JP3188641B2 - ミクロブタニルのハプテン化合物、抗体及び測定方法 - Google Patents

ミクロブタニルのハプテン化合物、抗体及び測定方法

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JP3188641B2 JP06409797A JP6409797A JP3188641B2 JP 3188641 B2 JP3188641 B2 JP 3188641B2 JP 06409797 A JP06409797 A JP 06409797A JP 6409797 A JP6409797 A JP 6409797A JP 3188641 B2 JP3188641 B2 JP 3188641B2
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2−p−クロロフ
ェニル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−−1−
イルメチル)ヘキサンニトリル(以下、本明細書中「ミ
クロブタニル」と言う)のハプテン化合物、抗原、抗体
及びそのフラグメントに関する。
【0002】本発明は、さらに前記抗原、抗体及びその
フラグメントを用いた免疫学的測定方法に関する。
【0003】
【従来の技術】ミクロブタニルは、以下の式(2):
【化5】 で表される構造を有し、トリアゾール系のエルゴステロ
ール生合成阻害剤(以下、「EBI剤」と言う)に属す
る。
【0004】エルゴステロールは、藻菌類を除く多くの
糸状菌が体内で合成するステロール類の内の一つで、生
体膜のリン脂質の二重層の間に存在し、細胞膜の強度
や、透過性、各種の膜酵素の機能に重要な影響を与えて
いる。エルゴステロールは、生体内では、酢酸からメバ
ロン酸、スクワレンなどを経て合成されるが、この経路
のいずれかの反応を特異的に阻害する一連の化合物群を
EBI剤と総称する。EBI剤は、幅広い抗菌スペクト
ルと浸透性、治療性など優れた特性を有する。子のう菌
類、担子菌類、不完全菌類などに有効で、中でも各種作
物のうどんこ病に卓効を有することが特徴である。従来
の薬剤と比較すると低薬量で効力を発揮し、植物体内へ
速やかに浸透するため耐雨性もある。また、ミツバチな
ど訪花昆虫に対する毒性が低いので、果樹などの開花期
の散布が可能である。EBI剤は化学構造から、トリア
ゾール系、イミダゾール系、ピリミジン系等に分けられ
る。本発明のミクロブタニルは、これらのうちトリアゾ
ール系のEBI剤に属する(農薬ハンドブック 第22
4頁−第227頁 1994年版 日本植物防疫協
会)。
【0005】ミクロブタニルは、野菜、果樹などのうど
んこ病やさび病、黒星病、赤星病に有効である。植物体
内への浸透移行性があり、散布後の降雨による影響は少
ない。またガス効果が認められ、ハウス栽培ではかけむ
らによる発病防止が期待できる。予防効果もあるが、特
に治療効果が優れている。リンゴの黒星病菌を用いた治
療効果試験では、菌糸の生育防止、および子座の微細構
造変化とその活動停止が観察された。予防効果試験で
は、子座の形成阻止効果は強いが、胞子発芽および付着
器形成には影響は認められなかった。うどんこ病菌に対
しては、吸器の構造破壊、胞子形成阻害が認められてい
る(上記 農薬ハンドブック 第226頁−第227
頁)。
【0006】近年、土壌、水、大気等の環境中での残留
農薬や、最近特に増加してきた輸入農産物のポストハー
ベスト農薬等の残留に大きな社会的関心が寄せられてい
る。ミクロブタニルについては、食品衛生法に基づき残
留基準値が、小麦で0.3ppm、大麦で0.5pp
m、ごぼう、たまねぎ等の野菜で1.0ppm、りんご
で5.0ppm、なし、もも等の果実で1.0ppm
等、定められている(農薬登録保留基準 残留農薬基準
ハンドブック 農薬環保全対策研究会編 第920頁−
第921頁)。環境や食品に関する安全確保のために
は、これらに含有される、ミクロブタニルの量を迅速、
かつ正確に測定することが必要である。
【0007】従来、ミクロブタニルは、穀類、果実、野
菜、茶等の試料から抽出し、精製した後、ガスクロマト
グラフィー(GC)により分析されてきた。例えば、試
料をアセトンで抽出して、カラムクロマトグラフィーで
精製した後、GCで分析する方法が採用されている。こ
れらの方法は、試料の調製が煩雑で多大の手間と時間を
必要とし、分析に熟練を有すること、並びに、測定装置
や設備等に高額の費用を必要とする等の問題点がある。
ミクロブタニルの測定は、特に輸入農産物等の残留農薬
の分析においては、短時間で膨大な数の試料の分析結果
を出す必要があり、精度面だけでなく、簡便性、迅速性
及び経済性をも具備した新規測定方法が要求されてきて
いる。
【0008】免疫学的測定方法は、抗体が抗原を特異的
に認識する、抗原抗体反応に基づいて抗原の検出を行う
方法であり、その優れた精度、簡便性、迅速性、経済性
から近年注目を集めてきている。免疫学的測定方法にお
いては検出方法として非常に多種の標識、例えば、酵
素、放射性トレーサー、化学発光あるいは蛍光物質、金
属原子、ゾル、ラテックス及びバクテリオファージが適
用されてきた。
【0009】免疫学的測定方法の中でも、酵素を使用す
る酵素免疫測定法(EIA)は特に優れたものとして広
く使用されるに至っている。酵素免疫測定法についての
優れた論評が、Tijssen P,“Practice and theory of e
nzyme immunoassays" in Laboratory techniques in bi
ochemistry and molecular biology, Elsevier Amsterd
am New York, Oxford ISBN 0-7204-4200-1 (1990) に記
載されている。
【0010】一般に、分子量が大きな分子については、
それ以上修飾することなく動物に接種することにより、
適当な免疫反応を惹起し、抗原を認識する抗体を産生さ
せることができる。しかし、ミクロブタニルのような低
分子化合物は通常動物に接種したとき免疫応答を引き出
すことができない。これらの分子は免疫原性を有する高
分子化合物に結合させることによって初めて一団のエピ
トープとして行動し、T細胞受容体の存在下で免疫応答
を起こし、その結果、一群のBリンパ球により抗体が産
生される。このように高分子化合物と結合させて初めて
免疫原性を生じる分子を総称して「ハプテン」という。
【0011】しかし、低分子化合物を高分子化合物と結
合させたものを抗原としても、得られた抗体は望む分子
を認識しないか、あるいはごく低い親和性しかもたない
場合がしばしばある。そのため、一般に低分子化合物そ
のものではなく、結合に利用できる官能基と共にスペー
サーアーム(結合手)を導入したものをハプテンとして
使用する必要がある。しかしその場合に、結合手/官能
基の配置、結合手の大きさ等の全ての問題を考慮して導
入が適切に行われたものを使用しないと、好ましい抗体
は得られない。適切な導入は個々の分子に応じて工夫し
なければならない。
【0012】しかしながら、ミクロブタニルについては
その必要性が非常に高かったにもかかわらず、本出願前
は感度・特異性とも十分な抗体は得られていなかった
(J.Agri.Food Chem.1995,4
3,2083−2091)。従って、適切な抗体はもと
より、そのような抗体を作製するためのハプテンも本発
明前には得られていなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ミクロブタ
ニルに特異的に反応する新規な抗体を作製するための抗
原を構成するハプテン化合物となる、当該化合物の誘導
体を提供することを目的とする。
【0014】本発明は、また、前記ミクロブタニル誘導
体と高分子化合物又は標識物質との結合体を提供するこ
とを目的とする。当該結合体はミクロブタニルに特異的
に反応する抗体を作製するための抗原となる。
【0015】本発明は、さらに、ミクロブタニルに強い
親和性を有する新規な抗体もしくはそのフラグメント、
及びその作製方法を提供することを目的とする。尚、本
明細書において抗体の「フラグメント」とは、抗原と結
合可能な抗体の一部分、例えばFab断片等を意味する。
【0016】本発明はその一態様において、ミクロブタ
ニルに反応性を有するモノクローナル抗体を提供する。
【0017】本発明は、さらにまた、前記抗体及びその
フラグメントを産生するハイブリドーマを提供すること
を目的とする。
【0018】本発明は、さらに、前記抗体を使用するこ
とを含む、ミクロブタニルの免疫学的測定方法を提供す
ることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、ミクロブタニルにスペーサーアーム及び
高分子との結合に利用できる官能基を導入した、ミクロ
ブタニルの誘導体をハプテンとして使用することによ
り、前記化合物に特異的な抗体を得ることに成功し、本
発明の完成に至った。
【0020】本発明の対象となるミクロブタニルは、以
下の式(2):
【化6】 で表される化合物である。
【0021】抗体作製のためのハプテンとして使用され
る誘導体は、前記ミクロブタニルの
【化7】 の部分を
【化8】 [式中、nは1−10の整数であり、好ましくは2−7
である]に変化させたものである。即ち、本発明のミク
ロブタニル誘導体は、以下の式(1):
【化9】 [式(1)中、nは前述した通りである]で表される構
造を有する化合物である。
【0022】尚、式(1)においてn=3の化合物は、
化学構造と抗菌活性の関係を解析するための化合物の一
つとして合成されていたにすぎなかった(PESTIC
IDE BIOCHEMISTRY AND PHYS
IOLOGY 30,199−213(1988))。従
って、抗体作製のためのハプテン化合物としての使用
も、また免疫学的測定における使用も、本発明前には全
く知られていない。
【0023】本発明は、ミクロブタニルにスペーサーア
ーム及び結合に利用できる官能基を導入した誘導体を、
ハプテンとして適当な高分子化合物と結合させたものを
抗原として用いることによって、ミクロブタニルに特異
的な抗体を得ることを可能にした。
【0024】本発明は、前記ハプテン化合物、ハプテン
化合物と高分子化合物との結合体、ミクロブタニルに反
応する抗体及びその作製方法、ならびに該ハプテン化合
物又は該抗体を用いるミクロブタニルの免疫学的測定方
法に関する。
【0025】ミクロブタニルの誘導体の作製 式(1)の化合物は、例えば、式(3):
【化10】 [式中、Rはカルボキシル基の保護基を示し、nは先に
定義した通りである。]で示されるエステル化合物か
ら、Rで示されるカルボキシル基の保護基を除去するこ
とにより製造できる。
【0026】上記式(3)中、Rで示されるカルボキシ
ル基の保護基は公知のものでよく、具体例として、例え
ば、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ベンジ
ル基、p−メトキシベンジル基、トリクロロエチル基、
トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル
基、tert−ブチルジフェニルシリル基、トリエチル
シリル基、トリイソプロピルシリル基、トリメチルシリ
ルエトキシメチル基等を挙げることができる。
【0027】Rで示されるカルボキシル基の保護基の除
去は、アルカリ加水分解、酸加水分解等の公知の方法で
行うことができる。
【0028】すなわち、アルカリ加水分解の場合は、式
(3)のエステル化合物を、好ましくはメタノール、エ
タノール、テトラヒドロフラン、エチレングリコール等
の有機溶媒に溶解し、次いで水酸化ナトリウムまたは水
酸化カリウム水溶液を加えて、0℃から溶媒の沸点の温
度、好ましくは室温から50℃で、5分−5時間、好ま
しくは1−2時間撹拌反応させることにより式(1)の
カルボン酸化合物を得ることができる。
【0029】また酸加水分解の場合は、式(3)のエス
テル化合物を、好ましくは酢酸、蟻酸、ベンゼン、ジク
ロロメタン、1,2−ジクロロエタン等の有機溶媒に溶
解し、次いで塩酸、硫酸、三塩化ホウ素、トリフルオロ
酢酸、p−トルエンスルホン酸を加えて、0℃から溶媒
の沸点の温度、好ましくは室温から50℃で、5分−1
0時間、好ましくは1−5時間撹拌反応させることによ
り式(1)のカルボン酸化合物を得ることができる。
【0030】更に、Rがベンジル基の場合、除去は水素
による接触還元反応によっても行うことができる。
【0031】式(3)で示されるエステル化合物は以下
に記載するような、例えば特許公開公報 昭51−14
3667号および米国特許第4366165号明細書に
記載の方法と同様の方法により製造することができる。
【0032】即ち、例えばテトラヘドロン レターズ
(Tetrahedron Letters),473頁(1972年)記載
の方法により、以下の式(Z1):
【化11】 で表されるフェニルアセトニトリル誘導体をカルボアニ
オンの第4級アンモニウム塩とし、クロロホルム、ジク
ロロメタン等の非プロトン溶媒中で、以下の式(Z
2):
【化12】 [式中、Xはハロゲン原子を示し(本明細書中、ハロゲ
ン原子はCl、Br、またはIを意味する)、nおよび
Rは先に定義した通りである。]で表されるハロゲン化
アルキルエステル化合物と反応させることにより、以下
の式(Z3):
【化13】 [式中、nおよびRは先に定義した通りである。]で表
される化合物が得られる。次いで、この化合物を単離、
または単離することなしに、上記文献と同様の反応条件
下にジブロモメタンでブロモメチル化することにより、
以下の式(Z4):
【化14】 [式中、nおよびRは先に定義した通りである。]で表
される臭化物が得られる。
【0033】次に、この臭化物(Z4)と、1H−1,
2,4−トリアゾールを溶媒なしで、またはN,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ア
セトン、アセトニトリル、ジグライム等の有機溶媒中、
またはこれらの混合溶媒中、ナトリウムメチラート、ナ
トリウムエチラート、水素化ナトリウム等の塩基の存在
下に反応させることにより、式(3)で表される目的と
する化合物が得られる。
【0034】以下、本発明の抗原、抗体の作製、及び免
疫学的測定方法について説明する。尚、これらの調製は
公知の方法、例えば続生化学実験講座、免疫生化学研究
法(日本生化学会編)等に記載の方法に従って行うこと
ができる。
【0035】ミクロブタニル誘導体と高分子化合物との
結合体の作製 上述のように合成されたミクロブタニル誘導体を適当な
高分子化合物に結合させてから免疫用抗原として使用す
る。
【0036】好ましい高分子化合物の例としては、スカ
シガイヘモシアニン(以下、「KLH」と言う)、卵白
アルブミン(以下、「OVA]と言う)、ウシ血清アル
ブミン(以下、「BSA」と言う)、ウサギ血清アルブ
ミン(以下、「RSA」と言う)などがあるが、KLH
及びBSAが好ましい。
【0037】ミクロブタニル誘導体と高分子化合物との
結合は、例えば、活性化エステル法(A.E. KARU et a
l.:J. Agric. Food Chem. 42 301-309 (1994))、又は
混合酸無水物法(B.F.Erlanger et al.:J.Biol.Chem. 2
34 1090-1094 (1954))等の公知の方法によって行うこ
とができる。
【0038】活性化エステル法は、一般に以下のように
行うことができる。まず、ハプテン化合物を有機溶媒に
溶解し、カップリング剤の存在下にてN−ヒドロキシコ
ハク酸イミドと反応させ、N−ヒドロキシコハク酸イミ
ドエステルを生成させる。
【0039】カップリング剤としては、縮合反応に慣用
されている通常のカップリング剤を使用でき、例えば、
ジシクロヘキシルカルボジイミド、カルボニルジイミダ
ゾール、水溶性カルボジイミド等が含まれる。有機溶媒
としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(D
MF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジオキサ
ン等が使用できる。反応に使用するハプテン化合物とN
−ヒドロキシコハク酸イミドのモル比は好ましくは1:
10−10:1、より好ましくは、1:1−1:10、
最も好ましくは1:1である。反応温度は、0−100
℃、好ましくは5−50℃、より好ましくは22−27
℃で、反応時間は5分−24時間、好ましくは30分−
6時間、より好ましくは1−2時間である。反応温度は
各々の融点以上沸点以下の温度で行うことができる。
【0040】カップリング反応後反応液を遠心し、上清
液を高分子化合物を溶解した溶液に加え反応させると、
例えば高分子化合物が遊離のアミノ基を有する場合、当
該アミノ基とハプテン化合物のカルボキシル基の間に酸
アミド結合が生成される。反応温度は、0−60℃、好
ましくは5−40℃、より好ましくは22−27℃で、
反応時間は5分−24時間、好ましくは1−16時間、
より好ましくは1−2時間である。反応物を、透析、脱
塩カラム等によって精製して、ミクロブタニル誘導体と
高分子化合物との結合体を得ることができる。
【0041】一方、混合酸無水物法において用いられる
混合酸無水物は、通常のショッテン−バウマン反応によ
り得られ、これを高分子化合物と反応させることにより
目的とするハプテン−高分子化合物結合体が製造され
る。ショッテン−バウマン反応は塩基性化合物の存在下
に行われる。塩基性化合物としてはショッテン−バウマ
ン反応において慣用されている化合物を使用することが
できる。例えば、トリブチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリメチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジ
ン、N,N−ジメチルアニリン、DBN、DBU、DA
BCO等の有機塩基、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、
炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基等
が挙げられる。該反応は、通常マイナス20℃−100
℃、好ましくは0℃−50℃において行われ、反応時間
は5分−10時間、好ましくは5分−2時間である。得
られた混合酸無水物と高分子化合物との反応は、通常マ
イナス20℃−150℃、好ましくは0℃−100℃に
おいて行われ、反応時間は5分−10時間、好ましくは
5分−5時間である。混合酸無水物法は一般に溶媒中で
行われる。溶媒としては、混合酸無水物法に慣用されて
いるいずれの溶媒も使用可能であり、具体的にはジオキ
サン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメト
キシエタン等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホ
ルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸
メチル、酢酸エチル等のエステル類、N,N−ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルリ
ン酸トリアミド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられ
る。混合酸無水物法において使用されるハロ蟻酸エステ
ルとしては、例えばクロロ蟻酸イソブチル、クロロ蟻酸
メチル、ブロモ蟻酸メチル、クロロ蟻酸エチル、ブロモ
蟻酸エチル等が挙げられる。当該方法におけるハプテン
とハロ蟻酸エステルと高分子化合物の使用割合は、広い
範囲から適宜選択され得る。
【0042】また、上記と同様の方法により、酵素等の
標識物質をミクロブタニル誘導体に結合させたものを、
免疫学測定方法において使用することができる。標識物
質としては、西洋わさびペルオキシダーゼ(以下、「H
RP」と言う)、アルカリフォスファターゼ等の酵素、
フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン等の発
色物質、32P、125I等の放射性物質、化学発光物質な
どがある。
【0043】ポリクローナル抗体の作製 ミクロブタニル誘導体と高分子化合物との結合体を使用
して、慣用化された方法により本発明のポリクローナル
抗体を作製することができる。例えば、ミクロブタニル
誘導体−KLH結合体をリン酸緩衝液(以下、「PB
S」と言う)に溶解し、フロイント完全アジュバント又
は不完全アジュバント、あるいはミョウバン等の補助剤
と混合したものを、免疫用抗原として動物に免疫するこ
とによって行う。免疫される動物としては当該分野で常
用されるものをいずれも使用できるが、例えば、マウ
ス、ラット、ウサギ、ヤギ、ウマ等を挙げることができ
る。
【0044】免疫の際の投与法は、皮下注射、腹腔内注
射、静脈内注射、皮下注射、筋肉内注射のいずれでもよ
いが、皮下注射又は腹腔内注射が好ましい。投与は1回
又は適当な間隔で、好ましくは1週間ないし5週間の間
隔で複数回行うことができる。
【0045】免疫した動物から血液を採取し、そこから
分離した血清を用い、ミクロブタニルと反応するポリク
ローナル抗体の存在を評価することができる。
【0046】モノクローナル抗体の作製 ミクロブタニル誘導体と高分子化合物との結合体を使用
して、公知の方法により本発明のモノクローナル抗体を
作製することができる。
【0047】モノクローナル抗体の作製にあたっては、
少なくとも下記のような作業工程が必要である。 (a)免疫用抗原として使用するミクロブタニル誘導体
と高分子化合物との結合体の作製 (b)動物への免疫 (c)血液の採取、アッセイ、及び抗体産生細胞の調製 (d)ミエローマ細胞の調製 (e)抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞融合とハ
イブリドーマの選択的培養 (f)目的とする抗体を産生するハイブリドーマのスク
リーニングと細胞クローニング (g)ハイブリドーマの培養又は動物へのハイブリドー
マの移植によるモノクローナル抗体の調製 (h)調製されたモノクローナル抗体の反応性の測定等
【0048】モノクローナル抗体を産生するハイブリド
ーマを作製するための常法は、例えば、ハイブリドーマ
テクニックス(Hybridoma Techniques),コールド
スプリング ハーバーラボラトリーズ(Cold Spring Ha
rbor Laboratory),1980年版)、細胞組織化学
(山下修二ら、日本組織細胞化学会編;学際企画、19
86年)に記載されている。
【0049】以下、上述の本発明のミクロブタニルに対
するモノクローナル抗体の作製方法を説明するが、これ
に制限されないことは当業者によって明らかであろう。
【0050】(a)−(b)の工程は、ポリクローナル
抗体に関して記述した方法とほぼ同様の方法によって行
うことができる。
【0051】(c)の工程における抗体産生細胞はリン
パ球であり、これは一般には脾臓、胸腺、リンパ節、末
梢血液又はこれらの組み合わせから得ることができるが
脾細胞が最も一般的に用いられる。従って、最終免疫
後、抗体産生が確認されたマウスより抗体産生細胞が存
在する部位、例えば脾臓を摘出し、脾細胞を調製する。
【0052】(d)の工程に用いることができるミエロ
ーマ細胞としては、例えば、Balb/cマウス由来骨
髄腫細胞株のP3/X63−Ag8(X63)(Natur
e,25 6, 495-497 (1975))、P3/X63−Ag8.U
1(P3U1)(Current Topics.in Microbiology and
Immunology, 81 1-7 (1987))、P3/NSI−1−A
g4−1(NS−1)(Eur.J.Immunol., 6, 511-519
(1976))、Sp2/0−Ag14(Sp2/0)(Natu
re 276, 269-270 (1978))、FO(J. Immuno.Meth., 3
5, 1-21 (1980))、MPC−11、X63.653、S
194等の骨髄腫株化細胞、あるいはラット由来の21
0.RCY3.Ag1.2.3.(Y3)(Nature 277, 1
31-133, (1979))等を使用できる。
【0053】上述した株化細胞をウシ胎児血清を含むダ
ルベコ改変イーグル培地(DMEM)又はイスコフ改変
ダルベコ培地(IMDM)で継代培養し、融合当日に約
3×103以上の細胞数を確保する。
【0054】(e)の工程の細胞融合は公知の方法、例
えばミルシュタイン(Milstein)らの方法(Methods in
Enzymology, 73, 3 (1981))等に準じて行うことがで
きる。現在最も一般的に行われているのはポリエチレン
グリコール(PEG)を用いる方法である。PEG法に
ついては、例えば、細胞組織化学、山下修二ら(上述)
に記載されている。別の融合方法としては、電気処理
(電気融合)による方法を採用することもできる(大河
内悦子ら、実験医学 5.1315−19、198
7)。その他の方法を適宜採用することもできる。ま
た、細胞の使用比率も公知の方法と同様でよく、例えば
ミエローマ細胞に対して脾細胞を3−10倍程度用いれ
ばよい。
【0055】脾細胞とミエローマ細胞とが融合し、抗体
産生能及び増殖能を獲得したハイブリドーマ群の選択
は、例えば、ミエローマ細胞株としてヒポキサンチング
アニジンホスホリボシルトランスフェラーゼ欠損株を使
用した場合、例えば上述のDMEMやIMDMにヒポキ
サンチン・アミノプテリン・チミジンを添加して調製し
たHAT培地の使用により行うことができる。
【0056】(f)の工程では、選択されたハイブリド
ーマ群を含む培養上清の一部をとり、例えば後述するE
LISA法により、ミクロブタニルに対する抗体活性を
測定する。
【0057】さらに、測定によりミクロブタニルに反応
する抗体を産生することが判明したハイブリドーマの細
胞クローニングを行う。この細胞クローニング法として
は、限界希釈により1ウェルに1個のハイブリドーマが
含まれるように希釈する方法「限界希釈法」;軟寒天培
地上に撒きコロニーをとる方法;マイクロマニピュレー
ターによって1個の細胞を取り出す方法;セルソーター
によって1個の細胞を分離する「ソータークローン法」
等が挙げられる。限界希釈法が簡単であり、よく用いら
れる。
【0058】抗体価の認められたウェルについて、例え
ば限界希釈法により細胞クローニングを1−4回繰り返
して安定して抗体価の得られたものを、抗ミクロブタニ
ルモノクローナル抗体産生ハイブリドーマ株として選択
する。ハイブリドーマを培養する培地としては、例え
ば、10%ウシ胎児血清を含むDMEM又はIMDM等
が用いられる。ハイブリドーマの培養は、例えば二酸化
炭素濃度5−7%程度及び37℃(100%湿度中の恒
温器中)で培養するのが好ましい。
【0059】(g)の工程で抗体を調製するための大量
培養は、フォローファイバー型の培養装置等によって行
われる。又は、同系統のマウス(例えば、上述のBal
b/c)あるいはNu/Nuマウスの腹腔内でハイブリ
ドーマを増殖させ、腹水液より抗体を調製することも可
能である。
【0060】これらにより得られた培養上清液あるいは
腹水液を抗ミクロブタニルモノクローナル抗体として使
用することができるが、さらに透析、硫酸アンモニウム
による塩析、ゲル濾過、凍結乾燥等を行い、抗体画分を
集め精製することにより抗ミクロブタニルモノクローナ
ル抗体を得ることができる。さらに高度な精製が必要な
場合には、イオン交換カラムクロマトグラフィー、アフ
ィニティークロマトグラフィー、高速液体クロマトグラ
フィー(HPLC)などの慣用されている方法を組合わ
せることにより実施できる。
【0061】以上のようにして得られた抗ミクロブタニ
ルモノクローナル抗体は、例えば後述するELISA法
などの公知の方法を使用して、サブクラス、抗体価等を
決定することができる。
【0062】抗体によるミクロブタニルの測定 本発明で使用する抗体によるミクロブタニルの測定方法
としては、放射性同位元素免疫測定方法(RIA法)、
ELISA法(Engvall,E., Methods in Enzymol., 7
0, 419-439 (1980))、蛍光抗体法、プラーク法、スポ
ット法、凝集法、オクタロニー(Ouchterlon
y)法等の一般に抗原の検出に使用されている種々の方
法(「ハイブリドーマ法とモノクローナル抗体」、株式
会社R&Dプラニング発行、第30頁−第53頁、昭和
57年3月5日)が挙げられる。感度、簡便性等の観点
からELISA法が汎用されている。
【0063】ミクロブタニルの測定は各種ELISA法
のうち、例えば間接競合阻害ELISA法により、以下
のような手順により行うことができる。(a)まず、抗
原であるミクロブタニル誘導体と高分子化合物との結合
体を担体に固相化する。(b)抗原が吸着していない固
相表面を抗原と無関係な、例えばタンパク質によりブロ
ッキングする。(c)これに各種濃度のミクロブタニル
を含む試料及び抗体を加え、該抗体を前記固相化抗原及
び遊離ミクロブタニルに競合的に反応させて、固相化抗
原−抗体複合体及び遊離ミクロブタニル−抗体複合体を
生成させる。(d)固相化抗原−抗体複合体の量を測定
することにより、予め作成した検量線から試料中の遊離
ミクロブタニルの量を決定することができる。
【0064】(a)工程において、抗原を固相化する担
体としては、特別な制限はなく、ELISA法において
常用されるものをいずれも使用することができる。例え
ば、ポリスチレン製の96ウェルのマイクロタイタープ
レートが挙げられる。
【0065】抗原を担体に固相化させるには、例えば、
抗原を含む緩衝液を担体上に載せ、インキュベーション
すればよい。緩衝液としては公知のものが使用でき、例
えば、ダルベコのリン酸緩衝液を挙げることができる。
緩衝液中の抗原の濃度は広い範囲から選択できるが、通
常0.01−100μg/ml程度、好ましくは0.05
−5μg/mlが適している。また、担体として96ウ
ェルのマイクロタイタープレートを使用する場合には、
300μl/ウェル以下で20−150μl/ウェル程
度が望ましい。更に、インキュベーションの条件にも特
に制限はないが、通常4℃程度で一晩インキュベーショ
ンが適している。
【0066】(b)工程のブロッキングは、抗原(ミク
ロブタニル誘導体と高分子化合物との結合体)を固相化
した担体において、ミクロブタニル誘導体部分以外に後
で添加する抗体が吸着され得る部分が存在する場合があ
り、もっぱらそれを防ぐ目的で行われる。ブロッキング
剤として、例えば、BSAやスキムミルク溶液を使用で
きる。あるいは、ブロックエース(「Block Ac
e」、大日本製薬社製、コードNo.UK−25B)等
のブロッキング剤として市販されているものを使用する
こともできる。具体的には、限定されるわけではない
が、例えば抗原を固相化した部分に、ブロッキング剤を
含む緩衝液[例えば、1%BSAと60mM NaCl
を添加した85mM ホウ酸緩衝液(pH8.0)]を
適量加え、約4℃−室温で、1時間−5時間インキュベ
ーションした後、緩衝液で洗浄することにより行われ
る。洗浄液としては特に制限はないが、例えば、60m
M NaClを添加したホウ酸緩衝液を用いることがで
きる。
【0067】次いで(c)工程において、ミクロブタニ
ルを含む試料と抗体を固相化抗原と接触させ、抗体を固
相化抗原及び遊離ミクロブタニルと反応させることによ
り、固相化抗原−抗体複合体及び遊離ミクロブタニル−
抗体複合体が生成する。
【0068】この際、抗体としては、第一抗体として本
願発明のミクロブタニルに対する抗体を加え、更に第二
抗体として標識物質を結合した第一抗体に対する抗体を
順次加えて反応させる。
【0069】第一抗体は緩衝液に溶解して添加する。限
定されるわけではないが、反応は、37℃程度で約1時
間行えばよい。反応終了後、緩衝液で担体を洗浄し、未
反応の第一抗体を除去する。洗浄液としては、例えば、
60mM NaClを添加したホウ酸緩衝液を用いるこ
とができる。
【0070】次いで第二抗体を添加する。例えば第一抗
体としてマウスモノクローナル抗体を用いる場合、酵素
(例えば、ペルオキシダーゼ又はアルカリホスファター
ゼ等)を結合した抗マウス抗体−ヤギ抗体を用いるのが
適当である。担体に結合した第一抗体に約500−10
000倍、好ましくは最終吸光度が4以下、より好まし
くは0.5−3.0となるように希釈した第二抗体を反
応させるのが望ましい。希釈には緩衝液を用いる。限定
されるわけではないが、反応は室温で約1時間行い、反
応後、緩衝液で洗浄する。以上の反応により、第二抗体
が第一抗体に結合する。また、標識した第一抗体を用い
てもよく、その場合、第二抗体は不要である。
【0071】次いで(d)工程において担体に結合した
第二抗体の標識物質と反応する発色基質溶液を加え、吸
光度を測定することによって検量線からミクロブタニル
の量を算出することができる。
【0072】第二抗体に結合する酵素としてペルオキシ
ダーゼを使用する場合には、例えば基質として過酸化水
素、発色試薬として3,3',5,5'−テトラメチルベン
チジンまたはo−フェニレンジアミン(以下、「OP
D」と言う)を使用する。限定されるわけではないが、
発色溶液を加え室温で約10分間反応させた後、1Nの
硫酸を加えることにより酵素反応を停止させる。3,
3',5,5'−テトラメチルベンチジンを使用する場合、
450nmの吸光度を測定する。OPDを使用する場
合、490nmの吸光度を測定する。一方、第二抗体に
結合する酵素としてアルカリホスファターゼを使用する
場合には、例えばp−ニトロフェニルリン酸を基質とし
て発色させ、2NのNaOHを加えて酵素反応を止め、
415nmでの吸光度を測定する方法が適している。
【0073】遊離のミクロブタニルを添加しない反応溶
液の吸光度に対して、ミクロブタニルを添加して抗体と
反応させた溶液の吸光度の減少率を阻害率として計算す
る。既知の濃度のミクロブタニルを添加した反応液の阻
害率により予め作成しておいた検量線を用いて、試料中
のミクロブタニルの濃度を算出できる。
【0074】上述した間接競合阻害ELISA法によれ
ば、本発明のモノクローナル抗体MCB2−23は約
0.8−50ng/ml、MCB3−33は約0.4−
6.3ng/ml、MCB7−14は約1.6−12.
5ng/ml、MCB31−2は、約0.8−12.5
ng/mlの範囲で測定できる(実施例5、図1)。中
でも、MCB3−33が最も反応性が高い。
【0075】あるいは、ミクロブタニルの測定は、例え
ば以下に述べるような本発明のモノクローナル抗体を用
いた直接競合阻害ELISA法によって行うこともでき
る。 (a)まず、本発明のモノクローナル抗体を担体に固相
化する。 (b)抗体が固相化されていない担体表面を抗原と無関
係な、例えばタンパク質によりブロッキングする。 (c)上記工程とは別に、各種濃度のミクロブタニルを
含む試料に、ミクロブタニル誘導体と酵素を結合させた
酵素結合ハプテンを加えた混合物を調製する。 (d)上記混合物を上記抗体固相化担体と反応させる。 (e)固相化抗体−酵素結合ハプテン複合体の量を測定
することにより、あらかじめ作成した検量線から試料中
のミクロブタニルの量を決定する。
【0076】(a)工程においてモノクローナル抗体を
固相化する担体としては、特別な制限はなくELISA
法において常用されるものを用いることができ、例えば
96ウェルのマイクロタイタープレートが挙げられる。
モノクローナル抗体の固相化は、例えばモノクローナル
抗体を含む緩衝液を担体上にのせ、インキュベートする
ことによって行える。緩衝液の組成・濃度は前述の間接
競合阻害ELISA法と同様のものを採用できる。ある
いは、アミノ基結合型のマイクロタイタープレートに化
学結合法を用いて抗体を結合させたものを使用すること
もできる。
【0077】(b)工程のブロッキングは、抗体を固相
化した担体において、後に添加する試料中のミクロブタ
ニル及び酵素結合ハプテンが抗原抗体反応とは無関係に
吸着される部分が存在する場合があるので、それを防ぐ
目的で行う。ブロッキング剤及びその方法は、前述の間
接競合阻害ELISA法と同様のものを使用できる。
【0078】(c)工程において用いる酵素結合ハプテ
ンの調製は、ミクロブタニル誘導体を酵素に結合する方
法であれば、特に制限なくいかなる方法で行ってもよ
い。例えば、前述した活性化エステル法を採用すること
ができる。調製した酵素結合ハプテンは、ミクロブタニ
ルを含む試料と混合する。
【0079】(d)工程において当該混合物を抗体固相
化担体に接触させ、混合物中のミクロブタニルと酵素結
合ハプテンとの競合阻害反応により、これらと固相化抗
体との複合体が生成する。ミクロブタニルを含む試料は
適当な緩衝液で希釈して使用する。限定されるわけでは
ないが、反応は例えば室温でおよそ1時間行う。反応終
了後、緩衝液で担体を洗浄し、未反応の酵素結合ハプテ
ンを除去する。洗浄液は、例えば60mM NaClを
添加したホウ酸緩衝液を使用することができる。
【0080】さらに、(e)工程において酵素結合ハプ
テンの酵素に反応する発色基質溶液を前述の間接競合阻
害ELISA法と同様に加え、吸光度を測定することに
より検量線からミクロブタニルの量を算出することがで
きる。
【0081】本発明のモノクローナル抗体MCB3−3
3は、直接競合阻害ELISA法によってミクロブタニ
ルを約0.2−12ng/mlの範囲で測定するするこ
とができる(実施例8、図2)。モノクローナル抗体M
CB3−33は非常に特異性が高く、ミクロブタニルと
のみ反応し、他の類縁化合物、例えば、ヘキサコナゾー
ル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、トリアジメノ
ールとはほとんど反応しない(実施例9 表2)。
【0082】本発明の抗体のメタノール耐性 本発明の一態様であるモノクローナル抗体MCB3−3
3はさらに、上述した直接競合阻害ELISA法によれ
ば0−約20%の濃度のメタノール存在下においてミク
ロブタニルを濃度依存的に認識できる(実施例8、図
2)。ミクロブタニルは有機溶媒に易溶性であり、一般
に分析はメタノール等の有機溶媒中で行われることを考
慮すると、本発明のモノクローナル抗体のこのような特
性は非常に有効である。
【0083】本発明の抗体の交差反応性 上述した直接競合阻害ELISA法または間接競合阻害
ELISA法により、本発明のモノクローナル抗体の交
差反応性を調べることができる。MCB3−33は、例
えば直接競合阻害ELISA法において類縁化合物、例
えば、ヘキサコナゾール、ペンコナゾール、プロピコナ
ゾール、トリアジメノールとは1%以下しか交差反応し
ない。したがって、MCB3−33はミクロブタニルと
特異性が高い(実施例9 表2)。
【0084】以下、実施例によって本発明を具体的に説
明するが、これらは本発明の技術的範囲を限定するため
のものではない。当業者は本明細書の記載に基づいて容
易に本発明に修飾、変更を加えることができ、それらは
本発明の技術的範囲に含まれる。
【0085】
【実施例】実施例1 ミクロブタニル誘導体の合成
【化15】
【0086】7−(4−クロロフェニル)−7−シアノ
ヘプタン酸 エチルエステル(1)の合成 4−クロロフェニルアセトニトリル9.0g(60mm
ol)と6−ブロモヘキサン酸 エチルエステル13.
2g(60mmol)をジクロロメタン30mlに溶解
した。この溶液に30mlの水に溶解した水酸化ナトリ
ウム9.6g(240mmol)の溶液と0.3gの塩
化テトラブチルアンモニウムを加え、激しく撹拌しなが
ら還流下に6時間反応させた。反応混合物に100ml
のジクロロメタンを加え、ジクロロメタン層を水洗い
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濾液を濃
縮した。残渣を真空蒸留に付し、11.4g(収率65
%)の目的物を無色の油状物質として得た。 沸点:230℃/7mmHg。
【0087】8−ブロモ−7−(4−クロロフェニル)
−7−シアノオクタン酸 エチルエステル(2)の合成 N,N−ジメチルホルムアミド30ml中の60%水素
化ナトリウム0.8g(20mmol)懸濁液に7−
(4−クロロフェニル)−7−シアノヘプタン酸エチル
エステル(1)5.3g(18mmol)を加え、室温
で30分間撹拌した。この溶液をN,N−ジメチルホル
ムアミド30ml中のジブロモメタン6.3g(36m
mol)にマイナス10℃から0℃で加えた。室温下に
1時間撹拌後、この混合物に5mlの水を注意深く加
え、トルエンで抽出した。トルエン層を水洗い後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮した。
残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘキサン:
酢酸エチル=5:1)で精製し、4.8g(収率69
%)の目的物を無色の油状物質として得た。
【0088】7−(4−クロロフェニル)−7−シアノ
−8−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)オ
クタン酸 エチルエステル(3)の合成 N,N−ジメチルホルムアミド25ml中の60%水素
化ナトリウム0.55g(14mmol)の懸濁液に、
1H−1,2,4−トリアゾール1.0g(14mmo
l)を加え、室温で30分間撹拌した。この溶液にジメ
チルホルムアミド20ml中の8−ブロモ−7−(4−
クロロフェニル)−7−シアノオクタン酸エチルエステ
ル(2)4.2g(11mmol)を加え、120℃で
6時間撹拌した。反応混合物に5mlの水を注意深く加
え、トルエンで抽出した。トルエン層を水洗い後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濾液を濃縮した。
残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル:メ
タノール=20:1)で精製し、2.6g(収率63
%)の目的物を油状物質として得た。
【0089】7−(4−クロロフェニル)−7−シアノ
−8−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)オ
クタン酸 (4)の合成 エタノール30mlに7−(4−クロロフェニル)−7
−シアノ−8−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−
イル)オクタン酸 エチルエステル(3)2.5g
(6.6mmol)を溶解した。この溶液に水10ml
に溶かした水酸化ナトリウム1.0g(25mmol)
の溶液を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物を濃
縮し、残渣を40mlの水に溶解した。この水溶液に5
Nの塩酸を徐々に加えてpH5.5にし、酢酸エチルで
抽出した。酢酸エチル層を水洗いし、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣を薄層クロマト
グラフィー(酢酸エチル:メタノール=10:1)で精
製し、1.5g(65%)の目的物を結晶として得た。 融点;117−119℃1 H NMR(DMSO−D6,ppm) 1.00(1H,m) 1.28(3H,m) 1.43(2H,m) 2.12(4H,m) 4.86(2H,q) 7.43(2H,d) 7.49(2H,d) 7.93(1H,s) 8.20(1H,s) 11.99(1H,s)
【0090】実施例2:ミクロブタニル誘導体と高分子
化合物との結合体の作製 ミクロブタニル誘導体とKLHまたはBSAとの結合体
を以下のように活性化エステル法によって作製した。
【0091】実施例1によって作製されたミクロブタニ
ル誘導体の3.5μmolをDMSO 50μlに溶解
した。次に、N−ヒドロキシこはく酸イミド5μmol
をDMSO 10μlに溶解したものを、前記ミクロブ
タニル誘導体を含む溶液に添加した。さらに1−エチル
−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
塩酸塩(4μmol)をDMSO20μlに溶解したも
のを添加した。室温にて1.5時間反応させた後、この
反応溶液に85mMホウ酸緩衝液(pH8.0)500
μlに溶解したKLHあるいはBSA10mgを、さら
に添加し、再び室温にて1.5時間反応させた。反応終
了後ダルベコのリン酸緩衝液(以下、「PBS(−)」
という)に対して透析し、ミクロブタニル誘導体−KL
H結合体、ミクロブタニル誘導体−BSA結合体を各々
調製した。
【0092】実施例3:免疫感作 免疫は、Balb/cマウスを用いた。実施例2で調製
したミクロブタニル誘導体−KLH結合体100μgを
PBS(−)50μlに溶解した。これを等量のフロイ
ント完全アジュバントと乳化混合した後、マウスの腹腔
内に接種した。1カ月後に初回免疫の1/4量を追加免
疫し、さらにその10日後に追加免疫と同量を最終免疫
した。
【0093】実施例4:モノクローナル抗体の作製 細胞融合は、実施例3の最終免疫後3日目のマウスの脾
細胞を用いて行った。ステンレスメッシュで大きな固形
物を除去しながら、DMEM中に取り出した脾細胞をD
MEMにて3回洗浄した。次いで、マウスのミエローマ
細胞P3−X63−Ag8.653と細胞数の比で5:
1(脾細胞:ミエローマ細胞)になるように混合し、遠
心(1,200rpm、5分間)して細胞残渣を集め
た。この細胞残渣に予め37℃に加温しておいた50%
ポリエチレングリコール(分子量1,500)1mlを
加え、細胞を融合した。次いで、DMEM10mlを徐
々に添加し、ウシ胎児血清(以下、「FBS」という)
1mlを更に添加することにより、融合を停止した。D
MEMにて1回洗浄後、10%FBSを添加したDME
Mにヒポキサンチン(100μM)、アミノプテリン
(0.4μM)、およびチミジン(16μM)を添加し
たHAT培地に懸濁し、96ウェルのポリスチレンプレ
ートに2×105細胞/ウェルで分注し、37℃、5%
二酸化炭素存在下で10日−14日間培養した。培養
後、ウェル中の抗体活性の有無をそれぞれスクリーニン
グした。
【0094】抗体活性は、実施例2で調製したミクロブ
タニル誘導体−BSA結合体を用いたELISA法にて
測定した。まずPBS(−)に溶解したミクロブタニル
誘導体−BSA結合体(4μg/ml)を96ウェルの
マイクロタイタープレートに100μl/ウェルで添加
し、4℃で1晩静置することにより、固相化した。次に
300μl/ウェルでブロッキング緩衝液[1%BSA
と60mMNaClを添加した85mMホウ酸緩衝液
(pH8.0)]に置き換え、室温で1時間ブロッキン
グした。このウェルを洗浄液(60mM NaClを添
加したホウ酸緩衝液)で洗浄した後、ハイブリドーマの
培養上清を100μl/ウェルで加え、室温で1時間反
応した。洗浄液で3回洗浄した後、第二抗体希釈液
[0.3%BSAと60mM NaClを添加した85
mMホウ酸緩衝液(pH8.0)]で1000倍希釈し
たペルオキシダーゼ結合抗マウスIgG抗体(カペル社
製)を100μl/ウェルで添加し、室温で1時間反応
した。洗浄液で3回洗浄した後、ペルオキシダーゼの基
質溶液[3,3'5,5'−テトラメチルベンチジン(10
0μg/ml)、0.006%過酸化水素を添加した
0.1M 酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)]で10
分間発色し、1N硫酸で反応停止後450nmの吸光度
を測定した。
【0095】抗体活性を示したウェル中のハイブリドー
マは、限界希釈法によって細胞クローニングし、モノク
ローナル抗体を産生しているハイブリドーマを選択し
た。
【0096】これらの結果、表1に示したとおり、ミク
ロブタニル誘導体−BSA結合体に反応するモノクロー
ナル抗体を産生するハイブリドーマを4株(MCB2−
23、MCB3−33、MCB7−14、MCB31−
2)分離した。
【0097】
【表1】
【0098】これらのうちMCB3−33を、平成9年
3月12日に寄託番号FERM P−16130として
工業技術院生命工学工業技術研究所(〒305 茨城県
つくば市東1丁目1番3号)に寄託した。
【0099】実施例5:間接競合阻害ELISA法にお
ける各モノクローナル抗体のミクロブタニルとの反応性 実施例4で得られた4株のハイブリドーマが産生するモ
ノクローナル抗体(以後モノクローナル抗体は、これら
を産生するハイブリドーマと同一名称を用いる)とミク
ロブタニルとの反応性を間接競合阻害ELISA法によ
って検討した。
【0100】まず実施例4に示したELISA法と同様
に固相化し、ブロッキングしたマイクロタイタープレー
トへ、希釈液[150mMNaClを添加した85mM
ホウ酸緩衝液(pH8.0)]で適当な濃度に希釈した
ミクロブタニル溶液を50μl/ウェルで加え、その後
直ちに、同じ希釈液で適当な濃度に希釈した抗体溶液を
50μl/ウェルで加えて混合し、室温で1時間反応し
た。3回洗浄した後、実施例4に示したELISA法と
同様の方法で第二抗体と反応させ、発色後、450nm
の吸光度を測定した。得られた吸光度から以下の式:
【化16】 を用いて阻害率を算出し、各モノクローナル抗体のミク
ロブタニルに対する反応性を調べた。
【0101】結果は、図1に示すように、MCB2−2
3が約0.8−50ng/ml、MCB3−33が約
0.4−6.3ng/ml、MCB7−14が約1.6
−12.5ng/ml、MCB31−2が約0.8−1
2.5ng/mlの測定範囲でミクロブタニルと反応し
た。従って、これらの抗体はすべてミクロブタニルと反
応し、中でもMCB3−33が最も反応性の高いことが
明らかとなった。
【0102】実施例6:モノクローナル抗体の精製 抗体精製は、ミクロブタニルと反応性の最も高かったM
CB3−33について行った。まず、ハイブリドーマを
DMEMに10%FBSを添加したDMEM培地を用い
て培養し、その培養上清に50%飽和となるように硫安
を加え、4℃で1時間撹拌した。生じた沈殿物にPBS
(−)を加えて可溶化した後、PBS(−)で透析し、
プロテインG(ファルマシア社製)カラムクロマトグラ
フィーによって精製した。回収率は、実施例4に記載し
たELISA法で確認した結果、ほぼ95%だった。ま
た、純度もSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動で、
少なくとも90%以上であった。
【0103】実施例7:ミクロブタニル誘導体とHRP
との結合体の作製 実施例2と同様の活性化エステル法により、実施例1で
作製したミクロブタニル誘導体とHRPとの結合体を作
製した。
【0104】ミクロブタニル誘導体1.25μmolを
DMSO 50μlに溶解した。この溶液へDMSOに
溶解したN−ヒドロキシこはく酸イミド(5.5μmo
l)3μl、および1−エチル−3−(3−ジメチルア
ミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(3.5μmo
l)7μlを加え、室温にて1時間反応させた。この反
応液に1M炭酸水素ナトリウム40μlを加え、更にH
RP溶液(20mg/ml)250μlを加えて混合
し、室温にて3時間反応した。得られた反応液を、ゲル
濾過カラム(セファデックスG−25)に通して、ペル
オキシダーゼ画分を得て、ミクロブタニル誘導体−HR
P結合体とした。
【0105】実施例8:直接競合阻害ELISA法にお
けるモノクローナル抗体MCB3−33のミクロブタニ
ルとの反応性およびメタノール耐性 実施例6で精製したモノクローナル抗体MCB3−33
を用いて、ミクロブタニルとの反応性を直接競合阻害E
LISA法で検討した。直接競合阻害ELISA法は、
以下の手順で実施した。
【0106】まず実施例6で精製したMCB3−33を
4μg/mlの濃度で50mM炭酸ナトリウム緩衝液
(pH8.3)に溶解し、96ウェルのマイクロタイタ
ープレートに100μl/ウェルで加えた後、4℃で1
晩静置することにより固相化した。つぎに300μl/
ウェルでブロッキング緩衝液に置き換え、室温で1時間
ブロッキングした。一方、これとは別に最終濃度が0か
ら30%となるようにメタノールを添加した希釈液で適
当な濃度に調整したミクロブタニルとミクロブタニル誘
導体−HRP結合体を混合した。これらの混合液を先に
ブロッキングしたプレートに200μl/ウェルで加え
た後、室温にて1時間反応した。洗浄液で5回洗浄した
後、実施例4に示したELISA法と同様の方法で発色
させ、450nmの吸光度を測定した。
【0107】結果は、図2に示したように、メタノール
濃度にかかわらず、約0.2−12ng/mlの測定範
囲でミクロブタニルと反応し、20%メタノールまで
は、ほぼ同じ測定感度でミクロブタニルを測定出来た。
【0108】実施例9:モノクローナル抗体MCB3−
33のミクロブタニル類縁化合物との交差反応性 実施例8に示した条件のうち、競合反応時のメタノール
の最終濃度を0%としてMCB3−33のミクロブタニ
ルや類縁化合物との交差反応性を調べた。結果は、化合
物未添加時の反応を50%阻害する化合物の濃度を各々
IC50値として、表2に示した。
【0109】
【表2】
【0110】表2から明らかなとおり、MCB3−33
を用いた直接競合阻害ELISAにおいて、その他の類
縁化合物とはほとんど反応しなかった。従って、MCB
3−33はミクロブタニルと特異的に反応することが明
らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の各モノクローナル抗体の間接
競合阻害ELISA法によるミクロブタニルとの反応性
を示す。
【図2】図2は、本発明のモノクローナル抗体MCB3
−33の直接競合阻害ELISA法によるミクロブタニ
ルとの反応性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 33/53 G01N 33/53 G J //(C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 弘中 孝史 東京都港区浜松町1丁目27番14号 株式 会社環境免疫技術研究所内 (72)発明者 山口 優樹 東京都港区浜松町1丁目27番14号 株式 会社環境免疫技術研究所内 (72)発明者 別府 佳紀 東京都港区浜松町1丁目27番14号 株式 会社環境免疫技術研究所内 (56)参考文献 Pesticide Biochem istry and Physiolo gy vol.30(1988)p.199−213 J.Agric.Food.Che m.vol30(1995)p.2083−2091 Acta Phytopatholo gica et entmologic a Hugarica vol.31 (1996)p.293−301 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/08 C07K 16/44 C12P 21/08 BIOSIS(DIALOG) CA(STN) CAPLUS(STN) JICSTファイル(JOIS) MEDLINE(STN) REGISTRY(STN) WPI(DIALOG)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の式(1): 【化1】 [式(1)中、nは1−10の整数である]で表される
    構造を有する化合物と高分子化合物又は標識物質との結
    合体であって、前記化合物のカルボキシル基部位に高分
    子化合物又は標識物質が結合している、前記結合体。
  2. 【請求項2】以下の式(1): 【化2】 [式(1)中、nは1−10の整数である]で表される
    構造を有する化合物のカルボキシル基部位に高分子化合
    物を結合させることにより抗原を作製し、当該抗原を用
    いることにより、以下の式(2): 【化3】 で表される構造を有する化合物に反応性を示す抗体を製
    造することを特徴とする、式(2)の化合物に反応性を
    示す抗体、あるいは前記抗体のフラグメントであって式
    (2)の化合物に反応性を示す前記フラグメント、の製
    造方法。
  3. 【請求項3】以下の式(1): 【化4】 [式(1)中、nは1−10の整数である]で表される
    構造を有する化合物と高分子化合物との結合体であっ
    て、前記化合物のカルボキシル基部位に高分子化合物が
    結合している、前記結合体を抗原として用いることによ
    り製造された、以下の式(2): 【化5】 の化合物に反応性を示す抗体、あるいは前記抗体のフラ
    グメントであって式(2)の化合物に反応性を示す前記
    フラグメント、ここにおいて、前記抗体及びフラグメン
    トは、間接競合ELISA法において50ng/ml濃
    度以下の式(2)の化合物を検出可能である、前記抗体
    又はフラグメント。
  4. 【請求項4】モノクローナル抗体である、請求項3に記
    載の抗体又はそのフラグメント。
  5. 【請求項5】MCB3−33である、請求項3又は4に
    記載の抗体又はそのフラグメント。
  6. 【請求項6】請求項3ないし5のいずれか1項に記載の
    抗体又はそのフラグメントを産生するハイブリドーマ。
  7. 【請求項7】寄託番号FERM P−16130で寄託
    されている、請求項6に記載のハイブリドーマ。
  8. 【請求項8】請求項3ないし5のいずれか1項に記載の
    抗体又はそのフラグメントを用いることを特徴とする、
    以下の式(2): 【化6】 で表される化合物の免疫学的測定方法。
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