JP7358099B2 - ヨーグルト及びヨーグルトの製造方法 - Google Patents

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本発明は、ヨーグルト及びヨーグルトの製造方法に関する。
従来、ヨーグルトではその健康増進効果が注目されていたが、近年の食の多様化に伴い、ここ最近はヨーグルトそのものの味や食感自体を楽しむ「嗜好性」重視の傾向が強まっている。また、製造後の保存時や流通過程において、ホエーの分離や物性の変化が抑制された、品質が安定性したヨーグルトが求められる。
例えば、先行文献1には、ペクチン、クエン酸ナトリウムなどのカルシウム結合剤及びゲル化剤を含有する後セット型ハードヨーグルトが開示されている。しかしながら、このヨーグルトは、とろみ感がなく、且つ、実施例に示されるヨーグルトミックス中の乳脂肪分等の組成から、濃厚さも物足りないと考えられる。
特開平9-121763号公報
本発明は、濃厚さに加えて、滑らか且つとろみ感のある食感を併せ持ち、品質の安定したヨーグルト、及び前記ヨーグルトの製造方法を提供することを課題とする。
本発明の第1の態様は、タンパク還元価が2~17の乳と、ホエータンパク質とを含有するヨーグルトミックスの発酵物であるヨーグルトであって、前記ヨーグルトミックスは、前記ヨーグルトミックス全体中、前記タンパク還元価が2~17の乳を50~98質量%含有し、乳脂肪含有量が3.8~4.5質量%、及び乳タンパク質含有量が3.5~7.0質量%であって、且つ前記乳タンパク質中のホエータンパク質/カゼインタンパク質の比の値が、23/77~35/65(質量比)であり、前記ヨーグルト全体中、安定剤を0.01~0.5質量%含有し、カードのメジアン径が20~60μmであり、BH型粘度計により、No.4のローターを用いて、2rpmの回転速度で、10℃において測定した粘度が、20~60Pa・sである、ヨーグルトに関する。より好ましくは、前記ヨーグルトミックスは、前記ヨーグルトミックス全体中、ホエーパウダー、WPC及びWPIからなる群より選択される少なくとも1種を0.4~2質量%、並びに脱脂粉乳を0~10質量%含有する、前記記載のヨーグルトに関する。
本発明の第2の態様は、タンパク還元価が2~17の乳と、ホエータンパク質とを含有するヨーグルトミックスであって、前記ヨーグルトミックス全体中、前記タンパク還元価が2~17の乳を50~98質量%含有し、乳脂肪含有量が3.8~4.5質量%、及び乳タンパク質含有量が3.5~7.0質量%であって、且つ前記乳タンパク質中のホエータンパク質/カゼインタンパク質の比の値が、23/77~35/65(質量比)であるヨーグルトミックスを、横軸を保持温度(℃)とし縦軸を達温後の保持時間(分)とする図1のグラフに示されるA点(70℃、70分)、B点(95℃、30分)、C点(95℃、1分)、D点(90℃、1分)、E点(75℃、5分)をそれぞれ順番に直線で結ぶ破線で囲まれた領域内の加熱条件で加熱処理する工程と、前記加熱処理後のヨーグルトミックスを、39~41℃の温度条件下で、pHが4.65~4.85となるまで一次発酵する工程と、前記一次発酵後のヨーグルトミックスのカードを、カードのメジアン径が20~58μmとなるように粉砕する工程と、前記粉砕後のヨーグルトミックスを、15~25℃の温度条件下で、pH4.2~4.75となるまで二次発酵する工程とを含む、前記ヨーグルト全体中、安定剤を0.01~0.5質量%含有し、カードのメジアン径が20~60μmであり、BH型粘度計により、No.4のローターを用いて、2rpmの回転速度で、10℃において測定した粘度が、20~60Pa・sである、ヨーグルトの製造方法に関する。より好ましくは、前記カードを粉砕する工程において、前記一次発酵後のヨーグルトミックスを、0.01~0.45MPaの圧力条件で、10~25meshのフィルターに通すことで、前記カードの粉砕を行う、前記記載のヨーグルトの製造方法に関する。
本発明の第3の態様は、タンパク還元価が2~17の乳と、ホエータンパク質とを含有するヨーグルトミックスであって、前記ヨーグルトミックス全体中、前記タンパク還元価が2~17の乳を50~98質量%含有し、乳脂肪含有量が3.8~4.5質量%、及び乳タンパク質含有量が3.5~7.0質量%であって、且つ前記乳タンパク質中のホエータンパク質/カゼインタンパク質の比の値が、23/77~35/65(質量比)であるヨーグルトミックスを、横軸を保持温度(℃)とし縦軸を達温後の保持時間(分)とする図1のグラフに示されるA点(70℃、70分)、B点(95℃、30分)、C点(95℃、1分)、D点(90℃、1分)、E点(75℃、5分)をそれぞれ順番に直線で結ぶ破線で囲まれた領域内の加熱条件で加熱処理する工程と、前記加熱処理後のヨーグルトミックスを、39~41℃の温度条件下で、pHが4.5~4.7となるまで発酵する工程と、前記発酵後のヨーグルトミックスのカードを、カードのメジアン径が20~60μmとなるように粉砕する工程を含む、前記ヨーグルト全体中、安定剤を0.01~0.5質量%含有し、カードのメジアン径が20~60μmであり、BH型粘度計により、No.4のローターを用いて、2rpmの回転速度で、10℃において測定した粘度が、20~60Pa・sである、ヨーグルトの製造方法に関する。より好ましくは、前記発酵後のヨーグルトミックスを、0.005~0.4MPaの圧力条件で、10~25meshのフィルターに通すことで、前記カードの粉砕を行う、前記記載のヨーグルトの製造方法に関する。
本発明によれば、濃厚さに加えて、滑らか且つとろみ感のある食感を併せ持ち、品質の安定したヨーグルト、及び前記ヨーグルトの製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態にかかるヨーグルトの製造方法における、発酵時の加熱処理条件を示す図である。
[定義]
特に言及しない限り、本明細書における乳及び乳製品に関する用語は、日本国における昭和二十六年十二月二十七日厚生省令第五十二号「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」に規定される定義に従う。主な用語の定義について以下に記載する。
「乳」とは、生乳、牛乳、特別牛乳、生山羊乳、殺菌山羊乳、生めん羊乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳及び加工乳をいう。
「生乳」とは、搾取したままの牛の乳をいう。
「牛乳」とは、直接飲用に供する目的又はこれを原料とした食品の製造若しくは加工の用に供する目的で販売する牛の乳をいう。
「特別牛乳」とは、牛乳であつて特別牛乳として販売するものをいう。「生山羊乳」とは、搾取したままの山羊乳をいう。「殺菌山羊乳」とは、直接飲用に供する目的で販売する山羊乳をいう。「生めん羊乳」とは、搾取したままのめん羊乳をいう。「成分調整牛乳」とは、生乳から乳脂肪分その他の成分の一部を除去したものをいう。「低脂肪牛乳」とは、成分調整牛乳であつて、乳脂肪分を除去したもののうち、無脂肪牛乳以外のものをいう。「無脂肪牛乳」とは、成分調整牛乳であつて、ほとんどすべての乳脂肪分を除去したものをいう。
「脱脂粉乳」とは、生乳、牛乳又は特別牛乳の乳脂肪分を除去したものからほとんどすべての水分を除去し、粉末状にしたものをいう。
「ホエーパウダー」とは、乳を乳酸菌で発酵させ、又は乳に酵素若しくは酸を加えてできた乳清からほとんどすべての水分を除去し、粉末状にしたものをいう。
本発明のヨーグルトは、特定のタンパク還元価の乳と、ホエータンパク質とを含有するヨーグルトミックスの発酵物である。前記ヨーグルトミックスは、前記特定のタンパク還元価の乳、乳脂肪、及び乳タンパク質を特定量含有し、且つ前記乳タンパク質中のホエータンパク質/カゼインタンパク質の重量比が特定値である。また、前記ヨーグルトは、安定剤を特定量含有し、前記ヨーグルトのカードのメジアン径は特定範囲であり、BH型粘度計により、No.4のローターを用いて、2rpmの回転速度で、10℃において測定した粘度は、特定範囲である。
前記ヨーグルトミックスの発酵物に用いられる乳のタンパク還元価は2~17が好ましく、特に限定されないが、生乳又は牛乳であることが好ましい。前記乳のタンパク還元価は、2~15がより好ましく、3~11が更に好ましく、3~9が特に好ましく、3~7が最も好ましい。乳は、複数種類の乳の混合物であってもよく、例えば、生乳と牛乳との混合物であってもよい。乳が、複数種類の乳の混合物である場合、前記乳の混合物のタンパク還元価が2~17であればよく、タンパク還元価が2~17ではない乳を含有してもよい。乳の混合物を用いる場合、混合割合は特に限定されないが、未殺菌の生乳の割合を多くすると、加熱殺菌処理により乳タンパク質が変性して粘度が上昇するため、ヨーグルトのとろみ感が向上しやすい。
タンパク還元価は、公知の方法で測定することができる。タンパク還元価の測定方法としては、例えば、「日本薬学会編 乳製品試験法・注解」(金原出版株式会社、p.131、昭和59年3月20日発行)に記載される方法等が挙げられる。
前記タンパク還元価が2~17である乳の含有量は、ヨーグルトミックス全体中、50~98質量%が好ましく、より好ましくは80~98質量%であり、更に好ましくは85~98質量%であり、更により好ましくは90~98質量%である。乳の含有量が50質量%より少ないと、濃厚な風味及びとろみ感が不足する場合があり、98質量%より多いと、ヨーグルトミックスの組成を好ましい範囲に調整することが難しくなる場合がある。
前記乳タンパク質は、乳由来のタンパク質であり、前記ホエータンパク質とカゼインタンパク質からなる。前記乳タンパク質の供給源としては、乳タンパク質の含有量が多い、以下の物を使用することが好ましく、例えば、ホエー、脱塩ホエー、ホエーパウダー(脱塩ホエーパウダーを含む)、ホエータンパク質濃縮物(WPC)、ホエータンパク質分離物(WPI)、全脂粉乳、脱脂粉乳、全脂濃縮乳、脱脂濃縮乳、高純度乳タンパク質(TMP)、乳タンパク質濃縮物(MPC)、乳タンパク質分離物(MPI)、加糖練乳、加糖脱脂練乳、無糖練乳、無糖脱脂練乳などが挙げられる。
前記乳タンパク質の内、風味の観点からは、全脂粉乳、脱脂粉乳を含むことが好ましく、脱脂粉乳を含むことがより好ましい。脱脂粉乳を使用する場合は、その含有量は、前記ヨーグルトミックス全体中、0~10質量%が好ましく、2.5~10質量%がより好ましく、2.5~7質量%が更に好ましく、3~5.5質量%が更により好ましい。脱脂粉乳の含有量が10質量%より多いと、滑らかな食感が損なわれる場合がある。
前記乳タンパク質の含有量は、ヨーグルトミックス全体中3.5~7.0質量%が好ましく、4.0~6.0質量%がより好ましく、4.5~5.5質量%が更に好ましい。ヨーグルトミックス全体中の乳タンパク質の含有量が前記範囲内であることにより、ヨーグルトの濃厚さ及びとろみ感が向上する。ヨーグルトミックス中の乳タンパク質の含有量は、公知の方法で測定することができ、例えば、燃焼法等が挙げられる。
ホエータンパク質は、ホエーに含まれる乳タンパク質の1種であり、前記ヨーグルトミックスが含有するホエータンパク質は、乳とは別に配合されるホエータンパク質源に由来することが好ましい。ホエータンパク質源としては、前記乳タンパク質の供給源が同様に挙げられるが、ホエーパウダー、ホエータンパク質濃縮物、ホエータンパク質分離物が好ましい。ホエータンパク質は、熱変性しやすいため、ヨーグルトミックスを特定条件で加熱殺菌処理することにより、ホエータンパク質が熱変性して粘性が上昇し、ヨーグルトにとろみ感が付与される。
ホエータンパク質源として、ホエーパウダー、WPC及びWPIからなる群より選択される少なくとも1種を、ヨーグルトミックス全体中0.4~2質量%含有することが好ましく、0.4~1.6質量%含有することがより好ましく、0.7~1.2質量%が更に好ましい。ホエータンパク質源の含有量が0.4質量%より少ないと、とろみ感が不足するしたり風味が良くならない場合があり、2質量%より多いと、滑らかな食感が損なわれる場合がある。
前記ホエーパウダーは、例えば、生乳を凝固させてチーズを製造する際に副生する液体(チーズホエー)を噴霧乾燥したものである。ホエーパウダーの主成分は、ラクトースが60~80%、ホエータンパク質が7~30%、無機塩類が3~12%である。ホエーパウダーは、脱塩ホエーパウダーを用いてもよい。
前記ホエータンパク質濃縮物(WPC)は、チーズホエーから膜処理によってラクトースを除去し、タンパク質を30~95%にまで濃縮した粉末である。
前記ホエータンパク質分離物(WPI)は、ホエータンパク質濃縮物よりもさらにホエータンパク質の含有量を高めたものである。
本発明のヨーグルトミックスにおいて、前記乳タンパク質中のホエータンパク質/カゼインタンパク質は、23/77~35/65(質量比)であることが好ましく、25/75~32/68がより好ましく、25/75~30/70が更に好ましい。前記比が、23/77より小さいと、とろみ感が不足する場合があり、35/65より大きいと、濃厚な風味が不足したり、保存中に風味や食感が損なわれる場合がある。
ここで、前記ホエータンパク質の含有量や前記カゼインタンパク質の含有量は、電気泳動法により、乳タンパク質を分離した後、個々のタンパク質の帯を色素結合により定量化することで測定することができる。
前記乳脂肪は、乳由来の脂肪分である。前記ヨーグルトミックスが含有する乳脂肪は、乳、ホエータンパク質源、及び乳製品に由来することが好ましい。前記乳製品としては、例えば、クリーム、発酵クリーム、バター、発酵バター、バターミルク、バターミルクパウダー、バターオイル、全脂粉乳、全脂濃縮乳等が挙げられる。その中でも、乳脂肪の含有量が多い乳製品である、クリーム、発酵クリーム、バター、発酵バター、バターオイルが好ましい。乳脂肪含有量は、ヨーグルトミックス全体中、3.8~4.5質量%が好ましく、4.1~4.5質量%がより好ましい。乳脂肪含有量が3.9質量%より少ないと、濃厚な風味が不足したり、保存中に食感が損なわれる場合があり、4.5質量%より多いと、とろみ感が不足する場合がある。ヨーグルトミックス中の乳脂肪の含有量は、公知の方法で測定することができる。乳脂肪の測定方法としては、例えば、レーゼゴットリーブ法等が挙げられる。
本発明のヨーグルトは、安定剤を含有し、ヨーグルトミックスが、安定剤を含有していてもよい。安定剤は、ヨーグルトにおける最終的な含有量が0.01~0.5質量%となることが好ましく、ヨーグルトミックスに添加してもよく、ヨーグルトミックスの発酵物に添加してもよい。本明細書において、「安定剤」とは、ヨーグルトの粘度を高め、保存中や流通過程においてヨーグルトの粘度を安定させるために用いられる食品添加物や澱粉、デキストリンをいう。前記食品添加物としては、食品用の増粘剤が挙げられ、ペクチン、ゼラチン、カラギーナン、寒天、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、カルボキシメチルセルロース、加工澱粉等例示される。
本発明のヨーグルトは、前記範囲の安定剤を含有することで、ヨーグルトの食感を損なうことなく、製造後の保存時や流通過程におけるホエーの分離や物性の変化を抑制し、品質を安定させることができる。
ヨーグルトミックスは、上記成分に加えて、他の成分を含有してもよい。
前記他の成分としては、例えば、果糖、ブドウ糖、ショ糖、香料等が挙げられる。
本明細書において、ヨーグルトミックスの発酵物とは、ヨーグルトミックスに乳酸菌スターターを接種して、発酵させたものをいう。ヨーグルトミックスの発酵物は、具体的には、後述のヨーグルトの製造方法により調製することができる。
ヨーグルトミックスの発酵物であるヨーグルトは、ヨーグルト全体中、安定剤を0.01~0.5質量%含有することが好ましく、0.03~0.4質量%含有することがより好ましく、0.05~0.35質量%が更に好ましい。ヨーグルト中の安定剤含有量が0.01質量%よりも少ないと、とろみ感が不足したり、保存中にホエーの分離や食感の劣化が生じる場合があり、0.5質量%より多いと、なめらかな食感が損なわれたり、とろみ感が不足したり、保存中に風味が損なわれる場合がある。ヨーグルトミックスが安定剤を含有しない場合、あるいは、ヨーグルトミックス中の安定剤含有量が少ない場合には、ヨーグルトミックスの発酵物に安定剤を添加してもよい。
<カードのメジアン径、粘度>
本態様にかかるヨーグルトは、カードのメジアン径が20~60μmであることが好ましく、25~60μmがより好ましく、30~60μmが更に好ましく、35~60μmが特に好ましく、35~55μmが最も好ましい。前記メジアン径が、20μmより小さいと、濃厚な風味やとろみ感が不足したり、保存中の食感が損なわれる場合があり、60μmより大きいと、濃厚な風味や滑らかな食感が不足したり、保存中に風味や食感が損なわれる場合がある。
カードのメジアン径は、公知の方法で測定することができる。カードのメジアン径の測定方法としては、例えば、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定する方法等が挙げられる。レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置としては、例えば、LA-960V2((株)堀場製作所製)等が挙げられる。
本態様にかかるヨーグルトは、BH型粘度計により、No.4のローターを用いて、2rpmの回転速度で、10℃において測定した粘度が、20~60Pa・sであることが好ましく、20~50Pa・sがより好ましく、20~45Pa・sが更に好ましく、25~45Pa・sが特に好ましい。前記粘度が、20Pa・sより低いと、濃厚な風味やとろみ感が不足したり、保存中に風味が損なわれる場合があり、60Pa・Sより高いと、濃厚な風味や滑らかな食感が不足したり、保存中に風味や食感が損なわれる場合がある。
なお、本発明のヨーグルトは、上記のような特定の組成のヨーグルトミックスの発酵物であり、且つカードのメジアン径及び粘度が特定の範囲内であることにより、濃厚な風味、滑らかな食感、及びとろみ感の全てを満足することができる。
本発明のヨーグルトは、後述のヨーグルトミックスの製造方法により、製造することができる。
<2段発酵の場合>
本発明においては、前記ヨーグルトミックスを特定の加熱温度で加熱処理する工程a1と、前記加熱処理後のヨーグルトミックスを、特定の条件と指標で一次発酵する工程a2と、前記一次発酵後のヨーグルトミックスのカードを、特定の指標で粉砕する工程a3と、前記粉砕後のヨーグルトミックスを、特定の条件と指標で二次発酵する工程a4とを含む製造方法により、カードのメジアン径が20~60μmであり、BH型粘度計により、No.4のローターを用いて、2rpmの回転速度で、10℃において測定した粘度が、20~60Pa・sであるヨーグルトを製造することができる。具体的には、以下の通りである。
(工程a1)
前記ヨーグルトミックスを、横軸を保持温度(℃)とし縦軸を達温後の保持時間(分)とする図1のグラフに示されるA点(70℃、70分)、B点(95℃、30分)、C点(95℃、1分)、D点(90℃、1分)、E点(75℃、5分)をそれぞれ順番に直線で結ぶ破線で囲まれた領域内の加熱条件で加熱処理することが好ましい。上記範囲を外れた条件で加熱処理すると、濃厚な風味やとろみ感が不足したり、滑らかな食感が劣る場合がある。また、保存中に風味や食感が損なわれる場合がある。なお、前記ヨーグルトミックスは、乳、ホエータンパク質源、及び任意に他の成分を混合することにより調製することができる。ヨーグルトミックスは、原材料を混合して溶解した後、ホモジナイザー、マイクロフルダイザー、コロイドミル等の装置を用いて均質化することが好ましい。
また、前記加熱処理は、例えば、ヨーグルトミックスを、加熱殺菌に用いる装置を用いて昇温した後、加熱保持できる装置に入れて、殺菌温度に達温後、所定時間保持することにより行う。これにより、ヨーグルトミックスが殺菌される。前記加熱殺菌の装置としては、乳の加熱殺菌を実施するための加熱装置は特に限定されず、適宜選択することができるが、生産性を考慮して、流路式殺菌装置が好ましい。そのような殺菌装置としては、例えば、プレート式殺菌装置、チューブ式殺菌装置、スピンジェクション式殺菌装置、ジュール式殺菌装置等が挙げられるが、これらに限定されない。また、加熱達保持の装置としては、保温可能なジャケット付きの容器、タンク等が挙げられるが、これらに限定されない。なお、図1において、横軸の保持温度は殺菌温度であり、縦軸の達温後の保持時間は当該殺菌温度に到達してから当該温度に保持する時間である。例えば、図1のA点(70℃、70分)は、殺菌温度70℃で、70分間保持する加熱条件である。
加熱条件を上記のように設定することにより、熱変性しやすいホエータンパク質をゲル化させ、ヨーグルトミックスの粘度を上昇させることができる。また、加熱処理により変性したホエータンパク質が未変性のカゼインミセル(乳中でカゼインタンパク質はカゼインミセルと呼ばれる直径30~600nmのコロイド粒子として存在している)の表面へ吸着して、ミセル表面の疎水性が増し、ミセルが酸凝集しやすくなる。これにより、後述の工程a1において、発酵が進むとカードが大きくなる。また、ホエータンパク質/カゼインタンパク質=23/77~35/65(質量比)であるヨーグルトミックスを用いることで、よりミセルが凝集しやすくなる。
工程a1で用いられるヨーグルトミックスは、安定剤を含有していてもよいし、含有していなくてもよい。ヨーグルトミックスが安定剤を含有しないか、安定剤含有量が少ない場合、工程a1の後の任意のタイミングで安定剤を添加し、ヨーグルト中の安定剤含有量を調整すればよい。
(工程a2)
工程a1で得られる加熱処理後のヨーグルトミックスを、39~41℃の温度条件下で、pHが4.65~4.85となるまで一次発酵することが好ましい。該pHは、4.65~4.8となるまで一次発酵することがより好ましい。上記範囲を外れた条件で一次発酵すると、濃厚な風味やとろみ感が不足する場合がある。
乳酸菌スターターは、特に限定されず、公知の乳酸菌スターターを用いることができる。乳酸菌スターターとしては、例えば、ラクトコッカス(Lactococcus)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、ペディオコッカス(Pediococcus)、ロイコノストック(Leuconostoc)に属する乳酸球菌、ラクトバチルス(Lactobacillus)に属する乳酸桿菌、ビフィズス菌(Bifidobacterium)等が挙げられる。具体例としては、Streptococcus thermophilus、Lactobacillus delbrueckii subsp. Bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Bifidobacterium lactis等が挙げられる。
(工程a3)
工程a2で得られる一次発酵後のヨーグルトミックスのカードを、カードのメジアン径が20~58μmとなるように粉砕することが好ましく、25~53μmがより好ましく、30~48μmが更に好ましく、35~48μmが特に好ましい。カードのメジアン径が20μmより小さいと、とろみ感が不足する場合があり、58μmより大きいと、濃厚な風味が不足したり、滑らかな食感が劣る場合がある。
カードの粉砕は、公知の方法により行うことができる。カードの粉砕方法としては、例えば、攪拌翼、ポンプ、ホモミキサー、均質化装置、及びmeshフィルター等を用いる方法が挙げられるが、簡便性とカードサイズの均一性の観点から、meshフィルターを用いる方法が好ましい。meshフィルターとしては、例えば、10~25meshのフィルター等が挙げられ、10~20meshのフィルターが好ましく、12~18meshのフィルターがより好ましい。meshフィルターを通す圧力条件としては、例えば、0.01~0.45MPaが挙げられ、0.1~0.4MPaが好ましく、0.15~0.3MPaがより好ましく、0.2~0.25MPaがさらに好ましい。
(工程a4)
工程a3で得られる粉砕後のヨーグルトミックスを、15~25℃の温度条件下で、pH4.2~4.75となるまで二次発酵することが好ましい。温度条件は、15~19℃がより好ましい。また、二次発酵は、ヨーグルトミックスのpHが4.2~4.6がとなるまで二次発酵することがより好ましく、4.3~4.6が更に好ましい。二次発酵を行うことにより、大きめのカードが再生し、ヨーグルトの濃厚さととろみ感を向上させることができる。なお、上記範囲を外れた条件で二次発酵すると、濃厚な風味やとろみ感が不足する場合がある。
本発明の製造方法により得られるヨーグルトは、カードのメジアン径が20~60μmであり、BH型粘度計により、No.4のローターを用いて、2rpmの回転速度で、10℃において測定した粘度が、20~60Pa・sである。
上記のようなヨーグルトの製造方法によれば、濃厚な風味、滑らかな食感、及びとろみ感を併せ持つヨーグルトを製造することができる。ヨーグルトの製造方法では、ホエータンパク質を特定の割合で含む特定の組成のヨーグルトミックスを、特定の加熱条件で殺菌処理することにより、熱変性しやすいホエータンパク質が変性してゲル化し、粘度が上昇する。また、変性したホエータンパク質が未変性のカゼインミセルの表面に吸着して、ミセル表面の疎水性が増し、ミセルが酸凝集しやすくなる。そのため、発酵が進むとカードが大きくなる。さらに、特定のメジアン径となるようにカードを粉砕処理することで滑らかな食感が付与され、その後二次発酵を行ってカードを再生させることでとろみ感が付与される。また、特定の組成のヨーグルトミックスを用いることで、濃厚な風味が付与される。
また、ヨーグルトが、特定量の安定剤を含有することで、製造後の保存時や流通において、ホエー分離や物性変化が抑制され、品質の安定したヨーグルトを得ることができる。
<1段発酵の場合>
本発明においては、前記ヨーグルトミックスを、特定の温度条件で加熱処理する工程b1と、工程b1で得られる加熱処理後のヨーグルトミックスを、特定の温度条件と指標で発酵する工程b2と、工程b2で得られる発酵後のヨーグルトミックスのカードを、特定の指標で粉砕する工程b3とを含む製造方法により、カードのメジアン径が20~60μmであり、BH型粘度計により、No.4のローターを用いて、2rpmの回転速度で、10℃において測定した粘度が、20~60Pa・sであるヨーグルトを製造することができる。具体的には、以下の通りである。
(工程b1)
前記ヨーグルトミックスを、横軸を保持温度(℃)とし縦軸を達温後の保持時間(分)とする図1のグラフに示されるA点(70℃、70分)、B点(95℃、30分)、C点(95℃、1分)、D点(90℃、1分)、E点(75℃、5分)をそれぞれ順番に直線で結ぶ破線で囲まれた領域内の加熱条件で加熱処理することが好ましい。上記範囲を外れた条件で加熱処理すると、濃厚な風味やとろみ感が不足する場合がある。
工程b1で用いられるヨーグルトミックスは、安定剤を含有していてもよいし、含有していなくてもよい。ヨーグルトミックスが安定剤を含有しないか、安定剤含有量が少ない場合、工程b1の後の任意のタイミングで安定剤を添加し、ヨーグルト中の安定剤含有量を調整すればよい。
(工程b2)
工程b1で得られる加熱処理後のヨーグルトミックスを、39~41℃の温度条件下で、pHが4.5~4.7となるまで発酵することが好ましく、4.5~4.65が更に好ましい。工程b2では、上記工程a2よりも長く発酵を行うため、工程a2よりもカードの形成が進行してカードのメジアン径が大きくなる。上記範囲を外れた条件と指標で発酵すると、濃厚な風味やとろみ感が不足したり、保存中に風味や食感が損なわれる場合がある。
(工程b3)
工程b2で得られる発酵後のヨーグルトミックスのカードを、カードのメジアン径が20~60μmとなるように粉砕することが好ましい。カードの粉砕方法は、上記工程a3と同様の方法が挙げられるが、簡便性とカードサイズの均一性の観点から、meshフィルターを用いる方法が好ましい。meshフィルターとしては、例えば、10~25meshのフィルター等が挙げられ、10~20meshのフィルターが好ましく、12~18meshのフィルターがより好ましい。meshフィルターを通す圧力条件としては、例えば、0.005~0.4MPaが挙げられ、0.01~0.35MPaが好ましく、0.05~0.2MPaがより好ましい。
なお、工程b3では、工程b2で発酵させたヨーグルトミックスを、0.005~0.4MPaの圧力条件で、10~25meshのフィルターに通すことでカードの粉砕を行うことが好ましい。
本工程では、カードのメジアン径が特定範囲内となるようにカードを粉砕することで、ヨーグルトの食感を滑らかにすることができる。
上記のような1段発酵によるヨーグルトの製造方法によれば、濃厚な風味、滑らかな食感、及びとろみ感を併せ持つヨーグルトを製造することができる。1段発酵によるヨーグルトの製造方法では、加熱処理後の発酵を2段発酵による製造方法よりも長く行うことで、大き目のカードを形成させる。さらに、特定のメジアン径となるようにカードを粉砕処理することで滑らかな食感が付与されるとともに、とろみ感が付与される。また、特定の組成のヨーグルトミックスを用いることで、濃厚な風味が付与される。1段発酵によるヨーグルトの製造方法では、工程b2の発酵を長く行い、カードのメジアン径が20~60μmとなるように粉砕処理を行うことにより、二次発酵を行わなくても、濃厚な風味、滑らかな食感、及びとろみ感を付与することができる。
また、ヨーグルトが、特定量の安定剤を含有することで、製造後の保存時や流通において、ホエー分離や物性変化が抑制され、品質の安定したヨーグルトを得ることができる。
本発明のヨーグルトはそのまま食することは勿論のこと、コンフィチュールやジャムと混ぜ合わせて食することで、滑らかさがより引き立つと共に、ヨーグルトの濃厚さとコンフィチュールやジャムの風味がバランス良く感じることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
[測定方法]
<タンパク還元価の測定>
タンパク還元価の測定は、「日本薬学会編 乳製品試験法・注解」(金原出版株式会社、p.131、昭和59年3月20日発行)に記載の方法に準拠して行った。
<ヨーグルトミックス成分分析>
乳タンパク質、乳脂肪については、下記のとおり、一般的な乳製品の栄養成分分析法に準じて分析した。
乳タンパク質:燃焼法
乳脂肪:レーゼゴットリーブ法
ヨーグルトミックスにおける乳タンパク質中のホエータンパク質比率は、各素材のタンパク質含量と前記タンパク質中のホエータンパク質比率から算出される理論値として算出した。具体的には、牛乳、脱脂粉乳、及びクリームにおける全タンパク質中のホエータンパク質比率を20%とし、ホエーパウダーにおける全タンパク質中のホエータンパク質比率を100%として、ヨーグルトミックスにおける乳タンパク質中のホエータンパク質比率を算出した。
<粘度の測定>
ヨーグルトの粘度は、BH型粘度計(東京計器(株)製)により、No.4のローターを使用し、2rpmの回転速度で、10℃において測定した。
<カードのメジアン径>
ヨーグルトのカードのメジアン径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置LA-960V2((株)堀場製作所製)により、分散媒として水を用いて測定した。
<官能評価/ホエー分離率>
(製造後1日目の官能評価)
熟練した10人のパネラーに、実施例および比較例で得られた各ヨーグルトを10℃に温調したものを飲食してもらい、濃厚な風味、なめらかな食感、及び、とろみ感の観点で各々の官能評価を行い、その評価点の平均値を官能評価の評価値として各表に記載した。その際の評価基準は以下の通りであった。
≪濃厚な風味≫
5点:実施例7のヨーグルトよりも良く、濃厚な風味が強く感じられる
4点:実施例7のヨーグルトと同等で、濃厚な風味が感じられる
3点:実施例7のヨーグルトよりも少し悪く、濃厚な風味がやや感じられ難い
2点:実施例7のヨーグルトよりも悪く、濃厚な風味が感じられ難い
1点:実施例7のヨーグルトよりも非常に悪く、濃厚な風味が感じられない
≪なめらかな食感≫
5点:実施例7のヨーグルトよりも良く、なめらかな食感が強く感じられる
4点:実施例7のヨーグルトと同等で、なめらかな食感が感じられる
3点:実施例7のヨーグルトよりも少し悪く、なめらかな食感がやや感じられ難い
2点:実施例7のヨーグルトよりも悪く、なめらかな食感が感じられ難い
1点:実施例7のヨーグルトよりも非常に悪く、なめらかな食感が感じられない
≪とろみ感≫
5点:実施例7のヨーグルトよりも非常に良く、とろみ感が非常に強く感じられる
4点:実施例7のヨーグルトよりも良く、とろみ感が強く感じられる
3点:実施例7のヨーグルトと同等で、とろみ感が感じられる
2点:実施例7のヨーグルトよりも悪く、とろみ感が感じられ難い
1点:実施例7のヨーグルトよりも非常に悪く、とろみ感が感じられない
(ホエー分離率)
実施例および比較例で得られた各ヨーグルトを10℃で14日間保存し、14日目にヨーグルトから分離したホエーの質量(ホエー分離量)を測定した。ヨーグルト全体の質量に対するホエー分離量の割合(ホエー分離率)を計算し、以下の基準に従って評価した。
5点:ホエーの分離率が1%未満
4点:ホエーの分離率が1%以上3%未満
3点:ホエーの分離率が3%以上5%未満
2点:ホエーの分離率が5%以上10%未満
1点:ホエーの分離率が10%以上
(製造後14日後目の官能評価)
熟練した10人のパネラーに、10℃で14日間保存した実施例および比較例の各ヨーグルトを飲食してもらい、製造後1日目のヨーグルトからの風味及び食感の変化の観点で各々の官能評価を行い、その評価点の平均値を官能評価の評価値として各表に記載した。その際の評価基準は以下の通りであった。
≪風味の変化≫
5点:製造後1日目のヨーグルトの風味から変化がなく、濃厚な風味が強く感じられる
4点:製造後1日目のヨーグルトの風味から殆んど変化がなく、濃厚な風味が感じられる
3点:製造後1日目のヨーグルトから風味が僅かに変化しているが、濃厚な風味は感じられ、商品として問題ないレベルである
2点:製造後1日目のヨーグルトから風味が変化しており、濃厚な風味もあまり感じらず、商品として問題がある
1点:製造後1日目のヨーグルトから風味が明らかに変化しており、濃厚な風味も感じらず、商品として問題がある
≪食感の変化≫
5点:製造後1日目のヨーグルトの食感から変化がなく、とろっと感が強く感じられる
4点:製造後1日目のヨーグルトの食感から殆んど変化がなく、とろっと感が感じられる
3点:製造後1日目のヨーグルトから食感が僅かに変化しているが、とろっと感は感じられ、商品として問題ないレベルである
2点:製造後1日目のヨーグルトから食感が変化しており、とろっと感もあまり感じらず、商品として問題がある
1点:製造後1日目のヨーグルトから食感が明らかに変化しており、とろっと感も感じらず、商品として問題がある
(総合評価)
濃厚な風味、なめらかな食感、とろみ感、ホエー分離率、風味の変化、及び、食感の変化の各評価結果を基に、総合評価を行った。その際の評価基準は以下の通りである。
A:濃厚な風味、なめらかな食感、とろみ感、ホエー分離率、風味の変化、及び、食感の変化が全て4.0点以上5.0点以下を満たすもの
B:濃厚な風味、なめらかな食感、とろみ感、ホエー分離率、風味の変化、及び、食感の変化が全て3.5点以上5.0点以下であって、且つ3.5以上4.0未満が少なくとも一つあるもの
C:濃厚な風味、なめらかな食感、とろみ感、ホエー分離率、風味の変化、及び、食感の変化が全て3.0点以上5.0点以下であって、且つ3.0以上3.5未満が少なくとも一つあるもの
D:濃厚な風味、なめらかな食感、とろみ感、ホエー分離率、風味の変化、及び、食感の変化が全て2.0点以上5.0点以下であって、且つ2.0以上3.0未満が少なくとも一つあるもの
E:濃厚な風味、なめらかな食感、とろみ感、ホエー分離率、風味の変化、及び、食感の変化の評価において、2.0点未満が少なくとも一つあるもの
(実施例及び比較例で使用した原料)
1)生乳(乳脂肪分:3.7%、乳タンパク質含量:3.2%)
2)生乳を1次加熱(82℃、180秒)、2次加熱(145℃、3秒)で処理した牛乳(乳脂肪分:3.7%、乳タンパク質含量:3.2%)
3)(株)明治製「明治十勝フレッシュクリーム47」(乳脂肪分:47.0%、乳タンパク質含量:1.0%)
4)(株)カネカ製「カネカ脱脂粉乳」(乳脂肪分:1.0%、乳タンパク質含量:34.0%)
5)Warrnambool Cheese and Butter社製「WPC80」(乳脂肪分:4.8%、乳タンパク質含量:76.5%)
6)よつ葉乳業(株)製「よつ葉ホエイパウダー」(乳脂肪分:1.1%、乳タンパク質含量:12.1%)
7)三晶(株)製「YM-115-H-J」
8)伊那食品工業(株)製「伊那寒天3-6」
9)新田ゼラチン(株)製「ニューシルバー」
[ヨーグルトの製造例]
(実施例1~5、比較例1~5)
表1に示す配合割合で各材料を混合し、各例のヨーグルトミックスを調製した。これらを60℃に予備加熱し、高圧ホモジナイザーを用いて3.5/17MPaの圧力で均質化し、プレート式熱交換器を用いて90℃まで昇温し、ジャケット付のタンクで、90℃で10分間保持して加熱処理した。
その後、40℃まで冷却し、乳酸菌スターター(Streptococcus thermophilus、Lactobacillus delbrueckii subsp. Bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Bifidobacterium lactis)を0.0009重量部添加し、pH4.7になるまで、一次発酵を行なった。
一次発酵後のヨーグルトミックスを、表1に示す圧力で15meshのフィルターに通して、カードの粉砕を行った。
その後、プレート式冷却器を用いて19℃まで冷却し、その温度でpHが4.5になるまで保持して二次発酵を行った。
その後、小売用容器に充填し、冷蔵倉庫で8℃まで冷却して、ヨーグルトを得た。得られたヨーグルトについて、粘度、及びカードのメジアン径を測定し、官能評価を行った。その結果を表1に示した。
実施例1~5では、濃厚な風味、なめらかな食感、とろみ感、ホエー分離率、風味の変化、及び食感の変化のいずれも良好な評価結果であり総合評価はA~Cとなった。一方、比較例1~5では、濃厚な風味、なめらかな食感、とろみ感、ホエー分離率、風味の変化、及び食感の変化のいずれか1つ以上が劣る評価結果であり総合評価はD又はEとなった。この結果から、タンパク還元価が2~17の乳を50~98質量%含有し、乳脂肪含有量が3.8~4.5質量%、及び乳タンパク質含有量が3.5~7.0質量%であり、且つ前記乳タンパク質中のホエータンパク質/カゼインタンパク質の比の値が、ホエータンパク質/カゼインタンパク質=23/77~35/65(質量比)である、ヨーグルトミックスを用いることにより、濃厚な風味、なめらかな食感、及びとろみ感が良好で、且つ保存安定性に優れたなヨーグルトが得られることが確認された。
Figure 0007358099000001
(実施例6~9、比較例6~9)
上記実施例1と同じ配合割合で各材料を混合し、各例のヨーグルトミックスを調製した。これらを60℃に予備加熱し、高圧ホモジナイザーを用いて3.5/17MPaの圧力で均質化し、プレート式熱交換器を用いて表2に示す殺菌条件の温度まで昇温し、ジャケット付のタンクで、表2に示す殺菌条件により加熱処理した。
その後、40℃まで冷却し、乳酸菌スターター(Streptococcus thermophilus、Lactobacillus delbrueckii subsp. Bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Bifidobacterium lactis)を0.0009重量部添加し、pH4.7になるまで、一次発酵を行なった。
一次発酵後のヨーグルトミックスを、表2に示す圧力で15meshのフィルターに通して、カードの粉砕を行った。
次いで、プレート式冷却器を用いて19℃まで冷却し、その温度でpHが4.5になるまで保持して二次発酵を行った。
その後、小売用容器に充填し、冷蔵倉庫で8℃まで冷却して、ヨーグルトを得た。得られたヨーグルトについて、粘度、及びカードのメジアン径を測定し、官能評価を行った。その結果を実施例1の結果とともに表2に示した。
実施例1及び実施例6~9では、濃厚な風味、なめらかな食感、とろみ感、ホエー分離率、風味の変化、及び食感の変化のいずれも良好な評価結果であり総合評価はA~Cとなった。一方、比較例9~12では、濃厚な風味、なめらかな食感、とろみ感、ホエー分離率、風味の変化、及び食感の変化のいずれか1つ以上が劣る評価結果であり総合評価はD又はEとなった。この結果から、殺菌のための加熱処理を、図1に示すA点(70℃、70分)、B点(95℃、30分)、C点(95℃、1分)、D点(90℃、1分)、E点(75℃、5分)の5点で結ばれる破線で囲まれた領域内の加熱条件で行うことにより、濃厚な風味、なめらかな食感、及びとろみ感が良好で、且つ保存安定性に優れたヨーグルトが得られることが確認された。
Figure 0007358099000002
(実施例10~12、比較例10~17)
上記実施例1と同じ配合割合で各材料を混合し、各例のヨーグルトミックスを調製した。これらを60℃に予備加熱し、高圧ホモジナイザーを用いて3.5/17MPaの圧力で均質化し、プレート式熱交換器を用いて90℃まで昇温し、ジャケット付のタンクで、90℃で10分間保持して加熱処理した。
その後、表3に示す一次発酵温度まで冷却し、乳酸菌スターター(Streptococcus thermophilus、Lactobacillus delbrueckii subsp. Bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Bifidobacterium lactis)を0.0009重量部添加し、表3に示すpHになるまで、一次発酵を行なった。
一次発酵後のヨーグルトミックスを、表3に示す圧力で15meshのフィルターに通して、カードの粉砕を行った。
次いで、プレート式冷却器を用いて表3に示す温度まで冷却し、その温度で表3に示すpHになるまで保持して二次発酵を行った。なお、実施例12及び比較例17については、二次発酵を行わなかった。
その後、小売用容器に充填し、冷蔵倉庫で8℃まで冷却して、ヨーグルトを得た。得られたヨーグルトについて、粘度、及びカードのメジアン径を測定し、官能評価を行った。その結果を実施例1の結果とともに表3に示した。
実施例1及び実施例10~12では、濃厚な風味、なめらかな食感、とろみ感、ホエー分離率、風味の変化、及び食感の変化のいずれも良好な評価結果であり総合評価はA又はBとなった。一方、比較例10~17では、濃厚な風味、なめらかな食感、とろみ感、ホエー分離率、風味の変化、及び食感の変化のいずれか1つ以上が劣る評価結果であり総合評価はD又はEとなった。この結果から、一次発酵条件、カード破砕条件を調整し、二次発酵を行うことにより、濃厚な風味、なめらかな食感、及びとろみ感が良好で、且つ保存安定性に優れたヨーグルトが得られることが確認された。また、二次発酵を行わない場合でも、一次発酵を長めに行い、カード破砕条件を調整することにより、濃厚な風味、なめらかな食感、及びとろみ感が良好で、且つ保存安定性に優れたヨーグルトが得られることが確認された。
Figure 0007358099000003
(実施例13~17、比較例18~20)
表4に示す配合割合で各材料を混合し、各例のヨーグルトミックスを調製した。これらを60℃に予備加熱し、高圧ホモジナイザーを用いて3.5/17MPaの圧力で均質化し、プレート式熱交換器を用いて90℃まで昇温し、ジャケット付のタンクで、90℃で10分間保持して加熱処理した。
その後、40℃まで冷却し、乳酸菌スターター(Streptococcus thermophilus、Lactobacillus delbrueckii subsp. Bulgaricus、Lactobacillus acidophilus、Bifidobacterium lactis)を0.0009重量部添加し、pH4.7になるまで、一次発酵を行なった。
一次発酵後のヨーグルトミックスを、0.22MPaの圧力で15meshのフィルターに通して、カードの粉砕を行った。
その後、プレート式冷却器を用いて19℃まで冷却し、その温度でpHが4.5になるまで保持して二次発酵を行った。
その後、小売用容器に充填し、冷蔵倉庫で8℃まで冷却して、ヨーグルトを得た。得られたヨーグルトについて、粘度、及びカードのメジアン径を測定し、官能評価を行った。その結果を表4に示した。
実施例1及び実施例13~17では、濃厚な風味、なめらかな食感、とろみ感、ホエー分離率、風味の変化、及び食感の変化のいずれも良好な評価結果であり総合評価はA~Cとなった。一方、比較例18~20では、濃厚な風味、なめらかな食感、とろみ感、ホエー分離率、風味の変化、及び食感の変化のいずれか1つ以上が劣る評価結果であり総合評価はDとなった。この結果から、0.01~0.5質量%の安定剤を含有することにより、濃厚な風味、なめらかな食感、及びとろみ感が良好で、且つ保存安定性に優れたヨーグルトが得られることが確認された。
Figure 0007358099000004
(実施例18)
小売用容器にブルーベリーのコンフィチュール18gを充填後、その上に実施例1の2次発酵終了後のヨーグルトミックス82gを充填し、2層タイプのヨーグルトを作製した。得られたヨーグルトを10℃で温調したものを食したところ、10名のパネラーのうち8名が、ヨーグルトそのものだけで食すよりも滑らかさがより引き立つと回答し、又10名のパネラーのうち7名が、ヨーグルトの濃厚さとブルーベリーのコンフィチュールの風味がバランス良く感じると回答した。
本発明によれば、濃厚さに加えて、滑らか且つとろみ感のある食感を併せ持ち、品質の安定したヨーグルト、及び前記ヨーグルトの製造方法を提供することができる。

Claims (4)

  1. タンパク還元価が2~17の乳と、ホエータンパク質とを含有するヨーグルトミックスであって、
    前記ヨーグルトミックス全体中、前記タンパク還元価が2~17の乳を50~98質量%含有し、乳脂肪含有量が3.8~4.5質量%、及び乳タンパク質含有量が3.5~7.0質量%であって、且つ前記乳タンパク質中のホエータンパク質/カゼインタンパク質の比の値が、23/77~35/65(質量比)であるヨーグルトミックスを、
    横軸を保持温度(℃)とし縦軸を達温後の保持時間(分)とする図1のグラフに示されるA点(70℃、70分)、B点(95℃、30分)、C点(95℃、1分)、D点(90℃、1分)、E点(75℃、5分)をそれぞれ順番に直線で結ぶ破線で囲まれた領域内の加熱条件で加熱処理する工程と、
    前記加熱処理後のヨーグルトミックスを、39~41℃の温度条件下で、pHが4.65~4.85となるまで一次発酵する工程と、
    前記一次発酵後のヨーグルトミックスのカードを、カードのメジアン径が20~58μmとなるように粉砕する工程と、
    前記粉砕後のヨーグルトミックスを、15~25℃の温度条件下で、pH4.2~4.75となるまで二次発酵する工程と
    を含む、
    ヨーグルト全体中、安定剤を0.01~0.5質量%含有し、
    カードのメジアン径が20~60μmであり、
    BH型粘度計により、No.4のローターを用いて、2rpmの回転速度で、10℃において測定した粘度が、20~60Pa・sである、
    ヨーグルトの製造方法。
  2. 前記カードを粉砕する工程において、前記一次発酵後のヨーグルトミックスを、0.01~0.45MPaの圧力条件で、10~25meshのフィルターに通すことで、前記カードの粉砕を行う、請求項に記載のヨーグルトの製造方法。
  3. タンパク還元価が2~17の乳と、ホエータンパク質とを含有するヨーグルトミックスであって、
    前記ヨーグルトミックス全体中、前記タンパク還元価が2~17の乳を50~98質量%含有し、乳脂肪含有量が3.8~4.5質量%、及び乳タンパク質含有量が3.5~7.0質量%であって、且つ前記乳タンパク質中のホエータンパク質/カゼインタンパク質の比の値が、23/77~35/65(質量比)であるヨーグルトミックスを、
    横軸を保持温度(℃)とし縦軸を達温後の保持時間(分)とする図1のグラフに示されるA点(70℃、70分)、B点(95℃、30分)、C点(95℃、1分)、D点(90℃、1分)、E点(75℃、5分)をそれぞれ順番に直線で結ぶ破線で囲まれた領域内の加熱条件で加熱処理する工程と、
    前記加熱処理後のヨーグルトミックスを、39~41℃の温度条件下で、pHが4.5~4.7となるまで発酵する工程と、
    前記発酵後のヨーグルトミックスのカードを、カードのメジアン径が20~60μmとなるように粉砕する工程と
    を含む、
    ヨーグルト全体中、安定剤を0.01~0.5質量%含有し、
    カードのメジアン径が20~60μmであり、
    BH型粘度計により、No.4のローターを用いて、2rpmの回転速度で、10℃において測定した粘度が、20~60Pa・sである、
    ヨーグルトの製造方法。
  4. 前記カードを粉砕する工程において、前記発酵後のヨーグルトミックスを、0.005~0.4MPaの圧力条件で、10~25meshのフィルターに通すことで、前記カードの粉砕を行う、請求項に記載のヨーグルトの製造方法。
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