】
【0064】
[式(Y9)において、P、m及びnは先に定義した通りである]
で表される構造を有する化合物を得る。
【0065】
有機溶媒は、式(Y4)の化合物の合成に使用したものと同様のものを使用できる。反応は、マイナス100℃から溶媒の沸点、好ましくはマイナス80℃から30℃で、1時間から20時間、好ましくは1時間から3時間行う。
【0066】
式(Y9)の化合物から、Pのカルボキシル基の保護基を除去することにより、式(1)の化合物(X=S、Z=Oかつk=0)を得ることができる。カルボキシル基の保護基の除去は、上述したのと同様の方法によって行うことができる。
【0067】
iii)k=1かつZ=NHの場合
先ず、式(Y2)の化合物の合成と同様に、五硫化二リンに有機溶媒中、メタノールを反応させる。次いで、塩基を加え、さらに、以下の式(Y10):
【0068】
【化15】
【0069】
[式(Y10)中、L、P及びmは先に定義した通りである]
で表される構造を有するエステル化合物を反応させて、以下の式(Y11):
【0070】
【化16】
【0071】
[式(Y11)中、P及びmは先に定義した通りである]
で表される構造を有する化合物を得る。式(Y11)の化合物の合成は、式(Y2)の化合物の合成と同様に行うことができる。
【0072】
次いで、式(Y11)の化合物を以下の式(Y12):
【0073】
【化17】
【0074】
[式(Y12)中、Lは先に定義した通りである]
で表される構造を有するエステル化合物を反応させて、以下の式(Y13):
【0075】
【化18】
【0076】
[式(Y13)中、P及びmは先に定義した通りである]
で表される構造式を有する化合物を得る。式(Y13)の化合物の合成は、式(Y4)の化合物の合成と同様に行うことができる。
【0077】
次いで、式(Y13)の化合物からPで表されるカルボキシル基の保護基を除去することにより、以下の式(Y14):
【0078】
【化19】
【0079】
[式(Y14)中、mは先に定義した通りである]
で表される構造を有する化合物を得る。カルボキシル基の保護基の除去は上述したのと同様の方法によって行うことができる。
【0080】
次いで、式(Y14)の化合物に、上述した式(Y6)の化合物を反応させて、以下の式(Y15):
【0081】
【化20】
【0082】
[式(Y15)中、P、m及びnは先に定義した通りである]
で表される構造を有する化合物を得る。式(Y15)の化合物の合成は、式(Y7)の化合物の合成と同様に行うことができる。
【0083】
さらに、(Y15)の化合物よりPで表されるカルボキシル基の保護基を除去することにより、式(1)の化合物(X=S、Z=NHかつk=1)を得ることができる。カルボキシル基の保護基の除去は、上述したのと同様の方法によって行うことができる。
II.X=NHの場合
Z=Oかつk<mの場合
先ず、以下の式(Y16):
【0084】
【化21】
【0085】
[式(Y16)中、k及びmは先に定義した通りである]
で表される構造を有する化合物の−(CH2)m側に近いカルボキシル基に保護基を導入し、以下の式(Y17):
【0086】
【化22】
【0087】
[式(Y17)中、
Pはカルボキシル基の保護基であり;そして
k及びmは先に定義した通りである]
で表される構造を有する化合物を合成する。
【0088】
Pで表されるカルボキシル基の保護基は公知のものを使用でき、保護基の導入も既知の方法を用いて行うことができる。例えば、保護基としてベンジル基を導入する場合、ジエチルエーテル等の有機溶媒あるいは水中、硫酸等の縮合剤の存在下、ベンジルアルコールを反応させて、縮合反応によりベンジル基を(Y16)の化合物に導入する。
【0089】
反応は、0℃から溶媒の沸点、好ましくは20℃から30℃で、1時間から40時間、好ましくは20時間から30時間行う。
【0090】
次に、式(Y17)の化合物のアミノ基に保護基を導入して、以下の式(Y18):
【0091】
【化23】
【0092】
[式(Y18)中、
P’はアミノ基の保護基であり;そして
P、k及びmは先に定義した通りである]
で表される構造を有する化合物を合成する。
【0093】
P’で表されるアミノ基の保護基は公知のものを使用でき、例えば、ベンジルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等を用いることができる。保護基の導入も既知の方法を用いて行うことができる。
【0094】
例えば、保護基としてベンジルオキシカルボニル基を導入する場合、水中、塩基の存在下、ベンジルオキシカルボニルクロリドを反応させて、保護基を(Y17)の化合物に導入する。塩基としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン等を用いることができる。反応は、0℃から溶媒の沸点、好ましくは0℃から80℃で、1時間から20時間、好ましくは1時間から3時間行う。
【0095】
次に、式(Y18)の化合物に塩化水素のジエチルエーテル溶液を反応させて、以下の式(Y19):
【0096】
【化24】
【0097】
[式(Y19)中、P、P’、k及びmは先に定義した通りである]
で表される構造を有する化合物を合成する。
【0098】
反応は、エタノール中、0℃から溶媒の沸点、好ましくは40℃から60℃で、1時間から20時間、好ましくは1時間から3時間行う。
【0099】
次に、式(Y19)の化合物から、Pで表されるカルボキシル基の保護基及びP’で表されるアミノ基の保護基を除去することにより、以下の式(Y20):
【0100】
【化25】
【0101】
[式(Y20)中、k及びmは先に定義した通りである]
で表される構造を有する化合物を得る。保護基の除去は、カルボキシル基の保護基の除去に関して上述したような公知の方法によって行うことができる。
【0102】
例えば、P及び/又はP’がベンジル基の場合、除去は水素による加水素分解によって行うことができる。
【0103】
次に、式(Y20)の化合物にアミノ基の保護基を再び導入し、以下の式(Y21):
【0104】
【化26】
【0105】
[式(Y21)中、P’、kおよびmは先に定義した通りである]
で表される構造を有する化合物を得る。
【0106】
次に、式(Y21)の化合物に、有機溶媒中、以下の式(Y22):
【0107】
【化27】
【0108】
[式(Y22)中、P及びnは先に定義した通りである]
で表される構造を有する化合物を反応させることにより、以下の式(Y23):
【0109】
【化28】
【0110】
[式(Y23)中、P、P’、k、m及びnは先に定義した通りである]
で表される構造を有する化合物を得る。
【0111】
反応は、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等の有機溶媒中、0℃から溶媒の沸点、好ましくは20℃から30℃で、1時間から40時間、好ましくは20時間から30時間行う。
【0112】
反応は、好ましくは、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)等の塩基触媒、カンファースルホン酸等の酸触媒、並びに、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N−ジイソプロピルカルボジイミド等の縮合剤の存在下において行う。
【0113】
次に、式(Y23)の化合物よりP’で表されるアミノ基の保護基を除去することにより、以下の式(Y24):
【0114】
【化29】
【0115】
[式(Y24)中、P、k、m及びnは先に定義した通りである]
で表される構造を有する化合物を得る。アミノ基の保護基の除去は、式(Y20)の化合物の合成について上述したのと同様の方法によって行うことができる。
【0116】
次に、式(Y24)の化合物に、以下の式(Y25):
【0117】
【化30】
【0118】
[式(Y25)中、Lは先に定義した通りである]
で表される構造を有するハロゲン化チオリン酸ジメチルを、有機溶媒中、塩基の存在下で反応させて、以下の式(Y26):
【0119】
【化31】
【0120】
[式(Y26)中、P、k、m及びnは先に定義した通りである]
で表される構造を有する化合物を得る。
【0121】
式(Y26)の化合物の合成のための有機溶媒としては、例えば、アセトニトリル、アセトン、ヘキサン、ペンタン、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、酢酸エチル、ジグリム、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等、あるいはこれらの混合溶液を用いることができる。塩基としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、リチウムジイソプロピルアミド等を用いることができる。
【0122】
反応は、0℃から溶媒の沸点、好ましくは40℃から60℃で、1時間から10時間、好ましくは1時間から2時間行う。
【0123】
次に、式(Y26)の化合物からPで表されるカルボキシル基の保護基の除去を行うことにより、式(1)の化合物(X=NHかつZ=Oの場合)を得ることができる。
【0124】
カルボキシル基の保護基の除去は前述したような公知の方法によって行うことができる。
上述したような製造方法によって得られた化合物を、必要に応じシリカゲルクロマトグラフィー又は再結晶操作等を行うことにより、さらに高純度の精製品とすることができる。
【0125】
以下、本発明の抗原、抗体の作製、及び免疫化学的測定法について説明する。尚、これらの調製は公知の方法、例えば続生化学実験講座、免疫生化学研究法(日本生化学会編)等に記載の方法に従って行うことができる。
マラチオンハプテンと高分子化合物との結合体の作製
上述のように合成されたマラチオンハプテンを適当な高分子化合物に結合させてから免疫用抗原もしくは固相化用抗原として使用する。
【0126】
好ましい高分子化合物の例としては、スカシガイへモシアニン(以下、「KLH」と言う)、卵白アルブミン(以下、「OVA」と言う)、ウシ血清アルブミン(以下、「BSA」と言う)、ウサギ血清アルブミン(以下、「RSA」と言う)などがあるが、KLH及びBSAが好ましい。
【0127】
マラチオンハプテンと高分子化合物との結合は、例えば、活性化エステル法(A.E.KARU et al.:J.Agric.Food Chem.42301−309(1994))、又は混合酸無水物法(B.F.Erlanger et al.:J.Biol.Chem.234 1090‐1094(1954))等の公知の方法によって行うことができる。
【0128】
活性化エステル法は、一般に以下のように行うことができる。まず、ハプテン化合物を有機溶媒に溶解し、カップリング剤の存在下にてN−ヒドロキシこはく酸イミドと反応させ、N−ヒドロキシこはく酸イミド活性化エステルを生成させる。
【0129】
カップリング剤としては、縮合反応に慣用されている通常のカップリング剤を使用でき、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド、カルボニルジイミダゾール、水溶性カルボジイミド等が含まれる。有機溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド(以下、「DMSO」と言う)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジオキサン等が使用できる。反応に使用するハプテン化合物とN−ヒドロキシこはく酸イミドのモル比は好ましくは1:10から10:1、より好ましくは1:1から1:10、最も好ましくは1:1である。反応温度は、0℃から100℃、好ましくは5℃から50℃、より好ましくは22℃から27℃で、反応時間は5分から24時間、好ましくは30分から6時間、より好ましくは1時間から2時間である。
【0130】
カップリング反応後、反応液を高分子化合物を溶解した溶液に加え反応させると、例えば高分子化合物が遊離のアミノ基を有する場合、当該アミノ基とハプテン化合物のカルボキシル基の間に酸アミド結合が生成される。反応温度は、0℃から60℃、好ましくは5℃から40℃、反応時間は5分から24時間、好ましくは1時間から16時間である。反応物を、透析、脱塩カラム等によって精製して、マラチオンハプテンと高分子化合物との結合体を得ることができる。
【0131】
一方、混合酸無水物法において用いられる混合酸無水物は、通常のショッテン−バウマン反応により得られ、これを高分子化合物と反応させることにより目的とするハプテン−高分子化合物結合体が製造される。ショッテン−バウマン反応は塩基性化合物の存在下に行われる。塩基性化合物としては、ショッテン−バウマン反応において慣用されている化合物を使用することができる。例えば、トリブチルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、DBN、DBU、DABCO等の有機塩基、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基等が挙げられる。該反応は、通常マイナス20℃から150℃、好ましくは0℃から100℃において行われ、反応時間は5分から10時間、好ましくは5分から2時間である。得られた混合酸無水物と高分子化合物との反応は、通常マイナス20℃から100℃、好ましくは0℃から50℃において行われ、反応時間は5分から10時間、好ましくは5分から5時間である。混合酸無水物法は一般に溶媒中で行われる。溶媒としては、混合酸無水物法に慣用されているいずれの溶媒も使用可能であり、具体的にはジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。混合酸無水物法において使用されるハロ蟻酸エステルとしては、例えばクロロ蟻酸メチル、ブロモ蟻酸メチル、クロロ蟻酸エチル、ブロモ蟻酸エチル、クロロ蟻酸イソブチル等が挙げられる。当該方法におけるハプテンとハロ蟻酸エステルと高分子化合物の使用割合は、広い範囲から適宜選択され得る。
【0132】
また、上記と同様の方法により、酵素等の標識物質をマラチオンハプテンに結合させたものを、免疫学的測定方法において使用することができる。標識物質としては、西洋わさびペルオキシダーゼ(以下「HRP」と言う)、アルカリフォスファターゼ等の酵素、フルオレセインイソシアネート、ローダミン等の蛍光物質、32P、125I等の放射性物質、化学発光物質などがある。
ポリクローナル抗体の作製
マラチオンハプテンと高分子化合物との結合体を使用して、慣用化された方法により本発明のポリクローナル抗体を作製することができる。例えば、マラチオンハプテン−KLH結合体をリン酸ナトリウム緩衝液(以下、「PBS」と言う)に溶解し、フロイント完全アジュバント又は不完全アジュバント、あるいはミョウバン等の補助剤と混合したもので、動物を免疫することによって得ることができる。免疫される動物としては当該分野で常用されるものをいずれも使用できるが、例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ウマ等を挙げることができる。
【0133】
免疫の際の投与法は、皮下注射、腹腔内注射、静脈内注射、皮内注射、筋肉内注射のいずれでもよいが、皮下注射又は腹腔内注射が好ましい。免疫は1回又は適当な間隔で、好ましくは1週間ないし5週間の問隔で複数回行うことができる。
【0134】
免疫した動物から血液を採取し、そこから分離した血清を用い、マラチオンと反応するポリクローナル抗体の存在を評価することができる。
モノクローナル抗体の作製
マラチオンハプテンと高分子化合物との結合体を使用して、公知の方法により本発明のモノクローナル抗体を作製することができる。
【0135】
モノクローナル抗体の製造にあたっては、少なくとも下記のような作業工程が必要である。
(a)免疫用抗原として使用するマラチオンハプテンと高分子化合物との結合体の作製
(b)動物への免疫
(c)血液の採取、アッセイ、及び抗体産生細胞の調製
(d)ミエローマ細胞の調製
(e)抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞融合とハイブリドーマの選択的培養
(f)目的とする抗体を産生するハイブリドーマのスクリーニングと細胞クローニング
(g)ハイブリドーマの培養又は動物へのハイブリドーマの移植によるモノクローナル抗体の調製
(h)調製されたモノクローナル抗体の反応性の測定等
モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを作製するための常法は、例えば、ハイブリドーマ テクニックス(Hybridoma Techniques),コールド スプリング ハーバー ラボラトリーズ(Cold Spring Harbor Laboratory,1980年版)、細胞組織化学(山下修二ら、日本組織細胞化学会編;学際企画、1986年)に記載されている。
【0136】
以下、本発明のマラチオンに対するモノクローナル抗体の作製方法を説明するが、これに制限されないことは当業者によって明らかであろう。
【0137】
(a)−(b)の工程は、ポリクローナル抗体に関して記述した方法とほぼ同様の方法によって行うことができる。
【0138】
(c)の工程における抗体産生細胞はリンパ球であり、これは一般には脾臓、胸腺、リンパ節、末梢血液又はこれらの組み合わせから得ることができるが脾細胞が最も一般的に用いられる。従って、最終免疫後、抗体産生が確認されたマウスより抗体産生細胞が存在する部位、例えば脾臓を摘出し、脾細胞を調製する。
【0139】
(d)の工程に用いることのできるミエローマ細胞としては、例えば、Balb/cマウス由来骨髄腫細胞株のP3/X63−Ag8(X63)(Nature,256,495−497(1975))、P3/X63−Ag8.U1(P3U1)(Current Topics.in Microbiology and Immunology,81, 1−7(1987))、P3/NSI−1−Ag 4−1(NS−1)(Eur.J.Immunol.,6,511−519(1976))、Sp2/0−Ag14(Sp2/0)(Nature, 276,269−270(1978))、FO(J.Immuno.Meth.,35, 1−21(1980))、MPC−11、X63.653、S194等の骨髄腫株化細胞、あるいはラット由来の210.RCY3.Ag 1.2.3.(Y3)(Nature, 277,131−133,(1979))等を使用できる。
【0140】
上述したミエローマ細胞をウシ胎児血清を含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)又はイスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM)で継代培養し、融合当日に約3×103以上の細胞数を確保する。
【0141】
(e)の工程の細胞融合は公知の方法、例えばミルスタイン(Milstein)らの方法(Methods in Enzymology,73,3(1981))等に準じて行うことができる。現在最も一般的に行われているのはポリエチレングリコール(PEG)を用いる方法である。PEG法については、例えば、細胞組織化学、山下修二ら(上述)に記載されている。別の融合方法としては、電気処理(電気融合)による方法を採用することもできる(大河内悦子ら、実験医学 5.1315−19、1987)。その他の方法を適宜採用することもできる。また、細胞の使用比率も公知の方法と同様でよく、例えばミエローマ細胞に対して脾細胞を3倍から10倍程度用いればよい。
【0142】
脾細胞とミエローマ細胞とが融合し、抗体分泌能及び増殖能を獲得したハイブリドーマ群の選択は、例えば、ミエローマ細胞株としてヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ欠損株を使用した場合、例えば上述のDMEMやIMDMにヒポキサンチン・アミノプテリン・チミジンを添加して調製したHAT培地の使用により行うことができる。
【0143】
(f)の工程では、選択されたハイブリドーマ群を含む培養上清の一部をとり、例えば後述するELISA法により、マラチオンに対する抗体活性を測定する。
【0144】
さらに、測定によりマラチオンに反応する抗体を産生することが判明したハイブリドーマの細胞クローニングを行う。この細胞クローニング法としては、限界希釈により1ウェルに1個のハイブリドーマが含まれるように希釈する方法「限界希釈法」;軟寒天培地上に撒きコロニーをとる方法;マイクロマニピュレーターによって1個の細胞を取り出す方法;セルソーターによって1個の細胞を分離する「ソータークローン法」等が挙げられる。限界希釈法が簡単であり、よく用いられる。
【0145】
抗体価の認められたウェルについて、例えば限界希釈法によりクローニングを1−4回繰り返して安定して抗体価の得られたものを、抗マラチオンモノクローナル抗体産生ハイブリドーマ株として選択する。ハイブリドーマを培養する培地としては、例えば、ウシ胎児血清(FCS)を含むDMEM又はIMDM等が用いられる。ハイブリドーマの培養は、例えば二酸化炭素濃度5−7%程度及び37℃(100%湿度の恒温器中)で培養するのが好ましい。
【0146】
(g)の工程で抗体を調製するための大量培養は、フォローファイバー型の培養装置等によって行われる。又は、同系統のマウス(例えば、上述のBalb/c)あるいはNu/Nuマウスの腹腔内でハイブリドーマを増殖させ、腹水液より抗体を調製することも可能である。
【0147】
これらにより得られた培養上清液あるいは腹水液を抗マラチオンモノクローナル抗体として使用することできるが、さらに透析、硫酸アンモニウムによる塩析、ゲル濾過、凍結乾燥等を行い、抗体画分を集め精製することにより抗マラチオンモノクローナル抗体を得ることができる。さらに、精製が必要な場合には、イオン交換カラムクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などの慣用されている方法を組合わせることにより実施できる。
【0148】
以上のようにして得られた抗マラチオンモノクローナル抗体は、例えば後述するELISA法などの公知の方法を使用して、サブクラス、抗体価等を決定することができる。
抗体によるマラチオンの測定
本発明で使用する抗体によるマラチオンの測定法としては、放射性同位元素免疫測定法(RIA法)、ELISA法(Engvall,E.,Methodsin Enzymol.,70,419−439(1980))、蛍光抗体法、プラーク法、スポット法、凝集法、オクタロニー(Ouchterlony)等の一般に抗原の検出に使用されている種々の方法(「ハイブリドーマ法とモノクローナル抗体」、株式会社R&Dプラニング発行、第30頁−第53頁、昭和57年3月5日)が挙げられる。感度、簡便性等の観点からELISA法が汎用されている。
【0149】
マラチオンの測定は、各種ELISA法のうち例えば間接競合阻害ELISA法により、以下のような手順により行うことができる。
【0150】
(a)まず、固相化用抗原であるマラチオンハプテンと高分子化合物との結合体を担体に固相化する。
【0151】
(b)固相化用抗原が吸着していない固相表面を抗原と無関係な、例えばタンパク質によりブロッキングする。
【0152】
(c)これに各種濃度のマラチオンを含む試料及び抗体を加え、該抗体を前記固相化抗原及びマラチオンに競合的に反応させて、固相化抗原−抗体複合体及び、マラチオン−抗体複合体を生成させる。
【0153】
(d)固相化抗原−抗体複合体の量を測定することにより、予め作成した検量線から試料中のマラチオンの量を決定することができる。
【0154】
(a)工程において、固相化用抗原を固相化する担体としては、特別な制限はなく、ELISA法において常用されるものをいずれも使用することができる。例えば、ポリスチレン製の96ウェルのマイクロタイタープレートが挙げられる。
【0155】
固相化用抗原を担体に固相化させるには、例えば、抗原を含む緩衝液を担体上に載せ、インキュベーションすればよい。緩衝液としては公知のものが使用でき、例えば、リン酸緩衝液を挙げることができる。緩衝液中の抗原の濃度は広い範囲から選択できるが、通常0.01μg/mlから100μg/ml程度、好ましくは0.05μg/mlから5μg/mlが適している。また、担体として96ウェルのマイクロタイタープレートを使用する場合には、300μl/ウェル以下で20μl/ウェルから150μl/ウェル程度が望ましい。更に、インキュベーションの条件にも特に制限はないが、通常4℃程度で一晩インキュベーションが適している。
【0156】
なお、担体に固相化させる固相化用抗原としては、抗体を作製したマラチオンハプテンと高分子化合物との結合体自体のみならず、式(1)で表される他のハプテンと高分子化合物との結合体を固相化抗原として使用することも可能である。例えば、式(1)においてX、Z、k、m又はnが抗体作製用抗原と相違する化合物を、固相化抗原として使用することもできる。さらに、式(1)に含まれない他のマラチオン類似化合物も、固相化抗原として使用可能である。
【0157】
(b)工程のブロッキングは、固相化用抗原(マラチオンハプテンと高分子化合物との結合体)を固相化した担体において、マラチオンハプテン部分以外に後で添加する抗体が吸着され得る部分が存在する場合があり、もっぱらそれを防ぐ目的で行われる。ブロッキング剤として、例えば、BSAやスキムミルク溶液を使用できる。あるいは、ブロックエース(「Block‐Ace」、大日本製薬社製、コードNo.UK−25B)等のブロッキング剤として市販されているものを使用することもできる。具体的には、限定されるわけではないが、例えば固相化用抗原を固相化した部分に、ブロッキング剤を含む緩衝液[例えば、1%BSAと60mM NaClを添加した85mM ホウ酸緩衝液(pH8.0)]を適量加え、約4℃、室温で、1時間から5時間インキュベーションした後、洗浄液で洗浄することにより行われる。洗浄液としては特に制限はないが、例えば、60mM NaClを添加した85mM ホウ酸緩衝液(pH8.0)を用いることができる。
【0158】
次いで(c)工程において、マラチオンを含む試料と抗体を固相化抗原と接触させ、抗体を固相化抗原及びマラチオンと反応させることにより、固相化抗原−抗体複合体及びマラチオン−抗体複合体が生成する。
【0159】
この際、抗体としては、第一抗体として本願発明のマラチオンに対する抗体を加え、更に第二抗体として標識酵素を結合した第一抗体に対する抗体を順次加えて反応させる。
【0160】
第一抗体は緩衝液に溶解して添加する。限定されるわけではないが、反応は、10℃から40℃、好ましくは25℃から37℃で約1時間行えばよい。反応終了後、緩衝液で担体を洗浄し、固相化抗原に結合しなかった第一抗体を除去する。洗浄液としては、例えば、60mM NaClを添加した85mM ホウ酸緩衝液(pH8.0)を用いることができる。
【0161】
次いで第二抗体を添加する。例えば第一抗体としてマウスモノクローナル抗体を用いる場合、酵素(例えば、ペルオキシダーゼ又はアルカリホスファターゼ等)を結合した抗マウス−ヤギ抗体を用いるのが適当である。担体に結合した第一抗体に約500倍から約10000倍、好ましくは最終吸光度が4以下、より好ましくは0.5−3.0となるように希釈した第二抗体を反応させるのが望ましい。希釈には緩衝液を用いる。限定されるわけではないが、反応は室温で約1時間行い、反応後、緩衝液で洗浄する。以上の反応により、第二抗体が第一抗体に結合する。また、標識した第一抗体を用いてもよく、その場合、第二抗体は不要である。
【0162】
次いで(d)工程において担体に結合した第二抗体の標識物質と反応する発色基質溶液を加え、吸光度を測定することによって検量線からマラチオンの量を算出することができる。
【0163】
第二抗体に結合する酵素としてペルオキシダーゼを使用する場合には、例えば、過酸化水素、並びに3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン又はο−フェニレンジアミン(以下、「OPD」と言う)を含む発色基質溶液を使用することができる。限定されるわけではないが、発色基質溶液を加え室温で約10分間反応させた後、1Nの硫酸を加えることにより酵素反応を停止させる。3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジンを使用する場合、450nmの吸光度を測定する。OPDを使用する場合、492nmの吸光度を測定する。一方、第二抗体に結合する酵素としてアルカリホスファターゼを使用する場合には、例えばp−ニトロフェニルリン酸を基質として発色させ、2NのNaOHを加えて酵素反応を止め、415nmでの吸光度を測定する方法が適している。
【0164】
マラチオンを添加しない反応溶液の吸光度に対して、それらを添加して抗体と反応させた溶液の吸光度の減少率を阻害率として計算する。既知の濃度のマラチオンを添加した反応液の阻害率により予め作成しておいた検量線を用いて、試料中のマラチオンの濃度を算出できる。
【0165】
あるいはマラチオンの測定は、例えば以下に述べるような本発明のモノクローナル抗体を用いた直接競合阻害ELISA法によって行うこともできる。
【0166】
(a)まず、本発明のモノクローナル抗体を、担体に固相化する。
(b)抗体が固相化されていない担体表面を抗原と無関係な、例えばタンパク質により、ブロッキングする。
【0167】
(c)各種濃度のマラチオンを含む試料及び、マラチオンハプテンと酵素を結合させた酵素結合ハプテンを、担体に固相化した抗体と反応させる。
【0168】
(d)固相化抗体−酵素結合ハプテン複合体の量を測定することにより、あらかじめ作成した、検量線から試料中のマラチオンの量を決定する。
【0169】
(a)工程においてモノクローナル抗体を固相化する担体としては、特別な制限はなくELISA法において常用されるものを用いることができ、例えば96ウェルのマイクロタイタープレートが挙げられる。モノクローナル抗体の固相化は、例えばモノクローナル抗体を含む緩衝液を担体上にのせ、インキュベートすることによって行える。緩衝液の組成・濃度は前述の間接競合阻害ELISA法と同様のものを採用できる。
【0170】
(b)工程のブロッキングは、抗体を固相化した担体において、後に添加する試料中のマラチオン並びに酵素結合ハプテンが、抗原抗体反応とは無関係に吸着される部分が存在する場合があるので、それを防ぐ目的で行う。ブロッキング剤及びその方法は、前述の間接競合阻害ELISA法と同様のものを使用できる。
【0171】
(c)工程において用いる酵素結合ハプテンの調製は、マラチオンハプテンを酵素に結合する方法であれば特に制限なく、いかなる方法で行ってもよい。例えば、前述した活性化エステル法を採用することができる。調製した酵素結合ハプテンは、マラチオンを含む試料と混合する。
【0172】
なお、酵素等の標識物質に結合させるハプテンとしては、間接競合阻害ELISA法における固相化抗原の場合と同様に、抗体作製に使用したマラチオンハプテン自体のみならず、式(1)で表される他のハプテンと高分子化合物との結合体を標識競合用抗原として使用することも可能である。例えば、式(1)においてX、Z、k、m又はnが抗体作製用抗原と相違する化合物を、標識競合用抗原として使用することもできる。さらに、式(1)に含まれない他のマラチオン類似化合物も、標識競合用抗原として使用可能である。
【0173】
(c)工程においてマラチオンを含む試料及び酵素結合ハプテンを抗体固相化担体に接触させ、マラチオンと酵素結合ハプテンとの競合阻害反応により、これらと固相化担体との複合体が生成する。マラチオンを含む試料は適当な緩衝液で希釈して使用する。限定されるわけではないが、反応は例えば、室温でおよそ1時間行う。反応終了後、緩衝液で担体を洗浄し、固相化抗体と結合しなかった酵素結合ハプテンを除去する。洗浄液は、例えば60mM NaClを添加した85mM ホウ酸緩衝液(pH8.0)を使用することができる。
【0174】
さらに、(d)工程において酵素結合ハプテンの酵素に反応する発色基質溶液を前述の間接競合阻害ELISA法と同様に加え、吸光度を測定することにより検量線からマラチオンの量を算出することができる。
【0175】
例えば、本発明のモノクローナル抗体MLT2−23及びMLT40−4を用いた直接競合阻害ELISA法では5ng/mlから1000ng/ml、好ましくは10ng/mlから300ng/mlの範囲で、MLT45−3では、直接競合阻害ELISA法において50ng/mlから5000ng/ml、好ましくは100ng/mlから1000ng/mlの範囲でマラチオンを測定できる(実施例13、図1)。
【0176】
さらに、前述したように直接競合阻害ELISA法において抗体作製用と異なるハプテンを標識競合用ハプテンとして使用できる。例えば、本発明のモノクローナル抗体MLT2−23はマラチオンハプテン−5を用いて得られた抗体であるが、標識競合用ハプテンとしてマラチオンハプテン−6を用いた場合、4ng/mlから100ng/mlの濃度範囲で、マラチオンハプテン−4を用いた場合10ng/mlから1000ng/mlの濃度範囲でマラチオンと反応する。また、モノクローナル抗体MLT40−4もマラチオンハプテン−5を用いて得られた抗体であるが、標識競合用ハプテンとしてマラチオンハプテン−6を用いた場合40ng/mlから1000ng/mlの濃度範囲で、マラチオンハプテン−4を用いた場合10ng/mlから300ng/mlの濃度範囲でマラチオンと反応する(実施例14、図2)。
【0177】
このように本発明のモノクローナル抗体は、標識競合用ハプテンとの組み合わせによって直接競合阻害ELISA法において固有の反応性を示す。特にモノクローナル抗体MLT2−23とマラチオンハプテン−6/HRPを組み合わせた場合、マラチオンと最も高い反応性となる。
本発明の抗体の交差反応性
上述した直接競合阻害ELISA法又は間接競合阻害ELISA法により、本発明のモノクローナル抗体の交差反応性を調べることができる。
【0178】
例えば、MLT2−23はマラチオンの代謝物であるマラオクソンと1.6%の交差反応性を示すものの、他の化合物に対してはすべて1%以下しか交差反応をせず、マラチオンに対する高い特異性を有する(実施例15、表28)。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の技術的範囲を限定するためのものではない。当業者は本明細書の記載に基づいて容易に本発明に修飾、変更を加えることができ、それらは本発明の技術的範囲に含まれる。
【0179】
【実施例】
実施例1 マラチオンハプテン−1の合成
【0180】
【化32】
【0181】
(2)の合成
22.2g(100mmol)の五硫化二リンをトルエン溶液100mlに溶解し、メタノール16g(500mmol)を50℃で滴下して3.5時間撹拌した。この溶液を氷冷しながら2Nの水酸化ナトリウム水溶液でpHを6に調整した。34g(200mmol)のブロモ酢酸エチルを室温で滴下し、60℃で30分、そして70℃で30分撹拌した。トルエン層を集めて、脱水(無水硫酸マグネシウム)、ろ過、濃縮後にシリカゲルカラム(n−ヘキサン:酢酸エチル=49:1→19:1→9:1→2:1)で精製すると、黄色の透明油状物として22.4g(収率46%)の(2)を得た。
【0182】
【表1】
1H−NMR(CDCl3)
1.21−1.34(3H,t)、3.53−3.65(2H,d)
4.13−4.26(2H,q)
(3)の合成
1.0Mのリチウムビス(トリメチルシリル)アミド (LiHMDS:ヘキサメチルジシラザン・リチウム)31mlをドライアイス−アセトンでマイナス70℃以下に冷却し、窒素気流下で7.5g(30mmol)の(2)を滴下した。1時間撹拌後、6.0g(30mmol)のブロモ酢酸tert−ブチルのTHF溶液5mlを滴下した。滴下終了後にデュアーバスをはずして1時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮して、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=19:1→9:1)で精製すると、透明油状物として7.1g(収率66%)の(3)を得た。
【0183】
【表2】
1H−NMR(CDCl3)
1.21−1.33(3H,t)、1.37−1.49(9H,s)
2.75−3.00(2H,m)、3.70−3.87(6H,m)
3.99−4.27(3H,m)
(4)の合成
7.0g(19mmol)の(3)を100mlのジクロロメタンに溶解させ、トリフルオロ酢酸(TFA)5mlを加えて室温で1時間撹拌し、更にTFA5mlを添加して1.5時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮して、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1→2:1→1:1)で精製すると、透明油状物として5.06g(収率86%)の(4)を得た。
【0184】
[表3]
1H−NMR(CDCl3)
1.23−1.35(3H,t)、2.90−3.18(2H,m)
3.76−3.87(6H,d)、4.06−4.29(3H,m)
(5)の合成
2.46g(8.1mmol)の(4)をテトラヒドロフラン(THF)30mlに溶解し、この溶液を塩−氷で冷却しながら0.82g(8.1mmol)のN−メチルモルホリン(NMM)のTHF溶液10ml、次いでクロロ蟻酸イソブチル1.1g(8.1mmol)のTHF溶液10mlを滴下した。10分間撹拌後に、1.5g(8.1mmol)の6−アミノヘキサン酸tert−ブチルのTHF溶液10mlを滴下した。5分間氷冷下で撹拌後、4℃で20分、更に室温で10分撹拌した。溶媒を留去後に残渣をジクロロメタンで再溶解させて、水洗、脱水(無水硫酸マグネシウム)、ろ過、濃縮後にシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1→1:1)で粗精製した。
(6)の合成
(5)を含む粗精製物を100mlのジクロロメタンに溶解させ、TFA10mlを加えて室温で2時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮して、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1→1:1→酢酸エチル)で精製すると、透明油状物として1.94g((4)からの通算収率57%)の(6)を得た。
【0185】
【表4】
1H−NMR(CDCl3)
1.14−1.71(9H,重複)、2.25−2.41(2H,t)
2.61−2.94(2H, m)、3.12−3.31(2H,m)
3.67−3.86(6H, m)、4.03−4.27(3H,重複)
5.59−5.65(1H,br)
実施例2 マラチオンハプテン−2の合成
【0186】
【化33】
【0187】
(2)の合成
22.2g(100mmol)の五硫化二リンをトルエン溶液100mlに溶解し、メタノール16g(500mmol)を50℃で滴下して3.5時間撹拌した。この溶液を氷冷しながら2Nの水酸化ナトリウム水溶液でpHを6に調整した。ブロモ酢酸tert−ブチル35g(179mmol)を室温で滴下し、60℃で1時間撹拌した。トルエン層を集めて、脱水(無水硫酸マグネシウム)、ろ過、濃縮後にシリカゲルカラム(n−ヘキサン:酢酸エチル=49:1→9:1)で精製すると、黄色の透明油状物として18.7g(収率34%)の(2)を得た。
【0188】
【表5】
1H−NMR(CDCl3)
1.48(9H,s)、3.41−3.57(2H,d)
3.68−3.87(6H,d)
(3)の合成
1.0Mのリチウムビス(トリメチルシリル)アミド19mlをドライアイス−アセトンでマイナス70℃以下に冷却し、窒素気流下で5.0g(18mmol)の(2)を滴下した。1時間撹拌後、3.1g(18mmol)のブロモ酢酸エチルのTHF溶液5mlを滴下した。滴下終了後にデュアーバスをはずして1時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮後、酢酸エチルに溶解して水洗した。その濃縮液をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=19:1→9:1)で精製すると、透明油状物として3.5g(収率53%)の(3)を得た。
【0189】
【表6】
1H−NMR(CDCl3)
1.20−1.30(3H,t)、1.48(9H,s)
2.79−3.05(2H,m)、3.73−3.87(6H,m)
3.97−4.23(3H,m)
(4)の合成
3.4g(9.5mmol)の(3)を100mlのジクロロメタンに溶解させ、トリフルオロ酢酸(TFA)5mlを加えて室温で3時間撹拌し、更にTFA5mlを添加して40分間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮して、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1→2:1)で精製すると、透明油状物として2.2g(収率76%)の(4)を得た。
【0190】
[表7]
1H−NMR(CDCl3)
1.20−1.31(3H,t)、2.84−3.11(2H,m)
3.72−3.88(6H,m)、4.06−4.27(3H,m)
(5)の合成
1.5g(5mmol)の(4)をテトラヒドロフラン(THF)30mlに溶解し、この溶液を塩−氷で冷却しながら0.67g(6.6mmol)のN−メチルモルホリン(NMM)のTHF溶液5ml、次いで0.9g(6.6mmol)のクロロ蟻酸イソブチルのTHF溶液5mlを滴下した。20分間撹拌後に、1.1g(5.9mmol)の6−アミノヘキサン酸tert−ブチルのTHF溶液5mlを滴下した。30分間氷冷下で撹拌後、更に室温で15分撹拌した。溶媒を留去後に残渣をジクロロメタンで再溶解させて、水洗、脱水(無水硫酸マグネシウム)、ろ過、濃縮後にシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製すると、透明油状物として390mg(収率16%)の(5)を得た。
【0191】
【表8】
1H−NMR(CDCl3)
1.20−1.67(18H,m)、2.16−2.27(2H,t)
2.81−3.15( 2H,m)、3.20−3.31(2H,m)
3.71−3.83( 6H,m)、3.99−4.19(3H,m)
6.49−6.58( 1H,m)
(6)の合成
390mg(830μmol)の(5)を50mlのジクロロメタンに溶解させ、TFA5mlを加えて室温で1時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮して、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1→1:1→酢酸エチル)で精製すると、透明油状物として260mg(収率76%)の(6)を得た。
【0192】
【表9】
1H−NMR(CDCl3)
1.22−1.74(9H,m)、2.32−2.43(2H,t)
2.82−3.14(2H,m)、3.22−3.33(2H,m)
3.73−3.84(6H,m)、3.99−4.20(3H,m)
6.56−6.77(1H,m)、8.69−9.25(1H,br)
実施例3 マラチオンハプテン−3の合成
【0193】
【化34】
【0194】
(2)の合成
22.2g(100mmol)の五硫化二リンをトルエン溶液100mlに溶解し、メタノール16g(500mmol)を50℃で滴下して3.5時間撹拌した。この溶液を氷冷しながら2Nの水酸化ナトリウム水溶液でpHを6に調整した。34g(200mmol)のブロモ酢酸エチルを室温で滴下し、60℃で30分、そして70℃で30分撹拌した。トルエン層を集めて、脱水(無水硫酸マグネシウム)、ろ過、濃縮後にシリカゲルカラム(n−ヘキサン:酢酸エチル=49:1→19:1→9:1→2:1)で精製すると、黄色の透明油状物として22.4g(収率46%)の(2)を得た。
【0195】
【表10】
1H−NMR(CDCl3)
1.21−1.34(3H,t)、3.53−3.65(2H,d)
4.13−4.26(2H,q)
(3)の合成
1.0Mのリチウムビス(トリメチルシリル)アミド5.3mlをドライアイス−アセトンでマイナス70℃以下に冷却し、窒素気流下で1.3g(5.3mmol)の(2)を滴下した。1時間撹拌後、2.0g(5.3mmol)の11−(ブロモアセトキシ)ウンデカン酸tert−ブチルのTHF溶液2mlを滴下した。滴下終了後にデュアーバスをはずして1時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮後、酢酸エチルに溶解して水洗した。その濃縮液をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=19:1→9:1)で精製すると、黄色の透明油状物として1.3g(収率45%)の(3)を得た。
【0196】
【表11】
1H−NMR(CDCl3)
1.17−1.47(28H,m)、2.11−2.23(2H,t)
2.82−3.11( 2H,m)、3.71−3.86(6H,m)
4.00−4.27( 5H,m)
(4)の合成
1.3g(2.4mmol)の(3)を50mlのジクロロメタンに溶解させ、トリフルオロ酢酸5mlを加えて室温で1.5時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮して、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1→1:1)で精製すると、黄色の透明油状物として1.0g(収率88%)の(4)を得た。
【0197】
【表12】
1H−NMR(CDCl3)
1.17−1.40(15H,m)、1.50−1.70(4H,m)
2.24−2.40( 2H,t)、2.79−3.10(2H,m)
3.68−3.86( 6H,m)、3.99−4.26(5H,m)
実施例4 マラチオンハプテン−4の合成
【0198】
【化35】
【0199】
(2)の合成
22.2g(100mmol)の五硫化二リンをトルエン溶液100mlに溶解し、メタノール16g(500mmol)を50℃で滴下して3.5時間撹拌した。この溶液を氷冷しながら2Nの水酸化ナトリウム水溶液でpHを6に調整した。34g(200mmol)のブロモ酢酸エチルを室温で滴下し、60℃で30分、そして70℃で30分撹拌した。トルエン層を集めて、脱水(無水硫酸マグネシウム)、ろ過、濃縮後にシリカゲルカラム(n−ヘキサン:酢酸エチル=49:1→19:1→9:1→2:1)で精製すると、黄色の透明油状物として22.4g(収率46%)の(2)を得た。
【0200】
【表13】
1H−NMR(CDCl3)
1.21−1.34(3H,t)、3.53−3.65(2H,d)
4.13−4.26(2H,q)
(3)の合成
1.0Mのリチウムビス(トリメチルシリル)アミド8mlをドライアイス−アセトンで−70℃以下に冷却し、窒素気流下で1.96g(8mmol)の(2)を滴下した。1時間撹拌後、2.35g(8mmol)の6−(ブロモアセトキシ)ヘキサン酸tert−ブチルのTHF溶液5mlを滴下した。滴下終了後にデュアーバスをはずして1時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮後、酢酸エチルに溶解して水洗した。その濃縮液をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=19:1→9:1)で粗精製した。
(4)の合成
(3)を含んだ粗精製物を50mlのジクロロメタンに溶解させ、トリフルオロ酢酸5mlを加えて室温で2時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮して、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1→1:1)で精製すると、透明油状物として0.54g((2)からの通算収率20%)の(4)を得た。
【0201】
【表14】
1H−NMR(CDCl3)
1.20−1.50(5H,重複)、1.58−1.76(4H,m)
2.31−2.43(2H, t)、2.82−3.11(2H,m)
3.71−3.88(6H, m)、4.03−4.27(5H,重複)
実施例5 マラチオンハプテン−5の合成
【0202】
【化36】
【0203】
(2)の合成
硫酸10mlをジエチルエーテル100mlに加えた後、撹拌しながらベンジルアルコール100mlを加えた。ジエチルエーテルを留去後に13.4g(100mmol)のL−アスパラギン酸を少しずつ加えた。室温で1日撹拌後に、エタノール200mlとピリジン50mlを加えて、一晩冷蔵庫に放置した。析出した結晶をろ別し、エーテルと水で洗浄した後に乾燥させると、11g(収率49%)の(2)を得た。
(3)の合成
11g(49mmol)の(2)を600mlの水に加えて、80℃で溶解させた。加熱を停止して60℃まで冷却した時に、10.5g(125mmol)の炭酸水素ナトリウムと12g(70mmol)のベンジルオキシカルボニルクロリド(Z−Cl)を加えて3時間撹拌した。ジエチルエーテルで洗浄後に、氷冷しながら濃塩酸でpHを1にして酢酸エチルで抽出した。脱水(無水硫酸ナトリウム)、ろ過、濃縮後にシリカゲルカラム(n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1→1:2)で精製すると、白色結晶として4.5g(収率25%)の(3)を得た。
【0204】
【表15】
1H−NMR(CDCl3)
2.80−3.17(2H,m)、4.54−4.76(1H,m)
5.11(4H,s)、 5.74−5.89(1H,d)
7.31(10H,s)、 9.38−10.02(1H,br)
(4)の合成
4.5g(12.6mmol)の(3)をエタノール150mlに溶解し、1.0Mの塩化水素ジエチルエーテル溶液15mlを加えて30分間環流させた。更に該溶液15mlを加えて30分環流させた後、三度15mlの該溶液を加えて30分間環流させた。反応液をろ過して濃縮後にシリカゲルカラム(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1→2:1)で精製すると、透明油状物として1.8g(収率37%)の(4)を得た。
【0205】
【表16】
1H−NMR(CDCl3)
1.13−1.27(3H,t)、2.83−3.14(2H,m)
4.08−4.22(2H,m)、4.58−4.69(1H,m)
5.11(4H,s)、 5.69−5.81(1H, d)
7.34(10H,s)
(5)の合成
8.6g(22mmol)の(4)をエタノール200mlに溶解して、5%パラジウムカーボン2.0gを加えて水素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。反応液をろ過、濃縮して(5)を得た。
(6)の合成
4.2gの粗カルボン酸(5)を300mlの水に加えて、80℃で溶解させた。加熱を停止して60℃まで冷却した時に、炭酸水素ナトリウム0.88g(10.5mmol)を加えた後に3.0g(17.6mmol)のZ−Clを加えた。更に1.3g(15.5mmol)の炭酸水素ナトリウムを加えて3時間撹拌した。ジエチルエーテルで洗浄後に、氷冷しながら濃塩酸でpHを2に調整して酢酸エチルで抽出した。脱水(無水硫酸ナトリウム)、ろ過、濃縮後にシリカゲルカラム(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1→1:2)で精製すると、白色結晶として1.63g((4)からの通算収率50%)の(6)を得た。
【0206】
【表17】
1H−NMR(CDCl3)
1.11−1.30(3H,t)、2.74−3.12(2H,m)
4.06−4.25(2H,m)、4.55−4.70(1H,m)
5.10(2H,s)、 5.84−5.99(1H,d)
7.33(5H,s)、 8.49−9.26(1H,br)
(7)の合成
1.63g(5.5mmol)の(6)、224mg(1.8mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、426mg(1.8mmol)のカンファースルホン酸(CSA)、1.4g(7.4mmol)の6−ヒドロキシヘキサン酸tert−ブチルをテトラヒドロフラン(THF)50mlに加えた。1.7g(8.3mmol)のN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)のTHF溶液10mlを滴下した。室温で1日撹拌後、反応液をろ過、濃縮後にシリカゲルカラム(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1→2:1)で精製すると、透明油状物として2.16g(収率84%)の(7)を得た。
【0207】
【表18】
1H−NMR(CDCl3)
1.20−1.46(14H,重複)、1.51−1.69(4H,m)
2.15−2.26( 2H, t)、2.77−3.07(2H,m)
4.02−4.26( 4H, m)、4.57−4.67(1H,m)
5.12(2H,s)、 5.73−5.82(1H,d)
7.37(5H,s)
(8)の合成
2.16g(4.6mmol)の(7)をエタノール200mlに溶解し、5%パラジウムカーボン300mgを加えて水素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。反応液をろ過、濃縮して(8)を得た。これを精製せずに次の反応に用いた。(9)の合成
粗アミン(8)と0.8g(5mmol)のクロロチオリン酸ジメチル、0.7g(5mmol)の炭酸カリウムをアセトニトリル80mlに加えて50℃で1時間撹拌した。ろ過、濃縮後にシリカゲルカラム(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製すると、1.71g((7)からの通算収率100%)の(9)を得た。
【0208】
【表19】
1H−NMR(CDCl3)
1.23−1.49(14H,重複)、1.54−1.71(4H,m)
2.15−2.27( 2H, t)、2.71−3.00(2H,m)
3.63−3.75( 6H, m)、4.00−4.11(5H,t)
4.17−4.34( 3H,重複)
(10)の合成
1.71g(4.6mmol)の(9)を100mlのジクロロメタンに溶解させ、トリフルオロ酢酸(TFA)5mlを加えて室温で1時間撹拌した。更にTFA5mlを添加して1時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮して、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1→1:1)で精製すると、透明油状物として1.44g(収率99%)の(10)を得た。
【0209】
【表20】
1H−NMR(CDCl3)
1.22−1.33(3H, t)、1.35−1.49(2H,m)
1.59−1.75(4H, m)、2.31−2.42(2H,t)
2.71−3.00(2H, m)、3.62−3.76(6H,m)
4.01−4.34(5H,重複)
実施例6 マラチオンハプテン−6の合成
【0210】
【化37】
【0211】
(2)の合成
58.8g(400mmol)のL−グルタミン酸と48g(440mmol)のベンジルアルコールを60%硫酸(濃硫酸39.2g+水26ml)に加えて、70℃で45分間撹拌した。70℃で3時間濃縮後、67.2g(800mmol)の炭酸水素ナトリウムを含む冷水200ml中に撹拌しながら注ぎ、冷水150mlを加えた後放置した。析出した結晶をろ別し、水で洗浄した。その結晶を水で再結晶すると、白色結晶として35g(収率37%)の(2)を得た。
(3)の合成
4.74g(20mmol)の(2)を300mlの水に加えて、80℃で溶解させた。加熱を停止して60℃まで冷却した時に、4.2g(50mmol)の炭酸水素ナトリウムと4.1g(24mmol)のベンジルオキシカルボニルクロリド(Z−Cl)を加えて3時間撹拌した。ジエチルエーテルで洗浄後に、氷冷しながら濃塩酸でpHを1にして酢酸エチルで抽出した。脱水(無水硫酸ナトリウム)、ろ過、濃縮後にシリカゲルカラム(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:2)で精製すると、白色結晶として6.4g(収率86%)の(3)を得た。
【0212】
【表21】
1H−NMR(CDCl3)
1.93−2.37(2H,m)、2.37−2.61(2H,m)
4.30−4.50(1H,m)、5.10(4H,s)
5.40−5.53(1H,d)、7.33(10H,s)
(4)の合成
6.0g(16mmol)の(3)をエタノール150mlに溶解し、1.0Mの塩化水素ジエチルエーテル溶液1mlを加えて30分間環流させた。更に該溶液3mlを加えて30分環流させた後、三度3mlの該溶液を加えて1時間環流させた。反応液をろ過して濃縮後にシリカゲルカラム(n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1→4:1→2:1)で精製すると、透明油状物として4.2g(収率65%)の(4)を得た。
【0213】
【表22】
1H−NMR(CDCl3)
1.15−1.33(3H,q)、1.87−2.32(2H,m)
2.33−2.58(2H,m)、4.07−4.25(2H,m)
4.32−4.48(1H,m)、5.10(4H,s)
5.32−5.45(1H,d)、7.34(10H,s)
(5)の合成
16g(40mmol)の(4)をエタノール250mlに溶解して、5%パラジウムカーボン2.5gを加えて水素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。反応液をろ過、濃縮して(5)を得た。粗収量8.6g(粗収率122%)。
(6)の合成
8.6gの粗カルボン酸(5)を300mlの水に加えて、80℃で溶解させた。加熱を停止して60℃まで冷却した時に、8.4g(100mmol)の炭酸水素ナトリウムと8.2g(48mmol)のZ−Clを加えて3時間撹拌した。ジエチルエーテルで洗浄後に、氷冷しながら濃塩酸でpHを1にして酢酸エチルで抽出した。脱水(無水硫酸ナトリウム)、ろ過、濃縮後にシリカゲルカラム(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1→1:2)で精製すると、白色結晶として5.4g((4)からの通算収率43%)の(6)を得た。
【0214】
【表23】
1H−NMR(CDCl3)
1.17−1.35(3H,q)、1.88−2.30(2H,m)
2.33−2.57(2H,m)、4.06−4.26(2H,m)
4.34−4.49(1H,m)、5.11(2H,s)
5.38−5.51(1H,d)、7.34(5H,s)
(7)の合成
1.0g(3.2mmol)の(6)、130mg(1.1mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、250mg(1.1mmol)のカンファースルホン酸(CSA)、600mg(3.2mmol)の6−ヒドロキシヘキサン酸tert−ブチルをテトラヒドロフラン(THF)15mlに加えた。1.0g(4.9mmol)のN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)のTHF溶液15mlを滴下した。室温で20時間撹拌後、反応液をろ過、濃縮後にシリカゲルカラム(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1→2:1)で精製すると、透明油状物として940mg(収率60%)の(7)を得た。
【0215】
【表24】
1H−NMR(CDCl3)
1.21−1.47(14H,重複)、1.52−1.70(4H,m)
1.90−2.06( 1H, m)、2.16−2.27(3H,m)
2.34−2.47( 2H, m)、4.00−4.10(2H,t)
4.14−4.26( 2H, q)、4.33−4.44(1H,m)
5.11(2H,s)、 5.37−5.46(1H,d)
7.36(5H,s)
(8)の合成
5.9g(12.3mmol)の(7)をエタノール150mlに溶解し、5%パラジウムカーボン600mgを加えて水素雰囲気下、室温で30分間撹拌した。反応液をろ過、濃縮して(8)を得た。これを精製せずに次の反応に用いた。
(9)の合成
粗アミン(8)と2.0g(12、4mmol)のクロロチオリン酸ジメチル、1.7g(12.3mmol)の炭酸カリウムをアセトニトリル100mlに加えて60℃で1時間撹拌した。ろ過、濃縮後にシリカゲルカラム(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製すると、4.7g((7)からの通算収率100%)の(9)を得た。
【0216】
【表25】
1H−NMR(CDCl3)
1.21−1.47(14H,重複)、1.54−1.70(4H,m)
1.83−2.15( 2H, m)、2.18−2.26(2H,t)
2.37−2.48( 2H, m)、3.60−3.73(6H,m)
3.93−4.11( 3H,重複)、4.15−4.27(2H,q)
(10)の合成
4.7g(12.3mmol)の(9)を80mlのジクロロメタンに溶解させ、トリフルオロ酢酸(TFA)5mlを加えて室温で1時間撹拌した。TFA5mlを追加して、更に1時間撹拌した。反応溶液を減圧濃縮して、シリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1→1:1)で精製すると、透明油状物として3.5g(収率87%)の(10)を得た。
【0217】
【表26】
1H−NMR(CDCl3)
1.24−1.36(3H, t)、1.36−1.50(2H,m)
1.60−1.74(4H, m)、1.83−2.20(2H,m)
2.34−2.50(4H,重複)、3.61−3.76(6H,m)
3.94−4.28(5H, m)
実施例7 免疫用抗原及びスクリーニング用抗原の作製
実施例1ないし6で作製したマラチオンハプテン−1ないし6をハプテンとして、各々3.6μmolをDMSO 100μlに溶解させた。これらの溶液に、N−ヒドロキシこはく酸イミド(16μmol)を10μlのDMSOに溶解した溶液を添加した。次いで、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩(5.6μmol)を20μlのDMSOに溶解した溶液を加え、室温にて1.5時間反応させた。これらの反応溶液に、BSA又はKLH各々10mgを85mM ホウ酸緩衝液(pH8.0)500μlに溶解したものを加え、再び室温にて1.5時間反応させた。反応終了後、ダルベッコのリン酸緩衝液(以下、「PBS(−)」と言う)で透析し、マラチオンハプテン−1ないし6とKLHとの結合体(以下、「マラチオンハプテン−1ないし6/KLH」と言う)、マラチオンハプテン−1ないし6とBSAとの結合体(以下、「マラチオンハプテン−1ないし6/BSA」と言う)を各々調製した。
実施例8 免疫感作
免疫には、Balb/cマウス(7週令、メス)を用いた。実施例7で調製したマラチオンハプテン−1ないし6/KLH100μgを各々PBS(−)50μlに溶解した。これを等量のフロイント完全アジュバントと乳化混合した後、マウスの腹腔内に接種した。1カ月後、初回免疫量の1/4量を追加免疫し、さらにその5週間後、追加免疫と同量を最終免疫した。
実施例9 ハイブリドーマの作製
モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを得るための細胞融合は、実施例8の最終免疫後3日目のマウスの脾臓細胞を用いて行った。
【0218】
摘出した脾臓から、DMEM中に脾臓細胞を取り出し、DMEMにて3回洗浄した。洗浄後、マウスのミエロ−マ細胞P3−X63−Ag8.653と細胞数の比で5:1(脾臓細胞:ミエローマ細胞)となるように混合し、遠心(1,200rpm、5分間)して細胞沈渣を集めた。この細胞沈渣に予め37℃に加温しておいた50%ポリエチレングリコール(分子量1500)1mlを加え、細胞を融合した。DMEM 10mlを徐々に添加し、牛胎児血清(以下、「FBS」と言う)1mlを更に添加することにより、細胞融合を停止した。融合した細胞は、DMEMに10% FBS、ヒポキサンチン(100μM)、アミノプテリン(0.4μM)、及びチミジン(16μM)を添加したHAT培地に懸濁後、96ウェルのマイクロプレートの各ウェルに2×105細胞/ウェルで分注した。37℃、5%二酸化炭素存在下で10ないし14日間培養した後、各ウェルにハイブリドーマのコロニーが形成された。
実施例10 モノクローナル抗体の作製
実施例9でコロニーが形成された各ウェルの内、それらの培養上清中にマラチオンに反応するモノクローナル抗体を産生しているものを、以下のように間接競合阻害ELISA法を用いてスクリーニングした。
【0219】
まずPBS(−)に溶解したマラチオンハプテン−1ないし6/BSA(4μg/ml)を、96ウェルのマイクロタイタープレートの各ウェルに100μl/ウェルで加え、4℃で1晩静置することにより固相化した。次に300μl/ウェルのブロッキング緩衝液(1% BSAと60mM NaClを添加した85mMホウ酸緩衝液(pH8.0))で置き換え、室温で1時間ブロッキングした。これらに希釈液A(150mM NaClを添加した85mM ホウ酸緩衝液(pH8.0))で適当な濃度に段階的に希釈したマラチオン溶液を50μl/ウェルで添加した。次いで、直ちに培養上清を同じ希釈液で適当な濃度に希釈したものを50μl/ウェルで加えて混合し、室温で1時間反応させた。適当な濃度とは、マラチオン未添加条件での本ELISA法の吸光度が抗体飽和時の1/2を示し得る抗体濃度である。
【0220】
洗浄液(60mM NaClを添加した85mM ホウ酸緩衝液(pH8.0))で3回洗浄した後、2次抗体用の希釈液B(0.3% BSAと60mM NaClを添加した85mM ホウ酸緩衝液(pH8.0))で1000倍希釈したHRP結合抗マウスIgG抗体(カペル社製)を100μl/ウェルで添加し、室温で1時間反応させた。再び3回洗浄後、HRP基質溶液(100μg/mlの3,3’5,5’−テトラメチルベンチジン及び0.006%過酸化水素を添加した0.1M酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5))で10分間発色させ、1N硫酸で反応停止後、450nmの吸光度を測定した。
【0221】
各ウェルの反応性を定性的にスクリーニングした後、マラチオンとの反応性を示したウェルのハイブリドーマを限界希釈法によってクローニングした。このようにして、マラチオンに反応性を有する抗体を産生するモノクローナル抗体産生細胞を3株(MLT2−23、MLT40−4、MLT45−3)分離した。これらの3株はいずれもマラチオンハプテン−5/KLHを抗原として得られたハイブリドーマである。
【0222】
さらにFBSを10%添加したDMEM中でこれらのモノクローナル抗体産生細胞を培養し、得られた培養上清を各々モノクローナル抗体とした。以後、各モノクローナル抗体は、これらを産生するモノクローナル抗体産生細胞と同一の名称を用いる。
【0223】
作製したモノクローナル抗体のサブクラスを、以下の表27に示した。
【0224】
【表27】
表27 作製したモノクローナル抗体のサブクラス
モノクローナル抗体 サブクラス
MLT2−23 IgG2a
MLT40−4 IgG1
MLT45−3 IgG1
得られたモノクローナル抗体のうちMLT2−23を平成11年1月22日に、寄託番号FERM P−17157で工業技術院生命工学工業研究所(〒305−0046 茨城県つくば市東1丁目1番3号)に寄託した。
実施例11 モノクローナル抗体の精製
実施例10で得られた各モノクローナル抗体の精製を行った。まず、Balb/cマウスの腹腔内に各モノクローナル抗体産生細胞を接種し、腹水を得た。MLT2−23産生細胞由来の腹水には、35%飽和となるように、また MLT40−4産生細胞及びMLT45−3産生細胞由来の腹水には、33%飽和となるように硫安を加え、各々4℃で撹拌したのち遠心し、沈殿物を得た。これらの沈殿物はPBS(−)で可溶化した後、さらにPBS(−)で2晩透析し、精製抗体とした。これらの抗体の純度は、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により測定した結果、少なくとも90%以上であった。
実施例12 マラチオンハプテンとHRPとの結合体の調製
マラチオンハプテン−4ないし6の各々1.25μmolをDMSO50μlに溶解した。これらの溶液へ、N−ヒドロキシこはく酸イミド(5.5μmol)を3.4μlのDMSOに溶解した溶液、次いで1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩(1.9μmol)を6.8μlのDMSOに溶解した溶液を加え、室温にて1時間反応させた。これらの反応液に1M 炭酸水素ナトリウム40μlを加え、さらにHRP(5mg)を蒸留水250μlに溶解した溶液を加えて、室温で3時間反応させた。得られた反応液から、ゲル濾過カラム(セファデックスG−25)を用いて低分子化合物を除去し、マラチオンハプテン−4ないし6とHRPとの結合体(以下、「マラチオンハプテン−4ないし6/HRP」と言う)とした。
実施例13 直接競合阻害ELISA法におけるマラチオンに対するモノクローナル抗体の反応性
得られたモノクローナル抗体のマラチオンに対する反応性を、直接競合阻害ELISA法を用いて調べた。
【0225】
実施例11で精製したMLT2−23、MLT40−4は3μg/mlの濃度で、MLT45−3は5μg/mlの濃度でPBS(−)に溶解した。これらを96ウェルのマイクロタイタープレートの各ウェルに100μl/ウェルで加え、4℃で1晩静置することにより固相化した。つぎに300μl/ウェルのブロッキング緩衝液で置き換え、室温で1時間ブロッキングした。一方、希釈液C(0.3% BSAと150mM NaClを添加した100mM リン酸緩衝液(pH7.0))で適当な濃度に段階的に希釈したマラチオンと、同じく適当な濃度に希釈したマラチオンハプテン−5/HRPの混合液を調製した。適当な濃度とは、マラチオン未添加の条件での本ELISA法の吸光度がHRP結合ハプテン飽和時の1/2を示し得るHRP結合ハプテンの濃度である。これらを先のブロッキング済みの各ウェルに100μl/ウェルで加え、室温で1時間反応させた。洗浄液で3回洗浄した後、実施例10に示した間接競合阻害ELISA法と同様の方法で発色させ、450nmの吸光度を測定した。
【0226】
結果を図1に示す。ここで阻害率は以下の式で計算した。
【0227】
【化38】
【0228】
図1に示されるように、モノクローナル抗体MLT2−23及びMLT40−4は10ng/mlから300ng/ml、モノクローナル抗体MLT45−3は100ng/mlから1000ng/mlの濃度範囲でマラチオンと反応した。よって、特にモノクローナル抗体MLT2−23及びMLT40−4がマラチオンに対して高い反応性を示すことが明らかとなった。
実施例14 ヘテロロガスなハプテンを用いた直接競合阻害ELISA法における、モノクローナル抗体MLT2−23及びMLT40−4のマラチオンに対する反応性
実施例13でマラチオンに対して高い反応性を示したモノクローナル抗体MLT2−23及びMLT40−4について、直接競合阻害ELISA法に用いるHRP結合ハプテンを変えてマラチオンに対する反応性の変化を調べた。具体的にはHRP結合ハプテンとして、マラチオンハプテン−5/HRPの代わりにマラチオンハプテン−6/HRP又はマラチオンハプテン−4/HRPを用いた他は、実施例13と同様にして行った。
【0229】
その結果を図2に示す。図2に示されるように、用いるHRP結合ハプテンの種類により各抗体ともマラチオンに対する反応性が変化した。すなわち、モノクローナル抗体MLT2−23は、実施例13の結果と異なり、マラチオンハプテン−6/HRPを用いた場合4ng/mlから100ng/mlの濃度範囲で、マラチオンハプテン−4/HRPを用いた場合10ng/mlから1000ng/mlの濃度範囲でマラチオンと反応した。一方、モノクローナル抗体MLT40−4は、マラチオンハプテン−6/HRPを用いた場合40ng/mlから1000ng/mlの濃度範囲で、マラチオンハプテン−4/HRPを用いた場合10ng/mlから300ng/mlの濃度範囲でマラチオンと反応した。
【0230】
このようにモノクローナル抗体MLT2−23及びMLT40−4は、いずれも標識競合用ハプテンとの組み合わせによって固有の反応性を示した。特にモノクローナル抗体MLT2−23とマラチオンハプテン−6/HRPを組み合わせた場合、マラチオンと最も高い反応性となることが明らかとなった。
実施例15 モノクローナル抗体MLT2−23の交差反応性
実施例14の結果より、マラチオンへ最も高い反応性を示したモノクローナル抗体MLT2−23とマラチオンハプテン−6/HRPの組み合わせを用い、マラチオンの代謝物及び類縁化合物に対する交差反応性を調べた。
【0231】
結果を以下の表28に示す。
【0232】
【表28】
【0233】
表28において、IC 50 は、反応を50%阻害する化合物の濃度であり、交差反応率はマラチオンのIC 50 値/各化合物のIC 50 値×100である。表28より、モノクローナル抗体MLT2−23は、マラチオンの代謝物であるマラオクソンと1.6%の交差反応性を示したものの、他の化合物に対してはすべて1%以下しか交差反応をせず、マラチオンに対する高い特異性を持つことが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、直接競合阻害ELISA法による本発明のモノクローナル抗体MLT2−23、MLT40−4及びMLT45−3のマラチオンに対する反応性を示す。
【図2】図2は、ヘテロロガスな直接競合阻害ELISA法による本発明のモノクローナル抗体MLT2−23及びMLT40−4のマラチオンに対する反応性を示す。
Claims (11)
- 以下の式(1):
Xは、NHであり;
Zは、NH又はOであり;
kは0又は1であり;
mは0ないし2の整数であり;そして
nは1ないし20の整数である]
で表される構造を有する化合物。 - 式(1)において、XがNHであり、ZがOであり、kが0であり、mが2であり、そしてnが5である、請求項1に記載の化合物。
- 請求項1又は2に記載された化合物と高分子化合物又は標識物質との結合体。
- 請求項1又は2に記載の化合物と高分子化合物を結合させることにより抗原を作製し、当該抗原を用いることにより、以下の式(2):
- 請求項3に記載の結合体を抗原として用いることにより製造された、式(2)の化合物に反応性を示し、マラオクソンに対する交差反応率が1.6%以下である、抗体又は抗原と結合可能なそのフラグメント。
- モノクローナル抗体である、請求項5に記載の抗体又は抗原と結合可能なそのフラグメント。
- モノクローナル抗体MLT2−23又はそのフラグメントである、請求項5若しくは6に記載の抗体又は抗原と結合可能なフラグメント。
- 請求項5ないし7のいずれか1項に記載の抗体を産生するハイブリドーマ。
- 寄託番号FERM P−17157で寄託されている、請求項8に記載のハイブリドーマ。
- 請求項5ないし7のいずれか1項に記載の抗体又は抗原と結合可能なフラグメントを用いることを特徴とする、式(2)で表される化合物の免疫学的測定方法。
- さらに、請求項1若しくは2に記載の化合物又は請求項3に記載の結合体を用いることを含む、請求項10に記載の免疫学的測定方法。
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