JP6134089B2 - 絶縁材料及び積層構造体 - Google Patents

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本発明は、熱伝導率が10W/m・K以上である熱伝導体を導電層に接着するために用いられる絶縁材料に関し、より詳細には、硬化後の硬化物の弾性率が低い絶縁材料、並びに該絶縁材料を用いた積層構造体に関する。
電子機器及び通信機器では、絶縁層を有するプリント配線板が用いられている。該絶縁層は、ペースト状又はシート状の絶縁接着材料を用いて形成されている。
上記絶縁接着材料の一例として、下記の特許文献1には、エポキシ樹脂と、シアネートエステル樹脂と、グアニジン化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体と、金属系硬化触媒とを含む樹脂組成物及び接着フィルムが開示されている。この樹脂組成物及び接着フィルムは、高分子樹脂及び無機充填材を含んでいてもよい。また、高分子樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂及びポリエステル樹脂が挙げられている。
また、下記の特許文献2には、2個以上のエポキシ基を有する液状のエポキシ樹脂と、3個以上のエポキシ基を有する液状の芳香族系エポキシ樹脂と、特定のアミノ基含有リン酸エステル化合物と、有機高分子成分と、無機充填材とを含む樹脂組成物及び接着フィルムが開示されている。また、有機高分子成分としては、ポリビニルアセタール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂及びポリアミノイミド樹脂等が挙げられている。
特開2010−90237号公報 特開2009−295689号公報
特許文献1〜2に記載のような従来の絶縁接着材料を用いて絶縁層を形成すると、該絶縁層の弾性率が高すぎることがある。このため、リフロープロセスなどにおいて、絶縁層が高温下に晒されたときに、絶縁層にクラックが生じることがある。
また、近年、電気機器の小型化及び高性能化が進行している。このため、上記電子機器及び通信機器に用いられるプリント配線板では、多層化及び薄膜化が進行しており、かつ電子部品の実装密度が高くなっている。これに伴って、電子部品から大きな熱量が発生しやすくなっており、発生した熱を放散させる必要が高まっている。熱を放散させるために、プリント配線板の絶縁層は、高い熱伝導率を有する必要がある。
しかしながら、特許文献1,2に記載のような従来の絶縁接着材料を用いたプリント配線板では、絶縁層の熱伝導率が低く、充分な放熱性が得られないことがある。
さらに、特許文献1,2に記載の接着フィルムは、ハンドリング性が低いことがある。
本発明の目的は、熱伝導率が10W/m・K以上である熱伝導体を導電層に接着するために用いられ、硬化後の硬化物の弾性率が低い絶縁材料、並びに該絶縁材料を用いた積層構造体を提供することである。
本発明の限定的な目的は、硬化後の硬化物の弾性率が低いだけでなく、該硬化物の熱伝導性が高い絶縁材料、並びに該絶縁材料を用いた積層構造体を提供することである。
本発明のさらに限定的な目的は、硬化後の硬化物の弾性率が低いだけでなく、シート状の絶縁シートであって、未硬化状態での該絶縁シートのハンドリング性に優れている絶縁材料、並びに該絶縁材料を用いた積層構造体を提供することである。
本発明の広い局面によれば、熱伝導率が10W/m・K以上である熱伝導体を導電層に接着するために用いられる絶縁材料であって、エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物と、ポリエーテル骨格を有する1級アミン硬化剤とを含む、絶縁材料が提供される。
また、本発明の広い局面によれば、熱伝導率が10W/m・K以上である熱伝導体を導電層に接着するために用いられる絶縁材料であって、エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物と、ポリエーテル骨格を有する1級アミン硬化剤と、硬化補助剤とを含み、上記硬化補助剤が、ジシアンジアミド又は硬化促進剤を含有する、絶縁材料が提供される。本発明に係る絶縁材料では、上記硬化補助剤が、ジシアンジアミド又はイミダゾール化合物を含有することが好ましい。
本発明に係る絶縁材料は、無機フィラーをさらに含むことが好ましい。
本発明に係る絶縁材料では、上記ポリエーテル骨格を有する1級アミン硬化剤の活性水素当量が、上記エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物のエポキシ当量又はオキセタニル当量に対して0.05以上、0.5以下であることが好ましい。上記ポリエーテル骨格を有する1級アミン硬化剤の分子量は400以上であることが好ましい。
上記エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物は、可撓性エポキシ樹脂であることが好ましい。該可撓性エポキシ樹脂は、ポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂であることが好ましい。更に、上記可撓性エポキシ樹脂は、ポリテトラメチレングリコール変性エポキシ樹脂であることがより好ましい。
本発明に係る絶縁材料のある特定の局面では、チタン系のカップリング剤がさらに含まれている。
本発明に係る絶縁材料の他の特定の局面では、イオン捕捉剤がさらに含まれている。
本発明に係る絶縁材料の別の特定の局面では、樹脂粒子がさらに含まれている。
本発明に係る絶縁材料のさらに他の特定の局面では、重量平均分子量が10000以上であるポリマーが含まれている。
本発明に係る絶縁材料の他の特定の局面では、該絶縁材料は、シート状の絶縁シートである。
本発明に係る積層構造体は、熱伝導率が10W/m・K以上である熱伝導体と、該熱伝導体の少なくとも一方の表面に積層された絶縁層と、該絶縁層の上記熱伝導体が積層された表面とは反対側の表面に積層された導電層とを備えており、上記絶縁層が、本発明に従って構成された絶縁材料を硬化させることにより形成されている。
本発明に係る絶縁材料は、エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物と、ポリエーテル骨格を有する1級アミン硬化剤とを含むので、本発明に係る絶縁材料を硬化させることにより形成された硬化物の弾性率を低くすることができる。
本発明に係る絶縁材料は、エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物と、ポリエーテル骨格を有する1級アミン硬化剤と、硬化補助剤とを含むので、更に該硬化補助剤が、ジシアンジアミド又は硬化促進剤を含有するので、本発明に係る絶縁材料を硬化させることにより形成された硬化物の弾性率を低くすることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層構造体を模式的に示す部分切欠正面断面図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係る絶縁材料は、熱伝導率が10W/m・K以上である熱伝導体を導電層に接着するために用いられる絶縁材料である。本発明に係る絶縁材料は、エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)と、ポリエーテル骨格を有する1級アミン硬化剤(C)とを含む。また、本発明に係る絶縁材料は、エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)と、ポリエーテル骨格を有する1級アミン硬化剤(C)と、硬化補助剤(D)とを含むことが好ましい。該硬化補助剤(D)は、ジシアンジアミド又は硬化促進剤を含有する。
本発明に係る絶縁材料におけるエポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)と、ポリエーテル骨格を有する1級アミン硬化剤(C)とを含む組成Xの採用により、硬化物の弾性率を低くすることができる。さらに、本発明に係る絶縁材料におけるエポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)と、ポリエーテル骨格を有する1級アミン硬化剤(C)と、ジシアンジアミド又は硬化促進剤を含有する硬化補助剤(D)とを含む組成Yの採用により、硬化物の弾性率を低くすることができる。さらに、上記組成X,Yの採用により、未硬化状態での絶縁シートのハンドリング性を高めることもできる。
本発明に係る絶縁材料は、重量平均分子量が10000以上であるポリマー(B)を含むことが好ましい。本発明に係る絶縁材料は、無機フィラー(E)を含むことが好ましい。本発明に係る絶縁材料は、シラン系、チタン系又はジルコン系のカップリング剤(F)を含むことが好ましく、チタン系又はジルコン系のカップリング剤(F1)を含むことがより好ましく、チタン系のカップリング剤(F2)を含むことが更に好ましい。本発明に係る絶縁材料は、イオン捕捉剤(G)を含むことが好ましい。本発明に係る絶縁材料は、酸化防止剤(H)をさらに含むことが好ましい。本発明に係る絶縁材料は、樹脂粒子(I)を含むことが好ましい。
本発明に係る絶縁材料は、液状の絶縁組成物であってもよく、シート状の絶縁シートであってもよい。取り扱い性を高めるために、本発明に係る絶縁材料は、シート状の絶縁シートであることが好ましい。本発明に係る絶縁材料は上記組成X,Yを有するので、未硬化状態での絶縁シートのハンドリング性を高めることができる。特に、絶縁材料がポリマー(B)を含む場合には、絶縁シートのハンドリング性がかなり高くなる。また、絶縁材料が無機フィラー(E)を含むことにより、硬化物の熱伝導性を効果的に高くすることができる。
以下、先ず、本発明に係る絶縁材料に含まれている各成分の詳細を説明する。
(エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A))
本発明に係る絶縁材料に含まれているエポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)は、エポキシ基又はオキセタニル基を有していれば特に限定されない。硬化性化合物(A)として、従来公知のエポキシ化合物又はオキセタニル化合物を使用可能である。硬化性化合物(A)は、1級アミン硬化剤(C)の作用により硬化する。硬化性化合物(A)は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)は、エポキシ基を有するエポキシ化合物(A1)を含んでいてもよく、オキセタニル基を有するオキセタン化合物(A2)を含んでいてもよい。
硬化物の耐熱性及び絶縁破壊特性をより一層高める観点からは、エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)は、芳香族骨格を有することが好ましい。
エポキシ化合物(A1)の具体例としては、ビスフェノール骨格を有するエポキシモノマー、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシモノマー、ナフタレン骨格を有するエポキシモノマー、アダマンタン骨格を有するエポキシモノマー、フルオレン骨格を有するエポキシモノマー、ビフェニル骨格を有するエポキシモノマー、バイ(グリシジルオキシフェニル)メタン骨格を有するエポキシモノマー、キサンテン骨格を有するエポキシモノマー、アントラセン骨格を有するエポキシモノマー、及びピレン骨格を有するエポキシモノマー等が挙げられる。これらの水素添加物又は変性物を用いてもよい。エポキシ化合物(A1)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ビスフェノール骨格を有するエポキシモノマーとしては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型又はビスフェノールS型のビスフェノール骨格を有するエポキシモノマー等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシモノマーとしては、ジシクロペンタジエンジオキシド、及びジシクロペンタジエン骨格を有するフェノールノボラックエポキシモノマー等が挙げられる。
上記ナフタレン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1−グリシジルナフタレン、2−グリシジルナフタレン、1,2−ジグリシジルナフタレン、1,5−ジグリシジルナフタレン、1,6−ジグリシジルナフタレン、1,7−ジグリシジルナフタレン、2,7−ジグリシジルナフタレン、トリグリシジルナフタレン、及び1,2,5,6−テトラグリシジルナフタレン等が挙げられる。
上記アダマンタン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1,3−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)アダマンタン、及び2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)アダマンタン等が挙げられる。
上記フルオレン骨格を有するエポキシモノマーとしては、9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−ブロモフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジクロロフェニル)フルオレン、及び9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジブロモフェニル)フルオレン等が挙げられる。
上記ビフェニル骨格を有するエポキシモノマーとしては、4,4’−ジグリシジルビフェニル、及び4,4’−ジグリシジル−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル等が挙げられる。
上記バイ(グリシジルオキシフェニル)メタン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1,1’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,1’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,1’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,2’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,2’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、及び1,2’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン等が挙げられる。
上記キサンテン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1,3,4,5,6,8−ヘキサメチル−2,7−ビス−オキシラニルメトキシ−9−フェニル−9H−キサンテン等が挙げられる。
オキセタニル基を有するオキセタン化合物(A2)の具体例としては、例えば、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、1,4−ベンゼンジカルボン酸ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エステル、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、及びオキセタン変性フェノールノボラック等が挙げられる。オキセタン化合物(A2)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
さらに、エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)として、アルキレンエーテル構造を有するエポキシ化合物又はアルキレンエーテル構造を有するオキセタン化合物を用いてもよい。硬化物の弾性率をより一層低くする観点からは、エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)は、アルキレンエーテル構造を有することが好ましく、炭素数2〜6のアルキレンエーテル構造を有することがより好ましい。炭素数2〜6のアルキレンエーテル構造は、下記式(1)で表される。該アルキレンエーテル構造の炭素数は、好ましくは4以下である。
Figure 0006134089
上記式(1)中、Rは、炭素数2〜6のアルキレン基を表す。該アルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐構造を有していてもよい。
上記アルキレンエーテル構造としては炭素数2〜6であれば特に限定されず、エチレングリコール構造、プロピレングリコール構造、テトラメチレングリコール構造、ペンタメチレングリコール構造及びヘキサメチレングリコール構造が挙げられる。
硬化物の弾性率をより一層低くし、かつ硬化物の耐熱性及び耐電圧性をより一層高くする観点からは、エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)は、下記式(1A)で表されるポリアルキレンエーテル構造を有することが好ましい。
Figure 0006134089
上記式(1A)中、Rは、炭素数2〜6のアルキレン基を表し、nは2〜20の整数を表す。該アルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐構造を有していてもよい。
硬化物の弾性率を更に一層低くし、かつ硬化物の耐熱性及び耐電圧性を更に一層高くする観点からは、エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)は、ポリエチレングリコール構造、ポリプロピレングリコール構造又はポリテトラメチレングリコール構造を有することが好ましい。
硬化物の弾性率を更に一層低くし、かつ硬化物の耐熱性及び耐電圧性を更に一層高くする観点からは、エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)は、下記式(1A−1)で表される構造、下記式(1A−2)で表される構造又は下記式(1A−3)で表される構造を有することが好ましい。
Figure 0006134089
上記式(1A−1)中、nは2〜20の整数を表す。
Figure 0006134089
上記式(1A−2)中、nは2〜20の整数を表す。
Figure 0006134089
上記式(1A−3)中、nは2〜20の整数を表す。
硬化物の耐熱性をより一層良好にする観点からは、エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)は、エポキシ基を2つ以上有するエポキシ化合物又はオキセタニル基を2つ以上有するオキセタン化合物を含むことが好ましい。
硬化物の弾性率をより一層低くする観点からは、エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)は、可撓性エポキシ樹脂であることが好ましい。硬化物の弾性率をより一層低くする観点からは、上記可撓性エポキシ樹脂は、ポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂であることが好ましい。ポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂は、ポリアルキレングリコール構造を有する。このような可撓性エポキシ樹脂の具体例としては、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル及びポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
硬化物の弾性率をかなり低くする観点からは、上記可撓性エポキシ樹脂は、ポリテトラメチレングリコール変性エポキシ樹脂であることが特に好ましい。ポリテトラメチレングリコール変性エポキシ樹脂は、ポリテトラメチレングリコール構造を有する。上記ポリテトラメチレングリコール変性エポキシ樹脂は、ポリオキシテトラメチレングリコール構造を有することが好ましい。
硬化物の耐熱性をより一層良好にする観点からは、全ての硬化性化合物(A)100重量%中、エポキシ基又はオキセタニル基を2つ以上有する硬化性化合物の含有量は、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、100重量%以下である。全ての硬化性化合物(A)100重量%中、エポキシ基又はオキセタニル基を2つ以上有する硬化性化合物の含有量は10重量%以上、100重量%以下であってもよい。また、全ての硬化性化合物(A)が、エポキシ基又はオキセタニル基を2つ以上有する硬化性化合物であってもよい。
エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)の分子量は、10000未満であることが好ましい。硬化性化合物(A)の分子量は、好ましくは200以上、より好ましくは1200以下、更に好ましくは1000以下、特に好ましくは600以下である。硬化性化合物(A)の分子量が上記下限以上であると、硬化性化合物(A)の揮発性が低くなり、絶縁材料の取扱い性がより一層高くなる。硬化性化合物(A)の分子量が上記上限以下であると、硬化物の接着性がより一層高くなる。さらに、絶縁材料が固くかつ脆くなり難く、硬化物の接着性がより一層高くなる。
なお、本明細書において、硬化性化合物(A)における分子量とは、重合体ではない場合、及び構造式が特定できる場合は、当該構造式から算出できる分子量を意味し、重合体である場合は、重量平均分子量を意味する。
硬化物の弾性率を更に一層低くし、かつ硬化物の耐熱性及び耐電圧性を更に一層高くする観点からは、エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)のエポキシ当量又はオキセタン当量は、250以上、1000以下であることが好ましい。エポキシ当量又はオキセタニル当量は、より好ましくは700以下である。
エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)は、塩素原子を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。硬化性化合物(A)中の塩素原子の含有量は少ないほどよく、塩素原子が含まれないことが特に好ましい。塩素原子の含有量が少ないと、硬化物の耐熱性がより一層高くなり、かつ硬化物に接した金属の腐食が生じ難くなる。エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)100重量%中、塩素原子の含有量は、0重量%以上、3重量%以下であることが好ましい。硬化性化合物(A)100重量%中、塩素原子の含有量は、より好ましくは2重量%以下、更に好ましくは1重量%以下である。
絶縁材料及び絶縁シートに含まれている全樹脂成分(以下、全樹脂成分Xと略記することがある)の合計100重量%中、エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)の含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上、好ましくは90重量%以下、より好ましくは85重量%以下、更に好ましくは70重量%以下、特に好ましくは60重量%以下、最も好ましくは50重量%以下である。
絶縁材料が、エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)に相当しないポリマー(B)を含む場合に、全樹脂成分Xの合計100重量%中、ポリマー(B)に相当しないエポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A1)の含有量は、60重量%以下であることが特に好ましく、50重量%以下であることが最も好ましい。硬化性化合物(A1)の含有量が上記下限以上であると、硬化物の接着性及び耐熱性がより一層高くなる。硬化性化合物(A1)の含有量が上記上限以下であると、絶縁シートのハンドリング性がより一層高くなる。なお、全樹脂成分Xとは、硬化性化合物(A)、1級アミン硬化剤(C)及び必要に応じて添加される他の樹脂成分の総和をいう。全樹脂成分Xには、無機フィラー(E)は含まれない。
(ポリマー(B))
本発明に係る絶縁材料は、重量平均分子量が10000以上であるポリマー(B)を含むことが好ましい。ポリマー(B)は重量平均分子量が10000以上であれば特に限定されない。ポリマー(B)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
ポリマー(B)は、上述したエポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)であってもよい。ポリマー(B)として、硬化性化合物(A)として挙げた化合物の中で、重量平均分子量が10000以上であるポリマーを使用可能である。ポリマー(B)は、硬化性化合物であることが好ましく、エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)であることが好ましい。本発明に係る絶縁材料は、エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)として、ポリマー(B)を含むことが好ましい。
硬化物の耐熱性をより一層高める観点からは、ポリマー(B)は、芳香族骨格を有することが好ましい。ポリマー(B)が芳香族骨格を有する場合には、ポリマー(B)は、芳香族骨格をポリマー全体のいずれかの部分に有していればよく、主鎖骨格内に有していてもよく、側鎖中に有していてもよい。ポリマー(B)は、芳香族骨格を主鎖骨格内に有することが好ましい。この場合には、絶縁材料の硬化物の耐熱性がさらに一層高くなる。
上記芳香族骨格は特に限定されない。上記芳香族骨格の具体例としては、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、ビフェニル骨格、アントラセン骨格、ピレン骨格、キサンテン骨格、アダマンタン骨格及びビスフェノールA型骨格等が挙げられる。なかでも、ビフェニル骨格又はフルオレン骨格が好ましい。この場合には、絶縁材料の硬化物の耐熱性がより一層高くなる。
ポリマー(B)として、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂などの硬化性樹脂等を用いることができる。耐熱性を高める観点からは、ポリマー(B)は硬化性樹脂であることが好ましい。
上記熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂は、特に限定されない。上記熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン又はポリエーテルケトン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。また、上記熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂として、熱可塑性ポリイミド、熱硬化性ポリイミド、ベンゾオキサジン、及びポリベンゾオキサゾールとベンゾオキサジンとの反応物などのスーパーエンプラと呼ばれている耐熱性樹脂群等を使用できる。上記熱可塑性樹脂及び上記熱硬化性樹脂はそれぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の内のいずれか一方が用いられてもよく、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とが併用されてもよい。
ポリマー(B)は、エポキシ樹脂、スチレン系重合体、(メタ)アクリル系重合体又はフェノキシ樹脂であることが好ましく、エポキシ樹脂又はフェノキシ樹脂であることがより好ましく、フェノキシ樹脂であることが更に好ましい。この好ましいポリマーの使用により、絶縁材料の硬化物が酸化劣化し難くなり、柔軟でありつつ、かつ耐熱性がより一層高くなる。特に、エポキシ樹脂又はフェノキシ樹脂の使用により、硬化物の耐熱性がより一層高くなり、フェノキシ樹脂の使用により、硬化物の耐熱性が更に一層高くなる。
上記エポキシ樹脂は、フェノキシ樹脂以外のエポキシ樹脂であることが好ましい。該エポキシ樹脂としては、スチレン骨格含有エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、アダマンタン骨格を有するエポキシ樹脂、トリシクロデカン骨格を有するエポキシ樹脂、及びトリアジン核を骨格に有するエポキシ樹脂等が挙げられる。
上記スチレン系重合体として、具体的には、スチレン系モノマーの単独重合体、又はスチレン系モノマーとアクリル系モノマーとの共重合体等を用いることができる。中でも、スチレン−メタクリル酸グリシジルの構造を有するスチレン系重合体が好ましい。
上記スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン及び3,4−ジクロロスチレン等が挙げられる。
上記アクリル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸グリシジル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル及びメタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
上記フェノキシ樹脂は、具体的には、例えばエピハロヒドリンと2価フェノール化合物とを反応させて得られる樹脂、又は2価のエポキシ化合物と2価のフェノール化合物とを反応させて得られる樹脂である。
上記フェノキシ樹脂は、ビスフェノールA型骨格、ビスフェノールF型骨格、ビスフェノールA/F混合型骨格、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、ビフェニル骨格、アントラセン骨格、ピレン骨格、キサンテン骨格、アダマンタン骨格及びジシクロペンタジエン骨格からなる群から選択された少なくとも1つの骨格を有することが好ましい。中でも、上記フェノキシ樹脂は、ビスフェノールA型骨格、ビスフェノールF型骨格、ビスフェノールA/F混合型骨格、ナフタレン骨格、フルオレン骨格及びビフェニル骨格からなる群から選択された少なくとも1種の骨格を有することがより好ましく、フルオレン骨格及びビフェニル骨格の内の少なくとも1種の骨格を有することが更に好ましい。これらの好ましい骨格を有するフェノキシ樹脂の使用により、絶縁材料の硬化物の耐熱性がさらに一層高くなる。
耐熱性を高める観点からは、上記フェノキシ樹脂は、主鎖中に多環式芳香族骨格を有することが好ましい。また、上記フェノキシ樹脂は、下記式(11)〜(16)で表される骨格の内の少なくとも1つの骨格を主鎖中に有することがより好ましい。
Figure 0006134089
上記式(11)中、Rは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子であり、Xは単結合、炭素数1〜7の2価の炭化水素基、−O−、−S−、−SO−、又は−CO−である。
Figure 0006134089
上記式(12)中、R1aは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子であり、Rは、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子であり、Rは、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、mは0〜5の整数である。
Figure 0006134089
上記式(13)中、R1bは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子であり、Rは互いに同一であっても異なっていてもよく水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子であり、lは0〜4の整数である。
Figure 0006134089
Figure 0006134089
上記式(15)中、R及びRは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又はハロゲン原子であり、Xは−SO−、−CH−、−C(CH−、又は−O−であり、kは0又は1である。
Figure 0006134089
ポリマー(B)として、例えば、下記式(17)又は下記式(18)で表されるフェノキシ樹脂が好適に用いられる。
Figure 0006134089
上記式(17)中、Aは上記式(11)〜(13)の内のいずれかで表される構造を有し、かつその構成は上記式(11)で表される構造が0〜60モル%、上記式(12)で表される構造が5〜95モル%、及び上記式(13)で表される構造が5〜95モル%であり、Aは水素原子、又は上記式(14)で表される基であり、nは平均値で25〜500の数である。上記式(17)中、上記式(11)で表される構造は含まれていなくてもよい。
Figure 0006134089
上記式(18)中、Aは上記式(15)又は上記式(16)で表される構造を有し、nは少なくとも21以上の値である。
ポリマー(B)のガラス転移温度Tgは、好ましくは60℃以上、より好ましくは90℃以上、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下である。ポリマー(B)のTgが上記下限以上であると、未硬化状態での絶縁シートのハンドリング性が良好になり、また硬化後の樹脂が熱劣化し難い。ポリマー(B)のTgが上記上限以下であると、硬化物の弾性率が低くなりやすく、更にポリマー(B)と他の樹脂との相溶性が高くなる。この結果、硬化物の弾性率が低くなり、また未硬化状態での絶縁シートのハンドリング性がより一層良好になり、かつ絶縁材料の硬化物の耐熱性がより一層高くなる。
ポリマー(B)の重量平均分子量は、10000以上である。ポリマー(B)の重量平均分子量は、好ましくは30000以上、より好ましくは40000以上、好ましくは1000000以下、より好ましくは400000以下である。ポリマー(B)の重量平均分子量が上記下限以上であると、絶縁材料が熱劣化し難い。ポリマー(B)の重量平均分子量が上記上限以下であると、ポリマー(B)と他の樹脂との相溶性が高くなる。この結果、未硬化状態での絶縁シートのハンドリング性がより一層良好になり、並びに絶縁材料の硬化物の耐熱性がより一層高くなる。
ポリマー(B)は、原材料として添加されていてもよく、また本発明の絶縁材料又は絶縁シートの作製時における攪拌、塗工及び乾燥などの各工程中における反応を利用して生成されたポリマーであってもよい。
絶縁材料がポリマーを含む場合には、上記全樹脂成分Xの合計100重量%中、ポリマー(B)の含有量は好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上、好ましくは60重量%以下、より好ましくは50重量%以下である。ポリマー(B)の含有量が上記下限以上であると、未硬化状態での絶縁シートのハンドリング性がより一層良好になる。ポリマー(B)の含有量が上記上限以下であると、無機フィラー(E)の分散が容易になる。上記全樹脂成分(X)には、ポリマー(B)が含まれる。
(硬化剤(C))
本発明に係る絶縁材料に含まれている1級アミン硬化剤(C)は、ポリエーテル骨格を有する。該ポリエーテル骨格を有する1級アミン硬化剤(C)は、エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)を硬化させる。硬化剤(C)がポリエーテル骨格を有することによって、更に1級アミン化合物であることによって、硬化物の弾性率をより一層低くすることができる。1級アミン硬化剤(C)は、熱硬化剤であることが好ましい。硬化剤(C)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
好ましい上記ポリエーテル骨格を有する1級アミン硬化剤(C)の具体例としては、ポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン及びポリオキシテトラメチレンジアミン等が挙げられる。硬化物の弾性率をより一層低くする観点からは、ポリエーテル骨格を有する1級アミン硬化剤(C)は、ポリオキシプロピレンジアミンであることが好ましい。
上記ポリエーテル骨格を有する1級アミン硬化剤(C)の市販品としては、ハンツマン社製の「ジェファーミンD230」、「ジェファーミンD400」、「ジェファーミンT403」及び「ジェファーミンD2000」等が挙げられる。
硬化物の弾性率をより一層低くする観点からは、ポリエーテル骨格を有する1級アミン硬化剤(C)の活性水素当量は、エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)のエポキシ当量又はオキセタニル当量に対して、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、好ましくは2以下、より好ましくは1以下、更に好ましくは0.5以下である。硬化物の弾性率をかなり低くする観点からは、ポリエーテル骨格を有する1級アミン硬化剤(C)の活性水素当量は、エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)のエポキシ当量又はオキセタニル当量に対して、0.1以上、0.5以下であることが特に好ましい。硬化物の弾性率をより一層抑制する観点からは、ポリエーテル骨格を有する1級アミン硬化剤(C)の分子量は、400以上であることが好ましい。1級アミン硬化剤(C)の分子量の上限は特に限定されない。1級アミン硬化剤(C)の分子量は、好ましくは5000以下、より好ましくは3000以下である。
なお、本明細書において、1級アミン硬化剤(C)における分子量とは、重合体ではない場合、及び構造式が特定できる場合は、当該構造式から算出できる分子量を意味し、重合体である場合は、重量平均分子量を意味する。
上記全樹脂成分Xの合計100重量%中、1級アミン硬化剤(C)の含有量は好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。1級アミン硬化剤(C)の含有量が上記下限以上であると、絶縁材料を充分に硬化させることが容易であり、かつ硬化物の弾性率をより一層低くすることができる。1級アミン硬化剤(C)の含有量が上記上限以下であると、硬化に関与しない余剰な1級アミン硬化剤(C)が発生し難くなる。このため、硬化物の耐熱性及び接着性がより一層高くなる。
(硬化補助剤(D))
本発明に係る絶縁材料は、硬化補助剤(D)を含むことが好ましい。本発明に係る絶縁材料では、硬化補助剤(D)は、ジシアンジアミド又は硬化促進剤を含有すること好ましい。このジシアンジアミド又は硬化促進剤を含有する硬化補助剤(D)の使用により、前記1級アミン硬化剤(C)の含有量を上記の好ましい範囲とした場合においても、熱硬化時の絶縁材料の硬化を十分に行うことができる。さらに、絶縁材料のポットライフが長くなり、更に硬化物の耐熱性及び耐湿性がより一層高くなる。
上記硬化促進剤は特に限定されず、従来公知の硬化促進剤を使用可能である。上記硬化促進剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化促進剤の具体例としては、例えば、3級アミン、イミダゾール化合物、イミダゾリン化合物、トリアジン化合物、有機リン化合物、4級ホスホニウム塩化合物、有機酸化合物等のジアザビシクロアルケン化合物、並びに有機金属化合物等が挙げられる。
上記イミダゾール化合物としては、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール及び2−フェニル−4−メチル−5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
上記有機リン化合物としては、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。
上記アミン化合物としては、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエチレンテトラミン、トリエチレンテトラミン及び4,4−ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。
上記有機金属塩としては、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)、トリスアセチルアセトナートコバルト(III)及びアルミニウムアセチルアセトン等が挙げられる。
絶縁材料のポットライフをより一層長くし、更に硬化物の耐熱性及び耐湿性をより一層高くする観点からは、上記硬化促進剤は、イミダゾール化合物であることが特に好ましい。上記硬化補助剤(D)は、ジシアンジアミド又はイミダゾール化合物を含有することが好ましい。
絶縁材料が硬化補助剤(D)を含む場合には、上記全樹脂成分Xの合計100重量%中、1級アミン硬化剤(C)と硬化補助剤(D)との合計の含有量は好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上、好ましくは45重量%以下、より好ましくは40重量%以下、更に好ましくは30重量%以下である。1級アミン硬化剤(C)と硬化補助剤(D)との合計の含有量が上記下限以上であると、絶縁材料を充分に硬化させることがより一層容易である。1級アミン硬化剤(C)と硬化補助剤(D)との合計の含有量が上記上限以下であると、硬化に関与しない余剰な1級アミン硬化剤(C)及び硬化補助剤(D)が発生し難くなる。このため、硬化物の耐熱性及び接着性がより一層高くなる。上記全樹脂成分Xには、硬化補助剤(D)が含まれる。
絶縁材料が硬化補助剤(D)を含む場合には、絶縁材料は、1級アミン硬化剤(C)と硬化補助剤(D)とを重量比で、10:90〜99.9:0.1で含むことが好ましく、20:80〜99.9:0.1で含むことがより好ましく、20:80〜99:1で含むことが更に好ましく、20:80〜90:10で含むことが特に好ましい。
(無機フィラー(E))
本発明に係る絶縁材料は、無機フィラー(E)を含むことが好ましい。無機フィラー(E)は特に限定されない。無機フィラー(E)として、従来公知の無機フィラーを使用可能である。無機フィラー(E)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
無機フィラー(E)の熱伝導率は10W/m・K以上であることが好ましい。この無機フィラーの使用により、硬化物の熱伝導性を高めることができる。この結果、硬化物の放熱性が高くなる。無機フィラー(E)の熱伝導率が10W/m・Kよりも小さいと、硬化物の熱伝導性を充分に高めることが困難になる傾向がある。無機フィラー(E)の熱伝導率は、好ましくは15W/m・K以上、より好ましくは20W/m・K以上である。無機フィラー(E)の熱伝導率の上限は特に限定されない。熱伝導率300W/m・K程度の無機フィラーは広く知られており、また熱伝導率200W/m・K程度の無機フィラーは容易に入手できる。
無機フィラー(E)は、アルミナ、合成マグネサイト、シリカ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、タルク、マイカ及びハイドロタルサイトからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。
無機フィラー(E)は、アルミナ、合成マグネサイト、結晶性シリカ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化亜鉛及び酸化マグネシウムからなる群から選択された少なくとも1種であることがより好ましく、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化亜鉛及び酸化マグネシウムからなる群から選択された少なくとも1種であることが更に好ましい。これらの好ましいフィラーの使用により、硬化物の放熱性をより一層高めることができる。
無機フィラー(E)は、球状アルミナ、破砕アルミナ、破砕結晶性シリカを除く結晶性シリカ、破砕結晶性シリカ、窒化ホウ素及び窒化アルミニウムからなる群から選択された少なくとも1種であることがより好ましく、球状アルミナ、破砕結晶性シリカを除く結晶性シリカ又は球状窒化アルミニウムであることがさらに好ましい。これらの好ましいフィラーの使用により、硬化物の放熱性をより一層高めながら、かつ硬化物の弾性率を低くすることができる。
無機フィラー(E)は球状のフィラー(球状フィラー)であってもよく、破砕されたフィラー(破砕フィラー)であってもよい。無機フィラー(E)は、球状フィラーであることが特に好ましい。球状フィラーの場合には、高密度で充填可能であるため、硬化物の放熱性をより一層高めることができる。また、添加量が同じである場合、球状フィラーを用いた硬化物の方が、破砕フィラーを用いた硬化物と比較して、弾性率を低く抑えることができる。
上記破砕フィラーとしては、破砕アルミナ等が挙げられる。破砕フィラーは、例えば、一軸破砕機、二軸破砕機、ハンマークラッシャー又はボールミル等を用いて、塊状の無機物質を破砕することにより得られる。破砕フィラーの使用により、絶縁材料中のフィラーが、橋掛け又は効率的に近接された構造となりやすい。従って、硬化物の熱伝導性をより一層高めることができる。また、破砕フィラーは、一般的に、通常のフィラーに比べて安価である。このため、破砕フィラーの使用により、絶縁材料のコストを低減できる。
破砕フィラーの平均粒子径は、12μm以下であることが好ましい。平均粒子径が12μm以下であると、絶縁材料中に、破砕フィラーを高密度に容易に分散させることができ、硬化物の絶縁破壊特性が高くなる。破砕フィラーの平均粒子径は、より好ましくは10μm以下、好ましくは1μm以上である。破砕フィラーの平均粒子径が小さすぎると、破砕フィラーを高密度に充填させることが困難となることがある。
破砕フィラーのアスペクト比は、特に限定されない。破砕フィラーのアスペクト比は、1.5以上、20以下であることが好ましい。アスペクト比が1.5未満のフィラーは、比較的高価である。従って、絶縁材料のコストが高くなる。上記アスペクト比が20以下であると、破砕フィラーの充填が容易である。
破砕フィラーのアスペクト比は、例えば、デジタル画像解析方式粒度分布測定装置(商品名:FPA、日本ルフト社製)を用いて、破砕フィラーの破砕面を測定することにより求めることができる。
無機フィラー(E)が球状フィラーである場合には、球状のフィラーの平均粒子径は、0.1μm以上、40μm以下であることが好ましい。平均粒子径が0.1μm以上であると、無機フィラー(E)を高密度で容易に充填できる。平均粒子径が40μm以下であると、硬化物の絶縁破壊特性がより一層高くなる。
上記「平均粒子径」とは、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定した体積平均での粒度分布測定結果から求められる平均粒子径である。
絶縁材料又は絶縁シート100体積%中、無機フィラー(E)の含有量は、20体積%以上、90体積%以下であることが好ましい。無機フィラー(E)の含有量が上記範囲内であると、硬化物の放熱性がより一層高くなり、更に絶縁シートのハンドリング性がより一層良好になる。硬化物の放熱性をより一層高める観点からは、絶縁材料又は絶縁シート100体積%中の無機フィラー(E)の含有量は、より好ましくは30体積%以上、更に好ましくは35体積%以上、より好ましくは85体積%以下、更に好ましくは80体積%以下、特に好ましくは70体積%以下、最も好ましくは60体積%以下である。無機フィラー(E)の含有量が上記下限以上であると、硬化物の放熱性がより一層高くなる。無機フィラー(E)の含有量が上記上限以下であると、液状の絶縁組成物の塗工性が高くなり、更に絶縁シートのハンドリング性がより一層高くなる。
(カップリング剤(F))
本発明に係る絶縁材料は、シラン系、チタン系又はジルコン系のカップリング剤(F)を含むことが好ましく、チタン系又はジルコン系のカップリング剤(F1)を含むことが好ましく、更にチタン系のカップリング剤(F2)を含むことが好ましい。エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)及び1級アミン硬化剤(C)とともに、チタン系又はジルコン系のカップリング剤(F1)を用いることにより、硬化物の耐水性及び耐湿性、並びに絶縁材料の硬化物の接着対象部材に対する接着性がかなり高くなり、特に銅により形成された導電層に対する接着性がかなり高くなる。さらに、チタン系又はジルコン系のカップリング剤(F1)の使用により、硬化物の耐熱性も高くなる。また、チタン系又はジルコン系のカップリング剤(F1)の使用により、無機フィラー(E)の凝集を抑制でき、かつ硬化物の熱伝導性及び絶縁破壊特性をより一層高めることができる。カップリング剤(F),(F1),(F2)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
カップリング剤(F1)は、チタン系のカップリング剤であってもよく、ジルコン系のカップリング剤であってもよい。硬化物の耐熱性及び耐湿性をより一層高める観点からは、カップリング剤(F)は、チタン系のカップリング剤(F2)であることが好ましい。
チタン系のカップリング剤(F2)は、チタン原子を含む。チタン系のカップリング剤としては、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン及びテトラブトキシチタン等が挙げられる。チタン系のカップリング剤の市販品としては、プレンアクトTTS、プレンアクト55、プレンアクト46B、プレンアクト338X、プレンアクト238S、プレンアクト38S、プレンアクト138S、プレンアクト41B、プレンアクト9SA及びプレンアクトKR44(いずれも味の素ファインテクト)等が挙げられる。これら以外のチタン系のカップリング剤を用いてもよい。チタン系のカップリング剤(F2)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
硬化物の耐水性及び耐湿性、並びに絶縁材料の硬化物の接着対象部材に対する接着性をさらに一層高める観点からは、カップリング剤(F)は、リン原子を含むことが好ましく、下記式(20)で表される構造単位を有することがより好ましく、下記式(21)〜(23)の内のいずれかで表されるチタン系のカップリング剤であることが更に好ましい。
Figure 0006134089
Figure 0006134089
上記式(21)中、n及びmはそれぞれ1〜3の整数を示し、nとmとの合計は4である。
Figure 0006134089
Figure 0006134089
ジルコン系のカップリング剤は、ジルコン原子を含む。ジルコン系のカップリング剤の市販品としては、NZ01、NZ09、NZ12、NZ33、NZ37、NZ38、NZ39、NZ44、NZ66A、NZ97、NZ38J、KZTPP及びKZ55(いずれもケンリッチ・ペトロケミカル社製)等が挙げられる。これら以外のジルコン系のカップリング剤を用いてもよい。ジルコン系のカップリング剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
絶縁材料がカップリング剤(F),(F1),(F2)を含む場合には、上記全樹脂成分Xの合計100重量%中、カップリング剤(F),(F1),(F2)の含有量は好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.05重量%以上、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。カップリング剤(F),(F1),(F2)の含有量が上記下限以上であると、硬化物の耐熱性と耐湿性とがより一層高くなる。カップリング剤(F),(F1),(F2)の含有量が上記上限以下であると、絶縁材料の硬化物の耐熱性、及び未硬化状態での絶縁シートのハンドリング性がより一層高くなる。さらに、カップリング剤(F),(F1),(F2)の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、無機フィラー(E)の凝集をより一層抑制でき、かつ硬化物の熱伝導性及び絶縁破壊特性をより一層高めることができる。上記全樹脂成分Xには、カップリング剤(F)が含まれる。
(イオン捕捉剤(G))
上記イオン捕捉剤(G)は特に限定されない。該イオン捕捉剤(G)として、従来公知のイオン捕捉剤が使用可能である。イオン捕捉剤(G)の使用により、硬化物の耐熱性及び耐湿性をより一層高めることができる。
上記イオン捕捉剤(G)の具体例としては、無機陰イオン交換体、無機陽イオン交換体及び無機両イオン交換体等が挙げられる。硬化物の電気信頼性をより一層低くする観点からは、イオン捕捉剤(G)は、無機陽イオン交換体又は無機両イオン交換体であることが好ましい。
上記イオン捕捉剤(G)の市販品としては、東亜合成社製の「IXE−100」、「IXE−300」、「IXE−500」、「IXE−530」、「IXE−550」、「IXE−600」、「IXE−633」、「IXE−700F」及び「IXE−800」等が挙げられる。
絶縁材料がイオン捕捉剤(G)を含む場合には、上記全樹脂成分Xの合計100重量%中、イオン捕捉剤(G)の含有量は好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.05重量%以上、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。イオン捕捉剤(G)の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化物の耐熱性と耐湿性とがより一層高くなる。上記全樹脂成分Xには、イオン捕捉剤(G)が含まれる。
(酸化防止剤(H))
硬化物の耐熱性及び耐湿性をより一層高める観点からは、本発明に係る絶縁材料は、酸化防止剤(E)を含むことがより好ましい。酸化防止剤(H)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
酸化防止剤(H)としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤及びラクトン系酸化防止剤等が挙げられる。硬化物の耐熱性及び耐湿性をより一層高める観点からは、酸化防止剤(H)は、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤又はアミン系酸化防止剤であることが好ましく、フェノール系酸化防止剤であることがより好ましい。
上記フェノール系酸化防止剤の具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、ベンゼンプロパン酸、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ C7−C9側鎖アルキルエステル、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−[4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ]フェノール、及びジエチル{[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル}ホスフォネート等が挙げられる。
上記リン系酸化防止剤としては、シクロヘキシルフォスフィン、及びトリフェニルフォスフィン等が挙げられる。さらに、上記リン系酸化防止剤の具体例としては、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス{2−[(2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサフォスフェフィン−6−イル)オキシ]エチル}アミン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、及びテトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)(1,1−ビフェニル)−4,4’−ジイルビスホスフォナイト等が挙げられる。
上記アミン系酸化防止剤の具体例としては、トリエチルアミン、ジシアンジアミド、メラミン、エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−トリル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−キシリル−S−トリアジン、及び第四級アンモニウム塩誘導体等が挙げられる。
上記ラクトン系酸化防止剤の具体例としては、3−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン−2−オンとo−キシレンの反応生成物等が挙げられる。
上記フェノール系酸化防止剤の市販品としては、IRGANOX 1010、IRGANOX 1035、IRGANOX 1076、IRGANOX 1135、IRGANOX 245、IRGANOX 259、IRGANOX 295(以上、いずれもチバ・ジャパン社製)、アデカスタブ AO−30、アデカスタブ AO−40、アデカスタブ AO−50、アデカスタブ AO−60、アデカスタブ AO−70、アデカスタブ AO−80、アデカスタブ AO−90、アデカスタブ AO−330(以上、いずれもADEKA社製)、Sumilizer GA−80、Sumilizer MDP−S、Sumilizer BBM−S、Sumilizer GM、Sumilizer GS(F)、Sumilizer GP(以上、いずれも住友化学工業社製)、HOSTANOX O10、HOSTANOX O16、HOSTANOX O14、HOSTANOX O3(以上、いずれもクラリアント社製)、アンテージ BHT、アンテージ W−300、アンテージ W−400、アンテージ W500(以上、いずれも川口化学工業社製)、並びにSEENOX 224M、SEENOX 326M(以上、いずれもシプロ化成社製)等が挙げられる。
上記リン系酸化防止剤の市販品としては、アデアスタブ PEP−4C、アデアスタブ PEP−8、アデアスタブ PEP−24G、アデアスタブ PEP−36、アデアスタブ HP−10、アデアスタブ 2112、アデアスタブ 260、アデアスタブ 522A、アデアスタブ 1178、アデアスタブ 1500、アデアスタブ C、アデアスタブ 135A、アデアスタブ 3010、アデアスタブ TPP(以上、いずれもADEKA社製)、サンドスタブ P−EPQ、ホスタノックス PAR24(以上、いずれもクラリアント社製)、並びにJP−312L、JP−318−0、JPM−308、JPM−313、JPP−613M、JPP−31、JPP−2000PT、JPH−3800(以上、いずれも城北化学工業社製)等が挙げられる。
絶縁材料が酸化防止剤(H)を含む場合には、上記全樹脂成分Xの合計100重量%中、酸化防止剤(H)の含有量は、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.05重量%以上、好ましくは5.0重量%以下、より好ましくは3重量%以下である。酸化防止剤(H)の含有量が上記下限以上であると、硬化物の耐熱性及び耐湿性がより一層高くなる。酸化防止剤(H)の含有量が上記上限以下であると、耐熱性及び耐湿性の向上に大きく関与しない余剰な酸化防止剤(H)が発生し難くなる。上記全樹脂成分Xには、酸化防止剤(H)が含まれる。
(樹脂粒子(I))
本発明に係る絶縁材料は、樹脂粒子(I)を含むことが好ましい。無機フィラー(E)とともに樹脂粒子(I)を用いることにより、液状の絶縁組成物の塗工性を高めることができ、更に絶縁シートのハンドリング性を高めることができる。
樹脂粒子(I)としては、アクリルゴム粒子、ブタジエンゴム粒子、アクリロニトリルブタジエンゴム粒子、シリコンゴム粒子、フッ素ゴム粒子及び天然ゴム粒子等が挙げられる。樹脂粒子(I)がゴム粒子であると、絶縁材料の応力緩和性及び柔軟性を低下させることなく、絶縁シートのハンドリング性を高めることができる。
樹脂粒子(I)は、モノマーにより形成された繰返し構造を含む不溶性粒子であることが好ましい。上記モノマーは、アクリル系モノマー又はスチレン系モノマーであることが好ましい。
上記アクリル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸グリシジル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、及びメタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。上記アクリル系モノマーは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記スチレン系モノマーとして、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン及び3,4−ジクロロスチレン等が挙げられる。上記スチレン系モノマーは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
樹脂粒子(I)は、コアシェル構造を有することが好ましい。コアシェル構造を有する樹脂粒子を用いた場合には、硬化物の耐熱性がより一層高くなる。コアシェル構造を有する樹脂粒子、コア層と、該コア層を被覆しているシェル層とを有する。上記コア層及び該コア層を被覆しているシェル層はアクリル系化合物であることが好ましい。
樹脂粒子(I)は、ケイ素原子に酸素原子が直接結合された骨格を有する化合物と、有機物とを含む複合フィラーであることが好ましい。この場合には、硬化物の耐熱性がより一層高くなる。
上記コア層が、ケイ素原子に酸素原子が直接結合された骨格を有する化合物を含むことが好ましい。上記シェル層が、有機物を含むことが好ましい。樹脂粒子(I)は、上記ケイ素原子に酸素原子が直接結合された骨格を有する化合物を含むコア層と、上記有機物を含むシェル層とを有する複合フィラーであることが好ましい。上記ケイ素原子に酸素原子が直接結合された骨格を有する化合物は、シロキサン系ポリマーであることが好ましい。上記有機物は、アクリル系化合物であることが好ましい。
樹脂粒子(I)の平均粒子径は、好ましくは0.05μm以上、好ましくは20μm以下である。樹脂粒子(I)の平均粒子径が上記下限以上であると、樹脂粒子(I)を高密度で充填することが容易になる。樹脂粒子(I)の平均粒子径が上記上限以下であると、硬化物の耐熱性がより一層高くなる。
上記「平均粒子径」とは、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定した体積平均での粒度分布測定結果から求められる平均粒子径である。
絶縁材料が樹脂粒子(I)を含む場合には、上記全樹脂成分X100重量%中に、樹脂粒子(I)の含有量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.3重量%以上、好ましくは40重量%以下、より好ましくは20重量%以下である。樹脂粒子(I)の含有量が上記下限以上であると、絶縁組成物の塗工性が高くなり、絶縁シートのハンドリング性が高くなり、更に積層プレス時の絶縁材料の流動を充分に抑制できる。樹脂粒子(I)の含有量が上記上限以下であると、硬化物の耐熱性がより一層高くなる。上記全樹脂成分Xには、樹脂粒子(I)が含まれる。
(他の成分)
本発明に係る絶縁材料は、分散剤を含んでいてもよい。該分散剤の使用により、硬化物の熱伝導率及び絶縁破壊特性をより一層高めることができる。
上記分散剤は、水素結合性を有する水素原子を含む官能基を有することが好ましい。上記分散剤が水素結合性を有する水素原子を含む官能基を有することで、硬化物の熱伝導率及び絶縁破壊特性をより一層高めることができる。上記水素結合性を有する水素原子を含む官能基としては、例えば、カルボキシル基(pKa=4)、リン酸基(pKa=7)、及びフェノール基(pKa=10)等が挙げられる。
上記水素結合性を有する水素原子を含む官能基のpKaは、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、好ましくは10以下、より好ましくは9以下である。上記官能基のpKaが上記下限以上であると、上記分散剤の酸性度が高くなりすぎない。従って、絶縁材料の貯蔵安定性がより一層高くなる。上記官能基のpKaが上記上限以下であると、上記分散剤としての機能が充分に果たされ、硬化物の熱伝導性及び絶縁破壊特性がより一層高くなる。
上記水素結合性を有する水素原子を含む官能基は、カルボキシル基又はリン酸基であることが好ましい。この場合には、硬化物の熱伝導性及び絶縁破壊特性がさらに一層高くなる。
上記分散剤としては、具体的には、例えば、ポリエステル系カルボン酸、ポリエーテル系カルボン酸、ポリアクリル系カルボン酸、脂肪族系カルボン酸、ポリシロキサン系カルボン酸、ポリエステル系リン酸、ポリエーテル系リン酸、ポリアクリル系リン酸、脂肪族系リン酸、ポリシロキサン系リン酸、ポリエステル系フェノール、ポリエーテル系フェノール、ポリアクリル系フェノール、脂肪族系フェノール、及びポリシロキサン系フェノール等が挙げられる。上記分散剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
絶縁材料が上記分散剤を含む場合には、上記全樹脂成分Xの合計100重量%中、上記分散剤の含有量は、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。上記分散剤の含有量が上記下限以上及び上限以下であると、無機フィラー(E)の凝集を抑制でき、かつ硬化物の放熱性及び絶縁破壊特性をより一層高めることができる。上記全樹脂成分Xには、分散剤が含まれる。
ハンドリング性をより一層高めるために、上記絶縁シートは、ガラスクロス、ガラス不織布、アラミド不織布等の基材物質を含んでいてもよい。ただし、上記基材物質を含まなくても、上記組成を有するシート状の絶縁材料(絶縁シート)は室温(23℃)において自立性を有し、かつ優れたハンドリング性を有する。よって、絶縁シートは基材物質を含まないことが好ましく、特にガラスクロスを含まないことが好ましい。絶縁シートが上記基材物質を含まない場合には、絶縁シートの厚みを薄くすることができ、かつ硬化物の熱伝導性をより一層高めることができる。さらに、絶縁シートが上記基材物質を含まない場合には、必要に応じて絶縁シートにレーザー加工又はドリル穴開け加工等の各種加工を容易に行うこともできる。なお、自立性とは、PETフィルム又は銅箔といった支持体が存在しなくても、シートの形状を保持し、シートとして取り扱うことができることをいう。
本発明に係る絶縁材料は、必要に応じて、粘着性付与剤、可塑剤、シランカップリング剤、チキソ性付与剤、難燃剤、光増感剤及び着色剤などを含んでいてもよい。
(絶縁材料)
本発明に係る絶縁材料は、熱伝導率が10W/m・K以上である熱伝導体を導電層に接着するために用いられる。
上記絶縁シートの製造方法は特に限定されない。絶縁シートは、例えば、上述した材料を混合した混合物を溶剤キャスト法又は押し出し成膜法等の方法でシート状に成形することにより得ることができる。シート状に成形する際に、脱泡することが好ましい。
絶縁シートの厚みは特に限定されない。絶縁シートの厚みは、好ましくは10μm以上、より好ましくは50μm以上、更に好ましくは70μm以上、好ましくは300μm以下、より好ましくは200μm以下、更に好ましくは120μm以下である。厚みが上記下限以上であると、絶縁シートの硬化物の絶縁性が高くなる。厚みが上記上限以下であると、金属体を導電層に接着したときに放熱性が高くなる。
未硬化状態での絶縁材料のガラス転移温度Tgは、25℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が25℃以下であると、絶縁材料が室温において固く、かつ脆くなり難い。このため、未硬化状態での絶縁シートのハンドリング性が高くなる。
絶縁材料が硬化されたときに、絶縁材料の硬化物の25℃での引張弾性率は、好ましくは10000MPa以下、より好ましくは5000MPa以下、更に好ましくは3000MPa以下である。絶縁材料の硬化物の25℃での引張弾性率が上記上限以下であると、硬化物が固くかつ脆くなりすぎず、硬化物にクラック等が生じ難くなる。
上記引張弾性率は、例えば、DMA装置(DVA−200、アイティー計測制御社製)にて引張モードで測定できる。また、絶縁材料の硬化物の引張弾性率を測定する際に、絶縁材料の硬化物は、120℃で1時間、次に200℃で1時間の2段階の温度により硬化させることにより得られる。
絶縁材料の硬化物の熱伝導率は、好ましくは0.7W/m・K以上、より好ましくは1.0W/m・K以上、更に好ましくは1.5W/m・K以上である。熱伝導率が高いほど、絶縁材料の硬化物の放熱性が十分に高くなる。
絶縁材料の硬化物の絶縁破壊電圧は、好ましくは30kV/mm以上、より好ましくは40kV/mm以上、更に好ましくは50kV/mm以上、特に好ましくは80kV/mm以上、最も好ましくは100kV/mm以上である。絶縁破壊電圧が高いほど、絶縁材料が例えば電力素子用のような大電流用途に用いられた場合に、絶縁性を十分に確保できる。
(積層構造体)
本発明に係る絶縁材料は、熱伝導率が10W/m・K以上である熱伝導体の少なくとも片面に、絶縁層を介して導電層が積層されている積層構造体の絶縁層を構成するために好適に用いられる。
図1に、本発明の一実施形態に係る絶縁材料を用いた積層構造体の一例を示す。
図1に示す積層構造体1は、熱伝導体2と、熱伝導体2の第1の表面2aに積層された絶縁層3と、絶縁層3の熱伝導体2が積層された表面とは反対側の表面に積層された導電層4とを備える。熱伝導体2の第1の表面2aとは反対の第2の表面2bには、絶縁層及び導電層は積層されていない。絶縁層3は、本発明に係る絶縁材料を硬化させることにより形成されている。熱伝導体2の熱伝導率は10W/m・K以上である。
熱伝導体の少なくとも一方の面に、絶縁層と導電層とがこの順に積層されていればよく、熱伝導体の他方の面にも、絶縁層と導電層とがこの順に積層されていてもよい。
積層構造体1では、絶縁層3が高い熱伝導率を有するので、導電層4側からの熱が絶縁層3を介して熱伝導体2に伝わりやすい。積層構造体1では、熱伝導体2によって熱を効率的に放散させることができる。
例えば、両面に銅回路が設けられた積層板又は多層配線板、銅箔、銅板、半導体素子又は半導体パッケージ等の各導電層に、絶縁材料を介して金属体を接着した後、絶縁材料を硬化させることにより、積層構造体1を得ることができる。
上記熱伝導率が10W/m・K以上である熱伝導体は特に限定されない。上記熱伝導率が10W/m・K以上である熱伝導体としては、例えば、アルミニウム、銅、アルミナ、ベリリア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム及びグラファイトシート等が挙げられる。中でも、上記熱伝導率が10W/m・K以上である熱伝導体は、銅又はアルミニウムであることが好ましい。銅又はアルミニウムは、放熱性に優れている。
本発明に係る絶縁材料は、基板上に半導体素子が実装されている半導体装置の導電層に、熱伝導率が10W/m・K以上である熱伝導体を接着するために好適に用いられる。
本発明に係る絶縁材料は、半導体素子以外の電子部品素子が基板上に搭載されている電子部品装置の導電層に、熱伝導率が10W/m・K以上である熱伝導体を接着するためにも好適に用いられる。
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
以下の材料を用意した。
[エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)](重量平均分子量が1万以上であるポリマー(B)に相当する硬化性化合物を含む)
(1)ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(三菱化学社製、商品名:E1256、重量平均分子量51000、Tg=98℃、エポキシ当量8000)
(2)高耐熱フェノキシ樹脂(三菱化学社製、商品名:YX6954BH30、重量平均分子量39000、Tg=130℃、エポキシ当量12000)
(3)エポキシ基含有スチレン樹脂(日油社製、商品名:マープルーフG−1010S、重量平均分子量100000、Tg=93℃、エポキシ当量1000)
(4)エポキシ基含有アクリル樹脂(日油社製、商品名:マープルーフG−0130S、重量平均分子量9000、Tg=69℃、エポキシ当量300)
(5)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、商品名:828US、重量平均分子量370、エポキシ当量185)
(6)ベンゼン骨格オキセタン樹脂(宇部興産社製、商品名:エタナコールOXTP、重量平均分子量362.4、オキセタン当量181.2)
(7)可撓性エポキシ樹脂1(ナガセケムテックス社製、商品名:EX830、エポキシ基を2個有するエポキシ樹脂、重量平均分子量536、エポキシ当量268、ポリエチレングリコール構造を有する(上記式(1A−1)で表され、上記式(1A−1)中、nが9程度である構造))
(8)可撓性エポキシ樹脂2(東都化成社製、商品名:PG207、エポキシ基を2個有するエポキシ樹脂、重量平均分子量640、エポキシ当量320、ポリプロピレングリコール構造を有する(上記式(1A−2)で表され、上記式(1A−2)中、nが8程度である構造)、塩素原子の含有量0.2重量%)
(9)可撓性エポキシ樹脂3(四日市合成社製、商品名:エポゴーセーPT、エポキシ基を2個有するエポキシ樹脂、重量平均分子量870、エポキシ当量435、ポリテトラメチレングリコール構造を有する(上記式(1A−3)で表され、上記式(1A−3)中、nが10程度である構造)、塩素原子の含有量1.8重量%)
[ポリエーテル骨格を有する1級アミン硬化剤(C)]
(1)ポリエーテル骨格1級アミン硬化剤1(ハンツマン社製、商品名:ジェファーミン D230、重量平均分子量230、活性水素当量58)
(2)ポリエーテル骨格1級アミン硬化剤2(ハンツマン社製、商品名:ジェファーミン D400、重量平均分子量400、活性水素当量100)
(3)ポリエーテル骨格1級アミン硬化剤3(ハンツマン社製、商品名:ジェファーミン D2000、重量平均分子量2000、活性水素当量500)
[硬化剤(C)以外の硬化剤補助剤(D)]
(1)ジシアンジアミド
(2)イソシアヌル変性固体分散型イミダゾール(イミダゾール系硬化促進剤、四国化成社製、商品名:2MZA−PW)
[無機フィラー(E)]
(1)5μm破砕アルミナ(破砕フィラー、日本軽金属社製、商品名:LT300C、平均粒子径5μm、最大粒子径15μm、熱伝導率36W/m・K、新モース硬度12)
(2)2μm破砕アルミナ(破砕フィラー、日本軽金属社製、商品名:LS−242C、平均粒子径2μm、最大粒子径20μm、熱伝導率36W/m・K、新モース硬度12)
(3)6μm破砕窒化アルミニウム(破砕フィラー、東洋アルミニウム社製、商品名:FLC、平均粒子径6μm、最大粒子径20μm、熱伝導率200W/m・K、新モース硬度11)
(4)球状アルミナ(デンカ社製、商品名:DAM−10、平均粒子径10μm、最大粒子径30μm、熱伝導率36W/m・K、新モース硬度12)
(5)合成マグネサイト(神島化学社製、商品名:MSL、平均粒子径6μm、最大粒子径20μm、熱伝導率15W/m・K、新モース硬度3.5)
(6)窒化アルミニウム(東洋アルミ社製、商品名:TOYALNITE―FLX、平均粒子径14μm、最大粒子径30μm、熱伝導率200W/m・K、新モース硬度11)
(7)結晶性シリカ(龍森社製、商品名:クリスタライトCMC−12、平均粒子径5μm、最大粒子径20μm、熱伝導率10W/m・K、新モース硬度9)
(8)炭化ケイ素(信濃電気製錬社製、商品名:シナノランダムGP#700、平均粒子径17μm、最大粒子径70μm、熱伝導率125W/m・K、新モース硬度13)
(9)酸化亜鉛(堺化学工業社製、商品名:LPZINC−5、平均粒子径5μm、最大粒子径20μm、熱伝導率54W/m・K、新モース硬度5)
(10)酸化マグネシウム(堺化学工業社製、商品名:SMO Large Particle、平均粒子径1.1μm、最大粒子径7μm、熱伝導率35W/m・K、新モース硬度6)
[樹脂粒子(I)]
(1)コアシェル型ゴム微粒子(三菱レーヨン社製、商品名:KW4426、メチルメタクリレートからなるシェルと、ブチルアクリレートからなるコアとを有するゴム微粒子、平均粒径5μm)
(2)シリコンゴム微粒子(東レ・ダウコーニング社製、商品名:トレフィルE601、平均粒径2μm)
[酸化防止剤(H)]
(1)フェノール系酸化防止剤(チバ社製、商品名:IRGANOX1010)
[添加剤]
(1)イオン捕捉剤(東亜合成社製、商品名:IXE600)
(2)エポキシシランカップリング剤(信越化学工業社製、商品名:KBE403)
(3)チタン系のカップリング剤(味の素ファインテクノ社製、商品名:プレンアクト138S)
[溶剤]
(1)メチルエチルケトン
参考例1〜7、実施例〜30及び比較例1〜2)
ホモディスパー型攪拌機を用いて、下記の表1〜2に示す割合(配合単位は重量部)で各原料を配合し、混練し、絶縁材料を調製した。
厚み50μmの離型PETシートに、上記絶縁材料を100μmの厚みになるように塗工し、90℃のオーブン内で30分乾燥して、PETシート上に絶縁シートを作製した。
(評価)
(1)ハンドリング性
PETシートと、該PETシート上に形成された絶縁シートとを有する積層シートを460mm×610mmの大きさに切り出して、テストサンプルを得た。得られたテストサンプルを用いて、室温(23℃)でPETシートから熱硬化前の絶縁シートを剥離したときのハンドリング性を下記の基準で評価した。
[ハンドリング性の判定基準]
〇:絶縁シートの変形がなく、容易に剥離可能
△:絶縁シートを剥離できるものの、シート伸び又は破断が発生する
×:絶縁シートを剥離できない
(2)ガラス転移温度
示差走査熱量測定装置「DSC220C」(セイコーインスツルメンツ社製)を用いて、3℃/分の昇温速度で未硬化状態での絶縁シートのガラス転移温度を測定した。
(3)熱伝導率
京都電子工業社製熱伝導率計「迅速熱伝導率計QTM−500」を用いて、絶縁シートの熱伝導率を測定した。
(4)半田耐熱試験
厚み1.5mmのアルミニウム板と厚み35μmの電解銅箔との間に絶縁シートを挟み、真空プレス機で4MPaの圧力を保持しながら120℃で1時間、更に200℃で1時間、絶縁シートをプレス硬化し、銅張り積層板を形成した。得られた銅張り積層板を50mm×60mmの大きさに切り出し、テストサンプルを得た。得られたテストサンプルを288℃の半田浴に銅箔側を下に向けて浮かべ、銅箔の膨れ又は剥がれが発生するまでの時間を測定し、以下の基準で判定した。
[半田耐熱試験の判定基準]
○○:10分経過しても膨れ及び剥離の発生なし
○:3分経過後、かつ10分経過する前に膨れ又は剥離が発生
△:1分経過後、かつ3分経過する前に膨れ又は剥離が発生
×:1分経過する前に膨れ又は剥離が発生
(5)絶縁破壊電圧
絶縁シートを100mm×100mmの大きさに切り出して、テストサンプルを得た。得られたテストサンプルを120℃のオーブン内で1時間、更に200℃のオーブン内で1時間硬化させ、絶縁シートの硬化物を得た。耐電圧試験器(MODEL7473、EXTECH Electronics社製)を用いて、絶縁シートの硬化物間に1kV/秒の速度で電圧が上昇するように、交流電圧を印加した。絶縁シートの硬化物が破壊した電圧を、絶縁破壊電圧とした。
(6)耐湿熱試験
上記(5)絶縁破壊電圧の評価で得られたテストサンプルを135℃及び85%RHの条件で1週間放置した後、絶縁破壊電圧を再度測定した。135℃及び85%RHの条件で1週間放置する前の絶縁破壊電圧の初期値と、135℃及び85%RHの条件で1週間放置した後の絶縁破壊電圧の値(放置後の値)とから、耐湿熱性を下記基準で判断した。
[耐湿熱性の判定基準]
○○:放置後の値が、初期値の90%以上
○:放置後の値が、初期値の70%以上、90%未満
△:放置後の値が、初期値の50%以上、70%未満
×:放置後の値が、初期値の50%未満
(7)引張弾性率
絶縁シートを5mm×50mmの大きさに切り出した後、120℃で1時間、200℃で1時間オーブン内で硬化させ、テストサンプルを作製した。このテストサンプルを用いて、DMA装置(DVA−200、アイティー計測制御社製)にて引張モード、チャック間距離24mm、昇温速度5℃毎分、測定周波数10Hz及び1%歪みの各条件で−60〜320℃まで昇温した時の温度−貯蔵弾性率(E’)を読み取った。得られた測定値から、絶縁シートの硬化物の25℃での引張弾性率を評価した。
(8)熱サイクル試験
厚み1.5mmのアルミニウム板と厚み35μmの電解銅箔との間に絶縁シートを挟み、真空プレス機で4MPaの圧力を保持しながら120℃で1時間、更に200℃で1時間、絶縁シートをプレス硬化し、銅張り積層板を形成した。得られた銅張り積層板を50mmx50mmサイズに切り出し、更に銅箔をエッチングしてチップサイズ2.0mmx1.25mmのチップ抵抗が設置できるようなパッド部を1つの基板上に5個有する所定の回路を形成した。パッド上に2.0mmx1.25mmのチップ抵抗を半田付けし、液層冷熱サイクル試験機(エスペック製:モデルTSB−51)を用いて、−40℃で5分〜+125℃で5分間放置する熱サイクル試験を1000回行った。顕微鏡での半田部分のクラックの有無を下記基準で観察した。
[熱サイクル試験の判定基準]
○○:半田クラックが5%未満
○:半田クラックが10%未満
△:半田クラックが10%以上30%未満
×:半田クラックが30%以上
結果を下記の表1〜2に示す。下記表1〜2において、*1は、全樹脂成分Xの合計100重量%中の含有量(重量%)を示し、*2は、絶縁シート100体積%中の含有量(体積%)を示す。なお、エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)の含有量には、エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物(A)に相当するポリマー(B)の含有量も含まれる。
Figure 0006134089
Figure 0006134089
1…積層構造体
2…熱伝導体
2a…第1の表面
2b…第2の表面
3…絶縁層
4…導電層

Claims (12)

  1. 熱伝導率が10W/m・K以上である熱伝導体を導電層に接着するために用いられる絶縁材料であって、
    エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物と、ポリエーテル骨格を有する1級アミン硬化剤と、硬化補助剤と、無機フィラーとを含み、
    前記硬化補助剤が、ジシアンジアミド又はイミダゾール化合物を含有する、絶縁材料。
  2. 前記ポリエーテル骨格を有する1級アミン硬化剤の活性水素当量が、前記エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物のエポキシ当量又はオキセタニル当量に対して0.05以上、0.5以下である、請求項1に記載の絶縁材料。
  3. 前記ポリエーテル骨格を有する1級アミン硬化剤の分子量が400以上である、請求項1又は2に記載の絶縁材料。
  4. 前記エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物が、可撓性エポキシ樹脂である、請求項1〜のいずれか1項に記載の絶縁材料。
  5. 前記可撓性エポキシ樹脂が、ポリアルキレングリコール変性エポキシ樹脂である、請求項に記載の絶縁材料。
  6. 前記可撓エポキシ樹脂が、ポリテトラメチレングリコール変性エポキシ樹脂である、請求項に記載の絶縁材料。
  7. チタン系のカップリング剤をさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の絶縁材料。
  8. イオン補捉剤をさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の絶縁材料。
  9. 樹脂粒子をさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の絶縁材料。
  10. 前記エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物として、重量平均分子量が10000以上であるポリマーを含むか、又は、前記エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物とは異なる化合物として、重量平均分子量が10000以上であるポリマーを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の絶縁材料。
  11. シート状の絶縁材料である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の絶縁材料。
  12. 熱伝導率が10W/m・K以上である熱伝導体と、
    前記熱伝導体の少なくとも一方の表面に積層された絶縁層と、
    前記絶縁層の前記熱伝導体が積層された表面とは反対側の表面に積層された導電層とを備え、
    前記絶縁層が、請求項1〜11のいずれか1項に記載の絶縁材料を硬化させることにより形成されている、積層構造体。
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