JP2017148473A - ガット用ストリング - Google Patents

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Abstract

【課題】生産管理が容易であり、かつ製造過程における作業環境面、衛生面に関する特別の問題を有することがないガット用ストリングを得る。【解決手段】ガット用ストリングである。芯材11と側糸12とを有し、少なくとも側糸のマルチフィラメント12が複合型熱融着性繊維を含む。複合型熱融着性繊維は、低融点熱可塑性ポリマーと、この低融点熱可塑性ポリマーよりも高融点の高融点熱可塑性ポリマーとが複合化された繊維である。低融点熱可塑性ポリマーの熱融着により、芯材11と側糸12または側糸12同士が固定されている。あるいは、複合型熱融着性繊維のマルチフィラメントにて構成された芯材11を有するとともに、側糸は有さず、複合型熱融着性繊維における低融点熱可塑性ポリマーの熱融着によりマルチフィラメント全体が固定されている。【選択図】 図1

Description

本発明はテニスラケットなどのラケットのためのガット用ストリングに関する。
ラケット用ガットの形態としては、マルチフィラメントの芯材から構成されるものがある。このようなマルチフィラメントは、ガットの耐摩耗性などの耐久性を向上させるために、接着剤である樹脂をフィラメント間に含浸させるなどの加工が施されているものが一般的である。
しかしながら、樹脂で加工を行う場合、芯材の素材に合わせた樹脂の選定、加工温度の選定、樹脂で加工を行うための設備の準備が必要となり、このためガット用ストリングを得るための前工程が煩雑で、コストアップにも繋がる場合がある。また、樹脂の付着斑によるガット性能のバラツキにも繋がりかねない。さらに、樹脂加工に伴って有機溶剤を用いる場合は、有機溶剤の毒性および排気の問題や、残液の処理の問題などがある。
このような状況に鑑みて、芯材に高融点繊維と低融点繊維との二種類の繊維を用い、樹脂加工工程を経ることなく熱処理のみによって低融点繊維を溶融固化させることで芯材を形成し、またガット表面を均一に樹脂で覆うことが提案されている。それによって、耐久性に優れるガット用ストリングが得られている(特許文献1)。
特公平5−060954号公報
しかし、特許文献1に記載の発明においては、芯材に二種類の繊維を用いているので、生産工程においては両繊維についての管理が必要であり、また両繊維の配合比等も厳密にコントロールしなければならない。さらに、芯材の周囲を別の樹脂で覆っているため、その樹脂の管理が必要であるうえに、結局は、旧来と同様の、芯材の素材に合わせた樹脂の選定、加工温度の選定、樹脂で加工を行うための設備が必要となって前工程が煩雑である等の問題点は、依然として解消されていない。
本発明は、上記のような課題が解決されたガット用ストリングを提供しようとするものである。すなわち、本発明は、生産管理が容易であるとともに、製造過程における作業環境面、衛生面に関する上記のような特別の問題を有することがないガット用ストリングを提供することを課題とする。
本発明者等は、ガット用ストリングの材料として複合型熱融着性繊維を用いることによって、二種類の繊維を準備する必要がなく、また樹脂加工工程を経ることなく熱処理のみによって複合型熱融着性繊維の熱融着成分のみを溶融固化させることができ、それによって、ガットを構成するマルチフィラメント同士を接着させることができ、またガット表面を均一に樹脂で覆うことができることを見出した。
本発明は、以下の事項を要旨とする。
(1) 低融点熱可塑性ポリマーと、この低融点熱可塑性ポリマーよりも高融点の高融点熱可塑性ポリマーとが複合化された複合型熱融着性繊維を含むマルチフィラメントにて構成され、溶融固化された低融点熱可塑性ポリマーによって、マルチフィラメントにおけるフィラメント同士が接着されるとともに、マルチフィラメントの表面が低融点熱可塑性ポリマーによって覆われていることを特徴とするガット用ストリング。
(2) マルチフィラメントまたはモノフィラメントにて構成された芯材と、マルチフィラメントにて構成された側糸とを有し、少なくとも側糸のマルチフィラメントが複合型熱融着性繊維を含み、複合型熱融着性繊維における溶融固化された低融点熱可塑性ポリマーによって、芯材と側糸または側糸同士が固定されていることを特徴とする(1)のガット用ストリング。
(3) 複合型熱融着性繊維のマルチフィラメントにて構成された芯材を有するとともに、側糸は有さないことを特徴とする(1)のガット用ストリング。
(4) 複合型熱融着性繊維は、鞘部に低融点熱可塑性ポリマーが配されるとともに、芯部に高融点熱可塑性ポリマーが配された芯鞘型熱融着性繊維であることを特徴とする(1)から(3)までのいずれかのガット用ストリング。
(5) 複合型熱融着性繊維がナイロン系樹脂またはポリエステル系樹脂にて構成されていることを特徴とする(1)から(4)までのいずれかのガット用ストリング。
(6) 低融点熱可塑性ポリマーと、この低融点熱可塑性ポリマーよりも高融点の高融点熱可塑性ポリマーとが複合化された複合型熱融着性繊維にてマルチフィラメントを形成し、複合型熱融着性繊維における低融点熱可塑性ポリマーを溶融固化させることで、マルチフィラメントにおけるフィラメント同士を接着するとともに、マルチフィラメントの表面を低融点熱可塑性ポリマーによって覆うことを特徴とするガット用ストリングの製造方法。
本発明のガット用ストリングは、複合型熱融着性繊維を含むマルチフィラメントにて構成されているため、複合型熱融着性繊維自体が高融点成分と低融点成分とを備え、したがって一種類の繊維を用いるだけで足りる。このため、高融点繊維と低融点繊維との二種類の繊維を用いる場合に比べて生産工程が簡便になる。また熱融着用の樹脂を用いる必要がないので、この樹脂を用いる場合の問題点をことごとく解消することができる。
本発明の実施の形態のガット用ストリングを示す図である。 図1のガット用ストリングの横断面図である。 同ガット用ストリングを構成する複合型熱融着性繊維の一例の横断面図である。 多数の複合型熱融着性繊維が集合した状態を示す横断面図である。 図4の繊維における鞘部が溶融固化した状態を示す横断面図である。 本発明の他の実施の形態のガット用ストリングの横断面図である。 本発明のさらに他の実施の形態のガット用ストリングの横断面図である。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態のガット用ストリングは、図1および図2に示すように、中心部の芯材11と、芯材11の周囲に巻き付けられる側糸12とを有する。芯材11と側糸12とは、いずれもマルチフィラメントにて構成される。そして、少なくとも側糸12のマルチフィラメントが、複合型熱融着性繊維を含む。すなわち、側糸12のマルチフィラメントが複合型熱融着性繊維を含むとともに芯材11のマルチフィラメントは複合型熱融着性繊維を含まないか、あるいは、側糸12のマルチフィラメントと芯材11のマルチフィラメントとの両方が複合型熱融着性繊維を含む。第1の実施の形態のガット用ストリングは、複合型熱融着性繊維の熱融着成分のみを溶融固化させることによって、芯材11と側糸12または側糸12同士を接着させ、かつストリング表面を均一に樹脂で覆うことができる。
複合型熱融着性繊維とは、低融点熱可塑性ポリマーと、この低融点熱可塑性ポリマーよりも高融点の高融点熱可塑性ポリマーとが複合化された繊維のことをいう。複合化の形態としては、図3に示すような、鞘部13に低融点熱可塑性ポリマーが配され、芯部14に高融点熱可塑性ポリマーが配された芯鞘型熱融着性繊維が挙げられる。そのほかにも、低融点熱可塑性ポリマーと高融点熱可塑性ポリマーとが半々に配されたサイドバイサイド型熱融着性繊維などが挙げられる。本来のガット用ストリングの性能を損なわず、低融点熱可塑性ポリマーを溶融させて均一に接着および被覆させることを考慮すると、図3に示す芯鞘型熱融着性繊維であることが好ましい。
複合型熱融着性繊維における低融点熱可塑性ポリマーと高融点熱可塑性ポリマーとは、両者の相溶性を考慮すると、互いに同種類のポリマーであることが好ましい。
また、図1および図2に示される芯材11と側糸12の接着性を考慮すると、芯材11と側糸12の芯鞘型熱融着性繊維のポリマーは、最終的に熱処理によって熱融着成分が溶融固化して芯材11と側糸12または側糸12同士を接着させるために、相溶性の良い素材であることが好ましい。接着耐久性の観点から、互いに同種類のポリマーであることが好ましく、同じ素材であることがより好ましい。例えば、芯材11がポリエステル系のマルチフィラメントであれば、側糸12もポリエステル系のマルチフィラメントを用いることができる。また、芯材11がナイロン系のマルチフィラメントであれば、側糸12もナイロン系のマルチフィラメントを用いることができる。
図3に示される芯鞘型熱融着性繊維などの複合型熱融着性繊維における低融点熱可塑性ポリマーと高融点熱可塑性ポリマーとの質量比率は、ストリングの強度および耐久性、接着性、均一な樹脂被覆の観点から、例えば、高融点熱可塑性ポリマー/低融点熱可塑性ポリマーの比率で1/1〜5/1、特に1.5/1〜3.5/1が好適である。
複合型熱融着性繊維の繊度、強度および伸度は、本発明の目的が達成される限り特に制限されない。
複合型熱融着性繊維の断面形状は、ストリングの性能が損なわれない範囲であれば、丸断面、異形断面、中空断面等のいずれであってもよい。また、同繊維には、仮撚加工やタスラン加工などの加工が施されていてもよい。
複合型熱融着性繊維における低融点熱可塑性ポリマーおよび高融点熱可塑性ポリマーには、それぞれ独立して、ストリングの性能が損なわれない程度に、熱安定剤、結晶核剤、艶消剤、顔料、耐光剤、耐候剤、滑剤、酸化防止剤、抗菌剤、香料、可塑剤、染料、界面活性剤、難燃剤、表面改質剤、各種無機及び有機電解質等の添加剤が含有されていてもよい。
芯鞘型熱融着性繊維は、市販品として入手可能である。例えば、ユニチカ社製の「MELSET(登録商標)」が使用できる。
複合型熱融着性繊維として、低融点熱可塑性ポリマーおよび高融点熱可塑性ポリマーの融点、両者の質量比率、繊度、強度および伸度等の物性がそれぞれ異なる2種類以上の複合型熱融着性繊維が使用されてもよい。
低融点熱可塑性ポリマーとしては、溶融紡糸による製糸性を有するものであればよく、例えば、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体(ナイロン)、ポリオレフィン系重合体、ポリブチラール系重合体、ポリアクリル系重合体、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン重合体などが挙げられる。
低融点熱可塑性ポリマーの融点は、繊維形成成分としての高融点熱可塑性ポリマーの融点より20℃以上低いことが好ましい。このような温度とすることにより、熱処理に付されても高融点熱可塑性ポリマーの物性は影響を受けず、ストリング形態を良好に保持させることができるという利点がある。低融点熱可塑性ポリマーの融点は、加工性や各種物性等を考慮すると、80〜160℃の範囲内であることが好ましい。低融点熱可塑性ポリマーが明確な融点を有さないときは、該低融点熱可塑性ポリマーの軟化点を融点とみなす。
低融点熱可塑性ポリマーと高融点熱可塑性ポリマーとの好ましい組み合わせは、両者の相溶性や熱接着性を考慮すると、低融点ポリエステルと高融点ポリエステル、低融点ポリプロピレンと高融点ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレン、低融点ナイロンと高融点ナイロン、などが挙げられる。
芯鞘型熱融着性繊維としては、具体的には、融点が240℃以上の高融点ポリエステルが芯部に配され、融点が110〜200℃の低融点の共重合ポリエステルが鞘部に配された芯鞘型ポリエステル繊維や、融点180℃以上の高融点ポリアミドが芯部に配され、融点80〜150℃の低融点ポリアミドが鞘部に配された芯鞘型ポリアミド繊維が好適に用いられる。
第1の実施の形態のガット用ストリングにおいては、たとえば図4に示す芯鞘型熱融着性繊維における熱融着成分としての鞘部13のみを溶融固化させることによって、図5に示すように芯部14を残して溶融固化した成分15によって、図1および図2に示す芯材11と側糸12または側糸12同士を接着させ、また図5から理解されるようにストリング表面を均一に樹脂で覆うことができる。
熱融着成分である低融点熱可塑性ポリマーを溶融させる方法としては、熱処理が挙げられる。熱処理は、低融点熱可塑性ポリマーの融点より高い雰囲気温度でガット用ストリングを保持する処理である。これによって、複合型熱融着性繊維において、熱融着成分である低融点熱可塑性ポリマーの溶融・固化により、図1および図2に示す芯材11と側糸12または側糸12同士を接着させることができる。側糸12のマルチフィラメントの単糸1本1本が全て均一な芯鞘型熱融着性繊維である場合は、熱融着成分が均一に溶融して固化するため、ガット表面を均一に樹脂で覆うことができる。
別種の低融点熱可塑性ポリマーをそれぞれ含有する2種類以上の複合型熱融着性繊維を用いる場合は、融点が最も高い低融点熱可塑性ポリマーの融点を基準とし、この融点が最も高い低融点熱可塑性ポリマーの当該融点より高い雰囲気温度で熱処理を施せばよい。熱処理時における雰囲気温度は、低融点熱可塑性ポリマーの融点より高く、かつ高融点熱可塑性ポリマーの融点より低い温度が好ましい。雰囲気温度が高すぎると、コスト面で不利となるばかりでなく、高融点熱可塑性ポリマーが熱によるダメージを受け、ストリングとして強度の低下が起こる。雰囲気温度は、低融点熱可塑性ポリマーの融点をMpと表したとき、Mp+5℃以上、Mp+20℃未満が好ましい。
熱処理を施す時間は、低融点熱可塑性ポリマーが充分に溶融する時間であればよい。ただし、熱処理時間が長すぎると、コスト面で不利となるばかりでなく、高融点熱可塑性ポリマーが熱によるダメージを受け、ストリング全体として強度の低下を起こすようになる。このため、熱処理時間は、30秒間〜5分間が好ましく、より好ましくは1分間〜3分間である。熱処理を施すための加熱の方法は、特に限定されないが、アイロン、熱風溶接機、熱風乾燥機、テンターマシーンなど周知の手段を用いることができる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態のガット用ストリングは、図6に示すように、芯材11がモノフィラメントにて構成されている点が、第1の実施の形態のガット用ストリングと相違する。芯材11を構成するモノフィラメントは、第1の実施の形態の場合と同様に、複合型熱融着性繊維で構成されるか、あるいは複合型熱融着性繊維で構成されないかのいずれかである。それ以外は、第1の実施の形態と同様である。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態のガット用ストリングは、図7示すように、マルチフィラメントにて構成された芯材11を有するとともに、側糸は有さない構成である。それ以外は、第1の実施の形態と同様である。
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。以下の実施例、比較例におけるストリングの評価は、次の方法で行った。
1.芯材と側糸との接着性
JIS L−1013に準じて、試料長250mm、引張速度300mm/minでストリングの引張試験を実施し、ストリングが破断される際に、芯材と側糸が同時に破断するか分離して破断するかを観察し、下記の基準で評価した。
(接着性)
○:芯材と側糸が同時に破断する
×:芯材と側糸が分離して破断する
2.芯材の耐摩耗性
ストリングにデシテックスあたり0.25gの荷重をかけて、JIS D4604に準じてOCHI FILE WORK’s 社製の丸やすり(300m/m、(12′′)丸中目)に対し90度の角度で接触させ、ストローク幅330±30mm、ストローク速度30±1回/分で往復摩擦させ、供試品が破断に至るまでの回数を測定した。
また、往復摩擦させた際のストリング表面の状態を目視で観察して以下の判定を行った。
(表面状態)
○:ストリングの表面が毛羽立っていない
×:ストリングの表面が毛羽立っている
(ナイロン系芯鞘型熱融着性繊維の製造)
芯部がナイロン6樹脂(ユニチカ社製、BRF)、鞘部が共重合ナイロン樹脂(アルケマ社製、PLATAMID M1425F、融点155℃)となるように別々のエクストルーダー型紡糸機用いて溶融紡糸を行い(芯:鞘の質量比2.7:1)、延伸および弛緩熱処理を行って、1400dtex192フィラメントおよび235dtex48フィラメントのナイロン系芯鞘型熱融着性繊維を得た。
(実施例1)
1400dtex192フィラメントのナイロン系芯鞘型熱融着性繊維を6本引き揃えて芯材とした。この芯材の周囲に235dtex48フィラメントのナイロン系芯鞘型熱融着性繊維10本を螺旋状に巻き付けた。次いで、これを170℃に設定した熱風乾燥機内に2分間通して熱処理を行い、ガット用ストリングを得た。
得られたストリングを評価した結果、接着性は○であり芯材と側糸が剥離することなく接着されていた。
(実施例2)
1400dtex192フィラメントの単相のナイロンマルチフィラメントを6本引き揃えて芯材とした。この芯材の周囲に235dtex48フィラメントのナイロン系芯鞘型熱融着性繊維10本を螺旋状に巻き付けた。次いで、これを170℃に設定した熱風乾燥機内に2分間通して熱処理を行い、ガット用ストリングを得た。
得られたストリングを評価した結果、接着性は○であり芯材と側糸が剥離することなく接着されていた。
(実施例3)
1670dtex192フィラメントのポリエステル系芯鞘型熱融着性繊維(ユニチカ社製、MELSET(登録商標))6本を引き揃えて芯材とした。この芯材の周囲に280T48フィラメントのポリエステル系芯鞘型熱融着性繊維(ユニチカ社製、MELSET(登録商標))10本を螺旋状に巻き付けた。次いで、これを170℃に設定した熱風乾燥機内に2分間通して熱処理を行い、ガット用ストリングを得た。
得られたストリングを評価した結果、接着性は○であり芯材と側糸が剥離することなく接着されていた。
(実施例4)
1670dtex192フィラメントの単相のポリエステルマルチフィラメント6本を引き揃えて芯材とした。この芯材の周囲に280T48フィラメントのポリエステル系芯鞘型熱融着性繊維(ユニチカ社製、MELSET(登録商標))10本を螺旋状に巻き付けた。次いで、これを170℃に設定した熱風乾燥機内に2分間通して熱処理を行い、ガット用ストリングを得た。
得られたストリングを評価した結果、接着性は○であり芯材と側糸が剥離することなく接着されていた。
(実施例5)
直径0.93mmのナイロン6モノフィラメントを芯材として、この芯材の周囲に235dtex48フィラメントのナイロン系芯鞘型熱融着性繊維4本を巻回した。次いで、さらにこの外周に235dtex48フィラメントのナイロン系芯鞘型熱融着性繊維16本を用いて編組した。これを170℃に設定した熱風乾燥機内に2分間通して熱処理を行い、ガット用ストリングを得た。
得られたストリングの接着性を評価した結果、接着性は○であり芯材と側糸が剥離することなく接着されていた。
(実施例6)
直径0.93mmのポリエステルモノフィラメントを芯材として、芯材の周囲に280T48フィラメントのポリエステル系芯鞘型熱融着性繊維(ユニチカ社製、MELSET(登録商標))4本を巻回した。次いで、さらにこの外周に280T48フィラメントのポリエステル系芯鞘型熱融着性繊維(ユニチカ社製、MELSET(登録商標))16本を用いて編組した。これを170℃に設定した熱風乾燥機内に2分間通して熱処理を行い、ガット用ストリングを得た。
得られたストリングの接着性を評価した結果、接着性は○であり芯材と側糸が剥離することなく接着されていた。
(比較例1)
直径0.93mmのナイロン6モノフィラメントを芯材として、この芯材の周囲に235dtexのナイロンモノフィラメントを4本巻回した。次いで、さらにこの外周に235dtexのナイロン6モノフィラメントを16本用いて編組した。これを170℃に設定した熱風乾燥機内に2分間通して熱処理を行い、ガット用ストリングを得た。
得られたストリングの接着性を評価した結果、接着性は×であり芯材と側糸が剥離していた。
(比較例2)
直径0.93mmのナイロン6モノフィラメントを芯材として、この芯材の周囲に280dtexのポリエステルモノフィラメントを4本巻回した。次いで、さらにこの外周に280dtexのナイロン6モノフィラメントを16本用いて編組した。これを170℃に設定した熱風乾燥機内に2分間通して熱処理を行い、ガット用ストリングを得た。
得られたストリングの接着性を評価した結果、接着性は×であり芯材と側糸が剥離していた。
(実施例7)
1400dtex192フィラメントのナイロン系芯鞘型熱融着性繊維を8本引き揃えて芯材として、この芯材を200T/mで撚糸した。次いで、これを170℃に設定した熱風乾燥機内に2分間通して熱処理を行い、芯材のみで側糸を有しないガット用ストリングを得た。
得られたストリングの耐摩耗性を評価した結果を表1に示す。表1に示すように、耐摩耗性は良好であり、また摩耗させてもストリングが毛羽立ちにくいものであった。
(実施例8)
1670dtex192フィラメントのポリエステル系芯鞘型熱融着性繊維(ユニチカ社製、MELSET(登録商標))8本を引き揃えて芯材とし、この芯材を200T/mで撚糸した。次いで、これを170℃に設定した熱風乾燥機内に2分間通して熱処理を行い、芯材のみで側糸を有しないガット用ストリングを得た。
得られたストリングの耐摩耗性を評価した結果を表1に示す。表1に示すように、耐摩耗性は良好であり、また摩耗させてもストリングが毛羽立ちにくいものであった。
(比較例3)
1400dtex192フィラメントの単相のナイロンマルチフィラメントを8本引き揃えて芯材とし、この芯材を200T/mで撚糸した。次いで、撚糸表面へナイロン6樹脂を押出しコーティングし、1.3mmノズルを用いて絞りコーティング層を形成させて、芯材のみで側糸を有しないガット用ストリングを得た。
得られたストリングの耐摩耗性を評価した結果を表1に示す。表1に示すように得られたストリングの耐摩耗性は実施例5、6と比較して不良であった。特にストリングの表面状態は×であった。すなわち、ストリング表面の樹脂が剥がれて芯材のフィラメントが毛羽立った。
11 芯材
12 側糸

Claims (6)

  1. 低融点熱可塑性ポリマーと、この低融点熱可塑性ポリマーよりも高融点の高融点熱可塑性ポリマーとが複合化された複合型熱融着性繊維を含むマルチフィラメントにて構成され、溶融固化された低融点熱可塑性ポリマーによって、マルチフィラメントにおけるフィラメント同士が接着されるとともに、マルチフィラメントの表面が低融点熱可塑性ポリマーによって覆われていることを特徴とするガット用ストリング。
  2. マルチフィラメントまたはモノフィラメントにて構成された芯材と、マルチフィラメントにて構成された側糸とを有し、少なくとも側糸のマルチフィラメントが複合型熱融着性繊維を含み、複合型熱融着性繊維における溶融固化された低融点熱可塑性ポリマーによって、芯材と側糸または側糸同士が固定されていることを特徴とする請求項1記載のガット用ストリング。
  3. 複合型熱融着性繊維のマルチフィラメントにて構成された芯材を有するとともに、側糸は有さないことを特徴とする請求項1記載のガット用ストリング。
  4. 複合型熱融着性繊維は、鞘部に低融点熱可塑性ポリマーが配されるとともに、芯部に高融点熱可塑性ポリマーが配された芯鞘型熱融着性繊維であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載のガット用ストリング。
  5. 複合型熱融着性繊維がナイロン系樹脂またはポリエステル系樹脂にて構成されていることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載のガット用ストリング。
  6. 低融点熱可塑性ポリマーと、この低融点熱可塑性ポリマーよりも高融点の高融点熱可塑性ポリマーとが複合化された複合型熱融着性繊維にてマルチフィラメントを形成し、複合型熱融着性繊維における低融点熱可塑性ポリマーを溶融固化させることで、マルチフィラメントにおけるフィラメント同士を接着するとともに、マルチフィラメントの表面を低融点熱可塑性ポリマーによって覆うことを特徴とするガット用ストリングの製造方法。
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