JPWO2011001805A1 - ラケット用ストリングとその製造方法及びこれを張設したラケット - Google Patents

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Abstract

本発明のラケット用ストリング10は、合成繊維を含み、ストリング形成後加熱圧縮変形により断面が扁平化され、いずれかの部分には圧痕を有し、扁平化されたストリングは、実質的に無撚の状態で巻かれている。この製造方法は、ストリングを構成する主要合成繊維のガラス転移点をTg(℃),融点をTm(℃)としたとき、Tg(℃)以上、Tm−10(℃)以下の温度に加熱し、所定の間隔を有するローラー7a,7b間でストリングを圧縮変形し、その後冷却して巻き取る。本発明の前記ラケット用ストリングを張設したラケットは、ラケット打球面上において、前記ストリングは扁平面が主面を形成し、捩れによる部分的に不均一な凹凸部を有する。これにより、扁平面の特徴を生かすことができるラケット用ストリングとその製造方法及びこれを張設したラケットを提供する。

Description

本発明は、硬式テニス、軟式テニス、バドミントン、スカッシュ等のラケットに張設されるストリングとその製造方法及びこれを張設したラケットに関する。
従来からテニス、バトミントン、スカッシュなどのラケット用ストリングはポリアミドやポリエステルなどの合成繊維製モノフィラメント及び/又はマルチフィラメントからなるストリングが多く使用されている。従来のストリングは丸断面が主体であり、どちらかというと合成繊維の特徴を生かして耐久性の優れたストリングが多かった。
ストリングの断面を長円、楕円、長方形等に変形する提案は、特許文献1〜4などにある。特許文献1は、溶融紡糸の際に長方形の口金を使用し、フィラメント製造時に変形させておくことを提案している。特許文献2も溶融紡糸の際にアレイ型の異形断面口金を使用し、フィラメント製造時に変形させておくことを提案している。特許文献3は芯糸を予め太幅と細幅に成形しておき、この周囲に側糸を巻きつけたストリングが提案されている。特許文献4も芯糸を予め断面楕円に成形しておき、この周囲に側糸を巻きつけたストリングが提案されている。
しかし、前記従来技術は溶融紡糸時にフィラメントの断面を変形させているため、その後の側糸を巻きつける工程、溶融コーティングする工程などの後加工の工程で撚りまたは捩れが入ったり、巻きつけが不均一または不安定になりやすいという問題があった。また、特許文献2および3においては撚り(捻じり)加工したストリングが提案されているが、これらの文献においては均一に撚りが付与されている。そのようなストリングの場合、ラケットに張設すると、ストリングの扁平面が均一に分散するため、扁平化したストリングの特徴が生かせないという問題もあった。
特開2009−50660号公報 特開2005−348851号公報 特開2000−210396号公報 特開昭60−77776号公報
本発明は、前記従来の問題を解決するため、扁平面の特徴を生かすことができるラケット用ストリングとその製造方法及びこれを張設したラケットを提供する。
本発明のラケット用ストリングは、合成繊維を含むラケット用ストリングであって、ストリング形成後加熱圧縮変形により断面が扁平化され、いずれかの部分には圧痕を有し、前記扁平化されたストリングは、実質的に無撚の状態で巻かれていることを特徴とする。
本発明のラケット用ストリングの製造方法は、前記のラケット用ストリングの製造方法であって、ストリングを構成する主要合成繊維のガラス転移点をTg(℃),融点をTm(℃)としたとき、Tg(℃)以上、Tm−10(℃)以下の温度に加熱し、所定の間隔を有するローラー間でストリングを圧縮変形し、その後冷却して巻き取ることを特徴とする。
本発明のラケットは、前記のラケット用ストリングを張設したラケットであって、ラケット打球面上において、前記ストリングは扁平面が主面を形成し、捩れによる部分的に不均一な凹凸部を有することを特徴とする。
本発明のラケット用ストリングは、合成繊維のストリング形成後加熱圧縮変形により断面が扁平化され、いずれかの部分には圧痕を有し、前記扁平化されたストリングは、実質的に無撚の状態で巻かれていることにより、ラケットに張設したとき、ストリングは扁平面が主面を形成し、捩れによる部分的に不均一な凹凸部を有することにより、扁平面の特徴を生かすことができる。すなわち、ボールや羽根が良く飛ぶ特性(反発性)と、回転によりスピンを掛けやすい特性(スピン性, Spinability)を向上できる。また、ソフト感も向上できる。
本発明のラケット用ストリングの製造方法は、ストリングを構成する主要合成繊維のガラス転移点をTg(℃),融点をTm(℃)としたとき、Tg(℃)以上、Tm−10(℃)以下の温度に加熱し、所定の間隔を有するローラー間でストリングを圧縮変形し、その後冷却して巻き取ることにより、扁平化されたストリングを効率よく製造できる。
本発明のラケットは、ラケット打球面上において、前記ストリングは扁平面が主面を形成し、捩れによる部分的に不均一な凹凸部を有することにより、反発性、ソフト感とスピン性を向上できる。
図1は本発明の一実施例の扁平化されたストリングの断面図。 図2は本発明の一実施例の扁平化されたストリングを製造するための工程説明図。 図3は本発明の一実施例の扁平化する前のストリングの断面図。 図4は本発明の実施例1(隙間間隔1.1mmの場合)で作成した扁平化ストリングを硬式ラケットに張設した状態を示す平面図。 図5は本発明の実施例1(隙間間隔1.0mmの場合)で作成した扁平化ストリングを硬式ラケットに張設した状態を示す平面図。 図6は本発明の実施例1(隙間間隔0.9mmの場合)で作成した扁平化ストリングを硬式ラケットに張設した状態を示す平面図。 図7は本発明の実施例2(隙間間隔1.1mmの場合)で作成した扁平化ストリングを硬式ラケットに張設した状態を示す平面図。 図8は本発明の実施例2(隙間間隔1.0mmの場合)で作成した扁平化ストリングを硬式ラケットに張設した状態を示す平面図。 図9は本発明の実施例3(隙間間隔1.0mmの場合)で作成した扁平化ストリングを硬式ラケットに張設した状態を示す平面図。 図10は本発明の実施例3(隙間間隔0.9mmの場合)で作成した扁平化ストリングを硬式ラケットに張設した状態を示す平面図。 図11は本発明の実施例4(隙間間隔1.0mmの場合)で作成した扁平化ストリングを軟式ラケットに張設した状態を示す平面図。 図12は本発明の実施例4(隙間間隔0.9mmの場合)で作成した扁平化ストリングを軟式ラケットに張設した状態を示す平面図。
本発明は合成繊維を含むストリングである。この合成繊維としては特に限定されないが、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン9T、ナイロン6Tなどの脂肪族または半芳香族の熱可塑性ポリアミドまたはこれらの共重合物;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどの熱可塑性ポリエステルまたは共重合体;ポリ乳酸などの脂肪族ポリエステル類が挙げられる。中でも合成繊維としては、脂肪族または半芳香族の熱可塑性ポリアミドまたはこれらの共重合物および熱可塑性ポリエステルまたは共重合体が好ましく、ナイロンと熱可塑性ポリエステルがより好ましい。ナイロンと熱可塑性ポリエステルは強度、伸度、コストの面から望ましいからである。
ストリングの構成についても特に限定されず、モノフィラメント単体、マルチフィラメント、モノフィラメント芯に側糸を巻きつけたものなど、どのような形態であっても良い。ストリングの構成としては、芯に側糸を巻きつけたものが好ましく、さらにモノフィラメント芯に側糸(細いモノフィラメント糸)を巻きつけたものがより好ましい。これらの繊維を一体化するためには樹脂バインダーを使用するのが好ましい。また被覆樹脂をコーティングしても良い。例えば、モノフィラメント芯に側糸(細いモノフィラメント糸)を巻きつけ接着したものを被覆樹脂によりコーティングしたモノフィラメントタイプのストリングが好ましい。
本発明のラケット用ストリングは、ストリング形成後加熱圧縮変形により断面を扁平化することを特徴とする。加熱はオーブン又は乾燥機などを使用できる。好ましい加熱温度は、ガラス転移点をTg(℃),融点をTm(℃)としたとき、Tg(℃)以上、Tm−10(℃)以下の温度である。この温度は雰囲気温度であっても良い。この成形温度とした後に例えば所定の間隔を有するローラー間でストリングを圧縮変形する。この処理により、ストリングのいずれかの部分には圧痕が形成される。
前記扁平化されたストリングは、実質的に無撚の状態で巻き取る。実質的に無撚とは、長さ1m当たり5回以下の撚り数をいう。好ましいのはゼロである。実質的に無撚の状態で巻き取るには、一対のローラーと同じ方向又は平行に巻き取り軸を有する巻き取り機で巻き取る。業務用ストリングはこのまま又はかせで使用できる。個人用顧客のためには、約10〜13mに切断し、実質的に無撚の状態に巻き返しパッケージに入れてもよい。特許文献3においては撚り加工された扁平断面ストリングが提案されているが、扁平度が1.1以上であれば、無撚りのストリングでも通常の張り上げ操作でラケット面上のガットの捩れが生じることを本発明者は見出した。ここで捩れとは、ラケット面に対しストリングの長径部がほぼ垂直の状態から約90度捩れて水平になる場合、その逆に水平のものが垂直になる場合等の状態を指す。また、場合により、約180度捩れる場合もある。本発明においては、ラケット面でこのような捩れ箇所が10〜100個程度含まれるのが好ましい。なお、本発明のストリングを用いて通常の張り上げ方法でガットを張設すると、扁平度が大きくなるほど捩れ箇所は多くなる。ストリングが無撚り状態にもかかわらず張り上げ時に捩れが入るのは、(1)コイル状のストリングから解く際にいわゆる解舒撚りが入る、(2)糸端をグロメットに挿入するとき捩れた状態で挿入しそのまま捩れを戻さず引っ張って固定する、(3)タテ、ヨコの交差部で糸に張力をかける際に張力で糸が捩れるなどが理由として考えられる。捩れ箇所の個数は、10個以上であればスピン性に優れ、100個以下であればラケット面全体において不均一に捩れが入るため好ましい。
本発明のラケット用ストリングを張設したラケットは、ラケット打球面上において、前記ストリングは扁平面が主面を形成し、捩れによる部分的に不均一な凹凸部を有する。本発明のストリングは実質的に無撚であるが、巻き取り体から解舒する際に解舒撚りが入ったり、ラケットに張設する際に不可避的に撚りおよび/または捩れが入る。これにより、ストリングは扁平面が主面を形成し、捩れによる部分的に不均一な凹凸部を有する。ここで主面とは、ボールや羽根を打つ面(打球面)の50%以上を言う。
ストリングの扁平面が主面を形成していることから、ボールや羽根との接触面積が高くなり、反発性が向上する。また、捩れによる部分的に不均一な凹凸部は、扁平化されたストリングの長辺の部分が打球面を向いているので、スピンが掛けやすくなる。前記捩れによる凹凸部は、前記のように、10〜100箇所存在するのが好ましい。
本発明のストリングは、撚り加工で均一に撚りが入ったストリングよりも打球感に優れる。これは、例えば本発明のストリングを張り上げたとき、グロメット部のような折り曲げ部では曲げ剛性のため長径部がラケット面に垂直になることが多い。一方、ヨコ糸が織り込まれる部分ではストリングの軸が回転してストリングはタテ、ヨコともラケット面にほぼ平行に張られる。すなわち、ストリングはラケット面に対し、グロメット近くでは垂直に、ラケット面では平行になる傾向がある。本発明ではさらに、ラケット面で発生した捩れ部すなわち、タテ糸またはヨコ糸が垂直になった部分、捩れ箇所を含む。この捩れが入るとストリングの長径部はラケット面に垂直に立った状態になり、凹凸構造が形成される。この凹凸部分が本発明のストリングをラケットに張設した場合の特徴であり、反発性、ソフト感およびスピン性を向上させる。
一方、撚り加工したストリングの場合、予め周期的に捩れており、捩れ数も多いのでグロメット部においてもストリングが垂直になるとは限らない。また、ラケット面、タテ糸とヨコ糸の交差部も種々の状態が混在しているため、全体として平均化すなわち均一化されてしまい、ストリングが扁平であることの特徴が打ち消される傾向にある。そのため、本発明のストリングのような優れた効果が得られないと考えられる。
前記扁平化されたストリングの断面は、長径/短径の比(扁平度)が1.1〜1.8の範囲であることが好ましい。この範囲であれば、反発性とスピン性をより向上できる。具体的には、扁平度が1.1以上であれば、ラケットに張設後、捩れ箇所の個数が多くなり、反発性の向上が顕著になる。また、扁平度が1.8以下であれば、ストリングの扁平度が適切であるため、ラケットの張設性に問題が生じないからである。さらに好ましい扁平度は1.2〜1.7である。本発明において、ローラー間で圧縮成形する前のストリングは、扁平度が1.1未満のほぼ円形断面のストリングを用いることが好ましい。このような扁平度のストリングを用いれば、どのような角度から圧縮変形されても同じ形状のストリングが得られるためである。
前記ストリングは、モノフィラメントからなる芯糸と、前記芯糸の周囲の側糸と、前記芯糸と前記側糸を一体化しているコーティング樹脂を含み、主として前記芯糸が扁平化していることが好ましい。
本発明のラケット用ストリングの製造方法は、ストリングを構成する主要合成繊維のガラス転移点をTg(℃),融点をTm(℃)としたとき、Tg(℃)以上、Tm−10(℃)以下の温度に加熱し、所定の間隔を有するローラー間でストリングを圧縮変形し、その後冷却して巻き取る。ローラー間の所定の間隔とは、例えば供給ストリングの断面が直径1.30〜1.35mmの場合、0.8〜1.2mmの間隔である。通常は供給ストリング断面径の0.55〜0.90倍程度の間隔に設定し、得られたストリングの短径が0.65〜0.95倍程度とするのが望ましい。前記において、ストリングを構成する主要合成繊維とは、芯糸が存在する場合は芯糸、芯糸が存在しない場合は50質量%以上を有する合成繊維を言う。
以下図面を用いて説明する。図1は本発明の一実施例の扁平化されたストリングの断面図である。中央のナイロン製芯糸(モノフィラメント)1は長円に大きく変形され、その周囲のナイロン製側糸(巻き付け糸)2も変形を受けている。芯糸に食い込んでいる部分も観察される。これらの変形や食い込みが圧痕である。このような圧痕は、ローラー間で圧縮成形することにより生じる。周囲の被覆樹脂3はほぼ同一の厚みを保っている。この被覆樹脂3はナイロン樹脂等が好ましい。図1に示すように、扁平化されたストリングはその断面図において、(1)芯糸の変形、(2)側糸の変形、(3)芯糸と側糸の接触部分における変形(主として芯糸に凹部変形)が見られる。なお、ローラー表面に凹凸模様を設けてもよい。そのような凹凸模様を有するローラ間で圧縮成形すると、得られたストリングの表面に凹凸模様を転写することもできる。
図2は本発明の一実施例の扁平化されたストリングを製造するための工程説明図であり、図3は扁平化する前のストリングの断面図を示す。図2に示すように、巻き糸体4から図3に示す処理前のストリング5を加熱装置6に供給し、所定の間隔を有するローラー7a,7b間を通過させて扁平化変形処理し、巻き取り体11に巻き取る。このようにして実質的に無撚りの扁平化ストリング10を得る。図3において、12は芯糸、13は側糸、14は被覆樹脂である。
本発明の(扁平化された)ストリングを製造する方法は、通常の丸断面ストリングを製造する方法に比較して、扁平化加工工程が増えるため、工程数が増加することがある。ただし、通常の丸断面ストリングを製造する方法における樹脂加工、油剤付与、インクジェット印字など他の加工工程において同時に扁平化加工を行うことにより、工程数を増加させないようにすることができる。
本発明のストリングを製造するための方法は、以下の特徴を有する。
(1)加工安定性が高く、広範囲に適用できる。本発明の製造方法において、ストリングを加熱圧縮変形により断面を扁平化することで製造される。そのため、適切な条件下で加工すれば、断面形状、物性、外観などの面で安定した(ばらつきのない)加工を行うことが可能である。一方、例えば楕円モノフィラメントに側糸のモノフィラメントを巻きつける扁平化したストリングの製造方法は、巻きつけの際、芯の曲率が長径部および短径部で異なるので巻きつけ状態が安定せず、その結果、側糸間に隙間が生じたり、糸の重なり(飛び出し)などの欠点が生じやすい問題がある。また、扁平ストリングのコーティング工程では多くの場合ノズル孔も楕円形にする必要がある。しかし、ストリングに捩れ部が発生した場合、ノズルを通過する際にコーティング樹脂のかすれや糸切れを生じやすい問題がある。このように扁平度が大きい芯糸を従来の方法により安定して製造するのは困難である。
(2)打球感が良い。アマチュア上級者の実試打の結果、本発明のストリングを用いて張設したラケットが良いストリングとして選定された。これらの上級者により、特に反発性とスピン性に優れる評価を得た。また、得られたデータからも、張設後の物体の落下反発試験で反発率が高くなること、および扁平化によりボールとストリングの摩擦が増すことが確認できた。従って、実際のスピン性はラケット面での凹凸効果が付与された結果であると考えている。
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)、(比較例1)
直径1mmのナイロン6のモノフィラメント1本(芯糸)と、直径0.115mmのナイロン6のモノフィラメント25本(側糸)を準備し、芯糸の表面に接着剤を付与後、側糸を撚り数80回/mで巻き付け、その周囲に被覆樹脂としてナイロン66を溶融コーティングした。得られたストリング5(図3)の直径は1.30〜1.31mm(丸断面)であった。ストリングを構成する主要合成繊維(ナイロン6)のガラス転移点(Tg)は40℃、融点(Tm)は215℃であった。得られたストリング5を比較例1とする。
次に図2に示すように、このストリング5を80℃で0.5分間、加熱装置6に供給して加熱し、次に隙間間隔(隙間ゲージとも言う)が0.9mm、1.0mmまたは1.1mmのローラー7a,7b間を通過させて扁平に変形し、図1に示す断面が扁平糸のストリング10を得た。得られた扁平糸のストリングの断面は、長径/短径の比(扁平度)が、隙間間隔0.9mmの場合には1.67、隙間間隔1.0mmの場合には1.44、隙間間隔1.1mmの場合には1.28であった。これらのストリングを実施例1とする。
得られた扁平化されたストリングを硬式ラケットに張設した状態を、図4〜6に示す。図4は、隙間間隔1.1mmの場合に得たストリングを用いて張設した硬式ラケット、図5は、隙間間隔1.0mmの場合に得たストリングを用いて張設した硬式ラケット、図6は隙間間隔0.9mmの場合に得たストリングを用いて張設した硬式ラケットである。図4〜6において、黒マークを入れたところが、捩れによる部分的に不均一な凹凸部分である。黒色マークのない部分は、ストリングの扁平面が主面を形成している領域である。捩れによる凹凸部は、図4においては22個、図5においては58個、図6においては68個、存在した。
前記で得られた扁平度1.44のストリングを張設したラケットを5名のテニスプレーヤーに使用してもらったところ、全員から丸断面のストリング(比較例1)に比べて反発性とスピン性が高いとの評価が得られた。
(実施例2)、(比較例2)
直径1.31mmのポリエチレンを5質量%ブレンドしたポリエチレンテレフタレートのモノフィラメントを使用した。ストリングを構成する主要合成繊維(ポリエチレンテレフタレート)のガラス転移点(Tg)は70℃、融点(Tm)は260℃であった。このストリングを比較例2とする。
次に図2に示すように、このストリング5を80℃で0.5分間、加熱装置6に供給して加熱し、次に隙間間隔(隙間ゲージとも言う)が1.0mmまたは1.1mmのローラー7a,7b間を通過させて扁平に変形し、断面が扁平糸のストリングを得た。得られた扁平糸のストリングの断面は、長径/短径の比(扁平度)が、隙間間隔1.0mmの場合には1.72、隙間間隔1.1mmの場合には1.47であった。これらのストリングを実施例2とする。
得られた扁平化されたストリングを硬式ラケットに張設した状態を、図7〜8に示す。図7は、隙間間隔1.1mmの場合に得たストリングを用いて張設した硬式ラケット、図8は、隙間間隔1.0mmの場合に得たストリングを用いて張設した硬式ラケットである。図7〜8において、黒マークを入れたところが、捩れによる部分的に不均一な凹凸部分である。黒色マークのない部分は、ストリングの扁平面が主面を形成している領域である。捩れによる凹凸部は、図7においては13個、図8においては25個存在した。
前記で得られた扁平度1.47のストリングを張設したラケットを5名のテニスプレーヤーに使用してもらったところ、全員から丸断面のストリング(比較例2)のストリングに比べて反発性とスピン性が高いとの評価が得られた。
(実施例3)、(比較例3)
モノフィラメントの中に3島成分を含み、島成分はポリエチレンテレフタレートを10質量%ブレンドしたナイロン6、海成分はナイロン6である丸断面3島モノフィラメント2種(直径0.89mmの芯糸および直径0.195mmの側糸)を準備した。この3島モノフィラメント1本(芯糸)の表面に、前記3島モノフィラメント16本(側糸)を撚り数85回/mで巻き付け、その周囲に被覆樹脂としてナイロン6をコーティングした。得られたストリングの断面は直径1.32mmであった。ストリングを構成する主要合成繊維(ナイロン6)のガラス転移点(Tg)は40℃、融点(Tm)は215℃であった。このストリングを比較例3とする。
次に図2に示すように、このストリング5を80℃で0.5分間、加熱装置6に供給して加熱し、次に隙間間隔(隙間ゲージとも言う)が0.9mmまたは1.0mmのローラー7a,7b間を通過させて扁平に変形し、断面が扁平糸のストリングを得た。得られた扁平糸のストリングの断面は、長径/短径の比(扁平度)が、隙間間隔0.9mmの場合には1.42、隙間間隔1.0mmの場合には1.28であった。これらのストリングスを実施例3とする。
得られた扁平化されたストリングを硬式ラケットに張設した状態を、図9〜10に示す。図9は、隙間間隔1.0mmの場合に得たストリングを用いて張設した硬式ラケット、図10は、隙間間隔0.9mmの場合に得たストリングを用いて張設した硬式ラケットである。図9〜10において、黒マークを入れたところが、捩れによる部分的に不均一な凹凸部分である。黒色マークのない部分は、ストリングの扁平面が主面を形成している領域である。捩れによる凹凸部分は、図9において81個、図10において91個存在した。
前記で得られた扁平度1.42のストリングを張設したラケットを5名のテニスプレーヤーに使用してもらったところ、全員から丸断面のストリング(比較例3)のストリングに比べて反発性とスピン性が高いとの評価が得られた。
(実施例4)、(比較例4)
直径1mmのナイロン6のモノフィラメント1本(芯糸)と、直径0.14mmのナイロン6のモノフィラメント23本(側糸)を準備し、芯糸の表面に接着剤を付与後、側糸を撚り数80回/mで巻き付け、その周囲にバインダー被覆樹脂としてナイロン66をコーティングした。得られたストリング5の直径は1.30〜1.31mm(丸断面)であった。ストリングを構成する主要合成繊維(ナイロン6)のガラス転移点(Tg)は40℃、融点(Tm)は215℃であった。このストリングを比較例4とする。
次に図2に示すように、このストリング5を80℃で0.5分間、加熱装置6に供給して加熱し、次に隙間間隔(隙間ゲージとも言う)が0.9mmまたは1.0mmのローラー7a,7b間を通過させて扁平に変形し、断面が扁平糸のストリングを得た。得られた扁平糸のストリングの断面は、長径/短径の比(扁平度)が、隙間間隔0.9mmの場合には1.49、隙間間隔1.0mmの場合には1.36であった。これらのストリングを実施例4とする。
得られた扁平化されたストリングを硬式ラケットに張設した状態を、図11〜12に示す。図11は、隙間間隔1.0mmの場合に得たストリングを用いて張設した硬式ラケット、図12は、隙間間隔0.9mmの場合に得たストリングを用いて張設した硬式ラケットである。図11〜12において、黒マークを入れたところが、捩れによる部分的に不均一な凹凸部分である。黒色マークのない部分は、ストリングの扁平面が主面を形成している領域である。捩れによる凹凸部分は、図11において32個、図12において47個存在した。
前記で得られた扁平度1.36のストリングを張設したラケットを5名のテニスプレーヤーに使用してもらったところ、全員から丸断面のストリング(比較例4)のストリングに比べて反発性とスピン性が高いとの評価が得られた。
(比較例5)
断面が長径1.23mm、短径0.75mmの長円形のナイロン6モノフィラメント1本(芯糸)と、直径0.115mmのナイロン6のモノフィラメント25本(側糸)を準備し、ナイロン6をフェノール系溶剤に溶解させた接着剤を用いて、芯糸の表面に側糸を撚り数80回/mで巻き付け接着し乾燥させた。得られたストリングの断面は長径1.45mm、短径1.03mm(長円)であった。得られたストリングの断面は、長径/短径の比(扁平度)が1.45であった。ストリングを構成する主要合成繊維(ナイロン6)のガラス転移点(Tg)は40℃、融点(Tm)は215℃であった。なお、この段階で芯と側糸との接着にむらが発生し、また、扁平部分では側糸間の隙間が大きかった。これは、芯の断面が扁平長円形であるため、接着剤の付着状態、芯と側糸との圧着状態、巻きつけ角度などにおいて、不均一かつ不安定であるためと考えられる。
得られたストリングの周囲に、楕円形断面のノズルを使用し、バインダー被覆樹脂としてナイロン66をコーティングした。得られたコーティングストリングの断面は長径1.47mm、短径1.08mm(長円)であった。得られたコーティングストリングの断面は、長径/短径の比(扁平度)が、1.36であった。なお、得られたコーティングストリングのコーティングは膜厚が不均一であった。
得られたコーティングストリングを硬式ラケットに張設した。コーティングストリングを用いた場合、毛羽や部分剥離が発生し、3本中1本は張り切れした。
このラケットを5名のテニスプレーヤーに使用してもらったところ、全員から実施例1のストリングに比べて反発性とスピン性が低く、毛羽、はがれが生じやすいとの評価が得られた。
実施例1および比較例1について、加工条件(隙間間隔、加熱温度および時間、巻速度)、得られたストリングの断面(寸法および扁平度)、得られたストリングの物性(強力、伸度、中間伸度、S結節強力)、得られたストリングをガットに張設した際の特性(張設性、張設後の捩れ箇所個数、打感)を以下の表1にまとめた。
表1中、強力は、JIS L 1013に従い測定した。伸度は、JIS L 1013に従い測定した。中間伸度は、JIS L 1013に従い測定した。S結節強力は、JIS L 1013に従い測定した。また、張設性は、「A」が「問題なく張設できる」、「B」が「張設できるが、グロメットで通しにくい箇所がある」、「C」が「グロメットに通らず張設できない」を意味する。
反発性は、重さ4kgの重りを高さ200mmから張設したガット面に落下させ、その場合の反発高さ(H)を測定し、下記の式に従い算出した。
反発率(%)=(H/200)×100
スピン性は、850rpm(R1)で回転するボールを400mmから張設したガット(1本)に落下させ、ガット面と接触後10ms後の回転数(R2)と用いて、下記の式に従い算出した。このスピン性が大きいことは、ボールとガットの摩擦が大きいことを意味し、すなわち、スピンがよくかかることを意味する。
スピン性(rpm)=R1−R2
表1に示すように、実施例1及び比較例1の結果から、本実施例のストリングが、反発性とスピン性において向上していることが確認できた。
(実施例5)、(比較例6)
芯糸として高強力ナイロン6マルチフィラメント(東レ社製、商品名“アミラン”2100T−306f:3本と940T−136f:1本)をUV硬化樹脂で含浸させたあと、ノズル(1.1mmφ)で絞り300T/mのよりを掛けUV照射して硬化させ芯糸とした。この芯糸にナイロン6を溶融コーティングして、マルチフィラメントタイプの丸断面ストリングを作製した。このストリングの直径は1.23mm、強力64kg、伸度24%、結節強力27kgであった。このストリングを比較例6とする。
このストリングを100℃に加熱し、隙間1.10mmのローラー間に通すことで扁平化した。得られた扁平化したストリングの長径は1.44mm、短径1.12mmで扁平度は1.29であった。ストリングの強力は64kg、伸度26%、結節強力29kgであった。得られたストリングを実施例5とする。
このストリングを硬式ラケットに60ポンドで張り上げた。ラケット面における捩れの数は25個であった。比較として同じラケットに扁平加工前のストリングを張り上げ、比較試打したところ、5名中4名が本実施例の扁平化したストリングの方がスピンが良くかかるとの評価を得た。スピン性の評価としてボールがラケットに衝突してはねかえってくるときのボール回転を高速度カメラで計測した。すなわち、入射時のボール速度100km/h、角度40度(垂直に対し)、回転数ほぼ0rpmに対し、はねかえってくるボールの回転数は5回測定の平均値が、丸断面のストリングが2930rpmに対し、本実施例の扁平ストリングは3060rpmとボールの回転数が大きく、スピンが良くかかっていることがわかった。
(実施例6)、(比較例7)
ポリエチレンテレフタレート樹脂(IV=1.1)を用いて、断面が丸形状のモノフィラメントを扁平化加工したストリングと、略長方形の紡糸口金を用いて同条件で紡糸延伸した、ほぼ同じ扁平断面形状のストリングを作製し、比較した。
直径1.29mmの丸断面のモノフィラメントを150℃に加熱し、隙間1.1mmのローラーに通し、得られた扁平化したストリングの長径は1.45mm、短径1.12mmで扁平度は1.29、強力61kg、伸度34%、結節強力44kgであった(実施例6)。一方長方形口金で得られた比較の扁平ストリングの長径は1.42mm、短径は1.13mmで扁平度は1.26、強力は66kg、伸度31%、結節強力49kgであった(比較例7)。
前記2種のストリングを同型のラケットに60ポンドで張設したところ捩れ回数は、本実施例品は18個、本比較例品は16個であった。このラケット2種を用いて5名で比較試打評価したところ4名が本実施例品の方が柔らかく、食い込みが良いとの評価であった。
前記実施例1の反発性評価に用いた反発テスト法で重りがラケット面への衝突したときの沈み込み量を測定したところ、最大沈み込み量は比較例6mmに対し、本実施例品は9mmで本実施例品の方が沈み込み量が大きい、すなわち柔らかく食い込みが良いことが裏付けられた。また、前記のスピン性評価法で評価したところ、入射時のボール速度100km/h、角度40度、回転数ほぼ0rpmに対し、はねかえってくるボールの回転数は、丸断面のストリングが2900rpmに対し、本実施例品の扁平ストリングは3130rpmとボールの回転数が大きく、スピンが良くかかっていることがわかった。
このように差がある理由は不明だが、扁平加工時の加温変形による断面厚み方向の微細構造変化が影響していると思われる。
本発明のストリングは、硬式テニス、軟式テニス、バトミントン、スカッシュなどのラケットに有用である。
1,12 芯糸(モノフィラメント)
2,13 側糸(巻き付け糸)
3,14 被覆樹脂
4 巻き糸体
5 処理前のストリング
6 加熱装置
7a,7b ローラー7a,7b
10 扁平化ストリング
11 巻き取り体
本発明は、硬式テニス、軟式テニス、バドミントン、スカッシュ等のラケットに張設されるストリングとその製造方法及びこれを張設したラケットに関する。
従来からテニス、バトミントン、スカッシュなどのラケット用ストリングはポリアミドやポリエステルなどの合成繊維製モノフィラメント及び/又はマルチフィラメントからなるストリングが多く使用されている。従来のストリングは丸断面が主体であり、どちらかというと合成繊維の特徴を生かして耐久性の優れたストリングが多かった。
ストリングの断面を長円、楕円、長方形等に変形する提案は、特許文献1〜4などにある。特許文献1は、溶融紡糸の際に長方形の口金を使用し、フィラメント製造時に変形させておくことを提案している。特許文献2も溶融紡糸の際にアレイ型の異形断面口金を使用し、フィラメント製造時に変形させておくことを提案している。特許文献3は芯糸を予め太幅と細幅に成形しておき、この周囲に側糸を巻きつけたストリングが提案されている。特許文献4も芯糸を予め断面楕円に成形しておき、この周囲に側糸を巻きつけたストリングが提案されている。
しかし、前記従来技術は溶融紡糸時にフィラメントの断面を変形させているため、その後の側糸を巻きつける工程、溶融コーティングする工程などの後加工の工程で撚りまたは捩れが入ったり、巻きつけが不均一または不安定になりやすいという問題があった。また、特許文献2および3においては撚り(捻じり)加工したストリングが提案されているが、これらの文献においては均一に撚りが付与されている。そのようなストリングの場合、ラケットに張設すると、ストリングの扁平面が均一に分散するため、扁平化したストリングの特徴が生かせないという問題もあった。
特開2009−50660号公報 特開2005−348851号公報 特開2000−210396号公報 特開昭60−77776号公報
本発明は、前記従来の問題を解決するため、扁平面の特徴を生かすことができるラケット用ストリングとその製造方法及びこれを張設したラケットを提供する。
本発明のラケット用ストリングは、合成繊維を含むラケット用ストリングであって、ストリング形成後加熱圧縮変形により断面が扁平化され、いずれかの部分には圧痕を有し、前記扁平化されたストリングは、実質的に無撚の状態で巻かれており、前記ストリングは、(1)モノフィラメントからなる芯糸と、前記芯糸の周囲の側糸と、前記芯糸と前記側糸を一体化しているコーティング樹脂を含み、主として前記芯糸が扁平化している構造であるか、又は(2)前記合成繊維が熱可塑性ポリエステルであり、ストリング構造がモノフィラメント単体またはモノフィラメント単体にコーティングした構造である、ことを特徴とする。
本発明のラケット用ストリングの製造方法は、前記のラケット用ストリングの製造方法であって、ストリングを構成する主要合成繊維のガラス転移点をTg(℃),融点をTm(℃)としたとき、Tg(℃)以上、Tm−10(℃)以下の温度に加熱し、所定の間隔を有するローラー間でストリングを圧縮変形し、その後冷却して巻き取ることを特徴とする。
本発明のラケットは、前記のラケット用ストリングを張設したラケットであって、ラケット打球面上において、前記ストリングは扁平面が主面を形成し、捩れによる部分的に不均一な凹凸部を有することを特徴とする。
本発明のラケット用ストリングは、合成繊維のストリング形成後加熱圧縮変形により断面が扁平化され、いずれかの部分には圧痕を有し、前記扁平化されたストリングは、実質的に無撚の状態で巻かれていることにより、ラケットに張設したとき、ストリングは扁平面が主面を形成し、捩れによる部分的に不均一な凹凸部を有することにより、扁平面の特徴を生かすことができる。すなわち、ボールや羽根が良く飛ぶ特性(反発性)と、回転によりスピンを掛けやすい特性(スピン性, Spinability)を向上できる。また、ソフト感も向上できる。
本発明のラケット用ストリングの製造方法は、ストリングを構成する主要合成繊維のガラス転移点をTg(℃),融点をTm(℃)としたとき、Tg(℃)以上、Tm−10(℃)以下の温度に加熱し、所定の間隔を有するローラー間でストリングを圧縮変形し、その後冷却して巻き取ることにより、扁平化されたストリングを効率よく製造できる。
本発明のラケットは、ラケット打球面上において、前記ストリングは扁平面が主面を形成し、捩れによる部分的に不均一な凹凸部を有することにより、反発性、ソフト感とスピン性を向上できる。
図1は本発明の一実施例の扁平化されたストリングの断面図。 図2は本発明の一実施例の扁平化されたストリングを製造するための工程説明図。 図3は本発明の一実施例の扁平化する前のストリングの断面図。 図4は本発明の実施例1(隙間間隔1.1mmの場合)で作成した扁平化ストリングを硬式ラケットに張設した状態を示す平面図。 図5は本発明の実施例1(隙間間隔1.0mmの場合)で作成した扁平化ストリングを硬式ラケットに張設した状態を示す平面図。 図6は本発明の実施例1(隙間間隔0.9mmの場合)で作成した扁平化ストリングを硬式ラケットに張設した状態を示す平面図。 図7は本発明の実施例2(隙間間隔1.1mmの場合)で作成した扁平化ストリングを硬式ラケットに張設した状態を示す平面図。 図8は本発明の実施例2(隙間間隔1.0mmの場合)で作成した扁平化ストリングを硬式ラケットに張設した状態を示す平面図。 図9は本発明の実施例3(隙間間隔1.0mmの場合)で作成した扁平化ストリングを硬式ラケットに張設した状態を示す平面図。 図10は本発明の実施例3(隙間間隔0.9mmの場合)で作成した扁平化ストリングを硬式ラケットに張設した状態を示す平面図。 図11は本発明の実施例4(隙間間隔1.0mmの場合)で作成した扁平化ストリングを軟式ラケットに張設した状態を示す平面図。 図12は本発明の実施例4(隙間間隔0.9mmの場合)で作成した扁平化ストリングを軟式ラケットに張設した状態を示す平面図。
本発明は合成繊維を含むストリングである。この合成繊維としては特に限定されないが、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン9T、ナイロン6Tなどの脂肪族または半芳香族の熱可塑性ポリアミドまたはこれらの共重合物;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどの熱可塑性ポリエステルまたは共重合体;ポリ乳酸などの脂肪族ポリエステル類が挙げられる。中でも合成繊維としては、脂肪族または半芳香族の熱可塑性ポリアミドまたはこれらの共重合物および熱可塑性ポリエステルまたは共重合体が好ましく、ナイロンと熱可塑性ポリエステルがより好ましい。ナイロンと熱可塑性ポリエステルは強度、伸度、コストの面から望ましいからである。
ストリングの構成についても特に限定されず、モノフィラメント単体モノフィラメント芯に側糸を巻きつけたものなどの形態である。ストリングの構成としては、芯に側糸を巻きつけたものが好ましく、さらにモノフィラメント芯に側糸(細いモノフィラメント糸)を巻きつけたものがより好ましい。これらの繊維を一体化するためには樹脂バインダーを使用するのが好ましい。また被覆樹脂をコーティングしても良い。例えば、モノフィラメント芯に側糸(細いモノフィラメント糸)を巻きつけ接着したものを被覆樹脂によりコーティングしたモノフィラメントタイプのストリングが好ましい。
本発明のラケット用ストリングは、ストリング形成後加熱圧縮変形により断面を扁平化することを特徴とする。加熱はオーブン又は乾燥機などを使用できる。好ましい加熱温度は、ガラス転移点をTg(℃),融点をTm(℃)としたとき、Tg(℃)以上、Tm−10(℃)以下の温度である。この温度は雰囲気温度であっても良い。この成形温度とした後に例えば所定の間隔を有するローラー間でストリングを圧縮変形する。この処理により、ストリングのいずれかの部分には圧痕が形成される。
前記扁平化されたストリングは、実質的に無撚の状態で巻き取る。実質的に無撚とは、長さ1m当たり5回以下の撚り数をいう。好ましいのはゼロである。実質的に無撚の状態で巻き取るには、一対のローラーと同じ方向又は平行に巻き取り軸を有する巻き取り機で巻き取る。業務用ストリングはこのまま又はかせで使用できる。個人用顧客のためには、約10〜13mに切断し、実質的に無撚の状態に巻き返しパッケージに入れてもよい。特許文献3においては撚り加工された扁平断面ストリングが提案されているが、扁平度が1.1以上であれば、無撚りのストリングでも通常の張り上げ操作でラケット面上のガットの捩れが生じることを本発明者は見出した。ここで捩れとは、ラケット面に対しストリングの長径部がほぼ垂直の状態から約90度捩れて水平になる場合、その逆に水平のものが垂直になる場合等の状態を指す。また、場合により、約180度捩れる場合もある。本発明においては、ラケット面でこのような捩れ箇所が10〜100個程度含まれるのが好ましい。なお、本発明のストリングを用いて通常の張り上げ方法でガットを張設すると、扁平度が大きくなるほど捩れ箇所は多くなる。ストリングが無撚り状態にもかかわらず張り上げ時に捩れが入るのは、(1)コイル状のストリングから解く際にいわゆる解舒撚りが入る、(2)糸端をグロメットに挿入するとき捩れた状態で挿入しそのまま捩れを戻さず引っ張って固定する、(3)タテ、ヨコの交差部で糸に張力をかける際に張力で糸が捩れるなどが理由として考えられる。捩れ箇所の個数は、10個以上であればスピン性に優れ、100個以下であればラケット面全体において不均一に捩れが入るため好ましい。
本発明のラケット用ストリングを張設したラケットは、ラケット打球面上において、前記ストリングは扁平面が主面を形成し、捩れによる部分的に不均一な凹凸部を有する。本発明のストリングは実質的に無撚であるが、巻き取り体から解舒する際に解舒撚りが入ったり、ラケットに張設する際に不可避的に撚りおよび/または捩れが入る。これにより、ストリングは扁平面が主面を形成し、捩れによる部分的に不均一な凹凸部を有する。ここで主面とは、ボールや羽根を打つ面(打球面)の50%以上を言う。
ストリングの扁平面が主面を形成していることから、ボールや羽根との接触面積が高くなり、反発性が向上する。また、捩れによる部分的に不均一な凹凸部は、扁平化されたストリングの長辺の部分が打球面を向いているので、スピンが掛けやすくなる。前記捩れによる凹凸部は、前記のように、10〜100箇所存在するのが好ましい。
本発明のストリングは、撚り加工で均一に撚りが入ったストリングよりも打球感に優れる。これは、例えば本発明のストリングを張り上げたとき、グロメット部のような折り曲げ部では曲げ剛性のため長径部がラケット面に垂直になることが多い。一方、ヨコ糸が織り込まれる部分ではストリングの軸が回転してストリングはタテ、ヨコともラケット面にほぼ平行に張られる。すなわち、ストリングはラケット面に対し、グロメット近くでは垂直に、ラケット面では平行になる傾向がある。本発明ではさらに、ラケット面で発生した捩れ部すなわち、タテ糸またはヨコ糸が垂直になった部分、捩れ箇所を含む。この捩れが入るとストリングの長径部はラケット面に垂直に立った状態になり、凹凸構造が形成される。この凹凸部分が本発明のストリングをラケットに張設した場合の特徴であり、反発性、ソフト感およびスピン性を向上させる。
一方、撚り加工したストリングの場合、予め周期的に捩れており、捩れ数も多いのでグロメット部においてもストリングが垂直になるとは限らない。また、ラケット面、タテ糸とヨコ糸の交差部も種々の状態が混在しているため、全体として平均化すなわち均一化されてしまい、ストリングが扁平であることの特徴が打ち消される傾向にある。そのため、本発明のストリングのような優れた効果が得られないと考えられる。
前記扁平化されたストリングの断面は、長径/短径の比(扁平度)が1.1〜1.8の範囲であることが好ましい。この範囲であれば、反発性とスピン性をより向上できる。具体的には、扁平度が1.1以上であれば、ラケットに張設後、捩れ箇所の個数が多くなり、反発性の向上が顕著になる。また、扁平度が1.8以下であれば、ストリングの扁平度が適切であるため、ラケットの張設性に問題が生じないからである。さらに好ましい扁平度は1.2〜1.7である。本発明において、ローラー間で圧縮成形する前のストリングは、扁平度が1.1未満のほぼ円形断面のストリングを用いることが好ましい。このような扁平度のストリングを用いれば、どのような角度から圧縮変形されても同じ形状のストリングが得られるためである。
前記ストリングは、モノフィラメントからなる芯糸と、前記芯糸の周囲の側糸と、前記芯糸と前記側糸を一体化しているコーティング樹脂を含み、主として前記芯糸が扁平化していることが好ましい。
本発明のラケット用ストリングの製造方法は、ストリングを構成する主要合成繊維のガラス転移点をTg(℃),融点をTm(℃)としたとき、Tg(℃)以上、Tm−10(℃)以下の温度に加熱し、所定の間隔を有するローラー間でストリングを圧縮変形し、その後冷却して巻き取る。ローラー間の所定の間隔とは、例えば供給ストリングの断面が直径1.30〜1.35mmの場合、0.8〜1.2mmの間隔である。通常は供給ストリング断面径の0.55〜0.90倍程度の間隔に設定し、得られたストリングの短径が0.65〜0.95倍程度とするのが望ましい。前記において、ストリングを構成する主要合成繊維とは、芯糸が存在する場合は芯糸、芯糸が存在しない場合は50質量%以上を有する合成繊維を言う。
以下図面を用いて説明する。図1は本発明の一実施例の扁平化されたストリングの断面図である。中央のナイロン製芯糸(モノフィラメント)1は長円に大きく変形され、その周囲のナイロン製側糸(巻き付け糸)2も変形を受けている。芯糸に食い込んでいる部分も観察される。これらの変形や食い込みが圧痕である。このような圧痕は、ローラー間で圧縮成形することにより生じる。周囲の被覆樹脂3はほぼ同一の厚みを保っている。この被覆樹脂3はナイロン樹脂等が好ましい。図1に示すように、扁平化されたストリングはその断面図において、(1)芯糸の変形、(2)側糸の変形、(3)芯糸と側糸の接触部分における変形(主として芯糸に凹部変形)が見られる。なお、ローラー表面に凹凸模様を設けてもよい。そのような凹凸模様を有するローラ間で圧縮成形すると、得られたストリングの表面に凹凸模様を転写することもできる。
図2は本発明の一実施例の扁平化されたストリングを製造するための工程説明図であり、図3は扁平化する前のストリングの断面図を示す。図2に示すように、巻き糸体4から図3に示す処理前のストリング5を加熱装置6に供給し、所定の間隔を有するローラー7a,7b間を通過させて扁平化変形処理し、巻き取り体11に巻き取る。このようにして実質的に無撚りの扁平化ストリング10を得る。図3において、12は芯糸、13は側糸、14は被覆樹脂である。
本発明の(扁平化された)ストリングを製造する方法は、通常の丸断面ストリングを製造する方法に比較して、扁平化加工工程が増えるため、工程数が増加することがある。ただし、通常の丸断面ストリングを製造する方法における樹脂加工、油剤付与、インクジェット印字など他の加工工程において同時に扁平化加工を行うことにより、工程数を増加させないようにすることができる。
本発明のストリングを製造するための方法は、以下の特徴を有する。
(1)加工安定性が高く、広範囲に適用できる。本発明の製造方法において、ストリングを加熱圧縮変形により断面を扁平化することで製造される。そのため、適切な条件下で加工すれば、断面形状、物性、外観などの面で安定した(ばらつきのない)加工を行うことが可能である。一方、例えば楕円モノフィラメントに側糸のモノフィラメントを巻きつける扁平化したストリングの製造方法は、巻きつけの際、芯の曲率が長径部および短径部で異なるので巻きつけ状態が安定せず、その結果、側糸間に隙間が生じたり、糸の重なり(飛び出し)などの欠点が生じやすい問題がある。また、扁平ストリングのコーティング工程では多くの場合ノズル孔も楕円形にする必要がある。しかし、ストリングに捩れ部が発生した場合、ノズルを通過する際にコーティング樹脂のかすれや糸切れを生じやすい問題がある。このように扁平度が大きい芯糸を従来の方法により安定して製造するのは困難である。
(2)打球感が良い。アマチュア上級者の実試打の結果、本発明のストリングを用いて張設したラケットが良いストリングとして選定された。これらの上級者により、特に反発性とスピン性に優れる評価を得た。また、得られたデータからも、張設後の物体の落下反発試験で反発率が高くなること、および扁平化によりボールとストリングの摩擦が増すことが確認できた。従って、実際のスピン性はラケット面での凹凸効果が付与された結果であると考えている。
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)、(比較例1)
直径1mmのナイロン6のモノフィラメント1本(芯糸)と、直径0.115mmのナイロン6のモノフィラメント25本(側糸)を準備し、芯糸の表面に接着剤を付与後、側糸を撚り数80回/mで巻き付け、その周囲に被覆樹脂としてナイロン66を溶融コーティングした。得られたストリング5(図3)の直径は1.30〜1.31mm(丸断面)であった。ストリングを構成する主要合成繊維(ナイロン6)のガラス転移点(Tg)は40℃、融点(Tm)は215℃であった。得られたストリング5を比較例1とする。
次に図2に示すように、このストリング5を80℃で0.5分間、加熱装置6に供給して加熱し、次に隙間間隔(隙間ゲージとも言う)が0.9mm、1.0mmまたは1.1mmのローラー7a,7b間を通過させて扁平に変形し、図1に示す断面が扁平糸のストリング10を得た。得られた扁平糸のストリングの断面は、長径/短径の比(扁平度)が、隙間間隔0.9mmの場合には1.67、隙間間隔1.0mmの場合には1.44、隙間間隔1.1mmの場合には1.28であった。これらのストリングを実施例1とする。
得られた扁平化されたストリングを硬式ラケットに張設した状態を、図4〜6に示す。図4は、隙間間隔1.1mmの場合に得たストリングを用いて張設した硬式ラケット、図5は、隙間間隔1.0mmの場合に得たストリングを用いて張設した硬式ラケット、図6は隙間間隔0.9mmの場合に得たストリングを用いて張設した硬式ラケットである。図4〜6において、黒マークを入れたところが、捩れによる部分的に不均一な凹凸部分である。黒色マークのない部分は、ストリングの扁平面が主面を形成している領域である。捩れによる凹凸部は、図4においては22個、図5においては58個、図6においては68個、存在した。
前記で得られた扁平度1.44のストリングを張設したラケットを5名のテニスプレーヤーに使用してもらったところ、全員から丸断面のストリング(比較例1)に比べて反発性とスピン性が高いとの評価が得られた。
(実施例2)、(比較例2)
直径1.31mmのポリエチレンを5質量%ブレンドしたポリエチレンテレフタレートのモノフィラメントを使用した。ストリングを構成する主要合成繊維(ポリエチレンテレフタレート)のガラス転移点(Tg)は70℃、融点(Tm)は260℃であった。このストリングを比較例2とする。
次に図2に示すように、このストリング5を80℃で0.5分間、加熱装置6に供給して加熱し、次に隙間間隔(隙間ゲージとも言う)が1.0mmまたは1.1mmのローラー7a,7b間を通過させて扁平に変形し、断面が扁平糸のストリングを得た。得られた扁平糸のストリングの断面は、長径/短径の比(扁平度)が、隙間間隔1.0mmの場合には1.72、隙間間隔1.1mmの場合には1.47であった。これらのストリングを実施例2とする。
得られた扁平化されたストリングを硬式ラケットに張設した状態を、図7〜8に示す。図7は、隙間間隔1.1mmの場合に得たストリングを用いて張設した硬式ラケット、図8は、隙間間隔1.0mmの場合に得たストリングを用いて張設した硬式ラケットである。図7〜8において、黒マークを入れたところが、捩れによる部分的に不均一な凹凸部分である。黒色マークのない部分は、ストリングの扁平面が主面を形成している領域である。捩れによる凹凸部は、図7においては13個、図8においては25個存在した。
前記で得られた扁平度1.47のストリングを張設したラケットを5名のテニスプレーヤーに使用してもらったところ、全員から丸断面のストリング(比較例2)のストリングに比べて反発性とスピン性が高いとの評価が得られた。
(実施例3)、(比較例3)
モノフィラメントの中に3島成分を含み、島成分はポリエチレンテレフタレートを10質量%ブレンドしたナイロン6、海成分はナイロン6である丸断面3島モノフィラメント2種(直径0.89mmの芯糸および直径0.195mmの側糸)を準備した。この3島モノフィラメント1本(芯糸)の表面に、前記3島モノフィラメント16本(側糸)を撚り数85回/mで巻き付け、その周囲に被覆樹脂としてナイロン6をコーティングした。得られたストリングの断面は直径1.32mmであった。ストリングを構成する主要合成繊維(ナイロン6)のガラス転移点(Tg)は40℃、融点(Tm)は215℃であった。このストリングを比較例3とする。
次に図2に示すように、このストリング5を80℃で0.5分間、加熱装置6に供給して加熱し、次に隙間間隔(隙間ゲージとも言う)が0.9mmまたは1.0mmのローラー7a,7b間を通過させて扁平に変形し、断面が扁平糸のストリングを得た。得られた扁平糸のストリングの断面は、長径/短径の比(扁平度)が、隙間間隔0.9mmの場合には1.42、隙間間隔1.0mmの場合には1.28であった。これらのストリングスを実施例3とする。
得られた扁平化されたストリングを硬式ラケットに張設した状態を、図9〜10に示す。図9は、隙間間隔1.0mmの場合に得たストリングを用いて張設した硬式ラケット、図10は、隙間間隔0.9mmの場合に得たストリングを用いて張設した硬式ラケットである。図9〜10において、黒マークを入れたところが、捩れによる部分的に不均一な凹凸部分である。黒色マークのない部分は、ストリングの扁平面が主面を形成している領域である。捩れによる凹凸部分は、図9において81個、図10において91個存在した。
前記で得られた扁平度1.42のストリングを張設したラケットを5名のテニスプレーヤーに使用してもらったところ、全員から丸断面のストリング(比較例3)のストリングに比べて反発性とスピン性が高いとの評価が得られた。
(実施例4)、(比較例4)
直径1mmのナイロン6のモノフィラメント1本(芯糸)と、直径0.14mmのナイロン6のモノフィラメント23本(側糸)を準備し、芯糸の表面に接着剤を付与後、側糸を撚り数80回/mで巻き付け、その周囲にバインダー被覆樹脂としてナイロン66をコーティングした。得られたストリング5の直径は1.30〜1.31mm(丸断面)であった。ストリングを構成する主要合成繊維(ナイロン6)のガラス転移点(Tg)は40℃、融点(Tm)は215℃であった。このストリングを比較例4とする。
次に図2に示すように、このストリング5を80℃で0.5分間、加熱装置6に供給して加熱し、次に隙間間隔(隙間ゲージとも言う)が0.9mmまたは1.0mmのローラー7a,7b間を通過させて扁平に変形し、断面が扁平糸のストリングを得た。得られた扁平糸のストリングの断面は、長径/短径の比(扁平度)が、隙間間隔0.9mmの場合には1.49、隙間間隔1.0mmの場合には1.36であった。これらのストリングを実施例4とする。
得られた扁平化されたストリングを硬式ラケットに張設した状態を、図11〜12に示す。図11は、隙間間隔1.0mmの場合に得たストリングを用いて張設した硬式ラケット、図12は、隙間間隔0.9mmの場合に得たストリングを用いて張設した硬式ラケットである。図11〜12において、黒マークを入れたところが、捩れによる部分的に不均一な凹凸部分である。黒色マークのない部分は、ストリングの扁平面が主面を形成している領域である。捩れによる凹凸部分は、図11において32個、図12において47個存在した。
前記で得られた扁平度1.36のストリングを張設したラケットを5名のテニスプレーヤーに使用してもらったところ、全員から丸断面のストリング(比較例4)のストリングに比べて反発性とスピン性が高いとの評価が得られた。
(比較例5)
断面が長径1.23mm、短径0.75mmの長円形のナイロン6モノフィラメント1本(芯糸)と、直径0.115mmのナイロン6のモノフィラメント25本(側糸)を準備し、ナイロン6をフェノール系溶剤に溶解させた接着剤を用いて、芯糸の表面に側糸を撚り数80回/mで巻き付け接着し乾燥させた。得られたストリングの断面は長径1.45mm、短径1.03mm(長円)であった。得られたストリングの断面は、長径/短径の比(扁平度)が1.45であった。ストリングを構成する主要合成繊維(ナイロン6)のガラス転移点(Tg)は40℃、融点(Tm)は215℃であった。なお、この段階で芯と側糸との接着にむらが発生し、また、扁平部分では側糸間の隙間が大きかった。これは、芯の断面が扁平長円形であるため、接着剤の付着状態、芯と側糸との圧着状態、巻きつけ角度などにおいて、不均一かつ不安定であるためと考えられる。
得られたストリングの周囲に、楕円形断面のノズルを使用し、バインダー被覆樹脂としてナイロン66をコーティングした。得られたコーティングストリングの断面は長径1.47mm、短径1.08mm(長円)であった。得られたコーティングストリングの断面は、長径/短径の比(扁平度)が、1.36であった。なお、得られたコーティングストリングのコーティングは膜厚が不均一であった。
得られたコーティングストリングを硬式ラケットに張設した。コーティングストリングを用いた場合、毛羽や部分剥離が発生し、3本中1本は張り切れした。
このラケットを5名のテニスプレーヤーに使用してもらったところ、全員から実施例1のストリングに比べて反発性とスピン性が低く、毛羽、はがれが生じやすいとの評価が得られた。
実施例1および比較例1について、加工条件(隙間間隔、加熱温度および時間、巻速度)、得られたストリングの断面(寸法および扁平度)、得られたストリングの物性(強力、伸度、中間伸度、S結節強力)、得られたストリングをガットに張設した際の特性(張設性、張設後の捩れ箇所個数、打感)を以下の表1にまとめた。
表1中、強力は、JIS L 1013に従い測定した。伸度は、JIS L 1013に従い測定した。中間伸度は、JIS L 1013に従い測定した。S結節強力は、JIS L 1013に従い測定した。また、張設性は、「A」が「問題なく張設できる」、「B」が「張設できるが、グロメットで通しにくい箇所がある」、「C」が「グロメットに通らず張設できない」を意味する。
反発性は、重さ4kgの重りを高さ200mmから張設したガット面に落下させ、その場合の反発高さ(H)を測定し、下記の式に従い算出した。
反発率(%)=(H/200)×100
スピン性は、850rpm(R1)で回転するボールを400mmから張設したガット(1本)に落下させ、ガット面と接触後10ms後の回転数(R2)と用いて、下記の式に従い算出した。このスピン性が大きいことは、ボールとガットの摩擦が大きいことを意味し、すなわち、スピンがよくかかることを意味する。
スピン性(rpm)=R1−R2
表1に示すように、実施例1及び比較例1の結果から、本実施例のストリングが、反発性とスピン性において向上していることが確認できた。
(実施例)、(比較例
ポリエチレンテレフタレート樹脂(IV=1.1)を用いて、断面が丸形状のモノフィラメントを扁平化加工したストリングと、略長方形の紡糸口金を用いて同条件で紡糸延伸した、ほぼ同じ扁平断面形状のストリングを作製し、比較した。
直径1.29mmの丸断面のモノフィラメントを150℃に加熱し、隙間1.1mmのローラーに通し、得られた扁平化したストリングの長径は1.45mm、短径1.12mmで扁平度は1.29、強力61kg、伸度34%、結節強力44kgであった(実施例)。一方長方形口金で得られた比較の扁平ストリングの長径は1.42mm、短径は1.13mmで扁平度は1.26、強力は66kg、伸度31%、結節強力49kgであった(比較例)。
前記2種のストリングを同型のラケットに60ポンドで張設したところ捩れ回数は、本実施例品は18個、本比較例品は16個であった。このラケット2種を用いて5名で比較試打評価したところ4名が本実施例品の方が柔らかく、食い込みが良いとの評価であった。
前記実施例1の反発性評価に用いた反発テスト法で重りがラケット面への衝突したときの沈み込み量を測定したところ、最大沈み込み量は比較例6mmに対し、本実施例品は9mmで本実施例品の方が沈み込み量が大きい、すなわち柔らかく食い込みが良いことが裏付けられた。また、前記のスピン性評価法で評価したところ、入射時のボール速度100km/h、角度40度、回転数ほぼ0rpmに対し、はねかえってくるボールの回転数は、丸断面のストリングが2900rpmに対し、本実施例品の扁平ストリングは3130rpmとボールの回転数が大きく、スピンが良くかかっていることがわかった。
このように差がある理由は不明だが、扁平加工時の加温変形による断面厚み方向の微細構造変化が影響していると思われる。
本発明のストリングは、硬式テニス、軟式テニス、バトミントン、スカッシュなどのラケットに有用である。
1,12 芯糸(モノフィラメント)
2,13 側糸(巻き付け糸)
3,14 被覆樹脂
4 巻き糸体
5 処理前のストリング
6 加熱装置
7a,7b ローラー7a,7b
10 扁平化ストリング
11 巻き取り体
本発明のラケット用ストリングは、合成繊維を含むラケット用ストリングであって、ストリング形成後加熱圧縮変形により断面が扁平化され、いずれかの部分には圧痕を有し、前記扁平化されたストリングは、実質的に無撚の状態で巻かれており、前記ストリングは、(1)モノフィラメントからなる芯糸と、前記芯糸の周囲の側糸と、前記芯糸と前記側糸を一体化しているコーティング樹脂を含み、主として前記芯糸が扁平化している構造であるか、又は(2)前記合成繊維が熱可塑性ポリエステルであり、ストリング構造がモノフィラメント単体またはモノフィラメント単体にコーティングした構造であり、前記扁平化されたストリングの断面は、長径/短径の比(扁平度)が1.2〜1.7の範囲であることを特徴とする。
前記扁平化されたストリングの断面は、長径/短径の比(扁平度)が1.2〜1.7の範囲である。この範囲であれば、反発性とスピン性をより向上できる。具体的には、扁平度が1.2以上であれば、ラケットに張設後、捩れ箇所の個数が多くなり、反発性の向上が顕著になる。また、扁平度が1.7以下であれば、ストリングの扁平度が適切であるため、ラケットの張設性に問題が生じないからである。本発明において、ローラー間で圧縮成形する前のストリングは、扁平度が1.1未満のほぼ円形断面のストリングを用いることが好ましい。このような扁平度のストリングを用いれば、どのような角度から圧縮変形されても同じ形状のストリングが得られるためである。

Claims (10)

  1. 合成繊維を含むラケット用ストリングであって、
    ストリング形成後加熱圧縮変形により断面が扁平化され、いずれかの部分には圧痕を有し、
    前記扁平化されたストリングは、実質的に無撚の状態で巻かれていることを特徴とするラケット用ストリング。
  2. 前記扁平化されたストリングの断面は、長径/短径の比(扁平度)が1.1〜1.8の範囲である請求項1に記載のラケット用ストリング。
  3. 前記合成繊維が熱可塑性ポリアミド、熱可塑性ポリエステルから選ばれた1種以上である請求項1に記載のラケット用ストリング。
  4. 前記ストリングが、モノフィラメントからなる芯糸と、前記芯糸の周囲の側糸と、前記芯糸と前記側糸を一体化しているコーティング樹脂を含み、主として前記芯糸が扁平化している請求項1〜3のいずれか1項に記載のラケット用ストリング。
  5. 前記芯糸のモノフィラメントが熱可塑性ポリアミドである請求項4に記載のラケット用ストリング。
  6. 前記合成繊維が熱可塑性ポリエステルであり、ストリング構造がモノフィラメント単体またはモノフィラメント単体にコーティングした構造である請求項1に記載のラケット用ストリング。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のラケット用ストリングの製造方法であって、
    ストリングを構成する主要合成繊維のガラス転移点をTg(℃),融点をTm(℃)としたとき、Tg(℃)以上、Tm−10(℃)以下の温度に加熱し、所定の間隔を有するローラー間でストリングを圧縮変形し、その後冷却して巻き取ることを特徴とするラケット用ストリングの製造方法。
  8. 圧縮変形するローラー間の隙間を圧縮前ストリング径の0.55〜0.90倍の間隔として圧縮変形加工し、得られた扁平ストリングの短径を圧縮前の0.65〜0.95倍とする請求項7に記載のストリングの製造方法。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載のラケット用ストリングを張設したラケットであって、
    ラケット打球面上において、前記ストリングは扁平面が主面を形成し、捩れによる部分的に不均一な凹凸部を有することを特徴とするラケット。
  10. 前記捩れによる凹凸部が、10〜100箇所存在する請求項9に記載のラケット。
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