JPWO2012133015A1 - 液状発酵乳及びその製造方法 - Google Patents

液状発酵乳及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2012133015A1
JPWO2012133015A1 JP2013507414A JP2013507414A JPWO2012133015A1 JP WO2012133015 A1 JPWO2012133015 A1 JP WO2012133015A1 JP 2013507414 A JP2013507414 A JP 2013507414A JP 2013507414 A JP2013507414 A JP 2013507414A JP WO2012133015 A1 JPWO2012133015 A1 JP WO2012133015A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fermented milk
liquid fermented
milk
liquid
mpa
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013507414A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6203050B2 (ja
Inventor
良尚 河合
良尚 河合
山本 昌志
昌志 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meiji Co Ltd
Original Assignee
Meiji Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meiji Co Ltd filed Critical Meiji Co Ltd
Publication of JPWO2012133015A1 publication Critical patent/JPWO2012133015A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6203050B2 publication Critical patent/JP6203050B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23CDAIRY PRODUCTS, e.g. MILK, BUTTER OR CHEESE; MILK OR CHEESE SUBSTITUTES; MAKING THEREOF
    • A23C9/00Milk preparations; Milk powder or milk powder preparations
    • A23C9/12Fermented milk preparations; Treatment using microorganisms or enzymes
    • A23C9/123Fermented milk preparations; Treatment using microorganisms or enzymes using only microorganisms of the genus lactobacteriaceae; Yoghurt

Abstract

酸味が弱く、口当たりがマイルドで、保存中に沈殿物が生じて外観、風味及び食感が劣化することのない液状発酵乳の製造方法を提供する。(A)発酵乳の原料に乳酸菌を添加し発酵させて、pH5.0〜6.0のカードを調製するカード調製工程と、(B)30〜100MPaの圧力下で上記カードの均質化処理を行ない、pH5.0〜6.0の液状発酵乳を得る均質化処理工程、を含むpH5.0以上の液状発酵乳の製造方法。液状発酵乳は、例えば、10mPa・s以下の粘度と1.0%以下の酸度を有する。

Description

本発明は、液状発酵乳及びその製造方法に関する。
近年、消費者の本物志向及びマイルド志向の中で、酸味が弱く、口当たりのマイルドな発酵乳が求められている。
酸味が弱い発酵乳の製造方法の一例として、乳脂肪分に対する無脂乳固形分の割合が重量比で2〜6である発酵乳ミックスを、10℃で14日間保存したときの液状発酵乳のpHの低下が0.3未満である乳酸菌を用いて、発酵終了時のpHが4.9〜5.3になるように培養した後、カードを液状化することを特徴とする液状発酵乳の製造法が、提案されている(特許文献1)。
酸味が弱い発酵乳の製造方法の他の例として、製品pHが5.4以上のビフィドバクテリウム属細菌含有発酵乳飲食品を製造する際に、原料乳の発酵を少なくともビフィドバクテリウム・ビフィダムを含む1種又は2種以上の乳酸菌又はビフィドバクテリウム属細菌により行い、当該発酵工程後の任意の段階で、飲食品中にアルカリ塩を添加することを特徴とするビフィドバクテリウム属細菌含有発酵乳飲食品の製造方法が、提案されている(特許文献2)。
特開平6−14706号公報 特開2002−204655号公報
上述の特許文献1に記載された製造法によると、pH5.0付近でも保存安定性が良好で、ペクチン等の安定剤を使用しなくても離水・沈殿が少なく、また、ペクチン等の安定剤を使用しないため糊状感がなく食感が良好であり、さらにはpHが通常よりも高いため低酸度で口当たりのマイルドな液状発酵乳を製造することができる。
しかし、本発明者が、特許文献1に記載された製造法の製造条件を検討したところ、発酵終了時のpHが5.3を超えるように発酵乳ミックスのカードを調製した場合、カードの液状化(換言すると、均質化処理)の後の最終製品である液状発酵乳としての保存中に、液状発酵乳中の成分の凝集による沈殿物が生じ、外観及び食感が劣化することがあるとの知見を得た。
本発明の目的は、酸味が弱く、口当たりがマイルドで、保存中に沈殿物が生じて外観、風味及び食感が劣化することのない液状発酵乳、及びその製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、発酵終了後のカードのpHが通常よりも高い5.0〜6.0であっても、従来の10〜15MPaよりも高い30〜100MPaの圧力下で均質化処理を行なえば、酸味が弱く、口当たりがマイルドな液状発酵乳を得ることができるとともに、液状発酵乳の保存中に、沈殿物が生じないか、あるいは、生じたとしてもその量が非常に少量であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[6]を提供するものである。
[1] (A)発酵乳の原料に乳酸菌を添加し発酵させて、pH5.0〜6.0のカードを調製するカード調製工程と、(B)30〜100MPaの圧力下で上記カードの均質化処理を行ない、pH5.0〜6.0の液状発酵乳を得る均質化処理工程、を含むpH5.0以上の液状発酵乳の製造方法。
[2] 前記[1]に記載の液状発酵乳の製造方法によって得られた液状発酵乳。
[3] 粘度が10mPa・s以下である前記[2]に記載の液状発酵乳。
[4] 酸度が1.0%以下である前記[2]又は[3]に記載の液状発酵乳。
[5] 酸度が0.5%以下である前記[2]又は[3]に記載の液状発酵乳。
[6] 増粘安定剤を含まない前記[2]〜[5]のいずれかに記載の液状発酵乳。
本発明の液状発酵乳は、特定の圧力下で均質化処理を行なうとともに、均質化処理後のpHが5.0〜6.0であるため、酸味が弱く、マイルド(まろやか)な口当たりを、pH5.0以上の間で維持することができる。また、酸味が弱いため、酸味が強いときに添加が必要になる砂糖等の甘味料の使用量をゼロまたは少量に抑えることができ、健康志向の消費者の好みに合致する。
また、本発明の液状発酵乳は、30〜100MPaの圧力下で均質化処理を行なっているので、長期の保存期間に亘って、成分の分離及び凝固が発生せず、沈殿物(固形分)を生じることがなく、液状発酵乳としての良好な外観、風味及び食感を維持することができる。
また、本発明の液状発酵乳は、保存中の沈殿物の生成を抑制するためにペクチン、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の増粘安定剤を添加する必要がなく、糊状感のない良好なのど越しを与えることができる。この場合、本発明の液状発酵乳は、無添加の本物志向の消費者の好みにも合致する。
さらに、本発明の液状発酵乳は、従来と同じ工程数及び製造時間で、容易に製造することができる。
本発明のpH5.0以上の液状発酵乳の製造方法は、(A)発酵乳の原料に乳酸菌を添加し発酵させて、pH5.0〜6.0のカードを調製するカード調製工程と、(B)30〜100MPaの圧力下で上記カードの均質化処理を行ない、pH5.0〜6.0の液状発酵乳を得る均質化処理工程、を含む。以下、各工程を詳しく説明する。
[工程(A);カード調製工程]
工程(A)は、発酵乳の原料に乳酸菌を添加し発酵させて、pH5.0〜6.0のカードを調製する工程である。
本明細書において、発酵乳の原料とは、少なくとも原料乳を含むものをいう。
ここで、原料乳の例としては、牛乳等の獣乳や、その加工品(例えば、脱脂乳、脱脂粉乳、れん乳、乳清、クリーム等)や、大豆由来の豆乳等の植物性乳等が挙げられる。
発酵乳の原料の一例として、発酵乳原料ミックスと呼ばれるものが挙げられる。
発酵乳原料ミックスは、原料乳及び他の成分を含む混合物であり、例えば、原料乳、砂糖、砂糖以外の糖類、高感度甘味料、香料、水等の、発酵乳の製造に常用される原料を加温して溶解し、混合することによって得ることができる。
なお、原料乳および乳の加工品の乳脂肪分や無脂乳固形分(乳タンパク質、乳糖、灰分)などの組成は獣の個体差や飼育環境、気候などで変動があり、実際に使用する原料の組成に応じて原料乳や乳の加工品を選定し都度適切な配合比を設定できることは言うまでもない。
発酵乳の原料(例えば、牛乳等の獣乳)は、予め、加熱して殺菌することができる。この場合、殺菌方法の例としては、120〜130℃で数秒間殺菌するUHT(超高温殺菌)や、90〜95℃で数十分間殺菌するHTST(高温殺菌)等が挙げられる。
乳酸菌としては、ヨーグルト等の発酵乳で使用される菌株であれば特に限定されない。後述の実施例の実証内容に菌株が限定されることはなく、特に、冷蔵保存中の酸度上昇の少ない乳酸菌を適宜選択して用いれば、液状発酵乳の保存期間を延ばすことができる。例えば、本発明の製造方法で液状発酵乳を調製し、冷蔵保存中にpH5.0まで達するのに15日間かかる場合には、15日間の保存期間(本発明の液状発酵乳として消費可能な期間)を設定することができる。また、本発明の製造方法で液状発酵乳を調製し、冷蔵保存中にpH5.0まで達するのに30日間かかる場合には、30日間の保存期間を設定することができる。すなわち、冷蔵保存中における本発明の液状発酵乳の酸度上昇及び/又はpH低下が少なければ少ないほど、本発明の効果を製造後長期間享受することができる。
また、ここでの液状発酵乳の保存開始時とは、均質化処理の終了後に液状発酵乳の液温を保存温度(例えば、10℃)に調整した時点(保存温度が10℃であり、かつ、均質化処理を10℃で行なった場合は、均質化処理の終了時)である。
本発明における乳酸菌の菌株の使用の可否は、液状発酵乳の成分組成等の影響を受けることがある。例えば、発酵乳の原料として、pHが低下しにくい成分組成を有するものを用いる場合には、「冷蔵保存中での発酵乳のpHが5.0以上」の条件を満たし易くなるので、本発明で使用可能な乳酸菌の菌株の種類の数は、多くなる。
発酵温度は、良好な風味の発酵乳を効率的に得る観点から、30〜48℃、好ましくは35〜48℃、より好ましくは38〜45℃である。
発酵時間は、後述のpHを有しかつ良好な風味の発酵乳を得る観点から、例えば、ラクトバチルス・ブルガリカスとストレプトコッカス・サーモフィルスを使用する場合、好ましくは0.5〜10時間、より好ましくは1〜8時間、さらに好ましくは1〜5時間、特に好ましくは1〜3時間である。
発酵乳の原料は、発酵が進むと凝固して、カード(固形状のもの)になる。
発酵の終了時のカードのpHは、5.0〜6.0、好ましくは5.2〜6.0、より好ましくは5.3〜5.9、特に好ましくは5.4〜5.9である。該pHが5.0未満では、液状発酵乳の酸味が保存中に強くなることがある。該pHが6.0を超えると、良好な風味の発酵乳を得ることが困難であり、また、液状発酵乳の保存中にタンパク質が凝集して沈殿物が生じることがある。
発酵の終了後、後工程である工程(B)における均質化処理のために、カードの温度を、後述の均質化処理時の温度まで低下させることもできるし、あるいは、カードの温度を低下させずに、均質化処理後の液状発酵乳の温度を保存温度(例えば、10℃)まで低下させることもできる。このように、温度の低下の時期は、特に限定されるものではない。
[工程(B);均質化処理工程]
工程(B)は、30〜100MPaの圧力下で、工程(A)で得られたカードの均質化処理を行ない、pH5.0〜6.0の液状発酵乳を得る工程である。
均質化処理は、均質機(ホモゲナイザー)を用いることによって行なうことができる。
均質化処理の圧力は、30〜100MPa、好ましくは40〜100MPa、より好ましくは50〜100MPa、特に好ましくは60〜100MPaである。該圧力が30MPa未満では、液状発酵乳の保存中に沈殿物が生じることがある。該圧力が100MPaを超えると、均質化処理のための加圧手段として、高性能の装置を用いる必要があり、不経済である。この経済性の観点からは、該圧力の上限値は、好ましくは90MPa、より好ましくは80MPaである。
均質化処理時の温度は、好ましくは5〜50℃、より好ましくは5〜45℃である。該温度が5℃未満では、発酵温度からの温度の低下の程度が大きいため、冷却装置の運転上の負荷が大きくなり、不経済である。該温度が50℃を超えると、均質化処理の終了までに発酵が進んで、液状発酵乳のpHがカードのpHよりも大きく低下するおそれがあるため、均質化終了後速やかに冷却する工程を必要とする。
均質化処理によって、最終製品である液状発酵乳が得られる。
均質化処理によって得られる液状発酵乳の物性(10℃等の所定の保存温度での保存下における値)は、以下のとおりである。なお、以下の値は、少なくとも、液状発酵乳の調製時(均質化処理の終了後に液状発酵乳の液温を保存温度(例えば、10℃)に調整した時点)に満たされることが好ましく、液状発酵乳の調製時及び所定の保存期間内で満たされることが、より好ましい。
液状発酵乳のpHは、5.0〜6.0、好ましくは5.2〜6.0、より好ましくは5.3〜5.9、特に好ましくは5.4〜5.9である。該pHが5.0未満では、液状発酵乳の保存中に、酸味が強くなり、粘度が増大し、沈殿物が生じることがある。該pHが6.0を超えると、液状発酵乳としての風味が劣る。
液状発酵乳の粘度は、糊状感のない良好なのど越しを与える観点から、好ましくは10mPa・s以下、より好ましくは7.5mPa・s以下、さらに好ましくは5mPa・s以下である。
液状発酵乳の粘度は、B型粘度計を用いて測定することができる。。
液状発酵乳の酸度は、酸味が弱い、マイルドな風味を与える観点から、好ましくは1.0%以下、より好ましくは0.8%以下、さらに好ましくは0.75%以下、特に好ましくは0.5%以下である。該酸度の下限値は、特に限定されないが、通常、0.2%である。
液状発酵乳の酸度は、液状発酵乳中の酸を乳酸に換算した重量百分率で表される。酸度は、例えば、試料9gを水で2倍に希釈した後、フェノールフタレイン指示薬を添加し、次いで、0.1Nの水酸化ナトリウム溶液で中和滴定を行ない、30秒間微紅色の消失しない点を終点とし、終点における滴定量から試料100g中の乳酸量を算出し、得られた値を%で示すことによって得ることができる。
液状発酵乳中の成分(カゼインミセル)の粒子径は、液状発酵乳の保存中の沈殿物の生成を抑制する観点から、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下、さらに好ましくは1.5μm以下、特に好ましくは1.0μm以下である。
該粒子径とは、50%重量累積粒子径(平均粒子径)をいう。該粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、島津製作所社製の製品「SALD−2100」)を使用して、液状発酵乳中の成分の粒度分布を測定することによって得ることができる。
本発明の液状発酵乳は、例えば、食品容器に充填され、ドリンクヨーグルト等の最終製品の形態で所定の保存温度(例えば、10℃以下)に冷蔵保存された後、飲用に供される。
調製時から所定の保存温度(例えば、10℃)で所定期間、液状発酵乳を保存したときの当該液状発酵乳のpHの低下の程度は、液状発酵乳の保存中の沈殿物の生成を抑制するとともに、酸味の増大を抑制し、マイルドな風味を維持する観点から、0.5以下、好ましくは0.4以下、より好ましくは0.3以下、特に好ましくは0.2以下である。
本発明の液状発酵乳は、糊状感を与えない観点から、ペクチン、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の増粘安定剤を含まないことが好ましい。なお、ペクチンは、乳タンパク質の等電点であるpH4.6よりも低いpH3.5〜4.4でなければ、液状発酵乳中の沈殿物の生成の抑制効果を発揮することができないため、本発明の液状発酵乳のpHである5.0〜6.0の範囲内では、利用価値が低い。また、カルボキシメチルセルロースも、pH4.2〜4.8の範囲内で好適に用いられるものであるため、本発明の液状発酵乳のpHである5.0〜6.0の範囲内では、利用価値が低い。
以下、実施例によって本発明を詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例中の「%」及び「部」は、特に断らない限り、重量基準である。
[実施例1]
材料として、牛乳2496g、脱脂粉乳210g、ぶどう糖果糖液糖96gを混合することによって、無脂乳固形分8.4%、乳脂肪分2.0%、ぶどう糖果糖液糖2.0%及び水(残部;87.6%)を含む還元乳を得た後、この還元乳を殺菌処理して、発酵乳の原料を調製した。
次に、調製した発酵乳の原料100部に、スターターとして、「明治ブルガリアヨーグルト」(商品名:明治乳業社製)より分離したラクトバチルス・ブルガリカス及びストレプトコッカス・サーモフィラスを接種し、43℃の液温を保ちつつ、2時間、発酵させ、発酵乳の原料が発酵してなるカードを得た。このカードのpHは、5.62であった。
その後、得られたカードを10℃まで冷却させた。
次に、この冷却させたカードについて、10℃の温度を保ちつつ、ホモゲナイザー(三和機械社製)を用いて60MPaの圧力下で均質化処理を行ない、液状発酵乳を得た。得られた液状発酵乳のpHは、5.62であった。
次に、この液状発酵乳を、10℃の液温を保ったまま保存し、保存開始時から、1日後、4日後、8日後、11日後の各時点において、pH、酸度、粘度、粒子径の各物性を測定し、かつ、目視によって沈殿物の有無と液状発酵乳の状態を調べた。結果を表1に示す。
なお、酸度は、上述のとおり、フェノールフタレイン指示薬を添加した後、水酸化ナトリウム溶液で中和滴定を行なう方法によって算出した。粘度は、B型粘度計を用いて測定した。粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所社製の製品「SALD−2100」)を使用して得た粒度分布に基づいて得た。
Figure 2012133015
表1中、液状発酵乳のpHが4.95である「10℃で8日間保存」までは、本発明の効果は見られたが、pHが4.85である「10℃で11日間保存」時以降は、粘度と粒子径が増大し、液状発酵乳の状態が乳の凝集により固体化し、本発明の効果は見られなかった。従って、均質化処理の圧力を60MPaに定め、かつ、液状発酵乳の冷蔵保存中のpHが5.0以上であれば、本発明の効果が見られることがわかった。
[実施例2]
均質化処理の圧力を60MPaから30MPaに変更した以外は実施例1と同様にして実験した。その結果、カードのpHは5.62、液状発酵乳のpHは5.62であった。また、実施例1と同様に冷却させた液状発酵乳を、10℃の液温を保ったまま保存し、保存開始時から、1日後、3日後、6日後の各時点において、pH、酸度、粘度、粒子径の各物性を測定し、かつ、目視によって沈殿物の有無と液状発酵乳の状態を調べた。結果を表2に示す。
Figure 2012133015
表2中、液状発酵乳のpHが5.0以上である「10℃で3日間保存」までは本発明の効果は見られたが、pHが4.80である「10℃で6日間保存」時以降は、粘度と粒子径が増大し、液状発酵乳の状態が乳の凝集により固体化し、本発明の効果は見られなかった。従って、均質化処理の圧力を30MPaに定め、かつ、液状発酵乳の冷蔵保存中のpHが5.0以上であれば、本発明の効果が見られることがわかった。
[比較例1]
均質化処理の圧力を60MPaから0MPaに変更した以外は実施例1と同様にして実験した。また、実施例1と同様に冷却させた液状発酵乳を、10℃の液温を保ったまま保存し、保存開始時から、1日後、4日後、5日後の各時点において、pH、酸度、粘度、粒子径の各物性を測定し、かつ、目視によって沈殿物の有無と液状発酵乳の状態を調べた。結果を表3に示す。
Figure 2012133015
表3中、液状発酵乳のpHが4.94である「10℃で4日間保存」でも、粘度と粒子径が増大し、液状発酵乳は底部に固形化しつつある糊状の形状となり、沈殿が発生し、本発明の効果は見られなかった。均質化処理の圧力が60MPaである実施例1では、pH4.95の液状発酵乳でも本発明の効果が見られたが、均質化処理の圧力が0MPaである比較例1では、本発明の効果が見られなかった。pHが4.76である「10℃で5日間保存」時以降は、粘度と粒子径が増大し、液状発酵乳の状態が乳の凝集により固体化し、本発明の効果は見られなかった。
従って、本発明の効果を得るためには、発酵乳を均質化処理(液状化)する際に30MPa以上の圧力で均質化処理を行ない、pH5.0以上の液状発酵乳を得ることが必要であることが、実施例1、実施例2及び比較例1で実証された。冷蔵保存中にpH5.0に到達するまでの期間が長い乳酸菌を使用すれば、保存期間を長くすることも可能である。

Claims (6)

  1. (A)発酵乳の原料に乳酸菌を添加し発酵させて、pH5.0〜6.0のカードを調製するカード調製工程と、
    (B)30〜100MPaの圧力下で上記カードの均質化処理を行ない、pH5.0〜6.0の液状発酵乳を得る均質化処理工程、
    を含むpH5.0以上の液状発酵乳の製造方法。
  2. 請求項1に記載の液状発酵乳の製造方法によって得られた液状発酵乳。
  3. 粘度が10mPa・s以下である請求項2に記載の液状発酵乳。
  4. 酸度が1.0%以下である請求項2又は3に記載の液状発酵乳。
  5. 酸度が0.5%以下である請求項2又は3に記載の液状発酵乳。
  6. 増粘安定剤を含まない請求項2〜5のいずれか1項に記載の液状発酵乳。
JP2013507414A 2011-03-30 2012-03-21 液状発酵乳及びその製造方法 Active JP6203050B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011073819 2011-03-30
JP2011073819 2011-03-30
PCT/JP2012/057105 WO2012133015A1 (ja) 2011-03-30 2012-03-21 液状発酵乳及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2012133015A1 true JPWO2012133015A1 (ja) 2014-07-28
JP6203050B2 JP6203050B2 (ja) 2017-09-27

Family

ID=46930747

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013507414A Active JP6203050B2 (ja) 2011-03-30 2012-03-21 液状発酵乳及びその製造方法

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP6203050B2 (ja)
CN (1) CN103269599A (ja)
SG (1) SG194010A1 (ja)
WO (1) WO2012133015A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7471046B2 (ja) * 2017-03-31 2024-04-19 株式会社明治 低温発酵による発酵乳の製造方法および該方法により製造された発酵乳
JP7385984B2 (ja) * 2017-03-31 2023-11-24 株式会社明治 発酵乳の高pH製造方法および該方法により製造された発酵乳
JP6403858B1 (ja) * 2017-11-21 2018-10-10 アイリスオーヤマ株式会社 発酵乳生成方法及び発酵乳生成装置
JP7213020B2 (ja) * 2018-03-30 2023-01-26 株式会社明治 発酵乳及び発酵乳の製造方法
JP7246877B2 (ja) * 2018-08-08 2023-03-28 株式会社明治 液状発酵乳の製造方法
JP6542965B2 (ja) * 2018-09-11 2019-07-10 アイリスオーヤマ株式会社 発酵乳生成方法及び発酵乳生成装置

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0543A (ja) * 1991-06-20 1993-01-08 Snow Brand Milk Prod Co Ltd 酸性乳飲料およびその製造方法
JPH05236873A (ja) * 1991-12-04 1993-09-17 Soc Prod Nestle Sa 微酸性滅菌液乳製品および製造方法
JPH0614706A (ja) * 1992-07-01 1994-01-25 Meiji Milk Prod Co Ltd 風味及び保存安定性の良好な液状発酵乳の製造法
JPH0622688A (ja) * 1992-07-08 1994-02-01 Kumamoto Pref Gov 果汁入りヨーグルト飲料の製造方法
JPH07104A (ja) * 1993-06-14 1995-01-06 Morinaga Milk Ind Co Ltd 発酵乳及びその製造方法
JP2002125590A (ja) * 2000-10-30 2002-05-08 Asahi Denka Kogyo Kk 可塑性水中油型乳化油脂組成物
JP2003532376A (ja) * 1999-10-01 2003-11-05 ジェニール バイオテック,インコーポレーティッド 豆乳組成物およびその製造方法
JP2006345865A (ja) * 2005-06-17 2006-12-28 Kraft Foods Holdings Inc 発酵乳製品およびその製造方法
JP2009279012A (ja) * 2003-07-11 2009-12-03 Adeka Corp 醗酵乳製品及びその製造方法
JP2011004711A (ja) * 2009-06-29 2011-01-13 Meiji Milk Prod Co Ltd 発酵乳の製造方法

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0543A (ja) * 1991-06-20 1993-01-08 Snow Brand Milk Prod Co Ltd 酸性乳飲料およびその製造方法
JPH05236873A (ja) * 1991-12-04 1993-09-17 Soc Prod Nestle Sa 微酸性滅菌液乳製品および製造方法
JPH0614706A (ja) * 1992-07-01 1994-01-25 Meiji Milk Prod Co Ltd 風味及び保存安定性の良好な液状発酵乳の製造法
JPH0622688A (ja) * 1992-07-08 1994-02-01 Kumamoto Pref Gov 果汁入りヨーグルト飲料の製造方法
JPH07104A (ja) * 1993-06-14 1995-01-06 Morinaga Milk Ind Co Ltd 発酵乳及びその製造方法
JP2003532376A (ja) * 1999-10-01 2003-11-05 ジェニール バイオテック,インコーポレーティッド 豆乳組成物およびその製造方法
JP2002125590A (ja) * 2000-10-30 2002-05-08 Asahi Denka Kogyo Kk 可塑性水中油型乳化油脂組成物
JP2009279012A (ja) * 2003-07-11 2009-12-03 Adeka Corp 醗酵乳製品及びその製造方法
JP2006345865A (ja) * 2005-06-17 2006-12-28 Kraft Foods Holdings Inc 発酵乳製品およびその製造方法
JP2011004711A (ja) * 2009-06-29 2011-01-13 Meiji Milk Prod Co Ltd 発酵乳の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2012133015A1 (ja) 2012-10-04
CN103269599A (zh) 2013-08-28
JP6203050B2 (ja) 2017-09-27
SG194010A1 (en) 2013-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5230614B2 (ja) 発酵ホエイ調製物およびその製造方法
JP4530092B2 (ja) 総タンパク質含有量の高い大豆及び乳汁タンパク質系調製品の製造方法
JP7358098B2 (ja) ヨーグルト及びヨーグルトの製造方法
JP6203050B2 (ja) 液状発酵乳及びその製造方法
CN105724569A (zh) 一种高蛋白褐色酸奶及其制备方法
CA2814492C (en) Method for manufacturing liquid fermented milk
JPWO2011083776A1 (ja) 発酵乳の製造方法及び乳製品
JP2017169491A (ja) 液状発酵乳の製造方法
JP2017175952A (ja) 発酵乳の製造方法
JP6901837B2 (ja) 低温殺菌した原料ミックスを用いた発酵乳の製造方法
JP2013212095A (ja) 発酵乳およびその製造方法
JP6773898B2 (ja) クリームチーズの製造方法
JP6047638B2 (ja) クリームチーズの製造方法
CN111093378A (zh) 可常温饮用的发酵乳制品
JP6396660B2 (ja) 発酵乳製品の製造方法及び発酵乳製品
RU2571202C1 (ru) Способ производства йогурта
JP2018170981A (ja) 低温発酵による発酵乳の製造方法および該方法により製造された発酵乳
JP4101720B2 (ja) 弱酸性乳加工品の製造方法および弱酸性乳加工品
JP2018157784A (ja) 発酵乳の製造方法
JP2011004740A (ja) 発酵乳及びその製造方法
WO2016121899A1 (ja) 優れた焼成適性を有するクリームチーズおよびその製造方法
JP2017063727A (ja) 発酵乳の製造方法および発酵乳
JP2005245278A (ja) 液状発酵乳製品の製造方法
JPWO2018056455A1 (ja) 超高温殺菌処理した材料を含む原料ミックスを用いた発酵乳の製造方法
CN115777792A (zh) 液体再制奶酪及其制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150304

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160325

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160816

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161014

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170314

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170609

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20170714

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170829

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170829

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6203050

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150