発明の名称
芳香族ポリ カーボネー ト 一 スチレン重合体系樹脂組成物
発明の背景
技術分野
本発明は芳香族ポリ カーボネー ト 一 スチ レン重合体系樹 脂組成物に関する。 更に詳しく は、 本発明は、 芳香族ポリ 力 ーボネー ト、 特定のゴム変性スチレン重合体、 及び芳香族ビ 二ル単量体を含有する特定の共重合体であってそれを構成す る単量体成分の比率に関して不均一な分布を有し、 それによ つて該共重合体は溶解性パラメーター ( S P ) 値の異なる共 重合体分子からなリ 、 最大の S P値を有する共重合体分子と 最小の S P値を有する共重合体分子との間の S P値差が特定 の範囲にあリ 、 かつ該共重合体の平均 S P値が特定の範囲に ある相溶化剤を包含してなる芳香族ポリ カーボネー ト 一 ス チ レン重合体系樹脂組成物に関する。 本発明の芳香族ポリ力 ーボネー ト 一 スチレン重合体系樹脂組成物は、 衝撃強度や 耐熱性のみならず、 成形加工性の指標となる溶融流動性
( m e l t f 1 o w a b i 1 i t y ) カ 優れてレヽる。
本発明の組成物はさ らに、 難燃剤、 と り わけリ ン酸エステ ルを更に含有するこ とができ、 上記の優れた特性と卓越した 難燃性を兼備する難燃性樹脂組成物が提供される。
従来技術
ポリ カーボネー トにゴム変性スチレン系樹脂を配合したポ
リ カーボネー ト系樹脂組成物は、 耐熱性に優れるこ とにカロえ 耐衝撃性に優れているこ とから、 自動車部品、 家電部品、 0 A機器部品を始めとする多岐の分野で使用されるに至ってい る。 しかし、 耐衝撃性に優れるポリカーボネー ト系樹脂組成 物は溶融流動性に劣る という欠点があリ 、 更に高い耐衝撃性 と溶融流動性の両方を同時に得るこ とができないという問題 があった。
近年、 かかる分野で使用されるポリ カーボネー ト系樹脂組 成物に対して、 薄肉成形品の製造に用いた り成形サイ クルを 短縮するこ とが求'められ、 高い耐衝撃性を保持しながら溶融 流動性を改良する要求が高まっている。
ポリ カーボネー ト系樹脂組成物の溶融流動性を改良する従 来技術と して、 A B S樹脂 (アク リ ロニ ト リル /ブタジエン /スチ レン共重合樹脂) 又は M B S樹脂 (メ タク リ ル酸メチ ル Zブタジエン スチレン共重合樹脂) を添加する技術 (日 本国特公昭 3 8 — 1 5 2 2 5号公報参照) 、 ポ リ スチ レンま たはゴム変性ポリ スチ レンを添加する技術 (日本国特公昭 4 3 — 6 2 9 5号公報参照) 等が知られている。 しかしながら 前者の A B S樹脂、 M B S樹脂を添加する技術にょ リ 、 衝撃 強度は飛躍的に向上するが、 溶融流動性の改良は充分ではな い。 —方、 後者のポリ スチレン、 ゴム変性ポリ スチレンを添 加する技術にょ リ 、 溶融流動性は向上するが、 衝撃強度が著 しく低下して工業的使用が狭められている。
WO 8 0 Z 0 0 0 2 7号公報は、 ポ リ カーボネー ト とポ リ スチレンと MB S樹脂 (メ チルメ タク リ レー ト Zブタジェ ン /スチレン共重合体樹脂) とからなる樹脂組成物を開示し ている。 しかし、 上記公報の樹脂組成物は、 溶融流動性に優 れるが衝撃強度が著し く 劣っている。
日本国特開平 2 — 2 2 8 3 5 3号公報 ( E P— 3 7 9 0 3 9号に対応) は、 エチレン性不飽和二 ト リルとォレフィ ン性 エラス トマ一とスチ レンからな'る耐衝撃性スチレンコポリ マ 一と 、 芳香族ポリ カーボネー ト と の相溶性の向上のために、 エラ ス トマー性コアーシヱル型の相溶化剤を配合した樹脂組 成物を開示している。 しかし、 上記公報の樹脂組成物は、 溶 融流動性と衝撃強度の両方が低いので、 実用上多く の問題点 を抱えている。
ポリ カーボネー ト系樹脂の難燃化の従来技術と して、 例え ば、 ポ リ カーボネー ト、 A B S樹脂、 有機リ ン化合物及びテ トラフルォロエチレン重合体からなる樹脂組成物 (日本国特 開平 2 — 3 2 1 5 4号参照) 、 ポ リ カーボネー ト、 A B S樹 脂及び縮合リ ン酸エステルからなる樹脂組成物 (日本国特開 平 2— 1 1 5 2 6 2号参照) (米国特許第 5, 2 0 4, 3 9 4 号に対応)、 ポリ カーボネー ト 5 0〜 9 0重量。 /。、 ポ リ フエ 二 レンエーテル 3〜 2 5重量0 /0、 A B S樹脂、 スチレン系榭 脂を必須成分と し、 必要に応じて有機リ ン化合物、 ポリ テ ト ラフルォロエチ レンを配合した樹脂組成物 ( ドイ ツ特許公開
4 2 0 0 2 4 7号公報参照) などが知られている。 しかしな がら、 上記の公報の樹脂組成物は溶融流動性と衝撃強度が低 いだけでなく 、 難燃性も必ずしも充分でなく 、 工業的用途が 制限されている。
こ の よ う に、 高い溶融流動性と高い衝撃強度との両者を満 足するポリ カーボネー ト系樹脂組成物は従来知られておらず そのよ うな組成物、 更には難燃性をも兼ね備えた組成物の開 発が強く 望まれていた。 '
発明の概要
このよ うな状況下にあって、 本発明者らは、 従来のポリ 力 ーボネー ト系樹脂組成物の上記した問題点を解決するべく鋭 意研究を行なった。 その結果、 驚くべきこ とに、 (A) 芳香 族ポリ カーボネー ト と、 ( B ) 特定のゴム変性スチ レン重合 体と、 ( C) ( a ) 芳香族ビニル単量体及び芳香族ビニル単 量体と共重合可能な単量体からなる共重合体、 及び ( b ) ガ ラ ス転移温度 (T g ) がー 3 0 °C以下のゴム状重合体と、 そ れにグラ フ ト された芳香族ビニル単量体 ( 1 ) 及び芳香族ビ 二ル単量体 ( 1 ) と共重合可能な単量体 ( 2 ) とからなるグ ラ フ ト共重合体よ リ選ばれる少なく と も一種の相溶化剤であ つて、 上記 ( C ) 成分と しての該共重合体が、 それを構成す る単量体成分の比率に関して不均一な分布を有し、 それによ つて該共重合体は溶解性パラメーター ( S P ) 値の異なる共 重合体分子からなリ 、 最大の S P値を有する共重合体分子と
最小の S P値を有する共重合体分子との間の S P値差が 0 . 3〜 1 . 0 〔 ( c a 1 / c m3) 1ノ 2〕 であリ 、 かつ該共重合 体の平均 S P値が 1 0 . 6〜 : L 1 . 0 〔( c a 1 Z c m3) 1/2〕 である相溶化剤とを組み合わせるこ とによ リ 、 高い衝撃強度 と優れた溶融流動性の両方を満足する樹脂組成物が得られる こ とを知見した。 本発明はこ の知見に基づき完成されたもの である。
従って、 本発明の主たる 目的は、 高い耐衝撃強度と高い溶 融流動性の両方を満足する芳香族ポリ カーボネー ト 一 スチ レン重合体系樹脂組成物を提供するこ とにある。
本発明の他の一つの目的は、 本発明の一つの好ま しい態様 と して、 更にポリ フ エ二レンエーテル (耐熱性と難燃性を向 上する効果を有する) や難燃剤等から選ばれる機能成分を含 有する上記の芳香族ポリ カーボネー ト 一 スチ レン重合体系 樹脂組成物を提供するこ とにある。
本発明の上記及びその他の諸目的、 諸特徴ならびに諸利益 は、 添付の図面を参照しながら行う以下の詳細な説明及び請 求の範囲の記載から明らかになる。
図面の簡単な説明
図面において :
図 1 〜 3 は、 それぞれ、 実施例 1 、 2 と比較例 3で用いら れた相溶化剤 〔アク リ ロ ニ ト リ ル—スチ レン共重合体 (A S 樹脂) 〕 のア ク リ ロ ニ ト リ ルの組成分布を示 した液体ク ロマ
トグラフィ一の測定結果であ り 、 各図中には、 最小 S P値、 最大 値、 最も量の多い共重合体分子の S P値、 最大の S P値と最小の S P値との間の S P値差 ( A S P値) 及び平均 S P値を、 アイゾッ ト衝撃強さ ( k g * c m / c m ) と共に 示し ;
図 4 は、 実施例 1 0〜 1 3 と比較例 1 2 と 1 3で用いた相 溶化剤の平均 S P値とその相溶化剤を用いた樹脂組成物のァ ィ ゾッ ト衝撃強度との関係を示した図でぁリ 、 横軸は、 相溶 化剤 〔アク リ ロ ニ ト リ ル一スチ レン共重合体 (A S樹脂) 〕 の平均 S P値及びその平均 S P値に対応するァク リ ロニ ト リ ル重量%を示し、 縦軸はアイゾッ ト衝撃強度 ( k g · c m/ c m) を不し ;
図 5 は、 表 5に記載の実施例について、 後述の式 ( I ) で 表わされる リ ン酸エステルの Nの平均値とアイゾッ ト衝撃強 度との関係を示した図でぁ リ 、 横軸は Nの平均値を示し、 縦 軸はアイゾッ ト衝撃強度 ( k g · c m/ c m) を示し ;
図 6 は、 表 6 に記載の実施例について、 後述の式 ( I ) で 表わされる リ ン酸エステルの Nの平均値が 0の場合の、 置換 基の炭素数の合計の平均値と、 樹脂組成物の難燃性及び樹脂 組成物の揮発性 (熱重量天秤試験で調べた) との関係を示し た図であり 、 横軸は置換基の炭素数の合計の平均値を示し、 縦軸は消炎時間 (秒) と、 1 %重量減少温度 (で) を示し ; 図 7は、 表 7に記載の実施例について、 樹脂成分 (A) 〜
( D ) ( (A) 〜 (D ) の合計 1 0 0重量部) に対する、 ァ ルキル置換芳香族系 リ ン酸エステル単量体' ( F R— 4 ) また は芳香族系リ ン酸エステル縮合体 ( F R— 2 ) の添加効果を 示した図であ り 、 横軸は芳香族リ ン酸エステル添加量 (重量 部) を示し、 縦軸は M F R ( g / 1 0分) 、 V i c a t 軟化 温度 C ) 、 及びアイ ゾッ ト衝撃強度 ( k g · c m/ c m) を示し ;
図 8 は、 実施例 3 8 で用いた P T F Eマスターバッチ F— MB— 1 ( 3 3 0 °Cで溶融) の透過型電子顕微鏡写真でぁリ 白色の太い繊維状の部分がポリ テ トラフルォロエチ レンであ リ 、 配向した幹繊維と、 幹繊維から枝分かれした多数の枝繊 維よ リ なる構造を有しているこ とを示し ;
図 9 は、 実施例 4 0で用いた P T F Eマス ターパッチ F— MB— .3 ( 2 3 0 °Cで溶融) の透過型電子顕微鏡写真でぁリ 白色の繊維状の部分がポリ テ トラフルォロエチレンであリ、 繊維化の程度が小さいだけでなく 、 配向した幹繊維から枝分 かれした枝繊維が見られないことを示す。
発明の詳細な説明
本発明によれば、
( A) 芳香族ポリ カーボネー ト 1 0〜 9 0重量部、
( B ) スチ レン重合体のマ ト リ ッ ク ス及びその中に分散し たゴム粒子よ リ なリ 、 該スチ レン重合体は不飽和二 ト リ ル単 量体を含有しないゴム変性スチレン重合体 5 ~ 8 5重量部、
及び
( C ) ( a ) 芳香族ビニル単量体及び芳香族ビニル単量体 と共重合可能な単量体からなる共重合体、 及び
( b ) ガラス転移温度 ( T g ) が一 3 0 °C以下のゴ ム状重合体と、 それにグラ フ ト された芳香族ビニル単量体 .
( 1 ) 及び芳香族ビニル単量体 ( 1 ) と共重合可能な単量体
( 2 ) とからなるグラフ ト共重合体
ょ リ選ばれる少なく と も一種の相溶化剤 0. 1 〜 5 0重量部、 上記単量体 ( 1 ) と ( 2 ) はそれぞれその単独重合 体であってもよ く及び 又は互に共重合していてもよい、 を包含してなリ、
上記 ( C) 成分と しての該共重合体が、 それを構成する単 量体成分の比率に関して不均一な分布を有し、 それによ όて 該共重合体は溶解性パラメーター ( S P ) 値の異なる共重合 体分子からな リ 、 最大の S Ρ値を有する共重合体分子と最小 の S P値を有する共重合体分子との間の S P値差が 0 . 3〜 1 . 0 〔 ( c a 1 / c m3) 1/2] であリ 、 かつ該共重合体の 平均 S P値が 1 0. 6〜 : L 1 . 0 [ ( c a l Z c m3) 1,2;! であるこ とを特徴とする芳香族ポリ カーボネー ト 一 スチレ ン重合体系樹脂組成物が提供される。
( A) 成分の量は好ま しく は 3 0〜 7 0重量部でぁリ、 ( B ) 成分の量は好ま しく は 1 0〜 6 0重量部でぁリ、 ( C ) 成分の量は好ま しく は 1〜 3 0重量部である。
本発明の芳香族ポリ カーボネー ト 一 スチ レン重合体系樹 脂組成物は、 芳香族ポリ カーボネー ト (A) 、 ゴム変性スチ レン系樹脂 ( B ) 、 相溶化剤 ( C ) を必須成分と し、 所望に ょ リ 、 ポリ フ エ二レンエーテル (D) や難燃剤 ( E ) などか ら選ばれる任意成分を含有するこ とができる。
上記 (A) 成分は、 ( B ) 成分と共に本発明の樹脂組成物 の主成分をなし、 成形品の強度保持の役割を担うための成分 である。 ( B ) 成分は、 ( A ) 成分の衝撃強度と溶融流動性 を向上させるための成分である。 ( C ) 成分は、 (A) 成分 と ( B ) 成分と を相溶化させるための成分である。 (D ) 成 分は、 耐熱性を付与するための成分であ り 、 また、 燃焼時に 成形体表面に炭化被膜を形成して難燃性を付与するための成 分である。 そして、 ( E ) 成分は、 ( A ) 成分と ( B ) 成分 に対して難燃性を付与するための成分である。
本発明の芳香族ポリ カーボネー ト 一 スチレン重合体系樹 脂組成物は、 上記の特定の相溶化剤 ( C ) を用いるこ とが必 須である。
上記の相溶化剤 ( C) と して有用な共重合体の一つの例と して、 特定の、 共重合体を構成する単量体成分の比率に関し て不均一な分布 (以下、 屡々 、 「共重合組成分布」 と称す) を有するアク リ ロ ニ ト リ ル一スチ レン共重合体 (A S共重合 体) がある。 と ころが、 従来の A S共重合体は、 共重合組成 は均一でぁリ 、 共重合組成分布を有さない。 その理由と して
は、 日本国特開昭 5 1 — 1 1 9 7 8 9号公報による と、 「重 合組成の不均一化は、 得られるポリ マーの機械的性質や安定 性を阻害するばかリ カ 樹脂に着色を与える原因となる」 と いう こ とが挙げられている。 こ のよ う に市販の A S共重合体 は共重合組成は均一であり 、 本発明で定義される ( C ) 成分 とは異なる。 このよ うな市販の A S共重合体を、 本発明にお いて用いられる芳香族ポリ カーボネー ト と ゴム変性スチ レン 重合体の相溶化剤 ( C ) と して用いても、 高い衝撃強度と優 れた溶融流動性の両方を同時に達成するこ とができない。
—方、 前述のよ う に、 芳香族ポリ カーボネー ト と A B S樹 脂を用いるこ とによ リ 、 高い衝撃強度を達成している従来技 術があるが、 これに対して更に特定の組成と共重合組成分布 を有する A S共重合体などの、 本発明において用いる ( C) 成分を配合しても、 衝撃強度の向上はない。 即ち、 ゴム変性 スチ レン重合体と して、 ア ク リ ロ ニ ト リ ルなど不飽和二 ト リ ルを共重合したスチ レン重合体を含むものは、 特定の組成と 組成分布を有する A S共重合体などの、 本発明において用い る ( C ) 成分による衝撃強度の向上効果はない。 本発明にお いて用いる相溶化剤 ( C ) は、 本発明に用いる (A) 成分
(芳香族ポ リ カーボネー ト) と ( B ) 成分 (スチ レン重合体 のマ ト リ ッ ク ス及びその中に分散したゴム粒子よ リ なり 、 該 スチ レン重合体は不飽和二 ト リ ル単量体を含有しないゴム変 性スチ レン重合体) とを含有する組成系に対してのみ有効で
ある。 これは従来の知識では予想されない事実である。
上記のよ う に、 本発明の芳香族ポリ カーボネー ト 一 スチ レン重合体系樹脂組成物においては、 相溶化剤 ( C ) が ( a ) 芳香族ビニル単量体及び芳香族ビニル単量体と共重合可能な 単量体からなる共重合体、 及び ( b ) ガラス転移温度 (T g ) がー 3 0 °C以下のゴム状重合体と、 それにグラフ ト された芳 香族ビニル単量体 ( 1 ) 及び芳香族ビニル単量体 ( 1 ) と共 重合可能な単量体 ( 2 ) とからなるグラフ ト共重合体よ リ選 ばれる少なく と も一種の相溶化剤である。 上記単量体 ( 1 ) と ( 2 ) はそれぞれその単独重合体であってもよ く及び/又 は互に共重合していてもよい。
また、 本発明においては、 上記 ( C) 成分と しての該共重 合体が、 それを構成する単量体成分の比率に関して不均一な 分布を有し、 それによつて該共重合体は溶解性パラメーター
( S P ) 値の異なる共重合体分子からなリ 、 最大の S P値を 有する共'童合体分子と最小の S P値を有する共重合体分子と の間の S P値差 ( A S P値) 力 0 . 3〜 1 . 0 (: ( c a l / c m3) 1/2] であ り 、 かつ該共重合体の平均 S P値が 1 0 . 6〜 1 1 . 0 [ ( c a l Z c m3) 1 2;! であるこ とが必須で あり 、 好ま しく は 1 0 . 6〜 : L 0 . 9、 更に好ま しく は 1 0.
7〜 1 0 . 8 である。
A S P値が、 0. 3〜 1 .0 〔 ( c a l Z c m3) 1/2'〕 の範 囲外である と、 高い耐衝撃強度が得られない。 厶 S P値は、
好ま しく は 0 . 3〜 0 . 8 〔 ( c a 1 / c m 3) 1/2] 、 さ ら に好ま しく は 0 . 4〜 0 . 6 〔 ( c a l / c m3) 1/2〕 であ る。
( C ) 成分の平均 S P値が 1 0 . 6未満では、 (A) 成分 との相溶性が低下し、 一方、 その平均 S P値が 1 1 . 0を越 える と、 ( B ) 成分との相溶性が低下する。
( A) 成分の S P値は ( B ) 成分の S P値よ リ も高い。 こ のよ う に (A) 成分と ( B ) 成分の S P値が異なっている と、 その間の相溶性が低下するが、 相溶化剤 ( C ) の S P値には 分布が存在するので、 相溶化剤の最大の S P値を有する共重 合体分子が (A) 成分と相溶し、 一方最小の S P値を有する 共重合体分子が ( B ) 成分と相溶し、 その結果と して、 (A) 成分と (B ) 成分が相溶化する。
本発明において前記 (A) 成分と して使用する芳香族ポリ カーボネー トは、 芳香族ホモポリ カーボネー ト と芳香族コポ リ カーボネー トよ リ選ぶこ とができる。 製造方法と しては、 2官能フエノール系化合物に苛性アル力 リ及び溶剤の存在下 でホスゲンを吹き込むホスゲン法、 あるいは、 例えば、 ニ官 能フエノール系化合物と炭酸ジェチルと を触媒の存在下でェ ステル交換させるエステル交換法を挙げるこ とができる。 該 芳香族ポリ カーボネー トは粘度平均分子量が 1 万〜 1 0万の 範囲が好適である。
こ こで、 上記 2官能フエノール系化合物は、 2, 2 ' ービ
ス ( 4 ー ヒ ドロ キシフ エニル) プロ ノ ン、 2, 2 ' 一ビス ( 4 ー ヒ ドロ キシー 3, 5 —ジメ チルフ エニル) プロパン、 ビス ( 4 ー ヒ ドロ キシフ エニル) メ タ ン、 1 , 1 ' — ビス ( 4 ー ヒ ドロ キシフ エニル) ェタ ン、 2, 2 ' 一ビス ( 4 — ヒ ドロ キシフ エ二ノレ) ブタ ン、 2 , 2 , 一 ビス ( 4 —ヒ ドロ キシー 3, 5 — ジフ エニル) ブタ ン、 2, 2 ' — ビス ( 4 — ヒ ドロ キシ一 3, 5 —ジプロ ピルフ エニル) プロ パン、 1 , 1 , 一ビス ( 4 ー ヒ ドロキシフエニル) シク ロ へキサン、 1 一フエ二ノレ一 1 , 1 ' — ビス ( 4 —ヒ ドロ キシフ エニル) ェ タ ン等であ り 、 特に 2, 2 , 一ビス ( 4 — ヒ ドロキシフエ二 ル) プロパン 〔ビスフエノール A〕 が好ま しい。 本発明にお いて、 2官能フエノ ール系化合物は、 単独で用いてもよいし, あるいはそれらを併用 してもよい。
本発明において前記 ( B ) 成分と して使用するゴム変性ス チ レン重合体は、 所望ならばゴム非変性スチ レン重合体を配 合してもよい。 一般的に、 ゴム量が多いと衝撃強度は高いが 剛性が下がる傾向があるので、 剛性を高める こ とが望ま しい 場合は、 ゴム非変性スチ レン重合体を配合する こ とが望ま し レヽ
上記のよ う に、 ゴム変性スチ レン重合体 ( B ) は、 スチレ ン重合体のマ ト リ ッ クス及びその中に分散したゴム粒子よ り な リ 、 該スチレン重合体は不飽和二 ト リ ル単量体を含有しな いゴム変性スチ レン重合体である。 ゴム変性スチ レン重合体
( B ) は、 ゴム状重合体の存在下に芳香族ビニル単量体 (ス チ レン単量体) 及び所望な らばこれと共重合可能なビニル単 量体を加えて、 単量体 (又はその混合物) を公知の塊状重合 法、 塊状懸濁重合法、 溶液重合法、 または乳化重合法にょ リ 、 ゴム状重合体にグラ フ ト重合する こ と によ り得る こ とができ る。 尚、 スチ レン単量体と共重合可能なビニル単量体と して は、 不飽和二 ト リ ル単量体を用いる こ と はできない。
ゴム変性スチ レン重合体 ( B ) と しては、 いわゆる耐衝撃 性ポ リ スチ レン (ハイ イ ンパク ト ポ リ スチ レン) (以下、 屡 々 、 「H I P S」 と略称する) が特に好ま しい。
上記ゴム状重合体は、 ガラ ス転移温度 (T g ) がー 3 0 °C 以下である こ とが好ま しい。 ゴム状重合体のガラス転移温度 がー 3 0 °Cを越える と耐衝撃性の向上が十分でない場合があ る。
このよ う なゴム状重合体の例と しては、 ポリ ブタジエン、 ポ リ (スチ レン一ブタ ジエン) 、 ポ リ (アク リ ロ ニ ト リ ル一 ブタジエン) 等のジェン系ゴム及び上記ジェンゴムを水素添 カロした飽和ゴム、 イ ソプレンゴム、 ク ロ ロ プレンゴム、 ポ リ ァ ク リ ル酸ブチル等のァク リ ル系 ゴム及びエチ レン一プロ ピ レン一ジェンモノ マー三元共重合体 (E P DM) 等を挙げる こ とができ る。 特にジェン系ゴムが好ま しい。
上記ゴム状重合体の存在下に重合させる、 ゴム状重合体に グラフ ト重合可能な芳香族ビニル単量体 (スチレン単量体)
の好ま しい例と しては、 スチ レン、 ひ ーメチルスチ レン、 p ーメ チノレスチ レン、 p— ク ロ ロ スチ レン、 p—ブロ モスチ レ ン、 2, 4, 5— ト リ ブ口モスチレン等を挙げるこ とができ る。 スチレンが最も好ま しいが、 スチレンと上記他の芳香族 ビ ル単量体を組み合わせてもよい。
ゴム変性スチレン重合体 ( B ) におけるゴム状重合体 (ゴ ム粒子) の量比は、 好ま しく は 5 ~ 8 0重量%、 特に好ま し く は 1 0〜 5 0重量%の範囲である。 この範囲内では、 樹脂 組成物の耐衝撃性と剛性のバラ ンスが良好である。 また、 ゴ ム変性スチ レン重合体のゴム粒子の直径は、 0. 1〜 5. 0 mが好ま しく 、 特に 1. 0〜 2. O j mが更に好適である, ゴム粒子の粒子径が上記範囲内にある と、 特に耐衝撃性が向 上する。
ゴム変性スチ レン重合体 (B) は、 分子量の尺度である ト ルェン可溶分の還元粘度 η 5 Ρハ ( 0. 5 g Z d l 、 トルエン 溶液、 3 0 °C測定) が、 0. 3 0〜 : L . O O d l Z gの範囲 にあるこ とが好ま しく 、 0. 5 0〜 0. 8 0 d l Z gの範囲 にあるこ とがよ り好ま しい。
ゴム変性スチ レン重合体の製造方法と しては、 特に、 ゴム 状重合体、 単量体 (又は単量体混合物) 、 及び重合溶媒よ り なる均一な重合原液を撹はん機付き連続多段式塊状重合反応 機に供給し、 連続的に重合、 脱揮する塊状重合法が好ま しい 塊状重合法にょ リ ゴム変性スチレン重合体を製造する場合、
還元粘度 77 s p/eの制御は、 重合温度、 開始剤種と量、 溶剤、 及び連鎖移動剤量にょ リ行なう こ とができる。 又、 単量体混 合物を用いる場合、 共重合組成の制御は、 仕込み単量体組成 によ リ行な う こ とができる。 そして、 ゴム粒子径の制御は、 撹はん回転数で行なう こ とができる。 即ち、 小粒子化は回転 数を上げ、 大粒子化は回転数を下げるこ とによ リ達成できる 上記のよ う に、 本発明で ( C ) 成分と して用いる相溶化剤 は、 ( a ) 芳香族ビニル単量体及び芳香族ビニル単量体と共 重合可能な単量体からなる共重合体、 及び ( b ) ガラス転移 温度 ( T g ) がー 3 0 °C以下のゴム状重合体と、 それにグラ フ ト された芳香族ビニル単量体 ( 1 ) 及び芳香族ビニル単量 体 ( 1 ) と共重合可能な単量体 ( 2 ) とからなるグラフ ト共 重合体よ リ選ばれる少なく と も一種の相溶化剤である。 芳香 族ビニル単量体と共重合可能な単量体と しては、 例えば、 不 飽和二 ト リル単量体、 アク リル酸エステル単量体、 メ タク リ ル酸エステル単量体、 アク リル酸単量体、 メ タク リル酸単量 体、 ひ, —不飽和カルボン酸無水物単量体及びマ レイ ミ ド 系単量体よ リ選ばれる一種または二種以上の単量体を挙げる こ とができる。
上記相溶化剤 ( C ) の共重合体 ( a ) は、 好ま しく は 9 8 〜 5 0重量。 /0、 更に好ま しく は 9 7〜 7 5重量%、 最も好ま しく は 9 7〜 8 8重量。 /0の芳香族ビニル単量体と、 好ま しく は 2〜 5 0重量%、 更に好ま しく は 3〜 2 5重量%、 最も好
ま しく は 3〜 1 2重量%の、 該芳香族ビニル単量体と共重合 可能な単量体とからなる共重合体である。
上記の芳香族ビニル単量体と しては、 ( B ) 成分の説明に おいて示したのと 同 じ芳香族ビュル単量体を用いる こ とがで き る。 また、 芳香族ビニル単量体と共重合可能な単量体であ る不飽和二 ト リ ル単量体の具体例と しては、 ァク リ ロニ ト リ ル、 メ タク リ ロニ ト リ ル等を挙げる こ と ができ、 アク リ ル酸 エステル単量体の具体例と しては、 アク リ ル酸メ チル、 ァク リ ル酸ブチル等の炭素数が 1〜 8 のアルキル基を有するァク リ ル酸エステルであ リ 、 メ タク リ ノレ酸エステル単量体の具体 例と しては、 メ タク リ ル酸メ チル等の炭素数が 1〜 8のアル キル基を有するメ タ ク リ ル酸エステルを挙げる こ とができ、 α , β 一不飽和カルボン酸無水物単量体の具体例と しては、 無水マ レイ ン酸、 無水ィ タ コ ン酸等を挙げる こ とができ、 マ レイ ミ ド系単量体の具体例と しては、 マ レイ ミ ド、 Ν—メ チ ルマ レイ ミ ド、 Ν— フ エニルマ レイ ミ ド等を挙げる こ とがで き る。 中でも、 芳香族ビニル単量体と共重合可能な単量体と しては、 ァク リ ロニ ト リ ルが最も好ま しい。
本発明で相溶化剤 ( C ) と して用いる前記共重合体 ( a ) と ( b ) の分子量の指標である溶液粘度 (共重合体 1 0重量 %のメ チルェチルケ ト ン溶液、 測定温度 2 5 °C ) は、 2〜 1 0 c P (センチポアズ) である こ とが好ま しい。 溶液粘度が 2 c P未満では衝撃強度が低下し、 一方、 l O c Pを越える
と溶融流動性が低下する。
本発明で相溶化剤 ( C ) と して用いる共重合体 ( a ) は、 通常の溶液重合、 塊状重合、 懸濁重合、 乳化重合等の方法に よ り製造するこ とができる。 共重合体の溶液粘度の制御は、 重合温度、 開始剤種と量、 及び連鎖移動剤量にょ リ行なう こ とができる。 また、 共重合組成の制御は、 仕込み単量体組成 によ リ行なう こ とができる。 そして、 共重合組成分布の制御 は、 反応機の選定にょ リ行な う こ とができる。 即ち、 組成分 布を狭くするには完全混合型反応機を用い、 組成分布を広く するにはプラグフロー型反応機を用いる。 組成分布の狭い共 重合体を複数個組み合わせて組成分布を制御するこ と も可能 である。
本発明で相溶化剤 ( C) と して用いるグラフ ト共重合体 ( b ) は、 好ま しく は、 ガラス転移温度 ( T g ) がー 3 0 °C 以下のゴム状重合体 5〜 8 0重量%と、 前記共重合体 ( a ) の説明において示した単量体 9 5〜 2 0重量%とのグラフ ト 共重合体である。 このグラフ ト共重合体は、 マ ト リ ックス樹 脂中にゴム状重合体が粒子状に分散してなリ、 ゴム粒子径は 0. 5〜 4. 0 μ πιが好ま しく 、 特に 0. 8〜 1 . 5 πιが好 適である。
上記ゴム状重合体と しては、 ( B ) 成分の説明において示 したゴム状重合体と同じものを用いるこ とができるが、 ( C ) 成分中のゴム状重合体は、 ガラス転移温度 (T g ) がー 3 0
°C以下であるこ とが必要でぁ リ 、 _ 3 0 °Cょ リ高いと耐衝撃 性が低下する。
本発明で相溶化剤 ( C ) と して用いるグラフ ト共重合体 ( b ) は、 通常の溶液重合、 塊状重合、 懸濁重合、 乳化重合 等の方法にょ リ製造するこ とができるが、 特にゴム状重合体, 単量体混合物、 及び重合溶媒よ り なる均一な重合原液を撹は ん機付き連続多段式塊状重合反応機に供給し、 連続的に重合、 脱揮する塊状重合法が好ま しい。 塊状重合法によ リ グラフ ト 共重合体 ( b ) を製造する場合、 分子量の指標である溶液粘 度の制御は、 重合温度、 開始剤種と量、 及び連鎖移動剤量に ょ リ行な う こ とができる。 また、 共重合組成の制御は、 仕込 み単量体組成にょ リ行ない、 共重合組成分布の制御は、 共重 合体 ( a ) の説明において示した方法で行なう こ とができる c そして、 ゴム粒子径の制御は、 撹はん回転数で行ない、 小粒 子化は回転数を上げ、 大粒子化は回転数を下げることによる
c 本発明において用いられる相溶化剤 ( C ) と しての共重合 体 ( a ) とグラフ ト共重合体 ( b ) のいずれにおいても、 芳 香族ビニル単量体及び芳香族ビニル単量体と共重合可能な単 量体は、 ランダム共重合体を形成していてもよいし、 ブロ ッ ク共重合体を形成していてもよいし、 グラフ ト共重合体を形 成していてもよい。
本発明で (D) 成分と して任意に用いるこ と のできるポリ フエ二レンエーテル ( P P E ) は、 下記式で示される結合単 位からなる単独重合体及び 又は共重合体である。
但し、 R '、 R 2、 R 3、 R4は、 それぞれ独立的に水素、 炭 素数 1 0の非置換または置換炭化水素基を表わす。
( D ) 成分の量は、 好ま しく は、 3 0重量部、 更に好 ま しく は 2 0重量部、 最も好ま しく は 3〜 7 部であ る
このポリ フエ二レンエーテルの好ま しい具体的な例と して は、 ポ リ ( 2, 6 —ジメ チルー 1, 4—フエ二レンエーテル)
2 6 —ジメ チルフエノールと 2, 3, 6 — ト リ メ チルフ ェノールとの共重合体等が好ま しく 、 中でもポリ ( 2, 6 ジメチル一 1, 4一フエ二レンエーテル) が挙げられる。 か かる P P Eの製造方法は特に限定されるものではなく 、 例え ば、 米国特許第 3 , 3 0 6 , 8 7 4号明細書記載の方法によ る第一銅塩とァミ ンのコ ンプレック スを触媒と して用い、 例 えば 2, 6 キシレノールを酸化重合するこ とによ リ容易に製 造できる。 そのほかにも、 米国特許第 3, 3 0 6 , 8 7 5号 明細書、 米国特許第 3, 2 5 7 , 3 5 7号明細書、 米国特許
3, 2 5 7 , 3 5 8号明細書、 及び日本国特公昭 5 2 7
8 8 0号公報、 日本国特開昭 5 0 - 5 1 1 9 7号公報などに 記載された方法で容易に製造でき る。 本発明にて用いる上記 P P Eの還元粘度 ( 0 . 5 g / d l 、 ク ロ 口ホルム溶液、 3 0 °C測定) は、 0. 2 0〜 0. 7 0 (1 1 ノ の範囲にぁる こ と が好ま しく 、 0. 3 0〜 0. 6 0 d l Z gの範囲にある こ とが よ リ好ま しい。 ポ リ フ エ二 レンエーテルの還元粘度に関する 上記要件を満たすための手段と しては、 ポリ フ エ二 レンエー テルの製造の際の触媒量の調整などを挙げる こ とができ る。
本発明で ( E ) 成分と して任意に用いるこ と のでき る難燃 剤は、 ハロゲン系、 リ ン系または無機系難燃剤である。 これ らの難燃剤は、 単独で又は組合せて用いるこ とができ る。 ( E ) 成分の量は、 好ま しく は、 1 〜 3 0重量部、 更に好ま しく は 5〜 2 0重量部、 最も好ま しく は、 8〜 1 5重量部で ある。
( E ) 成分と してのハロゲン系難燃剤と しては、 ハロ ゲン ィ匕ビス フ エ ノ ール、 芳香族ハロゲン化合物、 ハロゲン化ポリ カーボネー ト 、 ハロゲン化芳香族ビニル系重合体、 ハロゲン 化シァヌ レー ト樹脂、 ノヽロゲン化ポリ フエ二レンエーテル等 が挙げられる。 好ま しく は、 デカブ口モジフエ -ルォキサイ ド、 テ ト ラブロム ビスフエノール A、 テ ト ラブロムビスフエ ノール Aエポキシオリ ゴマー、 ブロム化ビスフエノール系フ エノ キシ樹脂、 ブロ ム化ビスフエノール系ポリ カーボネ一 ト ブロ ム化ポ リ スチレン、 ブロム化架橋ポ リ スチレン、 ブロ ム
化ポリ フ エ二 レンォキサイ ド、 ポリ ジブロ ム フ エ二 レンォキ サイ ド、 デカブロムジフエ二ルォキサイ ドビス フェノール縮 合物及び含ハロゲンリ ン酸エステル等である。
また、 本発明で ( E ) 成分である難燃剤と して用いるこ と のできる前記リ ン系難燃剤と しては、 有機リ ン化合物、 赤リ ン、 無機系 リ ン酸塩等が挙げられる。
上記有機リ ン化合物は、 例えば、 ホス フ ィ ン、 ホス フ ィ ン 才キシ ド、 ビホス フ ィ ン、 ホス ホニ ゥム塩、 ホス フ ィ ン酸塩 リ ン酸エステル、 亜リ ン酸エステル等である。 よ り具体的に は、 ト リ フ エ 二ノレフォス フ ェー ト 、 メチノレネオペンチノレフォ ス フ ア イ ト 、 ペンタエ リ ス リ トーノレジェチノレジフォス フ ア イ ト、 メ チノレネオペンチゾレフ ォ ス フ ォネー ト、 フ エニノレネオペ ンチノレフォス フ ェー ト 、 ペンタエ リ ス リ ト ールジフ エニノレジ フォ ス フ エ一 ト 、 ジシク ロペンチ ハイ ポジフォス フ エ一 ト ジネオペンチルハイ ポフォスフアイ ト、 フエ二ノレピロカテコ ールフ ォ ス フ ア イ ト 、 ェチルピロ力テコーノレフ ォスフ ェー ト ジピロカテコールハイポジフォスフエ一 トで.ある。
上記の有機リ ン化合物の う ち、 リ ン酸エステルが好ま しく 特に下記式 ( I ) で表わされる芳香族リ ン酸エステルの混合 物が好ま しい。
0 0
II
R丄ー 0~Ρ—。 - -X-0-P-0- -R ( I )
I
0 0
2
R R 3
Ν 式中 I 1、 R R 3及び R 4はおのおの互いに独立して炭素数 6 〜 2 0の無置換のまたは置換された芳香族基を表し ; Xは
炭素数 6〜 2 5 の無置換のまたは置換されたァ リ ーレン基を 表し ; Nは整数であってその平均値は 0〜 0 . 9 であ リ 、 N の平均値は式 ( Π ) で定義される。
Nの平均値 =∑ N i X i /∑ x ( H ) 式中 N i は式 ( I ) の i 番目のホスフェー ト分子の N値を表 し、 X i は該 i 番目のホスフエ一ト分子の重量分率を表す。 式 ( I ) の R 1 R 2、 R 3及び R 4によって表わされる炭素 数 6 ~ 2 0の無置換のまたは置換された芳香族基の具体例と しては、 下記の基を挙げるこ とができる。
式 ( I ) の Xによって表される無置換のまたは置換された 炭素数 6〜 2 5のァ リ ーレン基の具体例と しては、 下記の基 を挙げるこ とができる
上記の式 ( I ) で表される芳香族リ ン酸エステルを難燃剤 ( E ) と して用いる と、 特異的に衝撃強度が向上するのみな らず、 衝撃強度と難燃性とのバラ ンス特性も優れたものとな る。
本発明において、 上記式 ( I ) で表される芳香族リ ン酸ェ ステルは、 芳香族リ ン酸エステル単量体及び芳香族リ ン酸ェ ステル縮合体からなる群よ り選ばれる。 特に、 上記式 ( I ) で表される芳香族リ ン酸エステルの混合物が特定の鎖長を有 するアルキル基で置換された芳香族系リ ン酸エステル単量体 からなる場合、 即ち、 式 ( I ) の Nの平均値が 0であ り 、 か つ、 R 1 R 2、 R 4の芳香環に置換した全ての置換基の炭素 数の合計が好ま しく は 1 0 〜 2 0、 更に好ま しく は 1 2〜 1 8の場合には、 難燃性と耐揮発性のバラ ンス特性が優れた組 成物が得られるので特に好ま しい。 上記アルキル基置換芳香 族系リ ン酸エステル単量体の例と して、 ビス ノ ユルフ ェニル フ エニル フォス フ ェー ト (置換炭素数合計は 1 8 ) が好 ま しい。 (尚、 異なった置換基を有する、 複数の芳香族リ ン 酸エステル単量体からなる場合には、 置換基 R R 2、 R 4 の芳香環に置換した全ての置換基の炭素数の合計は、 数平均 で表わされ、 各芳香族リ ン酸エステル単量体の重量分率と、 各単量体の置換基の炭素数の合計との積の和である。 )
また溶融流動性と耐熱性のバランスの観点から好ま しい他 の リ ン酸エステルと しては、 ヒ ドロ キシル基を含有する芳香
族リ ン酸エステルを挙げる こ とができ る。 例えば、 ト リ ク レ ジルフ ォス フ エ一 トゃ ト リ フ エニルフォ ス フ エ一 ト等に 1 個 または 2個以上のフエノール性水酸基を含有した リ ン酸エス テルであ り 、 具体的には、 レゾルシニルジフ エニルフ ォスフ エー ト、 ビス フ エ ノ ーノレ Aジフ エ二ノレフ ォ ス フ エ一 ト等であ る。
本発明で前記リ ン系難燃剤と して用いる こ と のでき る赤リ ンは、 何の処理も施していない通常の赤リ ンでも よいが、 そ の表面をあらかじめ、 水酸化アルミ ニウム、 水酸化マグネシ ゥム、 水酸化亜鉛、 水酸化チタ ンよ リ えらばれる金属水酸化 物の被膜で被覆処理されたものでもよい し、 或いは、 水酸化 アルミ ニウム、 水酸化マグネシウム、 水酸化亜鉛、 水酸化チ タ ンよ り選ばれる金属水酸化物及び熱硬化性樹脂よ り なる被 膜で被覆処理されたものでもよい し、 或いは、 水酸化アルミ 二ゥム、 水酸化マグネシウム、 水酸化亜鉛、 水酸化チタンよ リ選ばれる金属水酸化物の被膜の上に熱硬化性樹脂の被膜で 二重に被覆処理されたものなどでもよい。
前記リ ン系難燃剤と して用いる こ とのでき る無機系 リ ン酸 塩の代表例は、 ポリ リ ン酸アンモユウムである。
本発明で ( E ) 成分である難燃剤と して用いる こ とのでき る前記無機系難燃剤の例と しては、 水酸化アルミ ニウム、 水 酸化マグネシウム、 ドロマイ ト、 ノ、イ ド口 タルサイ ド、 水酸 化カルシウム、 水酸化バリ ウム、 塩基性炭酸マグネシウム、
水酸化ジルコニウム、 酸化スズの水和物等の無機金属化合物 の水和物、 ホ ウ酸亜鉛、 メ タホウ酸亜鉛、 メ タホウ酸バリ ウ ム、 炭酸亜鉛、 炭酸マグネシウム、 炭酸カルシウム、 炭酸バ リ ウム等が挙げられる。 これらは、 1種でも 2種以上を併用 しても よい。 この中で特に、 水酸化マグネシウム、 水酸化ァ ルミ 二ゥム、 塩基性炭酸マグネシウム、 ハイ ドロ タルサイ ト からなる群から選ばれたものが難燃効果が良く 、 経済的にも 有利である。
本発明の芳香族ポ リ カーボネー ト ースチ レン重合体系樹脂 組成物は、 更に高度な難燃性が要求される場合には、 所望に ょ リ 、 ト リ アジン骨格含有化合物、 ノ ボラ ック樹脂、 金属性 物質、 シ リ コーン樹脂、 シ リ コーンオイル、 シ リ カ 、 ァラ ミ ド繊維、 フ ッ素系樹脂、 ポリ アク リ ロニ ト リ ル繊維から選ば れる一種以上の難燃助剤を ( F ) 成分と して配合する こ とが でき る。 ( F ) 成分の量は、 好ま しく は 3 0重量部以下、 更 に好ま しく は 0. 0 0 1 〜 3 0重量部、 最も好ま しく は 0 . 0 1 〜 1 0重量部である。
( F ) 成分と しての ト リ アジン骨格含有化合物は、 リ ン系 難燃剤の難燃助剤と して一層の難燃性を向上させるための成 分である。 その具体例と しては、 メ ラ ミ ン、 式 (ΠΙ) で表わ されるメ ラム、 式 (IV) で表わされるメ レム、 メ ロ ン ( 6 0 0 °C以上でメ レム 3分子から 3分子の脱ア ンモニアによる生 成物) 、 式 (V) で表わされるメ ラ ミ ンシァヌ レー ト、 式
(VI) で表わされる リ ン酸メ ラ ミ ン、 式 (VH) で表わされる サク シノ グアナミ ン、 アジポグアナミ ン、 メ チルグルタ ロ グ アナミ ン、 式 (VI) で表わされるメ ラ ミ ン樹脂、 式 (K) で 表わされる B Tレジン等を挙げる こ とができ るが、 耐揮発性 の観点から特にメ ラ ミ ンシァヌ レー トが好ま しい。
冊'
NH2
、 + ZN
H2N "C— H 一 0— C, 、、C— OH
„ I I ( V )
N N N、
NH2 OH
(XI)
6 Ζ
SCriO/S6dT/X3d 9P€S€/S6 OAV
( F ) 成分と してのノ ボラ ック樹脂は、 燃焼時の火種の滴 下を抑制 (耐 ドリ ップ性) するための成分である。 また、 ノ ポラ ッ ク樹脂をヒ ドロキシル基含有芳香族リ ン酸エステルと 併用する と、 溶融流動性と耐熱性の向上する効果もある。 そ して、 その樹脂は、 フユノール類とアルデヒ ド類を硫酸また は塩酸のよ う な酸触媒の存在下で縮合して得られる熱可塑性 樹脂であ り 、 その製造方法は、 例えば、 「高分子実験学 5 重縮合と重付加」 ( 日本国、 共立出版社よ リ 昭和 5 5年発行) P . 4 3 7 〜 4 5 5 に記載されている。
ノ ボラ ック樹脂製造の一例を式 ( X ) に示す。
前記ノ ボラ ック樹脂の製造に用いられるフエ ノール類の具 体例と しては、 フエノール、 o—ク レゾ一ノレ 、 m—ク レゾ一 ル P ク レゾール、 2 , 5—ジメ チルー、 3 , 5—ジメ チ
ノレ一 、 2 , 3 , 5 — ト リ メ チノレ 一 、 3 , 4 , 5 — ト リ メ チル. 一 、 p — t —ブチノレ一 、 p — n —ォクチノレー 、 p —ステア リ ノレ—.、 p — フ エ ニノレ ー 、 p ― ( 2 — フ エ ニノレエチノレ ) 一 、 0 —イ ソプロ ピル一、 p —イ ソプロ ピル一、 m—イ ソプロ ピル 一、 P —メ ト キシ一、 及び P —フエノ キシ一フエノール、 .ピ ロカテコーノレ、 レ ゾノレ シノーノレ、 ノヽィ ド ロ キノ ン、 サ リ チノレ アルデヒ ド、 サルチル酸、 p — ヒ ドロキシ安息香酸、 メ チル p — ヒ ドロ キシベンゾエー ト、 p —シァノ ー、 及び o —シ ァノ 一フエノ ーノレ、 p — ヒ ドロキシベンゼンスノレホン酸、 p — ヒ ドロキシベンゼンスノレホンア ミ ド、 シク ロへキシノレ p ー ヒ ドロキシベンゼンス ノレホネー ト 、 ( 4 ー ヒ ドロ キシフエ 二 ^ フ エ二ノレホス フ ィ ン酸、 メ チノレ( 4 — ヒ ドロ キシフ エ二 ノレ)フ エニルホス フ ィ ネー ト 、 4 ー ヒ ドロ キシフ エ二ノレホス ホン酸、 ェチル(4 ー ヒ ドロキシフエニル)ホスホネー ト、 ジ フ エニル( 4 ー ヒ ドロ キシフ エニル)ホスホネー ト等を挙げる こ とができ る。
前記ノ ボラ ック樹脂の製造に用いられるアルデヒ ド類の具 体例と しては、 ホルムアルデヒ ド、 ァセ トアルデヒ ド、 n — プロパナール、 n —ブタナール、 イ ソプロパナール、 イ ソブ チルァノレデヒ ド、 3 —メ チノレ一 n —ブタナール、 ベンズァノレ デヒ ド、 p — ト リルアルデヒ ド、 2 —フエニルァセ トアルデ ヒ ド等を挙げるこ とができ る。
( F ) 成分と しての金属性物質と しては、 金属酸化物及び
または金属粉を用いる こ とができ る。 上記金属酸化物の例 と しては、 酸化アルミ ニウム、 酸化鉄、 酸化チタ ン、 酸化マ ンガン、 酸化マグネシウム、 酸化ジルコニウム、 酸化亜鉛、 酸化モ リ ブデン、 酸化コバル ト 、 酸化ビスマス 、 酸化ク ロ ム、 酸化ス ズ、 酸化ア ンチモン、 酸化ニ ッ ケル、 酸化銅、 酸化タ ングステン等の単体または、 それらの複合体 (合金) を挙げ るこ と ができ、 上記金属粉の金属の例と しては、 アルミ ユウ ム、 鉄、 チタ ン、 マ ンガン、 亜鉛、 モ リ ブデン、 コバル ト 、 ビスマス、 ク ロ ム、 ニ ッ ケノレ、 銅、 タ ングステ ン、 スズ、 了 ンチモン等の単体または、 それらの複合体 (合金) を挙げる こ とができる。
( F ) 成分と してのシ リ コーン樹脂は、 S i 02、 R S i 03/2、 R S i O、 R S i 01/2の構造単位を組み合わせてで き る三次元網状構造を有するシリ コーン樹脂である。 こ こで , 各 Rは独立的にメチル基、 ェチル基、 プロ ピル基等の炭素数 1 〜 1 0のアルキル基、 あるいは、 フエニル基、 ベンジル基 等の炭素数 6〜 2 0の芳香族基、 または上記置換基にビニル 基を含有した置換基を示す。 特に、 Rが上記置換基にビュル 基を含有した置換基であるシリ コーン樹脂が好ま しい。
このよ う なシリ コーン樹脂は、 上記の構造単位に対応する オルガノハロ シランを加水分解して重合する こ と によ リ得ら れる。
( F ) 成分と してのシリ コーンオイルは、 式 (XI) に示さ
れる構造単位からなるポ リ ジオルガノ シロ キサンである。
R
— SiO— )
I
R 上記式 (XI) 中の Rは、 炭素数 1〜 8 のアルキル基、 炭素 数 6〜 1 3のァ リ ール基、 上記アルキル基又はァ リ ール基に ビュル基を含有する基、 式 ( ) で表わされる ビュル基含有 基、 及び式 ( ΧΙΠ ) で表わされる ビニル基から選ばれる一種 または二種以上の置換基であ り 、 この中で、 特に Rが分子中 にビュル基を含有する置換基であるシ リ コーンオイルが好ま しい。
0 CH-,
II I
— C3Hg— 0— C— C CHつ
CH2 = CH-
(xm) 前記シ リ コーンオイルの粘度は、 6 0 0〜 1, 0 0 0, 0 0 0センチボイズ ( 2 5 °C) が好ま しく 、 さ らに好ま しく は 9 0, 0 0 0〜 1 5 0, 0 0 0センチボイズ ( 2 5 °C) であ る。
( F ) 成分と してのシリ カは、 無定形の二酸化ケイ素であ リ 、 特にシリ カ表面を炭化水素系化合物系のシランカ ツプリ ング剤で処理した炭化水素系化合物被覆シリ 力が好ま しく 、 更にはビニル基を含有した炭化水素系化合物被覆シリ カが好
ま しい。
上記シラ ンカ ップリ ング剤の例と しては、 p —スチ リ ル ト リ メ ト キシシラ ン、 ビュル ト リ ク ロノレシラ ン、 ビュル ト リ ス
( jS —メ トキシエ トキシ) シラン、 ビュル ト リ エ トキシシラ ン、 ビニル ト リ メ トキシシラン、 γ —メ タク リ ロキシプロ ピ ル ト リ メ トキシシラン等のビュル基含有シラン、 β — ( 3, 4 —エポキシシク ロへキシル) ェチル ト リ メ トキシシラ ン、 γ ーグリ シ ドキシプロ ビル ト リ メ トキシシラ ン、 γ —グリ シ ドキシプロ ビル ト リ エ トキシシラ ン等のエポキシシラ ン、 及 び Ν — β — (ア ミ ノエチル) γ —ァミ ノ プロ ビル ト リ メ トキ シシラ ン、 Ν — 一 (ア ミ ノエチル) y —ァ ミ ノ プロ ピルメ チルジメ トキシシラン、 γ —ァ ミ ノプロ ピル ト リ エ トキシシ シラン、 Ν —フエニル一 y —ァ ミ ノプロ ピノレ ト リ メ ト キシシ ラ ン等のア ミ ノ シランである。 こ こで、 特に熱可塑性樹脂と 構造が類似した単位を有するシランカ ツプリ ング剤が好ま し く 、 例えば、 スチ レン系樹脂に対しては、 P —スチ リ ル ト リ メ トキシシラ ンが好適である。
シリ カ表面へのシランカ ツプリ ング剤の処理は、 湿式法と 乾式法に大別される。 湿式法は、 シリ カをシラ ンカ ップリ ン グ剤の炭化水素系溶媒溶液中で処理し、 その後乾燥させる方 法であ リ.、 乾式法は、 ヘンシェルミ キサーのよ う な高速撹は ん可能な機器の中にシリ カを仕込み、 撹はんしながらシラン カ ップリ ング剤の炭化水素系溶媒溶液をゆつ く り滴下し、 そ
の後熱処理する方法である。
( F ) 成分と してのァラ ミ ド繊維は、 平均直径が 1〜 5 0 O u mで平均繊維長が 0 . 1〜 1 O mmであるこ とが好ま し く 、 イ ソフタルア ミ ド、 またはポリ パラフエ二 レ ンテ レフタ ルアミ ドをア ミ ド系極性溶媒または硫酸に溶解し、 湿式また は乾式法で溶液紡糸するこ とによ リ製造するこ とができる。
( F ) 成分と してのフッ素系樹脂は、 耐ドリ ップ性を更に 一層向上させるための成分でぁ リ 、 含フッ素モノマーの単独 重合体又は共重合体よ り なる樹脂である。 その具体例と して . ポリ モノ フルォロエチレン、 ポリ ジフルォロエチレン、 ポリ ト リ フルォロエチレン、 ポリ テ ト ラフルォロエチレン、 テ ト ラフノレォロエチレン zへキサフルォロプロ ピレ ン共重合体等 を挙げるこ とができる。 また、 所望ならば、 耐ドリ ップ性を 損わない程度に、 上記含フッ素モノマーの重合又は共重合に 際し、 それと共重合可能なフッ素を含まないモノマーを併用 してもよい。
これらのフッ素系樹脂の製造方法については、 例えば、 米 国特許第 2, 3 9 3, 6 9 7号明細書及び米国特許第 2, 5 3 4, 0 5 8号明細書を参照するこ とができる。 例えば、 テ ト ラフルォロエチレンを、 水性媒体中で過硫酸アンモニゥム 過硫酸カ リ ゥム等のラジカル開始剤及び場合によっては乳化 剤等を用いて、 7〜 7 0 k g / c m2の加圧下、 0〜 2 0 0 °Cの温度で重合し、 次いで得られる懸濁液、 分散液または乳
濁液を、 硫酸アルミニウムのよ う な無機塩等によ リ処理して 凝析または沈殿させるこ とによ リ ボリテ トラフルォロェチレ ン粉末が得られる。
成形体の溶融滴下を抑制するために、 上記のフッ素系樹脂 はその融点以上で熱可塑性樹脂 (その種類と機能については 後述する) と溶融混練するこ とが好ま しい。 例えば、 ポリテ ト ラ フルォロ エチ レンの場合、 3 0 0〜 3 5 0 °Cの温度範囲 で熱可塑性樹脂と溶融混練するこ とが好ま しい。 せん断力下 融点以上での溶融によ リ 、 フッ素系樹脂は熱可塑性樹脂の中 で高度にフィ ブリル化し、 配向結晶化する。 そして、 分枝フ イブリ ル状となリ、 配向した幹繊維と幹繊維から枝分かれし た枝繊維よ リ なる特殊な高次構造を有するフッ素系樹脂が得 られる。 その結果と して、 三次元的に熱可塑性樹脂と絡み合 い、 成形体の溶融滴下を抑制する。 またフッ素系樹脂と共に 溶融混練する熱可塑性樹脂と しては、 高せん断力を与える観 点から、 ゴム変性樹脂 (例えば、 ゴム変性ポ リ スチ レン) よ リ 、 ポリ フ エ二レンエーテル等の溶融粘度の高い硬質樹脂が 好ま しい。
上記特殊な高次構造を有するフッ素系樹脂を含む本発明の 樹脂組成物の製造方法と しては、 例えば、 以下の 2つの方法 を挙げることができる。 第一の方法は、 フッ素系樹脂と熱可 塑性樹脂 (例えばポリ フエ二レンエーテル) と場合によって は分散剤などを、 フッ素系樹脂の融点以上で溶融混練してマ
スターバッチを作製してから、 マスターバッチから所望の量 の溶融混練物を取リ分け、 製造される本発明の樹脂組成物の 成分と さ らに溶融混練する方法である。 第二の方法において は、 第 1 の押出ゾーン及びサイ ドフィー ド用入口を有する第 2 の押出ゾーンを有する押出機を用い、 第 1 の押出ゾーンで フッ素系樹脂と熱可塑性樹脂 (例えばポリ フエ二レンエーテ ル) と場合によっては本発明の樹脂組成物の成分の一部 (例 えば芳香族ポリ カーボネー ト) を、 フッ素系樹脂の融点以上 で溶融混練し、 次に、 第 2 の押出ゾーンで、 製造される本発 明の樹脂組成物の残リ の又は全ての成分をサイ ドフィ一ド用 入口からフ ィー ドしながら、 第 1 の押出ゾーンよ リ も低い温 度でさ らに溶融混練する方法である。
本発明の樹脂組成物は、 ( F ) 分枝フイブリル状のフッ素 系樹脂よ リ なる難燃助剤 0 . 0 0 1〜 3 0重量部を更に含有 するこ とが好ま しく 、 0 . 0 1 ~ 1 . 0重量部を含有するこ とが最も好ま しい。 該分枝フイブリルは、 配向した直径 0 . l iu m以上の幹繊維と、 幹繊維からその配向方向 1 μ m当た リ 1個以上分枝した直径 0 . l u m以上の枝繊維よ リ なる。
( F ) 成分と してのポリ アク リ ロニ ト リル繊維は、 平均直 径が 1〜 5 0 0 で平均繊維長が 0 . 1〜 1 O mmである こ とが好ま しい。 製造方法と しては、 ジメチルホルムアミ ド 等の溶媒に重合体を溶解し、 4 0 0 °Cの空気流中に乾式紡糸 する乾式紡糸、 または硝酸等の溶媒に重合体を溶解し水中に
湿式紡糸する湿式紡糸法が挙げられる。
本発明の芳香族ポ リ カーボネー ト ースチ レン重合体系樹脂 組成物は、 ょ リ 高い溶融流動性が要求される場合には、 芳香 族ビニル単量体単位とアク リ ル酸エステル単量体単位からな る共重合体樹脂、 脂肪族炭化水素、 高級脂肪酸、 高級脂肪酸 エステル、 高級脂肪酸ア ミ ド、 高級脂肪族アルコール、 また は金属石験から選ばれる一種または二種以上の流動性向上剤 を ( G ) 成分と して配合する こ と ができ る。 ( G) 成分の量 は、 好ま しく は 3 0重量部以下、 更に好ま しく は 0 . 5〜 3 0重量部、 更に好ま しく は 1 . 0〜 1 0重量部である。
( G ) 成分と しての共重合樹脂の芳香族ビニル単位は、 ( B ) 成分の説明において示したのと同 じ芳香族ビュル単量 体単位を用いるこ とができ、 ァク リル酸エステル単量体単位 は、 アク リ ル酸メ チル、 アク リ ル酸ブチル等の炭素数が 1 〜 8のアルキル基を有するァク リル酸エステルである。
こ こで、 上記共重合体樹脂中のアク リ ル酸エステル単位の 含量は、 3〜 4 0重量%が好ま しく 、 更には、 5〜 2 0重量 %が好適である。 また、 上記共重合体樹脂の分子量の指標で ある溶液粘度 (樹脂 1 0重量%のメ チルェチルケ ト ン溶液、 測定温度 2 5 °C ) は、 2〜 1 0 c P (センチポアズ) である こ とが好ま しい。 溶液粘度が 2 c P未満では、 衝撃強度が低 下し、 一方、 l O c Pを越える と溶融流動性の向上効果が低 下する。
( G ) 成分と しての脂肪族炭化水素系は加工助剤でぁリ 、 流動パラフィ ン、 天然パラ フィ ン、 マイ ク ロ ワ ックス、 ポリ ォレフィ ンワ ックス、 合成パラ フィ ン、 及びこれらの部分酸 化物、 あるいはフッ化物、 塩化物等である。
( G ) 成分と しての高級脂肪酸は、 カブロ ン酸、 へキサデ カン酸、 パルミチン酸、 ステア リ ン酸、 フエニルステア リ ン 酸、 フュロ ン酸等の飽和脂肪酸、 及びリ シノール酸、 リ シン エライ ジン酸、 9 —ォキシ 1 2 —ォク タデセン酸等の不飽和 脂肪酸等である。
( G ) 成分と しての高級脂肪酸エステルは、 フエニルステ ァ リ ン酸メチル、 フエニルステア リ ン酸ブチル等の脂肪酸の 1価アルコールエステル、 及びフタル酸ジフエニルステア リ ル等の多塩基酸の 1 価アルコールエステルであ り 、 さ らに、 ソノレビタンモノ ラ ウ レー ト、 ソノレビタンモノ ステアレー ト、 ソルビタンモノォレー ト、 ソノレビタンセスキォレー ト、 ソル ビタ ン ト リ オレー ト 、 ポリ ォキシエチレンソルビタ ンモノ ラ ウ レ一ト、 ポ リ オキシエチレンソルビタ ンモノパルミテ一 ト ポ リ オキシエチレンソルビタ ンモノ ステア レー ト、 ポリ オキ シエチレンソノレビタ ンモノ ォレー ト等のソノレビタンエステノレ ステア リ ン酸モノ グリ セライ ド、 ォレイ ン酸モノ グリ セライ ド、 カブリ ン酸モノ ダリ セライ ド、 ベへニン酸モノ ダリ セラ イ ド等のグリ セ リ ン単量体の脂肪酸エステル、 ポリ グリセ リ ンステア リ ン酸エステル、 ポ リ グリ セ リ ンォレイ ン酸エステ
ル、 ポ リ グ リ セ リ ンラ ウ リ ン酸エステル等のポ リ グ リ セ リ ン の脂肪酸エステル、 ポ リ オキシエチレンモノ ラ ウ レー ト、 ポ リ オキシエチレンモノ ステア レー ト、 ポ リ オキシエチレンモ ノ ォレー ト等のポリ アルキレンエーテルュニッ ト を有する脂 肪酸エステル、 及びネオペンチルポリ ォ一ルジステア リ ン酸 エステル等のネオペンチルポリ オール脂肪酸エステル等であ る。
( G ) 成分と しての高級脂肪酸ア ミ ドは、 フユニルステア リ ン酸ア ミ ド、 メ チロ ールステア リ ン酸ア ミ ド、 メ チロール ベヘン酸ア ミ ド等の飽和脂肪酸のモノ ア ミ ド、 ヤシ油脂肪酸 ジエタ ノールアミ ド、 ラ ウ リ ン酸ジエタ ノールア ミ ド、 及び ォレイ ン酸ジエタ ノ ールア ミ ド等の N , N ' 一 2置換モノ ァ ミ ド等でぁ リ 、 さ らに、 メ チレンビス ( 1 2 — ヒ ドロ キシフ ェニル). ステア リ ン酸アミ ド、 エチレンビスステア リ ン酸ァ ミ ド、 エチレンビス ( 1 2 -ヒ ドロキシフエニル) ステア リ ン酸ア ミ ド、 へキサメ チレンビス ( 1 2 — ヒ ドロキシフエ二 ル) ステア リ ン酸ア ミ ド等の飽和脂肪酸ビスア ミ ド、 及び m —キシ リ レンビス ( 1 2 — ヒ ドロキシフエニル) ステア リ ン 酸ア ミ ド等の芳香族系ビスアミ ドである。
( G ) 成分と しての高級脂肪族アルコールは、 ステア リル ァノレ コ ーノレゃセチノレ ア ノレ コ ースレ等の 1価のァノレ コ ーノレ 、 ソノレ ビ トールやマン- トール等の多価アルコール、 及びポリ オキ シエチレン ドデシルア ミ ン、 ポリ オキシエチレンォク タデシ
ノレア ミ ン等でぁ リ 、 さ らに、 ポ リ オキシエチ レンァ リ ル化工 一テル等のポ リ アルキ レンエーテルユニッ ト を有するァ リ ル 化エーテル、 及びポ リ オキシエチレンラ ウ リ ルエーテル、 ポ リ オキシエチレン ト リ ドデシルエーテル、 ポリ オキシェチレ ンセチルエーテノレ、 ポ リ ォキシエチレンステア リ ノレエーテノレ ポリ ォキシエチレンォレイルエーテル等のポ リ ォキシェチレ ンァノレキルエーテノレ、 ポ リ ォキシエチ レンォクチノレフ エ二ノレ エーテル、 ポ リ ォキシエチレンノ ユルフェニルエーテル等の ポリ ォキシエチレンアルキルフエニルエーテル、 ポリ ェピク ロノレヒ ド リ ンエーテル、 ポリ オキシエチ レンビス フ エ ノ ーノレ Aエーテル、 ポリ オキシエチレンエチレングリ コール、 ポリ ォキシプロ ピレンビスフエノーノレ Aエーテノレ、 ポリ オキシェ チレンポリ オキシプロ ピレ ンダリ コールエーテル等のポリ ァ ノレキ レンエーテルュニッ ト を有する 2価アルコールである。
( G ) 成分と しての金属石験は、 上記ステア リ ン酸等の高 級脂肪酸の、 バリ ゥムゃカルシウムや亜鉛やアルミ ニウムや マグネシウム等の金属塩である。
本発明の芳香族ポ リ カーボネー ト ースチレン重合体系樹脂. 組成物は、 更に高度な衝撃強度が要求される場合には、 熱可 塑性エラス トマ一 [ ( H ) 成分] を配合する こ とができ る。 例えば、 (H ) 成分と しては、 ポリ スチレン系、 ポリ オレフ イ ン系、 ポリ エステル系、 ポ リ ウ レタン系、 1, 2 —ポリ ブ タジェン系、 ポリ塩化ビュル系熱可塑性エラス トマ一等を挙 げる こ とができ、 特にポリ スチレン系熱可塑性エラス トマ一 が好ま しい。 (H ) 成分の量は、 好ま しく は 3 0重量部以下. 更に好ま しく は 1〜 3 0重量部、 更に好ま しく は 2〜 1 0重 量部である。
上記ポリ スチレン系熱可塑性エラス トマ一は、 芳香族ビニ ル単量体と共役ジェン単量体からなるブロ ック共重合体、 ま たは上記した共役ジェン単量体部分が部分的に水素添加され たブロ ック共重合体である。
芳香族ビュル単量体と共役ジェン単量体からなるブロ ック 共重合体を構成する芳香族ビニル単量体は、 ( B ) 成分の説 明において示したのと同じ芳香族ビュル単量体を用いる こ と ができ る。 スチレンが最も好ま しいが、 スチレンに上記他の 芳香族ビニル単量体を共重合してもよい。
また、 上記ブロ ック共重合体を構成する共役ジェン単量体 は、 1, 3 —ブタジエン、 イ ソプレン等を挙げる こ とができ る。
そ して、 ブロ ック共重合体のブロ ック構造は、 芳香族ビニ
ル単量体からなる重合体プロ ックを Sで表示し、 共役ジェン 及び/またはその部分的に水素添加された単位からなる重合 体ブロ ックを Bで表示する場合、 S B、 S (B S ) n、 (但し nは:! 〜 3の整数) 、 S (B S B)m、 (但し、 mは:! 〜 2の 整数) のリ ニア一ブロ ック共重合体や、 ( S B) p X (但し、 P は 3〜 6 の整数。 Xは四塩化ケィ素、 四塩化スズ、 ポリ エ ポキシ化合物等のカ ップリ ング剤残基。 ) で表示される、 B 部分を結合中心とする星状 (ス ター) ブロ ック共重合体であ るこ とが好ま しい。 なかでも S Bの 2型、 S B Sの 3型、 S B S Bの 4型のリ'二ァーブ口 ック共重合体が好ま しい。
本発明の芳香族ポリ カーボネー トースチ レン重合体系樹脂 組成物は、 耐光性が要求される場合には、 紫外線吸収剤、 ヒ ンダー ドアミ ン系光安定剤、 酸化防止剤、 ハロゲン捕捉剤、 遮光剤、 金属不活性剤、 または消光剤から選ばれる一種また は二種以上の耐光性改良剤 [ ( J ) 成分] を配合するこ とが でき る。 ( J ) 成分の量は、 好ま しく は 1 0重量部以下、 更 に好ま しく は 0 . 0 5〜 : L 0重量部、 更に好ま しく は 0 . 1 〜 5重量部である。
( J ) 成分と しての紫外線吸収剤は、 光エネルギーを吸収 して、 分子内プロ ト ン移動するこ とによ リ ケ ト型分子となつ たり (ベンゾフ エ ノ ン、 ベンゾ ト リ アゾール系) 、 または c i s — t r a n s異性化するこ とによ リ (シァノアク リ レー ト系) 、 熱エネルギーと して放出、 無害化するための成分で
ある。 その具体例は、 2 , 4 ージヒ ドロ キシベンゾフエノ ン、 2 — ヒ ドロ キシー 4 —メ ト キシベンゾフエノ ン、 2 — ヒ ドロ キシ一 4 ーォク ト キシベンゾフエ ノ ン、 5 , 5 ' ーメ チレン ビス ( 2 — ヒ ドロキシ一 4 ーメ ト キシベンゾフエノ ン) 等の 2 — ヒ ドロキシベンゾフエノ ン類、 2 — ( 2 ' - ヒ ドロキシ — 5 , 一メ チルフエニル) ベンゾ ト リ ァゾール、 2 — ( 2 ' — ヒ ドロキシ一 5 ' — t —ォクチルフエ二ノレ) ベンゾ ト リ ア ゾ一ル、 2 — ( 2 ' — ヒ ドロ キシ一 3 ' , 5 ' ージ一 t —ブ チルフエニル) ベンゾ ト リ アゾール、 2 — ( 2 ' — ヒ ドロキ シ一 3 , , 5 ' ージ一 t ーブチノレフエ二ノレ) 一 5 —ク ロ 口べ ンゾ ト リ ァゾール、 2 - ( 2 , 一 ヒ ドロ キシ一 3 , - t - 5 ' —メ チルフエニル) 一 5 —ク ロ 口べンゾ ト リ ァゾーノレ 、 2 — ( 2 ' ー ヒ ドロキシ一 3 , , 5 , 一ジク ミルフエニル) ベン ゾ ト リ ァゾール、 2 , 2 ' —メチレンビス ( 4 — t ーォクチ ノレ一 6 _ベンゾ ト リ ァゾリ ル) フエノール等の 2 — ( 2 , 一 ヒ ドロ キシフエニル) ベンゾ ト リ ァゾーノレ類、 フエ二ルサリ シレー ト、 レゾルシノーノレモノべンゾエー ト、 2 , 4 —ジ一 t ーブチノレフ エ 二ル ー 3 , , 5 ' ージ一 t ーブチノレ一 4 , 一 ヒ ドロ キシベンゾエー ト、 へキサデシルー 3 , 5 —ジー t 一 プチノレ 一 4 — ヒ ドロ キシベンゾエー ト等のベンゾエー ト類、 2 —ェチルー 2 ' —エ トキシォキザユリ ド、 2 —エ トキシー 4 ' ー ドデシルォキザ- リ ド等の置換ォキザニ リ ド類'、 及び ェチルー α —シァノ ー ]3 , /3 —ジフエニルアタ リ レー ト、 メ
チル一 2 —シァノ 一 3 —メ チル一 3 — ( P —メ ト キシフエ二 ル) ァク リ レー ト等のシァノ アク リ レー ト類である。
( J ) 成分と してのヒ ンダー ドア ミ ン系光安定剤は、 光ェ ネルギ一によ リ生成したハイ ドロパーォキサイ ドを分解し、 安定な N— O · ラジカルや N— O R 、 N— O Hを生じ、 安定 ィ匕させるための成分である。 その具体例は、 2 , 2 , 6 , 6 , ーテ ト ラメ チル一 4 —ピベリ ジルステア レー ト、 1 , 2 , 2 , 6 , 6 —ペンタメ チルー 4 —ピベ リ ジルステア レー ト、 2 , 2 , 6 , 6 —テ ト ラメ チル一 4 — ピペリ ジルベンゾエー ト、 ビス ( 2 , 2 , 6 , 6 —テ ト ラメ チル一 4 — ピベリ ジルセバ ケー ト、 ビス ( 1 , 2 , 2 , 6 , 6 —ペンタメ チル一 4 ーピ ペリ ジル) セバケー ト、 テ ト ラキス ( 2 , 2 , 6 , 6 —テ ト ラメ チル一 4 ーピペリ ジル) 1 , 2 , 3 , 4 —ブタンテ ト ラ カルボキシレー ト、 テ ト ラキス ( 1 , 2 , 2 , 6 , 6 —ペン タメ チノレ一 4 — ピペリ ジル) _ 1 , 2 , 3 , 4 —ブタ ンテ ト ラカルボキシレー ト、 ビス ( 1 , 2 , 2 , 6 , 6 —ペンタメ チル一 4 — ピペリ ジル) ジ ( ト リ デシル) 一 1 , 2 , 3 , 4 —ブタ ンテ ト ラカルボキシレー ト、 ビス ( 1 , 2 , 2 , 6 , 6 —ペンタメ チルー 4 — ピペリ ジル) 一 2 —ブチルー 2— ( 3 , , 5 , ージ _ t ーブチルー 4 — ヒ ドロキシベンジル) マロネー ト、 1 一 ( 2 — ヒ ドロキシェチル) 一 2 , 2 , 6 , 6 —テ ト ラメ チルー 4 —ピペリ ジノール Zコハク酸ジェチル 重縮合物、 1 , 6 — ビス ( 2 , 2 , 6 , 6 —テ トラメチルー
4 — ピペリ ジルァ ミ ノ) へキサン/ジブロモェタ ン重縮合物 1, 6—ビス ( 2, 2, 6, 6 —テ ト ラ メ チルー 4—ピペリ ジルァ ミ ノ) へキサン/ 2, 4—ジク ロ ロ 一 6 — t —ォクチ ノレア ミ ノ 一 s — ト リ アジン重縮合物、 1, 6—ビス ( 2, 2 6, 6 —テ ト ラメ チル一 4 ーピペリ ジルァ ミ ノ) へキサン/ 2, 4 ージク ロ 口 一 6—モルホ リ ノ ー s — ト リ アジン重縮合 物等である。
( J ) 成分と しての酸化防止剤は、 熱成形時または光暴露 によ リ 生成したハイ ドロパーォキシラジカル等の過酸化物ラ ジカルを安定化した リ 、 生成したハイ ドロパーォキサイ ド等 の過酸化物を分解するための成分である。 その例は、 ヒ ンダ ー ドフエノール系酸化防止剤や過酸化物分解剤である。 前者 は、 ラジカル連鎖禁止剤と して、 後者は、 系中に生成した過 酸化物をさ らに安定なアルコール類に分解して 自動酸化を防 止する。
前記酸化防止剤と してのヒ ンダ一ドフエノール系酸化防止 剤の具体例は、 2, 6 —ジー t ーブチルー 4 ーメ チルフエノ ール、 スタイ レネィテ ドフエノール、 n—ォク タデシルー 3 一 ( 3, 5 —ジ一 t —ブチルー 4 ー ヒ ドロキシフエニル) プ 口 ピオネー ト、 2, 2 , 一メ チレンビス ( 4—メ チル一 6 — t 一ブチルフエノール) 、 2 — t —ブチルー 6 — ( 3 - t - ブチルー 2—ヒ ドロ キシー 5—メ チルベンジノレ) 一 4 ーメチ ルフエニルァ ク リ レー ト 、 2 - [ 1 — ( 2 — ヒ ドロ キシー 3 ,
5 —ジー t —ペンチルフエ二ノレ) ェチノレ ] — 4, 6 —ジ一 t —ペンチルフエニルァク リ レー ト、 4, 4 , ーブチ リ デンビ ス ( 3 — メ チノレー 6 — t —ブチノレフ エ ノ ーノレ) 、 4, 4, - チォビス ( 3 —メ チル一 6 — t —ブチルフエノール) 、 アル キレイテッ ドビスフエノール、 テ ト ラキス [メ チレン一 3 —
( 3, 5 —ジ一 t —ブチノレ一 4 — ヒ ドロ キシフエ二ノレ) プロ ピオネー ト ] メ タ ン、 3 , 9 — ビス [ 2 — 〔 3 — ( 3 - t - ブチノレー 4 — ヒ ドロ キシ一 5 _メ チルフエニル) 一プロ ピオ 二口 キシ〕 一 1, 1 —ジメ チルェチル] — 2, 4, 8, 1 0 —テ ト ラォキシス ピロ 〔 5 · 5〕 ゥンデカン等である。
また、 前記酸化防止剤と しての過酸化物分解剤の具体例は. ト リ ス ノ ニノレフ エ 二ノレホス フ ァ イ ト 、 ト リ フ エ 二ノレホス フ ァ イ ト、 ト リ ス ( 2, 4 —ジ一 t 一ブチルフエニル) ホスファ ィ ト等の有機リ ン系過酸化物分解剤またはジラ ウ リル一 3, 3 ' —チォジプロ ピオネー ト、 ジミ リ スチルー 3, 3 ' ーチ ォジプロ ピオネー ト、 ジステア リ ル一 3, 3 ' —チォジプロ ピオネー ト、 ペンタエ リ ス リ チルテ ト ラキス ( 3 —ラ ウ リ ル チォプロ ピオネー ト) 、 ジ ト リデシル一 3, 3 ' —チォジブ 口 ピオネー ト、 2 —メルカプ トべンズィ ミ ダゾール等の有機 ィォゥ系過酸化物分解剤である。
( J ) 成分と してのハロゲン捕捉剤は、 熱成形時または光 暴露時に生成する遊離ハロ ゲンを捕捉するための成分である その具体例は、 ステア リ ン酸カルシウム、 ステア リ ン酸亜鉛
等の塩基性金属塩、 ハイ ド口 タルサイ ト、 ゼォライ ト、 酸化 マグネシウム、 有機錫化合物、 または有機エポキシ化合物で ある。
上記ハロゲン捕捉剤と してのハイ ドロ タルサイ トは、 マグ ネシゥム、 カルシウム、 亜鉛、 アルミ ニウム、 ビスマス等の 含水塩基性炭酸塩や無水塩基性炭酸塩で、 天然物および合成 品が含まれる。 天然物と しては、 M g 6A l 2 (O H) 16 C 03 '
4 H 2 Oの構造のものが挙げられる。 また、 合成品 と しては、 M g o.7A 1 o.3(O H) 2(C 03) o. i 5 - 0. 5 4 H 2O、 M g 4.
5 A 1 2 ( O H ) ! 3 C O 3 · 3. 5 H20、 M g 4.2 A 1 2 (〇 H) 12. 4 C 03、 Z n 6 A 1 2 (O H) ! 6 C〇 3 · 4 H 2〇、 C a 6 A 1 2 (O H) 1 6 C O 3 - 4 H20、 M g 14 B i 2 (O H) 29.6 · 4. 2 H 2 O等が挙げられる。
前記ゼォライ ト と しては、 Ν & 20 · Α 1 203 · 2 S i Ο 2 X H 20で示される A型ゼォライ ト、 または周期律表第 Π族 及び第 IV族の金属から選ばれた少なく と も一種の金属を含む 金属にょ リ置換されたゼォライ ト を挙げる こ とができ る。 そ して、 その置換金属と しては、 M g、 C a 、 Z n、 S r 、 B a 、 Z r 、 S n等でぁ リ 、 特に C a 、 Z n、 B a が好ま し レ o
前記ハロゲン捕捉剤と しての有機エポキシ化合物は、 ェポ キシ化大豆油、 ト リ ス (エポキシプロ ピル) イ ソシァヌ レー ト、 ハイ ドロ キノ ンジグリ シジルエーテル、 テ レフタル酸ジ
グリ シジルエステノレ 、 4, 4 ' —スルホビスフエ ノ ール . ポ リ グリ シジルエーテル、 N—グリ シジルフタルイ ミ ド、 また は水添ビスフエノール Aグ リ シジルェ一テル、 3, 4 ーェポ キシシク ロへキシルメ チル一 3 , 4 —エポキシシク ロへキサ ンカルボキシレー ト、 2 — ( 3, 4—エポキシシク ロへキシ ルス ピロ 〔 5, 5〕 一 3, 4 一エポキシ) シク ロへキサン一 m—ジォキサン、 ビス ( 3, 4 —エポキシシク ロへキシルメ チル) アジペー ト、 ビュルシク ロへキセンジオキサイ ド、 4 一 ビニルエポキシシク ロへキサン、 ビス ( 3 , 4 —エポキシ — 6 —メ チルシク ロへキシルメ チル) アジペー ト、 3, 4— エポキシ一 6 —メ チルシク ロへキシルー 3, 4 —エポキシ一 6 —メ チルシク ロへキサン力/レポキシレー ト、 メ チレンビス ( 3, 4 _エポキシシク ロへキサン) 、 ジシク ロペンタジェ ンェポキサイ ド、 エチレングリ コールのジ ( 3, 4 _ェポキ シシク ロへキシノレメ チノレ) エ ーテノレ、 エチレンビス ( 3, 4 一エポキシシク ロへキサンカルボキシレー ト) 、 エポキシへ キサヒ ドロ フタル酸ジォクチル、 エポキシへキサヒ ドロ フタ ル酸ジ一 2 —ェチルへキシル等の脂環式エポキシ化合物等で ある。
( J ) 成分と しての遮光剤は、 光が高分子內部に達するの を防止するための成分である。 その具体例と しては、 ルチル 型酸化チタン ( T i O 2 ) 、 酸化亜鉛 ( Z n O ) 、 酸化ク ロ ム ( C r 203) 、 酸化セ リ ウム ( C e 02) 等を挙げる こ と
ができる。
( J ) 成分と しての金属不活性剤は、 キレー ト化合物を形 成して樹脂中の重金属イ オンをキレー ト化合物中で不活性化 するための成分である。 その具体例と しては、 アシッ ドアミ ン誘導体、 ベンゾ ト リ アプール、 及びその誘導体等を挙げる こ とができる。
( J ) 成分と しての消光剤は、 高分子中の光励起したハイ ドロパーオキサイ ドやカルボニル基等の官能基をエネルギー 移動によって失活させるための成分であって、 有機ニッケル 等が知られている。
本発明の芳香族ポリ カーボネー トースチ レン重合体系樹脂 組成物の好ま しい組成の一例と しては次のものを挙げるこ と ができる。 芳香族ポリ カーボネー ト [ (A) 成分] 3 0〜 7 0重量.部、 (所望ならばゴム非変性スチ レン重合体を配合し た) ゴム変性スチ レン重合体 [ (B ) 成分] 1 0〜 6 0重量 部、 相溶化剤 [ ( C ) 成分] 1〜 3 0重量部、 ポリ フユニ レ ンエーテル [ (D) 成分] 1〜 3 0重量部、 有機リ ン化合物、 と り わけ式 ( I ) で表わされる芳香族リ ン酸エステルの混合 物からなる難燃剤 [ ( E ) 成分] 1〜 3 0重量部、 フッ素系 樹脂 [ ( F ) 成分] 0 . 0 0 1〜 3 0重量部、 高級脂肪酸ァ ミ ド [ (G) 成分] 0 . 5〜 3 0重量部、 スチ レン一ブタジ ェンのブロ ック共重合体である熱可塑性エラ ス トマ一 [ (H) 成分] 1〜 3 0重量部、 ベンゾ ト リ アゾール系紫外線吸収剤
である耐光性改良剤 [ ( J ) 成分] 0 . 0 5 〜 1 0重量部。 上記の組成の場合は、 難燃性、 溶融流動性、 衝撃強度、 及 び耐熱性のバランス特性が優れている。
本発明の芳香族ポリ カーボネー ト一スチレン重合体系樹脂 組成物製造は、 溶融押出しによって行う こ とができる。 溶融 押出し方法と しては、 全成分を同時に溶融押出ししてもいい c また、 樹脂成分以外の成分を用いる場合は、 まず樹脂成分
[即ち、 (A:)〜(C ) 成分及び所望ならばさ らに (D ) 成分] を溶融押出しをして溶融混合物を得た後、 この溶融混合物に 残り の成分を加えてから再度溶融押出しする押出し法、 ある いは複数ゾーンからなる押出し機の前段で樹脂成分を溶融し. 後段で残リ の成分を溶融押出しする押出し法等でもよい。
本発明の芳香族ポリ カーボネー ト —スチ レン重合体系樹脂 組成物は、 上記方法で各成分を溶融混練するこ とによ リ得ら れるが、 その際にその他の酸化防止剤、 その他の紫外線吸収 剤、 錫系熱安定剤、 ステアリ ン酸ゃステアリ ン酸亜鉛等の滑 剤、 充填剤、 ガラス繊維等の補強剤、 染料や顔料等の着色剤 等の添加剤を任意に添加するこ とができる。 これらの添加剤 は、 公知の芳香族ポリ カーボネー ト系樹脂組成物に通常用い られる量で用いるこ とができる。
このよ う にして得られた本発明の樹脂組成物を、 例えば、 射出成形または押出成形するこ とによ リ 、 衝撃強度、 及び耐 熱性の優れた成形品が得られる。
本発明の他の態様においては、 ( C ) 成分の共重合体 ( a ) とグラフ ト共重合体 ( b ) よ り選ばれる少なく と も一種よ り なる相溶化剤が提供される。 本発明の相溶化剤は、 特に、 芳 香族ポリ カーボネー ト と ゴム変性スチレン重合体の間の相溶 性を向上させるのに極めて有用である。
発明を実施するための最良の形態
以下、 実施例および比較例にょ リ本発明をさ らに詳細に説 明するが、 本発明はそれによ リ何ら限定を受けるものではな レヽ o
尚、 実施例、 比較例においては、 以下の測定法も しく は測 定機を用いて種々の測定を行なった。
( 1 ) S P値 ( δ ) 〔溶解性パラメーター (So lub i l iけ
Parameter) 〕 と平均 S P値
、 i ) 値は Po lymer Engineer ing and Sc i ence、 14、 (2)、 147 ( 1974 ) に記載の Fedors 式、 及び該文献に纏めら れている 厶 e と Δ のデータから算出した。
δ = V L∑ ( Δ e ι ) / ∑ ( Δ v. i ) J
[こ こで、 厶 e iは各単位官能基当た リ の凝集エネルギー、 △ V lは各単位官能基当たり の分子容を示し、 δ の単位は
( c a 1 / c m 3) 1/2である。 ]
( ii ) 尚、 共重合体、 及び共重合体のブレン ド物の S P値 は、 加成則が成立する と仮定し、 共重合体の場合は単量体ュ ニッ ト、 またはブレン ド物の場合は各成分共重合体の S P値
の重量比の比例配分によ リ算出 し、 これを平均 S P値と した, 例えば、 ァク リ ロニ ト リ ル一スチ レン共重合体の平均 S P値 は、 ポ リ アク リ ロニ ト リ ルの S P値の 1 4 . 3 9 と ポリ スチ レンの S P値の 1 0 . 5 2の重量比の比例配分によ リ算出し た。 -
( 2 ) 相溶化剤の単量体成分の比率の分布 (最大の S P値 と最小の S P値)
例えば、 相溶化剤がァク リ ロニ ト リ ル—スチ レン共重合体 の場合は、 液体ク ロマ ト グラフィ ーを用いて、 二 ト リ ル ( C N ) 結合をもった充填剤で相溶化剤中の C N基を展開する こ とによ リ分析した。
具体的には、 液体ク ロマ ト グラ フィーと して 日本国島津製 作所製 L C— 6 Aを、 カラム と して米国デュポン社製 Z o r b a x C Nを用い、 テ トラ ヒ ドロ フ ラ ンに溶解した試料を、 テ ト ラ ヒ ドロ フラ ンと n—ヘプタ ンの混合溶媒を移動相と し て 4 5 °Cで展開し、 U V検出器で波長 2 5 4 η πχの吸収値か らニ ト リルの分布を測定した。 得られたピークの右端の部分 に対応する S P値を 「最大の S P値」 と し、 ピーク の左端の 部分に対応する S Ρ値を 「最小の S Ρ値」 と した。 例えば、 図 1 に示すピークでは、 S Ρ値 1 1 . 0が最大の S Ρ値で、 S P値 1 0 . 5が最小の S P値である。 尚、 試料中の二 ト リ ル含有量、 分布の決定は、 例えば、 前もって二 ト リ ル含量が 既知の A S樹脂 (ア ク リ ロ ニ ト リ ル一スチ レン共重合体) を
用いて検量線を作製しておき、 それを基に算出した。
また、 ァク リ ロニ ト リ ルの代わリ にァク リ ル酸エステル、 メ タク リル酸エステル、 不飽和カルボン酸無水物等の単量体 を用いる場合も、 同様にして、 ク ロマ トグラフィーによ リ単 量体成分の比率の分布を求めるこ とができる。
( 3 ) 相溶化剤の溶液粘度
相溶化剤をメチルェチルケ トン (ME K) に溶解して 1 0 重量。 /0樹脂溶液を作製する。 但し、 グラフ ト共重合体につい ては、 ME Kでゴム分から樹脂分を抽出し、 上記と同様に 1 0重量%樹脂溶液を作製する。 次いで、 この溶液 1 0 m 1 を 粘度計に入れ、 2 5 °Cの恒温槽中で落下時間 t (秒) を測 定した。 一方、 既に粘度が既知の粘度計校正用標準液 ( J I S Z 8 8 0 9 — 1 9 7 8 に基づき作製) を用いて上記と同 様の操作で落下時間 t 。 (秒) を求め、 以下の数式によ り粘 度管係数 K (viscometer coeff icient) を算出し、 樹脂溶液 の落下時間 (秒) と粘度管係数 Kとの積から溶液粘度を 得た。 単位はセンチポアズ ( c P ) 。
粘度管係数 K = ( 。 d ) / ( t 。 d。)
η o : 標準液の 2 5 °Cにおける粘度 ( c P )
t 0 : 標準液の 2 5 °Cにおける落下時間 (秒) d : 1 0重量%のポリ マー溶液の密度 ( g Z c m3) d o : 標準液の 2 5 °Cにおける密度 ( g Z c m3) ( 4 ) 樹脂組成物の分析
樹脂組成物 5 g を 1 0 O m l のク ロ 口 ホルム に溶解し、 超 遠心分離機を用いて分離する。 ( 2 0 0 0 0 r p m、 1 時間) 次いで、 分離して得られた上澄み液に 2倍量のメ タ ノールを 添加して樹脂成分を析出させ、 溶液部分と樹脂部分を超遠心 分離機を用いて分離した。 溶液部分については、 G P C (ゲ ルパ一ミエーショ ンク ロマ トグラフィー) (日本国東ソー
(株) 製、 H L C— 8 0 2 0 ; 移動相 テ トラ ヒ ドロフ ラ ン) で分析し、 ク ロマ ト グラム上の各成分の面積比から リ ン酸ェ ステルの組成を求めた。 一方、 上記の樹脂部分については、 フー リ エ変換核磁気共鳴装置 (プロ ト ン— F T— NMR ) を 用いて、 芳香族プロ トンまたは脂肪族プロ トンの積分値の比 を求め、 芳香族ポリ カーボネー ト 、 ポリ フ エ二レンエーテル、 相溶化剤、 及びゴム変性スチ レン重合体の量を求めた。 そし て、 上記樹脂部分をク ロ 口ホルムに溶解し、 2倍量のェチル ベンゼンを添加して樹脂部分を析出させ、 溶液部分と樹脂部 分を超遠心分離機を用いて分離した。 溶液部分については、 テ トラ ヒ ドロフ ラ ンに溶解し、 濾過した溶液を上記項目 ( 2 )
(相溶化剤の単量体成分の比率の分布) で説明 した方法で相 溶化剤の単量体成分の比率の分布を求めた。
( 5 ) ゴム重量平均粒子径
ゴム変性スチ レン重合体の重量平均粒子径は、 超薄切片法 によ リ撮影し.た樹脂組成物の透過型電子顕微鏡写真中のゴム 粒子 (ブタジエン系重合体粒子) 径を求め、 次式によ り算出 する。
重量平均粒子 · D i 4/∑ N i · D i 3 (こ こで D i は測定したブタジエン系重合体粒子の粒子径 を表し、 N i は、 粒子径が D i である、 測定したブタジエン 系重合体粒子の個数を表す。 )
( 6 ) ( B ) 成分と (D ) 成分の還元粘度 s p/c
ゴム変性スチ レン重合体 1 gにメ チルェチルケ ト ン 1 8 m 1 とメ タノール 2 m 1 の混合溶媒を加え、 2 5 °Cで 2時間振 と う し、 5 °C、 1 8 0 0 0 r p mで 3 0分間遠心分離する。 上澄み液を取リ出しメ タノールで樹脂分を析出させた後、 乾 fe¾しに。
こ の よ う にして得られた樹脂 0. 1 g を トルエンに溶解し 濃度 0 . 5 g Z d l の溶液と し、 この溶液 1 0 m l をキヤ ノ ンーフェンスケ型粘度計に入れ、 3 0 °Cでこ の溶液落下時間 T 1 (秒) を測定した。 一方、 別に同じ粘度計で純 トルエン の落下時間 T。 (秒) を測定し、 以下の数式にょ リ算出した。 η s p/o = ノ丁。― 1 ) / C
C : ポリマ ー濃度 ( g Z d 1 )
一方、 ポリ フエ二レンエーテルの還元粘度 s p/cについて は、 0 : l g をク ロ 口ホルムに溶解し、 濃度 0 . 5 g d l の溶液と し、 上記と同様に測定した。
( 7 ) I z 0 d衝撃強度
A S TM- D 2 5 6 に準拠した方法で 2 3 °Cで測定した。 (Vノ ッチ、 1 / 8イ ンチ試験片)
( 8 ) V i c a t 軟化温度
A S T M— D 1 5 2 5.に準拠した方法で測定し、 耐熱性の 尺度と した。
( 9 ) メ ル ト フ ロ ー レー ト (M F R )
溶融流動性の指標で A S TM— D 1 2 3 8 に準拠した方法 で測定した。 荷重 1 0 k g、 溶融温度 2 2 0 °Cの条件で 1 0 分間あた リ の押出量 ( g / 1 0分) から求めた。
( 1 0 ) 難燃性
U L—サブジェク ト 9 4 に準拠した V B (Vert ical
Burning) 法にょ リ評価した ( 1 8イ ンチ試験片を使用) 。 U L—サブジェク ト 9 4に記載の方法に関しては、 例えば、 米国特許第 4, 9 6 6, 8 1 4号を参照するこ とができる。
( 1 1 ) 揮発性 (熱重量天枰試験)
日本国島津製作所製の島津熱分析装置 D T— 4 0 を用いて 窒素気流下、 1 0 °CZ分で昇温し、 1 %重量減少する温度を 揮発性の尺度と した。
( 1 2 ) 耐光性
耐光性試験は、 耐光試験機と して米国 ATLAS Electr ic Devices Co.製 ATLAS CI35W We a t h e r ome t e r を用い、 J I S
K 7 1 0 2 に基づいた方法で行なった。 照射条件と しては 試験機内部温度、 5 5 ° (:、 湿度 5 5 %、 雨無し、 キセノ ン光
(波長 3 4 0 n m エネルギー 0 . 3 0 WZm2) 3 0 0時 間照射と した。 日本国スガ試験機 (株) 製 S Mカラーコ ン ピュータ一型式 S M— 3 を用い、 L . a . b . 法にょ リ試験 前後での成形体の色差 Δ Εをも と めて、 色調変化を評価した 色調変化が小さいほど、 耐光性が高い。
( 1 3 ) フ ッ素系樹脂のモルフォ ロ ジィ (マスターバッチ 中のフ ッ素系樹脂の分枝フイブリ ル状構造の有無を調べる) フ ッ素系樹脂のシー トから、 0 . 1 mm角以下の超薄切片 を作製し、 面をダイヤモン ドナイ フを用いて切削し、 仕上げ る。 この試料を密閉容器内で、 遮光状態に して 1 %ルテニゥ ム酸水溶液の蒸気に数時間暴露し、 染色した。
このよ う にして作製した試験片について、 透過型電子顕微 鏡でモルフォ ロジィ を観察した。
実施例、 比較例で用いる各成分は下記の通リ である。
( 1 ) 芳香族ポリ カーボネー ト ( P C ) [ (A) 成分] 市販のビスフエノール A型ポリ カーボネー ト 〔日本国 三菱化成工業 (株) 製 ノバレックス 7 0 2 5 A〕 (以下 屡々 「 P C」 と称する) を用いた。 P Cの S P値は 1 1 . 3 である。
( 2 ) ゴム変性スチ レン重合体 (H I P S ) [ ( B ) 成分] ゴム変性スチ レン重合体 (H I P S ) は以下のよ う に して製造した。
ポ リ ブタ ジエ ン (シス 1 , 4結合ノ ト ラ ンス 1 , 4結 合 Zビュル 1 , 2結合重量比 - 9 5 Z 2 / 3 ) (日本国日本 ゼオン (株) 製、 商品名 N i p o l 1 2 20 S L ) を、 下 記のよ う に他の成分に溶解し、 均一な溶液と した。
ポリ ブタジエン 1 1 . 0 重量0 /0 スチ レン 7 3 . 7 重量% ェチルベンゼン 1 5 . 0 重量0 /0 α —メチルスチ レン 2量体 0 . 2 7重量0 /0
1 , 1 一 ビス ( t 一ブチルパーォキシ) 一
3 , 3 , 5 — ト リ メ チルシク ロ へキサン
0. 0 3重量% 次いで、 上記の溶液を撹拌機付の直列 4段式反応機に連続 的に送液して、 第 1 段は撹拌数 1 9 0 r p m、 1 2 6 °C、 第 2段は 5 0 r p m、 1 3 3 °C、 第 3段は 2 0 r p m、 1 4 0 °C、 第 4段は 2 0 1 111、 1 5 5 °Cで重合を行った。 引き続 き こ の重合液 (固形分 7 3 %) を脱揮装置に導き、 未反応単 量体及び溶媒を除去し、 ゴム変性スチ レン重合体を得た (H I P S と称する) 。 得られたゴム変性スチ レン重合体を分析 した結果、 ゴム含量は 1 2 . 8重量%、 ゴムの重量平均粒子 径は 1 . 6 m、 還元粘度 7? S P / eは 0. 6 0 d l Z gであつ
た。 また、 H I P Sの S P値は、 1 0 . 3であった。
( 3 ) ゴム非変性ポ リ スチ レン (汎用ポ リ スチ レン) ( G P P S )
市販のポリ スチレン (重量平均分子量 2 7万、 数平均 分子量 1 2万、 日本国旭化成工業 (株) 製) (以後屡々 「 G P P S」 と称する) を用いた。 また、 G P P Sの S P値は 1 0 . 5 であった。
( 4 ) A B S樹脂 (A B S )
市販の A B S樹脂 〔アク リ ロニ ト リ ル Zブタジエン Z スチ レン = 2 6 / 1 4 Z 6 0 (重量比) 〕 (以下屡々 「A B S」 と称する) を用いた。
( 5 ) 相溶化剤 [ ( C ) 成分]
( i ) 共重合体 A S _ 1 〜A S _ 2、 A S — 4〜A S
- 1 0
アク リ ロ ニ ト リ ル 3 . 4重量部、 スチ レン 8 1 . 6重量部、 ェチルベンゼン 1 5重量部、 及び開始剤と して 1 , 1 一 ビス ( t _ブチルパーォキシ) _ 3 , 3, 5 — ト リ メ チルシク ロへキサン 0 . 0 3重量部の混合液を 0 . 7 リ ッ トル 時間の速度で、 撹拌機付の直列 3段式プラグフロー 型反応機に連続的に送液して、 第 1段は撹拌数 1 0 0 r p m 1 2 6 °C、 第 2段は 2 0 r p m、 1 3 5 °C、 第 3段は 1 0 r p m、 1 4 7 °Cで重合を行なった。 引き続き こ の重合液を 2 3 0 °Cの脱揮装置に導き、 未反応単量体及び溶媒を除去し、
ランダム共重合体を得た (以下 「A S — 1 」 と称する) 。 得. られた共重合体を分析した結果、 共重合体の単量体成分の比 率は、 アク リ ロ ニ ト リ ル単位 6重量0 /0、 スチ レン単位 9 4重 量%であり 、 平均 S P値は 1 0 . 7 5であった (単量体成分 の比率は赤外吸収スぺク トル法による) 。 また、 液体ク ロマ トグラフィ一分析にょ リ 、 共重合体の単量体成分の比率の分 布を測定したと ころ、 ァク リ ロニ ト リル単位は 0〜 1 2重量 %であ り 、 共重合体分子の最大 S P値は 1 1 . 0であ り 、 最 小 S P値は 1 0 . 5 であ リ 、 Δ S P値は 0 . 5 であった。
前記共重合体 A S— 1 の製造において、 表 1 に示すよ う に単量体 (ァク リ ロニ ト リ ルと スチ レン) の仕込み組成を 変更して共重合体の単量体成分の比率及びその分布の異なつ た共重合体を製造した (A S— 2 、 A S — 4 〜 A S— 1 0 ) ,
( ϋ ) 共重合体 A S — 3
A S— 1 の製造において、 反応機を完全混合型反応機 に変更するこ と以外同一の実験を繰リ返した。 得られた共重 合体を分析した結果、 共重合体の単量体成分の比率が、 ァク リ ロ二 ト リ ル単位 1 1重量。 /0、 スチ レン単位 8 9重量0 /0であ つた (赤外吸収スペク トル法による) 。 また、 液体ク ロマ ト グラフィー分析によ り 、 共重合体の単量体成分の比率の分布 を測定したと ころ、 ア ク リ ロ ニ ト リ ル単位は 7 〜 1 2重量% であ リ 、 共重合体分子の最大 S P値は 1 1 . 0であ り 、 最小
S P値は 1 0 . 8であ リ 、 Δ S P値は 0 . 2であった。
( Mi) 共重合体 M S — 1 〜 M S— 2、 M S B , S M A A S - 1 の製造において、 ァク リ ロニ ト リ ルの代リ に メ タク リル酸メ チル、 アク リ ル酸プチル、 無水マ レイ ン酸か ら選ばれる単量体を用い、 かつ表 2に示すよ う に単量体の仕 込み組成を変えて共重合体を製造した (M S— 1 〜M S— 2 M S B , S M A ) 。
( 6 ) ポ リ フ エ二 レンエーテル (以下、 屡々 、 「 P P E」 と称する) [ (D) 成分]
酸素吹き込み口を反応機底部に有し、 内部に冷却用コ ィル、 撹拌羽根を有するステン レス製反応機の内部を窒素で 充分置換したのち、 臭化第 2銅 5 4. 8 g、 ジー n—ブチル ァ ミ ン 1 1 1 O g、 及び トルエン 2 0 リ ッ トル、 n—ブタ ノ ール 1 6 リ ッ トル、 メ タノール 4 リ ッ トルの混合溶媒に 2, 6 —キシレノ ール 8 . 7 5 k g を溶解して反応機に仕込んだ, 撹拌しなが ら反応機内部に酸素を吹き込み続け、 内温を 3 0 °Cに制御しながら 1 8 0分間重合を行った。 重合終了後、 析 出したポリ マーを濾別した。 これにメ タ ノール Z塩酸混合液 を添加し、 ポ リ マー中の残存触媒 (臭化第 2銅) を分解し、 さ らにメ タ ノ ールを用いて充分洗浄した後乾燥し、 粉末状の P P Eを得た。 還元粘度 s pハは 0. 5 5 d 1 / gであった, P P Eの S P値は 1 1 . 2であった。
( 7 ) 難燃剤 ( リ ン酸エステル) [ ( E ) 成分]
( i ) ト リ フ エニルホス フ ェー ト ( T P P )
市販の芳香族リ ン酸エステル単量体 〔日本国大八化学 工業 (株) 製、 商品名 T P P〕 (以下、 屡々 、 「Τ Ρ Ρ」 と 称する) を用いた。 S P値は 1 0 . 7 3 である。
( ϋ ) 芳香族系リ ン酸エステル縮合体 ( F R— 1 ) 市販の芳香族リ ン酸エステル縮合体 〔日本国大八化学 工業 (株) 製、 商品名 C R 7 3 3 S〕 (以下、 屡々 、 「 F R— 1 」 と称する) を用いた。
また、 上記芳香族リ ン酸エステル縮合体は、 G P C分 析による と、 式 (XIV) で表わされる T P Pダイマー ( n = 1 ) と T P Pオリ ゴマー ( n≥ 2 ) 力 らなリ 、 重量比でそれ ぞれ 6 5 3 5であった。 S P値は 1 0 . 9 5 である。
( n≥ 1 )
n 1 : T P Pダイマー
n 2 T P Pオ リ ゴマー
(iii) 芳香族リ ン酸エステル縮合体 ( F R— 2 ) 市販の、 ビスフエノール A由来の芳香族リ ン酸エステ ル縮合体 〔日本国大八化学工業 (株) 製、 商品名 C R 7 4 1〕 (以下、 屡々、 「 F R— 2」 と称する) を用いた。
また、 上記芳香族リ ン酸エステル縮合体は、 G P C分 析によると、 式 (XV) で表わされる T P P— A—ダイマーと T P P— A—オリ ゴマーと T P Pからな リ 、 重量比でそれぞ れ 8 4 . 7 / 1 3. 0 Z 2 . 3であった。 S P値は 1 0. 8 0である。
( n
n : T P P— A—ダイマー
n 2 : T P P— A—オ リ コマ
また、 式 (XV) で表わされる芳香族リ ン酸エステルの 縮合体の場合、 式 ( I ) の Nの平均値は である
( iv ) 芳香族リ ン酸エステル縮合体 ( F R— 3 ) 市販の、 ビスフエノール A由来の芳香族リ ン酸エステ ル縮合体 〔日本国大八化学工業 (株) 製、 商品名 C R 7 4 1 C ] (以下、 屡々、 「 F R— 3」 と称する) を用いた。
また、 上記芳香族リ ン酸エステル縮合体は、 G P C分 析による と、 式 (XVI) で表わされる T C P— A—ダイマー と T C P— A - ト リ マー と ト リ ク レジルフォス フ ェー ト ( T
C P ) からなり 、 重量比でそれぞれ 8 0 . 4 / 1 4 5
5であった。 S P値は 9 . 9 2である
n = 1 : T C P— A—ダイマー
n = 2 : T C P— A— ト リマーと称する。
また、 式 (XVI) で表わされる芳香族リ'ン酸エステル の縮合体の場合、 式 ( I ) の Nの平均値は 0 9である
( V ) アルキル置換芳香族系 リ ン酸エステル単量体
( F R— 4 ) の製造
ノ ユルフ ェ ノ ール 2 8 7. 3重量部 (モル比 2 . 0 )
塩化アルミニウム 0 . 8 7重量部 (モル比 0. 0 1 ) をフラ ス コに取リ 9 0 °Cでォキシ塩化リ ン 1 0 0重量部 (モル比 1 0 ) を 1時間かけて滴下した。 生成した中間体にフエノール 6 1 . 4重量部 (モル比 1 . 0 ) を加え、 更に反応させた。 反応を完結させるために、 徐々に昇温し最終的には 1 8 0 °C まで温度を上げてエステル化を完了させた。 次いで反応生成 物を冷却し、 水洗して触媒及び塩素分を除去して リ ン酸エス テル混合物 (以下、 屡々 、 「 F R— 4」 と称する) を得た。
この混合物を G P C (ゲルパーミエーショ ンク ロマ トグラ フ ィ一) (日本国東ソ一 (株) 製、 H L C— 8 0 2 0 ; 移動 相テ トラヒ ドロフラン) によ リ分析したと ころ、 ジノニル フ エニル フ エニル フォス フ ェー ト (以下、 屡々 、 「D N P」 と称する) と、 ト リ ス ノ ニルフエニル フォス フ ェー ト
(以下、 屡々 、 「T N P P」 と称する) と、 ノ ニルフ エニル ジフ エニル フォス フェー ト (以下、 屡々 、 「ND P」 と 称する) と、 ノ ニルフ エノールからなリ 、 重量比がそれぞれ 7 7 . 8 / 1 1 . 3 / 8 . 4 / 2 . 5であった。
また、 置換基の炭素数の合計の平均は 1 7 . 9である
( 1 8 X 0 . 7 7 8 + 2 7 X 0 . 1 1 3 + 9 X 0 . 0 8 4 = 1 7 . 9 )
( i ) アルキル置換芳香族系リ ン酸エステル単量体 ( T N P P ) の製造
F R— 4の製造において、 ノ エルフ エ ノ ールのモル比
を 3 にし、 またフエノールを用いないこ と以外は同一の実験 を行なった。
このよ う にして得られた反応物を G P Cによ リ分析したと ころ、 T N P Pが 1 0 0 %であった。
また、 置換基の炭素数の合計の平均は 2 7 . 0である < ( i) アルキル置換芳香族系リ ン酸エステル単量体 ( F R— 5 ) の製造
F R— 4の製造において、 ノ ユルフェノ ールの代わリ にフエノール (モル比 2 . 0 ) を、 フエノ ールの代わり にノ ユルフェノール (モル比 1 . 0 ) を用レ、る こ と以外、 同一の 実験を行なった。
このよ う にして得られたリ ン酸エステル混合物を F R— 5 と称する。 この混合物を G P Cによ リ分析したと ころ、 N D P、 D N P、 T P P、 及びノニルフエノールカ らなリ 、 重量 比がそれぞれ 7 7. 8 / 1 1 . 3 / 8.4 / 2 . 5であった。
また、 置換基の炭素数の合計の平均は 9 . 0である。 ( 9 X 0. 7 7 8 + 1 8 X 0. 1 1 3 = 9 . 0 )
( 8 ) 難燃助剤
( i ) ト リ アジン骨格含有化合物
市販のメ ラ ミ ンシァヌ レー ト 〔日本国日産化学工業 (株) 製、 商品名 MC 6 1 0 (以下、 屡々、 「MC」 と称 する。 ) 〕 を用いた。
( ii ) フッ素系樹脂 ( P T F E )
火種の滴下の抑制剤と して、 市販のポリ テ ト ラフルォ 口エチレン 〔日本国三井デュポンフロ ロ ケ ミ カル (株) 製、 商品名 テフ ロ ン 6 J 〕 (以下、 屡々 、 「 P T F E」 と称す る) を用いた。
( 9 ) 流動性向上剤
市販の高級脂肪酸ア ミ ド (エチ レンビス ステア リ ルァ ミ ド) 〔 日本国花王 (株) 製、 商品名 花王ワ ッ ク ス E B F F ] (以下、 屡々 、 「 E B S」 と称する) を用いた。
( 1 0 ) スチ レン系熱可塑性エ ラ ス トマ一
スチ レン一ブタジエンブロ ック共重合体 ( T P E ) 市販のスチ レン一ブタジエンブロ ック共重合体 〔スチ レンブロ ック Zブタジエン由来ブロ ック = 4 0 / 6 0 (重量 比) 〔日本国旭化成工業 (株) 製 商品名 タ フプレン 1 2 5〕 (以下、 屡々 、 「T P E」 と称する) を用いた。
( 1 1 ) 耐光性改良剤
( i ) 紫外線吸収剤 (U V A)
スイ ス国チパガィギ一社製のベンゾ ト リ ァゾ一ル系紫 外線吸収剤 〔商品名 チヌ ビン P〕 (以下、 屡々 、 「 U V A」 と称する) を用いた。
( ϋ ) 酸化防止剤
スイ ス国チバガイ ギ一社製 〔商品名 ィルガノ ッ ク ス
1 0 7 6 ] (以下、 屡々 、 「 AO」 と称する) を用いた。
(iii) 遮光剤
酸化チタ ン ( T i O 2 )
市販の酸化チタン粉末 〔日本国石原産業 (株) 製、 0 2 μ ] (以下、 屡々、 「T i 〇 2」 と称する) を用いた。
以下の実施例、 比較例及び表においては、 以下の略語 (前 記のものと同じ) が用いられている :
T P P ト リ フ エ二ノレホス フ エ一ト
P P E ポ リ フ エ二 レンエーテル
G P P S : 汎用ポ リ スチ レン
P T F E : ポ リ テ ト ラ フルォロ エチ レン (テフ ロ ン 6 J )
P C : ビス フ エ ノ ール A型ポリ カーボネー ト (ノ バ レッ ク ス 7 0 2 5 A)
H I P S : ゴム変性スチ レン重合体
E B S : エチ レンビスステア リ ルア ミ ド (花王ワ ッ ク ス
E B F F )
A B S : アタ リ ロニ ト リル /ブタジェン /スチレン樹脂 MC : メ ラ ミ ンシァヌ レー ト (M C 6 1 0 )
T P E : スチ レン一ブタ ジエンブロ ッ ク共重合体 (タ フ プレン 1 2 5 )
T N P P ト リ ス ノ ニノレフ エ二ノレ フ ォスフ ェー ト 実施例 1—9及ぴ比較例 5
表 1 〜 4に記載の処方に基づき樹脂組成物を調製した。 調 製においては、 サイ ドフ ィー ド可能な二軸押出機 ( ドイツ国
Werner P f 1 e i d e r e r 社製 Z S K— 4 0 m m Φ ) を用い、 溶 融押出しを行なった。 即ち、 押出機の前段で樹脂成分を 2 6 0 °Cで溶融し、 後段で T P Pをサイ ドフ ィー ドし、 回転数 2 9 5 r p m、 吐出量 8 0 k gZhで 2 4 0 °Cで溶融混練して ペレツ トを得た。 (尚、' P P Eの溶融温度が高いので、 G P P S / P P Eを 3 0 0 °Cで前以て溶融押出ししたマス ターぺ レツ トを用いた。 )
こ の よ う にして得られたペレッ トを射出成形機 (日本国東 芝機械 (株) 製 型式 I S 8 0 A) でシ リ ンダー温度 2 2 0 °C、 金型温度 6 0 °Cの条件で試験片を作製し、 各種物性評価 を行なった。 表 1 〜 4、 図 1 〜 4 にその結果を示す。
表 1 〜 4及び図 1 〜 4によると、 相溶化剤と して特定の単 量体比率及び単量体比率の特定の分布を有する共重合体 (特 定の平均 S P値と S P値分布を有する共重合体) を用いる と 衝撃強度が著しく 向上することが分かる。
実施例 2 0〜 2 2
実施例 1 0 〔成分 (A) 〜 ( E ) を用いる〕 において、 T P P 1 0重量部の代わリ に、 表 5記載の T P P と F R— 3 と の混合物 1 0重量部を用いる以外は実質的に同一の操作を繰 リ返した。 表 5及び図 5 にその結果を示す。
表 5及び図 5による と、 式 ( I ) のリ ン酸エステルの Nの .平均値が 0〜 0. 9 の場合は衝撃強度が優れているこ とが分 かる。
実施例 2 3〜 2 8
実施例 1 0 〔成分 (A) 〜 ( E ) を用いる〕 において、 T P P 1 0重量部の代わリ に、 表 6記載の芳香族リ ン酸エステ ル単量体 1 0重量部を用いる以外は実質的に同一の操作を操 リ返した。 表 6及び図 6 にその結果を示す。
表 6及び図 6 による と、 式 ( I ) のリ ン酸エステルの Nの 平均値が 0であリ 、 かつ置換基の炭素数の合計の平均値が 1 0〜 2 0の場合は難燃性と耐揮発性のバラ ンス特性が優れて いるこ とが分かる。
実施例 2 9〜 3 '4
実施例 1 0 〔成分 (A) 〜 ( E ) を用いる〕 において、 成 分 (A) 〜 ( E ) の種類及び 又は量を表 7に示すよ う に変 える 〔成分 (A) 〜 (D ) の比を表 7に示すよ う に変更し、 且つ、 成分 (A) 〜 (D) の合計 1 0 0重量部に対して、 表 7に記載の量のアルキル置換芳香族リ ン酸エステル単量体 ( F R— 4 ) または芳香族リ ン酸エステル縮合体 ( F R— 2 ) を、 T P Pの代リ に用いている〕 以外は実質的に同一の操作 を繰リ返した。 表 7及び図 7にその結果を示す。
表 7及び図 7によ る と、 難燃剤と して、 アルキル置換芳香 族系リ ン酸エステル単量体を用いる と、 芳香族リ ン酸エステ ル縮合体よ り も衝撃強度の低下が小さ く 、 溶融流動性、 耐熱 性、 及び衝撃強度のバランス特性が優れているこ とが分かる。 実施例 3 5〜 3 7
実施例 1 0 〔成分 ( A ) 〜 ( E ) を用いる〕 において、 表 8記載の耐光性改良剤を添加する以外は実質的に同一の方法 で成形体 (試験片) を作成した。 この試験片を用いて耐光性 テス トを行なった。 更に実施例 1 0の成形体についても耐光 性テス トを行なった。 表 8 にその結果を示す。
実施例 3 8〜 4 1
実施例 1 0 〔成分 (A) 〜 ( E ) を用いる〕 において、 表 9記載の組成比と製造条件で作製された P T F Eのマスター バッチを用い、 樹脂成分の組成を P CZH I P S / G P P S ZA S — 1 Z P P E /T P Pノ P T F Eノ E B S = 5 0 / 3 1 / 1 . 2 / 5 / 2 . 8 / 1 0 / 0. 0 4 / 0 . 0 4 (重量 比) に変更するこ と以外は実質的に同一の操作を繰リ返した, 表 9 にその結果を示す。
また、 図 8 と 9 にはそれぞれ実施例 3 8 と 4 0の P T F E マスターバッチの電子顕微鏡写真を示した。 図 8 と 9 を対比 する と、 高粘度の P P Eによる剪断下、 3 3 0 °Cで溶融した 実施例 3 8の P T F Eマスターバッチは、 幹繊維と、 幹繊維 から枝分かれした多数の枝繊維よ リ なる分枝フイブリル状の 構造を有しているこ とが分かる。 結果と して、 実施例 3 8は 実施例 4 0 よ リ も難燃性が優れている。
樹脂組成物 表 1
比較例 1 比較例 2 実施例 実施例 2 比較例 3 比較例 4 比較例 5 比較例 6 比較例 7 比較例 8
(A) P C (重量部) 5 0
(B) H I P S (重量部) 5 0 4 0 4 5 0
G P P S (重量部) 0 0 0 0
AB S (重量部) 0¾* 4 5
(C) 成分添加量 (重量部) 1 0 5 5 5 5 5 5 5 5 名称 GPPS AS - 1 AS-2 AS- 3 AS - 4 AS - 5 AS - 6 AS- 3 AS- 1 単量体 * ST AN/ST AN/ST AN/ST AN/ST AN/ST AN/ST AN/ST AN/ST 単量体重量比 100 6/94 11/89 11/89 11/89 20/80 25/75 11/89 6/94 平均 S P値 10.5 10.75 10.95 10.95 10.95 11.29 11.49 10.95 10.75 最大 S P値 10.5 11.0 11.2 11.0 11.6 11.5 11.7 11.0 11.0 最小 S P値 10.5 10.5 10.6 10.8 10.5 11.1 11.3 10.8 10.5 Δ S P値 0 0.5 0.6 0.2 1.1 0.4 0.4 0.2 0.5
Izod 衝撃強度 2 0 5 9 4 2 4 5 5 5· 3 物 ( k g · m/ c m)
性 MF R ( gZ I O分) 1 2 2 0 1 4 1 3 1 3 1 2 1 2 1 2 5 7 Vicat 軟化温度 (で) 4 2 3 5 4 1 4 2 4 1 4 3 4 4 4 4 4 2 4 3 註 * AN : アク リ ロニ ト リル
S T : スチレン
表 2
B : ァク リル酸ブチル MAH : 無水マレイン酸
表 3
註 * AN : アクリロニトリル S T : スチレン
表 5
註 * 1 参考のため表 3の実施例 1 0と 1 6のデータを再度示す * 2 TP Pの式 (I ) の Nの平均値 = 0
FR— 3の式 ( I ) の Nの平均値 = 1. 0 9
表 6
(E) 成分 (芳香族リン酸エステル) 成 形 体 評 価 置換基の炭素数 名 称 難 燃 性 1 %重量減少 の合計の平均値 平均消炎時間 (秒) UL- 94判定 温度 (°C) 実施例 1 0 0 T P P 2. 4 V- 0 1 94 実施例 23 4. 5 T P P/F R - 5 2. 5 V- 0 2 1 2
(重量比 =1/1) 実施例 24 9. 0 F R- 5 2. 7 V- 0 229 実施例 25 1 3. 5 FR- 5/FR-4 3. 0 V- 0 245
(重量比 =1/1) 実施例 26 1 7. 9 F R— 4 3. 6 V— 0 264 実施例 27 22. 5 F R— 4 /TN P P 9. 5 V- 1 280
(重量比 = 1/1) 実施例 28 27. 0 TN P P 1 1. 8 V- 1 298
表 7
註 * 1 F R— 2は芳香族リン酸エステル縮合体
* 2 F R— 4はアルキル置換芳香族リン酸エステル単量体
表 8
表 9
実施例 38 実施例 39 実施例 40 実施例 41 名称 F-MB-1 F-MB-2 F-MB-3 ―
H I P S (重量部) 0 0 9 8 0
G P P S (重量部) 29 2 9 . 0 0
P T F E
の P P E (重量部) 6 9 6 9 0 0 マスター
バッチ PTF E (重量部) 1 1 1 1 00
EB S (重量部) 1 0 1 0 製造条件 330 。C 330 °C 230 °C
10分溶融 10分溶融 10分溶融 平均消炎時間 (秒) 2.4 4.0 4.4 6.0 難 燃 性 最大消炎時間 (秒) 9 - 6 9.9 1 7.3 2 9.1 火種の滴下 SP
U L - 94判定 V- 0 V- 0 V- 1 V- 1
産業上の利用可能性
本発明の組成物においては、 相溶性に乏しい芳香族ポリ 力 ーボネー ト と ゴム変性スチレン重合体とが、 特定の相溶化剤 によ り 、 効果的に相溶化されてお リ、 優れた衝撃強度、 溶融 流動性 (成形加工性の指標となる) 、 及び耐熱性が得られる 本発明の組成物は様々な分野において有用でぁ リ 、 特に、 家電部品、 O A機器部品等の製造に好適である。