JP2005348851A - ラケット用ガット - Google Patents
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Abstract
【課題】 天然ガット並の打球性を有すると共に、優れた耐久性および張設性を有するラケット用ガットを提供する。
【解決手段】 単糸繊度が2000dtex以上50000dtex以下であり、同形あるいは双方が異なる形状の両端部1、2を、これら両端部の最小直径よりも厚みが小さい連結部3で連結させた断面形状を有する特殊異形断面モノフィラメントの長手方向に撚りを掛けて熱セットしたねじりモノフィラメントからなるラケット用ガット。
【選択図】 図1
【解決手段】 単糸繊度が2000dtex以上50000dtex以下であり、同形あるいは双方が異なる形状の両端部1、2を、これら両端部の最小直径よりも厚みが小さい連結部3で連結させた断面形状を有する特殊異形断面モノフィラメントの長手方向に撚りを掛けて熱セットしたねじりモノフィラメントからなるラケット用ガット。
【選択図】 図1
Description
本発明はテニス、バトミントンおよびスカッシュなどのスポーツ用ラケットに張設するガットに関するものである。さらに詳しくは、従来のものよりも打球性、耐久性および張設性を改良したラケット用ガットに関するものである。
ラケット用ガットに求められる要求性能としては、打球性、耐久性および張設性の3つが挙げられる。打球性には、反発性、コントロール性、ボールへの回転の掛け易さなどの他に、打球した時の感覚、打球音などを含む打球感が含まれる。耐久性には、張設されたガットの応力緩和による弛みと打球毎の摩耗による切断との2つを起こしにくいことが含まれる。張設性とは、ラケットに対するガットの張り易さであり、前記打球性と耐久性とがいかに優れていても、張設性に問題があれば実用性に乏しいのである。ただし、前記の3つの要求性能は重要度が異なり、打球性、耐久性、張設性の順に重要度が位置付けされる。
テニス、バトミントンおよびスカッシュなどのスポーツ用ラケットに張設するガットとして、古くから羊腸、鯨筋に代表される動物繊維からなる天然ガットが用いられてきた。しかるに、天然ガットは反発性、制球性および耐襲撃性などに優れている反面、耐水性に劣ることから使用寿命が短いばかりか高価であるため、近年では耐久性、量産性、経済性などが優れた合成樹脂製ガットが用いられている。
このような合成樹脂製ガットとしては、ポリアミドなどの合成樹脂のモノフィラメントまたはマルチフィラメントを使用したガットが提案されている。例えば、ポリエステルモノフィラメントの芯糸にポリアミド繊維を1〜2重に巻回したガット(例えば、特許文献1参照)や、芯糸および巻糸の双方共にポリアミドを用いたガット(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。これらの合成樹脂製ガットは、天然ガットに比べ耐久性に優れており、材料の安定供給が可能であるなどといった利点を有するものの、ソフトな打球感が得難いなどの改善の余地を残しているのが現状である。
一方、構造面から打球性を改善しようとした例として、断面がほぼ円形のモノフィラメントの断面周縁に溝部を3〜25本設けたガット(例えば、特許文献3参照)や、断面が円形又は非円形のモノフィラメントに撚りを加えたガット(例えば、特許文献4参照)が提案されている。ところが、これらのガットは、表面の凹凸が小さいため、丸断面のガットに比べて打球性は若干改善されているものの、ソフトな打球感を得るには至ってないのが現状である。
特開昭56−156175号公報
特許第1604532号公報
特開2002−239035号公報
特許第2826055号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
したがって本発明の目的は、合成樹脂の持つ経済性を確保しつつ、天然ガット並の打球性を有すると共に、優れた耐久性および張設性を有するラケット用ガットを提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明によれば、単糸繊度が2000dtex以上50000dtex以下であり、同形あるいは双方が異なる形状の両端部を、これら両端部の最小直径よりも厚みが小さい連結部で連結させた断面形状を有する特殊異形断面モノフィラメントの長手方向に撚りを掛けて熱セットしたねじりモノフィラメントからなることを特徴とするラケット用ガットが提供される。
なお、本発明のラケット用ガットにおいては、
前記特殊異形断面モノフィラメントの断面形状が、両端に位置する同直径の円球部と、これら円球部の間に位置する連結部とからなり、前記連結部の厚みを前記円球部の直径の20%以上60%以下としたアレイ型であること、
前記ねじりモノフィラメントの表面に、螺旋状の凹凸が形成されていること、
前記ねじりモノフィラメントの撚り数が50回/m以上500回/m以下であること、および
前記特殊異形断面モノフィラメントが、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂およびフッ素系樹脂から選ばれた少なくとも1種の熱可塑性合成樹脂からなること
がいずれも好ましい条件であり、これらの条件を満たすことによって一層優れた効果の取得を期待することができる。
前記特殊異形断面モノフィラメントの断面形状が、両端に位置する同直径の円球部と、これら円球部の間に位置する連結部とからなり、前記連結部の厚みを前記円球部の直径の20%以上60%以下としたアレイ型であること、
前記ねじりモノフィラメントの表面に、螺旋状の凹凸が形成されていること、
前記ねじりモノフィラメントの撚り数が50回/m以上500回/m以下であること、および
前記特殊異形断面モノフィラメントが、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂およびフッ素系樹脂から選ばれた少なくとも1種の熱可塑性合成樹脂からなること
がいずれも好ましい条件であり、これらの条件を満たすことによって一層優れた効果の取得を期待することができる。
本発明によれば、以下に説明するとおり、優れた打球性、耐久性および張設性を有するラケット用ガットを得ることができる。
以下に、本発明のラケット用ガットについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1〜図4は、いずれも本発明のラケット用ガットを構成する特殊異形断面モノフィラメントの断面図である。
本発明のラケット用ガットは、単糸繊度が2000dtex以上50000dtex以下であり、同形あるいは双方が異なる形状の両端部を、これら両端部の最小直径よりも厚みが小さい連結部で連結させた断面形状を有する特殊異形断面モノフィラメントの長手方向に撚りを掛けて熱セットしたねじりモノフィラメントからなることを特徴とし、これにより糸の表面が螺旋状の凹凸を形成していることが重要な要件であり、かかる要件を満たすことによってボールに対し優れたスピン性を発現すると共に、耐久性および張設性が向上するという優れた特性を発揮することができる。
本発明のラケット用ガットを構成する特殊異形断面モノフィラメントは、図1(A)〜(D)に示したように、同形あるいは双方が異なる形状の両端部1,2を、これら両端部1,2の最小直径よりも厚みが小さい連結部3で連結させた断面形状を有するものであり、図1(A)は両端部1,2が同径の円球部からなり、連結部3を両端部1,2の直径よりも厚みが小さい直線状の連結部3で連結させたアレイ型断面、図1(B)は両端部1,2が同径の円球部からなり、連結部3を両端部1,2の直径よりも厚みが小さい曲線状の連結部3で連結させた略瓢箪型断面、図1(C)は両端部をそれぞれ直径が異なる円球部1、2とし、連結部3を小径の端部2の直径よりも厚みが小さい直線状の連結部3で連結させた略こけし型断面、図1(D)は両端部をそれぞれ直径が異なる円球部1、2とし、連結部3を小径の端部2の直径よりも厚みが小さい曲線状の連結部3で連結させた略ボーリングピン型断面の特殊異形断面モノフィラメントを示している。これらのなかでも、特に図1(A)に示したアレイ型断面の特殊異形断面モノフィラメントが好ましく使用される。なお、図1(A)〜(D)においては、いずれも両端部1,2を円球部として示したが、これらの両端部1,2は、三角形、四角形などの多角形や楕円形などの円球以外の形状であってもよい。
ただし、本発明のラケット用ガットにおいては、上記特殊異形断面モノフィラメントの単糸繊度が2000dtex以上50000dtex以下、特に9000dtex以上35000dtex以下であることが重要である。単糸繊度が2000dtexより小さい場合は、細すぎて耐久性が劣るものとなり、逆に単糸繊度が50000dtexより大きい場合は、太すぎて張設時に問題を起こす結果となるため好ましくない。
また、本発明のラケット用ガットを構成する特殊異形断面モノフィラメントの断面形状が、特に図1(A)に示したアレイ型である場合には、連結部3の厚みを円球部1、2の直径の20%以上60%以下、特に30%以上50%以下であることが好ましい。この場合の連結部3の厚みが円球部1、2の直径の20%未満の場合は、連結部分が薄いために加撚により連結部が破壊され凹凸感がなくなり、打球性を損なう傾向となり、逆に連結部3の厚みが円球部1、2の直径の60%を越える場合は、凹凸感が小さくなるためボールに対してスピンを掛ける性能を十分に発揮できなくなり、打球性が損なわれる傾向が招かれる。なお、特殊異形断面モノフィラメントの断面形状が、図1(C)〜(D)に示した略瓢箪型、略こけし型および略ボーリングピン型の場合にも、同様に連結部3の厚みを円球部1、2の最小直径の20%以上60%以下とすることが望ましい。
上記の断面形状を有する特殊異形断面モノフィラメントからなるねじりモノフィラメントは、表面に螺旋状の凹凸が形成されているため、これをラケット用ガットに適用した場合に、ボールに対し連続的な接触を与えることがなく、ボールに対しスピンを掛ける性能が向上し、さらにはガット同士の摩耗が軽減される結果耐久性が向上したものとなる。
本発明のラケット用ガットを構成するねじりモノフィラメントは、通常の方法により合成樹脂を特殊異形断面型口金を使用して溶融紡糸し、必要に応じて延伸した後、この特殊異形断面モノフィラメントの長手方向に50回/m以上500回/m以下、特に100回/m以上300回/m以下の撚りを掛けて熱セットすることにより製造される。撚り数が50回/m未満では、ガット表面の螺旋状の凹凸感が小さくなり、ボールに対して十分なスピンを掛けることができないことから、打球性を損なう傾向となり、またラケット用ガットとしてある程度に十分な断面積を有するモノフィラメントには500回/mを越える撚り数を掛けることは困難な傾向となる。
本発明のラケット用ガットの構成素材(合成樹脂)としては、溶融紡糸可能な熱可塑性樹脂であれば特に制限はないが、なかでもポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂およびフッ素系樹脂から選ばれた少なくとも1種が好ましく使用される。
上記ポリエステル系樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの芳香族ポリエステル、およびポリ乳酸、ポリブチレンサクシネートなどの脂肪族ポリエステルなどが挙げられる。
上記ポリアミド系樹脂の具体例としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12およびこれら各種ナイロンの相互共重合体などが挙げられる。
上記フッ素系樹脂の具体例としては、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、およびテトラフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体などが挙げられる。
なお、上記合成樹脂は、目的とする特性を阻害しない範囲であれば、例えば各種着色剤、結晶化抑制剤、耐光剤、充填剤、帯電防止剤、難燃剤および可塑剤などの添加剤を含有することができる。
以下本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下に述べる実施例における各特性の測定、評価は次の基準にしたがって行った。
[繊度]
JISL1013の定義に準じて行った。すなわち、100cmの試料20本をとり、シイベル機械(株)社製メトラーAE240を使い絶乾質量を測定し次式によって繊度(dtex)を算出した。
dtex=10000×試料の重量/試料の長さ×(100+公定水分率)/100
[円球部の直径][連結部の厚さ]
アンリツ(株)製レーザー外径測定機を用いて測定した。
JISL1013の定義に準じて行った。すなわち、100cmの試料20本をとり、シイベル機械(株)社製メトラーAE240を使い絶乾質量を測定し次式によって繊度(dtex)を算出した。
dtex=10000×試料の重量/試料の長さ×(100+公定水分率)/100
[円球部の直径][連結部の厚さ]
アンリツ(株)製レーザー外径測定機を用いて測定した。
[ガット特性の評価]
A.制球性、反発性、耐衝撃性
上級レベルのプレーヤーに試打して貰うことにより次の3段階に感応評価した。
◎:天然ガットと同様
○:高級ポリアミドガットと同等
×:ポリアミドガットより劣る。
A.制球性、反発性、耐衝撃性
上級レベルのプレーヤーに試打して貰うことにより次の3段階に感応評価した。
◎:天然ガットと同様
○:高級ポリアミドガットと同等
×:ポリアミドガットより劣る。
B.耐久性
ガットをフェース面積115インチのテニスラケットに60Lbのテンションで張設し、テニスボールを時速100Km、打ち出し間隔15回/分、打ち出し距離50cm、打ち出し角度40度で打撃し、ガットが切断するまでの打ち出し回数で評価した(単位:回)。
ガットをフェース面積115インチのテニスラケットに60Lbのテンションで張設し、テニスボールを時速100Km、打ち出し間隔15回/分、打ち出し距離50cm、打ち出し角度40度で打撃し、ガットが切断するまでの打ち出し回数で評価した(単位:回)。
C.張設性
ラケットにガットを張設する際の操作性を次の2段階に感応評価した。
◎:良好
×:劣る。
ラケットにガットを張設する際の操作性を次の2段階に感応評価した。
◎:良好
×:劣る。
[実施例1]
ポリエチレンテレフタレート(三井ペット社製J055)を、常法によりエクストルーダーに供して、290℃の温度で溶融し、長径7.0mm、円球部の直径2.5mm、連結部の厚さ1.1mmのアレイ型断面形状の特殊異形断面口金を通して押し出した後、ただちに80℃の温水浴中で冷却固化させ未延伸糸を得た。上記未延伸糸を、引き続き1段目延伸条件:90℃の温水中で3.0倍に延伸し、ついで2段目延伸条件:230℃の不活性気体中で1.8倍(トータル延伸倍率5.4倍)、その後同じく250℃の不活性気体中でリラックス倍率0.95倍の熱処理を行うことにより、単糸繊度17000dtex、円球部の直径0.75mm、連結部の厚さ0.30mmのアレイ型断面(図1(A))を有するポリエチレンテレフタレート(以下PETと略称する)モノフィラメントを得た。
ポリエチレンテレフタレート(三井ペット社製J055)を、常法によりエクストルーダーに供して、290℃の温度で溶融し、長径7.0mm、円球部の直径2.5mm、連結部の厚さ1.1mmのアレイ型断面形状の特殊異形断面口金を通して押し出した後、ただちに80℃の温水浴中で冷却固化させ未延伸糸を得た。上記未延伸糸を、引き続き1段目延伸条件:90℃の温水中で3.0倍に延伸し、ついで2段目延伸条件:230℃の不活性気体中で1.8倍(トータル延伸倍率5.4倍)、その後同じく250℃の不活性気体中でリラックス倍率0.95倍の熱処理を行うことにより、単糸繊度17000dtex、円球部の直径0.75mm、連結部の厚さ0.30mmのアレイ型断面(図1(A))を有するポリエチレンテレフタレート(以下PETと略称する)モノフィラメントを得た。
次いで、上記アレイ型断面PETモノフィラメントを、リング撚糸機を使いS方向に120回/mの撚りを掛け、さらに230℃の不活性気体中で1.0倍の熱セットを施すことにより、ねじりPETモノフィラメントを得た。
得られたねじりPETモノフィラメントを用いて製造したラケット用ガットを用いて、上記の方法で評価を行った結果を表1に示す。
[実施例2]
ナイロン6(東レ社製M1041)に対し、共重合ナイロン(東レ製M6151)を20重量%添加し、撹拌ブレンドした原料組成物を、常法によりエクストルーダーに供して、270℃の温度で溶融し、長径5.0mm、円球部の直径2.0mm、連結部の厚さ0.8mmの略瓢箪型断面形状の特殊異形断面口金を通して押し出した後、ただちに10℃の冷水浴中で冷却固化させ未延伸糸を得た。上記未延伸糸を、引き続き1段目延伸条件:100℃の水蒸気中で4.0倍に延伸し、ついで2段目延伸条件:300℃の不活性気体中で1.35倍(トータル延伸倍率5.4倍)、その後同じく200℃の不活性気体中でリラックス倍率0.94倍の熱処理を行うことにより、単糸繊度14000dtex、円球部の直径0.75mm、連結部の厚さ0.30mmの略瓢箪型断面(図1(B))を有するナイロンモノフィラメントを得た。
ナイロン6(東レ社製M1041)に対し、共重合ナイロン(東レ製M6151)を20重量%添加し、撹拌ブレンドした原料組成物を、常法によりエクストルーダーに供して、270℃の温度で溶融し、長径5.0mm、円球部の直径2.0mm、連結部の厚さ0.8mmの略瓢箪型断面形状の特殊異形断面口金を通して押し出した後、ただちに10℃の冷水浴中で冷却固化させ未延伸糸を得た。上記未延伸糸を、引き続き1段目延伸条件:100℃の水蒸気中で4.0倍に延伸し、ついで2段目延伸条件:300℃の不活性気体中で1.35倍(トータル延伸倍率5.4倍)、その後同じく200℃の不活性気体中でリラックス倍率0.94倍の熱処理を行うことにより、単糸繊度14000dtex、円球部の直径0.75mm、連結部の厚さ0.30mmの略瓢箪型断面(図1(B))を有するナイロンモノフィラメントを得た。
次いで、上記瓢箪型断面ナイロンモノフィラメントを、リング撚糸機を使いS方向に200回/mの撚りを掛けて、さらに250℃の不活性気体中で1.0倍の熱セットを施すことにより、ねじりナイロンモノフィラメントを得た。
得られたねじりナイロンモノフィラメントを用いて製造したラケット用ガットを用いて、上記の方法で評価を行った結果を表1に示す。
[比較例1]
吐出量を変更した以外は、実施例1と同様の紡糸方法で、単糸繊度55000dtex、円球部の直径1.25mm、連結部の厚さ0.65mmのアレイ型断面(図1(A))を有するPETモノフィラメントを得た。次いで、撚り数を変更した以外は、実施例1と同様の撚糸方法で、20回/mの撚りの掛かったねじりPETモノフィラメントを得た。
吐出量を変更した以外は、実施例1と同様の紡糸方法で、単糸繊度55000dtex、円球部の直径1.25mm、連結部の厚さ0.65mmのアレイ型断面(図1(A))を有するPETモノフィラメントを得た。次いで、撚り数を変更した以外は、実施例1と同様の撚糸方法で、20回/mの撚りの掛かったねじりPETモノフィラメントを得た。
得られたねじりPETモノフィラメントを用いて製造したラケット用ガットを用いて、上記の方法で評価を行った結果を表1に示す。
[比較例2]
吐出量を変更した以外は、実施例2と同様の紡糸方法で、単糸繊度1000dtex、円球部の直径0.20mm、連結部の厚さ0.05mmの略瓢箪型断面(図1(B))を有するナイロンモノフィラメントを得た。次いで、撚り数を変更した以外は、実施例2と同様の撚糸方法で、600回/mの撚りの掛かったねじりナイロンモノフィラメントを得た。
吐出量を変更した以外は、実施例2と同様の紡糸方法で、単糸繊度1000dtex、円球部の直径0.20mm、連結部の厚さ0.05mmの略瓢箪型断面(図1(B))を有するナイロンモノフィラメントを得た。次いで、撚り数を変更した以外は、実施例2と同様の撚糸方法で、600回/mの撚りの掛かったねじりナイロンモノフィラメントを得た。
得られたねじりナイロンモノフィラメントを用いて製造したラケット用ガットを用いて、上記の方法で評価を行った結果を表1に示す。
[比較例3]
口金を孔径4.5mmの円形に変更した以外は、実施例1と同様の紡糸方法で、単糸繊度17000dtexの円形断面PETモノフィラメントを得た。次いで、実施例1と同様の撚糸方法で、120回/mの撚りの掛かったねじりPETモノフィラメントを得た。
口金を孔径4.5mmの円形に変更した以外は、実施例1と同様の紡糸方法で、単糸繊度17000dtexの円形断面PETモノフィラメントを得た。次いで、実施例1と同様の撚糸方法で、120回/mの撚りの掛かったねじりPETモノフィラメントを得た。
得られたねじりを有するPETモノフィラメントを用いて製造したラケット用ガットを用いて、上記の方法で評価を行った結果を表1に示す。
[比較例4]
口金を歯数13の歯車型に変更した以外は、実施例1と同様の紡糸方法で、単糸繊度17000dtexの歯車型断面PETモノフィラメントを得た。次いで、実施例1と同様の撚糸方法で、120回/mの撚りの掛かったねじりPETモノフィラメントを得た。
口金を歯数13の歯車型に変更した以外は、実施例1と同様の紡糸方法で、単糸繊度17000dtexの歯車型断面PETモノフィラメントを得た。次いで、実施例1と同様の撚糸方法で、120回/mの撚りの掛かったねじりPETモノフィラメントを得た。
得られたねじりPETモノフィラメントを用いて製造したラケット用ガットを用いて、上記の方法で評価を行った結果を表1に示す。
[比較例5]
口金を孔径2.0mmの円形に変更した以外は、実施例1と同様の紡糸方法で、2本合計で単糸繊度17000dtexの円形断面PETモノフィラメントを2本得た。次いで、実施例1と同様の撚糸方法で、2本を併せて120回/mの撚りの掛かったねじりPETフィラメントを得た。
口金を孔径2.0mmの円形に変更した以外は、実施例1と同様の紡糸方法で、2本合計で単糸繊度17000dtexの円形断面PETモノフィラメントを2本得た。次いで、実施例1と同様の撚糸方法で、2本を併せて120回/mの撚りの掛かったねじりPETフィラメントを得た。
得られたねじりPETフィラメントを用いて製造したラケット用ガットを用いて、上記の方法で評価を行った結果を表1に示す。
表1の結果から明らかなように、実施例1および2のラケット用ガットは、適度な撚りが掛かっているため、糸表面に十分な凹凸があり、優れた打球性、耐久性を有する。また張設性においても、実用上問題はない。
一方、比較例1のラケット用ガットは糸が太いために張設性に劣り、比較例2のラケット用ガットは糸が細いために耐久性に劣る。
また、比較例3のラケット用ガットは円断面であるために制球性・反発性・耐衝撃性に劣り、比較例4のラケット用ガットは断面が歯車型であるために制球性、反発性および耐衝撃性に劣り、比較例5のラケット用ガットは2本を撚り併せた形状であるために耐久性に劣る。
本発明のラケット用ガットは、従来のものに比べて優れた打球性、耐久性および張設性を有しており、テニス、バトミントンおよびスカッシュなどのスポーツ用ラケットに張設するガットとして極めて有用である。
1 円球部
2 円球部
3 連結部
2 円球部
3 連結部
Claims (5)
- 単糸繊度が2000dtex以上50000dtex以下であり、同形あるいは双方が異なる形状の両端部を、これら両端部の最小直径よりも厚みが小さい連結部で連結させた断面形状を有する特殊異形断面モノフィラメントの長手方向に撚りを掛けて熱セットしたねじりモノフィラメントからなることを特徴とするラケット用ガット。
- 前記特殊異形断面モノフィラメントの断面形状が、両端に位置する同直径の円球部と、これら円球部の間に位置する連結部とからなり、前記連結部の厚みを前記円球部の直径の20%以上60%以下としたアレイ型であることを特徴とする請求項1に記載のラケット用ガット。
- 前記ねじりモノフィラメントの表面に、螺旋状の凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のラケット用ガット。
- 前記ねじりモノフィラメントの撚り数が50回/m以上500回/m以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のラケット用ガット。
- 前記特殊異形断面モノフィラメントが、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂およびフッ素系樹脂から選ばれた少なくとも1種の熱可塑性合成樹脂からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のラケット用ガット。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011001805A1 (ja) | 2009-06-30 | 2011-01-06 | 株式会社ゴーセン | ラケット用ストリングとその製造方法及びこれを張設したラケット |
JP2013215328A (ja) * | 2012-04-06 | 2013-10-24 | Toray Monofilament Co Ltd | ラケット用ガットおよびその製造方法 |
JP7231300B1 (ja) * | 2022-11-30 | 2023-03-01 | 迪夫 村田 | 非対称ストリング |
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2004
- 2004-06-09 JP JP2004170851A patent/JP2005348851A/ja active Pending
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