JP2009219519A - ラケット用ガット - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のラケット用ガットに比べ、耐久性、打球性の両面を合わせ持つと共に張設性、量産性、経済性にも優れたラケット用ガットの提供。
【解決手段】鞘部2にポリアミド系樹脂、芯部1にポリアミド樹脂以外の熱可塑性樹脂を用いてなる芯鞘複合モノフィラメントであり、前記芯部1の繊維軸と垂直方向の断面形状が複数の葉裂部3を有する多葉断面である芯鞘複合モノフィラメントを少なくとも一部に使用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、テニス、バドミントン、スカッシュなどに使用するラケット用ガットに関するものであり、さらに詳しくは、異素材の樹脂を用いてなる界面剥離のない芯鞘複合モノフィラメントを使用したラケット用ガットに関する物である。
一般に、ラケット用ガットに求められる機能としては、耐久性、打球性および張設性の3つがある。すなわち、耐久性とは、張設後の応力緩和による弛みの程度や打球毎の摩耗による切断のし易さなどを言い、打球性とは、反発性、制球性、ボールへの回転の掛け易さなどのほか、打球時の感覚や打球音などの打球感を言い、さらに張設性とは、ラケットへの張り易さを言う。
そして、この3つの性能は重要度が異なり、打球性、耐久性、張設性の順に重要度が位置付けされるが、打球性、耐久性がいかに優れていても、張設性に問題があれば実用性に欠けたラケット用ガットとなる。
テニス、バトミントンおよびスカッシュなどのスポーツ用ラケットに張設するラケット用ガットとしては、古くから羊腸、鯨筋などに代表される動物繊維から得られる天然ガットが用いられてきた。
しかるに、天然ガットは反発性、制球性および耐衝撃性などに優れているなどの長所を有するが、耐水性に劣ることから使用寿命が短く、しかも高価であるため、近年では天然ガットに比べ打球製に劣るが、耐久性、量産性、経済性などに優れた合成樹脂製ガットが数多く使用されている。
合成樹脂製ガットの各種性能を改善する方法としては、相対粘度の違うポリアミドを芯鞘複合にしたガット(例えば、特許文献1参照)が提案されているが、このガットは粘度の違うポリアミドを芯鞘複合にしただけであり、一定条件で測定するクリープ特性については改善されるものの、反発性、制求性などの打球性については天然ガットに比し依然として劣る物であった。
また、鞘部に芯部より弾性率の低い樹脂を使用した芯鞘複合にしたガット(例えば、特許文献2参照)が提案されているが、このガットは表層の低配向化により結節強度が向上し、ガットの細経化が可能で、実際にラケットに張設して使用したときガットの空気抵抗が押さえられシャープな振りが可能になると言ったメリットはあるものの、ラケット用ガットが細経過されることによりラケットに張設して使用したときガット同士の摩擦に対して弱くなり、結果として耐久性が劣る物になってしまう問題が残る。
更に、熱可塑性エラストマーと熱可塑性樹脂を海島型複合にしたガット(例えば、特許文献3参照)が提案されているが、このガットは海島型複合にすることで熱可塑性樹脂層が細径化されることにより、柔軟性は向上するが、ラケットに張設して使用したときガット同士の摩擦に対し対して弱くなり、結果として耐久性に欠けるという問題が残る。
上記の通り、従来のラケット用ガットは、耐久性、打球性、張設性などそれぞれの項目については改善できるものの、これら3つの特性を高次元でバランス良く改善した物がなく、耐久性、打球性および張設性の3つをバランス良く改善したラケット用ガットの開発が望まれていた。
特開H11−107035号公報 特開H06−238017号公報 特開2007−282661号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果達成されたものである。
したがって本発明の目的は、従来のラケット用ガットに比べ、耐久性、打球性の両面を合わせ持つと共に、張設性、量産性、経済性にも優れたラケット用ガットを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明によれば、鞘部にポリアミド系樹脂、芯部にポリアミド系樹脂以外の熱可塑性樹脂を用いてなる芯鞘複合モノフィラメントであり、前記芯部の繊維軸と垂直方向の断面形状が複数の葉裂部を有する多葉断面である芯鞘複合モノフィラメントを少なくとも一部に使用してなることを特徴とするラケット用ガットが提供される。
なお、本発明のラケット用ガットにおいては、
前記芯鞘複合モノフィラメントの芯部における多葉断面の外周長Tとこの外周に接する外接円の円周長Lとの比T/Lの値が1.2〜2.5の範囲にあること、
前記芯鞘複合モノフィラメントの芯部が、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂及びポリオレフィン系樹脂から選ばれた少なくとも1種からなること、
前記芯鞘複合モノフィラメントの直径が0.10〜1.50mmの範囲であり、かつ繊維軸と垂直方向の断面における芯部/鞘部の断面積比が5/95〜95/5の範囲にあること、および
前記芯鞘複合モノフィラメントの乾引張強度が5.0cN/dtex以上且つ乾引張破断伸度が20%〜45%の範囲にあること、
が、いずれも好ましい条件として挙げられ、これらの条件を満たすことによりさらに優れた効果を取得することができる。
本発明によれば、以下に説明するとおり、異素材の樹脂を用いてなる界面剥離のない芯鞘複合モノフィラメントを少なくともガットの一部に使用することにより、耐久性、打球性の両面を合わせ持つと共に、張設性、量産性、経済性にも優れたものであり、テニス、バドミントン、スカッシュなどに使用するラケット用ガットとして好適である。
以下、図面を参照しつつ本発明のラケット用ガットについて具体的に説明する。
図1の(a)〜(c)は、本発明の条件を満たす芯鞘複合モノフィラメントの繊維軸と垂直方向の断面図であり、符号1は芯部、2は鞘部、3は葉裂部、実線Tは芯部1の断面形状の外周長、波線Lは芯部1の断面形状に外接する円の円周長をそれぞれ示している。
図2の(d)〜(f)は、本発明の条件を満たさない芯鞘複合モノフィラメントについて図1の(a)〜(c)と同じように見た場合の断面図であり、同じく符号1は芯部、2は鞘部、3は葉裂部、実線Tは芯部1の断面形状の外周長、波線Lは芯部1の断面形状に外接する円の円周長をそれぞれ示している。
本発明のラケット用ガットを構成する芯鞘複合モノフィラメントは、鞘部2にポリアミド系樹脂、芯部1にポリアミド系樹脂以外の熱可塑性樹脂を用いてなることが重要であり、鞘部2にポリアミド系樹脂以外の熱可塑性樹脂を使用した場合は、ラケットに張設して実際に試打したときにガットの交差部分がズレ易くなることから、打球感、打球性が悪くなるため好ましくなく、芯部1の熱可塑性樹脂と鞘部2の熱可塑性樹脂が同一である場合は、単層のモノフィラメントを使った場合と同じであり、芯鞘複合モノフィラメントを使うメリットが出せないことから好ましくない。
鞘部2を構成するポリアミド系樹脂とは、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6/66、ナイロン6/12、ナイロン11、およびナイロン12から選ばれた少なくとも一種であるが、必ずしもそれに限定されるものではない。
また、芯部1を構成するポリアミド系樹脂以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体、変性エチレンテトラフルオロエチレン共重合体などのフッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、などが挙げられるが、なかでも優れた打球感、が得られやすいとの理由からポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂及びポリオレフィン系樹脂から選ばれた少なくとも一種であることが好ましい。
本発明においては、異種の熱可塑性樹脂を使用した複合モノフィラメントの芯鞘界面剥離を改善するためには、図1の(a)〜(c)に示すように、芯部1の繊維軸と垂直方向の断面形状が複数の葉裂部3を有する多葉断面からなることが重要であり、芯部1の断面が略円形では、芯鞘の接触面積が少なくなることから、異素材よる芯鞘型複合にした場合に、芯成分と鞘成分の界面剥離が発生してしまい、ラケット用ガットとして使用したとしても、ラケットに張設するときに切れてしまい、張設性に欠けるものなってしまうことから好ましくない。
本発明の芯鞘複合モノフィラメントは、芯部1における多葉断面の外周長Tとこの外周に接する外接円の円周長Lとの比T/Lの値が1.2〜2.5の範囲の多葉断面であることが好ましく、さらに好ましくは、T/L比が1.3〜2.3の範囲となる多葉断面であることが好ましい。
ここで、T/L比が上記の範囲を下回る場合(例えば、図2の(d)や(e))は、芯部1と鞘部2との接着が弱く剥離しやすくなる傾向がある。逆に、T/L比が上記の範囲を上回る場合(例えば、図2の(f))は、芯部1と鞘部2との剥離にこそ強いものの、芯部1の繊度が小さくなるために強度低下を招く傾向となる。
本発明の芯鞘複合モノフィラメントの葉裂部3の数は3〜20であることが好ましい。葉裂部3の数が上記の範囲を外れる場合は、T/L比が上記の範囲を満たす形状が非常に限定されることから、口金の設計や紡糸時の形状調整が非常に困難になるため好ましくない。
本発明のラケット用ガットを構成する芯鞘複合モノフィラメントの直径は、0.10〜1.50mmの範囲好ましくは0.12〜1.30mmの範囲でその用途に応じて選択することができる。
直径を0.1mmより細くしようとすると口金の作成が困難になるばかりか、複合モノフィラメントを側糸として使用した時に側糸の本数を増やす必要があり、ガットとしての加工性が悪くなることから好ましくなく、1.50mmより太くなるとラケット用ガットに張設して使うときガットによる空気抵抗が大きくなり打球性が悪くなることから好ましくない。
また、繊維軸と垂直方向の断面における芯部/鞘部の断面積比が5/95〜95/5好ましくは、20/80〜80/20の範囲にあることが好ましい条件として挙げられる。
ここで、芯部/鞘部の断面積比が上記を外れる場合は、目的とする複合モノフィラメントの特性が得られなくなるばかりか、複合モノフィラメントを紡糸するときの操業性が悪くなることから好ましくない。
さらに、本発明のラケット用ガットを構成する芯鞘複合モノフィラメントの乾引張強度が5.0cN/dtex以上且つ乾引張破断伸度が20%〜45%の範囲にあることが好ましい条件としてあげられる。芯鞘複合モノフィラメントの乾引張強度が、5.0cN/dtexより下回るとラケット用ガットに加工したときに強度が不足してしまい、ラケットに張設時にガットが切れてしまい使い物にならないことから好ましくなく、破断伸度が20%を下回るとガットにして使用したとき衝撃吸収性が極端に低くなり、プレイヤーの肘に負担が掛かるばかりか、反発が強すぎてボールのコントロール性が悪くなり、さらにガットの耐久性も悪くなることから好ましくなく、逆に、破断伸度が50%を越えるとガットにして使用したとき反発性が劣ることから強いボールが打ち返せなくなるばかりか、ボールを打つ度にガットの目が大きくずれてしまいラケット用ガットとして好ましくないものになってしまう。
本発明の芯鞘複合モノフィラメントの作成方法については何ら特殊な方法を使用する必要は無く、芯成分用の口金を多葉断面にする以外は公知の芯鞘複合紡糸方法が使用でき、例えば、芯側の紡糸機にフッ素系樹脂、鞘側の紡糸機に6ナイロンを樹脂の融点より20〜60℃高く設定したそれぞれのエクストルーダー型紡糸機に供給し、溶融混練した後、多葉断面にした芯側の口金、円断面の鞘側の口金を通して共押し出し後、冷却槽で冷却し異形断面芯鞘複合の未延伸糸を作成し、続いて80〜120℃で、3.0〜4.5倍に延伸し、さらに150〜300℃でトータル延伸倍率4.5〜7.0倍に引き延ばした後、150〜200℃でリラックス処理をすることにより、本発明の芯鞘複合モノフィラメントを得ることが出来る。
なお、本発明の芯鞘複合モノフィラメントは、これを単体でラケット用ガットに使用することができるが、それ以外にもこの芯鞘複合モノフィラメントを芯糸とし、この芯糸の外周に側糸を巻付けるかあるいは引き揃え、その外周を接着剤で固定してから、さらにその上から被覆樹脂でコーティングした構造のラケット用ガットとすることもできる。
かくして構成される本発明のラケット用ガットは、異素材の樹脂を用いてなる界面剥離のない芯鞘複合モノフィラメントを少なくともガットの一部に使用することにより、耐久性、打球性の両面を合わせ持つと共に、張設性、量産性、経済性にも優れたものであり、テニス、バドミントン、スカッシュなどに使用するラケット用ガットとして好適である。
以下に、本発明のラケット用ガットを実施例に基づいてさらに詳しく説明する。なお、実施例における異形断面芯鞘複合モノフィラメントの評価および、ラケット用ガットの評価は以下の方法で行った。
[芯鞘型複合モノフィラメントの直径測定]
アンリツ社製レーザー外径測定機「KL−151A」を使用し、長径、短径それぞれ5回測定し、その平均直径を算出した。
[芯鞘型複合モノフィラメントの引張破断強度、破断伸度]
JIS L1013の規定に準じて、芯鞘型複合モノフィラメントを20℃、65%RHの温湿度調整室で24時間放置後、(株)オリエンテック社製「テンシロンUTM−4−100型」引張試験機を使用して、試長250mm、引張速度300mm/分の条件で引張破断強力、破断伸度を求め強度を算出した。
[芯鞘型複合モノフィラメントの界面剥離]
芯鞘型複合モノフィラメントを直径5.5mmφのステンレス製丸棒を使い、1.0Mpaの圧力で押しつぶした後、押しつぶされた部分を光学顕微鏡(拡大倍率40倍)で観察して芯成分鞘成分の界面剥離の有無を次の規準で判定した。
○:界面剥離は認められなかった。
×:押しつぶされた部分の一部または、全体に界面剥離が認められた。
[芯鞘型複合モノフィラメントのT/L比]
芯鞘複合モノフィラメント試料をミクロトームで輪切りにし、その切片の断面を(株)KEYENCE社製デジタルHDマイクロスコープVH−7000を使用して芯部の外周長Tと外接円周長Lを測定した。そして、測定したそれぞれの値からT/Lの値を計算して求めた。
[ラケット用ガットの耐久性評価]
テニス用ラケットのフェースに、時速100km、打ちだし間隔15回/分、打ち出し距離50cm、かつ打ち出し角度40°の条件でテニスボールを衝突させ、ガットが切断するまでのテニスボールの打ち出し回数で耐久性を評価した。(単位:回)
[ラケット用ガットの打球性評価]
上級レベルのテニスプレーヤーに実際にテニスボールを試打してもらい、天然ガットおよび従来の合成樹脂ガットを使用した場合と比較して制球性、反発性、耐衝撃性、について次の2段階で評価した。
○:天然ガットと同等もしくは天然ガットに近い打球性であった。
×:従来の合成樹脂ガットと同等もしくはそれ以下であった。
[ラケット用ガットの張設性評価]
ラケット用ガットを実際に50ポンドの張力でラケットに張設した際の張設のしやすさについて、天然ガットを張設した場合と比較して、次の2段階で評価した。
○:天然ガットと同等もしくは、天然ガットより張設し易かった。
×:張設途中で切れてしまった。もしくは、張設途中でガットが伸びてしまい規定の張力で張設する事が出来なかった。
[実施例1〜3]
芯側の紡糸機にフッ素系樹脂、ダイキン工業社製(ネオフロンEFEP−RP−500、融点=200℃)、鞘側の紡糸機にポリアミド樹脂、東レ製(M1041、融点=223℃)を供給し、それぞれの樹脂の融点より20〜60℃高い温度で溶融混練した後、芯側のみ図1(a)の星型にした複合口金から芯鞘複合比率を表1に示したように変更して吐出量を調整し共押出後、10〜30℃の冷却層で冷却して芯側が星形の未延伸糸を作成した。続いて80〜120℃で3.0〜4.5倍に1段延伸し、更に150〜300℃でトータル延伸倍率4.5〜7.0倍に引き延ばした後150〜200℃で0.8〜1.0倍のリラックス処理をすることにより、実施例1〜3の芯鞘複合モノフィラメントを得た。得られた芯鞘複合モノフィラメントの物性と、芯鞘型モノフィラメントを単体でラケット用ガットとして使用したときの評価結果を表1に示す。
[実施例4]
芯成分の熱可塑性樹脂をポリエステル系樹脂、三井化学社製(J055、融点=250℃)に変更、芯側の断面形状を図1(b)の花びら型の複合口金に変更した以外は、実施例1と同じ条件でモノフィラメントを得た。得られた芯鞘複合モノフィラメントの物性と、芯鞘型モノフィラメントを単体でラケット用ガットとして使用したときの評価結果を表1に示す。
[実施例5]
芯成分の熱可塑性樹脂をポリオレフィンケイ樹脂、チッソ社製(A5014、融点=175℃)に変更、芯側の断面形状を図1(c)の花びら型の複合口金に変更した以外は、実施例1と同じ条件でモノフィラメントを得た。得られた芯鞘複合モノフィラメントの物性と、芯鞘型モノフィラメントを単体でラケット用ガットとして使用したときの評価結果を表1に示す。
[比較例1]
芯側、鞘側共に図2(d)の丸形の複合ノズルに変更した以外は、実施例1と同じ条件で芯鞘複合モノフィラメントを得た。得られた芯鞘複合モノフィラメントの物性と、芯鞘型モノフィラメントを単体でラケット用ガットとして使用したときの評価結果を表1に示す。
[比較例2]
鞘成分の熱可塑性樹脂のみを押し出した以外は実施例1と同じ条件でモノフィラメントを得た。得られた芯鞘複合モノフィラメントの物性と、芯鞘型モノフィラメントを単体でラケット用ガットとして使用したときの評価結果を表1に示す。
[比較例3]
芯成分の熱可塑性樹脂のみを押し出した以外は実施例1と同じ条件でモノフィラメントを得た。得られた芯鞘複合モノフィラメントの物性と、芯鞘型モノフィラメントを単体でラケット用ガットとして使用したときの評価結果を表1に示す。
[比較例4]
芯成分の熱可塑性樹脂をポリアミド系樹脂に変更して、芯鞘ともポリアミド樹脂にした以外は、実施例1と同じ条件でモノフィラメントを得た。得られた芯鞘複合モノフィラメントの物性と、芯鞘型モノフィラメントを単体でラケット用ガットとして使用したときの評価結果を表1に示す。
[比較例5]
芯成分と鞘成分の熱可塑性樹脂を入れ替えた以外は、実施例1と同じ条件でモノフィラメントを得た。得られた芯鞘複合モノフィラメントの物性と、芯鞘型モノフィラメントを単体でラケット用ガットとして使用したときの評価結果を表1に示す。
Figure 2009219519
表1の結果から明らかなように、本発明の芯鞘複合モノフィラメント(実施例1〜5)は、いずれも異素材の樹脂による芯鞘複合でありながら界面剥離が無く強伸度共に高く、ガット用モノフィラメントとして使用した場合も耐久性、打急性、張設性に優れ、ラケット用ガットとして最適なものがえられた。
一方芯部の形状が丸断面である芯鞘複合モノフィラメント(比較例1)は、芯鞘の界面剥離が発生し強伸度共に低い物になってしまい、ガット用モノフィラメントとして使用したとき耐久性、打球性、張設性共に悪く、ラケット用ガットとして好ましくないものであった。
鞘成分のみを吐出して作成したモノフィラメント(比較例2)、芯、鞘部共にナイロン6を採用した芯鞘複合モノフィラメント(比較例4)は、従来のガット用モノフィラメントと何ら差はなく、反発性、制求性などの打球性については依然天然ガットに比べ劣るモノであり、ラケット用ガットとして好ましくないものであった。
芯成分のみを吐出して作成したモノフィラメント(比較例3)、芯部と鞘部のポリマーを入れ替えた芯鞘複合モノフィラメント(比較例5)は、ラケットに張設して実際に試打したときにガットの交差部分がズレ易くなることから打球感、打球性が悪くなってしまい、ラケット用ガットとして好ましくないものであった。
以上説明したように、本発明のラケット用ガットは、異素材の樹脂を用いてなる界面剥離のない芯鞘複合モノフィラメントを少なくともガットの一部に使用することにより、耐久性、打球性の両面を合わせ持つと共に、張設性、量産性、経済性にも優れたものであり、テニス、バドミントン、スカッシュなどに使用するラケット用ガットとして極めて実用性が高い。
(a)〜(c)は本発明の条件を満たす芯鞘複合モノフィラメントの繊維軸と垂直方向の断面図。 (d)〜(f)は本発明の条件を満たさない芯鞘複合モノフィラメントを図1の(a)〜(c)と同じように見た場合の断面図。
符号の説明
1 芯部
2 鞘部
3 葉裂部
T 芯部の断面形状の外周長(mm)
L 芯部の断面形状に外接する円の円周長(mm)

Claims (5)

  1. 鞘部にポリアミド系樹脂、芯部にポリアミド系樹脂以外の熱可塑性樹脂を用いてなる芯鞘複合モノフィラメントであり、前記芯部の繊維軸と垂直方向の断面形状が複数の葉裂部を有する多葉断面である芯鞘複合モノフィラメントを少なくとも一部に使用してなることを特徴とするラケット用ガット。
  2. 前記芯鞘複合モノフィラメントの芯部における多葉断面の外周長Tとこの外周に接する外接円の円周長Lとの比T/Lの値が1.2〜2.5の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のラケット用ガット。
  3. 前記芯鞘複合モノフィラメントの芯部が、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂及びポリオレフィン系樹脂から選ばれた少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1または2に1項に記載のラケット用ガット。
  4. 前記芯鞘複合モノフィラメントの直径が0.10〜1.50mmの範囲であり、かつ繊維軸と垂直方向の断面における芯部/鞘部の断面積比が5/95〜95/5の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のラケット用ガット。
  5. 前記芯鞘複合モノフィラメントの乾引張強度が5.0cN/dtex以上且つ乾引張破断伸度が20%〜45%の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のラケット用ガット。
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TWI687562B (zh) * 2018-03-23 2020-03-11 新光合成纖維股份有限公司 具有吸濕伸長變化之複合纖維

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