JP2001355143A - エアバッグ用基布およびエアバッグ - Google Patents

エアバッグ用基布およびエアバッグ

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JP2001355143A JP2000177391A JP2000177391A JP2001355143A JP 2001355143 A JP2001355143 A JP 2001355143A JP 2000177391 A JP2000177391 A JP 2000177391A JP 2000177391 A JP2000177391 A JP 2000177391A JP 2001355143 A JP2001355143 A JP 2001355143A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンパクトな折り畳み収納性と軽量性に優れ
たエアバッグの製袋に用いられる耳弛み(タルミ)のな
い高織密度で織られた低繊度糸織物でなるエアバッグ用
基布の提供。 【解決手段】 織物の地部がポリアミド繊維の繊度50
〜250dtexマルチフィラメン糸で構成され、20
00〜2500のカバーファクタ−を有する織物で構成
され、織物の耳端部に増糸が最耳端に異形断面糸の絡糸
が挿入されていることを特徴とするエアバッグ用基布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗員が車両衝突時
に受ける衝撃を吸収し、その保護を図るエアバッグ用基
布及びエアバッグに係り、詳しくはコンパクトな折り畳
み収納性と軽量性に優れるエアバッグの製袋に用いられ
る耳だぶりのない高織密度で織られた低繊度糸織物基布
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の乗員保護安全装置としてエアバ
ッグの装着が進みつつある。エアバッグは通常ステアリ
ングホイールやインスルメントパネルなどの狭い場所に
インフレーターケースを含めたモジュールとして装着さ
れている。このような使用における事情から、エアバッ
グはその収納容積が小さいことが望れており、従来より
収納容積をコンパクトにできる織物に繊度の小さい繊維
を用いることや基布の被覆用ラストマーの選択や変更す
ることでコンパクト性と軽量性の改良が行われていき
た。
【0003】例えば、基布織物に使用される繊維の糸が
940dtexから470dtexへ、そして基布に付
与されれエラストマー被覆もクロロプレンゴムの90〜
120g/m2 のコーティングからシリコーン樹脂の4
0〜60g/m2 のコーティングへと変更され、現在で
は470dtexの繊維の織物のシリコーンコーテング
タイプもしくはノンコーテングタイプの基布が使用され
る用になってきた。
【0004】最近では、ステアリングホイールの空隙ス
ペースを大きくして速度パネル等の計器を見やすくした
り、車内空間をより大きくするために、エアバッグの収
納容積を極力小さくするコンパクト性,風合いのソフト
化が基布の性能条件として強く要求されている。エアバ
ッグのコンパクト性と風合いソフト化に対応するために
は、基布織物に使用される糸の繊度や単糸繊度を更に細
くすることが必要である。
【0005】一方、エアバッグ用基布には、自動車の衝
突事故の際、エアバッグを瞬間的に膨張させ、衝突時の
乗員の顔面や前頭部を保護する機能が要求されているか
ら、より高強力で低通気性が要求される。したがって、
エアバッグ用基布は、通常の衣料用基布に対して、高強
力の糸を用いた高密度織物であることが必要である。と
ころが、高密度織物は高密度になるほど、織物の耳端部
近傍が波打ち状態になるいわゆる耳弛み(以下、耳タル
ミという)が本質的な問題点として発生する。
【0006】すなわちエアバッグの製作時、エアバッグ
用基布を裁断し、縫製して袋体に作られるとき基布を最
大限有効に利用するため、耳部近傍までが裁断パターン
の対象として基布が用いられる。このような事情で、織
物の耳端部に耳タルミが発生していると、特にレーザー
カッター裁断においては、設計通りの形状に裁断され
ず、その後の縫製が困難であるばかりなく、正確な形状
のエアバッグが得られず、所定の機能を有するエアバッ
グが得られなくなる。また生機の耳タルミはロール捲
時、およびその後の精練、セットでの耳部折れ皺の発生
原因となる外、発生した耳タルミや折れ皺により被覆樹
脂の均一塗布を困難ならしめる。
【0007】織物の耳タルミを防止するための種々の試
みが特開平6−322637号公報、特開平9−302
549号公報、特開平9−302550号公報、特開平
10−236253号公報などに開示されている。特開
平6−322637号公報には経糸最端部と耳糸絡み糸
との間に3本以上の絡み糸を挿入する方法、特開平9−
302549号公報には耳部の織密度が地部の織密度よ
りも高くする方法、特開平9−302550号公報では
耳部に加工糸を増糸して打ち込む方法、特開平10−2
36253号公報では織物の耳部の経糸マルチフィラメ
メント繊度が地経糸のマルチフィラメント繊度よりも小
さい繊度とする方法がそれぞれ開示されている。これら
公知の試みは地糸として470〜350dtexの糸を
用いる織物の耳部形成に係る方法であるから、コンパク
ト性とソフト化が要求されるエアバッグ用基布にあって
は、織物の地部が250dtex以下と細い糸で構成さ
れるので、このように繊度の小さい繊維で織られる耳部
における緯糸の締め付けを強くするために、増糸や絡糸
の製織張力を高くして製織すると単糸切れが発生して著
しい織機の停台を起こして製織性の低下を招き、反対に
製織張力を緩くすると耳タルミの問題が生じてくる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
たコンパクトな折り畳み収納性と軽量性を有するエアバ
ッグの製袋に用いられる高織密度で織られた低繊度糸織
物基布の製織性と耳タルミを解消することで、後工程に
おける基布への均一コーテング性、裁断性および縫製性
などの製袋特性に優れたエアバッグ用基布およびこの基
布を用いるエア−バッグを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、地部が
ポリアミド繊維の繊度50〜250dtexマルチフィ
ラメント糸で構成され、2000〜2500のカバーフ
ァクタ−を有する織物で構成され、織物の耳端部に増糸
が、最耳端に異形断面糸の絡み糸が挿入されていること
を特徴とするエアバッグ用基布によって達成される。
【0010】以下に、発明を詳細に説明する。本発明の
エアバッグ用基布織物を構成するポリアミド繊維は、単
糸繊度が好ましくは0.5〜4.5dtex単糸で構成
される全繊度50〜250dtex、好ましくは67〜
180dtexのマルチフィラメント糸である。本発明
のエアバッグ用織物基布は、このように比較的繊度が小
さいポリアミドマルチフィラメント糸を用いて、特に限
定するものではないが、代表的には平織、斜子、格子織
組織に織られた織物で構成されるので、基布の厚みが小
さく柔軟であり、それ故に、この基布を用いて軽く、小
さく折り畳める収納性に優れるエアバッグを製作するこ
とができる。
【0011】織物がエアバッグ用の織物基布に用いられ
るためには、織物の機械特性がエアバッグ膨張作動時に
必要とされる耐圧機械特性を満足し得るレベルのもので
なければならない。本発明では、織物基布は前記した比
較的繊度の小さいマルチフィラメント糸を高強力ポリア
ミド繊維で構成して特定の2000〜2500のカバー
ファクターで表される高織り密度に織り上げることで、
所定の耐圧機械特性もつ織物を得ている。
【0012】本発明で用いられるマルチフィラメント糸
は、引張強度が5.7cN/dtex以上、好ましくは
6.2cN/dtex以上、伸度が15〜30%を示す
ポリアミド繊維でなるものであり、所定のカバーファク
ターを満足する高密度織物野可織性が損なわれることが
ない。なお、ポリアミド繊維が糸長方向で均一な強度が
得られる上限は、繊維製造時の糸切れが許容される範囲
である9.7cN /dtex程度である。
【0013】織物のカバーファクターは2000以上が
必要である。カバーファクターが2000未満の織物は
引張機械特性が低いので、バッグ作動時の機械特性を満
足させないおそれがある基布となる。ここでいうカバー
ファクターは、織物を構成している糸の総繊度の平方根
と2.54cm当たりの糸本数(織密度)との積の経と
緯との和をいう。すなわち次式により算出される値であ
る。
【0014】 K=(D1 1/2 ×N1 +(D1 1/2 ×N2 式中、Kはカバーファクター、D1 は経糸総繊度(dt
ex)、N1 は経糸織密度(本/2.54cm)、D2
は緯糸総繊度(dtex)およびN2 は緯糸織密度(本
/2.54cm)をそれぞれ表す。なお、経糸(または
緯糸)総繊度は、織物の経方向(または緯方向)の織組
織単位を構成する糸の合計繊度をいい、織組織の単位を
構成している糸が一本の糸であるときにはその糸の繊度
をいい、複数本の合撚糸または引き揃え糸であるときに
は各糸の合計繊度をいう。本発明の織物では糸総繊度が
250dtex以下、より好ましくは67〜180dt
exが選ばれる。糸総繊度が250dtexを超えると
軽量性,コンパクト性が低下する、一方全繊度を小さく
するほど織物の軽量化性、コンパクト化性が改良される
ことになるが、総繊度が67dtex未満にすると織物
構成糸の強力が基布としての織物の引張や引裂機械特性
を低くしてしまうのでバッグ作動時に必要な所定の機械
特性を満たさない基布となるおそれがある。マルチフィ
ラメント糸の構成単糸繊度が4.5dtexを超えると
織物が硬くなって、収納性が劣るエアバッグを作る基布
となる。反対に単糸の繊度が0.5dtex未満である
と糸は毛羽立ち易くなって、織物の製織において織機の
停台を招いて製織の稼働率の低下が避けられない。
【0015】比較的繊度の小さいマルチフィラメント糸
がカバーファクターが2000〜2500の高密度織物
組織に製織される本発明のエアバッグ用の基布であるが
故に、織物の地部および耳部、特に耳部で品位に係わる
問題が発生し易く、また製織における経糸の毛羽発生な
どによる織機の停台など製織コストの問題もある。高密
度織物になるほど、織物での耳タルミは、製織時の緯糸
の張力が織物中央が高く、耳端近傍部が低いことに起因
し、筬打ちポイントで緯糸両端部でだぶつきが発生し、
筬打ち応力が耳端近傍部に集中して、耳端近傍部の織組
織が崩れて耳タルミが発生する。耳部近傍部の組織崩れ
を防止するためには、耳端部の緯糸の締め付けを大きく
することが必要であるが、耳端部の経糸の張力を大きく
すると単糸切れを発生する。
【0016】本発明は、製織中の織物の耳端部に地部と
は別に経糸として織機に供給されるいわゆる増糸(力
糸)としてモノフィラメントや加撚糸を、さらに耳端部
最外部に異型糸でなる絡糸をして挿入して、単糸糸切れ
による製織停台をなくすると共に耳タルミの発生を最小
化する。増糸は、総繊度が地糸の総繊度と同等以下で、
且つ単糸繊度が地糸のそれよりも大きいきいマルチフィ
ラメント糸またはモノフィラメントが好ましい。例え
ば、増糸がマルチフィラメント糸である場合は、加撚糸
であることが好ましい。増糸がモノフィラメント糸であ
る場合は、繊度は10〜100dtex、好ましくは2
2〜55dtexである。モノフィラメント糸の繊度が
10dtex未満では糸強力が低く製織時の張力に耐え
ない、一方110dtex以上では剛性が高く緯糸拘束
力が低下して耳ダブリを発生させる。増糸されるモノフ
ィラメント本数は、地織密度が高くなるほど多くするこ
とが望ましく、カバーファクター2000以上では2本
以上、好ましくは2〜4本であり、2500付近では4
〜10本である。更にモノフィラメントの糸間隔は、で
きるだけ狭くしてモノフィラメント同志が接触する程度
であることが望ましい。
【0017】増糸は、ポリエステル繊維、ナイロン6、
ナイロン66などのポリアミド繊維、ポリプロピレンな
どのポリオレフィン繊維などの合成繊維であれば、素材
の種類を問わない。増糸の繊維中には各種添加剤(熱安
定剤、酸化防止剤、艶消剤、光安定剤、平滑剤、帯電防
止剤、 顔料等)を含んでもよいが、増糸の部分はバッグ
縫製時点では使用されることがないので、裁断廃棄片の
リサイクルを考慮すれば、基布織物の地部と同質のポリ
アミド繊維であることが望ましい。増糸にマルチフィラ
メント糸が使用さえる場合、糸がS撚でもZ撚の加撚糸
として、撚数は撚係数で4〜100、好ましく8〜10
0である。ここに、撚係数は1m当たりの撚数を未加撚
糸総繊度の平方根で除す下記式て算出される。
【0018】N=T/D1/2 式中、Nは撚係数、Tは撚数(回/m)およびDは未加
撚糸条繊度(dtex)をそれぞれ表す。撚係数が8未
満では、製織時に単糸切れによる停台が発生しやすく、
撚係数が100以上ではスナールが発生して糸切れにな
る。本発明において、絡糸は打ち込まれた緯糸を織物組
織中で確実に把持するための絡糸であり、異型糸でなけ
ればならない。特に、絡糸は繊度が低くて繊維の表面積
が大きい異型糸がよい。ここで、異型糸とは単糸の断面
形状が丸型以外で、例えばY型,四角型,5輝型の多角
型やW型,扁平型等で表面に凹凸状を形成したものであ
る。絡糸の全繊度は、地糸繊度の70%以下であること
が望ましく、単糸断面が多角型の場合は外接円径/内接
円径比が1.1〜4.0や扁平型の場合は横長さ/縦長
さ比が1.0〜20.0がよい。多角型で外接円径/内
接円径比が1.0では把持力が弱く、4.0を超える異
型度の絡み糸では高い異型度のために糸強力が2.5c
N/dtexと弱く製織時に糸切れを発生しやすい。ま
た、断面が単純扁平型では横長さ/縦長さ比が20を超
えると緯糸の把持力が弱くなる。絡糸の単糸繊度は、緯
糸をしばりつけて把持を強固にするためにはモノフィラ
メントよりもマルチフィラメントがよく7dtex以
下、好ましくは1.0〜4.5dtexがよい。
【0019】本発明のエア−バッグ用基布織物の地部は
一般的に無撚糸使いのマルチフィラメント糸で製織され
る。更にこの経糸は無撚マルチフィラメント糸の交絡糸
で製織するのが好ましく、経糸の交絡数が多いほど製織
性は向上する。本発明のエアバッグ用基布を構成するポ
リアミド繊維は、ポリヘキサメチレンアジパミド繊維
(ナイロン66)、ポリカプラミド(ナイロン6)繊維
が代表例として挙げられる。ポリヘキサメチレンアジパ
ミド繊維は、ヘキサメチレンアジパミド単位を80モル
%以上含むポリアミド繊維であって、ヘキサメチレンア
ジパミドにナイロン6、ナイロン610など他のポリア
ミド基形成性コモノマー成分を含むコポリアミドからな
るポリアミド繊維などが挙げられる。エアバッグの展開
時にインフレータからの高温のガスがバッグ内に噴出す
るので、繊維の融点が215℃以上のポリアミド繊維の
使用が材料の耐熱性の点で特に好ましい。ポリアミド繊
維の硫酸相対粘度(ηr)が2.5〜3.3であること
が望ましい。硫酸相対粘度とは、95.5%硫酸100
ccに油剤が付着していない繊維1gを溶解して25℃
恒温槽内でオストワルド粘度計にて測定して、算出され
る相対粘度である。
【0020】ポリアミド繊維は、高温、高湿、オゾン等
の長期間暴露されたときの繊維の機械的性能低下を抑制
するために繊維中に銅原子換算で銅含有率が10〜20
0ppmの割合で銅化合物を含有していることが好まし
い。本発明のエアバッグ用基布は、生機のままもしくは
生機を熱セット、精練または被覆コーティング加工した
基布としてエアバッグの製袋に用いられる。本発明のエ
アバッグ用基布は、汎用の裁断、縫製を含む製袋法を用
いて、運転席、助手席などいかなる形態のエアバッグに
でも製造することができる。
【0021】被覆コーティング用樹脂には、シリコーン
樹脂、ウレタン樹脂などが用いられる。樹脂には、増粘
剤、難燃剤、顔料、酸化防止などが必要に応じて添加さ
れてもよい。樹脂のコーティングは、ナイフコータ、グ
ラビアコータ、リバースコータ、キスロールを用いて行
われ、樹脂固形分で5〜30g/m2 の塗膜を形成する
ことが軽量でコンパクトな収納性を有するエアバッグを
製造する上で好ましい。
【0022】
【実施例】実施例により、本発明をさらに詳しく説明す
る。以下の例において、織物基布に顕れる耳弛み欠点
は、織物基布10mを平面台上で移動させながら耳端
(両耳端対象)から10cmの基布面に観察される高さ
約3mm以上、波長約数cm〜10cmで波うつ弛みに
ついて下記の基準により目視判定で評価した。
【0023】耳ダブリ評価基準 目立たない : ◎ ほとんど目立たない: ○ やや目立つ : △ 著しく目立つ : × 〔実施例1〕経糸および緯糸に下記の物性を有する交絡
数34ケ/m、油剤付着率0.9wt%の155dte
x/48フィラメントでなるポリヘキサメチレンアジパ
ミドマルチフィラメント糸を用いてタフタ組織の平織地
部を製織した。
【0024】織物用原糸の条件 硫酸相対粘度 2.95 銅含有量 65ppm 強度 6.9cN/dtex 伸度 25% 沸水収縮率(%) 7.3 製織条件 織密度(経×横) 89×89本/2.54cm カバーファクター 2216 経糸群の耳部に33dtexのナイロン6モノフィラメ
ント(MF)(強度3.9cN/dtex、伸度36
%)の増糸を4本、更にその最外側端に56dtex/
17fのナイロン66マルチフィラメント糸(強度4.
4cN/dtex、伸度37%)のY型断面(異型度
1.45)を絡み糸として配列して耳部を形成した。得
られたタフタ生機織物1000mを20m/min の速度
で76mmφ紙管に捲き返し、170℃で1分間のセッ
トを行った。得られた織物は経×横織密度91×91本
/2.54cmとカバーファクター2266有するエア
−バッグ用織物基布を得た。
【0025】得られた織物基布は、厚みが120μm、
目付が123g/m2 であり、エアバッグ用織物基布と
して標準的に用いられている織物基布(経、緯糸の繊度
が470dtex/70f、織密度(経×緯)が55本
×55本/2.54cm、厚み250μm、目付225
g/m2 )と比ると、軽量でコンパクトな収納性を有す
るエアバッグが製作できる基布であることが明らかであ
る。
【0026】表1に、このエア−バッグ用基布織物の耳
部タルミ状態の評価結果と製織状況を示す。 〔実施例2〕地本体部、耳部の経増糸に実施例1と同様
の糸を使用して、絡糸にナイロン6のマルチフィラメン
ト糸(52dtex/20f、強度6cN/dtex、
伸度40%、扁平比3.3)を用いる以外は実施例1と
同様の糸仕様、製織条件でタフタ組織の平織物をで製織
した。
【0027】得られた生機1000mを20m/min の
速度で76mmφ紙管に捲き返し、170℃で1min
間セットを行い、経×横織密度91×91本/2.54
cmのカバーファクター2266のエア−バッグ用基布
をを得た。製織時の耳部停台状況及びエアバッグ用基布
の耳部タルミ評価結果を表1に示す。 〔実施例3〕地本体部、耳部最外部の絡糸は実施例1と
同様の繊維を使用して、増糸にナイロン66のマルチフ
ィラメント糸(155dtex/48f、強度7.0c
N/dtex、伸度26%、撚係数24)を4本使用し
てタフタ組織で構成してエアジェット織機で製織した。
【0028】この生機を実施例1と同様の加工条件、但
し織密度は実施例1と同じ仕上と生機変化率で加工し
た。このようにして得られたエアバッグ用基布の製織時
の耳部停台状況及び耳部タルミ評価結果を表1に示す。 〔比較例1〕地本体部、耳部の増糸は実施例1と同様の
繊維及び織密度を同じにして、絡糸のみナイロン66の
マルチフィラメント糸(56dtex/17、強度4.
4cN/dtex、伸度32%)の仮撚加工糸を使用し
てエアジェット織機で製織した。この生機を実施例1と
同様の加工条件、織密度で加工した。
【0029】このようにして得られたエアバッグ用基布
の製織時の耳部停台状況及び耳部タルミ評価結果を表1
に示す。 〔比較例2〕地本体部は実施例1と同様の繊維及び織密
度で、増糸として地部と同じ糸を4本用い更に、絡糸と
して56dtex/17f(強度4.4cN/dte
x、伸度32%)のナイロン66のマルチフィラメント
糸の仮撚加工糸をエアジェット織機で製織した。この生
機を実施例1と同様の加工条件、織密度で加工した。
【0030】このようにして得られたエアバッグ用基布
の製織時の耳部停台状況及び耳部タルミ評価結果を表1
に示す。 〔比較例3〕地本体部は実施例1で使用した糸を用い
て、経×緯織密度72×72本/2.54cm(カバー
ファクター1793)で増糸はなく絡糸として56dt
ex/17f(強度4.4cN/dtex、伸度32
%)のナイロン66マルチフィラメント糸の仮撚加工糸
を使用してエアジェット織機で製織した。この生機を実
施例1の加工条件で織密度74×74本/2.54cm
(カバーファクター1843)で加工した。
【0031】このようにして得られたエアバッグ用基布
の製織時の耳部停台状況及び耳部タルミ評価結果を表1
に示す。 ・比較例1はカバーファクターが高い高密度織物で、絡
糸に異型糸を使用しないで場合は耳タルミがほとんど目
立たないが異型糸使いよりはやや劣るものである。比較
例2はカバーファクターが高い高密度織物で、耳部に増
糸を使用しない場合は製織時の耳部停台があり、また製
品の耳部タルミも大きく、これにより折れシワがあるた
めに、この基布をシリコーン樹脂でドクターナイフコー
テングするとシワ部がそのまま残り外観検査で格外品と
なった。
【0032】比較例3はカバーファクターが低い織物の
場合は、耳部に増糸を使用しないでも、製織時の耳部停
台もなく、製品に耳部に弛みが発生していない。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明のエアバッグ用基布は、耳タルミ
のない250dtex以下のマルチフィラメント糸で構
成される高織密度織物で構成されているので、下記
(1)、(2)の効果を奏し、エアバッグの製袋性に優
れており、信頼性のある軽量性,コンパクト性に優れた
エアバッグを安価に提供できる。
【0035】(1)耳タルミに起因するシワがないので
基布に加工ロスのない均一な被覆コーテングを付与する
ことができる。 (2)耳タルミがないので、設計通りの形状に裁断で
き、縫製も容易である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 織物の地部がポリアミド繊維の繊度50
    〜250dtexのマルチフィラメン糸で構成され、2
    000〜2500のカバーファクタ−を有する織物で構
    成され、織物の耳端部に増糸が、最耳端に異形断面糸の
    絡糸が挿入されていることを特徴とするエアバッグ用基
    布。
  2. 【請求項2】 織物の地部が繊度0.5〜4.5dte
    xのポリアミド単糸で構成される糸で構成されている請
    求項1記載のエアバッグ用基布。
  3. 【請求項3】 請求項1から2のいずれかに記載される
    エアバッグ基布で形成されてなる特徴とするエアバッ
    グ。
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