JP4501624B2 - エアベルト用基布およびその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明のエアベルト用基布の好ましい態様のひとつは、前記のマルチフィラメントを構成する単繊維の扁平率(短軸に対する長軸の長さの比)が2〜4の範囲内にあることである。
CF=(Dw×Nw)1/2+(Df×Nf)1/2
本発明で用いられるマルチフィラメントは、本発明の効果を妨げない範囲で、他種のマルチフィラメントを混繊したものであってもよい。また、本発明で用いられる織物は、経糸と緯糸の両方に当該マルチフィラメントを用いてもよく、また、本発明の効果を妨げない範囲で、他種の糸条を交織してもよい。
本発明では、製織工程において張力コントロールを制御することにより、後工程の樹脂コーティング後の基布表面の平滑化をはかり、かつ仕上工程においてナイフコーティングを実施することにより、樹脂の低塗工化と塗工面の平滑性を図るところに特徴を有する。そのため本発明においては、製織工程における経糸張力を30〜200g/本の範囲内として製織することが重要である。好ましくは、経糸張力を50〜180g/本に制御することにより、製織後の基布中の織り糸が長手方向に配列し、基布表面が平滑になり、樹脂塗工時の付着量が軽減されることから、薄地化し軽量化を図ることができる。経糸張力が30g/本未満であると、織り糸の扁平断面糸が長手方向に配列できないため、織物が厚くなり好ましくないばかりか、通気量を抑えるために樹脂量を多く付着させる必要があり、軽量化の点でも好ましくない。一方、製織張力が200g/本より大きいと、織り糸に与える負荷が大きくなり、強度低下の原因となり、機械的特性面で好ましくない。
総繊度280dtex、36フィラメント、強度7.9cN/dtex、伸度23.5%、アスペクト比3.7、無撚りのナイロン6・6繊維の単繊維の扁平率が3.7のマルチフィラメント(糸)を用い、ウォータージェットルームにて、経糸張力を120g/本になるように経糸と緯糸の織密度がともに60本/2.54cmになるように調整し、平組織の織物を得た。次いでこの織物に、粘度12Pa・s(12,000cP)の無溶剤系メチルビニルシリコーン樹脂液を、フローティングナイフコーターにより、コーティングを行った後、190℃の温度で2分間加硫処理を行い、樹脂の付着量が19g/m2となるエアベルト用基布を得た。
このようにして得られたエアベルト用基布の特性を表1に示した。このエアベルト用基布は、機械的特性および収納性に優れ、基布同士のズレが抑えられ、一体感にも優れていた。
総繊度280dtex、36フィラメント、強度7.9cN/dtex、伸度23.5%、アスペクト比3.7、無撚りのナイロン6・6繊維の単繊維の扁平率が3.7のマルチフィラメント(糸)を用い、ウォータージェットルームにて、経糸張力を120g/本になるように経糸と緯糸の織密度の織密度がともに60本/2.54cmになるように調整し、平組織の織物を得た。このようにして得られたエアベルト用基布の特性を表1に示した。このエアベルト用基布は収納性については問題なかったが、樹脂コート布でないため、通気度が高く、かつ静摩擦係数が小さく基布同士のズレ評価が劣っていた。
総繊度280dtex、36フィラメント、強度7.9cN/dtex、伸度22.3%、アスペクト比1、無撚りのナイロン6・6繊維の単繊維の扁平率が1の丸断面のマルチフィラメント(糸)を用い、ウォータージェットルームにて、経糸張力を120g/本になるように経糸と緯糸の織密度がともに60本/2.54cmになるように調整し、平組織の織物を得た。次いでこの織物に、粘度12Pa・s(12,000cP)の無溶剤系メチルビニルシリコーン樹脂液を、フローティングナイフコーターにより、コーティングを行った後、190℃の温度で2分間加硫処理を行い、エアベルト用基布を得た。このようにして得られたエアベルト用基布の特性を表1に示した。このエアベルト用基布は、扁平断面フィラメントでないため、収納性と機械的特性については問題なかったが、静摩擦係数が小さく基布同士のズレ評価が劣っていた。
総繊度280dtex、36フィラメント、強度7.9cN/dtex、伸度23.5%、アスペクト比3.7、無撚りのナイロン6・6繊維の単繊維の扁平率が3.7のマルチフィラメント(糸)を用い、ウォータージェットルームにて、経糸張力を10g/本になるように経糸と緯糸の織密度がともに60本/2.54cmになるように調整し、平組織の織物を得た。次いでこの織物に、粘度12Pa・s(12,000cP)の無溶剤系メチルビニルシリコーン樹脂液を、フローティングナイフコーターにより、コーティングを行った後、190℃の温度で2分間加硫処理を行い、エアベルト用基布を得た。このようにして得られたエアベルト用基布の特性を表1に示した。このエアベルト用基布は収納性と機械的特性については問題なかったが、静摩擦係数が大きく基布同士の擦れ評価が劣っており、エアベルトとして機能するものではなかった。
総繊度280dtex、36フィラメント、強度7.9cN/dtex、伸度23.5%、アスペクト比3.7、無撚りのナイロン6・6繊維の単繊維の扁平率が3.7のマルチフィラメント(糸)を用い、ウォータージェットルームにて、経糸張力を50g/本になるように経糸と緯糸の織密度がともに46本/2.54cmになるように調整し、平組織の織物を得た。次いでこの織物に、粘度12Pa・s(12,000cP)の無溶剤系メチルビニルシリコーン樹脂液を、フローティングナイフコーターにより、コーティングを行った後、190℃の温度で2分間加硫処理を行い、樹脂の付着量が23g/m2となるエアベルト用基布を得た。このようにして得られたエアベルト用基布の特性を表1に示した。このエアベルト用基布は、機械的特性および収納性に優れ、基布同士のズレが抑えられ、一体感にも優れていた。
総繊度235dtex、36フィラメント、強度7.9cN/dtex、伸度24.2%、アスペクト比2、無撚りのナイロン6・6繊維の単繊維の扁平率が2のマルチフィラメント(糸)を用い、ウォータージェットルームにて、経糸張力を180g/本になるように経糸と緯糸の織密度がともに55本/2.54cmになるように調整し、平組織の織物を得た。次いでこの織物に、粘度12Pa・s(12,000cP)の無溶剤系メチルビニルシリコーン樹脂液を、フローティングナイフコーターにより、コーティングを行った後、190℃の温度で2分間加硫処理を行い、樹脂の付着量が18g/m2となるエアベルト用基布を得た。このようにして得られたエアベルト用基布の特性を表1に示した。このエアベルト用基布は、機械的特性および収納性に優れ、基布同士のズレが抑えられ、一体感にも優れていた。
実施例3で得られた織物に、粘度3Pa・s(3,000cP)の水系ウレタン樹脂液(樹脂固形分50%)に浸漬し、マングルにて絞った後、130℃の温度で2分間乾燥し、エアベルト基布を得た。このようにして得られたエアベルト用基布の特性を表1に示した。このエアベルト用基布は、機械的特性および基布同士のズレが抑えられ、一体感に優れていたが、通気度が高く、かつ収納性に劣っていた。
Claims (5)
- 単繊維断面形状が扁平断面のマルチフィラメントで構成された織物の少なくとも片面が樹脂で被覆されてなり、経糸方向とヨコ糸方向の静摩擦係数の平均値が1.5〜2.5の範囲内にあることを特徴とするエアベルト用基布。
- 厚みが0.15〜0.25mmの範囲内にあることを特徴とする請求項1記載のエアベルト用基布。
- 目付が100〜160g/m2の範囲内にあることを特徴とする請求項1または2記載のエアベルト用基布。
- マルチフィラメントを構成する単繊維の扁平率が2〜4の範囲内にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のエアベルト用基布。
- 少なくとも製織工程と仕上工程とを備えたエアベルト用基布の製造方法であって、織り糸に単繊維断面形状が扁平断面のマルチフィラメントを用い、該製織工程において経糸張力を30〜200g/本の範囲内にして織物を製織し、該仕上工程において該織物の少なくとも片面にナイフコーティングにて樹脂をコーティングすることを特徴とする請求項1〜4記載のエアベルト用基布の製造方法。
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