JP3315292B2 - 難燃剤の濃度分布を有する難燃性樹脂組成物成形体 - Google Patents

難燃剤の濃度分布を有する難燃性樹脂組成物成形体

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JP3315292B2 JP12136495A JP12136495A JP3315292B2 JP 3315292 B2 JP3315292 B2 JP 3315292B2 JP 12136495 A JP12136495 A JP 12136495A JP 12136495 A JP12136495 A JP 12136495A JP 3315292 B2 JP3315292 B2 JP 3315292B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は難燃性の優れた樹脂組成
物成形体に関する。更に詳しくは難燃性、流動性、耐熱
性及び耐衝撃性の優れた難燃性樹脂組成物成形体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂はガラス等の無機物に比較
して成形性に優れることに加え、耐衝撃性に優れている
ことから、自動車部品、家電部品、OA機器部品を初め
とする多岐の分野で使用されているが、熱可塑性樹脂の
易燃性のためにその用途が制限されている。熱可塑性樹
脂の難燃化の方法としては、ハロゲン系、リン系、無機
系の難燃剤を熱可塑性樹脂に添加することが知られてお
り、それによりある程度難燃化が達成されている。しか
しながら、近年火災に対する安全性の要求がとみにクロ
ーズアップされ、家電製品、OA機器等に対する米国U
L(アンダーライターズ・ラボラトリー)垂直法燃焼試
験の規制が年とともに厳しくなってきたことや、軽量
化、経済性向上のため、製品、部品の肉厚が薄くなって
きたことで、より高度な難燃化技術の開発が強く望まれ
てきている。より高度な難燃性を付与するために難燃剤
を増量する方法は、元来高価な難燃剤を大量に使用する
ことは経済的でないだけでなく有毒ガスの発生や機械的
性質の低下を助長するために好ましくない。
【0003】高度な難燃性を付与する従来技術として、
熱可塑性樹脂、シリコーンオイル、シリコーン樹脂、リ
ン−窒素含有化合物及び多価アルコールからなる樹脂組
成物(USP4871795)、熱可塑性樹脂、シリコ
ーン樹脂及び難燃性フィラーからなる樹脂組成物(US
P4265801)、ポリスチレン、シリコーン及びカ
ルボン酸IIa族金属塩からなる樹脂組成物(特公昭63
−10184)、熱可塑性樹脂、シリコーン、シリコー
ン樹脂、カルボン酸IIa賊金属塩からなる樹脂組成物
(USP4387176)が開示されている。しかしな
がら、上記樹脂組成物の難燃性は充分でなく、問題が残
されている。また、J.of Fire Sci.Vo
l 11 Sep/Oct 371(1993)には、
成形体に難燃剤を塗布することにより、難燃性が向上す
ることが開示されている。しかしながら、塗布法では難
燃性向上効果は小さいだけでなく、プロセスコストが高
く、工業的使用が狭められる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような現
状に鑑み、上記のような問題点のない、即ち難燃性、耐
衝撃性、耐熱性及び流動性の優れた難燃性樹脂組成物成
形体を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは熱可塑性樹
脂組成物の難燃化技術を鋭意検討した結果、熱可塑性樹
脂(A成分)に対して、特定の難燃剤(B成分)を組み
合わせることにより、驚くべきことに、難燃性を飛躍的
に向上させることが可能になることを見出し、本発明に
到達した。即ち、本発明はシリコン元素を有する難燃剤
を含有する樹脂組成物成形体において、該樹脂が、ポリ
スチレン系、ポリフェニレンエーテル系、ポリカーボネ
ート系であり、かつ成形体表面から50Åの深さまで
の、上記元素のX線光電子スペクトル法による平均濃度
C1(%)と、成形体全体の上記元素の、蛍光X線法に
よる平均濃度C2(%)との比、C1/C2が2〜10
0であることを特徴とする難燃剤の濃度分布を有する難
燃性樹脂組成物成形体を提供するものである。以下、本
発明を詳しく説明する。
【0006】本発明の成形体を構成する樹脂組成物は、
熱可塑性樹脂(A成分)と特定の難燃剤(B成分)を含
有する。上記A成分は樹脂組成物の主成分をなし、成形
品の強度保持の役割を担う。B成分は難燃剤であり、成
形体中で濃度分布を有し成形体表面に高度に偏在するこ
とにより難燃効率を促進する。ここでB成分は熱可塑性
樹脂より表面エネルギーの低い元素と難燃剤とを組み合
わされた化合物であり、その結果表面に難燃剤が偏析す
る。この難燃剤の偏析の指標として、X線光電子スペク
トル法による難燃性元素の平均濃度C1(%)と、蛍光
X線法による上記平均濃度C2(%)との比、C1/C
2を用いる。X線光電子スペクトルは成形体の極表面層
の難燃性元素の濃度を分析することができ、照射角度か
ら表面層の深さを制御することができる。一方、蛍光X
線法は成形体全体の難燃性元素の平均濃度を分析するこ
とができる。上記C1/C2は2未満では難燃性の向上
効果は少なく、100を越えると難燃剤がブリードし、
成形時の金型汚染の原因となり、好ましくないことを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0007】本発明において用いられる上記A成分の熱
可塑性樹脂としては、B成分と相溶もしくは均一分散し
得るものであればとくに制限はない。例えばポリスチレ
ン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリフェ
ニレンエーテル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポ
リフェニレンスルフィド系、ポリカーボネート系、ポリ
メタクリレート系等の単独もしくは二種以上を混合した
ものを使用することができる。ここで特に熱可塑性樹脂
としてポリスチレン系、ポリフェニレンエーテル系、ポ
リカーボネート系の熱可塑性樹脂が好ましい。上記ポリ
スチレン系樹脂は、ゴム変性スチレン系樹脂又はゴム非
変性スチレン系樹脂である。本発明の成形体を構成する
樹脂組成物が含有するA成分として最も好ましい組合せ
の一つは、ゴム変性スチレン系樹脂(A−1)成分とポ
リフェニレンエーテル(A−2)成分とのポリマーブレ
ンド体であり、(A−1)成分と(A−2)成分とから
なる樹脂成分の100重量部中に占める(A−2)成分
の割合は、10〜40重量部の範囲が好ましい。(A−
2)成分が10重量部未満では、炭化残渣量が少なく難
燃性が充分でなく、40重量部を越えると流動性が低下
し、好ましくない。(A−2)成分のより好ましい範囲
は15〜30重量部である。
【0008】本発明の成形体を構成する樹脂組成物が含
有する(A)成分としてもう一つの好ましい組み合わせ
は、芳香族ポリカーボネートとゴム変性スチレン系樹脂
とのポリマーブレンド体である。本発明において前記A
成分として使用するゴム変性スチレン系樹脂は、ビニル
芳香族系重合体よりなるマトリックス中にゴム状重合体
が粒子状に分散してなる重合体をいい、ゴム状重合体の
存在下に芳香族ビニル単量体及び必要に応じ、これと共
重合可能なビニル単量体を加えて単量体混合物を公知の
塊状重合、塊状懸濁重合、溶液重合または乳化重合する
ことにより得られる。
【0009】このような樹脂の例としては耐衝撃性ポリ
スチレン、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン
−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリル
−アクリルゴム−スチレン共重合体)、AES樹脂(ア
クリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共
重合体)等が挙げられる。ここで前記ゴム状重合体はガ
ラス転移温度(Tg)が−30℃以下であることが必要
であり、−30℃を越えると耐衝撃性が低下する。この
ようなゴム状重合体の例としてはポリブタジエン、ポリ
(スチレン−ブタジエン)、ポリ(アクリロニトリル−
ブタジエン)等のジエン系ゴム及び上記ジエンゴムを水
素添加した飽和ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴ
ム、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム及びエチ
レン−プロピレン−ジエンモノマー三元共重合体(EP
DM)等を挙げることができ、特にジエン系ゴムが好ま
しい。
【0010】上記のゴム状重合体の存在下に重合させる
グラフト重合可能な単量体混合物中の必須成分の芳香族
ビニル単量体は、例えばスチレン、α−メチルスチレ
ン、パラメチルスチレン、p−クロロスチレン、p−ブ
ロモスチレン、2,4,5−トリブロモスチレン等であ
り、スチレンが最も好ましいが、スチレンを主体に上記
他の芳香族ビニル単量体を共重合してもよい。また、ゴ
ム変性スチレン系樹脂の成分として必要に応じ、芳香族
ビニル単量体に共重合可能な単量体成分を一種以上導入
することができる。耐油性を高める必要のある場合は、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニト
リル単量体を用いることができる。
【0011】そしてブレンド時の溶融粘度を低下させる
必要のある場合は、炭素数が1〜8のアルキル基からな
るアクリル酸エステルを用いることができる。また更に
樹脂組成物の耐熱性を更に高める必要のある場合は、α
−メチルスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、無水マ
レイン酸、N−置換マレイミド等の単量体を共重合して
もよい。単量体混合物中に占める上記ビニル芳香族単量
体と共重合可能なビニル単量体の含量は0〜40重量%
である。本発明の成形体を構成する樹脂組成物が含有す
る(A−1)成分におけるゴム状重合体は、好ましくは
5〜80重量%、特に好ましくは10〜50重量%、グ
ラフト重合可能な単量体混合物は、好ましくは95〜2
0重量%、更に好ましくは90〜50重量%の範囲にあ
る。この範囲外では目的とする樹脂組成物の耐衝撃性と
剛性のバランスが取れなくなる。更にはスチレン系重合
体のゴム粒子径は、0.1〜5.0μmが好ましく、特
に0.2〜3.0μmが好適である。上記範囲内では特
に耐衝撃性が向上する。
【0012】本発明の成形体を構成する樹脂組成物が含
有するゴム変性スチレン系樹脂の分子量の尺度である還
元粘度ηsp/c(0.5g/dl、トルエン溶液、3
0℃測定)は、0.30〜0.80dl/gの範囲にあ
ることが好ましく、0.40〜0.60dl/gの範囲
にあることがより好ましい。ゴム変性スチレン系樹脂の
還元粘度ηsp/cに関する上記要件を満たすための手
段としては、重合開始剤量、重合温度、連鎖移動剤量の
調整等を挙げることができる。本発明においてA成分と
して使用するポリフェニレンエーテル(以下PPEと略
称する)は、下記式(1)で示される結合単位からなる
単独重合体及び/又は共重合体である。
【0013】
【化1】
【0014】但し、R1,R2,R3,R4はそれぞれ水
素、炭化水素、または置換炭化水素基からなる群から選
択されるものであり、互いに同一でも異なっていてもよ
い。このPPEの具体的な例としては、ポリ(2,6−
ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジ
メチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノール
との共重合体等が好ましく、中でもポリ(2,6−ジメ
チル−1,4−フェニレンエーテル)が好ましい。かか
るPPEの製造方法は特に限定されるものではなく、例
えば米国特許第3,306,874号明細書記載の方法
による第一銅塩とアミンのコンプレックスを触媒として
用い、例えば2,6−キシレノールを酸化重合すること
により容易に製造でき、そのほかにも米国特許第3,3
06,875号明細書、米国特許第3,257,357
号明細書、米国特許3,257,358号明細書及び特
公昭52−17880号公報、特開昭50−51197
号公報に記載された方法で容易に製造できる。本発明に
て用いる上記PPEの還元粘度(0.5g/dl、クロ
ロホルム溶液、30℃測定)は、0.20〜0.70d
l/gの範囲にあることが好ましく、0.30〜0.6
0dl/gの範囲にあることがより好ましい。PPEの
還元粘度に関する上記要件を満たすための手段として
は、前記PPEの製造の際の触媒量の調整などを挙げる
ことができる。
【0015】本発明において前記A成分として使用する
芳香族ポリカーボネートは、芳香族二価フェノール系化
合物を苛性アルカリ及び溶剤の存在下でホスゲンを吹き
込むホスゲン法、あるいは芳香族二価フェノール系化合
物と炭酸ジエチルとを触媒の存在下でエステル交換させ
るエステル交換法により得られ、該芳香族ホモまたはコ
ポリカーボネートは粘度平均分子量が1万〜10万の範
囲が好適である。ここで上記二価フェノール系化合物
は、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチ
ルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5
−ジフェニル)ブタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジプロピルフェニル)プロパン、1,1’
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1
−フェニル−1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタン等であり、特に2,2’−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕が好まし
い。そして本発明の二価フェノール系化合物は単独で用
いてもよいし、あるいはそれらを併用してもよい。
【0016】本発明において前記B成分として使用する
難燃剤は、熱可塑性樹脂より表面エネルギーの低い元素
と難燃剤とを組み合わされた化合物であり、その結果表
面に難燃剤が偏析する。この難燃剤の例としては、表
面エネルギーの低いけい素含有化合物とリン系難燃剤と
の化合物、ポリフェニレンエーテル等の難燃性樹脂に
シリコーンがグラフトしたポリマー、偏析性シリコー
ン化合物等である。上記けい素含有化合物とリン系難
燃剤との化合物として、エポキシ基、ヒドロキシル基、
カルボキシル基から選ばれる官能基を含有したポリジメ
チルシロキサンとエポキシ基またはヒドロキシル基を含
有したリン酸エステル(例えばレゾルシニルジフェニル
フォスフェート)との反応物、または以下に示されるリ
ン含有シラン化合物である。
【0017】
【化2】
【0018】〔但し、R1,R2はメチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ、ブトキシ基、フェニル基から選ばれる置換基で
あり、Xは−C36−、−CH2O−、−(CH23
−から選ばれる置換基である。〕 前記ポリフェニレンエーテル等の難燃性樹脂にシリコ
ーンがグラフトしたポリマーは、ポリフェニレンエーテ
ルに過酸化物の存在下でポリジメチルシロキサン等をグ
ラフト反応させたポリマーである。
【0019】前記偏析性シリコーン化合物としては、
たとえばビニル基含有シリコーンオイル[信越化学工業
(株)製X−21−5833]などがある。本発明の成
形体を構成する樹脂組成物は必要に応じて、B成分以外
の難燃剤(C成分)として、有機リン化合物、赤リ
ン、無機系リン酸塩、無機系難燃剤等を配合するこ
とができる。
【0020】上記有機リン化合物は例えばホスフィ
ン、ホスフィンオキシド、ビホスフィン、ホスホニウム
塩、ホスフィン酸塩、リン酸エステル、亜リン酸エステ
ル等である。より具体的にはトリフェニルフォスフェー
ト、メチルネオペンチルフォスファイト、ペンタエリス
リトールジエチルジフォスファイト、メチルネオペンチ
ルフォスフォネート、フェニルネオペンチルフォスフェ
ート、ペンタエリスリトールジフェニルジフォスフェー
ト、ジシクロペンチルハイポジフォスフェート、ジネオ
ペンチルハイポフォスファイト、フェニルピロカテコー
ルフォスファイト、エチルピロカテコールフォスフェー
ト、ジピロカテコールハイポジフォスフェートである。
本発明において特に好ましい有機リン化合物はヒドロキ
シル基含有芳香族リン酸エステルであり、例えばトリク
レジルフォスフェートやトリフェニルフォスフェートや
それらの縮合リン酸エステル等に1個または2個以上の
フェノール性水酸基を含有したリン酸エステルであり、
例えば下記の化合物である。
【0021】
【化3】
【0022】〔但し、式(2)および(3)中、A
1,Ar2,Ar3,Ar4,Ar5,Ar6はフェニル
基、キシレニル基、エチルフェニル基、イソプロピルフ
ェニル基、ブチルフェニル基から選ばれる芳香族基であ
り、リン酸エステル中に少なくとも1個のヒドロキシル
基が上記芳香族基に置換されている。又、nは0〜3の
整数を表わし、mは1以上の整数を表わす。) 本発明のヒドロキシル基含有芳香族系リン酸エステルの
中でも特に、下記式(4)で示されるジフェニルレゾル
シニルフォスフェートまたは下記式(5)で示されるジ
フェニルハイドロキノニルフォスフェートが好ましく、
その製造方法は例えば特開平1−223158号公報に
開示されており、フェノール、ヒドロキシフェノール、
塩化アルミニウム及びオキシ塩化リンの反応により得ら
れる。
【0023】
【化4】
【0024】本発明で前記難燃剤として用いる赤リン
は、一般の赤リンの他にその表面をあらかじめ、水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸
化チタンより選ばれる金属水酸化物の被膜で被覆処理さ
れたもの、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、
水酸化亜鉛、水酸化チタンより選ばれる金属水酸化物及
び熱硬化性樹脂よりなる被膜で被覆処理されたもの、水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、
水酸化チタンより選ばれる金属水酸化物の被膜の上に熱
硬化性樹脂の被膜で二重に被覆処理されたものなどであ
る。前記難燃剤として用いる無機系リン酸塩は、ポリ
リン酸アンモニウムが代表的である。
【0025】また、必要に応じて含有することができ
る。前記無機系難燃剤としては、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサ
イト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、塩基性炭酸
マグネシウム、水酸化ジルコニウム、酸化スズの水和物
等の無機金属化合物の水和物、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸
亜鉛、メタホウ酸バリウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウ
ム、ムーカルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等
が挙げられる。これらは1種でも2種以上を併用しても
よい。この中で特に水酸化マグネシウム、水酸化アルミ
ニウム、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト
からなる群から選ばれたものが難燃効果が良く、経済的
にも有利である。
【0026】本発明の成形体を構成する樹脂組成物に必
要に応じて、トリアジン骨格含有化合物、ノボラッ
ク樹脂、含金属化合物、シリコーン樹脂、シリコ
ーンオイル、シリカ、アラミド繊維、フッ素系樹
脂、ポリアクリロニトリル繊維から選ばれる一種以上
の難燃助剤(D成分)を配合することができる。上記
トリアジン骨格含有化合物はリン系難燃剤の難燃助剤と
して一層の難燃性を向上させるための成分である。その
具体例としてはメラミン、下記式(6)で示されるメラ
ム、下記式(7)で示されるメレム、メロン(600℃
以上でメレム3分子から3分子の脱アンモニアによる生
成物)、下記式(8)で示されるメラミンシアヌレー
ト、下記式(9)で示されるリン酸メラミン、下記式
(10)で示されるサクシノグアナミン、アジポグアナ
ミン、メチルグルタログアナミン、下記式(11)で示
されるメラミン樹脂、下記式(12)で示されるBTレ
ジン等を挙げることができるが、耐揮発性の観点から特
にメラミンシアヌレートが好ましい。
【0027】
【化5】
【0028】
【化6】
【0029】前記ノボラック樹脂は燃焼時の火種の滴
下を抑制(耐ドリップ性)するための成分であり、かつ
ヒドロキシル基含有芳香族リン酸エステルと併用する場
合には、流動性と耐熱性の向上剤でもある。そしてその
樹脂はフェノール類とアルデヒド類を硫酸または塩酸の
ような酸触媒の存在下で縮合して得られる熱可塑性樹脂
であり、その製造方法は、「高分子実験学5『重縮合と
重付加』p.437〜455(共立出版(株)」に記載
されている。ノボラック樹脂製造の一例を下記反応式
(13),(14)に示す。
【0030】
【化7】
【0031】上記フェノール類はフェノール、o−クレ
ゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−ジ
メチル−、3,5−ジメチル−、2,3,5−トリメチ
ル−、3,4,5−トリメチル−、p−t−ブチル−、
p−n−オクチル−、p−ステアリル−、p−フェニル
−、p−(2−フェニルエチル)−、o−イソプロピル
−、p−イソプロピル−、m−イソプロピル−、p−メ
トキシ−及びp−フェノキシフェノール、ピロカテコー
ル、レゾルシノール、ハイドロキノン、サリチルアルデ
ヒド、サリチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、メチル
p−ヒドロキシベンゾエート、p−シアノ−及びo−シ
アノフェノール、p−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、
p−ヒドロキシベンゼンスルホンアミド、シクロヘキシ
ル p−ヒドロキシベンゼンスルホネート、4−ヒドロ
キシフェニルフェニルホスフィン酸、メチル 4−ヒド
ロキシフェニルフェニルホスフィネート、4−ヒドロキ
シフェニルホスホン酸、エチル 4−ヒドロキシフェニ
ルホスホネート、ジフェニル 4−ヒドロキシフェニル
ホスホネート等である。上記アルデヒド類はホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド、n−プロパナール、n−ブ
タナール、イソプロパナール、イソブチルアルデヒド、
3−メチル−n−ブタナール、ベンズアルデヒド、p−
トリルアルデヒド、2−フェニルアセトアルデヒド等で
ある。
【0032】前記含金属化合物は金属酸化物及び/ま
たは金属粉である。上記金属酸化物は酸化アルミニウ
ム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化マグネシ
ウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、
酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化スズ、
酸化アンチモン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングス
テン等の単体またはそれらの複合体(合金)であり、上
記金属粉はアルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜
鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、ニッケ
ル、銅、タングステン、スズ、アンチモン等の単体また
はそれらの複合体である。前記シリコーン樹脂はSi
2、RSiO3/2、R2SiO、R3SiO1/2の構造単
位を組み合わせてできる三次元網状構造を有するシリコ
ーン樹脂である。ここでRはメチル基、エチル基、プロ
ピル基等のアルキル基、あるいはフェニル基、ベンジル
基等の芳香族基、または上記置換基にビニル基を含有し
た置換基を示す。前記シリコーンオイルは、下記式
(15)に示される化学結合単位からなるポリジオルガ
ノシロキサンである。
【0033】
【化8】
【0034】上式中のRはC1〜8のアルキル基、C6
〜13のアリール基、下記式(16)で示される含ビニ
ル基から選ばれる一種または二種以上の置換基である。 CH2=CH− (16) 前記シリコーンオイルの粘度は600〜1000000
センチポイズ(25℃)が好ましく、さらに好ましくは
90000〜150000センチポイズ(25℃)であ
る。
【0035】前記シリカは無定形の二酸化ケイ素であ
り、特にシリカ表面に炭化水素系化合物系のシランカッ
プリング剤で処理した炭化水素系化合物被覆シリカが好
ましく、更にはビニル基を含有した炭化水素系化合物被
覆シリカが好ましい。上記シランカップリング剤は、p
−スチリルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラ
ン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニ
ル基含有シラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リエトキシシラン等のエポキシシラン及びN−β(アミ
ノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N
−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、
N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
等のアミノシランである。ここで特に熱可塑性樹脂と構
造が類似した単位を有するシランカップリング剤が好ま
しく、例えばスチレン系樹脂に対してはp−スチリルト
リメトキシシランが好適である。
【0036】シリカ表面へのシランカップリング剤の処
理は湿式法と乾式法に大別される。湿式法はシリカをシ
ランカップリング剤溶液中で処理し、その後乾燥させる
方法であり、乾式法はヘンシェルミキサーのような高速
撹拌可能な機器の中にシリカを仕込み、撹拌しながらシ
ランカップリング剤液をゆっくり滴下し、その後熱処理
する方法である。前記アラミド繊維は平均直径が1〜
500μmで平均繊維長が0.1〜10mmであること
が好ましく、イソフタルアミド、またはポリパラフェニ
レンテレフタルアミドをアミド系極性溶媒または硫酸に
溶解し、湿式または乾式法で溶液紡糸することにより製
造することができる。前記フッ素系樹脂は更に一層耐
ドリップ性を向上させるための成分であり、樹脂中にフ
ッ素原子を含有する樹脂である。その具体例としてポリ
モノフルオロエチレン、ポリジフルオロエチレン、ポリ
トリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、
テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共
重合体等を挙げることができる。また、耐ドリップ性を
損わない程度に必要に応じて上記含フッ素モノマーと共
重合可能なモノマーとを併用してもよい。
【0037】これらのフッ素系樹脂の製造方法は米国特
許第2,393,697号明細書及び米国特許第2,5
34,058号明細書に開示され、例えばテトラフルオ
ロエチレンを水性媒体中で過硫酸アンモニウム、過硫酸
カリウム等のラジカル開始剤を用いて、7〜70kg/
cm2の加圧下、0〜200℃の温度で重合し、次いで
懸濁液、分散液または乳濁液から凝析により、または沈
殿によりポリテトラフルオロエチレン粉末が得られる。
ここでフッ素系樹脂の融点以上で溶融混練することが好
ましい。例えばポリテトラフルオロエチレンの場合、3
00〜350℃の温度範囲で溶融することが好ましい。
剪断力下、融点以上での溶融により、高度にフィブリル
化し、配向結晶化する。そしてフッ素系樹脂が幹繊維に
対して、枝分かれした特殊な高次構造を有するフッ素系
樹脂が得られる。その結果として三次元的に熱可塑性樹
脂と絡み合い、成形体の溶融滴下を抑制する。また、高
剪断力を与えるためにゴム変性樹脂(例えばゴム変性ポ
リスチレン)よりポリフェニレン−テル等の溶融粘度の
高い硬質樹脂中で溶融することが好ましい。
【0038】上記特殊な高次構造を有するフッ素系樹脂
の製造方法はフッ素系樹脂と熱可塑性樹脂と必要に応じ
て分散剤を、フッ素系樹脂の融点以上で溶融混練してマ
スターバッチを作製してから、熱可塑性樹脂、難燃剤と
溶融混練する二段プロセス法、またはサイドフィード可
能な二ゾーンからなる押出機を用い、前段で熱可塑性樹
脂とフッ素系樹脂と必要に応じて分散剤を、フッ素系樹
脂の融点以上で溶融混練し、後段で溶融温度を下げて難
燃剤をフィード、溶融混練する一段プロセス法等があ
る。前記ポリアクリロニトリル繊維は、平均直径が1
〜500μmで平均繊維長が0.1〜10mmであるこ
とが好ましく、ジメチルホルムアミド等の溶媒に重合体
を溶解し、400℃の空気流中に乾式紡糸する乾式紡
糸、または硝酸等の溶媒に重合体を溶解し水中に湿式紡
糸する湿式紡糸法により製造される。
【0039】本発明の成形体を構成する樹脂組成物に必
要に応じて、芳香族ビニル単位とアクリル酸エステル
単位からなる共重合樹脂、脂肪族炭化水素、高級脂
肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、
高級脂肪族アルコール、または金属石鹸から選ばれる
一種または二種以上の流動性向上剤(E成分)を配合す
ることができる。上記共重合樹脂の芳香族ビニル単位
は、A−1成分の説明において示した芳香族ビニル単位
であり、アクリル酸エステル単位は、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸ブチル等の炭素数が1〜8のアルキル基
からなるアクリル酸エステルである。ここで共重合樹脂
中のアクリル酸エステル単位の含量は、3〜40重量%
が好ましく、更には5〜20重量%が好適である。また
上記共重合樹脂の分子量の指標である溶液粘度(樹脂1
0重量%のMEK溶液、測定温度25℃)が、2〜10
cP(センチポアズ)であることが好ましい。溶液粘度
が2cP未満では、衝撃強度が低下し、一方、10cP
を越えると流動性の向上効果が低下する。
【0040】前記脂肪族炭化水素系加工助剤は流動パ
ラフィン、天然パラフィン、マイクロワックス、ポリオ
レフィンワックス、合成パラフィン及びこれらの部分酸
化物あるいはフッ化物、塩化物等である。前記高級脂
肪酸はカプロン酸、ヘキサデカン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、フェニルステアリン酸、フェロン酸等の飽
和脂肪酸及びリシノール酸、リシンベライジン酸、9−
オキシ12オクタデセン酸等の不飽和脂肪酸等である。
前記高級脂肪酸エステルはフェニルステアリン酸メチ
ル、フェニルステアリン酸ブチル等の脂肪酸の1価アル
コールエステル及びフタル酸ジフェニルステアリルのフ
タル酸ジエステル等の多塩基酸の1価アルコールエステ
ルであり、さらにソルビタンモノラウレート、ソルビタ
ンモノステアレート、ソルビタンモノオレート、ソネビ
タンセスキオレート、ソルビタントリオレート、ポリオ
キシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエ
チレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレ
ンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノオレート等のソルビタンエステル、ステア
リン酸モノグリセライド、オレイン酸モノグリセライ
ド、カプリン酸モノグリセライド、ベヘニン酸モノグリ
セライド等のグリセリン単量体の脂肪酸エステル、ポリ
グリセリンステアリン酸エステル、ポリグリセリンオレ
イン酸エステル、ポリグリセリンラウリン酸エステル等
のポリグリセリンの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレー
ト、ポリオキシエチレンモノオレート等のポリアルキレ
ンエーテルユニットを有する脂肪酸エステル及びネオペ
ンチルポリオールジステアリン酸エステル等のネオペン
チルポリオール脂肪酸エステル等である。
【0041】前記高級脂肪酸アミドはフェニルステア
リン酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、メチロ
ールベヘン酸アミド等の飽和脂肪酸のモノアミド、ヤシ
油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノール
アミド及びヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、オレイン
酸ジエタノールアミド等のN,N’−2置換モノアミド
等であり、さらにメチレンビス(12−ヒドロキシフェ
ニル)ステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸
アミド、エチレンビス(12−ヒドロキシフェニル)ス
テアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス(12−ヒドロ
キシフェニル)ステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸ビス
アミド及びm−キシリレンビス(12−ヒドロキシフェ
ニル)ステアリン酸アミド等の芳香族系ビスアミドであ
る。
【0042】前記高級脂肪族アルコールはステアリル
アルコールやセチルアルコール等の1価のアルコール、
ソルビトールやマンニトール等の多価アルコール及びポ
リオキシエチレンドデシルアミン、ポリオキシエチレン
オクタデシルアミン等であり、さらにポリオキシエチレ
ンアリル化エーテル等のポリアルキレンエーテルユニッ
トを有するアリル化エーテル及びポリオキシエチレンラ
ウリルエーテル、ポリオキシエチレントリドデシルエー
テル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシ
エチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレ
イルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエピクロル
ヒドリンエーテル、ポリオキシエチレンビスフェノール
Aエーテル、ポリオキシエチレンエチレングリコール、
ポリオキシプロピレンビスフェノールAエーテル、ポリ
オキシエチレンポリオキシプロピレングリコールエーテ
ル等のポリアルキレンエーテルユニットを有する2価ア
ルコールである。前記金属石鹸は上記ステアリン酸等
の高級脂肪酸のバリウムやカルシウムや亜鉛やアルミニ
ウムやマグネシウム等の金属塩である。
【0043】本発明の成形体を構成する樹脂組成物に必
要に応じて、熱可塑性エラストマー(F成分)を配合す
ることができ、例えばポリスチレン系、ポリオレフィン
系、ポリエステル系、ポリウレタン系、1,2−ポリブ
タジエン系、ポリ塩化ビニル系等であり、特にポリスチ
レン系熱可塑性エラストマーが好ましい。上記ポリスチ
レン系熱可塑性エラストマーは芳香族ビニル単位と共役
ジエン単位からなるブロック共重合体、または上記共役
ジエン単位部分が部分的に水素添加されたブロック共重
合体である。上記ブロック共重合体を構成する芳香族ビ
ニル単量体は、前記A−1成分の説明において記載した
芳香族ビニル単量体であり、スチレンが最も好ましい
が、スチレンを主体に上記他の芳香族ビニル単量体を共
重合してもよい。また、上記ブロック共重合体を構成す
る共役ジエン単量体は、1,3−ブタジエン、イソプレ
ン等を挙げることができる。
【0044】そしてブロック共重合体のブロック構造は
芳香族ビニル単位からなる重合体ブロックをSで表示
し、共役ジエン及び/またはその部分的に水素添加され
た単位からなる重合体ブロックをBで表示する場合、S
B、S(BS)n(但しnは1〜3の整数)、S(BS
B)n(但しnは1〜2の整数)のリニア−ブロック共
重合体や、(SB)nX(但し、nは3〜6の整数。X
は四塩化ケイ素、四塩化スズ、ポリエポキシ化合物等の
カップリング剤残基)で表示されるB成分を結合中心と
する星状(スター)ブロック共重合体であることが好ま
しい。なかでもSBの2型、SBSの3型、SBSBの
4型のリニア−ブロック共重合体が好ましい。本発明の
成形体を構成する樹脂組成物はA成分としてゴム変性ス
チレン系樹脂を主成分とし、必要に応じてゴム非変性ス
チレン系樹脂を配合したスチレン系樹脂とポリフェニレ
ンエーテルを配合した樹脂成分、または芳香族ポリカー
ボネートとABS樹脂等のゴム変性スチレン系樹脂との
樹脂成分、B成分として含リンシリコーンまたは末端リ
ン含有ポリマージノニルフェニル、C成分としてヒドロ
キシル基含有芳香族リン酸エステル、D成分としてトリ
アジン骨格含有化合物、中でもメラミンシアヌレート、
E成分として高級脂肪酸アミド、F成分としてスチレン
−ブタジエンのブロック共重合体の組み合わせが好まし
い。
【0045】本発明の成形体を構成する樹脂組成物はA
成分100重量部に対して、B成分が5〜40重量部、
C成分が0〜30重量%、D成分の難燃助剤が0〜30
重量部、E成分の流動性向上剤が0〜10重量部、F成
分のスチレン系熱可塑性エラストマーが0〜20重量部
を配合することが好ましい。ここで上記範囲内での難燃
性、成形加工性(流動性)、耐衝撃性及び耐熱性のバラ
ンス特性が優れている。本発明の成形体を構成する樹脂
組成物の溶融押出し方法は全成分を同時に溶融押出して
もいいし、またはまず樹脂成分を溶融押出した後に、再
度ポリマー添加剤を溶融押出する逐次的押出し法、ある
いは複数ゾーンからなる押出機で前段で樹脂成分を溶融
し、後段でポリマー添加剤を溶融押出する一段押出法等
がある。
【0046】ここでA成分としてA−1(ゴム変性スチ
レン系樹脂)とA−2(ポリフェニレンエーテル)から
なる樹脂成分を用いた場合、上記一段押出法において、
前段でA−1成分の一部とA−2成分を溶融し、後段で
A−1成分の残部及びB成分等の樹脂成分以外の添加剤
成分を溶融押出することができる。本発明の成形体を構
成する樹脂組成物は上記各成分を市販の単軸押出機ある
いは二軸押出機などで例えば溶融混練することにより得
られるが、その際にヒンダードフェノール等の酸化防止
剤、ベンゾトリアゾールやヒンダードアミン等の紫外線
吸収剤、錫系熱安定剤、その他の無機系やハロゲン系難
燃剤、ステアリン酸やステアリン酸亜鉛等の滑剤、充填
剤、ガラス繊維等の補強剤、染料や顔料等の着色剤等を
必要に応じて添加することができる。
【0047】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるもので
はない。なお、実施例、比較例における測定は以下の方
法もしくは測定機を用いて行った。 (1)ゴム重量平均粒子径 ゴム変性芳香族ビニル樹脂の重量平均粒子径は樹脂組成
物の超薄切片法により撮影した透過型電子顕微鏡写真中
のブタジエン系重合体粒子径を求め、次式により算出す
る。
【0048】 重量平均粒子径=ΣNi・Di4/ΣNi・Di3 (ここでNiは粒子がDiであるブタジエン系重合体粒
子の個数である) (2)還元粘度ηsp/c ゴム変性芳香族ビニル樹脂1gにメチルエチルケトン1
8mlとメタノール2mlの混合溶媒を加え、25℃で
2時間振とうし、5℃、18000rpmで30分間遠
心分離する。上澄液を取り出しメタノールで樹脂分を析
出させた後、乾燥した。このようにして得られた樹脂
0.1gをトルエンに溶解し、濃度0.5g/dlの溶
液とし、この溶液10mlをキャノン−フェンスケ型粘
度計に入れ、30℃でこの溶液流下秒数t1を測定し
た。一方、別に同じ粘度計で純トルエンの流下秒数t0
を測定し、以下の数式により算出した。 ηsp/c=(t1/t0−1)/C(C:ポリマー濃度
g/dl) 一方A成分のPPEの還元粘度ηsp/cについては、
0.1gをクロロホルムに溶解し、濃度0.5g/dl
の溶液とし、上記と同様に測定した。
【0049】(3)アイゾット衝撃強さ ASTM−D256に準拠した方法で23℃で測定した
(Vノッチ、1/8インチ試験片) (4)ビカット軟化温度 ASTM−D1525に準拠した方法で測定し、耐熱性
の尺度とした。 (5)メルトフローレート(MFR) 流動性の指標でASTM−D1238に準拠した方法で
測定した。荷重5kg、溶融温度200℃の条件で10
分間あたりの押出量(g/10分)から求めた。
【0050】(6)難燃性 UL−94に準拠したVB(Vertical Bur
ning)法により評価した(1/8インチ試験片)。 (7)難燃性元素の濃度分析 A.X線光電子スペクトル法 アルバックファイ社製ESCA 5400を用い、以下
の条件で測定を行った。 線源 :MgKα 15kV 400W 取り込み角度:45° 30° 75° 測定面積 :1.1mmφ B.蛍光X線法 島津製作所製SFX−1100型を用い、以下の条件で
測定を行った。 線源:PKαまたはSiKα 40kV 角度:108.88° 実施例、比較例で用いる各成分は以下のものを用いた。
【0051】(イ)熱可塑性樹脂(A成分) ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS) ポリブタジエン{(シス1,4結合/トランス1,4結
合/ビニル1,2結合重量比=95/2/3)(日本ゼ
オン(株)製、商品名Nipol 1220SL)}
を、以下の混合液に溶解し、均一な溶液とした。 ポリブタジエン 10.5重量% スチレン 74.2重量% エチルベンゼン 15.0重量% α−メチルスチレン2量体 0.27重量% 1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5− トリメチルシクロヘキサン 0.03重量% 次いで上記混合液を撹拌機付の直列4段式反応機に連続
的に送液して、第1段は撹拌数190rpm、126
℃、第2段は50rpm、133℃、第3段は20rp
m、140℃、第4段は20rpm、155℃で重合を
行った。引き続きこの固形分73%の重合液を脱揮装置
に導き、未反応単量体及び溶媒を除去し、ゴム変性芳香
族ビニル樹脂を得た(HIPSと称する)。得られたゴ
ム変性芳香族ビニル樹脂を分析した結果、ゴム含量は1
2.1重量%、ゴムの重量平均粒子径は1.5μm、還
元粘度ηsp/cは0.53dl/gであった。
【0052】ゴム非変性スチレン系樹脂〔ポリスチレ
ン(GPPS)〕 市販のポリスチレン(重量平均分子量27万、数平均分
子量12万)〔(旭化成工業(株)製)(以後、GPP
Sと称する)〕を用いた。 ポリフェニルエーテル(PPE)の製造 A)高分子量PPEの製造 酸素吹き込み口を反応機底部に有し、内部に冷却用コイ
ル、撹拌羽根を有するステンレス製反応機の内部を窒素
で充分置換したのち、臭化第2銅54.8g、ジ−n−
ブチルアミン1110g及びトルエン20リットル、n
−ブタノール16リットル、メタノール4リットルの混
合溶液に2,6−キシレノール8.75kgを溶解して
反応機に仕込んだ。撹拌しながら反応機内部に酸素を吹
き込み続け、内温を30℃に制御しながら180分間重
合を行った。重合終了後、析出したポリマーを濾別し
た。これにメタノール/塩酸混合液を添加し、ポリマー
中の残存触媒を分解し、さらにメタノールを用いて充分
洗浄した後乾燥し、粉末状のポリフェニレンエーテルを
得た(PPE−1と称する)。還元粘度ηspは0.5
5dl/gであった。
【0053】B)低分子量PPEの製造 上記高分子量PPE−1の製造において、重合時間を9
0分に短縮すること以外、PPE−1と同一の実験を繰
り返した。得られたポリフェニレンエーテルをPPE−
2と称する。還元粘度ηsp/cは0.41dl/gで
あった。 (ロ)難燃剤(B成分) ビニル基含有シリコーンオイル(V−SI) 市販の下記式(16)で示されるビニル基含有シリコー
ンオイル〔信越化学工業(株)製X−21−5833
ビニル基含有構造単位20モル%(V−SIと称す
る)〕を用いた。
【0054】
【化9】
【0055】(ハ)難燃剤(C成分) ヒドロキシル基含有芳香族リン酸エステル(FR−
1)の製造 フェノール122.7重量部(モル比2.0)、塩化ア
ルミニウム0.87重量部(モル比0.01)をフラス
コに取り90℃でオキシ塩化リン100重量部(モル比
1.0)を1時間かけて滴下した。生成した中間体にレ
ゾルシン71.7重量部(モル比1.0)を加え、更に
反応させた。反応を完結させるために徐々に昇温し最終
的には180℃まで温度を上げてエステル化を完了させ
た。次いで反応生成物を冷却し、水洗して触媒及び塩素
分を除去してリン酸エステル混合物(以下FR−1と称
する)を得た。この混合物をGPC(ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー 東ソー(株)製、HLC−8
020移動相テトラヒドロフラン)により分析したとこ
ろ、下記式(17)で示されるジフェニルレゾルシニル
ホスフェート(以下TPP−OHと称する)と、トリフ
ェニルホスフェート(以下TPPと称する)と、下記式
(18)で示される芳香族縮合リン酸エステル(以下T
PPダイマーと称する)からなり、重量比がそれぞれ5
4.2/18.3/27.5であった。
【0056】
【化10】
【0057】ヒドロキシル基非含有芳香族系リン酸エ
ステル(fr−1) 市販のビスフェノールA由来の芳香族縮合リン酸エステ
ル{大八化学工業(株)製、商品名CR741C(fr
−1と称する)}を用いた。また、上記芳香族縮合リン
酸エステルはGPC分析によると、下記式(19)で表
わされるTCP−A−ダイマーとTCP−A−オリゴマ
ーとトリクレジルフォスフェート(TCP)からなり、
重量比でそれぞれ80.4/14.1/5.5であっ
た。
【0058】
【化11】
【0059】(但し、n=1:TCP−A−ダイマーn
≧2:TCP−A−オリゴマーと称する。) (ニ)難燃助剤(D成分) トリアジン骨格含有化合物 市販のメラミンシアヌレート〔日産化学(株)製、商品
名MC610(以後MCと称する)〕を用いた。
【0060】(ホ)流動性向上剤(E成分) エチレンビスステアリン酸アミド(EBS) 市販のエチレンビスステアリン酸アミド〔花王(株)製
商品名カオーワックスEB−FF(EBSと称する)〕
を用いた。 〔C1735CONH〕2(CH22 HIPS/GPPS/PPE−1/PPE−2/V−S
I/FR−1/fr−1/MC/EBSを表1記載量
(重量比)で、機械的に混合し、東洋精機製作所製ラボ
プラストミルを用いて、溶融温度250℃、回転数50
rpmで10分間溶融した。但し、PPEの溶融温度が
高いので、まずGPPS/PPEを300℃で溶融した
マスターバッチを作製した後、それを用いて残りの成分
を上記の条件で溶融した。
【0061】このようにして得られた樹脂組成物から圧
縮成形により1/8インチ厚の試験片を作製し、ビカッ
ト軟化温度、アイゾット衝撃強さ、MFR、難燃性及び
シリコンの濃度分析の評価を行った。表1にその結果を
示す。表1によるとシリコーンは表面エネルギーが低い
ために、成形体表面に偏析している結果、少量添加にか
かわらず、高度な難燃性を付与することが分かる。
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】本発明の成形体は成形体中で難燃剤が濃
度分布を有し成形体表面に高度に偏在することにより難
燃性に優れ、かつ耐衝撃性、耐熱性及び流動性の優れた
難燃性樹脂組成物成形体である。この成形体は家電部
品、OA機器部品等に好適であり、これら産業界に果た
す役割は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08K 3/00 - 13/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン元素を有する難燃剤を含有する
    樹脂組成物成形体において、該樹脂が、ポリスチレン
    系、ポリフェニレンエーテル系、ポリカーボネート系で
    あり、かつ成形体表面から50Åの深さまでの、上記元
    素のX線光電子スペクトル法による平均濃度C1(%)
    と、成形体全体の上記元素の、蛍光X線法による平均濃
    度C2(%)との比、C1/C2が2〜100であるこ
    とを特徴とする難燃剤の濃度分布を有する難燃性樹脂組
    成物成形体。
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