JP2011070930A - 多層絶縁シート及び積層構造体 - Google Patents

多層絶縁シート及び積層構造体 Download PDF

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Hiroshi Maenaka
寛 前中
Yasunari Kusaka
康成 日下
Takuji Aoyama
卓司 青山
Ryosuke Takahashi
良輔 高橋
Takashi Watanabe
貴志 渡邉
Isao Higuchi
勲夫 樋口
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Abstract

【課題】熱伝導率が高い硬化物を得ることができ、かつ該硬化物の表面に、耐水性、耐酸性及び耐アルカリ性が高い層を形成できる多層絶縁シートを提供する。
【解決手段】多層絶縁シート1は、熱硬化により接着対象部材を接着可能な多層絶縁シートである。多層絶縁シート1は、第1のフィラーを含む第1の層2と、第1の層2の一方の面2aに積層されており、表面層であり、かつ第2のフィラーを含む第2の層3とを少なくとも有する。第1の層2に含まれている上記第1のフィラーは、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム及び炭酸マグネシウムからなる群から選択された少なくとも1種である。第2の層3に含まれている上記第2のフィラーは、アルミナ、シリカ、ジルコニア及び窒化ホウ素からなる群から選択された少なくとも1種である。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱硬化により接着対象部材を接着可能な多層絶縁シートに関し、より詳細には、熱伝導率が高い硬化物を得ることができ、かつ硬化物の表面に、耐水性、耐酸性及び耐アルカリ性が高い層を形成できる多層絶縁シート、及び該多層絶縁シートを用いた積層構造体に関する。
近年、電気機器の小型化及び高性能化が進行している。これに伴って、電子部品の実装密度が高くなってきており、電子部品から発生する熱を放散させる必要が高まっている。熱を放散させるために、電子部品が実装される基板の放熱性を高めるという方法が取られている。基板の放熱性を高める方法としては、高い放熱性を有するアルミニウム等の熱伝導体を基板のベース又はコア材料として、絶縁接着材料を用いて、発熱源に接着する方法、電子部品を実装する基板の絶縁層として、高い熱伝導率を有する絶縁接着材料を用いる方法などが広く採用されている。いずれの場合においても上記絶縁接着材料には、熱伝導率が高いことが強く求められている。
上記絶縁接着材料の一例として、下記の特許文献1には、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂用硬化剤、無機充填剤としての窒化アルミニウム、及びリン酸エステル分散剤を含有する回路基板用絶縁樹脂組成物が開示されている。また、下記の特許文献2には、表面にケイ素とマグネシウムとの複酸化物層又はアルミニウムとマグネシウムとの複酸化物層を含む被覆層を有する被覆酸化マグネシウム粉末、及び樹脂を含有する樹脂組成物が開示されている。
特開2004−75817号公報 特開2004−27177号公報
特許文献1に記載の絶縁樹脂組成物で用いられている窒化アルミニウムの熱伝導率は非常に高い。しかし、窒化アルミニウムは耐水性に課題がある。このため、特許文献1に記載の絶縁樹脂組成物を高い耐湿信頼性が求められる用途に用いることは難しい。
酸化マグネシウムは比較的安価であり、かつ酸化マグネシウムの熱伝導率は高い。しかし、酸化マグネシウムも耐水性に課題がある。酸化マグネシウムの耐水性を高めるためには、特許文献2に記載のように、特殊な表面処理が必要である。更に、特許文献2に記載のような表面処理された酸化マグネシウムでも、高い耐湿信頼性が求められる用途に用いることは難しい。このように従来は熱伝導率及びコスト面に優れた無機充填剤であっても、耐水性、耐酸性又は耐アルカリ性が低く、例えば、該無機充填剤を含む絶縁接着材料の使用が制限されることがあった。
本発明の目的は、熱伝導率が高い硬化物を得ることができ、かつ該硬化物の表面に、耐水性、耐酸性及び耐アルカリ性が高い層を形成できる多層絶縁シート、及び該多層絶縁シートを用いた積層構造体を提供することである。
本発明の広い局面によれば、熱硬化により接着対象部材を接着可能な多層絶縁シートであって、第1のフィラーを含む第1の層と、該第1の層の一方の面に積層されており、表面層であり、かつ第2のフィラーを含む第2の層とを少なくとも有し、上記第1の層に含まれている第1のフィラーが、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム及び炭酸マグネシウムからなる群から選択された少なくとも1種であり、上記第2の層に含まれている第2のフィラーが、アルミナ、シリカ、ジルコニア及び窒化ホウ素からなる群から選択された少なくとも1種のである、多層絶縁シートが提供される。
上記第1の層は、上記第1のフィラーを30〜90体積%含むことが好ましい。第1のフィラーがこの範囲内で含まれている場合には、硬化物の熱伝導率をより一層高くすることができる。
上記第2の層は、上記第2のフィラーを20〜80体積%含むことが好ましい。第2のフィラーがこの範囲内で含まれている場合には、第2の層側の硬化物の表面の耐酸性及び耐アルカリ性をより一層高くすることができる。
上記第1の層の厚みは、多層絶縁シートの厚みの50〜95%であることが好ましい。多層絶縁シートの厚みがこの範囲内にある場合には、硬化物の熱伝導率をより一層高くすることができる。
本発明に係る多層絶縁シートは、上記第1の層の他方の面に積層された第3の層をさらに有していてもよい。
本発明に係る多層絶縁シートのある特定の局面では、上記第1の層及び上記第2の層はそれぞれ樹脂成分を含有し、上記樹脂成分が、重量平均分子量が1万以上であるポリマー(A)と、重量平均分子量が1万未満であるエポキシ樹脂(B1)及び重量平均分子量が1万未満であるオキセタン樹脂(B2)の内の少なくとも一方の樹脂(B)と、硬化剤(C)とを含み、上記第1の層及び上記第2の層はそれぞれ、樹脂成分100重量%に対して、上記ポリマー(A)を20〜60重量%、上記樹脂(B)を10〜60重量%、かつ上記ポリマー(A)と上記樹脂(B)とを合計100重量%未満の含有量で含み、未硬化状態の絶縁シートのガラス転移温度が25℃以下である。
本発明に係る多層絶縁シートの他の特定の局面では、上記ポリマー(A)は、芳香族骨格を有し、かつ重量平均分子量が3万以上であるポリマーである。
本発明に係る多層絶縁シートのさらに他の特定の局面では、上記硬化剤(C)は、フェノール樹脂、又は芳香族骨格もしくは脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物である。
本発明に係る多層絶縁シートの他の特定の局面では、上記樹脂(B)は、芳香族骨格を有し、かつ重量平均分子量が600以下であるエポキシモノマー(B1b)及び芳香族骨格を有し、かつ重量平均分子量が600以下であるオキセタンモノマー(B2b)の内の少なくとも一方のモノマーを含む。
上記ポリマー(A)は、フェノキシ樹脂であることが好ましい。フェノキシ樹脂の使用により、多層絶縁シートの硬化物の耐熱性をより一層高めることができる。また、上記フェノキシ樹脂のガラス転移温度は、95℃以上であることが好ましい。この場合には、樹脂の熱劣化をより一層抑制できる。
上記硬化剤(C)は、多脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物、又はテルペン系化合物と無水マレイン酸との付加反応により得られた脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物であることが好ましい。また、上記硬化剤(C)は、下記式(1)〜(3)の内のいずれかで表される酸無水物であることがより好ましい。これらの好ましい硬化剤(C)の使用により、多層絶縁シートの柔軟性、耐湿性又は接着性をより一層高めることができる。
Figure 2011070930
Figure 2011070930
Figure 2011070930
上記式(3)中、R1及びR2はそれぞれ水素、炭素数1〜5のアルキル基又は水酸基を示す。
上記硬化剤(C)は、メラミン骨格もしくはトリアジン骨格を有するフェノール樹脂、又はアリル基を有するフェノール樹脂であることが好ましい。この好ましい硬化剤(C)の使用により、多層絶縁シートの硬化物のシート柔軟性及び難燃性をより一層高めることができる。
本発明に係る積層構造体は、樹脂基板材料又は熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体と、上記樹脂基板材料又は上記熱伝導体の少なくとも一方の面に積層された絶縁層と、上記絶縁層の上記樹脂基板材料又は上記熱伝導体が積層された面とは反対側の面に積層された導電層とを備え、上記絶縁層が、本発明に従って構成された多層絶縁シートを硬化させることにより形成されており、上記絶縁層は、上記多層絶縁シートの上記第1の層が硬化された第1の絶縁層と、上記多層絶縁シートの上記第2の層が硬化された第2の絶縁層とを少なくとも有する。
本発明に係る積層構造体では、上記熱伝導体は金属であることが好ましい。
本発明に係る多層絶縁シートは第1,第2の層を有し、かつ第1の層が、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム及び炭酸マグネシウムからなる群から選択された少なくとも1種の第1のフィラーを含むので、熱伝導率が高い硬化物を得ることができる。さらに、本発明に係る多層絶縁シートでは、表面層である上記第2の層が、アルミナ、シリカ、ジルコニア及び窒化ホウ素からなる群から選択された少なくとも1種の第2のフィラーを含むので、硬化物の表面に耐水性、耐酸性及び耐アルカリ性が高い層を形成できる。
本発明に係る積層構造体では、樹脂基板材料又は熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体の少なくとも一方の面に、絶縁層を介して導電層が積層されており、該絶縁層が、本発明に従って構成された多層絶縁シートを硬化させることにより形成されているので、導電層上に実装される発熱部品の熱を基板全体又は熱伝導体に放散できる。このため、本発明に係る積層構造体の使用により、放熱性に優れた基板を提供できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る多層絶縁シートを示す部分切欠正面断面図である。 図2は、本発明の他の実施形態に係る多層絶縁シートを示す部分切欠正面断面図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る積層構造体を模式的に示す部分切欠正面断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1に、本発明の一実施形態に係る多層絶縁シートを示す。
図1に示す多層絶縁シート1は、第1の層2と、第1の層2の一方の面2aに積層された第2の層3とを有する。第1,第2の層2,3はそれぞれ、1層のみにより構成されている。ただし、第1,第2の層2,3はそれぞれ、複数の層により構成されていてもよい。第2の層3は表面層である。多層絶縁シートが後述する第3の層を有しない場合には、第1の層2は表面層である。
第1の層2は、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム及び炭酸マグネシウムからなる群から選択された少なくとも1種の第1のフィラーを含む。これらの第1のフィラーの熱伝導率は高い。このような熱伝導率が高い第1のフィラーを含む第1の層2を多層絶縁シート1が有することにより、多層絶縁シート1の硬化物の熱伝導率を高くすることができる。
第2の層3は、アルミナ、シリカ、ジルコニア及び窒化ホウ素からなる群から選択された少なくとも1種の第2のフィラーを含む。これらの第2のフィラーは、例えば上記第1のフィラーと比べて、耐水性、耐酸性及び耐アルカリ性が高い。このような耐水性、耐酸性及び耐アルカリ性が高い第2のフィラーを含む第2の層3を多層絶縁シート1が有することにより、硬化物の表面に、耐水性、耐酸性及び耐アルカリ性が高い層を形成できる。
多層絶縁シート1は、熱伝導率が高い第1のフィラーを含む第1の層と、耐水性、耐酸性及び耐アルカリ性が高い第2の層3とを有する。すなわち、多層絶縁シート1は、異なる機能を有する2つの第1,第2の層2,3を有する。このように多層絶縁シートの各層に異なる機能を持たせることにより、熱伝導性と、耐水性、耐酸性及び高い耐アルカリ性との双方を高くすることができる。さらに、上記第1,第2のフィラーの使用により、多層絶縁シート1のコストを低くすることができる。
絶縁シートの硬化物では、該硬化物の片面が水、酸又はアルカリの影響を受けることがある。例えば、絶縁シートの硬化物の片面にエッチングにより金属配線パターンを形成したり、ソルダーレジストパターンを形成したりする場合等に、該硬化物の片面は酸又はアルカリの影響を受ける。又、最終製品となった後に、絶縁シートの硬化物は長期間に渡って空気中の水分の影響を受ける。この場合に、水、酸又はアルカリの影響を受ける面側に、第2の層3の硬化物を配置することによって、水、酸又はアルカリによる多層絶縁シート1の硬化物の劣化を抑制できる。
第1の層2は、上記第1のフィラーを30〜90体積%の範囲内で含むことが好ましい。上記第1のフィラーの含有量が上記範囲内にある場合には、多層絶縁シート1の硬化物の熱伝導率をより一層高くすることができる。
第2の層3は、上記第2のフィラーを20〜80体積%の範囲内で含むことが好ましい。上記第2のフィラーの含有量が上記範囲内にある場合には、多層絶縁シート1の硬化物の表面に、耐水性、耐酸性及び耐アルカリ性がより一層高い層を形成できる。
第1の層2の厚みは、多層絶縁シート1の厚みの50〜95%の範囲内にあることが好ましい。多層絶縁シート1の厚みが上記範囲内にある場合には、多層絶縁シート1の硬化物の熱伝導率をより一層高くすることができる。
また、第1,第2の層2,3のみにより形成された多層絶縁シート1では、第1の層2の厚みが多層絶縁シート1の厚みの50〜95%の範囲内にあり、かつ第2の層3の厚みが多層絶縁シート1の厚みの5〜50%の範囲内にあることが好ましい。この場合には、多層絶縁シート1の硬化物の熱伝導率と、該硬化物の表面の耐水性、耐酸性及び耐アルカリ性との双方を高くすることができる。
図2に、本発明の他の実施形態に係る多層絶縁シートを示す。多層絶縁シート1と同様に構成されているところは同一の符号を付して、説明を省略する。
図2に示す多層絶縁シート11は、第1の層2と、第1の層2の一方の面2aに積層された第2の層3と、第1の層2の他方の面2bに積層された第3の層12とを有する。第3の層12は表面層である。第3の層12は、1層のみにより構成されている。ただし、第3の層12は、複数の層により構成されていてもよい。
第3の層12は特に限定されない。第3の層12は、アルミナ、シリカ、ジルコニア及び窒化ホウ素からなる群から選択された少なくとも1種の第2のフィラーを含むことが好ましい。この場合には、多層絶縁シート11の硬化物の両側の表面に、耐水性、耐酸性及び耐アルカリ性が高い層を形成できる。従って、多層絶縁シート11の硬化物の水、酸又はアルカリによる劣化をより一層抑制できる。ただし、硬化物の熱伝導率をより一層高くするために、第3の層12は、第2のフィラーにかえて、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム及び炭酸マグネシウムからなる群から選択された少なくとも1種の第1のフィラーを含んでいてもよい。
第1の層2の厚みは、多層絶縁シート11の厚みの50〜95%の範囲内にあることが好ましい。多層絶縁シート11の厚みが上記範囲内にある場合には、多層絶縁シート11の硬化物の熱伝導率をより一層高くすることができる。
また、第1,第2の層2,3及び第3の層12により形成された多層絶縁シート11では、第1の層2の厚みが多層絶縁シート11の厚みの50〜95%の範囲内であり、第2の層3の厚みが多層絶縁シート11の厚みの2.5〜25%の範囲内にあり、かつ第3の層12の厚みが多層絶縁シート11の厚みの2.5〜25%の範囲内にあることが好ましい。この場合には、多層絶縁シート11の硬化物の熱伝導率と、該硬化物の表面の耐水性、耐酸性及び耐アルカリ性との双方を高くすることができる。
多層絶縁シート1,11の製造方法は特に限定されない。多層絶縁シート1,11は、例えば、第1,第2の層2,3及び第3の層12を形成する材料を、複数個の塗工ヘッドを利用した溶剤キャスト法、単独の塗工ヘッドによる複数回の溶剤キャスト法又は押し出し成膜法等の方法でシート状に成形することにより得ることができる。シート状に成形する際に、脱泡することが好ましい。
多層絶縁シート1,11の厚みは特に限定されない。多層絶縁シート1,11の厚みは、10〜300μmの範囲内にあることが好ましく、20〜200μmの範囲内にあることがより好ましく、30〜150μmの範囲内にあることがさらに好ましい。上記厚みが上記好ましい下限を満たすと、多層絶縁シート1,11の硬化物の絶縁性が充分に高くなり、耐水性、耐酸性及び耐アルカリ性に優れた第2,第3の層の効果がより一層充分に発現する。上記厚みが上記好ましい上限を満たすと、金属体を導電層に接着したときに放熱性が充分に高くなる。
多層絶縁シート1,11の厚みを厚くすることにより、多層絶縁シート1,11の硬化物の絶縁破壊特性をより一層高めることができる。ただし、厚みが薄くても、多層絶縁シート1,11の硬化物の絶縁破壊特性は充分に高い。
未硬化状態の多層絶縁シート1,11のガラス転移温度Tgは、25℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が25℃を超えると、未硬化状態の多層絶縁シート1,11が室温において固く、かつ脆くなることがある。このため、未硬化状態の多層絶縁シート1,11のハンドリング性が低下することがある。
多層絶縁シート1,11の硬化物の熱伝導率は、3.0W/m・K以上であることが好ましい。多層絶縁シート1,11の硬化物の熱伝導率は、5.0W/m・K以上であることがより好ましく、7.0W/m・K以上であることがさらに好ましい。熱伝導率が低すぎると、多層絶縁シート1,11の硬化物の放熱性が低くなることがある。
多層絶縁シート1,11の硬化物の絶縁破壊電圧は、30kV/mm以上であることが好ましい。多層絶縁シート1,11の硬化物の絶縁破壊電圧は、40kV/mm以上であることがより好ましく、50kV/mm以上であることがさらに好ましく、80kV/mm以上であることがさらに好ましく、100kV/mm以上であることがさらに好ましい。絶縁破壊電圧が低すぎると、多層絶縁シート1,11が例えば電力素子用のような大電流用途に用いられた場合に、絶縁性が低くなることがある。
第1,第2の層2,3及び第3の層12はそれぞれ樹脂成分を含有し、該樹脂成分が、重量平均分子量が1万以上であるポリマー(A)と、重量平均分子量が1万未満であるエポキシ樹脂(B1)及び重量平均分子量が1万未満であるオキセタン樹脂(B2)の内の少なくとも一方の樹脂(B)と、硬化剤(C)とを含むことが好ましい。この場合には、未硬化状態の多層絶縁シートのハンドリング性を高くすることができる。さらに、多層絶縁シートの硬化物の耐熱性及び絶縁破壊特性を高くすることができる。
以下、上記成分(A)〜(C)と、上記成分(A)〜(C)以外の第1〜第3の層に含まれ得る成分との詳細を説明する。
(ポリマー(A))
本発明に係る多層絶縁シートの上記第1〜第3の層はそれぞれ、重量平均分子量が1万以上であるポリマー(A)を含むことが好ましい。ポリマー(A)は、重量平均分子量が1万以上であれば特に限定されない。ポリマー(A)は、芳香族骨格を有することが好ましい。ポリマー(A)が芳香族骨格を有する場合、芳香族骨格をポリマー全体の中に有していればよく、主鎖骨格内に有していてもよく、側鎖中に有していてもよい。ポリマー(A)は、芳香族骨格を主鎖骨格内に有することが好ましい。この場合には、多層絶縁シートの硬化物の耐熱性をより一層高めることができる。ポリマー(A)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記芳香族骨格は特に限定されない。上記芳香族骨格の具体例としては、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、ビフェニル骨格、アントラセン骨格、ピレン骨格、キサンテン骨格、アダマンタン骨格又はビスフェノールA型骨格等が挙げられる。なかでも、ビフェニル骨格又はフルオレン骨格が好ましい。この場合には、多層絶縁シートの硬化物の耐熱性をより一層高めることができる。
ポリマー(A)として、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂等を用いることができる。
上記熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂は、特に限定されない。上記熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン又はポリエーテルケトン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。また、上記熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂としては、熱可塑性ポリイミド、熱硬化性ポリイミド、ベンゾオキサジン、又はポリベンゾオキサゾールとベンゾオキサジンとの反応物などのスーパーエンプラと呼ばれている耐熱性樹脂群等を使用できる。上記熱可塑性樹脂及び上記熱硬化性樹脂はそれぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の内のいずれか一方が用いられてもよく、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とが併用されてもよい。
ポリマー(A)は、スチレン系重合体、(メタ)アクリル系重合体又はフェノキシ樹脂であることが好ましく、フェノキシ樹脂であることがより好ましい。この場合には、多層絶縁シートの硬化物の酸化劣化を防止でき、かつ耐熱性をより一層高めることができる。
上記スチレン系重合体としては、具体的には、スチレン系モノマーの単独重合体、又はスチレン系モノマーとアクリル系モノマーとの共重合体等を用いることができる。中でも、スチレン−メタクリル酸グリシジルの構造を有するスチレン系重合体が好ましい。
上記スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン又は3,4−ジクロロスチレン等が挙げられる。
上記アクリル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸グリシジル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル又はメタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
上記フェノキシ樹脂は、具体的には、例えばエピハロヒドリンと2価フェノール化合物とを反応させて得られる樹脂、又は2価のエポキシ化合物と2価のフェノール化合物とを反応させて得られる樹脂である。
上記フェノキシ樹脂は、ビスフェノールA型骨格、ビスフェノールF型骨格、ビスフェノールA/F混合型骨格、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、ビフェニル骨格、アントラセン骨格、ピレン骨格、キサンテン骨格、アダマンタン骨格及びジシクロペンタジエン骨格からなる群から選択された少なくとも1つの骨格を有することが好ましい。中でも、上記フェノキシ樹脂は、ビスフェノールA型骨格、ビスフェノールF型骨格、ビスフェノールA/F混合型骨格、ナフタレン骨格、フルオレン骨格及びビフェニル骨格からなる群から選択された少なくとも1種の骨格を有することがより好ましく、フルオレン骨格及びビフェニル骨格の内の少なくとも一方を有することが更に好ましい。これらの好ましい骨格を有するフェノキシ樹脂の使用により、多層絶縁シートの硬化物の耐熱性をより一層高めることができる。
上記フェノキシ樹脂は、主鎖中に多環式芳香族骨格を有することが好ましい。また、上記フェノキシ樹脂は、下記式(4)〜(9)で表される骨格の内の少なくとも1つの骨格を主鎖中に有することがより好ましい。
Figure 2011070930
上記式(4)中、Rは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子であり、Xは単結合、炭素数1〜7の2価の炭化水素基、−O−、−S−、−SO−、又は−CO−である。
Figure 2011070930
上記式(5)中、R1aは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子であり、Rは、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子であり、Rは、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基であり、mは0〜5の整数である。
Figure 2011070930
上記式(6)中、R1bは互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子であり、Rは互いに同一であっても異なっていてもよく水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基又はハロゲン原子であり、lは0〜4の整数である。
Figure 2011070930
Figure 2011070930
上記式(8)中、R及びRは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又はハロゲン原子であり、Xは−SO−、−CH−、−C(CH−、又は−O−であり、kは0又は1である。
Figure 2011070930
ポリマー(A)として、例えば、下記式(10)又は下記式(11)で表されるフェノキシ樹脂が好適に用いられる。
Figure 2011070930
上記式(10)中、Aは上記式(4)〜(6)の内のいずれかで表される構造を有し、かつその構成は上記式(4)で表される構造が0〜60モル%、上記式(5)で表される構造が5〜95モル%、及び上記式(6)で表される構造が5〜95モル%であり、Aは水素原子、又は上記式(7)で表される基であり、nは平均値で25〜500の数である。
Figure 2011070930
上記式(11)中、Aは上記式(8)又は上記式(9)で表される構造を有し、nは少なくとも21以上の値である。
ポリマー(A)のガラス転移温度Tgは、60〜200℃の範囲内にあることが好ましく、90〜180℃の範囲内にあることがより好ましい。ポリマー(A)のTgが低すぎると、樹脂が熱劣化することがある。ポリマー(A)のTgが高すぎると、ポリマー(A)と他の樹脂との相溶性が悪くなる。この結果、未硬化状態の多層絶縁シートのハンドリング性、並びに多層絶縁シートの硬化物の耐熱性が低下することがある。
ポリマー(A)がフェノキシ樹脂である場合、フェノキシ樹脂のガラス転移温度Tgは、95℃以上であることが好ましく、110〜200℃の範囲内にあることがより好ましく、110〜180℃の範囲内にあることがさらに好ましい。フェノキシ樹脂のTgが低すぎると、樹脂が熱劣化することがある。フェノキシ樹脂のTgが高すぎると、フェノキシ樹脂と他の樹脂との相溶性が悪くなる。この結果、未硬化状態の多層絶縁シートのハンドリング性、並びに多層絶縁シートの硬化物の耐熱性が低下することがある。
ポリマー(A)の重量平均分子量は、10,000以上である。ポリマー(A)の重量平均分子量は、30,000以上であることが好ましく、30,000〜1,000,000の範囲内にあることがより好ましく、40,000〜250,000の範囲内にあることがさらに好ましい。ポリマー(A)の重量平均分子量が小さすぎると、多層絶縁シートが熱劣化することがある。ポリマー(A)の重量平均分子量が大きすぎると、ポリマー(A)と他の樹脂との相溶性が悪くなる。この結果、多層絶縁シートのハンドリング性、並びに多層絶縁シートの硬化物の耐熱性が低下することがある。
本発明に係る多層絶縁シートの上記第1〜第3の層はそれぞれ、上記樹脂成分100重量%中に、ポリマー(A)を20〜60重量%の範囲内で含むことが好ましく、30〜50重量%の範囲内で含むことが好ましい。ポリマー(A)は上記範囲内で、ポリマー(A)と樹脂(B)とが合計100重量%未満の含有量で含有されることが好ましい。ポリマー(A)の含有量が少なすぎると、未硬化状態の多層絶縁シートのハンドリング性が低下することがある。ポリマー(A)の含有量が多すぎると、上記フィラーの分散が困難になることがある。なお、樹脂成分とは、ポリマー(A)、エポキシ樹脂(B1)、オキセタン樹脂(B2)、硬化剤(C)及び必要に応じて添加される他の樹脂成分をいう。
(樹脂(B))
本発明に係る多層絶縁シートの上記第1〜第3の層はそれぞれ、エポキシ樹脂(B1)及びオキセタン樹脂(B2)の内の少なくとも一方の樹脂(B)を含むことが好ましい。樹脂(B)として、エポキシ樹脂(B1)のみが用いられてもよく、オキセタン樹脂(B2)のみが用いられてもよく、エポキシ樹脂(B1)とオキセタン樹脂(B2)との双方が用いられてもよい。
エポキシ樹脂(B1)の重量平均分子量は1万未満である。エポキシ樹脂(B1)は重量平均分子量が1万未満であれば特に限定されない。エポキシ樹脂(B1)として、芳香族骨格を有し、かつ重量平均分子量が600以下であるエポキシモノマー(B1b)が好適に用いられる。
エポキシ樹脂(B1)の具体例としては、ビスフェノール骨格を有するエポキシモノマー、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシモノマー、ナフタレン骨格を有するエポキシモノマー、アダマンテン骨格を有するエポキシモノマー、フルオレン骨格を有するエポキシモノマー、ビフェニル骨格を有するエポキシモノマー、バイ(グリシジルオキシフェニル)メタン骨格を有するエポキシモノマー、キサンテン骨格を有するエポキシモノマー、アントラセン骨格を有するエポキシモノマー、又はピレン骨格を有するエポキシモノマー等が挙げられる。エポキシ樹脂(B1)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ビスフェノール骨格を有するエポキシモノマーとしては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型又はビスフェノールS型のビスフェノール骨格を有するエポキシモノマー等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシモノマーとしては、ジシクロペンタジエンジオキシド、又はジシクロペンタジエン骨格を有するフェノールノボラックエポキシモノマー等が挙げられる。
上記ナフタレン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1−グリシジルナフタレン、2−グリシジルナフタレン、1,2−ジグリシジルナフタレン、1,5−ジグリシジルナフタレン、1,6−ジグリシジルナフタレン、1,7−ジグリシジルナフタレン、2,7−ジグリシジルナフタレン、トリグリシジルナフタレン、又は1,2,5,6−テトラグリシジルナフタレン等が挙げられる。
上記アダマンテン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1,3−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)アダマンテン、又は2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)アダマンテン等が挙げられる。
上記フルオレン骨格を有するエポキシモノマーとしては、9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−ブロモフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジクロロフェニル)フルオレン、又は9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジブロモフェニル)フルオレン等が挙げられる。
上記ビフェニル骨格を有するエポキシモノマーとしては、4,4’−ジグリシジルビフェニル、又は4,4’−ジグリシジル−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル等が挙げられる。
上記バイ(グリシジルオキシフェニル)メタン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1,1’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,1’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,1’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,2’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,2’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、又は1,2’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン等が挙げられる。
上記キサンテン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1,3,4,5,6,8−ヘキサメチル−2,7−ビス−オキシラニルメトキシ−9−フェニル−9H−キサンテン等が挙げられる。
オキセタン樹脂(B2)の重量平均分子量は1万未満である。オキセタン樹脂は重量平均分子量が1万未満であれば特に限定されない。オキセタン樹脂(B2)として、芳香族骨格を有し、かつ重量平均分子量が600以下であるオキセタンモノマー(B2b)が好適に用いられる。
オキセタン樹脂(B2)の具体例としては、例えば、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、1,4−ベンゼンジカルボン酸ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エステル、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、又はオキセタン化フェノールノボラック等が挙げられる。オキセタン樹脂(B2)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
エポキシ樹脂(B1)及びオキセタン樹脂(B2)の重量平均分子量、すなわち樹脂(B)の重量平均分子量は、1万未満である。樹脂(B)の重量平均分子量は、600以下であることが好ましい。樹脂(B)の重量平均分子量の好ましい下限は200、より好ましい上限は550である。樹脂(B)の重量平均分子量が小さすぎると、樹脂(B)の揮発性が高すぎて多層絶縁シートの取扱い性が低下することがある。樹脂(B)の重量平均分子量が大きすぎると、多層絶縁シートが固くかつ脆くなったり、多層絶縁シートの硬化物の接着性が低下したりすることがある。
本発明に係る多層絶縁シートの上記第1〜第3の層はそれぞれ、上記樹脂成分の合計100重量%中に、樹脂(B)を10〜60重量%の範囲内で含むことが好ましく、10〜40重量%の範囲内で含むことが好ましい。樹脂(B)は上記範囲内でポリマー(A)と樹脂(B)との合計が100重量%未満の含有量で含有されることが好ましい。樹脂(B)の含有量が少なすぎると、多層絶縁シートの硬化物の接着性及び耐熱性が低下することがある。樹脂(B)の含有量が多すぎると、多層絶縁シートの柔軟性が低下することがある。
樹脂(B)は、芳香族骨格を有し、かつ重量平均分子量が600以下であるエポキシモノマー(B1b)、及び芳香族骨格を有し、かつ重量平均分子量が600以下であるオキセタンモノマー(B2b)の内の少なくとも一方のモノマーを含むことが好ましい。
樹脂(B)は、芳香族骨格を有し、かつ重量平均分子量が600以下であるエポキシモノマー(B1b)及び芳香族骨格を有し、かつ重量平均分子量が600以下であるオキセタンモノマー(B2b)の内の少なくとも一方のモノマーを40〜100重量%の範囲内で含むことが好ましく、60〜100重量%の範囲内で含むことがより好ましく、80〜100重量%の範囲内で含むことが特に好ましい。エポキシモノマー(B1b)及びオキセタンモノマー(B2b)が上記好ましい範囲内で含まれる場合には、多層絶縁シートの柔軟性、並びに多層絶縁シートの硬化物の接着性及び耐熱性をより一層高めることができる。
(硬化剤(C))
硬化剤(C)は特に限定されない。硬化剤(C)は、フェノール樹脂、又は芳香族骨格もしくは脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物であることが好ましい。この好ましい硬化剤(C)の使用により、耐熱性、耐湿性及び電気物性のバランスに優れた多層絶縁シートの硬化物を得ることができる。硬化剤(C)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記フェノール樹脂は、特に限定されない。上記フェノール樹脂の具体例としては、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、t−ブチルフェノールノボラック、ジシクロペンタジエンクレゾール、ポリパラビニルフェノール、ビスフェノールA型ノボラック、キシリレン変性ノボラック、デカリン変性ノボラック、ポリ(ジ−o−ヒドロキシフェニル)メタン、ポリ(ジ−m−ヒドロキシフェニル)メタン、又はポリ(ジ−p−ヒドロキシフェニル)メタン等が挙げられる。なかでも、多層絶縁シートの柔軟性及び難燃性をより一層高めることができるので、メラミン骨格を有するフェノール樹脂、トリアジン骨格を有するフェノール樹脂、又はアリル基を有するフェノール樹脂が好ましい。
上記フェノール樹脂の市販品としては、MEH−8005、MEH−8010及びNEH−8015(以上いずれも明和化成社製)、YLH903(ジャパンエポキシレジン社製)、LA―7052、LA−7054、LA−7751、LA−1356及びLA−3018−50P(以上いずれもDIC社製)、並びにPS6313及びPS6492(群栄化学社製)等が挙げられる。
芳香族骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物は、特に限定されない。芳香族骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物としては、例えば、スチレン/無水マレイン酸コポリマー、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ピロメリット酸無水物、トリメリット酸無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、フェニルエチニルフタル酸無水物、グリセロールビス(アンヒドロトリメリテート)モノアセテート、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、又はトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。なかでも、メチルナジック酸無水物又はトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸が好ましい。メチルナジック酸無水物又はトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸の使用により、多層絶縁シートの硬化物の耐水性を高めることができる。
上記芳香族骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物の市販品としては、SMAレジンEF30、SMAレジンEF40、SMAレジンEF60及びSMAレジンEF80(以上いずれもサートマー・ジャパン社製)、ODPA−M及びPEPA(以上いずれもマナック社製)、リカジットMTA―10、リカジットMTA−15、リカジットTMTA、リカジットTMEG−100、リカジットTMEG−200、リカジットTMEG−300、リカジットTMEG−500、リカジットTMEG−S、リカジットTH、リカジットHT−1A、リカジットHH、リカジットMH−700、リカジットMT−500、リカジットDSDA及びリカジットTDA−100(以上いずれも新日本理化社製)、並びにEPICLON B4400、EPICLON B650、及びEPICLON B570(以上いずれもDIC化学社製)等が挙げられる。
上記脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物は、多脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物、又はテルペン系化合物と無水マレイン酸との付加反応により得られる脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物であることが好ましい。この場合には、多層絶縁シートの柔軟性、耐湿性又は接着性をより一層高めることができる。また、上記脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物としては、メチルナジック酸無水物、ジシクロペンタジエン骨格を有する酸無水物又は該酸無水物の変性物等も挙げられる。
上記脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物の市販品としては、リカジットHNA及びリカジットHNA−100(以上いずれも新日本理化社製)、並びにエピキュアYH306、エピキュアYH307、エピキュアYH308H及びエピキュアYH309(以上いずれもジャパンエポキシレジン社製)等が挙げられる。
また、硬化剤(C)は、下記式(1)〜(3)の内のいずれかで表される酸無水物であることがより好ましい。この好ましい硬化剤(C)の使用により、多層絶縁シートの柔軟性、耐湿性又は接着性をより一層高めることができる。
Figure 2011070930
Figure 2011070930
Figure 2011070930
上記式(3)中、R1及びR2はそれぞれ水素、炭素数1〜5のアルキル基又は水酸基を示す。
硬化速度や硬化物の物性などを調整するために、上記硬化剤と硬化促進剤とを併用してもよい。
上記硬化促進剤は特に限定されない。硬化促進剤の具体例としては、例えば、3級アミン、イミダゾール類、イミダゾリン類、トリアジン類、有機リン系化合物、4級ホスホニウム塩類又は有機酸塩等のジアザビシクロアルケン類等が挙げられる。また、上記硬化促進剤としては、有機金属化合物類、4級アンモニウム塩類又は金属ハロゲン化物等が挙げられる。上記有機金属化合物類としては、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫又はアルミニウムアセチルアセトン錯体等が挙げられる。
上記硬化促進剤としては、高融点のイミダゾール硬化促進剤、高融点の分散型潜在性硬化促進剤、マイクロカプセル型潜在性硬化促進剤、アミン塩型潜在性硬化促進剤、又は高温解離型かつ熱カチオン重合型潜在性硬化促進剤等を使用できる。上記硬化促進剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記高融点の分散型潜在性促進剤としては、ジシアンジアミド又はアミンがエポキシモノマー等に付加されたアミン付加型促進剤等が挙げられる。上記マイクロカプセル型潜在性促進剤としては、イミダゾール系、リン系又はホスフィン系の促進剤の表面がポリマーにより被覆されたマイクロカプセル型潜在性促進剤が挙げられる。上記高温解離型かつ熱カチオン重合型潜在性硬化促進剤としては、ルイス酸塩又はブレンステッド酸塩等が挙げられる。
上記硬化促進剤は、高融点のイミダゾール系硬化促進剤であることが好ましい。高融点のイミダゾール系硬化促進剤が用いられた場合、反応系を容易に制御でき、かつ多層絶縁シートの硬化速度、及び多層絶縁シートの硬化物の物性などをより一層容易に調整できる。融点100℃以上の高融点の硬化促進剤は、取扱性に優れている。従って、硬化促進剤の融点は100℃以上であることが好ましい。
本発明に係る多層絶縁シートの上記第1〜第3の層はそれぞれ、上記樹脂成分の合計100重量%中に、硬化剤(C)を10〜40重量%の範囲内で含むことが好ましく、12〜25重量%の範囲内で含むことが好ましい。硬化剤(C)の含有量が少なすぎると、多層絶縁シートを充分に硬化させることが困難になることがある。硬化剤(C)の含有量が多すぎると、硬化に関与しない余剰な硬化剤が発生したり、硬化物の架橋が充分に進行しなかったりすることがある。このため、多層絶縁シートの硬化物の耐熱性及び接着性が充分に高められないことがある。
(分散剤(F))
本発明に係る多層絶縁シートの上記第1〜第3の層はそれぞれ、分散剤(F)を含むことが好ましい。分散剤(F)は、水素結合性を有する水素原子を含む官能基を有する分散剤であることが好ましい。分散剤(F)の含有により、多層絶縁シートの硬化物の熱伝導性及び絶縁破壊特性をより一層高めることができる。
上記水素結合性を有する水素原子を含む官能基としては、例えば、カルボキシル基(pKa=4)、リン酸基(pKa=7)、又はフェノール基(pKa=10)等が挙げられる。
上記水素結合性を有する水素原子を含む官能基のpKaは、2〜10の範囲内にあることが好ましく、3〜9の範囲内にあることがより好ましい。上記官能基のpKaが2未満であると、分散剤(F)の酸性度が高くなりすぎて、原料樹脂成分中のエポキシ成分及びオキセタン成分の反応が促進されやすくなることがある。従って、未硬化状態の多層絶縁シートが貯蔵された場合に、多層絶縁シートの貯蔵安定性が低下することがある。上記官能基のpKaが10を超えると、分散剤としての機能が充分に果たされず、多層絶縁シートの硬化物の熱伝導性及び絶縁破壊特性が充分に高められないことがある。
上記水素結合性を有する水素原子を含む官能基は、カルボキシル基又はリン酸基であることが好ましい。この場合には、多層絶縁シートの硬化物の熱伝導性及び絶縁破壊特性をさらに一層高めることができる。
分散剤(F)としては、具体的には、例えば、ポリエステル系カルボン酸、ポリエーテル系カルボン酸、ポリアクリル系カルボン酸、脂肪族系カルボン酸、ポリシロキサン系カルボン酸、ポリエステル系リン酸、ポリエーテル系リン酸、ポリアクリル系リン酸、脂肪族系リン酸、ポリシロキサン系リン酸、ポリエステル系フェノール、ポリエーテル系フェノール、ポリアクリル系フェノール、脂肪族系フェノール又はポリシロキサン系フェノール等が挙げられる。分散剤(F)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明に係る多層絶縁シートの上記第1〜第3の層はそれぞれ、分散剤(F)を0.01〜20重量%の範囲内で含むことが好ましく、0.1〜10重量%の範囲内で含むことがより好ましい。分散剤(F)の含有量が上記範囲内にある場合、上記フィラーの凝集を抑制でき、かつ多層絶縁シートの硬化物の熱伝導性及び絶縁破壊特性を充分に高めることができる。
(ゴム粒子(E))
本発明に係る多層絶縁シートの上記第1〜第3の層はそれぞれ、ゴム微粒子(E)を含んでいてもよい。
ゴム粒子(E)は特に限定されない。ゴム粒子(E)としては、例えば、アクリルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、スチレンイソプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム又は天然ゴム等が挙げられる。なかでも、ゴム粒子(E)は、アクリルゴム又はシリコーンゴムであることが好ましい。アクリルゴム又はシリコーンゴムが用いられた場合、多層絶縁シートの応力緩和性を高めることができ、多層絶縁シートの硬化物の柔軟性を高めることができ、かつ多層絶縁シートの硬化物の耐熱性の低下を抑制できる。また、ゴム粒子(E)の性状は特に限定されない。
ゴム粒子(E)が上記フィラーと併用された場合、多層絶縁シートの硬化物の線熱膨張率を低くすることができるとともに、多層絶縁シートの硬化物の応力緩和性を発現させることができる。さらに、高温条件又は冷熱サイクル条件において、多層絶縁シートの硬化物の剥離又はクラック等がより一層生じ難くなる。
本発明に係る多層絶縁シートの上記第1〜第3の層はそれぞれ、ゴム粒子(E)を0.1〜40重量%の範囲内で含むことが好ましく、0.3〜20重量%の範囲内で含むことがより好ましい。ゴム粒子(E)の含有量が少なすぎると、多層絶縁シートの硬化物の応力緩和性が十分に発現しないことがある。ゴム粒子(E)の含有量が多すぎると、多層絶縁シートの硬化物の接着性が低くなることがある。
(他の成分)
上記第1〜第3の層は、ガラスクロス、ガラス不織布、アラミド不織布等の基材物質を含まないことが好ましく、特にガラスクロスを含まないことが好ましい。上記基材物質が含まれない場合、多層絶縁シートの厚みを薄くすることができ、かつ多層絶縁シートの硬化物の熱伝導性をより一層高めることができる。さらに、上記基材物質が含まれない場合、必要に応じて多層絶縁シートにレーザー加工又はドリル穴開け加工等の各種加工を容易に行うこともできる。ただし、ハンドリング性をより一層高めるために、本発明に係る多層絶縁シートの上記第1〜第3の層はそれぞれ、上記基材物質を含んでいてもよい。
なお、自立性とは、PETフィルム又は銅箔といった支持体が存在しなくても、未硬化状態であっても、シートの形状を保持し、シートとして取扱うことができることをいう。
また、本発明に係る多層絶縁シートの上記第1〜第3の層は、必要に応じて、チキソ性付与剤、分散剤、難燃剤又は着色剤などを含んでいてもよい。
(積層構造体)
本発明に係る多層絶縁シートは、熱硬化により接着対象部材を接着可能な多層絶縁シートである。本発明に係る多層絶縁シートは、樹脂基板材料又は熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体を導電層に接着するために好適に用いられる。上記樹脂基板材料としては、FR−4、FR−5又はCEM−3などの汎用の樹脂基板材料が挙げられる。上記樹脂基板材料は、FR−4、FR−5又はCEM−3の樹脂基板材料であることが好ましい。
図3に、本発明の一実施形態に係る積層構造体を示す。
図3に示す積層構造体21は、樹脂基板材料又は熱伝導体22と、樹脂基板材料又は熱伝導体22の一方の面22aに積層された絶縁層23と、絶縁層23の樹脂基板材料又は熱伝導体22が積層された面とは反対側の面に積層された導電層24とを備える。絶縁層23は、多層絶縁シート1を硬化させることにより形成されている。従って、絶縁層23は、第1の層2が硬化された第1の絶縁層23Aと、第2の層3が硬化された第2の絶縁層23Bとを有する。樹脂基板材料又は熱伝導体22が熱伝導体である場合、該熱伝導体の熱伝導率は10W/m・K以上である。
第1の絶縁層23Aの熱伝導率は高い。従って、絶縁層23の熱伝導率は高い。第2の絶縁層23Bの耐水性、耐酸性及び耐アルカリ性は高い。従って、絶縁層23の第2の絶縁層23B側の表面の耐水性、耐酸性及び耐アルカリ性は高い。
樹脂基板材料又は熱伝導体22の一方の面22aに、第1の絶縁層23Aが積層されている。樹脂基板材料又は熱伝導体22の一方の面22aに、第1の絶縁層23Aが積層されていることが好ましい。導電層24の片面に、第2の絶縁層23Bが積層されている。導電層24の片面に、第2の絶縁層23Bが積層されていることが好ましい。
積層構造体21では、絶縁層23が高い熱伝導率を有するので、導電層24側からの熱が絶縁層23を介して積層構造体1の全体、さらには樹脂基板材料又は熱伝導体22に伝わりやすい。特に樹脂基板材料又は熱伝導体22が熱伝導体である場合、熱伝導体によって熱を効率的に放散させることができる。
多層絶縁シート1にかえて、多層絶縁シート11が用いられていてもよい。従って、上記絶縁層は、多層絶縁シートの上記第3の層が硬化された第3の絶縁層をさらに有していてもよい。
樹脂基板材料又は熱伝導体22の少なくとも一方の面22aに、絶縁層23と導電層24とがこの順に積層されていればよく、樹脂基板材料又は熱伝導体22の他方の面22bにも、絶縁層と導電層とがこの順に積層されていてもよい。
第1の絶縁層23Aは露出していないことが好ましい。この場合には、多層絶縁シート1の硬化物すなわち絶縁層23が、水、酸又はアルカリにより劣化し難い。
例えば、両面に銅回路が設けられた積層板又は多層配線板、銅箔、銅板、半導体素子又は半導体パッケージ等の各導電層に、多層絶縁シートを介して金属体を接着した後、多層絶縁シートを硬化させることにより、積層構造体21を得ることができる。
上記熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体は特に限定されない。上記熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体としては、例えば、アルミニウム、銅、アルミナ、ベリリア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム又はグラファイトシート等が挙げられる。中でも、上記熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体は、銅又はアルミニウムであることが好ましい。銅又はアルミニウムは、放熱性に優れている。
本発明に係る多層絶縁シートは、基板上に半導体素子が実装されている半導体装置の導電層に、樹脂基板材料又は熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体を接着するのに好適に用いられる。本発明に係る多層絶縁シートは、半導体素子以外の電子部品素子が基板上に搭載されている電子部品装置の導電層に、樹脂基板材料又は熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体を接着するのにも好適に用いられる。
半導体素子が大電流用の電力用デバイス素子である場合には、多層絶縁シートの硬化物には、絶縁性又は耐熱性等により一層優れていることが求められる。従って、このような用途に、本発明の多層絶縁シートは好適に用いられる。
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
以下の材料を用意した。
[ポリマー(A)]
(1)ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:E1256、Mw=51,000、Tg=98℃)
(2)高耐熱フェノキシ樹脂(東都化成社製、商品名:FX−293、Mw=43,700、Tg=163℃)
(3)エポキシ基含有スチレン樹脂(日油社製、商品名:マープルーフG−1010S、Mw=100,000、Tg=93℃)
[ポリマー(A)以外のポリマー]
(1)エポキシ基含有アクリル樹脂(日油社製、商品名:マープルーフG−0130S、Mw=9,000,Tg=69℃)
[エポキシ樹脂(B1)]
(1)ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:エピコート828US、Mw=370)
(2)ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:エピコート806L、Mw=370)
(3)3官能グリシジルジアミン型液状エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:エピコート630、Mw=300)
(4)フルオレン骨格エポキシ樹脂(大阪ガスケミカル社製、商品名:オンコートEX1011、Mw=486)
(5)ナフタレン骨格液状エポキシ樹脂(DIC社製、商品名:EPICLON HP−4032D、Mw=304)
(6)ヘキサヒドロフタル酸骨格液状エポキシ樹脂(日本化薬社製、商品名:AK−601、Mw=284)
(7)ビスフェノールA型固体状エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:1003、Mw=1300)
[オキセタン樹脂(B2)]
(1)ベンゼン骨格含有オキセタン樹脂(宇部興産社製、商品名:エタナコールOXTP、Mw=362.4)
[硬化剤(C)]
(1)脂環式骨格酸無水物(新日本理化社製、商品名:MH−700)
(2)芳香族骨格酸無水物(サートマー・ジャパン社製、商品名:SMAレジンEF60)
(3)多脂環式骨格酸無水物(新日本理化社製、商品名:HNA−100)
(4)テルペン系骨格酸無水物(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:エピキュアYH−306)
(5)ビフェニル骨格フェノール樹脂(明和化成社製、商品名:MEH−7851−S)
(6)アリル基含有骨格フェノール樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:YLH−903)
(7)トリアジン骨格系フェノール樹脂(DIC社製、商品名:フェノライトKA−7052−L2)
(8)メラミン骨格系フェノール樹脂(群栄化学工業社製、商品名:PS−6492)
(9)イソシアヌル変性固体分散型イミダゾール(イミダゾール系硬化促進剤、四国化成社製、商品名:2MZA−PW)
[第1のフィラー(D1)]
(1)窒化アルミニウム(東洋アルミ社製、商品名:TOYALNITE―FLX、平均粒子径14μm、熱伝導率200W/m・K)
(2)酸化マグネシウム(堺化学工業社製、商品名:SMO、平均粒子径1.1μm、熱伝導率35W/m・K)
(3)酸化亜鉛(堺化学工業社製、商品名:LP−ZINC2、平均粒子径2μm、熱伝導率54W/m・K)
(4)炭酸マグネシウム((神島化学工業社製、商品名:MSL、平均粒子径6μm、熱伝導率15W/m・K)
[第2のフィラー(D2)]
(1)球状アルミナ(デンカ社製、商品名:DAM−10、平均粒子径10μm、熱伝導率36W/m・K)
(2)窒化ホウ素(昭和電工社製、商品名:UHP−1、平均粒子径8μm、熱伝導率60W/m・K)
(3)シリカ(タツモリ社製、商品名クリスタライトCMC12:、平均粒子径5μm、熱伝導率10W/m・K)
(4)ジルコニア(共立マテリアル社製、商品名:KZ−0Y−L、平均粒子径10μm、熱伝導率4W/m・K)
[第1,第2のフィラー(D1),(D2)以外の他のフィラー]
表面疎水化ヒュームドシリカ(トクヤマ社製、商品名:MT−10、平均粒子径15nm、熱伝導率1.3W/m・K)
[添加剤]
(1)エポキシシランカップリング剤(信越化学工業社製、商品名:KBE403)
[溶剤]
(1)メチルエチルケトン
(実施例1〜29及び比較例1,2)
ホモディスパー型攪拌機を用いて、下記の表1〜8に示す割合(配合単位は重量部)で各原料を配合し、混練し、第1,第2の絶縁材料をそれぞれ調製した。
厚み50μmの離型PETシートに、得られた第1の絶縁材料を塗工し、90℃のオーブン内で30分乾燥して、PETシート上に第1の層を作製した。次に、第1の層上に、得られた第2の絶縁材料を塗工し、90℃のオーブン内で30分乾燥して、第1の層上に第2の層を作製した。このようにして、上記PETシート上に、第1の層及び第2の層がこの順で積層された多層絶縁シートを得た。得られた多層絶縁シートの第1,第2の層の厚みを下記の表1〜8に示した。
(実施例1〜29及び比較例1,2の評価)
(1)ハンドリング性
PETシートと、該PETシート上に形成された多層絶縁シートとを有する積層シートを460mm×610mmの平面形状に切り出して、テストサンプルを得た。得られたテストサンプルを用いて、室温(23℃)でPETシートから未硬化状態の多層絶縁シートを剥離したときのハンドリング性を下記の基準で評価した。
[ハンドリング性の判定基準]
〇:多層絶縁シートの変形がなく、容易に剥離可能
△:多層絶縁シートを剥離できるものの、シート伸びや破断が発生する
×:多層絶縁シートを剥離できない
(2)ガラス転移温度
示差走査熱量測定装置「DSC220C」(セイコーインスツルメンツ社製)を用いて、3℃/分の昇温速度で未硬化状態の多層絶縁シートのガラス転移温度を測定した。
(3)熱伝導率
多層絶縁シートを120℃のオーブン内で1時間、その後200℃のオーブン内で1時間加温処理し、多層絶縁シートを硬化させた。多層絶縁シートの硬化物の熱伝導率を、京都電子工業社製熱伝導率計「迅速熱伝導率計QTM−500」を用いて測定した。
(4)絶縁破壊電圧
多層絶縁シートを100mm×100mmの平面形状に切り出して、テストサンプルを得た。得られたテストサンプルを120℃のオーブン内で1時間、更に200℃のオーブン内で1時間硬化させ、多層絶縁シートの硬化物を得た。耐電圧試験器(MODEL7473、EXTECH Electronics社製)を用いて、多層絶縁シートの硬化物間に、1kV/秒の速度で電圧が上昇するように、交流電圧を印加した。多層絶縁シートの硬化物が破壊した電圧を、絶縁破壊電圧とした。
(5)半田耐熱試験
厚み1.5mmのアルミ板と厚み35μmの電解銅箔との間に、第1の層(後述の3層の実施例及び比較例では第3の層)の表面にアルミ板かつ第2の層の表面に電解銅箔が配置されるように多層絶縁シートを挟み、真空プレス機で4MPaの圧力を保持しながら120℃で1時間、更に200℃で1時間、多層絶縁シートをプレス硬化し、銅張り積層板を形成した。得られた銅張り積層板を50mm×60mmのサイズに切り出し、テストサンプルを得た。得られたテストサンプルを288℃の半田浴に銅箔側を下に向けて浮かべ、銅箔の膨れ又は剥がれが発生するまでの時間を測定し、以下の基準で判定した。
[半田耐熱試験の判定基準]
〇:3分経過しても膨れ又は剥離の発生なし
△:1分経過後、かつ3分経過する前に膨れ又は剥離が発生
×:1分経過する前に膨れ又は剥離が発生
(6)耐水性
多層絶縁シートを100mm×100mmの平面形状に切り出して、120℃のオーブン内で1時間、更に200℃のオーブン内で1時間硬化させ、多層絶縁シートの硬化物を得た。得られた硬化物を120℃、相対湿度100RH%及び2気圧の条件で、24時間吸水処理した。その後、耐電圧試験器(MODEL7473、EXTECH Electronics社製)を用いて、吸水処理された硬化物間に、1kV/秒の速度で電圧が上昇するように、交流電圧を印加し、絶縁破壊電圧を測定した。また、無処理の硬化物間における絶縁破壊電圧も同様にして測定した。硬化物が破壊した電圧を、絶縁破壊電圧とした。耐水性を以下の基準で判定した。
[耐水性の判定基準]
○:吸水処理後の絶縁破壊電圧が無処理の絶縁破壊電圧の80%以上
△:吸水処理後の絶縁破壊電圧が無処理の絶縁破壊電圧の50%以上80%未満
×:吸水処理後の絶縁破壊電圧が無処理の絶縁破壊電圧の50%未満
(7)耐酸性
厚み1.5mmのアルミ板と厚み35μmの電解銅箔との間に、第1の層(後述の3層の実施例及び比較例では第3の層)の表面にアルミ板かつ第2の層の表面に電解銅箔が配置されるように多層絶縁シートを挟み、真空プレス機で4MPaの圧力を保持しながら120℃で1時間、更に200℃で1時間、多層絶縁シートをプレス硬化し、銅張り積層板を形成した。その後、銅箔を全面剥離し絶縁層が露出した積層サンプルを得た。得られた積層サンプルのアルミ板側を耐酸性を有するプロテクトテープで保護し、50℃に加熱されたpH2.0の塩酸溶液に、得られた積層サンプルを3時間浸漬した。その後、積層サンプルを流水で20分間洗浄、乾燥し、プロテクトテープを外した。その後、酸処理された硬化物(積層サンプル)間に、耐電圧試験器(MODEL7473、EXTECH Electronics社製)を用いて1kV/秒の速度で電圧が上昇するように交流電圧を印加し、絶縁破壊電圧を測定した。また、多層絶縁シートの単体の硬化物の硬化物間における絶縁破壊電圧も同様にして測定した。硬化物が破壊した電圧を、絶縁破壊電圧とした。耐酸性を以下の基準で判定した。
[耐酸性の判定基準]
○:酸処理後の絶縁破壊電圧が無処理の絶縁破壊電圧の80%以上
△:酸処理後の絶縁破壊電圧が無処理の絶縁破壊電圧の50%以上80%未満
×:酸処理後の絶縁破壊電圧が無処理の絶縁破壊電圧の50%未満
(8)耐アルカリ性
厚み1.5mmのアルミ板と厚み35μmの電解銅箔との間に、第1の層(後述の3層の実施例及び比較例では第3の層)の表面にアルミ板かつ第2の層の表面に電解銅箔が配置されるように多層絶縁シートを挟み、真空プレス機で4MPaの圧力を保持しながら120℃で1時間、更に200℃で1時間、多層絶縁シートをプレス硬化し、銅張り積層板を形成した。その後、銅箔を全面剥離し絶縁層が露出した積層サンプルを得た。得られた積層サンプルのアルミ板側を耐アルカリ性を有するプロテクトテープで保護し、40℃に加熱された3重量%のNaOH溶液に、得られたサンプルを3分間浸漬した。その後、積層サンプルを流水で20分間洗浄、乾燥しプロテクトテープを外した。その後、アルカリ処理された硬化物(積層サンプル)間に、耐電圧試験器(MODEL7473、EXTECH Electronics社製)を用いて1kV/秒の速度で電圧が上昇するように交流電圧を印加し、絶縁破壊電圧を測定した。また、多層絶縁シートの単体の硬化物の硬化物間における絶縁破壊電圧も同様にして測定した。硬化物が破壊した電圧を、絶縁破壊電圧とした。耐アルカリ性を以下の基準で判定した。
[耐アルカリ性の判定基準]
○:アルカリ処理後の絶縁破壊電圧が無処理の絶縁破壊電圧の80%以上
△:アルカリ処理後の絶縁破壊電圧が無処理の絶縁破壊電圧の50%以上80%未満
×:アルカリ処理後の絶縁破壊電圧が無処理の絶縁破壊電圧の50%未満
結果を下記の表1〜8に示す。
Figure 2011070930
Figure 2011070930
Figure 2011070930
Figure 2011070930
Figure 2011070930
Figure 2011070930
Figure 2011070930
Figure 2011070930
(実施例30及び比較例3)
ホモディスパー型攪拌機を用いて、下記の表9に示す割合(配合単位は重量部)で各原料を配合し、混練し、第1〜第3の絶縁材料をそれぞれ調製した。
厚み50μmの離型PETシートに、得られた第3の絶縁材料を塗工し、90℃のオーブン内で30分乾燥して、PETシート上に第3の層を作製した。次に、第3の層上に、得られた第1の絶縁材料を塗工し、90℃のオーブン内で30分乾燥して、第3の層上に第1の層を作製した。その後、第1の層上に、得られた第2の絶縁材料を塗工し、90℃のオーブン内で30分乾燥して、第1の層上に第2の層を作製した。このようにして、上記PETシート上に、第3の層、第1の層及び第2の層がこの順で積層された多層絶縁シートを得た。得られた多層絶縁シートの第1〜第3の層の厚みを下記の表9に示した。
(実施例30及び比較例3の評価)
上記実施例1〜29及び比較例1,2の多層絶縁シートと同様に、上記評価項目(1)〜(8)の評価項目について評価を実施した。
結果を下記の表9に示す。
Figure 2011070930
1…多層絶縁シート
2…第1の層
2a…一方の面
2b…他方の面
3…第2の層
11…多層絶縁シート
12…第3の層
21…積層構造体
22…樹脂基板材料又は熱伝導体
22a…一方の面
22b…他方の面
23…絶縁層
23A…第1の絶縁層
23B…第2の絶縁層
24…導電層

Claims (16)

  1. 熱硬化により接着対象部材を接着可能な多層絶縁シートであって、
    第1のフィラーを含む第1の層と、前記第1の層の一方の面に積層されており、表面層であり、かつ第2のフィラーを含む第2の層とを少なくとも有し、
    前記第1の層に含まれている前記第1のフィラーが、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム及び炭酸マグネシウムからなる群から選択された少なくとも1種であり、
    前記第2の層に含まれている前記第2のフィラーが、アルミナ、シリカ、ジルコニア及び窒化ホウ素からなる群から選択された少なくとも1種である、多層絶縁シート。
  2. 前記第1の層が、前記第1のフィラーを30〜90体積%含む、請求項1に記載の多層絶縁シート。
  3. 前記第2の層が、前記第2のフィラーを20〜80体積%含む、請求項1又は2に記載の多層絶縁シート。
  4. 前記第1の層の厚みが、多層絶縁シートの厚みの50〜95%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層絶縁シート。
  5. 前記第1の層の他方の面に積層された第3の層をさらに有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多層絶縁シート。
  6. 前記第1の層及び前記第2の層はそれぞれ樹脂成分を含有し、
    前記樹脂成分が、重量平均分子量が1万以上であるポリマー(A)と、重量平均分子量が1万未満であるエポキシ樹脂(B1)及び重量平均分子量が1万未満であるオキセタン樹脂(B2)の内の少なくとも一方の樹脂(B)と、硬化剤(C)とを含み、
    前記第1の層及び前記第2の層はそれぞれ、樹脂成分100重量%に対して、前記ポリマー(A)を20〜60重量%、前記樹脂(B)を10〜60重量%、かつ前記ポリマー(A)と前記樹脂(B)とを合計100重量%未満の含有量で含み、
    未硬化状態でのガラス転移温度が25℃以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の多層絶縁シート。
  7. 前記ポリマー(A)が、芳香族骨格を有し、かつ重量平均分子量が3万以上であるポリマーである、請求項6に記載の多層絶縁シート。
  8. 前記硬化剤(C)が、フェノール樹脂、又は芳香族骨格もしくは脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物である、請求項6又は7に記載の多層絶縁シート。
  9. 前記樹脂(B)が、芳香族骨格を有し、かつ重量平均分子量が600以下であるエポキシモノマー(B1b)及び芳香族骨格を有し、かつ重量平均分子量が600以下であるオキセタンモノマー(B2b)の内の少なくとも一方のモノマーを含む、請求項6〜8のいずれか1項に記載の多層絶縁シート。
  10. 前記ポリマー(A)がフェノキシ樹脂である、請求項6〜9のいずれか1項に記載の多層絶縁シート。
  11. 前記フェノキシ樹脂のガラス転移温度が95℃以上である、請求項10に記載の多層絶縁シート。
  12. 前記硬化剤(C)が、多脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物、又はテルペン系化合物と無水マレイン酸との付加反応により得られた脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物である、請求項8〜11のいずれか1項に記載の多層絶縁シート。
  13. 前記硬化剤(C)が、下記式(1)〜(3)の内のいずれかで表される酸無水物である、請求項12に記載の多層絶縁シート。
    Figure 2011070930
    Figure 2011070930
    Figure 2011070930
    上記式(3)中、R1及びR2はそれぞれ水素、炭素数1〜5のアルキル基又は水酸基を示す。
  14. 前記硬化剤(C)が、メラミン骨格もしくはトリアジン骨格を有するフェノール樹脂、又はアリル基を有するフェノール樹脂である、請求項8〜11のいずれか1項に記載の多層絶縁シート。
  15. 樹脂基板材料又は熱伝導率が10W/m・K以上の熱伝導体と、
    前記樹脂基板材料又は前記熱伝導体の少なくとも一方の面に積層された絶縁層と、
    前記絶縁層の前記樹脂基板材料又は前記熱伝導体が積層された面とは反対側の面に積層された導電層とを備え、前記絶縁層が、請求項1〜14のいずれか1項に記載の多層絶縁シートを硬化させることにより形成されており、
    前記絶縁層は、前記多層絶縁シートの前記第1の層が硬化された第1の絶縁層と、前記多層絶縁シートの前記第2の層が硬化された第2の絶縁層とを少なくとも有する、積層構造体。
  16. 前記熱伝導体が金属である、請求項15に記載の積層構造体。
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