明 細 書
固結抑制粒状製剤
技術分野
[0001] 本発明は、ビグアナイド系薬物以外の活性成分、糖もしくは糖アルコール、有機酸 および特定の水溶性多糖類を含有することを特徴とする、保存時に固結を生じにく い粒状製剤に関する。また本発明は、ビグアナイド系薬物以外の活性成分、糖もしく は糖アルコール、および有機酸を含有する組成物に特定の水溶性多糖類を添加す ることによる粒状製剤の固結抑制方法および固結抑制剤に関する。
背景技術
[0002] 医薬品には薬効成分自体の有効性や安全性が重要であるば力、りでなぐ製剤中に おける薬効成分の安定性や製剤学的特性も極めて重要である。例えば、粒状製剤 は服用及び用量の調節が容易で、かつ、固形であるため化学的安定性が良好であ るため医療現場でよく使用される剤型である。しかしながら、粒状製剤は製造直後は 一定の品質を満たしていても、保存中に薬効成分や添加物の特性により、固結を生 じる場合がある。かかる状況では、医薬品として服用性および取扱性の面で問題とな りうる。
[0003] 例えば、エリスリトールに酸味を呈する固体有機酸を併用することにより、口腔内で 容易に溶解して水なしで服用ができ、冷涼感とさわやかさに優れる口腔内溶解性固 形製剤 (特許文献 1)が開示されている。しかしながら特許文献 1には、上記製剤中に おいて糖アルコールと有機酸の添加により固結が生じるという本願発明者らが見出し た課題も、むろんそれらを解決する手段も開示されていない。
[0004] 粉末製剤の固結を抑制する方法としては、例えば、白糖とポピドンョード、並びにあ る種の水溶性高分子担体を配合すると、長期間保存しても固結することがない損傷 皮膚修復用粉末製剤が得られることが知られている(特許文献 2)。し力もながら、特 許文献 2には、白糖により生じる固結の防止に関する記載はある力 S、糖もしくは糖ァ ルコールに有機酸を添加した場合に生じる固結の防止効果については記載がない。 また、本発明の特徴的な構成要素であるプルランおよび/またはデキストリンを含有
する、固結が抑制された製剤に関する具体的な開示はない。
特許文献 1 :特開平 9 316006号公報
特許文献 2:特開平 8— 12582号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0005] 本発明者らは、粒状製剤中において、口腔内での溶解性を向上し、かつ、優れた 服用感を得るために、糖もしくは糖アルコールおよび有機酸を配合すると、保存中に 粒状製剤が固結を起こす場合があるという問題を見出した。かかる状態では、服用性 や取扱性を損なう(服用時に困難を伴う)ことが予測された。とりわけ、固結現象は、 粒状製剤中の有機酸添加量が高くなるほど顕著であった。
課題を解決するための手段
[0006] そこで、本発明者らは糖もしくは糖アルコールおよび有機酸を配合した粒状製剤の 固結を抑制するために、鋭意研究を行った結果、プルランおよびデキストリンからなる 群より選ばれる少なくとも 1つである水溶性多糖類を製剤中に添加することにより、予 想外にも保存中の固結が抑制された製剤が得られることを見出し、本発明を完成す るに至った。
すなわち、本発明は、
「[1]ビグアナイド系薬物以外の活性成分、糖もしくは糖アルコール、有機酸、ならび に、プルランおよびデキストリンからなる群より選ばれる少なくとも 1つである水溶性多 糖類を含む固結が抑制されたことを特徴とする粒状製剤。
[2]糖もしくは糖アルコールがエリスリトール、マンニトール、キシリトーノレ、ソノレビトール 、マルチトールおよびトレハロースからなる群より選ばれる少なくとも 1つである、 [1]記 載の粒状製剤。
[3]糖もしくは糖アルコールがエリスリトールおよびマンニトールからなる群より選ばれ る少なくとも 1つである、 [1]記載の粒状製剤。
[4]有機酸がクェン酸、リンゴ酸、ァスコルビン酸、酒石酸、コハク酸およびそれらの水 和物からなる群より選ばれる少なくとも 1つである、 [1]〜[3]のいずれか 1項に記載の 粒状製剤。
[5]有機酸がクェン酸、リンゴ酸およびそれらの水和物からなる群より選ばれる少なく とも 1つである、 [;!]〜 [3]のいずれ力、 1項に記載の粒状製剤。
[6]水溶性多糖類がプルランである、 [;!]〜 [5]のいずれ力、 1項に記載の粒状製剤。
[7]糖もしくは糖アルコールの割合が全体の 20〜99. 8重量0 /0である、 [1]〜[6]のい ずれか 1項に記載の粒状製剤。
[8]有機酸の割合が全体の 0· ;!〜 30重量%である、 [1]〜[7]のいずれ力、 1項に記載 の粒状製剤。
[9]水溶性多糖類の割合が全体の 0. ;!〜 20重量%である、 [1]〜[8]のいずれか 1項 に記載の粒状製剤。
[10]水溶性多糖類の添加量と有機酸の添加量の重量比が 0. 01〜; 100である、 [1] 〜[9]のいずれ力、 1項に記載の粒状製剤。
[11]90%径が 1700 01以下である、 [1]〜[; 10]のいずれか 1項に記載の粒状製剤。
[12]剤型が口腔内崩壊型製剤である、 [1]〜[; 11]のいずれ力、 1項に記載の粒状製剤
〇
[13]ビグアナイド系薬物以外の活性成分、糖もしくは糖アルコールおよび有機酸を 含む製剤に、プルランおよびデキストリンからなる群より選ばれる少なくとも 1つである 水溶性多糖類を添加する工程を含む粒状製剤の固結抑制方法。
[14]ビグアナイド系薬物以外の活性成分、糖もしくは糖アルコールおよび有機酸に、 プルランおよびデキストリンからなる群より選ばれる少なくとも 1つである水溶性多糖類 を添加する工程を含む固結が抑制された粒状製剤の製造方法。
[15]ビグアナイド系薬物以外の活性成分、糖もしくは糖アルコールおよび有機酸を 含む粒状製剤のための、プルランおよびデキストリンからなる群より選ばれる少なくと も 1つである水溶性多糖類を含む固結抑制剤。
[16]糖もしくは糖アルコール、有機酸、ならびに、プルランおよびデキストリンからなる 群より選ばれる少なくとも 1つである水溶性多糖類を含み、ビグアナイド系薬物を含ま ない、固結が抑制されたことを特徴とする粒状製剤。」である。
発明の効果
本発明の粒状製剤は、保存時に固結を生じにくぐ服用性が良好であるという効果
を有し、医薬品などの製剤として有用である。
発明を実施するための最良の形態
[0008] 本発明における活性成分としては、ビグアナイド系薬物以外であれば如何なる活性 成分であってもよい。ここで、ビグアナイド系薬物とは、ビグアナイド骨格を有する薬 物を表し、塩酸塩などの薬学上許容される塩の形のものも含まれる。例えば、メトホノレ ミン、ブホルミン、フェンホルミンなど、およびこれらの薬学上許容される塩が挙げられ る。また活性成分は動物や植物に由来する天然のもの、あるいは化学合成法や発酵 法によって得られるもののいずれであってもよい。またそれらの塩も本発明の活性成 分に含まれる。本発明における活性成分の性状は、固体状、液状、油状などの何れ であってもよい。本発明における薬効成分が固体である場合、結晶または無晶系の 何れであってもよい。
[0009] 本発明における活性成分としては、例えば、滋養強壮保健薬;解熱消炎鎮痛薬;抗 精神病薬;催眠鎮静薬;鎮痙薬;中枢神経作用薬;脳代謝改善薬;脳循環改善薬; 抗てんかん薬;交感神経興奮剤;健胃消化剤;抗潰瘍剤;消化管運動機能改善剤; 制酸剤;鎮咳去痰剤;腸運動抑制薬;鎮吐剤;呼吸促進剤;気管支拡張剤;アレルギ 一用薬;抗ヒスタミン剤;強心剤;不整脈用剤;利尿剤; ACE阻害剤; Ca拮抗剤; ΑΠ拮 抗薬;血管収縮剤;冠血管拡張剤;血管拡張薬;末梢血管拡張薬;高脂血症用剤; 利胆剤;セフエム系抗生物質;経口抗菌薬;化学治療剤;スルフォニル尿素薬; αグ ルコシダーゼ阻害薬;インスリン抵抗性改善薬;速効性インスリン分泌促進剤; DPPIV 阻害薬;糖尿病合併症治療薬;骨粗しょう症剤;抗リウマチ剤;骨格筋弛緩剤;鎮うん 剤(鎮暈剤);アル力ロイド系麻薬;サルファ剤;痛風治療剤;血液凝固阻止剤;抗悪 性腫瘍剤などが挙げられる。
[0010] 具体的には、本発明における活性成分としては、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸、 生薬、乳酸菌などの滋養強壮保健薬;アスピリン、ァセトァミノフェン、ェテンザミド、ィ ブプロフェン、カフェイン、インドメタシンなどの解熱消炎鎮痛薬;ブロナンセリン、ルラ シドン(またはルラシドン塩酸塩)、クェン酸タンドスピロン、塩酸ぺロスピロン、レセル ピン、ジァゼパム、フルジァゼパム、ハロペリドール、ァリピプラゾール、塩酸ノルトリプ チリンなどの抗精神病薬;ニトラゼパム、ジァゼパム、トリァゾラム、ブロチゾラム、ゾノレ
ピデム、二メタゼパムなどの催眠鎮静薬;臭化水素酸スコポラミンなどの鎮痙薬;ゾニ サミド、ドロキシドパ、シチコリン、塩酸ピペリデン、塩酸ドネぺジル、 5—(3—メトキシ フエニル)ー3—(5—メチルー 1 , 2, 4—ォキサジァゾ一ルー 3—ィル) 1 , 6—ナフ チリジン 2 (1H)—オンなどの中枢神経作用薬;塩酸メクロフヱニキレートなどの脳 代謝改善薬;ビンポセチンなどの脳循環改善薬;ゾニサミド、フエニトイン、クロナゼパ ム、プリミドン、バルプロ酸ナトリウム、カルバマゼピン、ジァゼパム、エイトトイン、ァセ チルフエネトライドなどの抗てんかん薬;塩酸イソプロテレノールなどの交感神経興奮 剤;ジアスターゼ、ロートエキス、パンクレアチンなどの健胃消化剤;シメチジン、ランソ プラゾール、ファモチジン、スルピリド、ゲフアルナートなどの抗潰瘍剤;クェン酸モサ プリドなどの消化管運動機能改善剤;メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなどの制酸剤 ;塩酸クロペラスチン、塩酸エフェドリン、クェン酸ペントキシベリンなどの鎮咳去痰剤 ;塩酸口ペラミドなどの腸運動抑制薬;塩酸ジフエ二ドールなどの鎮吐剤;酒石酸レバ ロルフアンなどの呼吸促進剤;テオフィリンなどの気管支拡張剤;ェバスチン、 N- { 2
[2— [ (3 フルオロフェニノレ)ィミノ] -4- (4 モルホリンー4ーィルフエニル) 1 , 3 チアゾールー 3 (2H)—ィノレ]ェチル }—Ν'—メチルゥレアなどのアレルギー 用薬;塩酸ジフェンヒドラミンなどの抗ヒスタミン剤;カフェイン、ジゴキシンなどの強心 剤;塩酸プロ力インアミド、塩酸ァロチノロールなどの不整脈用剤;イソソルピドなどの 利尿剤;塩酸デラプリル、カプトプリル、ァラセプリルなどの ACE阻害剤;二フエジピン 、塩酸ジルチアゼム、塩酸マニジピン、ベシル酸アムロジピンなどの Ca拮抗剤;カン デサルタン、ィルベサルタン、オルメサルタン、バルサルタンなどの All拮抗薬;塩酸フ ェニレフリンなどの血管収縮剤;塩酸カルボクロメンなどの冠血管拡張剤;リマプロスト アルファデクスなどの血管拡張薬;シンナリジンなどの末梢血管拡張薬;シンバスタチ ン、プラバスタチンナトリウムなどの高脂血症用剤;デヒドロコール酸などの利胆剤;セ フエレキシン、セファクロルなどのセフエム系抗生物質;ガチフロキサシン、スパルフロ キサシンなどの経口抗菌薬;スルファメチゾール、ピぺミド酸三水和物などの化学治 療剤;ダリクラジド、ダリベンクラミド、グリメピリドなどのスルフォニル尿素薬;ァカルボ ース、ボグリボース、ミグリトールなどの αダルコシダーゼ阻害薬;塩酸ピオグリタゾン 、ロシグリタゾンなどのインスリン抵抗性改善薬;ナテグリニド、ミチグリニドカルシウム
水和物、レパグリニドなどの速効性インスリン分泌促進剤;シタグリブチンなどの DPPI V阻害薬;ラニレスタツト、ェパレルスタツトなどの糖尿病合併症治療薬;ェチドロン酸 ニナトリウムなどの骨粗しょう症剤;メトトレキセートなどの抗リウマチ剤;メトカルバモー ルなどの骨格筋弛緩剤;塩酸メタリジンなどの鎮うん剤(鎮暈剤);塩酸モルヒネ、了へ ンなどのアルカロイド系麻薬;スルフイソミジンなどのサルファ剤;ァロプリノールなどの 痛風治療剤;ジクマロールなどの血液凝固阻止剤; 5-フルォロウラシル、マイトマイシ ンなどの抗悪性腫瘍剤などが挙げられる。
より具体的には、上記例示した抗精神病薬、中枢神経作用薬、消化管運動機能改 善剤、アレルギー用薬、スルフォニル尿素薬、糖尿病合併症治療薬などが挙げられ 本発明における活性成分として、インドメタシン、ブロナンセリン、ルラシドン (または ルラシドン塩酸塩)、クェン酸タンドスピロン、塩酸ぺロスピロン、フルジァゼパム、ハロ ペリドール、塩酸ノノレトリプチリン、二メタゼバム、ゾニサミド、 5— (3—メトキシフエニル ) 3—(5 メチルー 1 , 2, 4 ォキサジァゾ一ルー 3 ィル) 1 , 6 ナフチリジン - 2 (1H) オン、 N—{ 2—[2—[ (3 フルォロフェニノレ)ィミノ]ー4 (4 モルホリ ンー4ーィルフエニル) 1 , 3—チアゾールー 3 (2H)—ィノレ]ェチル } N,ーメチノレ ゥレア、ドロキシドパ、塩酸ピペリデン、フエニトイン、クロナゼパム、プリミドン、バルブ 口酸ナトリウム、エイトトイン、ァセチルフエネトライド、ノ ンクレアチン、シメチジン、スル ピリド、ゲファルナート、クェン酸モサプリド、塩酸エフェドリン、クェン酸ペントキシベリ ン、塩酸ァロチノロール、ァラセプリル、ベシル酸アムロジピン、ガチフロキサシン、ス ノ ルフロキサシン、ピぺミド酸三水和物、ダリクラジド、ミグリトール、レパグリニド、ラニ レスタツト、ェチドロン酸ニナトリウム、ァロプリノールなどから選んでもよい。
より具体的には、ブロナンセリン、 5—(3—メトキシフエニル) 3—(5—メチルー 1 , 2, 4 ォキサジァゾール一 3 ィル) 1 , 6 ナフチリジン一 2 (1H)—オン、 N— { 2
[2— [ (3 フルオロフェニノレ)ィミノ] -4- (4 モルホリンー4ーィルフエニル) 1 , 3 チアゾールー 3 (2H)—ィノレ]ェチル } N,ーメチルゥレア、塩酸ぺロスピロン 、ルラシドンほたはルラシドン塩酸塩)、ゾニサミド、クェン酸モサプリド、ダリクラジド、 ラニレスタツトなどが挙げられる。
[0012] 以上に挙げた活性成分は、薬学上許容される限り、上記に記載した以外の塩また はフリー体の形であってもよい。また、アルコール水和物などの溶媒和物、または水 和物などの形であってもよい。さらに、以上に挙げた活性成分は、単独で用いても、 または二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、活性成分の苦味などの不快な 味をマスキング処理したものを用いてもよ!/、。
[0013] 本発明における活性成分の含有量は、その成分によって異なるが、水溶性多糖類
(プルランおよび/またはデキストリン)を除く粒状製剤の量に対して、通常 0.001重量 %以上、好ましくは 0.01重量%以上、更に好ましくは 0.05重量%以上であり、また、通常 3 0重量 %以下、好ましくは 20重量 %以下、更に好ましくは 10重量 %以下である。より具体 的には、例えば 0.001〜30重量%、好ましくは 0.01〜20重量%、更に好ましくは 0.05〜1 0重量%が挙げられる。
[0014] 本発明における糖もしくは糖アルコールとしては、動物や植物に由来する天然のも の、あるいは化学合成法や発酵法によって得られるもののいずれであってもよい。こ こで、糖の例としては、グルコース、フルクトース、トレハロース、パラチノースなどが挙 げられ、グルコース、トレハロース、パラチノースが好ましぐなかでもトレハロースがよ り好ましい。糖アルコールの例としては、エリスリトーノレ、マンニトール、キシリトーノレ、 ソノレビトーノレ、マルチトールなどが挙げられ、なかでもエリスリトーノレ、マンニトール、キ シリトーノレ、ソノレビトーノレ、マルチトールが好ましぐエリスリトーノレ、マンニトールがより 好ましい。これらの糖もしくは糖アルコールは、所望の製剤に応じて、単独で用いても または二種以上を併用してもよい。
[0015] 本発明における有機酸としては、たとえば、クェン酸、リンゴ酸、ァスコルビン酸、酒 石酸、コハク酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、ダルコン酸、グルクロン酸および それらの水和物などが挙げられる。なかでもクェン酸、リンゴ酸、ァスコルビン酸、酒 石酸、コハク酸およびそれらの水和物が好ましぐなかでもクェン酸、リンゴ酸および それらの水和物がより好ましい。これらの有機酸は、所望の製剤に応じて、単独で用 V、てもまたは二種以上を併用してもよレ、。
[0016] 本発明における固結抑制剤としては、水溶性高分子及び水溶性多糖類のなかでも プルラン、デキストリンが最も固結抑制効果が高く好ましい。プルラン、デキストリンは
、所望の製剤に応じて、単独で用いてもまたは二種を併用してもよい。特に、プルラ ンが好ましい。
[0017] 本発明におけるプルランとは、通常、デンプンを原料とし黒酵母の一種である Aureo basidium pullulansを培養して得られた、マノレトトリオース力 S規貝 IJ正しく α -1 , 6結合し た天然多糖類である。好ましくは、化学反応による置換基の導入などの修飾を加えて いないものが挙げられる。プルランは医薬品としての使用上許容されるものであれば 特に制限はないが、好ましくは平均分子量が 1〜; 100万、より好ましくは 5〜50万、さ らに好ましくは 10〜30万である。
[0018] 本発明におけるデキストリンとは、通常、乾燥デンプンを加熱処理して得られた、マ ルトースに至る中間生成物の総称で一般式(C Η 0 ) η · χ Η 0で表される多糖類で
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ある。デキストリンは医薬品として使用上許容されるものであれば特に制限はないが、 好まし < (ま平均分子量力 1000〜20000、より好まし < (ま 2000〜; 10000、さらに好ま し <は 3000〜6000である。
[0019] 本発明の粒状製剤において、固結抑制、服用性などの観点から、糖もしくは糖アル コーノレ (ま、製斉 U中、 20-99. 8重量0 /0、好ましく (ま 20〜99重量0 /0、より好ましく (ま 50 〜99重量%、さらに好ましくは 75〜98重量%含有される。また、有機酸は、製剤中、 0. ;!〜 30重量%、好ましくは 0. 5〜20重量%、さらに好ましくは 1〜; 10重量%含有 される。水溶性多糖類 (プルランおよび/またはデキストリン)は、製剤中、 0. ;!〜 20 重量%、好ましくは 0. 5〜; 15重量%、さらに好ましくは 1〜; 10重量%含有される。
[0020] 本発明の粒状製剤にお!/、ては、固結抑制の観点から、水溶性多糖類 (プルランお よび/またはデキストリン)の添加量と有機酸の添加量の重量比(水溶性多糖類添加 量/有機酸添加量)は、通常 0. 01以上、好ましくは 0. 02以上、さらに好ましくは、 0 . 1以上、特に好ましくは 0. 65以上である。上限は特に規定されないが、通常 100以 下、好ましくは 50以下、さらに好ましくは 25以下、特に好ましくは 15以下である。
[0021] 本発明における粒状製剤は、粒子径が 1700 m以下の顆粒として形成されてなる ことが好ましい。本明細書中における粒子径とは、特に断りがない限り、粒子の積算% (体積基準)の分布曲線力 0%の横軸と交差するポイントの粒子径である 90%径を意味 する。該粒子径は、例えば、レーザ回折式粒度分布測定装置(SALD-3000 島津製
作所)を用いて、乾式 (噴射式)により測定される。
[0022] 本発明における粒状製剤の粒子径 (90%径)につ!/、ては、良好な服用感が得られる という観点で、通常 1700 m以下、好ましくは 850 m以下、更に好ましくは 500 m以 下、特に好ましくは 350 以下である。また、良好な服用感が得られるという観点で 、 10%径 (粒子の積算%(体積基準)の分布曲線力 S 10%の横軸と交差するポイントの粒 子径)が 75 ,1 m以上であることが好まし!/、。
[0023] 本発明における口腔内崩壊型製剤は、口腔内で服用した全量が 30秒以内に溶解 又は 200 m以下まで崩壊する製剤をいう。服用した全量が 15秒以内に溶解又は 75 11 m以下まで崩壊する場合はより好ましレ、服用感が得られる。
[0024] このように、活性成分に糖もしくは糖アルコール、有機酸、ならびに、プルランおよ びデキストリンからなる群より選ばれる少なくとも 1つである水溶性多糖類を配合して 得られる本発明の粒状製剤は、保存時に固結が抑制され取扱性に優れるとともに、 有機酸の配合により糖もしくは糖アルコール単独の場合よりも口腔内での溶解性を 向上し、かつ、酸味が加わることにより優れた服用感を有する点で有用な製剤となる
〇
[0025] 本発明における固結とは、粒状製剤が強く凝集し、弱い物理的刺激により容易に 元の状態に復元しなレ、ことを意味し、固結しにくいとは弱!/、物理的刺激により容易に 元の状態に復元するか、または、凝集が全くない状態を意味する。
例えば、本明細書の実施例記載の評価方法を用い、粒状製剤中の良好、凝集(弱 )、凝集(中)、凝集 (強)の各重量%を求め、凝集(中)と凝集 (強)の和を「固結した顆 粒の重量%」として、固結の程度を評価することができる。本発明において固結が抑 制されたとは、特定の保存条件で保存したあとの「固結した顆粒の重量%」が、固結 抑制剤無添加の製剤と比較して、減少することで判定できる。減少してレ、ればその大 小は問わないが、例えば、固結抑制剤無添加製剤を 40°Cで 4日間保存した後の「固 結した顆粒の重量%」を基準として、固結抑制剤添加製剤を同条件で保存した後の 「固結した顆粒の重量%」が、 0. 9倍以下であればよぐ好ましくは 0. 7倍以下であり 、より好ましくは 0. 5倍以下であり、さらに好ましくは 0. 25倍以下である。
[0026] 本発明における固結抑制剤とは、ビグアナイド系薬物以外の活性成分、糖もしくは
糖アルコールおよび有機酸を含む粒状製剤が保存中に固結をするのを抑制するた めに添加するものであって、プルランおよびデキストリンからなる群より選ばれる少なく とも 1つである水溶性多糖類を含む剤である。好ましい活性成分、糖もしくは糖アルコ ール、有機酸、水溶性多糖類 (プルランおよび/またはデキストリン)およびその添カロ 量などは上記に述べたとおりである。固結抑制剤として上記プルランおよびデキストリ ンを用いた時、特に、口腔内で速やかに溶解し、味に影響を及ぼさず服用性が良好 になるとレ、う優れた効果を有する。
[0027] 本発明の粒状製剤は、 自体公知の造粒方法により製造できる。例えば、上記したよ うな活性成分に糖もしくは糖アルコール、および有機酸を一般に製剤において用い られる配合方法により配合した後、造粒、乾燥し、これに水溶性多糖類 (プルランおよ び/またはデキストリン)を配合することにより製造できる。造粒方法としては、例えば 、押し出し造粒法、流動層造粒法、転動造粒法、混合攪拌造粒法などが挙げられる 。製造性の観点から、好ましくは押し出し造粒法、流動層造粒法、混合攪拌造粒法、 より好ましくは流動層造粒法が挙げられる。
[0028] また、上記したような活性成分に糖もしくは糖アルコール、有機酸および水溶性多 糖類 (プルランおよび/またはデキストリン)を一般に製剤において用いられる配合方 法により配合した後、公知の造粒、乾燥し粒状製剤を得る方法;水溶性多糖類 (プル ランおよび/またはデキストリン)を溶解した溶液を活性成分、糖もしくは糖アルコー ルおよび有機酸を含む粒状製剤に公知の製造方法により噴霧する方法;水溶性多 糖類 (プルランおよび/またはデキストリン)を溶解した溶液を活性成分、糖もしくは 糖アルコールおよび有機酸に噴霧して造粒することにより粒状製剤を得る方法など 力 sある。
本発明により得られた粒状製剤を用い、公知の加圧成型手段を用いることにより上 記活性成分を含有する錠剤を製造することができる。
[0029] 本発明における粒状製剤には、製剤分野において通常使用される無毒性かつ不 活性な添加剤を添加することもできる。これらの添加剤としては、実質的に本発明の 効果に影響を与えず、一般に経口製剤に使用されるものが挙げられる。
たとえば、アラビアゴム、ゼラチン、メチルセルロース、ポリビュルピロリドン、ヒドロキ
シプロピルセルロース (以下、 HPCと略称することがある。)、ヒドロキシプロピルメチル セルロース、トウモロコシデンプンなどの結合剤、グリチルリチン酸ジカリウム、サッカリ ン、サッカリンナトリウム、ステビア、タウマチン、ネオテーム、アスパルテーム、アセス ルファムカリウムまたはスクラロースなどの高甘味度甘味剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤 などを添加してもよい。レモン、レモンライム、グレープ、ウメまたはヨーグルトなどの着 香剤 '香料などを配合することもでき、その場合は、より好ましい服用感が得られる。
[0030] さらに、本発明の粒状製剤に用いる活性成分には苦味などの不快な味を有する薬 物もあるため、活性成分の不快な味をマスキング処理して用いることもできる。不快な 味のマスキングは自体公知のコーティング方法で行うことができ、コーティング剤とし ては通常用いられるコーティング剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒ ドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビュルピロリドンなど)を用いるこ とができ、また、コーティング助剤としては、ポリエチレングリコール 6000、ポリソルべ ート(例えば、ツイーン 80など)、タルク、酸化チタン、色素などを用いることができる。
[0031] 本発明の粒状製剤は、哺乳動物(例えば、ヒト、ィヌ、ゥサギ、ラット、マウスなど)の 医薬または食品(機能性食品などを含む)として安全に禾 IJ用すること力 Sできる。
[0032] 本発明における固結抑制方法とは、ビグアナイド系薬物以外の活性成分、糖もしく は糖アルコールおよび有機酸を含む製剤に、プルランおよびデキストリンからなる群 より選ばれる少なくとも 1つである水溶性多糖類を添加することにより粒状製剤の固結 を抑制する方法である。例えば上記活性成分、糖もしくは糖アルコールおよび有機 酸を含む粒状製剤に水溶性多糖類 (プルランおよび/またはデキストリン)を配合す る方法;水溶性多糖類を溶解した溶液を用い、上記活性成分、糖もしくは糖アルコー ルおよび有機酸を含む粒状製剤に公知の製造方法により噴霧する方法;水溶性多 糖類を溶解した溶液を上記活性成分、糖もしくは糖アルコールおよび/または有機 酸に噴霧、造粒する方法;または、上記活性成分、糖もしくは糖アルコール、有機酸 および水溶性多糖類を混合し公知の方法により造粒することにより固結を抑制する 方法が挙げられる。好ましい方法としては、上記活性成分、糖もしくは糖アルコール および有機酸を含む粒状製剤に水溶性多糖類 (プルランおよび/またはデキストリン )を配合する方法はり具体的には、水溶性多糖類を粉末で配合する方法)が挙げら
れる。なお、好ましい活性成分、糖もしくは糖アルコール、有機酸、水溶性多糖類 (プ ルランおよび/またはデキストリン)およびその添加量などは上記に述べたとおりであ
[0033] 本発明における固結が抑制された粒状製剤の製造方法とは、ビグアナイド系薬物 以外の活性成分、糖もしくは糖アルコールおよび有機酸に、プルランおよびデキスト リンからなる群より選ばれる少なくとも 1つである水溶性多糖類を添加することにより固 結が抑制された粒状製剤を製造することを特徴とする製造方法である。例としては、 上記活性成分、糖もしくは糖アルコールおよび有機酸を含む粒状製剤を調製するェ 程および水溶性多糖類 (プルランおよび/またはデキストリン)を添加する工程を含 む製造方法;上記活性成分に糖もしくは糖アルコール、有機酸および水溶性多糖類 (プルランおよび/またはデキストリン)を一般に製剤において用いられる配合方法に より配合した後、公知の方法により粒状製剤を調製する製造方法;上記活性成分、糖 もしくは糖アルコール、有機酸を含む粒状製剤を調製する工程および水溶性多糖類 (プルランおよび/またはデキストリン)を溶解した液を粒状製剤に噴霧する工程を含 む製造方法;上記活性成分、糖もしくは糖アルコール、および有機酸に水溶性多糖 類 (プルランおよび/またはデキストリン)を溶解した液を噴霧して粒状製剤を調製す る製造方法などが挙げられる。なかでも好ましい製造方法としては、上記活性成分、 糖もしくは糖アルコールおよび有機酸を含む粒状製剤を調製する工程および水溶性 多糖類 (プルランおよび/またはデキストリン)を添加する工程を含む製造方法が挙 げられる。なお、好ましい活性成分、糖もしくは糖アルコール、有機酸、水溶性多糖 類 (プルランおよび/またはデキストリン)およびその添加量などは上記に述べたとお りである。
[0034] 本発明の別の態様として、糖もしくは糖アルコール、有機酸、ならびに、プルランお よびデキストリンからなる群より選ばれる少なくとも 1つである水溶性多糖類を含み、ビ グアナイド系薬物を含まない、固結が抑制されたことを特徴とする粒状製剤が挙げら れる。当該粒状製剤は、医薬または医薬品添加物などに使用することができる。好ま しい糖もしくは糖アルコール、有機酸、水溶性多糖類 (プルランおよび/またはデキ ストリン)およびその添加量などは上記に述べたとおりである。
実施例
[0035] 以下に実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、これらは本発明を限定す るものではない。
[0036] 特に明記した場合を除き、以下の実施例、比較例および試験例にお!/、て、次の化 合物または試薬を使用した。
プルラン: PI-20微粉末、林原商事
デキストリン:パインデックス #2、松谷化学工業
化合物(I) : (3R)— 2,一(4ーブロモー 2 フルォロベンジル)スピロ〔ピロリジン 3, 4 ' (1 ' ^1)ーピロロ〔1 , 2 &〕ピラジン〕ー1 ' , 2, 3' , 5 (2' H)—テトラオン(ラニレスタ ット;例えば、 日本特許第 2516147号などに記載の方法に従って合成できる。 ) 化合物(II): N— { 2— [2— [ (3 フルオロフヱニル)ィミノ] 4一(4 モノレホリンー 4 —ィルフエ二ル)一 1 , 3—チアゾール 3 (2H)—ィノレ]ェチル }— N,一メチルゥレア (例えば、 WO2006/118268などに記載の方法に従って合成できる。 ) 化合物(III) : 5— (3 メトキシフエニル) 3—(5 メチルー 1 , 2, 4 ォキサジァゾ 一ルー 3 ィル)ー1 , 6 ナフチリジン 2 (1H)—オン(例えば、 WO99/03857な どに記載の方法に従って合成できる。 )
[0037] 1.有機酸の固結増強効果
(1)押出造粒法
エリスリトール (微粉)、マンニトールまたはキシリトール (微粉) 22.5gと有機酸 2.5gを 秤量し、乳鉢で混合した(有機酸添加量 10%)。有機酸としては無水クェン酸 (粉砕物 )またはリンゴ酸を用いた。これに水 0.4gを徐々に添加しながら乳鉢で約 5分間練合し 、更に水 0.4gを徐々に添加しながら乳鉢で約 5分間練合した。練合品を 40°Cで約 15 分乾燥し、 目開き 500 mの篩で篩過整粒した。これを 40°Cで約 1〜2時間乾燥し、 目 開き 500 mの篩で篩過整粒した。有機酸の添加以外は同様にして有機酸なしの製 剤を得た。
[0038] (2)保存方法
得られた製剤のうち 4gを白色のガラス瓶 (サイズ: 2号、製造:大阪硝子)に密封して 、 40°Cで 7日間保存した。なお以下の実施例などでは、実施例の製剤 4.5g又は比較
例の製剤 4gを上記白色のガラス瓶に密封して、 40°Cまたは 35°Cで所定の期間保存し た。
[0039] (3)評価方法
1)ふるレ、 (目開き 2000 m)の重量 (A)と受皿の重量 (B)を測定する。
2)保存容器の蓋を開けて、ふるい上で静かに反転し、受皿の重量 (D)を測定する
3)保存容器内に残留した製剤がある場合、容器の蓋を閉め反転して、高さ 2cmから 3回自由落下させ、落下衝撃を与える。
4)容器の蓋を開けて、ふる!/、上で静かに反転する。
5)ふるいを高さ 2cmから 3回自由落下させて、落下衝撃を与え、ふるいの重量 (E)と 受皿の重量 (F)を測定する。
6)保存容器内に残留した製剤がある場合、残留した製剤とともに保存容器の重量 ( G)を測定する。
7)保存容器中から残留した製剤を除去し、保存容器自体の重量 (H)を測定する。
8)保存容器から排出された製剤の全重量を求める(T= (D -B) + (F-D) + (Ε-Α) + (G— Η) )。
9)以下の式から、良好、凝集 (弱)、凝集(中)、凝集(強)の重量 %を求め、凝集(中 )と凝集(強)の和を「固結した顆粒の重量%」とした。
(計算式)
良好 = (D— Β) /Τ Χ 100
凝集 (弱) = (F— D) /T X 100
凝集(中) = (E— A) /T X 100
凝集(強) = (G— H) /T X 100
以下の実施例、試験例などでは、上記で定義した「固結した顆粒の重量%」により、 固結の程度を評価した。
[0040] 結果は表 1に示した。有機酸を添加することにより固結が増強されることが示された
[0041] [表 1]
固結した顆粒の重 4%
有機酸なし クェン酸添 J口 リンゴ 飾 マンニトール 1 94 13
ルコ-ル ェ ス!!ト-ル 1 15 48
キシ D Hレ 13 100 100
[0042] (4)流動層造粒法
エリスリトール (微粉) 800gと無水クェン酸(粉砕物)を 100gとり(有機酸添加量 11.1% )、ポリエチレン (以下、 PE)袋で手混合し、これを目開き 500 πιの篩で篩過した。篩 過物を流動層造粒機 (バウレック社マルチプレックス MP-01)を用い、給気温度 70°C、 風量 70m3/hr、スプレー圧 0.15MPaの条件で 1%トウモロコシデンプン溶液(トウモロコシ デンプン 5gを精製水 450gに溶解したものを 95°Cまで加熱し、常温まで冷却したのち 総重量が 500gになるように精製水を追加して調製した。以下の実施例などでも同様 にして調製した 1%トウモロコシデンプン溶液を用いた)を 6g/minの速度で 20分間、 10g /minの速度で 38分間噴霧して造粒を行った。造粒後、給気温度 70°C、風量 70m3/hr の条件で約 20分間乾燥した。無水クェン酸を添加しないエリスリトールのみの製剤( エリスリトールの仕込量は 900gとした)も同様にして得た。
[0043] 保存は 40°Cで 7日行った。結果は表 2に示した。クェン酸を添加することにより固結 が増強されることが示された。
[0044] [表 2]
2.水溶性多糖類(プルランおよび/またはデキストリン)の固結抑制効果
(1)押出造粒法 エリスリトール (微粉)またはマンニトールと有機酸を表 3に示すとおり秤量し、乳鉢 で混合した(有機酸添加量 10%)。これに水 0.4gを徐々に添加しながら乳鉢で約 5分
間練合し、更に水 0.4gを徐々に添加しながら乳鉢で約 5分間練合した。練合品を 40 °Cで約 15分乾燥し、 目開き 500 mの篩で篩過整粒した。これを 40°Cで約 1〜2時間 乾燥し、 目開き 500 a mの篩で篩過整粒した。
[表 3]
[0047] 実施例 1 (プルラン添加あり)
上記の比較例 1に示す方法で製した製剤 4gにプルランを 0.5g添加し、 PE袋で約 5分 間混合した。
[0048] 実施例 2 (デキストリン添加あり)
上記の比較例 1に示す方法で製した製剤 4gにデキストリンを 0.5g添加し、 PE袋で約 5分間混合した。
[0049] 比較例 2 (プルラン添加なし)
キシリトーノレ(微粉)、ソノレビトーノレ、マルチトール(粉末マビット (R) 100M、林原商事 )、フルクトース、トレハロース、スクロースまたはパラチノースと有機酸を表 4および表 5に示すとおり秤量し、乳鉢で混合した(有機酸添加量 10%)。これに水 0.4gを徐々に 添加しながら乳鉢で約 5分間練合し、更に水 0.4gを徐々に添加しながら乳鉢で約 5分 間練合した。練合品を 40°Cで約 15分乾燥し、 目開き 500 πιの篩で篩過整粒した。更 に 40°Cで約 1〜2時間乾燥した後、 目開き 850または 500 mの篩で篩過整粒した。
[0050] [表 4]
成分 添細 (g)
キシ J]ト-ル 22.5 22.5 ― 一 ―
カレビトー 一 ― 22.5 22.5
マ/ i トル 一 ― ― 22.5 22.5 ― ― ― フルクトス ― ― 一 ― 22.5 22.5 ― 一 トレハ口—ス ― ― ― ― -— 22.5 22.5 無水ク 酸 (粉難) 2.5 ― 2.5 2.5 ― 2.5 ― 2.5 ― リン 酸 ― 2.5 ― 2.5 ― 2.5 2.5 ― 2.5
[0051] [表 5]
[0052] 実施例 3 (プルラン添加あり)
上記の比較例 2に示す方法で製した製剤 4gにプルランを 0.5g添加し、 PE袋で約 5分 間混合した。
[0053] 比較例 3 (プルラン添加なし)
グノレコースまたは乳糖と有機酸を表 6に示すとおり秤量し、乳鉢で混合した(有機酸 添加量 30%)。これに水 0.64gを徐々に添加しながら乳鉢で約 5分間練合し、更に水 0.
64gを徐々に添加しながら乳鉢で約 5分間練合した。練合品を 40°Cで約 15分乾燥し、 目開き 500 mの篩で篩過整粒した。更に 40°Cで約 1〜2時間乾燥した後、 目開き 850
11 mの篩で篩過整粒した。
[0054] [表 6]
添滅(g)
ク、、ルコ ス 14 14 ― ―
? Lit ― ― 14 14
無水ク 酸(粉画 6 6 ―
ϋンコ、、酸 ― 6 一 6
[0055] 実施例 4 (プルラン添加あり)
上記の比較例 3に示す方法で製した製剤 4gにプルランを 0.5g添加し、 PE袋で約 5分 間混合した。
[0056] 試験例 1
比較例 1〜3および実施例 1〜4の製剤について、上記記載の保存方法および評 価方法に従い、固結の程度を評価した。
結果は表 7および 8に示した。糖もしくは糖アルコールと有機酸を混合すると固結を 生じ、それに対して水溶性多糖類であるプルランが固結を抑制する効果を有すること が示された。同様に水溶性多糖類であるデキストリンでも固結抑制効果が認められた
[0057] [表 7-1]
固結し; til粒の a»% 糖もしく BSrルコ-ル 棚酸 保練牛 比較例 戴例
(%)
フ' ^ンなし フ' ^ン觀 エリスリ トール クェン酸 10 40°CX6曰 15 0 リン 10 40ΐ:χ6曰 48 6 ァスコルビン酸 10 40°C 6曰 100 0 酒石酸 10 40°C 6曰 100 1 コハク酸 10 0°C 6曰 32 0 キシリ トール クェン酸 10 40°CX6曰 100 100 リン 10 40°CX6日 100 100 マンニトール クェン酸 10 40°CX6日 94 0 リン 10 40°CX6曰 13 0 ァスコ,レビン酸 10 40°CX6日 100 2 酒確 10 4CCX6日 14 0 コハク酸 10 40ΐ:Χ6曰 100 18 ソルビト一ル クェン酸 10 4tfCX6曰 100 100 リン d被 10 40°CX6曰 100 100 Λ^· I ^一ル クェン酸 10 40°CX6曰 21 16 リン: ¾ 10 40°CX6曰 5 16 クェン酸 10 35°CX4曰 28 8 リン 10 35 X4日 18 3 -2]
赚 クェン酸 30 40¾Χ4 Ρ 100 100 リン 30 40°CX40 0 0 スクロース クェン酸 10 40°CX6曰 100 3 リンゴ 10 40°C 6日 11 0 グルコース クェン酸 30 40°CX40 17 0 リンゴ谮 30 40X X4日 100 0 フルクトース クェン酸 10 0°CX6曰 100 100 リンゴ ¾ 10 40°CX6曰 100 100 卜レハロース クェン酸 10 40°CX6曰 29 100 リンゴ 10 40°C 6曰 33 13 クェン酸 10 40 :x4曰 9 0 リンゴ被 10 40°CX4曰 5 0 ハ°ラチノース クェン酸 10 40"CX6曰 12 0 リン 10 40°CX60 33 6
[0059] [表 8]
[0060] (2)流動層造粒法
比較例 4 (プルラン添加なし)
エリスリトール (微粉) 800gと無水クェン酸(粉砕物) 100gをとり(有機酸添加量 11. 1 %)、 PE袋で手混合し、これを目開き 500 mの篩で篩過した。篩過物を流動層造粒機 (パゥレック社マルチプレックス MP-01)を用い、給気温度 70°C、風量 70m3/hr、スプレ 一圧 0.12MPaの条件で 1%トウモロコシデンプン溶液を 6g/minの速度で 20分間、 10g/ minの速度で 38分間噴霧して造粒を行った。造粒後、給気温度 70°C、風量 70m3/hrの 条件で約 20分間乾燥した。
キシリトール(微粉)、ソルビトールまたはマルチトール(粉末マビット (R) 100M、林原 商事) 126gと、無水クェン酸(粉砕物)またはリンゴ酸 14gをとり(有機酸添加量 10%)、 PE袋中で手混合し、これを目開き 710 πιの篩で篩過した。篩過物を流動層造粒機( フロイント産業製 FL-Labo)を用い、給気温度 50°C、風量 0.4m3/min、スプレー流量 25 NL/min1)の条件で水を lg/minの速度で 21分間噴霧し造粒を行った。造粒後、給気 温度 50°C、風量 0.4m3/minの条件で約 3分間乾燥した。これを目開き 710 mの篩で 篩過した。
" INL/min =基準状態(圧力 0.1013MPa、温度 0°C、湿度 0%)の空気が毎分 1リツタ 一流れるという意味である。
[0061] 実施例 5 (プルラン添加あり)
上記の比較例 4の製剤 4gにプルランを 0.5g添加し、 PE袋で約 5分間混合した。
[0062] 試験例 2
比較例 4および実施例 5の製剤につ!/、て、上記記載の保存方法および評価方法に 従い、固結の程度を評価した。
結果は表 9に示した。流動層造粒法においても、エリスリトール、キシリトール、カレ ビトールおよびマルチトールと有機酸を混合することによる固結に対して、水溶性多 糖類であるプルランが固結を抑制する効果を有することが示された。
[0063] [表 9]
固結し 粒の重 /0 極酸
糖もしくぱ ^ΪΤルコル 有機酸 保観牛 比糊 4 難例 5
(%)
ア^ンなし フ。/ ン漏口 エリスリ トール クェン酸 11.1 °C 7曰 15 0
キシリ トール クェン酸 10 40°CX3曰 94 0
リン: ¾ 10 40¾Χ3曰 100 4
マゾ トール クェン酸 10 40¾Χ3曰 37 7
リン: ¾ 10 40 X3曰 21 2
ソルビトール クェン酸 10 40 :X3曰 25 0
リン ¾ 10 40^X3曰 9 0
[0064] (3)粉末混合法
比較例 5 (プルランなし)
キシリトーノレ(微粉)、ソノレビトーノレ、マルチトール(粉末マビット (R) 100Μ、林原商事 )、フルクトースまたはトレハロース22.5gと無水クェン酸(粉砕物)又はリンゴ酸2.5gを 表 10に示すとおり秤量し、乳鉢で混合した(有機酸添加量 10%)。
[0065] 実施例 6 (プルランあり)
上記の比較例 5に示す方法で製した製剤 4gにプルランを 0.5g添加し、 PE袋で約 5分 間混合した。
[0066] [表 10]
[0067] 試験例 3
比較例 5および実施例 6の製剤につ!/、て、上記記載の保存方法および評価方法に 従い、固結の程度を評価した。
結果は表 11に示した。糖もしくは糖アルコ一ルと有機酸を混合すると固結を生じ、 それに対して水溶性多糖類であるプルランが固結を抑制する効果を有することが示 された。
[表 11]
保存条件: 40°CX 3曰 3.水溶性高分子とプルランの固結抑制効果の比較
エリスリトール(微粉)またはマンニトール 22.5gと無水クェン酸またはリンゴ酸 2.5gを 秤量し、乳鉢で混合した(有機酸添加量 10%)。これに水 0.4gを徐々に添加しながら 乳鉢で約 5分間練合し、更に水 0.4gを徐々に添加しながら乳鉢で約 5分間練合した。 練合品を 40°Cで約 15分乾燥し、 目開き 500 mの篩で篩過整粒した。これを 40°Cで 約 1〜2時間乾燥し、 目開き 500 mの篩で篩過整粒した。
これらの製剤 4gに下記の水溶性高分子またはプルラン 0.5gを添加し、 PE袋で約 5分 間混合した。
水溶性高分子: PVA (ボリビュルアルコール:ゴーセノール EG_05、 日本合成化学ェ 業)、
PVP (ポリビュルピロリドン:コリドン CL、 BASF)、
CMC-Na (カルボキシメチルセルロースナトリウム:ナカライテスタ)、
CVP (カルボキシビュルポリマー: CARBOPOL 934P NF、 BF Goodrich)
[0070] 試験例 4
上記で製した製剤を用い、上記記載の保存方法および評価方法に従い、固結の 程度を評価した。
結果は表 12に示した。上記高分子とプルランの固結抑制効果を比較すると、プノレ ランの固結抑制効果がはるかに高いことが示された。
[0071] [表 12]
保存条件 40°C X4 日
[0072] 4.プルランおよび/またはデキストリンとそれ以外の水溶性多糖類の固結抑制効果 の比較
エリスリトール (微粉)またはマンニトール 22.5gと無水クェン酸 (粉砕物)またはリンゴ 酸 2.5gを秤量し、乳鉢で混合した。これに水 0.4gを徐々に添加しながら乳鉢で約 5分 間練合し、更に水 0.4gを徐々に添加しながら乳鉢で約 5分間練合した。練合品を 40 °Cで約 15分乾燥し、 目開き 500 mの篩で篩過整粒した。これを 40°Cで約 1〜2時間 乾燥し、 目開き 500 a mの篩で篩過整粒した。
これらの製剤 4gに、プルラン、デキストリンまたは表 13に示す水溶性多糖類 0.5gを 添カロし、 PE袋で約 5分間混合した。
[0073] 試験例 5
上記で製した製剤を用い、上記記載の保存方法および評価方法に従い、固結の 程度を評価した。
結果は表 13に示した。他の水溶性多糖類に比べて、プルランおよびデキストリンの 固結抑制効果がはるかに高ぐプルランおよびデキストリンは極めて優れた固結抑制
剤であることが示された。
[0074] [表 13]
保存条件 40°CX B
[0075] 5.有機酸と水溶性多糖類の配合比の検討 (活性成分:ブロナンセリン)
(1)量比の検討
活性成分:ブロナンセリン
糖アルコール:エリスリトール(微粉)またはマンニトール
有機酸:無水クェン酸 (粉砕物)またはリンゴ酸
水溶性多糖類:プルラン
[0076] 比較例 6 (プルラン添加なし)
ブロナンセリン 0.2g (固定)、糖アルコールおよび有機酸(粉砕物)を表 14のとおり 秤量し、以下、上記記載の押出造粒法に従って製剤を製した。
[0077] [表 14]
棚酸添滅 1)
0.2 % 5 % 10 % 30 %
0 % 24.8/0.05 23.6/1.2 22.3/2.5 17.4/7.4
0.1 % 24.8/0.05 23.6/1.2 ― 一
フ' ン 1 % 24.80.05 23.6/1.2 22.3/2.5 ― 励口量 3 % 一 23.6/1.2 22.3/2.5
2 ) 5 % ― 一 17.4/7.4
10 % ― 23.6/1.2 22.3/2.5 ―
20 % ― ― ― 17.4/7.4
1 )有機酸の霞を固麵制剤を除く翻の総重量でわり、 100を掛けた値で表した。
2 ) プルランの重量を固麟制剤を除く翻の総 M*でわり、 100を掛けた値で表した。
カラム中の はその処方における 「糖アルコール/有機酸」 の添 量 (g) を示す。
[0078] 実施例 7 (プルラン添加あり)
上記の比較例の製剤 4gに表 15に示す量のプルランをそれぞれ添加し、 PE袋で約 5 分間混合した。
[0079] [表 15]
1 )棚酸の霞を固励制剤を除く翻の総重量でわり、 100を掛けた値で表した。
2 ) プルランの重量を固繊翻を除く翻の総 II»でわり、 100を掛けた値で した。
カラム中の数字はその処方におけるプルランの添加量 (g) を示す。
[0080] 試験例 6
比較例 6および実施例 7の製剤について、 40°Cで、 4日間保存した後に、上記記載 の評価方法にて評価した。
(2)試験結果
1)ブロナンセリン、マンニトール、クェン酸処方
結果は表 16に示した。マンニトールの場合、プルランを添加しない場合に比べて、 クェン酸 0.2%および 5%に対してプルランは 0.1%で固結を抑制することができた。クェン 酸 10%および 30%に対してプルランはそれぞれ 10%および 20%で固結を抑制することが できた。
[表 16]
1 ) 德酸の を H SM制剤を除く翻の総重量でわり、 looを掛けた値で し
2) プルランの重量を固 制剤を除く製剤の総重量でわり、 100を掛けた値で表した。
[0082] 2)ブロナンセリン、マンニトーノレ、リンゴ酸処方
結果は表 17に示した。マンニトールの場合、プルランを添加しない場合に比べて、 リンゴ酸 0.2%に対してプルランは 0.1%で固結を抑制することができた。リンゴ酸 5%に対 しては、プルランは用量依存的に固結を抑制することができ、クェン酸 10%および 30% に対してプルランはそれぞれ 1%および 5%で固結を抑制することができた。
[0083] [表 17]
量 1 )
固結した顆粒の重 4%
0.2 % 5 % 10 % 30 % 比糊 0 % 100 100 100 91 難例 0.1 % 47 88 ― ―
麵例 1 % 0 87 40 ―
プルラン
難例 3 % 58 23 ―
¾¾¾量 2)
難 5 % ― 19 難例 10 % ― 0 0
難例 20 % —― 0
1 ) 棚酸の藤を固 lew制剤を除く翻の総重量でわり、 100を掛けた値で表した。
2 ) プルランの重量を固結抑制剤を除く製剤の総 でわり、 100を掛けた値で表した。
[0084] 3)ブロナンセリン、エリスリトーノレ、クェン酸処方
結果は表 18に示した。エリスリトールの場合、有機酸 0.2%では固結を生じなかった。 プルランを添加しない場合に比べて、クェン酸 5%に対してプルランは用量依存的に 固結を抑制することができ、プルランは 10%でほぼ完全に固結を抑制することができ た。クェン酸 10%および 30%に対してプルランはそれぞれ 1%および 5%で固結を抑制す ること力 Sでさた。
[0085] [表 18]
1 ) 機酸の纖を固 制剤を除く翻の総重量でわり、 100を掛けた値で表し fc„
2) プルランの重量を固 制剤を除く勵 jの総 fi*でわり、 100を掛けた値で表した。
[0086] 4)ブロナンセリン、エリスリトーノレ、リンゴ酸処方
結果は表 19に示した。エリスリトールの場合、プルランを添加しない場合に比べて、
リンゴ酸 0.2%に対してプルランは 0.1%で固結を抑制することができた。リンゴ酸 5%およ び 10%に対しては、プルランは用量依存的に固結を抑制することができ、リンゴ酸 30% に対してプルランは 5%で固結を抑制することができた。
[表 19]
1 ) 柳酸の ¾Sを固¾»制剤を除く歸 IJの総重量でわり、 100を掛けた値で表した。
2 ) プルランの重量を固 ¾ffl〗f|0¾を除く■の総重量でわり、 100を掛けた値で表した。
[0088] 6.種々の活性成分での検討結果
活性成分:表 20に示す。
糖アルコール:エリスリトール(微粉)またはマンニトール
有機酸:無水クェン酸 (粉砕物)またはリンゴ酸
[0089] 比較例 7 (プルランおよびデキストリンの添加なし)
各種活性成分、糖アルコールおよび有機酸を表 20のとおり秤量し、上記記載の押 出造粒法または粉末混合法に記載の方法に従って製剤を製した。
流動層造粒法の場合、ブロナンセリン l. lg、マンニトールまたはエリスリトール (微粉 ) 125.0g、および無水クェン酸 (粉砕物)またはリンゴ酸 13.9gをとり、 PE袋で手混合し 、これを目開き 710 πιの篩で篩過した。篩過物を流動層造粒機 (フロイント産業製 FL -Labo)を用い、給気温度 50°C、風量 0.4m3/min、スプレー流量 25NL/minの条件で水 を lg/minの速度で 21分間噴霧して造粒を行った。造粒後、給気温度 50°C、風量 0.4m 3/minの条件で約 3分間乾燥した。これを目開き 710 mの篩で篩過した。
[0090] 実施例 8 (プルランの添加あり)
上記の比較例 7の製剤 4gにプルランを 0.5g添加し、 PE袋で約 5分間混合した。プル ラン添加後の製剤の粒子径(90%径)は、 285 mであった。
[0091] 実施例 9 (デキストリンの添加あり)
上記の比較例 7の製剤 4gにデキストリンを 0.5g添加し、 PE袋で約 5分間混合した。
[0092] 試験例 7
比較例 7、実施例 8および実施例 9の製剤について、 40°Cで、 4日間保存した後に、 上記記載の評価方法にて評価した。
[0093] [表 20]
[0094] プルラン添加の結果を表 21に、デキストリン添加の結果を表 22に示した。すべての 活性成分でプルランおよびデキストリンにより固結抑制効果が認められた。
[0095] [表 21]
保存条件 押出、粉末混合 40°C X4日、流動層 40 Χ 3日
[0096] [表 22]
保存条件 粉雄合 40°C X 4 日、 流動層 4(mx 3日
[0097] 活性成分:表 23に示す。
糖アルコール:エリスリトール (微粉)
有機酸:無水クェン酸(粉砕物)、リンゴ酸
[0098] 比較例 8 (プルランおよびデキストリンの添加なし)
活性成分、エリスリトール (微粉)および有機酸を表 23および表 25のとおり秤量し、 上記記載の押出造粒法に記載の方法に従って製剤を製した。
[0099] 実施例 10 (プルランの添加あり)
上記の比較例 8の製剤 4 gにプルランをそれぞれ 0.5g添加し、 PE袋で約 5分間混合 した。
[0100] 実施例 11 (デキストリンの添加あり)
上記の比較例 8の製剤 4gにデキストリンを 0.5g添加し、 PE袋で約 5分間混合した。
[0101] 試験例 8
比較例 8、実施例 10および実施例 11の製剤について、 40°Cで、 4日間保存した後 に、上記記載の評価方法にて評価した。
[0102] [表 23]
活性成分 糖アルコ-ル 水溶性多糖類
有機酸 造 ¾1
添加量 添加量
成分名 添加量(g) 方法 比較例 実施例
(g) (g)
塩酸へ' α ί'卩ン Iリスリト-ル 無水ク Iン酸
0.43 押出 なし ルラン 水和物 22.1 2.5
Iリスリト -ル 無水ク Iン酸
ク'リクラシ'ド 1.0 押出 なし 1°ルラン
21.5 2.5
Iリスリト-ル 無水ク Iン酸
ルラシドン塩酸塩 2.0 押出 なし フ°ルラン
20.7 2.30
Iリスリト-ル リン]'酸
化合物 (I) 0.5 押出 なし 1°ルラン
22.1 2.45
Iリスリト-ル 無水ク Iン酸
化合物 (I) 0.5 押出 なし ルラン
22.1 2.45
エリスリトル 無水ク Iン酸
化合物 (Π) 1.3 押出 なし Ύルラン
22.5 1.25
エリスリトル 無水ク Iン酸
化合物 (m) 0.3 押出 なし 7°ルラン
22.3 2.5
[0103] 結果を表 24に示した。すべての活性成分においてプルランによる固結抑制効果が 認められた。
[0104] [表 24]
保存条件 40°C X 4曰
[0105] [表 25]
[0106] 結果を表 26に示した。化合物(I)において、デキストリンによる固結抑制効果が認
められた。
[0107] [表 26]
保存条件 40°C x 4曰
[0108] 実施例 12
クェン酸モサプリドニ水和物 0.13g、マンニトール 22.4g、リンゴ酸 2.49gを秤量し、上 記記載の押出造粒法に記載の方法に従って製剤を製した(有機酸添加量 10%)。こ の製剤 4gにプルランを 0.5g添加し、 PE袋で約 5分間混合した。 40°Cで、 4日間保存し た後に、上記記載の評価方法にて評価した。
[0109] その結果、固結した顆粒の重量%は 0%であった。
[oiio]
クェン酸モサプリドニ水和物 0.13g、エリスリトール(微粉) 22.4g、無水クェン酸 2.5g を秤量し、上記記載の押出造粒法に記載の方法に従って製剤を製した(有機酸添加 量 10%)。この製剤 4 gにプルランを 0.5g添加し、 PE袋で約 5分間混合した。 40°Cで、 4 日間保存した後に、上記記載の評価方法にて評価した。
[0111] その結果、固結した顆粒の重量%は 0%であった。
[0112] 活性成分含有粒子の作製
ァセトァミノフェンに被膜量 10%となるように、コーティングを施し、ァセトァミノフェン 含有粒子とした。被膜成分は、アクアコート(旭化成ケミカルズ)、トリァセチン、及びマ ンニトールが 100: 25: 50重量%のものを使用した。
[0113] ァセトァミノフェン含有粒子を用いた検討 エリスリトール (微粉) 22.2gおよび無水クェン酸 (粉砕品) 2.5gを秤量し、上記記載の 押出造粒法に記載の方法に従って造粒物を製した。得られた造粒物 3.95gに対し、 ァセトァミノフェン含有粒子 0.0528gの割合で混合し、製剤を製した (表 27)。
[0114] 実施例 14 (プルランの添加あり)
上記の比較例 9の製剤 4 gにプルランを 0.5g添加し、 PE袋で約 5分間混合した。
[0115] 試験例 9
比較例 9および実施例 14の製剤について、 40°Cで、 4日間保存した後に、上記記 載の評価方法にて評価した。
[0116] [表 27]
[0117] その結果を表 28に示した。ァセトァミノフェン含有粒子のように、活性成分をコーテ イング剤により被覆した粒子においても、プルランによる固結抑制効果が認められた
[0118] [表 28]
40°C X 4曰
[0119] 室温長期の保存安定性
ill 5
クェン酸モサプリドニ水和物 0.13g、マンニトール 22.4g、リンゴ酸 2.49gを秤量し、上 記記載の押出造粒法に記載の方法に従って製剤を製した。この製剤 4 gにプルラン を 0.5g添加し、 PE袋で約 5分間混合した。
ゾニサミド 2.5g、エリスリトール 20.3g、無水クェン酸 2.25gを秤量し、上記記載の押出 造粒法に記載の方法に従って製剤を製した。この製剤 4 gにプルランを 0.5g添加し、 P E袋で約 5分間混合した。
ブロナンセリン 0.2g、マンニトール 22.3g、リンゴ酸 2.5gを秤量し、上記記載の押出造
粒法に記載の方法に従って製剤を製した。この製剤 4 gにプルランを 0.5g添加し、 PE 袋で約 5分間混合した。
ブロナンセリン 0.2g、マンニトール 22.3g、無水クェン酸 2.5gを秤量し、上記記載の押 出造粒法に記載の方法に従って製剤を製した。この製剤 4 gにプルランを 0.5g添加し 、 PE袋で約 5分間混合した。
ブロナンセリン 0.2g、エリスリトール 22.3g、リンゴ酸 2.5gを秤量し、上記記載の押出造 粒法に記載の方法に従って製剤を製した。この製剤 4 gにプルランを 0.5g添加し、 PE 袋で約 5分間混合した。
ブロナンセリン 0.2g、エリスリトール 22.3g、無水クェン酸 2.5gを秤量し、上記記載の 押出造粒法に記載の方法に従って製剤を製した。この製剤 4 gにプルランを 0.5g添カロ し、 PE袋で約 5分間混合した。
[0120] 上記で得られた顆粒を、室温 (20〜30°C)にて 7ヶ月保存した後に、上記記載の評価 方法にて評価した。その結果、いずれの条件の場合も、固結した顆粒の重量%は 0 %であった。
[0121] 室温長期の保存安定性
比 例 10
ブロナンセリン l. lg、エリスリトール 125.0g、無水クェン酸 13.9gを秤量し、比較例 7に 記載の流動層造粒法に記載の方法に従って製剤を製した。この製剤 4 gにプルラン を 0.5g添加し、 PE袋で約 5分間混合した。
ブロナンセリン l. lg、マンニトール 125.0g、リンゴ酸 13.9gを秤量し、比較例 7に記載 の流動層造粒法に記載の方法に従って製剤を製した。この製剤 4 gにプルランを 0.5g 添カロし、 PE袋で約 5分間混合した。
[0122] 実施例 16
上記の比較例 10の製剤 4gにプルランをそれぞれ 0.5g添加し、 PE袋で約 5分間混合 した。
[0123] 比較例 10および実施例 16の製剤について、室温 (20〜30°C)にて 7ヶ月保存した後 に、上記記載の評価方法にて評価した。その結果を表 29に示した。どちらの組合せ の場合も、室温保存において、プルランによる固結抑制効果が認められた。
[0124] [表 29]
保存条件: 室温 X 7 ヶ月
[0125] 以上、本発明の具体的な態様のいくつ力、を詳細に説明した力 S、当業者であれば示 された特定の態様には、本発明の教示と利点から実質的に逸脱しない範囲で様々な 修正と変更をなすことは可能である。従って、そのような修正および変更も、すべて後 記の請求の範囲で請求される本発明の精神と範囲内に含まれるものである。
[0126] 本出願は日本で出願された特願 2006— 290561を基礎としており、その内容は本 明細書に全て包含されるものである。