WO2007129662A1 - 絶縁材料、電子部品装置の製造方法及び電子部品装置 - Google Patents
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Abstract
絶縁破壊が生じ難く、耐冷熱サイクル性及び耐高温放置性に優れた硬化物を与える絶縁材料、並びに電子部品装置及びその製造方法を提供する。 硬化性化合物(a)と、硬化剤(b)と、芳香族骨格を有する高分子ポリマーと、無機フィラー(e)とを特定の割合で含有し、硬化性化合物(a)は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、かつ少なくとも主鎖の一部に多環式芳香族炭化水素骨格(a1)を有する硬化性化合物、または1分子中に2個以上のエポキシ基を有し、かつ少なくとも主鎖の一部に2個以上の芳香環が単結合で直接結合した骨格(a2)を有する硬化性化合物であり、硬化性化合物(a)の全骨格100重量%中、上記骨格(a1)または上記骨格(a2)の占める割合が30重量%以上である絶縁材料、並びに該絶縁材料からなる絶縁層4を有する電子部品装置1及びその製造方法。
Description
絶縁材料、電子部品装置の製造方法及び電子部品装置
技術分野
[0001] 本発明は、半導体装置などの電子部品装置の絶縁部分を形成するのに適した絶 縁材料に関し、より詳細には、絶縁破壊が生じ難ぐかつ温度変化が与えられた場合 であっても、剥離等が生じ難い硬化物を与える絶縁材料、並びに該絶縁材料を用い た電子部品装置の製造方法及び電子部品装置に関する。
背景技術
[0002] 基板上に半導体素子が実装されている半導体装置の高性能化及び小型化を図る ために、ボンディングワイヤーを用いない面実装技術が用いられてきている。この種 の面実装技術は、例えば下記の特許文献 1に開示されている。面実装技術を用いる 場合には、基板上に半導体素子を接合したり、あるいは電極間の絶縁を図るために 、様々な絶縁体が用いられている。
[0003] 半導体装置等に用いられる絶縁体では、用途によっては、高い電圧が印加された り、あるいは大きな電流が流れたりすることがある。よって、高電圧ゃ大電流に晒され ても、絶縁破壊が生じないことが強く求められている。また、高温で放置されたり、冷 熱サイクルが与えられた際に劣化し難ぐ耐熱性に優れていることも、強く求められて いる。
[0004] ポリイミドゃエポキシ榭脂等力もなる絶縁体が開発されてきている。この種の絶縁体 は、例えば下記の特許文献 2, 3に開示されている。
特許文献 1 :特開平 8— 115953号公報
特許文献 2:特開 2001— 323224号公報
特許文献 3:特開 2002— 129125号公報
発明の開示
[0005] し力しながら、特許文献 2, 3に記載の絶縁体は、高電圧ゃ大電流に晒されると、絶 縁破壊が生じることがあった。さら〖こ、これらの絶縁体は、高温で放置されたり、冷熱 サイクルが与えられた際に劣化しがちであった。
[0006] 本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、絶縁破壊が生じ難ぐ耐冷熱 サイクル性及び耐高温放置性に優れた硬化物を与える絶縁材料、並びに該絶縁材 料を用いた電子部品装置及び電子部品装置の製造方法を提供することにある。
[0007] 本発明は、電子部品装置用の絶縁材料であって、硬化性化合物 (a)と、硬化剤 (b )と、芳香族骨格を有する高分子ポリマー (c)と、無機フィラー (e)と、ゴム微粒子 (f)と を含有し、硬化性ィ匕合物(a)は、 1分子中に 2個以上のエポキシ基を有し、かつ少な くとも主鎖の一部に多環式芳香族炭化水素骨格 (al)を有する硬化性ィ匕合物、また は、 1分子中に 2個以上のエポキシ基を有し、かつ少なくとも主鎖の一部に 2個以上 の芳香環が単結合で直接結合した骨格 (a2)を有する硬化性化合物であり、硬化性 化合物(a)の全骨格 100重量%中、骨格 (al)または骨格 (a2)の占める割合が 30重 量%以上であり、絶縁材料に含まれている全榭脂成分の合計 100重量%中、硬化 性化合物(a)を 20〜90重量%の範囲、高分子ポリマー(c)を 5〜60重量%の範囲 でそれぞれ含み、絶縁材料 100体積0 /0中、無機フィラー (e)を 40〜90体積0 /0の範 囲で含むことを特徴とする。
[0008] 本発明では、上記硬化性化合物(a)は、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、ピレン 骨格、フルオレン骨格、キサンテン骨格及びビフヱ-ル骨格力 なる群力 選択され た少なくとも 1つの骨格を有することが好ましい。
[0009] また、本発明では、上記芳香族骨格を有する高分子ポリマー (c)として、様々な高 分子ポリマーを用いることができる力 エポキシ基を有する高分子ポリマーが好ましい 。また、上記高分子ポリマー(c)は、好ましくは、スチレン系重合体及び Z又はフエノ キシ榭脂である。上記フエノキシ榭脂のガラス転移温度 Tgは、 110〜200°Cの範囲 にあることが好ましい。
[0010] 本発明では、上記フエノキシ榭脂は、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、ビフエ-ル 骨格、アントラセン骨格、ピレン骨格、キサンテン骨格、ァダマンタン骨格及びジシク 口ペンタジェン骨格力 なる群力 選択された少なくとも 1つの骨格を有することが好 ましい。また、上記フ ノキシ榭脂は、下記式(1)〜(6)で表される骨格のうち、少なく とも 1つの骨格を有することがより好ま 、。
[0012] 上記式(1)中、 は互いに同一であっても異なっていてもよく水素原子、炭素数 1 〜10の炭化水素基又はハロゲン原子力も選ばれる基であり、 Xは単結合、炭素数 1 〜7の 2価の炭化水素基、— O—、— S―、 -SO—、又は— CO—力 選ばれる基
2
である。
[0013] [化 2]
[0014] 上記式(2)中、 R は互いに同一であっても異なっていてもよく水素原子、炭素数 1 la
〜10の炭化水素基又はハロゲン原子力も選ばれる基であり、 Rは、水素原子、炭素
2
数 1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子力も選ばれる基であり、 Rは、水素原子又
3
は炭素数 1〜10の炭化水素基であり、 mは 0〜5の整数である。
[0015] [化 3]
(R4)l (R4)l
[0016] 上記式(3)中、 R は互いに同一であっても異なっていてもよく水素原子、炭素数 1 lb
〜10の炭化水素基又はハロゲン原子から選ばれる基であり、 Rは互いに同一であ
4
つても異なっていてもよく水素原子、炭素数 1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子 力 選ばれる基であり、 1は 0〜4の整数である。
[0017] [化 4]
[0018]
[0019] 上記式(5)中、 R 、 Rは水素原子、炭素数 1〜5のアルキル基、ハロゲン原子から
5 6
選ばれるものであり、 Xは— SO —、 -CH 一、 — C (CH ) —、または— O—のい
2 2 2 3 2
ずれかであり、 kは 0または 1の値である。
[0020] [化 6]
[0021] 本発明では、さらに好ましくは、下記式(7)または下記式 (8)で表されるフ
榭脂が用いられる。
[0022] [化 7]
[0023] 上記式(7)中、 Aは上記式(1)〜(3)のいずれかで表される構造を有し、かつその 構成は上記式(1)で表わされる構造が 0〜60モル%、上記式(2)で表わされる構造 が 5〜95モル%、及び上記式(3)で表わされる構造が 5〜95モル%であり、 Aは水
2 素原子、または上記式 (4)で表される基であり、 nは平均値で 25〜500の数である。
[0025] 上記式(8)中、 Aは上記式(5)または上記式(6)で表される構造を有し、 nは少な
3 2 くとも 21以上の値である。
[0026] 本発明に係る絶縁材料のある特定の局面では、少なくとも主鎖の一部に脂肪族環 状骨格を有する液状エポキシ榭脂 (d)がさらに含有されて 、る。
[0027] 本発明に係る絶縁材料の他の特定の局面では、絶縁材料に含まれて!/、る全榭脂 成分の合計 100重量%中、硬化性化合物(a)が 20〜90重量%の範囲、高分子ポリ マー(c)が 5〜60重量%の範囲、液状エポキシ榭脂(d)が 3〜40重量%の範囲でそ
れぞれ含まれている。なお、全榭脂成分とは、硬化性化合物 (a)、硬化剤 (b)、高分 子ポリマー(c)及び必要に応じて添加される液状エポキシ榭脂(d)などの榭脂構成 成分の総和をいうものとする。
[0028] 本発明では、上記液状エポキシ榭脂 (d)として、エポキシ当量が 170以下であり、 かつ 25°Cにおける粘度が 0. 5Pa ' s以下である液状エポキシ榭脂が好ましく用いら れる。また、上記液状エポキシ榭脂(d)は、ジシクロペンタジェン骨格またはシクロへ キサン骨格を有することが好まし 、。
[0029] 本発明では、上記ゴム微粒子 (f)として、好ましくは、フッ素化合物 (f 2)、またはシロ キサン結合を主骨格に有し、かつシリル基に有機置換基を有する化合物 (fl)が用い られる。
[0030] 本発明の別の特定の局面では、絶縁材料の硬化後の絶縁破壊電圧は、 40kV/ mm以上とされている。
[0031] 本発明のさらに別の特定の局面では、絶縁材料は、フィルム状に成形されている。
[0032] 本発明のさらに別の特定の局面では、硬化後の引っ張り破断伸び率は、 2〜50% の範囲とされている。
[0033] 本発明の他の特定の局面では、電子部品装置が電子部品素子としての半導体素 子を有する半導体装置であり、絶縁材料は半導体装置用の絶縁材料である。
[0034] 本発明に係る絶縁材料のさらに別の特定の局面では、半導体素子は電力用デバ イス素子である。
[0035] 本発明に係る電子部品装置の製造方法は、本発明の絶縁材料を用いて電子部品 装置を製造する方法であって、電子部品素子が実装された基板の電子部品素子の 外表面の少なくとも一部を絶縁材料で被覆して絶縁材料層を形成する工程と、絶縁 材料層を硬化させて絶縁層とする工程と、絶縁材料層または絶縁層に高密度ェネル ギ一線を照射し、絶縁層に配線用の孔を形成する工程と、孔に配線材料を充填する 工程と、孔に充填された配線材料と電気的に接続される配線パターンを絶縁材料層 または絶縁層の表面に形成する工程とを備えることを特徴とする。
[0036] 本発明に係る電子部品装置の製造方法のある特定の局面では、電子部品素子と して半導体素子が用いられ、電子部品装置として半導体装置が製造される。
[0037] 本発明に係る電子部品装置は、本発明の絶縁材料の硬化物からなる絶縁層を有 する電子部品装置であって、基板と、基板上に実装された電子部品素子と、絶縁材 料の硬化物により形成されており、電子部品素子の外表面の少なくとも一部を被覆 するように設けられて 、る絶縁層とを備え、該絶縁層には電子部品素子の外表面か ら絶縁層の表面に至る孔が形成されており、絶縁層の孔に充填された配線材料と、 絶縁層表面に形成されており、配線材料に電気的に接続されるように設けられた配 線パターンとをさらに備えることを特徴とする。
[0038] 本発明に係る電子部品装置のある特定の局面では、電子部品素子が半導体素子 であり、それによつて半導体装置が構成されている。
(発明の効果)
[0039] 本発明に係る絶縁材料では、硬化性化合物 (a)と、硬化剤 (b)と、芳香族骨格を有 する高分子ポリマー (c)と、無機フィラー (e)と、ゴム微粒子 (f)とを上記特定の割合で 含有し、硬化性化合物(a)は、 1分子中に 2個以上のエポキシ基を有し、かつ少なくと も主鎖の一部に多環式芳香族炭化水素骨格 (al)を有する硬化性化合物、または、 1分子中に 2個以上のエポキシ基を有し、かつ少なくとも主鎖の一部に 2個以上の芳 香環が単結合で直接結合した骨格 (a2)を有する硬化性化合物であり、硬化性化合 物(a)の全骨格 100重量%中、上記骨格 (al)または上記骨格 (a2)の占める割合が 30重量%以上であるため、その硬化物は、絶縁性に優れ、かつ絶縁破壊を抑制す ることがでさる。
[0040] さらに、本発明の絶縁材料の硬化物は、高温に放置されたり、冷熱サイクルが与え られたとしても、劣化し難ぐクラックも生じ難い。従って、本発明の絶縁材料の硬化 物を用いて、電子部品装置の絶縁層などを形成することにより、半導体装置などの電 子部品装置の耐熱性を高めることができる。
[0041] 本発明に係る電子部品装置の製造方法では、基板に実装された電子部品素子の 外表面の少なくとも一部を本発明の絶縁材料で被覆して絶縁材料層を形成するェ 程と、該絶縁材料層を硬化させて絶縁層を形成する工程と、該絶縁材料層または絶 縁層に高密度エネルギー線を照射し、絶縁材料層または絶縁層に配線用の孔を形 成し、孔に配線材料を充填し、さらに絶縁材料層または絶縁層表面に配線パターン
を形成する各工程を備えるため、本発明に従って、絶縁性及び耐熱性に優れている 絶縁層が設けられた電子部品装置を提供することができる。
図面の簡単な説明
[0042] [図 1]図 1は本発明の電子部品装置の一実施形態としての半導体装置を説明するた めの略図的正面断面図である。
符号の説明
[0043] 1…半導体装置
2· "基板
3…半導体素子
4…絶縁層
4a, 4b…孔
5a, 5b…配線材料
6· · ·配線パターン
発明を実施するための最良の形態
[0044] 以下、本発明の詳細を説明する。
[0045] 本発明に係る絶縁材料は、硬化性化合物 (a)と、硬化剤 (b)と、芳香族骨格を有す る高分子ポリマー (c)と、無機フィラー (e)と、ゴム微粒子 (f)とを含有する。
[0046] 上記硬化性化合物(a)は、 1分子中に 2個以上のエポキシ基を有し、かつ少なくとも 主鎖の一部に多環式芳香族炭化水素骨格 (al)を有する硬化性化合物、または、 1 分子中に 2個以上のエポキシ基を有し、かつ少なくとも主鎖の一部に 2個以上の芳香 環が単結合で直接結合した骨格 (a2)を有する硬化性ィ匕合物である。上記硬化性ィ匕 合物(a)の全骨格 100重量%中、上記骨格 (al)または上記骨格 (a2)の占める割合 は 30重量%以上である。硬化性化合物(a)は上記のようにエポキシ基含有ィ匕合物で あり、熱硬化性化合物でもあり、光硬化性化合物でもある。絶縁材料は、上記特定の 硬化性化合物(a)を含んで 、るので、絶縁材料の硬化物の絶縁性及び耐熱性が高 められる。
[0047] 上記 1分子中に 2個以上のエポキシ基を有し、かつ少なくとも主鎖の一部に多環式 芳香族炭化水素骨格 (al)を有する硬化性化合物は、単環式芳香族炭化水素骨格
を有しないことが好ましい。
[0048] 上記多環式芳香族炭化水素骨格 (al)とは、芳香族骨格を有し、かつ 2以上の環 状骨格が結合して形成された炭化水素骨格を意味する。上記 2以上の芳香環が単 結合で直接結合した骨格 (a2)とは、アルキル鎖等を介さず、芳香環同士がただ一つ の単結合で結合して!/、る骨格を意味する。
[0049] 上記硬化性化合物(a) (以下の括弧書きの重量%は、硬化性化合物(a)の全骨格 100重量%中、上記骨格 (al)または上記骨格 (a2)の占める割合を表す)としては、 例えば、 1ーグリシジルナフタレン(64重量0 /0)、 2 グリシジルナフタレン(64重量0 /0
重量0 /0)、 1, 2, 5, 6—テトラグリシジルナフタレン(30重量0 /0)、 1, 1,一バイ(2, 7— グリシジルォキシナフチル)メタン(45重量0 /0)、 1, 8 ' バイ(2, 7 グリシジルォキ シナフチル)メタン (45重量%)、 1, 1 ' —バイ(3, 7 グリシジルォキシナフチル)メタ ン(45重量0 /0)、 1, 8, 一バイ(3, 7 グリシジルォキシナフチル)メタン(45重量0 /0)、
, 5 グリシジルォキシナフチル)メタン (45重量%)、 1, 2 ' —バイ(2, 7 グリシジル ォキシナフチル)メタン(45重量0 /0)、 1, 2' バイ(3, 7 グリシジルォキシナフチル )メタン(45重量0 /0)、 1, 2' バイ(3, 5 グリシジルォキシナフチル)メタン(45重量 %)、 p—ビス [ ( 1 グリシジノレ)ナフチルメチル]ベンゼン(50重量0 /0)、 ρ—ビス [ ( 1 , チル)トルィルグリシジルエーテル(43重量%)等のナフタレン骨格を有するエポキシ 榭脂、 9, 9 ビス(4ーグリシジルォキシフエ-ル)フルオレン(35重量0 /0)、 9, 9ービ ス(4 グリシジルォキシエトキシフエ-ル)フルオレン(30重量0 /0)、 9, 9 ビス(4 グリシジルォキシ 3—メチルフエ-ル)フルオレン(33重量0 /0)、 9, 9 ビス(4ーグリ シジルォキシー3 クロ口フエ-ル)フルオレン(31重量0 /0)、 9, 9 ビス(4ーグリシジ ルォキシー3—フルオロフェ -ル)フルオレン(33重量%)、 9, 9 ビス(4ーグリシジ ルォキシー3—メトキシフエ-ル)フルオレン(31重量0 /0)、 9, 9 ビス(4ーグリシジル
ォキシ 3, 5 ジメチルフエ-ル)フルオレン(32重量0 /0)等のフルオレン骨格を有 するエポキシ榭脂、 1, 3, 4, 5, 6, 8 へキサメチルー 2, 7 ビスーォキシラ-ルメト キシー9 フエ-ルー 9H—キサンテン(37重量%)等のキサンテン骨格、 4, 4,ージ グリシジルビフエ-ル(51重量%)、 4, 4'ージグリシジルー 3, 3 ' , 5, 5 '—テトラメチ ルビフ ニル (42重量0 /0)等のビフヱニル骨格を有するエポキシ榭脂や、アントラセン 骨格ゃピレン骨格を有するエポキシ榭脂が挙げられる。これらの硬化性化合物 (a)は 、 1種のみが用いられても良いし、 2種以上が併用されても良い。
[0050] 上記硬化性化合物(a)は、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、ピレン骨格、フルォ レン骨格、キサンテン骨格及びビフエ二ル骨格力 なる群力 選択された少なくとも 1 つの骨格を有することが好ましい。これらの骨格を有する場合には、絶縁材料硬化物 の絶縁性がより一層高められ、絶縁破壊がより一層生じ難くなる。硬化性化合物 (a) は、フルオレン骨格を有するエポキシ榭脂及び Z又はナフタレン骨格を有するェポ キシ榭脂がより好ましい。
[0051] 上記硬化性化合物 (a)の全骨格 100重量%中、上記多環式芳香族炭化水素骨格
(al)、または上記 2個以上の芳香環が単結合で直接結合した骨格 (a2)の占める割 合は 30重量%以上である。上記骨格 (al)または上記骨格 (a2)の占める割合が 30 重量%未満であると、硬化物の絶縁性が低くなり、絶縁破壊が生じ易くなる。上記骨 格 (al)または上記骨格 (a2)の占める割合 (重量%)は、例えば高速液体クロマトダラ フィー (HPLC)等で各成分を分離し、ガスクロマトグラフ質量分析計 (GC— MS)等 により各成分を同定した後に、 { (上記骨格 (al)または上記骨格 (a2)の分子量) / ( 分子全体の分子量) } X 100で算出することができる。硬化性化合物 (a)の全骨格 10 0重量%中、上記骨格 (al)または上記骨格 (a2)の占める割合は、好ましくは 35重 量%以上である。
[0052] 上記硬化性化合物(a)の重量平均分子量は、配合物の粘度を抑え、上記無機フィ ラー(e)を充填しやすくするため、 1000未満が好ましい。また、上記硬化性化合物( a)は、主鎖中に繰り返し構造単位がないことが好ましい。
[0053] 絶縁材料は、芳香族骨格を有する高分子ポリマー (c)を含む。高分子ポリマー (c) は、芳香族骨格を分子中に有していればよぐ芳香族骨格を主鎖に有していてもよく
、側鎖に有していてもよい。絶縁材料の硬化物のガラス転移温度 Tgがより一層高め られるので、高分子ポリマー(c)は、芳香族骨格を主鎖に有することが好ましい。
[0054] 上記芳香族骨格としては特に限定はされず、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、ビ フエ-ル骨格、アントラセン骨格、ピレン骨格、キサンテン骨格、ァダマンタン骨格、ジ シクロペンタジェン骨格等が挙げられる。なかでも、耐冷熱サイクル性及び耐高温放 置性が高められるので、ビフエ-ル骨格、フルオレン骨格が好ましい。
[0055] 上記高分子ポリマー (c)としては特に限定はされず、熱可塑性榭脂ゃ熱硬化性榭 脂等を用いることができる。
[0056] 上記熱可塑性榭脂としては、特に限定されないが、スチレン系榭脂、フエノキシ榭 脂、フタレート榭脂、熱可塑性ウレタン系榭脂、ポリアミド系榭脂、熱可塑性ポリイミド 系榭脂、ケトン系榭脂、ノルボルネン系榭脂等が挙げられる。
[0057] 上記熱硬化性榭脂としては、特に限定されないが、例えば、尿素樹脂、メラミン榭 脂などのアミノ系榭脂、フエノール系榭脂、熱硬化性ウレタン系榭脂、上記ペンタジ ェン型エポキシ榭脂及びナフタレン型エポキシ榭脂以外のエポキシ系榭脂、熱硬化 性ポリイミド系榭脂、アミノアルキド系榭脂等が挙げられる。
[0058] これら熱可塑性榭脂及び熱硬化性榭脂は、単独で用いられても良いし、 2種類以 上が併用されても良い。また、熱可塑性榭脂と熱硬化性榭脂とは、いずれか一方が 用いられても良いし、両者が併用されても良い。
[0059] 上記高分子ポリマー (c)として、スーパーエンプラと呼ばれる耐熱性榭脂を使用す ることもできる。スーパーエンプラとしては、特に限定されるものではないが、例えば、 ポリフエ-レンサルファイド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ エーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン等の熱可塑性榭脂、熱可塑性ポリイミド
、熱硬化性ポリイミド、ベンゾォキサジン、ポリべンゾォキサゾールとべンゾォキサジン の反応物などが挙げられる。
[0060] 酸ィ匕劣化を防止することができ、耐冷熱サイクル性及び耐高温放置性が高められ るので、高分子ポリマー(c)は、スチレン系重合体及び Z又はフエノキシ榭脂が好ま しい。
[0061] 上記スチレン系重合体としては、具体的には、スチレン、 o—メチルスチレン、 m—メ
チノレスチレン、 p—メチノレスチレン、 p—メトキシスチレン、 p フエ-ルスチレン、 p ク ロロスチレン、 p ェチルスチレン、 p—n—ブチルスチレン、 p—tert—ブチルスチレ ン、 ρ—η—へキシルスチレン、 ρ—η—ォクチルスチレン、 ρ—η—ノニノレスチレン、 ρ —η—デシルスチレン、 p—n—ドデシルスチレン、 2, 4 ジメチルスチレン、 3, 4 ジ クロロスチレン等力 少なくとも一つ選ばれるスチレン系モノマーの単独重合体;又は これらモノマーと、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸ェチル、ァク リル酸ブチル、アクリル酸 2—ェチルへキシル、アクリル酸シクロへキシル、アクリル 酸フエ-ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ェチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸 へキシル、メタクリル酸 2—ェチルへキシル、メタクリル酸グリシジル、 βーヒドロキシ アクリル酸ェチル、 γ アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸 ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジェチルアミノエチル等力 必要に応じて選ばれ るアクリル系モノマーとの共重合体等を用いることができる。なかでも、スチレン一メタ クリル酸グリシジルの構造を有するスチレン系重合体を好適に用いることができる。
[0062] 上記フエノキシ榭脂としては、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、ビフエ-ル骨格、ァ ントラセン骨格、ピレン骨格、キサンテン骨格、ァダマンタン骨格及びジシクロペンタ ジェン骨格力 なる群力 選択された少なくとも 1つの骨格を有するフ ノキシ榭脂が 好ましい。なかでも、耐冷熱サイクル性及び耐高温放置性が高められるので、フルォ レン骨格及び Ζ又はビフヱニル骨格を有するフヱノキシ榭脂が好ましい。
[0063] 上記フ ノキシ榭脂は、下記式(1)〜(6)で表される骨格のうち、少なくとも 1つの骨 格を有することが好ましい。
[0064] [化 9]
上記式(1)中、 Rは互いに同一であっても異なっていてもよく水素原子、炭素数 1 〜10の炭化水素基又はハロゲン原子力も選ばれる基であり、 Xは単結合、炭素数 1
〜7の 2価の炭化水素基、 -0 S SO 一、又は CO 力 選ばれる基 である。
[0066] [化 10]
[0067] 上記式(2)中、 R は互いに同一であっても異なっていてもよく水素原子、炭素数 1
la
〜10の炭化水素基又はハロゲン原子力も選ばれる基であり、 Rは、水素原子、炭素
2
数 1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子力も選ばれる基であり、 Rは、水素原子又
3
は炭素数 1〜10の炭化水素基であり、 mは 0〜5の整数である。
[0068] [化 11]
[0069] 上記式(3)中、 R は互いに同一であっても異なっていてもよく水素原子、炭素数 1
lb
〜10の炭化水素基又はハロゲン原子から選ばれる基であり、 Rは互いに同一であ
4
つても異なっていてもよく水素原子、炭素数 1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子 力 選ばれる基であり、 1は 0〜4の整数である。
[0071] [化 13]
[0072] 上記式 (5)中、 R 、 Rは水素原子、炭素数] 〜5のァノレキノレ基、ハロゲン原子から
5 6
選ばれるものであり、 Xは—SO —、 -CH - 、 一 C (CH ) —、または— O—のい
2 2 2
ずれかであり、 kは 0または 1の値である。
[0073] [化 14]
[0074] 上記高分子ポリマー(c)としては、例えば、下記式(7)または下記式 (8)で表される フエノキシ榭脂を好ましく用いることができる。
[0075] [化 15]
A2十 0—— A,一 OCH2CHCH2十 0—— — 0—— A2 (7)
[0076] 上記式(7)中、 Aは上記式(1)〜(3)のいずれかで表される構造を有し、かつその
構成は上記式(1)で表わされる構造が 0〜60モル%、上記式(2)で表わされる構造 が 5〜95モル%、及び上記式(3)で表わされる構造が 5〜95モル%であり、 Aは水
2 素原子、または上記式 (4)で表される基であり、 nは平均値で 25〜500の数である。
[0078] 上記式(8)中、 Aは上記式(5)または上記式(6)で表される構造を有し、 nは少な
3 2 くとも 21以上の値である。
[0079] 上記高分子ポリマー(c)のガラス転移温度 Tgは、 60〜200°Cの範囲が好まし!/、。
より好ましくは、 90〜180°Cの範囲である。高分子ポリマー(c)のガラス転移温度 Tg が低すぎると、熱劣化することがあり、高すぎると、他の樹脂との相溶性が悪くなり、耐 冷熱サイクル性及び耐高温放置性が低下することがある。
[0080] 上記高分子ポリマー(c)がフエノキシ榭脂である場合、フエノキシ榭脂のガラス転移 温度 Tgは、 110〜200°Cの範囲が好ましい。より好ましくは、 110〜180°Cの範囲で ある。フエノキシ榭脂のガラス転移温度 Tgが低すぎると、フエノキシ榭脂が熱劣化す ることがあり、高すぎると、他の樹脂との相溶性に劣り、耐冷熱サイクル性及び耐高温 放置性が低下することがある。
[0081] また、熱硬化後のガラス転移温度 Tgがより一層高くなるので、上記高分子ポリマー
(c)は、エポキシ基と反応可能な基を有することが好ましい。エポキシ基と反応可能な 基としては、エポキシ基等が挙げられる。熱硬化後のガラス転移温度 Tgがより一層高 くなるので、高分子ポリマー(c)はエポキシ基を有することが好ましい。
[0082] 上記高分子ポリマー(c)の重量平均分子量は、 1 , 000以上であることが好まし 、。
高分子ポリマー(c)の重量平均分子量は、より好ましくは 10, 000〜1000, 000の範 囲、さらに好ましくは、 40, 000-250, 000の範囲である。重量平均分子量が小さ すぎると、高分子ポリマー (c)が熱劣化することがあり、大きすぎると、他の樹脂との相 溶性に劣り、耐冷熱サイクル性及び耐高温放置性が低下することがある。
[0083] 上記高分子ポリマー(c)は、主鎖中に繰り返し構造単位を有することが好ましい。
[0084] 絶縁材料に含まれて 、る全榭脂成分の合計 100重量%中に、上記硬化性化合物 (a)は 20〜90重量%の範囲、上記高分子ポリマー(c)は 5〜60重量%の範囲で、 合計 100重量%を超えな ヽようにそれぞれ含まれる。
[0085] 上記硬化性化合物 (a)が少なすぎると、絶縁材料の硬化物のガラス転移温度が低 くなつたり、熱線膨張率が高くなつたり、耐熱性が低くなることがある。硬化性化合物( a)が多すぎると、後述の高分子ポリマー (c)などの他の榭脂成分の量が相対的に少 なくなるために、例えばフィルムに成形した場合に絶縁材料の強度が低くなり、取扱 い性が低下することがある。
[0086] 上記高分子ポリマー (c)が少なすぎると、絶縁材料が柔らかくなりすぎ、例えばフィ ルムに成形した場合に取扱い性が低下することがある。高分子ポリマーが多すぎると 、未硬化状態で固くかつ脆くなり、例えばフィルムとされた場合に、破損しやすくなる
[0087] 絶縁材料は、少なくとも主鎖の一部に脂肪族環状骨格を有する液状エポキシ榭脂
(d)を含有することが好ま 、。この液状エポキシ榭脂 (d)が含まれて 、ると、絶縁材 料は、適度なタック性を有し、取扱性が高められる。さらに、硬化物の耐高温放置性 及び耐冷熱サイクル性が高められる。耐高温放置性及び耐冷熱サイクル性がより一 層高められるので、液状エポキシ榭脂(d)は、 1分子中に 2個以上のグリシジル基を 有することが好ましい。
[0088] 上記液状エポキシ榭脂 (d)としては、室温で液状であれば特に限定はされず、水 添ビスフエノール Aジグリシジルエーテルの液状エポキシ榭脂、水添ビスフエノール F ジグリシジルエーテルの液状エポキシ榭脂、水添ビフエニル型の液状エポキシ榭脂、 半水添ビフエ-ル型の液状エポキシ榭脂、ジシクロペンタジェン型液状エポキシ榭 脂、 1, 3—ビス(N, N—ジグリシジルアミノメチル)シクロへキサン、シクロへキサンジ メタノールジグリシジルエーテル、へキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のシク 口へキサン骨格を有する液状エポキシ榭脂等を用いることができる。
[0089] 上記液状エポキシ榭脂 (d)の脂肪族環状骨格としては特に限定はされず、シクロプ 口パン骨格、シクロブタン骨格、シクロペンタン骨格、シクロへキサン骨格、シクロヘプ タン骨格、シクロオクタン骨格、ジシクロペンタジェン骨格、ァダマンタン骨格等が挙
げられる。なかでも、耐クラック性が高められるので、シクロへキサン骨格またはジシク 口ペンタジェン骨格が好まし 、。
[0090] また、上記液状エポキシ榭脂 (d)のエポキシ当量は、 170以下が好ましい。ェポキ シ当量が 170以下であると、硬化物の架橋密度が充分に高くなり、硬化物のガラス転 移温度を高くすることができる。
[0091] また、上記液状エポキシ榭脂 (d)の 25°Cにおける粘度は、 0. 5Pa ' s以下が好まし い。 0. 5Pa' sを超えると、タック性が低下することがある。上記粘度は、例えば B型粘 度計を用いて測定される。このような粘度を有する液状エポキシ榭脂(d)としては、例 えばジシクロペンタジェン型液状エポキシ榭脂、シクロへキサンジメタノールジグリシ ジルエーテル、へキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のシクロへキサン骨格を 有するエポキシ榭脂等が挙げられる。
[0092] 絶縁材料が上記液状エポキシ榭脂(d)を含む場合には、絶縁材料に含まれて!/ヽる 全榭脂成分の合計 100重量%中に、上記硬化性化合物(a)は 20〜90重量%の範 囲、上記高分子ポリマー(c)は 5〜60重量%の範囲、上記液状エポキシ榭脂 (d)は 3 〜40重量%の範囲で、合計 100重量%を超えな ヽようにそれぞれ含まれることが好 ましい。
[0093] 上記液状エポキシ榭脂 (d)が少なすぎると、タック性が低下することがあり、多すぎ ると、硬化物のガラス転移温度が低くなることがある。
[0094] 絶縁材料は硬化剤 (b)を含む。硬化剤 (b)としては限定されな ヽが、硬化系に従つ て、加熱硬化型の硬化剤や、光硬化型の適宜の加熱剤を用いることができる。このよ うな硬化剤 (b)の例としては、加熱硬化型硬化剤として、酸無水物系硬化剤、フエノ ール系硬化剤、もしくはアミン系硬化剤や、あるいは、ジシアンジアミドなどの潜在性 硬化剤が挙げられる。また、光硬化を利用する場合には、光もしくは熱カチオン重合 系触媒型硬化剤などが挙げられる。これらの硬化剤は、単独で用いられてもよいし、 2種類以上が併用されても良い。
[0095] 上記加熱硬化型酸無水物系硬化剤の代表的なものとしては、例えば、メチルテトラ ヒドロ無水フタル酸、メチルへキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、トリ アルキルテトラヒドロ無水フタル酸などの酸無水物系硬ィ匕剤が挙げられる。なかでも、
耐水性が高められるので、メチルナジック酸無水物やトリアルキルテトラヒドロ無水フタ ル酸が好適に用いられる。これらの酸無水物系硬化剤は、単独で用いられても良い し、 2種類以上が併用されても良い。
[0096] 上記フエノール系硬化剤の代表的なものとしては、例えば、フエノールノボラック、 o クレゾ一ルノボラック、 p クレゾ一ルノボラック、 t ブチルフエノールノボラック、ジ シクロペンタジェンクレゾール、ポリパラビニルフエノール、ビスフエノール A型ノボラッ ク、キシリレン変性ノボラック、デカリン変性ノボラック、ポリ(ジ一 o ヒドロキシフエ-ル )メタン、ポリ(ジ一 m—ヒドロキシフエ-ル)メタン、ポリ(ジ一 p ヒドロキシフエ-ル)メ タンなどが挙げられる。これらのフエノール系硬ィ匕剤は、単独で用いられても良いし、 2種類以上が併用されても良い。
[0097] 硬化速度や硬化物の物性などを調整するために、上記硬化剤とともに、硬化促進 剤を併用しても良い。
[0098] 上記硬化促進剤としては特に限定されな!、が、例えば、ベンジルジメチルァミン、ピ コリン、 DBU、 2- (ジメチルアミノメチル)フエノール、 2, 4, 6 トリス(ジメチルァミノ メチル)フエノール、ジメチルシクロへキシルァミン等の 3級ァミン、 2—メチルイミダゾ ール、 2—ゥンデシルイミダゾール、 2—へプタデシルイミダゾール、 2—フエ-ルイミ ダゾール、 2 -フエ-ル 4 メチルイミダゾール、 1 ベンジル - 2-メチルイミダゾ ール、 1 ベンジル - 2-フエ-ルイミダゾール、 1, 2—ジメチルイミダゾール、 1—シ ァノエチル 2 メチルイミダゾール、 1 シァノエチル 2 ェチル 4 メチルイミ ダゾール、 1—シァノエチル— 2—ゥンデシルイミダゾール、 1—シァノエチル— 2—フ ェ-ルイミダゾール、 1—シァノエチル一 2—ゥンデシルイミダゾリゥムトリメリティト、 1 —シァノエチル一 2 フエ-ルイミダゾリゥムトリメリティト、 2, 4 ジァミノ一 6— [2,一 メチルイミダゾリル一(1,)]—ェチル s トリアジンン、 2, 4 ジァミノ一 6— [2,一ゥ ンデシルイミダゾリル—(1,)]—ェチル—s トリアジンン、 2, 4 ジァミノ 6— [2, —ェチルイミダゾリル—(1,)]—ェチル—s トリアジンン、 2, 4 ジァミノ 6— [2, —メチルイミダゾリル—(1,)]—ェチル—s トリアジンンイソシァヌル酸付カ卩物、 2— フエ-ルイミダゾ一ルイソシァヌル酸付カ卩物、 2—メチルイミダゾールイソシァヌル酸付 加物、 2 フエ-ルー 4, 5 ジヒドロキシメチルイミダゾール、 2 フエ-ルー 4ーメチ
ルー 5 ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類; 2—メチルイミダゾリン、 2 —フエ-ルイミダゾリン等のイミダゾリン類、 2, 4 ジァミノ一 6 ビュル一 s トリアジ ン、 2, 4 ジァミノ一 6 ビュル一 s トリァジンイソシァヌル酸付カ卩物、 2, 4 ジアミ ノ一 6—メタクリロイルォキシ一 s トリァジン、 2, 4 ジァミノ一 6—メタクリロイルォキ シ— s トリァジンイソシァヌル酸付加物等のトリアジン類、トリフエ-ルホスフィン、トリ パラトリルホスフィン、トリメタトリルホスフィン、トリオルトトリルホスフィン、トリス(3, 5— ジメチルフエ-ル)ホスフィン、トリス(2, 4, 6 トリメチルフエ-ル)ホスフィン、トリス(4 —メトキシフエ-ル)ホスフィン、トリシクロへキシルホスフィン、テトラエチルホスホ-ゥ ムブロマイド、テトラー n—ブチルホスホ-ゥムブロマイド、テトラー n—ブチルホスホ- ゥムー o, o ジェチルホスホロジチォエート、テトラー n ブチルホスホ-ゥムベンゾト リアゾール、テトラー n—ブチルホスホ-ゥムテトラフルォロボレート、テトラー n—ブチ ルホスホニゥムテトラフエニルボレート、テトラフェニルホスホニゥムテトラフエ二ルボレ ート等力 選ばれる有機リン系化合物;テトラフエ-ルホスホ -ゥムブロマイド、テトラ n ブチルホスホ-ゥムブロマイド等の 4級ホスホ-ゥム塩類;1, 8 ジァザビシク 口 [5, 4, 0]ゥンデセン 7等や、その有機酸塩等のジァザビシクロアルケン類;オタ チル酸亜鉛、ォクチル酸錫やアルミニウムァセチルアセトン錯体等の有機金属化合 物類;テトラエチルアンモ -ゥムブロマイド、テトラプチルアンモ -ゥムブロマイド等の 4 級アンモ-ゥム塩類;三ふつ化ホウ素、トリフエ-ルポレート等のホウ素化合物、塩ィ匕 亜鉛、塩化第二錫等の金属ハロゲン化物等が挙げられる。
上記硬化促進剤としては、さらに高融点イミダゾール化合物、ジシアンジアミド又は アミンをエポキシ榭脂等に付加したァミン付加型促進剤等の高融点分散型潜在性促 進剤、イミダゾール系、リン系又はホスフィン系の促進剤の表面をポリマーで被覆した マイクロカプセル型潜在性促進剤、アミン塩型潜在性硬化促進剤、ルイス酸塩、ブレ ンステッド酸塩等の高温解離型で熱カチオン重合型の潜在性硬化促進剤等に代表 される潜在性硬化促進剤も使用することができる。なかでも、硬化速度や硬化物の物 性などの調整をするための反応系の制御をしやす 、ことから、高融点イミダゾール系 硬化促進剤が好適に用いられる。これらの硬化促進剤は、単独で用いられても良い し、 2種類以上が併用されても良い。取扱性に優れているので、硬化促進剤の融点
は 100°C以上が好ましい。
[0100] 硬化促進剤を用いる場合には、硬化剤の添加量をエポキシ基に対して理論的に必 要な当量以下とすることが好ましい。硬化剤の添加量が過剰であると、未反応の硬化 剤の存在により吸水率が悪くなつたり、貯蔵安定性が悪化する場合がある。
[0101] 本発明の絶縁材料は無機フィラー (e)を含む。無機フィラー (e)としては特に限定さ れないが、シリカ、アルミナ、窒化珪素、ハイド口タルサイト、カオリン、窒化アルミ-ゥ ム、窒化ホウ素、酸ィ匕マグネシウムなどが挙げられる。これらは単独で用いられても良 いし、 2種類以上が併用されても良い。
[0102] 上記無機フィラー (e)として、平均粒子径 0. 1〜15 mの球状シリカ、球状アルミ ナ、球状窒化珪素、球状珪酸アルミニウム、球状窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸 化マグネシウムなどが好適に用いられる。平均粒子径が 0. l /z m未満であると、高充 填が困難なことがあり、 15 mを超えると、ろ過メッシュを通らないことがあり、作業性 に劣る。
[0103] また、絶縁材料力もなる層に孔を形成する用途に絶縁材料を用いる場合には、無 機フイラ一(e)の平均粒子径は、更に好ましくは 0. 1〜6 /ζ πιである。無機フィラーの 平均粒子径が 6 mを超えると、所望の形状の孔を形成することができないことがあ る。
[0104] また、上記無機フィラー (e)の平均粒子径が 0. 1〜6 μ mである場合に、最大粒子 径は 10 m以下が好ましい。最大粒子径が 10 mを超えると、所望の形状の孔を 形成できないことがある。
[0105] 上記無機フィラー (e)として、モンモリロナイト、膨潤性マイ力及びへクトライト等の層 状珪酸塩を用いてもよい。これらの層状珪酸塩を用いた場合には、上述の他の無機 フィラーを用いた場合に比べて、少量の添カ卩により耐熱性を高めることができる。
[0106] 上記層状珪酸塩では、平均長さが 0. 01〜3 μ mの範囲、厚さが 0. 001 μ m〜l μ mの範囲、アスペクト比が 20〜500の範囲にあることが少量添カ卩による耐熱性の改 善効果と充填性のバランスがとれて 、るため好ま 、。平均長さのより好ま 、下限 は 20、より好ましい上限は 0. 05 ^ m,さらに好ましい上限は 2 mである。厚さのより 好ましい下限は 0. 01 μ m、より好ましい上限は 0. 5 μ mである。アスペクト比のより
好まし 、下限は 50、より好まし!/、上限は 200である。
[0107] 上記層状珪酸塩とは、層間に交換性金属カチオンを有するケィ酸塩鉱物を意味す る。上記層状珪酸塩の層間に存在する交換性金属カチオンとは、層状珪酸塩の結 晶表面上に存在するナトリウムやカルシウム等の金属イオンのことであり、これらの金 属イオンは、カチオン性物質とのカチオン交換性を有するため、カチオン性を有する 種々の物質を上記層状珪酸塩の結晶層間に挿入 (インター力レート)することができ る。
[0108] 上記層状珪酸塩としては特に限定されず、例えば、モンモリロナイト、サボナイト、へ クトライト、パイデライト、スティブンサイト、ノントロナイト等のスメクタイト系粘度鉱物や 、バーミキユライト、ハロイサイト、膨潤性マイ力等が挙げられる。なかでもモンモリロナ イト及び Z又は膨潤性マイ力及び Z又はへクトライトが好適に用いられる。上記層状 珪酸塩は、天然ものであっても良いし、合成物であっても良い。又、これらの層状珪 酸塩は、単独で用いられても良いし、 2種類以上が併用されても良い。
[0109] 上記層状珪酸塩の結晶層間に交換性金属カチオンを挿入するのに用いられる力 チオン性界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、トリメチルァ ルキルアンモ-ゥム塩、トリェチルアルキルアンモ-ゥム塩、トリブチルアルキルアン モ -ゥム塩、ジメチルジアルキルアンモ-ゥム塩、ジブチルジアルキルアンモ-ゥム 塩、メチルベンジルジアルキルアンモ-ゥム塩、ジベンジルジアルキルアンモ-ゥム 塩、トリアルキルメチルアンモ -ゥム塩、トリアルキルェチルアンモ -ゥム塩、トリアルキ ルブチルアンモ -ゥム塩、芳香環を有する 4級アンモ-ゥム塩、トリメチルフエ-ルァ ンモ -ゥム等の芳香族ァミン由来の 4級アンモ-ゥム塩、ポリエチレングリコール鎖を 2つ有するジアルキル 4級アンモ-ゥム塩、ポリプロピレングリコール鎖を二つ有する ジアルキル 4級アンモ-ゥム塩、ポリエチレングリコール鎖を一つ有するトリアルキル 4 級アンモ-ゥム塩、ポリプロピレングリコール鎖を一つ有するトリアルキル 4級アンモ- ゥム塩が挙げられる。なかでも、特にラウリルトリメチルアンモ -ゥム塩、ステアリルトリメ チルアンモ -ゥム塩、トリオクチルメチルアンモ -ゥム塩、ジステアリルジメチルアンモ ニゥム塩、ジ硬化牛脂ジメチルアンモ -ゥム塩、ジステアリルジベンジルアンモ -ゥム 塩、 N—ジメチルアンモニゥム塩などが好適である。これらの 4級アンモニゥム塩は、
単独で用 、られても良 、し、 2種類以上が併用されても良 、。
[0110] 上記カチオン性界面活性剤として、 4級ホスホ-ゥム塩を用いてもよい。 4級ホスホ ニゥム塩としては特に限定されるものではないが、例えば、トデシルトリフエニルホスホ -ゥム塩、メチルトリフエ-ルホスホ -ゥム塩、ラウリルトリメチルホスホ-ゥム塩、ステア リルトリメチルホスホ-ゥム塩、トリオクチルホスホ -ゥム塩、トリオクチルメチルホスホ- ゥム塩、ジステアリルジメチルホスホ-ゥム塩、ジステアリルジベンジルホスホ-ゥム塩 等が挙げられる。これらの 4級ホスホニゥム塩は、単独で用いられても良いし、 2種類 以上が併用されても良い。
[0111] 絶縁材料 100体積%中、上記無機フィラー (e)は 40〜90体積%の範囲で含まれる 。無機フィラー (e)が少なすぎると、絶縁材料硬化物の耐冷熱サイクル性及び耐高温 放置性に劣ることがあり、多すぎると、接着性が著しく低下するおそれがある。より好 ましくは、 50〜90体積%で配合される。
[0112] 本発明の絶縁材料は、ゴム微粒子 (f)を含んでいる。ゴム微粒子 (f)としては特に限 定されないが、例えば、アクリルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリル ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、スチレンイソプレンゴム、ウレタンゴム、シリ コーンゴム、フッ素ゴム、天然ゴム等を性状を問わず用いることができる。
[0113] ゴム微粒子 (f)と無機フィラー (e)とが併用されているので、絶縁材料の硬化物が低 い線熱膨張率と高い応力緩和能とを有することとなる。その結果、高温下や冷熱サイ クル条件下での剥離やクラック等の発生を抑制することができる。
[0114] 上記ゴム微粒子 (f)の配合割合としては、絶縁材料 100重量0 /0中、 0. 1〜40重量 %の範囲が好ましぐより好ましくは 0. 3〜20重量0 /0の範囲である。ゴム微粒子 (f)が 少なすぎると、硬化物の応力緩和性が十分に発現しないことがあり、多すぎると、接 着性に劣ることがある。
[0115] 上記ゴム微粒子 (f)として、上記ゴム微粒子をコア(芯材)として用いた 2層以上の複 層構造力 なるコアシェル構造の粒子がより好適に用いられる。 3層以上の複層構造 力もなるコアシェル構造の粒子である場合、シェルは最外殻を意味する。
[0116] 上記コアシェル構造ゴム微粒子のシェルは、エポキシ榭脂中のエポキシ基と反応 する官能基を有していても良い。エポキシ基と反応する官能基としては、特に限定さ
れるものではないが、例えばアミノ基、ウレタン基、イミド基、水酸基、カルボキシル基 、エポキシ基等が挙げられる。なかでも、常温ではエポキシ基と反応せず、絶縁材料 の濡れ性の低下や貯蔵安定性の低下を来たさな 、ので、水酸基やエポキシ基が好 ましい。これらのエポキシ基と反応する官能基を有するゴム微粒子 (f)は、単独で用 いられても良いし、 2種類以上が併用されても良い。
[0117] 上記ゴム微粒子 (f)の平均粒子径は、 30 μ m以下が好ましい。ゴム微粒子の平均 粒子径が 30 mを超えると、硬化物の応力緩和性が十分に発現しないことがある。 ゴム微粒子(f)の更に好ましい平均粒子径は、 0. 1〜5 /ζ πιである。
[0118] 上記ゴム微粒子 (f)としては、好ましくは、フッ素化合物 (f2)、または、シロキサン骨 格を主骨格とし、かつシリル基に有機置換基を有する化合物 (fl)が用いられる。
[0119] 上記シロキサン結合を主骨格とし、かつシリル基に有機置換基を有する化合物 (f 1 )としては、ポリメチルシルセスキォキサン、メチルシリコーンが好適に用いられる。ま た、これらゴム微粒子をコア (芯材)として用いた 2層以上の複層構造力もなるコアシヱ ル構造の粒子がより好ま ヽ。
[0120] 上記フッ素化合物 (f2)としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリテト ラフノレォロエチレン、ェチノレテトラフノレォロエチレン、ポリクロロテトラフノレォロエチレン 、ポリビュルフルオレン、ポリフルォロアタリレート、ポリフルォロアセテートポリビュル ジフルオレン等が挙げられる。また、これらゴム微粒子をコア(芯材)として用いた 2層 以上の複層構造力もなるコアシェル構造の粒子がより好ましい。
[0121] 本発明の絶縁材料は、酸ィ匕防止剤をさらに含有していてもよい。酸ィ匕防止剤は、絶 縁材料中の活性酸素を失活させる。よって、酸化防止剤を配合することにより、絶縁 材料の酸ィ匕を抑制し、かつ絶縁材料が接着している基板、電極または半導体チップ 等の酸ィ匕を防ぐことができる。また、酸化防止剤を配合することにより、高温放置下で の接着性の低下を抑制することができる。
[0122] 上記酸ィ匕防止剤としては、特に限定されるものではないが、代表的なものとしては、 ペンタエリスリトールテトラキス〔3— (3, 5—ジ tert—ブチルー 4ーヒドロキシフエ二 ル)プロピオネート〕、チオジェチレンビス〔3—(3, 5—ジー tert—ブチルー 4ーヒドロ キシフエ-ル)プロピオネート〕、ォクタデシルー 3— (3, 5—ジ一 tert—ブチル 4—
ヒドロキシフエ-ル)プロピオネート、 N, N,一へキサン一 1, 6 ジィルビス〔3— (3, 5 ージ—tert—ブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオンアミド〕、ベンゼンプロパン 酸、 3, 5 ビス(1, 1—ジメチルェチル)— 4 ヒドロキシ、 C7— C9側鎖アルキルェ ステル、 3, 3 ' , 3", 5, 5 ' , 5"—へキサ— tert ブチルー a、 a,, a,,—(メシチレン— 2, 4, 6 トリィル)トリ— p クレゾール、 4, 6 ビス(ドデシルチオメチル)—o—タレ ゾール、 4, 6—ビス(ォクチルチオメチル)—o クレゾール、エチレンビス(ォキシェ チレン)ビス〔3— (5— tert ブチル 4—ヒドロキシ— m—トリル)プロピオネート〕、へキ サメチレンビス〔3— (3, 5—ジ tert—ブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロビオネ ート、 1, 3, 5 トリス(3, 5 ジ一 tert—ブチル 4 ヒドロキシベンジル) 1, 3, 5 —トリァジン一 2, 4, 6 (1H, 3H, 5H)—トリオン、 1, 3, 5 トリス〔(4— tert—ブチ ルー 3 ヒドロキシ一 2, 6 キシリル)メチル〕一1, 3, 5 トリアジン一 2, 4, 6 (1H, 3 H, 5H)—トリオン、 2, 6 ジ— tert ブチル—4— (4, 6 ビス(オタチルチオ)— 1 , 3, 5 トリァジン 2—ィルァミノ)フエノール、ジェチル〔〔3, 5 ビス(1, 1—ジメチル ェチル) 4—ヒドロキシフエ-ル〕メチル〕ホスフォネート等のヒンダードフエノール系 酸化防止剤、トリス(2, 4 ジ— tert—ブチルフエ-ル)フォスファイト、トリス〔2—〔〔2 , 4, 8, 10—テトラ一 tert—ブチルジベンゾ〔d, f〕〔1, 3, 2〕ジォキサフォスフエフィ ン 6 ィル〕ォキシ〕ェチル〕ァミン、ビス(2, 4 ジ tert ブチルフエ-ル)ペンタ エリスリトールジフォスファイト、ビス〔2, 4 ビス(1 , 1ージメチルェチル) 6 メチル フエ-ル〕ェチルエステル亜リン酸、テトラキス(2, 4 ジ tert ブチルフエ-ル)〔1 , 1ービフエ-ル〕—4, 4,一ジィルビスホスフォナイト等のリン系酸化防止剤、ィォゥ 系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、 3—ヒドロキシ—5, 7—ジ—tert—ブチルーフ ラン 2—オンと o キシレンの反応生成物等のラタトン系酸ィ匕防止剤等が挙げられ る。これら酸ィ匕防止剤は 1種のみが用いられても良いし、 2種類以上が併用されても 良い。
上記酸ィ匕防止剤としては、 1次酸ィ匕防止剤であるフエノール系酸ィ匕防止剤と 2次酸 化防止剤であるリン系酸ィ匕防止剤とを併用することが好ましい。フエノール系酸ィ匕防 止剤とリン系酸ィ匕防止剤とを併用することで、下記式 (a)で表される熱酸ィ匕劣化サイ クルを抑止することができる。また、 1次酸ィ匕防止剤であるフエノール系酸ィ匕防止剤と
2次酸ィ匕防止剤であるリン系酸ィ匕防止剤及びラタトン系酸ィ匕防止剤を併用することが 望ましい。ラ外ン系酸ィ匕防止剤を配合した場合には、下記式 (a)で表される熱酸ィ匕 劣化サイクルにおいて、更にアルキルラジカルを捕捉し、ラジカル発生点において熱 酸ィ匕劣化サイクルを抑止することができる。
[0124] [化 17]
2次酸化防止剤 1次酸化防止剤
[0125] 上記酸化防止剤は、融点が 65°C以上であり、かつ 20°Cでの蒸気圧が 1. 0 X 10"8 Pa以下であることが好ましい。融点が 65°C未満であったり、 20°Cでの蒸気圧が 1. 0 X 10_8Paを超えたりすると、熱硬化過程もしくは高温放置状態において酸ィ匕防止剤 自体が揮発し、絶縁材料の酸ィ匕を十分に抑制することができず、かつ高温放置下で の接着性が低下することがある。
[0126] 上記酸ィ匕防止剤の配合量としては、絶縁材料 100重量%中、 0. 01〜1. 0重量% の範囲が好ましい。より好ましくは、 0. 1〜0. 5重量%の範囲である。酸化防止剤が 少なすぎると、高温放置下で接着性が低下し易くなり、多すぎると、酸化防止剤によ る汚染が生じるおそれがある。
[0127] 本発明の絶縁材料は、ヒンダードアミン系光安定剤 (HALS)を含有して!/、てもよ!/ヽ 。 HALSは、絶縁材料の配合成分の劣化により発生したフリーラジカルと反応し、失
活させる。よって、 HALSを配合することにより、絶縁材料の劣化を抑制することがで きる。
[0128] 上記 HALSとしては、特に限定されるものではないが、代表的なものとしては、ジブ チルァミン · 1, 3, 5 トリアジン ·Ν, Ν,一ビス(2, 2, 6, 6—テトラメチル— 4 ピペリ ジルー 1, 6 へキサメチレンジァミンと Ν—(2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピベリジ ル)プチルァミンの重縮合物、ポリ〔{6—(1, 1, 3, 3—テトラメチルブチル)アミノー 1 , 3, 5 トリアジン— 2, 4 ジィル } { (2, 2, 6, 6—テトラメチル— 4 ピペリジル)イミ ノ}へキサメチレン { (2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピペリジル)イミノ}〕、ビス(1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチル— 4 ピペリジル)〔〔3, 5 ビス(1, 1—ジメチルェチル)— 4 ーヒドリキシフエ-ル〕メチル〕ブチルマロネート、ビス(2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4 ピペリジル)セバケート等が挙げられる。これらは 1種のみが用いられても良いし、 2種 類以上が併用されても良い。
[0129] 上記 HALSは、上記酸ィ匕防止剤と併用されることが好ましい。これらを併用すること により、上述した式 (a)で表される熱酸ィ匕劣化サイクルにおいて、発生したフリーラジ カルの捕捉と酸ィ匕反応との両方を抑制することができ、熱酸ィ匕による劣化をより一層 抑帘 Uすることができる。
[0130] また、上記 HALSと、フエノール系酸ィ匕防止剤のような 1次酸ィ匕防止剤と、リン系酸 化防止剤のような 2次酸ィ匕防止剤とを併用することが好ましい。これらを併用すること により、酸ィ匕による劣化をより一層抑制することができる。酸ィ匕による劣化をさらに一 層抑制することができるので、 HALSと、フエノール系酸ィ匕防止剤のような 1次酸ィ匕防 止剤と、リン系酸ィ匕防止剤のような 2次酸ィ匕防止剤と、ラ外ン系酸ィ匕防止剤とを併用 することがより好まし!/、。
[0131] 上記 HALSは、融点が 65°C以上であり、かつ 20°Cでの蒸気圧が 1. 0 X 10"8Pa 以下であることが好ましい。融点が 65°C未満、もしくは 20°Cでの蒸気圧が 1. 0 X 10 _8Pa以上であると、熱硬化過程もしくは高温放置状態において HALS自体が揮発し 易くなる。そのため、絶縁材料の酸ィ匕を十分に抑制することができず、 HALSを添カロ した効果を十分に得られな 、ことがある。
[0132] 上記 HALSの配合量としては、絶縁材料 100重量%中、 0. 01〜: L 0重量%の範
囲が好ましい。より好ましくは、 0. 1〜0. 75重量%の範囲である。 HALSが少なすぎ ると、硬化物の耐高温放置性に劣ることがあり、多すぎると、 HALSによる汚染が生じ るおそれがある。
[0133] 本発明の絶縁材料は、必要に応じて、チキソ性付与剤、分散剤、難燃剤、着色剤 を含有していても良い。
[0134] 上記チキソ性付与剤としては、特に限定されないが、ポリアマイド榭脂、脂肪酸アマ イド榭脂、ポリアミド榭脂、フタル酸ジォクチル榭脂などが挙げられる。
[0135] 上記分散剤としては、脂肪酸せつけん、アルキルサルフェート、ジアルキルスルホコ ハク酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、等のァ-オン性分散剤、デ シルァミン酢酸塩、トリメチルアンモ -ゥムクロライド、ジメチル(ベンジル)アンモ-ゥ ムクロライド等のカチオン性分散剤、ポリエチレングリコールエーテル、ポリエチレング リコーノレエステノレ、ソルビタンエステル、ソルビタンエステルエーテル、モノグリセライド 、ポリグリセリンアルキルエステル、脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルポリエーテル ァミン、ァミンオキサイド、エチレングリコールジステアレート等のノ-オン性分散剤等 が挙げられる。
[0136] 上記難燃剤としては、特に限定されないが、例えば、水酸ィ匕アルミニウム、水酸ィ匕 マグネシウム、ドーソナイト、アルミン酸化カルシウム、 2水和石こう、水酸化カルシウム などの金属水酸化物、赤りんやポリリン酸アンモニゥム、トリフエニルホスフェート、トリ シクロへキシルホスフェート、リン等のリン酸エステル、リン含有エポキシ榭脂、リン含 有フエノキシ榭脂、リン含有ビニルイ匕合物などのリン含有榭脂などのリン系化合物、メ ラミン、メラミンシァヌレート、メラミンイソシァヌレート、リン酸メラミン及びこれらに表面 処理が施されたメラミン誘導体などの窒素系化合物、ハイド口タルサイトなどの層状複 水和物、三酸化アンチモン、五酸化アンチモンなどのアンチモン系化合物、デカブ口 モジフエ-ルエーテル、トリアリルイソシァヌレート 6臭化物などの臭素系化合物、テト ラブロモビスフエノール Aなどの臭素含有エポキシ榭脂などが挙げられる。なかでも、 金属水酸化物、リン系化合物、臭素系化合物、及びメラミン誘導体が好適に用いら れる。
[0137] 上記着色剤としては、例えばカーボンブラック、黒鉛、フラーレン、チタンカーボン、
二酸化マンガン、フタロシアニンなどの顔料または染料を用いることができる。
[0138] 絶縁材料の態様としては特に限定されないが、ペースト状の絶縁材料であってもよ ぐフィルム状に成形された絶縁材料、すなわち絶縁フィルムであってもよい。後述す る半導体装置の製造に用いる場合には、フィルム状に成形された絶縁材料を用 、る ことが好ましい。
[0139] 本発明の絶縁材料をフィルム状に成形する方法としては特に限定はされないが、 例えば、溶剤キャスト法、押し出し成膜等の方法が好適である。フィルム状に成形す る際に、脱泡することが好ましい。
[0140] 上記絶縁フィルムの膜厚としては特に限定はされないが、 50〜300 mが好ましい 。より好ましくは、 100〜200 mである。膜厚が薄すぎると、絶縁性に劣ることがあり 、厚すぎると、電極間の導通プロセスが煩雑になることがある。
[0141] 絶縁材料の硬化物の絶縁破壊電圧は、 40kVZmm以上であることが好ま ヽ。絶 縁破壊電圧が 40kVZmm未満の場合、例えば電力素子用のような大電流用途に 用いた場合に充分な絶縁性が得られないことがある。絶縁破壊電圧は、より好ましく は、 50kVZmm以上、さらに好ましくは 60kVZmm以上である。
[0142] 絶縁材料の硬化物の引っ張り破断伸び率は、 2〜50%の範囲にあることが好まし い。引っ張り破断伸び率が低すぎると、冷熱サイクルテストにおいてクラックや剥離が 起こりやすくなり、高すぎると、硬化物の熱線膨張率が高くなり、やはり冷熱サイクル テストにおいてクラックや剥離が起こりやすくなる。
[0143] 絶縁材料の硬化物の初期接着力は、 400NZ25mm2以上が好ま 、。絶縁材料 の高温放置試験後接着力は、 350NZ25mm2以上が好ましい。初期接着力からの 高温放置試験後接着力の変化量としては、 100NZ25mm2未満が好ましぐより好 ましくは 50NZ25mm2未満である。
[0144] 本発明の絶縁材料は、電子部品装置用の絶縁材料であり、このような電子部品装 置としては、特に限定されないが、例えば、半導体装置が挙げられる。すなわち、絶 縁材料は、基板上に半導体素子が実装されている半導体装置に好適に用いること ができる。この場合、絶縁材料の硬化処理が容易であるため、半導体素子は基板上 に面実装されていることが好ましい。もっとも、ボンディングワイヤーにより半導体素子
が基板に実装されている半導体装置にも、本発明の絶縁材料を用いることができる。 さら〖こ、絶縁材料は、半導体素子以外の電子部品素子が、基板上に搭載されている 電子部品装置にも用いることができる。
[0145] 半導体素子が大電流用の電力用デバイス素子の場合には、高い絶縁性やより高 い耐熱性などが求められる。従って、このような用途において、本発明の絶縁材料が 好ましく用いられる。
[0146] 本発明の電子部品装置の製造方法は、本発明の絶縁材料を用いることを特徴とす る。この場合、半導体素子などの電子部品素子が実装された基板の電子部品素子 の外表面の少なくとも一部を上記絶縁材料で被覆し、絶縁材料層を形成する。上記 被覆は、例えば真空ラミネーター等を用いて行うことができる。
[0147] 次に、絶縁材料層を硬化させて絶縁材料硬化物からなる絶縁層を形成する。なお 、硬化方法については前述したような熱硬化方法、あるいは光照射により硬化する方 法などを適宜用いることができる。
また、以下の配線用の孔の形成工程、配線材料を孔に充填する工程及び配線バタ ーンを形成する工程の前に絶縁材料層を硬化させて絶縁層を形成することが好まし い。それによつて、以下の工程を容易に行うことができる。もっとも、これらの加工工程 後に絶縁材料層を硬化させて絶縁層を形成してもよい。また、孔の形成工程、配線 材料を充填する工程及び配線パターンを形成する工程の工程間にお ヽて、絶縁材 料層を硬化させて絶縁層としてもよい。
[0148] 次に、絶縁層に高密度エネルギー線を照射することにより、配線用の孔を形成する 。この孔に配線材料として金属材料を充填する。し力る後、絶縁層の表面に、上記配 線材料と電気的に接続される配線パターンを形成する。この配線パターンについて も、配線材料と同様に、適宜の金属材料を用いることができる。
[0149] 図 1に、本発明に従って製造された電子部品装置の一実施形態としての半導体装 置を略図的正面断面図で示す。
[0150] 図 1に示す半導体装置 1は、基板 2を有する。基板 2上には、半導体素子 3が実装さ れている。半導体素子 3の外表面の少なくとも一部を覆うように、本発明の絶縁材料 の硬化物力もなる絶縁層 4が設けられている。絶縁層 4には、孔 4a, 4bが形成されて
いる。孔 4a, 4bは、半導体素子の外表面力 絶縁層 4の表面に至っている。孔 4a, 4 bに配線材料 5a, 5bが充填されている。配線材料 5a, 5bに電気的に接続されるよう に、絶縁層 4の表面に配線パターン 6が形成されて 、る。
[0151] なお、半導体素子 3に代えて、他の電子部品素子を用いてもよい。
[0152] 上記半導体装置 1では、絶縁層 4が、本発明の絶縁材料の硬化物で形成されてい るので、絶縁性に優れている。さらに、絶縁材料の硬化物は耐高温放置性及び耐冷 熱サイクル性に優れているので、半導体装置 1の耐熱性を高めることができる。
[0153] 以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を明らかに する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[0154] (硬化性化合物 (a) )
(1)キサンテン型エポキシ榭脂(大日本インキ化学工業社製、商品名: EXA— 733 6、全骨格 100重量%中での多環式芳香族炭化水素骨格 (al)の占める割合 37重 量0 /0)
(2)フルオレン型エポキシ榭脂(オンファイン社製、商品名: EX— 1010、全骨格 10 0重量%中での多環式芳香族炭化水素骨格 (al)の占める割合 35重量%)
(3)ナフタレン型液状エポキシ榭脂 (大日本インキ化学工業社製、商品名: HP— 4 032D、全骨格 100重量%中での多環式芳香族炭化水素骨格 (al)の占める割合 4 7重量%)
(4)ジナフタレン骨格エポキシ榭脂 (大日本インキ化学工業社製、商品名: HP— 4 700、全骨格 100重量%中での多環式芳香族炭化水素骨格 (al)の占める割合 45 重量%)
(5)ビフエ-ル骨格エポキシ榭脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名: YX4000 HK、全骨格 100重量%中での 2個以上の芳香環が単結合で直接結合した骨格 (a2 )の占める割合 42重量%)
(6)ナフタレン含有ノボラック型エポキシ榭脂 (東都化成社製、商品名: ESN— 355 、全骨格 100重量%中での多環式芳香族炭化水素骨格 (al)の占める割合 39重量 %)
(7)ビスエトキシフエ-ルフルオレン型エポキシ榭脂 (オンファイン社製、商品名: E
X- 1020、全骨格 100重量%中での多環式芳香族炭化水素骨格 (al)の占める割 合 30重量%)
[0155] (硬化性化合物 (a)以外の硬化性化合物)
(1)シクロへキサンジメタノール骨格液状エポキシ榭脂(ナガセケムテックス社製、 E X— 216
(2)へキサヒドロフタル酸型液状エポキシ榭脂(日本ィ匕薬社製、 AK-601)
(3)ジシクロペンタジェン型液状エポキシ榭脂(アデ力社製、 EP4088)
(4)下記式 (A)で表されるビフエニル含有ノボラック型エポキシ榭脂 A (自社合成、 後述の合成例 1、全骨格 100重量%中での 2個以上の芳香環が単結合で直接結合 した骨格 (a2)の占める割合 25重量%)
[0156] [化 18]
( A )
[0157] 上記式 (A)中 nl〜n4は、平均して、 nl +n2+n3+n4=2. 4である。
[0158] (5)下記式 (Β)で表されるビフエ-ル含有ノボラック型エポキシ榭脂 Β (自社合成、 後述の合成例 2、全骨格 100重量%中での 2個以上の芳香環が単結合で直接結合 した骨格 (a2)の占める割合 20重量%)
[0159] [化 19]
Ad=Adamantyl
( B )
[0160] (6)フエノールノボラック型エポキシ榭脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名: JE R152、単環構造)
(7)ビスフエノール A型エポキシ榭脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:ェピコ ート 828、単環構造、全骨格 100重量%中での多環式芳香族炭化水素骨格の占め る割合 45重量%、単環構造)
(8)クレゾ一ルノボラック型エポキシ榭脂(DIC社製、商品名: N— 665、単環構造) [0161] (高分子ポリマー (c) )
(1)フルオレン型フヱノキシ榭脂 (東都化成社製、商品名: FX293、重量平均分子量 43, 000)
(2)ビフエ-ル型フエノキシ榭脂 1 (ジャパンエポキシレジン社製、商品名: YX6954 、重量平均分子量 39, 000、 Tgl30°C)
(3)ビフエ-ル型フエノキシ榭脂 2 (ジャパンエポキシレジン社製、商品名: YX8100 、重量平均分子量 37, 000、ガラス転移温度 Tgl55°C)
(4)エポキシ基含有アクリル榭脂(日本油脂社製、商品名:マープルーフ G0250S 、重量平均分子量 20, 000)
(5)スチレン一メタクリル酸グリシジル榭脂(日本油脂社製、商品名:マープルーフ GO 250S、重量平均分子量 20, 000)
(高分子ポリマー (c)以外の高分子ポリマー)
(1)アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン社製、商品名: Nipol 1001、重量平 均分子量 30, 000)
[0162] (硬化剤 (b) )
( 1)酸無水物硬化剤 (新日本理化社製、商品名: MH— 700)
(2)フエノール系硬化剤 (住友化学社製、商品名: EP415)
(3)イソシァヌル変性固体分散型イミダゾール (イミダゾール系硬化促進剤、四国化 成社製、商品名: 2MZA— PW)
[0163] (無機フィラー (e) )
( 1)表面疎水化ヒュームドシリカ(トクャマ社製、商品名: MT— 10、平均粒径 15nm
)
(2)球状シリカ(トクャマ社製、商品名: SE— 5、平均粒径 5 111)
(3)層状珪酸塩(コープケミカル社製、商品名: STN65meq— wl)
(4)窒化アルミニウム(古川電子社製、商品名: FAN— f30、平均粒径 30 /z m)
(5)アルミナ(デン力社製、商品名: DAM— 10、平均粒径 10 μ m)
[0164] (ゴム微粒子 (f) )
( 1)コアシェル型ゴム微粒子 (f) (三菱レーヨン社製、商品名: KW4426、メチルメタ タリレートからなるシェルと、ブチルアタリレートからなるコアとを有するゴム微粒子、平 均粒径 5 μ m)
(2)シリコンゴム微粒子 (fl) (東レ 'ダウコーユング社製、商品名:トレフィル E601、 平均粒径 2 μ m)
(3)フッ素ゴム微粒子 (f 2) (ダイキン工業社製、商品名:ルブロン L20、平均粒径 2 μ mj
[0165] (添加剤)
( 1)エポキシシランカップリング剤 (信越ィ匕学社製、商品名: KBM303) [0166] (溶剤)
( 1)メチルェチルケトン
(2)ジメチルホルムアミド
(3)メチノレイソブチノレケトン
[0167] (合成例 1)
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管及び撹拌器を取り付けたフラスコに、 4, 4 ' ジヒドロキシ一 3, 3 ' , 5, 5,一テトラメチルビフエ-ル 242g ( l . 0モル)、ベンジルァ
ルコール 432g (4. 0モル)を仕込み、室温下、窒素を吹き込みながら撹拌した。これ にメタンスルホン酸 10gを発熱に注意しながら添加した。その後油浴中で 150°Cまで 加熱し、分留管を用いて生成するメタノールを抜き出した後、更に 5時間反応させた 。反応終了後、更にメチルイソプチルケトン 1400gを加え、溶解後、分液ロートに移し た。次いで洗浄水が中性を示すまで水洗後、有機層から溶媒を加熱減圧下に除去 し、変性 2価フエノール化合物 579gを得た。
[0168] 温度計、滴下ロート、冷却管及び撹拌機を取り付けたフラスコに、窒素ガスパージ を施しながら、得られた変性 2価フエノール化合物 305g、ェピクロルヒドリン 463g(5. 0モル)、 n—ブタノール 139g、テトラエチルベンジルアンモ -ゥムクロライド 2gを仕込 み溶解させた。 65°Cに昇温した後、共沸する圧力まで減圧して、 49%水酸化ナトリ ゥム水溶液 90g (l. 1モル)を 5時間かけて滴下した。その後、同条件で 0. 5時間撹 拌を続けた。この間、共沸によって留出してきた留出分をディーンスタークトラップで 分離し、水層を除去し、油層を反応系内に戻しながら、反応を行った。その後、未反 応のェピクロルヒドリンを減圧蒸留によって留去させた。得られた粗エポキシ榭脂にメ チルイソブチルケトン 590gと n—ブタノール 177gとをカ卩ぇ溶解した。更にこの溶液に 10%水酸ィ匕ナトリウム水溶液 10gを添加し、 80°Cで 2時間反応させた後に、洗浄液 の PHが中性を示すまで水 150gで水洗を 3回繰り返した。次いで共沸によって系内 を脱水し、濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して、上記式 (A)で表されるビフエ -ル含有ノボラック型エポキシ榭脂 A356gを得た。
[0169] (合成例 2)
300mlの 4口フラスコに、トルエン 55g、 p— (1—ァダマンチル)フエノール 50. 2g、 炭酸ソ―ダ 23. 3gを仕込み 70°Cに昇温した。これに 4, 4'—ビス(クロロメチル)ビフ ェニル 25. lgを少量ずつ 1時間かけて添カ卩した。この後、 80°Cで 8時間、 95°Cで 5 時間反応させた。塩ィ匕水素ガスの発生は殆ど認められな力つた。反応終了後、析出 した塩を除去し、メタンスルフォン酸 0. lgを濾液に添カ卩し、 90°Cで 1時間反応させた 。過剰のメタンスルフォン酸を苛性ソーダで中和した後、トルエンを留去し、冷却する ことにより、上記式 (B)で表されるビフエ二ル含有ノボラック型エポキシ榭脂 B45gを得
[0170] (実施例 1)
ホモディスパー型攪拌機を用い、下記表 1に示す割合 (単位は重量部)で各材料を 配合し、溶剤と共に均一に混練し、絶縁材料を調製した。
[0171] 50 μ m厚の離型 PETシートに、上記絶縁材料を 200 μ m厚に塗工し、 70°Cォー ブンにて 1時間乾燥し、 200 m厚の絶縁フィルムを作製した。
[0172] (実施例 2〜28及び比較例 1〜8)
使用した材料の種類及び配合量を下記の表 1, 2に示すように変更したこと以外は 、実施例 1と同様にして絶縁材料を調製し、絶縁フィルムを作製した。
[0173] (実施例及び比較例の絶縁材料の評価)
各絶縁フィルムにつ 、て、以下の項目を評価した。
[0174] (1)絶縁破壊電圧
絶縁フィルムを 100mm X 100mm角に切り出したものを 200°Cオーブンで 1時間 硬化し、テストサンプルを作製した。このサンプルを耐電圧試験器(MODEL7473、 EXTECH Electronics社製)にて、 20kVZ60秒の速度で電圧をかけ、 3mAの電 流が流れた場合の電圧を絶縁破壊電圧として測定した。
[0175] (2)ガラス転移温度
絶縁フィルムを 5mm X 50mm角に切り出したものを 200°Cオーブンで 1時間硬化 し、テストサンプルを作製した。これを DMA装置 (DVA— 200、アイティー計測制御 社製)にて引っ張りモード、チャック間距離 24mm、昇温速度 5°C毎分、測定周波数 1 0Hz、 1%歪みで—60〜320°Cまで昇温した時の温度 貯蔵弾性率 (Ε' )、温度 損失弾性率 (Ε")、温度— E"ZE' (tan δ )の傾きを測定し、 tan δの最大ピーク温 度をガラス転移温度として算出した。絶縁材料のガラス転移温度としては、 170°C以 上が好ましぐより好ましくは 180°C以上、更に好ましくは 200°C以上である。
[0176] (3)線膨張係数
絶縁フィルムを 3mm X 25mm角に切り出したものを 200°Cオーブンで 1時間硬化 し、テストサンプルを作製した。これを TMA装置(TMA/SS6000、セイコーインスト ロメント社製)にて 10°C毎分で 320°Cまで 1回昇温したのち— 45°Cから 130°Cまで 1 0°C毎分で昇温した時の温度一 TMA直線の傾きを測定し、その逆数を線膨張係数
として算出した。絶縁材料の線膨張係数としては、 40ppm以下が好ましぐより好まし くは 30ppm以下が好まし!/、。
[0177] (4)冷熱サイクル試験後のクラック又は剥離の有無
銅基板の上にシリコンチップを半田付けした上カゝら基板全体を絶縁材料を真空ラミ ネーター(MVLP— 500、メイキ製作所製)にて 40°Cの条件下でラミネートし、 200°C オーブンで 1時間加熱硬化し、テストサンプルを作製した。これを 1チャンバ一式冷熱 サイクル試験機(WINTECH NT510、 ETACH社製)にて—40°C、 20分及び 12 5°C20分を 1サイクルとして 500サイクルまたは 1000サイクル行った。試験後の硬化 物表面のクラックの有無を光学顕微鏡(TRANSFORMER— XN、 Nikon社製)、 剥離の有無を超音波探傷装置 (mi— scope hyper, 日立建機ファインテック社製) にて観察した。テストサンプル 10検体中のクラック又は剥離が発生したテストサンプ ルの数を数え、下記の基準により評価した。
[0178] 冷熱サイクル試験後のクラック又は剥離の有無の評価基準
◎:クラック又は剥離の発生したテストサンプルが 10検体中、 0検体
〇:クラック又は剥離の発生したテストサンプルが 10検体中、 1〜2検体
△:クラック又は剥離が発生したテストサンプルが 10検体中、 3〜4検体
X:クラック又は剥離が発生したテストサンプルが 10検体中、 5検体以上
[0179] (5)高温放置試験後のクラック又は剥離の有無
銅基板の上にシリコンチップを半田付けした上カゝら基板全体に絶縁材料を真空ラミ ネーター(MVLP— 500、メイキ製作所製)にて 40°Cの条件下でラミネートし、 200°C オーブンで 1時間加熱硬化し、テストサンプルを作製した。これを 200°Cオーブンに 5 00時間または 1000時間放置した。試験後の硬化物表面のクラックの有無を光学顕 微鏡 (TRANSFORMER— XN、 Nikon社製)、剥離の有無を超音波探傷装置 (mi -scope hyper, 日立建機ファインテック社製)にて観察した。テストサンプル 10検 体中のクラック又は剥離が発生したテストサンプルの数を数え、下記の基準により評 価し 7こ。
[0180] 高温放置試験後のクラック又は剥離の有無の評価基準
◎:クラック又は剥離の発生したテストサンプルが 10検体中、 0検体
〇:クラック又は剥離の発生したテストサンプルが 10検体中、 1〜2検体 △:クラック又は剥離が発生したテストサンプルが 10検体中、 3〜4検体
X:クラック又は剥離が発生したテストサンプルが 10検体中、 5検体以上 結果を下記表 1, 2に示す。
[0181] (6)未硬化の絶縁フィルムのタック性
未硬化の絶縁フィルムの表面を指で触れて、下記評価基準により、タック性を官能評 価し 7こ。
タック性の評価基準
◎:指触により粘着力を充分感じる程度にタック性があり、初期粘着力に非常に優れ る。
〇:指触により粘着力を感じる程度にタック性があり、初期粘着力に優れる。
△:指触により粘着力をやや感じる程度にタック性があり、初期粘着力を有する。
X:指触により粘着力をほとんど感じない程度にし力タック性がなぐ初期粘着力が充 分ではない。
[0182] (7)未硬化の絶縁フィルムの取扱性
絶縁フィルムを離型 PETシートごと A4サイズにカットし、離型 PETシートから絶縁フィ ルムを剥離する際の取扱性を下記評価基準で評価した。
取扱性の評価基準
〇:問題なく取り扱える
△:フィルム状ではある力 僅かな力で伸び、破断がおきる
X:フィルムを形成していない
[0183] (8)硬化後の絶縁フィルムの引っぱり破断伸び率
テンシロン万能試験機(ORIENTEC社製: RTC— 1310A)を用いて、試料サイズ 1 cm X 10cm及び試料厚み 200 μ mの絶縁フィルムの硬化物の引っぱり破断伸び率 を、チャック間距離 50mm、引っぱり速度 5mmZ分、試験環境 23°C及び相対湿度 5 0%で測定した。
結果を下記の表 1, 2に示す。
骨 : a2 の : +1) 37 %: *2 35 。/。: *3 47 %, *4) 45 <½: +5 42 %; *6 39 %: 30 %: *8) 25 。/ 6: *9) 20重 %
Claims
(上記式(1)中、 Rは互いに同一であっても異なっていてもよく水素原子、炭素数 1 〜10の炭化水素基又はハロゲン原子力も選ばれる基であり、 Xは単結合、炭素数 1 〜7の 2価の炭化水素基、— O—、— S―、 -SO—、又は— CO—力 選ばれる基
2
である。 )
[化 2]
(上記式(2)中、 R は互いに同一であっても異なっていてもよく水素原子、炭素数 la
1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子力も選ばれる基であり、 Rは、水素原子、炭
2
素数 1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子力も選ばれる基であり、 Rは、水素原子
3
又は炭素数 1〜10の炭化水素基であり、 mは 0〜5の整数である。 )
(上記式(3)中、 R は互いに同一であっても異なっていてもよく水素原子、炭素数 lb
1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子から選ばれる基であり、 Rは互いに同一であ
4
つても異なっていてもよく水素原子、炭素数 1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子 力 選ばれる基であり、 1は 0〜4の整数である。 )
(上記式 (5)中、 R、 Rは水素原子、炭素数] 5のアルキル基、ハロゲン原子から
5 6
選ばれるものであり、 Xは SO—、 -CH - C (CH ) —、または O のい
2 2 2
ずれかであり、 kは 0または 1の値である。 )
[化 6]
前記フエノキシ榭脂が、下記式(7)または下記式 (8)で表されるフ ノキシ榭脂であ る、請求項 7に記載の絶縁材料。
(上記式(7)中、 Aは上記式(1)〜(3)のいずれかで表される構造を有し、かつそ の構成は上記式(1)で表わされる構造力^〜 60モル%、上記式(2)で表わされる構 造が 5〜95モル%、及び上記式(3)で表わされる構造が 5〜95モル%であり、 Aは
2 水素原子、または上記式 (4)で表される基であり、 nは平均値で 25〜500の数であ る。)
(上記式 (8)中、 Aは上記式(5)または上記式 (6)で表される構造を有し、 nは少
3 2 なくとも 21以上の値である。 )
[9] 少なくとも主鎖の一部に脂肪族環状骨格を有する液状エポキシ榭脂 (d)をさらに含 有することを特徴とする、請求項 1〜8のいずれか 1項に記載の絶縁材料。
[10] 絶縁材料に含まれている全榭脂成分の合計 100重量%中、前記硬化性化合物 (a
)を 20〜90重量%の範囲、前記高分子ポリマー(c)を 5〜60重量%の範囲、前記液
状エポキシ榭脂 (d)を 3〜40重量%の範囲でそれぞれ含む、請求項 9に記載の絶縁 材料。
[11] 前記液状エポキシ榭脂 (d)は、エポキシ当量が 170以下であり、かつ 25°Cにおける 粘度が 0. 5Pa ' s以下である、請求項 9または 10に記載の絶縁材料。
[12] 前記液状エポキシ榭脂 (d) 1S ジシクロペンタジェン骨格またはシクロへキサン骨 格を有する、請求項 9〜: L 1の 、ずれ力 1項に記載の絶縁材料。
[13] 前記ゴム微粒子 (f)力 フッ素化合物 (f2)、またはシロキサン結合を主骨格に有し
、かつシリル基に有機置換基を有する化合物 (fl)である、請求項 1〜12のいずれか
1項に記載の絶縁材料。
[14] 硬化後の絶縁破壊電圧が 40kVZmm以上である、請求項 1〜13のいずれか 1項 に記載の絶縁材料。
[15] フィルム状に成形されている、請求項 1〜14のいずれか 1項に記載の絶縁材料。
[16] 硬化後の引っ張り破断伸び率が 2〜50%の範囲にある、請求項 15に記載の絶縁 材料。
[17] 前記電子部品装置が電子部品素子としての半導体素子を有する半導体装置であ り、該半導体装置用の絶縁材料であることを特徴とする、請求項 1〜16のいずれか 1 項に記載の絶縁材料。
[18] 前記半導体素子が電力用デバイス素子である、請求項 17に記載の絶縁材料。
[19] 請求項 1〜18のいずれか 1項に記載の絶縁材料を用いて電子部品装置を製造す る方法であって、
電子部品素子が実装された基板の電子部品素子の外表面の少なくとも一部を前 記絶縁材料で被覆して絶縁材料層を形成する工程と、
前記絶縁材料層を硬化させて前記絶縁層とする工程と、
前記絶縁材料層または絶縁層に高密度エネルギー線を照射し、前記絶縁層に配 線用の孔を形成する工程と、
前記孔に配線材料を充填する工程と、
前記孔に充填された配線材料と電気的に接続される配線パターンを前記絶縁材料 層または絶縁層の表面に形成する工程とを備えることを特徴とする、電子部品装置
の製造方法。
[20] 前記電子部品素子として半導体素子を用い、前記電子部品装置として半導体装置 を製造することを特徴とする、請求項 19に記載の電子部品装置の製造方法。
[21] 請求項 1〜18のいずれか 1項に記載の絶縁材料の硬化物力もなる絶縁層を有する 電子部品装置であって、
基板と、
前記基板上に実装された電子部品素子と、
前記絶縁材料の硬化物により形成されており、前記電子部品素子の外表面の少な くとも一部を被覆するように設けられて ヽる絶縁層とを備え、該絶縁層には前記電子 部品素子の外表面力 絶縁層の表面に至る孔が形成されており、
前記絶縁層の前記孔に充填された配線材料と、
前記絶縁層表面に形成されており、前記配線材料に電気的に接続されるように設 けられた配線パターンとをさらに備えることを特徴とする、電子部品装置。
[22] 前記電子部品素子が半導体素子であり、それによつて半導体装置が構成されてい る、請求項 21に記載の電子部品装置。
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