JP4207637B2 - カーテンエアバッグ用基布およびカーテンエアバッグおよびその製造方法 - Google Patents

カーテンエアバッグ用基布およびカーテンエアバッグおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気遮断性、機械的特性を同時に兼ね備え、かつ寸法安定性に優れたカーテンエアバッグ用基布およびそれからなるカーテンエアバッグおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種交通機関、特に自動車の事故が発生した際に、乗員の安全を確保するために、種々のエアバッグが開発され、その有効性が認識され、急速に実用化が進んでおり、前突から乗員を保護する運転席用エアバッグ、助手席用エアバッグだけではなく、側突から乗員を保護するサイドエアバッグやカーテンエアバッグも普及しつつある。
【0003】
特に側突衝突の衝撃から乗員を保護するカーテンエアバッグは、近年注目されており、自動車の横転にも対応し、運転席用、助手席用のエアバッグとは異なり、容量が大きいことやその形状やデザインもより複雑になっている。したがって、従来の運転席用、助手席用エアバッグに比べ、バッグの長さが大きく、バッグを設置する際に基布に対し寸法安定性がより要求される。現状は、袋織りエアバッグ基布にコーティングしているものとコーティング基布を裁断、縫製したものがあるが、袋織りエアバッグでは基布自体の厚みが増し、それによる嵩高さの増加から収納性が悪化するという問題がある。その問題を解決するため、嵩高さを解消する技術が開示されているが(例えば、特許文献1参照)十分なものではない。一方、コーティング基布を裁断、縫製したカーテンエアバッグは、収納性の面では袋織りエアバッグよりも改善されるものの、裁断、縫製時の寸法安定性に優れていないのがこれまでの実状であり、その技術の開示すらなかった。(例えば、特許文献2参照)
【0004】
【特許文献1】
特開2001−277972号公報
【0005】
【特許文献2】
特開2002−225660号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来のエアバッグの欠点に鑑み、空気遮断性、機械的特性を同時に兼ね備え、かつ寸法安定性に優れたカーテンエアバッグ用基布およびそれからなるカーテンエアバッグ、さらにはその製造方法を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用する。すなわち、
(1)カバーファクターが2020〜2300の範囲内にある合成繊維織物を80〜100℃の範囲内の温度で精練処理を施し、次いで150〜200℃の範囲内の温度で乾燥し、次いで150〜200℃の範囲内の温度で熱セットを施し、該織物の長さ方向の張力を400〜1000N/mの範囲内にして樹脂コーティングを施して得られた少なくとも片面に樹脂が被覆されたカーテンエアバッグ用基布であって、50℃、95%RH雰囲気下で100時間放置後の織物タテ方向およびヨコ方向の収縮率が±3%以内であることを特徴とするカーテンエアバッグ用基布。
(2)収縮率が±1%以内であることを特徴とする、前記(1)に記載のカーテンエアバッグ用基布。
(3)該基布を構成する合成繊維が扁平断面糸からなり、かつ単糸断面扁平度が1.5〜6の範囲内にあることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載のカーテンエアバッグ用基布
(4)合成繊維織物がナイロン6・6からなることを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれかに記載のカーテンエアバッグ用基布
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載のカーテンエアバッグ用基布を用いたカーテンエアバッグ。
(6)カバーファクターが2020〜2300の範囲内にある合成繊維織物を80〜100℃の範囲内の温度で精練処理を施し、次いで150〜200℃の範囲内の温度で乾燥し、次いで150〜200℃の範囲内の温度で熱セットを施し、織物を作成し、該織物の長さ方向の張力を400〜1000N/mの範囲内にして樹脂コーティングを施すことを特徴とするカーテンエアバッグ用基布の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明における合成繊維織物としては、該合成繊維固有の収縮率からナイロン6・6、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン4・6およびナイロン6とナイロン6・6の共重合、ナイロン6にポリアルキレングリコール、ジカルボン酸やアミンなどを共重合したポリアミド繊維から構成される合成繊維織物が用いられる。これらの中でもナイロン6・6、ナイロン6が耐衝撃性の面から好ましい。さらに、ナイロン6・6が耐熱性の面から特に好ましい。かかる繊維には、原糸の製造工程や加工工程での生産性あるいは特性改善のために通常使用されている各種添加剤を含んでもよい。たとえば熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、平滑剤、帯電防止剤、可塑剤、増粘剤、顔料、難燃剤などを含有せしめることができる。
【0009】
本発明に用いるエアバッグ用基布には、カバーファクターが2020〜2300の範囲内にあることが機械的特性面および収納コンパクト性面を両立させるため必要であり、好ましくは2100〜2300の範囲内がよく、さらに好ましくは2200〜2300の範囲内がよい。カバーファクターが2020未満であると、カーテンエアバッグに必要とされる引張強力が足らず、バッグ展開時にバッグが破断する恐れがある。逆にカバーファクターが2300より大きいと機械的特性面では問題はないが、収納コンパクト性面で問題が生じる。
【0010】
ここで、カバーファクターとは基布のタテ糸総繊度をD1(dtex) 、タテ糸織密度をN1(本/2.54cm)とし、ヨコ糸総繊度をD2(dtex) 、ヨコ糸織密度をN2(本/2.54cm) とすると(D1×0.9 1/2 ×N1 +(D2×0.9 1/2 ×N2 で表される。
【0011】
本発明におけるエアバッグ用基布には、合成繊維織物の少なくとも片面が樹脂で被覆されていることが必要である。樹脂を被覆させることで空気遮断性を持たせ、さらにはインフレーターから発生する高温の窒素ガスから合成繊維織物を守ることができる。本発明に用いる樹脂は特定する必要はないが、中でも耐熱性、耐寒性、難燃性を有する樹脂が好ましく使用される。かかる樹脂としては、例えばシリコーン樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂などがあげられる。中でも柔軟性、耐熱性が優れ、かつ基布への塗工性が優れるシリコーン樹脂が特に好ましい。かかるシリコーン樹脂については、ジメチル系シリコーン、メチルビニル系シリコーン、メチルフェニル系シリコーン、フロロ系シリコーンが用いられる。また、これらの樹脂には難燃化合物を含有しているものが好ましい。かかる難燃化合物としては、臭素、塩素などのハロゲン化合物、特にハロゲン化シクロアルカン、白金化合物、酸化アンチモン、酸化銅、酸化チタン、燐化合物、チオ尿素系化合物、カーボン、セリウムなどを使用することができ、これらの中でもハロゲン化合物、白金化合物、酸化銅、酸化チタン、カーボンがより好ましい。
【0012】
樹脂の付着量については織物片面で10〜50g/m2の範囲内にあることが、空気遮断性面および収納コンパクト性面を両立させるために好ましく、さらに好ましくは15〜30g/m2の範囲内にあるのが良い。付着量が10g/m2未満であると、樹脂が織物表面全面を被覆させることができず、空気遮断性面で良くない。また、付着量が50g/m2より大きいと空気遮断性面では問題ないが、基布が厚くなり収納コンパクト性面で問題が生じる。
【0013】
また、本発明のカーテンエアバッグ用基布は50℃、95%RH雰囲気下で100時間放置後の織物タテ方向およびヨコ方向の収縮率が±3%以内であることが寸法安定性の面で特に必要であり、さらに好ましくは収縮率が±1%以内であることが好ましい。カーテンエアバッグの場合、運転席用や助手席用エアバッグに比べて寸法が大きいために、収縮率が特に重要視される。収縮率が±3%からはずれると、例えば、カーテンエアバッグ用基布を裁断、縫製し、所定のカーテンエアバッグを作成しても、基布の寸法安定性が劣るために、所定の大きさを維持できず、車に装着する際に規定の場所に装着できなかったり、たとえ車に装着できたとしても、車内環境の変化に応じ形状が変化し、展開性能が低下し、側突時に乗員の衝撃をうまく吸収できなかったりする。
【0014】
本発明におけるエアバッグ用基布を構成する合成繊維織物に用いられる糸の総繊度は100〜600dtexの範囲内にあるものが基布の製織性、かつ軽量化の理由で好ましく、特に収納コンパクト性、強力面のバランスを考えると200〜500dtexの範囲内がよい。また糸を構成する単糸の繊度は1〜7dtexの範囲内にあることが糸の低剛性により柔軟性が良くなるため好ましく、特に好ましくは2〜5dtexの範囲内が収納コンパクト性面からよい。また、合成繊維織物に用いられる糸の沸騰収縮率は10%以下が好ましく、さらに好ましくは7%以下がよい。
【0015】
また、用いる糸は単糸断面形状が異形断面であってもよい。特に断面の長軸と短軸との比、即ちアスペクト比が1.5〜6の範囲内の扁平断面にすることが、基布の薄地化、かつ製糸性の理由のため、好ましい。扁平断面である糸を用いると基布の厚みを薄くすることができ収納性が向上する。扁平断面糸は通常は楕円形であるが、アスペクト比1.5〜6を満足するならば楕円形以外の形状であってもよい。たとえば、長方形、菱形、繭型のような左右対称型は勿論、左右非対称型でもよく、あるいは、それらの組み合わせ型でもよく、更に上記を基本型として突起や凹み、あるいは部分的に中空部があってもよい。
【0016】
また、布帛の構造としては、平織、綾織、朱子織およびこれらの変化織、多軸織などの織物が使用されるが、これらの中でも、特に、機械的特性に優れることから平織物が好ましい。
【0017】
また、製織工程で用いられる織機としては、ウォータージェットルーム、エアージェットルーム、レピアルームなどが用いられる。また、製織条件としては、タテ糸張力を150cN/本以下に設定することが収縮率を±3%以内とする上で好ましく、さらに好ましくは100cN/本以下がよい。該張力を150cN/本より大きくすると製織時に糸が過度の張力がかかった状態で織り込まれるために、製織、コーティング後にその糸の緊張が解除され、収縮率が大きくなる恐れがある。
【0018】
また、本発明におけるカーテンエアバッグ用基布の収縮率を±3%以内にする方法としては、カバーファクターが2020〜2300の範囲内にある織物を80〜100℃の範囲内の温度で精練処理を施し、次いで150〜200℃の範囲内の温度で乾燥し、次いで150〜200℃の範囲内の温度で熱セットを施し、織物を作成し、該織物の長さ方向の張力を400〜1000N/mの範囲内にして樹脂コーティングを施すことが必要である。
【0019】
このように製織後に精練、乾燥、熱セットを特定の範囲内で施すことで、織物を収縮させ、織物を構成する糸の残留収縮をできるだけ小さくさせる。また、製織、加工後のコーティング処方も上記方法をとることで、樹脂被覆後の収縮を±3%以内にする。
【0020】
コーティング時の織物の長さ方向の該張力が400N/mより小さいと織物に均一に樹脂を塗布することができず、逆に1000N/mより大きいと織物に過度の張力がかかるために、コーティング後の基布の収縮率が±3%をはずれる。またコーティング後の熱セットの際にはコーティング前の織物幅を維持するか、もしくは1〜3%狭くなるよう織物幅を設定することが収縮率を±3%以内にするためには好ましい。
【0021】
また、本発明のエアバッグ用基布は、カーテンエアバッグ用に適した基布であるが、運転席用エアバッグ、助手席用エアバッグ、後部座席用エアバッグ、サイド用エアバッグ、ニーエアバッグなどにも使用することができる。
【0022】
本発明のカーテンエアバッグ基布およびカーテンエアバッグの特徴は、空気遮断性、機械的特性を満足しつつ、特に寸法安定性に優れているという点にある。
【0023】
【実施例】
次に実施例により、本発明をさらに詳しく説明する。なお、実施例中における各種評価は、下記の方法に従って行なった。
沸騰収縮率 :JIS L1013(7.15(1.1A法))に基づいて測定した。
収縮率 :30cm角の基布にタテ方向とヨコ方向にそれぞれ20cm間隔のマーキングを行い、該基布を50℃、95%RH雰囲気下に100時間放置後に該マーキング間の距離L(cm)を測定し、下記式によりタテ方向およびヨコ方向の収縮率をそれぞれ求めた。
【0024】
収縮率(%)=((20−L)/20)×100
織物の通気度:流体(空気)を19.6kPaの圧力に調整して流し、その時通過する空気流量を測定した。
引張強力 :JIS L1096(8.12.1A法)に基づき、織物幅は3cm、引張つかみ間隔15cm、引張速度200mm/minで引っ張った時の破断強力を測定した。
引裂強力 :JIS L1096(8.15.2A−2法)に基づき、引張速度200mm/minで引っ張ったときの引裂強力を求めた。
実施例1
総繊度470dtex、96フィラメント、強度7.9cN/dtex、伸度22%、アスペクト比3.5、沸騰収縮率6.0%、無撚りのナイロン6・6繊維の扁平断面フィラメント糸を用い、ウォータージェットルームにて、経糸張力85cN/本で、経糸と緯糸の織密度がともに50本/2.54cmになるように調整し、平組織の織物を得た。次いでこの織物をアルキルベンゼンスルホン酸ソーダ0.5g/lおよびソーダ灰0.5g/lを含んだ80℃温水浴中に1分間浸漬し精練処理を行った後、160℃で1分間乾燥させ、次いで190℃で1分間熱セットした。次いで該織物を粘度12Pa・sの無溶剤系メチルビニルシリコーン樹脂液を用い、せき板ナイフを用いたフローティングナイフコーターにより、樹脂付着量が25g/m2になるように、織物長さ方向の張力を800N/mに設定し、コーティングを行った後、コーティング前と同じ織物幅になるように、190℃で2分間加硫処理を行い、エアバッグ用基布を得た。該基布の収縮率はタテ方向が0.6%、ヨコ方向が0.5%であった。
【0025】
このようにして、得られたエアバッグ用基布の特性を表1に示した。このエアバッグ用基布は、空気遮断性、機械的特性に優れ、かつ寸法安定性についても優れていた。
【0026】
【表1】
Figure 0004207637
【0027】
比較例1
総繊度470dtex、96フィラメント、強度7.9cN/dtex、伸度22%、アスペクト比3.5、沸騰収縮率6.0%、無撚りのナイロン6・6繊維の扁平断面フィラメント糸を用い、ウォータージェットルームにて、経糸張力120cN/本で、経糸と緯糸の織密度がともに46本/2.54cmになるように調整し、平組織の織物を得た。次いでこの織物を精練セット、乾燥、熱セットを実施せず、粘度12Pa・sの無溶剤系メチルビニルシリコーン樹脂液を用い、せき板ナイフを用いたフローティングナイフコーターにより、樹脂付着量が25g/m2になるように、織物長さ方向の張力を1600N/mに設定し、コーティングを行った後、コーティング前と同じ織物幅になるように、190℃で2分間加硫処理を行い、エアバッグ用基布を得た。該基布の収縮率はタテ方向が3.5%、ヨコ方向が3.0%であった。
【0028】
このようにして得られたエアバッグ用基布の特性を表1に示した。このエアバッグ用基布は空気遮断性については問題なかったが、機械的特性および寸法安定性面が劣っていた。
比較例2
総繊度470dtex、96フィラメント、強度7.9cN/dtex、伸度22%、アスペクト比3.5、沸騰収縮率10.5%、無撚りのナイロン6・6繊維の扁平断面フィラメント糸を用い、ウォータージェットルームにて、経糸張力が140cN/本で、経糸と緯糸の織密度がともに49本/2.54cmになるように調整し、平組織の織物を得た。次いでこの織物を150℃で1分間熱セットした。次いで該織物を粘度12Pa・sの無溶剤系メチルビニルシリコーン樹脂液を用い、せき板ナイフを用いたフローティングナイフコーターにより、樹脂付着量が25g/m2になるように、織物長さ方向の張力を1500N/mに設定し、コーティングを行った後、コーティング前の織物幅に対し張力調整を行い3%広くなるように織物幅を設定し、190℃で2分間加硫処理を行い、エアバッグ用基布を得た。該基布の収縮率はタテ方向で4.0%、ヨコ方向で4.0%であった。
【0029】
このようにして得られたエアバッグ用基布の特性を表1に示した。このエアバッグ用基布は空気遮断性については問題なかったが、機械的特性および寸法安定性面が劣っていた。
比較例3
総繊度470dtex、96フィラメント、強度7.9cN/dtex、伸度22%、アスペクト比3.1、沸騰収縮率8.2%、無撚りのナイロン6・6繊維の扁平断面フィラメント糸を用い、ウォータージェットルームにて、経糸張力が140cN/本で、経糸と緯糸の織密度がともに51本/2.54cmになるように調整し、平組織の織物を得た。次いでこの織物をアルキルベンゼンスルホン酸ソーダ0.5g/lおよびソーダ灰0.5g/lを含んだ40℃温水浴中に1分間浸漬し精練処理を行った後、120℃で1分間乾燥させ、次いで140℃で1分間熱セットした。次いで該織物を粘度12Pa・sの無溶剤系メチルビニルシリコーン樹脂液を用い、せき板ナイフを用いたフローティングナイフコーターにより、樹脂付着量が20g/m2になるように、織物長さ方向の張力を700N/mに設定し、コーティングを行った後、コーティング前と同じ織物幅になるように、190℃で2分間加硫処理を行い、エアバッグ用基布を得た。該基布の収縮率はタテ方向が3.5%、ヨコ方向が3.5%であった。
【0030】
このようにして得られたエアバッグ用基布の特性を表1に示した。このエアバッグ用基布は空気遮断性および機械的特性については問題なかったが、寸法安定性面が劣っていた。
比較例4
総繊度470dtex、96フィラメント、強度7.8cN/dtex、伸度23%、アスペクト比3.5、沸騰収縮率8.6%、無撚りのナイロン6・6繊維の扁平断面フィラメント糸を用い、ウォータージェットルームにて、経糸張力が130cN/本で、経糸と緯糸の織密度がともに49本/2.54cmになるように調整し、平組織の織物を得た。次いでこの織物をアルキルベンゼンスルホン酸ソーダ0.5g/lおよびソーダ灰0.5g/lを含んだ85℃温水浴中に1分間浸漬し精練処理を行った後、160℃で1分間乾燥させ、次いで180℃で1分間熱セットした。次いで該織物を粘度12Pa・sの無溶剤系メチルビニルシリコーン樹脂液を用い、せき板ナイフを用いたフローティングナイフコーターにより、樹脂付着量が20g/m2になるように、織物長さ方向の張力を800N/mに設定し、コーティングを行った後、コーティング前と同じ織物幅になるように、190℃で2分間加硫処理を行い、エアバッグ用基布を得た。該基布の収縮率はタテ方向が0.8%、ヨコ方向が0.5%であった。
【0031】
このようにして得られたエアバッグ用基布の特性を表1に示した。このエアバッグ用基布は空気遮断性および寸法安定性面については問題なかったが、機械的特性が劣っていた。
比較例5
総繊度470dtex、96フィラメント、強度7.8cN/dtex、伸度22%、アスペクト比3.1、沸騰収縮率8.6%、無撚りのナイロン6・6繊維の扁平断面フィラメント糸を用い、ウォータージェットルームにて、経糸張力が130cN/本で、経糸と緯糸の織密度がともに53本/2.54cmになるように調整し、平組織の織物を得た。次いでこの織物をアルキルベンゼンスルホン酸ソーダ0.5g/lおよびソーダ灰0.5g/lを含んだ80℃温水浴中に1分間浸漬し精練処理を行った後、160℃で1分間乾燥させ、次いで185℃で1分間熱セットした。次いで該織物を粘度12Pa・sの無溶剤系メチルビニルシリコーン樹脂液を用い、せき板ナイフを用いたフローティングナイフコーターにより、樹脂付着量が20g/m2になるように、織物長さ方向の張力を1600N/mに設定し、コーティングを行った後、コーティング前と同じ織物幅になるように、190℃で2分間加硫処理を行い、エアバッグ用基布を得た。該基布の収縮率はタテ方向が3.2%、ヨコ方向が3.2%であった。
【0032】
このようにして得られたエアバッグ用基布の特性を表1に示した。このエアバッグ用基布は空気遮断性および機械的特性については問題なかったが、寸法安定性が劣っていた。
実施例2
総繊度350dtex、72フィラメント、強度8.4cN/dtex、伸度22%、アスペクト比3.0、沸騰収縮率7.0%、無撚りのナイロン6・6繊維の扁平断面フィラメント糸を用い、エアージェットルームにて、経糸張力70cN/本で、経糸と緯糸の織密度がともに62本/2.54cmになるように調整し、平組織の織物を得た。次いでこの織物をアルキルベンゼンスルホン酸ソーダ0.5g/lおよびソーダ灰0.5g/lを含んだ90℃温水浴中に1分間浸漬し精練処理を行った後、160℃で1分間乾燥させ、次いで190℃で1分間熱セットした。次いで該織物を粘度8Pa・sのトルエン希釈のメチルビニルシリコーン樹脂液(樹脂固形分80%)を用い、せき板ナイフを用いたフローティングナイフコーターにより、樹脂付着量が15g/m2になるように、織物長さ方向の張力を700N/mに設定し、コーティングを行った後、130℃で1分間乾燥し、コーティング前の織物幅に対し2%狭くなるように織物幅を設定し、200℃で2分間加硫処理を行い、エアバッグ用基布を得た。該基布の収縮率はタテ方向が0.8%、ヨコ方向が−0.2%であった。
【0033】
このようにして、得られたエアバッグ用基布の特性を表2に示した。このエアバッグ用基布は、空気遮断性、機械的特性に優れ、かつ寸法安定性についても優れていた。
【0034】
【表2】
Figure 0004207637
【0035】
比較例6
総繊度350dtex、96フィラメント、強度8.4cN/dtex、伸度22%、アスペクト比3.0、沸騰収縮率8.0%、無撚りのナイロン6・6繊維の扁平断面フィラメント糸を用い、エアージェットルームにて、経糸張力を120cN/本で、経糸と緯糸の織密度がともに56本/2.54cmになるように調整し、平組織の織物を得た。次いで該織物を粘度8Pa・sのトルエン希釈のメチルビニルシリコーン樹脂液(樹脂固形分80%)を用い、せき板ナイフを用いたフローティングナイフコーターにより、樹脂付着量が5g/m2になるように、織物長さ方向の張力を1500N/mに設定し、コーティングを行った後、130℃で1分間乾燥し、コーティング前と同じ織物幅になるように、200℃で2分間加硫処理を行い、エアバッグ用基布を得た。該基布の収縮率はタテ方向が5.5%、ヨコ方向が4.0%であった。
【0036】
このようにして得られたエアバッグ用基布の特性を表2に示した。このエアバッグ用基布は空気遮断性、機械的特性および寸法安定性面が劣っていた。
比較例7
総繊度350dtex、96フィラメント、強度8.4cN/dtex、伸度22%、アスペクト比3.0、沸騰収縮率7.0%、無撚りのナイロン6・6繊維の扁平断面フィラメント糸を用い、エアージェットルームにて、経糸張力160cN/本で、経糸と緯糸の織密度がともに64本/2.54cmになるように調整し、平組織の織物を得た。次いで該織物をアルキルベンゼンスルホン酸ソーダ0.5g/lおよびソーダ灰0.5g/lを含んだ90℃温水浴中に1分間浸漬し精練処理を行った後、160℃で1分間乾燥させた。次いで該織物を粘度8Pa・sのトルエン希釈のメチルビニルシリコーン樹脂液(樹脂固形分80%)を用い、せき板ナイフを用いたフローティングナイフコーターにより、樹脂付着量が15g/m2になるように、織物長さ方向の張力を1300N/mに設定し、コーティングを行った後、130℃で1分間乾燥し、コーティング前の織物幅に対し2%広くなるように織物幅を設定し、200℃で2分間加硫処理を行い、エアバッグ用基布を得た。該基布の収縮率はタテ方向が3.5%、ヨコ方向が3.0%であった。
【0037】
このようにして得られたエアバッグ用基布の特性を表2に示した。このエアバッグ用基布は空気遮断性、機械的特性については問題なかったが、寸法安定性が劣っていた。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、空気遮断性、機械的特性を同時に兼ね備え、かつ寸法安定性に優れたカーテンエアバッグ用基布およびそれからなるカーテンエアバッグ、さらにはその製造方法を提供することができるので、エアバッグによる乗員保護システムを普及促進させることができる。

Claims (6)

  1. カバーファクターが2020〜2300の範囲内にある合成繊維織物を80〜100℃の範囲内の温度で精練処理を施し、次いで150〜200℃の範囲内の温度で乾燥し、次いで150〜200℃の範囲内の温度で熱セットを施し、該織物の長さ方向の張力を400〜1000N/mの範囲内にして樹脂コーティングを施して得られた少なくとも片面に樹脂が被覆されたカーテンエアバッグ用基布であって、50℃、95%RH雰囲気下で100時間放置後の織物タテ方向およびヨコ方向の収縮率が±3%以内であることを特徴とするカーテンエアバッグ用基布。
  2. 収縮率が±1%以内であることを特徴とする、請求項1に記載のカーテンエアバッグ用基布。
  3. 該基布を構成する合成繊維が扁平断面糸からなり、かつ単糸断面扁平度が1.5〜6の範囲内にあることを特徴とする、請求項1または2に記載のカーテンエアバッグ用基布
  4. 合成繊維織物がナイロン6・6からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカーテンエアバッグ用基布
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のカーテンエアバッグ用基布を用いたカーテンエアバッグ。
  6. カバーファクターが2020〜2300の範囲内にある合成繊維織物を80〜100℃の範囲内の温度で精練処理を施し、次いで150〜200℃の範囲内の温度で乾燥し、次いで150〜200℃の範囲内の温度で熱セットを施し、織物を作成し、該織物の長さ方向の張力を400〜1000N/mの範囲内にして樹脂コーティングを施すことを特徴とするカーテンエアバッグ用基布の製造方法。
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