JP7358098B2 - ヨーグルト及びヨーグルトの製造方法 - Google Patents
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Description
特に言及しない限り、本明細書における乳及び乳製品に関する用語は、日本国における昭和二十六年十二月二十七日厚生省令第五十二号「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」に規定される定義に従う。主な用語の定義について以下に記載する。
「乳」とは、生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳及び加工乳をいう。
「生乳」とは、搾取したままの牛の乳をいう。
「牛乳」とは、直接飲用に供する目的又はこれを原料とした食品の製造若しくは加工の用に供する目的で販売する牛の乳をいう。
「特別牛乳」とは、牛乳であつて特別牛乳として販売するものをいう。「生山羊乳」とは、搾取したままの山羊乳をいう。「殺菌山羊乳」とは、直接飲用に供する目的で販売する山羊乳をいう。「生めん羊乳」とは、搾取したままのめん羊乳をいう。「成分調整牛乳」とは、生乳から乳脂肪分その他の成分の一部を除去したものをいう。「低脂肪牛乳」とは、成分調整牛乳であつて、乳脂肪分を除去したもののうち、無脂肪牛乳以外のものをいう。「無脂肪牛乳」とは、成分調整牛乳であつて、ほとんどすべての乳脂肪分を除去したものをいう。
「脱脂粉乳」とは、生乳、牛乳又は特別牛乳の乳脂肪分を除去したものからほとんどすべての水分を除去し、粉末状にしたものをいう。
「ホエーパウダー」とは、乳を乳酸菌で発酵させ、又は乳に酵素若しくは酸を加えてできた乳清からほとんどすべての水分を除去し、粉末状にしたものをいう。
タンパク還元価は、公知の方法で測定することができる。タンパク還元価の測定方法としては、例えば、「日本薬学会編 乳製品試験法・注解」(金原出版株式会社、p.131、昭和59年3月20日発行)に記載される方法等が挙げられる。
前記タンパク還元価が2~9である乳の含有量は、ヨーグルトミックス全体中93~98質量%が好ましく、より好ましくは93~96質量%である。乳の含有量が93質量%より少ないと、なめらかな食感が不足する場合があり、98質量%より多いと、ヨーグルトミックスの組成を好ましい範囲に調整することが難しくなる場合がある。
前記乳タンパク質の内、風味の観点からは、全脂粉乳、脱脂粉乳を含むことが好ましく、脱脂粉乳を含むことがより好ましい。脱脂粉乳を使用する場合は、その含有量は、前記ヨーグルトミックス全体中、1.5~5.5質量%が好ましく、2~5.5質%がより好ましく、3~5質量%が更に好ましい。脱脂粉乳の含有量が1.5質量%より少ないと、とろみ感が不足する場合があり、5.5質量%より多いと、滑らかな食感が損なわれる場合がある。
前記乳タンパク質の含有量は、ヨーグルトミックス全体中4.3~5.8質量%が好ましく、4.3~5.4質量%がより好ましく、4.5~5.2質量%が更に好ましい。ヨーグルトミックス全体中の乳タンパク質の含有量が前記範囲内であることにより、ヨーグルトの濃厚さ及びとろみ感が向上する。ヨーグルトミックス中の乳タンパク質の含有量は、公知の方法で測定することができ、例えば、燃焼法等が挙げられる。
ホエータンパク質源として、ホエーパウダー、WPC及びWPIからなる群より選択される少なくとも1種を、ヨーグルトミックス全体中、0.5~2質量%含有することが好ましく、0.5~1.5質量%含有することがより好ましく、0.7~1.2質量%が更に好ましい。ホエータンパク質源の含有量が0.5質量%より少ないと、とろみ感が不足するしたり風味が良くならない場合があり、2質量%より多いと、滑らかな食感が損なわれる場合がある。
前記ホエータンパク質濃縮物(WPC)は、チーズホエーから膜処理によってラクトースを除去し、タンパク質を30~95%にまで濃縮した粉末である。
前記ホエータンパク質分離物(WPI)は、ホエータンパク質濃縮物よりもさらにホエータンパク質の含有量を高めたものである。
ここで、前記ホエータンパク質の含有量や前記カゼインタンパク質の含有量は、電気泳動法により、乳タンパク質を分離した後、個々のタンパク質の帯を色素結合により定量化することで測定することができる。
本発明のヨーグルトは、特定の組成のヨーグルトミックスを用い、メジアン径を特定範囲となるように調整することにより、安定剤を使用しなくても、ギリシャヨーグルトやベルギーヨーグルトのような濃厚な風味に加え、滑らかな食感で、且つとろみ感のあるヨーグルトを得ることができる。
本態様にかかるヨーグルトは、カードのメジアン径が25~60μmであることが好ましく、30~55μmがより好ましく、35~50μmが更に好ましく、40~50μmが特に好ましい。前記メジアン径が、25μmより小さいと、濃厚な風味やとろみ感が不足する場合があり、60μmより大きいと、濃厚な風味や滑らかな食感が不足する場合がある。
カードのメジアン径は、公知の方法で測定することができる。カードのメジアン径の測定方法としては、例えば、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定する方法等が挙げられる。レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置としては、例えば、LA-960V2((株)堀場製作所製)等が挙げられる。
なお、本発明のヨーグルトは、上記のような特定の組成のヨーグルトミックスの発酵物であり、且つカードのメジアン径及び粘度が特定の範囲内であることにより、濃厚な風味、滑らかな食感、及びとろみ感の全てを満足することができる。
本発明においては、前記ヨーグルトミックスを特定の加熱温度で加熱処理する工程a1と、前記加熱処理後のヨーグルトミックスを、特定の条件と指標で一次発酵する工程a2と、前記一次発酵後のヨーグルトミックスのカードを、特定の指標で粉砕する工程a3と、前記粉砕後のヨーグルトミックスを、特定の条件と指標で二次発酵する工程a4とを含む製造方法により、カードのメジアン径が25~60μmであり、BH型粘度計により、No.4のローターを用いて、2rpmの回転速度で、10℃において測定した粘度が、20~45Pa・sであるヨーグルトを製造することができる。具体的には、以下の通りである。
前記ヨーグルトミックスを、横軸を保持温度(℃)とし縦軸を達温後の保持時間(分)とする図1のグラフに示されるA点(80℃、50分)、B点(90℃、30分)、C点(95℃、30分)、D点(95℃、1分)、E点(90℃、1分)、F点(80℃、5分)をそれぞれ順番に直線で結ぶ破線で囲まれた領域内の加熱条件で加熱処理することが好ましい。上記範囲を外れた条件で加熱処理すると、濃厚な風味やとろみ感が不足したり、滑らかな食感が劣る場合がある。なお、前記ヨーグルトミックスは、乳、ホエータンパク質源、及び任意に他の成分を混合することにより調製することができる。ヨーグルトミックスは、原材料を混合して溶解した後、ホモジナイザー、マイクロフルダイザー、コロイドミル等の装置を用いて均質化することが好ましい。
また、前記加熱処理は、例えば、ヨーグルトミックスを、加熱殺菌に用いる装置を用いて昇温した後、加熱保持できる装置に入れて、殺菌温度に達温後、所定時間保持することにより行う。これにより、ヨーグルトミックスが殺菌される。前記加熱殺菌の装置としては、乳の加熱殺菌を実施するための加熱装置は特に限定されず、適宜選択することができるが、生産性を考慮して、流路式殺菌装置が好ましい。そのような殺菌装置としては、例えば、プレート式殺菌装置、チューブ式殺菌装置、スピンジェクション式殺菌装置、ジュール式殺菌装置等が挙げられるが、これらに限定されない。また、加熱達保持の装置としては、保温可能なジャケット付きの容器、タンク等が挙げられるが、これらに限定されない。なお、図1において、横軸の保持温度は殺菌温度であり、縦軸の達温後の保持時間は当該殺菌温度に到達してから当該温度に保持する時間である。例えば、図1のA点(80℃、50分)は、殺菌温度80℃で、50分間保持する加熱条件である。
加熱条件を上記のように設定することにより、熱変性しやすいホエータンパク質をゲル化させ、ヨーグルトミックスの粘度を上昇させることができる。また、加熱処理により変性したホエータンパク質が未変性のカゼインミセル(乳中でカゼインタンパク質はカゼインミセルと呼ばれる直径30~600nmのコロイド粒子として存在している)の表面へ吸着して、ミセル表面の疎水性が増し、ミセルが酸凝集しやすくなる。これにより、後述の工程a1において、発酵が進むとカードが大きくなる。また、ホエータンパク質/カゼインタンパク質=23/77~30/70(質量比)であるヨーグルトミックスを用いることで、よりミセルが凝集しやすくなる。
工程a1で得られる加熱処理後のヨーグルトミックスを、39~41℃の温度条件下で、pHが4.65~4.85となるまで一次発酵することが好ましい。該pHは、4.65~4.8となるまで一次発酵することがより好ましい。上記範囲を外れた条件で一次発酵すると、濃厚な風味やとろみ感が不足する場合がある。
乳酸菌スターターは、特に限定されず、公知の乳酸菌スターターを用いることができる。乳酸菌スターターとしては、例えば、ラクトコッカス(Lactococcus)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、ペディオコッカス(Pediococcus)、ロイコノストック(Leuconostoc)に属する乳酸球菌、ラクトバチルス(Lactobacillus)に属する乳酸桿菌、ビフィズス菌(Bifidobacterium)等が挙げられる。具体例としては、Streptococcus thermophilus、Lactobacillus delbrueckii subsp. Bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Bifidobacterium lactis等が挙げられる。
工程a2で得られる一次発酵後のヨーグルトミックスのカードを、カードのメジアン径が20~58μmとなるように粉砕することが好ましく、25~53μmがより好ましく、30~48μmが更に好ましく、35~48μmが特に好ましい。カードのメジアン径が20μmより小さいと、とろみ感が不足する場合があり、58μmより大きいと、濃厚な風味が不足したり、滑らかな食感が劣る場合がある。
カードの粉砕は、公知の方法により行うことができる。カードの粉砕方法としては、例えば、攪拌翼、ポンプ、ホモミキサー、均質化装置、及びmeshフィルター等を用いる方法が挙げられるが、簡便性とカードサイズの均一性の観点から、meshフィルターを用いる方法が好ましい。meshフィルターとしては、例えば、10~25meshのフィルター等が挙げられ、10~20meshのフィルターが好ましく、12~18meshのフィルターがより好ましい。meshフィルターを通す圧力条件としては、例えば、0.01~0.45MPaが挙げられ、0.1~0.4MPaが好ましく、0.15~0.3MPaがより好ましく、0.2~0.25MPaがさらに好ましい。
工程a3で得られる粉砕後のヨーグルトミックスを、15~25℃の温度条件下で、pH4.2~4.75となるまで二次発酵することが好ましい。温度条件は、15~19℃がより好ましい。また、二次発酵は、ヨーグルトミックスのpHが4.2~4.6がとなるまで二次発酵することがより好ましく、4.3~4.6が更に好ましい。二次発酵を行うことにより、大きめのカードが再生し、ヨーグルトの濃厚さととろみ感を向上させることができる。なお、上記範囲を外れた条件で二次発酵すると、濃厚な風味やとろみ感が不足する場合がある。
本発明においては、前記ヨーグルトミックスを、特定の温度条件で加熱処理する工程b1と、工程b1で得られる加熱処理後のヨーグルトミックスを、特定の温度条件と指標で発酵する工程b2と、工程b2で得られる発酵後のヨーグルトミックスのカードを、特定の指標で粉砕する工程b3とを含む製造方法により、カードのメジアン径が25~60μmであり、BH型粘度計により、No.4のローターを用いて、2rpmの回転速度で、10℃において測定した粘度が、20~45Pa・sであるヨーグルトを製造することができる。具体的には、以下の通りである。
前記ヨーグルトミックスを、横軸を保持温度(℃)とし縦軸を達温後の保持時間(分)とする図1のグラフに示されるA点(80℃、50分)、B点(90℃、30分)、C点(95℃、30分)、D点(95℃、1分)、E点(90℃、1分)、F点(80℃、5分)をそれぞれ順番に直線で結ぶ破線で囲まれた領域内の加熱条件で加熱処理することが好ましい。上記範囲を外れた条件で加熱処理すると、濃厚な風味やとろみ感が不足する場合がある。
工程b1で得られる加熱処理後のヨーグルトミックスを、39~41℃の温度条件下で、pHが4.5~4.7となるまで発酵することが好ましく、4.5~4.65が更に好ましい。工程b2では、上記工程a2よりも長く発酵を行うため、工程a2よりもカードの形成が進行してカードのメジアン径が大きくなる。上記範囲を外れた条件と指標で発酵すると、濃厚な風味やとろみ感が不足する場合がある。
工程b2で得られる発酵後のヨーグルトミックスのカードを、カードのメジアン径が25~60μmとなるように粉砕することが好ましい。カードの粉砕方法は、上記工程a3と同様の方法が挙げられるが、簡便性とカードサイズの均一性の観点から、meshフィルターを用いる方法が好ましい。meshフィルターとしては、例えば、10~25meshのフィルター等が挙げられ、10~20meshのフィルターが好ましく、12~18meshのフィルターがより好ましい。meshフィルターを通す圧力条件としては、例えば、0.005~0.4MPaが挙げられ、0.01~0.35MPaが好ましく、0.05~0.2MPaがより好ましい。
本工程では、カードのメジアン径が特定範囲内となるようにカードを粉砕することで、ヨーグルトの食感を滑らかにすることができる。
<タンパク還元価の測定>
タンパク還元価の測定は、「日本薬学会編 乳製品試験法・注解」(金原出版株式会社、p.131、昭和59年3月20日発行)に記載の方法に準拠して行った。
乳タンパク質、乳脂肪については、下記のとおり、一般的な乳製品の栄養成分分析法に準じて分析した。
乳タンパク質:燃焼法
乳脂肪:レーゼゴットリーブ法
ヨーグルトの粘度は、BH型粘度計(東京計器(株)製)により、No.4のローターを使用し、2rpmの回転速度で、10℃において測定した。
ヨーグルトのカードのメジアン径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置LA-960V2((株)堀場製作所製)により、分散媒として水を用いて測定した。
熟練した10人のパネラーに、実施例および比較例で得られた各ヨーグルトを10℃に温調したものを飲食してもらい、濃厚な風味、なめらかな食感、及び、とろみ感の観点で各々の官能評価を行い、その評価点の平均値を官能評価の評価値として各表に記載した。その際の評価基準は以下の通りであった。
5点:実施例7のヨーグルトよりも良く、濃厚な風味が強く感じられる
4点:実施例7のヨーグルトと同等で、濃厚な風味が感じられる
3点:実施例7のヨーグルトよりも少し悪く、濃厚な風味がやや感じられ難い
2点:実施例7のヨーグルトよりも悪く、濃厚な風味が感じられ難い
1点:実施例7のヨーグルトよりも非常に悪く、濃厚な風味が感じられない
5点:実施例7のヨーグルトよりも良く、なめらかな食感が強く感じられる
4点:実施例7のヨーグルトと同等で、なめらかな食感が感じられる
3点:実施例7のヨーグルトよりも少し悪く、なめらかな食感がやや感じられ難い
2点:実施例7のヨーグルトよりも悪く、なめらかな食感が感じられ難い
1点:実施例7のヨーグルトよりも非常に悪く、なめらかな食感が感じられない
5点:実施例7のヨーグルトよりも非常に良く、とろみ感が非常に強く感じられる
4点:実施例7のヨーグルトよりも良く、とろみ感が強く感じられる
3点:実施例7のヨーグルトと同等で、とろみ感が感じられる
2点:実施例7のヨーグルトよりも悪く、とろみ感が感じられ難い
1点:実施例7のヨーグルトよりも非常に悪く、とろみ感が感じられない
濃厚な風味、なめらかな食感、及び、とろみ感の各評価結果を基に、総合評価を行った。その際の評価基準は以下の通りである。
A:濃厚な風味、なめらかな食感、及び、とろみ感の全てが4.0点以上5.0点以下を満たすもの。
B:濃厚な風味、なめらかな食感、及び、とろみ感が全て3.5点以上5.0点以下であって、且つ3.5以上4.0未満が少なくとも一つあるもの。
C:濃厚な風味、なめらかな食感、及び、とろみ感が全て3.0点以上5.0点以下であって、且つ3.0以上3.5未満が少なくとも一つあるもの。
D:濃厚な風味、なめらかな食感、及び、とろみ感が全て2.0点以上5.0点以下であって、且つ2.0以上3.0未満が少なくとも一つあるもの。
E:濃厚な風味、なめらかな食感、及び、とろみ感の評価において、2.0点未満が少なくとも一つあるもの。
1)生乳(乳脂肪分:3.7%、乳タンパク質含量:3.2%)
2)生乳を1次加熱(75℃、30秒)、2次加熱(115℃、7秒)で処理した牛乳(乳脂肪分:3.7%、乳タンパク質含量:3.2%)
3)生乳を1次加熱(60℃、30秒)、2次加熱(135℃、2秒)で処理した牛乳(乳脂肪分:3.7%、乳タンパク質含量:3.2%)
4)(株)明治製「明治十勝フレッシュクリーム47」(乳脂肪分:47.0%、乳タンパク質含量:1.0%)
5)(株)カネカ製「カネカ脱脂粉乳」(乳脂肪分:1.0%、乳タンパク質含量:34.0%)
6)Warrnambool Cheese and Butter社製「WPC80」(乳脂肪分:4.8%、乳タンパク質含量:76.5%)
7)よつ葉乳業(株)製「よつ葉ホエイパウダー」(乳脂肪分:1.1%、乳タンパク質含量:12.1%)
(実施例1~6、比較例1~8)
表1に示す配合割合で各材料を混合し、各例のヨーグルトミックスを調製した。これらを60℃に予備加熱し、高圧ホモジナイザーを用いて3.5/17MPaの圧力で均質化し、プレート式熱交換器を用いて90℃まで昇温し、ジャケット付のタンクで、90℃で10分間保持して加熱処理した。
その後、40℃まで冷却し、乳酸菌スターター(Streptococcus thermophilus、Lactobacillus delbrueckii subsp. Bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Bifidobacterium lactis)を0.0009重量部添加し、pH4.7になるまで、一次発酵を行なった。
一次発酵後のヨーグルトミックスを、表1に示す圧力で15meshのフィルターに通して、カードの粉砕を行った。
その後、プレート式冷却器を用いて19℃まで冷却し、その温度でpHが4.5になるまで保持して二次発酵を行った。
その後、小売用容器に充填し、冷蔵倉庫で8℃まで冷却して、ヨーグルトを得た。得られたヨーグルトについて、粘度、及びカードのメジアン径を測定し、官能評価を行った。その結果を表1に示した。
上記実施例1と同じ配合割合で各材料を混合し、各例のヨーグルトミックスを調製した。これらを60℃に予備加熱し、高圧ホモジナイザーを用いて3.5/17MPaの圧力で均質化し、プレート式熱交換器を用いて表2に示す殺菌条件の温度まで昇温し、ジャケット付のタンクで、表2に示す殺菌条件により加熱処理した。
その後、40℃まで冷却し、乳酸菌スターター(Streptococcus thermophilus、Lactobacillus delbrueckii subsp. Bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Bifidobacterium lactis)を0.0009重量部添加し、pH4.7になるまで、一次発酵を行なった。
一次発酵後のヨーグルトミックスを、表2に示す圧力で15meshのフィルターに通して、カードの粉砕を行った。
次いで、プレート式冷却器を用いて19℃まで冷却し、その温度でpHが4.5になるまで保持して二次発酵を行った。
その後、小売用容器に充填し、冷蔵倉庫で8℃まで冷却して、ヨーグルトを得た。得られたヨーグルトについて、粘度、及びカードのメジアン径を測定し、官能評価を行った。その結果を実施例1の結果とともに表2に示した。
上記実施例1と同じ配合割合で各材料を混合し、各例のヨーグルトミックスを調製した。これらを60℃に予備加熱し、高圧ホモジナイザーを用いて3.5/17MPaの圧力で均質化し、プレート式熱交換器を用いて90℃まで昇温し、ジャケット付のタンクで、90℃で10分間保持して加熱処理した。
その後、表3に示す一次発酵温度まで冷却し、乳酸菌スターター(Streptococcus thermophilus、Lactobacillus delbrueckii subsp. Bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Bifidobacterium lactis)を0.0009重量部添加し、表3に示すpHになるまで、一次発酵を行なった。
一次発酵後のヨーグルトミックスを、表3に示す圧力で15meshのフィルターに通して、カードの粉砕を行った。
次いで、プレート式冷却器を用いて表3に示す温度まで冷却し、その温度で表3に示すpHになるまで保持して二次発酵を行った。なお、実施例12及び比較例20については、二次発酵を行わなかった。
その後、小売用容器に充填し、冷蔵倉庫で8℃まで冷却して、ヨーグルトを得た。得られたヨーグルトについて、粘度、及びカードのメジアン径を測定し、官能評価を行った。その結果を実施例1の結果とともに表3に示した。
小売用容器にブルーベリーのコンフィチュール18gを充填後、その上に実施例1の2次発酵終了後のヨーグルトミックス82gを充填し、2層タイプのヨーグルトを作製した。得られたヨーグルトを10℃で温調したものを食したところ、10名のパネラーのうち8名が、ヨーグルトそのものだけで食すよりも滑らかさがより引き立つと回答し、又10名のパネラーのうち7名が、ヨーグルトの濃厚さとブルーベリーのコンフィチュールの風味がバランス良く感じると回答した。
Claims (4)
- タンパク還元価が2~9の乳と、ホエータンパク質とを含有し、且つ安定剤を含有しないヨーグルトミックスであって、
前記ヨーグルトミックス全体中、前記タンパク還元価が2~9の乳を93~98質量%含有し、乳脂肪含有量が3.8~4.5質量%、及び乳タンパク質含有量が4.3~5.8質量%であって、且つ前記乳タンパク質中のホエータンパク質/カゼインタンパク質の比の値が、23/77~30/70(質量比)であるヨーグルトミックスを、
横軸を保持温度(℃)とし縦軸を達温後の保持時間(分)とする図1のグラフに示されるA点(80℃、50分)、B点(90℃、30分)、C点(95℃、30分)、D点(95℃、1分)、E点(90℃、1分)、F点(80℃、5分)をそれぞれ順番に直線で結ぶ破線で囲まれた領域内の加熱条件で加熱処理する工程と、
前記加熱処理後のヨーグルトミックスを、39~41℃の温度条件下で、pHが4.65~4.85となるまで一次発酵する工程と、
前記一次発酵後のヨーグルトミックスのカードを、カードのメジアン径が20~58μmとなるように粉砕する工程と、
前記粉砕後のヨーグルトミックスを、15~25℃の温度条件下で、pH4.2~4.75となるまで二次発酵する工程と
を含む、
カードのメジアン径が25~60μmであり、
BH型粘度計により、No.4のローターを用いて、2rpmの回転速度で、10℃において測定した粘度が、20~45Pa・sである、
ヨーグルトの製造方法。 - 前記カードを粉砕する工程において、前記一次発酵後のヨーグルトミックスを、0.01~0.45MPaの圧力条件で、10~25meshのフィルターに通すことで、前記カードの粉砕を行う、請求項1に記載のヨーグルトの製造方法。
- タンパク還元価が2~9の乳と、ホエータンパク質とを含有し、且つ安定剤を含有しないヨーグルトミックスであって、
前記ヨーグルトミックス全体中、前記タンパク還元価が2~9の乳を93~98質量%含有し、乳脂肪含有量が3.8~4.5質量%、及び乳タンパク質含有量が4.3~5.8質量%であって、且つ前記乳タンパク質中のホエータンパク質/カゼインタンパク質の比の値が、23/77~30/70(質量比)であるヨーグルトミックスを、
横軸を保持温度(℃)とし縦軸を達温後の保持時間(分)とする図1のグラフに示されるA点(80℃、50分)、B点(90℃、30分)、C点(95℃、30分)、D点(95℃、1分)、E点(90℃、1分)、F点(80℃、5分)をそれぞれ順番に直線で結ぶ破線で囲まれた領域内の温度条件で加熱処理する工程と、
前記加熱処理後のヨーグルトミックスを、39~41℃の温度条件下で、pHが4.5~4.7となるまで発酵する工程と、
前記発酵後のヨーグルトミックスのカードを、カードのメジアン径が25~60μmとなるように粉砕する工程と
を含む、
カードのメジアン径が25~60μmであり、
BH型粘度計により、No.4のローターを用いて、2rpmの回転速度で、10℃において測定した粘度が、20~45Pa・sである、
ヨーグルトの製造方法。 - 前記カードを粉砕する工程において、前記発酵後のヨーグルトミックスを、0.005~0.4MPaの圧力条件で、10~25meshのフィルターに通すことで、前記カードの粉砕を行う、請求項3に記載のヨーグルトの製造方法。
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食品衛生学雑誌,1973年,vol.14, no.3,pp.258-263 |
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