JPWO2004022546A1 - ジャスモン酸の生合成を阻害する物質 - Google Patents

ジャスモン酸の生合成を阻害する物質 Download PDF

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Abstract

8−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリルエトキシ]オクタン酸ヘプチルやそれに類似する化合物を提供する。これらの化合物は、植物内におけるジャスモン酸の生合成を特異的に阻害し、雄性不稔化、花粉管伸長阻害、切花の鮮度保持、開花期間延長、花粉形成抑制、発芽促進、除草、花粉の飛散防止などの作用を有する。これらの作用の中でも、花粉形成抑制及び花粉の飛散防止作用は特に着目すべきものであり、これらの作用を利用し、スギなどの花粉症原因植物の花粉の飛散を抑制し、花粉症の発生を低減させることが可能である。

Description

本発明は、植物のジャスモン酸生合成を特異的に阻害する物質及びその用途、並びにジャスモン酸の生合成を特異的に阻害する物質のスクリーニング方法に関するものである。
ジャスモン酸は、古くから存在が知られており、その生物活性について盛んに研究されてきた、糸状菌から高等植物まで広く植物界に分布する物質である。近年になって、植物の生育・生長に様々な生理作用を示す植物ホルモンであることがわかった(Annu.Rev.Plant Physiol.Plant Mol.Biol.44,569−589)。特に、花粉の形成(Proc Natl Acad Sci USA.97,10625−10630)、発芽調節、花と果実の形成に重要な役割を果たしている(Proc Natl Acad Sci USA.92,4114−4119)。さらに、病原菌に対する抵抗性(Proc Natl Acad Sci USA.87,7713−7116)、傷害応答(Nature 383,826−829)などにおいて、ジャスモン酸はシグナル伝達物質として中心的な役割を果たしていることが明らかにされてきた。即ち、ジャスモン酸の作用を抑制すると、花粉形成、花粉管伸長抑制、雄性不稔、開花期間延長、発芽促進、耐病性の低下、および/またはストレス応答機能の低下がもたらされることが示唆されている。
これらの知見から、植物におけるジャスモン酸の作用を人為的に制御することができれば、植物の生長を所望の通りに調節することができると考えられる。
ジャスモン酸欠損植物(ジャスモン酸生合成遺伝子の破壊に基づく手法で得られたジャスモン酸欠損植物)は、シロイヌナズナをはじめ複数種の植物で得られているが、これらの植物においては、植物の全生育期におけるあらゆるジャスモン酸の生理活性が遮断されてしまうため、ジャスモン酸の種々の生理活性のうち所望の活性のみを対象として阻害することは不可能であり、所望でない形質がもたらされることも考えられる。また各植物種についてそれぞれ欠損系列を開発する必要があり、その開発に時間がかかり、その欠損系列の維持にもコストがかかるという欠点もある。
最もよく研究されている植物ホルモンの1つであるジベレリンは、その生合成の特異的阻害物質を用いた研究から、その生理的機能が詳細に解明された。ジャスモン酸についても、その生合成の特異的阻害物質が開発されれば、対象とするジャスモン酸の生理活性が作用する生育段階・時期においてのみ、該阻害物質を作用させることによって、ジャスモン酸の特定の生理活性のみを抑制することが可能となると考えられる。また、このような阻害物質は、内因性生理活性物質の生理的機能を知る上で非常に有効であり、ジャスモン酸の機能を理解するための新たな手段としても、その開発が期待される。
しかし、ジャスモン酸生合成経路(図1参照)が、図1に示すようなカスケードであると判明したのは比較的最近であり、ジャスモン酸生合成経路を特異的に阻害する方法に関する知見は未だ報告されておらず、該経路に関与するいずれの酵素を阻害すればジャスモン酸の生合成を特異的かつ有効に阻害することができるかということは、実際に各酵素に対する阻害剤を用いる実験的実証に依らざるを得ないのが現状である。
本発明は、ジャスモン酸生合成阻害の標的として有効な酵素を選択し、ジャスモン酸の生合成を特異的に阻害する物質を特定することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、ジャスモン酸生合成経路(図1)を検討し、植物のジャスモン酸生合成経路を特異的かつ効果的に阻害するためには、アレンオキシド合成酵素(Allene oxide synthetase、以下「AOS」という)を阻害することが有効であろうという考えに想到した。AOSがジャスモン酸生合成を制御する最も重要なステップに係わっていることは、該生合成経路に関与する酵素の機能解析の結果から示されていたが(Plant J.15,675−684)、さらに、最近AOSのノックアウトを用いた研究からAOSがジャスモン酸生合成に必須であることが示唆された(Plant J.31,1−12)。このことより、AOSの特異的阻害剤の開発は、ジャスモン酸生合成経路の阻害剤として有望であると考えた。
AOSはチトクロムP450酵素であることが明らかにされている(Science 252,781−784)。しかし、現在AOSの阻害物質として報告されているものはなく、本発明者らは、AOSの触媒周期を基に、チトクロムP450酵素を阻害する物質として最もよく使われているイミダゾール系化合物を中心に阻害剤の設計を行ない、AOSを阻害する化合物を集中的に探索した。その結果、AOS阻害活性を有する化合物を見出し、該化合物を用いてジャスモン酸の生理活性に対する作用を検討することにより、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、以下の発明を包含する。
1.下記の式(I):
Figure 2004022546
〔式中、Rは、C−Cアルキル基、置換されていてもよいビフェニリル基(当該置換基は下記置換基群Aから選ばれる置換基である。)、置換されていてもよいフェニル基(当該置換基は下記置換基群Aから選ばれる置換基である。)を示し、Xは、酸素原子、硫黄原子、イミノ基、メチレン基を示し、
は、置換されていてもよいC−C12アルキル基(当該置換基は下記置換基群Bから選ばれる置換基である。)、置換されていてもよいC−C12アルケニル基(当該置換基は下記置換基群Bから選ばれる置換基である。)、C−C40アルコキシカルボニルアルキル基、C−C40アルキルアミノカルボニルアルキル基、置換されていてもよいフェニル基(当該置換基は下記置換基群Aから選ばれる置換基である。)を示し、
Yは、C−Cのアルキレン基、又はYが存在せずにCHとRが直接結合していることを示し、
は、イミダゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基、ピリミジル基を示し、
置換基群Aは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、及びC−Cハロアルコキシ基からなる群であり、
置換基群Bは、置換されていてもよいフェニル基(当該置換基は上記置換基群Aから選ばれる置換基である。)、置換されていてもよいフェノキシ基(当該置換基は上記置換基群Aから選ばれる置換基である。)、及び置換されていてもよいピリジル基(当該置換基は上記置換基群Aから選ばれる置換基である。)からなる群である。〕
で表される化合物及びその塩。
2.請求項1記載の化合物を有効成分として含有する農薬組成物。
3.請求項1記載の化合物を有効成分として含有するジャスモン酸生合成阻害剤。
4.請求項1記載の化合物を有効成分として含有する雄性不稔化剤。
5.請求項1記載の化合物有効成分として含有する花粉管伸長阻害剤。
6.請求項1記載の化合物を有効成分として含有する切花用鮮度保持剤。
7.請求項1記載の化合物を有効成分として含有する開花期間延長剤。
8.請求項1記載の化合物を有効成分として含有する花粉形成抑制剤。
9.請求項1記載の化合物を有効成分として含有する発芽促進剤。
10.請求項1記載の化合物を有効成分として含有する除草剤。
11.請求項1記載の化合物と除草活性を有する他の化合物とを含有する除草剤。
12.請求項1記載の化合物を有効成分として含有する花粉飛散防止剤。
13.植物を請求項1記載の化合物で処理することを特徴とするジャスモン酸の生合成阻害方法。
14.植物を請求項1記載の化合物で処理することを特徴とする雄性不稔化方法。
15.花粉を請求項1記載の化合物で処理することを特徴とする花粉管伸長阻害方法。
16.切花を請求項1記載の化合物で処理することを特徴とする鮮度保持方法。
17.植物を請求項1記載の化合物で処理することを特徴とする開花期間延長方法。
18.植物を請求項1記載の化合物で処理することを特徴とする花粉形成抑制方法。
19.種子を請求項1記載の化合物で処理することを特徴とする発芽促進方法。
20.植物を請求項1記載の化合物で処理することを特徴とする除草方法。
21.植物を請求項1記載の化合物と除草活性を有する他の化合物とで処理することを特徴とする除草方法。
22.植物を請求項1記載の化合物で処理することを特徴とする花粉飛散防止方法。
23.被検物質を植物由来のアレンオキシド合成酵素と接触させる工程及び、植物由来のアレンオキシド合成酵素の活性を阻害した被検物質を選択する工程を含むジャスモン酸の生合成を特異的に阻害する物質のスクリーニング方法。
以下、本発明を詳細に説明する。
上記式(I)において、Rは、C−Cアルキル基、置換されていてもよいビフェニリル基(当該置換基は下記置換基群Aから選ばれる置換基である。)、置換されていてもよいフェニル基(当該置換基は下記置換基群Aから選ばれる置換基である。)を示し、Xは、酸素原子、硫黄原子、イミノ基、メチレン基を示し、Rは、置換されていてもよいC−C12アルキル基(当該置換基は下記置換基群Bから選ばれる置換基である。)、置換されていてもよいC−C12アルケニル基(当該置換基は下記置換基群Bから選ばれる置換基である。)、C−C40アルコキシカルボニルアルキル基、C−C40アルキルアミノカルボニルアルキル基、置換されていてもよいフェニル基(当該置換基は下記置換基群Aから選ばれる置換基である。)を示し、Yは、C−Cのアルキレン基、又はYが存在せずにCHとRが直接結合していることを示し、Rは、イミダゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基、ピリミジル基を示し、置換基群Aは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、及びC−Cハロアルコキシ基からなる群であり、置換基群Bは、置換されていてもよいフェニル基(当該置換基は上記置換基群Aから選ばれる置換基である。)、置換されていてもよいフェノキシ基(当該置換基は上記置換基群Aから選ばれる置換基である。)、及び置換されていてもよいピリジル基(当該置換基は上記置換基群Aから選ばれる置換基である。)からなる群である。
における「C−Cアルキル基」とは、炭素数1〜8個の直鎖又は分枝鎖アルキル基であり、例えば、tert−ブチル、イソプロピル、n−ブチル、n−ヘプチル、メチルであり、好適には、tert−ブチル、イソプロピル、n−ブチルであり、更に好適には、tert−ブチル、イソプロピルである。
における「置換されていてもよいビフェニリル基」とは、ビフェニリル基(主として4−ビフェニリル基)のほか、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、後述の「C−Cアルキル基」、後述の「C−Cアルコキシ基」、後述の「C−Cハロアルキル基」、及び後述の「C−Cハロアルコキシ基」からなる群から選ばれる同一又は異なった置換基により置換されたビフェニリル基であり、例えば、2,6−ジクロロ−4−ビフェニリル、2−クロロ−4−ビフェニリルであり、好適には、2,6−ジクロロ−4−ビフェニリルである。
における「置換されていてもよいフェニル基」とは、フェニル基のほか、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、後述の「C−Cアルキル基」、後述の「C−Cアルコキシ基」、後述の「C−Cハロアルキル基」、及び後述の「C−Cハロアルコキシ基」からなる群から選ばれる同一又は異なった置換基により置換されたフェニル基であり、例えば、2,4−ジクロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、4−クロロフェニルであり、好適には、2,4−ジクロロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、4−クロロフェニルであり、更に好適には、2,4−ジクロロフェニル、2,4−ジフルオロフェニルである。
における「C−C12アルキル基」とは、炭素数1〜12個の直鎖又は分枝鎖アルキル基であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ノニル、ヘプチル、ペンチルであり、好適には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ノニル、ヘプチルであり、更に好適には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ノニルである。
における「置換されていてもよいC−C12アルキル基」とは、前述の「C1−12アルキル基」のほか、後述の「置換されていてもよいフェニル基」、後述の「置換されていてもよいフェノキシ基」、及び後述の「置換されていてもよいピリジル基」からなる群から選ばれる同一又は異なった置換基により置換された「C−C12アルキル基」であり、例えば、フェニルメチル、3−フェニルプロピル、2−フェノキシエチル、2−クロロフェニルメチル、4−クロロフェニルメチル、6−クロロ(3−ピリジル)メチル、2,3−ジクロロフェニルメチル、2,4−ジクロロフェニルメチル、2,6−ジクロロフェニルメチル、3,5−ジフルオロフェニルメチル、2,6−ジフルオロフェニルメチル、2,5−ジクロロフェニルメチルであり、好適には、フェニルメチル、3−フェニルプロピル、2−フェノキシエチル、2−クロロフェニルメチル、4−クロロフェニルメチル、6−クロロ(3−ピリジル)メチル、2,3−ジクロロフェニルメチル、2,4−ジクロロフェニルメチル、2,6−ジクロロフェニルメチル、3,5−ジフルオロフェニルメチル、2,6−ジフルオロフェニルメチルであり、更に好適には、フェニルメチル、3−フェニルプロピル、2−フェノキシエチル、2−クロロフェニルメチル、4−クロロフェニルメチル、6−クロロ(3−ピリジル)メチル、2,3−ジクロロフェニルメチル、2,4−ジクロロフェニルメチル、2,6−ジクロロフェニルメチル、3,5−ジフルオロフェニルメチルである。
における「C−C12アルケニル基」とは、炭素数1〜12個の直鎖又は分枝鎖アルケニル基であり、例えば、アリル、3−メチル−2−ブテニル、ヘプテニル、オクテニルであり、好適には、アリル、3−メチル−2−ブテニル、オクテニルであり、更に好適には、3−メチル−2−ブテニル、オクテニルである。
における「置換されていてもよいC−C12アルケニル基」とは、前述の「C−C12アルケニル基」のほか、後述の「置換されていてもよいフェニル基」、後述の「置換されていてもよいフェノキシ基」、及び後述の「置換されていてもよいピリジル基」からなる群から選ばれる同一又は異なった置換基により置換された「C−C12アルケニル基」であり、例えば、フェニルビニル、2−クロロフェニルビニル、4−クロロフェニルビニル、2,4−ジクロロフェニルビニル、フェノキシビニル、3−フェニルアリル、3−(2−クロロフェニル)アリル、3−(4−クロロフェニル)アリル、3−(2,4−ジクロロフェニル)アリル、3−フェノキシアリル、好適には、フェニルビニル、2−クロロフェニルビニル、4−クロロフェニルビニル、2,4−ジクロロフェニルビニル、フェノキシビニルであり、更に好適には、フェニルビニルである。
における「C−C40アルコキシカルボニルアルキル基」とは、炭素数3〜40個の直鎖又は分枝鎖アルコキシカルボニルアルキル基であり、例えば、エトキシカルボニルブチル、エトキシカルボニルペンチル、メトキシカルボニルヘプチル、プロポキシカルボニルヘプチル、ブトキシカルボニルヘプチル、3−メチルブトキシカルボニルヘプチル、ヘプトキシカルボニルヘプチル、エトキシカルボニルウンデカニル、ヘキソキシカルボニルヘプチル、ヘプトキシカルボニルヘプチル、ヘプトキシカルボニルオクチルであり、好適には、プロポキシカルボニルヘプチル、ブトキシカルボニルヘプチル、3−メチルブトキシカルボニルヘプチル、ヘプトキシカルボニルヘプチル、エトキシカルボニルウンデカニル、ヘキソキシカルボニルヘプチル、ヘプトキシカルボニルヘプチル、ヘプトキシカルボニルオクチルであり、更に好適にはヘプトキシカルボニルヘプチル、エトキシカルボニルウンデカニル、ヘキソキシカルボニルヘプチル、ヘプトキシカルボニルヘプチル、ヘプトキシカルボニルオクチルである。
における「C−C40アルキルアミノカルボニルアルキル基」とは、炭素数3〜40個の直鎖又は分枝鎖アルキルアミノカルボニルアルキル基であり、例えば、エチルアミノカルボニルメチル、ヘプチルアミノカルボニルエチル、ヘプチルアミノカルボニルオクチルであり、好適には、ヘプチルアミノカルボニルエチル、ヘプチルアミノカルボニルオクチルであり、更に好適には、ヘプチルアミノカルボニルオクチルある。
における「置換されていてもよいフェニル基」とは、フェニル基のほか、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、後述の「C−Cアルキル基」、後述の「C−Cアルコキシ基」、後述の「C−Cハロアルキル基」、及び後述の「C−Cハロアルコキシ基」からなる群から選ばれる同一又は異なった置換基により置換されたフェニル基であり、例えば、フェニルブチル、フェニルプロピル、フェニルエチルであり、好適には、フェニルブチル、フェニルプロピルであり、更に好適には、フェニルブチルである。
Yにおける「C−Cアルキレン基」とは、炭素数1〜4個の直鎖又は分枝鎖アルキレン基であり、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレンであり、好適には、メチレン、エチレンであり、更に好適には、メチレンである。
置換基群Aにおける「ハロゲン原子」とは、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、好適には、フッ素原子、塩素原子であり、更に好適には、塩素原子である。
置換基群Aにおける「C−Cアルキル基」とは、炭素数1〜4個の直鎖又は分枝鎖アルキル基であり、例えば、ブチル、プロピル、イソプロピル、エチル、メチルであり、好適には、ブチル、プロピル、イソプロピル、エチルであり、更に好適には、ブチル、プロピル、イソプロピルである。
置換基群Aにおける「C−Cアルコキシ基」とは、炭素数1〜4個の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基であり、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシであり、好適には、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシであり、更に好適には、エトキシ、プロポキシ、ブトキシである。
置換基群Aにおける「C−Cハロアルキル基」とは、炭素数1〜4個の直鎖又は分枝鎖ハロアルキル基であり、例えば、クロロメチル、1−クロロエチル、2−クロロブチル、2−クロロプロピルであり、好適には、1−クロロエチル、2−クロロブチル、2−クロロプロピルであり、更に好適には、2−クロロブチル、2−クロロプロピルである。
置換基群Aにおける「C−Cハロアルコキシ基」とは、炭素数1〜4個の直鎖又は分枝鎖ハロアルコキシ基であり、例えば、1−クロロエトキシ、2−クロロブトキシ、3−クロロブトキシ、1−クロロエトキシ、2−クロロプロポキシであり、好適には、2−クロロブトキシ、3−クロロブトキシ、1−クロロエトキシ、2−クロロプロポキシであり、更に好適には、2−クロロブトキシ、3−クロロブトキシ、2−クロロプロポキシである。
置換基群Bにおける「置換されていてもよいフェニル基」とは、フェニル基のほか、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、前述の「C−Cアルキル基」、前述の「C−Cアルコキシ基」、前述の「C−Cハロアルキル基」、及び前述の「C−Cハロアルコキシ基」からなる群から選ばれる同一又は異なった置換基により置換されたフェニル基であり、例えば、2−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、4−ニトロフェニル、3−シアノフェニルであり、好適には、4−クロロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、4−ニトロフェニル、3−シアノフェニルであり、更に好適には、4−クロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、4−ニトロフェニル、3−シアノフェニルである。
置換基群Bにおける「置換されていてもよいフェノキシ基」とは、フェノキシ基のほか、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、前述の「C−Cアルキル基」、前述の「C−Cアルコキシ基」、前述の「C−Cハロアルキル基」、及び前述の「C−Cハロアルコキシ基」からなる群から選ばれる同一又は異なった置換基により置換されたフェノキシ基であり、例えば、2−クロロフェノキシ、4−クロロフェノキシ、2,3−ジクロロフェノキシ、2,4−ジクロロフェノキシ、2,6−ジクロロフェノキシ、3,5−ジフルオロフェノキシ、4−ニトロフェノキシ、3−シアノフェノキシであり、好適には、4−クロロフェノキシ、2,3−ジクロロフェノキシ、2,4−ジクロロフェノキシ、2,6−ジクロロフェノキシ、3,5−ジフルオロフェノキシ、4−ニトロフェノキシ、3−シアノフェノキシであり、更に好適には、4−クロロフェノキシ、2,4−ジクロロフェノキシ、2,6−ジクロロフェノキシ、3,5−ジフルオロフェノキシ、4−ニトロフェノキシ、3−シアノフェノキシである。
置換基群Bにおける「置換されていてもよいピリジル基」とは、ピリジル基のほか、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、前述の「C−Cアルキル基」、前述の「C−Cアルコキシ基」、前述の「C−Cハロアルキル基」、及び前述の「C−Cハロアルコキシ基」からなる群から選ばれる同一又は異なった置換基により置換されたフェノキシ基であり、例えば、6−クロロ(3−ピリジル)、2−クロロ(4−ピリジル)、3−クロロ(4−ピリジル)であり、好適には、6−クロロ(3−ピリジル)、3−クロロ(4−ピリジル)であり、更に好適には、6−クロロ(3−ピリジル)である。
本発明には、式(I)で表される化合物だけでなく、その塩も含まれる。そのような塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩などを例示できる。
本発明において、Rは、好適には、C−Cアルキル基、ビフェニリル基、塩素原子で置換されていてもよいフェニル基であり、更に好適には、tert−ブチル基、ビフェニリル基、フェニル基、2,4−ジクロロフェニル基であり、特に好適には、2,4−ジクロロフェニル基である。
本発明において、Xは、好適には、酸素原子である。
本発明において、Rは、好適には、C−C10アルキル基、C−Cアルケニル基、C−C16アルコキシカルボニルアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基で置換されたC−Cアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいフェノキシ基で置換されたC−Cアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいピリジル基で置換されたC−Cアルキル基であり、更に好適には、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−メチル−2−ブテニル基、エトキシカルボニルブチル基、エトキシカルボニルペンチル基、メトキシカルボニルヘプチル基、プロポキシカルボニルヘプチル基、ブトキシカルボニルヘプチル基、3−メチルブトキシカルボニルヘプチル基、ヘプトキシカルボニルヘプチル基、エトキシカルボニルウンデカニル基、ヘキソキシカルボニルヘプチル基、フェニルメチル基、3−フェニルプロピル基、2−フェノキシエチル基、2−クロロフェニルメチル基、4−クロロフェニルメチル基、6−クロロ(3−ピリジル)メチル基、2,3−ジクロロフェニルメチル基、2,4−ジクロロフェニルメチル基、2,6−ジクロロフェニルメチル基、3,5−ジフルオロフェニルメチル基であり、特に好適には、ブチル基、ノニル基、アリル基、3−メチル−2−ブテニル基、エトキシカルボニルブチル基、エトキシカルボニルペンチル基、メトキシカルボニルヘプチル基、プロポキシカルボニルヘプチル基、ブトキシカルボニルヘプチル基、3−メチルブトキシカルボニルヘプチル基、ヘプトキシカルボニルヘプチル基、エトキシカルボニルウンデカニル基、ヘキソキシカルボニルヘプチル基、フェニルメチル基、3−フェニルプロピル基、2−フェノキシエチル基、2−クロロフェニルメチル基、4−クロロフェニルメチル基、6−クロロ(3−ピリジル)メチル基、2,3−ジクロロフェニルメチル基、2,4−ジクロロフェニルメチル基、2,6−ジクロロフェニルメチル基、3,5−ジフルオロフェニルメチル基であり、最も好適には、ヘプトキシカルボニルヘプチル基である。
本発明において、Yは、好適には、メチレン基又はYが存在せずにCHとRが直接結合していることであり、更に好適には、メチレン基である。
本発明において、Rは、好適には、イミダゾリル基である。
式(I)で表される化合物としては、1−[2−アリロキシ−2−(2,4−ジクロロフェニル)−エチル]−1H−イミダゾール(化合物1)、1−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(3−メチル−2−ブテニルオキシ)−エチル]−1H−イミダゾール(化合物2)、1−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−ノニロキシ−エチル]−1H−イミダゾール(化合物3)、1−[2−ブトキシ−2−(2,4−ジクロロフェニル)−エチル]−1H−イミダゾール(化合物4)、5−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリルエトキシ]ペンタン酸エチル(化合物5)、6−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリルエトキシ]ヘキサン酸エチル(化合物6)、8−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリルエトキシ]オクタン酸メチル(化合物7)、8−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリルエトキシ]オクタン酸プロピル(化合物8)、8−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリルエトキシ]オクタンサ酸ブチル(化合物9)、8−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリルエトキシ]オクタンサ酸3−メチルブチル(化合物10)、8−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリルエトキシ]オクタン酸ヘプチル(化合物11)、11−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリルエトキシ]ウンデカン酸エチル(化合物12)、1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリル−1−(フェニルメトキシ)エタン(化合物13)、1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリル−1−(3−フェニルプロポキシ)エタン(化合物14)、[1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリル](2−フェノキシエトキシ)メタン(化合物15)、1−(2,4−ジクロロフェニル)−1−[(2−クロロフェニル)メトキシ]−2−イミダゾリルエタン(化合物16)、1−(2,4−ジクロロフェニル)−1−[(4−クロロフェニル)メトキシ]−2−イミダゾリルエタン(化合物17)、1−(2,4−ジクロロフェニル)−1−[(6−クロロ(3−ピリジル)メトキシ]−2−イミダゾリルエタン(化合物18)、1−(2,4−ジクロロフェニル)−1−[(2,3−ジクロロフェニル)メトキシ]−2−イミダゾリルエタン(化合物19)、1−(2,4−ジクロロフェニル)−1−[(2,4−ジクロロフェニル)メトキシ]−2−イミダゾリルエタン(化合物20)、1−(2,4−ジクロロフェニル)−1−[(2,6−ジクロロフェニル)メトキシ]−2−イミダゾリルエタン(化合物21)、1−(2,4−ジクロロフェニル)−1−[(3,5−ジフルオロフェニル)メトキシ]−2−イミダゾリルエタン(化合物22)、8−(1−ビフェニル−4−イル−2−[1,2,4]−トリアゾール−1−イル−エトキシ)−オクタン酸ヘプチル(化合物23)、8−(1−ビフェニル−4−イル−2−[1,2,4]−トリアゾール−1−イル−エトキシ)−オクタン酸メチル(化合物24)、8−(1−ビフェニル−4−イル−2−イミダゾール−1−イル−エトキシ)−オクタン酸ヘプチル(化合物25)、8−(2−イミダゾール−1−イル−1−フェニル−エトキシ)−オクタン酸ヘプチル(化合物26)、8−(2−イミダゾール−1−イル−1−フェニル−エトキシ)−オクタン酸メチル(化合物27)、8−[(2,4−ジクロ−フェニル)−ピリミジン−5−イル−メトキシ]−オクタン酸ヘプチル(化合物28)、8−(1−イミダゾール−1−イルメチル−2,2−ジメチル−プロポキシ)−オクタン酸ヘキシル(化合物29)、8−[1−(2,4−ジクロロ−フェニル)−2−ピリミジン−5−イル−エトキシ]−オクタン酸ヘプチルなどを例示できる。これらの化合物の中では、1−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−ノニロキシ−エチル]−1H−イミダゾール(化合物3)、1−[2−ブトキシ−2−(2,4−ジクロロフェニル)−エチル]−1H−イミダゾール(化合物4)、6−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリルエトキシ]ヘキサン酸エチル(化合物6)、8−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリルエトキシ]オクタン酸メチル(化合物7)、8−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリルエトキシ]オクタン酸プロピル(化合物8)、8−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリルエトキシ]オクタンサ酸ブチル(化合物9)、8−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリルエトキシ]オクタンサ酸3−メチルブチル(化合物10)、8−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリルエトキシ]オクタン酸ヘプチル(化合物11)、1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリル−1−(フェニルメトキシ)エタン(化合物13)、1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリル−1−(3−フェニルプロポキシ)エタン(化合物14)が好適であり、8−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリルエトキシ]オクタン酸ヘプチル(化合物11)が最も好適である。
式(I)で表される化合物は、例えば、以下のような方法で製造することができる。
Figure 2004022546
上記式中、R、R、R、X、Yは前記と同意義を示し、Zはハロゲン原子を示す。
式(I)で表される化合物は、式(II)で表される化合物を、溶媒及び塩基の存在下で、式(III)で表される化合物と反応させることにより、製造される。
使用される塩基は特に限定されないが、例えば、水素化ナトリウム、ブチルリチムなどを使用することができる。
使用される塩基の量は特に限定されないが、式(II)で表される化合物1molに対し、通常1.0〜1.2mol程度である。
使用される溶媒は、反応を阻害せず、式(II)及び式(III)で表される化合物をある程度溶解できるものであれば特に限定されず、例えば、DMF、THF、ジエチルエーテルなどを使用することができる。
使用される溶媒の量は特に限定されないが、式(II)で表される化合物1molに対し、通常0.2〜1リットル程度である。
反応温度は特に限定されないが、通常0〜40℃であり、好適には0〜25℃である。
反応時間は特に限定されないが、通常2〜24時間であり、好適には2〜4時間である。
式(II)で表される化合物は、市販のものを用いるか、あるいはGodefroi、E.F.らの方法(J.Med.Chem.12,784−791)に従って製造することができる。
式(III)で表される化合物は、市販のものを用いるか、あるいはアルコール化合物を塩化チオニル、或いはPClと反応させることにより製造することができる。
上記反応終了後、式(I)で表される化合物は、常法に従って反応混合物から採取することができる。例えば、減圧により溶媒を留去した後、水と混和しない有機溶媒を加え、水で洗浄した後、乾燥させることにより、式(I)で表される化合物を得ることができる。また、得られた式(I)で表される化合物は、クロマトグラフィーなどによって更に精製してもよい。
本発明の化合物(式(I)で表される化合物及びその塩)は、農薬組成物として利用することができる。本明細書において、「農薬組成物」とは、植物(種子、花粉、切花なども含む)に対し何らかの作用効果を与える組成物をいう。
本発明の農薬組成物は、ジャスモン酸の生合成阻害を目的として使用され、より具体的には、例えば、(1)雄性不稔化、(2)花粉管伸長阻害、(3)切花の鮮度保持、(4)開花期間延長、(5)花粉形成抑制、(6)発芽促進、(7)除草、(8)花粉の飛散防止、などの目的に使用される。
本発明の農薬組成物の対象とする植物は、ジャスモン酸を生合成する植物全てを含むが、特に、単子葉/双子葉を問わず高等植物が好ましい。
さらに、両性花を有する植物(限定はされないが、イネおよびダイズを含む)の1代雑種(F1)植物を作製するためには、本発明の農薬組成物を植物に投与し花粉形成抑制および/または雄性不稔を誘導し、交配させようとする他の植物から得た花粉を、該植物に受粉するとよい。従来は、両性花のF1植物を効率的に得るためには、花のおしべを成熟前に除去するという作業のために、非常に労力を要していたため、これらのF1植物を圃場規模で作製することは、要する労力が膨大であり、実際には実施困難であった。本発明の農薬組成物を投与することによって、花粉形成および/または雄性不稔化を確実かつ簡便に抑制することができるため、非常に簡便かつ効率的にF1植物を得ることができる。該組成物は、噴霧・散布等により広範囲に簡便に投与できる。そして得られた雄性不稔化植物に、交配させようとする植物から得た花粉を大規模散布するだけで、両性花を有する植物のF1植物を圃場規模で作製することができる。
また、本発明の農薬組成物を動物の花粉症を誘発する原因となる植物(スギなど)に投与することにより、該植物の花粉形成が抑制でき、大気中に飛散する花粉の量が低減されるために、花粉症の抑制(患者の減少および/または症状の緩和)に有効であると考えられる。さらに、鑑賞用植物(例えば、ユリ)の中には、大きな葯から多量の花粉が飛散して、花びらや衣服を汚損するものがある。このような植物においては、花粉形成が抑制されることにより鑑賞用植物としての価値、商業的価値が向上すると考えられる。このような花粉の飛散防止は、花粉形成の抑制だけでなく、葯の開裂抑制によっても達成される。
さらに、本発明の農薬組成物を植物の開花期に投与することにより、開花期間の延長、すなわち植物が花をつけた状態で長く維持させることが可能となり、このことは、鑑賞用植物の商品価値を向上させる等の利点がある。また、この開花期間延長効果は、切り花に対しても有効であり、本発明の農薬組成物を使用することにより、切り花を開花した良好な状態で長期間維持(鮮度保持)することが可能になる。
加えて、ジャスモン酸は植物の種子の休眠に関与していることがわかっており、本発明の農薬組成物の投与によって、長期間の保存等により発芽能の低下した種子の休眠を打破し、発芽を促進し得る。
また、上述のように、本発明の農薬組成物の投与により、植物の耐病性および/またはストレス応答機能が低下することから、本発明の農薬組成物は除草活性を有し得る。また、駆除したい植物種(有害植物など)に特異的に作用する除草剤(特異的な病原物質を含む)を本発明の農薬組成物と共に投与することにより、該植物の除草剤によるストレスおよび/または病気に対する抵抗性が低減される結果、除草剤の効果が増強され、より少量の除草剤で、駆除したい植物種のみを選択的に除去できる。
本発明の農薬組成物は、直接噴霧可能な水溶液、粉末、懸濁液、そして高度に濃縮された水性、油性もしくは他の懸濁液もしくは分散液、エマルジョン、油分散液、ペースト、粉塵、散布用材料、又は顆粒の形態で、噴霧、霧化、散粉、散布又は生育土壌もしくは水に混入させるなど、任意の方法によって植物に投与することができる。また、後述の助剤および他の成分と混合して用いることもできる。組成物の形態、投与方法等は、対象とする制御標的、標的植物の種及び生長段階に応じて適宜選択することができる。例えば、植物の花粉形成の抑制を目的とする場合、花形成期および/もしくは花粉形成期またはその直前に、化合物を適切な濃度(例えば10μMなど)で含む水溶液を花に噴霧するか、または水と混合させて吸収させるとよい。開花期間の延長を目的とする場合は、開花直前または開花期に同様に投与するとよい。また、発芽促進を目的とする場合は、種子に噴霧もしくは塗布するか、種子を化合物の水溶液に浸漬されるなどの形態で適用するとよい。さらに、除草を目的とする場合は、除去したい植物の発芽前または発芽後の任意の時点で、任意の方法で投与するとよい。他の除草剤と共に用いる場合は、その除草剤と同時に投与してもよく、また連続的に投与してもよい。本明細書中に用いる「除草剤」という用語は、当技術分野で公知のあらゆる除草活性を有する薬剤または植物に対する病原物質を指し、対象とする植物種およびその生育段階によって異なるが、当業者であれば適切なもの(例えば、通常よく使用されている光要求型除草剤、光合成阻害剤など)を選択できる。
適切な助剤は、限定はされないが、以下の:
中〜高沸点の鉱油留分、例えば灯油及びディーゼル油、さらにコールタール油及び植物もしくは動物起源の油、脂肪族、環状及び芳香族炭化水素、例えばパラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレン及びそれらの誘導体、アルキル化ベンゼン及びそれらの誘導体、アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール及びシクロヘキサノール、ケトン、例えばシクロヘキサノン、強い極性溶媒、例えばN−メチルピロリドンのようなアミン及び水などが挙げられる。
水性使用形態は、水を添加することによって、エマルジョン濃縮液、懸濁液、ペースト、水和剤又は水分散性顆粒から調製することができる。エマルジョン、ペースト又は油分散液を調製するため、本発明の化合物を、それ自体、又は油もしくは溶媒に溶解した状態とし、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤又は乳化剤によって水中に均一化することができる。その代わりに、活性成分の化合物、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤又は乳化剤および/または溶媒もしくは油を含んでなる濃縮液を調製することができ、これらの濃縮液は水での希釈に適する。適切な界面活性剤(アジュバント)も該組成物に含まれてよい。
適切な助剤は、当業者が、用途に応じて適切に選択することができる。
粉末、散布用材料及び粉塵の形態の該組成物は、活性成分の化合物を固体担体と共に混合するか、又は粉砕することによって調製することができる。
顆粒、例えば、被覆顆粒、含浸顆粒及び均質顆粒は、活性成分を固体担体に結合させることによって調製することができる。固体担体は鉱物性土壌(mineral earths)、例えば、シリカ、シリカゲル、ケイ酸塩、タルク、カオリン、石灰石、石灰、チョーク、陶土、黄土、粘土、ドロマイト、珪藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、粉砕合成材料、肥料、例えば硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素、並びに植物起源の製品、例えば穀物粉、樹皮粉、木粉及び木の実の殻の粉、セルロース粉末、又は他の固体担体であってよいが、これらに限定はされない。
本発明の化合物またはその塩の濃度は様々であってよい。一般には、これらの製剤は少なくとも1種類の活性成分を約0.05〜0.1重量%、好ましくは0.25〜0.5%含む。
さらに、本発明の農薬組成物は、活性成分化合物を単独で、もしくは他の除草剤と組み合わせて、混合物の形態で適用することもできる。
本発明の化合物を上記のように植物に投与することにより、該植物のジャスモン酸生合成を抑制する方法も本発明の範囲内である。ジャスモン酸の生合成を抑制することにより、該植物の花粉形成抑制、花粉管伸長抑制、雄性不稔誘導、切花の鮮度保持、開花期間延長、発芽促進、耐病性低下、耐病性低下およびストレス応答機能低下からなる群より選択される1種以上の作用を植物に誘導する方法もまた、本発明に包含される。
本発明には、上記化合物や上記農薬組成物などのほかに、被検物質を植物由来のAOSと接触させる工程及び、植物由来のAOSの活性を阻害した被検物質を選択する工程を含むジャスモン酸の生合成を特異的に阻害する物質のスクリーニング方法も包含される。このようなスクリーニング方法における標的酵素としてAOSが好適な理由は以下の通りである。
植物のストレス応答や花粉機能発現などの生理現象を調節することは、農業生産、園芸、環境対策などさまざまな分野に大きなインパクトを与えることを期待させる。ジャスモン酸は、これらの生理現象において中心的な役割を果たすシグナル伝達物質として知られ、これはすなわち、ジャスモン酸シグナルの調節によって、植物のストレス応答や花粉機能発現の調節が達成されることを示す。また、ジャスモン酸シグナルを調節する手段としては、生合成を特異的に阻害する阻害剤が有効なツールとなりうる。
ジャスモン酸は、図1に示したように、不飽和脂肪酸であるレノリン酸を出発物質として生合成される。ジャスモン酸生合成機能解析研究により、生合成中間体である12−oxophytodienoic acid(OPDA)および15,16−dihydro−12−oxophytodienoic acid(OPC8:0)がジャスモン酸と同様に二次代謝産物誘導活性を示す(Phytochemistry,47,527−537)。また、ストレス応答においても、OPDAがジャスモン酸と相補的な役割を果たす(Proc Natl Acad Sci USA 98,12837−12842)。以上の研究により、OPDAやOPC8:0など五員環骨格を合成された生合成中間体が、ジャスモン酸シグナル伝達系に機能することが示唆されている。故に、ジャスモン酸シグナルを遮断する目的の阻害剤を設計するためには、OPDAが合成される前の生合成ステップに着目する必要がある。即ち、AOC,AOS,LOXに着目することになる。この三つの候補のうちLOXは、その産物が幾つかの生合成経路の基質になるので、ジャスモン酸生合成特異的な阻害剤を創製するという観点からは、望ましいターゲットではないと判断される。また、AOCについては、その生合成基質が極めて不安定であり、実験室で扱うことが困難である。以上のことから、AOSがジャスモン酸シグナルを遮断するための生合成阻害剤の最適なターゲットであることが導かれる。
第1図は、ジャスモン酸の生合成経路を示す図である。
第2図は、化合物11を含む培地中で培養されたシロイヌナズナを示す写真である。
第3図は、化合物11を噴霧したシロイヌナズナの花を示す写真である。
第4図は、化合物11を含む溶液に入れたタバコの花粉を示す写真である。
第5図は、化合物11を含む溶液中に差した切り花の菊を示す写真である。
8−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリルエトキシ]−オクタン酸ヘプチル(化合物11)
Figure 2004022546
1−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−(2,4−ジクロロフェニル)エタノール(1.0g,3.9mmol)(ACROS ORGANICS社製)のDMF溶液(3mL)を攪拌しながら、室温にて水素化ナトリウム(0.156g,3.9mmol)を徐々に加えた。反応溶液を攪拌しながら40℃で30分間攪拌した。そして、−15℃に冷却した後、反応混合物を8−ブロモオクタン酸ヘプチルエステル(1.25g,3.9mmol)のDMF溶液に加えて、続けて室温で攪拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた後、残渣をクロロホルムで希釈した。クロロホルム層を水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにより乾燥させた。シリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1;v:v)により精製し、0.48g(収率29.8%)の上記化合物(淡黄色の油分)を得た。
Light yellow oil.H NMR(CDCl)δ0.88(t,J=3.3Hz,3H),1.27−1.40(m,10H),1.51−1.71(m,10H),2.29(t,J=7.2Hz,2H),3.20−3.24(m,1H),3.29−3.35(m,1H),3.98(dd,J=7.4,14.6Hz,1H),4.03−4.19(m,3H),4.81(dd,J=2.6,7.3Hz,1H),6.92(s,1H),7.02(s,1H),7.26(s,2H),7.41(s,1H),7.45(s,1H).ESI−MS m/e 498(M+H).Anal.calcd for C2638Cl:C,62.77;H,7.70;N,5.63;Cl,14.25.Found:C,62.85;H,7.85;N,5.83;Cl,14.34.
1−[2−アリロキシ−2−(2,4−ジクロロフェニル)−エチル]−1H−イミダゾール(化合物1)
Figure 2004022546
上記化合物を実施例1記載の方法に準じて合成した。
Light yellow oil.H NMR(CDCl)δ3.74(dd,J=5.9,12.8Hz,1H),3.93(dd,J=5.1,12.8Hz,1H),4.02(dd,J=7.3,14.2Hz,1H),4.19(dd,J=2.6,14.3Hz,1H),4.93(dd,J=2.6,7.3Hz,1H),5.15−5.20(m,2H),5.70−5.80(m,1H),6.92(s,1H),7.02(s,1H),7.27(s,2H),7.42(s,1H),7.45(s,1H).ESI−MS m/e 297(M+H).Anal.calcd for C1414ClO:C,56.58;H,4.75;N,9.43;Cl,23.86.Found:C,56.48;H,4.80;N,9.49;Cl,23.96.
1−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(3−メチル−2−ブテニルオキシ)−エチル]−1H−イミダゾール(化合物2)
Figure 2004022546
上記化合物を実施例1記載の方法に準じて合成した。
Light yellow oil.H NMR(CDCl)δ1.50(s,3H),1.71(s,3H),3.75(dd,J=7.9,10.9Hz,1H),3.87(dd,J=6.4,10.9Hz,1H),3.98(dd,J=7.3,14.3Hz,1H),4.15(dd,J=2.6,14.3Hz,1H),4.91(dd,J=2.5,7.3Hz,1H),5.19(br,1H),6.92(s,1H),7.02(s,1H),7.27(s,2H),7.41(s,1H),7.45(s,1H).ESI−MS m/e 326(M+H).Anal.calcd for C1618ClO:C,59.09;H,5.58;N,8.61;Cl,21.80.Found:C,58.96;H,5.45;N,8.72;Cl,21.88.
1−[2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−ノニロキシ−エチル]−1H−イミダゾール(化合物3)
Figure 2004022546
上記化合物を実施例1記載の方法に準じて合成した。
Light yellow oil.H NMR(CDCl)δ0.88(t,J=7.0Hz 3H),1.25(br,16H),1.49−1.56(m,2H),3.19−3.25(m,1H),3.32−3.35(m,1H),3.98(dd,J=7.4,14.6Hz,1H),4.17(dd,J=2.7,14.5Hz,1H),4.83(dd,J=2.7,7.4Hz,1H),6.92(s,1H),7.01(s,1H),7.25(s,2H),7.41(s,1H),7.45(s,1H).ESI−MS m/e 412(M+H)+.Anal.calcd for C2028ClO:C,62.66;H,7.36;N,7.30;Cl,18.50.Found:C,62.58;H,7.29;N,7.25;Cl,18.55.
1−[2−ブトキシ−2−(2,4−ジクロロフェニル)−エチル]−1H−イミダゾール(化合物4)
Figure 2004022546
上記化合物を実施例1記載の方法に準じて合成した。
Light yellow oil.H NMR(CDCl)δ0.88(t,J=7.5Hz 3H),1.25−1.37(m,2H),1.48−1.55(m,2H),3.20−3.26(m,1H),3.31−3.36(m,1H),3.97(dd,J=7.5,14.6Hz,1H),4.17(dd,J=2.6,14.3Hz,1H),4.83(dd,J=2.7,7.3Hz,1H),6.92(t,J=1.3Hz,1H),7.01(d,J=1.1Hz,1H),7.25(s,2H),7.41(s,1H),7.45(s,1H).ESI−MS m/e 314(M+H).Anal.calcd for C1518ClO:C,57.52;H,5.79;N,8.94;Cl,22.64.Found:C,57.53;H,5.70;N,8.96;Cl,22.69.
5−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリルエトキシ]ペンタン酸エチル(化合物5)
Figure 2004022546
上記化合物を実施例1記載の方法に準じて合成した。
Light yellow oil.H NMR(CDCl)δ1.26(t,J=7.1Hz,3H),1.55−1.66(m,2H),2.28(t,J=7.1Hz,2H),3.21−3.26(m,1H),3.32−3.37(m,1H),3.98(dd,J=7.3,14.6Hz,1H),4.11−4.20(m,3H),4.84(dd,J=2.6,7.3Hz,1H),6.92(s,1H),7.02(s,1H),7.25(s,2H),7.41(s,1H),7.45(s,1H).ESI−MS m/e 385(M+H).Anal.calcd for C1822Cl:C,56.11;H,5.76;N,7.27;Cl,18.40.Found:C,56.11;H,5.70;N,7.30;Cl,18.56.
6−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリルエトキシ]ヘキサン酸エチル(化合物6)
Figure 2004022546
上記化合物を実施例1記載の方法に準じて合成した。
Light yellow oil.H NMR(CDCl)δ1.25(t,J=7.2Hz,3H),1.55−1.66(m,4H),2.27(t,J=7.2Hz,2H),3.19−3.24(m,1H),3.31−3.37(m,1H),3.97(dd,J=7.3,14.6Hz,1H),4.10−4.29(m,3H),4.83(dd,J=2.6,7.3Hz,1H),6.92(s,1H),7.02(s,1H),7.25(s,2H),7.41(s,1H),7.44(s,1H).ESI−MS m/e 400(M+H).Anal.calcd for C1924Cl:C,57.15;H,6.06;N,7.02;Cl,17.76.Found:C,57.11;H,6.15;N,7.10;Cl,17.80.
8−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリルエトキシ]オクタン酸メチル(化合物7)
Figure 2004022546
上記化合物を実施例1記載の方法に準じて合成した。
Light yellow oil.H NMR(CDCl)δ1.28(br,6H),1.50−1.69(m,4H),2.30(t,J=7.5Hz,2H),3.18−3.22(m,1H),3.29−3.34(m,1H),3.67(s,3H),3.98(dd,J=7.3,14.3Hz,1H),4.16(dd,J=2.8,14.5Hz,1H),4.83(dd,J=2.6,7.3Hz,1H),6.92(s,1H),7.02(s,1H),7.25(s,2H),7.41(s,1H),7.45(s,1H).ESI−MS m/e 413(M+H)+.Anal.calcd for C2026Cl:C,58.12;H,6.34;N,6.78;Cl,17.15.Found:C,58.19;H,6.39;N,6.90;Cl,17.25.
8−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリルエトキシ]オクタン酸プロピル(化合物8)
Figure 2004022546
上記化合物を実施例1記載の方法に準じて合成した。
Light yellow oil.H NMR(CDCl),δ0.94(t,J=7.3Hz,3H),1.24−1.29(m,2H),1.50−1.69(m,10H),2.30(t,J=7.3Hz,2H),3.19−3.24(m,1H),3.29−3.35(m,1H),3.98(dd,J=7.5,14.7Hz,1H),4.03−4.19(m,3H),4.82(dd,J=2.6,7.3Hz,1H),6.92(s,1H),7.02(s,1H),7.26(s,2H),7.41(s,1H),7.45(s,1H).ESI−MS m/e 442(M+H).Anal.calcd for C2230Cl:C,59.86;H,6.85;N,6.35;Cl,16.04.Found:C,59.99;H,6.82;N,6.39;Cl,16.06.
8−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリルエトキシ]−オクタンサ酸ブチル(化合物9)
Figure 2004022546
上記化合物を実施例1記載の方法に準じて合成した。
Light yellow oil.H NMR(CDCl)δ0.93(t,J=7.3Hz,3H),1.24−1.30(m,4H),1.51−1.71(m,10H),2.29(t,J=7.2Hz,2H),3.20−3.24(m,1H),3.29−3.35(m,1H),3.98(dd,J=7.4,14.6Hz,1H),4.03−4.19(m,3H),4.81(dd,J=2.6,7.3Hz,1H),6.92(s,1H),7.02(s,1H),7.26(s,2H),7.41(s,1H),7.45(s,1H).ESI−MS m/e 456(M+H)+.Anal.calcd for C2332Cl:C,60.66:H,7.08;N,6.15;Cl,15.57.Found:C,60.59;H,6.90;N,6.22:Cl,15.69.
8−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリルエトキシ]オクタンサ酸3−メチルブチル(化合物10)
Figure 2004022546
上記化合物を実施例1記載の方法に準じて合成した。
Light yellow oil.H NMR(CDCl)δ0.87(s,3H),0.89(s,3H),1.24−1.27(m,8H),1.48−1.73(m,6H),2.30(t,J=7.2Hz,2H),3.20−3.24(m,1H),3.29−3.35(m,1H),3.98(dd,J=7.5,14.6Hz,1H),4.08−4.19(m,3H),4.82(dd,J=2.7,7.2Hz,1H),6.92(s,1H),7.02(s,1H),7.27(s,2H),7.41(s,1H),7.45(s,1H).ESI−MS m/e 470(M+H).Anal.calcd for C2434Cl:C,61.41;H,7.30;N,5.97;Cl,15.10.Found:C,61.52;H,7.35;N,6.02;Cl,15.14.
11−[1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリルエトキシ]ウンデカン酸エチル(化合物12)
Figure 2004022546
上記化合物を実施例1記載の方法に準じて合成した。
Light yellow oil.H NMR(CDCl)δ1.25−1.28(m,17H),1.52(t,J=6.9Hz 2H),1.62(t,J=7.3Hz 2H),2.28(t,J=7.7Hz,2H),3.19−3.24(m,1H),3.31−3.35(m,1H),3.98(dd,J=7.3,J=14.6Hz,1H),4.10−4.29(m,3H),4.83(dd,J=2.6,7.3Hz,1H),6.92(s,1H),7.02(s,1H),7.25(s,2H),7.41(s,1H),7.44(s,1H).ESI−MS m/e 470(M+H).Anal.calcd for C2434Cl:C,61.41;H,7.30;N,5.97;Cl,15.10.Found:C,61.51;H,7.35;N,5.92;Cl,15.15.
1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリル−1−(フェニルメトキシ)エタン(化合物13)
Figure 2004022546
上記化合物を実施例1記載の方法に準じて合成した。
Light yellow oil.H NMR(CDCl)δ4.02(dd,J=7.5,J=14.7Hz,1H),4.18−4.23(m,2H),4.40(d,J=12.1Hz,1H),4.95(dd,J=4.7,J=6.9Hz,1H),6.90(s,1H),6.94(d,J=7.3Hz,1H),7.04(s,1H),7.23−7.45(m,6H),8.01(s,1H).ESI−MS m/e 348(M+H).Anal.calcd for C1816ClO:C,62.26;H,4.64;N,8.07;Cl,20.42.Found:C,62.29;H,4.61:N,8.12;Cl,20.38.
1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリル−1−(3−フェニルプロポキシ)エタン(化合物14)
Figure 2004022546
上記化合物を実施例1記載の方法に準じて合成した。
Light yellow oil.H NMR(CDCl)δ1.85(t,t,J=7.3;J=6.7Hz 2H),2.61(t,J=6.9Hz 2H),3.19−3.24(m,1H),3.33−3.35(m,1H),3.98(dd,J=7.3,J=14.6Hz,1H),4.10−4.29(m,1H),4.83(dd,J=2.6;J=7.3Hz,1H),6.92(s,1H),7.09−7.27(m,6H),7.38(s,1H),7.45(s,1H).ESI−MS m/e 376(M+H).Anal.calcd for C2020ClO:C,64.01;H,5.37;N,7.46;Cl,18.89.Found:C,64.05;H,5.32;N,7.52;Cl,18.92.
[1−(2,4−ジクロロフェニル)−2−イミダゾリル](2−フェノキシエトキシ)メタン(化合物15)
Figure 2004022546
上記化合物を実施例1記載の方法に準じて合成した。
Light yellow oil.H NMR(CDCl)δ3.61−3.74(m,2H),3.98−4.28(m,3H),4.99−5.02(m,1H),6.62−6.88(m,5H),6.95−7.47(m,6H).ESI−MS m/e 408(M+H).Anal.calcd for C2020Cl:C,58.98;H,4.95;N,6.88;Cl,17.41.Found:C,58.92;H,4.91;N,6.80;Cl,17.50.
1−(2,4−ジクロロフェニル)−1−[(2−クロロフェニル)メトキシ]−2−イミダゾリルエタン(化合物16)
Figure 2004022546
上記化合物を実施例1記載の方法に準じて合成した。
Light yellow oil.H NMR(CDCl)δ4.08(dd,J=7.3,J=14.6Hz,1H),4.23(dd,J=2.5,J=14.6Hz,1H),4.40(d,J=12.7Hz,1H),4.54(d,J=12.5Hz,1H),5.04(dd,J=2.6,J=7.3Hz,1H),6.90(s,1H),7.00(s,1H),7.23−7.45(m,8H).ESI−MS m/e 382(M+H).Anal.calcd for C1815ClO:C,56.64;H,3.96;N,7.34;Cl,27.87.Found:C,56.68;H,3.90;N,7.38;Cl,27.80.
1−(2,4−ジクロロフェニル)−1−[(4−クロロフェニル)メトキシ]−2−イミダゾリルエタン(化合物17)
Figure 2004022546
上記化合物を実施例1記載の方法に準じて合成した。
Light yellow oil.H NMR(CDCl)δ4.05(dd,J=7.5,J=14.6Hz,1H),4.12−4.18(m,2H),4.43(d,J=11.7Hz,1H),4.97(dd,J=2.6,J=7.7Hz,1H),6.90(s,1H),7.00−7.03(m,3H),7.15(s,1H),7.21−7.33(m,4H),7.44(t,J=5.1Hz,2H).ESI−MS m/e 382(M+H).Anal.calcd for C1815ClO:C,56.64;H,3.96;N,7.34;Cl,27.87.Found:C,56.60;H,3.88;N,7.34;Cl,27.82.
1−(2,4−ジクロロフェニル)−1−[(6−クロロ(3−ピリジル)メトキシ]−2−イミダゾリルエタン(化合物18)
Figure 2004022546
上記化合物を実施例1記載の方法に準じて合成した。
Light yellow oil.H NMR(CDCl)δ4.11−4.26(m,3H),4.47(d,J=12.5Hz,1H),5.00(dd,J=2.6,J=7.3Hz,1H),6.82(s,1H),6.82(s,1H),7.01(s,1H),7.24−7.58(m,4H),7.77(s,1H),8.06(s,1H)ESI−MS m/e 383(M+H).Anal.calcd for C1714ClO:C,53.34;H,3.69;N,10.98;Cl,27.79.Found:C,53.42;H,3.68;N,10.68;Cl,27.82.
1−(2,4−ジクロロフェニル)−1−[(2,3−ジクロロフェニル)メトキシ]−2−イミダゾリルエタン(化合物19)
Figure 2004022546
上記化合物を実施例1記載の方法に準じて合成した。
Light yellow oil.H NMR(CDCl)δ4.09(dd,J=7.2,J=14.6Hz,1H),4.24(dd,J=2.9,J=14.6Hz,1H),4.40(d,J=12.7Hz,1H),4.53(d,J=12.8Hz,1H),5.05(dd,J=2.5,J=9.3Hz,1H),6.90(s,1H),7.01(s,1H),7.18−7.45(m,7H).ESI−MS m/e 417(M+H).Anal.calcd for C1814ClO:C,51.95;H,3.39;N,6.73;Cl,34.08.Found:C,51.92;H,3.35;N,6.70;Cl,34.12.
1−(2,4−ジクロロフェニル)−1−[(2,4−ジクロロフェニル)メトキシ]−2−イミダゾリルエタン(化合物20)
Figure 2004022546
上記化合物を実施例1記載の方法に準じて合成した。
Light yellow oil.H NMR(CDCl)δ4.06(dd,J=7.3,J=14.5Hz,1H),4.23(dd,J=2.9,J=14.6Hz,1H),4.34(d,J=12.5Hz,1H),4.48(d,J=12.5Hz,1H),5.02(dd,J=2.6,J=7.6Hz,1H),6.89(s,1H),7.01(s,1H),7.19−7.38(m,5H),7.43(t,J=1.9Hz,2H).ESI−MS m/e 417(M+H).Anal.calcd for C1814ClO:C,51.95;H,3.39;N,6.73;Cl,34.08.Found:C,51.98;H,3.30;N,6.68;Cl,34.02.
1−(2,4−ジクロロフェニル)−1−[(2,6−ジクロロフェニル)メトキシ]−2−イミダゾリルエタン(化合物21)
Figure 2004022546
上記化合物を実施例1記載の方法に準じて合成した。
Light yellow oil.H NMR(CDCl)δ4.07(dd,J=7.3,J=14.6Hz,1H),4.23(dd,J=2.5,J=14.6Hz,1H),4.33(d,J=12.7Hz,1H),4.48(d,J=12.8Hz,1H),5.02(dd,J=2.6,J=7.3Hz,1H),6.90(s,1H),7.01(s,1H),7.17−7.45(m,7H).ESI−MS m/e 417(M+H).Anal.calcd for C1814ClO:C,51.95;H,3.39;N,6.73;Cl,34.08.Found:C,51.96;H,3.35;N,6.65;Cl,34.15.
1−(2,4−ジクロロフェニル)−1−[(3,5−ジフルオロフェニル)メトキシ]−2−イミダゾリルエタン(化合物22)
Figure 2004022546
上記化合物を実施例1記載の方法に準じて合成した。
Light yellow oil.H NMR(CDCl)δ4.35−4.62(m,4H),5.17−5.20(m,1H),6.67(m,3H),7.05−7.41(m,6H).ESI−MS m/e 384(M+H).Anal.calcd for C1814ClO:C,56.42;H,3.68;N,7.31;Cl,18.50;F,9.92.Found:C,56.36;H,3.72;N,7.36;Cl,18.550;F,9.96.
8−(1−ビフェニル−4−イル−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エトキシ)−オクタン酸ヘプチル(化合物23)
Figure 2004022546
1−ビフェニル−4−イル−2−ブロモ−エタノンをTHFに溶かし、KCO存在下で、1.5等量の1H−[1,2,4]トリアゾールを加え、12時間還流させて反応させた。反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮した後、シリカクロマトグラフィーにより精製し、1−ビフェニル−4−イル−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エタノンを得た。この化合物をジクロロメタンとメタノール(1:1)に溶かし、NaBH(1当量)を加え、室温で2時間反応させ、反応混合液を減圧濃縮し後、飽和食塩水と混ぜ、クロロホームで三回抽出した。減圧濃縮した後、シリカクロマトグラフィー精製により、1−ビフェニル−4−イル−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エタノールを得た。
1−ビフェニル−4−イル−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エタノールと8−ブロモオクタン酸ヘプチルエステルを、実施例1記載の方法に準じて反応させ、上記化合物を得た。
Light yellow oil.H NMR(CDCl)δ0.88(t,J=7.0Hz,3H),1.22−1.32(m,14H),1.46(t,J=6.6Hz,2H),1.55−1.62(m,4H),2.28(t,J=7.3Hz,2H),3.14−3.19(m,1H),3.37−3.43(m,1H),4.05(t,J=7.0Hz,2H),4.34(t,J=5.2Hz,2H),4.67(t,J=5.5Hz,1H),7.33−7.46(m,5H),7.59(t,J=7.0Hz,4H),7.96(s,1H),7.11(s,1H).ESI−MS m/e 506(M+H).
8−(1−ビフェニル−4−イル−2−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−エトキシ)−オクタン酸メチル(化合物24)
Figure 2004022546
上記化合物を実施例23記載の方法に準じて合成した。
Light yellow oil.H NMR(CDCl)δ1.22−1.23(m,8H),1.47(t,J=6.6Hz,2H),1.55−1.63(m,4H),2.29(t,J=7.7Hz,2H),3.14−3.19(m,1H),3.37−3.42(m,1H),3.66(s,3H),4.34(t,J=5.5Hz,2H),4.67(t,J=5.5Hz,1H),7.34−7.46(m,5H),7.60(t,J=7.9Hz,4H),7.96(s,1H),8.11(s,1H).ESI−MS m/e 422(M+H).
8−(1−ビフェニル−4−イル−2−イミダゾール−1−イル−エトキシ)−オクタン酸ヘプチル(化合物25)
Figure 2004022546
上記化合物を実施例23記載の方法に準じて合成した。
Light yellow oil.H NMR(CDCl)δ0.88(t,J=6.5Hz,3H),1.27−1.31(m,14H),1.50−1.62(m,6H),2.28(t,J=7.3Hz,2H),3.19−3.24(m,1H),3.35−3.41(m,1H),4.03−4.17(m,4H),4.47(dd,J=7.3,6.1Hz,1H),6.93(s,1H),7.02(s,1H),7.26−7.59(m,9H),ESI−MS m/e 505(M+H).
8−(2−イミダゾール−1−イル−1−フェニル−エトキシ)−オクタン酸ヘプチル(化合物26)
Figure 2004022546
上記化合物を実施例23記載の方法に準じて合成した。
Light yellow oil.H NMR(CDCl)δ0.88(t,J=6.8Hz,3H),1.27−1.35(m,14H),1.48−1.65(m,6H),2.28(t,J=7.7Hz,2H),3.17−3.21(m,1H),3.30−3.40(m,1H),4.03−4.14(m,4H),4.41(dd,J=7.7,9.0Hz,1H),6.90(s,1H),7.01(s,1H),7.21−7.41(m,5H),ESI−MS m/e 429(M+H).
8−(2−イミダゾール−1−イル−1−フェニル−エトキシ)−オクタン酸メチル(化合物27)
Figure 2004022546
上記化合物を実施例23記載の方法に準じて合成した。
yellow oil.H NMR(CDCl)δ1.26−1.29(m,6H),1.32−1.63(m,4H),2.29(t,J=7.7Hz,2H),3.16−3.18(m,1H),3.30−3.36(m,1H),4.03−4.14(m,4H),4.41(dd,J=7.3,5.0Hz,1H),6.90(s,1H),7.01(s,1H),7.21−7.42(m,5H),ESI−MS m/e 335(M+H).
8−[(2,4−ジクロ−フェニル)−ピリミジン−5−イル−メトキシ]−オクタン酸ヘプチル(化合物28)
Figure 2004022546
上記化合物をTaylorらの方法(J.Med.Chem.30,1359−1365)に準じて以下のように合成した。
5−ブロモピリミジンと2,4−ジクロロベンズアルヒドをTHFに溶かし、ドライアイス・アセトンで−78℃に冷やした。そこに、ブチルリチウムを滴加し、攪拌した。徐々に反応温度を室温に上昇させ、室温で30分間を反応させ後、1N塩酸1mlを加えることにより反応を停止させた。分液漏斗で分配し、有機層を減圧濃縮し、シリカクロマトグラフィーにより精製した後、2,4−ジクロロフェニル−ピリミジン−5−イル−メタノールを得た。
2,4−ジクロロフェニル−ピリミジン−5−イル−メタノールと8−ブロモオクタン酸ヘプチルエステルを、実施例1記載の方法に準じて反応させ、上記化合物を得た。
Light yellow oil.H NMR(CDCl)δ0.85−0.88(m,3H),1.27−1.31(m,14H),1.55−1.64(m,8H),2.25−2.30(m,2H),3.41−3.51(m,2H),3.61−3.66(m,1H),4.03−4.07(m,2H),5.74(s,1H),7.31−7.53(m,3H),8.69(d,J=2.6Hz 2H),9.11(d,J=3.7Hz 1H),ESI−MS m/e 496(M+H).
8−(1−イミダゾール−1−イルメチル−2,2−ジメチル−プロポキシ)−オクタン酸ヘキシル(化合物29)
Figure 2004022546
上記化合物を実施例23記載の方法に準じて合成した。
yellow oil.H NMR(CDCl)δ0.89(t,J=6.5Hz,3H),0.97(s,9H),1.23−1.31(m,14H),1.48−1.65(m,6H),2.27(t,J=7.7Hz,2H),3.17−3.21(m,1H),3.30−3.40(m,1H),4.03−4.14(m,3H),4.99(dd,J=7.5,7.0Hz,1H),6.95(s,1H),7.05(s,1H),7.51(s,1H),ESI−MS m/e 409(M+H).
〔試験例1〕 AOS阻害活性の測定
化合物1〜29の存在下で、AOSとAOSの基質である13−(S)−ヒドロペルオキシリノレン酸を反応させ、化合物1〜29のAOSに対する阻害活性を測定し、IC50を算出した。
AOSは、シロイヌナズナ由来のAOS遺伝子を常法に従って、大腸菌にて発現させ、その大腸菌培養物から精製したものを用いた。すなわち、AOS大量発現ベクターを組み込んだ大腸菌を37℃で2時間を培養した後、IPTG(1mM)を加え、さらに16℃で8時間を培養し、遠心で大腸菌を集め、超音波で破砕した後、Ni−カラムで精製を行なった。
13−(S)ヒドロペルオキシリノレン酸は、Ledererらの方法(J.Agric.Food Chem.47,4611−4620)により、大豆のLOXを用いて調製した。
阻害活性は、生合成基質の消失を、反応液をHPLCで分析して235nmの吸光度でモニターし、ピークの減少により測定した。IC50は常法に従って算出した。結果を表1に示す。
Figure 2004022546
Figure 2004022546
この結果から、表1中の化合物のうち、化合物3、4、6、7、8、9、10、11、13および14は良好なAOS阻害活性を有しており、中でも化合物11が最も高いAOS阻害活性を有することがわかったため、以下の実施例はこの化合物をAOS阻害剤として用いて行った。
〔試験例2〕 植物の生育に対する影響
上記化合物11が植物の生育に対して影響を与えるか否かについて検討した。
0.8%アガロース含有MS培地に、無菌条件下で、シロイヌナズナの種子をまき、所定濃度の化合物11を加え、開花期以前の植物の生育状態を観察した。結果を図2に示す。図中の右端の植物には化合物11を10μM投与し、右から二番目の植物には1μM投与し、右から三番目の植物には0.1μM投与した。また、左端の植物には、化合物11を投与しなかった(コントロール)。
図2に示すように、化合物11を0.1〜10μMの範囲内で投与しても、植物の生長には顕著な影響は認められなかった。この結果は、化合物11が、植物ホルモンであるジベレリンおよびブラシノステロイドの生合成を阻害しないことを示唆する。
〔試験例3〕 雄性不稔誘導
化合物11(10μM)を0.1%メタノールに溶かし、これを開花前のシロイヌナズナに噴霧して、その花の形態を観察した。化合物11の噴霧は、開花前14日〜10日の間に、1日置きに0.5mL/100cmの薬量で行った。化合物11を噴霧したシロイヌナズナの花の写真を図3bに示す。また、化合物11を噴霧しなかったシロイヌナズナの花(コントロール)の写真を図3aに示す。
図3に示すように、明らかに化合物11の噴霧により、葯の開裂が抑制された。また、この花をその後2週間観察したが、種子は形成されなかった。従って、化合物11は、シロイヌナズナの雄性不稔を誘導することが確認された。
〔実施例4〕 花粉管伸長阻害
タバコ(Nicotiana tabacum)の花粉を単離し、該花粉を化合物11を含む溶液(10μM)中に入れ、Preussの方法に準じて(Gene Dev.,7,974−985)タバコの花粉を発芽させ、8時間後に顕微鏡下で観察した。化合物11を含む溶液中に入れた花粉の写真を図4bに示す。また、化合物11を含まない水中に入れた花粉(コントロール)の写真を図4aに示す。
図4bに示すように、化合物11を含む溶液中に入れた場合、コントロールに比べ、花粉管の伸長が有意に抑制されていた。
〔実施例5〕:花の開花期間延長
市販の切り花の菊(Dendranthema grandiflorum:長さ45cm)を、化合物11を含む溶液(10μM又は100μM)中に差し入れ、10日間(この間に1回、溶液を交換した)室温(25〜35℃)で静置し、花の大きさ及び花の向きなどを観察し、その状態から鮮度保持効果を評価した。この結果を表2に示す。また、10日後の花の写真を図5a〜図5cに示す。
Figure 2004022546
表2及び図5に示すように、化合物11を含む溶液に差しておいた花は、コントロールに比べて、有意に開花期間が延長されていた。
本明細書は、本願の優先権の基礎である日本国特許出願、特願2002−258824号の明細書および/または図面に記載されている内容を包含する。また、本発明で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。
本発明の化合物は、植物内におけるジャスモン酸の生合成を特異的に阻害し、雄性不稔化、花粉管伸長阻害、切花の鮮度保持、開花期間延長、花粉形成抑制、発芽促進、除草、花粉の飛散防止などの作用を有する。これらの作用の中でも、花粉形成抑制及び花粉の飛散防止作用は特に着目すべきものであり、これらの作用を利用し、スギなどの花粉症原因植物の花粉の飛散を抑制し、花粉症の発生を低減させることが可能である。

Claims (23)

  1. 下記の式(I):
    Figure 2004022546
    〔式中、Rは、C−Cアルキル基、置換されていてもよいビフェニリル基(当該置換基は下記置換基群Aから選ばれる置換基である。)、置換されていてもよいフェニル基(当該置換基は下記置換基群Aから選ばれる置換基である。)を示し、Xは、酸素原子、硫黄原子、イミノ基、メチレン基を示し、
    は、置換されていてもよいC−C12アルキル基(当該置換基は下記置換基群Bから選ばれる置換基である。)、置換されていてもよいC−C12アルケニル基(当該置換基は下記置換基群Bから選ばれる置換基である。)、C−C40アルコキシカルボニルアルキル基、C−C40アルキルアミノカルボニルアルキル基、置換されていてもよいフェニル基(当該置換基は下記置換基群Aから選ばれる置換基である。)を示し、
    Yは、C−Cのアルキレン基、又はYが存在せずにCHとRが直接結合していることを示し、
    は、イミダゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基、ピリミジル基を示し、
    置換基群Aは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基、C−Cアルキル基、C−Cアルコキシ基、C−Cハロアルキル基、及びC−Cハロアルコキシ基からなる群であり、
    置換基群Bは、置換されていてもよいフェニル基(当該置換基は上記置換基群Aから選ばれる置換基である。)、置換されていてもよいフェノキシ基(当該置換基は上記置換基群Aから選ばれる置換基である。)、及び置換されていてもよいピリジル基(当該置換基は上記置換基群Aから選ばれる置換基である。)からなる群である。〕
    で表される化合物及びその塩。
  2. 請求項1記載の化合物を有効成分として含有する農薬組成物。
  3. 請求項1記載の化合物を有効成分として含有するジャスモン酸生合成阻害剤。
  4. 請求項1記載の化合物を有効成分として含有する雄性不稔化剤。
  5. 請求項1記載の化合物有効成分として含有する花粉管伸長阻害剤。
  6. 請求項1記載の化合物を有効成分として含有する切花用鮮度保持剤。
  7. 請求項1記載の化合物を有効成分として含有する開花期間延長剤。
  8. 請求項1記載の化合物を有効成分として含有する花粉形成抑制剤。
  9. 請求項1記載の化合物を有効成分として含有する発芽促進剤。
  10. 請求項1記載の化合物を有効成分として含有する除草剤。
  11. 請求項1記載の化合物と除草活性を有する他の化合物とを含有する除草剤。
  12. 請求項1記載の化合物を有効成分として含有する花粉飛散防止剤。
  13. 植物を請求項1記載の化合物で処理することを特徴とするジャスモン酸の生合成阻害方法。
  14. 植物を請求項1記載の化合物で処理することを特徴とする雄性不稔化方法。
  15. 花粉を請求項1記載の化合物で処理することを特徴とする花粉管伸長阻害方法。
  16. 切花を請求項1記載の化合物で処理することを特徴とする鮮度保持方法。
  17. 植物を請求項1記載の化合物で処理することを特徴とする開花期間延長方法。
  18. 植物を請求項1記載の化合物で処理することを特徴とする花粉形成抑制方法。
  19. 種子を請求項1記載の化合物で処理することを特徴とする発芽促進方法。
  20. 植物を請求項1記載の化合物で処理することを特徴とする除草方法。
  21. 植物を請求項1記載の化合物と除草活性を有する他の化合物とで処理することを特徴とする除草方法。
  22. 植物を請求項1記載の化合物で処理することを特徴とする花粉飛散防止方法。
  23. 被検物質を植物由来のアレンオキシド合成酵素と接触させる工程及び、植物由来のアレンオキシド合成酵素の活性を阻害した被検物質を選択する工程を含むジャスモン酸の生合成を特異的に阻害する物質のスクリーニング方法。
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