明細書 ディジタル信号処理を行う復調器 技術分野
本発明は、 直交変調された入力信号を復調するための復調器に関する。 特に、 本発明は、 ディジタル信号処理技術の適用された復調器に関する。
背景技術
L S I技術の急速な進歩に伴い、 変調速度が例えば 1 0 MH zであるような高 速な通信システムの分野において、 ディジタル信号処理技術を復調器に適用しよ うという試みがなされている。 ディジタル信号処理技術の適用された復調器 (以 下、 ディジタル復調器という。) は、 アナログ回路で構成された復調器と比較して、 種々のメリッ トを有する。 例えば、 ディジタル復調器においては、 温度 ·湿度に よる変化や経時変化がなく、 安定した品質が実現できる。 また、 ディジタル復調 器は、 L S I化することができる。 加えて、 ディジタル復調器は、 調節不要であ る一方、 仕様の変更が容易である。
ロールオフフィルタを含めた復調器の主たる機能をディジタル信号処理技術に て実現するためには、 サンプリングレートがサンプリング定理に従う必要がある。 その定理において、 サンプリング周波数は、 信号の最高周波数成分の 2倍以上で なければならない。 つまり、 変調速度が 1 0 MH zであればサンプリングレート は 2 O MH z以上でなければならず、 同様に、 変調速度が 2 O MH zであればサ ンプリングレートは 4 O MH z以上でなければならない。
そのようなサンプリングレートと同速度でディジタル復調処理を行わせるため には、 ディジタル復調器は、 非常に高速なデバイスで構成されなければならず、 また、 パイプライン処理を行うことを要求される。
しかしながら、 変調速度が高速化することに伴ってサンプリングレー卜が更に 高くなると、 デバイスの動作速度がサンプリングレートに追いつけない事態が生 じるおそれがある。 たとえば、 変調速度が 5 O M I l zを超えるようになったとす
ると、 現在の技術では、 そのようなデバイスを実現することは非常に困難である。 また、 サンプリングレー卜が高くなるにつれてパイブラィン処理の段数も増加 する。 これは、 パイプライン処理における "遅延" の増加を意味する。 このよう に遅延が増加すると、 回路規模は増大せざるを得なくなり、 また、 フィードバッ ク制御特性、 特に搬送波再生ループ特性、 の劣化を招くこととなる。
そこで、 本発明は、 上記した問題を解決すべく、 より高速な通信システムにも 適用できるディジタル復調器を提供することを目的とする。 発明の開示
本発明は、 A/ D変換された信号をシリアルパラ レル変換 (以下、 S Z P変 換) して復調処理速度を変調速度とすることにより、 上記の問題を解決すること とした。 加えて、 本発明は、 ディジタル復調処理を行う各部についても、 並列処 理が行えるように構成することとした。 具体的には、 本発明は、 以下に示す復調 器等を提供する。
本発明の一の側面によれば、 復調器は、
直交変調された I F信号を受けて、 実際の搬送波周波数と実質的に同一の周波 数を有する予測された搬送波周波数を用いてアナ口グ的に直交検波を行い、 互い に直交する第 1及び第 2の直交検波された信号を出力するアナ口グ直交検波器と、 前記第 1及び第 2の直交検波された信号を受けて、 夫々、 変調速度の 2倍若し くはそれ以上の速度で A/ D変換を行い第 1及び第 2のシリアル信号を出力する 第 1及び第 2の AZD変換器と、
前記第 1及び第 2のシリアル信号を、 夫々、 パラレルな信号の第 1及び第 2の 組に変換する第 1及び第 2のシリアルパラレル変換器であって、 前記パラレルな 信号の第 1及び第 2の組は夫々前記変調速度と同じデータレートを有する複数の 信号からなる、 第 1及び第 2のシリアルパラレル変換器と、
前記パラ レルな信号の第 1の組を前記変調速度で並列にフィルタ リ ングして、 2つのフィルタリングされた信号の第 1の対を出力するためのロールォフフィ ル クとして動作する第 1の並列 F I Iiフ 丫 ルタと
レルな信号の第 2の組を前 変調速度で ijにフ < ルク リ ングして、
2つのフィルタリングされた信号の第 2の対を出力するためのロールォフフィル 夕として動作する第 2の並列 F I Rフィルタと
を備える。
本発明の他の一の側面によれば、 復調器は、
直交変調された第 1の I F信号を受けて、 実際の搬送波周波数と実質的に同一 の周波数を有する予測された搬送波周波数との差が変調速度である所定の周波数 を用いて検波を行い、 変調速度を擬似的な搬送波周波数とする第 2の I F信号を 出力するアナログ検波器と、
前記第 2の I F信号を受けて、 夫々、 変調速度の 4倍の速度で AZ D変換を行 ぃシリアル信号を出力する A/D変換器と、
前記シリアル信号を受けて、 直交検波を行い、 パラレルな信号の第 1及び第 2 の組を出力する直交検波器であって、 前記パラレルな信号の第 1及び第 2の組は 夫々前記変調速度と同じデータレートを有する複数の信号からなる直交検波器と、 前記パラレルな信号の第 1の組を前記変調速度で並列にフィルタリングして、 2つのフィルタリングされた信号の第 1の対を出力するためのロールォフフィル タとして動作する第 1の並列 F I Rフィルタと
前記パラレルな信号の第 2の組を前記変調速度で並列にフィルタリングして、 2つのフィルタリングされた信号の第 2の対を出力するためのロールォフフィル タとして動作する第 2の並列 F I Rフィルタと
を備える。
前述の第 1及び第 2の並列 F I Rフィルタは、 例えば、 A/ D変換が変調速度 の 2倍の速度で行われた場合において、 次の第 1乃至第 3のいずれかの並列 F I Rフィルタを備えていても良い。 ここに例示された第 1乃至第 3の並列 F I Rフ ィルタは、 いずれも、 シリアルデータ信号をシリアルパラレル変換して得られる 奇数データ信号及び偶数データ信号の対を受けて、 フィルタリングされた奇数デ —タ信号及びフィルタリングされた偶数データ信号の対を出力する並列口一ルォ フフィルタとして動作するに適する並列 F I Rフィルタである。
本発明の一の側面によれば、 第 1の並列 F I Rフィルタは、
第 1乃至第 6の遅延器と、 夫々に第 1 乃至第 1 0の乗算係数の定義された第 1
乃至第 1 0の乗算器と、 第 1乃至第 6の加算器とを備えており、 そこにおいて、 前記第 1乃至第 6の遅延器は、 夫々、 所定の時間を遅延時間として有するもの であり、
前記第 1、 第 5、 第 6及び第 1 0の乗算係数は、 互いに等しく、
前記第 2、 第 4、 第 7及び第 9の乗算係数は、 互いに等しく、
前記第 3及び第 8の乗算係数は、 互いに等しく、
前記第 1及び第 4の遅延器は、 夫々、 前記奇数データ信号及び偶数データ信号 を受けるものであり、
前記第 2及び第 5の遅延器は、 夫々、 前記第 1及び第 4の遅延器の出力を受け るものであり、
前記第 3及び第 6の遅延器は、 夫々、 前記第 2及び第 5の遅延器の出力を受け るものであり、
前記第 1及び第 2の乗算器は、 前記第 1の遅延器の出力を受けるものであり、 前記第 3及び第 4の乗算器は、 前記第 2の遅延器の出力を受けるものであり、 前記第 5の乗算器は、 前記第 3の遅延器の出力を受けるものであり、
前記第 6の乗算器は、 前記第 4の遅延器の出力を受けるものであり、
前記第 7及び第 8の乗算器は、 前記第 5の遅延器の出力を受けるものであり、 前記第 9及び第 1 0の乗算器は、 前記第 6の遅延器の出力を受けるものであり、 前記第 1の加算器は、 前記第 1、 第 3及び第 5の乗算器の出力を受けるもので あり、
前記第 2の加算器は、 前記第 2及び第 4の乗算器の出力を受けるものであり、 前記第 3の加算器は、 前記第 6、 第 8及び第 1 0の乗算器の出力を受けるもの であり、
前記第 4の加算器は、 前記第 7及び第 9の乗算器の出力を受けるものであり、 前記第 5の加算器は、 前記第 1及び第 4の加算器の出力を受け、 当該第 5の加 算器の出力として、 前記フィルタリングされた奇数データ信号を出力するもので あり、
前記第 6の加算器は、 前記第 2及び第 3の加算器の出力を受け、 当該第 6の加 算器の出力として、 前 ¾!フ ィ ルタリングされた偶数データ ίΛ を出力するもので
ある。 本発明の他の一の側面によれば、 第 2の並列 F I Rフィルタは、
前記第 1及び第 2の並列 F I Rフィルタの各々は、 第 1乃至第 6の遅延器と、 夫々に第 1乃至第 6の乗算係数の定義された第 1乃至第 6の乗算器と、 第 1乃至 第 8の加算器とを備えており、 そこにおいて、
前記第 1乃至第 6の遅延器は、 夫々、 所定の時間を遅延時間として有するもの であり、
前記第 1及び第 4の乗算係数は、 互いに等しく、
前記第 2及び第 5の乗算係数は、 互いに等しく、
前記第 3及び第 6の乗算係数は、 互いに等しく、
前記第 1及び第 4の遅延器は、 夫々、 前記奇数データ信号及び偶数データ信号 を受けるものであり、
前記第 2及び第 5の遅延器は、 夫々、 前記第 1及び第 4の遅延器の出力を受け るものであり、
前記第 3及び第 6の遅延器は、 夫々、 前記第 2及び第 5の遅延器の出力を受け るものであり、
前記第 1の加算器は、 前記第 1及び第 3の遅延器の出力を受けるものであり、 前記第 2の加算器は、 前記第 1及び第 2の遅延器の出力を受けるものであり、 前記第 3の加算器は、 前記第 4及び第 6の遅延器の出力を受けるものであり、 前記第 4の加算器は、 前記第 5及び第 6の遅延器の出力を受けるものであり、 前記第 1の乗算器は、 前記第 1の加算器の出力を受けるものであり、 前記第 2の乗算器は、 前記第 2の加算器の出力を受けるものであり、 前記第 3の乗算器は、 前記第 2の遅延器の出力を受けるものであり、 前記第 4の乗算器は、 前記第 3の加算器の出力を受けるものであり、 前記第 5の乗算器は、 前記第 4の加算器の出力を受けるものであり、 前記第 6の乗算器は、 前記第 5の遅延器の出力を受けるものであり、 前記第 5の加算器は、 前記第 1及び第 3の乗算器の出力を受けるものであり、 I'jiJ記第 6の加算器は、 tW¾!第' 1 &び第 6の ¾茛 ^の出 を受けるものであり、
前記第 7の加算器は、 前記第 5の加算器と前記第 5の乗算器の出力を受け、 当 該第 7の加算器の出力として、 前記フィルタリングされた奇数データ信号を出力 するものであり、
前記第 8の加算器は、 前記第 6の加算器と前記第 2の乗算器の出力を受け、 当 該第 8の加算器の出力として、 前記フィルタリングされた偶数データ信号を出力 するものである。 本発明の他の一の側面によれば、 第 3の並列 F I Rフィル夕は、
前記第 1及び第 2の並列 F I Rフィルタの各々は、 第 1乃至第 6の遅延器と、 夫々に第 1乃至第 8の乗算係数の定義された第 1乃至第 8の乗算器と、 第 1乃至 第 6の加算器とを備えており、 そこにおいて、
前記第 1乃至第 6の遅延器は、 夫々、 所定の時間を遅延時間として有するもの であり、
前記第 1、 第 4、 第 5及び第 8の乗算係数は、 互いに等しく、
前記第 2、 第 3、 第 6及び第 7の乗算係数は、 互いに等しく、
前記第 1及び第 4の遅延器は、 夫々、 前記奇数データ信号及び偶数データ信号 を受けるものであり、
前記第 2及び第 5の遅延器は、 夫々、 前記第 1及び第 4の遅延器の出力を受け るものであり、
前記第 3及び第 6の遅延器は、 夫々、 前記第 2及び第 5の遅延器の出力を受け るものであり、
前記第 1の乗算器は、 前記第 1の遅延器の出力を受けるものであり、 前記第 2及び第 3の乗算器は、 前記第 2の遅延器の出力を受けるものであり、 前記第 4の乗算器は、 前記第 3の遅延器の出力を受けるものであり、 前記第 5及び 6の乗算器は、 前記第 5の遅延器の出力を受けるものであり、 前記第 7及び第 8の乗算器は、 前記第 6の遅延器の出力を受けるものであり、 前記第 1の加算器は、 前記第 1及び第 3の乗算器の出力を受けるものであり、 前記第 2の加算器は、 前記第 2及び第 4の乗算器の出力を受けるものであり、 前記第 3の加算器は、 記 ¾ 5 ¾び笫 7の. 算器の出 を けるものであり、
前記第 4の加算器は、 前記第 6及び第 8の乗算器の出力を受けるものであり、 前記第 5の加算器は、 前記第 2及び第 3の加算器の出力を受け、 当該第 5の加 算器の出力として、 前記フィルタリングされた奇数データ信号を出力するもので あり、
前記第 6の加算器は、 前記第 1及び第 4の加算器の出力を受け、 当該第 6の加 算器の出力として、 前記フィルタリングされた偶数データ信号を出力するもので ある。 図面の簡単な説明
図 1は、 本発明の第 1の実施例による復調器の概略的な構成を示すブロック図 であり、
図 2は、 図 1に示される並列 F I Rフィル夕の一例を示すプロック図であり、 図 3は、 図 1に示される並列 E P Sの一例を示すプロック図であり、 図 4は、 図 1に示される搬送波再生ループ中の L P Fの一例を示すブロック図 であり、
図 5は、 図 1に示される N C Oの一例を示すプロック図であり、
図 6は、 図 1に示されるクロック位相検出器の一例を示すブロック図であり、 図 7は、 図 6に示されるクロック位相検出器における位相検出を説明するため に用いられる図であり、
図 8は、 復調器の比較例を示すブロック図であり、 そこにおいては、 変調速度 の 2倍の速度で復調処理が行われている、
図 9は、 図 8に示される F I Rフィルタの構成を示す図であり、
図 1 0は、 図 8に示される E P Sの構成を示す図であり、
図 1 1は、 図 8に示される N C〇の構成を示す図であり、
図 1 2は、 図 5及び図 1 1に示される N C Oに含まれるディ レイ (F / F ) に 格納されたデータの関係を示す図であり、
図 1 3は、 図 8に示されるクロック位相検出器の構成を示す図であり、 図 1 4は、 図 1に示される並列 F I Rフ ィ ルタの他の- -の例を示すプロック図 であり、
図 1 5は、 図 1に示される並列 F I Rフィル夕の他の一の例を示すプロック図 であり、
図 1 6は、 サンプリングレー卜が変調速度の 4倍である場合における並列 F I
Rフ ィルタの例を示すブロック図であり、
図 1 7は、 図 1 6に示される並列 F I Rフィルタの変形例を示す図であり、 図 1 8は、 本発明の第 2の実施例による復調器の概略的な構成を示すブロック 図であり、
図 1 9は、 図 1 8に示される直交検波器の一例を示す図であり、
図 2 0は、 本発明の第 3の実施例による復調器の概略的な構成を示すプロック 図である。 発明を実施するための最良の形態
図 1に示されるように、 本発明の第 1の実施例による復調器は、 準同期検波方 式のものである。
図示された復調器は、 直交変調された I F信号を受けて、 まず、 アナログ的に 直交検波を行う。 I F信号は、 2つに分岐される。 2つの分岐された信号の一方 は、 ミキサ 1 1において、 局部発振器 1 2から出力された搬送波周波数 f cとほ ぼ同じ周波数 f c ' を有する L 0信号と乗算され、 ローパスフィルタ 2 1に通さ れる。 分岐された信号の他方は、 ミキサ 1 0において、 局部発振器 1 2から出力 された L o信号を ττ Ζ 2だけ位相シフトして得られる信号と乗算され、 口一パス フィルタ 2 0に通される。 口一パスフィルタ 2 0及び 2 1 においてフィルタリン グされた信号は、 互いに直交するベースバンド (Β Β ) 信号となる。 これらの信 号チャネルは、 夫々、 P c h及び Q c hと呼ばれる。 それら信号は、 夫々、 I成 分及び Q成分、 又は、 実成分及び虚成分と呼ばれることもある。
ここで、 周波数 f c ' は、 予測された搬送波周波数であり、 厳密には周波数 f cと周波数 f c ' は一致していない。 従って、 アナログ的な直交検波の出力には、 それらの周波数の差分に相当する位相の回転が含まれている。
AZ D変換器 3 0、 3 1 は、 夫々、 Pチャネル及び Qチャネルの直交検波され た信号を受けて、 A . Z D変換し、 それぞれ複数ビ ノ トを 'するン リ アル ί, ΐ を出
力する。
ロールォフフィルタをディジタル信号処理回路により構成するために、 AZD 変換器 30、 31に供給されるサンプリングクロックの周波数は、 標本化定理に 従うようにして定められる。 本実施例において、 サンプリングレートは、 変調速 度 f sの 2倍である。 変調速度 f sが回路の仕様から定まる動作速度を考慮して 相対的に低い場合、 サンプリングレートは、 4 f s又は 8 f sであっても良い。
SZP変換器 40は、 A/D変換器 30から出力される Pチャネルのシリアル 信号を受けて、 1対 2のデータ比で SZP変換を行い、 Pチャネルの奇数データ 信号及び偶数データ信号の対を出力する。 例えば、 連続したシリアルデータビッ Dn (n= l、 2、 3、 · · ·) は、 奇数データビッ ト D^—!及び偶数データビ ッ ト D2 nに分けられる。 これら奇数データ信号及び偶数データ信号は、 夫々、 変調速度 f sと同じ信号レートを有する。 同様に、 SZP変換器 41は、 Qチヤ ネルの奇数デ一タ信号及び偶数デー夕信号の対を出力する。
並列 F I Rフィル夕 50は、 ロールオフフィルタとして動作し、 Pチャネルの 奇数データ信号及び偶数データ信号を並列的にフィルタリングし、 Pチャネルの フィルタリングされた奇数データ信号及び偶数データ信号を出力する。 並列 F I Rフィルタ 51も同様にして、 Qチャネルの奇数データ信号及び偶数データ信号 に対して、 フィルタリング処理を行い、 Qチャネルのフィルタリングされた奇数 データ信号及び偶数データ信号を出力する。
図 2を参照すると、 並列 F I Rフィルタ 50の一例は、 第 1乃至第 6の遅延器 101〜106と、 夫々に第 1乃至第 10の乗算係数 Cの定義された第 1乃至第 10の乗算器 201〜21 0と、 第 1乃至第 6の加算器 301〜306とを備え ている。 第 1乃至第 6の遅延器 101〜 106は、 変調速度 f sの逆数に等しい 時間 (T= lZf s) を遅延時間として有するものである。
並列 F I Rフィルタ 50がロールオフフィルタとして動作するために、 乗算係 数は、 フィルタの離散的なイ ンパルス応答値となる。 詳しくは、 第 1、 第 5、 第 6及び第 1 0の乗算器における乗算係数は、 互いに等しく (C一 2=C + 2)、 第 2、 第 4、 第 7及び第 9の乗算器における乗算係数は、 互いに等しい (C— 1 = C+ l )。 また、 第 3/ び第 8の¾算器における . 係敉は、 ^いに しい , c ί)
0)。 なお、 本実施例において、 並列 F I Rフィルタ 51は、 並列 F I Rフィルタ 50と、 同一の構成を有し且つ同じように動作する。
更に詳細に、 第 1及び第 4の遅延器 101、 104は、 夫々、 奇数データ信号 D^ 及び偶数データ信号 D2nを受ける。 第 2及び第 5の遅延器 102、 105 は、 夫々、 第 1及び第 4の遅延器 101、 104の出力を受ける。 第 3及び第 6 の遅延器 103、 106は、 夫々、 第 2及び第 5の遅延器 102、 105の出力 を受ける。
第 1及び第 2の乗算器 201、 202は、 第 1の遅延器 101の出力を受ける。 第 3及び第 4の乗算器 203、 204は、 第 2の遅延器 102の出力を受ける。 第 5の乗算器 205は、 第 3の遅延器 103の出力を受ける。 第 6の乗算器 20 6は、 第 4の遅延器 104の出力を受ける。 第 7及び第 8の乗算器 207, 20 8は、 第 5の遅延器 105の出力を受ける。 第 9及び第 10の乗算器 209、 2 10は、 第 6の遅延器 106の出力を受ける。
第 1の加算器 301は、 第 1、 第 3及び第 5の乗算器 201、 203、 205 の出力を受ける。 第 2の加算器 302は、 第 2及び第 4の乗算器 202、 204 の出力を受ける。 第 3の加算器 303は、 第 6、 第 8及び第 1◦の乗算器 206、 208、 210の出力を受ける。 第 4の加算器 304は、 第 7及び第 9の乗算器 207、 209の出力を受ける。 第 5の加算器 305は、 第 1及び第 4の加算器 301、 304の出力を受け、 該第 5の加算器 305の出力として、 フィルタリ ングされた奇数データ信号を出力する。 第 6の加算器 306は、 第 2及び第 3の 加算器 302、 303の出力を受け、 該第 6の加算器 306の出力として、 フィ ル夕リングされた偶数データ信号を出力する。
換言すると、 奇数データ信号及び偶数データ信号を処理する回路は夫々 5つの タップ 201〜 205、 206〜210を持つ。 5つのタップ 201〜 205は、 第 1、 第 3及び第 5のタップ 20 1、 203、 205の組と、 第 2及び第 4の夕 ップ 202、 204の組とに分けられている。 各組は、 タ ップ間隔が 2となるよ うにして構成されている。 タップ 206〜2 1 0も同様にして、 第 6、 第 8及び 第 1 0のタソプ 206、 208、 2 1 0の組と、 第 7及び第 9のタ ップ 207、 209の組とに 、けられている.: 各々の糸 II.のク ·'プ出力は、 対応する Π 0
1、 302、 304、 304にて加算される。 タップが重ならないようにして、 奇数データ信号に対応するタップの組と偶数データ信号に対応するタップの組と の組み合わせが選択され、 それらの加算結果は加算される。 その結果、 加算器 3 05から 0,〜05に対する演算結果が出力されているときに、 加算器 306から D2〜D6に対する演算結果が出力される。 つまり、 並列 F I Rフィルタは、 速度 f sの演算によって、 5つの連続した入力データビッ ト D Di + 1、 D] +2、 D ]+3、 D]+4 (jは整数) に対応した出力を生成する。
再び図 1を参照して、 並列 E P S (En d l e s s Ph a s e Sh i f t e r ) 60、 搬送波用の位相検出器 6 1、 ループフィルタ 62、 NC 0 (Nume r i c a l C o n t r o l l e d O s c i l l a t o r) 63は、 搬送波再 生ループを構成する。 このうち、 搬送波用の位相検出器 6 1、 ループフィルタ 6
2、 NC063は、 搬送波に関する位相誤差を示す誤差信号を生成する。
詳しくは、 並列 EPS 60は、 Pチャネルのフィルタリングされた奇数データ 信号及び偶数データ信号の対と、 Qチャネルのフィルタリングされた奇数データ 信号及び偶数データ信号の対とを受けて、 誤差信号を用いて移相を行い、 第 1乃 至第 4の移相された信号を出力する。 第 1及び第 2の移相された信号は、 Pチヤ ネルのフィルタリングされた奇数データ信号及び偶数データ信号に対応するもの であり、 第 3及び第 4の移相された信号は、 Qチャネルのフィルタリングされた 奇数データ信号及び偶数データ信号に対応するものである。 このようにして、 並 列 EP S 60は、 変調速度 f sと等しい処理速度で、 アナログ的な直交検波にお いて残っていた位相のずれ (回転) を除去する。
図 3を参照すると、 並列 EPS 60は、 奇数データ信号 (D2n— 用及び偶数 データ信号 (D2n) 用の 2つの複素乗算器を備えている。 2つの複素乗算器は、 夫々、 奇数データ信号 (D2n 及び偶数データ信号 (D2n) に対応している。 奇数データ信号 (D2n— を処理する複素乗算器は、 乗算器 2 1 1〜2 14と、 減算器 3 1 1、 及び加算機 3 1 2を有し、 NC063から奇数データ信号 (D2n
,) に対応する誤差信号として入力された第 1のデ ジタル搬送波信号 C ARR 1を用いて、 位相のずれを除去する。
,Ιΐ:しくは、 ίϋ算器 2 1 1は、 羊 ャ ネ 'レの ¾チー ク ίΓ; .に 寸して^ 1のディ
ジタル搬送波信号 CARR 1のコサイン成分を乗算し、 乗算器 2 1 3は、 Qチヤ ネルの奇数データ信号に対して第 1のディジタル搬送波信号 C ARR 1のサイン 成分を乗算する。 減算器 3 1 1は、 乗算器 2 1 1の出力から乗算器 2 1 3の出力 を減算し、 位相回転の除去された Pチャネルの奇数データ信号を出力する。 同様 に、 乗算器 2 1 4は、 Qチャネルの奇数データ信号に対して第 1のディジタル搬 送波信号 C ARR 1のコサイン成分を乗算し、 乗算器 2 1 2は、 Pチャネルの奇 数データ信号に対して第 1のディジタル搬送波信号 CARR 1のサイン成分を乗 算する。 加算器 3 12は、 乗算器 214の出力と乗算器 2 1 2の出力とを加算し、 位相回転の除去された Qチャネルの奇数データ信号を出力する。
偶数データ信号 (D2n) を処理する複素乗算器は、 乗算器 2 1 5〜2 18と、 減算器 31 3、 及び加算機 3 1 4を有し、 NCO 63から偶数データ信号 (D2 n) に対応する誤差信号として入力された第 2のディジタル搬送波信号 CARR2 を用いて、 位相のずれを除去する。 その動作は、 奇数データ信号の処理の場合と 同様である。
このようにして、 並列 EPS 60は、 Pチャネル及び Qチャネルの奇数データ 信号の組と、 Pチャネル及び Qチャネルの偶数データ信号の組とを出力する。 こ れら 2つの並列な出力組のうち、 アイパターンの開口部に対応するタイミングの 信号が Pチャネル及び Qチャネルの復調された信号となる。
再び図 1を参照して、 搬送波位相検出器 63は、 Pチャネル及び Qチャネルの 復調された信号をモニタして、 それら復調された信号の基準点からの位相のずれ を検出する。 この搬送波位相検出器 63の動作速度は、 変調速度 f sと等しい。 搬送波位相検出器 63により検出された位相のずれは、 ル一プフィルタ 62を 通り、 NCO 63に伝達される。
図 4を参照すると、 図示されたループフィルタ 62は、 2次の完全積分型であ り、 2つの乗算器 22 1、 222、 2つの加算器 32 1、 322、 及びディ レイ 1 1 1 とを備えている。 乗算器 22 1及び 222は、 夫々、 位相検出器 63の出 力と、 ループ特性を決めるパラメータであるひ、 iSとの乗算を行う。 乗算器 2 1 1の出力は、 更に、 加算器 32 1及びディ レイ 1 1 1 により累積加算される。 す なわち、 り Π算器 32 1及びディ レイ 1 1 1は積分器を構成する Π算 322は、
ディ レイ 1 1 1の出力と乗算器 222の出力とを加算して、 ル一プフィルタ 62 の出力を生成する。 本実施例において、 このループフィルタにおける処理速度は、 変調速度 f sに等しい。
図 5を参照すると、 NC063は、 加算器 323、 324、 ディ レイ 1 1 2、 1 1 3及び ROM401、 402を備え、 並列処理に適するように構成されてい る。 加算器 323, 324及びディ レイ 1 1 2、 1 1 3は、 一方の出力が他方の 出力に影響を与えるような 2つの累積加算器を形成している。 ループフィルタ 6 2の出力は周波数に対応したものであるけれど、 この累積加算器により、 ループ フィルタ 62の出力は積分され、 位相に対応した量に変換される。 ROM 120、 1 2 1は、 位相と、 それに対応するようにして予め計算されたディジタル搬送波 信号 C ARR 1、 CAR R 2のデータ、 詳しくはサイン ' コサイン成分のデータ とを関連付けて格納している。 実際には、 ROM 1 20、 1 21は、 互いに同じ 内容を有する。 このような ROM1 20、 1 2 1に対してディ レイ 1 1 2、 1 1 3から位相が与えられると、 R〇M1 20、 12 1は、 その与えられた位相をァ ドレスとして、 対応するディジタル搬送波信号 C ARR 1、 CARR2を出力す る。 このディジタル搬送波信号 C ARR 1、 CARR2は、 前述のように、 NC 063に供給される。
再び図 1を参照すると、 クロック位相検出器 70、 ループフィルタ 7 1、 D/ A変換器 72、 VC〇73、 A/D変換器 30、 31、 SZP変換器 40、 41、 並列 F I Rフィルタ 50、 5 1及び並列 EP S 60は、 クロック同期ループを構 成する。
図 6を参照すると、 ク口ック位相検出器 70は、 ディ レイ 1 2 1〜 1 24、 E X— ORゲート 50 1〜 504、 〇Rゲート 505及び F/F 5 1 0を備えてい る。
このうち、 ディ レイ 1 2 1及び EX— ORゲート 5◦ 1は、 主として、 Pチヤ ネルのクロッ ク位相を得るための条件を検出する役割を果たす。 一方、 ディ レイ 1 23及び E X— 0 Rゲート 503は、 主として、 Qチャネルのクロ ッ ク位相を 得るための条件を検出する役割を果たす。 チヤ ネル及び Qチャネルのいずれに i しても、 クロック位相を^るための条件は、 迚統する 3つのデータ^ のうち、
一番目のデータ信号と三番目のデータ信号の極性が逆であることである。 すなわ ち、 連続する 3つのデータ信号を D 1、 D 2、 D3とすると、 D 1 と D 3の MS Bが互いに異なれば良い。 図示されたクロック位相検出器 7◦においては、 奇数 データ信号 (D 2 n— 1 ) の MS Bを参照して、 条件の判定を行っている。
ディ レイ 1 22及び EX— ORゲート 502は、 ディ レイ 1 2 1 と共に、 主と して、 Pチャネルのクロック位相情報を検出する役割を果たす。 同様に、 ディ レ ィ 1 24及び EX— ORゲート 504は、 ディ レイ 1 23と共に、 主として、 Q チャネルのクロック位相情報を検出する役割を果たす。 具体的には、 Pチャネル 及び Qチャネルのいずれに関しても、 クロック位相検出器 70は、 02と131と が同じ極性であれば位相が進んでいると判定し、 D 2と D 1とが異なる極性であ れば位相が送れているものと判定し、 その判定結果を位相情報として生成する。 特に、 本実施例におけるクロック位相検出器 70においては、 ORゲート 50 5が EX— ORゲート 50 1及び 503の出力の ORを、 前述の条件を満たして いるか否かを示す情報として、 出力している。 これにより、 Pチャネル若しくは Qチャネルのいずれか一方、 又はその双方に関して、 前述の条件が満たされてい るとき、 ORゲート 505の出力は "1 (有効)" を示す。
図 7に、 3つの連続するデータ信号 D 1〜D 3とアイパターンとの関係が示さ れている。 AZD変換器 30 (3 1 ) においてサンプリングされた D 1〜D 3は、 サンプリング周期 T sZ2 1 /2 f s) 毎に現れる。 その後、 SZP変換器 40 (4 1 ) によりシリアルパラレル変換されると、 D 1 と D 2とはパラレルに なる一方、 D 1と D 3との間隔は T sのままである。 D 1 と D 3との極性が逆で あれば、 その間のどこかにゼロクロス点がある。 上述したようにして検出された 位相情報を用いてクロック制御を行うと、 D 2に対応するク口ック位相がゼロク ロス点となるように調整される。
ループフィルタ 7 1は、 クロック位相検出器 70の出力が 「有効」 を示してい るときにのみ、 FZF 5 1 0から出力される位相情報に応じて、 フィルタ動作を 行う。 ル一ブフィル夕 7 1 自体は、 搬送波再生ループ中のループフ ィ ル夕 62と 同様にして機能するため、 図 4に される回路構成をおする。 ただし、 ルーブフ ィ ル夕 7 1 と 'レーブフイルク 62ヒはル一ブ特件 .が ¾なるため、 それらの係数 a、
|3は必ずしも同じではない。
VC〇 73は、 D/A変換器 72を通してループフィルタ 71の出力を受けて、 サンプリングクロックを生成し、 AZD変換器 30、 31に供給する。 配置から 明らかなように、 図示された VC〇 73は、 アナログ回路である。 これは次のよ うな理由による。 クロック同期をディジタル信号処理にて行うためには、 変調速 度 f sよりはるかに高い周波数のクロックを用いる必要がある。 このため、 変調 速度 f sが例えば 10 MHzを超える場合、 VCOをディジタル化することが困 難となる。 なお、 変調速度 f sが低周波数であれば、 D/A変換器 72及び VC 073に代えて、 ディジタル VCOを用いても良い。
このようにして、 位相検出器 70がアナログベースバン ド信号とサンプリング クロックの位相関係を検出し、 その検出結果に従って、 VC073の発振周波数 が制御されることにより、 クロック位相は、 常に、 サンプリングに最適な位相と なる。 かかるクロック位相制御は、 例えば、 日本国特許第 2848420号に開 示されており、 その内容は参照されることにより本明細書の一部をなす。
以上説明したように、 第 1の実施例による復調器は、 AZD変換後に S/P変 換を行うことで、 復調処理をサンプリングレート 2 f sではなく変調速度 f sに 等しい速度で行うことができる。
明確にするために、 図 8に示される復調器を比較例として説明する。 比較例の 復調器は、 AZD変換後において、 SZP変換を行っていない。 そのため、 F I Rフィルタ 52、 53や EPS 65などは、 サンプリングレート 2 f sで動作し ている。
詳しくは、 F I Rフィルタ 52は、 図 9に示されるように、 ディ レイ 601〜 605と、 乗算器 701〜705と、 加算器 801とを備える。 ディ レイ 601 〜605における遅延時間は、 変調速度 f sの逆数ではなく、 サンプリングレー ト 2 f sの逆数に等しい。 すなわち、 F I Rフ ィ ルタ 52は、 図 2に示される並 列 F I Rフィルタ 5◦の 2倍の速度で動作する。
また、 E P S 65は、 図 1 0に示されるように、 乗算器 71 1〜 7 14、 減算 器 8 1 1及び加算器 81 2を冇する ^一の複素乗算 からなる。 この複素乗算器 の人出力信号のデータ レートは変,調迚^の 2 てある。 すなわち、 EPS65は、
図 3に示される並列 E P S 6 0の 2倍の速度で動作する。
それゆえ、 N C 0 6 8は、 E P S 6 5に対して 2 f sのデータレートで搬送波 信号 C A R Rを供給するために、 図 1 1に示されるように、 2 f sのクロックで 動作する必要がある。 詳しくは、 N C 0 6 8は、 加算器 8 1 3、 ディ レイ 6 1 1、 及び R O M 4 1 0を有する。 加算器 8 1 3は、 ディ レイ 6 1 1の出力を累積加算 し、 これにより加算器 8 1 3とディ レイ 6 1 1は積分器を形成する。 R O M 4 1 0に格納される情報は、 図 5に示される R O M 4 0 1、 4 0 2に格納される情報 と同一である。
図 1 2を参照すると、 図 1 1におけるディ レイ 6 1 1に保持されるデータと、 図 5に示されるディ レイ 1 1 2、 1 1 3に保持されるデータとの関係が示されて いる。 図 1 2から理解されるように、 図 1 1におけるディ レイ 6 1 1の保持する 奇数番目のデータは、 図 5におけるディ レイ 1 1 2が保持しており、 図 1 1にお けるディ レイ 6 1 1の保持する偶数番目のデータは、 図 5におけるディ レイ 1 1 3が保持している。
再び図 8を参照すると、 E P S 6 5の後段には間引き回路 6 6、 6 7が設けら れている。 E P S 6 5の出力は、 間引き回路 6 6、 6 7により一サンプルごとに 間引かれ、 復調された信号となる。
図 1 3を参照すると、 クロック位相検出器 7 4の構成が示されている。 クロッ ク位相検出器 7 4は、 基本的に、 クロック位相検出器 7 0と同機能を有する。 た だし、 クロック位相検出器 7 4に対する入力は、 クロック位相検出器 7 0に対す る入力と比較して 2倍のデータレー卜を有するため、 クロック位相検出器 7 4は、 二分周回路 5 3 0の正相出力と逆相出力とで、 奇数番目のデータ信号に対応する ディ レイと、 偶数番目のデータ信号に対応するディ レイとを交互に動作させて、 データレー卜を変調速度まで落とし、 条件判定と位相情報の検出を行っている。 このように、 図 8に示される復調器は、 ロールオフフ ィ ルタ、 搬送波再生ルー プ、 クロック同期ループのいずれにおいても、 変調速度の 2倍の速度で動作させ なければならない構成要素を有するか、 図 1 に示される復調器は、 全ての構成要 #を変調速度と等し 、速度で動作させることができる。 従って、 図 8に される ί 周器より 1 に示される 調 の.な 、 「,¾な通 ン ス 厶に適している,:
1 (;
ここで、 並列 F I Rフィルタ 50、 51の他の例について、 図 14乃至図 1 7 を用いて説明する。
図 14に示される並列 F I Rフィルタは、 図 2に示される並列 F I Rフィルタ の変形である。 ロールオフフィルタとして動作するために、 並列 F I Rフィルタ 50においては、 乗算器の係数が次の条件を満たしていた : C + n = C— n 図 14に示される並列 F I Rフィルタにおいては、 図 2に示される乗算器のうち、 同じ値の乗算係数を有する乗算器の入力を前もつて加算することにより、 乗算器 の個数を削減している。 この結果、 例えば、 2 n+ 1個のタップを有する直列 F I Rフィルタと同じ機能を有する並列 F I Rフィルタを構成する場合、 図 2に示 される並列 F I Rフィルタと同様にして実現しょうとすると、 4 n + 2個のタツ プが必要とされるが、 図 1 4に示される並列 F I Rフィルタと同様にして実現し ようとすると、 2 n + 2個のタップを備えていれば良い。
具体的には、 図 14に図示された並列 F I Rフィルタは、 第 1乃至第 6の遅延 器 1 01〜 1 06と、 第 1乃至第 6の乗算器 23 1〜236と、 第 1乃至第 8の 加算器 331〜338とを備えている。 第 1乃至第 6の遅延器 1 0 1〜 1 06は、 図 2に示されるものと同じものであり、 その遅延時間は、 T= l/f sである。 また、 第 1及び第 4の乗算器 23 1、 234の係数は、 互いに等しく、 第 2及び 第 5の乗算器 232、 235の係数は、 互いに等しい。 更に、 第 3及び第 6の乗 算器 233、 236の係数は、 互いに等しい。
第 1及び第 4の遅延器 1 0 1、 104は、 夫々、 奇数データ信号 (D2n— 及 び偶数データ信号 (D2n) を受ける。 第 2及び第 5の遅延器 1 02、 1 05は、 夫々、 第 1及び第 4の遅延器 1 0 1、 1 04の出力を受ける。 第 3及び第 6の遅 延器 1 03、 1 06は、 夫々、 第 2及び第 5の遅延器 1 02、 1 05の出力を受 ける。
第 1の加算器 33 1は、 第 1及び第 3の遅延器 1 0 1、 1 03の出力を受ける。 第 2の加算器 332は、 第 1及び第 2の遅延器 1 0 1、 1 02の出力を受ける。 第 3の加算器 333は、 第 4及び第 6の遅延器 1 04、 1 06の出力を受ける。 第.4の加算器 334は、 第 5及び第 6の遅延器 1 05、 1 06の出力を受ける.:
¾ 1の乗算器 23 1 は、 ¾ 1 のり 3 1 の出 を' ける ¾2の ¾??; 2
32は、 第 2の加算器 332の出力を受ける。 第 3の乗算器 233は、 第 2の遅 延器 102の出力を受ける。 第 4の乗算器 234は、 第 3の加算器 333の出力 を受ける。 第 5の乗算器 235は、 第 4の加算器 334の出力を受ける。 第 6の 乗算器 236は、 第 5の遅延器 105の出力を受ける。
第 5の加算器 335は、 第 1及び第 3の乗算器 231、 233の出力を受ける。 第 6の加算器 336は、 第 4及び第 6の乗算器 234、 236の出力を受ける。 第 7の加算器 337は、 第 5の加算器 335と第 5の乗算器 235の出力を受 け、 該第 7の加算器 337の出力として、 フィルタリングされた奇数データ信号 を出力する。 第 8の加算器 338は、 第 6の加算器 336と第 2の乗算器 232 の出力を受け、 該第 8の加算器 338の出力として、 フィルタリングされた偶数 データ信号を出力する。
図 2及び図 14に示される並列 F I Rフィルタは、 タップの個数が奇数のタイ プであったが、 図 15に示される並列 F I Rフィルタは、 タップの個数が偶数の タィプである。 特に、 図 1 5に示される並列 F I Rフィルタは、 速度 f sの演算 によって、 4つの連続した入力データビッ ト D 、 D J + 1, Di+2、 D J+3 (jは 整数) に対応した出力を生成する。
詳しくは、 図 15に示された並列 F I Rフィルタは、 第 1乃至第 6の遅延器 1 01〜 106と、 第 1乃至第 8の乗算器 241〜248と、 第 1乃至第 6の加算 器 341〜346とを備えている。 第 1乃至第 6の遅延器 101〜 106は、 図 2に示されるものと同じものであり、 その遅延時間は、 T= l/f sである。 ま た、 第 1、 第 4、 第 5及び第 8の乗算器 241、 244、 245、 248の係数 は、 互いに等しく、 第 2、 第 3、 第 6及び第 7の乗算器 242、 243、 246、 247の係数は、 互いに等しい。
第 1及び第 4の遅延器 101、 104は、 夫々、 奇数データ信号 (D2n ) 及 び偶数データ信号 (D2n) を受ける。 第 2及び第 5の遅延器 1 02、 1 05は、 夫々、 第 1及び第 4の遅延器 1 0 1、 i 04の出力を受ける。 第 3及び第 6の遅 延器 1 03、 1 06は、 夫々、 第 2及び第 5の遅延^ 1 02、 1 05の出力を受 ける。
第 1の乗 ΙΪ器 24 1は、 1 1 0 1の出 を' ける 2及び ; 3の
1S
乗算器 242、 243は、 第 2の遅延器 102の出力を受ける。 第 4の乗算器 1 04は、 第 3の遅延器 103の出力を受ける。 第 5及び 6の乗算器 105、 10 6は、 第 5の遅延器 105の出力を受ける。 第 7及び第 8の乗算器 107、 10 8は、 第 6の遅延器 106の出力を受ける。
第 1の加算器 341は、 第 1及び第 3の乗算器 241、 243の出力を受ける。 第 2の加算器 342は、 第 2及び第 4の乗算器 242、 244の出力を受ける。 第 3の加算器 343は、 第 5及び第 7の乗算器 245、 247の出力を受ける。 第 4の加算器 344は、 第 6及び第 8の乗算器 246、 248の出力を受ける。 第 5の加算器 345は、 第 2及び第 3の加算器 342、 343の出力を受け、 該第 5の加算器 345の出力として、 フィル夕リングされた奇数データ信号を出 力する。 第 6の加算器 346は、 第 1及び第 4の加算器 341、 344の出力を 受け、 該第 6の加算器 346の出力として、 フィルタリングされた偶数データ信 号を出力する。
図 2、 図 14、 図 15に示された並列 F I Rフィルタは、 二並列処理を行うも のであり、 例えばサンプリングレー卜が変調速度の 2倍である場合に採用するこ とができるものである。 これに対して、 図 16に示された並列 F I Rフィルタは、 四並列処理を行うものであり、 例えばサンプリングレー卜が変調速度の 4倍であ る場合に採用することができるものである。
サンプリングレートが変調速度の 4倍である場合、 SZP変換器は、 1 : 4の データ比で 1つのシリアル信号を 4つのパラレルな信号 D4n— 3、 D4n— 2、 D4n_ い D4nの組に変換する。
図 16に示される並列 F I Rフィルタは、 4つのパラレルな信号 D4n— 3、 D4n — 2、 D4n—い D4nに対して、 夫々、 1 1個のタップを有している。 1 1個の夕 ップは、 夫々、 4つの組に分けられている。 各組は、 タップ間隔が 4となるよう にして構成されている。 計 16組のタップ出力は、 最終段に設けられている 4つ の加算器のいずれかにて加算される。 その際、 各組を構成するタップの係数が重 ならないようにして、 各段からク ップの組が一組ずつ選択されて組み合わせられ ている。 このような構成とするこヒにより、 最終段の.1つの加算器からは、 同時 に、 例えば、 D^D! D 1) 」、 : [);〜 D ; ;に対する ·
1;)
が出力される。 このように、 図 1 6に示される並列 F I Rフィルタは、 速度 f s の演算によって、 1 1つの連続した入力データビッ トに対応した出力を生成する。 図 16に示される並列 F I Rフィルタの出力は、 4本ある。 並列 F I Rフィル タの後段に設けられる EP Sには、 この 4本の信号のうちの 2本の信号を入力す れば、 その出力段でクロック位相情報を得ることができる。 例えば、 図 16にお いて、 D
4n—
3及び
のみ又は D
4n_
2及び D
4nのみを E P Sに入力すること とすれば、 EPSは、 上述した構成のままで良い。 この場合において、 選択され なかった D
4n_
2及び D
4n又は D
4n_
3及び の組み合わせは、 例えば、 破棄 される。
図 1 7を参照すると、 図示された並列 F I Rフィルタは、 D4n_3及び の出力が選択されずに破棄される条件の下、 図 16に示される並列 F I Rフィル タを変形した変形例である。 図 17に示された並列 F I Rフィルタは、 図 16に 示される並列 F I Rフィルタにおいて、 D4n_3及び の出力にのみ関連す る乗算器、 加算器及び遅延器が省略された構成を有する。 この並列 F I Rフィル 夕に対し、 図 14に示されるような簡略化手法を適用することもできる。
以下、 図 18及び図 1 9を用いて、 本発明の第 2の実施例による復調器につい て説明する。 図 18に示される復調装置において、 局部発振器 13から出力され る信号の周波数は、 f c' — f sである。 この信号は、 搬送波周波数 f cの I F 信号とミキサ 10で乗算される。 これにより、 搬送波周波数 f cの I F信号は、 周波数変換され、 擬似的な搬送波周波数として変調速度 f sを有する I F信号と なる。 ここで局部発振器 13から出力される信号の周波数を f c' + f sとして も良い。 この場合、 後の処理において位相の回転方向を補正する必要がある。 このような擬似的な搬送周波数 f sの〖 F信号は、 ローパスフィルタ 20を通 過した後、 AZD変換器 30においてサンプリングされる。 図 18に示されるよ うに、 AZD変換器 30におけるサンプリングレートは、 4 f sである。 このよ うにしてサンプリングされたデータシーケンスは、 直交検波器 80に入力される。 直交検波器 80は、 このデータシーケンスを処理して、 それぞれデータレート が f sである P c h0dd、 P c hEveri、 Qc h0d,!、 Q c h Evenの 4個の並列な ベースバン ド ifl"号を出力する.—
詳しくは、 周波数が f sである I F信号を 4 f sのクロックでサンプリングす ると、 s i n、 c o sの関係から Pチャネルと Qチャネルの 2 f sの BB信号を 得ることができる。 即ち、 直交検波を行うことができる。 ここで、 搬送波の 1周 期内において、 搬送波のサイン成分及びコサイン成分は、 それぞれ 2回ずつ "0" となる。 そのとき他方は "1" もしくは "_ 1" を示す。 すなわち、 搬送 波のサイン成分又はコサイン成分のいずれかが "0" となるタイミングでサンプ リングすると、 その出力は、 P、 Q、 P (BAR), Q (BAR), P、 Q、 · · · となる。 ここで、 (BAR) は、 その信号が反転信号であることを示す。
図 19を参照すると、 直交検波器 80は、 上述した原理に基づいてディジタル 信号処理を行う。 図示された直交検波器 80は、 S/P変換機能をも有する。 そ の直交検波器 80は、 AZD変換器 30から出力された 4 f sのデータレートを 有するシリアルデータシーケンスを、 遅延器 901〜 904により、 4つのパラ レルなデータシーケンスの組に変換する。 このうち遅延器 904、 902の出力 が Pチャネルの信号であると仮定すると、 遅延器 903、 901の出力が Qチヤ ネルの信号となる。 この Pチャネル及び Qチャネルの信号は、 それぞれ、 速度 sで動作する遅延器 905、 906に入力され、 速度変換される。 更に、 遅延器 905の出力の一方は、 反転器 907において反転される。 同様に、 遅延器 90 6の出力の一方は、 反転器 908において反転される。 このようにして、 直交検 波器 80は、 互いに並列な 2つの Pチャネル信号及び 2つの Qチャネル信号を出 力する。
直交検波器 80の後段における信号処理は、 前述の第 1の実施例における信号 処理と同様にして行われる。 従って、 第 2の実施例による復調器は、 例えば、 口 ールオフフィルタとして、 図 2、 図 14、 図 15、 図 1 6及び図 1 7のいずれか に示される並列 F I Rフィルタを採用することができる。
以上説明したように、 第 2の実施例による復調器においては、 第 1の実施例に よる復調器と異なり、 直交検波をディ ジタル信号処理で行っている。 加えて、 デ ィ ジタル信号処理の直交検波のために、 サンプリ ング周波数は変調速度の 4倍と なっているが、 ロールオフマイ ルマを含めた後段の処理は、 変調速度と Mじ速度
次に、 図 2 0を用いて、 本発明の第 3の実施例による復調器について説明する。 前述の第 1及び第 2の実施例による復調器は準同期検波型のものであるが、 図 2 0に示される復調器は準同期検波型のものではな 、。
図 2 0に示される復調器は、 A Z D変換器 3 0、 3 1の入力においてアイパ夕 ーンが開いている同期検波型のものである。 従って、 図 2 0に示される復調器に おいて E P Sは設けられていない。 この例においても、 ロールオフフィルタ 5 0、 5 1、 クロック位相検出器 7 0はディジタル信号処理を行っている。
ここで、 図 2 0に示される搬送波再生ループ中のループフィルタ 9 2は、 アナ ログ回路で構成されていることに注意されたい。 しかしながら、 搬送波位相検出 器 9 1及びループフィルタ 9 2をディジタル化し、 ループフィルタ 9 2の後段に D /A変換器を設けることとしても良い。 他の構成要素及びその動作については、 前述の第 1の実施例と同様である。 従って、 第 3の実施例による復調器は、 例え ば、 ロールオフフィルタとして、 図 2、 図 1 4、 図 1 5、 図 1 6及び図 1 7のい ずれかに示される並列 F I Rフィルタを採用することができる。
本発明は、 その好ましい実施例により具体的に示され且つ説明されてきたが、 本発明の範囲及び概念の範囲内において種々変形可能なことは当業者により理解 されるところである。 たとえば、 上述した第 1及び第 2の実施例においては、 E P Sの出力を用いてクロック同期を行っていたが、 ロールォフフィルタの出力を 用いてクロック同期を行うこととしても良い。 この場合、 クロック位相検出器 7 0に対して 2つのロールオフフィルタの計 4つの出力の M S Bをクロック位相検 出器 7 0に入力することを除き、 ループフィルタ 7 1、 0 // 変換器7 2などの 構成を変える必要はない。 産業上の利用可能性
以上説明したように、 本発明によれば、 復調器内におけるディ ジタル処理速度 は、 変調速度 f sに等しく なる。 従って、 本発明による復調器は、 高速な通信シ ステ厶にも適用することができる。 加えて、 復調器内におけるディ ジタル ¾理速 度の低下に従い、 パイプライン ¾ !における段敉も減らす二とができ、 その結 ¾、 復調器においては、 ΐ'-Ί路 'え: ; !iij御ルーマ内の a延が低 される